説明

視聴者情報収集システム、視聴者情報収集装置、視聴者情報収集方法、視聴者情報収集プログラム及び通信装置

【課題】地上デジタルテレビ受信機能搭載の携帯端末を利用して通信事業者がより多くのサンプルを母数とした視聴率の集計を行い、その情報を放送事業者に提供し収益を得るためのビジネスモデルを実現する。
【解決手段】放送事業者装置300から提供された番組301を受信するコンテンツ視聴手段110と、視聴情報104及び識別情報103を通信事業者装置200に送信する視聴情報送信手段120とを有するユーザ端末100と、ユーザ端末使用契約情報201等を保存する記憶手段210と、識別情報103に対応付けられたユーザ端末使用契約情報201及びユーザ端末100から受信した視聴情報104を用いることによって、放送事業者装置300毎に提供される各コンテンツ301の時間帯視聴率や視聴者層を集計する視聴情報集計手段220と、集計結果を放送事業者装置300に提供する集計結果提供手段230とを有する通信事業者装置200を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送番組の視聴者の情報を収集する視聴者情報収集システム、視聴者情報収集装置、視聴者情報収集方法、視聴者情報収集プログラム及び通信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1(特開2002−290357号公報)にも一例が開示されているように、放送事業者によって放送されている番組やCM(commercial message)等を移動端末において受信することができる。放送事業者が番組を制作する際に使用する制作費は広告主(スポンサー)より提供を受け、代わりにスポンサーのCMを放送するという形態が確立されている。その際スポンサーが契約を締結するために判断する情報は、放送される番組の内容、放送される時間帯に関する情報よりも、視聴者の年齢層をマーケティング分析することによって取得した情報が重視されることが多い。従来の放送形態の概略図を図17に示す。図17を参照すると、例えば、月曜午後9時の女性向けのドラマに対して、若い女性(マーケティング用語で言うところのF1,F2)層をターゲットにした商品のCMを放送する放送形態が示されている。
【特許文献1】特開2002−290357号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来の放送形態は以下のような課題を有していた。
【0004】
第1に、高機能化が進む携帯情報端末で地上デジタルテレビ受信機能の搭載は多数のユーザーニーズがあるものの、通信事業者にとっては地上デジタルテレビ受信機能搭載による直接的に収益に結びつくビジネスモデルはなく、機能搭載による携帯情報端末の高価格によるデメリットの方が多いため、全ての携帯情報端末に地上デジタルテレビ受信機能を搭載することは困難な場合が多いという問題があった。
【0005】
第2に、番組放送後の成功可否の判断は視聴率に重きを置かれているが、現在の視聴率集計システムはモニターとして選ばれた家庭のみのものを集計しておりサンプルの母数は数千件で、実際の視聴者数とは必ずしも結びついていない。さらにHDDレコーダーやビデオに録画して後日見るというようなライフスタイルの浸透から潜在視聴率といわれるものについては現行システムではフォローが難しいという問題があった。
【0006】
第3に、現在の視聴率集計システムは不正防止などから大々的な人数分のサンプルを得ることは難しく、数千件から多くとも1万件ほどの母数しか得られず、また、録画機器の普及により録画された番組については集計できない潜在視聴率という問題もあった。
【0007】
第4に、個人情報漏洩防止の点から個人情報の情報入手は困難なため世代別視聴率などマーケティングに必要な情報の集計が難しくなっているという問題があった。
【0008】
(目的)
本発明の目的は、地上デジタルテレビ受信機能搭載の携帯情報端末を利用して通信事業者がより多くのサンプルを母数とした視聴率の集計を行い、その情報を放送事業者に提供し収益を得るためのビジネスモデルを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため本発明は、地上デジタルテレビ放送の受信機能を有する携帯端末から送信される放送番組に対する視聴情報を通信事業者装置が受信し、前記通信事業者装置が、前記視聴情報を集計することにより、前記放送番組の評価を示す評価情報を生成し、所定の対価で前記放送番組の放送事業者側装置に提供することを特徴とする。
【0010】
(作用)
