説明

観測装置、観測方法およびプログラム

【課題】全地球測位システムにおける衛星からの電波を受信して位置を特定する際の電力消費を抑制する技術を提供する。
【解決手段】GPS衛星からの送信信号を復調する復調部19に、レプリカ信号生成回路192、相関処理部193、レシーバプロセッサ194、および、ナビゲーションプロセッサ195を設ける。レシーバプロセッサ194による衛星の追尾が行われているときの制御パラメータを制御データ122として退避した後、復調部19に対する電力の供給を停止させて、復調部19における電力消費を抑制する。復調部19に対する電力の供給を再開させるときには、衛星の追尾に成功していたときの制御パラメータ(制御データ122)を読み出して、当該読み出した制御パラメータによって衛星の再捕捉を再開する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、GPS(Global Positioning System)を利用して位置を取得する技術に関する。より詳細には、位置を取得するために必要な情報を観測する際の電力消費を抑制する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
GPSでは、複数の衛星が送信時刻(全衛星の時計は高精度に一致している)や、それぞれ自己の軌道を示す情報(エフェメリス)等をGPS信号として送信しつつ飛行している。そして、これらのGPS信号は、全ての衛星が同一周波数を用いる、CDMA(Code Division Multiple Access)方式により送信されている。測位に必要な情報を観測するGPS受信機は、このようなGPS信号を受信することにより自機の位置を求めるように構成されている。
【0003】
従来より、GPS受信機が搭載される装置として、道路案内装置や航跡記録装置等が知られている。道路案内装置や航跡記録装置等は、稼働中において、常に、自機の位置を把握し続ける必要がある。したがって、このような用途に用いられるGPS受信機は、常に、通電状態とされ、常時、位置を測定し続けるように構成されていた。
【0004】
据え置き型の装置のように、位置変化を想定していない装置では、GPS機能はあまり必要とされるものではない。言い換えれば、GPS受信機により提供されるGPS機能は、位置が刻々と変化する装置において、主に必要とされる機能である。このような装置(GPS受信機を含む)は、移動中に、商用電源等による安定した電力供給を受けることは比較的困難である。したがって、GPS受信機を搭載するような装置は、少なくとも移動中の間は電池による電力供給によって駆動可能なように構成されるのが一般的であり、電池の消耗を抑制することが重要な課題となる。
【0005】
この課題を解決するために、従来より、GPS受信機を間欠的に動作させ、GPS受信機による電力消費を抑制する技術が提案されている。例えば、このような技術が特許文献1に記載されている。しかし、特許文献1に記載されているように、GPS受信機への電力供給を間欠的に行うことにより電力消費を抑制すると、GPS受信機に対する電力供給が遮断される期間が生じ、その間、GPS受信機は衛星を追尾するために必要な処理を実行することができない。すなわち、例えば消費電力の抑制効果を向上させるために、比較的長時間、GPS受信機に対する電力供給を遮断すると、その間にGPS受信機が衛星を追尾できない状態に遷移してしまい、その後、GPS受信機への電力供給が開始されても、GPS受信機は衛星探索から処理を開始することとなり、位置を測定できるようになるまでに比較的長時間を要することとなる。
【0006】
そこで、GPS受信機に対する電力供給が開始されてから、当該GPS受信機が位置を測定できるようになるまでの時間を短縮するための技術が提案されている。このような技術が例えば特許文献2ないし4に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−049680号公報
【特許文献2】特開2007−155577号公報
【特許文献3】特開2007−158886号公報
【特許文献4】特開2009−276198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献2および3は、間欠的な動作を行うに際して、衛星からの受信データ(航法メッセージ)の有効期限を考慮し、当該有効期限の間だけ間欠的に動作させる技術である。したがって、GPS受信機への電源の投入時に、衛星探索を最初から実行することなく、維持された有効期限内の航法メッセージによって、短時間で位置算出が可能となるように構成されている。しかし、特許文献2および3に記載の技術は、間欠動作中のGPS受信機のON状態の継続期間やOFF状態の継続期間については考慮されていない。
【0009】
また、特許文献4は、GPS受信機に電源が投入されたときの衛星捕捉を、基準局から送信される情報(アシスト情報)を用いて短縮する技術であり、携帯電話等の通信機能を有する装置を前提とした技術である。したがって、通信機能を有さない装置や、通信機能が使用不能である場合には、測位可能となるまでに要する時間が長くなるという問題がある。また、間欠的に動作させる際のデューティ比(ON状態の継続期間とOFF状態の継続期間との比)については記載されているものの、これらの期間をどのように決定するかについてはなんら記載されていない。
【0010】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、全地球測位システムにおける衛星からの電波を受信して位置を特定する際の電力消費を抑制する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、記録データを記録する記録装置であって、全地球測位システムにおける衛星から送信される電波を受信するアンテナと、前記アンテナからの入力信号をデジタル信号に変換する信号変換手段と、レプリカ信号を生成するレプリカ信号生成手段と、前記信号変換手段により変換されたデジタル信号と前記レプリカ信号生成手段により生成されたレプリカ信号とに応じた相関信号を得る相関手段と、前記相関手段から出力される相関信号に応じて、制御パラメータにより前記レプリカ信号生成手段を制御する信号制御手段と、前記相関手段から出力される相関信号に基づいて、前記衛星から送信された送信データを取得するデータ取得手段と、前記信号変換手段、前記レプリカ信号生成手段および前記信号制御手段への電力を供給する電力供給手段と、前記電力供給手段を制御して前記電力供給手段による電力の供給状態を制御する電力供給制御手段と、前記電力供給手段による、前記信号変換手段、前記レプリカ信号生成手段および前記信号制御手段のうちの少なくとも1つへの電力の供給が停止されるときの前記信号制御手段における制御パラメータを記憶する記憶手段とを備え、前記信号制御手段は、前記信号変換手段、前記レプリカ信号生成手段および前記信号制御手段への前記電力供給手段による電力の供給が再開されたときに、前記記憶手段に記憶されている制御パラメータを読み出して、前記レプリカ信号生成手段に対する制御を再開することを特徴とする。
【0012】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る記録装置であって、前記データ取得手段により取得された送信データに基づいて、前記電力供給手段による電力の供給を停止させる期間を求める演算手段と、前記電力供給手段による電力の供給が停止されてからの停止状態継続時間を計測する計時手段とをさらに備え、前記電力供給制御手段は、前記演算手段により求められた期間と前記計時手段により計測される停止状態継続時間とに応じて、前記電力供給手段による電力の供給を再開させることを特徴とする。
【0013】
また、請求項3の発明は、請求項2の発明に係る記録装置であって、前記演算手段は、前記電力供給手段による前記信号変換手段、前記レプリカ信号生成手段および前記信号制御手段のうちの少なくとも1つへの電力供給が停止されている間の前記制御パラメータの適正値の経時変化量を予測して、前記期間を求めることを特徴とする。
【0014】
また、請求項4の発明は、請求項2または3の発明に係る記録装置であって、前記制御パラメータは、搬送波の周波数誤差に対応した制御パラメータを含み、前記演算手段は、前記衛星との相対加速度に応じて、前記期間を求めることを特徴とする。
【0015】
また、請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかの発明に係る記録装置であって、被写体を撮像することにより、前記被写体を表現した画像データを取得する撮像手段をさらに備え、前記画像データを前記記録データとすることを特徴とする。
【0016】
また、請求項6の発明は、全地球測位システムにおける衛星から送信される電波を受信して前記衛星から送信される送信信号を復調する復調装置であって、前記電波を受信するアンテナと、前記アンテナからの入力信号をデジタル信号に変換する信号変換手段と、レプリカ信号を生成するレプリカ信号生成手段と、前記信号変換手段により変換されたデジタル信号と前記レプリカ信号生成手段により生成されたレプリカ信号とに応じた相関信号を得る相関手段と、前記相関手段から出力される相関信号に応じて、制御パラメータにより前記レプリカ信号生成手段を制御する信号制御手段と、前記信号変換手段、前記レプリカ信号生成手段および前記信号制御手段のうちの少なくとも1つへの電力の供給が停止されるときの前記信号制御手段における制御パラメータを記憶する記憶手段とを備え、前記信号制御手段は、前記信号変換手段、前記レプリカ信号生成手段および前記信号制御手段への電力の供給が再開されたときに、前記記憶手段に記憶されている制御パラメータを読み出して、前記レプリカ信号生成手段に対する制御を再開することを特徴とする。
【0017】
また、請求項7の発明は、外部の制御装置に接続され、全地球測位システムにおける衛星から送信される電波を受信して前記衛星から送信される送信信号を復調する復調装置であって、全地球測位システムにおける衛星から送信される電波を受信するアンテナと、前記アンテナからの入力信号をデジタル信号に変換する信号変換手段と、レプリカ信号を生成するレプリカ信号生成手段と、前記信号変換手段により変換されたデジタル信号と前記レプリカ信号生成手段により生成されたレプリカ信号とに応じた相関信号を得る相関手段と、前記相関手段から出力される相関信号に応じて、制御パラメータにより前記レプリカ信号生成手段を制御する信号制御手段とを備え、前記相関手段から出力される相関信号を前記衛星から送信される送信信号の復調信号として前記外部の制御装置に向けて出力することを特徴とする。
【0018】
また、請求項8の発明は、外部の制御装置に接続され、全地球測位システムにおける衛星から送信される電波を受信して前記衛星から送信される送信信号を復調する復調装置であって、全地球測位システムにおける衛星から送信される電波を受信するアンテナと、前記アンテナからの入力信号をデジタル信号に変換する信号変換手段と、レプリカ信号を生成するレプリカ信号生成手段と、前記信号変換手段により変換されたデジタル信号と前記レプリカ信号生成手段により生成されたレプリカ信号とに応じた相関信号を得る相関手段と、前記相関手段から出力される相関信号に応じて、制御パラメータにより前記レプリカ信号生成手段を制御する信号制御手段と、前記相関手段から出力される前記衛星から送信される送信信号の復調信号に基づいて、フレームデータを作成するデータ生成手段とを備え、前記データ生成手段は、作成したフレームデータを前記外部の制御装置に向けて出力することを特徴とする。
【0019】
また、請求項9の発明は、全地球測位システムにおける衛星から送信される電波をアンテナで受信して前記衛星から送信された送信データを取得する受信方法であって、前記アンテナからの入力信号を信号変換手段により変換したデジタル信号と信号制御手段からの制御パラメータに基づいてレプリカ信号生成手段により生成されるレプリカ信号とに応じた相関信号を生成しつつ、生成した前記相関信号に応じて前記信号制御手段における制御パラメータを変更することにより、前記デジタル信号と前記レプリカ信号との同期を維持して、前記衛星から送信された送信信号を復調する工程と、復調された前記送信信号に基づいて送信データを取得する工程と、取得された送信データに基づいて、電力の供給を停止する期間を求める工程と、前記信号変換手段、前記レプリカ信号生成手段および前記信号制御手段のうちの少なくとも1つへの電力の供給が停止されるときの前記信号制御手段における制御パラメータを記憶手段に記憶する工程と、前記信号変換手段、前記レプリカ信号生成手段および前記信号制御手段のうちの少なくとも1つへの電力の供給を停止させる工程と、前記信号変換手段、前記レプリカ信号生成手段および前記信号制御手段のうちの少なくとも1つへの電力の供給が停止されてからの停止状態継続時間を計測する工程と、前記期間と前記停止状態継続時間とに応じて、前記信号変換手段、前記レプリカ信号生成手段および前記信号制御手段への電力の供給を再開させる工程と、前記信号変換手段、前記レプリカ信号生成手段および前記信号制御手段への電力の供給が再開されたときに、前記記憶手段に記憶されている前記制御パラメータを読み出して、読み出した前記制御パラメータにより前記信号制御手段による前記レプリカ信号生成手段に対する制御を再開させる工程とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
請求項1に記載の発明は、信号制御手段は、信号変換手段、レプリカ信号生成手段および信号制御手段への電力供給手段による電力の供給が再開されたときに、記憶手段に記憶されている制御パラメータを読み出して、レプリカ信号生成手段に対する制御を再開することにより、電力の供給が再開されたときに、短時間で衛星を捕捉することができる。すなわち、間欠動作中における動作時間を短縮できるため、電力消費を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第1の実施の形態におけるデジタルカメラを示す図である。
【図2】第1の実施の形態におけるデジタルカメラのブロック図である。
【図3】第1の実施の形態におけるデジタルカメラの機能ブロックをデータの流れとともに示す図である。
【図4】第1の実施の形態における測位部をデータの流れとともに示す図である。
【図5】第1の実施の形態におけるデジタルカメラの動作を示す流れ図である。
【図6】第1の実施の形態におけるデジタルカメラの動作を示す流れ図である。
【図7】第1の実施の形態における測位部の動作を示す流れ図である。
【図8】第1の実施の形態における測位部の動作を示す流れ図である。
【図9】第2の実施の形態におけるデジタルカメラのブロック図である。
【図10】第2の実施の形態におけるデジタルカメラの機能ブロックをデータの流れとともに示す図である。
【図11】第2の実施の形態における観測部をデータの流れとともに示す図である。
【図12】第2の実施の形態におけるデジタルカメラの動作を示す流れ図である。
【図13】第2の実施の形態におけるデジタルカメラの動作を示す流れ図である。
【図14】第2の実施の形態におけるデジタルカメラの動作を示す流れ図である。
【図15】第2の実施の形態における復調部の動作を示す流れ図である。
【図16】第3の実施の形態におけるゲーム機を示す図である。
【図17】第3の実施の形態におけるゲーム機のブロック図である。
【図18】第3の実施の形態におけるゲーム機の機能ブロックをデータの流れとともに示す図である。
【図19】第3の実施の形態における復調部をデータの流れとともに示す図である。
【図20】第3の実施の形態におけるゲーム機の動作を示す流れ図である。
【図21】第3の実施の形態におけるゲーム機の動作を示す流れ図である。
【図22】第3の実施の形態におけるゲーム機の動作を示す流れ図である。
【図23】第3の実施の形態における復調部の動作を示す流れ図である。
【図24】第3の実施の形態における復調部の動作を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の好適な実施の形態について、添付の図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0023】
<1. 第1の実施の形態>
図1は、第1の実施の形態におけるデジタルカメラ1を示す図である。本発明に係る記録装置としてのデジタルカメラ1は、図1に示すように、ユーザによって携帯可能な装置として設計されており、後述する撮像データを記録する。
【0024】
