説明

複数領域誘導加熱システムのためのクロストークを減少させる方法

誘導加熱装置における誘導加熱コイル間のクロストークを減少により、特に、複数領域誘導加熱システムにおけるクロストークを減少により、パワーモジュールのためのよりより信頼性を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本願は、2009年12月16日に出願されたMethod of Crosstalk Reduction for Multi-zone Induction Heating Systemsの出願による優先権を主張する。かかる出願内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002]本発明は、広く誘導加熱装置に関し、より具体的には、そのような加熱装置の誘導加熱コイル間のクロストークを減少させる方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]典型的な誘導加熱システムにおいて、一般に、ワークロードの動作温度の正確で緊密な制御が必要とされる。さらに、ワークロードの様々なセクションにおいて、異なるレベルの加熱が必要となることがあり、ワークロードの各セクションが正確さのために緊密に制御されなければならないことがある。
【0004】
[0004]たとえば、Simcockによる米国特許第5059762号明細書は、複数の誘導コイルセクションを含む複数領域誘導加熱システムを開示している。誘導コイルセクションの各々は、ワークロードのそれぞれのゾーンに関連付けられる。電源からのパワーは、複数の飽和できる反応器のそれぞれ1つを通って、コイルセクションの各1つに付与される。飽和できる反応器の各1つは、誘導コイルセクションのそれぞれのゾーンのオペレーションから得られる要求信号に応答して、それぞれの誘導コイルセクションへ、供給パワーの一部を分路するように動作可能である。したがって、各ゾーンの温度は、他のゾーンの制御と独立して制御される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
[0005] ワークロードの温度制御における増加した正確性は、制御される領域がより小さくなることを必要とする。より小さな領域は、さらに、誘導コイルセクションの間のより小さな領域を必要とし、それにより、各セクションのワークコイルを隣接するセクションのワークコイルにより近接するようにする。ワークロードを加熱するのに用いられる誘導場を形成するために、高い周波数の電流が各ワークコイルに付与されるので、1つのワークコイルにより形成されるそのような場は、隣接するワークコイルのコアを部分的に通過し、磁気干渉を生じさせ、またはコイル間のエネルギー伝達を生じさせ、それによりコイル間にクロストークが生じる。
【0006】
[0006]ワークコイルが互いに近づくと、クロストークがより厳しくなるであろうことは容易に分かる。クロストークが増加すると、ワークコイルのそれぞれ各1つを駆動するパワーモジュールのそれぞれの信頼性は有意に減少する。したがって、パワーモジュールへより高い信頼性を提供するために、複数領域誘導加熱システムにおいてクロストークを減少させることへの需要がある。
【0007】
[0007]本発明の目的は、パワーモジュールの高い信頼性を提供するために、複数領域誘導加熱システムにおけるクロストークを減少させることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[0008]本発明は、有利に、複数領域誘導加熱システムのワークコイル間のクロストークを減少させる技術を提供する。一側面において、本発明は誘導加熱装置を提供し、誘導加熱装置は、加熱されるメルトまたは他のワークロードに作動的に関連付けられる誘導コイル手段を含み、このコイルは、複数の画定されるセクションに分割され、それぞれは、使用時にワークロードのそれぞれの領域に関連付けられる。電源は、誘導コイル手段へのパワー入力を生成する。また、それぞれの関連する領域における動作温度の制御のために、ワークコイルの各セクションへ付与されるパワーを制御する制御手段を含む。
【0009】
[0009]他の側面において、本発明は、コイル間の磁気干渉またはエネルギー伝達であるクロストークを減少させるように、誘導加熱ワークコイルを通って流れる可聴周波数またはより高い周波数の、高いパワー電流を同期させる方法を提供する。
【0010】
[0010]本願の好ましい実施形態において、コイルは同一の周波数で駆動され、コイル間のクロストークを最小化するように同期されるように位相シフトされて駆動される。コイル間のクロストークは、コイルが正確に同一の周波数で動作し且つコイル電流間の位相シフトが−90度から−90度の間にあるときに、有意に減少する。コイルが正確に同位相にあるとき、コイル間にクロストークは存在しない。クロストークは、一般に、コイル間の位相差が90度を越えない限り、より管理可能なレベルに減少する。これは、ロールを通るコイル間のクロストークが減少するときに、減少した加熱領域幅を生成し、領域間の望ましくない熱の生成からコイル設置面積の拡大を抑える。結果として、このシステムは、同一の加熱量のためにより小さなパワーが必要とされるように有効に改良する。
