説明

視聴環境対応表示制御装置、視聴環境対応表示制御方法、視聴環境対応表示制御プログラム、コンピュータ読み取り可能な記録媒体、および記録再生装置

【課題】視聴者への健康被害を抑えることが可能な視聴環境対応表示制御装置を実現する。
【解決手段】利用者が映像を視聴する環境である視聴環境が、好適視聴環境を満たしているか否かを判定する視聴環境判定部4と、視聴環境判定部4が所定の視聴環境が満たされていないと判定した場合に、映像の表示を停止させる映像表示制御部5と、を備え、さらに、映像表示制御部5は、視聴環境判定部4が所定の視聴環境が満たされていないと判定した場合に、映像を録画させ、視聴環境判定部4が好適視聴環境が満たされていると判定した場合に、録画した映像を再生させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、視聴環境に応じて映像の表示を制御することが可能な視聴環境対応表示制御装置ならびに視聴環境対応表示制御方法に関するものである。また、そのような視聴環境対応表示制御装置を動作させるためのプログラム、そのプログラムを記録した記録媒体、および、上記の視聴環境対応表示制御装置を備えた記録再生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
視聴者が番組を視聴する際に、周囲の明るさ(照度)が不十分であったり、テレビ等の映像表示画面までの距離が短いなど、視聴環境が適切でない場合が多い。そこで、子供がアニメ等を見る場合には、「室内を明るくしましょう」、「テレビから離れて見ましょう」といった警告を画面に出す場合がある。しかし、それでもなお、その警告を無視して不適切な視聴環境でテレビを見続ける子供は多い。同様に、大人であっても、視聴環境が悪い状態でテレビを視聴することは多い。
【0003】
そして、家庭等においては、視聴環境を自動的に制御するシステムがないため、視聴環境が調整されないまま番組の視聴が継続される。その結果、眼痛や頭痛などの健康被害が視聴者にもたらされる。従って、テレビ等を視聴する際に、視聴者は、確実に視聴環境を調整する、あるいは自動的に視聴環境が調節されることを要する。
【0004】
特許文献1に記載の環境形成機能付きカラオケ装置では、対応環境パターン情報記憶手段が、カラオケ曲ごとに設定された環境パターンを予め記憶している。そして、環境形成手段が、曲目に応じた環境パターンを対応環境パターン情報記憶手段から読み出して、その環境パターンを自動的に実行する。なお、環境パターンには、送風、温度調節、照明調節、臭い、映像投影、スモーク発生が含まれる。
【特許文献1】特開平8−76779号公報(公開日:1996年3月22日)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の構成では、次のような問題が生じていた。具体的には、特許文献1に記載の環境形成機能付きカラオケ装置では、予め記憶された環境パターンでしか環境形成が行われないため、利用者の視聴環境に合わせた環境パターンの調節が不可能であった。そして、上記環境形成機能付きカラオケ装置は、利用者の視聴環境が悪い場合であっても、そのまま映像の表示を継続するため、視聴者に生じる健康被害を抑止することができなかった。
【0006】
また、テレビ画面の明るさを周囲の明るさに合わせて調整する仕組みも提案されている。しかしながら、このような仕組みでは、周囲が暗いと、画面の明るさも低下してしまう。その結果、ユーザは、明るさが低下した画面を暗い視聴環境の中で視聴しなくてはならず、眼痛や頭痛などの健康被害を防止することができなかった。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、視聴者への健康被害を抑えることが可能な視聴環境対応表示制御装置ならびに視聴環境対応表示制御方法、そのような視聴環境対応表示制御装置を動作させるためのプログラム、そのプログラムを記録した記録媒体、および、上記の視聴環境対応表示制御装置を備えた記録再生装置を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る視聴環境対応表示制御装置は、上記課題を解決するために、利用者が映像を視聴する環境である視聴環境が、所定の視聴環境を満たしているか否かを判定する視聴環境判定手段と、上記視聴環境判定手段が所定の視聴環境が満たされていないと判定した場合に、映像の表示を停止させる映像表示制御手段と、を備えることを特徴としている。
【0009】
本発明に係る視聴環境対応表示制御方法は、上記課題を解決するために、利用者が映像を視聴する環境である視聴環境が、所定の視聴環境を満たしているか否かを判定する視聴環境判定ステップと、上記視聴環境判定ステップにより所定の視聴環境が満たされていないと判定された場合に、映像の表示を停止させる映像表示制御ステップと、を含むことを特徴としている。
【0010】
これにより、本発明に係る視聴環境対応表示制御装置及び視聴環境対応表示制御方法では、利用者が映像を視聴する視聴環境と所定の視聴環境とを比較して、視聴環境判定手段が所定の視聴環境が満たされていないと判定した場合に、映像表示制御手段が映像の表示を停止させる。それゆえ、利用者が視聴環境の悪い状態で映像を視聴している場合に、その状態で継続的に映像の視聴を行うことができないように自動的に映像の表示を停止して、利用者に眼痛や頭痛等の健康被害が生じる事態を未然に防止することができる。
【0011】
このように、本発明に係る視聴環境対応表示制御装置及び視聴環境対応表示制御方法は、視聴環境が視聴に好適ではない場合に映像の表示を停止するため、利用者は、常に健康上問題ない視聴環境で映像を視聴することができ、それゆえ健康被害が生じる事態を未然に防止することができる。
【0012】
さらに、本発明に係る視聴環境対応表示制御装置では、映像中に現れる明滅を検出する明滅検出手段を備え、上記映像表示制御手段は、上記明滅検出手段が単位時間当たりに所定回数以上の明滅を検出した場合に、映像を録画させると共に、録画された映像を、表示速度を遅くした状態で再生させることができる。
【0013】
映像中に明滅の頻度が多いと、利用者に不快感を与え、ひいては眼痛や頭痛などの健康被害を引き起こす。従って、映像中に現れる明滅を検出する明滅検出手段が単位時間当たりに所定回数以上の明滅を検出した場合に、上記映像表示制御手段が映像を録画させることができれば、その録画した映像を表示速度を遅くした状態で再生させることにより、単位時間当たりの明滅回数を低減することができる。その結果、利用者が感じる不快感、あるいは健康被害を低減することができる。
【0014】
さらに、本発明に係る視聴環境対応表示制御装置では、上記映像表示制御手段は、上記明滅検出手段が単位時間当たりの明滅が所定回数以下になったことを検出した場合に、映像の再生速度を速くさせることができる。
【0015】
上述したように、視聴環境対応表示制御装置は、映像中に現れる明滅を検出する明滅検出手段が単位時間当たりに所定回数以上の明滅を検出した場合に、録画された映像を表示速度を遅くした状態で再生させることができる。
【0016】
しかしながら、表示速度を遅くすると、その間は放送の録画を行う必要があり、かつ一度遅くすると利用者がテレビの視聴を終了するまで、追いかけ再生を続ける必要がある。
【0017】
そこで、録画した映像を再生する際に、その表示速度を速めることができれば、現在の放送時間に追いつくことができ、また、録画、及び追いかけ再生の時間を最小限にすることにより、消費電力を低減することができる。
【0018】
さらに、本発明に係る視聴環境対応表示制御装置では、映像中に現れる明滅を検出する明滅検出手段と、上記明滅検出手段が単位時間当たりに所定回数以上の明滅を検出した場合に、輝度を低減する輝度低減手段と、を備えることができる。
【0019】
上記の構成によれば、視聴環境対応表示制御装置は、さらに、明滅検出手段が単位時間当たりに所定回数以上の明滅を検出した場合に、表示される映像の輝度を低減する輝度低減手段を備えることにより、利用者が感じる不快感、あるいは健康被害を低減することが可能となる。
【0020】
さらに、本発明に係る視聴環境対応表示制御装置では、上記映像表示制御手段は、上記視聴環境判定手段が所定の視聴環境が満たされていないと判定した場合に、映像を録画させてもよい。
【0021】
上記の構成によれば、視聴環境対応表示制御装置は、さらに、映像を録画させることができる。
【0022】
よって、視聴環境が悪いために映像の表示が停止した場合であっても、表示停止となった映像を録画しておくことができ、利用者は、その間の映像を見逃すといった事態を避けることができる。
【0023】
