説明

覆蓋

【課題】水路や水槽の幅が長い場合にも覆うことができ、構造を複雑とすることなく、開閉可能な覆蓋であって開閉作業が容易である覆蓋を提供する。
【解決手段】覆蓋1には、水路90の幅よりも長い幅を持つ本体部と、本体部に対して回転可能に連結されている回転板25とを有している。本体部の内側には内部空間22が形成されており、回転板25は回転により内部空間22を閉塞する閉状態と、前記内部空間を開放する開状態との選択が可能である。そして、閉状態とすることにより水路90を覆って蓋をすることができ、また、開状態としている一方の本体部の内部空間22に、隣接する他方の本体部を進入させることが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水路や水槽などの上に配置される覆蓋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
水路や水槽などの蓋対象部分の上に配置される覆蓋は、外部から水路や水槽などへ物などが落下することを防止したり、内側からのにおいが外部に漏れないようにするものである。また、覆蓋は、それ自身の重さによるものや、人が上に乗った場合など、覆蓋に荷重がかかった場合に破損しないように強度を有するものが用いられている。
【0003】
このような覆蓋は、水路や水槽の上側に載せるので、水路や水槽の幅が長い場合などには、長い覆蓋が用いられる。このような覆蓋は、自重や上からかかる荷重を支える必要があるので、高強度で軽量の素材を用いられており、このような覆蓋は特許文献1などに記載されている。
【特許文献1】特開2002−88739号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような覆蓋が用いられる水路や水槽などでは、水路や水槽などの状態を確認したりするため、必要に応じて開けられることがある。そのため、開け閉めしやすい構造が望ましい。
【0005】
しかしながら、水路や水槽の幅が長いものになると、全体の大きさが大きくなり、重くなって覆蓋の移動が大変であった。
また、スライド可能な覆蓋を複数配置して、覆蓋をスライドさせて複数の覆蓋が重なるような状態にして開けるようにする方法が考えられる。しかし、それぞれの覆蓋がスライド可能となるように、別々のガイドやレールを敷設しなければならないので構造が複雑となった。
【0006】
そこで、本発明は、構造を複雑とすることなく、開閉可能な覆蓋であって開閉作業が容易である覆蓋を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した目的を達成するための請求項1に記載の発明は、所定の幅を有する蓋対象部分を開閉可能に蓋をすることができるものであり、蓋対象部分の幅の長さよりも長い幅を持つ本体部と、前記本体部に対して回転可能に連結されている回転部とを有し、本体部の内側には内部空間が形成されており、回転部は回転により前記内部空間を閉塞する閉状態と、前記内部空間を開放する開状態との選択が可能であり、閉状態とすることにより蓋対象部分を覆って蓋をすることができ、開状態としている一方の本体部の内部空間に、隣接する他方の本体部を進入させることが可能であることを特徴とする覆蓋である。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、蓋対象部分の幅の長さよりも長い幅を持つ本体部と、前記本体部に対して回転可能に連結されている回転部とを有し、回転部は回転により、閉状態とすることにより蓋対象部分を覆って蓋をし、また、開状態としている一方の本体部の内部空間に、隣接する他方の本体部を進入させることにより、蓋を開けることができるので、構造を複雑とすることなく、開閉作業が容易に行うことができる
【0009】
請求項2に記載の発明は、内部空間は、開状態で開放される側から奥へ向かって、幅方向及び上下方向の長さが短くなる形状であることを特徴とする請求項1に記載の覆蓋である。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、内部空間は、開状態で開放される側から奥へ向かって、幅方向及び上下方向の長さが短くなる形状であるので、隣接する他方の本体部の進入作業を行いやすく、また、隣り合う覆蓋を同じものを用いることが可能である。
【0011】