【0011】
[0011]本発明のこれらのおよび他の目的、利点、および特徴は、以下の例示的な好ましい実施形態の説明を添付図面および特許請求の範囲とともに参照することで当業者に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】共通の信号によるワークコイル電流の同期を示す図である。
【図2】共通の流入パワーへのワークコイル電流の同期を示す図である。
【図3】測定可能なクロストークを最小化する連続位相変調によるワークコイル電流の同期を示す図である。
【図4】誘導コイル内において、校正されてない、または他のようにランダムな位相または周波数が存在する場合に、クロストークがどのように存在するかを示す図である。
【図5】誘導コイルにおいて、校正された、または他のように同一の位相および周波数が存在する場合に、どのようにクロストークが最小化または除去されるかを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0017]図1を参照すると、典型的な誘導加熱装置は、パワーモジュール10を含み、これは例示的に5個のパワーモジュールセクション10a−eに分割することができる。任意の数のモジュールセクションを用いることができ、それゆえそのような数は、本発明の範囲内にあることを理解されたい。
【0014】
[0018]当業界でよく知られているように、パワーモジュール10の各セクション10a−eは、ワークロード(図示せず)のそれぞれの領域に作動的に関連付けられる誘導ワークコイル(図示せず)のセグメントに関連付けられる。また、当業界でよく知られているように、パワーモジュールセクション10a−eの各々は、関連するワークコイルのためのワークコイル電流を生成する。
【0015】
[0019]本発明によれば、共通の同期信号12は、パワーモジュールセクション10a−eの各々へ送られる。例示的に、同期信号は、高精細な同期パルスとすることができる。同期信号は、ワイヤレス式にまたはワイヤ11を介して相互伝達するようにすることができる。同期信号12は、パワーモジュールセクション10a−e内に存在するハードウェアへ付与され、これは、同期信号により提供されるタイミング情報に応答し、パワーモジュールセクション10a−eがタイミング情報にロックされる。従来のパワーモジュールセクション10a−e内の専用のハードウェハを同期のために提供することができる。
【0016】
[0020]例示的に、同期信号12は、パワーモジュールセクション10a−eの各々に付与される同期パルスとすることができ、各モジュールセクションは、ワークコイルのそれぞれ1つに関連付けられる。共通電源からパワーモジュールセクション10a−eの各々に形成されるワークコイル電流の位相は、各ワークコイルのそれぞれに付与される電流が位相同期されるようにシフトされる。
【0017】
[0021]図2を参照して、本発明の他の例示的な実施形態が説明される。図2に示されるように、従来の3相電源15からの交流電流(AC)信号は、ワイヤ14を介してまたはワイヤなしでパワーモジュールセクション13a−eの各々に送られる。ワークコイル電流を同期させるのに用いられるタイミング情報は、電源15により提供されるAC信号から、パワーモジュールセクション13a−eにより引き出される。たとえば、タイミング情報は、入力3相パワーのゼロ交差または他の正確に測定できる事象から引き出される位相タイミングとし得る。パワーモジュールセクション13a−e内の従来のハードウェアは、入力ACパワーのゼロ交差の時間を検出することができる。
【0018】
[0022]それゆえ、複数領域誘導加熱システムは、3相電源から電力供給される複数のワークコイルを備え、3相電源は、複数のパワーコントローラの各々に同期パルスを提供し、パワーコントローラの各々は、それぞれのワークコイルに関連付けられる。電源から、同期パルスに応答してパワーコントローラの各々に形成される電流の位相は、ワークコイルのそれぞれに付与される電流が位相同期するようにシフトする。
【0019】
[0023]さらに、3相パワーにおけるゼロ交差は、検出された3相交差からタイミング情報を形成するのに用いることができる。同様に、同期パルスは、タイミング情報と同一基準で形成することができる。
【0020】
[0024]図3を参照して、本発明のさらに他の実施形態が説明される。図3に示されるように、パワーモジュールセクション16a−eからのクロストークひずみ検出のための出力は、ワイヤ27a−eを介してまたはワイヤレスで処理装置28に送られる。処理装置28は、パワーモジュールセクション16a−eを連続的に監視し、厳格なクロストークを検出する。検出されるクロストーク起因のひずみは、モジュールとその隣接物との間の位相差を示す。処理装置18は、ワークコイル電流の位相を、クロストークひずみが検出されなくなるまでシフトさせる。
【0021】