図2は、第1の実施の形態におけるデジタルカメラ1のブロック図である。図2に示すように、デジタルカメラ1は、各種データの演算を実行するCPU10、予め記憶されているデータに対する読み取りのみ可能なROM11、データの読み書きがいずれも可能なRAM12、操作部13および表示部14を備えている。また、デジタルカメラ1は、メモリカード90を装着することが可能なカードスロット15、撮像部16、計時部17、電力供給部18および復調部19を備えている。
【0025】
CPU10は、ROM11に記憶されているプログラム80を読み出して、RAM12をワーキングエリアとして使用しつつ、当該プログラム80を実行することにより、デジタルカメラ1が備える各構成を制御する。このようにデジタルカメラ1は、一般的なコンピュータとしての機能を有している。
【0026】
図3は、第1の実施の形態におけるデジタルカメラ1の機能ブロックをデータの流れとともに示す図である。図3に示す記録部100および電力供給制御部101は、CPU10がプログラム80に従って動作することにより実現される機能ブロックである。
【0027】
図3に示す位置データ120は、復調部19による測位処理によって求められるデジタルカメラ1(復調部19)のある時点における位置を特定するデータである。本実施の形態は、位置データ120は、デジタルカメラ1の存在する位置の緯度および経度を示すデータである。
【0028】
タイミングデータ123は、位置データ120と同様に復調部19によって作成される。タイミングデータ123は、復調部19への電力供給を停止させる期間(以下、「停止期間」と称する。)を示すデータであるが、詳細は後述する。
【0029】
画像データ124は、撮像部16が被写体を撮像することにより取得するデータであって、当該被写体を表現したデータである。
【0030】
記録部100は、位置データ120と画像データ124とを関連づけて、カードスロット15を介してメモリカード90に撮像データ900として記憶させる機能を有している。記録部100は、例えば、シャッターボタンが押下されたときに取得された位置データ120と、当該シャッターボタンの押下により撮影された画像データ124と関連づけてメモリカード90に記録する。このように本実施の形態におけるデジタルカメラ1では、撮像データ900には撮像位置を示す位置データ120が含まれる。
【0031】
電力供給制御部101は、電力供給部18を制御して電力供給部18による電力の供給状態を制御する機能を有する。
【0032】
電力供給制御部101は、デジタルカメラ1の動作モードを通常モードと省電力モードとの間で切り替える機能を有している。通常モードから省電力モードに切り替えるとき、電力供給制御部101は、電力供給部18および復調部19に対して省電力移行信号を伝達する。一方、省電力モードから通常モードに切り替えるとき、電力供給制御部101は、電力供給部18に対して通常移行信号を伝達する。
【0033】
なお、本実施の形態におけるデジタルカメラ1は、デジタルカメラ1の電源がONの状態のときに通常モードで動作し、当該電源がOFFの状態のときに省電力モードで動作する。すなわち、動作モードの切り替えは操作部13からの入力信号を電力供給制御部101が検出することによって実行される。ただし、通常モードと省電力モードとの切り替えタイミングは、これに限定されるものではなく、ユーザによるデジタルカメラ1の使用頻度(操作頻度)や、他の動作モード(再生モードか撮影モードか)等を参照して切り替えてもよい。
【0034】
電力供給制御部101は、復調部19により求められた停止期間(タイミングデータ123)と、計時部17により計測される停止状態継続時間とに応じて、電力供給部18を制御する。
【0035】
より具体的には、後述する制御データ122がRAM12に格納されたときに、タイミングデータ123に示される停止期間を計時部17にセットする。また、制御データ122が作成されたタイミングに応じて復調部19への電力供給を停止させる信号(以下、「停止信号」と称する。)を電力供給部18に出力する。その後、停止状態計測時間が停止期間に達したことを示す信号(以下、「起床信号」と称する。)を計時部17から受け取ると、電力供給部18に復調部19への電力供給を再開させる信号(以下、「再開信号」と称する。)を出力する。
【0036】
図2に戻って、操作部13は、各種ボタン類やキー、スイッチ等が該当する。ユーザは、操作部13を操作することによってデジタルカメラ1に対して、様々な情報を入力することができる。特に、デジタルカメラ1は、撮像部16に撮像を指示するために操作するシャッターボタンや、デジタルカメラ1の電源の状態を切り替える指示を入力するための電源ボタン等を操作部13として備えている。
【0037】
表示部14は、各種ランプやLED、液晶パネル等であり、ユーザに対して各種のデータを提示する機能を有している。なお、デジタルカメラ1は、タッチパネルディスプレイのようなデバイスを備えることによって操作部13および表示部14の機能を実現していてもよい。
【0038】
カードスロット15は、可搬性の記憶媒体であるメモリカード90をデジタルカメラ1に対して着脱自在に収納する機能を提供する。これによりデジタルカメラ1(CPU10)は、メモリカード90を自機の記憶装置として使用することができ、撮像データ900等の比較的大容量のデータを記憶することができる。
【0039】
また、デジタルカメラ1から取り外されたメモリカード90は、図示しない外部のコンピュータ等に装着することができるように構成されている。したがって、ユーザは、メモリカード90に記憶された撮像データ900を外部のコンピュータにおいて読み出して利用することが可能である。
【0040】
なお、デジタルカメラ1は、図示しない外部のコンピュータとの間でデータ通信を行うための機能を備えていてもよい。このような機能を実現する構成としては、USB端子や赤外線通信部等が想定される。デジタルカメラ1がこのような構成を備えていれば、ユーザは、メモリカード90に記憶された撮像データ900を外部のコンピュータに転送して利用することが可能となる。
【0041】
撮像部16は、レンズや光学フィルタ等から構成される光学系、レンズ等を駆動するモータ、CCD等の光電変換素子、被写体を照明するフラッシュ、および、取得したデータに対する補正処理や圧縮処理を行う画像処理部等から構成される。撮像部16は、ユーザの指示(例えばシャッターボタンの押下)に応じて被写体を撮像し、被写体を表現したデジタルデータ(画像データ124)を取得する機能を有している。
【0042】
計時部17は、一般的な時計であり、時間を計測する機能を有している。特に、計時部17は、電力供給部18による復調部19への電力供給が停止されてからの停止状態継続時間を計測し、停止状態継続時間が停止時間に達すると、CPU10に起床信号により通知する機能を有している。
【0043】
電力供給部18は、図示しない電池を備え、CPU10からの制御信号(省電力移行信号、停止信号、再開信号等)に応じて、デジタルカメラ1の各構成への電力供給を行う。特に、本実施の形態における電力供給部18は、復調部19への電力供給を担っている。
【0044】
本実施の形態における電力供給部18は、復調部19に対して一括して電力を供給している。すなわち、電力供給部18が復調部19に対する電力の供給を停止させると、復調部19における各構成(後述)は同時に電力供給が停止され、動作を停止する。また、電力供給部18が復調部19に対する電力の供給を再開させると、復調部19における各構成は同時に電力供給が再開される。
【0045】
なお、図2では、電力供給部18からデジタルカメラ1の各構成への電力供給線については図示を省略している。また、電力供給部18は、デジタルカメラ1が電源ケーブル等により商用電源に接続された場合には、各構成に対する電力供給を、先述の電池から当該商用電源に切り替える機能も有している。
【0046】
図4は、第1の実施の形態における復調部19をデータの流れとともに示す図である。復調部19は、後述する測位処理により、デジタルカメラ1(復調部19)の位置を特定するための位置データ120を求める機能を有している。なお、本実施の形態における復調部19は、省電力モード中の停止期間において電力が供給されない状態となり、電力消費を抑制する。
【0047】
図4に示す観測データ121は、ある位置においてある瞬間にデジタルカメラ1(復調部19)が観測したデータであり、主に衛星からの信号をナビゲーションプロセッサ195がデコードすることにより得られるデータ(すなわち、衛星から送信された送信データ)である。ただし、観測データ121は、実際に衛星から送信されたデータ以外のデータを含んでいてもよい。このようなデータとして、例えば、送信データを受信(観測)したときの計時部17の値(受信時刻)や、衛星に搭載されている時計(送信時刻の基準となる)と計時部17との誤差などがある。
【0048】
なお、レシーバプロセッサ194により作成される制御データ122、およびナビゲーションプロセッサ195により作成されるタイミングデータ123については後述する。
【0049】
図4に示すように、復調部19は、全地球測位システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)における衛星から送信される電波を受信するアンテナ190、アンテナ190からの入力信号をデジタル信号に変換するRFIC191、レプリカ信号を生成するレプリカ信号生成回路192、RFIC191により変換されたデジタル信号とレプリカ信号生成回路192により生成されたレプリカ信号との相関を取る相関処理部193を備えている。
【0050】
アンテナ190は、全地球測位システムにおける衛星からの電波を受信してアナログ信号をRFIC191に伝達する。なお、以下では、特に断らない限り、全地球測位システムとして米国により提供されてるGPS(Global Positioning System)を採用する例について述べる。
【0051】
RFIC191は、アンテナ190から入力されるアナログ信号をダウンコンバートしつつデジタル信号に変換し、相関処理部193に向けて出力する。
【0052】
レプリカ信号生成回路192は、レシーバプロセッサ194からの制御信号(制御パラメータを示す信号)に基づいてレプリカ信号を生成し、相関処理部193に向けて出力する。
【0053】
図4において詳細は図示していないが、レプリカ信号生成回路192は、衛星からデータを送信するための搬送波に対応したキャリアレプリカ信号を生成するキャリア生成回路と、衛星に固有の拡散コード(PNコード)に対応したコードレプリカ信号を生成するコード生成回路とを備えている。
【0054】
キャリア生成回路は、後述の相関処理部193によりIF信号のI信号と相関処理されるキャリアレプリカ信号と、同じく相関処理部193によりIF信号のQ信号と相関処理されるキャリアレプリカ信号とを生成する。
【0055】
キャリア生成回路にはレシーバプロセッサ194からの制御パラメータ(より詳細には周波数誤差に対応する制御パラメータ。以下、「周波数制御パラメータ」と称する。)が入力される。キャリア生成回路は、レシーバプロセッサ194から入力される周波数制御パラメータに応じて、キャリアレプリカ信号の周波数を変更する。言い換えれば、キャリア生成回路は、レシーバプロセッサ194から入力される周波数制御パラメータに応じた周波数のキャリアレプリカ信号を生成する。
【0056】
コード生成回路は、捕捉する衛星に固有のPNコードを選択して、当該PNコードに応じたコードレプリカ信号を生成する。なお、捕捉する衛星が切り替わるときには、コード生成回路は、切り替え先の衛星に固有のPNコードにより新たなコードレプリカ信号を生成する。また、コード生成回路は、レシーバプロセッサ194からの制御パラメータ(より詳細にはコード位相差に対応する制御パラメータ。以下、「コード制御パラメータ」と称する。)に応じて、コードレプリカ信号の位相を変更することが可能である。
【0057】
より詳細には、コード生成回路は、プロンプト(Prompt)コードレプリカ信号(P信号)と、プロンプトコードレプリカ信号に対して1/2チップだけ進相したアーリー(Early)コードレプリカ信号(E信号)と、プロンプトコードレプリカ信号に対して1/2チップだけ遅相したレート(Late)コードレプリカ信号(L信号)とを生成する。
【0058】
相関処理部193は、RFIC191からの入力信号(IF信号)を、レプリカ信号生成回路192(キャリア生成回路)から入力されるキャリアレプリカ信号によりベースバンド周波数にダウンコンバートする。さらに、相関処理部193は、上記ダウンコンバートされたデジタル信号(I信号およびQ信号)と、レプリカ信号生成回路192(コード生成回路)から入力されるコードレプリカ信号(E信号、P信号およびL信号)との相関処理を行う。すなわち、相関処理部193によって、RFIC191からの入力信号と、レプリカ信号生成回路192からのレプリカ信号とに応じた相関信号(IE信号、IP信号、IL信号、QE信号、QP信号およびQL信号)が生成され、出力される。
【0059】
図4に示すように、復調部19は、さらに、レシーバプロセッサ194、ナビゲーションプロセッサ195、ROM196、RAM197、ROM198およびRAM199を備えている。
【0060】
レシーバプロセッサ194は、ROM196に記憶されているプログラム81を読み取って、RAM197をワーキングエリアとして使用しつつ、当該プログラム81を実行する。すなわち、レシーバプロセッサ194はマイクロコンピュータとしての機能を有している。
【0061】
レシーバプロセッサ194は、相関処理部193から出力される相関信号(IE信号、IP信号、IL信号、QE信号、QP信号およびQL信号)に応じて、レプリカ信号生成回路192に対する制御パラメータにより当該レプリカ信号生成回路192を制御する。
【0062】
例えば、衛星はそれぞれの衛星軌道上を高速に飛行しているため、当該衛星から送信される電波はドップラー効果によって本来の周波数に対して周波数誤差を生じている。さらに、当該飛行中の衛星と地球の自転により移動しているデジタルカメラ1(復調部19)との間の相対速度はほぼ常に変化しており、ドップラー効果による周波数誤差もほぼ常に変化している。
【0063】
そこで、レシーバプロセッサ194は、相関処理部193から出力される相関信号を監視しつつ、キャリアレプリカ信号によってダウンコンバートされたデジタル信号と、レプリカ信号生成回路192からのレプリカ信号との相関が得られる(両信号の同期が得られる)ように、周波数制御パラメータを変更することにより、キャリアレプリカ信号生成回路(キャリアレプリカ信号)をフィードバック制御する。
【0064】
すなわち、レシーバプロセッサ194は、周波数制御パラメータを変更しつつ、相関処理部193からの相関信号を監視して、周波数誤差を生じた搬送波の周波数を捕捉する。その後も相関処理部193からの相関信号を監視しつつ、同期した状態が維持されるように、周波数制御パラメータを変更し、周波数誤差が変化している搬送波の周波数を追尾する。このような制御は従来の技術(例えばPhase Locked LoopやFrequency Locked Loop等)を用いて実現できる。
【0065】
さらに、衛星とデジタルカメラ1(復調部19)との距離や、衛星時計と計時部17との誤差等により、RFIC191から入力されるIF信号と、レプリカ信号生成回路192により生成されるコードレプリカ信号との間にはコード位相差が生じる。そして、衛星およびデジタルカメラ1は移動しているため、衛星とデジタルカメラ1との距離はほぼ常に変化しており、コード位相差もほぼ常に変化している。
【0066】
そこで、レシーバプロセッサ194は、相関処理部193からの出力信号を監視しつつ、 ダウンコンバートされたデジタル信号(より詳細にはI信号およびQ信号)と、レプリカ信号生成回路192からのコードレプリカ信号との相関が得られる(両信号の同期が得られる)ようにコード制御パラメータを変更し、コードレプリカ信号生成回路(コードレプリカ信号)をフィードバック制御する。
【0067】
すなわち、レシーバプロセッサ194は、コード制御パラメータを変更しつつ、相関処理部193からの出力信号を監視して、ダウンコンバートされたデジタル信号とコードレプリカ信号との同期を確保する。その後もレシーバプロセッサ194は、相関処理部193からの出力信号を監視しつつ、同期した状態が維持されるように、コード制御パラメータを変更し、位相を追尾する。このような制御は従来の技術(例えばDelay Locked Loop等)を用いて実現できる。