上記構成により、通信事業者装置が、携帯端末から送信される放送番組に対する視聴情報に基づいて、放送番組の評価を示す評価情報を生成し、生成した評価情報を放送事業者側装置に提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、以下のような効果が達成される。
【0012】
第1に、1家庭やテレビ1台といったように一くくりにまとめられていた、放送番組に対する視聴情報を携帯端末毎に集めることによって、より詳細な集計(分析)をすることが可能となるため、集計(分析)結果の信頼性が向上する。
【0013】
第2に、集計(分析)サンプルの母数の増加により情報操作等の不正による影響が少なくなり集計(分析)結果の信頼性の向上につながる。
【0014】
第3に、集計(分析)結果が、従来の集計(分析)結果よりも信頼性が向上しているため、放送事業者装置にとって非常に有益な情報であることから、提供する番組やCMの作成の大きなアドバンテージとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態について図を参照して詳細に説明する。
【0016】
(第1の実施の形態の構成)
図1及び図2は、本実施の形態の構成の概略を示すブロック図である。
【0017】
図2を参照すると、本実施の形態による視聴情報提供システムは、地上デジタル放送受信機能を有する携帯電話等のユーザ端末100と、携帯電話事業者等の通信事業者(通信事業者装置)200と、地上デジタル放送を提供する機能を有する放送事業者(放送事業者装置)300と備え、通信事業者200がインターネット等のネットワーク400を介してユーザ端末100及び放送事業者300と接続されている。
【0018】
また、図1に示すように、前提としてユーザ端末100のユーザ101と通信事業者200の間において、ユーザ端末100の使用契約が結ばれているため、通信事業者装置200はユーザ端末使用契約情報201を有する。
【0019】
ユーザ端末使用契約情報201は、契約者であるユーザ101の氏名・年齢・住所・性別等の個人情報102と、ユーザ端末100を識別する識別情報103とが含まれており、当該個人情報及び識別情報に基づいてユーザ端末100とユーザ101の紐付けが行われている。
【0020】
なお、上記個人情報102は、職業、嗜好、趣味、好きな映画等に関する情報を含んでいてもよい。これらの情報は、例えば、個人情報を公開して交流を深めることができるSNS(Social Networking Service)のようなサービスにおいて個人情報として開示されている場合も多く、開示に対してユーザ101の抵抗が少ないと考えられると共に、より詳細な集計結果(視聴者情報)202を導き出すことができる有用な情報である。
【0021】
ユーザ端末100は、放送事業者装置300から地上デジタル放送にて提供された番組等のコンテンツ(番組)301を受信し、液晶ディスプレイ等に映像によって出力し、また、スピーカ等に音声によって出力するコンテンツ視聴手段110と、視聴した番組等の視聴情報104及び識別情報103をネットワーク400を介して通信事業者装置200に送信する視聴情報送信手段120とを有する。
【0022】
また、ユーザ端末100は、ユーザ端末使用契約情報201の開示レベルを選択して送信できる開示レベル選択送信手段130を有する。
【0023】
通信事業者装置200は、ユーザ端末使用契約情報201等を保存する記憶手段210と、識別情報103に対応付けられたユーザ端末使用契約情報201及びユーザ端末100から受信した視聴情報104を用いることによって、放送事業者装置300毎に提供される各コンテンツ301の時間帯視聴率や視聴者層を集計する視聴情報集計手段220と、集計結果(視聴者情報)202を放送事業者装置300に対して提供する集計結果提供手段230とを有する。
【0024】
本実施の形態による記憶手段210は、識別情報103と、視聴情報104と、ユーザ端末使用契約情報201、集計結果202とを対応付けて保持する。
【0025】
本実施の形態による集計結果202は、例えば、年代別視聴率の集計及び分析に関する情報や、他に、ユーザ101が利用するユーザ端末100の種別統計情報や、ユーザ端末100を製造するメーカー毎の集計情報や、通信事業者200毎のユーザ数統計情報等が挙げられ、特に制限はない。
【0026】
ここで、ユーザ端末100のハードウェア構成の説明をする。
【0027】
図3は、本実施の形態による視聴情報提供システムのユーザ端末100のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【0028】