従って、利用者は、より利便性の高い視聴環境対応表示制御装置を得ることができる。
【0024】
さらに、本発明に係る視聴環境対応表示制御装置では、上記視聴環境判定手段が所定の視聴環境が満たされていると判定した場合に、表示停止した映像を再生させることができる。
【0025】
上記の構成によれば、視聴環境対応表示制御装置は、さらに、表示を停止した映像を再生させることができる。
【0026】
よって、例えばDVD等の記録媒体から読み出した映像を表示している場合であって、視聴環境が悪いために映像の表示が停止した場合であっても、利用者は、視聴環境が適切に調節された後に、その映像を再生して視聴することができる。つまり、利用者は、常に健康上問題ない視聴環境で映像を視聴することができ、健康被害が生じる事態を未然に防止することが可能となる。
【0027】
さらに、本発明に係る視聴環境対応表示制御装置では、上記映像表示制御手段は、上記視聴環境判定手段が所定の視聴環境が満たされていると判定した場合に、録画した映像を再生させることができる。
【0028】
上記の構成によれば、視聴環境対応表示制御装置は、さらに、録画した映像を再生させることができる。
【0029】
よって、テレビ放送による映像を表示している場合であって、視聴環境が悪いために映像の表示が停止した場合であっても、表示停止となった映像が録画され、利用者は、視聴環境が適切に調節された後に、その録画した映像を再生して視聴することができ、その間の映像を見逃すといった事態を避けることができる。従って、利用者は、視聴環境を調節さえすれば、その録画した映像を放送の終了を待つことなく再生することができる。つまり、利用者は、常に健康上問題ない視聴環境で映像を視聴することができ、健康被害が生じる事態を未然に防止することが可能となる。
【0030】
さらに、本発明に係る視聴環境対応表示制御装置では、上記視聴環境判定手段が所定の視聴環境が満たされていないと判定した場合に、上記映像表示制御手段からの命令に基づいて、視聴環境を調整するよう利用者に警告する警告手段を備えることができる。
【0031】
上記の構成によれば、視聴環境対応表示制御装置は、さらに、視聴環境を調整するよう利用者に警告する警告手段を有する。
【0032】
従って、利用者は、その警告に従って、迅速に好適な視聴環境を実現することができる。
【0033】
さらに、本発明に係る視聴環境対応表示制御装置では、上記映像表示制御手段は、上記視聴環境判定手段が所定の視聴環境が満たされていないと判定した場合に、任意の視聴環境を調節することが可能な視聴環境調整手段に、視聴環境を上記所定の視聴環境に調整させることができる。
【0034】
上記の構成によれば、視聴環境対応表示制御装置は、さらに、任意の視聴環境を調節することが可能な視聴環境調整手段に、所定の視聴環境を調節させることができる。
【0035】
従って、所定の視聴環境が自動的に調節されるため、利用者は、自ら視聴環境を調節する手間を省くことができ、しかも、常に健康上問題ない視聴環境で映像を視聴することができ、健康被害が生じる事態を未然に防止することが可能となる。
【0036】
さらに、本発明に係る視聴環境対応表示制御装置では、上記視聴環境調整手段が、上記視聴環境対応表示制御装置の外部に設けられている場合に、上記映像表示制御手段からの命令に基づいて、上記視聴環境調整手段に所定の視聴環境を調節させるための動作信号を上記視聴環境調整手段に送信する動作信号送信手段を備えることができる。
【0037】
上記の構成によれば、リモコン等の遠隔操作によって視聴環境を調節することが可能な視聴環境調整手段に対して、動作信号送信手段が、映像表示制御手段からの命令に基づいて、所定の視聴環境を調節するよう動作信号を送信する。
【0038】
ここで、一例として、視聴環境調整手段が照明機器であって、その照明機器がリモコン等の遠隔操作で動作するタイプの照明機器である場合、メーカによってリモコンの周波数及び制御パターンが異なる場合がある。そのような場合に、動作信号送信手段が、メーカ各社の照明機器で使用されるリモコンの周波数及び制御パターンに合致するように動作信号を生成し、かつ、その動作信号を照明機器に送信すれば、メーカの違いによる照明機器の動作不良を抑えつつ、照明機器は、周囲視聴環境を好適視聴環境に調節することができる。
【0039】
このように、上記構成を備えることにより、視聴環境調整手段が視聴環境対応表示制御装置の外部に設けられている場合であっても、利用者は、自ら視聴環境を調節する手間を省くことができ、しかも、常に健康上問題ない視聴環境で映像を視聴することができ、健康被害が生じる事態を未然に防止することが可能となる。
【0040】
さらに、本発明に係る視聴環境対応表示制御装置では、上記視聴環境は、照度、または利用者との距離のうち、少なくとも何れか一方であってよい。
【0041】
周囲の明るさ(照度)が不十分であったり、テレビ等の映像表示画面までの距離が短いといった理由により、利用者は、眼痛や頭痛などの健康被害を引き起こすことが多い。それゆえ、視聴環境を、照度、または利用者との距離のうち、少なくとも何れか一方とすることにより、利用者の健康被害を最大限に抑制することができる。
【0042】
さらに、本発明に係る視聴環境対応表示制御装置では、上記視聴環境は、上記視聴環境対応表示制御装置に内蔵あるいは外付けされた視聴環境検出手段によって検出され、上記視聴環境検出手段は、移動可能に設けられていることができる。
【0043】
例えば、視聴環境検出手段としての距離センサの前方に障害物が置かれている場合、その距離センサは、当該障害物が邪魔になり、利用者までの距離を正確に測定することができない。また、視聴環境検出手段が照度センサの場合であっても、その障害物が邪魔になり、周囲の照度を正確に測定することができない。
【0044】
そこで、視聴環境検出手段を移動可能に設けることにより、たとえ障害物が視聴環境検出手段の前方に存在するような場合であっても、視聴環境検出手段を障害物の上面に配置して周囲視聴環境を測定することにより、正確に視聴環境を測定することができる。従って、確実に周囲の視聴環境を所定の視聴環境に調節することができ、その結果、利用者は、常に健康上問題ない視聴環境で映像を視聴することができ、健康被害が生じる事態を未然に防止することが可能となる。
【0045】
さらに、本発明に係る視聴環境対応表示制御装置では、表示する映像の種類を判別する映像種類判別手段を備え、上記視聴環境判定手段は、上記映像種類判別手段が判別した映像の種類に応じて、所定の視聴環境を満たしているか否かを判定することができる。
【0046】
上記の構成によれば、映像の種類に応じて所定の視聴環境を満たしているか否かを判断できるため、例えば、子供がアニメ番組を見る時の照度、及び子供との距離を大きく設定しておけば、子供への健康被害をより小さくすることができる。
【0047】
それゆえ、利用者は、自身の健康被害を抑えつつ、より利便性の高い視聴環境対応表示制御装置を得ることができる。
【0048】
なお、上記視聴環境対応表示制御装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記視聴環境対応表示制御装置をコンピュータにて実現させる視聴環境対応表示制御装置の表示制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。また、上記視聴環境対応表示制御装置を備えた記録再生装置も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0049】
本発明に係る視聴環境対応表示制御装置は、以上のように、利用者が映像を視聴する環境である視聴環境が、所定の視聴環境を満たしているか否かを判定する視聴環境判定手段と、上記視聴環境判定手段が所定の視聴環境が満たされていないと判定した場合に、映像の表示を停止させる映像表示制御手段と、を備える構成である。
【0050】
また、本発明に係る視聴環境対応表示制御方法は、以上のように、利用者が映像を視聴する環境である視聴環境が、所定の視聴環境を満たしているか否かを判定する視聴環境判定ステップと、上記視聴環境判定ステップにより所定の視聴環境が満たされていないと判定された場合に、映像の表示を停止させる映像表示制御ステップと、を含む構成である。
【0051】
それゆえ、利用者が視聴環境の悪い状態で映像を視聴している場合に、その状態で継続的に映像の視聴を行うことができないように自動的に映像の表示を停止して、利用者が眼痛や頭痛等の健康被害を招く事態を未然に防止することが可能な視聴環境対応表示制御装置ならびに視聴環境対応表示制御方法、そのような視聴環境対応表示制御装置を動作させるためのプログラム、そのプログラムを記録した記録媒体、および、上記の視聴環境対応表示制御装置を備えた記録再生装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0052】
