複数流体注入装置用グラフィカルユーザインターフェースの使用方法及びシステム
一の取り得る態様において、本発明は、使用者が流体注入装置の注入動作を制御することに利用され得るグラフを作成するグラフスペースを有するグラフィカルユーザインターフェースに関する。ある態様において、該グラフィカルユーザインターフェースは、流体の所望の注入ファンクションを入力及び表示するためのグラフスペース表示を有するグラフ視覚化手段;使用者が流体を選択することを可能とする1又はそれ以上の流体選択アイコ;及び、使用者がグラフスペース内を操作して選択した流体について注入ファンクションを作成することを可能とする位置選択アイコンを含むことができる。ある態様において、1又はそれ以上の注入ファンクションは、注入プロトコルを定義するため同じグラフスペース内にグラフとしてプロットされることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には対象者に流体を注入するための医療機器に関し、より詳細には注入パラメータを選択し、制御するためのユーザインターフェースに関する。
【背景技術】
【0002】
現在利用可能な画像診断装置(例えば、CTスキャナ、PET装置、MRI装置等)は、診断画像を得るため造影剤等の流体を対象者に注入することに依存していることがある。流体注入装置は、対象者への自動的な造影剤投与に使用できるよう開発されてきた。このような流体注入システムは、流体の流速、注入する流体量、注入時間等の注入パラメータを使用者が決定することに依存していることがある。流体注入装置が入力された注入パラメータに基づいて造影剤を対象者に注入するよう、操作者は注入パラメータを流体注入装置に入力することができる。そして、注入された造影剤は、対象者によって生理的に処理され、撮像装置が対象者の増強された画像を得ることができることを可能とする。
【0003】
一部の例では、複数の流体を連続して又は同時に対象者に注入することが望ましいことがある。複数の流体を対象者に注入するため、使用者は、対象者に第一の流体を注入するための注入パラメータ、及び、対象者に第二の流体を注入するための注入パラメータを入力することができる。また、操作者は、いつの時点で2番目の注入を開始するかを特定することができる。注入ファンクションの経過中、得られる画像の品質を向上させるため、所定の流体について、流速又は量等の注入パラメータを変化させることが望ましい場合がある。一部の例では、流体注入ファンクションが1又はそれ以上の注入フェーズに分かれている場合がある。注入フェーズは、従来、固定の流体量に対する一定の注入流速として記載されてきた。所定の流体についての連続した注入フェーズは、グループ化されて注入プロトコルとなることがある。
【0004】
背景技術として、図1は、一定の流速及び固定の量のフェーズを別々に、連続的に列挙し、特定することの両方に用いられる表示部15を有するエンパワシーティ(EMPOWER CT)遠隔制御インターフェース10を図示したものである。表示部15は、破線四角で強調表示されている。本インターフェースの限定及び制限は、(i)流速及び量の欄は個別に、入力又は編集のため、接触又はマウスにより作動すること;及び(ii)接触又はマウスにより作動後、個々の流速及び量の欄の数値は、数値キーパッド又は上下矢印を介して特定されることを含んでいることがある。一部の例では、表示部15に表示することができるフェーズ数に現実的な限界があることがあり、注入プロトコル内にあることが望ましい全てのフェーズを同時に視覚化することができないことがある。従前の装置は、使用者が画面上に表示されていない注入フェーズを見ることを可能とするため、上/下スクロール矢印に依存していることがある。
【0005】
複数流体注入手順において、上述の表示部は、1又はそれ以上の追加流体についてのデータを含むため、拡張されることが必要な場合がある。追加データは、一定の流速及び固定の量に加え、例えば、造影剤、生理食塩水、又は、洗浄媒体等の流体のタイプをフェーズ基準毎に特定することに用いられることがある。
【0006】
根本の米国特許公開第2004/0199076号公報には、使用者がタッチペンを使用して所望の流速及び注入時間をグラフ上でコンピュータに入力することができる統合型コントロールパネルを有する液体注入器が記載されている。そして、該液体注入器は、当該グラフを使用して、所望の流速及び長さの時間で液体を対象者に注入することができる。根本により記載された注入装置は、上述の不利な点の一部を克服しているが、なお一部の不利な点を有する。まず、コントロールパネルが、注入装置に統合されている。このことは注入装置の設置場所を制限し、使用者が注入完了まで画像診断室に留まることを必要とすることがある。次に、所望の流速及び注入時間をグラフ上入力するため、使用者は最初に注入する身体部位を選択する。用途によっては、所望の注入パラメータを入力する際に特定の身体部位を選択しないことが望ましいこともある。
【発明の開示】
【0007】
本発明の概要
一の取り得る態様において、本発明は、使用者が流体注入装置の注入動作を制御するために利用することができるグラフを作成することができるグラフスペースを有するグラフィカルユーザインターフェースに関する。ある態様において、使用者は流体注入装置の動作を制御するために利用することができるグラフをプロットするため、グラフスペースを使用してもよい。ある態様において、コンピュータ又は制御装置は、当該グラフを利用して、流体を対象者に注入するための注入プロトコルを定義してもよい。
【0008】
一の取り得る態様において、本発明は、グラフィカルユーザインターフェースを利用した、流体注入装置の動作制御のためのグラフ視覚化手段から構成される。当該グラフ視覚化手段は、流体の所望の注入ファンクションを入力及び表示するためのグラフスペース表示、使用者が流体を選択することを可能とすることができる1又はそれ以上の流体選択アイコン、並びに、選択した流体の注入ファンクションを作成するため使用者がグラフスペース内を操作することを可能とすることができる位置選択アイコンを備えることができ、これにより流体注入装置は作成された注入ファンクションを利用して対象者に流体を注入してもよい。ある態様において、1又はそれ以上の注入ファンクションは、同一グラフスペース内にグラフとしてプロットされて注入プロトコルを定義してもよい。
【0009】
一の態様において、グラフィカルユーザインターフェースは、流体注入装置の注入動作を制御することに利用することができる、グラフスペース内の注入ファンクションをグラフとしてプロットすることに使用することができるグラフ視覚化手段を包含してもよい。他の取り得る態様において、グラフ視覚化手段は、1又はそれ以上の、流体選択アイコン、位置選択アイコン、及び、セグメント選択アイコンを有するコントロールパネルを含む。ある態様において、1又はそれ以上の流体選択アイコンは、使用者がグラフスペース内に注入ファンクションを作成する1又はそれ以上の流体を選択することを可能としてもよい。一の態様において、位置選択アイコンは、使用者がグラフスペース内を操作し、グラフスペース内に区分注入プロトコルを定義するため結合されることができる第n番目のポイント及び第(n+1)番目のポイントを選択することを可能としてもよい。
【0010】
一の取り得る態様において、本発明は、使用者が1又はそれ以上の流体について1又はそれ以上の注入ファンクションをグラフとしてプロットすることができるグラフスペースを有するグラフィカルユーザインターフェースを包含してもよい。ある態様において、1又はそれ以上の注入ファンクションは、グラフスペース内で第一の注入ファンクションの一部が少なくとも第二の注入ファンクションの一部と重なり合うように作成されていてもよい。注入ファンクションの重なり合う部分は、2又はそれ以上の流体を同時に注入する注入プロトコルを定義してもよい。
【0011】
一の取り得る態様において、本発明は、流体注入装置、当該流体注入装置と操作可能に接続しているコンピュータを含むことができる流体注入システムから構成されていてもよい。ある態様において、プロセッサが、流体注入装置を制御すること、及び、使用者がグラフィカルユーザインターフェースを用いて1又はそれ以上の流体の流体注入パラメータをグラフとしてコンピュータに入力することを可能とすることが可能となるための、コンピュータ読取り可能コードをコンピュータが有していてもよい。一の取り得る態様において、使用者は、注入する対象者の身体部位とは独立して、流体注入パラメータをコンピュータにグラフとして入力してもよい。流体注入システムは、また、グラフィカルユーザインターフェースを表示するための視覚的表示、及び、使用者が当該グラフィカルユーザインターフェース上で注入パラメータをグラフとして入力することを可能とする少なくとも1つの入力装置を包含してもよい。コンピュータは、グラフィカルユーザインターフェースを使用してグラフとしてプロットされた流体注入パラメータを利用して、流体注入装置の動作を制御することができる。ある態様において、入力された注入パラメータは、注入ファンクション又は注入プロトコルに相当してもよい。
【0012】
他の取り得る態様において、本発明は、流体注入装置を制御するよう設定されてもよいコンピュータ読取り可能プログラムコードを有するコンピュータで利用可能な媒体を含んでいてもよいコンピュータプログラムプロダクトから構成されていてもよい。ある態様において、コンピュータプログラムプロダクトは、注入ファンクションをグラフとしてプロットすることに使用することができるグラフィカルユーザインターフェースをコンピュータが表示するよう設定されたコンピュータ読取り可能コードを含んでいてもよい。ある態様において、グラフィカルユーザインターフェースは、注入ファンクションをグラフとしてプロットする領域を定義し、コンピュータが流体注入装置の動作制御に使用する、グラフスペースを含んでいてもよい。ある態様においては、コンピュータプログラムプロダクトは、グラフスペース内で注入ファンクションをグラフとしてプロットする1又はそれ以上の流体を使用者が選択することを可能とする1又はそれ以上の流体選択アイコン、及び、選択された流体についてグラフスペース内で注入ファンクションをグラフとしてプロットするため、使用者がグラフスペース内を操作することを可能とする位置選択アイコンを含んでいてもよい。一の態様において、コンピュータ読取り可能コードは、コンピュータが注入ファンクションを利用して流体注入装置を制御するよう設定されていてもよい。
【0013】
また、他の態様において、本発明は、a)使用者にグラフィカルユーザインターフェースを提示する工程、ここで当該グラフィカルユーザインターフェースは流体の注入ファンクションを入力及び表示するためのグラフスペース表示を含んでいてもよい;b)最初の流体を選択する工程;c)グラフスペース内の第一ポイントを選択する工程;d)グラフスペース内の第二ポイントを選択する工程;並びにe)グラフ内の第一ポイント及び第二ポイントを接続して、流体注入装置の注入動作をコンピュータが制御することに利用するグラフスペース内の第一領域を定義する工程を備える流体注入装置の制御方法から構成されていてもよい。ある態様において、当該方法はグラフ(例えば、注入ファンクション)を利用した流体注入装置の制御工程を含んでいてもよい。
【0014】
以上より、本発明は、流体注入装置の動作制御に用いる1又はそれ以上の注入プロトコルをグラフとして作成するためのシステム、コンピュータプログラムプロダクト、及び、方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明の概略を説明するため、添付図面について参照するが、当該図面は一定の縮尺で描かれている必要はない。
【図1】図1は、一定の流速及び固定の量のフェーズを別々に、連続的に列挙し、特定することの両方に用いられる表示部を有する、従来技術のエンパワシーティ(EMPOWER CT)遠隔制御インターフェースを図解したものである。
【図2】図2は、非限定的に本発明の取り得る一の態様を示したものであり、注入ファンクションをグラフとしてプロットすることに使用されるグラフスペースを有するグラフィカルユーザインターフェースであって、グラフスペースに制御データがグラフとして入力されていないものを図解したものである。
【図3】図3は、非限定的に本発明の取り得る一の態様を示したものであり、グラフスペースに注入ファンクションがグラフとしてプロットされたグラフィカルユーザインターフェースを図解したものである。
【図4】図4は、非限定的に本発明の取り得る一の態様を示したものであり、本発明の一の態様に従って、流体注入装置を制御する過程をフローチャートで示したものである。
【図5】図5は、非限定的に本発明の取り得る一の態様を示したものであり、流体注入装置制御に利用することができる注入ファンクショングラフをグラフとして作成する過程をフローチャートで示したものである。
【図6】図6は、非限定的に本発明の取り得る一の態様を示したものであり、図3の注入ファンクションの続きであって、使用者が第二の注入ファンクションを作成して、図3の注入ファンクションと組み合わせた注入プロトコルをグラフとして作成したものを図解したものである。
【図7】図7は、非限定的に本発明の取り得る一の態様を示したものであり、本発明の一の態様に従って、第二の注入ファンクションをグラフとして作成する過程をフローチャートで示したものである。
【図8】図8は、非限定的に本発明の取り得る一の態様を示したものであり、図6の注入ファンクションが続いた結果を図解したものであり、ここで使用者は第二の流体について第三の注入ファンクションを追加している。
【図9】図9は、非限定的に本発明の取り得る一の態様を示したものであり、第二の流体の注入ファンクションをグラフとして作成する過程をフローチャートで示したものである。
【図10】図10は、非限定的に本発明の取り得る一の態様を示したものであり、使用者が、第一及び第二の流体の同時注入に利用することができる、第二の流体の注入ファンクションをグラフとしてプロットしたものを図解したものである。
【図11】図11は、非限定的に本発明の取り得る一の態様を示したものであり、複数流体の同時注入を制御することに利用することができる注入ファンクションをグラフとして作成する過程をフローチャートで示したものである。
【図12】図12は、非限定的に本発明の取り得る一の態様を示したものであり、外部装置から提供された感知入力により生成した注入ファンクションのある制御装置を図示したものである。
【図13】図13は、非限定的に本発明の取り得る一の態様を示したものであり、注入の適切性を観察するための可視資料の役割をするグラフィカルユーザインターフェースを図解したものである。
【図14】図14は、非限定的に本発明の取り得る一の態様を示したものであり、コンピュータシステムに注入パラメータをグラフとして入力するために使用することができるグラフィカルユーザインターフェースを含む注入器遠隔制御装置を有する画像診断部屋を示したものである。
【図15】図15は、非限定的に本発明の取り得る一の態様を示したものであり、コンピュータシステムに注入パラメータをグラフとして入力するために使用することができるグラフィカルインターフェース上に重ねて表示されたグラフ視覚化手段を有するエンパワシーティ(EMPOWER CT)表示を図解したものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の詳細な説明
以下、添付図面を参照しながら本発明をより詳細に説明するが、当該説明は本発明の一部の態様を示すものであり、本発明の全ての態様を示すものではない。本発明は、他の多くの形態により具体化することができ、ここで説明する態様に限定して解釈されるべきではない。本明細書全体にわたって、同一番号は同一の構成要素を参照している。本明細書において、「典型的な」とは、非限定的に本発明が取り得る一の態様を示すものである。
【0017】
一の取り得る態様において、本発明は、対象者に流体を注入することに適した装置を含むがこれに限定されない医療機器の動作制御のためのグラフ視覚化手段から構成されていてもよい。このような装置はグラフィカルユーザインターフェースを利用していてもよい。ある態様において、当該装置は、流体注入ファンクション、通信ファンクション、血管外遊出ファンクション、観察ファンクション等を含むがこれに限定されるものではない。ある態様において、グラフ視覚化手段は、所望のファンクションを入力し、表示するためのグラフスペース表示を含んでもよいがこれに限定されるものではない表示を有していてもよい。このようなファンクションは、1又はそれ以上の流体に対するものであってよい。例えば、グラフ視覚化手段は、例えば使用者が1又はそれ以上の流体から、使用者が所望の注入ファンクションを入力することができる流体を選択することを可能とすることができる、1又はそれ以上の選択アイコンを備えていてもよい。また、グラフ視覚化手段は、例えば、選択した流体について注入ファンクションを作成するため使用者がグラフスペース内を操作することを可能とする、1又はそれ以上の選択アイコンを備えていてもよい。
【0018】
一の取り得る態様において、流体注入装置は、対象者に流体を注入するために所望の注入ファンクションを使用してもよい。ある態様において、グラフスペースは、デカルト座標系等の三次元又は二次元の座標系を含むがこれに限定されない1又はそれ以上の軸を有する座標系を備えていてもよい。ある態様において、デカルト座標系は、注入時間を示す第一軸及び注入の流体流速を示す第二軸を含んでいてもよい。一の取り得る態様において、グラフ視覚化手段は、注入する流体量を表示するテキスト形成部を含んでいてもよい。
【0019】
一の取り得る態様において、グラフ視覚化手段は、流体注入装置のための制御装置上で作動するよう設定されていてもよい。一の取り得る態様において、制御装置は流体注入装置と分離していてもよい。ある態様において、注入ファンクションはグラフスペース内の第一ポイント及び第二ポイント間のグラフプロットにより定義される。一の取り得る態様において、1又はそれ以上の注入ファンクションは、結合して注入プロトコルを定義してもよい。また他の取り得る態様として、第一の流体に対する1又はそれ以上の注入ファンクションは、第二の流体やその他の流体に対する1又はそれ以上の注入ファンクションと結合してもよい。
【0020】
一の取り得る態様において、グラフィカルユーザインターフェースは、使用者がグラフスペース内を操作して、1又はそれ以上のファンクション(例えば、注入ファンクション)を見、作り、編集することを含んでもよいがこれに限られること無くこれらのファンクションを操作及び/又はやり取りすることを可能としてもよい、セグメント選択アイコンを含んでいてもよいがこれに限られるものではない。一の取り得る態様において、グラフ視覚化手段は、使用者が第一の流体を備える第一の注入ファンクション及び第二の流体を備える第二の注入ファンクションをグラフスペースにグラフとしてプロットするよう入力することを可能としてもよく、ここで、第二の注入ファンクションはグラフスペース内において少なくとも第一の注入ファンクションの一部と重なり合い、同時流体注入の注入プロトコルを定義する。また、他の取り得る態様において、グラフィカルユーザインターフェースは、タッチスクリーンを備えていてもよい。ある態様において、使用者は、マウス、キーボード、タッチペン又はこれらの組み合わせ等の入力装置を用いてファンクションをグラフとしてプロットしてもよい。一の取り得る態様において、位置選択アイコンは、使用者が注入ファンクションを作成可能とするため、グラフスペース内を操作可能であってもよい。ある態様において、グラフ視覚化手段は、第一の流体についての第一の注入ファンクション及び第二の流体についての第二の注入ファンクションを互いに異なる色で表示するよう設定されていてもよい。
【0021】
一の取り得る態様において、本発明は、流体注入装置、当該流体注入装置と操作可能に接続しているコンピュータ等の制御装置を備えるシステムを含んでいてもよく、ここで、当該コンピュータは、プロセッサが当該流体注入装置を制御し、かつ、使用者が1又はそれ以上の装置ファンクションを制御するパラメータをグラフとして入力することを可能とするため、コンピュータ読取り可能コードを含んでいてもよい。一の取り得る態様において、入力パラメータには、1又はそれ以上の流体注入パラメータが含まれていてもよい。一の取り得る態様において、使用者は、グラフィカルユーザインターフェースを用いて注入される対象者の身体部位と独立して流体注入パラメータを制御ユニットに入力することができてもよい。ある態様において、システムは、グラフィカルユーザインターフェースを表示する視覚的表示、及び、使用者がグラフィカルユーザインターフェース上で注入パラメータをグラフとして入力することを可能とする入力装置を含んでいてもよい。一の態様において、制御ユニットは、流体注入装置の動作を制御するため、入力された流体注入パラメータを利用してもよい。ある態様において、制御ユニットは画像診断部屋の制御室に配置されていてもよく、また、流体注入装置は画像診断部屋の画像診断室に配置されていてもよい。
【0022】
ある態様において、注入パラメータは、注入流速、注入時間、注入量、流体媒体、又はこれらの組み合わせを含んでいてもよいが、これらに限定されるものでもない。一の取りうる態様において、入力装置は、ポインタ、タッチパッド、キーボード、又はこれらの組み合わせを含んでいてもよいが、これらに限定されるものではない。ある態様において、使用者は、流体注入装置の所望の動作を示すグラフィカルユーザインターフェース上に表示された第一のグラフに流体注入パラメータをグラフとして入力してもよい。一の取りうる態様において、グラフは、注入時間を示す第一の軸及び注入流速を示す第二の軸を有する座標系内にあってもよい。他の取りうる態様において、グラフは、注入時間を示す第一の軸及び注入する流体量を示す第二の軸を有する座標系内にあってもよい。一の取り得る態様において、グラフィカルユーザインターフェースは、第一のグラフと重ね合わされた第二のグラフを表示するよう設定されていてもよく、ここで、第二のグラフは流体注入装置のリアルタイム動作を表す。
【0023】
