説明

複数撚り合わせコイルバネ

本発明は、複数撚り線コードとして構成された複数の撚り線を含むコイルバネ組立品であって、前記複数撚り線コードが、4つ以上の有効巻線を備えた第1つる巻バネと、閉端を形成する少なくとも1つの無効巻線と、少なくとも約4インチの自由高さとに巻き取られた、コイルバネ組立品を提供することで、従来技術の欠点に対処する。本発明の前記コイルには多数の潜在的用途があるが、1つの特徴によれば、マットレス又は他の家具などの安息面における支持を提供するよう特別に寸法設定してある。幾つかの構成では、前記コードの前記撚り線が捻り合わされているが、他の構成では、前記撚り線は編み組みされている。幾つかの実施形態によれば、3本以上の撚り線が捻り合わされて、前記複数撚り線コードを形成している。他の実施形態では、3本以上の撚り線が編み組みされて、前記複数撚り線コードを形成している。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互引用】
【0001】
本願は、2003年10月15日付けで出願された米国特許出願第10/688852号の一部継続出願であり且つその優先権を主張し、この出願は、2003年2月19日付けで出願された米国特許出願第10/371177号の一部継続出願であり、更に、本願は、2003年10月17日付けで出願された米国特許仮出願第60/512115号の優先権を主張する。上述の全ての出願は、本明細書に引用して援用する。
【技術分野】
【0002】
本発明は一般にバネの構造に関し、より詳細には、一実施形態では複数撚り合わせコイルバネに関する。
【背景技術】
【0003】
これまで普及していた標準的なベッドの構造は、ボックススプリングを支持するフレームを含んでいる。そして、ボックススプリングがマットレスを支持するよう設計されている。マットレスには様々な寸法があり、様々な様式で構成されている。こうした構成の内で非常に優れたものの1つには、複数の分離したコイルスプリングを備えた内側コイルを使用したものがあり、これらコイルスプリングは、互いに紐で結びつけた個別の織物ポケット内に封入可能である。この種の組立品は、通常はマーシャル構造と呼ばれる。紐つなぎにしたコイルが構成されると、これらは、例えば山形紋状又は他のパターンに配列してバネ入り組立品とする。この組立品において、個々のバネは、互いに平行に配向された長手方向軸を備え、バネの端部が同一平面に位置した状態で、平面図で見て概ね長方形状となるように互いに近接配置されている。次には、適切にキルティングされたフォームパッドを用いて内側コイルを被覆し、人が寝るための概ね平坦な面を提供できる。内側コイルは両面で被覆されており、織物の縁取りが、対向する2つの表面カバーを繋ぐことで、一体のマットレス組立品とするのが好ましい。
【0004】
従来から、それぞれのバネは、コイル状にした一本の中実の鋼線から製造されている。このバネの特性は、例えば、ワイヤの太さやバネ寸法(ピッチ、巻線長、巻線径など)により規定されるものだが、これは、家具又はマットレスの座面又は安息面(原語:resting
surface)の所望特性に従って本発明の分野で公知の方式で選択できる。
【0005】
上述した従来型の中実ワイヤバネ構造の欠点の1つは、この種のバネに適した鋼材が高価な場合があることである。別の欠点としては、1つ又は複数のバネが正常に機能しない場合(例えば、破断して)、座面又は安息面の着座及び/睡眠快適性が損なわれてしまうことがある。従って、中実のワイヤバネほど製造費用が高価でなく、中実なワイヤバネの性能特性を保持し、或いはそれを上回るバネ構成を提供するのが望ましい。
【0006】
(発明の詳細な説明)
本発明は、複数撚り線コード(原語:multi-strand cordmulti-strand cord)として構成された複数の撚り線を含むコイルバネ組立品であって、前記複数撚り線コードが、4つ以上の有効巻線を備えた第1つる巻バネと、閉端を形成する少なくとも1つの無効巻線と、少なくとも約4インチの自由高さとに巻き取られた、コイルバネ組立品を提供することで、従来技術の欠点に対処する。本発明の前記コイルには多数の潜在的用途があるが、1つの特徴によれば、マットレス又は他の家具などの安息面における支持を提供するよう特別に寸法設定してある。幾つかの構成では、前記コードの前記撚り線が捻り合わされているが、他の構成では、前記撚り線は編み組み(原語:braidbraid)されている。幾つかの実施形態によれば、3本以上の撚り線が捻り合わされて、前記複数撚り線コードを形成している。他の実施形態では、3本以上の撚り線が編み組みされて、前記複数撚り線コードを形成している。
【0007】
ある構成では、前記撚り線は中実の鋼線から作製されている。しかし、他の構成では、前記撚り線は、例えば、青銅、アルミニウム、プラスチック、銅、チタン、ゴム、及び他の任意適切な材料製でよい。
【0008】
ある構成によれば、前記コードの前記撚り線は、全て同一の材料製である。しかし、代替的構成では、少なくとも1本の撚り線が、前記撚り線の少なくとも他の1本とは異なる材料から形成されている。更に、他の実施形態では、前記撚り線は、全て概ね同一の断面径(すなわちゲージ)を備えている。しかし、他の実施形態では、前記撚り線の少なくとも1本は、前記撚り線の少なくとも他の1本とは異なるゲージを備える。好適な一構成では、前記コードの前記撚り線は、全て概ね同一の断面形状を備える。しかし、代替的構成では、少なくとも1本の撚り線が、前記撚り線の少なくとも他の1本とは異なる断面形状を備える。
【0009】
