説明

解凍器

【課題】水を利用した熱伝導体にフィンを採用する構造の解凍器において、フィンの構造が温水或は熱水による伝導率を高めるようにしたフィン構造を有する解凍器を提供する。
【解決手段】解凍器は、被解凍物を載置するプレート状に形成した解凍プレートと、前記解凍プレートを載せ、下部側を水に浸して熱を伝導させるフィンを備えた解凍伝熱体と、前記解凍伝熱体を収容し、該収容した前記解凍伝熱体の下部側を水に浸してなる伝熱体収容器と、を備え、前記解凍伝熱体は、アルミニウム材料で直方体形状に形成し、上部基板から垂設した複数のフィンを設け、該フィンの下端部の各々を連結した下部基板を形成し、前記上部基板に面接触させて前記解凍プレートを載置することである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、解凍器に関し、詳しくは、フィンを用いた自然解凍する装置において、温水或は熱水等の水溶液を利用して解凍する構造の解凍器で、温水或は熱水等の水溶液の熱エネルギーの熱伝導を最大限に発揮できる解凍フィンを用いた解凍器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術における、解凍器として、図4に示すように、1は熱伝導性に優れた例えばアルミニウムなどの金属製材料からなる解凍プレートであり、この解凍プレート1は平面矩形状に形成され、その表面側に平滑な載置面2を有し、裏面には多数のフィン3が所定間隔を置いて平行に垂設されている。また、載置面2には解凍プレート1の外端縁部で開口する複数の溝4が平行に刻設され、また、解凍プレート1の裏面両側縁には湾曲状に突出する握り部6が形成されている。
【0003】
解凍プレート1を収容する容器は、合成樹脂などからなる有底箱型に形成され、この容器8の開口部周縁に段部9を介してフランジ部10を外側に向って突き出し形成し、底部8Aの内面四隅には平面ほぼ矩形状の突設部11が形成され、この突設部11の中心部を略球状に陥没させて底部8Aの下方に突出する脚部12を形成している。そして、容器8内に水Wを収容した状態で突設部11の上に解凍プレート1を載せると、フィン3の下端部と底部8Aとの間に突設部11の高さに相当する隙間Xが形成され、この隙間Xによって各フィン3で水Wが仕切られることなく各フィン3の間が相互に連通状態となるため、水Wが隙間Xを通って良好に対流する。
【0004】
容器8の開口部を覆うカバー13は、透明な合成樹脂などによって下面を開口するドーム上に形成されており、このカバー13の下端寄りには容器8のフランジ部10と対応するフランジ部14が形成されると共に、カバー13の上面には環状の凹部15が形成され、その凹部15で囲まれた部分に取手16を形成している。そして、凹部15の立入り壁15Aとカバー13の左右両側部に多数の通気孔17を形成し、カバー13の下端周縁部を容器8の段部9に嵌め入れて容器8を密閉した状態で通気孔17によって容器8の内外を連通する。
【特許文献1】実開平6−55381号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術で説明した解凍器においては、特に解凍プレート2の下部側に設けたフィン3の構造が下方向に突出させた構造で、このフィン3に水等を浸すことでフィン3を介した熱がプレートの上部まで伝達し、プレート上に載置した被解凍物Aを解凍させるのであるが、フィン3の構造が櫛歯状に形成され、且つ水に浸す部位が充分に浸されていない構造であるために水からの熱の伝達が充分でないという問題がある。
【0006】
従って、水を利用した熱伝導体にフィンを採用する構造の解凍器において、フィンの構造が温水或は熱水による伝導率を高めるようにしたフィン構造に解決しなければならない課題を有する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本願発明の解凍器は、次に示す構成にしたことである。
【0008】
(1)解凍器は、被解凍物を載置するプレート状に形成した解凍プレートと、前記解凍プレートを載せ、下部側を水に浸して熱を伝導させるフィンを備えた解凍伝熱体と、前記解凍伝熱体を収容し、該収容した前記解凍伝熱体の下部側を水に浸してなる伝熱体収容器と、を備え、前記解凍伝熱体は、アルミニウム材料で直方体形状に形成し、上部基板から垂設した複数のフィンを設け、該フィンの下端部の各々を連結した下部基板を形成し、前記上部基板に面接触させて前記解凍プレートを載置することである。