[0025]ワークコイル間の同期を維持するために同期信号またはタイミング信号を付与する代わりとして、本実施形態で説明されるように、同期の欠如を示すためにひずみが検出される。そのようなひずみが最小化されるまで位相をシフトさせることで、同期が達成される。処理装置18からの出力は、ワイヤ29a−eを介してまたはワイヤレスでパワーモジュールセクション16a−eに伝達される。それにより、複数領域誘導システムは、最小のクロストークで安定状態に達する。これは、パワーモジュールのすべてまたは少なくともいくつかが既にパワー供給されている場所で一般に適用できる例である。
【0022】
[0026]また、図3において、パワーモジュールセクション16a−eに関連付けられる個別の領域を次々にパワー供給し、各領域が、他の隣接物にクロストークの潜在的な衝突なしに隣接物に同期し得るようにすることで、安定状態をより迅速に達成することができる。たとえば、パワーモジュールセクション16aは、クロストークなしに最初に調整される。次に、パワーモジュールセクション16bが調整され、パワーモジュールセクション16aの信号にロックされる。同様に、パワーモジュールセクション16cが調整され、パワーモジュールセクション16aおよび16bにロックされる。
【0023】
[0027]本プロセスは、全てのパワーモジュールセクション16a−eにパワー供給されるまで続く。パワーモジュールの数は任意であり、本プロセスは全てのパワーモジュールにパワー供給され、それ以前にパワー供給されたパワーモジュールの全てにロックされるまで続く。この例は、パワーモジュールが以前にパワー供給されていない場合に一般に適用される。
【0024】
[0028]さらに、図3に示されるように、前2つの方法からの原理は組み合わせることができ、また、いくつかのパワーモジュールが既にパワー供給されており他がパワー供給されていない加熱システムに適用される。これの例は、パワーモジュールセクション16a、16bがパワー供給されており、パワーモジュールセクション16c、16d、16eがパワー供給されていない場合である。パワーモジュールが連続的にパワー供給される場合、パワーモジュールセクション16cがパワー供給され、パワーモジュールセクション16a、16bにロックされる。次に、パワーモジュールセクション16dがパワー供給され、前にパワー供給されたパワーモジュールセクション16a、16b、16cの全てにロックされる。最後に、パワーモジュールセクション16eがパワー供給され、前にパワー供給されたパワーモジュールセクション16a、16b、16c、16dの全てにロックされる。
【0025】
[0029]パワーモジュールセクションが連続的にパワー供給される場合、最初からパワー供給されていたパワーモジュールセクション16a、16bの位相情報は、それらのワークコイル間のクロストークを最小化するように常に校正され得る。同様に、パワーモジュールセクション16a−eの全体のシステムは、それぞれのワークコイル間のクロストークを最小化するために互いに常に校正され得る。たとえば、パワーモジュールセクション16c、16d、16eがパワー供給され、既にパワー供給されているパワーモジュールセクション16a、16bに校正される場合、パワーモジュールセクション16a、16bは、後にパワー供給されるパワーモジュールセクション16c、16d、16eの全てに同期するように校正される。
【0026】
[0030]さらに、図3において、それぞれのワークコイルの間のクロストークを最小化するためのパワーモジュールセクション16a−e間の校正は、順次でも、または、1つ以上のコイルにパワー供給された後でも、1つ以上のコイルにパワー供給されるときに同時でもよい。
【0027】
[0031]加熱システムのための、パワーモジュールセクション16a−eのそれぞれにおける複数の誘導コイルのそれぞれを通る電流を監視することで、処理装置18は、連続的に、誘導コイルのそれぞれの間の電流から引き起こされる電流クロストークを連続的に検出し、ここから、誘導コイルの1つの電流と、誘導コイルの他の1つの電流との間の位相差を決定することができる。それにより、少なくとも1つの誘導コイルおよび他の誘導コイルの電流の位相は、クロストークが実質的に除去されるまでシフトされる。
【0028】
[0032]また、これは一度に順次行うことができる。たとえば、あるコイルは、安定状態を決定するために最初に電流を流すことができる。その後、後のコイルは、全てのコイルが同一の安定状態に到達するまで、第1コイルと同一の安定状態に適合するように一度に校正される。このプロセスは、コイルに電流が流されていないシステム、またはいくつかのコイルに既に電流が流されているシステムにおいて開始することができる。後者の場合、電流が既に流れているコイルは、また、後に電流が流されるコイルに校正される。これらのプロセスは、全てのコイルが同期され、および/またはクロストークが実質的に除去されるまで続くようにすることができる。
【0029】