好適な一実施形態によれば、前記複数撚り線コードは、連続的な単一区分コードとして形成されている。しかし、代替実施形態では、前記コードは、軸方向に端々接合して単一コードを形成する複数の長手区分を含む。こうした構成の幾つかによれば、前記コード区分の少なくとも1つは、他のコード区分の少なくとも1つの撚り線とは異なる材料から作製された1本又は複数本の撚り線を含む。他のそうした構成によれば、少なくとも1つの区分は多数の撚り線を含み、少なくとも1つの区分は単一撚り線である。この実施形態の変形例では、前記複数撚り線コードの少なくとも1つの撚り線が、複数の区分を含み、前記複数撚り線コードの少なくとも1つの撚り線が、連続的な単一区分の撚り線として形成されている。こうした一構成では、前記撚り線区分の少なくとも1つが、前記撚り線区分の少なくとも他の1つとは異なる材料から形成されている。1つの特徴によれば、互いに異なる弾性を提供するこうした区分構成によって、本発明の利点を用いて、可変バネ定数を備えたバネ組立品を形成できる。
【0010】
前記撚り線が互いに擦れ合って摩耗することによる悪影響を軽減するため、一構成によれば、1本又は複数本の撚り線には、前記複数撚り線コードに形成する前に、被覆、シール、又はその他の表面処理を施す。例として、前記撚り線は、プラスチック、エポキシ、又はポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標))で被覆できる。又、前記撚り線は、亜鉛メッキ又は陽極処理などの冶金処理により保護してもよい。代替的に又は組み合わせて、前記複数撚り線コード自体も、例えばエポキシ又はプラスチックを用いて被覆、シール、又は、その他の処理を施してもよい。一実施形態によれば、前記複数撚り線コードは、例えば軟質プラスチック又はゴムのスリーブに収容する。実施形態によっては、前記第1つる巻バネは、組み立てた後に、発泡体様又はゴム様材料に概ね包み込まれる。
【0011】
前記複数撚り線コードの前記撚り線は、一構成では、例えば一方又は両方の端末で結合する。付加的に又は代替的に、前記撚り線は、その全長に沿った数カ所で結合する。結合構造には、ハンダ付け、ろう付け、クリンプ加工、ブッシング、又は他の任意適切な接合構造及び/又は技法が含まれる。
【0012】
好適な一実施形態によれば、第1つる巻バネの全ての巻線は、概ね同一の外径を備える。しかし、他の実施形態では、前記巻線径は、前記バネの端部の一方の端末から他方の端末に向かって漸進的に減少させてもよい。他の実施形態では、前記巻線径は任意所望のパターンとなるよう変化させ、その場合は、例えば前記巻線径を、前記つる巻バネの第1端末から前記バネの中間点まで漸減し、その後、この中間点から前記バネの第2端末まで漸増させる。
【0013】
好適な一実施形態では、前記第1つる巻バネの各有効巻線は、概ね同一のピッチを備える。しかし、幾つかの構成では、第1巻線と第2巻線との間のピッチは、第2巻線と第3巻線との間のピッチとは異なる。
【0014】
本発明の別の局面によれば、前記バネ組立品は、前記第1つる巻バネの内部に同心状に配置した第2つる巻バネを含む。1つの特徴によれば、前記第2つる巻バネは、複数撚り合わせコードから形成されていることも含め、前記第1つる巻バネの任意の特徴を含むことができる。前記第1及び第2コイルは、一方又は両方の端末において、且つ/又はコイル全長に沿った数カ所で結合できる。
【0015】
他の局面によれば、本発明は、芯構造を画定するように配列された複数のコイルバネを含んだマットレス組立品のような安息面組立品を提供し、前記コイルバネの少なくとも部分集合は、複数撚り線コードから作製された複数撚り線コイルバネである。一構成では、前記複数撚り線コイルバネは、前記部分集合に属さないそれぞれのコイルバネと概ね平行に配置されている。前記複数撚り線コイルバネ及び前記部分集合に属さないコイルバネは、並んで配置されている。他の局面によれば、本発明は、芯構造を画定するように配列された複数のコイルバネを含んだマットレス組立品のような安息面組立品を提供し、前記コイルバネの少なくとも部分集合は、複合コイルバネを含み、前記複合コイルバネの第1区域が複数の撚り線から作製されており、前記複合コイルバネの第2区域が、長手バネ方向で前記第1区域に隣接し、単一撚り線から作製されている。前記第1及び第2区域の隣接した端部が、互いに強固に接続されている。
【0016】
その他の実施形態は、次の特徴の内の1つ又は複数を含むことができる。前記芯を形成する前記コイルバネは、単一撚り線コイルバネでも複数撚り線コイルバネでもよく、前記コイルバネは異なるバネ定数を備えていてもよい。前記コイルバネは、可変(例えば、非線形及び/又は漸増)バネ定数を備えていてもよい。支持を補強し且つ製造を単純化するため、前記コイルバネ及び前記複数撚り線コイルバネの少なくとも一部を、発泡体又はゴム様材料で囲むこともできる。或いは、前記芯全体を、前記発泡体又はゴム様材料で包み込むこともできる。又、前記複数撚り線コイルバネは、ポケット封入バネとして実現することもできる。
【0017】
本発明のその他の特徴及び利点は、次に記載する好適な実施形態の説明及び請求の範囲から明らかになるはずである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本明細書に記載されている複数撚り線コイルバネは、例えば、家具の座面及び安息面を含む様々なコイルバネ使用品を作製するのに利用できる。特に、この複数撚り線コイル構造は、マットレスの単一撚り線(原語:single
strand)又は中実コイルに取って代わるより融通の利く代替品となり、有用性及び性能が向上する。実例を示す目的で、本明細書に記載するコイルは、ポケットに封入したコイルマットレスを参照しつつ説明する。しかし、本発明はこれらに限定されるものでなく、座面材料、床敷き、兵器類、筆記具、ばね付き丁番設計、バネ錠機構、バネ巻きモータ(原語:spring