【発明の効果】
【0009】
本発明においては、フィンの構造をフィンの下端部を連結させ、この連結させた下部基板を支持部とし、且つフィンの間に水を流通させる構造としたことにより、支持部を介してフィンまでが水からの熱を伝導させて上部基板にまで均衡に達することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次に、本願発明に係る解凍器の実施例について図面を参照して説明する。
【0011】
本願発明の解凍器は、図1乃至図3に示すように、複数のフィン23を垂設させフィン23の下端部を結合させた面状部材である下部基板24を設けた解凍伝熱体21と、解凍伝熱体21の上部に載置され、底面が解凍伝熱体21の頂面に面接触し、上部が被解凍物Aを載置できるように陥没した陥没面32を形成する解凍プレート31と、解凍伝熱体21を収容する大きさに形成され、収容した解凍伝熱体21のフィン23の間に水Wを注ぎ込む構造の伝熱体収容器36とから構成されている。
【0012】
解凍伝熱体21は、熱伝導が良好なアルミニュム部材で作成され、直方体形状に形成され、上部基板22の下部鉛直方向に複数のフィン23を平行に所定間隔を持って垂設し、垂設したフィン23の下端部を直結して下部基板24を形成する。
【0013】
解凍プレート31は、長方形状のプレートで、上部が被解凍物Aを載置できるように陥没して形成された陥没面32を形成し、反対側の底面はやはり陥没させ、解凍伝熱体21の頂面である上部基板22に面接触する広さを有する接触面33を備えた構成になっている。
【0014】
伝熱体収容器36は、解凍伝熱体21を収容できる大きさに形成した容器であり、容器に解凍伝熱体21を収容した中に温水或は熱水からなる水Wを注ぎ込む。この注ぎ込む水Wの量はフィン23が半分程度浸るぐらいである。
【0015】
このような構成からなる解凍器において、先ず、伝熱体収容器36に解凍伝熱体21を収納する。収納した解凍伝熱体21の上部に解凍プレート31を載置する。このようにして組み立てられた解凍器に対して、温水或は熱水を容器36の中に注ぎこむ。その注ぎ込む水の量は解凍伝熱体21のフィン23が半分ぐらい浸る量注ぎ込む。フィン23の半分ぐらい浸る量の水Wを注ぎ込むことで、下部基板24を介してフィン23に熱が伝達し、その熱はフィン23の基部にあたる上部基板22に達し、上部基板22全体を解凍できる温度に暖めることができる。この暖められた上部基板22の熱は載置している解凍プレート31に伝達し、陥没面32全体を暖めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0016】
水を利用した熱伝導体にフィンを採用する構造の解凍器において、フィンの構造が温水或は熱水による伝導率を高めるようにしたフィン構造を有する解凍器を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】 本願発明の解凍器の全体構成を示した斜視図である。
【図2】 同、平面図である。
【図3】 同、側面図である。
【図4】 従来技術における解凍器を示した説明図である。
【符号の説明】
【0018】
21 解凍伝熱体
22 上部基板
23 フィン
24 下部基板
31 解凍プレート
32 陥没面
33 接触面
36 伝熱体収容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被解凍物を載置するプレート状に形成した解凍プレートと、
前記解凍プレートを載せ、下部側を水に浸して熱を伝導させるフィンを備えた解凍伝熱体と、
前記解凍伝熱体を収容し、該収容した前記解凍伝熱体の下部側を水に浸してなる伝熱体収容器と、を備え、
前記解凍伝熱体は、アルミニウム材料で直方体形状に形成し、上部基板から垂設した複数のフィンを設け、該フィンの下端部の各々を連結した下部基板を形成し、前記上部基板に面接触させて前記解凍プレートを載置することを特徴とする解凍器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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