一の取り得る態様において、コンピュータ読取り可能コードは、使用者が第一の流体について流体注入パラメータをグラフとして入力し、第二の流体について流体注入パラメータをグラフとして入力して、流体注入装置の所望の動作を表すグラフ上に同時に表示させることを可能としてもよい。ある態様において、グラフィカルユーザインターフェースは、注入パラメータをグラフとしてコンピュータに入力する1又はそれ以上の流体を使用者が選択することを可能とする、流体選択アイコンを含んでいてもよい。ある態様において、グラフィカルユーザインターフェースは、使用者が複数の時間において対象者に注入する複数種類の流体を選択可能とし、かつ、使用者が、例えば、1から2、2から8、及び、8又はそれ以上の、複数流体注入を選択し及び/又は計画することを可能とするよう適合していてもよい。
【0024】
また、別の取り得る態様において、グラフィカルユーザインターフェースは、第一及び第二ポイントの位置が注入ファンクションに対応するグラフ内の領域を定義するような、グラフスペース内の第一ポイント及びグラフスペース内の第二ポイントを使用者が選択することを可能とする位置選択アイコンを含んでいてもよい。一の態様において、少なくとも2つの注入パラメータは、注入流速及び注入時間を含んでいてもよい。一の取り得る態様において、グラフ内に入力された第一ポイント及び第二ポイントは、注入する流体の量を示すグラフスペース内の面積を定義してもよい。
【0025】
ある態様において、グラフィカルユーザインターフェースは、注入装置により注入される流体の量を表示するように設定されていてもよい。ある態様において、グラフィカルユーザインターフェースは、注入する第一の流体を選択するための第一流体選択アイコン、及び、注入する第二の流体を選択するための第二流体選択器を含んでいてもよい。一の取り得る態様において、第一選択アイコンは、使用者が造影剤を選択することを可能としてもよく、第二選択アイコンは、使用者が洗浄液を選択することを可能としてもよい。一の取り得る態様において、グラフィカルユーザインターフェースは、流体について所望の注入ファンクションを入力及び表示するためのグラフスペース表示、使用者が流体を選択することを可能とする1又はそれ以上の流体選択アイコン、並びに、使用者が、選択した流体の注入ファンクションを作成するためグラフスペース内を操作することを可能とする位置選択アイコンを含んでいてもよく、流体注入装置は対象者に流体を注入するため作成された注入ファンクションを利用してもよい。
【0026】
他の取り得る態様において、本発明は、流体注入装置を制御するよう設定されていてもよいコンピュータ読取り可能プログラムコードを有するコンピュータ利用可能媒体を備えるコンピュータプログラムプロダクトを含んでいてもよい。ある態様において、コンピュータプログラムプロダクトは、1)コンピュータが流体注入装置の動作制御に利用する注入ファンクションをグラフとしてプロットするための領域を定義するグラフスペース、2)使用者が、グラフスペース内で注入ファンクションをグラフとしてプロットする1又はそれ以上の流体を選択することを可能とする、1又はそれ以上の流体選択アイコン、及び、3)選択された流体についてグラフスペースに注入ファンクションをグラフとしてプロットするため、使用者がグラフスペース内を操作することを可能とする位置選択アイコン、を有するグラフィカルユーザインターフェースをコンピュータが表示するように設定されたコンピュータ読取り可能コードを備えていてもよい。
【0027】
ある態様において、コンピュータ読取り可能コードは、グラフとして作成された注入ファンクションを利用してコンピュータが流体注入装置を制御するよう設定されていてもよい。一の取り得る態様において、グラフスペースは、第一の軸が時間を表し、第二の軸が流体の流速を表す座標系内にあってもよい。他の取り得る態様において、グラフは、第一の軸が時間を表す、第二の軸が流体量を表す座標系内にあってもよい。また、他の取り得る態様において、グラフスペースは、第一の軸が流体流速を表し、第二の軸が流体量表す座標系内にあってもよい。一の取り得る態様において、コンピュータ読取り可能コードは、1つのグラフ又は複数のグラフ、例えば10又はそれ以上のグラフ、をグラフィカルユーザインターフェースが表示するよう設定されていてもよい。ある態様において、コンピュータ読取り可能コードは、1又はそれ以上のファンクションが表示されていてもよい複数のグラフスペース表示をグラフィカルユーザインターフェースが表示するよう設定されていてもよい。
【0028】
一の取り得る態様において、コンピュータ読取り可能コードは、流体注入装置の所望の動作を表す第一のグラフをグラフィカルユーザインターフェースが表示するよう設定されていてもよい。他の取り得る態様において、コンピュータ読取り可能コードは、注入中の流体注入装置の実動作を表す第二のグラフをコンピュータが表示するよう設定されていてもよい。また、他の取り得る態様において、コンピュータ読取り可能コードは、時間関数として流体圧を表示する第三のグラフを同時に表示するように設定されていてもよい。ある態様において、第二のグラフは第一のグラフに重ねて合わせられていてもよい。ある態様において、グラフィカルユーザインターフェースは、第一の流体の注入プロトコルを表す第一のグラフ、及び、第二の流体の注入プロトコルを表す第二のグラフを含んでいてもよい。一の取り得る態様において、コンピュータ読取り可能コードは、注入される流体量を計算し、表示するよう設定されていてもよい。
【0029】
一の取り得る態様において、コンピュータ読取り可能コードは、使用者が、1)第一の流体を選択する;2)位置選択アイコンを使用してグラフ内の第一ポイントを選択する;3)位置選択アイコンを使用してグラフ内の第二ポイントを選択する、のうち1又はそれ以上を行うことを可能とするよう設定されていてもよく、ここで、コンピュータ読取り可能コードは、流体注入装置の注入動作制御にコンピュータが利用するグラフスペース内の領域を定義するため、第一及び第二ポイントを結合するよう設定されている。
【0030】
他の取り得る態様において、コンピュータ読取り可能コードは、使用者が、最初の流体を選択すること、及び、位置選択アイコンを使用してグラフスペース内の第三ポイントを選択すること、のうち1又はそれ以上を行うことができるよう設定されていてもよく、ここで、コンピュータ読取り可能コードは、第二及び第三ポイントを結合してグラフスペース内の第二の範囲を決定し、それにより区分注入ファンクションを決定するよう設定されている。また、他の取り得る態様において、コンピュータ読取り可能コードは、使用者が、流体を選択する;位置選択アイコンを使用してグラフスペース内の第n番目のポイントを選択する;及び、位置選択アイコンを使用してグラフスペース内の第(n+1)番目のポイントを選択する、のうち1又はそれ以上を行うことができるよう設定されていてもよく、ここで、コンピュータ読取り可能コードは、第n番目のポイント及び第(n+1)番目のポイントを結合して、流体注入装置の注入動作制御にコンピュータが利用するグラフスペース内の1又はそれ以上の領域を定義するよう設定されている。
【0031】
ある態様において、コンピュータ読取り可能コードは、第一ポイントと第二ポイントを結合するために利用する曲線形式をコンピュータが選択するよう設定されていてもよい。一の取り得る態様において、コンピュータ読取り可能コードは、コンピュータが流体注入装置に指示してグラフスペース内の第一ポイント及び第二ポイント間の曲線により示された速度で第一の流体を注入するよう設定されていてもよい。
【0032】
一の取り得る態様において、グラフは、グラフィカルユーザインターフェースと接続されていてもよいセンサや外部装置を使用して作成されてもよい。他の取り得る態様において、グラフはデータベースを利用して作成されてもよい。一の取り得る態様において、コンピュータプログラムプロダクトは、流体注入装置の制御装置上で作動してもよい。他の取り得る態様において、コンピュータプログラムプロダクトは、撮像装置の制御装置上で作動してもよい。また、他の取り得る態様において、コンピュータプログラムプロダクトは、流体注入装置及び撮像装置を制御するよう設定された制御装置上で作動してもよい。
【0033】
他の取り得る態様において、本発明は、以下のステップを備える、流体注入装置の制御方法を含んでいてもよい:1)流体の注入ファンクションを入力及び表示するためのグラフスペース表示を含むグラフィカルユーザインターフェースを使用者に提示する工程;2)第一の流体を選択する工程;3)グラフスペース内の第一ポイントを選択する工程;4)グラフスペース内の第二ポイントを選択する工程;5)流体注入装置の注入動作制御にコンピュータが利用するグラフスペース内の第一の領域を定義するため、グラフスペース内の第一及び第二ポイントを結合する工程;及び6)注入ファンクションを利用して流体注入装置を制御する工程。
【0034】
ある態様において、本発明の方法は、グラフスペース内の1又はそれ以上の領域を定義するため、グラフスペース内の、例えば、2から5、4から10、及びそれらの並び替え等の、複数のポイントを接続する工程を含んでいてもよい。一の取り得る態様において、本発明の方法はまた、次の工程を含んでいてもよい:第二の流体を選択する工程;グラフスペース内の第三ポイントを選択する工程;及び流体注入装置の注入動作制御にコンピュータが利用するグラフスペース内の第二の領域を決定するため、グラフスペース内の第二及び第三ポイントを結合する工程。ある態様において、第二の領域の少なくとも一部は、グラフスペース内で第一の領域と重ねて合わせられていてもよい。ある態様において、グラフスペースは、1又はそれ以上の流体について1又はそれ以上の注入ファンクションを含んでいてもよい。
【0035】
一の取り得る態様において、グラフスペース内のポイントを結合する工程は、更に、第一ポイントと第二ポイントを結合するため使用する曲線形式を選択する工程を備えていてもよい。ある態様において、本発明の方法は、流体注入装置の制御装置と通信しているセンサ又は外部装置を使用して注入ファンクションをグラフスペース内に入力することを備えていてもよい。一の取り得る態様において、第一の流体を選択する工程は、グラフィカルユーザインターフェース上に提示された1又はそれ以上の流体選択アイコンと作用することを含んでいてもよい。ある態様において、グラフスペース内の第一及び第二ポイントを選択する工程は、更に、グラフィカルユーザインターフェースにより提示された位置選択アイコンと作用することを備えていてもよい。他の取り得る態様において、流体注入装置を制御する工程は、第一ポイント及び第二ポイント間の曲線により示された流速で第一の流体を注入するよう流体注入装置に指示する工程を備えていてもよい。
【0036】
一の取り得る態様において、本発明は、注入システムと共に使用することができるグラフ視覚化手段、及び、流体注入装置の注入動作が制御されていてもよいコンピュータに1又はそれ以上の注入パラメータをグラフとして入力するための当該手段の使用方法に関する。一の態様において、グラフ視覚化手段は、流体注入装置と操作可能に接続していてもよい制御装置上で作動してもよい。他の態様において、グラフ視覚化手段は、任意の流体の注入プロトコルをグラフとしてプロットすることに使用されてもよい。これにより作成された注入プロトコルは、対象者への流体の注入を制御することに利用されてもよい。
【0037】
一の取り得る態様において、グラフ視覚化手段は、流体を対象者に投与するための注入システムと連動して使用されてもよい。一の取り得る態様において、流体注入システムは、造影剤等の流体の有効量を投与することに使用可能な流体注入装置、及び、当該流体注入装置と操作可能に接続している制御インターフェースを含んでいてもよい。注入システムは、1又はそれ以上の制御インターフェースを含んでいてもよい。制御インターフェースは、流体注入装置とデータを送受信してもよい。一の態様において、本発明のグラフィカルユーザインターフェースは、流体注入装置と操作可能に接続している制御インターフェース上で作動してもよい。注入装置は、患者又は対象者に造影剤を供給することに使用されるものであればどのような種類のものでもよい(例えば、イー−ゼット−イーエム(E−Z−EM)社製、エンパワシーティインジェクター(EMPOWER CT Injector)等)。一の取り得る態様において、注入システムは、撮像システムと連動して使用されてもよい。撮像システムは、撮像制御装置、患者若しくは対象者の体内の造影剤を観察及び表示し、患者又は対象者の体内イメージを取得し、その他の診断データを制御装置又は記憶媒体に提供することに使用することが可能な撮像デバイス又は装置を備えていてもよい。撮像システムは、撮像装置に操作可能に接続した撮像インターフェースを有していてもよい。ある態様において、注入システム及び撮像システムは、共通の制御装置に操作可能に接続していてもよい。
【0038】
用語「造影剤」は、個々の体の選択した範囲を強調しかつ/又は同定するために、個体又は対象者に注入可能であれば、いかなる適切な媒体をも含む。造影剤には、放射線不透ヨード注入剤、生理食塩水、洗浄剤等、及び、これらのどのような組み合わせ又混合物を含んでもよいが、これに限定されるものではない。造影剤は、CTスキャン、MRI、PET、超音波等の医療診断撮像に使用される撮像装置と共に使用することができる。
【0039】
図面について説明すると、図2は、グラフィカルユーザインターフェースを利用した流体注入装置の動作を制御するための、グラフ視覚化手段52の取り得る一の態様である表示画面50を示す。図2は、グラフィカルユーザインターフェースに制御データが未入力であるグラフ視覚化手段を図解している。表示画面50は、グラフスペース55(注入定義領域等)を形成してもよい第一の表示枠54を含んでいてもよい。一の取り得る態様において、表示画面は、使用者により、コンピュータモニタ、LCDモニタのような視覚的表示上に視覚化されてもよい。ある態様において、表示画面は、使用者が入力行為を通じて操作指示を入力又は選択してもよいタッチスクリーンを備えていてもよい。グラフスペースは、注入プロトコルに対応してもよい注入ファンクションを使用者がグラフとしてプロットすることを可能としてもよい。本発明の説明において、「注入プロトコル」とは、継続時間にわたって流体流速が変化してもよい、対象者への1又はそれ以上の流体の注入のことをいう。
【0040】
ある態様において、注入プロトコルは、1又はそれ以上の注入ファンクションを備えていてもよい。本発明の説明において、「注入ファンクション」とは、グラフスペースにグラフとしてプロットされた、選択された流体についてのグラフのセグメントのことをいう。任意の流体の注入ファンクションは、継続時間にわたって予定する量の流体を供給するため流速が変化してもよい。一の取り得る態様において、グラフスペースは、注入ファンクションを作成するため、注入パラメータを互いに対してグラフとしてプロットすることに使用されてもよい。例えば、一の取り得る態様において、注入流速は、所望の長さの時間に対してグラフとしてプロットされてもよい。ある態様において、注入ファンクションを決めるため、量、時間、流速のような追加の注入パラメータが、互いに対してグラフとしてプロットされてもよい。
【0041】
ある態様において、注入プロトコルは、グラフスペース内の複数の注入ファンクションを含んでいてもよく、又は、単一の注入ファンクションを備えていてもよい。単一の注入ファンクションを備える場合には、注入ファンクションは注入プロトコルとなる。グラフ視覚化手段を使用する際、使用者は、注入プロトコルを作成するためグラフスペース55内に任意の流体について複数の注入ファンクションをグラフとしてプロットしてもよい。ある態様において、1又はそれ以上の注入ファンクションを組み合わせて注入プロトコルを作成してもよい。注入プロトコルは、グラフスペース55にグラフとしてプロットされた1又はそれ以上の注入ファンクションを組み合わせることにより作成してもよい。
【0042】
ある態様において、グラフスペース55は、第一の軸58及び第二の軸56を有するデカルト座標系に相当する注入定義領域を備えていてもよい。ある態様において、軸58は、継続時間又は時間の長さを表していてもよく、軸56は、対象者に注入される流体の注入流速を表していてもよい。本態様において、使用者は、流体の流速が注入継続時間に対してプロットされるように、グラフスペース内に注入ファンクションをグラフとしてプロットしてもよい。一の取り得る態様において、軸56、58は、注入ファンクションをグラフとして示す手段として、注入量対時間等の他の注入パラメータを表していてもよい。
【0043】
グラフ視覚化手段52はまた、グラフスペース55内に1又はそれ以上の注入ファンクションをグラフとしてプロットするための手段を有する、コントロールパネル60を含んでいてもよい。一の取り得る態様において、コントロールパネル60は、1又はそれ以上の流体選択アイコン62、64を含んでいてもよい。流体選択アイコン62、64は、グラフ視覚化手段を利用して注入ファンクションを作成する流体を使用者が選択可能としてもよい。ある態様において、流体選択アイコンは、ユーザインターフェース内に表示されるよう設定された実行ソフトウェアモジュールを備えていてもよく、使用者による入力操作により実行可能であってもよい。利用可能な流体選択アイコンの数は、用途に応じて変化してもよい。ある態様において、利用可能な流体選択アイコンの数は、流体注入装置が注入可能な流体の数に応じていてもよい。ある態様において、グラフカルユーザインターフェースは、追加の流体選択にアクセスするため、1又はそれ以上のプルダウンメニューを含んでいてもよい。
【0044】
一の取り得る態様において、流体選択アイコン62は流体1選択ボタンを備えていてもよい。ある態様において、流体注入装置の制御装置は接触感知画面を含んでいてもよい。本態様において、流体1選択ボタンは、接触画面上に表された一次的に起動するソフトウェアにより生成したボタンを備えていてもよい。ある態様において、流体1選択ボタンは、注入される流体の種類の象徴を含んでいてもよい。本願図面においては、造影剤(contrast fluid)を表すことができる文字「C」が図示されている。流体1選択ボタンを押圧することにより、使用者がグラフ視覚化手段を使用して造影剤の注入ファンクションをグラフとしてプロットすることを可能としてもよい。
【0045】
一の取り得る態様において、流体選択アイコン64は、流体2選択ボタンを備えていてもよい。上述の通り、流体注入装置の制御装置は、接触感知画面を含んでいてもよい。本態様において、流体2選択アイコンは、接触画面上に表された一次的に起動するソフトウェアにより生成したボタンを備えていてもよい。ある態様において、流体2選択ボタンは、注入される流体の種類の象徴を含んでいてもよい。本願図面においては、洗浄目的で使用する生理食塩水(saline fluid)を表すことができる文字「S」が図示されている。流体2選択ボタンを押圧することにより、使用者がグラフ視覚化手段を使用して生理食塩水の注入ファンクションをグラフとしてプロットすることを可能としてもよい。
【0046】
ある態様において、コントロールパネルはまた、位置選択アイコン66(例えば、方向パッド等)を含んでいてもよい。位置選択アイコン66は、使用者が、ポインタ、キーボード又はそれと同様の装置等の入力装置を使用して、グラフスペース55内を操作することを可能としてもよい。ある態様において、位置選択アイコンはグラフィカルユーザインターフェース内に表示されるように設定された実行ソフトウェアモジュールを備えていてもよく、使用者による入力操作により実行可能であってもよい。ある態様において、位置選択アイコンは接触感知ボタンを備えていてもよい。一の取り得る態様において、位置選択アイコン66により、使用者は、所望の注入パラメータに対応してもよいグラフスペース内の第一ポイントを選択することができてもよい。例えば、使用者は、軸58に沿った所望の注入流速及び軸56に沿った所望の注入継続時間に対応する、第一ポイントを選択してもよい。ある態様において、第一ポイントは、注入開始流速及び注入開始時間に対応していてもよい。単回注入又は複数注入プロトコルの第一の注入の場合、開始時間は時間ゼロ又は注入プロトコルの開始に対応していてもよい。位置選択アイコンにより第一ポイントが選択されると、グラフスペース55内の第二ポイントが選択されてもよい。第二ポイントは、注入ファンクションの所望の終了点に対応していてもよい。グラフ視覚化手段は、その後、二つのポイントを繋ぎ、選択された流体の注入ファンクションのグラフプロット又は注入プロトコルの一部を作成してもよい。グラフとして作成された注入プロトコルは、流体注入装置の注入動作を制御するために利用されてもよい。
【0047】
一の取り得る態様として、位置選択アイコン66は、方向パッドの形態であってもよい。上述の通り、流体注入装置の制御装置は、接触感知画面を含んでいてもよい。本態様において、方向パッドは、制御装置の接触画面上に表された一次的に起動するソフトウェアにより生成したボタンを備えていてもよい。方向矢印の押圧は、グラフスペース内でデータをグラフとして位置/編集することに使用されてもよい。図示した方向パッドは、それによりグラフセグメント(例えば、注入ファンクション等)の端点を定義する、グラフスペース内の基準を構築することに適応した一般的なものである。このような方向パッドは、例えば、指数関数、対数関数、多項式関数、又はその他の公知の数学関数等の、数値演算に基づいてグラフセグメントを構築する、追加の制御及び形態により具体化されていてもよいことを、本願は広く意図するものである。
【0048】
ある態様において、使用者はいくつかの方法でグラフスペース内に注入ファンクションをグラフとしてプロットしてもよい。一の取り得る態様において、注入ファンクションは、グラフスペース内の開始点(例えば、第一ポイント)及び終点(例えば、第二ポイント)を選択することにより、グラフスペース内に定義されてもよい。開始点及び終点は、位置選択アイコン、又は、マウス、タッチパッド/タッチペン若しくはキーボードなどの入力装置、あるいはこれらの組み合わせを使用して選択されてもよい。その後、グラフ視覚化手段は開始点と終点を結合して注入ファンクションを作成する。他の態様において、使用者は、マウス又はタッチパッド/タッチペン等の入力装置を使用して、グラフスペース内に自由形式でグラフプロットを引いて、注入ファンクションを定義してもよい。また他の態様において、グラフィカルインターフェースは接触画面を備えていてもよく、使用者は、接触画面上を自由形式でプロットを引くことにより注入ファンクションをグラフとしてプロットしてもよい。ある態様において、グラフプロットは、注入パラメータを入力してもよい、モニタ等の外部装置により作成されてもよい。
