説明

解砕分級装置

【課題】鋳物砂のような凝集物を効率よく解砕できると共に鋳物砂に含まれる金属片などを効率よく分離できる解砕分級装置を得る。
【解決手段】振動篩3のスクリーン5上に配置されてスクリーン5上を移動する被解砕物を解砕する解砕手段7を有し、解砕手段7は、被解砕物を解砕する円柱状の解砕ロッド9と、解砕ロッド9を収容するロッド収容枠11とを備えてなり、被解砕物がスクリーン5上を移動してロッド収容枠11内に導入され、解砕ロッド9によって解砕されるように構成したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば鋳造に使用した後の鋳物砂などのように砂粒子がアルミ片などを含んで凝集した塊状物を解砕して分級する解砕分級装置に関する。
もっとも、解砕、分級の対象となる塊状物は鋳物砂の塊状物に限られず、酸化物と金属、プラスチックと金属、プラスチックと酸化物と金属などの複数の異なる材質のものが付着あるいは固着したようなもの、例えば鉄鋼製錬工程などで発生する鉄系金属を巻き込んだ酸化物系スラグや、使用後の各種電気製品内に設置されていた基板部品を破砕したもの、あるいは廃自動車のシュレッダーダストなども対象としている。
【背景技術】
【0002】
最近の環境問題への意識が高まるなかで、一度使用されたり、あるいは廃棄処分されたりした各種の製品(以下、「廃棄製品」という)を、これを構成する素材レベル(プラスチック、金属、砂等)でのリサイクル利用の要求が高まり、これを受けてリサイクル利用技術が進展している。
このようなリサイクル利用技術の一環として、廃棄製品を、これを構成する各種の素材に効率よく分離、分級等する技術があるが、このような複合部材を解砕して分離、分級する技術レベルは必ずしも高いとは言えず、その技術革新が望まれている。
【0003】
ところで、分離、分級を行なってリサイクル利用している廃棄製品として、自動車のエンジンの鋳造ラインにおいて使用した鋳型をばらした鋳物砂が挙げられる。そこで、使用後の鋳物砂の再生技術の現状について以下説明する。
自動車のエンジンの鋳造ラインにおいて使用される鋳型は、レジンなどの凝集剤で鋳物砂を所定の形状に凝集させて形成されている。このような鋳型は注湯後、ばらして鋳物砂の再生に使用される。
鋳物砂の再生は、例えば次のように行なわれる。回収した鋳物砂を破砕して15mmアンダー程度に篩い分けをし、これを焼成炉において焼成し、冷却後不純物を取り除き、さらに篩い分けして再生砂として出荷する。
【0004】
焼成炉における効率を向上させるためには、焼成炉に投入する鋳物砂の粒径を15mmアンダーよりもさらに細粒径化する必要があり、このような技術の開発が望まれている。
【0005】
ところで、凝集物を解砕する技術として、鋳物砂の再生技術ではないが、砕砂の製造設備において、振動篩に設けた解砕ボックスにより、竪型ミルで生じた凝集物を解砕するようにした砕砂の製造装置が提案されている。
この装置の解砕ボックスは、スクリーンの上方に設けられ、側壁で囲まれた筒体の頂部に供給口を有する天板を有し、底部にはグレーチングを設けたものであり、その内部には複数の解砕用砕石が収容されている。
そして、振動篩1の解砕ボックスに投入された凝集物は、振動篩の振動により、解砕ボックス内で上下のバウンドを繰り返し、解砕用砕石との衝突を繰り返す。これによって、凝集物は凝集状態が解消されて微粉や細かな砕砂となりグレーチングの隙間を通過する(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11-114441号公報([0022]〜[0023]、図1、図2参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、焼成炉における効率を向上させるためには、焼成炉に投入する鋳物砂の粒径を15mmアンダーよりもさらに細粒径化する必要がある。
このために、特許文献1に示されたような解砕ボックスを使用することが考えられるが、特許文献1に示された解砕ボックスでは以下のような問題がある。
【0007】
特許文献に示された解砕用砕石は、20mm〜80mm程度の任意形状の砕石であり、これらがフリーな状態で解砕ボックス内に収容されている。