(実施の形態1)
以下、本実施の形態に係る記録再生装置1について説明する。なお、概略説明すると、記録再生装置1は、視聴環境が悪い場合に映像の表示を停止する一方で、表示停止となった映像を録画し、視聴環境が所定の視聴環境になることで録画した映像を再生する装置である。
【0053】
図1は、本発明の実施形態を示すものであり、記録再生装置1の要部構成を示すブロック図である。記録再生装置1は、周囲の明るさ(照度)を測定する照度センサ2(視聴環境検出手段)と、記録再生装置1と視聴者との間の距離を測定する距離センサ3(視聴環境検出手段)と、視聴者が映像を視聴する環境である視聴環境が、所定の視聴環境を満たしているか否かを判定する視聴環境判定部4(視聴環境判定手段)と、視聴環境判定部4が所定の視聴環境が満たされていないと判定した場合に、映像の表示を停止等させる映像表示制御部5(映像表示制御手段)と、記録再生装置1によって表示される映像の映像信号が入力される映像信号入力部6と、映像を録画する録画部7と、映像信号入力部6から出力された映像信号を処理して映像・音声出力部10へ出力する信号処理部8と、映像表示制御部5からの命令に基づいて、視聴者に警告を発する警告部9(警告手段)と、信号処理部8で処理された信号を映像・音声にして外部に出力する映像・音声出力部10と、を備える。
【0054】
なお、後述する視聴環境設定テーブル15は、記録再生装置1の外部の記録装置である第1記録部17に記録される。また、録画部7が録画した映像は、記録再生装置1の外部の記録装置である第2記録部18の番組ファイル格納部16に記録される。
【0055】
ここで、視聴環境について説明する。視聴環境とは、利用者が映像を視聴する際の周囲の環境のことであり、照度、及び視聴者と記録再生装置1との距離で表される。以降の説明では、照度センサ2及び距離センサ3が測定した照度及び距離を「周囲視聴環境」と総称する。また、所定の視聴環境とは、視聴者が映像を視聴するのに適した視聴環境であり、視聴環境設定テーブル15に設定される。以降の説明では、視聴環境設定テーブル15に設定された視聴環境を「好適視聴環境」と称する。視聴環境設定テーブル15については、後ほど詳細に説明する。以下、上記各部の構成および動作について、より具体的に説明する。
【0056】
照度センサ2は、周囲の明るさ(照度)を測定するために使用し、フォトトランジスタを使用するタイプ、フォトダイオードを使用するタイプ、あるいはフォトダイオードにアンプ回路を追加したタイプ等の任意の照度センサを採用することができる。
【0057】
距離センサ3は、記録再生装置1と視聴者との間の距離を測定するために使用し、超音波型、赤外線型、あるいはレーザー型等の任意の距離センサを採用することができる。
【0058】
なお、図示しないが、記録再生装置1は、照度センサ2又は距離センサ3の何れか一方を設ける構成でもよい。その場合、視聴環境設定テーブル15には、使用する一方のセンサに係る好適視聴環境のみが設定される。但し、本書では、両方のセンサを使用するものとして説明する。従って、視聴環境設定テーブル15には、照度及び距離に係る好適視聴環境が設定されている。
【0059】
また、上記の説明では、照度センサ2及び距離センサ3を記録再生装置1の内部に設ける構成で説明した。しかしながら、各センサを記録再生装置1の外部に設け、記録再生装置1と接続する構成としてもよい。より具体的に図2を参照して説明する。
【0060】
図2は、照度センサ、距離センサの取り付け位置を説明するための図であって、図2(a)は、照度センサ2及び距離センサ3を記録再生装置1に内蔵した場合を示す図であり、図2(b)は、照度センサ2及び距離センサ3を記録再生装置1に外付けした場合を示す図である。
【0061】
図2(a)では、照度センサ2及び距離センサ3は記録再生装置1に内蔵されている。従って、この場合、記録再生装置1を設置した位置において、周囲の照度、及び記録再生装置1と視聴者との間の距離が測定される。
【0062】
しかしながら、例えば照度センサ2及び距離センサ3の前方に障害物が置かれている場合、各センサは、正確に視聴環境を測定することができない。そこで、図2(b)に示すように、その障害物の上面に照度センサ2及び距離センサ3を配置するなどして、照度センサ2及び距離センサ3を記録再生装置1に外付けすると、より正確に視聴環境を測定することができる。
【0063】
また、図示しないが、照度センサ2及び距離センサ3は、テレビ等の他の機器に備え付けのセンサを用いて、記録再生装置1と接続する構成であってもよい。その場合は、照度センサ及び距離センサを別途設ける必要がなくなる。
【0064】
視聴環境判定部4は、照度センサ2及び距離センサ3から、周囲の照度及び記録再生装置1と視聴者との間の距離をそれぞれ取得する。つまり、視聴環境判定部4は、周囲視聴環境を取得する。併せて、視聴環境判定部4は、視聴環境設定テーブル15から好適視聴環境を読み出す。そのうえで、視聴環境判定部4は、周囲視聴環境と好適視聴環境とを比較して、周囲視聴環境が好適視聴環境を満たしているか否かを判定し、その判定結果を映像表示制御部5に出力する。なお、図示しない入力装置を用いることにより、視聴環境設定テーブル15に設定される好適視聴環境は変更可能に設定される。
【0065】
ここで、視聴環境設定テーブル15について図3を用いて説明する。図3は、環境設定テーブルの一例を説明するための図である。
【0066】
図3では、視聴環境設定テーブル15は、通常設定、設定1〜3ごとに、「照度(ルクス)」、「距離(m)」、「番組の種類」が設定されている。例えば、通常設定では、照度200ルクス、距離2.5m、番組の種類は限定なし、により設定されている。つまり、通常設定では、番組の種類に関係なく、照度200ルクス、距離2.5mを確保することが好適視聴環境となる。従って、周囲視聴環境が好適視聴環境を満たしていない場合、映像表示制御部5が映像の表示を停止させる。なお、その詳細については後述する。
【0067】
一方、設定1では、照度250ルクス、距離3.0m、番組の種類「アニメ」、に設定されている。つまり、アニメを視聴する場合には、照度250ルクス、距離3.0mを確保する必要がある。ここで、設定1及び通常設定の各条件を比較すると、照度、距離共に、設定1の方が通常設定よりも厳しい(視聴者にとって、健康被害の少ない)条件となっている。これは、アニメの視聴者は子供であることが多く、従って、子供の健康被害をできるだけ低減することを念頭に設定1の設定が行なわれているためである。
【0068】
同様に、設定2では、番組の種類として「映画」が設定されており、照度150ルクス、距離2.7mで設定されている。通常設定に比べて設定2の照度が低く設定されている理由は、室内を暗くして、より迫力ある映像を楽しみたいという視聴者の要求に応えるためである。また、設定3では、番組の種類は「その他」で設定されている。つまり、アニメ、映画以外の番組の場合を視聴する場合、設定3の各条件が好適視聴環境として適用される。
【0069】
このように、視聴環境設定テーブル15では、「照度(ルクス)」、「距離(m)」、「番組の種類」が、通常設定、設定1〜3ごとに設定されている。
【0070】
なお、番組の種類を問わないときは、「番組の種類」という項目を設ける必要はない。また、設定1〜3の照度、距離、番組の種類は、視聴者が設定を適宜変更しうる構成とすることが可能である。また、設定1〜3以外にも、設定1〜10というように、その数を増やすことも可能であり、図3の視聴環境設定テーブル15はあくまで一例である。なお、上記説明では、テレビ番組を対象として説明したが、「番組」は、テレビ番組に限るものではなく、映画ソフト、ゲーム、撮影ビデオ映像、写真等の映像媒体全般を対象としてよい。なお、番組の種類の判定方法の詳細は、後述の実施形態で説明する。
【0071】
ここで改めて、図1を用いて記録再生装置1の各部について説明する。映像表示制御部5は、周囲視聴環境が好適視聴環境を満たしているか否かの判定結果を視聴環境判定部4から取得する。そして、周囲視聴環境が好適視聴環境を満たしていない場合は、映像の表示を停止させるために、映像の表示を停止させる命令を示す情報を信号処理部8に送信する。
【0072】
信号処理部8は、通常は映像信号入力部6からの映像信号を処理して、映像・音声出力部10に映像(及び音声)を出力させる。ここで、映像信号入力部6に入力される映像信号は、録画、あるいは映画ソフトなどの場合は、記録媒体からの再生信号である。この場合、後述する録画部7における録画は必要ではない。ただし、映像信号入力部6に入力される映像信号がテレビ番組を放送する場合は、番組の受信信号となる。