図3を参照すると、本発明によるユーザ端末100は、一般的なコンピュータ装置と同様のハードウェア構成によって実現することができ、CPU(Central Processing Unit)1001、RAM(Random Access Memory)等のメインメモリであり、データの作業領域やデータの一時退避領域に用いられる主記憶部1002、ネットワーク400を介してデータの送受信を行う通信制御部1003、液晶ディスプレイ、スピーカ等の提示部1004、キーボードやマウス等の入力部1005、周辺機器と接続してデータの送受信を行うインタフェース部1006、ROM(Read Only Memory)、磁気ディスク、半導体メモリ等の不揮発性メモリから構成されるハードディスク装置である補助記憶部1007、本情報処理装置の上記各構成要素を相互に接続するシステムバス1008等を備えている。
【0029】
本発明によるネットワーク400は、その動作を、ネットワーク400内部にそのような機能を実現するプログラムを組み込んだ、LSI(Large Scale Integration)等のハードウェア部品からなる回路部品を実装してハードウェア的に実現することは勿論として、上述した各構成要素の各機能を提供するプログラムを、コンピュータ処理装置上のCPU1001で実行することにより、ソフトウェア的に実現することができる。
【0030】
すなわち、CPU1001は、補助記憶部1007に格納されているプログラムを、主記憶部1002にロードして実行し、ネットワーク400の動作を制御することにより、上述した各機能をソフトウェア的に実現する。
【0031】
なお、通信事業者200や放送事業者300が上述のような構成を有し、上述した各機能をハードウェア的又はソフトウェア的に実現してもよい。
【0032】
(第1の実施の形態の動作)
本実施の形態の動作について図を用いて詳細に説明する。
【0033】
図4は、本実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【0034】
図4を参照すると、本実施の形態による視聴情報提供システムは、ユーザ(=視聴者)101が通信事業者200との間で年齢や性別などの視聴情報提供に合意することによって、ユーザ端末100から通信事業者装置200に対してユーザ端末使用契約情報201が送信され(A1)、通信事業者装置200が当該ユーザ端末使用契約情報201を保存する(A2)。
【0035】
個人情報保護法との観点から、上記合意が得られた場合のみユーザ端末使用契約情報201の送信が行われる。なお、ユーザ端末使用契約情報201の開示レベルはユーザ101が開示レベル選択送信手段130を操作することによって選択できることとする(性別のみ開示する、性別、年齢を開示するなど)。以下の動作はその合意が得られたとして続く。
【0036】
放送事業者300は番組301を配信し(A3)、ユーザ端末100がコンテンツ視聴手段110によって番組301を受信して視聴可能状態とする(A4)。
【0037】
その際にユーザ端末100は、視聴情報送信手段120によって、視聴した番組等の視聴情報104及び識別情報103をネットワーク400を介して通信事業者装置200に対して送信する(A5)。なお、ここで送信する視聴情報104は視聴チャンネルのみとする。
【0038】
通信事業者装置200は、送信されてきた視聴情報104及び識別情報103に基づいて、送信を行ったユーザ端末100を割り出し、その使用契約を結んでいるユーザ101の開示許可を得られている情報を割り出し、その他のユーザの情報と一緒にして集計する(A6)。
【0039】
A5において集計された情報は世代別、時間帯別、性別・年代別視聴率というように分析され、放送事業者装置300に対し、放送事業者装置300が要求する集計結果(分析結果)202を提供する(A7)。
【0040】
なお、通信事業者200は、集計結果(分析結果)202の提供の対価として、放送事業者300より情報提供料を受け取ることもできる。例えば、提供する集計結果(分析結果)202の開示レベルや情報量に基づいて予め定められた料金情報に従って、通信事業者装置200は、提供した集計結果(分析結果)202に応じて自動的に放送事業者装置300から提供料を取得できることとしてもよい。
【0041】
放送事業者装置300は、得られた集計結果(分析結果)202を反映させた番組やCM(commercial message)を放送する(A8)。
【0042】
ここで、本実施の形態による視聴情報提供システムを用いた収益モデルについて説明する。
【0043】
図5は、本実施の形態による収益モデルの概略を説明する図である。
【0044】