【0049】
一の取り得る態様において、コントロールパネル60は、使用者がグラフスペース内をスクロールして、グラフスペース55内に作成された注入ファンクションを見える状態にし、選択し、編集することを可能とする、セグメント選択アイコン68を含んでいてもよい。ある態様において、セグメント選択アイコンは、グラフィカルユーザインターフェース内に表示されるよう設定された実行ソフトウェアモジュールを備えていてもよく、使用者による入力操作により実行可能であってもよい。上述の通り、流体注入装置の制御装置は、接触感知画面を含んでいてもよい。本態様において、セグメント選択アイコンは、接触画面上に表された一次的に起動するソフトウェアにより生成したボタンを備えていてもよい。セグメント選択アイコンは、流速対時間のグラフプロットにより定義されてもよい隣接した注入ファンクションを自由に選択することに使用されてもよい。
【0050】
図3において、使用者がグラフスペース55内に注入ファンクション70をグラフとしてプロットしたグラフィカルユーザインターフェースが図示されている。図示した態様において、使用者は、時間0から9秒の間、一定の流速3.0ml/sの線をグラフとしてプロットすることにより、注入ファンクション70を入力している。ある態様において、注入される流体量である27mlは、注入ファンクション70をグラフとして入力する間リアルタイムでテキスト形成部72として表示されていてもよい。ある態様において、グラフ視覚化手段は、グラフセグメント内の面積を計算し、対象者に注入する流体量を決定するソフトウェアモジュールを含んでいてもよい。複数の注入ファンクションを含んでいてもよい流体注入プロトコルにおいて、グラフ視覚化手段は、各注入ファンクションにより注入される流体量、複数の注入ファンクションを備える注入プロトコルにより注入される全量、及びそれらの組み合わせを計算するように設定されていてもよい。
【0051】
ある態様において、使用者の側から見やすいように、注入定義領域を定義する流速及び時間座標は、グラフ入力の間自動的にその尺度を更新し、注入プロトコルに関連する全てのデータが見えるよう最大化してもよい。また、他の態様において、注入定義領域を定義する時間又は流速座標のいずれかが境界値に達すると、尺度が調節されるのではなく、代わりにスクロール装置が使用されてもよい。
【0052】
図4は、本発明の一の態様に従って、流体注入装置を制御するために利用することができる工程を図示したものである。ブロック400において、使用者は、1又はそれ以上の注入ファンクションを定義するために使用することができるグラフスペースを有するグラフィカルユーザインターフェースを提示されることができる。ブロック410において、使用者は、流体注入装置の所望の動作を表すグラフを入力する。ブロック420において、流体注入装置は、使用者により入力されたグラフに従って作動する。
【0053】
図5は、本発明の一の態様に従って、グラフスペース内に、流体注入装置を制御することに用いられ得る注入ファンクションを定義することに利用することができる工程を図示するブロック図である。ブロック500において、使用者は、グラフ視覚化手段を有するグラフィカルユーザインターフェースを提示されることができる。ブロック510において、使用者は、グラフスペース内にグラフとしてプロットする流体を選択することができる。ブロック520において、使用者は、グラフスペース内の第一ポイントを選択することができる。ブロック530において、使用者は、グラフスペース内の第二ポイントを選択することができる。ブロック540において、グラフ視覚化手段は、流体注入装置の制御に利用しうるグラフの注入ファンクションを定義するため、第一及び第二ポイントを結合することができる。一の態様において、使用者は、第一及び第二ポイントを結合するために使用し得る曲線を特定してもよい。
【0054】
一の取り得る態様において、使用者は、所望の流体の注入プロトコルを作成するため、複数の注入ファンクションをグラフスペース内に作成することができる。一の態様において、使用者は、グラフスペース内の第n番目のポイント及びグラフスペース内の第(n+1)番目のポイントを選択することができる。その後、グラフ視覚化手段は、区分注入プロトコルを定義するため、グラフスペース内の第n番目のポイント及び第(n+1)番目のポイントを結合することができる。ある態様において、使用者は、グラフスペース内の一連の複数ポイントを選択し、複数の注入ファンクションを備えていてもよい注入プロトコルを作成するため、位置選択アイコン66又は上述の他の方法を使用することができる。この点において、図6は、グラフスペース50内にグラフとしてプロットされた2つのこのような注入ファンクションから作成された注入プロトコル70を表示する表示画面50を図示したものである。図において、使用者は、時間0から9秒の間、一定流速3.0ml/秒の線を入力することにより、第一の注入ファンクション74を入力している。注入される流体量である27mlは、注入プロトコル70のテキスト形成部(不図示)として表示されていてもよい。使用者は、第三ポイントを選択し、第三ポイントと注入ファンクション74とを結合することによって、第二の注入ファンクション76を定義することにより、第二の注入ファンクション76を入力することができる。ある態様において、セグメント選択アイコン(図3の符号68を参照)は、使用者が、グラフスペース内に入力された各ポイントから順次スクロールすることを可能としてもよい。図において、使用者は、流体選択アイコンを二度目に選択し、編集キー(例えば、方向パッド及びセグメント選択アイコン)は、次の10秒間にわたって流速を3.0ml/秒から2.1ml/秒まで直線的な減少をグラフとして作成することに用いられている。一の取り得る態様において、注入ファンクション74及び76の組み合わせは、注入プロトコル70を定義してもよい。図示された態様において、両注入ファンクションは、同じ流体を備えていてもよい。ある態様において、注入プロトコルで注入される流体量は、テキスト形成部72として表示されてもよい。
【0055】
図7は、本発明の一の態様に従って、第二の注入ファンクションを定義することに利用することができる工程を図示するブロック図である。ブロック700において、使用者は、第一の注入ファンクションを入力する。ブロック710において、使用者は、第一の注入ファンクションで制御されるものと同じ流体を選択することができる。ブロック720において、使用者は、グラフスペース内の第三の位置を選択する。ブロック730において、第三の位置は、流体注入装置の制御に利用し得るグラフの第二の注入ファンクションを定義するため、第一セグメントと結合されることができる。他の態様において、第三の位置は、第一の注入ファンクションの代わりに第四の位置と結合されてもよい。
【0056】
発明の態様の機能的な説明において、様々な論理的延長を導入することができる。一の取り得る態様において、グラフィカルユーザインターフェースは、複数流体計画において、2以上の流体を有する注入プロトコルを作成することに適合していてもよい。ある態様において、流体選択アイコン(図2の符号62、64を参照)は、1からnまで変動してもよく、又は、ある態様においては、グラフ視覚化手段はプルダウンメニュー配置又は同等のものにより生成するソフトウェアを含んでいてもよい。一の取り得る態様において、流体選択アイコンは、接触感知ボタンを備えていてもよい。本態様において、使用者は接触感知ボタンを多様な異なる流体のスクロールに使用することより、所望の流体を選択することができる。更に、ある態様において、複数流体配置において利用可能な全ての流体は、いかなる組み合わせ又は順列でも自由に選択することができる。
【0057】
他の態様において、本明細書で記載するグラフ注入ファンクションの作成の範囲内において、表示領域内に追加の編集手段が使用者に提供されていてもよい。一の態様において、直線セグメントを編集する機能を超える編集機能として、数値演算(例えば、指数関数、対数関数、多項式関数、区分関数、連続関数、非連続関数、ステップ関数、デルタ関数等)を含んでいてもよいが、これに限定されるものではない。
【0058】
一の取り得る態様において、グラフィカルユーザインターフェースは、複数流体の注入ファンクションを含む注入プロトコルをグラフとしてプロットすることができるグラフ視覚化手段を含んでいてもよい。注入ファンクションの定義内に複数流体の供給を作成するため、使用者は、注入ファンクションを定義する第二の流体を選択することができる。図8においては、注入ファンクション70がグラフとして作成され、第二の流体について第二の注入ファンクション80がグラフとして作成されている、グラフスペース55が図示されている。第二の注入ファンクションは、上述の方法により作成することができる。ある態様において、第二の注入流体は、生理食塩水、又は、洗浄液等の他の流体から構成されていてもよい。図10は、図8の注入ファンクションの続きを図示したものであり、ここで第二の注入は、本発明の一の態様に従って、造影剤の供給について前に定義した注入プロトコル部分のすぐ後に続いて、流速2.1ml/秒で16秒間注入されることができる。グラフ視覚化手段52は、新規注入ファンクション80を表示することができる。ある態様において、グラフ視覚化手段は、第一の注入ファンクションにおいて注入される全流体量を表示することができるテキスト形成部72を表示し続けてもよい。ある態様において、テキスト形成部82は注入される第二の流体量を表示することができる。
【0059】
ある態様において、グラフ視覚化手段は、それぞれの流体を区別することに利用し得る色又は影をつけて異なる流体についての注入ファンクションを表示することができる。例えば、一の取り得る態様において、造影剤の注入ファンクションは緑色で表示され、一方、生理食塩水の注入ファンクションは赤色で表示されてもよい。異なる流体を視覚化するため色又は影を用いることにより、使用者は、グラフスペース内の異なる流体を直ちに識別することができる。
【0060】
図9は、本発明の一の態様に従って、第二の流体の注入ファンクションを入力する工程を図示したブロック図である。ブロック900において、使用者は、第一の流体を制御するための第一の注入ファンクションを入力する。ブロック910において、使用者は第二の流体を選択する。ブロック920において、使用者はグラフスペース内の新しいポイントを選択する。ブロック930において、当該新規ポイントは、複数流体注入装置の制御に利用し得るグラフスペース内の第二の注入ファンクションを定義するため、第一の注入ファンクションと結合することができる。他の態様において、新しい位置は、第一のグラフセグメントの代わりに他の位置と結合する。
【0061】
複数流体配置において、表示内の編集設備は、同時流体注入を実行する共通時間部に亘ってファンクションを容易に重ね合わせることができる。図10は、本発明の一の態様に従って、図8を造影剤及び生理食塩水等の二つの流体の同時注入を含むように編集した結果を図示したものである。グラフ視覚化手段52は、新規注入ファンクション1000を表示している。テキスト形成部70は、0から19秒の間に注入される造影剤の量を示し続けている。同様に、テキスト形成部82は、注入される第二の流体の量を図8から示し続けている。ここで、テキスト形成部1010は、第二の流体と同時に注入される、第一の流体と同一であるか又は異なっていてもよい第三の流体の量を示すことができる。ここで示すとおり、ある態様において、二つの流体が同時に注入される場合、当該二つの流体は、グラフスペース55内においてX軸に示した時間の範囲内で重なるように表示されることができる。上述の通り、グラフ視覚化手段は、それぞれの流体を識別するために使用し得る色又は影で異なる流体の注入ファンクションを表示することができる。
【0062】
図11は、本発明の一の態様に従って、複数流体の同時注入を制御するための注入プロトコルをグラフとしてプロットする工程を図示したブロック図である。ブロック1100において、使用者は、第一の流体のグラフ(注入ファンクション)の少なくとも一部を入力する。ブロック1110において、使用者は、第二の流体を選択する。ブロック1120において、使用者は、グラフスペース内の第一ポイントを選択する。ブロック1130において、使用者は、第一及び第二ポイント間の時間範囲の一部が第一の流体についてのグラフの一部と共通するような、グラフスペース内の第二ポイントを選択する。ブロック1140において、第一及び第二ポイント間に新しい注入ファンクションが作成される。
【0063】
一の取り得る態様において、グラフ注入ファンクション、プロトコル、又は、これらの組み合わせの作成は、流体注入装置の制御装置の範囲内にある編集機能に限定されるものではない。制御装置の接続、処理及び記憶機能の範囲内で、接続可能な多数の医療機器からの生理データを自動的に取得及び処理して患者特異的な注入プロトコルを規定することができる。
【0064】
図12は、外部装置と連通しているグラフカルユーザインターフェースを図示したものである。本態様において、外部装置は、エンパワシーティ(EMPOWER CT)遠隔制御インターフェース等の流体注入装置の制御装置と通信することができる。グラフ視覚化手段は、注入ファンクション及び/又は注入プロトコルを生成するため外部装置から提供された入力を利用することができる。一の取り得る態様において、外部装置1200は、1若しくはそれ以上の入力センサ、又は、1又はそれ以上の医療機器(例えば、患者モニタ、CTスキャナ、血液分析装置、又は、生体インピーダンス測定器)からのセンサ情報を収集する観察装置を含むことができる。外部装置からのデータは、接続1210を通じて流体注入装置の制御装置に通信されることができる。グラフ視覚化手段は、外部装置から提供されたデータに基づき流体注入制御グラフ1230(注入ファンクション)を作成し、表示することができる。接続1210は、あらゆる接続プロトコル、及び、有線又は無線の接続手段を含むあらゆる物理的な接続手段を用いて形成されることができる。一の態様において、流体注入制御グラフ1230の形状は、接続1210を通じて伝達されたデータの一部又は全てである。他の態様において、流体注入制御グラフ1230の形状は、接続1210を通じてデータが通信された後に決定される。図12に示す態様は、グラフの制御により注入される流体量を表示するテキスト形成部を有していないよう図示されているが、他の同様な態様においては、このようなテキスト形成部が提示される。
【0065】
一の取り得る態様において、本発明は、医療注入システムの使用者が、慎重に定義される数値配列ではなく、グラフィカルユーザインターフェースを通じて流体の供給を特定する手段を提供する。本発明のこの側面において、グラフ視覚化手段は、グラフスペースを表示し、流体注入装置の流体注入動作を制御することに使用し得るグラフスペース内の注入ファンクション、プロトコル、又はそれらの組み合わせを作成するためのコンピュータにより実行可能な命令を有するコンピュータ読取り可能記憶媒体を備えていてもよい。コンピュータ読取り可能記憶媒体は、イー−ゼット−イーエム エンパワシーティ(E−Z−EM EMPOWER CT)遠隔制御インターフェース等の既存の制御装置の性能を上げることに利用することができる。本態様において、グラフ視覚化手段は、流体供給を構築/定義/計画する既存の段階的方法を、一部又はモジュラーレベルで交換することができる。当該更新は、エンパワシーティ(EMPOWER CT)注入遠隔制御インターフェースデザイン上に現在定義されている全ての他の形態及び特性と連動する。
【0066】
一の態様において、注入処置の間、グラフ注入ファンクションは、注入が適切であるか否かを監視するため視覚化された参考資料としての役割を果たす。図13は、本発明の一の態様に従って、注入が適切であるか否かを監視するために視覚化された参考資料を提供するグラフィカルユーザインターフェースを図示したものである。実際の注入の進行は、(例えば、機能を様々な色又は影により図示する等)異なる属性で定義されたファンクションにより表されている、グラフとしてプロットされた注入複数流体グラフと重ねて、進行示す属性の変化としてグラフ上位置づけられる(例えば、実際の注入量が異なる色又は影で位置づけられる等)。図13において、約12秒後、実供給ファンクション1300は、グラフ上計画された注入ファンクション1310から外れている。これは、計画上の流速で規定の限界を超えようとする実注入圧が発生することに最も起因して、計画上の流速より注入が減速することを示す。この流速の減少は圧制限として広く知られている。ある態様において、グラフ視覚化手段は、所望の注入量及び実際の注入量を表示するように設定されていてもよい。図中、所望量はテキスト部1320及び1330に示され、実際量はテキスト部1340及び1350に示されている。
【0067】
グラフ注入ファンクションインターフェースの範囲内で、いつ及びどの程度の規模の圧限界が発生するかが示されてもよい。従来、段階的なシステムを利用した先行技術において、使用者は、科学技術者にとって行うことが困難であるか又はほぼ不可能な仕事である、画面上の数値変数の変化を即座に精査することによってのみ、圧制限欠陥の程度を確定することができた。同様に、本発明に関する説明においては、圧力のような追加の変数が同様に重ね合わせられ、又は、グラフ領域の時間目盛と垂直方向に近接して表示されることも当然予期するものである。段階的決定の観点からは、使用者は、流速に付加される時間関数による圧力により、注入期間に亘って様々な圧制限の限界に直面するであろう。注入進行観測という考え方を、圧力などの付随的な変数まで広げることで、リアルタイムに基づく実圧力は、注入の間、対応するグラフとして重ね合わせることができる。
【0068】
注入前に非線形注入ファンクションを特定するため外部装置からデータが流れることと同時に、遠隔制御データ処理能力の範囲内で、リアルタイムデータの流れ1360は、医療機器1370の制御装置から出力可能であり、当該データは注入歴情報に利用することができる。当該時間依存的なデータの流れは、他の装置からのいかなる他の診断又は治療データとも相関して組み込まれる。
【0069】
図14は、医療画像診断室部屋を図示した本発明の取り得る態様を示す。図14に示すとおり、医療画像診断部屋1400は、制御室1402及び撮像装置室1404を含むことができる。撮像装置室には、撮像装置1406及び流体注入装置1408を備えていてもよい。制御室1402は、流体注入装置1408と操作可能に接続し得る遠隔制御装置1410、及び、撮像装置1406と操作可能に接続し得る撮像制御装置1412を含んでいてもよい。一の取り得る態様において、遠隔制御装置1410は、注入プロトコルをグラフとして作成するよう設定されうるグラフィカルユーザインターフェースを含んでいてもよい。ある態様において、撮像装置及び流体注入装置は通信状態にあってもよく、また、共通の制御装置(不図示)により操作可能に制御されていてもよい。制御装置1410、1412は、広く多様な方法で装置1406、1408と通信することができる。図14に示すとおり、装置1406、1408はそれぞれ、通信経路1414、1416を通じて、それぞれの制御装置と通信することができる。撮像装置が磁場を発生する場合の態様において、装置及び制御装置間並びに他の追加の装置間の通信経路は、本発明の磁場と実質的に非反応性となるよう適合されていてもよい。このような実質的に非反応性の通信経路は、例えば、光ファイバー線、赤外線等の電磁気送信機/受信機等、及び、それらの組み合わせを含む。更に、撮像装置が磁場を発生する場合の態様において、撮像装置室内の注入器等の装置は、真鍮等の実質的に磁場と非反応性の材料からできていてもよい。他の態様において、撮像装置室内の装置は、撮像装置と干渉しないよう、室内に配置されていてもよい。
【0070】
図15は、流体注入装置のグラフィカルユーザインターフェース1500の例を図示したものである。図に示すとおり、グラフィカルユーザインターフェース1500は、注入パラメータを流体注入装置にグラフとして入力するためのグラフ視覚化手段1502を含んでいてもよい。一の取り得る態様において、グラフ視覚化手段1502は、使用者が、流体注入装置の注入動作を制御する注入パラメータを流体注入装置に入力するためにグラフィカルユーザインターフェースを使用することを可能とすることができる。一の態様において、グラフ視覚化手段は、グラフを表示するための表示手段及び1又はそれ以上の所望の注入パラメータをグラフに入力するための入力装置を含むことができる。ある態様において、グラフは、所望の注入流速及び注入時間を入力することに利用することができる。この点において、図15は、本発明の一の取り得る態様に従って、グラフ視覚化手段1502を図示したものである。グラフ視覚化手段1502は、使用者が、ポインタ又はタッチパッド等の入力装置を使用し、注入する流体の所望の注入動作を表し得る注入ファンクション又はプロトコルをグラフスペース1510内に作成する、グラフスペース1510を含んでいてもよい。
【0071】
一の取り得る態様において、グラフ視覚化手段は、コンピュータシステム上のソフトウェア、ファームウェア及び/又はハードウェアを通じたコンピュータグラフィク表示手段として実現することができる。グラフ視覚化手段は、どのような種類のグラフィックスワークステーション、プロセッサ、マルチプロセッサ、コンピュータネットワーク、独立型コンピュータ、共通制御装置、遠隔注入制御装置、流体注入装置内に統合された制御装置、その他流体注入装置と操作可能に接続され得るいかなるコンピュータグラフィックス処理環境又はアプリケーションにより提供されてもよい。ある態様において、1又はそれ以上の注入プロトコルは、別のコンピュータステーション上で準備され、後で流体注入装置又は注入制御装置にアップロードされてもよい。一の取り得る態様において、グラフ視覚化手段は、グラフスペースを表示し、流体注入装置の流体注入動作を制御するために利用し得る1又はそれ以上の注入ファンクションをグラフスペース内に作成するための、コンピュータ実行可能な命令を有するコンピュータ読取り可能記録媒体を備えていてもよい。ある態様において、注入ファンクション及び注入プロトコルは記録され、次回利用する際に呼び出されてもよい。
【0072】