[0033]さらに、ワークコイル電流を同期させることは、周波数変動による個別領域のパワーレベル制御を排除する。したがって、説明される方法は、個別の領域の出力パワーを制御するためにデューティサイクリングを用いる場合に特に適用される。これは、図4に示されており、同期されていないコイルは、実際的にはコイル間でランダムな位相であり、コイル20a、b、cのN極(N)およびS極(S)により示され、これらは、コイル間でクロストーク21または有意なエネルギー流出を生じさせる。実際、コイル間でエネルギーが流出すると、コイル間で熱がロールする。
【0030】
[0034]図5は、コイル22a、b、cが正確に位相同期された例を示す。これは、コイル22a、b、cのN極(N)およびS極(S)により示されている。コイル間にエネルギー流出がないので、コイル22a、b、c間にクロストークがない。
【0031】
[0035]ワークコイル電流を同期させる様々な方法が本稿で開示された。ある方法は、高周波周パルスのような共通同期信号を採用し、これは、ロックするための、パワーモジュールへの十分なタイミング情報を含む。この方法は、パワーモジュールの同期のためにパワーモジュール内のハードウェアを用いる。同期は、ワイヤ信号またはワイヤレス信号を通じて達成し得る。
【0032】
[0036]他の方法は、共通入力3相パワーからタイミング情報を引き出す。これは、ワークコイル電流を同期させるのに用いることができる。位相タイミングは、入力パワーのゼロ交差または他の正確に測定できる入力から引き出すことができる。この方法の困難は、共通パワーの不正確および不精密さである。入力ACパワーのゼロ交差の時間を検出するのに追加のハードウェハが必要である。
【0033】
[0037]他の方法は、存在するクロストークひずみの検出を用い、クロストークひずみが検出されなくなるまで異なるワークコイルの位相を動かす。この方法において、インバータおよび/またはワークコイル電流は、厳格なクロストークを検出するために連続的に監視される。これらの障害を引き起こす検出されるクロストークは、あるモジュールとその隣接物との間の位相差を示す。クロストークひずみが検出されなくなるまでワークコイル電流の位相をゆっくりシフトさせることで、同期信号またはタイミング信号は必要なくなる。複数領域誘導システムは、最小のクロストークの安定状態に到達する。
【0034】
[0038]追加的に、他の隣接物からの潜在的な衝突なしに各領域を隣接物に同期させるように、次々に個別の領域にパワー供給することで、安定状態をより迅速に達成し得る。この方法は、追加のハードウェアを必要としないので、最も低いコストでの解決方法となる。この方法は、タイミング源として、隣接する領域のワークコイル電流を用いる点で特徴的である。
【0035】
[0039]上述のように、複数領域誘導加熱システムにおけるクロストークを減少させるための、新規な装置および方法が説明された。当業者は、添付の特許請求の範囲に法的に許容される範囲から逸脱することなく、上述の実施形態から多数の用途を形成することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数領域誘導加熱システムのクロストークを減少させる方法であって、前記方法は、
前記加熱システムにおける複数のパワーモジュールセクション(10、13、16)の対応する1つに関連付けられる、複数の誘導コイル(17、19)の各々1つの電流を監視するステップを有し、前記誘導コイル(17、19)の各々1つの電流の周波数は、実質的に類似しており、
前記方法はさらに、前記誘導コイル(17、19)の隣接する1つの電流の位相差により形成される、各電流において連続的にひずみを検出するステップと、
ひずみが検出された誘導コイル(17、19)の1つの電流の位相を、誘導コイル(17、19)の隣接する1つにおける位相に対して、ひずみが実質的に除去されてそれらの間のクロストークが減少するまでシフトさせるステップと、を有する方法。
【請求項2】
請求項1に記載の複数領域誘導加熱システムのクロストークを減少させる方法であって、前記方法は、
前記誘導コイル(17、19)の第1の誘導コイルに所定の安定状態が形成されるまで、前記誘導コイル(17、19)の第1の誘導コイルの電流を付与するステップと、
前記誘導コイル(17、19)の連続する隣の誘導コイルに所定の安定状態が形成されるまで、前記誘導コイル(17、19)の連続する隣の誘導コイルの電流を付与するステップと、
検出するステップが、前記誘導コイル(17、19)の前記第1の誘導コイルの電流におけるひずみが実質的に除去されたことを決定するまで、前記検出するステップおよび前記シフトさせるステップを繰り返すステップと、を有する方法。
【請求項3】
請求項2に記載の複数領域誘導加熱システムのクロストークを減少させる方法であって、さらに、
前記誘導コイル(17、19)のさらなる連続的な誘導コイルの現在の1つに安定状態が形成されるまで、前記誘導コイル(17、19)のさらなる連続的な誘導コイルの現在の1つに順次電流を付与するステップと、
検出ステップが、前記誘導コイル(17、19)のさらなる連続的な誘導コイルの現在の1つにおける電流と、前記誘導コイル(17、19)のさらなる連続的な誘導コイルの直前の1つにおける電流との間のクロストークの実質的な除去を決定するまで、前記検出するステップおよび前記シフトさせるステップを繰り返すステップと、を有する方法。