請求項3に記載の発明は、本体部には上面板と、前記上面板の下側で固定される側面板とが設けられており、回転部は板状である回転板であって上面板と回転可能に連結されており、上面板は回転板の連結部分が上側となるように傾斜するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の覆蓋である。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、本体部には上面板と、前記上面板の下側で固定される側面板とが設けられており、回転部は板状である回転板であって上面板と回転可能に連結されており、上面板は回転板の連結部分が上側となるように傾斜するものであるので、構造を簡単にしつつ開け閉めを行うことができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、上面板、側面板及び回転板の下側によって形成される部分は、等脚台形状であることを特徴とする請求項3に記載の覆蓋である。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、上面板、側面板及び回転板の下側によって形成される部分、すなわち、蓋対象部分が覆われる部分が等脚台形状であるので、バランスが良い。
【0015】
請求項5に記載の発明は、回転板の幅方向に対して垂直な方向の長さは、上面板の幅方向に対して垂直な方向の長さよりも短いものであることを特徴とする請求項3又は4に記載の覆蓋である。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、回転板の幅方向に対して垂直な方向の長さは、上面板の幅方向に対して垂直な方向の長さよりも短いものであるので、回転板を短くすることができ、開状態と閉状態の変更操作が行いやすく、また、開状態での回転板が、挿入の際に邪魔になりにくく、より広い面積を開くことができる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、閉状態における回転板の面は、水平方向に対して垂直な上下方向に平行な面となっていることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の覆蓋である。
【0018】
請求項6に記載の発明によれば、閉状態における回転板の面は、水平方向に対して垂直な上下方向に平行な面となっているので、特に、回転板を短くすることができる。
【0019】
請求項7に記載の発明は、側面板の下側には、車輪が設けられるものであり、車輪を回転させることによって、内部空間の奥と手前をつなぐ方向に移動させることができるものであることを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の覆蓋である。
【0020】
請求項7に記載の発明によれば、側面板の下側には、車輪が設けられているので、覆蓋の移動を容易に行うことができ、スムーズに開閉することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の覆蓋によれば、開閉可能が容易であり、より広い面積を開くことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下さらに本発明の具体的実施例について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態における覆蓋の斜視図である。図2は、図1に示す覆蓋を開いた状態で示した斜視図である。図3は、図1に示す覆蓋の状態を示した説明図である。図4は、図2に示す覆蓋の状態を示した説明図である。
図5は、本発明の第2の実施形態における覆蓋の斜視図である。図6は、図5に示す覆蓋を開いた状態で示した斜視図である。図7は、図5に示す覆蓋の状態を示した説明図である。図8は、図6に示す覆蓋の状態を示した説明図である。
図9は、本発明の第3の実施形態における覆蓋の斜視図である。図10は、図9に示す覆蓋を開いた状態で示した斜視図である。図11は、図9に示す覆蓋の状態を示した説明図である。図12は、図10に示す覆蓋の状態を示した説明図である。
図13は、本発明の第4の実施形態における覆蓋の斜視図である。図14は、図13に示す覆蓋を開いた状態で示した斜視図である。図15は、図13に示す覆蓋の状態を示した説明図である。図16は、図14に示す覆蓋の状態を示した説明図である。
【0023】
本発明の第1の実施形態における覆蓋1は、図1、図2に示されるように、上部に開放部分を有して蓋対象部分である水路90の上側に配置されるものであり、本体部10、回転部11及びヒンジ部材13を有している。