【0068】
また、レシーバプロセッサ194は、復調部19に対する電力供給が停止される前に、制御パラメータをRAM12に退避させる機能も有している。すなわち、レシーバプロセッサ194は、電力供給部18による電力供給が停止される直前のタイミング(本実施の形態では、ナビゲーションプロセッサ195がタイミングデータ123を作成したタイミング)で、その時点における制御パラメータを制御データ122としてRAM12に記憶させる。
【0069】
なお、本実施の形態におけるレシーバプロセッサ194は、制御パラメータのうち、周波数制御パラメータのみを制御データ122として退避させる。また、電力供給部18による電力供給が停止される直前のタイミングは、省電力移行信号によりレシーバプロセッサ194に伝達されてもよい。
【0070】
さらに、レシーバプロセッサ194は、電力供給部18による電力の供給が再開されたときに、RAM12に記憶されている制御データ122(本実施の形態では周波数制御パラメータ)を読み出し、読み出した制御パラメータによってレプリカ信号生成回路192に対する制御を再開する。
【0071】
このように、第1の実施の形態におけるレシーバプロセッサ194は、主に本発明における信号制御手段に相当する。
【0072】
ナビゲーションプロセッサ195は、ROM198に記憶されているプログラム82を読み取って、RAM199をワーキングエリアとして使用することにより当該プログラム82を実行する。すなわち、ナビゲーションプロセッサ195はマイクロコンピュータとしての機能を有している。
【0073】
ナビゲーションプロセッサ195は、相関処理部193から出力される相関信号に基づいて、衛星から送信された送信データを取得し、観測データ121として出力する。なお、詳細は説明しないが、ナビゲーションプロセッサ195は、衛星の捕捉が完了し、当該衛星を追尾する状態となったことを当該相関信号に応じて検出し、追尾状態になってからの相関信号(復調された送信信号)から、当該衛星から送信された送信データをデコードする。
【0074】
例えば、GPSにおける衛星は、送信データ(PNコード)の送信時刻や当該衛星に固有の衛星軌道を表現したエフェメリスデータ、全衛星の概略の軌道を表現したアルマナックデータ等を含む送信データを送信しながら飛行している。ナビゲーションプロセッサ195は、この送信データをデコードすることにより取得して、観測データ121として出力する。
【0075】
また、ナビゲーションプロセッサ195は、観測データ121(送信データ)に基づいて、電力供給部18による復調部19への電力供給を停止させる期間(停止期間)を求める。停止期間は、ナビゲーションプロセッサ195からタイミングデータ123として出力されるが、停止期間を求める手法については後述する。
【0076】
さらに、ナビゲーションプロセッサ195は、操作部13(CPU10)から伝達されるタイミングに応じて、観測データ121に基づいて、当該タイミングにおけるデジタルカメラ1(復調部19)の位置を演算(測位処理)し、位置データ120として出力する。
【0077】
ナビゲーションプロセッサ195から出力された位置データ120、観測データ121およびタイミングデータ123は、本実施の形態におけるデジタルカメラ1では、図4に示すように、いずれもRAM12に記憶される。
【0078】
本実施の形態におけるデジタルカメラ1は、電力供給部18が一括して復調部19への電力供給を行う。したがって、デジタルカメラ1は、先述のように観測データ121および制御データ122をRAM12に格納する。しかし、停止期間中においても、記憶したデータが失われない記憶装置を復調部19に設けた場合には、これらのデータを復調部19に設けられた当該記憶装置に格納するように構成してもよい。
【0079】
このような構成として、例えば、不揮発性の記憶素子からなる記憶装置を復調部19に別途設けてもよいし、あるいは、復調部19に設けられた記憶装置に対しては停止期間中であっても電力供給部18によるリフレッシュ用の電力だけは継続して供給するように構成してもよい。
【0080】
以上が、第1の実施の形態におけるデジタルカメラ1の構成および機能の説明である。次に、デジタルカメラ1が衛星から送信される電波を受信して当該衛星から送信された送信データを取得する方法について説明する。
【0081】
図5および図6は、第1の実施の形態におけるデジタルカメラ1の動作を示す流れ図である。
【0082】
第1の実施の形態におけるデジタルカメラ1は電源がOFFの状態において、省電力モードで動作している。したがって、ユーザによって電源ボタン(操作部13)が操作され、デジタルカメラ1の電源がONの状態にされると、CPU10(電力供給制御部101)は、動作モードを省電力モードから通常モードに切り替える。すなわち、電源がONの状態に切り替えられたことを検出すると、電力供給制御部101は、電力供給部18および復調部19に対して通常移行信号を伝達する(ステップS1)。
【0083】
ステップS1を実行すると、デジタルカメラ1は、撮像指示の有無と、電源をOFFの状態に切り替える指示の有無とを監視しながら待機する状態となる(ステップS2,S6)。この状態を、便宜上、「通常モード維持状態」と称する。
【0084】
通常モード維持状態において、ユーザにより撮像指示がされると、CPU10はステップS2においてYesと判定する。そしてCPU10は撮像部16に撮像を実行させるとともに、復調部19に測位処理(位置データ120を取得する処理)を実行させる。これにより、撮像部16が撮像処理を実行し画像データ124が取得され(ステップS3)、復調部19が測位処理を実行し位置データ120が取得される(ステップS4)。
【0085】
画像データ124および位置データ120が取得されると、CPU10(記録部100)は、画像データ124と位置データ120とを関連づけて、撮像データ900をメモリカード90に記録する(ステップS5)。
【0086】
なお、本実施の形態では、撮像部16による撮像が行われるときに、復調部19による測位処理が付随的に実行される例を説明した。すなわち、測位処理は撮像位置を記録するために実行される例で説明した。しかし、復調部19による測位処理は、必ずしも撮像に付随して実行されなければならないわけではなく、撮像部16による撮像と独立して実行されてもよい。例えば、単に、ユーザが現在位置を知りたいと所望したときに操作部13を操作し、これに応じて復調部19が測位処理を実行し、表示部14が位置データ120を表示してもよい。
【0087】
通常モード維持状態において、ユーザにより操作部13が操作され、デジタルカメラ1の電源をOFFの状態に切り替えるように指示されると、CPU10はステップS6においてYesと判定する。
【0088】
ステップS6においてYesと判定すると、CPU10(電力供給制御部101)は、動作モードを省電力モードに切り替え、電力供給部18および復調部19に対して省電力移行信号を伝達する(ステップS11)。そして、電力供給制御部101は、復調部19によって制御データ122がRAM12に格納されるまで待機する(ステップS12)。
【0089】
CPU10から省電力移行信号が入力されると、電力供給部18は、電力の消費抑制を優先する状態となり、必要に応じて各構成に対する電力の供給を停止する。ただし、ステップS11において、電力供給部18は、復調部19に対する電力の供給は停止せずに継続する。また、ステップS11において省電力移行信号を受け取った復調部19は、タイミングデータ123の作成と、制御データ122の作成とを実行するが、これらの処理は後述する。
【0090】
ステップS12によりCPU10が待機している状態において、制御データ122が作成されると、電力供給制御部101は、ステップS12においてYesと判定し、タイミングデータ123に示される停止期間を計時部17にセットする。これにより、計時部17が停止状態継続時間の計測を開始する(ステップS13)。
【0091】
さらに、電力供給制御部101は、電力供給部18に対して停止信号を伝達する。これにより電力供給部18が復調部19への電力の供給を停止する(ステップS14)。なお、ステップS14が実行されると、電力供給制御部101は、停止時間が経過するまで待機状態となる(ステップS15)。
【0092】
計時部17から起床信号が入力されることにより停止時間が経過したことを検出すると、電力供給制御部101は、電力供給部18に向けて再開信号を出力する。これにより、電力供給部18による復調部19に対する電力の供給が再開される(ステップS16)。なお、起床信号を再開信号として電力供給部18に入力させる構成でもよい。すなわち、停止時間が経過したタイミングを電力供給部18に通知することができればCPU10(電力供給制御部101)が関与しなくてもよい。
【0093】
ステップS12ないしS16を実行中において、CPU10は、操作部13からの割り込み信号を監視することにより、ユーザによってデジタルカメラ1の電源がONの状態に切り替えられたか否かを監視している(ステップS17)。これによりデジタルカメラ1は、省電力モードにおいてユーザが電源をONの状態に切り替えない間は、ステップS12ないしS16の処理を継続する。一方、ユーザが電源をONの状態に切り替える操作を行った場合は、電力供給制御部101はステップS17においてYesと判定し、ステップS1からの処理を繰り返す。
【0094】
以上が、主にデジタルカメラ1の動作の説明である。次に、復調部19の動作について詳細に説明する。
【0095】
図7および図8は、第1の実施の形態における復調部19の動作を示す流れ図である。本実施の形態における復調部19は、電力供給部18からの電力供給が開始されることにより動作を開始し、電力供給部18からの電力供給が途絶えることにより動作を停止する。
【0096】
電力供給部18からの電力供給が再開されると、まず、レシーバプロセッサ194は、RAM12から制御データ122を読み出し、読み出した制御パラメータをセットし(ステップS21)、当該読み出した制御パラメータによりレプリカ信号生成回路192を制御する。これにより、レプリカ信号生成回路192は、制御データ122に格納されていた制御パラメータに基づいてレプリカ信号を生成する(ステップS22)。
【0097】
すなわち、レシーバプロセッサ194は、復調部19への電力の供給が再開されたときに、RAM12に記憶されている制御パラメータ(制御データ122)を読み出して、読み出した当該制御パラメータによりレプリカ信号生成回路192に対する制御を再開する。
【0098】
これは、復調部19への電力供給を停止させたときに衛星を追尾していたレプリカ信号(以下、「過去レプリカ信号」と称する。)を、RAM12から読み出した制御パラメータによって近似的に再現し、このレプリカ信号(以下、「近似過去レプリカ信号」と称する)によって、今回の衛星の捕捉を開始することに相当する(ただし、本実施の形態では周波数追尾のみ)。
【0099】
なお、電力供給が開始された時点において、制御データ122が格納されていない場合(例えば、工場出荷時等)や、制御データ122に含まれていない制御パラメータ(本実施の形態ではコード制御パラメータ)も存在する。レシーバプロセッサ194は、このような制御パラメータについては、ROM196に記憶されている初期値の制御パラメータを、開始時の制御パラメータとしてセットする。
【0100】
次に、相関処理部193が、アンテナ190からの入力信号をRFIC191により変換したデジタル信号と、レシーバプロセッサ194からの制御パラメータに基づいてレプリカ信号生成回路192により生成されるレプリカ信号とに応じた相関信号を生成する(ステップS23)。
【0101】
すなわち、相関処理部193は、RFIC191により変換したデジタル信号をステップS22において生成されるキャリアレプリカ信号によりダウンコンバートしつつ、ダウンコンバートされたデジタル信号とステップS22において生成されるコードレプリカ信号との相関処理を行う。
【0102】
さらに、レシーバプロセッサ194は、相関処理部193から出力される相関信号に応じて、両信号の同期が得られているか否かを判定する(ステップS24)。そして、位相が一致していない場合は(ステップS25においてNo)コード制御パラメータを変更し(ステップS26)、周波数が一致していない場合は(ステップS27においてNo)周波数制御パラメータを変更する(ステップS28)。
【0103】
なお、ステップS22ないしS28の処理は従来の技術である衛星捕捉技術を、適宜、適用することにより実現できる。
【0104】
衛星の捕捉が完了すると(ステップS24においてYes)、レシーバプロセッサ194は衛星追尾を開始する(ステップS29)。ステップS29における衛星追尾は、従来の技術により実現できるが、簡単に説明すれば、レプリカ信号生成回路192、相関処理部193およびレシーバプロセッサ194がステップS22ないしS28と同様の処理を繰り返しながら、同期を維持することにより実現できる。
【0105】
なお、本実施の形態では、ステップS29により開始された衛星追尾は、復調部19への電力の供給が停止されるまで継続される。また、衛星追尾が実行されている間において、相関処理部193から出力される相関信号には、衛星から送信された送信信号が復調された信号(復調信号)が含まれる(主にIP信号)。
【0106】
すなわち、衛星追尾を行っている状態(ステップS29が実行された後、電力供給が停止されるまでの状態)とは、相関処理部193により生成した相関信号に応じてレシーバプロセッサ194における制御パラメータを変更することにより、キャリアレプリカ信号によりダウンコンバートされたデジタル信号と、コードレプリカ信号との同期を維持して、衛星から送信された送信信号を復調することに相当する。したがって、復調部19が衛星追尾を行っている状態において、ナビゲーションプロセッサ195は、相関処理部193から出力される相関信号に基づいて、送信データをデコードして取得することが可能である。
【0107】
衛星の捕捉が完了し、衛星追尾が開始されると、ナビゲーションプロセッサ195は、動作モードが通常モードか否かを確認する(ステップS31)。
【0108】
復調部19は、省電力モードにおいてのみ電力供給が停止される。一方、復調部19に対する電力供給が開始される場合とは、省電力モードにおいて停止期間が経過したために電力供給が再開される場合の他に、省電力モードにおける停止中に電源ボタンが操作され通常モードに移行するために電力供給が再開される場合がある。したがって、復調部19は、ステップS31を実行して現在のモードを確認する必要がある。
【0109】
ステップS31の処理は、ナビゲーションプロセッサ195がCPU10(電力供給制御部101)に問い合わせをしてもよいし、予め電力供給制御部101が動作モードを示すデータをRAM12に格納しておいて、ナビゲーションプロセッサ195がこれを参照してもよい。
【0110】
ステップS31において通常モードと判定すると、ナビゲーションプロセッサ195は、相関処理部193から出力される相関信号(復調された送信信号)に基づいて送信データのデコードを開始し、観測データ121の取得を開始する(ステップS32)。
【0111】
ステップS32において、ナビゲーションプロセッサ195は、復調された送信信号からbitを生成し、生成したbitからフレームデータを構成する。さらに、ナビゲーションプロセッサ195は、生成したフレームデータに基づいてパリティチェックを行い、衛星から送信された送信データをデコードして、観測データ121としてRAM12に記憶させる。
【0112】
なお、ナビゲーションプロセッサ195は、復調された送信信号からbitを生成する際に、当該bitと当該bitの到着時間(受信時間)との関連づけを行い、受信時間は観測データ121に含められる。
【0113】
通常モードにおいて衛星追尾状態となると、ナビゲーションプロセッサ195は、ステップS32を繰り返すことにより観測データ121を取得しつつ、CPU10からの測位指示(測位処理を実行させる指示)と、省電力移行信号とを監視する状態となる(ステップS33,S35)。
【0114】
CPU10から測位指示があると、ナビゲーションプロセッサ195は、観測データ121を読み出して、観測データ121に基づいて演算を行い、現在の位置を特定する位置データ120を取得する(ステップS34)。
【0115】