図5を参照すると、本実施の形態による収益モデルは、通信事業者装置200が、回線使用の契約を結んでいるユーザ101のユーザ端末100から視聴情報104や識別情報103を集計し、集計結果を放送事業者装置300に提供することによって対価として情報提供料を得るものであり、さらに、当該情報提供料を用いてーザ端末100に対してユーザ端末100の使用料金の割引を行う、端末価格の値引きを行う等のサービスを提供することによって、ユーザ端末100が視聴情報104や識別情報103を積極的に提供するようにすることで、より詳細な集計(分析)を行うことができるという循環型の収益モデルである。また、放送事業者装置300は、以前より細分化されて信頼性が向上した集計結果に基づいて、より緻密で柔軟性のあるマーケティングを行って作成した番組やCMを放送し、視聴者であるユーザ101からさらなる反響を得ることで、スポンサーとはより多額の広告料で契約することができるという利点がある。
【0045】
(第1の実施の形態の効果)
本実施の形態によれば、以下の効果を達成することができる。
【0046】
第1に、現在1家庭やテレビ1台といったように一くくりにまとめられていた、視聴した番組等の視聴情報104や、ユーザ端末100を識別する識別情報103を携帯情報端末毎で集めることによって、1端末=1個人として集計(分析)することが可能となるため、データが細分化されて信頼性が向上する。
【0047】
第2に、集計(分析)サンプルの母数の増加により情報操作等の不正による影響が少なくなりデータの信頼性に向上につながる。
【0048】
第3に、本システムによる視聴率等の集計(分析)結果は、他のシステムによって取得した集計(分析)結果よりも信頼性が向上しているため、放送事業者300にとって非常に有益な情報であることから、提供する番組やCMの作成の大きなアドバンテージとなる。
【0049】
第4に、ユーザ101が個人情報を提供する際に恐れるのが個人情報の流出であるが、通信事業者は、ユーザ101とはユーザ端末100の回線使用の契約を結んでいるということから、一からおこされたシステムや会社より、個人情報保護体制や社会的信頼をある程度得られている立場のため新たなユーザ端末使用契約情報201を得やすいため、通信事業者装置200は、視聴情報104や識別情報103を集計することによって放送事業者に対する収益モデルを容易に確立でき、また、地上デジタル放送受信端末を開発するメリットを有する。
【0050】
(第2の実施の形態)
本実施の形態は、地上デジタル放送視聴時のみでなく、ユーザ端末100の操作による視聴チャンネル変更処理や録画機能により録画予約処理がされた際にもユーザ端末100から視聴情報104を送信することによって、通信事業者装置200において毎分視聴率や潜在視聴率等の集計を可能とする形態である。以下では第1の実施の形態と相違する点を中心に説明する。
【0051】
(第2の実施の形態の構成)
本実施の形態による視聴情報送信手段120は、地上デジタル放送視聴時のみでなく、録画機能により録画予約処理がされた番組の番組予約情報105や、ユーザ端末100の操作による視聴チャンネル変更処理に関する情報を含む視聴情報104及び識別情報103をネットワーク400を介して通信事業者装置200に送信する機能を有する。
【0052】
本実施の形態による通信事業者装置200の構成を図6に示す。
【0053】
図6を参照すると、本実施の形態による通信事業者装置200は、放送番組情報(いわゆるテレビ番組表)を配信する番組情報配信手段240を有する。
【0054】
本実施の形態による通信事業者装置200の記憶手段210の構成を図7に示す。
【0055】
図7を参照すると、本実施の形態による記憶手段210は、識別情報103と、番組予約情報105を含む視聴情報104と、ユーザ端末使用契約情報201、集計結果202とを対応付けて保持する。
【0056】
(第2の実施の形態の動作)
本実施の形態の動作について図を用いて詳細に説明する。
【0057】
図8は、本実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【0058】
図8を参照すると、本実施の形態による視聴情報提供システムは、ユーザ(=視聴者)101が通信事業者200との間で年齢や性別などの視聴情報提供に合意することによって、ユーザ端末100から通信事業者装置200に対してユーザ端末使用契約情報201が送信され(B1)、通信事業者装置200が当該ユーザ端末使用契約情報201を保存する(B2)。
【0059】
通信事業者装置200は、番組情報配信手段240によって放送番組情報(いわゆるテレビ番組表)を配信し(B3)、ユーザ端末100は、受信した放送番組情報に基づいてユーザ101に番組の録画予約に関する情報を入力された際に(B4)、予約された番組の番組予約情報105を含む視聴情報104と、識別情報103とを通信事業者装置200に対して送信する(B5)。
【0060】
通信事業者装置200は、ユーザ端末使用契約情報201を用い、送信されてきた識別情報103に対応付けられたユーザ端末100を割り出し、その使用契約を結んでいるユーザ101の開示許可を得られている情報を割り出し、送信されてきた視聴情報104をその他のユーザの視聴情報104及び識別情報103と一緒にして集計する(B6)。