wound motor)、特殊医療用途、工具、スプリングブレーキ装置、弾性緩衝用途など、を含むがそれらに限定されない他のバネ用途にも利用できる。
【0019】
図1は、圧縮コイルバネを画定する基本的な幾何学的パラメータを示す。バネに関する主要な幾何学設計パラメータは、無負荷バネの長さを表す(L)、巻いてつる巻バネとするワイヤ又は他の材料の直径を表す(d)、つる巻バネの平均径を表す(D)、すなわち(Douter+Dinner)/2、及びつる巻バネの巻部分の数を表す合計巻線数(N)である。他の有用な設計パラメータは、バネ座又は基部に接触した各端部における、バネに負荷を掛けた時に実質的に変形していない無効巻部分でなく、変形するコイルの数を表す有効巻数(N)、大きな負荷が掛かり巻線間の全ての隙間が閉じた場合の、バネの最小長さを表す密着高さ(L)、隣接した有効巻線におけるワイヤの中心間距離を表すピッチ(p)である。家具の座面及び安息面におけるバネは、典型的には図1に示した種類の閉端バネを用いる。閉端バネは、典型的にはその各端部に最大1つの無効巻線を含む。
【0020】
通常は、バネ材の選択が、パラメータによるバネ設計の第1段階である。材質は、温度範囲、引長強度、弾性係数、疲労寿命、耐腐食性、コストなどの幾つかの要因に基づいて選択できる。バネ用の高炭素鋼が、全てのバネ材の中でも最も普通に用いられている。バネ用高炭素鋼は、比較的安価で、容易に入手でき、容易に加工できる。例としては、ピアノ(ASTM A228)線及び硬引き(ASTM A227)ワイヤなどがあり、これらは例えばマットレスに用いるバネに適している。バネワイヤは、亜鉛メッキしたり、プラスチック又はエポキシで被覆したりして表面処理できる。
【0021】
マットレスのコイルバネを構成するのに用いられるバネワイヤの直径は、典型的には約0.06インチ(16ゲージ)と約0.09インチ(13ゲージ)との間で、それぞれのコイルバネは、単一撚り線のバネワイヤからなる。マットレスコイルバネの厳密な設計パラメータは、例えば、所望の堅さに依存し、この堅さは、マットレスの単位面積当たりのバネ数により決定される。単一撚り線及び本発明による複数撚り線コイルは、可変バネ定数を備えるように設計できる。この意味は、バネの変位量(原語:excursion)excursion)が、加えられた負荷に対して非線形に変動するということである。
【0022】
図2は、本発明の例示的な実施形態による複数撚り線コイルバネ20を概略的に示す。コイルバネ20は、折り曲げてコイルバネ20を作製する複数撚り線コード22を用いる。少なくとも2本の撚り線を捻り合わせて複数撚り線コード22を形成するのが好ましい。しかし、用いる撚り線の数は、用途及び撚り線の作製に用いる材料の種類によって異なる。幾つかの構成では、コード22は、3本以上の撚り線を編み組みして作製する。好適な1つの構成では、複数撚り線コード22は、3本乃至約50本の編み組みした撚り線を含む。後述するように、出願人の試験によると、編み組みした或いは捻り合わせた複数撚り線コードからなるコイルバネは、従来の単一撚り線バネに比べて性能特性が向上することを示している。
【0023】
例示的なコイルバネ20は閉端バネであり、3本の撚り線から形成されている。このバネは、約2インチの外径22を備え、巻線の数N=6で、1つの巻線24は上述のように無効巻線である。例示的な自由長L26は、約5インチと約6インチとの間である。バネ20は、例えば、 ASTM A227/A228などの炭素鋼製で、各撚り線は、約17.5ゲージに等しい0.514インチ(1.3mm)の外径を備える。このようにパラメータを設定すると、バネ定数は約1.4ポンドとなり、次の特性を備えることになる。

【0024】
【表1】

【0025】
図示した設計の複数撚り線バネの耐疲労性能は、約2.75インチの撓みにおいて約100,000乃至約1,000,000回の動作サイクルであると推定され、これは約15年の耐用年数に対応する。このバネの効率及び性能は、撚り線の数と共に向上すると考えられる。しかし、コストも撚り線の数と共に増加する傾向にある。出願人は、約2.75インチで撓ませた場合、バネの応力弛緩は15年間で約5%以下にしかならないと推定している。
【0026】
本発明の大きな利点は、複数撚り線バネは、1本又は複数の撚り線が破損した場合でも機能し続けるという意味で、事実上の故障耐性があることが挙げられる。撚り線は、捻っても、編んでも、留めても、接着してもよく、更に、本発明の範囲から逸脱することなく、複数撚り線コイルバネを形成するための任意適切な方法を用いることができる。撚り線は、例えば、鋼材、アルミニウム、プラスチック、銅、チタン、ゴム、及び他の任意適切な材料製でよく、材料の種類は特定の用途に従って選択する。更に、撚り線は、卵形、円形、六角形、正方形、これら形状を平たくしたもの、又は任意適切な断面形状でよく、任意の数の巻線を備えるよう形成してよい。更に、撚り線のゲージは用途に合わせて変更してよく、一実施形態では約710ゲージだが、他のゲージも使用できる。又、巻線自体は有効又は無効巻線として形成してよく、実質的に全て同一の巻線径(D)を備えることができる。或いは、巻線径(D)は巻線毎に異なっていてもよく、例えば、巻線径(D)は順に増加又は減少するか、或いは両者の組合せとして、例えば可変バネ定数を備えたコイルバネを作製するために任意適切な巻線径パターンを付与してもよい。可変バネ定数を備えた巻線を作製する他の方法は、図6を参照して後述する。
【0027】