なお、測位指示を検出したときに、位置データ120を求めるために必要な観測データ121の取得が未だ完了していない場合は、ナビゲーションプロセッサ195は、必要な観測データ121を取得する処理を継続してから、ステップS34を実行する。また、CPU10からの測位指示は、本実施の形態では操作部13(シャッターボタン)が操作されたときに、CPU10から復調部19に対して伝達される。また、観測データ121に基づいて位置データ120を求める測位処理は、従来技術により実現できるため、詳細な説明は省略する。
【0116】
通常モードにおいて衛星追尾を行っている状態で、CPU10から省電力移行信号が伝達されると、ナビゲーションプロセッサ195は、ステップS35においてYesと判定し、省電力モードにおける動作を開始する。
【0117】
ステップS31においてYesと判定する(省電力モードにおいて電力供給が再開された状態)か、または、ステップS35においてYesと判定する(通常モードから省電力モードに切り替えられた状態)と、ナビゲーションプロセッサ195は、RAM12から観測データ121を読み出し取得する(ステップS36)。
【0118】
ステップS36を実行するときに、後述の処理(ステップS37の処理:停止期間を求める処理)を実行するために必要な観測データ121がRAM12に記憶されておらず、必要なデータが取得できない場合がある。このような場合には、ナビゲーションプロセッサ195は、必要なデータが取得できるまで、衛星追尾状態を継続して送信データのデコード等を行う。
【0119】
GPSにおいては、観測データ121に含まれるエフェメリスデータやアルマナックデータには有効期限が設定されており、これが過ぎている場合には新たに送信データを受信(デコード)して、観測データ121を更新する必要がある。省電力モードにおいてはステップS32が実行されないので、省電力モードが比較的長時間継続されると、その間に、エフェメリスデータやアルマナックデータの有効期限が経過してしまう場合も起こりうる。
【0120】
このような場合には、ナビゲーションプロセッサ195は、ステップS36において、ステップS32に相当する処理を実行し、新たな送信データをデコードにより取得して観測データ121を更新する。なお、エフェメリスデータの有効期限は1〜2時間程度であり、その取得には30秒程度を要する。また、アルマナックデータの有効期限は1週間程度であり、その取得には12分程度を要する。
【0121】
詳細は後述するが、ステップS37の処理では復調部19の地球上の位置を求めることが必要となり、復調部19の位置を求めるには、衛星との相対距離(疑似距離)を求める必要がある。例えば、GPSにおいては、衛星と復調部19との相対距離を求めるには、少なくともサブフレームを1つ受信する必要があり、そのためには6秒程度の時間が必要となる。
【0122】
ただし、停止期間を求めるにあたって、停止期間中の復調部19の地球上の位置の変化を無視できる場合は、毎回、観測データ121を更新する必要はない。先述のように、ナビゲーションプロセッサ195は、少なくともエフェメリスデータの有効期限に応じた周期で観測データ121を更新する。したがって、復調部19の地球上の速度が充分に遅く、エフェメリスデータの有効期限内における復調部19の地球上の位置の変化が、停止期間を求めるに際して充分に無視できるならば、ステップS36において位置を求めるための送信データのデコードは必要ない。この場合、ナビゲーションプロセッサ195は、ステップS29を実行し、ステップS31でYesと判定した後は、RAM12に記憶されている過去の観測データ121を取得すればよく、少なくとも送信データのサブフレームを1つ受信するまで待機する必要はない。
【0123】
このように、ステップS36の処理は、観測データ121に含まれるデータの有効期限に応じた周期ごとに、当該データのデコードに要する時間だけ継続されることになる。そして、ステップS36が実行されている間、電力供給部18は復調部19への電力の供給を継続する必要がある。すなわち、ステップS36の処理に要する時間は、復調部19を間欠的に動作させる際の動作時間に影響し、電力消費に影響を与える。
【0124】
次に、ナビゲーションプロセッサ195は、ステップS36で取得した観測データ121(送信データ)に基づいて、電力の供給を停止する期間(停止期間)を求め(ステップS37)、タイミングデータ123としてRAM12に記憶させる。
【0125】
先述のように、衛星を捕捉(追尾)している状態において、レシーバプロセッサ194の制御パラメータ(周波数制御パラメータおよびコード制御パラメータ)は、主にドップラー効果によって生じる周波数誤差と、主に相対距離および時計のズレによって生じる位相差とに応じた値である。
【0126】
ここで、一旦生じた周波数誤差および位相差がその後も変化しないのであれば、衛星を捕捉することにより決定された制御パラメータを、その後は、変化させる必要がないことになる。しかし、実際には先述のように周波数誤差および位相差はほぼ常に変化する。しかも全ての送信データを受信するには最大で12分以上も必要となる。したがって、この間、送信データをデコードしつづけるために、レシーバプロセッサ194は、衛星を捕捉した後も、制御パラメータを変更しつつ、PLL(FLL)により衛星を追尾しつづける。
【0127】
しかし、デジタルカメラ1は、省電力モードにおいて復調部19に対する電力の供給を停止する。当然のことながら、電力の供給が停止されている状態では、レシーバプロセッサ194は衛星を追尾することはできない。したがって、レシーバプロセッサ194は、復調部19への電力供給が再開されたときに、すでに説明したように、ステップS22ないしS28を実行して衛星の捕捉から処理をやりなおすが、衛星の捕捉をやりなおす際には、ステップS21を実行する。すなわち、電力の供給が停止されている間、RAM12に退避しておいた制御パラメータで衛星の捕捉を開始する。
【0128】
電力の供給が停止される直前の周波数誤差と、電力の供給が再開されたときの周波数誤差とが近似していれば、電力の供給が停止される直前の周波数制御パラメータと、電力の供給が再開されたときに衛星を捕捉するために必要な周波数制御パラメータ(すなわち適切な周波数制御パラメータ)とは近似することになる。
【0129】
レシーバプロセッサ194は、衛星の捕捉を開始するときの制御パラメータを変更しつつ、適切な制御パラメータを決定するため、電力の供給が再開されたときの制御パラメータが適切な周波数制御パラメータに近似しているほど、衛星を捕捉するまでに要する時間が短縮される。
【0130】
ナビゲーションプロセッサ195は、観測データ121に基づいて電力の供給が停止されている間の周波数誤差の経時変化量(すなわち、周波数制御パラメータの適正値の経時変化量に相当する。)を予測して、当該変化量が閾値以内となるように、停止期間を求める。なお、閾値とは、レシーバプロセッサ194が衛星を追尾する際に用いるPLL(またはFLL)において、周波数制御パラメータを適切な周波数制御パラメータに収束させることができる周波数誤差の変化量の許容最大値である。
【0131】
周波数誤差は、先述のようにドップラー効果によって生じ、ドップラー効果は衛星と復調部19との相対速度によって生じる。したがって、周波数誤差の経時変化は、衛星と復調部19との間の相対加速度によって生じ、停止期間中の周波数誤差の経時変化量の予測値は、当該相対加速度を停止期間中にわたって積分することによって求めることができる。
【0132】
長期的にみれば、周波数誤差が同一となる瞬間(同じ周波数制御パラメータで衛星を捕捉することが可能となる瞬間)は何度も訪れる。したがって、そのような瞬間にのみ電力の供給を再開させると、長期間、電力の供給を停止できるので電力の消費抑制効果が大きく、一見好ましい。しかし、ユーザによる測位指示がそのような瞬間に近いタイミングでのみ行われることは一般に期待できない。すなわち、ユーザによる測位指示がどのようなタイミングで行われたとしても、周波数誤差の変化量が閾値以内となるように維持しておくことが好ましい。
【0133】
したがって、第1の実施の形態におけるナビゲーションプロセッサ195は、周波数誤差の経時変化量の予測値と閾値とが、ステップS37の実行時以後、初めて等しくなる時間を求め、当該時間に電力の供給を再開するように停止期間を求める。
【0134】
ここで、衛星と復調部19との相対加速度は、衛星の速度が既知であるため、衛星の軌道と、衛星の位置と、復調部19の位置と、復調部19の速度とによって求まる。また、復調部19の速度は、復調部19の位置と、当該位置における地球の自転速度と、復調部19の地球に対する相対速度とによって求まる。なお、地球に対する復調部19の相対速度はドップラー効果に対する影響が小さいので無視してもよい。また、復調部19の位置が求まれば、当該位置における地球の自転速度は既知である。
【0135】
GPSにおいて、観測データ121に含まれているエフェメリスデータが有効であれば、衛星の軌道と衛星の位置は当該エフェメリスデータから求まる。また、復調部19の位置は観測データ121から測位処理と同様の処理により求まる。さらに、停止期間が比較的短時間であれば、衛星時刻と計時部17の時刻との誤差は一定とみなせる。
【0136】
したがって、ナビゲーションプロセッサ195は、ステップS37において、観測データ121に基づいて、停止期間を求めることができる。
【0137】
タイミングデータ123が作成されると、レシーバプロセッサ194が、そのタイミングにおける制御パラメータをRAM12に記憶させる。これにより、復調部19(RFIC191、レプリカ信号生成回路192およびレシーバプロセッサ194のうちの少なくとも1つ)への電力の供給が停止されるときのレシーバプロセッサ194における制御パラメータがRAM12に制御データ122として記憶される(ステップS38)。
【0138】
レシーバプロセッサ194により制御データ122が作成され、制御パラメータのRAM12への退避が完了すると、前述のように、ステップS12においてCPU10がこれを検出して停止信号を電力供給部18に出力する。この停止信号に応じて、ステップS14が実行され、電力供給部18が、復調部19(RFIC191、レプリカ信号生成回路192およびレシーバプロセッサ194のうちの少なくとも1つ)への電力の供給を停止させる。これにより、復調部19の動作が停止し、電力の供給が再開されるまでの間、復調部19における電力消費が抑制される。
【0139】
その後、復調部19(前記信号変換手段、前記レプリカ信号生成手段および前記信号制御手段)への電力の供給が再開されたときに、先述のステップS21が実行される。すなわち、RAM12に記憶されている制御パラメータ(ステップS38において退避しておいた制御パラメータ)を読み出して、読み出した当該制御パラメータによりレシーバプロセッサ194によるレプリカ信号生成回路192に対する制御を再開する。
【0140】
以上のように、第1の実施の形態における記録装置としてのデジタルカメラ1は、全地球測位システムにおける衛星から送信される電波を受信するアンテナ190と、アンテナ190からの入力信号をデジタル信号に変換するRFIC191と、レプリカ信号を生成するレプリカ信号生成回路192と、RFIC191により変換されたデジタル信号とレプリカ信号生成回路192により生成されたレプリカ信号とに応じた相関信号を得る相関処理部193と、相関処理部193から出力される相関信号に応じて、制御パラメータによりレプリカ信号生成回路192を制御するレシーバプロセッサ194と、相関処理部193から出力される相関信号に基づいて、衛星から送信された送信データを取得して観測データ121を作成するナビゲーションプロセッサ195と、復調部19(RFIC191、レプリカ信号生成回路192およびレシーバプロセッサ194)への電力を供給する電力供給部18と、電力供給部18を制御して電力供給部18による電力の供給状態を制御する電力供給制御部101と、電力供給部18による、復調部19(RFIC191、レプリカ信号生成回路192およびレシーバプロセッサ194のうちの少なくとも1つ)への電力の供給が停止されるときのレシーバプロセッサ194における制御パラメータを制御データ122として記憶するRAM12とを備え、復調部19(RFIC191、レプリカ信号生成回路192およびレシーバプロセッサ194)への電力供給部18による電力の供給が再開されたときに、RAM12に記憶されている制御パラメータを読み出して、レプリカ信号生成回路192に対する制御を再開することにより、電力の供給が再開されたときに、短時間で衛星を捕捉することができるため、間欠的に動作させる際の動作時間(電力供給時間)を短縮でき、消費電力を抑制できる。
【0141】
また、電力供給部18による電力の供給が停止されてからの停止状態継続時間を計測する計時部17をさらに備え、ナビゲーションプロセッサ195が、観測データ121に基づいて、電力供給部18による電力の供給を停止させる期間を求め、電力供給制御部101が、ナビゲーションプロセッサ195により求められた期間と計時部17により計測される停止状態継続時間とに応じて、電力供給部18による電力の供給を再開させることにより、適切なタイミングで電力の供給を再開することができる。
【0142】
例えば、GPSにおいては地球上で観測されるドップラー効果による周波数誤差を捕捉するために、誤差検索範囲はIF周波数に対して±10KHz程度が必要とされている。この誤差検索範囲を捕捉開始時に200Hz程度で検索するとすれば、最大で100秒程度が必要となる。
【0143】
これに対して、ナビゲーションプロセッサ195は、退避しておいた周波数制御パラメータが、捕捉開始時(電力の供給を開始するとき)においても、衛星の捕捉に用いるPLLまたはFLL、若しくはその両方を収束させられる範囲にあるように、電力の供給を開始させるタイミングを決定する。言い換えれば、周波数制御パラメータの有効期限に応じて停止期間が決定される。したがって、より確実に、間欠的に動作させる際の動作時間を短縮できるので、消費電力を抑制できる。
【0144】
また、ナビゲーションプロセッサ195が、電力供給部18による復調部19(RFIC191、レプリカ信号生成回路192およびレシーバプロセッサ194のうちの少なくとも1つ)への電力供給が停止されている間の制御パラメータの適正値の経時変化量を予測して、停止期間を求めることにより、停止期間を正確に求めることができる。
【0145】
また、制御パラメータは搬送波の周波数誤差に対応した制御パラメータ(周波数制御パラメータ)を含み、ナビゲーションプロセッサ195が衛星との相対加速度に応じて、停止期間を求めることにより、停止期間をより正確に求めることができる。
【0146】
さらに、被写体を撮像することにより、当該被写体を表現した画像データ124を取得する撮像部16を備え、画像データ124を撮像データ900(記録データ)として記録するデジタルカメラ1として記録装置が構成されている。デジタルカメラ1は、従来の技術に比べて衛星捕捉までの所要時間を短縮できるので、シャッターチャンスでの位置をより正確に得ることができる。
【0147】
なお、本実施の形態では、復調部19が2つのプロセッサ(レシーバプロセッサ194およびナビゲーションプロセッサ195)を備えるとして説明した。しかし、昨今の微細加工技術や半導体製造技術等の進歩により、レシーバプロセッサ194およびナビゲーションプロセッサ195の機能を1チップのプロセッサによって実現することも可能となっている。したがって、そのようなCPUを採用することにより、第1の実施の形態における復調部19が実現されてもよい。
【0148】
また、ステップS37において、ナビゲーションプロセッサ195が過去の観測データ121によって停止期間を求めることができる場合(エフェメリス有効期限内の復調部19の地球上の位置の変化を無視できる場合)、ナビゲーションプロセッサ195は、ステップS36,S37の処理をステップS29の実行後に行う必要はない(衛星が捕捉されるまで待機しておく必要はない)。すなわち、レシーバプロセッサ194によって衛星の捕捉が行われている間(ステップS21ないしS28の実行中)に、これと並行してナビゲーションプロセッサ195がステップS36,S37に相当する処理を行ってもよい。その場合は、レシーバプロセッサ194は、ステップS24においてYesと判定した時点で制御パラメータをRAM12に記憶すればよい。
【0149】
<2. 第2の実施の形態>
図9は、第2の実施の形態におけるデジタルカメラ2のブロック図である。デジタルカメラ2は、ROM11がプログラム80の代わりにプログラム83を格納していることと、復調部19の代わりに復調部20を備えていることが、デジタルカメラ1と異なっている。以下、デジタルカメラ2において、デジタルカメラ1と同様の機能を有する構成には、同符号を付し、適宜説明を省略する。