本発明の一の態様において、グラフィカルユーザインターフェースは、注入ファンクションを定義し、続いて流体注入装置を制御することに供される。一の態様において、使用者は、グラフを入力することにより流体注入装置を制御することができる。一の態様において、グラフは、時間に対する所望の流速のプロットであってもよい。一の態様において、グラフは、時間に対する量のプロットであってもよい。一の態様において、グラフは、量に対する流速のプロットであってもよい。
【0073】
図15に戻って説明すると、エンパワシーティ(EMPOWER CT)インターフェース表示は、グラフィカルユーザインターフェース上に、重なり合うようにグラフ視覚化手段1502を有するよう図示している。ある態様において、使用者は、グラフ視覚化手段1502を実行し、表示させるために利用し得るアイコン(非図示)をグラフィカルユーザインターフェース1500上で実行させてもよい。上述の通り、グラフ視覚化手段1502は、1又はそれ以上の流体の注入プロトコルを作成し得るグラフスペース1510を含んでいてもよい。一の取り得る態様において、グラフ視覚化手段1502は、同様に、使用者が、注入ファンクションを作成する1又はそれ以上の流体を選択することを可能とし得る、1又はそれ以上の流体選択アイコン1520及び1530を含んでいてもよい。ある態様において、グラフ視覚化手段1520は、また、使用者が、グラフスペース1510内を移動し、注入プロトコルを作成するポイントを選択することを可能とし得る、グラフ作成アイコン1540(例えば、方向パッド等)を含んでいてもよい。一の取り得る態様において、使用者は、撮像される対象者の身体部位と無関係に注入プロトコルを作成することができる。更に、他の取り得る態様において、グラフ視覚化手段1502は、グラフ選択アイコン1550を含んでいてもよい。グラフ選択アイコン1550は、使用者が、グラフスペース1510に含まれ得る個々の注入ファンクション間をスクロールすることを可能とし得る。
【0074】
一の取り得る態様において、使用者は、グラフ作成アイコン1540を使用してグラフスペース1510内のポイントを特定することにより、グラフスペース1510に注入ファンクションを作成することができる。加えて、使用者は、流体選択アイコン1520及び1530を、使用者がグラフスペース1510に注入ファンクションを作成し得る流体を特定するために使用することができる。一の取り得る態様において、流体選択アイコン1520は、造影剤に関する制御命令を入力するために使用することができる。他の取り得る態様において、流体選択アイコン1530は、生理食塩水に関する制御命令を入力するために使用することができる。グラフ要素セレクタ1550は、使用者が、グラフスペース1510内の異なる注入ファンクション間を切り替えることを可能とする。注入ファンクションは、使用者により定義されることができ、又は、使用者がグラフを作成した際に数値演算の副産物として生成されることができる。本インターフェースデザインの範囲内で、本願で図示するとおり、ユーザインターフェース流体セレクタ1520及び1530、グラフ要素セレクタ1550、並びに、グラフ作成手段1540を、ソフトウェアにより表示領域に生成する機能として設計することができ、又は、膜パネル上等の専用ハードウェアスイッチとして設計することができ、あるいは、それらの組み合わせとして設計することができることを本発明は包含する。同様に、このようなインターフェースプロダクトのためのソフトウェア設計が、マウス又はタッチスクリーン等の標準的な選択装置で、グラフ要素を直接選択し、また、グラフスペース1510内で直接ポイント定義を自由に編集することも本発明は包含する。
【0075】
使用者の判断により、注入のために単に注入器を装備することができ、又は、本発明のインターフェースの範囲内でグラフ注入定義は継続することができる。例えば、本発明の一の態様の範囲内において、使用者は、二度流体選択アイコンを選択し、注入ファンクションを追加し続けてもよい。既に作成された注入ファンクションの一部は、凍結することができる。方向パッド及びセグメントセレクタを更に利用することにより、使用者は、注入ファンクションを延長することができる。
【0076】
よって、複数流体注入装置のためのグラフィカルユーザインターフェースの導入方法及びシステムは、1又はそれ以上の特定の態様と関連して説明される。本発明は、後述の請求項及びそれらの全範囲及び等価物により定義される。
【0077】
ここに示す以外の本発明の他の改良又は他の態様は、以上の説明及び関連する図面において示された教示の利点を有する本発明に付随するものとして、当業者が容易に想到するものである。従って、当然のことながら、本発明は特定の開示された態様に限定されるものではなく、また、改良及び他の態様は添付の請求項の範囲内に含まれることを意図するものである。本願において特定の用語を採用しているが、これらは一般的及び記述的意味で使用するものであり、限定の目的で使用するものではない。
【0078】
更に、本明細書の全体において、構成が、特定の要素を有し、含み、若しくは、備えると記載されている場合、又は、工程若しくは方法が、特定の工程を有し、含み、若しくは、備えると記載されている場合、本発明の構成は、また、記述の要素から本質的になり得、又は、からなり得、及び、本発明の工程若しくは方法は、記述の工程から本質的になり得、又は、からなり得ることを意図するものである。また、当然のことながら、本発明がなお実施可能である限り、工程の順番又はある動作を実行する順番は重要ではない。更に、本願で開示された発明について、2又はそれ以上の工程又は動作は同時に行われてもよい。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には対象者に流体を注入するための医療機器に関し、より詳細には注入パラメータを選択し、制御するためのユーザインターフェースに関する。
【背景技術】
【0002】
現在利用可能な画像診断装置(例えば、CTスキャナ、PET装置、MRI装置等)は、診断画像を得るため造影剤等の流体を対象者に注入することに依存していることがある。流体注入装置は、対象者への自動的な造影剤投与に使用できるよう開発されてきた。このような流体注入システムは、流体の流速、注入する流体量、注入時間等の注入パラメータを使用者が決定することに依存していることがある。流体注入装置が入力された注入パラメータに基づいて造影剤を対象者に注入するよう、操作者は注入パラメータを流体注入装置に入力することができる。そして、注入された造影剤は、対象者によって生理的に処理され、撮像装置が対象者の増強された画像を得ることができることを可能とする。
【0003】
一部の例では、複数の流体を連続して又は同時に対象者に注入することが望ましいことがある。複数の流体を対象者に注入するため、使用者は、対象者に第一の流体を注入するための注入パラメータ、及び、対象者に第二の流体を注入するための注入パラメータを入力することができる。また、操作者は、いつの時点で2番目の注入を開始するかを特定することができる。注入ファンクションの経過中、得られる画像の品質を向上させるため、所定の流体について、流速又は量等の注入パラメータを変化させることが望ましい場合がある。一部の例では、流体注入ファンクションが1又はそれ以上の注入フェーズに分かれている場合がある。注入フェーズは、従来、固定の流体量に対する一定の注入流速として記載されてきた。所定の流体についての連続した注入フェーズは、グループ化されて注入プロトコルとなることがある。
【0004】
背景技術として、図1は、一定の流速及び固定の量のフェーズを別々に、連続的に列挙し、特定することの両方に用いられる表示部15を有するエンパワシーティ(EMPOWER CT)遠隔制御インターフェース10を図示したものである。表示部15は、破線四角で強調表示されている。本インターフェースの限定及び制限は、(i)流速及び量の欄は個別に、入力又は編集のため、接触又はマウスにより作動すること;及び(ii)接触又はマウスにより作動後、個々の流速及び量の欄の数値は、数値キーパッド又は上下矢印を介して特定されることを含んでいることがある。一部の例では、表示部15に表示することができるフェーズ数に現実的な限界があることがあり、注入プロトコル内にあることが望ましい全てのフェーズを同時に視覚化することができないことがある。従前の装置は、使用者が画面上に表示されていない注入フェーズを見ることを可能とするため、上/下スクロール矢印に依存していることがある。
【0005】
複数流体注入手順において、上述の表示部は、1又はそれ以上の追加流体についてのデータを含むため、拡張されることが必要な場合がある。追加データは、一定の流速及び固定の量に加え、例えば、造影剤、生理食塩水、又は、洗浄媒体等の流体のタイプをフェーズ基準毎に特定することに用いられることがある。
【0006】
根本の米国特許公開第2004/0199076号公報には、使用者がタッチペンを使用して所望の流速及び注入時間をグラフ上でコンピュータに入力することができる統合型コントロールパネルを有する液体注入器が記載されている。そして、該液体注入器は、当該グラフを使用して、所望の流速及び長さの時間で液体を対象者に注入することができる。根本により記載された注入装置は、上述の不利な点の一部を克服しているが、なお一部の不利な点を有する。まず、コントロールパネルが、注入装置に統合されている。このことは注入装置の設置場所を制限し、使用者が注入完了まで画像診断室に留まることを必要とすることがある。次に、所望の流速及び注入時間をグラフ上入力するため、使用者は最初に注入する身体部位を選択する。用途によっては、所望の注入パラメータを入力する際に特定の身体部位を選択しないことが望ましいこともある。
【発明の開示】
【0007】
本発明の概要
一の取り得る態様において、本発明は、使用者が流体注入装置の注入動作を制御するために利用することができるグラフを作成することができるグラフスペースを有するグラフィカルユーザインターフェースに関する。ある態様において、使用者は流体注入装置の動作を制御するために利用することができるグラフをプロットするため、グラフスペースを使用してもよい。ある態様において、コンピュータ又は制御装置は、当該グラフを利用して、流体を対象者に注入するための注入プロトコルを定義してもよい。
【0008】
一の取り得る態様において、本発明は、グラフィカルユーザインターフェースを利用した、流体注入装置の動作制御のためのグラフ視覚化手段から構成される。当該グラフ視覚化手段は、流体の所望の注入ファンクションを入力及び表示するためのグラフスペース表示、使用者が流体を選択することを可能とすることができる1又はそれ以上の流体選択アイコン、並びに、選択した流体の注入ファンクションを作成するため使用者がグラフスペース内を操作することを可能とすることができる位置選択アイコンを備えることができ、これにより流体注入装置は作成された注入ファンクションを利用して対象者に流体を注入してもよい。ある態様において、1又はそれ以上の注入ファンクションは、同一グラフスペース内にグラフとしてプロットされて注入プロトコルを定義してもよい。
【0009】
一の態様において、グラフィカルユーザインターフェースは、流体注入装置の注入動作を制御することに利用することができる、グラフスペース内の注入ファンクションをグラフとしてプロットすることに使用することができるグラフ視覚化手段を包含してもよい。他の取り得る態様において、グラフ視覚化手段は、1又はそれ以上の、流体選択アイコン、位置選択アイコン、及び、セグメント選択アイコンを有するコントロールパネルを含む。ある態様において、1又はそれ以上の流体選択アイコンは、使用者がグラフスペース内に注入ファンクションを作成する1又はそれ以上の流体を選択することを可能としてもよい。一の態様において、位置選択アイコンは、使用者がグラフスペース内を操作し、グラフスペース内に区分注入プロトコルを定義するため結合されることができる第n番目のポイント及び第(n+1)番目のポイントを選択することを可能としてもよい。
【0010】
一の取り得る態様において、本発明は、使用者が1又はそれ以上の流体について1又はそれ以上の注入ファンクションをグラフとしてプロットすることができるグラフスペースを有するグラフィカルユーザインターフェースを包含してもよい。ある態様において、1又はそれ以上の注入ファンクションは、グラフスペース内で第一の注入ファンクションの一部が少なくとも第二の注入ファンクションの一部と重なり合うように作成されていてもよい。注入ファンクションの重なり合う部分は、2又はそれ以上の流体を同時に注入する注入プロトコルを定義してもよい。
【0011】
一の取り得る態様において、本発明は、流体注入装置、当該流体注入装置と操作可能に接続しているコンピュータを含むことができる流体注入システムから構成されていてもよい。ある態様において、プロセッサが、流体注入装置を制御すること、及び、使用者がグラフィカルユーザインターフェースを用いて1又はそれ以上の流体の流体注入パラメータをグラフとしてコンピュータに入力することを可能とすることが可能となるための、コンピュータ読取り可能コードをコンピュータが有していてもよい。一の取り得る態様において、使用者は、注入する対象者の身体部位とは独立して、流体注入パラメータをコンピュータにグラフとして入力してもよい。流体注入システムは、また、グラフィカルユーザインターフェースを表示するための視覚的表示、及び、使用者が当該グラフィカルユーザインターフェース上で注入パラメータをグラフとして入力することを可能とする少なくとも1つの入力装置を包含してもよい。コンピュータは、グラフィカルユーザインターフェースを使用してグラフとしてプロットされた流体注入パラメータを利用して、流体注入装置の動作を制御することができる。ある態様において、入力された注入パラメータは、注入ファンクション又は注入プロトコルに相当してもよい。
【0012】
他の取り得る態様において、本発明は、流体注入装置を制御するよう設定されてもよいコンピュータ読取り可能プログラムコードを有するコンピュータで利用可能な媒体を含んでいてもよいコンピュータプログラムプロダクトから構成されていてもよい。ある態様において、コンピュータプログラムプロダクトは、注入ファンクションをグラフとしてプロットすることに使用することができるグラフィカルユーザインターフェースをコンピュータが表示するよう設定されたコンピュータ読取り可能コードを含んでいてもよい。ある態様において、グラフィカルユーザインターフェースは、注入ファンクションをグラフとしてプロットする領域を定義し、コンピュータが流体注入装置の動作制御に使用する、グラフスペースを含んでいてもよい。ある態様においては、コンピュータプログラムプロダクトは、グラフスペース内で注入ファンクションをグラフとしてプロットする1又はそれ以上の流体を使用者が選択することを可能とする1又はそれ以上の流体選択アイコン、及び、選択された流体についてグラフスペース内で注入ファンクションをグラフとしてプロットするため、使用者がグラフスペース内を操作することを可能とする位置選択アイコンを含んでいてもよい。一の態様において、コンピュータ読取り可能コードは、コンピュータが注入ファンクションを利用して流体注入装置を制御するよう設定されていてもよい。
【0013】
また、他の態様において、本発明は、a)使用者にグラフィカルユーザインターフェースを提示する工程、ここで当該グラフィカルユーザインターフェースは流体の注入ファンクションを入力及び表示するためのグラフスペース表示を含んでいてもよい;b)最初の流体を選択する工程;c)グラフスペース内の第一ポイントを選択する工程;d)グラフスペース内の第二ポイントを選択する工程;並びにe)グラフ内の第一ポイント及び第二ポイントを接続して、流体注入装置の注入動作をコンピュータが制御することに利用するグラフスペース内の第一領域を定義する工程を備える流体注入装置の制御方法から構成されていてもよい。ある態様において、当該方法はグラフ(例えば、注入ファンクション)を利用した流体注入装置の制御工程を含んでいてもよい。
【0014】
以上より、本発明は、流体注入装置の動作制御に用いる1又はそれ以上の注入プロトコルをグラフとして作成するためのシステム、コンピュータプログラムプロダクト、及び、方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明の概略を説明するため、添付図面について参照するが、当該図面は一定の縮尺で描かれている必要はない。
【図1】図1は、一定の流速及び固定の量のフェーズを別々に、連続的に列挙し、特定することの両方に用いられる表示部を有する、従来技術のエンパワシーティ(EMPOWER CT)遠隔制御インターフェースを図解したものである。
【図2】図2は、非限定的に本発明の取り得る一の態様を示したものであり、注入ファンクションをグラフとしてプロットすることに使用されるグラフスペースを有するグラフィカルユーザインターフェースであって、グラフスペースに制御データがグラフとして入力されていないものを図解したものである。
【図3】図3は、非限定的に本発明の取り得る一の態様を示したものであり、グラフスペースに注入ファンクションがグラフとしてプロットされたグラフィカルユーザインターフェースを図解したものである。
【図4】図4は、非限定的に本発明の取り得る一の態様を示したものであり、本発明の一の態様に従って、流体注入装置を制御する過程をフローチャートで示したものである。
【図5】図5は、非限定的に本発明の取り得る一の態様を示したものであり、流体注入装置制御に利用することができる注入ファンクショングラフをグラフとして作成する過程をフローチャートで示したものである。
【図6】図6は、非限定的に本発明の取り得る一の態様を示したものであり、図3の注入ファンクションの続きであって、使用者が第二の注入ファンクションを作成して、図3の注入ファンクションと組み合わせた注入プロトコルをグラフとして作成したものを図解したものである。
【図7】図7は、非限定的に本発明の取り得る一の態様を示したものであり、本発明の一の態様に従って、第二の注入ファンクションをグラフとして作成する過程をフローチャートで示したものである。
【図8】図8は、非限定的に本発明の取り得る一の態様を示したものであり、図6の注入ファンクションが続いた結果を図解したものであり、ここで使用者は第二の流体について第三の注入ファンクションを追加している。
【図9】図9は、非限定的に本発明の取り得る一の態様を示したものであり、第二の流体の注入ファンクションをグラフとして作成する過程をフローチャートで示したものである。
【図10】図10は、非限定的に本発明の取り得る一の態様を示したものであり、使用者が、第一及び第二の流体の同時注入に利用することができる、第二の流体の注入ファンクションをグラフとしてプロットしたものを図解したものである。
【図11】図11は、非限定的に本発明の取り得る一の態様を示したものであり、複数流体の同時注入を制御することに利用することができる注入ファンクションをグラフとして作成する過程をフローチャートで示したものである。
【図12】図12は、非限定的に本発明の取り得る一の態様を示したものであり、外部装置から提供された感知入力により生成した注入ファンクションのある制御装置を図示したものである。
【図13】図13は、非限定的に本発明の取り得る一の態様を示したものであり、注入の適切性を観察するための可視資料の役割をするグラフィカルユーザインターフェースを図解したものである。
【図14】図14は、非限定的に本発明の取り得る一の態様を示したものであり、コンピュータシステムに注入パラメータをグラフとして入力するために使用することができるグラフィカルユーザインターフェースを含む注入器遠隔制御装置を有する画像診断部屋を示したものである。
【図15】図15は、非限定的に本発明の取り得る一の態様を示したものであり、コンピュータシステムに注入パラメータをグラフとして入力するために使用することができるグラフィカルインターフェース上に重ねて表示されたグラフ視覚化手段を有するエンパワシーティ(EMPOWER CT)表示を図解したものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の詳細な説明
以下、添付図面を参照しながら本発明をより詳細に説明するが、当該説明は本発明の一部の態様を示すものであり、本発明の全ての態様を示すものではない。本発明は、他の多くの形態により具体化することができ、ここで説明する態様に限定して解釈されるべきではない。本明細書全体にわたって、同一番号は同一の構成要素を参照している。本明細書において、「典型的な」とは、非限定的に本発明が取り得る一の態様を示すものである。
【0017】
一の取り得る態様において、本発明は、対象者に流体を注入することに適した装置を含むがこれに限定されない医療機器の動作制御のためのグラフ視覚化手段から構成されていてもよい。このような装置はグラフィカルユーザインターフェースを利用していてもよい。ある態様において、当該装置は、流体注入ファンクション、通信ファンクション、血管外遊出ファンクション、観察ファンクション等を含むがこれに限定されるものではない。ある態様において、グラフ視覚化手段は、所望のファンクションを入力し、表示するためのグラフスペース表示を含んでもよいがこれに限定されるものではない表示を有していてもよい。このようなファンクションは、1又はそれ以上の流体に対するものであってよい。例えば、グラフ視覚化手段は、例えば使用者が1又はそれ以上の流体から、使用者が所望の注入ファンクションを入力することができる流体を選択することを可能とすることができる、1又はそれ以上の選択アイコンを備えていてもよい。また、グラフ視覚化手段は、例えば、選択した流体について注入ファンクションを作成するため使用者がグラフスペース内を操作することを可能とする、1又はそれ以上の選択アイコンを備えていてもよい。
【0018】
一の取り得る態様において、流体注入装置は、対象者に流体を注入するために所望の注入ファンクションを使用してもよい。ある態様において、グラフスペースは、デカルト座標系等の三次元又は二次元の座標系を含むがこれに限定されない1又はそれ以上の軸を有する座標系を備えていてもよい。ある態様において、デカルト座標系は、注入時間を示す第一軸及び注入の流体流速を示す第二軸を含んでいてもよい。一の取り得る態様において、グラフ視覚化手段は、注入する流体量を表示するテキスト形成部を含んでいてもよい。
【0019】