【0061】
一般的な視聴率が放送後に得られるデータなのに対し、ここで集計された情報は番組放映前にその番組を視聴希望している視聴者数や視聴者層が分かる、いわば先行視聴率とよべるデータとなる。
【0062】
通信事業者装置200は、放送事業者装置300に対し、放送事業者装置300が要求する集計結果(分析結果)202を提供する(B7)。
【0063】
放送事業者装置300は、得られた集計結果(分析結果)202を反映させた番組やCMを放送する(B8)。
【0064】
放送事業者装置300は番組を放送し(B9)、ユーザ端末100は、番組を録画し(B10)、後日視聴可能とする(B11)。
【0065】
(第2の実施の形態の効果)
本実施の形態によれば、以下の効果を達成することができる。
【0066】
第1に、視聴チャンネル変更処理や録画機能により録画予約処理がされた際にもユーザ端末100から番組予約情報105を含む視聴情報104を送信することによって、通信事業者装置200において毎分視聴率や潜在視聴率等を集計することができる。
【0067】
第2に、通信事業者200は、先行視聴率の情報を有償で放送事業者300に提供することにより収益モデルを確立することができる。
【0068】
第3に、放送事業者300は得られた先行視聴率の情報からより視聴が多い世代などを判断し、放送するCMを、その世代をターゲットにして効率のよい広告効果が得られるCMに差し替えることができる。
【0069】
(第3の実施の形態)
本実施の形態による通信事業者装置200は、ユーザ端末使用契約情報201等の個人情報の開示についてユーザ端末100側で開示する情報を選択させ(例:年齢、性別のみ開示する、等)、開示された情報に応じて、ユーザ端末100の回線基本使用料や端末価格を割引くなど料金を優遇することや、各種情報の提供等のサービスを提供する。例えば、ユーザ101をより特定できる情報(住所など)ほど優遇される等、開示する情報の種類や詳細度に応じて予め提供するサービスが定められているものとする。
【0070】
本実施の形態による通信事業者装置200の構成を図9に示す。
【0071】
図9を参照すると、本実施の形態による通信事業者装置200は、開示された情報に応じて提供するサービスが定められたサービス提供情報203及びユーザ端末100側で開示された情報に基づいて、ユーザ端末100に対してサービスを提供するサービス提供手段250を有する。
【0072】
また、本実施の形態による記憶手段210は、サービス提供情報203をさらに保持する。
【0073】
本実施の形態によるサービス提供情報203の構成を図10に示す。
【0074】
図10を参照すると、本実施の形態によるサービス提供情報203は、ユーザ101をより特定できる情報(住所など)ほど優遇される等、開示された情報に応じて提供するサービスが定められている。
【0075】
(第3の実施の形態の効果)
本実施の形態によれば、通信事業者装置200は、ユーザ端末100からのユーザ端末使用契約情報201の開示レベルに応じ、当該ユーザ端末100に対してユーザ端末100の使用料金の割引を行う、各種情報の提供を行う等のサービスを提供することによって、ユーザ端末100からユーザ端末使用契約情報201が積極的に開示され得る効果がある。また、これに伴って、通信事業者装置200は、より詳細な集計(分析)が可能となり、より緻密で柔軟性のあるマーケティングを可能とする集計(分析)結果を放送事業者装置300等に対して提供できる。
【0076】
(第4の実施の形態)
本実施の形態の構成を図11に示す。
【0077】
図11を参照すると、本実施の形態によるユーザ端末100は、SUICA(Super Urban Intelligent Card:スイカ)等のICカード乗車券機能を使用するICカード乗車券機能使用手段140をさらに有し、開示レベル選択送信手段130によって、定期券情報や、利用路線履歴等のICカード利用情報106をユーザ端末使用契約情報201等の個人情報として送信する。
【0078】
本実施の形態による通信事業者装置200の記憶手段210の構成を図12に示す。
【0079】
図12を参照すると、本実施の形態による通信事業者装置200の記憶手段210は、ユーザ端末100から送信されたICカード利用情報106をさらに保持する。
【0080】
(第4の実施の形態の効果)
本実施の形態によれば、ユーザ端末100から送信されたICカード利用情報106等のユーザ端末使用契約情報201の開示レベルに応じて、通信事業者装置200は、ユーザ101の行動範囲に関してより緻密で柔軟性のあるマーケティングを行うことができる。