そして、覆蓋1によって、水路90の上側を覆って蓋をすることができ、外側から水路90へ物が落下することを防止したり、水路90から発生する腐敗性のガスなどの拡散を阻止することができる。また、本実施形態の覆蓋1では、蓋を開けて図2に示す状態とすることにより、水路90の状態などを確認することができる。
【0024】
覆蓋1を使用する場合には、水路90の幅方向Wの両側の縁91付近に載せられた状態とするものであるが、具体的には、本体部10の下側に取り付けられた車輪部材15の車輪15aを、水路90の縁91付近に設けられた車輪走行部92に載せられた状態となっている。
【0025】
本実施形態の水路90は、幅方向Wの長さがほぼ一定であって所定の方向に延びるものであって長いものである。そして、覆蓋1は水路90の延びる方向に並べられて複数設けられている。図1、図2では、3個の覆蓋1が図示されているが、2個であってもよく、4個以上であっても良い。
また、この複数の覆蓋1は同じものが用いられているが、異なる大きさ、形状のものを並べても良い。
覆蓋1の本体部10の幅方向Wの長さは水路90の長さよりも長く、水路90の両側の縁91を橋渡しするような状態で配置されている。
【0026】
本体部10には、上面板20及び2枚の側面板21が設けられている。
上面板20は、台形状の板であり、下辺20a、上辺20b、傾斜辺20c、20dを有している。そして、上面板20の幅方向Wの長さ、すなわち、下辺20aや上辺20bの長さは、水路90の幅方向Wの長さよりも長い。また、下辺20aと上辺20bとは対向する辺であってほぼ平行であり、下辺20aは上辺20bに比べて短い。
【0027】
上面板20の下辺20aと上辺20bとの中点同士を結ぶ中央線L1は、下辺20aと上辺20bに対して直交するものであり、上面板20はこの線L1を対称軸とする対称形であり、等脚台形状である。そのため、傾斜辺20c、20dは、前記線L1に対する傾きが逆方向であって、交差角が同じである。
【0028】
また、上面板20の面は、上下方向Yや前後方向Zに対して傾斜している。そして、図3(a)に示されるように、上面板20の傾斜角θは、約15°であり、10〜45°の範囲が望ましく、この角度より大きすぎると、覆蓋1が大きくなりすぎることになり、また、この角度より小さすぎると、内部空間22が小さくなりすぎてしまう。
【0029】
側面板21は三角形状の板であり、底辺21a、傾斜辺21b、回転部側辺21cを有している。また、底辺21aと回転部側辺21cとの間の角度はほぼ直角であり、側面板21は直角三角形状の板である。したがって、傾斜辺21bの長さは、回転部側辺21cよりも長くなっている。
そして、2枚の側面板21は、上面板20の下側で固定されている。具体的には、2枚の側面板21の傾斜辺21bが、上面板20の傾斜辺20c、20dと合うように固定されており、上面板20の幅方向Wの両端に位置している。
【0030】
上面板20と側面板21とは、上面板20の下辺20a及び側面板21の底辺21aが、ほぼ同一平面上となるように固定されている。そして、下辺20aや2ヵ所の底辺21aを含む仮想平面Mが、水平方向に平行な面となっている。また、上面板20は、この仮想平面Mに対し、下辺20aが下側に、上辺20bが上側となるように傾斜している。
また、本実施形態では、側面板21の面は、上下方向Yに平行であり、上面板20の法線と側面板21の法線とのなす角度がほぼ直角となっている。
【0031】
本体部10の上面板20と側面板21によって囲まれる内側には、内部空間22が形成される。内部空間22は、後述するように、水路90を開く場合に、隣接する他方の覆蓋1の本体部10が進入する空間である。
内部空間22は、下側は常に開放状態であり、また、上辺20b側の側面は、回転部11の回転板25によって閉塞状態とすることも開放状態とすることもできる。
【0032】
本実施形態の内部空間22は、板である上面板20と側面板21によって囲まれるのである。そして、内部空間22の形状は、本体部11の外形形状に近いものであって外形形状よりもやや小さいものであり、内部空間22の開放側、すなわち、回転部11の回転板25によって閉塞される側から奥へ向かって狭くなるものであり、具体的には、幅方向W及び上下方向Yの長さが短くなっている形状である。
内部空間22の形状は、このような形状であるので、同じ形状の覆蓋1を用いて、隣接する他方の覆蓋1の本体部10を進入させることができる。
【0033】
上面板20や側面板21は、軽量で高強度のものが望ましい。特に、上面板20は、両端支持梁の状態で用いられるので、幅方向Wが湾曲する方向に力が作用した場合にも破壊や変形の発生しにくいものが望ましい。