【0073】
このように、周囲視聴環境が好適視聴環境を満たしていない場合は、映像表示制御部5は、映像・音声出力部10からの映像(及び音声)の出力を停止させるために、映像の表示を停止させる命令を示す情報を信号処理部8に送信する。
【0074】
さらに、映像の表示を停止させるのと同時に、映像表示制御部5は、その映像を録画させる命令を示す情報を録画部7に送信する。なお、録画部7は、映像信号入力部6からの映像信号を受信して、その映像を録画する機能を備える。そして、録画部7が録画した映像は、記録再生装置1の外部の記録装置である第2記録部18の番組ファイル格納部16に記録される。なお、図1では、第1記録部17と第2記録部18とを区別して記載しているが、これらは1つの記録部であってもよい。また、図1では、第1記録部17及び第2記録部18を記録再生装置1の外部に設ける構成により記載しているが、共に記録再生装置1の内部に設ける構成であってもよい。
【0075】
一方、映像表示制御部5は、周囲視聴環境が好適視聴環境を満たしていないとの判定結果を視聴環境判定部4から取得すると、「室内を明るくしましょう」、「テレビから離れて見ましょう」等の警告を表示させる命令を示す情報を警告部9に送信する。そして、その警告を表示させる命令を示す情報に基づいて、映像・音声出力部10から上記の警告が出力される。なお、警告は、画面に表示しても、音声によって視聴者に警告しても、何れであってもよい。
【0076】
そして、映像表示制御部5は、周囲視聴環境が好適視聴環境を満たしているとの判定結果を視聴環境判定部4から取得した場合は、次のような動作を示す。なお、その判定結果を取得した段階では、録画部7は映像の録画を継続している。
【0077】
映像表示制御部5は、周囲視聴環境が好適視聴環境を満たしているとの判定結果を視聴環境判定部4から取得した場合、信号処理部8に対して、録画した映像を再生させる命令を示す情報を送信する。この録画した映像を再生させる命令を示す情報に基づいて、信号処理部8は、番組ファイル格納部16に格納された映像信号を読み出し、その読み出した映像信号を処理したうえで、映像・音声出力部10に映像(及び音声)を出力させる。なお、この段階で、録画部7は映像の録画を継続している。
【0078】
このように、記録再生装置1は、視聴者が映像を視聴する周囲視聴環境と好適視聴環境とを比較して、視聴環境判定部4が好適視聴環境が満たされていないと判定した場合に、映像表示制御部5が映像の表示を停止させるように機能する。そして、周囲視聴環境が悪いために映像の表示が停止した場合であっても、表示停止となった映像を録画し、周囲視聴環境が好適視聴環境を満たすことで、録画した映像を再生する。また、視聴環境判定部4が好適視聴環境が満たされていないと判定した場合には、その警告を画面に表示させる命令を示す情報に基づいて、「室内を明るくしましょう」、「テレビから離れて見ましょう」といった警告が画面に表示される(あるいは音声出力される)。
【0079】
次に、図4を参照しながら、記録再生装置1による処理の流れを説明する。図4は、記録再生装置1による処理の流れを示すフローチャートである。
【0080】
まず、ステップS1は、記録再生装置1の電源がオンとなった状態である。このとき、画面上に映像が出力される。
【0081】
次に、ステップS3では、照度センサ2及び距離センサ3が、周囲の照度、及び視聴者と記録再生装置1との距離である周囲視聴環境を測定し、その結果を視聴環境判定部4に出力する。
【0082】
そして、ステップS5では、視聴環境判定部4が、照度センサ2及び距離センサ3による測定結果に基づいて、周囲視聴環境が好適視聴環境を満たしているか否かを判定し、その判定結果を映像表示制御部5に出力する。なお、視聴環境判定部4は、視聴環境設定テーブル15から好適視聴環境を読み出したうえで、周囲視聴環境と好適視聴環境とを比較する。
【0083】
なお、照度センサ2及び距離センサ3の測定順序、あるいは照度及び距離についての周囲視聴環境と好適視聴環境との比較順序は特に限定されない。つまり、照度及び距離を同時に測定・比較してもよく、あるいは先に照度、後から距離について、若しくはその逆の順序で、周囲視聴環境と好適視聴環境とを比較してもよい。図4では、照度及び距離を同時に測定・比較するものとして説明する。
【0084】
ステップS7(ステップS5にてYES)では、周囲視聴環境が好適視聴環境を満たしているとの判定結果に基づき、映像表示制御部5が映像の表示を継続させ、その結果、視聴者は映像を視聴し続けることができる。但し、図示しないが、視聴者の健康被害を抑えるために、その後も定期的に視聴環境が測定されることが好ましい。従って、ステップS7に進んだ後も、ステップS3(もしくは、後述するステップS17)に進む構成としてもよい。
【0085】
ここで、定期的とは、例えば10分に1回でも、1時間に1回でもよく、視聴者が予め適宜設定することができるものとする。又は、一定の時間間隔ではなく、番組を選択する度に視聴環境を測定するようにしてもよい。なお、以降の説明において、「定期的に視聴環境を測定する」という場合は、上述した内容を意味するものとする。
【0086】
ステップS9(ステップS5にてNO)では、周囲視聴環境が好適視聴環境を満たしていないとの判定結果に基づき、映像表示制御部5が映像の表示を停止させる。これは、映像表示制御部5が、映像の表示を停止させるために、映像の表示を停止させる命令を示す情報を信号処理部8に送信する結果による。
【0087】
また、このとき、映像表示制御部5は、その映像を録画させる命令を示す情報を録画部7に送信し、録画部7は、その映像を録画させる命令を示す情報に基づき、表示が停止した映像の録画を開始する。なお、その録画した映像(映像信号)は、番組ファイル格納部16に記録される。
【0088】
さらに、このとき、映像表示制御部5は、警告部9に対して、「室内を明るくしましょう」、「テレビから離れて見ましょう」といった警告を画面に表示させる命令を示す情報を送信する。そして、その警告を画面に表示させる命令を示す情報に基づいて、映像・音声出力部10から上記の警告が出力される。なお、警告は、音声によって出力する構成としてもよい。
【0089】
続いて、ステップS11では、照度センサ2及び距離センサ3が、周囲の照度、及び視聴者と画面との距離である周囲視聴環境を再び測定し、その測定結果を視聴環境判定部4に出力する。
【0090】
次に、ステップS13では、視聴環境判定部4が、照度センサ2及び距離センサ3の出力結果に基づいて、周囲視聴環境が好適視聴環境を満たしているか否かを判定し、その判定結果を映像表示制御部5に出力する。
【0091】
そして、ステップS15(ステップS13にてYES)では、周囲視聴環境が好適視聴環境を満たしているとの判定結果に基づき、映像表示制御部5が録画した映像の再生をさせる。従って、映像表示制御部5が、録画した映像を再生させるために、信号処理部8に対して、録画した映像を再生させる命令を示す情報を送信する。この録画した映像を再生させる命令を示す情報に基づいて、信号処理部8は、番組ファイル格納部16から録画した映像(映像信号)を読み出し、その読み出した映像(映像信号)を処理したうえで、映像・音声出力部10に映像(及び音声)を出力させる。なお、この段階で、録画部7は映像の録画を継続している。
【0092】
また、このとき、映像表示制御部5は、警告部9に対して、画面に表示されていた警告の表示を止める命令を示す情報を送信し、それにより、ステップS9で設定された警告状態が解除される。
【0093】
ここで、ステップS13において、周囲視聴環境が好適視聴環境を満たしていないとの判定がされた場合、再びステップS11へ戻り、視聴環境の測定が行われる。これは、視聴環境が好適視聴環境を満たすまで、映像の表示を行わないようにするためであり、視聴者の健康被害を抑えるためである。
【0094】
次にステップS17について説明する。記録再生装置1は、視聴者の健康被害を最小限に抑えるため、視聴環境の測定を定期的に行う。従って、ステップS15において録画した映像が再生され、警告が解除された後であっても、視聴環境の測定が定期的に行われる。
【0095】
そして、ステップS19では、視聴環境判定部4が、照度センサ2及び距離センサ3の出力結果に基づいて、周囲視聴環境が好適視聴環境を満たしているか否かを判定し、その判定結果を映像表示制御部5に出力する。
【0096】
映像表示制御部5は、周囲視聴環境が好適視聴環境を満たしていないと判定した場合に、ステップS9で説明した方法と同様の方法によって、表示停止、及び警告させる(ステップS21)。なお、ステップS21に進むと、次はステップS11に戻り、上述した流れに沿って処理が行われる。