【0081】
(第5の実施の形態)
本実施の形態によるユーザ端末100は、電子マネー機能若しくはクレジット機能を有し、開示レベル選択送信手段130によって、電子マネー機能及びクレジット機能を実行した際の購入履歴等をユーザ端末使用契約情報201等の個人情報として送信する。
【0082】
また、本実施の形態によるユーザ端末使用契約情報201は、ユーザ101のクレジット滞納等に関する情報である信用情報107の取得を通信事業者装置200に対して許可する旨の契約情報が含まれている。
【0083】
このため、本実施の形態による通信事業者装置200は、ユーザ端末100から送信された識別情報103に基づいて、全国銀行個人信用情報センター(全銀協)やCIC(シーアイシー)等の個人信用情報機関から取得したユーザ101の信用情報107を、視聴情報集計手段220による集計処理に用いることができる。
【0084】
本実施の形態による通信事業者装置200の記憶手段210の構成を図13に示す。
【0085】
図13を参照すると、本実施の形態による通信事業者装置200の記憶手段210は、個人信用情報機関から取得したユーザ101の信用情報107をさらに保持する。
本実施の形態による通信事業者装置200は、購入履歴において、利用金額の多寡に応じて予め提供するサービスが定められている。提供するサービスの例として、多くの金額を利用しているユーザ101の使用料金を優遇する、電子マネーの形で提供する、航空会社がユーザ101の個人情報を利用する場合に所謂マイルを提供するなど個人情報を利用する通信事業者200や放送事業者300等のサービスを利用できるポイントを提供する、抽選で映画チケット等の景品を提供する、番組の視聴に係る視聴情報104を受信した場合に、その番組を提供する放送事業者300等から有料番組を廉価で提供する等が上げられる。
【0086】
(第5の実施の形態の効果)
本実施の形態によれば、ユーザ端末100からのユーザ端末使用契約情報201の開示レベルに応じて、通信事業者装置200は、ユーザ101の購入履歴に関してより緻密で柔軟性のあるマーケティングを行うことができる。
【0087】
(第6の実施の形態)
本実施の形態によるユーザ端末100は、視聴情報送信手段120によって、録画された番組がいつ何時、何回視聴されたか等のデータである録画された番組の視聴記録情報108を、通信事業者装置200に対して送信する。
【0088】
本実施の形態による通信事業者装置200の記憶手段210の構成を図14に示す。
【0089】
図14を参照すると、本実施の形態による通信事業者装置200の記憶手段210は、ユーザ端末100から送信された視聴記録情報108をさらに保持する。
【0090】
(第6の実施の形態の効果)
本実施の形態によれば、通信事業者装置200は、ユーザ端末100からの視聴記録情報106に基づいて、録画された番組毎に、視聴される時間帯や、リピート率等を集計することができ、放送事業者端末300は、集計結果(分析結果)202を反映させた番組やCMを放送することができる。
【0091】
(第7の実施の形態)
【0092】
本実施の形態による通信事業者装置200の構成を図15に示す。
【0093】
図15を参照すると、本実施の形態による通信事業者装置200は、ユーザ端末100からの視聴情報104及び視聴記録情報106を視聴履歴情報204として蓄積する蓄積手段260と、視聴履歴情報に基づいてユーザ101の嗜好にあった番組がある場合にユーザ端末100に対してメール等で知らせる番組通知手段270とを備える。
【0094】
本実施の形態による通信事業者装置200の記憶手段210の構成を図16に示す。
【0095】
図16を参照すると、本実施の形態による通信事業者装置200の記憶手段210は、蓄積手段260によって視聴履歴情報204をさらに保持する。
【0096】
(第7の実施の形態の効果)
本実施の形態によれば、ユーザ端末100は、ユーザ101の嗜好にあった番組を通信事業者装置200から通知されるので、有益な情報を取得できると共に、当該有益な情報を取得するために、視聴情報104及び視聴記録情報106を通信事業者装置200に対して積極的に送信するため、通信事業者装置200がより詳細な集計をすることができ、さらに、放送事業者端末300は、より詳細な集計結果(分析結果)202を反映させた番組やCMを放送することができる。
【0097】
以上好ましい実施の形態をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも、上記実施の形態に限定されるものでなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の第1の実施の形態の構成の概略を示すブロック図である。