したがって、このような解砕用砕石を収容した解砕ボックス内に回収した鋳物砂を投入したとしても、ある程度小さく解砕された鋳物砂は所望の大きさにまで解砕されることなく解砕用砕石の間をすり抜けてしまい、効率よく確実に解砕することは難しい。
また、特許文献1に示された解砕ボックスでは鋳物砂に含まれるアルミなどの金属片を分離することもできない。
【0008】
被解砕物を確実に解砕して分級することに関する要求は、鋳物砂の再生に限られたものではなく、前述したような酸化物系スラグや、使用後の各種電気製品内に設置されていた基板部品を破砕したもの、あるいは廃自動車のシュレッダーダストなどのリサイクル利用においても要求されるものである。
【0009】
本発明は係る課題を解決するためになされたものであり、例えば鋳物砂のような凝集物を効率よく解砕できると共に鋳物砂に含まれる金属片などを効率よく分離できる解砕分級装置を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)本発明に係る解砕分級装置は、振動篩のスクリーン上に配置されてスクリーン上を移動する被解砕物を解砕する解砕手段を有し、該解砕手段は、前記被解砕物を解砕する円柱状の解砕ロッドと、該解砕ロッドを収容するロッド収容枠とを備えてなり、前記被解砕物がスクリーン上を移動して前記ロッド収容枠内に導入され、前記解砕ロッドによって解砕されるように構成したことを特徴とするものである。
【0011】
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、ロッド収容枠は、騒音を緩和する吸音性の部材で形成されていることを特徴とするものである。
【0012】
(3)また、上記(1)または(2)に記載のものにおいて、解砕ロッドは、スクリーンの進行方向に複数収容されていることを特徴とするものである。
スクリーン進行方向とは、スクリーンの振動によってスクリーン上を被解砕物が移動する方向をいう。
解砕ロッドをスクリーンの進行方向に複数収容することにより、解砕ロッドが単数の場合よりも被解砕物のすり抜けを確実に防止でき、解砕を確実に行なうことができる。
【0013】
(4)また、上記(1)〜(3)の何れかに記載のものにおいて、解砕ロッドは、スクリーンの幅方向に複数設けられると共に、スクリーンの進行方向に複数に設けられ、かつ該進行方向に設けられた複数の解砕ロッドは相互にスクリーン幅方向にずれて配置されていることを特徴とするものである。
進行方向に設けられた複数の解砕ロッドを相互にスクリーン幅方向にずれて配置することにより、スクリーン幅方向に配置された複数の解砕ロッドの隙間からのすり抜けた被解砕物を確実に解砕できる。
【0014】
(5)また、上記(1)〜(4)の何れかに記載のものにおいて、解砕手段における被解砕物の出口側にロッド収容枠の底部から上方に立ち上がる壁部を備えたことを特徴とするものである。
壁部を設けることにより、被解砕物を解砕手段側に滞留させることができ、被解砕物の解砕を確実に行なうことができる。
【0015】
(6)また、上記(1)〜(5)の何れかに記載のものにおいて、解砕手段をスクリーンの進行方向に複数設けたことを特徴とするものである。
解砕手段をスクリーン進行方向に複数設けることで、被解砕物のすり抜けを防止して確実な解砕ができる。
【0016】
(7)また、上記(1)〜(6)の何れかに記載のものにおいて、解砕手段は、振動篩に着脱可能に取り付けられていることを特徴とするものである。
解砕手段を振動篩に着脱可能に取り付ける一つの形態として、例えばロッド収容枠に支持バーを取り付け、該支持バーを振動篩のスクリーン両側壁にボルトによって着脱可能に取り付ける。
【発明の効果】
【0017】
本発明においては、被解砕物が振動篩のスクリーン上を移動してロッド収容枠内に導入され、ロッド収容枠内の解砕ロッドによって解砕されるように構成したので、被解砕物のすり抜けを防止して確実に解砕される。また、被解砕物を押し潰し、または打撃によって解砕する手段として円柱状の解砕ロッドを用いているので、被解砕物に対して線接触となり球体などを用いた場合に比較して接触面積が大きいので、解砕を確実に行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は本発明の一実施の形態に係る解砕分級装置の斜視図、図2は図1における図中の矢印Aで示した方向から見た拡大図である。また、図3〜図5は図1、図2に示した解砕分級装置の構成の一部の説明図、図6は解砕分級装置の幅方向断面図である。