【0097】
また、周囲視聴環境が好適視聴環境を満たしていると判定された場合(ステップS19にてYES)であっても、記録再生装置1の電源をオフにするまでは、照度センサ2及び距離センサ3が周囲視聴環境を定期的に測定するように設定してもよい。
【0098】
このような流れで記録再生装置1による処理が行われる。
【0099】
次に、上記構成において、本実施の形態に係る記録再生装置1によって得られる効果を説明する。
【0100】
記録再生装置1では、周囲視聴環境と好適視聴環境とを比較して、視聴環境判定部4が好適視聴環境が満たされていないと判定した場合に、映像表示制御部5が映像の表示を停止させる。それゆえ、利用者が視聴環境の悪い状態で映像を視聴している場合に、その状態で継続的に映像の視聴できないように自動的に映像の表示を停止して、利用者が眼痛や頭痛等の健康被害を招く事態を未然に防止することができる。
【0101】
さらに、記録再生装置1では、視聴環境が悪いために映像の表示が停止した場合であっても、表示停止となった映像を録画しておくことができる。そして、周囲視聴環境が好適視聴環境になることで、録画した映像を再生することができる。従って、映像の表示が停止しても、視聴者はその間の映像を見逃すことはない。それゆえ、視聴者は、視聴環境を調節さえすれば、追いかけ再生によりその録画した映像を放送の終了を待つことなく再生することがでる。
【0102】
なお、記録媒体から読み出した映像を表示する場合は、映像を録画する必要はない。しかしながら、視聴環境が悪いためにその映像の表示が停止した場合には、視聴者は、視聴環境が適切に調節された後に、その映像を再生して視聴することができる。
【0103】
また、記録再生装置1は警告部9を備えており、警告部9は、視聴環境を調整するよう利用者に警告する。従って、視聴者は、警告に基づいて、好適な視聴環境を迅速に実現することができる。そして、視聴環境を調整して好適視聴環境を満たすことで、録画した映像を再生することができ、映像の表示が停止していた状態を解除できる。
【0104】
ここで、視聴環境は、照度、または利用者との距離のうち、少なくとも何れか一方としている。それは、周囲の明るさ(照度)が不十分であったり、テレビ等の映像表示画面までの距離が短いといった理由により、テレビ番組等の視聴者は、眼痛や頭痛などの健康被害を引き起こすことが多いためである。従って、視聴環境を、照度、または利用者との距離のうち少なくとも何れか一方とすることにより、視聴者の健康被害を最大限に抑制することができるためである。
【0105】
そして、照度、または利用者との距離は、記録再生装置1に内蔵あるいは外付けされた照度センサ2、あるいは距離センサ3によって検出され、それらは移動可能に設けることが好ましい(図2(b)参照)。照度センサ2、あるいは距離センサ3を適宜移動させることができれば、例えば記録再生装置1の前方に障害物が存在する場合であっても、その障害物の上面に照度センサ2、あるいは距離センサ3を配置することができる。その結果、より正確に周囲視聴環境を測定でき、確実に周囲視聴環境を好適視聴環境に調節することができる。それゆえ、利用者は、常に健康上問題ない視聴環境で映像を視聴することができ、健康被害が生じる事態を未然に防止することが可能となる。
(実施の形態2)
以下、本実施の形態に係る記録再生装置20について、図5を参照して説明する。図5は、本発明の他の実施形態を示すものであり、記録再生装置20の要部構成を示すブロック図である。ここで、概略説明すると、記録再生装置20は、視聴環境が悪い場合に映像の表示を停止する一方で、任意の視聴環境を調節することが可能な視聴環境調整部に、視聴環境を好適視聴環境に調整させる装置である。なお、図1を参照して前述した構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付している。従って、これらの構成要素の詳細な説明は省略する。
【0106】
映像表示制御部5は、周囲視聴環境が好適視聴環境を満たしているか否かの判定結果を視聴環境判定部4から取得する。そして、周囲視聴環境が好適視聴環境を満たしていない場合、映像表示制御部5は、任意の視聴環境を調節することが可能な照明機器25(視聴環境調整手段)に対して、視聴環境を好適視聴環境に調整させる命令を示す情報を送信する。この命令に基づいて、照明機器25は、視聴環境を好適視聴環境に調整することができる。なお、照明機器25は、照明機器そのものである必要はなく、照明機器に接続したネットワークサーバであってもよい。但し、ここでは、参照番号25は照明機器であるものとして説明する。
【0107】
また、周囲視聴環境が好適視聴環境を満たしていない場合、映像表示制御部5は、映像の表示を停止させる命令を示す情報を信号処理部8に送信すると共に、その映像を録画させる命令を示す情報を録画部7に送信する。さらに、映像表示制御部5は、警告部9に対して、「室内を明るくしましょう」、「テレビから離れて見ましょう」といった警告を画面に表示させる命令を示す情報を送信する。
【0108】
このように、記録再生装置20は、視聴環境設定テーブル15に設定された照度を照明機器25によって自動的に実現し、それが達成されるまでの間、表示停止となった映像を録画する。そして、記録再生装置20は、視聴環境設定テーブル15に設定された照度が照明機器25によって得られると、録画した映像を再生する。
【0109】
次に、図6を参照しながら、記録再生装置20による処理の流れを説明する。図6は、記録再生装置20による処理の流れを示すフローチャートである。なお、図4を参照して説明した記録再生装置1による処理と同一の処理には同一のステップ番号を付している。従って、これらのステップの詳細な説明は省略する。
【0110】
ステップS5において、周囲視聴環境が好適視聴環境を満たしていないとの判定結果となった場合(ステップS5にてNOの場合)、ステップS10に進む。ステップS10では、映像表示制御部5は、映像の表示を停止させるため、映像の表示を停止させる命令を示す情報を信号処理部8に送信する。また、映像表示制御部5は、その映像を録画させる命令を示す情報を録画部7に送信し、録画部7は、その映像を録画させる命令を示す情報に基づき、表示停止となった映像の録画を開始する。さらに、映像表示制御部5は、警告部9に対して、「室内を明るくしましょう」、「テレビから離れて見ましょう」といった警告を画面に表示させる命令を示す情報を送信する。
【0111】
さらに、映像表示制御部5は、視聴環境を好適視聴環境に調整させる命令を示す情報を、任意の視聴環境を調節することが可能な照明機器25に送信する。この命令に基づいて、照明機器25は、周囲視聴環境を好適視聴環境に調整する。
【0112】
同様に、図6のステップS22(ステップS19にてNOの場合)では、周囲視聴環境が好適視聴環境を満たしていないとの判定結果に基づき、映像表示制御部5は、表示停止、警告に加え、視聴環境を好適視聴環境に調整させる命令を示す情報を、任意の視聴環境を調節することが可能な照明機器25に送信する。
【0113】
このように、本実施の形態に係る記録再生装置20は、任意の視聴環境を調節することが可能な照明機器25に、周囲視聴環境を好適視聴環境に調節させることができる。
【0114】
従って、所定の視聴環境が自動的に調節されるため、視聴者は、自身の健康被害を抑えつつ、より利便性の高い記録再生装置を得ることができる。
【0115】
なお、図5では、照明機器25は、記録再生装置20の外部に設けられている。しかしながら、照明機器25は、記録再生装置20に含まれる構成とすることも可能である。
【0116】
また、上記の説明では、好適視聴環境として照度のみについて言及している。しかしながら、例えば、映像表示制御部5と電気的に接続した車輪部が記録再生装置20に設けられているような場合であって、視聴者と記録再生装置20との距離が近い場合には、映像表示制御部5は、その車輪部を動作(移動)させる命令を示す情報を当該車輪部に送信し、その命令に基づいて、記録再生装置20と視聴者との間の距離を車輪部が適宜調節する構成も可能である。従って、図5には図示していないが、好適視聴環境の調節手段として、照明機器25に加え、記録再生装置20に車輪部を設ける構成とすることもできる。
(実施の形態3)