【図2】第1の実施の形態の構成の概略を示すブロック図である。
【図3】第1の実施の形態による視聴情報提供システムのユーザ端末100のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図4】第1の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図5】第1の実施の形態による収益モデルの概略を説明する図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態による通信事業者装置200の構成を示すブロック図である。
【図7】第2の実施の形態による通信事業者装置200の記憶手段210の構成を示すブロック図である。
【図8】第2の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第3の実施の形態による通信事業者装置200の構成を示すブロック図である。
【図10】第3の実施の形態によるサービス提供情報203の構成を説明する図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態によるユーザ端末100の構成を示すブロック図である。
【図12】第4の実施の形態による通信事業者装置200の記憶手段210の構成を示すブロック図である。
【図13】第5の実施の形態による通信事業者装置200の記憶手段210の構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の第6の実施の形態による通信事業者装置200の記憶手段210の構成を示すブロック図である。
【図15】本発明の第7の実施の形態による通信事業者装置200の構成を示すブロック図である。
【図16】第7の実施の形態による通信事業者装置200の記憶手段210の構成を示すブロック図である。
【図17】従来の放送形態の概略を示す図である。
【符号の説明】
【0099】
100:ユーザ端末
101:ユーザ
102:個人情報
103:識別情報
104:視聴情報
105:番組予約情報
106:ICカード利用情報
107:信用情報
108:視聴記録情報
110:コンテンツ視聴手段
120:視聴情報送信手段
130:開示レベル選択送信手段
140:ICカード乗車券機能使用手段
200:通信事業者(通信事業者装置)
201:ユーザ端末使用契約情報
202:集計結果(視聴者情報)
203:サービス提供情報
204:視聴履歴情報
210:記憶手段
220:視聴情報集計手段
230:集計結果提供手段
240:番組情報配信手段
250:サービス提供手段
260:蓄積手段
270:番組通知手段
300:放送事業者(放送事業者装置)
301:コンテンツ(番組)
400:ネットワーク
1001:CPU
1002:主記憶部
1003:通信制御部
1004:提示部
1005:入力部
1006:インタフェース部
1007:補助記憶部
1008:システムバス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地上デジタルテレビ放送の受信機能を有する携帯端末から送信される放送番組に対する視聴情報を通信事業者装置が受信し、
前記通信事業者装置が、前記視聴情報を集計することにより、前記放送番組の評価を示す評価情報を生成し、所定の対価で前記放送番組の放送事業者側装置に提供することを特徴とする視聴者情報収集システム。
【請求項2】
前記通信事業者装置が、
前記携帯端末の前記利用者に関する個人情報を前記携帯端末の識別情報と対応させて予め情報テーブルに登録し、
前記視聴情報を送信した前記携帯端末と対応する前記利用者の個人情報を前記情報テーブルから取得し、
取得した個人情報を前記視聴情報の集計に利用することを特徴とする請求項1に記載の視聴者情報収集システム。
【請求項3】
前記通信事業者装置は、前記情報テーブルから取得可能な個人情報の内容を、前記携帯端末の利用者毎に設定することを特徴とする請求項2に記載の視聴者情報収集システム。
【請求項4】
前記情報テーブルから取得可能な前記個人情報の内容は、前記携帯端末の利用者による選択に従って設定することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の視聴者情報収集システム。
【請求項5】
前記情報テーブルから取得可能な個人情報の内容の情報量に応じて、前記携帯端末の利用者に対して支払う対価を、前記情報テーブルに設定することを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の視聴者情報収集システム。
【請求項6】