【0150】
第2の実施の形態における電力供給部18は、復調部19の代わりに復調部20に対して電力を供給する。
【0151】
図10は、第2の実施の形態におけるデジタルカメラ2の機能ブロックをデータの流れとともに示す図である。図10に示す記録部100、電力供給制御部102およびナビゲーション部103は、CPU10がプログラム83に従って動作することにより実現される機能ブロックである。なお、第2の実施の形態では、位置データ120、観測データ121およびタイミングデータ123は、いずれもナビゲーション部103によって作成される。
【0152】
第2の実施の形態における電力供給制御部102は、電力供給部18を制御して電力供給部18による電力の供給状態を制御する機能を有する。
【0153】
電力供給制御部102は、デジタルカメラ1の動作モードを通常モードと省電力モードとの間で切り替える機能を有している。通常モードから省電力モードに切り替えるとき、電力供給制御部102は、電力供給部18およびナビゲーション部103に対して省電力移行信号を伝達する。一方、省電力モードから通常モードに切り替えるとき、電力供給制御部102は、電力供給部18およびナビゲーション部103に対して通常移行信号を伝達する。
【0154】
なお、本実施の形態におけるデジタルカメラ2は、デジタルカメラ1と同様に、デジタルカメラ2の電源がONの状態のときに通常モードで動作し、当該電源がOFFの状態のときに省電力モードで動作する。
【0155】
電力供給制御部102は、ナビゲーション部103により求められた停止期間(タイミングデータ123)と、計時部17により計測される停止状態継続時間とに応じて、電力供給部18を制御する。
【0156】
より具体的には、制御データ122がRAM12に格納されたときに、タイミングデータ123に示される停止期間を計時部17にセットする。また、制御データ122が作成されたタイミングに応じて復調部20への電力供給を停止させる信号(以下、「停止信号」と称する。)を電力供給部18に出力する。その後、停止状態計測時間が停止期間に達したことを示す起床信号を計時部17から受け取ると、電力供給部18に復調部20への電力供給を再開させる信号(以下、「再開信号」と称する。)を出力する。
【0157】
ナビゲーション部103は、復調部20からの相関信号(第1の実施の形態における相関処理部193からの出力信号と同等の信号)に応じて、観測データ121を作成する。また、操作部13から入力される測位指示に応じて、観測データ121に基づいて測位処理を実行し、位置データ120を作成する。
【0158】
なお、ナビゲーション部103は、動作モードおよび相関信号に応じて、観測データ121に基づいてタイミングデータ123を作成するとともに、タイミングデータ123の作成が完了したタイミングを復調部20に通知するが、詳細は後述する。
【0159】
図11は、第2の実施の形態における復調部20をデータの流れとともに示す図である。
【0160】
第2の実施の形態における復調部20は、アンテナ190、RFIC191、レプリカ信号生成回路192、相関処理部193、レシーバプロセッサ194、ROM196およびRAM197を備えている。
【0161】
第1の実施の形態における復調部19と比較すれば、復調部20は、ナビゲーションプロセッサ195に相当する構成を備えていないことと、ROM196がプログラム81の代わりにプログラム84を格納していること、および、相関処理部193から出力される相関信号がCPU10に向けて出力されることが異なっている。
【0162】
第2の実施の形態におけるレシーバプロセッサ194は、プログラム84に従って動作することにより、第1の実施の形態におけるレシーバプロセッサ194とほぼ同様の機能を実現する。
【0163】
ただし、第2の実施の形態におけるレシーバプロセッサ194は、タイミングデータ123が作成されたタイミングをCPU10(ナビゲーション部103)から通知され、それに応じて制御データ122をRAM12に記憶させる。
【0164】
図12、図13および図14は、第2の実施の形態におけるデジタルカメラ2の動作を示す流れ図である。
【0165】
第2の実施の形態におけるデジタルカメラ2は電源がOFFの状態において、省電力モードで動作している。したがって、ユーザによって電源ボタン(操作部13)が操作され、デジタルカメラ1の電源がONの状態にされると、CPU10(電力供給制御部102)は、動作モードを省電力モードから通常モードに切り替える。すなわち、電源がONの状態に切り替えられたことを検出すると、電力供給制御部102は、電力供給部18およびナビゲーション部103に対して通常移行信号を伝達する(ステップS41)。
【0166】
ステップS41が実行されたとき、電力供給部18による復調部20への電力の供給が停止されていた場合は、電力供給部18は復調部20への電力の供給を再開させる。したがって、動作モードが通常モードに切り替わるタイミングにかかわらず、ステップS41が実行された後は、復調部20から相関信号が出力される。
【0167】
ステップS41を実行すると、デジタルカメラ2は、撮像指示の有無(ステップS44)と、電源をOFFの状態に切り替える指示の有無(ステップS48)とを監視しながら、同期が確保されるまで(衛星を捕捉するまで)待機する状態となる(ステップS42)。
【0168】
そして、同期が確保されると(ステップS42においてYesと判定すると)、デジタルカメラ2は、引き続きステップS44,S48による監視を継続しながら、ナビゲーション部103が相関信号(復調信号)に基づいて送信データをデコードすることにより観測データ121を取得し更新(ステップS43)しつづける状態となる。この状態を、第2の実施の形態において、「通常モード維持状態」と称する。
【0169】
通常モード維持状態において、ユーザにより撮像指示がされると、CPU10はステップS44においてYesと判定する。そしてCPU10は撮像部16に撮像を実行させる。これにより、撮像部16が撮像処理を実行し画像データ124が取得される(ステップS45)。
【0170】
ステップS45の処理と並行して、ナビゲーション部103は、測位処理を実行し位置データ120を求める(ステップS46)。なお、位置データ120を作成するのに必要な観測データ121が未だ取得されていないときは、観測データ121を取得してから位置データ120を求める。
【0171】
画像データ124および位置データ120が取得されると、CPU10(記録部100)は、画像データ124と位置データ120とを関連づけて、撮像データ900をメモリカード90に記録する(ステップS47)。
【0172】
通常モード維持状態において、ユーザにより操作部13が操作され、デジタルカメラ2の電源をOFFの状態に切り替えるように指示がされると(ステップS48においてYes)、電力供給制御部102は、動作モードを省電力モードに切り替え、ナビゲーション部103に対して省電力移行信号を伝達する(ステップS51)。
【0173】
CPU10から省電力移行信号が入力されると、電力供給部18は、電力の消費抑制を優先する状態となり、必要に応じて各構成に対する電力の供給を停止する。ただし、ステップS51において、電力供給部18は、復調部20に対する電力の供給は停止せずに継続する。
【0174】
また、ステップS51において省電力モードへの切り替わりを通知する省電力移行信号を受け取ったナビゲーション部103は、RAM12に記憶されている観測データ121を取得する(ステップS52)。
【0175】
通常モードでは、すでにステップS42ないしS48の処理が継続されているので、通常モードから省電力モードに切り替わったとき(ステップS51が実行されるとき)には、すでに同期が確保されており、ステップS43が繰り返されることによって観測データ121が更新されているので、すでに停止期間を求めるために必要なデータはデコード済みであると考えられる。しかし、通常モード維持状態が比較的短時間であり、未だ必要なデータが取得されていない場合、ナビゲーション部103は、ステップS52において、相関信号をデコードすることにより必要なデータが得られるまで待機する。
【0176】
ステップS52を実行することにより、観測データ121が取得されると、ナビゲーション部103は当該観測データ121に基づいて、停止期間を求め(ステップS53)、タイミングデータ123の作成する。さらに、ナビゲーション部103は、タイミングデータ123が作成されたタイミングを復調部20のレシーバプロセッサ194に通知する。
【0177】
ステップS53が実行されると、ナビゲーション部103からの通知に従って復調部20(レシーバプロセッサ194)が制御データ122を作成し、当該制御データ122をRAM12に記憶させる。
【0178】
ステップS53を実行した後、CPU10は制御データ122がRAM12に記憶されるまで待機している(ステップS54)。そして、RAM12に制御データ122が記憶されると、電力供給制御部102は、ステップS54においてYesと判定し、ステップS53において作成されたタイミングデータ123に示される停止期間を計時部17にセットする。これにより、計時部17が停止状態継続時間の計測を開始する(ステップS55)。
【0179】
さらに、電力供給制御部102は、電力供給部18に対して停止信号を伝達する。これにより電力供給部18が、復調部20への電力の供給を停止する(ステップS656)。なお、ステップS56が実行されると、電力供給制御部102は、停止時間が経過するまで待機状態となる(ステップS61)。具体的には、計時部17からの起床信号を検出するまで待機する。
【0180】
計時部17から起床信号が入力されることにより停止時間が経過したことを検出すると、電力供給制御部102は、電力供給部18に向けて再開信号を出力する。これにより、電力供給部18による復調部20に対する電力の供給が再開される(ステップS62)。
【0181】
詳細は後述するが、ステップS62が実行されて、復調部20に対する電力の供給が再開されると、停止期間中において停止していた相関信号の出力が再開される。
【0182】
停止期間中の復調部20に対する電力の供給が再開されるのは、停止期間が経過したとき(ステップS62においてYesと判定されたとき)と、停止期間中に電源がONの状態に切り替えられたとき(ステップS41が実行されたとき)とが存在する。しかし、ナビゲーション部103は、相関信号の出力が再開されたことを検出したときの動作モードを確認することにより、状況を判定できる。すなわち、動作モードが省電力モードのときは前者であり、動作モードが通常モードのときは後者である。
【0183】
ステップS62が実行されることにより、復調部20からの相関信号の出力が再開されると、ナビゲーション部103は、当該相関信号に応じて、同期が確保されているか否かを判定する(ステップS63)。そして、同期が確保されるまで(衛星が捕捉されるまで)、待機した後、ステップS52,S53と同様に、観測データ121の取得と取得した観測データ121に基づいて停止期間を求める処理を実行する(ステップS64,S65)。
【0184】
第2の実施の形態においても、省電力モードにおいて、CPU10は操作部13からの割り込み信号を監視しており、デジタルカメラ2の電源がONの状態に切り替えられる指示を監視している(ステップS66)。電源がONの状態に切り替えられていない間(ステップS66においてNoと判定される間)、デジタルカメラ2はステップS54ないしS56およびS61ないしS65の処理を繰り返す。一方、電源がONの状態に切り替えられると、CPU10はステップS66においてYesと判定し、ステップS41に戻って処理を繰り返す。
【0185】
以上が、主にデジタルカメラ2の動作の説明である。次に、復調部20の動作について詳細に説明する。
【0186】
図15は、第2の実施の形態における復調部20の動作を示す流れ図である。本実施の形態における復調部20は、電力供給部18からの電力供給が開始されることにより動作を開始し、電力供給部18からの電力供給が途絶えることにより動作を停止する。
【0187】
電力供給部18からの電力供給が再開されると、まず、レシーバプロセッサ194は、RAM12から制御データ122を読み出し、読み出した制御パラメータをセットし(ステップS71)、当該読み出した制御パラメータによりレプリカ信号生成回路192を制御する。これにより、レプリカ信号生成回路192は、第1の実施の形態と同様に、制御データ122に格納されていた制御パラメータに基づいてレプリカ信号を生成する(ステップS72)。
【0188】
なお、ステップS73ないしS78までの処理(衛星を捕捉するまでの処理)は、第1の実施の形態におけるステップS23ないしS28と同様に実行することができるため、説明を省略する。
【0189】
衛星の捕捉が完了し、同期が確保されると、復調部20は衛星追尾を開始する(ステップS79)。これにより、復調部20の相関処理部193から、復調された送信信号がCPU10(ナビゲーション部103)に向けて出力される(ステップS80)。
【0190】
レシーバプロセッサ194は、衛星追尾中において、ナビゲーション部103からの通知(タイミングデータ123が作成されたタイミングについての通知)を監視する(ステップS81)。
【0191】
衛星追尾中において、ナビゲーション部103からの通知がない間、レシーバプロセッサ194により衛星追尾状態が維持され、相関処理部193が復調信号を出力しつづける。一方、ナビゲーション部103からの通知があると、レシーバプロセッサ194は、制御パラメータを制御データ122としてRAM12に記憶させる(ステップS82)。
【0192】
これにより、CPU10(電力供給制御部102)がステップS54においてYesと判定し、計時部17への停止期間のセットを完了させた後、ステップS56が実行され電力供給部18が復調部20への電力の供給を停止させる。
【0193】
以上のように、ナビゲーションプロセッサ195に相当する構成を欠く復調部20を備えたデジタルカメラ2によっても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0194】
また、第2の実施の形態における復調部20は、ナビゲーションプロセッサ195に相当する構成を備えていないため、送信信号を復調して外部のCPU10に出力するのみである。すなわち、送信データのデコード(観測データ121の取得:ステップS43,S52,S64)や測位処理(ステップS46)はCPU10(ナビゲーション部103)が実行するように構成されている。
【0195】
これにより復調部20における処理量が抑制されるため復調部20における電力消費は抑制されるが、一方でCPU10において負荷が増大し電力消費が増大することが懸念される。そこで、デジタルカメラ2では、演算量の特に多い、ステップS46の処理をCPU10に対する負荷が低いタイミングで実行することによりCPU10を効率よく利用して、消費電力を抑制する。
【0196】
例えば、メモリカード90に撮像データ900を書き込んでいるとき(ステップS47を実行しているとき)には、CPU10に書き込みのための待ち時間が生じる。したがって、そのタイミングにナビゲーション部103が測位処理(ステップS46)を実行する。
【0197】
また、撮像部16が画像圧縮処理を行って画像データ124を作成しているとき(ステップS45を実行しているとき)にナビゲーション部103が測位処理(ステップS46)を実行してもよい。
【0198】
また、ズーム操作により撮像部16のモータを制御している間に、ナビゲーション部103が測位処理(ステップS46)を実行してもよい。
【0199】
また、シャッターボタンが押下されたときには観測データ121(測位処理に必要なデータ)のみ取得して、一旦、画像データ124と関連づけておき、ユーザによって何らの処理も指示されていないときを検出し、ナビゲーション部103が撮像データ900に含まれる観測データ121により測位処理(ステップS46)を実行し、当該観測データ121を位置データ120に書き換えてもよい。デジタルカメラ2のように、特定の処理を実行中(撮像中または再生中)以外の期間においてCPU10の空き時間が生じる余地の多い装置には効果的である。
【0200】
また、観測データ121を含む撮像データ900が外部のコンピュータに転送された後に、ナビゲーション部103に相当する機能により測位処理(ステップS46)と同等の処理を実行してもよい。
【0201】