更に、巻線は、概ね円形の形状として示したが、楕円、六角形、四角形、正方形、又はその他任意適切な形状としてもよい。更に、図2において、ピッチ(P)は、有効巻線間で実質的に均一として示したが、これに従う必要はなく、ピッチは有効巻線間でばらつきがあってもよい。
【0028】
例示的な複数撚り線コイルバネ20を作製するには、まず、コード作製する(原語:cording)前に個々の撚り線を螺旋状に捻る。複数撚り線バネの螺旋は、個々の撚り線の螺旋に対向しているのが好ましく、こうすればバネを圧縮するなどして操作した時に、撚り線が緩もうとするのを防止できる。更に、通常のバネと同様に、巻き取りの際にはコードにトルクを掛ける。
【0029】
一実施例では、巻き取りは、網組みコードを、鋼製マットレスコイルを製造するのに用いる種類のコイラに通して実行する。コイラにおいては、ノイズ及び振動を防止するため、巻部分が接触しないように、厚手の鋼線は樽型コイルに圧縮される。次に、コイルをポケット封入機又はステーションに送って、バネをデュオン(原語:Duon)などの非アレルギー性の不織布からなる個別のスリーブに封入する。繊維を溶かして固体プラスチック継ぎ目を形成する処理を施すことにより、各スリーブを超音波シールする。次に、コイルを融着させて、強く安定した構造とする。各構成単位内のコイルの数は様々でよく、コイルの種類、撚り線の数、及び撚り線のゲージは、ポケット毎に異なっていてよく、更に、複数撚り線コイルを単一撚り線コイルと組み合わせて用いてもよい。
【0030】
個別の撚り線は、少なくともコイルの両端において互いに結合されている。撚り線は、コイル全長にわたって互いに擦れ合うことがあり、これが擦過及び早期摩耗を引き起こすことがあるので、撚り線には被覆し且つ/又は予め亜鉛メッキを施すか、それ以外の方法で処理してもよい。更に、この複数撚り線コイルは、エポキシなどのシーリング材でシール/被覆してもよい。
【0031】
1つの特徴としては、複数撚り線コイルバネ20の複数の撚り線は、例えば、青銅やチタンなどの異なる種類の金属や、異なる弾性特性を備えた様々な種類のバネ鋼などの異なる材質から作製してもよい。こうすれば、様々な通常のコイルワイヤを大量に入手又は在庫しておかなくても、バネの弾性又はバネ定数を個別の用途に合わせて調製できる。例えば適切なプラスチックなどの、バネ様の特性を備えた他の弾性材料を使用してもよい。
【0032】
撚り線の擦過を防止するため、複数撚り線コードの作製時又はコイルの形成時に、撚り線は、複数撚り線コードの全長にわたる所定位置で選択的に溶接してもよい。その後、コイルは、複数撚り線コードに沿って被覆又は亜鉛メッキ加工するか、或いは、コイル全体を、発泡体様又はゴム様の材料で包み込んでもよい。発泡体様又はゴム様材料は、コイル撚り線に注ぐか、巻き付ければよい。代替的に又は付加的に、発泡体様又はゴム様材料の「塊」でコイルを完全に囲んでもよいし、マットレス芯全体を発泡体で充満させてもよい。これは、複数撚り線コイルバネを横方向で安定化させ、且つ/又は発泡体が空気を通過させない場合は、コイルバネを環境的影響から保護できる。
【0033】
図3は、複数撚り線ワイヤコイル26を用いて作製されたマットレス20の断面を示し、バネの少なくとも端部区域を発泡体22、24に包み込むことで、マットレスを付加的に支持している。又、ゴム及び/又はラテックスのような他の弾性材料を使用してもよい。この構成により、バネの端部を個々にフレームに又は互いに結合する必要がなくなり、ユーザの快適な使用に合わせた睡眠面が提供される。1つの特徴としては、この例示的な構造は、複数撚り線コイルに付加的な横方向支持を与えるという利点がある。ここで図4及び5を参照すると、複数撚り線コイルバネの支持構造及びこのマットレスの一般的構造を向上させるには、発泡体30には、バネの巻部分に概ね平行(32a,32b,32c)に切れ目を入れ(図5)、発泡体をコイルバネ34の側面に押し込むことで、発泡体30をコイルバネの間、すなわちその回りに配置すればよい。このアプローチにより、マットレス内のバネの数を減らすことができ、従って、マットレスの重量及び製造コストも減少する。ユーザの所望の睡眠快適性に関連したマットレスの弾力性は、複数撚り線コイルバネを発泡体に完全に包み込むことにより、ユーザの必要性に合わせて更に調節可能である。気孔を密閉した発泡体なら、複数撚り線コイルバネを腐食から保護することもできる。こうした保護は、複数撚り線コイルバネでは中実のワイヤバネに比べ更に重要であり、それは、複数撚り線コイルバネの表面積対体積比がより大きく、上述したように、擦過によってバネ表面に弱点が形成される可能性があるからである。
【0034】
発泡体に密閉され/包み込まれた複数撚り線コイルバネは、通常のパターンで配置する必要はなく、バネ定数が異なるバネも容易に組み込むことができる。こうすれば、異なるバネ定数を持つバネを任意所望のパターンで配置することにより、睡眠面における異なる領域において柔らかさが異なるマットレスを、容易に作製できる。発泡体に包み込んだバネは、その他の機械的な補強を(発泡体の他には)施す必要がなく、例えばホグリングやつづり金で相互に連結する必要がないので、このマットレス設計は、付加的な工具整備を行うことなく、容易に実現し且つ迅速に変更でき、従って、製造コストも減少する。
【0035】
図3及び5にも示したように、垂直バネのような他の種類のバネ要素39を複数撚り線コードから作製して、発泡体30で支持するか、或いは発泡体30内に包み込んでもよい。切れ目の配向は、バネ要素の個々の区域33、35の配向に一致するように配列すればよい。更に、隣接するバネ34及び/又はバネ要素39は交互配列するように結合でき、その場合、バネ要素39の上区域は、横ワイヤ38によって隣接するバネ要素39の上区域に連結させ、上区域で連結したバネ要素39の下区域は、次のバネ要素39(図示しない)の下区域に連結させていく。こうすることで、連続した複数バネを個別のバネに分離することなく、途切れのない1本のワイヤ(中実又は編み組/撚り合わせ)から作製できる。