一の取り得る態様において、グラフ視覚化手段は、流体注入装置のための制御装置上で作動するよう設定されていてもよい。一の取り得る態様において、制御装置は流体注入装置と分離していてもよい。ある態様において、注入ファンクションはグラフスペース内の第一ポイント及び第二ポイント間のグラフプロットにより定義される。一の取り得る態様において、1又はそれ以上の注入ファンクションは、結合して注入プロトコルを定義してもよい。また他の取り得る態様として、第一の流体に対する1又はそれ以上の注入ファンクションは、第二の流体やその他の流体に対する1又はそれ以上の注入ファンクションと結合してもよい。
【0020】
一の取り得る態様において、グラフィカルユーザインターフェースは、使用者がグラフスペース内を操作して、1又はそれ以上のファンクション(例えば、注入ファンクション)を見、作り、編集することを含んでもよいがこれに限られること無くこれらのファンクションを操作及び/又はやり取りすることを可能としてもよい、セグメント選択アイコンを含んでいてもよいがこれに限られるものではない。一の取り得る態様において、グラフ視覚化手段は、使用者が第一の流体を備える第一の注入ファンクション及び第二の流体を備える第二の注入ファンクションをグラフスペースにグラフとしてプロットするよう入力することを可能としてもよく、ここで、第二の注入ファンクションはグラフスペース内において少なくとも第一の注入ファンクションの一部と重なり合い、同時流体注入の注入プロトコルを定義する。また、他の取り得る態様において、グラフィカルユーザインターフェースは、タッチスクリーンを備えていてもよい。ある態様において、使用者は、マウス、キーボード、タッチペン又はこれらの組み合わせ等の入力装置を用いてファンクションをグラフとしてプロットしてもよい。一の取り得る態様において、位置選択アイコンは、使用者が注入ファンクションを作成可能とするため、グラフスペース内を操作可能であってもよい。ある態様において、グラフ視覚化手段は、第一の流体についての第一の注入ファンクション及び第二の流体についての第二の注入ファンクションを互いに異なる色で表示するよう設定されていてもよい。
【0021】
一の取り得る態様において、本発明は、流体注入装置、当該流体注入装置と操作可能に接続しているコンピュータ等の制御装置を備えるシステムを含んでいてもよく、ここで、当該コンピュータは、プロセッサが当該流体注入装置を制御し、かつ、使用者が1又はそれ以上の装置ファンクションを制御するパラメータをグラフとして入力することを可能とするため、コンピュータ読取り可能コードを含んでいてもよい。一の取り得る態様において、入力パラメータには、1又はそれ以上の流体注入パラメータが含まれていてもよい。一の取り得る態様において、使用者は、グラフィカルユーザインターフェースを用いて注入される対象者の身体部位と独立して流体注入パラメータを制御ユニットに入力することができてもよい。ある態様において、システムは、グラフィカルユーザインターフェースを表示する視覚的表示、及び、使用者がグラフィカルユーザインターフェース上で注入パラメータをグラフとして入力することを可能とする入力装置を含んでいてもよい。一の態様において、制御ユニットは、流体注入装置の動作を制御するため、入力された流体注入パラメータを利用してもよい。ある態様において、制御ユニットは画像診断部屋の制御室に配置されていてもよく、また、流体注入装置は画像診断部屋の画像診断室に配置されていてもよい。
【0022】
ある態様において、注入パラメータは、注入流速、注入時間、注入量、流体媒体、又はこれらの組み合わせを含んでいてもよいが、これらに限定されるものでもない。一の取りうる態様において、入力装置は、ポインタ、タッチパッド、キーボード、又はこれらの組み合わせを含んでいてもよいが、これらに限定されるものではない。ある態様において、使用者は、流体注入装置の所望の動作を示すグラフィカルユーザインターフェース上に表示された第一のグラフに流体注入パラメータをグラフとして入力してもよい。一の取りうる態様において、グラフは、注入時間を示す第一の軸及び注入流速を示す第二の軸を有する座標系内にあってもよい。他の取りうる態様において、グラフは、注入時間を示す第一の軸及び注入する流体量を示す第二の軸を有する座標系内にあってもよい。一の取り得る態様において、グラフィカルユーザインターフェースは、第一のグラフと重ね合わされた第二のグラフを表示するよう設定されていてもよく、ここで、第二のグラフは流体注入装置のリアルタイム動作を表す。
【0023】
一の取り得る態様において、コンピュータ読取り可能コードは、使用者が第一の流体について流体注入パラメータをグラフとして入力し、第二の流体について流体注入パラメータをグラフとして入力して、流体注入装置の所望の動作を表すグラフ上に同時に表示させることを可能としてもよい。ある態様において、グラフィカルユーザインターフェースは、注入パラメータをグラフとしてコンピュータに入力する1又はそれ以上の流体を使用者が選択することを可能とする、流体選択アイコンを含んでいてもよい。ある態様において、グラフィカルユーザインターフェースは、使用者が複数の時間において対象者に注入する複数種類の流体を選択可能とし、かつ、使用者が、例えば、1から2、2から8、及び、8又はそれ以上の、複数流体注入を選択し及び/又は計画することを可能とするよう適合していてもよい。
【0024】
また、別の取り得る態様において、グラフィカルユーザインターフェースは、第一及び第二ポイントの位置が注入ファンクションに対応するグラフ内の領域を定義するような、グラフスペース内の第一ポイント及びグラフスペース内の第二ポイントを使用者が選択することを可能とする位置選択アイコンを含んでいてもよい。一の態様において、少なくとも2つの注入パラメータは、注入流速及び注入時間を含んでいてもよい。一の取り得る態様において、グラフ内に入力された第一ポイント及び第二ポイントは、注入する流体の量を示すグラフスペース内の面積を定義してもよい。
【0025】
ある態様において、グラフィカルユーザインターフェースは、注入装置により注入される流体の量を表示するように設定されていてもよい。ある態様において、グラフィカルユーザインターフェースは、注入する第一の流体を選択するための第一流体選択アイコン、及び、注入する第二の流体を選択するための第二流体選択器を含んでいてもよい。一の取り得る態様において、第一選択アイコンは、使用者が造影剤を選択することを可能としてもよく、第二選択アイコンは、使用者が洗浄液を選択することを可能としてもよい。一の取り得る態様において、グラフィカルユーザインターフェースは、流体について所望の注入ファンクションを入力及び表示するためのグラフスペース表示、使用者が流体を選択することを可能とする1又はそれ以上の流体選択アイコン、並びに、使用者が、選択した流体の注入ファンクションを作成するためグラフスペース内を操作することを可能とする位置選択アイコンを含んでいてもよく、流体注入装置は対象者に流体を注入するため作成された注入ファンクションを利用してもよい。
【0026】
他の取り得る態様において、本発明は、流体注入装置を制御するよう設定されていてもよいコンピュータ読取り可能プログラムコードを有するコンピュータ利用可能媒体を備えるコンピュータプログラムプロダクトを含んでいてもよい。ある態様において、コンピュータプログラムプロダクトは、1)コンピュータが流体注入装置の動作制御に利用する注入ファンクションをグラフとしてプロットするための領域を定義するグラフスペース、2)使用者が、グラフスペース内で注入ファンクションをグラフとしてプロットする1又はそれ以上の流体を選択することを可能とする、1又はそれ以上の流体選択アイコン、及び、3)選択された流体についてグラフスペースに注入ファンクションをグラフとしてプロットするため、使用者がグラフスペース内を操作することを可能とする位置選択アイコン、を有するグラフィカルユーザインターフェースをコンピュータが表示するように設定されたコンピュータ読取り可能コードを備えていてもよい。
【0027】
ある態様において、コンピュータ読取り可能コードは、グラフとして作成された注入ファンクションを利用してコンピュータが流体注入装置を制御するよう設定されていてもよい。一の取り得る態様において、グラフスペースは、第一の軸が時間を表し、第二の軸が流体の流速を表す座標系内にあってもよい。他の取り得る態様において、グラフは、第一の軸が時間を表す、第二の軸が流体量を表す座標系内にあってもよい。また、他の取り得る態様において、グラフスペースは、第一の軸が流体流速を表し、第二の軸が流体量表す座標系内にあってもよい。一の取り得る態様において、コンピュータ読取り可能コードは、1つのグラフ又は複数のグラフ、例えば10又はそれ以上のグラフ、をグラフィカルユーザインターフェースが表示するよう設定されていてもよい。ある態様において、コンピュータ読取り可能コードは、1又はそれ以上のファンクションが表示されていてもよい複数のグラフスペース表示をグラフィカルユーザインターフェースが表示するよう設定されていてもよい。
【0028】
一の取り得る態様において、コンピュータ読取り可能コードは、流体注入装置の所望の動作を表す第一のグラフをグラフィカルユーザインターフェースが表示するよう設定されていてもよい。他の取り得る態様において、コンピュータ読取り可能コードは、注入中の流体注入装置の実動作を表す第二のグラフをコンピュータが表示するよう設定されていてもよい。また、他の取り得る態様において、コンピュータ読取り可能コードは、時間関数として流体圧を表示する第三のグラフを同時に表示するように設定されていてもよい。ある態様において、第二のグラフは第一のグラフに重ねて合わせられていてもよい。ある態様において、グラフィカルユーザインターフェースは、第一の流体の注入プロトコルを表す第一のグラフ、及び、第二の流体の注入プロトコルを表す第二のグラフを含んでいてもよい。一の取り得る態様において、コンピュータ読取り可能コードは、注入される流体量を計算し、表示するよう設定されていてもよい。
【0029】
一の取り得る態様において、コンピュータ読取り可能コードは、使用者が、1)第一の流体を選択する;2)位置選択アイコンを使用してグラフ内の第一ポイントを選択する;3)位置選択アイコンを使用してグラフ内の第二ポイントを選択する、のうち1又はそれ以上を行うことを可能とするよう設定されていてもよく、ここで、コンピュータ読取り可能コードは、流体注入装置の注入動作制御にコンピュータが利用するグラフスペース内の領域を定義するため、第一及び第二ポイントを結合するよう設定されている。
【0030】
他の取り得る態様において、コンピュータ読取り可能コードは、使用者が、最初の流体を選択すること、及び、位置選択アイコンを使用してグラフスペース内の第三ポイントを選択すること、のうち1又はそれ以上を行うことができるよう設定されていてもよく、ここで、コンピュータ読取り可能コードは、第二及び第三ポイントを結合してグラフスペース内の第二の範囲を決定し、それにより区分注入ファンクションを決定するよう設定されている。また、他の取り得る態様において、コンピュータ読取り可能コードは、使用者が、流体を選択する;位置選択アイコンを使用してグラフスペース内の第n番目のポイントを選択する;及び、位置選択アイコンを使用してグラフスペース内の第(n+1)番目のポイントを選択する、のうち1又はそれ以上を行うことができるよう設定されていてもよく、ここで、コンピュータ読取り可能コードは、第n番目のポイント及び第(n+1)番目のポイントを結合して、流体注入装置の注入動作制御にコンピュータが利用するグラフスペース内の1又はそれ以上の領域を定義するよう設定されている。
【0031】
ある態様において、コンピュータ読取り可能コードは、第一ポイントと第二ポイントを結合するために利用する曲線形式をコンピュータが選択するよう設定されていてもよい。一の取り得る態様において、コンピュータ読取り可能コードは、コンピュータが流体注入装置に指示してグラフスペース内の第一ポイント及び第二ポイント間の曲線により示された速度で第一の流体を注入するよう設定されていてもよい。
【0032】
一の取り得る態様において、グラフは、グラフィカルユーザインターフェースと接続されていてもよいセンサや外部装置を使用して作成されてもよい。他の取り得る態様において、グラフはデータベースを利用して作成されてもよい。一の取り得る態様において、コンピュータプログラムプロダクトは、流体注入装置の制御装置上で作動してもよい。他の取り得る態様において、コンピュータプログラムプロダクトは、撮像装置の制御装置上で作動してもよい。また、他の取り得る態様において、コンピュータプログラムプロダクトは、流体注入装置及び撮像装置を制御するよう設定された制御装置上で作動してもよい。
【0033】
他の取り得る態様において、本発明は、以下のステップを備える、流体注入装置の制御方法を含んでいてもよい:1)流体の注入ファンクションを入力及び表示するためのグラフスペース表示を含むグラフィカルユーザインターフェースを使用者に提示する工程;2)第一の流体を選択する工程;3)グラフスペース内の第一ポイントを選択する工程;4)グラフスペース内の第二ポイントを選択する工程;5)流体注入装置の注入動作制御にコンピュータが利用するグラフスペース内の第一の領域を定義するため、グラフスペース内の第一及び第二ポイントを結合する工程;及び6)注入ファンクションを利用して流体注入装置を制御する工程。
【0034】
ある態様において、本発明の方法は、グラフスペース内の1又はそれ以上の領域を定義するため、グラフスペース内の、例えば、2から5、4から10、及びそれらの並び替え等の、複数のポイントを接続する工程を含んでいてもよい。一の取り得る態様において、本発明の方法はまた、次の工程を含んでいてもよい:第二の流体を選択する工程;グラフスペース内の第三ポイントを選択する工程;及び流体注入装置の注入動作制御にコンピュータが利用するグラフスペース内の第二の領域を決定するため、グラフスペース内の第二及び第三ポイントを結合する工程。ある態様において、第二の領域の少なくとも一部は、グラフスペース内で第一の領域と重ねて合わせられていてもよい。ある態様において、グラフスペースは、1又はそれ以上の流体について1又はそれ以上の注入ファンクションを含んでいてもよい。
【0035】
一の取り得る態様において、グラフスペース内のポイントを結合する工程は、更に、第一ポイントと第二ポイントを結合するため使用する曲線形式を選択する工程を備えていてもよい。ある態様において、本発明の方法は、流体注入装置の制御装置と通信しているセンサ又は外部装置を使用して注入ファンクションをグラフスペース内に入力することを備えていてもよい。一の取り得る態様において、第一の流体を選択する工程は、グラフィカルユーザインターフェース上に提示された1又はそれ以上の流体選択アイコンと作用することを含んでいてもよい。ある態様において、グラフスペース内の第一及び第二ポイントを選択する工程は、更に、グラフィカルユーザインターフェースにより提示された位置選択アイコンと作用することを備えていてもよい。他の取り得る態様において、流体注入装置を制御する工程は、第一ポイント及び第二ポイント間の曲線により示された流速で第一の流体を注入するよう流体注入装置に指示する工程を備えていてもよい。
【0036】
一の取り得る態様において、本発明は、注入システムと共に使用することができるグラフ視覚化手段、及び、流体注入装置の注入動作が制御されていてもよいコンピュータに1又はそれ以上の注入パラメータをグラフとして入力するための当該手段の使用方法に関する。一の態様において、グラフ視覚化手段は、流体注入装置と操作可能に接続していてもよい制御装置上で作動してもよい。他の態様において、グラフ視覚化手段は、任意の流体の注入プロトコルをグラフとしてプロットすることに使用されてもよい。これにより作成された注入プロトコルは、対象者への流体の注入を制御することに利用されてもよい。
【0037】
一の取り得る態様において、グラフ視覚化手段は、流体を対象者に投与するための注入システムと連動して使用されてもよい。一の取り得る態様において、流体注入システムは、造影剤等の流体の有効量を投与することに使用可能な流体注入装置、及び、当該流体注入装置と操作可能に接続している制御インターフェースを含んでいてもよい。注入システムは、1又はそれ以上の制御インターフェースを含んでいてもよい。制御インターフェースは、流体注入装置とデータを送受信してもよい。一の態様において、本発明のグラフィカルユーザインターフェースは、流体注入装置と操作可能に接続している制御インターフェース上で作動してもよい。注入装置は、患者又は対象者に造影剤を供給することに使用されるものであればどのような種類のものでもよい(例えば、イー−ゼット−イーエム(E−Z−EM)社製、エンパワシーティインジェクター(EMPOWER CT Injector)等)。一の取り得る態様において、注入システムは、撮像システムと連動して使用されてもよい。撮像システムは、撮像制御装置、患者若しくは対象者の体内の造影剤を観察及び表示し、患者又は対象者の体内イメージを取得し、その他の診断データを制御装置又は記憶媒体に提供することに使用することが可能な撮像デバイス又は装置を備えていてもよい。撮像システムは、撮像装置に操作可能に接続した撮像インターフェースを有していてもよい。ある態様において、注入システム及び撮像システムは、共通の制御装置に操作可能に接続していてもよい。
【0038】
用語「造影剤」は、個々の体の選択した範囲を強調しかつ/又は同定するために、個体又は対象者に注入可能であれば、いかなる適切な媒体をも含む。造影剤には、放射線不透ヨード注入剤、生理食塩水、洗浄剤等、及び、これらのどのような組み合わせ又混合物を含んでもよいが、これに限定されるものではない。造影剤は、CTスキャン、MRI、PET、超音波等の医療診断撮像に使用される撮像装置と共に使用することができる。
【0039】
図面について説明すると、図2は、グラフィカルユーザインターフェースを利用した流体注入装置の動作を制御するための、グラフ視覚化手段52の取り得る一の態様である表示画面50を示す。図2は、グラフィカルユーザインターフェースに制御データが未入力であるグラフ視覚化手段を図解している。表示画面50は、グラフスペース55(注入定義領域等)を形成してもよい第一の表示枠54を含んでいてもよい。一の取り得る態様において、表示画面は、使用者により、コンピュータモニタ、LCDモニタのような視覚的表示上に視覚化されてもよい。ある態様において、表示画面は、使用者が入力行為を通じて操作指示を入力又は選択してもよいタッチスクリーンを備えていてもよい。グラフスペースは、注入プロトコルに対応してもよい注入ファンクションを使用者がグラフとしてプロットすることを可能としてもよい。本発明の説明において、「注入プロトコル」とは、継続時間にわたって流体流速が変化してもよい、対象者への1又はそれ以上の流体の注入のことをいう。
【0040】
ある態様において、注入プロトコルは、1又はそれ以上の注入ファンクションを備えていてもよい。本発明の説明において、「注入ファンクション」とは、グラフスペースにグラフとしてプロットされた、選択された流体についてのグラフのセグメントのことをいう。任意の流体の注入ファンクションは、継続時間にわたって予定する量の流体を供給するため流速が変化してもよい。一の取り得る態様において、グラフスペースは、注入ファンクションを作成するため、注入パラメータを互いに対してグラフとしてプロットすることに使用されてもよい。例えば、一の取り得る態様において、注入流速は、所望の長さの時間に対してグラフとしてプロットされてもよい。ある態様において、注入ファンクションを決めるため、量、時間、流速のような追加の注入パラメータが、互いに対してグラフとしてプロットされてもよい。
【0041】
ある態様において、注入プロトコルは、グラフスペース内の複数の注入ファンクションを含んでいてもよく、又は、単一の注入ファンクションを備えていてもよい。単一の注入ファンクションを備える場合には、注入ファンクションは注入プロトコルとなる。グラフ視覚化手段を使用する際、使用者は、注入プロトコルを作成するためグラフスペース55内に任意の流体について複数の注入ファンクションをグラフとしてプロットしてもよい。ある態様において、1又はそれ以上の注入ファンクションを組み合わせて注入プロトコルを作成してもよい。注入プロトコルは、グラフスペース55にグラフとしてプロットされた1又はそれ以上の注入ファンクションを組み合わせることにより作成してもよい。
【0042】
ある態様において、グラフスペース55は、第一の軸58及び第二の軸56を有するデカルト座標系に相当する注入定義領域を備えていてもよい。ある態様において、軸58は、継続時間又は時間の長さを表していてもよく、軸56は、対象者に注入される流体の注入流速を表していてもよい。本態様において、使用者は、流体の流速が注入継続時間に対してプロットされるように、グラフスペース内に注入ファンクションをグラフとしてプロットしてもよい。一の取り得る態様において、軸56、58は、注入ファンクションをグラフとして示す手段として、注入量対時間等の他の注入パラメータを表していてもよい。
【0043】
グラフ視覚化手段52はまた、グラフスペース55内に1又はそれ以上の注入ファンクションをグラフとしてプロットするための手段を有する、コントロールパネル60を含んでいてもよい。一の取り得る態様において、コントロールパネル60は、1又はそれ以上の流体選択アイコン62、64を含んでいてもよい。流体選択アイコン62、64は、グラフ視覚化手段を利用して注入ファンクションを作成する流体を使用者が選択可能としてもよい。ある態様において、流体選択アイコンは、ユーザインターフェース内に表示されるよう設定された実行ソフトウェアモジュールを備えていてもよく、使用者による入力操作により実行可能であってもよい。利用可能な流体選択アイコンの数は、用途に応じて変化してもよい。ある態様において、利用可能な流体選択アイコンの数は、流体注入装置が注入可能な流体の数に応じていてもよい。ある態様において、グラフカルユーザインターフェースは、追加の流体選択にアクセスするため、1又はそれ以上のプルダウンメニューを含んでいてもよい。
【0044】