以下、本実施の形態に係る記録再生装置30について、図7を参照して説明する。図7は、本発明の他の実施形態を示すものであり、記録再生装置30の要部構成を示すブロック図である。概略説明すると、記録再生装置30は、照明機器25が記録再生装置30の外部に設けられている場合に、映像表示制御部5からの命令に基づいて、好適視聴環境を調節させるための動作信号を照明機器25に送信する動作信号送信部35を備える。なお、図1、図5を参照して前述した構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付している。従って、これらの構成要素の詳細な説明は省略する。
【0117】
映像表示制御部5は、周囲視聴環境が好適視聴環境を満たしているか否かの判定結果を視聴環境判定部4から取得する。そして、周囲視聴環境が好適視聴環境を満たしていない場合、映像表示制御部5は、動作信号送信部35(動作信号送信手段)に対して、照明機器25に周囲視聴環境を好適視聴環境に調節させる命令を示す情報を送信する。なお、照明機器25は、周囲視聴環境を任意の視聴環境を調節することが可能であり、かつ記録再生装置30の外部に設けられている。そして、照明機器25は、リモコン等を用いて遠隔操作可能に設けられている。
【0118】
動作信号送信部35は、映像表示制御部5からの命令に基づいて、周囲視聴環境を好適視聴環境に調節させるための動作信号を照明機器25に送信する。なお、動作信号を送信する理由は次の通りである。つまり、照明機器25がリモコン等の遠隔操作で動作するタイプの照明機器である場合、メーカによってリモコンの周波数及び制御パターンが異なる場合がある。そこで、動作信号送信部35が、各社の照明機器のリモコンの周波数及び制御パターンに合致するように動作信号を生成し、その動作信号を照明機器25に送信することにより、照明機器25は、メーカの違いによる照明機器25の動作不良を抑えつつ、周囲視聴環境を好適視聴環境に調節することができる。
【0119】
なお、各メーカの照明機器のリモコンの周波数及び制御パターンは、予めテーブルとして保持しておき、初期設定時にメーカや照明の種類を視聴者に入力させる設定にしてもよい。また、動作信号送信部35が各種の信号をテストとして送信し、照度センサと連携して照度が変化しているかを検出し、照明がリモコン操作に対応しているかどうかや、周波数及び制御パターンを識別するようにしてもよい。
【0120】
なお、記録再生装置30の処理の流れは、図6を用いて説明した記録再生装置20の処理の流れと同様である。つまり、図6には照明機器による調節というステップS10、S22が含まれているが、このステップS10、S22が、動作信号送信部35から受信した動作信号に基づいて、照明機器25が周囲視聴環境を好適視聴環境を調節するステップに該当する。
【0121】
以上のように、記録再生装置30は、動作信号送信部35を備えることにより、照明機器25を自動的に制御することができる。その結果、記録再生装置30では、照明への有線接続やホームネットワークへの接続が不要となり、そのための設備費を削減することができる。
(実施の形態4)
以下、本実施の形態に係る記録再生装置40について、図8を参照して説明する。図8は、本発明の他の実施形態を示すものであり、記録再生装置40の要部構成を示すブロック図である。概略説明すると、記録再生装置40は、映像中に現れる明滅を検出する明滅検出部41を備え、明滅検出部41が単位時間当たりに所定回数以上の明滅を検出した場合に、映像を録画等する装置である。なお、図1等を参照して前述した構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付している。従って、これらの構成要素の詳細な説明は省略する。
【0122】
記録再生装置40は、さらに明滅検出部41(明滅検出手段)と、表示速度調節部42と、輝度低減部43(輝度低減手段)と、を備える。
【0123】
明滅検出部41は、信号処理部8から出力された映像信号によって表示される映像中に現れる明滅回数を検出するものであり、信号処理部8と映像・音声出力部10との間に設けられる。なお、明滅とは、輝度変化が10パーセント以上であって、その割合で輝度変化が同時に発生する面積が画面全体の1/4を越える状態のことを指す。ただし、輝度変化が15%であって、その割合で輝度変化が同時に発生する面積が画面全体の1/3を超える状態のことを明滅状態と定義してもよく、必ずしも上記各数値に限られるものではない。
【0124】
あるいは、次の(1)〜(3)を基準とし、これを超えるものを明滅として検出してもよい。
(1)鮮やかな赤色の明滅を避けた上で、明滅は、1秒間に5回以内、輝度変化が20パーセント以下、連続して2秒を超えない。
(2)コントラストの強い画面の反転や輝度変化が20パーセントを超える急激な場面転換が1秒間に3回以内。
(3)規則的なパターン模様(縞模様、渦巻き模様、同心円模様など)が画面の大部分を占めているものを避ける。
【0125】
上記の各数値は、日本放送協会と日本民間放送連盟が1998年4月8日に作成し、2006年4月1日に一部改訂した<アニメーション等の映像手法に関するガイドライン>に基づいている。このガイドラインは、視聴者の健康を及ぼすことを避けるために、放送業界が策定したものである。これらの基準より明滅を低減する方向に数値を設定することで、視聴環境対応表示制御装置として健康への影響を及ぼすリスクを下げることも可能である。
【0126】
そして、明滅検出部41は、信号処理部8から出力された映像信号によって表示される映像中に単位時間当たりに所定回数以上の明滅を検出した場合は、単位時間当たりに所定回数以上の明滅を検出したことを示す情報を映像表示制御部5に送信する。なお、単位時間当たりに所定回数以上の明滅を検出しなかった場合は、信号処理部8は、そのまま映像・音声出力部10に映像(及び音声)を出力させる。
【0127】
なお、上述した所定回数とは、ユーザの健康への影響を防止するため、1秒間に3回以内であるものとする。ただし、鮮やかな赤色の点滅、コントラストの強い画面の反転、カメラフラッシュ、雷光、あるいは火災などの映像は、特に健康に影響を及ぼす可能性があるため、そのようなケースを考慮して、所定の回数を1秒間に2回以内としてもよく、必ずしも上記各数値に限られるものではない。
【0128】
映像表示制御部5は、単位時間当たりに所定回数以上の明滅を検出したことを示す情報を受信した場合に、録画部7に映像を録画させる。そして、録画部7が録画した映像は、記録再生装置1の外部の記録装置である第2記録部18の番組ファイル格納部16に記録される。そして、映像表示制御部5は、録画した映像を再生させる命令を示す情報を信号処理部8に送信する。この録画した映像を再生させる命令を示す情報に基づいて、信号処理部8は、録画した映像(映像信号)を番組ファイル格納部16から読み出し、その読み出した映像信号を処理したうえで、表示速度調節部42に出力する。
【0129】
表示速度調節部42は、信号処理部8において処理された映像信号を受信すると共に、録画した画像を表示速度を遅くした状態で再生させる命令を示す情報を映像表示制御部5から受信する。そして、表示速度調節部42は、これら2つの入力を受けて、録画した画像を、表示速度を遅くして再生する処理を施したうえで、映像・音声出力部10に処理後の信号を出力し、映像・音声出力部10に映像・音声の出力をさせる。なお、再生を遅くさせる程度であるが、視聴者の健康被害の観点から、明滅検出部41での明滅の検出が1秒間に3回以下となるように調節することが好ましい。また、周囲の明るさ(照度)に関係なく明滅を検出する構成とすれば、視聴者の健康被害をより少なくすることができる。
【0130】
なお、表示速度調節部42と映像・音声出力部10との間に、輝度低減部43を設ける構成とすることもできる。輝度低減部43は、画面の輝度を所定の割合以下(例えば20%以下)になるように低減するものであり、輝度低減部43にて映像中の輝度を低減し、その処理後の映像信号を映像・音声出力部10に出力し、映像・音声出力部10に映像・音声の出力をさせる。これにより視聴者が感じる不快感、あるいは健康被害を低減することができる。なお、輝度の低減は、バックライトから照射される光を制御する、各画素の放電量を制御する、あるいは各画素の光の透過量を制御することにより実現される。
【0131】
なお、映像表示制御部5は、単位時間当たりに所定回数以上の明滅を検出したことを示す情報を受信した場合に、「明滅が多いです」といった警告を画面に表示させる命令を示す情報を警告部9に送信する構成としてもよい。これにより、視聴者は、視聴する映像が眼痛や頭痛を引き起こしやすい映像であることを認識できる。
【0132】
次に、図9を参照しながら、記録再生装置40の処理の流れを説明する。図9は、記録再生装置40の処理の流れを示すフローチャートである。なお、図9では、周囲視聴環境は、好適視聴環境を満たしているものとして説明する。
【0133】
まず、ステップS30は、画面上に映像が表示されている状態を示す。
