観賞魚を上面から鮮明に見ることを目的とした水槽

【課題】上面から観賞魚を鮮明に見ることのできる観賞魚用水槽を提供する。
【解決手段】水面に平滑な天板１を密着させて、水面が波立つなどによる光の乱反射を抑えることにより鑑賞層８の上面から鮮明に観賞魚を鑑賞することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
この発明は、観賞魚の水槽に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、熱帯魚・海水魚・金魚などの観賞魚は側面から見るための水槽が多数を占めた。また、従来の上面から見るための水槽（実用新案公開平５−９１３１８など）は水面と天板部に間隙があり、水面が波立つなどの乱反射により鮮明に鑑賞することができなかった。
また、特許出願平４−４７５２８の水槽は天板テーブルが凸状のため、製造コストが高くなるなど実用化の問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
上面から鮮明に鑑賞するためには水面を波立たせず、また、水面と天板部の間隙を無くす必要がある。また、水面が無いため別途給餌機構が必要である。
【課題を解決するための手段】
【０００４】
水面と天板部の間隙を無くすため、外周よりも適宜低い一辺からオーバーフローした水が濾過槽へと流れ落ちるようにする。そうすると、表面張力により水面と天板は密着した状態となる。まれに空気溜りができることがあるが、揚水ポンプからの水流や４脚の高さ調節等により水平調節し、空気を排出することが出来る。
給餌方法については、餌を揚水ポンプから吸い込むようにすると生体層に餌が行き渡る。
天板を外す際は揚水装置を止め、生体層から濾過槽に水が流れて水位が下がってから天板を外せばよい。
外周と天板の接線はゴムまたはウレタン製等のパッキンを設けることで水は漏れない。
【発明の効果】
【０００５】
水面と天板部の間隙を無くすことにより、水槽内の観賞魚を鮮明に鑑賞できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００６】
本発明の最良の形態の一つとして、（以下図１参照）水面と▲１▼天板部の間隙をなくす方法を説明する。▲５▼揚水装置により、水は▲２▼揚水管を通り▲８▼鑑賞槽に送水（Ａ）される。
▲８▼鑑賞槽が水で満たされると、送水（Ｄ）を経由し▲７▼濾過槽に回帰する。
▲８▼鑑賞槽が水が満たされた状態においては、水面と▲１▼天板は表面張力により密着される。
▲６▼流量調節弁は送水（Ｃ）の流量を調節し、送水（Ｄ）よりも低い位置に設置することを特徴とする。
前期▲６▼流量調節弁の利用方法は溶存酸素の少ない状態を好む嫌気バクテリアのために流量を減らすことにある。嫌気バクテリアは硝酸を窒素に分解するため、良い水質の長期維持に有効である。
また、▲６▼流量調節弁により鑑賞槽の水位を瞬時に下げることができるが、メンテナンスのために天板部を開放する前に緩めるとメンテナンス作業を迅速に行える。
【０００７】
「他の実施形態」
底面部を通過して嫌気濾過槽への送水はコックや一定流量弁にて流量を調節されるが、送水モーターによる調節や開口面積をにより流量を一定にてもよい。また水位差により流量を調節することもできる。本発明は天板部を開放しないことから、テーブルとしてだけでなく床下に格納することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【０００８】
【図１】この発明の一実施形態を示す水槽の側面図である。
【図２】この発明の水面と天板が密着部における表面張力現象の拡大図である。
【図３】この発明の別形態の側面図である。
【符号の説明】
【０００９】
▲１▼天板
▲２▼揚水管
▲３▼好気濾過
▲４▼嫌気濾過
▲５▼揚水装置
▲６▼流量調節弁
▲７▼濾過槽
▲８▼鑑賞槽
▲９▼表面張力
矢印Ａ、揚水装置により送水
矢印Ｂ、底面の好気濾過、嫌気濾過を通過
矢印Ｃ、調節弁により水を適宜排出
矢印Ｄ、水槽内のオーバーフローした分を排出

【特許請求の範囲】
【請求項１】
水面と天板の間隙を無くし、上面から観賞魚を鮮明に見ることを目的とした水槽
【請求項２】
前記水槽の水面と天板の間隙を無くすため、揚水装置による水流と水平調節機構により、空気を排出する機能を設けた水槽
【請求項３】
前記水槽の生体に餌を供給するために揚水装置を利用する機能を設けた水槽
【請求項４】
前記水槽の濾過槽を好気濾過と嫌気濾過を効率的に区分した水槽
【請求項５】
前記水槽の鑑賞槽から濾過槽への排出口を２段にすることにより好気濾過と嫌気濾過を効率的に区分した水槽

【図１】