さらに、ユーザが表示部14に位置データ120を表示させるように指示したときにナビゲーション部103が測位処理(ステップS46)を実行してもよい。
【0202】
また、このようにCPU10に負荷がかからないタイミングに測位処理(ステップS46)を実行することにより、高機能なCPUを採用することなく、ナビゲーションプロセッサ195に相当する構成を除いた復調部20を採用できるので、全体としてコストを抑制できる。
【0203】
<3. 第3の実施の形態>
図16は、第3の実施の形態におけるゲーム機3を示す図である。本発明に係る記録装置としてのゲーム機3は、図16に示すように、ユーザによって携帯可能な装置として設計されており、後述するユーザデータを記録する。
【0204】
図17は、第3の実施の形態におけるゲーム機3のブロック図である。図17に示すように、ゲーム機3は、各種データの演算を実行するCPU30、予め記憶されているデータに対する読み取りのみ可能なROM31、データの読み書きがいずれも可能なRAM32、操作部33および表示部34を備えている。また、ゲーム機3は、メモリカード90を装着することが可能なカードスロット35、計時部37、電力供給部38および復調部39を備えている。
【0205】
CPU30は、ROM31に記憶されているプログラム85を読み出して、RAM32をワーキングエリアとして使用しつつ、当該プログラム85を実行することにより、ゲーム機3が備える各構成を制御する。このようにゲーム機3は、一般的なコンピュータとしての機能を有している。
【0206】
図18は、第3の実施の形態におけるゲーム機3の機能ブロックをデータの流れとともに示す図である。図18に示す記録部300、電力供給制御部301および測位処理部302は、CPU30がプログラム85に従って動作することにより実現される機能ブロックである。
【0207】
図18に示す位置データ320は、測位処理部302が実行する測位処理(後述)によって求められるゲーム機3(復調部39)のある時点における位置を特定するデータである。本実施の形態は、位置データ320は、ゲーム機3の存在する位置の緯度および経度を示すデータである。
【0208】
観測データ321は、ある位置においてある瞬間にゲーム機3(復調部19)が観測したデータであり、復調された送信信号を測位処理部302がデコードすることにより得られるデータ(すなわち、衛星から送信された送信データ)である。ただし、観測データ321は、実際に衛星から送信されたデータ以外のデータを含んでいてもよい。このようなデータとして、例えば、送信データを受信(観測)したときの計時部37の値(受信時刻)や、衛星に搭載されている時計(送信時刻の基準となる)と計時部37との誤差などがある。
【0209】
タイミングデータ323は、位置データ320と同様に測位処理部302によって作成される。タイミングデータ323は、復調部39への電力供給を停止させる期間(以下、「停止期間」と称する。)を示すデータであるが、詳細は後述する。
【0210】
入力データ324は、ユーザが操作部33を操作することにより入力されたデータである。
【0211】
記録部300は、位置データ320と入力データ324とを関連づけて、カードスロット35を介してメモリカード90にユーザデータ901として記憶させる機能を有している。記録部300は、例えば、操作部33が操作されることにより入力された入力データ324と、当該入力データ324の入力を行ったときの位置データ320と関連づけてメモリカード90に記録する。このように本実施の形態におけるゲーム機3では、ユーザデータ901には入力データ324の入力位置を示す位置データ320が含まれる。
【0212】
電力供給制御部301は、電力供給部38を制御して電力供給部38による電力の供給状態を制御する機能を有する。
【0213】
電力供給制御部301は、ゲーム機3の動作モードを通常モードと省電力モードとの間で切り替える機能を有している。通常モードから省電力モードに切り替えるとき、電力供給制御部301は、電力供給部38および測位処理部302に対して省電力移行信号を伝達する。一方、省電力モードから通常モードに切り替えるとき、電力供給制御部301は、電力供給部18および測位処理部302に対して通常移行信号を伝達する。
【0214】
なお、本実施の形態におけるゲーム機3は、ゲーム機3の電源がONの状態のときに通常モードで動作し、当該電源がOFFの状態のときに省電力モードで動作する。すなわち、動作モードの切り替えは操作部33からの入力信号を電力供給制御部301が検出することによって実行される。ただし、通常モードと省電力モードとの切り替えタイミングは、これに限定されるものではなく、ユーザによるゲーム機3の使用頻度(操作頻度)や、他の動作モード(再生モードか撮影モードか)等を参照して切り替えてもよい。
【0215】
電力供給制御部301は、測位処理部302により求められた停止期間(タイミングデータ323)と、計時部37により計測される停止状態継続時間とに応じて、電力供給部38を制御する。
【0216】
より具体的には、後述する制御データ322が退避されたときに(復調部39より通知される。)、タイミングデータ323に示される停止期間を計時部37にセットする。また、制御データ322が作成されたタイミングに応じて復調部39への電力供給を停止させる信号(以下、「停止信号」と称する。)を電力供給部38に出力する。その後、停止状態計測時間が停止期間に達したことを示す信号(以下、「起床信号」と称する。)を計時部37から受け取ると、電力供給部38に復調部39への電力供給を再開させる信号(以下、「再開信号」と称する。)を出力する。
【0217】
測位処理部302は、復調部39によって作成され順次出力されるフレームデータに対してパリティチェックを行いつつ、当該フレームデータから送信データをデコードし、観測データ321を作成する。
【0218】
例えば、GPSにおける衛星は、送信データ(PNコード)の送信時刻や当該衛星に固有の衛星軌道を表現したエフェメリスデータ、全衛星の概略の軌道を表現したアルマナックデータ等を含む送信データを送信しながら飛行している。測位処理部302は、この送信データをデコードすることにより取得して、観測データ321として出力する。
【0219】
また、測位処理部302は、観測データ321(送信データ)に基づいて、電力供給部38による復調部39への電力の供給を停止させる期間(停止期間)を求める。停止期間は、タイミングデータ323としてRAM32に出力され記憶される。タイミングデータ323を作成する手法については後述する。
【0220】
さらに、測位処理部302は、操作部33(またはCPU30)から伝達されるタイミングに応じて、観測データ321に基づいて、当該タイミングにおけるゲーム機3(復調部39)の位置を演算(測位処理)し、位置データ320として出力し、RAM12に記憶させる。観測データ321から測位処理により位置データ320を求める手法は従来の技術を適用できる。
【0221】
図17に戻って、操作部33は、各種ボタン類やキー、スイッチ、コントローラ、ジョイスティック等が該当する。ユーザは、操作部33を操作することによってゲーム機3に対して、様々な情報を入力することができる。特に、ゲーム機3は、ゲーム機3の電源の状態を切り替える指示を入力するための電源ボタンを操作部33として備えている。
【0222】
表示部34は、各種ランプやLED、液晶パネル等であり、ユーザに対して各種のデータ(ゲームのプレイ画面等)を提示する機能を有している。なお、ゲーム機3は、タッチパネルディスプレイのようなデバイスを備えることによって操作部33および表示部34の機能を実現していてもよい。
【0223】
カードスロット35は、可搬性の記憶媒体であるメモリカード90をゲーム機3に対して着脱自在に収納する機能を提供する。これによりゲーム機3(CPU30)は、メモリカード90を自機の記憶装置として使用することができ、ユーザデータ901等の比較的大容量のデータを記憶することができる。
【0224】
また、ゲーム機3から取り外されたメモリカード90は、図示しない外部のコンピュータ等に装着することができるように構成されている。したがって、ユーザは、メモリカード90に記憶されたユーザデータ901を外部のコンピュータ(例えば他のユーザのゲーム機)において読み出して利用することが可能である。
【0225】
なお、ゲーム機3は、図示しない外部のコンピュータとの間でデータ通信を行うための機能を備えていてもよい。このような機能を実現する構成としては、USB端子や赤外線通信部等が想定される。ゲーム機3がこのような構成を備えていれば、ユーザは、メモリカード90に記憶されたユーザデータ901を外部のコンピュータに転送して利用することが可能となる。
【0226】
計時部37は、一般的な時計であり、時間を計測する機能を有している。特に、計時部37は、電力供給部38による復調部39への電力供給が停止されてからの停止状態継続時間を計測し、停止状態継続時間が停止時間に達すると、CPU30に起床信号により通知する機能を有している。
【0227】
電力供給部38は、図示しない電池を備え、CPU30からの制御信号(省電力移行信号、停止信号、再開信号等)に応じて、ゲーム機3の各構成への電力供給を行う。特に、本実施の形態における電力供給部38は、復調部39への電力供給を担っている。
【0228】
電力供給部38は、復調部39への電力供給を停止するときにおいても、復調部39のSRAM(後述する図19のRAM397)にリフレッシュ用の電力を供給しつづけるものとする。一方、電力供給部38は、復調部39の他の構成に対しては一括して電力を供給する。以下の説明では、特に断らない限り、「復調部39への電力の供給を停止する」とは、「復調部39のRAM397以外の構成に対して電力の供給を停止する」ことをいうものとする。
【0229】
なお、図17では、電力供給部38からゲーム機3の各構成への電力供給線については図示を省略している。また、電力供給部38は、ゲーム機3が電源ケーブル等により商用電源に接続された場合には、各構成に対する電力供給を、先述の電池から当該商用電源に切り替える機能も有している。
【0230】
図19は、第3の実施の形態における復調部39をデータの流れとともに示す図である。復調部39は、後述する処理により、全地球測位システムにおける衛星から送信される電波を受信して当該衛星から送信される送信信号を復調する機能を有している。
【0231】
図19に示すように、復調部39は、全地球測位システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)における衛星から送信される電波を受信するアンテナ390、アンテナ390からの入力信号をデジタル信号に変換するRFIC391、レプリカ信号を生成するレプリカ信号生成回路392、RFIC391により変換されたデジタル信号とレプリカ信号生成回路392により生成されたレプリカ信号とに応じた相関処理を実行して相関信号を出力する相関処理部393を備えている。
【0232】
アンテナ390は、全地球測位システムにおける衛星からの電波を受信してアナログ信号をRFIC391に伝達する。なお、以下では、特に断らない限り、全地球測位システムとして米国により提供されてるGPS(Global Positioning System)を採用する例について述べる。
【0233】
RFIC391は、アンテナ390から入力されるアナログ信号をダウンコンバートしつつデジタル信号に変換し、相関処理部393に向けて出力する。
【0234】
レプリカ信号生成回路392は、CPU394からの制御信号(制御パラメータを示す信号)に基づいてレプリカ信号を生成し、相関処理部393に向けて出力する。
【0235】
図19において詳細は図示していないが、レプリカ信号生成回路392は、衛星からデータを送信するための搬送波に対応したキャリアレプリカ信号を生成するキャリア生成回路と、衛星に固有の拡散コード(PNコード)に対応したコードレプリカ信号を生成するコード生成回路とを備えている。
【0236】
キャリア生成回路は、後述の相関処理部393によりIF信号のI信号と相関処理されるキャリアレプリカ信号と、同じく相関処理部393によりIF信号のQ信号と相関処理されるキャリアレプリカ信号とを生成する。
【0237】
キャリア生成回路にはCPU394からの制御パラメータ(より詳細には周波数誤差に対応する制御パラメータ。以下、「周波数制御パラメータ」と称する。)が入力される。キャリア生成回路は、CPU394から入力される周波数制御パラメータに応じて、キャリアレプリカ信号の周波数を変更する。言い換えれば、キャリア生成回路は、CPU394から入力される周波数制御パラメータに応じた周波数のキャリアレプリカ信号を生成する。
【0238】
コード生成回路は、捕捉する衛星に固有のPNコードを選択して、当該PNコードに応じたコードレプリカ信号を生成する。なお、捕捉する衛星が切り替わるときには、コード生成回路は、切り替え先の衛星に固有のPNコードにより新たなコードレプリカ信号を生成する。また、コード生成回路は、CPU394からの制御パラメータ(より詳細にはコード位相差に対応する制御パラメータ。以下、「コード制御パラメータ」と称する。)に応じて、コードレプリカ信号の位相を変更することが可能である。
【0239】
より詳細には、コード生成回路は、プロンプト(Prompt)コードレプリカ信号(P信号)と、プロンプトコードレプリカ信号に対して1/2チップだけ進相したアーリー(Early)コードレプリカ信号(E信号)と、プロンプトコードレプリカ信号に対して1/2チップだけ遅相したレート(Late)コードレプリカ信号(L信号)とを生成する。
【0240】
相関処理部393は、RFIC391からの入力信号(IF信号)を、レプリカ信号生成回路392(キャリア生成回路)から入力されるキャリアレプリカ信号によりベースバンド周波数にダウンコンバートする。さらに、相関処理部393は、上記ダウンコンバートされたデジタル信号(I信号およびQ信号)と、レプリカ信号生成回路392(コード生成回路)から入力されるコードレプリカ信号(E信号、P信号およびL信号)との相関処理を行う。すなわち、相関処理部393によって、RFIC391からの入力信号と、レプリカ信号生成回路392からのレプリカ信号とに応じた相関信号(IE信号、IP信号、IL信号、QE信号、QP信号およびQL信号)が生成され、CPU394に向けて出力される。
【0241】
図19に示すように、復調部39は、さらに、CPU394、プログラム86を格納する読み取り専用のROM396、および、復調部39への電力の供給が停止したときにおいてもバックアップされるRAM397を備えている。
【0242】
CPU394は、ROM396に記憶されているプログラム86を読み取って、RAM397をワーキングエリアとして使用しつつ、当該プログラム86を実行する。すなわち、CPU394は一般的なコンピュータとしての機能を有している。
【0243】
CPU394は、相関処理部393から出力される相関信号(IE信号、IP信号、IL信号、QE信号、QP信号およびQL信号)に応じて、レプリカ信号生成回路392に対する制御パラメータにより当該レプリカ信号生成回路392を制御する。
【0244】
例えば、衛星はそれぞれの衛星軌道上を高速に飛行しているため、当該衛星から送信される電波はドップラー効果によって本来の周波数に対して周波数誤差を生じている。さらに、当該飛行中の衛星と地球の自転により移動しているゲーム機3(復調部39)との間の相対速度はほぼ常に変化しており、ドップラー効果による周波数誤差もほぼ常に変化している。
【0245】
そこで、CPU394は、相関処理部393から出力される相関信号を監視しつつ、キャリアレプリカ信号によってダウンコンバートされたデジタル信号と、レプリカ信号生成回路392からのレプリカ信号との相関が得られる(両信号の同期が得られる)ように、周波数制御パラメータを変更することにより、キャリアレプリカ信号生成回路(キャリアレプリカ信号)をフィードバック制御する。
【0246】
すなわち、CPU394は、周波数制御パラメータを変更しつつ、相関処理部393からの相関信号を監視して、周波数誤差を生じた搬送波の周波数を捕捉する。その後も相関処理部393からの相関信号を監視しつつ、同期した状態が維持されるように、周波数制御パラメータを変更し、周波数誤差が変化している搬送波の周波数を追尾する。このような制御は従来の技術(例えばPhase Locked LoopやFrequency Locked Loop等)を用いて実現できる。
【0247】