【0036】
更に、図5は、複数撚り線バネ34を、マットレスの全長の少なくとも一部に沿って延伸する列に配置できることを示す。一実施例では、複数撚り線バネ34は、マットレスの周縁に設けた縁部支持体として配置されおり、マットレスの縁部をより頑丈且つ堅固にできる。この目的のため、これら複数撚り線バネは、マットレス内部で用いる他のバネに比べてバネ定数を大きくしてもよい。複数撚り線バネ34の堅さの選択には、支えを増大するという使用目的を念頭に置けばよく、具体的には、ユーザの体重でマットレス縁部が潰れることなく、ユーザがマットレス縁部に快適に着座できる程度の支えを提供するという目的で選択すればよい。縁部の支えは、マットレスの側面縁部に設けてもよく、マットレスの周囲全体に設けてもよい。
【0037】
図6は、可変バネ定数を備えることができるバネ60の例示的な一実施形態を示す。本発明の複数撚り線ワイヤコイルは、こうしたバネの設計で利用できる。可変バネ定数を備えたバネ60は、ユーザが掛ける圧力が小さい場合は「柔らかく」反応し、ユーザが重くなるにつれ「固く」反応するマットレス安眠面を実現できる。バネ60の第1区域62は、例えば、第1の典型的には低バネ定数(より堅いバネ)を備えた中実コイルワイヤから作製できる。第2区域64は例えば複数撚り線コイルワイヤとし、更に、各区域62、64の隣接した端部に被せたスリーブ66をクリンプ加工することで、この区域64を区域62の一端に取り付けることができる。スリーブ66は、その部分に掛かる捻り応力又はその他の力に耐えうる金属又は頑丈なプラスチックでよい。スリーブ66を使用するか否かに関わらず、区域62及び64を連結する他の手段には、例えば、溶接又はろう付けが含まれる。
【0038】
複数撚り線コイルバネの好適な性質としては、同一のコード径及び同一コード材料を用いた場合に、複数撚り線コイルバネは、単一撚り線コイルバネに比べてバネ定数が大きくなることがある。結果として、本発明の複数撚り線バネを用いると、複数撚り区域64が第1負荷で圧縮されて「柔らかく」反応し、その後、単一撚り線区域62が、第1負荷に比べて大きな負荷で圧縮されて、区域64に比べ「堅く」反応するように、バネ60を構成できる。こうした反応は、例えば、上述のように発泡体(30、図4及び5を参照)を挿入することで更に調節できる。
【0039】
図7に示した別の例示的な実施形態では、1つの複数撚り線コイル72を、直径がそれより大きい別の(複数撚り線ワイヤ)コイルバネ72内に挿入し且つ/又はその内部で固定して、組合せバネ70を作製する。上述したバネパラメータの内側72及び外側74バネを選択することで、組合せバネ70は、所望の不変又は可変バネ定数を備えるように構成でき、従って、図6の複合バネ60に類似した利点を提供する。コイルバネ72及び74の一方又は両方は、複数撚り線コード、編組みコード、又は単一撚り線から作製しもよいし、図6に示した分割コイル構成としてもよい。1つの特徴によれば、家具のマットレス芯又は他の安息面を作製するには、先ず、外側コイルバネを所望のパターンに配列し、次に、複数撚り線ワイヤコイルを外側コイルバネ内部に選択的に配置すればよい。内側コイルは、例えば、ホグリング、ワイヤ、ストラップなどの従来の方法で外側コイルに固定できる。この作製方法は、図3乃至5に示した発泡体構造を用いることで特に簡略化でき、この場合、外側コイルバネに付加的な機械的付属器具を取り付けることなく、内側コイルバネを、発泡体を取り付ける前に外側バネの内部に配置するだけでよい。
【0040】
図8A乃至8Bは、図2に示した例示的な複数撚り線コイルバネが屈曲する様子を示す。試験結果から、平均的ゲージの鋼製撚り線からなる3コード複数撚り線コイルバネは、高さ約9.75インチ(図8A)から高さ約1.5インチ(図8B)までの約4百4十万回のコイル屈曲に、分離することなく耐えることが実証された。このコイルバネは、市販のコイラ装置を用いて製造したもので、鋼製撚り線にはバンドや被覆は用いられていない。ここに使用した種類の複数撚り線コイルバネは、広い範囲のコイルバネ用途に適した性能特性を備えており、それ以外の用途も十分満たすように調製できる。こうした用途には家具の使用例や、特に、上述の実施形態で例示したマットレスなどの安息面や、他の一般的なコイルバネ使用例が含まれる。これら他の用途には、兵器類、筆記具、ばね付き丁番設計、バネ巻きモータ、バネ錠機構、特殊医療用途、工具、スプリングブレーキ装置、弾性緩衝用途など、が含まれるがそれらには限定されない。
【0041】
別の実施例では、複数撚り線コイルバネ製造に用いられる種類の複数撚り線コードを、マットレス製作において、単一撚り線ボーダーワイヤの代わりに通常のボーダーワイヤとして使用してもよい。より一般的には、複数撚り線コード及びこうしたコードから作製された複数撚り線コイルは、多くの用途で単一撚り線ワイヤ及び単一撚り線コイルに取って代わることができる。そうした用途としては、可縮性(原語:yielding)及び非可縮性ボックススプリング、又は他のマットレス若しくは安息面支持構造がある。
【0042】
一実施例によれば、上述の複数撚り線バネは、送り込むコードの捻りを除去する適切な巻線機(例えば、本明細書に引用してその全体を援用する、「コイルバネを製造するための方法」と題する、本発明の譲受人に譲渡された米国特許出願第10/611,363号に開示された巻線機)を用いることで、複数撚り線コードから作製できる。複数撚り線ワイヤから作製したこうした連続コイルの性能は、巻線間で巻き取り方向(原語:sense)を同一に維持しつつ巻き取った場合に最も向上する傾向にあり、バネの収縮時に個々の撚り線の緩みが防止される。