以下、図1〜図6に基づいて本実施の形態に係る解砕分級装置について説明する。
【0019】
本実施の形態に係る解砕分級装置1は、振動篩3のスクリーン5上に配置されてスクリーン5上を移動する被解砕物を解砕する解砕手段7を有し、解砕手段7は、被解砕物を解砕する円筒状の解砕ロッド9と、該解砕ロッド9を収容するロッド収容枠11とを備えてなり、被解砕物がスクリーン5上を移動してロッド収容枠11内に導入され、前記解砕ロッド9によって解砕されるように構成したものである。なお、本実施の形態の解砕分級装置1においては、解砕手段7がスクリーン5における上流側と下流側の2箇所に設置されている。
以下、解砕分級装置1の構造をさらに詳細に説明する。
【0020】
<振動篩>
振動篩3は、矩形状の有底枠体からなる本体部13に篩面となるスクリーン5が設けられると共に、スクリーン5を振動させる加振機構(図示なし)を備えて構成される(図6参照)。
【0021】
<解砕手段>
解砕手段7は、図1〜図3、図6に示されるように、ロッド収容枠11の上部に取り付けた溝形鋼からなる支持バー15を、振動篩3の両側枠部17に支持バー固定ボルト18によって着脱可能に取り付けることによって取り付けられている。解砕手段7は支持バー15を両側枠部17に固定した状態でロッド収容枠11がスクリーン5に押し付けられる状態で設置されている。
なお、解砕手段7を支持バー固定ボルト18によって着脱可能に取り付ける構造にしたことにより、解砕手段7を汎用的な振動篩にも取り付けることができる。
【0022】
ロッド収容枠11は、図3に示すように同じ構造のロッド収容枠11をスクリーン5の幅方向に3個を一列にして組み合わせた構造である。なお、図3ではロッド収容枠11における後述の外枠本体23のみを示しており、ロッド収容枠11の内部構造は図4に示してある。
各ロッド収容枠11は、図4に示すように、スクリーン5の進行方向の上流側に入口側開口部19が形成されると共に下流側に出口側開口部21が形成され、さらに上部が開口した箱状の外枠本体23と、該外枠本体23の上部開口を覆うように設置される外枠蓋体25と、外枠本体23内に収容される内枠27とを備えている。
【0023】
外枠本体23の両側上部には支持バー15を取り付けるための支持バー取付片29が設けられている。
外枠蓋体25には、解砕ロッド9が配置される位置に対応した部位に開口部31が設けられている。また、外枠蓋体25には、収容される解砕ロッド9が開口部31から飛び出すのを防止するためのロッド飛出し防止片33が、外枠蓋体25の開口部31の上方を覆うように設けられている。
外枠蓋体25は、図4に示すように、四隅を外枠本体23の四隅にボルト35によって固定される。
【0024】
内枠27は、図5に示すように、ゴム製の内枠本体37と、内枠本体37の底部を形成する内枠底部39とから構成されている。内枠本体37は、所定の厚みを有し、解砕ロッド9を収容すると共に解砕ロッド9の動きを所定の範囲に規制するための矩形状の空間部41を有する上部枠43と、該上部枠43の両側縁下部に設けられた直方体状の側部枠45から構成される。このように構成された内枠本体37は、図4に示すように、上方から見たときには、スクリーン5の進行方向前後に2個の開口を有し、図中矢印B方向から見たときには門型の形状になっている。内枠本体37が門型をしていることから、スクリーン5の進行方向で内枠本体37の内部は前後が連通する空間となっており、この空間は被解砕物が通過する通路となる。
【0025】
内枠本体37は、ゴム製の材質からなり吸音効果を有する。内枠本体37の製造方法の一例を示すと、例えばゴム製の古ベルトを8字形状に加工し、これを複数枚重ねて上部枠43を形成する。同様に、ゴム製の古ベルトを長方形に切り、これを複数枚重ねて側部枠45を2個形成し、これら2個の側部枠45を上部枠43の両側縁部の下面に貼り付けることによって製造する。