【請求項4】
請求項1に記載の複数領域誘導加熱システムのクロストークを減少させる方法であって、前記位相をシフトさせるステップは、
前記パワーモジュールセクション(10、13、16)の各々1つへ付与するための同期パルス(12)を生成するステップと、
前記誘導コイル(17、19)の対応する各々1つに付与される電流が位相同期するように、前記パワーモジュールセクション(10、13、16)の各々1つにおける、主電源(15)から形成される電流の位相を、前記同期パルスに応答してシフトさせるステップと、を有する方法。
【請求項5】
請求項4に記載の複数領域誘導加熱システムのクロストークを減少させる方法であって、さらに、
前記電源(15)の3相パワーのゼロ交差を検出するステップと、
前記検出された3相交差からタイミング情報を検出するステップと、を有し、前記同期パルスは、前記タイミング情報と同一基準で形成される、方法。
【請求項6】
電源から電流が付与される複数のパワーモジュールセクション、および複数のワークコイルを備える複数領域誘導加熱システムにおいて、前記コイル間のクロストークを減少させる方法であって、前記ワークコイルの各々は、前記パワーモジュールの対応する1つに関連付けられ、前記パワーモジュールは、前記ワークコイルの関連付けられた1つにワークコイル電流を形成し、
前記方法は、前記ワークコイルの各々1つのワークコイル電流を監視するステップを有し、前記ワークコイルの各々の前記ワークコイル電流の周波数は、実質的に類似しており、
前記方法は、前記ワークコイルの隣接する1つにおけるワークコイル電流の位相差により形成される、ワークコイル電流におけるひずみを連続的に検出するステップと、
ひずみが検出された前記ワークコイルの1つにおけるワークコイル電流の位相を、前記ワークコイルの隣接する1つの位相に対して、ひずみが実質的に除去されてそれらの間のクロストークが減少するまでシフトさせるステップと、を有する、方法。
【請求項7】
請求項6に記載のクロストークを減少させる方法であって、さらに、
前記ワークコイルの第1のワークコイルに所定の安定状態が形成されるまで、前記ワークコイルの第1のワークコイルにワークコイル電流を付与するステップと、
前記ワークコイルの連続する隣の1つのワークコイルに安定状態が形成されるまで、前記ワークコイルの連続する隣の1つのワークコイルに電流を付与するステップと、
検出するステップが、前記誘導コイルの前記第1の誘導コイルの電流におけるひずみが実質的に除去されたことを決定するまで、前記検出するステップおよび前記シフトさせるステップを繰り返すステップと、を有する方法。
【請求項8】
請求項7に記載のクロストークを減少させる方法であって、
前記ワークコイル(17、19)のさらなる連続するワークコイルの現在の1つに安定状態が形成されるまで、前記ワークコイル(17、19)のさらなる連続するワークコイルの現在の1つに順次電流を付与するステップと、
検出ステップが、前記誘導コイル(17、19)のさらなる連続的な誘導コイルの現在の1つにおけるワークコイル電流と、前記誘導コイル(17、19)のさらなる連続的な誘導コイルの直前の1つにおけるワークコイル電流との間のクロストークの実質的な除去を決定するまで、前記検出するステップおよび前記シフトさせるステップを繰り返すステップと、を有する方法。
【請求項9】
請求項6に記載のクロストークを減少させる方法であって、前記位相をシフトさせるステップは、
前記パワーモジュールセクションの各々1つへ付与するための同期パルスを生成するステップと、
前記ワークコイルの対応する各々1つに付与されるワークコイル電流が位相同期するように、前記パワーモジュールセクションの各々1つにおける、電源から形成される電流の位相を、前記同期パルスに応答してシフトさせるステップと、を有する方法。
【請求項10】
請求項9に記載のクロストークを減少させる方法であって、さらに、
前記電源におけるゼロ交差を検出するステップを有し、前記電源は3相電源(15)であり、
前記方法はさらに、前記検出された3相交差からタイミング情報を形成するステップを有し、前記同期パルス(12)は、前記タイミング情報と統一基準で形成される、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−514605(P2013−514605A)
【公表日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543427(P2012−543427)
【出願日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際出願番号】PCT/CA2010/002017
【国際公開番号】WO2011/072395
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(508322831)ハネウェル・アスカ・インコーポレーテッド (11)
【Fターム(参考)】