【0043】
本発明を、図示し且つ詳細に説明した例示的な実施形態に関連して記載してきたが、当業者には、様々な修正及び改良が可能なことは明らかなはずである。例えば、本明細書でコイルバネとして説明した複数撚り線バネは、他の適切な形状、径、又は高さを備えることも可能である。マットレス又は他の安眠面は、片面のみとしたり、単方向性にしたりできる。本発明のバネは、親バネ及びジョーイコイル(原語:joey
coil)とすることもでき、或いは任意に、負荷が異なる場合は複数の異なる堅さを提供できる。又、本発明のバネを用いて、特定の堅さ勾配を付けた安息面を提供することもできる。複数撚り線コイルバネは、ポケット封入コイルマットレスにも、開放コイルマットレスにも使用可能である。これらコイルバネは、シートクッション、車のシート、及びソファに使用可能である。更に、こうしたコイルバネは、コイルバネが使用されてさえいれば、単一撚り線コイルバネを代替可能である。例えば、本発明の複数撚り線バネは、穴開け器、パンチ、及びホッチキスなどの事務用品に使用できる。本発明のバネは、バネ銃を含む武器類にも使用できる。本発明のバネは、特定の患者治療などの目的に特に合わせて調製したものを含んだ、特殊医療用途にも利用できる。本発明のバネは、ばね付き丁番設計、バネ錠機構、及びスプリングブレーキ装置でも利用できる。又、本発明のバネは、釘打ちガン、バネモータ、溶接クランプ、及びマルノコを含む様々な工具でも使用できる。本発明のバネは、弾性緩衝システムにも使用できる。本発明のバネは、ライファースプリング(原語:lifer
spring)などの内燃機関にも使用できる。従って、本発明の精神及び範囲は、次の請求の範囲によってのみ限定される。
【図面の簡単な説明】
【0044】
次の図は、本発明の幾つかの例示的な実施形態を示すもので、類似の参照番号は類似の要素を示す。これら図面中では、類似の参照番号は類似の部材を示し、これら部材は一定の縮尺率で図示されているとは限らない。
【図1】従来の閉端コイルバネを概略的に示す。
【図2】図2は、本発明の例示的な一実施形態による複数撚り線コイルバネを概略的に示す。
【図3】本発明の例示的な一実施形態に従って、図2に示した種類のコイルの端部を、発泡体/ゴム様の材料に埋め込んだマットレスの断面図を示す。
【図4】溝付き発泡体/ゴム支持体に挿入されている、図2に示した種類のバネの斜視断片図を示す。
【図5】図4のバネ及び溝付き発泡体/ゴム支持体の分解斜視断片図を示す。
【図6】本発明の例示的な一実施形態による、2つのバネ区分から作製された例示的な複合バネを概略的に示す。
【図7】図2に示した種類の複数撚り線コイルバネから作製した、コイルの中にコイルを入れたバネ組立品を示す。
【図8】(A) 図2に示した種類の複数撚り線コイルバネが、力を受けて屈曲する様子を示す。 (B) 図2に示した種類の複数撚り線コイルバネが、力を受けて屈曲する様子を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数撚り線コードとして構成された複数の撚り線を含むコイルバネ組立品であって、前記複数撚り線コードが、4つ以上の有効巻線を備えた第1つる巻バネと、閉端を形成する少なくとも1つの無効巻線と、少なくとも約4インチの自由長とに巻き取られた、コイルバネ組立品。
【請求項2】
前記複数の撚り線が捻り合わされている、請求項1に記載のコイルバネ組立品。
【請求項3】
前記複数の撚り線が編み組みされている、請求項1に記載のコイルバネ組立品。
【請求項4】
前記複数の撚り線が、捻り合わせて前記複数撚り線コードとした2本の撚り線からなる、請求項1に記載のコイルバネ組立品。
【請求項5】
前記複数の撚り線が、捻り合わせて前記複数撚り線コードとした3本の撚り線からなる、請求項1に記載のコイルバネ組立品。
【請求項6】
前記複数の撚り線が、捻り合わせて前記複数撚り線コードとした3本以上の撚り線からなる、請求項1に記載のコイルバネ組立品。
【請求項7】
前記複数の撚り線が、編み組みして前記複数撚り線コードとした3本の撚り線からなる、請求項1に記載のコイルバネ組立品。
【請求項8】
前記複数の撚り線が、編み組みして前記複数撚り線コードとした3本又は4本以上の撚り線からなる、請求項1に記載のコイルバネ組立品。
【請求項9】
前記複数の撚り線が、全て同一の材料から形成されている、請求項1に記載のコイルバネ組立品。
【請求項10】
前記複数の撚り線の少なくとも1本が、前記複数の撚り線の少なくとも他の1本とは異なる材料から形成されている、請求項1に記載のコイルバネ組立品。
【請求項11】
前記複数の撚り線の少なくとも1本が複数の区分を備え、前記複数区分の少なくとも1つが、前記複数区分の少なくとも他の1つとは異なる材質から形成されている、請求項1に記載のコイルバネ組立品。
【請求項12】
前記複数の撚りコードが、複数の区分を備え、前記複数区分の少なくとも1つが、前記複数区分の少なくとも他の1つとは異なる材質から形成されて、可変バネ定数を提供する、請求項1に記載のコイルバネ組立品。
【請求項13】
前記複数の撚りコードが被覆材を備えた、請求項1に記載のコイルバネ組立品。
【請求項14】
前記被覆材がシール材を含む、請求項13に記載のコイルバネ組立品。
【請求項15】
前記被覆材がプラスチックを含む、請求項13に記載のコイルバネ組立品。
【請求項16】
前記被覆材がエポキシを含む、請求項13に記載のコイルバネ組立品。
【請求項17】