また、本実施形態の覆蓋1の様に、水路90の蓋として使用される場合には腐食しにくい材質のものが望ましい。
上面板20や側面板21の具体的な材質は、限定されるものではないが、長繊維強化ポリウレタン発泡樹脂を採用することができる。また、これを上面板20に用いる場合には、繊維の配向方向を幅方向Wとすることにより、撓みを低減させることができる。
【0034】
回転部11は、台形状の板である回転板25を有するものであり、本体部10と回転可能に連結されている。
回転板25には、下辺25a、上辺25b及び2ヵ所の側辺25c、25dを有している。そして、回転板25の上辺25bと、上面板20の上辺20bとの間にヒンジ部材13が設けられ、ヒンジ部材13付近を回転軸として、回転板25を回転させることができる。
【0035】
回転板25の形状は、本体部10の内部空間22の上辺20b側が開放部分の形状にほぼ等しく、具体的には、上面板20の上辺20b、2ヵ所の側面板21のそれぞれの回転部側辺21cによって囲まれる形状にほぼ等しい。そして、回転板25の上辺25bが上面板20の上辺20bに対応し、回転板25のそれぞれの側辺25c、25dがそれぞれの側面板21の回転部側辺21cに対応している。したがって、回転板25は等脚台形状である。
また、閉状態における回転板25の下辺25aの位置は、回転部側辺21cの間の仮想平面M上であり、閉状態における回転板25の面は、水平方向に対して垂直な上下方向Yに平行な面となっている。
【0036】
回転板25は、ヒンジ部材13によって本体部10と回転可能に連結されているが、この回転によって、内部空間22を閉塞する閉状態と、内部空間22を開放する開状態との選択が可能である。
すなわち、図1に示されるように、回転板25の下辺25aの位置を、回転部側辺21cの間の仮想平面M上となるようにし、内部空間22の開放部分を閉塞して閉状態とすることもでき、また、回転板25を上面板20の上側となるように回転させ、内部空間22の開放部分を閉塞せずに開状態とすることができる。
なお、回転板25と上面板20との連結はヒンジ部材13以外のものを用いることができる。
【0037】
また、回転板25の幅方向Wに対して垂直な方向の長さ(閉状態における上下方向の長さ)が、上面板20の幅方向Wに対して垂直な方向の長さ(中央線L1の長さ)よりも短い。言い換えると、上面板20と回転板25とが連結するヒンジ部材13が配置される連結部分と、回転板25の下辺25aとの間の距離は、前記連結部分と上面板20の下辺20aとの距離より短い。そのため、開状態で回転板25が邪魔になりにくい。
特に、閉状態における回転板25の面が、上下方向Yに平行な方向となっているので、回転板25の幅方向Wに対して垂直な方向の長さをより短くすることができる。
【0038】
そして、閉状態では、内部空間22の開放部分は、水路90に面する下側のみとなり、仮想平面M上の下辺20a、2ヵ所の底辺21a及び下辺25aに囲まれた水路90の部分を覆うことができる。そして、この仮想平面M上の下辺20a、2ヵ所の底辺21a及び下辺25aによって形成される部分は、等脚台形状である。なお、閉状態における回転板25の面は、上下方向Y及び幅方向Wに平行であって水平方向に対して垂直な面となっている。
また、開状態では、内部空間22は開放され、図2に示されるように、隣接する他方の覆蓋1の本体部10を横から進入させることが可能な状態となる。
【0039】
回転板25の材質は、特に限定されるものではないが、上記した上面板20や側面板21と同じ材質のものを用いることができる。
【0040】
また、図1〜図4に示されるように、車輪部材15は、側面板21の下側に取り付けられるものであり、本実施形態の覆蓋1では、それぞれの側面板21に2個ずつであって、合計4個の車輪部材15が用いられている。
車輪部材15の車輪15aを回転させることによって、覆蓋1を走行させることができるものであるが、その走行方向は、幅方向Wに対して垂直な方向に走行するものであり、内部空間22の奥と手前をつなぐ方向に移動させることができる。そして、この走行方向は、前後方向Zに平行な方向となっている。
【0041】
また、車輪部材15が取り付けられる側面板21の底辺21aは、中央線L1に対して傾斜している。そのため、車輪部材15のそれぞれの車輪15aの幅方向Wの位置が違うので、それぞれの車輪部材15の車輪15aの走行する位置が異なっており、これに対応して車輪走行部92が4本設けられている。
【0042】