一の取り得る態様において、流体選択アイコン62は流体1選択ボタンを備えていてもよい。ある態様において、流体注入装置の制御装置は接触感知画面を含んでいてもよい。本態様において、流体1選択ボタンは、接触画面上に表された一次的に起動するソフトウェアにより生成したボタンを備えていてもよい。ある態様において、流体1選択ボタンは、注入される流体の種類の象徴を含んでいてもよい。本願図面においては、造影剤(contrast fluid)を表すことができる文字「C」が図示されている。流体1選択ボタンを押圧することにより、使用者がグラフ視覚化手段を使用して造影剤の注入ファンクションをグラフとしてプロットすることを可能としてもよい。
【0045】
一の取り得る態様において、流体選択アイコン64は、流体2選択ボタンを備えていてもよい。上述の通り、流体注入装置の制御装置は、接触感知画面を含んでいてもよい。本態様において、流体2選択アイコンは、接触画面上に表された一次的に起動するソフトウェアにより生成したボタンを備えていてもよい。ある態様において、流体2選択ボタンは、注入される流体の種類の象徴を含んでいてもよい。本願図面においては、洗浄目的で使用する生理食塩水(saline fluid)を表すことができる文字「S」が図示されている。流体2選択ボタンを押圧することにより、使用者がグラフ視覚化手段を使用して生理食塩水の注入ファンクションをグラフとしてプロットすることを可能としてもよい。
【0046】
ある態様において、コントロールパネルはまた、位置選択アイコン66(例えば、方向パッド等)を含んでいてもよい。位置選択アイコン66は、使用者が、ポインタ、キーボード又はそれと同様の装置等の入力装置を使用して、グラフスペース55内を操作することを可能としてもよい。ある態様において、位置選択アイコンはグラフィカルユーザインターフェース内に表示されるように設定された実行ソフトウェアモジュールを備えていてもよく、使用者による入力操作により実行可能であってもよい。ある態様において、位置選択アイコンは接触感知ボタンを備えていてもよい。一の取り得る態様において、位置選択アイコン66により、使用者は、所望の注入パラメータに対応してもよいグラフスペース内の第一ポイントを選択することができてもよい。例えば、使用者は、軸58に沿った所望の注入流速及び軸56に沿った所望の注入継続時間に対応する、第一ポイントを選択してもよい。ある態様において、第一ポイントは、注入開始流速及び注入開始時間に対応していてもよい。単回注入又は複数注入プロトコルの第一の注入の場合、開始時間は時間ゼロ又は注入プロトコルの開始に対応していてもよい。位置選択アイコンにより第一ポイントが選択されると、グラフスペース55内の第二ポイントが選択されてもよい。第二ポイントは、注入ファンクションの所望の終了点に対応していてもよい。グラフ視覚化手段は、その後、二つのポイントを繋ぎ、選択された流体の注入ファンクションのグラフプロット又は注入プロトコルの一部を作成してもよい。グラフとして作成された注入プロトコルは、流体注入装置の注入動作を制御するために利用されてもよい。
【0047】
一の取り得る態様として、位置選択アイコン66は、方向パッドの形態であってもよい。上述の通り、流体注入装置の制御装置は、接触感知画面を含んでいてもよい。本態様において、方向パッドは、制御装置の接触画面上に表された一次的に起動するソフトウェアにより生成したボタンを備えていてもよい。方向矢印の押圧は、グラフスペース内でデータをグラフとして位置/編集することに使用されてもよい。図示した方向パッドは、それによりグラフセグメント(例えば、注入ファンクション等)の端点を定義する、グラフスペース内の基準を構築することに適応した一般的なものである。このような方向パッドは、例えば、指数関数、対数関数、多項式関数、又はその他の公知の数学関数等の、数値演算に基づいてグラフセグメントを構築する、追加の制御及び形態により具体化されていてもよいことを、本願は広く意図するものである。
【0048】
ある態様において、使用者はいくつかの方法でグラフスペース内に注入ファンクションをグラフとしてプロットしてもよい。一の取り得る態様において、注入ファンクションは、グラフスペース内の開始点(例えば、第一ポイント)及び終点(例えば、第二ポイント)を選択することにより、グラフスペース内に定義されてもよい。開始点及び終点は、位置選択アイコン、又は、マウス、タッチパッド/タッチペン若しくはキーボードなどの入力装置、あるいはこれらの組み合わせを使用して選択されてもよい。その後、グラフ視覚化手段は開始点と終点を結合して注入ファンクションを作成する。他の態様において、使用者は、マウス又はタッチパッド/タッチペン等の入力装置を使用して、グラフスペース内に自由形式でグラフプロットを引いて、注入ファンクションを定義してもよい。また他の態様において、グラフィカルインターフェースは接触画面を備えていてもよく、使用者は、接触画面上を自由形式でプロットを引くことにより注入ファンクションをグラフとしてプロットしてもよい。ある態様において、グラフプロットは、注入パラメータを入力してもよい、モニタ等の外部装置により作成されてもよい。
【0049】
一の取り得る態様において、コントロールパネル60は、使用者がグラフスペース内をスクロールして、グラフスペース55内に作成された注入ファンクションを見える状態にし、選択し、編集することを可能とする、セグメント選択アイコン68を含んでいてもよい。ある態様において、セグメント選択アイコンは、グラフィカルユーザインターフェース内に表示されるよう設定された実行ソフトウェアモジュールを備えていてもよく、使用者による入力操作により実行可能であってもよい。上述の通り、流体注入装置の制御装置は、接触感知画面を含んでいてもよい。本態様において、セグメント選択アイコンは、接触画面上に表された一次的に起動するソフトウェアにより生成したボタンを備えていてもよい。セグメント選択アイコンは、流速対時間のグラフプロットにより定義されてもよい隣接した注入ファンクションを自由に選択することに使用されてもよい。
【0050】
図3において、使用者がグラフスペース55内に注入ファンクション70をグラフとしてプロットしたグラフィカルユーザインターフェースが図示されている。図示した態様において、使用者は、時間0から9秒の間、一定の流速3.0ml/sの線をグラフとしてプロットすることにより、注入ファンクション70を入力している。ある態様において、注入される流体量である27mlは、注入ファンクション70をグラフとして入力する間リアルタイムでテキスト形成部72として表示されていてもよい。ある態様において、グラフ視覚化手段は、グラフセグメント内の面積を計算し、対象者に注入する流体量を決定するソフトウェアモジュールを含んでいてもよい。複数の注入ファンクションを含んでいてもよい流体注入プロトコルにおいて、グラフ視覚化手段は、各注入ファンクションにより注入される流体量、複数の注入ファンクションを備える注入プロトコルにより注入される全量、及びそれらの組み合わせを計算するように設定されていてもよい。
【0051】
ある態様において、使用者の側から見やすいように、注入定義領域を定義する流速及び時間座標は、グラフ入力の間自動的にその尺度を更新し、注入プロトコルに関連する全てのデータが見えるよう最大化してもよい。また、他の態様において、注入定義領域を定義する時間又は流速座標のいずれかが境界値に達すると、尺度が調節されるのではなく、代わりにスクロール装置が使用されてもよい。
【0052】
図4は、本発明の一の態様に従って、流体注入装置を制御するために利用することができる工程を図示したものである。ブロック400において、使用者は、1又はそれ以上の注入ファンクションを定義するために使用することができるグラフスペースを有するグラフィカルユーザインターフェースを提示されることができる。ブロック410において、使用者は、流体注入装置の所望の動作を表すグラフを入力する。ブロック420において、流体注入装置は、使用者により入力されたグラフに従って作動する。
【0053】
図5は、本発明の一の態様に従って、グラフスペース内に、流体注入装置を制御することに用いられ得る注入ファンクションを定義することに利用することができる工程を図示するブロック図である。ブロック500において、使用者は、グラフ視覚化手段を有するグラフィカルユーザインターフェースを提示されることができる。ブロック510において、使用者は、グラフスペース内にグラフとしてプロットする流体を選択することができる。ブロック520において、使用者は、グラフスペース内の第一ポイントを選択することができる。ブロック530において、使用者は、グラフスペース内の第二ポイントを選択することができる。ブロック540において、グラフ視覚化手段は、流体注入装置の制御に利用しうるグラフの注入ファンクションを定義するため、第一及び第二ポイントを結合することができる。一の態様において、使用者は、第一及び第二ポイントを結合するために使用し得る曲線を特定してもよい。
【0054】
一の取り得る態様において、使用者は、所望の流体の注入プロトコルを作成するため、複数の注入ファンクションをグラフスペース内に作成することができる。一の態様において、使用者は、グラフスペース内の第n番目のポイント及びグラフスペース内の第(n+1)番目のポイントを選択することができる。その後、グラフ視覚化手段は、区分注入プロトコルを定義するため、グラフスペース内の第n番目のポイント及び第(n+1)番目のポイントを結合することができる。ある態様において、使用者は、グラフスペース内の一連の複数ポイントを選択し、複数の注入ファンクションを備えていてもよい注入プロトコルを作成するため、位置選択アイコン66又は上述の他の方法を使用することができる。この点において、図6は、グラフスペース50内にグラフとしてプロットされた2つのこのような注入ファンクションから作成された注入プロトコル70を表示する表示画面50を図示したものである。図において、使用者は、時間0から9秒の間、一定流速3.0ml/秒の線を入力することにより、第一の注入ファンクション74を入力している。注入される流体量である27mlは、注入プロトコル70のテキスト形成部(不図示)として表示されていてもよい。使用者は、第三ポイントを選択し、第三ポイントと注入ファンクション74とを結合することによって、第二の注入ファンクション76を定義することにより、第二の注入ファンクション76を入力することができる。ある態様において、セグメント選択アイコン(図3の符号68を参照)は、使用者が、グラフスペース内に入力された各ポイントから順次スクロールすることを可能としてもよい。図において、使用者は、流体選択アイコンを二度目に選択し、編集キー(例えば、方向パッド及びセグメント選択アイコン)は、次の10秒間にわたって流速を3.0ml/秒から2.1ml/秒まで直線的な減少をグラフとして作成することに用いられている。一の取り得る態様において、注入ファンクション74及び76の組み合わせは、注入プロトコル70を定義してもよい。図示された態様において、両注入ファンクションは、同じ流体を備えていてもよい。ある態様において、注入プロトコルで注入される流体量は、テキスト形成部72として表示されてもよい。
【0055】
図7は、本発明の一の態様に従って、第二の注入ファンクションを定義することに利用することができる工程を図示するブロック図である。ブロック700において、使用者は、第一の注入ファンクションを入力する。ブロック710において、使用者は、第一の注入ファンクションで制御されるものと同じ流体を選択することができる。ブロック720において、使用者は、グラフスペース内の第三の位置を選択する。ブロック730において、第三の位置は、流体注入装置の制御に利用し得るグラフの第二の注入ファンクションを定義するため、第一セグメントと結合されることができる。他の態様において、第三の位置は、第一の注入ファンクションの代わりに第四の位置と結合されてもよい。
【0056】
発明の態様の機能的な説明において、様々な論理的延長を導入することができる。一の取り得る態様において、グラフィカルユーザインターフェースは、複数流体計画において、2以上の流体を有する注入プロトコルを作成することに適合していてもよい。ある態様において、流体選択アイコン(図2の符号62、64を参照)は、1からnまで変動してもよく、又は、ある態様においては、グラフ視覚化手段はプルダウンメニュー配置又は同等のものにより生成するソフトウェアを含んでいてもよい。一の取り得る態様において、流体選択アイコンは、接触感知ボタンを備えていてもよい。本態様において、使用者は接触感知ボタンを多様な異なる流体のスクロールに使用することより、所望の流体を選択することができる。更に、ある態様において、複数流体配置において利用可能な全ての流体は、いかなる組み合わせ又は順列でも自由に選択することができる。
【0057】
他の態様において、本明細書で記載するグラフ注入ファンクションの作成の範囲内において、表示領域内に追加の編集手段が使用者に提供されていてもよい。一の態様において、直線セグメントを編集する機能を超える編集機能として、数値演算(例えば、指数関数、対数関数、多項式関数、区分関数、連続関数、非連続関数、ステップ関数、デルタ関数等)を含んでいてもよいが、これに限定されるものではない。
【0058】
一の取り得る態様において、グラフィカルユーザインターフェースは、複数流体の注入ファンクションを含む注入プロトコルをグラフとしてプロットすることができるグラフ視覚化手段を含んでいてもよい。注入ファンクションの定義内に複数流体の供給を作成するため、使用者は、注入ファンクションを定義する第二の流体を選択することができる。図8においては、注入ファンクション70がグラフとして作成され、第二の流体について第二の注入ファンクション80がグラフとして作成されている、グラフスペース55が図示されている。第二の注入ファンクションは、上述の方法により作成することができる。ある態様において、第二の注入流体は、生理食塩水、又は、洗浄液等の他の流体から構成されていてもよい。図10は、図8の注入ファンクションの続きを図示したものであり、ここで第二の注入は、本発明の一の態様に従って、造影剤の供給について前に定義した注入プロトコル部分のすぐ後に続いて、流速2.1ml/秒で16秒間注入されることができる。グラフ視覚化手段52は、新規注入ファンクション80を表示することができる。ある態様において、グラフ視覚化手段は、第一の注入ファンクションにおいて注入される全流体量を表示することができるテキスト形成部72を表示し続けてもよい。ある態様において、テキスト形成部82は注入される第二の流体量を表示することができる。
【0059】
ある態様において、グラフ視覚化手段は、それぞれの流体を区別することに利用し得る色又は影をつけて異なる流体についての注入ファンクションを表示することができる。例えば、一の取り得る態様において、造影剤の注入ファンクションは緑色で表示され、一方、生理食塩水の注入ファンクションは赤色で表示されてもよい。異なる流体を視覚化するため色又は影を用いることにより、使用者は、グラフスペース内の異なる流体を直ちに識別することができる。
【0060】
図9は、本発明の一の態様に従って、第二の流体の注入ファンクションを入力する工程を図示したブロック図である。ブロック900において、使用者は、第一の流体を制御するための第一の注入ファンクションを入力する。ブロック910において、使用者は第二の流体を選択する。ブロック920において、使用者はグラフスペース内の新しいポイントを選択する。ブロック930において、当該新規ポイントは、複数流体注入装置の制御に利用し得るグラフスペース内の第二の注入ファンクションを定義するため、第一の注入ファンクションと結合することができる。他の態様において、新しい位置は、第一のグラフセグメントの代わりに他の位置と結合する。
【0061】
複数流体配置において、表示内の編集設備は、同時流体注入を実行する共通時間部に亘ってファンクションを容易に重ね合わせることができる。図10は、本発明の一の態様に従って、図8を造影剤及び生理食塩水等の二つの流体の同時注入を含むように編集した結果を図示したものである。グラフ視覚化手段52は、新規注入ファンクション1000を表示している。テキスト形成部70は、0から19秒の間に注入される造影剤の量を示し続けている。同様に、テキスト形成部82は、注入される第二の流体の量を図8から示し続けている。ここで、テキスト形成部1010は、第二の流体と同時に注入される、第一の流体と同一であるか又は異なっていてもよい第三の流体の量を示すことができる。ここで示すとおり、ある態様において、二つの流体が同時に注入される場合、当該二つの流体は、グラフスペース55内においてX軸に示した時間の範囲内で重なるように表示されることができる。上述の通り、グラフ視覚化手段は、それぞれの流体を識別するために使用し得る色又は影で異なる流体の注入ファンクションを表示することができる。
【0062】
図11は、本発明の一の態様に従って、複数流体の同時注入を制御するための注入プロトコルをグラフとしてプロットする工程を図示したブロック図である。ブロック1100において、使用者は、第一の流体のグラフ(注入ファンクション)の少なくとも一部を入力する。ブロック1110において、使用者は、第二の流体を選択する。ブロック1120において、使用者は、グラフスペース内の第一ポイントを選択する。ブロック1130において、使用者は、第一及び第二ポイント間の時間範囲の一部が第一の流体についてのグラフの一部と共通するような、グラフスペース内の第二ポイントを選択する。ブロック1140において、第一及び第二ポイント間に新しい注入ファンクションが作成される。
【0063】
一の取り得る態様において、グラフ注入ファンクション、プロトコル、又は、これらの組み合わせの作成は、流体注入装置の制御装置の範囲内にある編集機能に限定されるものではない。制御装置の接続、処理及び記憶機能の範囲内で、接続可能な多数の医療機器からの生理データを自動的に取得及び処理して患者特異的な注入プロトコルを規定することができる。
【0064】
図12は、外部装置と連通しているグラフカルユーザインターフェースを図示したものである。本態様において、外部装置は、エンパワシーティ(EMPOWER CT)遠隔制御インターフェース等の流体注入装置の制御装置と通信することができる。グラフ視覚化手段は、注入ファンクション及び/又は注入プロトコルを生成するため外部装置から提供された入力を利用することができる。一の取り得る態様において、外部装置1200は、1若しくはそれ以上の入力センサ、又は、1又はそれ以上の医療機器(例えば、患者モニタ、CTスキャナ、血液分析装置、又は、生体インピーダンス測定器)からのセンサ情報を収集する観察装置を含むことができる。外部装置からのデータは、接続1210を通じて流体注入装置の制御装置に通信されることができる。グラフ視覚化手段は、外部装置から提供されたデータに基づき流体注入制御グラフ1230(注入ファンクション)を作成し、表示することができる。接続1210は、あらゆる接続プロトコル、及び、有線又は無線の接続手段を含むあらゆる物理的な接続手段を用いて形成されることができる。一の態様において、流体注入制御グラフ1230の形状は、接続1210を通じて伝達されたデータの一部又は全てである。他の態様において、流体注入制御グラフ1230の形状は、接続1210を通じてデータが通信された後に決定される。図12に示す態様は、グラフの制御により注入される流体量を表示するテキスト形成部を有していないよう図示されているが、他の同様な態様においては、このようなテキスト形成部が提示される。
【0065】
一の取り得る態様において、本発明は、医療注入システムの使用者が、慎重に定義される数値配列ではなく、グラフィカルユーザインターフェースを通じて流体の供給を特定する手段を提供する。本発明のこの側面において、グラフ視覚化手段は、グラフスペースを表示し、流体注入装置の流体注入動作を制御することに使用し得るグラフスペース内の注入ファンクション、プロトコル、又はそれらの組み合わせを作成するためのコンピュータにより実行可能な命令を有するコンピュータ読取り可能記憶媒体を備えていてもよい。コンピュータ読取り可能記憶媒体は、イー−ゼット−イーエム エンパワシーティ(E−Z−EM EMPOWER CT)遠隔制御インターフェース等の既存の制御装置の性能を上げることに利用することができる。本態様において、グラフ視覚化手段は、流体供給を構築/定義/計画する既存の段階的方法を、一部又はモジュラーレベルで交換することができる。当該更新は、エンパワシーティ(EMPOWER CT)注入遠隔制御インターフェースデザイン上に現在定義されている全ての他の形態及び特性と連動する。
【0066】
一の態様において、注入処置の間、グラフ注入ファンクションは、注入が適切であるか否かを監視するため視覚化された参考資料としての役割を果たす。図13は、本発明の一の態様に従って、注入が適切であるか否かを監視するために視覚化された参考資料を提供するグラフィカルユーザインターフェースを図示したものである。実際の注入の進行は、(例えば、機能を様々な色又は影により図示する等)異なる属性で定義されたファンクションにより表されている、グラフとしてプロットされた注入複数流体グラフと重ねて、進行示す属性の変化としてグラフ上位置づけられる(例えば、実際の注入量が異なる色又は影で位置づけられる等)。図13において、約12秒後、実供給ファンクション1300は、グラフ上計画された注入ファンクション1310から外れている。これは、計画上の流速で規定の限界を超えようとする実注入圧が発生することに最も起因して、計画上の流速より注入が減速することを示す。この流速の減少は圧制限として広く知られている。ある態様において、グラフ視覚化手段は、所望の注入量及び実際の注入量を表示するように設定されていてもよい。図中、所望量はテキスト部1320及び1330に示され、実際量はテキスト部1340及び1350に示されている。
【0067】
グラフ注入ファンクションインターフェースの範囲内で、いつ及びどの程度の規模の圧限界が発生するかが示されてもよい。従来、段階的なシステムを利用した先行技術において、使用者は、科学技術者にとって行うことが困難であるか又はほぼ不可能な仕事である、画面上の数値変数の変化を即座に精査することによってのみ、圧制限欠陥の程度を確定することができた。同様に、本発明に関する説明においては、圧力のような追加の変数が同様に重ね合わせられ、又は、グラフ領域の時間目盛と垂直方向に近接して表示されることも当然予期するものである。段階的決定の観点からは、使用者は、流速に付加される時間関数による圧力により、注入期間に亘って様々な圧制限の限界に直面するであろう。注入進行観測という考え方を、圧力などの付随的な変数まで広げることで、リアルタイムに基づく実圧力は、注入の間、対応するグラフとして重ね合わせることができる。