前記複数の撚り線の少なくとも1本が、陽極表面処理を含む、請求項1に記載のコイルバネ組立品。
【請求項18】
前記複数の撚り線の少なくとも1本がプラスチック被覆剤を含む、請求項1に記載のコイルバネ組立品。
【請求項19】
前記複数の撚り線が、前記複数撚り線コードの少なくとも一端で互いに固定されている、請求項1に記載のコイルバネ組立品。
【請求項20】
前記複数の撚り線が、前記複数撚り線コードに沿った複数位置で互いに固定されている、請求項1に記載のコイルバネ組立品。
【請求項21】
前記第1つる巻バネの回りに形成された包み込み材料を含む、請求項1に記載のコイルバネ組立品。
【請求項22】
前記複数の撚り線が、全て概ね等しい外径を備えた、請求項1に記載のコイルバネ組立品。
【請求項23】
前記複数の撚り線の少なくとも1本が、前記複数の撚り線の少なくとも他の1本とは異なる外径を備えた、請求項1に記載のコイルバネ組立品。
【請求項24】
前記有効巻線の全てが、概ね等しい外径を備えた、請求項1に記載のコイルバネ組立品。
【請求項25】
前記有効巻線の少なくとも1つが、前記有効巻線の少なくとも他の1つとは異なる外径を備えた、請求項1に記載のコイルバネ組立品。
【請求項26】
前記有効巻線それぞれが、それに関連付けられた外径を備え、前記第1つる巻バネの第1末端から前記第1つる巻バネの第2末端にわたって、後続の有効巻線それぞれの外径が、直前の有効巻線の外径より漸進的に縮小していく、請求項1に記載のコイルバネ組立品。
【請求項27】
前記有効巻線の少なくとも第1番目が、前記第1つる巻バネの第1末端の近傍に位置し、前記有効巻線の少なくとも第2番目が、前記末端の第2端部の近傍に位置し、前記第1及び第2番目の有効巻線それぞれが、前記第1及び第2番目の有効巻線の中間に位置した有効巻線の少なくとも1つより大きい外径を備える、請求項1に記載のコイルバネ組立品。
【請求項28】
前記有効巻線が、概ね等しいピッチを備えた、請求項1に記載のコイルバネ組立品。
【請求項29】
前記有効巻線の第1番目と第2番目との間のピッチが、前記有効巻線の第2番目と第3番目のピッチとは異なる、請求項1に記載のコイルバネ組立品。
【請求項30】
前記第1つる巻バネの内部に同心状に配置した第2つる巻バネを含む、請求項1に記載のコイルバネ組立品。
【請求項31】
前記第2つる巻バネが、複数撚り線コードから作製されている、請求項30に記載のコイルバネ組立品。
【請求項32】
前記第1つる巻バネの前記複数撚り線コードと前記第2つる巻バネの前記複数撚り線コードとが、少なくとも1つの末端で接続されている、請求項31に記載のコイルバネ組立品。
【請求項33】
マットレス芯構造を画定するように配列された複数の撚り合わせコイルバネを備えたマットレス組立品であって、
前記撚り合わせコイルバネのうち複数を、前記撚り合わせコイルバネのその他それぞれと概ね平行に配置し、その際に、前記撚り合わせコイルバネの長手方向上端部を、前記撚り合わせコイルバネの長手方向軸に直角な概ね共通な面内に位置させて、平面状のマットレス上面を提供し、
前記撚り合わせコイルバネの少なくとも複数が、所定のバネ特性を備え、ワイヤ撚り線から作製されている、マットレス組立品
【請求項34】
前記撚り線のそれぞれが、前記撚り合わせコイルバネの捻り方向とは反対方向へ螺旋状に捻られている、請求項33に記載の組立品。
【請求項35】
前記撚り合わせコイルバネのそれぞれが、少なくとも3本の撚り線を含む、請求項33に記載の組立品。
【請求項36】
前記撚り線が、亜鉛メッキ外面、プラスチック上塗り、及びエポキシ上塗りからなるグループから選択された保護被膜を備えた、請求項33に記載の組立品。
【請求項37】
前記撚り合わせコイルバネが保護被膜を備えた、請求項33に記載の組立品。
【請求項38】
前記撚り合わせコイルバネが中心コードなしで作製されている、請求項33に記載の組立品。
【請求項39】
前記マットレス芯が、ポケット封入コイルマットレス芯を含む、請求項33に記載の組立品。
【請求項40】
前記マットレス芯が、開放コイルマットレス芯を含む、請求項33に記載の組立品。
【請求項41】
マットレス芯構造を画定するように配列された複数の撚り合わせコイルバネを備えたマットレス組立品を製造するための方法であって、
第1捻り方向に螺旋状に捻られたバネワイヤを作製する段階と、
前記螺旋状に捻られたバネワイヤの複数を組合せ、且つ、前記組み合わせたバネワイヤを前記第1捻り方向と反対の方向に捻って、撚り合わせコイルバネを作成する段階と、
前記撚り合わせコイルバネを、その他の前記撚り合わせコイルバネと概ね平行に配置し、その際に、前記撚り合わせコイルバネ全ての長手方向上端部を、前記撚り合わせコイルバネの長手方向軸に直角な概ね共通の面内に位置させて、前記バネの前記端部により画定された平面状のマットレス上面を提供する段階とを含む、マットレス組立品を製造するための方法。
【請求項42】
前記複数の撚り合わせワイヤを、少なくとも前記バネのそれぞれの端部で接合する段階を更に含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記撚りワイヤに保護被膜を施す段階を更に含む、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記保護被膜が、亜鉛メッキ、プラスチック上塗り、及びエポキシ上塗りからなるグループから選択される、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記撚り合わせコイルバネに保護被膜を施す段階を更に含む、請求項41に記載の方法。
【請求項46】