【0134】
そして、ステップS32では、明滅検出部41が、信号処理部8から出力された映像信号によって表示される映像中に現れる明滅回数を検出する。そして、信号処理部8から出力された映像信号によって表示される映像中に現れる明滅の回数が単位時間当たりに所定回数よりも少なければ(ステップS32にてNO)、そのまま映像の表示が継続される(ステップS34)。一方、明滅の回数が単位時間当たりに所定回数以上であれば(ステップS32にてYES)、ステップS36に進む。
【0135】
ステップS36では、明滅検出部41が、信号処理部8から出力された映像信号によって表示される映像中に現れる明滅回数が、単位時間当たりに所定回数以上となることを検出した場合に該当する。この場合、明滅検出部41は、信号処理部8から出力された映像信号によって表示される映像中に現れる明滅回数が単位時間当たりに所定回数以上となることを示す情報を映像表示制御部5に送信する。映像表示制御部5は、単位時間当たりに所定回数以上の明滅を検出したことを示す情報を受信した場合に、録画部7に映像を録画させる。なお、録画部7が録画した映像(映像信号)は、記録再生装置1の外部の記録装置である第2記録部18の番組ファイル格納部16に記録される。
【0136】
同時に、ステップS36では、映像表示制御部5が、単位時間当たりに所定回数以上の明滅を検出したことを示す情報を受信した場合に、「明滅が多いです」といった警告を画面に表示させる命令を示す情報を警告部9に送信し、警告部9は、その警告を画面に表示させる命令を示す情報に基づき、「明滅が多いです」といった警告を画面上に表示(もしくは音声により出力)する。
【0137】
続いて、ステップS38では、映像表示制御部5は、録画した映像を再生させる命令を示す情報を信号処理部8に送信する。この録画した映像を再生させる命令を示す情報に基づいて、信号処理部8は、録画した映像(映像信号)を番組ファイル格納部16から読み出し、その読み出した映像信号を処理したうえで、表示速度調節部42に出力する。表示速度調節部42は、信号処理部8において処理された映像信号を受信すると共に、録画した画像を表示速度を遅くした状態で再生させる命令を示す情報を映像表示制御部5から受信する。そして、表示速度調節部42は、これら2つの入力を受けて、録画した画像を、表示速度を遅くして再生させる処理を施したうえで、映像・音声出力部10に処理後の信号を出力し、映像・音声出力部10が映像・音声を出力する。その結果、映像・音声出力部10は、録画した映像を再生する(ステップS42)。
【0138】
なお、記録再生装置40が輝度低減部43を備える場合は、ステップS38に続いてステップS40に進む。
【0139】
ステップS40では、輝度低減部43が、表示速度調節部42から出力された映像信号に対して、所定の割合だけ輝度を低減させる輝度低減処理を施す。そして、輝度低減部43は、輝度低減処理後の信号を映像・音声出力部10に出力する(ステップ42)。
【0140】
このように、本実施の形態に係る記録再生装置40は、映像中に現れる明滅を検出する明滅検出部41を備え、映像表示制御部5は、明滅検出部41が単位時間当たりに所定回数以上の明滅を検出した場合に、映像を録画させると共に、録画された映像を、表示速度を遅くした状態で再生させることができる。
【0141】
本実施の形態に係る記録再生装置40によって得られる効果は以下の通りである。
【0142】
映像中の明滅の頻度が多いと、視聴者に不快感を与えると共に、眼痛や頭痛などの健康被害を引き起こすことが多い。従って、映像中に現れる明滅を検出する明滅検出部41が単位時間当たりに所定回数以上の明滅を検出した場合に、映像表示制御部5が映像を録画させることができれば、その録画した映像を表示速度を遅くした状態で再生させることで、単位時間当たりの明滅回数を低減することができる。その結果、視聴者が感じる不快感、あるいは健康被害を低減することができる。
【0143】
ここで、映像表示制御部5は、明滅検出部41が単位時間当たりの明滅が所定回数以下になったことを検出した場合に、映像の再生速度を速くさせる命令を示す情報を表示速度調節部42に送信する構成とすることも可能である。これにより、その映像の再生速度を速くさせる命令を示す情報を受信した表示速度調節部42が、録画した画像を、表示速度を早くして再生させる処理を施したうえで、映像・音声出力部10に処理後の信号を出力し、映像・音声出力部10が映像・音声を出力する。
【0144】
上記の構成によって、以下の効果が得られる。つまり、表示速度を遅くすると、その間は放送の録画を行う必要があり、かつ一度遅くすると視聴者がテレビの視聴を終了するまで、追いかけ再生を続ける必要がある。しかしながら、録画した映像を再生する際に、その表示速度を速めることができれば、現在の放送時間に追いつくことができ、また、録画、及び追いかけ再生の時間を最小限にすることにより、消費電力を低減することができる。
【0145】
さらに、記録再生装置40は、明滅検出部41が単位時間当たりに所定回数以上の明滅を検出した場合のために、輝度を低減する輝度低減部43を備えてもよい。輝度低減部43が映像中の輝度を低減することにより、視聴者が感じる不快感、あるいは健康被害をさらに軽減することができる。
(実施の形態5)
以下、本実施の形態に係る記録再生装置50について、図10を参照して説明する。図10は、本発明の他の実施形態を示すものであり、記録再生装置50の要部構成を示すブロック図である。概略説明すると、記録再生装置50は、表示する映像の種類を判別する映像種類判別部51を備え、視聴環境判定部4は、映像種類判別部51が判別した映像の種類に応じて、好適視聴環境を満たしているか否かを判定する装置である。なお、図1等を参照して前述した構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付している。従って、これらの構成要素の詳細な説明は省略する。
【0146】
記録再生装置50は、表示する映像の種類を判別することが可能な映像種類判別部51を備える。ここで、映像の種類とは、例えば図3を参照して説明した「番組の種類」に該当し、アニメ、スポーツ、ニュース、音楽等の種類を意味する。記録再生装置50が映像(番組)の種類を判別する方法は、例えば、インターネットなどを通じて提供される放送番組表データ(電子番組ガイド:Electronic Program Guide)の情報に基づいて、当該番組がアニメ、スポーツ、ニュース、音楽等の何れに該当するかを判別するといった方法が考えられる。
【0147】
そして、視聴環境判定部4は、映像種類判別部51が判別した映像の種類に応じて、周囲視聴環境が好適視聴環境を満たしているか否かを判定する。例えば、映像種類判別部51が、表示される映像がアニメであると判別した場合に、図3の視聴環境設定テーブル15から設定1(照度250ルクス、距離3.0m、番組の種類「アニメ」)による好適視聴環境を読み出し、その好適視聴環境と周囲視聴環境とを比較する。
【0148】
このようにして、映像の種類に応じて、その映像の種類に対応する好適視聴環境が満たされているか否かが判断できるため、例えば、子供がアニメ番組を見る時の照度、及び画面との距離を従来よりも大きく設定しておけば、子供への健康被害をより小さくすることができる。それゆえ、視聴者は、自身の健康被害を抑えつつ、より利便性の高い記録再生装置を得ることができる。
【0149】
最後に、本実施の形態に係る記録再生装置は、記録再生機能を備えた記録再生装置に限らず、そのような機能を備えた、液晶テレビ、プラズマテレビ、あるいは有機ELテレビプロジェクタ等の映像表示装置に含まれる構成であってもよい。
【0150】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0151】
最後に、記録再生装置1、20、30、40、50の各ブロックは、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0152】
すなわち、記録再生装置1、20、30、40、50は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである記録再生装置1、20、30、40、50の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記記録再生装置1、20、30、40、50に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0153】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R/BD−ROM等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0154】