車輪走行部92は、車輪15aが入る幅の溝であり、車輪15aが同じ位置を走行するようにするものであり、水路90の縁91付近に設けられている。本実施形態では、同じ構造の覆蓋1が複数使用されるが、それぞれの覆蓋1の同じ位置の車輪15aが、同じ車輪走行部92を走行する。
なお、車輪走行部92は車輪15aの走行位置を規制することができれば溝以外のものであってもよく、例えば、レールなどを用いることができる。
【0043】
本実施形態では、車輪部材15が設けられているので、覆蓋1を楽に移動させることができ、また、車輪部材15の車輪15aが車輪走行部92を走行するので、位置がずれないように繰り返し移動させることができる。なお、車輪走行部92を形成せずに、車輪部材15を設けてもよい。
【0044】
また、図示していないが、車輪部材15には車輪止めが設けられている。車輪止めは車輪15aの回転の阻止が可能なものであり、覆蓋1が移動しないようにすることができる。したがって、蓋をした状態や蓋を開けた状態で、覆蓋1が移動することがない。
【0045】
そして、覆蓋1を使用して、水路90に蓋をする場合には、図1や図3に示すような閉状態として、隣り合う覆蓋1同士を近づける。そうすると、本体部10や回転部11によって水路90を覆って蓋をすることができる。
【0046】
また、水路90の内部を確認したい場合などには、図2や図4に示すように、回転部11の回転板25を回転させて開状態とし、開状態としている一方の本体部10の内部空間22に、隣接する他方の本体部10を進入させて、水路90を開いて行われる。
なお、回転板25の下辺25aの幅は内部空間22の幅よりも長いので、一方の本体部10の内部空間22に、隣接する他方の本体部10を進入させる場合に、下辺25aが側板21に当たって進入を妨げるが、本実施形態の覆蓋1では、回転板25を短くすることができるので、より奥まで進入させることができる。
【0047】
覆蓋1では、本体部10の側面板21の面は上下方向Yに平行であり、閉状態における回転板25の面は上下方向Y及び幅方向Wに平行であるが、第2〜第4の実施形態における覆蓋2、3、4のように、これらの面の向きが別方向に向くものを採用することができる。
第2〜第4の実施形態における覆蓋2、3、4は、上記した第1の実施形態における覆蓋1と同様に、内部空間22を有する本体部10と、ヒンジ部材13によって本体部10に回転可能に接続する回転部11とを有するものであり、使用の際には水路90などの上側に配置されて蓋をすることができる。
【0048】
第2の実施形態における覆蓋2は、図5〜図8に示されており、2枚の側面板21の面は、上下方向Yに平行ではなく、底辺21aが外側となるように配置している。そして、回転板25は下辺25aが上辺25bよりも長く、等脚台形状となっている。
【0049】
また、第3の実施形態における覆蓋3は、図9〜図12に示されており、2枚の側面板21の底辺21aと回転部側辺21cとの間の角は直角ではなく鋭角であり、閉状態における回転板25の面が、上下方向Yに対して角度を有している。
【0050】
そして、第4の実施形態における覆蓋4は、図13〜図16に示されており、2枚の側面板21の面は、上下方向Yに平行ではなく、底辺21aが外側となるように配置している。また、2枚の側面板21の底辺21aと回転部側辺21cとの間の角は直角ではなく鋭角であり、閉状態における回転板25の面が、上下方向Yに対して角度を有している。
【0051】
覆蓋2、3、4の本体部10においても内部空間22が形成されるが、上記した覆蓋1と同様に、回転部11の回転板25が配置される側に開放部分が形成され、この開放部分から奥へ向かうほど幅が狭くなっており、具体的には、幅方向及び上下方向の長さが短くなっている。そして、回転板25を回転させて上面板20の上側となるようにして開状態とし、隣接する本体部10を進入させることができる。
【0052】
本発明の覆蓋1、2、3、4は、蓋対象部分を覆うものであるので、上記したような水路90以外のものについても覆うことができるものであり、開閉操作を容易に行うことができる。
上記実施形態の覆蓋1、2、3、4における、側面板21の底辺21aと回転部側辺21cとの間の角は、直角又は鋭角であるので、回転板25を閉状態にした場合、回転板25の重力により、かかる部分の構造を複雑にすることなく、側面板21と密着させることができる。なお、側面板21と回転板25との密着させる手段を設けても良く、かかる場合には、側面板21の底辺21aと回転部側辺21cとの間の角を鈍角にすることもできる。
【0053】