前記携帯端末による前記放送番組の録画予約情報を前記携帯端末毎に蓄積して、当該携帯端末の利用者の嗜好に適合した番組の情報を当該携帯端末に対して通知することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の視聴者情報収集システム。
【請求項7】
前記携帯端末の利用者に対して支払う対価が、前記携帯端末の利用料又は他のサービスで利用できるポイントであることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の視聴者情報収集システム。
【請求項8】
前記個人情報として、前記携帯端末で利用できるサービスの利用情報を登録し、
前記サービスの利用率に応じて、前記対価を増減させることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の視聴者情報収集システム。
【請求項9】
地上デジタルテレビ放送の受信機能を有する携帯端末から送信される放送番組に対する視聴情報を受信し、
前記視聴情報を集計することにより、前記放送番組の評価を示す評価情報を生成し、所定の対価で前記放送番組の放送事業者側装置に提供することを特徴とする視聴者情報収集装置。
【請求項10】
前記携帯端末の前記利用者に関する個人情報を前記携帯端末の識別情報と対応させて予め情報テーブルに登録し、
前記視聴情報を送信した前記携帯端末と対応する前記利用者の個人情報を前記情報テーブルから取得し、
取得した個人情報を前記視聴情報の集計に利用することを特徴とする請求項9に記載の視聴者情報収集装置。
【請求項11】
前記情報テーブルから取得可能な個人情報の内容を、前記携帯端末の利用者毎に設定することを特徴とする請求項10に記載の視聴者情報収集装置。
【請求項12】
前記情報テーブルから取得可能な前記個人情報の内容は、前記携帯端末の利用者による選択に従って設定することを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の視聴者情報収集装置。
【請求項13】
前記情報テーブルから取得可能な個人情報の内容の情報量に応じて、前記携帯端末の利用者に対して支払う対価を、前記情報テーブルに設定することを特徴とする請求項10から請求項12のいずれか1項に記載の視聴者情報収集装置。
【請求項14】
前記携帯端末による前記放送番組の録画予約情報を前記携帯端末毎に蓄積して、当該携帯端末の利用者の嗜好に適合した番組の情報を当該携帯端末に対して通知することを特徴とする請求項9から請求項13のいずれか1項に記載の視聴者情報収集装置。
【請求項15】
前記携帯端末の利用者に対して支払う対価が、前記携帯端末の利用料又は他のサービスで利用できるポイントであることを特徴とする請求項9から請求項14のいずれか1項に記載の視聴者情報収集装置。
【請求項16】
前記個人情報として、前記携帯端末で利用できるサービスの利用情報を登録し、
前記サービスの利用率に応じて、前記対価を増減させることを特徴とする請求項9から請求項15のいずれか1項に記載の視聴者情報収集装置。
【請求項17】
地上デジタルテレビ放送の受信機能を有する携帯端末から送信される放送番組に対する視聴情報を通信事業者装置が受信するステップと、
前記通信事業者装置において、前記視聴情報を集計することにより、前記放送番組の評価を示す評価情報を生成し、所定の対価で前記放送番組の放送事業者側装置に提供するステップと
を有することを特徴とする視聴者情報収集方法。
【請求項18】
前記携帯端末による前記放送番組の録画予約情報を前記携帯端末毎に蓄積するステップと、
当該携帯端末の利用者の嗜好に適合した番組の情報を当該携帯端末に対して通知するステップとを有することを特徴とする請求項17に記載の視聴者情報収集方法。
【請求項19】
通信事業者装置に、
地上デジタルテレビ放送の受信機能を有する携帯端末から送信される放送番組に対する視聴情報を受信する機能と、
前記視聴情報を集計することにより、前記放送番組の評価を示す評価情報を生成し、所定の対価で前記放送番組の放送事業者側装置に提供する機能とを実現させることを特徴とする視聴者情報収集プログラム。
【請求項20】
地上デジタルテレビ放送の受信手段と、
受信した放送番組に対する視聴情報を通信事業者装置に対して送信する送信手段と、
前記視聴情報の内容の情報量に応じて設定された対価を受信する対価受信手段とを備えることを特徴とする通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2008−252536(P2008−252536A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−91321(P2007−91321)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】