さらに、衛星とゲーム機3(復調部39)との距離や、衛星時計と計時部37との誤差等により、RFIC391から入力されるIF信号と、レプリカ信号生成回路392により生成されるコードレプリカ信号との間にはコード位相差が生じる。そして、衛星およびゲーム機3は移動しているため、衛星とゲーム機3との距離はほぼ常に変化しており、コード位相差もほぼ常に変化している。
【0248】
そこで、CPU394は、相関処理部393からの出力信号を監視しつつ、 ダウンコンバートされたデジタル信号(より詳細にはI信号およびQ信号)と、レプリカ信号生成回路392からのコードレプリカ信号との相関が得られる(両信号の同期が得られる)ようにコード制御パラメータを変更し、コードレプリカ信号生成回路(コードレプリカ信号)をフィードバック制御する。
【0249】
すなわち、CPU394は、コード制御パラメータを変更しつつ、相関処理部393からの出力信号を監視して、ダウンコンバートされたデジタル信号とコードレプリカ信号との同期を確保する。その後もCPU394は、相関処理部393からの出力信号を監視しつつ、同期した状態が維持されるように、コード制御パラメータを変更し、位相を追尾する。このような制御は従来の技術(例えばDelay Locked Loop等)を用いて実現できる。
【0250】
CPU394は、衛星の捕捉が完了し(制御パラメータが適切な値に収束し)、同期が確保された状態となると、同期完了信号をCPU30に伝達する。
【0251】
また、CPU394は、復調部39に対する電力供給が停止される前に、制御パラメータをRAM397に退避させる機能も有している。すなわち、CPU394は、電力供給部38による電力供給が停止される直前のタイミング(本実施の形態では、測位処理部302がタイミングデータ323を作成したタイミング)で、その時点における制御パラメータを制御データ322としてRAM397に記憶させる。
【0252】
なお、本実施の形態におけるCPU394は、制御パラメータのうち、周波数制御パラメータのみを制御データ322としてRAM397に退避させる。また、制御データ322のRAM397への退避が完了したときには、その旨を電力供給制御部301に通知する。
【0253】
さらに、CPU394は、電力供給部38による電力の供給が再開されたときに、RAM397に記憶されている制御データ322(本実施の形態では周波数制御パラメータ)を読み出し、読み出した制御パラメータによってレプリカ信号生成回路392に対する制御を再開する。
【0254】
このように、第3の実施の形態におけるCPU394は、主に本発明における信号制御手段に相当する。
【0255】
CPU394は、相関処理部393から出力される相関信号(同期が確保されている状態では、復調された送信信号となる)に基づいて、ビット(図示せず)を生成するとともに、当該ビットの到着時間(受信時間)とを関連づける。また、生成したビットを逐次RAM397に蓄えつつ、当該ビットからフレームデータ(図示せず)を構成する。作成されたフレームデータは、順次、測位処理部302に向けて出力される。
【0256】
第3の実施の形態における記録装置であるゲーム機3は、ゲーム画面(リアルタイムに表示される動画像)を表示部14に表示させる。このような装置では、ゲーム機3のCPU30は、各種の制御とともに、表示部14の表示画面の変更も実行する。したがって、CPU30は、表示期間中においてはVRAM(RAM32)の内容を書き換えることができず、所定の期間(Vブランク期間:VRAMのデータが表示部14に反映されていない期間)に書き換える必要があり、CPU30のプログラム85は表示部14への表示と同期して実行させる必要がある。すなわち、CPU30による処理(記録部300、電力供給制御部301および測位処理部302による処理)は、Vブランク周期に同期させる必要がある。
【0257】
一方で、衛星からの電波を受信して、送信信号を復調し、測位処理により位置データ320を求めるまでの一連の処理には、リアルタイムに制御することが必要な処理が含まれているため、CPU30で処理することが困難な処理が含まれる。
【0258】
第3の実施の形態における復調部39は、CPU394を備えることにより、一連の処理のうち、CPU30に不向きな処理(比較的短周期に実行すべき処理)を復調部39で処理する一方で、CPU30に適した処理はCPU30に依存する。
【0259】
このように、CPU30およびCPU394を、GPSにおける一連の処理を効率的に分担できるように構成することにより、ハードウェアを効率よく利用することができ、消費電力を抑制することができるとともに、コストも抑制することができる。
【0260】
以上が、本実施の形態におけるゲーム機3の構成および機能の説明である。次に、ゲーム機3が衛星から送信される電波を受信して当該衛星から送信された送信データを取得する方法について説明する。
【0261】
図20、図21および図22は、第3の実施の形態におけるゲーム機3の動作を示す流れ図である。
【0262】
第3の実施の形態におけるゲーム機3は電源がOFFの状態において、省電力モードで動作している。したがって、ユーザによって電源ボタン(操作部33)が操作され、ゲーム機3の電源がONの状態にされると、CPU30(電力供給制御部301)は、動作モードを省電力モードから通常モードに切り替え、電力供給部18および測位処理部302に対して通常移行信号を伝達する(ステップS91)。
【0263】
ステップS91を実行すると、ゲーム機3は、フレームデータの有無と、データ入力の有無と、電源をOFFの状態に切り替える指示の有無とを監視しながら待機する状態となる(ステップS92,S94,S98)。この状態を、便宜上、「通常モード維持状態」と称する。
【0264】
通常モード維持状態において、復調部39からフレームデータが入力されると、CPU30(測位処理部302)は、ステップS92おいてYesと判定する。そして、測位処理部302は、当該フレームデータに対してパリティチェックを行うとともに、送信データをデコードし、観測データ321を作成してRAM32に記憶させる。これにより、復調部39によって作成されたフレームデータ基づいて新たな観測データ321が取得される(ステップS93)。
【0265】
通常モード維持状態において、ユーザによりデータ入力がされると、CPU30はステップS94においてYesと判定する。なお、ステップS94においてYesと判定するべきデータ入力とは、位置データ320とともにユーザデータ901を構成することになる入力データ324の入力である。
【0266】
ステップS94においてYesと判定すると、CPU30は、操作部33から入力されたデータに応じて入力データ324を作成するとともに、測位処理部302に測位処理(位置データ120を取得する処理)を実行させる。これにより、入力データ324が取得され(ステップS95)、位置データ320が取得される(ステップS96)。
【0267】
入力データ324および位置データ320が取得されると、CPU30(記録部300)は、入力データ324と位置データ320とを関連づけて、ユーザデータ901を作成し、メモリカード90に記録する(ステップS97)。
【0268】
通常モード維持状態において、ユーザにより操作部33が操作され、ゲーム機3の電源をOFFの状態に切り替えるように指示されると、CPU30はステップS98においてYesと判定する。
【0269】
ステップS98においてYesと判定すると、CPU30(電力供給制御部301)は、動作モードを省電力モードに切り替え、電力供給部38および測位処理部302に対して省電力移行信号を伝達する(ステップS101)。なお、ステップS101を実行すると、電力供給制御部301は、復調部39のCPU394が制御データ322をRAM397に格納したことを通知してくるまで待機する(ステップS104)。
【0270】
CPU30から省電力移行信号が入力されると、電力供給部38は、電力の消費抑制を優先する状態となり、必要に応じて各構成に対する電力の供給を停止する。ただし、ステップS101において、電力供給部38は、復調部39に対する電力の供給は停止せずに継続する。
【0271】
一方、ステップS101において省電力移行信号を受け取った測位処理部302は、タイミングデータ323を作成するために必要な観測データ321をRAM32から取得し(ステップS102)、復調部39に対する電力の供給を停止させる期間を求める(ステップS103)。
【0272】
先述のように、衛星を捕捉(追尾)している状態において、CPU394における制御パラメータ(周波数制御パラメータおよびコード制御パラメータ)は、主にドップラー効果によって生じる周波数誤差と、主に相対距離および時計のズレによって生じる位相差とに応じた値である。
【0273】
さらに、周波数誤差および位相差はほぼ常に変化する。しかも全ての送信データを受信するには最大で12分以上も必要となる。したがって、必要な送信データのデコードを継続するためには、CPU394は、衛星を捕捉した後も、制御パラメータを変更しつつ、PLL(FLL)により衛星を追尾しつづける。
【0274】
しかし、ゲーム機3は、省電力モードにおいて復調部39に対する電力の供給を停止するため、電力の供給が停止されている状態では、CPU394は衛星を追尾することはできない。したがって、復調部39への電力供給が再開されたときには、CPU394は衛星の捕捉から処理をやりなおす必要がある。
【0275】
本実施の形態におけるCPU394は電力の供給が停止されている間もRAM397に制御データ322(制御パラメータ)を退避させており、電力の供給が再開されて衛星の捕捉をやりなおす際には、当該RAM397に退避しておいた制御パラメータ(制御データ322)で衛星の捕捉を開始する。
【0276】
この場合、電力の供給が停止される直前に生じていた周波数誤差と、電力の供給が再開されたときの周波数誤差とが近似していれば、電力の供給が停止される直前の周波数制御パラメータと、電力の供給が再開されたときに衛星を捕捉するために必要な周波数制御パラメータ(すなわち適切な周波数制御パラメータ)とは近似する。
【0277】
衛星の捕捉を開始するときのCPU394は制御パラメータを変更しつつ、適切な制御パラメータを決定する。したがって、電力の供給が再開されたときの制御パラメータが適切な周波数制御パラメータに近似しているほど、制御パラメータを変更して検索する回数が減るため、衛星の捕捉を開始してから実際に捕捉するまでに要する時間が短くなる。
【0278】
この原理より、CPU394は、観測データ321に基づいて電力の供給が停止されている間の周波数誤差の経時変化量(すなわち、周波数制御パラメータの適正値の経時変化量に相当する。)を予測して、当該変化量が閾値以内となるように、停止期間を求める。なお、閾値とは、CPU394が衛星を追尾する際に用いるPLL(またはFLL)において、周波数制御パラメータを適切な周波数制御パラメータに収束させることができる周波数誤差の変化量の許容最大値である。
【0279】
周波数誤差は、先述のようにドップラー効果によって生じ、ドップラー効果は衛星と復調部39との相対速度によって生じる。したがって、周波数誤差の経時変化は、衛星と復調部39との間の相対加速度によって生じ、停止期間中の周波数誤差の経時変化量の予測値は、当該相対加速度の時間分布を停止期間中にわたって積分することによって求めることができる。
【0280】
長期的にみれば、周波数誤差が同一となる瞬間(同じ周波数制御パラメータで衛星を捕捉することが可能となる瞬間)は何度も訪れる。したがって、そのような瞬間にのみ電力の供給を再開させると、長期間、電力の供給を停止できるので電力の消費抑制効果が大きく、一見好ましい。しかし、ユーザによる測位指示がそのような瞬間に近いタイミングでのみ行われることは一般に期待できないので、ユーザによる測位指示がどのようなタイミングで行われたとしても、周波数誤差の変化量が閾値以内となるように維持しておくことが好ましい。
【0281】
したがって、本実施の形態における測位処理部302は、周波数誤差の経時変化量の予測値と閾値とが、現時点以後に、初めて等しくなる時間を求め、当該時間に電力の供給を再開するように停止期間を求める。
【0282】
衛星と復調部39との相対加速度は、衛星の速度が既知であるため、衛星の軌道と、衛星の位置と、復調部39の位置と、復調部39の速度とによって求まる。また、復調部39の速度は、復調部39の位置と、当該位置における地球の自転速度と、復調部39の地球に対する相対速度とによって求まる。なお、地球に対する復調部39の相対速度はドップラー効果に対する影響が小さいので無視してもよい。また、復調部39の位置が求まれば、当該位置における地球の自転速度は求めることができる。
【0283】
GPSにおいて、観測データ321に含まれているエフェメリスデータが有効であれば、衛星の軌道と衛星の位置は当該エフェメリスデータから求まる。また、復調部39の位置は観測データ321から測位処理と同様の処理により求まる。さらに、停止期間が比較的短時間であれば、衛星時刻と計時部37の時刻との誤差は一定とみなせる。
【0284】
以上のことから、CPU30(測位処理部302)は、ステップS103において、観測データ321に基づいて、停止期間(タイミングデータ323)を求めることができる。なお、ステップS103によりタイミングデータ323を作成すると、測位処理部302は、その旨を復調部39のCPU394に通知する。この通知により、CPU394は制御パラメータを制御データ322としてRAM397に退避させる。
【0285】
ステップS104によりCPU30が待機している状態において、制御データ322が作成されると、電力供給制御部301は、ステップS104においてYesと判定し、ステップS103において作成されたタイミングデータ323に示される停止期間を計時部37にセットする。これにより、計時部37が停止状態継続時間の計測を開始する(ステップS105)。
【0286】
さらに、電力供給制御部301は、電力供給部38に対して停止信号を伝達する。これにより電力供給部38が復調部39への電力の供給を停止する(ステップS106)。なお、ステップS106が実行されると、電力供給制御部301は、停止時間が経過するまで待機状態となる(ステップS111)。
【0287】
計時部37から起床信号が入力されることにより停止時間が経過したことを検出すると、電力供給制御部301は、電力供給部38に向けて再開信号を出力する。これにより、電力供給部38による復調部39に対する電力の供給が再開される(ステップS112)。
【0288】
電力の供給が再開されると、測位処理部302は復調部39からの同期完了信号を監視することにより、復調部39による衛星の捕捉が完了したか否かを判定しつつ待機する(ステップS113)。
【0289】
衛星の捕捉が完了すると、測位処理部302は、ステップS102,S103と同様に、RAM32から観測データ321を取得して(ステップS114)、停止期間を求める(ステップS115)。これにより、RAM32に新たなタイミングデータ323が作成されるとともに、その旨が復調部39に通知される。
【0290】
なお、ステップS104ないしS106およびステップS111ないしS115が実行されている間、CPU30は、操作部33からの割り込み信号を監視することにより、ユーザによってゲーム機3の電源がONの状態に切り替えられたか否かを監視している(ステップS116)。これによりゲーム機3は、省電力モードにおいてユーザが電源をONの状態に切り替えない間は、ステップS104ないしS106およびステップS111ないしS115の処理を継続する。一方、ユーザが電源をONの状態に切り替える操作を行った場合は、電力供給制御部301はステップS116においてYesと判定し、ステップS91からの処理を繰り返す。
【0291】
以上が、主にゲーム機3の動作の説明である。次に、復調部39の動作について詳細に説明する。
【0292】
図23および図24は、第3の実施の形態における復調部39の動作を示す流れ図である。本実施の形態における復調部39は、電力供給部38からの電力供給が開始されることにより動作を開始し、電力供給部38からの電力供給が途絶えることにより動作を停止する。ただし、復調部39のRAM397に対しては、常に、リフレッシュ用の電力が電力供給部38から供給され、RAM397の内容がバックアップされる。
【0293】
電力供給部38からの電力供給が再開されると、まず、CPU394は、RAM397から制御データ322を読み出し、読み出した制御パラメータをセットし(ステップS121)、当該読み出した制御パラメータによりレプリカ信号生成回路392を制御する。これにより、レプリカ信号生成回路392は、制御データ322に格納されていた制御パラメータに基づいてレプリカ信号を生成する(ステップS122)。