【0068】
注入前に非線形注入ファンクションを特定するため外部装置からデータが流れることと同時に、遠隔制御データ処理能力の範囲内で、リアルタイムデータの流れ1360は、医療機器1370の制御装置から出力可能であり、当該データは注入歴情報に利用することができる。当該時間依存的なデータの流れは、他の装置からのいかなる他の診断又は治療データとも相関して組み込まれる。
【0069】
図14は、医療画像診断室部屋を図示した本発明の取り得る態様を示す。図14に示すとおり、医療画像診断部屋1400は、制御室1402及び撮像装置室1404を含むことができる。撮像装置室には、撮像装置1406及び流体注入装置1408を備えていてもよい。制御室1402は、流体注入装置1408と操作可能に接続し得る遠隔制御装置1410、及び、撮像装置1406と操作可能に接続し得る撮像制御装置1412を含んでいてもよい。一の取り得る態様において、遠隔制御装置1410は、注入プロトコルをグラフとして作成するよう設定されうるグラフィカルユーザインターフェースを含んでいてもよい。ある態様において、撮像装置及び流体注入装置は通信状態にあってもよく、また、共通の制御装置(不図示)により操作可能に制御されていてもよい。制御装置1410、1412は、広く多様な方法で装置1406、1408と通信することができる。図14に示すとおり、装置1406、1408はそれぞれ、通信経路1414、1416を通じて、それぞれの制御装置と通信することができる。撮像装置が磁場を発生する場合の態様において、装置及び制御装置間並びに他の追加の装置間の通信経路は、本発明の磁場と実質的に非反応性となるよう適合されていてもよい。このような実質的に非反応性の通信経路は、例えば、光ファイバー線、赤外線等の電磁気送信機/受信機等、及び、それらの組み合わせを含む。更に、撮像装置が磁場を発生する場合の態様において、撮像装置室内の注入器等の装置は、真鍮等の実質的に磁場と非反応性の材料からできていてもよい。他の態様において、撮像装置室内の装置は、撮像装置と干渉しないよう、室内に配置されていてもよい。
【0070】
図15は、流体注入装置のグラフィカルユーザインターフェース1500の例を図示したものである。図に示すとおり、グラフィカルユーザインターフェース1500は、注入パラメータを流体注入装置にグラフとして入力するためのグラフ視覚化手段1502を含んでいてもよい。一の取り得る態様において、グラフ視覚化手段1502は、使用者が、流体注入装置の注入動作を制御する注入パラメータを流体注入装置に入力するためにグラフィカルユーザインターフェースを使用することを可能とすることができる。一の態様において、グラフ視覚化手段は、グラフを表示するための表示手段及び1又はそれ以上の所望の注入パラメータをグラフに入力するための入力装置を含むことができる。ある態様において、グラフは、所望の注入流速及び注入時間を入力することに利用することができる。この点において、図15は、本発明の一の取り得る態様に従って、グラフ視覚化手段1502を図示したものである。グラフ視覚化手段1502は、使用者が、ポインタ又はタッチパッド等の入力装置を使用し、注入する流体の所望の注入動作を表し得る注入ファンクション又はプロトコルをグラフスペース1510内に作成する、グラフスペース1510を含んでいてもよい。
【0071】
一の取り得る態様において、グラフ視覚化手段は、コンピュータシステム上のソフトウェア、ファームウェア及び/又はハードウェアを通じたコンピュータグラフィク表示手段として実現することができる。グラフ視覚化手段は、どのような種類のグラフィックスワークステーション、プロセッサ、マルチプロセッサ、コンピュータネットワーク、独立型コンピュータ、共通制御装置、遠隔注入制御装置、流体注入装置内に統合された制御装置、その他流体注入装置と操作可能に接続され得るいかなるコンピュータグラフィックス処理環境又はアプリケーションにより提供されてもよい。ある態様において、1又はそれ以上の注入プロトコルは、別のコンピュータステーション上で準備され、後で流体注入装置又は注入制御装置にアップロードされてもよい。一の取り得る態様において、グラフ視覚化手段は、グラフスペースを表示し、流体注入装置の流体注入動作を制御するために利用し得る1又はそれ以上の注入ファンクションをグラフスペース内に作成するための、コンピュータ実行可能な命令を有するコンピュータ読取り可能記録媒体を備えていてもよい。ある態様において、注入ファンクション及び注入プロトコルは記録され、次回利用する際に呼び出されてもよい。
【0072】
本発明の一の態様において、グラフィカルユーザインターフェースは、注入ファンクションを定義し、続いて流体注入装置を制御することに供される。一の態様において、使用者は、グラフを入力することにより流体注入装置を制御することができる。一の態様において、グラフは、時間に対する所望の流速のプロットであってもよい。一の態様において、グラフは、時間に対する量のプロットであってもよい。一の態様において、グラフは、量に対する流速のプロットであってもよい。
【0073】
図15に戻って説明すると、エンパワシーティ(EMPOWER CT)インターフェース表示は、グラフィカルユーザインターフェース上に、重なり合うようにグラフ視覚化手段1502を有するよう図示している。ある態様において、使用者は、グラフ視覚化手段1502を実行し、表示させるために利用し得るアイコン(非図示)をグラフィカルユーザインターフェース1500上で実行させてもよい。上述の通り、グラフ視覚化手段1502は、1又はそれ以上の流体の注入プロトコルを作成し得るグラフスペース1510を含んでいてもよい。一の取り得る態様において、グラフ視覚化手段1502は、同様に、使用者が、注入ファンクションを作成する1又はそれ以上の流体を選択することを可能とし得る、1又はそれ以上の流体選択アイコン1520及び1530を含んでいてもよい。ある態様において、グラフ視覚化手段1520は、また、使用者が、グラフスペース1510内を移動し、注入プロトコルを作成するポイントを選択することを可能とし得る、グラフ作成アイコン1540(例えば、方向パッド等)を含んでいてもよい。一の取り得る態様において、使用者は、撮像される対象者の身体部位と無関係に注入プロトコルを作成することができる。更に、他の取り得る態様において、グラフ視覚化手段1502は、グラフ選択アイコン1550を含んでいてもよい。グラフ選択アイコン1550は、使用者が、グラフスペース1510に含まれ得る個々の注入ファンクション間をスクロールすることを可能とし得る。
【0074】
一の取り得る態様において、使用者は、グラフ作成アイコン1540を使用してグラフスペース1510内のポイントを特定することにより、グラフスペース1510に注入ファンクションを作成することができる。加えて、使用者は、流体選択アイコン1520及び1530を、使用者がグラフスペース1510に注入ファンクションを作成し得る流体を特定するために使用することができる。一の取り得る態様において、流体選択アイコン1520は、造影剤に関する制御命令を入力するために使用することができる。他の取り得る態様において、流体選択アイコン1530は、生理食塩水に関する制御命令を入力するために使用することができる。グラフ要素セレクタ1550は、使用者が、グラフスペース1510内の異なる注入ファンクション間を切り替えることを可能とする。注入ファンクションは、使用者により定義されることができ、又は、使用者がグラフを作成した際に数値演算の副産物として生成されることができる。本インターフェースデザインの範囲内で、本願で図示するとおり、ユーザインターフェース流体セレクタ1520及び1530、グラフ要素セレクタ1550、並びに、グラフ作成手段1540を、ソフトウェアにより表示領域に生成する機能として設計することができ、又は、膜パネル上等の専用ハードウェアスイッチとして設計することができ、あるいは、それらの組み合わせとして設計することができることを本発明は包含する。同様に、このようなインターフェースプロダクトのためのソフトウェア設計が、マウス又はタッチスクリーン等の標準的な選択装置で、グラフ要素を直接選択し、また、グラフスペース1510内で直接ポイント定義を自由に編集することも本発明は包含する。
【0075】
使用者の判断により、注入のために単に注入器を装備することができ、又は、本発明のインターフェースの範囲内でグラフ注入定義は継続することができる。例えば、本発明の一の態様の範囲内において、使用者は、二度流体選択アイコンを選択し、注入ファンクションを追加し続けてもよい。既に作成された注入ファンクションの一部は、凍結することができる。方向パッド及びセグメントセレクタを更に利用することにより、使用者は、注入ファンクションを延長することができる。
【0076】
よって、複数流体注入装置のためのグラフィカルユーザインターフェースの導入方法及びシステムは、1又はそれ以上の特定の態様と関連して説明される。本発明は、後述の請求項及びそれらの全範囲及び等価物により定義される。
【0077】
ここに示す以外の本発明の他の改良又は他の態様は、以上の説明及び関連する図面において示された教示の利点を有する本発明に付随するものとして、当業者が容易に想到するものである。従って、当然のことながら、本発明は特定の開示された態様に限定されるものではなく、また、改良及び他の態様は添付の請求項の範囲内に含まれることを意図するものである。本願において特定の用語を採用しているが、これらは一般的及び記述的意味で使用するものであり、限定の目的で使用するものではない。
【0078】
更に、本明細書の全体において、構成が、特定の要素を有し、含み、若しくは、備えると記載されている場合、又は、工程若しくは方法が、特定の工程を有し、含み、若しくは、備えると記載されている場合、本発明の構成は、また、記述の要素から本質的になり得、又は、からなり得、及び、本発明の工程若しくは方法は、記述の工程から本質的になり得、又は、からなり得ることを意図するものである。また、当然のことながら、本発明がなお実施可能である限り、工程の順番又はある動作を実行する順番は重要ではない。更に、本願で開示された発明について、2又はそれ以上の工程又は動作は同時に行われてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の構成を備える、グラフィカルユーザインターフェースを利用した流体注入装置の動作を制御するためのグラフ視覚化手段:
i)流体の所望の注入ファンクションを入力及び表示するためのグラフスペース表示;
ii)使用者が流体を選択することを可能とする、1又はそれ以上の流体選択アイコン;及び
iii)使用者が、グラフスペース内を操作し、選択した流体について、流体注入装置が作成された注入ファンクションを利用して流体を対象者に注入するような注入ファンクションを作成することを可能とする位置選択アイコン。
【請求項2】
グラフスペースが、注入時間を表す第一軸、及び、注入の流体流速を表す第二軸を有するデカルト座標系を備える、請求項1に記載のグラフ視覚化手段。
【請求項3】
グラフ視覚化手段が、流体注入装置のための制御装置上で動作するよう設定されている、請求項1に記載のグラフ視覚化手段。
【請求項4】
制御装置が、流体注入装置から独立している、請求項3に記載のグラフ視覚化手段。
【請求項5】
グラフィカルユーザインターフェースが、注入される流体の量を表示するテキスト形成部を含む、請求項1に記載のグラフ視覚化手段。
【請求項6】
注入ファンクションが、グラフスペース内の第一ポイント及び第二ポイント間のグラフプロットとして定義される、請求項1に記載のグラフ視覚化手段。
【請求項7】
1又はそれ以上の注入ファンクションが結合して注入プロトコルを定義する、請求項1に記載のグラフ視覚化手段。
【請求項8】
第一の流体の1又はそれ以上の注入ファンクションが、第二の流体の1又はそれ以上の注入ファンクションと結合している、請求項1に記載のグラフ視覚化手段。
【請求項9】
グラフィカルユーザインターフェースが、使用者がグラフスペース内を操作し、1又はそれ以上の注入ファンクションを見、編集し及び作成することを可能とするセグメント選択アイコンを含む、請求項1に記載のグラフ視覚化手段。
【請求項10】
第一の流体を備える第一の注入ファンクション、及び、第二の流体を備える第二の注入ファンクションが、グラフスペース内にグラフとしてプロットされ、当該第二の注入ファンクションが、グラフ内で第一の注入ファンクションの少なくとも一部と重なり合って、同時流体注入の注入プロトコルを定義している、請求項1に記載のグラフ視覚化手段。
【請求項11】
グラフィカルユーザインターフェースが、タッチスクリーンを備えている、請求項1に記載のグラフ視覚化手段。
【請求項12】
使用者が、マウス、キーボード、タッチペン、又はこれらの組み合わせから選択された入力装置を使用して注入ファンクションをグラフとしてプロットする、請求項1に記載のグラフ視覚化手段。
【請求項13】
位置選択アイコンが、注入ファンクションを作成するためグラフスペース内を操作可能である、請求項1に記載のグラフ視覚化手段。
【請求項14】
第一の流体についての第一の注入ファンクション、及び、第二の流体についての第二の注入ファンクションを備え、当該第一及び第二の注入ファンクションがそれぞれ異なる色で表示される、請求項1に記載のグラフ視覚化手段。
【請求項15】
以下の構成を備える流体注入システム:
i)流体注入装置;
ii)流体注入装置を制御すること、及び、注入される対象者の身体部位と独立してグラフィカルユーザインターフェースを利用するコンピュータに使用者が1又はそれ以上の流体について流体注入パラメータをグラフとして入力することを可能とすることを、プロセッサが可能とするためのコンピュータ読取り可能コードを有する、流体注入装置と操作可能に結合されたコンピュータ;
iii)グラフィカルユーザインターフェースを表示するための視覚的表示;及び
iv)使用者が、グラフィカルユーザインターフェース上で、コンピュータが流体注入装置の動作を制御するため流体注入パラメータを利用するような注入パラメータを、グラフとして入力することを可能とする少なくとも一つの入力装置。
【請求項16】
コンピュータが画像診断部屋の制御室に配置され、流体注入装置が画像診断部屋の画像診断室に配置されている、請求項15に記載の流体注入システム。
【請求項17】
注入パラメータが、1又はそれ以上の注入流速、注入時間、注入量、注入媒体、又はそれらの組み合わせを含む、請求項15に記載の流体注入システム。
【請求項18】
入力装置が、ポインタ、タッチパッド、キーボード、又はそれらの組み合わせを備える、請求項15に記載の流体注入システム。
【請求項19】
使用者が、流体注入装置の所望の動作を表す、グラフィカルユーザインターフェース上に表示された第一のグラフに、流体注入パラメータをグラフとして入力する、請求項15に記載の流体注入システム。
【請求項20】
グラフが、注入時間を表す第一軸、及び、注入流速を表す第二軸を有する座標系内にある、請求項19に記載の流体注入システム。
【請求項21】
グラフが、注入時間を表す第一軸、及び、注入流体量を表す第二軸を有する座標系内にある、請求項19に記載の流体注入システム。
【請求項22】
グラフィカルユーザインターフェースが、第一のグラフの画像上に重ね合わせた、流体注入装置のリアルタイム動作を表す第二のグラフを表示するように設定されている、請求項19に記載の流体注入システム。
【請求項23】
コンピュータ読取り可能コードが、使用者が第一の流体についての流体注入パラメータをグラフとして入力し、流体注入装置の所望の動作を表すグラフ上に同時に表示される第二の流体についての流体注入パラメータをグラフとして入力することを可能とする、請求項15に記載の流体注入システム。
【請求項24】
グラフィカルユーザインターフェースが、使用者がコンピュータに注入パラメータをグラフとして入力する1又はそれ以上の流体を選択することを可能とする、流体選択アイコンを含む、請求項15に記載の流体注入システム。
【請求項25】
グラフィカルユーザインターフェースが、第一及び第二ポイントの位置が注入ファンクションに対応するグラフ内の領域を定義するような、グラフスペース内の第一ポイント及びグラフスペース内の第二ポイントを使用者が選択することを可能とする、位置選択アイコンを含む、請求項15に記載の流体注入システム。
【請求項26】
少なくとも二つの注入パラメータが、注入流速及び注入時間を含む、請求項25に記載の流体注入システム。
【請求項27】
第一ポイント及び第二ポイントが、注入する流体の量を表すグラフスペース内の領域を定義する、請求項26に記載の流体注入システム。
【請求項28】
グラフィカルユーザインターフェースが、注入装置により注入される流体の量を表示するように設定されている、請求項15に記載の流体注入システム。
【請求項29】
グラフィカルユーザインターフェースが、注入する第一の流体を選択する第一流体選択アイコン及び注入する第二の流体を選択する第二流体選択を含む、請求項15に記載の流体注入システム。
【請求項30】
第一の流体が造影剤であり、第二の流体が洗浄液である、請求項29に記載の流体注入システム。
【請求項31】
グラフィカルユーザインターフェースが、以下の構成を含む、請求項15に記載の流体注入システム;
i)流体の所望の注入ファンクションを入力及び表示するためのグラフスペース表示;
ii)使用者が流体を選択することを可能とする、1又はそれ以上の流体選択アイコン;及び
iii)使用者がグラフスペース内を操作して、選択した流体について、流体注入装置が作成された注入ファンクションを使用して流体を対象者に注入するような注入ファンクションを作成することを可能とする、位置選択アイコン。
【請求項32】
以下の構成を備えるコンピュータプログラムプロダクト:
流体注入装置を制御するよう設定されたコンピュータ読取り可能プログラムコードを有するコンピュータ利用可能な媒体、該コンピュータプログラムプロダクトは以下の構成を備える、
以下の構成を有するグラフィカルユーザインターフェースをコンピュータに表示させるよう設定され、コンピュータがグラフを利用して流体注入装置を制御するよう設定されているコンピュータ読取り可能コード:
i)流体注入装置の動作を制御するためコンピュータにより利用される注入ファンクションをグラフとしてプロットするための領域を定義する、グラフスペース;
ii)使用者が、グラフスペース内に注入ファンクションをグラフとしてプロットする1又はそれ以上の流体を選択することを可能とする、1又はそれ以上の流体選択アイコン;及び
iii)使用者が、選択した流体についてグラフスペース内に注入ファンクションをグラフとしてプロットするため、グラフスペース内を操作することを可能とする、位置選択アイコン
【請求項33】
グラフスペースが、第一軸が時間を表し、かつ、第二軸が流体流速を表す座標系内にある、請求項32に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項34】
グラフが、第一軸が時間を表し、かつ、第二軸が流体量を表す座標系内にある、請求項32に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項35】
グラフスペースが、第一軸が流体流速を表し、第二軸が流体量を表す座標系内にある、請求項32に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項36】
更に、グラフィカルユーザ表示に流体注入装置の所望の動作を表す第一のグラフを生じさせるよう設定されたコンピュータ読取り可能コードを備える、請求項32に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項37】
コンピュータ読取り可能コードが、注入中の流体注入装置の実動作を表す第二のグラフをコンピュータが表示するように設定されている、請求項36に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項38】
コンピュータ読取り可能コードが、時間関数として流体圧を表示する第三のグラフを同時に表示するように設定されている、請求項37に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項39】
第二のグラフが第一のグラフ上に重ね合わされている、請求項38に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項40】
グラフィカルユーザインターフェースが、第一の流体の注入プロトコルを表す第一のグラフ、及び、第二の流体の注入プロトコルを表す第二のグラフを含む、請求項32に記載のコンピュータプロダクト。
【請求項41】
コンピュータ読取り可能コードが、注入する流体量を計算及び表示するように設定されている、請求項32に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項42】
コンピュータ読取り可能コードが、以下の中から選ばれる1又はそれ以上を使用者が行うことを可能とするよう設定され、コンピュータにより流体注入装置の注入動作を制御するために利用されるグラフスペース内の領域を定義するために第一及び第二ポイントを接続するよう設定されている、請求項32に記載のコンピュータプログラムプロダクト:
i.流体を選択する;
ii.位置選択アイコンを使用してグラフスペース内の第一ポイントを選択する;
iii.位置選択アイコンを使用してグラフスペース内の第二ポイントを選択する。
【請求項43】
コンピュータ読取り可能コードが、以下の中から選ばれる1又はそれ以上を使用者が行うことを可能とするよう設定され、グラフスペース内の第二領域を定義し、それにより段階的注入ファンクションを定義するために第二及び第三ポイントを接続するよう設定されている、請求項42に記載のコンピュータプログラムプロダクト:
iv.第一の流体を選択する;及び、
v.位置選択アイコンを使用してグラフスペース内の第三ポイントを選択する。
【請求項44】
コンピュータ読取り可能コードが、以下の中から選ばれる1又はそれ以上を使用者が行うことを可能とするよう設定され、コンピュータにより流体注入装置の注入動作を制御するために利用されるグラフスペース内の1又はそれ以上の領域を定義するために第nポイント及び第(n+1)ポイントを接続するよう設定されている、請求項42に記載のコンピュータプログラムプロダクト:
vi.流体を選択する;
vii.位置選択アイコンを使用してグラフスペース内の第nポイントを選択する;及び、
viii.位置選択アイコンを使用してグラフスペース内の第(n+1)ポイントを選択する。
【請求項45】
コンピュータ読取り可能コードが、第一ポイント及び第二ポイントの接続に使用される曲線形式をコンピュータが選択するよう設定されている、請求項42に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項46】
コンピュータ読取り可能コードが、第一ポイント及び第二ポイント間の曲線により示された流速で流体注入装置が第一の流体を注入するようコンピュータが指示するように設定されている、請求項42に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項47】
グラフが、グラフィカルユーザインターフェースと通信しているセンサ又は外部装置を利用して作成される、請求項32に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項48】
グラフが、データベースを利用して作成される、請求項32に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項49】
コンピュータプログラムプロダクトが、流体注入装置の制御装置上で作動する、請求項32に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項50】
コンピュータプログラムプロダクトが、画像診断装置の制御装置上で作動している、請求項32に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項51】
コンピュータプログラムプロダクトが、流体注入装置及び画像診断装置を制御するよう設定されている制御装置上で作動している、請求項32に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項52】
次の工程を備える流体注入装置の制御方法:
a.使用者に、流体の注入ファンクションを入力及び表示するためのグラフスペース表示を有するグラフィカルユーザインターフェースを提示する;
b.第一の流体を選択する;
c.グラフスペース内の第一ポイントを選択する;
d.グラフスペース内の第二ポイントを選択する;
e.コンピュータにより流体注入装置の注入動作を制御することに利用されるグラフスペース内の第一領域を定義するため、グラフスペース内の第一及び第二ポイントを接続する;及び
f.注入ファンクションを利用して流体注入装置を制御する。
【請求項53】
更に、以下の工程を備える、請求項52に記載の流体注入装置の制御方法:
第二の流体を選択する;
グラフスペース内の第三ポイントを選択する;及び
コンピュータにより流体注入装置の注入動作を制御することに利用されるグラフスペース内の第二領域を定義するため、第二及び第三ポイントを接続する。
【請求項54】
少なくとも第二領域の一部が第一領域と重ね合わされている、請求項53に記載の流体注入装置の制御方法。
【請求項55】
グラフスペースが1以上の流体についての注入ファンクションを含む、請求項52に記載の流体注入装置の制御方法。
【請求項56】
接続する工程が、更に第一ポイント及び第二ポイントを接続するために使用される曲線形式を選択することを備える、請求項52に記載の流体注入装置の制御方法。
【請求項57】
更に、流体注入装置の制御装置と通信しているセンサ又は外部装置を使用してグラフスペース内に注入ファンクションを入力することを備える、請求項52に記載の流体注入装置の制御方法。
【請求項58】
第一の流体を選択する工程が、グラフィカルユーザインターフェース上に表示された1又はそれ以上の流体選択アイコンに作用することを含む、請求項52に記載の流体注入装置の制御方法。
【請求項59】
グラフスペース内の第一及び第二ポイントを選択する工程が、更にグラフィカルユーザインターフェースにより表示された位置選択アイコンに作用することを備える、請求項52に記載の流体注入装置の制御方法。
【請求項60】
制御工程が、第一ポイント及び第二ポイント間の曲線により示された流速で第一の流体を注入するよう流体注入装置を指示することを備える、請求項52に記載の流体注入装置の制御方法。
【請求項1】
以下の構成を備える、グラフィカルユーザインターフェースを利用した流体注入装置の動作を制御するためのグラフ視覚化手段:
i)流体の所望の注入ファンクションを入力及び表示するためのグラフスペース表示;
ii)使用者が流体を選択することを可能とする、1又はそれ以上の流体選択アイコン;及び
iii)使用者が、グラフスペース内を操作し、選択した流体について、流体注入装置が作成された注入ファンクションを利用して流体を対象者に注入するような注入ファンクションを作成することを可能とする位置選択アイコン。
【請求項2】
グラフスペースが、注入時間を表す第一軸、及び、注入の流体流速を表す第二軸を有するデカルト座標系を備える、請求項1に記載のグラフ視覚化手段。
【請求項3】
グラフ視覚化手段が、流体注入装置のための制御装置上で動作するよう設定されている、請求項1に記載のグラフ視覚化手段。
【請求項4】
制御装置が、流体注入装置から独立している、請求項3に記載のグラフ視覚化手段。
【請求項5】
グラフィカルユーザインターフェースが、注入される流体の量を表示するテキスト形成部を含む、請求項1に記載のグラフ視覚化手段。
【請求項6】
注入ファンクションが、グラフスペース内の第一ポイント及び第二ポイント間のグラフプロットとして定義される、請求項1に記載のグラフ視覚化手段。
【請求項7】
1又はそれ以上の注入ファンクションが結合して注入プロトコルを定義する、請求項1に記載のグラフ視覚化手段。
【請求項8】
第一の流体の1又はそれ以上の注入ファンクションが、第二の流体の1又はそれ以上の注入ファンクションと結合している、請求項1に記載のグラフ視覚化手段。
【請求項9】
グラフィカルユーザインターフェースが、使用者がグラフスペース内を操作し、1又はそれ以上の注入ファンクションを見、編集し及び作成することを可能とするセグメント選択アイコンを含む、請求項1に記載のグラフ視覚化手段。
【請求項10】
第一の流体を備える第一の注入ファンクション、及び、第二の流体を備える第二の注入ファンクションが、グラフスペース内にグラフとしてプロットされ、当該第二の注入ファンクションが、グラフ内で第一の注入ファンクションの少なくとも一部と重なり合って、同時流体注入の注入プロトコルを定義している、請求項1に記載のグラフ視覚化手段。
【請求項11】
グラフィカルユーザインターフェースが、タッチスクリーンを備えている、請求項1に記載のグラフ視覚化手段。
【請求項12】
使用者が、マウス、キーボード、タッチペン、又はこれらの組み合わせから選択された入力装置を使用して注入ファンクションをグラフとしてプロットする、請求項1に記載のグラフ視覚化手段。
【請求項13】
位置選択アイコンが、注入ファンクションを作成するためグラフスペース内を操作可能である、請求項1に記載のグラフ視覚化手段。
【請求項14】
第一の流体についての第一の注入ファンクション、及び、第二の流体についての第二の注入ファンクションを備え、当該第一及び第二の注入ファンクションがそれぞれ異なる色で表示される、請求項1に記載のグラフ視覚化手段。
【請求項15】
以下の構成を備える流体注入システム:
i)流体注入装置;
ii)流体注入装置を制御すること、及び、注入される対象者の身体部位と独立してグラフィカルユーザインターフェースを利用するコンピュータに使用者が1又はそれ以上の流体について流体注入パラメータをグラフとして入力することを可能とすることを、プロセッサが可能とするためのコンピュータ読取り可能コードを有する、流体注入装置と操作可能に結合されたコンピュータ;
iii)グラフィカルユーザインターフェースを表示するための視覚的表示;及び
iv)使用者が、グラフィカルユーザインターフェース上で、コンピュータが流体注入装置の動作を制御するため流体注入パラメータを利用するような注入パラメータを、グラフとして入力することを可能とする少なくとも一つの入力装置。
【請求項16】
コンピュータが画像診断部屋の制御室に配置され、流体注入装置が画像診断部屋の画像診断室に配置されている、請求項15に記載の流体注入システム。
【請求項17】
注入パラメータが、1又はそれ以上の注入流速、注入時間、注入量、注入媒体、又はそれらの組み合わせを含む、請求項15に記載の流体注入システム。
【請求項18】
入力装置が、ポインタ、タッチパッド、キーボード、又はそれらの組み合わせを備える、請求項15に記載の流体注入システム。
【請求項19】
使用者が、流体注入装置の所望の動作を表す、グラフィカルユーザインターフェース上に表示された第一のグラフに、流体注入パラメータをグラフとして入力する、請求項15に記載の流体注入システム。
【請求項20】
グラフが、注入時間を表す第一軸、及び、注入流速を表す第二軸を有する座標系内にある、請求項19に記載の流体注入システム。
【請求項21】
グラフが、注入時間を表す第一軸、及び、注入流体量を表す第二軸を有する座標系内にある、請求項19に記載の流体注入システム。
【請求項22】
グラフィカルユーザインターフェースが、第一のグラフの画像上に重ね合わせた、流体注入装置のリアルタイム動作を表す第二のグラフを表示するように設定されている、請求項19に記載の流体注入システム。
【請求項23】
コンピュータ読取り可能コードが、使用者が第一の流体についての流体注入パラメータをグラフとして入力し、流体注入装置の所望の動作を表すグラフ上に同時に表示される第二の流体についての流体注入パラメータをグラフとして入力することを可能とする、請求項15に記載の流体注入システム。
【請求項24】
グラフィカルユーザインターフェースが、使用者がコンピュータに注入パラメータをグラフとして入力する1又はそれ以上の流体を選択することを可能とする、流体選択アイコンを含む、請求項15に記載の流体注入システム。
【請求項25】
グラフィカルユーザインターフェースが、第一及び第二ポイントの位置が注入ファンクションに対応するグラフ内の領域を定義するような、グラフスペース内の第一ポイント及びグラフスペース内の第二ポイントを使用者が選択することを可能とする、位置選択アイコンを含む、請求項15に記載の流体注入システム。
【請求項26】
少なくとも二つの注入パラメータが、注入流速及び注入時間を含む、請求項25に記載の流体注入システム。
【請求項27】
第一ポイント及び第二ポイントが、注入する流体の量を表すグラフスペース内の領域を定義する、請求項26に記載の流体注入システム。
【請求項28】
グラフィカルユーザインターフェースが、注入装置により注入される流体の量を表示するように設定されている、請求項15に記載の流体注入システム。
【請求項29】
グラフィカルユーザインターフェースが、注入する第一の流体を選択する第一流体選択アイコン及び注入する第二の流体を選択する第二流体選択を含む、請求項15に記載の流体注入システム。
【請求項30】
第一の流体が造影剤であり、第二の流体が洗浄液である、請求項29に記載の流体注入システム。
【請求項31】
グラフィカルユーザインターフェースが、以下の構成を含む、請求項15に記載の流体注入システム;
i)流体の所望の注入ファンクションを入力及び表示するためのグラフスペース表示;
ii)使用者が流体を選択することを可能とする、1又はそれ以上の流体選択アイコン;及び
iii)使用者がグラフスペース内を操作して、選択した流体について、流体注入装置が作成された注入ファンクションを使用して流体を対象者に注入するような注入ファンクションを作成することを可能とする、位置選択アイコン。
【請求項32】
以下の構成を備えるコンピュータプログラムプロダクト:
流体注入装置を制御するよう設定されたコンピュータ読取り可能プログラムコードを有するコンピュータ利用可能な媒体、該コンピュータプログラムプロダクトは以下の構成を備える、
以下の構成を有するグラフィカルユーザインターフェースをコンピュータに表示させるよう設定され、コンピュータがグラフを利用して流体注入装置を制御するよう設定されているコンピュータ読取り可能コード:
i)流体注入装置の動作を制御するためコンピュータにより利用される注入ファンクションをグラフとしてプロットするための領域を定義する、グラフスペース;
ii)使用者が、グラフスペース内に注入ファンクションをグラフとしてプロットする1又はそれ以上の流体を選択することを可能とする、1又はそれ以上の流体選択アイコン;及び
iii)使用者が、選択した流体についてグラフスペース内に注入ファンクションをグラフとしてプロットするため、グラフスペース内を操作することを可能とする、位置選択アイコン
【請求項33】
グラフスペースが、第一軸が時間を表し、かつ、第二軸が流体流速を表す座標系内にある、請求項32に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項34】
グラフが、第一軸が時間を表し、かつ、第二軸が流体量を表す座標系内にある、請求項32に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項35】
グラフスペースが、第一軸が流体流速を表し、第二軸が流体量を表す座標系内にある、請求項32に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項36】
更に、グラフィカルユーザ表示に流体注入装置の所望の動作を表す第一のグラフを生じさせるよう設定されたコンピュータ読取り可能コードを備える、請求項32に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項37】
コンピュータ読取り可能コードが、注入中の流体注入装置の実動作を表す第二のグラフをコンピュータが表示するように設定されている、請求項36に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項38】
コンピュータ読取り可能コードが、時間関数として流体圧を表示する第三のグラフを同時に表示するように設定されている、請求項37に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項39】
第二のグラフが第一のグラフ上に重ね合わされている、請求項38に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項40】
グラフィカルユーザインターフェースが、第一の流体の注入プロトコルを表す第一のグラフ、及び、第二の流体の注入プロトコルを表す第二のグラフを含む、請求項32に記載のコンピュータプロダクト。
【請求項41】
コンピュータ読取り可能コードが、注入する流体量を計算及び表示するように設定されている、請求項32に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項42】
コンピュータ読取り可能コードが、以下の中から選ばれる1又はそれ以上を使用者が行うことを可能とするよう設定され、コンピュータにより流体注入装置の注入動作を制御するために利用されるグラフスペース内の領域を定義するために第一及び第二ポイントを接続するよう設定されている、請求項32に記載のコンピュータプログラムプロダクト:
i.流体を選択する;
ii.位置選択アイコンを使用してグラフスペース内の第一ポイントを選択する;
iii.位置選択アイコンを使用してグラフスペース内の第二ポイントを選択する。
【請求項43】
コンピュータ読取り可能コードが、以下の中から選ばれる1又はそれ以上を使用者が行うことを可能とするよう設定され、グラフスペース内の第二領域を定義し、それにより段階的注入ファンクションを定義するために第二及び第三ポイントを接続するよう設定されている、請求項42に記載のコンピュータプログラムプロダクト:
iv.第一の流体を選択する;及び、
v.位置選択アイコンを使用してグラフスペース内の第三ポイントを選択する。
【請求項44】
コンピュータ読取り可能コードが、以下の中から選ばれる1又はそれ以上を使用者が行うことを可能とするよう設定され、コンピュータにより流体注入装置の注入動作を制御するために利用されるグラフスペース内の1又はそれ以上の領域を定義するために第nポイント及び第(n+1)ポイントを接続するよう設定されている、請求項42に記載のコンピュータプログラムプロダクト:
vi.流体を選択する;
vii.位置選択アイコンを使用してグラフスペース内の第nポイントを選択する;及び、
viii.位置選択アイコンを使用してグラフスペース内の第(n+1)ポイントを選択する。
【請求項45】
コンピュータ読取り可能コードが、第一ポイント及び第二ポイントの接続に使用される曲線形式をコンピュータが選択するよう設定されている、請求項42に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項46】
コンピュータ読取り可能コードが、第一ポイント及び第二ポイント間の曲線により示された流速で流体注入装置が第一の流体を注入するようコンピュータが指示するように設定されている、請求項42に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項47】
グラフが、グラフィカルユーザインターフェースと通信しているセンサ又は外部装置を利用して作成される、請求項32に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項48】
グラフが、データベースを利用して作成される、請求項32に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項49】
コンピュータプログラムプロダクトが、流体注入装置の制御装置上で作動する、請求項32に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項50】
コンピュータプログラムプロダクトが、画像診断装置の制御装置上で作動している、請求項32に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項51】
コンピュータプログラムプロダクトが、流体注入装置及び画像診断装置を制御するよう設定されている制御装置上で作動している、請求項32に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項52】
次の工程を備える流体注入装置の制御方法:
a.使用者に、流体の注入ファンクションを入力及び表示するためのグラフスペース表示を有するグラフィカルユーザインターフェースを提示する;
b.第一の流体を選択する;
c.グラフスペース内の第一ポイントを選択する;
d.グラフスペース内の第二ポイントを選択する;
e.コンピュータにより流体注入装置の注入動作を制御することに利用されるグラフスペース内の第一領域を定義するため、グラフスペース内の第一及び第二ポイントを接続する;及び
f.注入ファンクションを利用して流体注入装置を制御する。
【請求項53】
更に、以下の工程を備える、請求項52に記載の流体注入装置の制御方法:
第二の流体を選択する;
グラフスペース内の第三ポイントを選択する;及び
コンピュータにより流体注入装置の注入動作を制御することに利用されるグラフスペース内の第二領域を定義するため、第二及び第三ポイントを接続する。
【請求項54】
少なくとも第二領域の一部が第一領域と重ね合わされている、請求項53に記載の流体注入装置の制御方法。
【請求項55】
グラフスペースが1以上の流体についての注入ファンクションを含む、請求項52に記載の流体注入装置の制御方法。
【請求項56】
接続する工程が、更に第一ポイント及び第二ポイントを接続するために使用される曲線形式を選択することを備える、請求項52に記載の流体注入装置の制御方法。
【請求項57】
更に、流体注入装置の制御装置と通信しているセンサ又は外部装置を使用してグラフスペース内に注入ファンクションを入力することを備える、請求項52に記載の流体注入装置の制御方法。
【請求項58】
第一の流体を選択する工程が、グラフィカルユーザインターフェース上に表示された1又はそれ以上の流体選択アイコンに作用することを含む、請求項52に記載の流体注入装置の制御方法。
【請求項59】
グラフスペース内の第一及び第二ポイントを選択する工程が、更にグラフィカルユーザインターフェースにより表示された位置選択アイコンに作用することを備える、請求項52に記載の流体注入装置の制御方法。
【請求項60】
制御工程が、第一ポイント及び第二ポイント間の曲線により示された流速で第一の流体を注入するよう流体注入装置を指示することを備える、請求項52に記載の流体注入装置の制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公表番号】特表2007−536005(P2007−536005A)
【公表日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−511602(P2007−511602)
【出願日】平成17年5月4日(2005.5.4)
【国際出願番号】PCT/US2005/015718
【国際公開番号】WO2005/107419
【国際公開日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(506362565)イー−ゼット−イーエム・インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月4日(2005.5.4)
【国際出願番号】PCT/US2005/015718
【国際公開番号】WO2005/107419
【国際公開日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(506362565)イー−ゼット−イーエム・インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】
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