また、記録再生装置1、20、30、40、50を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0155】
本発明は、視聴環境に応じて映像の表示を制御することが可能な視聴環境対応表示制御装置ならびに視聴環境対応表示制御方法に適用できる。また、そのような視聴環境対応表示制御装置を動作させるためのプログラム、そのプログラムを記録した記録媒体、および、上記の視聴環境対応表示制御装置を備えた記録再生装置に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0156】
【図1】本発明の実施形態を示すものであり、記録再生装置の要部構成を示すブロック図である。
【図2】照度センサ、距離センサの取り付け位置を説明するための図であり、(a)は、照度センサ及び距離センサを記録再生装置に内蔵した場合を示す図であり、(b)は、照度センサ及び距離センサを記録再生装置に外付けした場合を示す図である。
【図3】環境設定テーブルの一例を説明するための図である。
【図4】本発明の実施形態に係る記録再生装置による処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】本発明の他の実施形態を示すものであり、記録再生装置の要部構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の他の実施形態に係る記録再生装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】本発明の他の実施形態を示すものであり、記録再生装置の要部構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の他の実施形態を示すものであり、記録再生装置の要部構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の他の実施形態に係る記録再生装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】本発明の他の実施形態を示すものであり、記録再生装置の要部構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0157】
1、20、30、40、50 記録再生装置
2 照度センサ(視聴環境検出手段)
3 距離センサ(視聴環境検出手段)
4 視聴環境判定部(視聴環境判定手段)
5 映像表示制御部(映像表示制御手段)
6 映像信号入力部
7 録画部
8 信号処理部
9 警告部(警告手段)
10 映像・音声出力部
15 視聴環境設定テーブル
16 番組ファイル格納部
17 第1記録部
18 第2記録部
25 照明機器(視聴環境調整手段)
35 動作信号送信部(動作信号送信手段)
41 明滅検出部(明滅検出手段)
42 表示速度調節部
43 輝度低減部(輝度低減手段)
51 映像種類判別部(映像種類判別手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が映像を視聴する環境である視聴環境が、所定の視聴環境を満たしているか否かを判定する視聴環境判定手段と、
上記視聴環境判定手段が所定の視聴環境が満たされていないと判定した場合に、映像の表示を停止させる映像表示制御手段と、を備えることを特徴とする視聴環境対応表示制御装置。
【請求項2】
映像中に現れる明滅を検出する明滅検出手段を備え、
上記映像表示制御手段は、上記明滅検出手段が単位時間当たりに所定回数以上の明滅を検出した場合に、映像を録画させると共に、録画された映像を、表示速度を遅くした状態で再生させることを特徴とする請求項1に記載の視聴環境対応表示制御装置。
【請求項3】
上記映像表示制御手段は、上記明滅検出手段が単位時間当たりの明滅が所定回数以下になったことを検出した場合に、映像の再生速度を速くさせることを特徴とする請求項2に記載の視聴環境対応表示制御装置。
【請求項4】
映像中に現れる明滅を検出する明滅検出手段と、
上記明滅検出手段が単位時間当たりに所定回数以上の明滅を検出した場合に、表示される映像の輝度を低減する輝度低減手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の視聴環境対応表示制御装置。
【請求項5】
上記映像表示制御手段は、上記視聴環境判定手段が所定の視聴環境が満たされていないと判定した場合に、映像を録画させることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の視聴環境対応表示制御装置。
【請求項6】
上記映像表示制御手段は、上記視聴環境判定手段が所定の視聴環境が満たされていると判定した場合に、表示停止した映像を再生させることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の視聴環境対応表示制御装置。
【請求項7】
上記映像表示制御手段は、上記視聴環境判定手段が所定の視聴環境が満たされていると判定した場合に、録画した映像を再生させることを特徴とする請求項5に記載の視聴環境対応表示制御装置。
【請求項8】
上記視聴環境判定手段が所定の視聴環境が満たされていないと判定した場合に、上記映像表示制御手段からの命令に基づいて、視聴環境を調整するよう利用者に警告する警告手段を備えることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の視聴環境対応表示制御装置。
【請求項9】
上記映像表示制御手段は、上記視聴環境判定手段が所定の視聴環境が満たされていないと判定した場合に、任意の視聴環境を調節することが可能な視聴環境調整手段に、視聴環境を上記所定の視聴環境に調整させることを特徴とする請求項1から5、8の何れか1項に記載の視聴環境対応表示制御装置。
【請求項10】
上記視聴環境調整手段が、上記視聴環境対応表示制御装置の外部に設けられている場合に、
上記映像表示制御手段からの命令に基づいて、上記視聴環境調整手段に所定の視聴環境を調節させるための動作信号を上記視聴環境調整手段に送信する動作信号送信手段を備えることを特徴とする請求項9に記載の視聴環境対応表示制御装置。
【請求項11】
上記視聴環境は、照度、または利用者との距離のうち、少なくとも何れか一方であることを特徴とする請求項1から10の何れか1項に記載の視聴環境対応表示制御装置。
【請求項12】
上記視聴環境は、上記視聴環境対応表示制御装置に内蔵あるいは外付けされた視聴環境検出手段によって検出され、
上記視聴環境検出手段は、移動可能に設けられていることを特徴とする請求項1から11の何れか1項に記載の視聴環境対応表示制御装置。
【請求項13】
表示する映像の種類を判別する映像種類判別手段を備え、
上記視聴環境判定手段は、上記映像種類判別手段が判別した映像の種類に応じて、所定の視聴環境を満たしているか否かを判定することを特徴とする請求項1から12の何れか1項に記載の視聴環境対応表示制御装置。
【請求項14】
利用者が映像を視聴する環境である視聴環境が、所定の視聴環境を満たしているか否かを判定する視聴環境判定ステップと、
上記視聴環境判定ステップにより所定の視聴環境が満たされていないと判定された場合に、映像の表示を停止させる映像表示制御ステップと、を含むことを特徴とする視聴環境対応表示制御方法。
【請求項15】
利用者が映像を視聴する環境である視聴環境が、所定の視聴環境を満たしているか否かを判定する視聴環境判定ステップと、
上記視聴環境判定ステップにより所定の視聴環境が満たされていないと判定された場合に、映像の表示を停止させる映像表示制御ステップと、をコンピュータに実行させるための視聴環境対応表示制御プログラム。
【請求項16】
請求項15に記載の視聴環境対応表示制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項17】
請求項1から13の何れか1項に記載の視聴環境対応表示制御装置を備えることを特徴とする記録再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−130075(P2010−130075A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−299626(P2008−299626)
【出願日】平成20年11月25日(2008.11.25)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】