【0294】
すなわち、CPU394は、復調部39への電力の供給が再開されたときに、RAM397に記憶されている制御パラメータ(制御データ322)によって、レプリカ信号生成回路392に対する制御を再開する。
【0295】
これは、復調部19への電力供給を停止させたときに衛星を追尾していたレプリカ信号(以下、「過去レプリカ信号」と称する。)を、RAM397から読み出した制御パラメータによって近似的に再現し、このレプリカ信号(以下、「近似過去レプリカ信号」と称する)によって、今回の衛星の捕捉を開始することに相当する(ただし、本実施の形態では周波数追尾のみ)。
【0296】
なお、電力供給が開始された時点において、制御データ322が格納されていない場合(例えば、工場出荷時等)や、制御データ322に含まれていない制御パラメータ(本実施の形態ではコード制御パラメータ)も存在する。CPU394は、このような制御パラメータについては、ROM396に記憶されている初期値の制御パラメータを、捕捉開始時の制御パラメータとしてセットする。
【0297】
次に、相関処理部393が、相関処理を実行し(ステップS123)、アンテナ390からの入力信号をRFIC391により変換したデジタル信号と、CPU394からの制御パラメータに基づいてレプリカ信号生成回路392により生成されるレプリカ信号とに応じた相関信号を生成する。
【0298】
より詳細には、相関処理部393は、RFIC391により変換したデジタル信号を、ステップS122において生成されるキャリアレプリカ信号によりダウンコンバートしつつ、ダウンコンバートされたデジタル信号とステップS122において生成されるコードレプリカ信号との相関処理を行う。
【0299】
さらに、CPU394は、相関処理部393から出力される相関信号に応じて、両信号の同期が得られているか否かを判定する(ステップS124)。そして、位相が一致していない場合は(ステップS125においてNo)コード制御パラメータを変更し(ステップS126)、周波数が一致していない場合は(ステップS127においてNo)周波数制御パラメータを変更する(ステップS128)。
【0300】
なお、ステップS122ないしS128の処理は従来の技術である衛星捕捉技術を、適宜、適用することにより実現できる。
【0301】
衛星の捕捉が完了すると(ステップS124においてYes)、CPU394は衛星追尾を開始する(ステップS131)。ステップS131における衛星追尾は、従来の技術により実現できるが、簡単に説明すれば、レプリカ信号生成回路392、相関処理部393およびCPU394がステップS122ないしS128と同様の処理を繰り返しながら、同期を維持することにより実現できる。
【0302】
なお、本実施の形態では、ステップS131により開始された衛星追尾は、復調部39への電力の供給が停止されるまで継続される。また、衛星追尾が実行されている間において、相関処理部393から出力される相関信号には、衛星から送信された送信信号が復調された信号(復調信号)が含まれる(主にIP信号)。
【0303】
衛星の捕捉が完了し、衛星追尾が開始されると、CPU394は、CPU30(測位処理部302)に対して捕捉完了信号を出力する(ステップS132)。これにより、CPU30は、衛星の捕捉が完了したことを把握できる。
【0304】
次に、CPU394は、相関処理部393から出力される相関信号(復調された送信信号)に基づいてbitを生成し、生成したbitからフレームデータを作成する(ステップS133)。さらに、CPU394は作成したフレームデータをRAM397に記憶させ、順次、CPU30に向けて出力する。なお、CPU394は、復調された送信信号からbitを生成する際に、当該bitと当該bitの到着時間(受信時間)との関連づけを行う。
【0305】
CPU394は、タイミングデータ321を作成したことを通知する信号を監視し(ステップS134)、測位処理部302から当該信号が入力されるまで、ステップS133を繰り返すことによりフレームデータを取得する。
【0306】
測位処理部302からタイミングデータ323を作成したことを通知する信号を検出すると、CPU394はステップS134においてYesと判定し、その時点における制御パラメータを制御データ322としてRAM397に記憶させ(ステップS135)、制御データ322の退避が完了したことを電力供給制御部301に通知する(ステップS136)。
【0307】
制御データ322の退避が完了すると、電力供給制御部301により停止信号が電力供給部38に伝達され、復調部39への電力の供給が停止される。これにより、復調部39は動作を停止する。
【0308】
以上のように、第3の実施の形態におけるゲーム機3によっても、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0309】
また、第3の実施の形態における復調部39は、外部のCPU30に接続され、全地球測位システムにおける衛星から送信される電波を受信して当該衛星から送信される送信信号を復調する復調装置として構成されており、全地球測位システムにおける衛星から送信される電波を受信するアンテナ390と、アンテナ390からの入力信号をデジタル信号に変換するRFIC391と、レプリカ信号を生成するレプリカ信号生成回路392と、RFIC391により変換されたデジタル信号とレプリカ信号生成回路392により生成されたレプリカ信号とに応じた相関信号を得る相関処理部393と、相関処理部393から出力される相関信号に応じて、制御パラメータによりレプリカ信号生成回路392を制御するとともに、相関処理部393から出力される当該衛星から送信される送信信号の復調信号に基づいて、フレームデータを作成するCPU394とを備え、CPU394は、作成したフレームデータを外部のCPU30に向けて出力することにより、位置を特定するための位置データ320を外部のCPU30に求めさせることができるため、電力消費が抑制できるとともに、コストが抑制できる。
【0310】
<4. 変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
【0311】
例えば、本発明における記録装置はデジタルカメラやゲーム機に限定されるものではなく、録音装置であってもよい。例えば、屋外における野鳥の観察において野鳥の鳴き声を記録する録音装置や、釣り場において釣果や環境情報(気温、水温、潮流、風速等)を記録する記録装置等にも応用することができる。また、これらの機能が複合した装置であってもよい。
【0312】
また、記録装置は基準局との間でデータ通信する機能を有しない装置として説明したが、もちろん、そのような機能を有する装置(例えば、携帯電話等)に適用することもできる。その場合、基準局との間の通信状態にかかわらず、衛星捕捉に要する時間を短縮できるので、消費電力を抑制することができる。
【0313】
また、上記実施の形態に示した各機能ブロックはプログラムにより実現されると説明したが、これらの機能ブロックの一部または全部が専用の論理回路(ハードウェア)によって実現されてもよい。
【0314】
また、上記実施の形態に示した各工程は、あくまでも例示であり、このような内容および順序に限定されるものではない。すなわち、同様の効果が得られるならば、内容および順序が適宜変更されてもよい。
【符号の説明】
【0315】
1,2 デジタルカメラ(記録装置)
10,30,394 CPU
100,300 記録部
101,102,301 電力供給制御部
103 ナビゲーション部
12,32,397 RAM
120,320 位置データ
121,321 観測データ
122,322 制御データ
123,323 タイミングデータ
124 画像データ
324 入力データ
16 撮像部
17,37 計時部
18,38 電力供給部
19,20,39 復調部
190 アンテナ
191 RFIC(信号変換手段)
192 レプリカ信号生成回路
193 相関処理部
194 レシーバプロセッサ(信号制御手段)
195 ナビゲーションプロセッサ
3 ゲーム機(記録装置)
80,81,82,83,84,85,86 プログラム
90 メモリカード
900 撮像データ
901 ユーザデータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録データを記録する記録装置であって、
全地球測位システムにおける衛星から送信される電波を受信するアンテナと、
前記アンテナからの入力信号をデジタル信号に変換する信号変換手段と、
レプリカ信号を生成するレプリカ信号生成手段と、
前記信号変換手段により変換されたデジタル信号と前記レプリカ信号生成手段により生成されたレプリカ信号とに応じた相関信号を得る相関手段と、
前記相関手段から出力される相関信号に応じて、制御パラメータにより前記レプリカ信号生成手段を制御する信号制御手段と、
前記相関手段から出力される相関信号に基づいて、前記衛星から送信された送信データを取得するデータ取得手段と、
前記信号変換手段、前記レプリカ信号生成手段および前記信号制御手段への電力を供給する電力供給手段と、
前記電力供給手段を制御して前記電力供給手段による電力の供給状態を制御する電力供給制御手段と、
前記電力供給手段による、前記信号変換手段、前記レプリカ信号生成手段および前記信号制御手段のうちの少なくとも1つへの電力の供給が停止されるときの前記信号制御手段における制御パラメータを記憶する記憶手段と、
を備え、
前記信号制御手段は、前記信号変換手段、前記レプリカ信号生成手段および前記信号制御手段への前記電力供給手段による電力の供給が再開されたときに、前記記憶手段に記憶されている制御パラメータを読み出して、前記レプリカ信号生成手段に対する制御を再開することを特徴とする記録装置。
【請求項2】
請求項1に記載の記録装置であって、
前記データ取得手段により取得された送信データに基づいて、前記電力供給手段による電力の供給を停止させる期間を求める演算手段と、
前記電力供給手段による電力の供給が停止されてからの停止状態継続時間を計測する計時手段と、
をさらに備え、
前記電力供給制御手段は、前記演算手段により求められた期間と前記計時手段により計測される停止状態継続時間とに応じて、前記電力供給手段による電力の供給を再開させることを特徴とする記録装置。
【請求項3】
請求項2に記載の記録装置であって、
前記演算手段は、前記電力供給手段による前記信号変換手段、前記レプリカ信号生成手段および前記信号制御手段のうちの少なくとも1つへの電力供給が停止されている間の前記制御パラメータの適正値の経時変化量を予測して、前記期間を求めることを特徴とする記録装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載の記録装置であって、
前記制御パラメータは、搬送波の周波数誤差に対応した制御パラメータを含み、
前記演算手段は、前記衛星との相対加速度に応じて、前記期間を求めることを特徴とする記録装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の記録装置であって、
被写体を撮像することにより、前記被写体を表現した画像データを取得する撮像手段をさらに備え、
前記画像データを前記記録データとすることを特徴とする記録装置。
【請求項6】
全地球測位システムにおける衛星から送信される電波を受信して前記衛星から送信される送信信号を復調する復調装置であって、
前記電波を受信するアンテナと、
前記アンテナからの入力信号をデジタル信号に変換する信号変換手段と、
レプリカ信号を生成するレプリカ信号生成手段と、
前記信号変換手段により変換されたデジタル信号と前記レプリカ信号生成手段により生成されたレプリカ信号とに応じた相関信号を得る相関手段と、
前記相関手段から出力される相関信号に応じて、制御パラメータにより前記レプリカ信号生成手段を制御する信号制御手段と、
前記信号変換手段、前記レプリカ信号生成手段および前記信号制御手段のうちの少なくとも1つへの電力の供給が停止されるときの前記信号制御手段における制御パラメータを記憶する記憶手段と、
を備え、
前記信号制御手段は、前記信号変換手段、前記レプリカ信号生成手段および前記信号制御手段への電力の供給が再開されたときに、前記記憶手段に記憶されている制御パラメータを読み出して、前記レプリカ信号生成手段に対する制御を再開することを特徴とする復調装置。
【請求項7】
外部の制御装置に接続され、全地球測位システムにおける衛星から送信される電波を受信して前記衛星から送信される送信信号を復調する復調装置であって、
全地球測位システムにおける衛星から送信される電波を受信するアンテナと、
前記アンテナからの入力信号をデジタル信号に変換する信号変換手段と、
レプリカ信号を生成するレプリカ信号生成手段と、
前記信号変換手段により変換されたデジタル信号と前記レプリカ信号生成手段により生成されたレプリカ信号とに応じた相関信号を得る相関手段と、
前記相関手段から出力される相関信号に応じて、制御パラメータにより前記レプリカ信号生成手段を制御する信号制御手段と、
を備え、
前記相関手段から出力される相関信号を前記衛星から送信される送信信号の復調信号として前記外部の制御装置に向けて出力することを特徴とする復調装置。
【請求項8】
外部の制御装置に接続され、全地球測位システムにおける衛星から送信される電波を受信して前記衛星から送信される送信信号を復調する復調装置であって、
全地球測位システムにおける衛星から送信される電波を受信するアンテナと、
前記アンテナからの入力信号をデジタル信号に変換する信号変換手段と、
レプリカ信号を生成するレプリカ信号生成手段と、
前記信号変換手段により変換されたデジタル信号と前記レプリカ信号生成手段により生成されたレプリカ信号とに応じた相関信号を得る相関手段と、
前記相関手段から出力される相関信号に応じて、制御パラメータにより前記レプリカ信号生成手段を制御する信号制御手段と、
前記相関手段から出力される前記衛星から送信される送信信号の復調信号に基づいて、フレームデータを作成するデータ生成手段と、
を備え、
前記データ生成手段は、作成したフレームデータを前記外部の制御装置に向けて出力することを特徴とする復調装置。
【請求項9】
全地球測位システムにおける衛星から送信される電波をアンテナで受信して前記衛星から送信された送信データを取得する受信方法であって、
前記アンテナからの入力信号を信号変換手段により変換したデジタル信号と信号制御手段からの制御パラメータに基づいてレプリカ信号生成手段により生成されるレプリカ信号とに応じた相関信号を生成しつつ、生成した前記相関信号に応じて前記信号制御手段における制御パラメータを変更することにより、前記デジタル信号と前記レプリカ信号との同期を維持して、前記衛星から送信された送信信号を復調する工程と、
復調された前記送信信号に基づいて送信データを取得する工程と、
取得された送信データに基づいて、電力の供給を停止する期間を求める工程と、
前記信号変換手段、前記レプリカ信号生成手段および前記信号制御手段のうちの少なくとも1つへの電力の供給が停止されるときの前記信号制御手段における制御パラメータを記憶手段に記憶する工程と、
前記信号変換手段、前記レプリカ信号生成手段および前記信号制御手段のうちの少なくとも1つへの電力の供給を停止させる工程と、
前記信号変換手段、前記レプリカ信号生成手段および前記信号制御手段のうちの少なくとも1つへの電力の供給が停止されてからの停止状態継続時間を計測する工程と、
前記期間と前記停止状態継続時間とに応じて、前記信号変換手段、前記レプリカ信号生成手段および前記信号制御手段への電力の供給を再開させる工程と、
前記信号変換手段、前記レプリカ信号生成手段および前記信号制御手段への電力の供給が再開されたときに、前記記憶手段に記憶されている前記制御パラメータを読み出して、読み出した前記制御パラメータにより前記信号制御手段による前記レプリカ信号生成手段に対する制御を再開させる工程と、
を有することを特徴とする受信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2012−21774(P2012−21774A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−157416(P2010−157416)
【出願日】平成22年7月12日(2010.7.12)
【出願人】(591128453)株式会社メガチップス (322)
【Fターム(参考)】