前記撚り合わせコイルバネが中心コードなしで作製されている、請求項41に記載の方法。
【請求項47】
前記撚り合わせコイルバネが、少なくとも3本の捻りバネワイヤから作製されている、請求項41に記載の方法。
【請求項48】
前記撚り線を、少なくとも前記バネのそれぞれの端部で接合する段階を更に含む、請求項41に記載の方法。
【請求項49】
第1捻り方向で螺旋状に捻られたバネワイヤを作製する前記段階が、捻りワイヤ編組をワイヤコイラ装置に通す段階を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項50】
マットレス組立品であって、
マットレス芯構造を画定するように配列された複数のコイルバネと、
複数の撚り線から作製された少なくとも1つの複数撚り線コイルバネであって、前記コイルバネの対応するものの内部に配置した少なくとも1つの複数撚り線コイルバネとを含む、マットレス組立品。
【請求項51】
マットレス組立品であって、
マットレス芯構造を画定するように配列された複数のコイルバネを含み、
前記コイルバネの少なくとも部分集合が、複数の撚り線から作製された複数撚り線コイルバネであって、前記部分集合に属さない前記コイルバネのそれぞれと、概ね平行に配置されている複数撚り線コイルバネを含み、
前記複数撚り線コイルバネ及び前記部分集合に属さないコイルバネが並んで配置されている、マットレス組立品。
【請求項52】
前記複数の撚り線の少なくとも1本が、前記複数の撚り線の他の1本とは異なる材料から製造されている、請求項50又は51に記載のマットレス組立品。
【請求項53】
前記材料が、鋼鉄、青銅、及びプラスチックからなるグループから選択される、請求項52に記載のマットレス組立品。
【請求項54】
前記コイルバネ及び前記複数撚り線コイルバネの少なくとも一部が、発泡体又はゴム様材料で囲まれている、請求項50又は51に記載のマットレス組立品。
【請求項55】
前記コイルバネ及び前記複数撚り線コイルバネが、発泡体又はゴム様材料に包み込まれている、請求項54に記載のマットレス組立品。
【請求項56】
前記コイルバネが、中実のワイヤバネを含む、請求項50又は51に記載のマットレス組立品。
【請求項57】
前記コイルバネが、複数撚り線コイルバネを含む、請求項50又は51に記載のマットレス組立品。
【請求項58】
前記複数撚り線コイルバネが、前記コイルバネとは異なるバネ定数を備えた、請求項50又は51に記載のマットレス組立品。
【請求項59】
マットレス組立品であって、
マットレス芯構造を画定するように配列された複数のコイルバネを含み、
前記コイルバネの少なくとも部分集合が複合コイルバネを含み、前記複合コイルバネの第1区域が複数のワイヤ撚り線から作製されており、前記複合コイルバネの第2区域が、長手バネ方向で前記第1区域に隣接し、中実なコイルワイヤから作製され、更に、前記第1及び第2区域の隣接した端部が、互いに強固に接続されている、マットレス組立品。
【請求項60】
前記第1及び第2区域が、前記第1及び第2端部に被せたブッシングにより互いに結合されている、請求項59に記載のマットレス組立品。
【請求項61】
前記第1及び第2区域が、材料接合により互いに結合されている、請求項59に記載のマットレス組立品。
【請求項62】
前記材料接合が、溶接又はろう付け結合を含む、請求項61に記載のマットレス組立品。
【請求項63】
ボーダーワイヤを更に含み、前記ボーダーワイヤの少なくとも一部が、複数撚り線ワイヤから作製されている、請求項50、51、又は59の何れかに記載のマットレス組立品。
【請求項64】
前記複数撚り線ワイヤの各ワイヤ撚り線が、前記複数撚り線コイルバネの捻り方向とは反対方向へ螺旋状に捻られている、請求項50に記載のマットレス組立品。
【請求項65】
前記複数撚り線ワイヤが、少なくとも3本の撚り線を含む、請求項50、51、又は59の何れかに記載のマットレス組立品。
【請求項66】
前記複数撚り線ワイヤが、亜鉛メッキ外面、プラスチック上塗り、及びエポキシ上塗りからなるグループから選択された保護被膜を備えた、請求項50、51、又は59の何れかに記載のマットレス組立品。
【請求項67】
前記撚り合わせコイルバネが保護被膜を備えた、請求項50、51、又は59の何れかに記載のマットレス組立品。
【請求項68】
前記撚り線コイルバネが、中心コードなしで作製されている、請求項50、51、又は59の何れかに記載のマットレス組立品。
【請求項69】
前記マットレス芯が、ポケット封入マットレス芯を含む、請求項50、51、又は59の何れかに記載のマットレス組立品。
【請求項70】
前記前記マットレス芯が、開放マットレス芯を含む、請求項50、51、又は59の何れかに記載のマットレス組立品。
【請求項71】
前記マットレス芯が、コイルバネが連続配列されるよう交互連結されたコイルバネを含む、請求項51に記載のマットレス組立品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【公表番号】特表2006−518829(P2006−518829A)
【公表日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−512628(P2005−512628)
【出願日】平成16年2月19日(2004.2.19)
【国際出願番号】PCT/US2004/004962
【国際公開番号】WO2004/074706
【国際公開日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【出願人】(502249172)ドリームウェル リミテッド (13)
【氏名又は名称原語表記】DREAMWELL, LTD.
【Fターム(参考)】