上記した実施形態では、同じ大きさ、同じ形状のものを並べて使用するものであったが、大きさや形状の違うものを並べて用いても良い。なお、この場合も、本体部10には内部空間22を形成し、隣接する他方の本体部10を進入させるようにすることができるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の第1の実施形態における覆蓋の斜視図である。
【図2】図1に示す覆蓋を開いた状態で示した斜視図である。
【図3】図1に示す覆蓋の状態を示した説明図であり、(a)が正面図、(b)が上面図である。
【図4】図2に示す覆蓋の状態を示した説明図であり、(a)が正面図、(b)が上面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態における覆蓋の斜視図である。
【図6】図5に示す覆蓋を開いた状態で示した斜視図である。
【図7】図5に示す覆蓋の状態を示した説明図であり、(a)が正面図、(b)が上面図である。
【図8】図6に示す覆蓋の状態を示した説明図であり、(a)が正面図、(b)が上面図である。
【図9】本発明の第3の実施形態における覆蓋の斜視図である。
【図10】図9に示す覆蓋を開いた状態で示した斜視図である。
【図11】図9に示す覆蓋の状態を示した説明図であり、(a)が正面図、(b)が上面図である。
【図12】図10に示す覆蓋の状態を示した説明図であり、(a)が正面図、(b)が上面図である。
【図13】本発明の第4の実施形態における覆蓋の斜視図である。
【図14】図13に示す覆蓋を開いた状態で示した斜視図である。
【図15】図13に示す覆蓋の状態を示した説明図であり、(a)が正面図、(b)が上面図である。
【図16】図14に示す覆蓋の状態を示した説明図であり、(a)が正面図、(b)が上面図である。
【符号の説明】
【0055】
1、2、3、4 覆蓋
10 本体部材
11 回転部材
15 車輪部材
15a 車輪
20 上面板
21 側面板
22 内部空間
25 回転板
90 水路
91 縁
W 幅方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の幅を有する蓋対象部分を開閉可能に蓋をすることができるものであり、
蓋対象部分の幅の長さよりも長い幅を持つ本体部と、前記本体部に対して回転可能に連結されている回転部とを有し、本体部の内側には内部空間が形成されており、回転部は回転により前記内部空間を閉塞する閉状態と、前記内部空間を開放する開状態との選択が可能であり、
閉状態とすることにより蓋対象部分を覆って蓋をすることができ、開状態としている一方の本体部の内部空間に、隣接する他方の本体部を進入させることが可能であることを特徴とする覆蓋。
【請求項2】
内部空間は、開状態で開放される側から奥へ向かって、幅方向及び上下方向の長さが短くなる形状であることを特徴とする請求項1に記載の覆蓋。
【請求項3】
本体部には上面板と、前記上面板の下側で固定される側面板とが設けられており、回転部は板状である回転板であって上面板と回転可能に連結されており、上面板は回転板の連結部分が上側となるように傾斜するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の覆蓋。
【請求項4】
上面板、側面板及び回転板の下側によって形成される部分は、等脚台形状であることを特徴とする請求項3に記載の覆蓋。
【請求項5】
回転板の幅方向に対して垂直な方向の長さは、上面板の幅方向に対して垂直な方向の長さよりも短いものであることを特徴とする請求項3又は4に記載の覆蓋。
【請求項6】
閉状態における回転板の面は、水平方向に対して垂直な上下方向に平行な面となっていることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の覆蓋。
【請求項7】
側面板の下側には、車輪が設けられるものであり、車輪を回転させることによって、内部空間の奥と手前をつなぐ方向に移動させることができるものであることを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の覆蓋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−284894(P2007−284894A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−110512(P2006−110512)
【出願日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】