【0026】
内枠底部39は、図5に示すように、内枠本体37に近い方から鉄板47、ゴム板49、ステンレス金網51を重ねた構造である。鉄板47、ゴム板49は矩形状であり、外枠本体23内に収容される。ステンレス金網51は、矩形部51aとその後端側(外枠本体23の出口側)に形成されて両側に広がる幅広部51bを有し、全体形状は平面視でT字状をしている。ステンレス金網51は、幅広部51bが外枠本体23の出口側開口の一部を覆うように上方に向けて折り曲げられることによって、壁部53を形成する(図2参照)。
なお、内枠27は外枠内に収容されて、外枠蓋体25によって押さえ込まれる構造であり、鉄板47、ゴム板49、ステンレス金網51は外枠蓋体25の押え込み力によって密着しており、それぞれは接着されていない。
【0027】
内枠底部39における最上部を鉄板47にすることで、被解砕物が解砕ロッド9と鉄板47によって効果的に解砕される。また、鉄板47の下方にゴム板49を設置したことによって、解砕ロッド9の振動音を吸収する効果がある。さらに、ステンレス金網51によって壁部53を形成することで、ロッド収容枠11から被解砕物が送り出されるのを堰き止めて被解砕物のロッド収容枠11での滞留時間を長くし、解砕ロッド9による解砕を確実に行なえるようにしている。
【0028】
解砕ロッド9は、金属製の円筒体からなり、図4に示されるように、内枠本体37の空間部41にフリーな状態で収容される。
解砕ロッド9が、内枠本体37内において上下動を含む振動をすることにより、解砕ロッド9と鉄板47によって被解砕物が解砕される。
なお、一つの内枠27に収容される2個の解砕ロッド9は内枠本体37内にそれぞれ独立して収容されているので、振動篩3の稼動中に解砕ロッド9同士が衝突することがなく、騒音の発生を抑制できる。
【0029】
<動作説明>
次に、上記のように構成された本実施の形態の動作を説明する。
振動篩3の加振機構を作動させることにより、スクリーン5が振動すると共に、解砕手段7には振動篩3の振動が伝達される。解砕手段7に振動が伝達されることにより、ロッド収容枠11に収容された解砕ロッド9が上下動を含む振動を行なう。
スクリーン5には、その上流側から15mm程度以下の粒度にされた被解砕物、例えば鋳物砂の凝集物とアルミ片の混合物が供給される。スクリーン5に供給された鋳物砂はスクリーン5上を下流側に向かって移動し、スクリーン5のメッシュより小さい粒径のものはスクリーン5下方に落下して回収される。落下していない鋳物砂は上流側の解砕手段7に向かって移動する。解砕手段7におけるロッド収容枠11の入口側開口部19では、図1に示すように、鋳物砂とアルミ片が一旦堰き止められ、その後、入口側開口部19からロッド収容枠11に導入される。
【0030】
上流側の解砕手段7における入口側開口部19には、鋳物砂とアルミ片が堰き止められ、図1にはこの様子が示されているが、図1においては黒塗りの物が鋳物砂の凝集物55を示し、白色の物がアルミ片57を示している。図1に示すように、上流側の入口側開口部19では、鋳物砂の凝集物55の割合が圧倒的に多い。
【0031】
ロッド収容枠11に導入された鋳物砂は、ロッド収容枠11内において振動する解砕ロッド9によって押し潰され、あるいは打撃により、解砕される。アルミ片についても、解砕ロッド9によって扁平形状にされる。ロッド収容枠11内に導入された被解砕物は、ロッド収容枠11内においてある程度滞留して、滞留中に解砕ロッド9によって細かく解砕される。細かく解砕された鋳物砂や扁平形状にされたアルミ片は順次送り込まれる被解砕物に押出されるようにしてステンレス網の壁の網の隙間または壁上方を乗り越えて下流側のスクリーン5に移動する。上流側の解砕手段7を出た鋳物砂はほとんどが解砕されているので、スクリーン5の網目から下方に落下する。
【0032】
上流側の解砕手段7で解砕されなかった鋳物砂の凝集物と扁平にされたアルミ片はスクリーン5上を移動して下流側の解砕手段7のロッド収容枠11に導入される。下流側のロッド収容枠11の入口側においても被解砕物は一旦堰き止められるが、図1に示すように、下流側においてはほとんどがアルミ片57である。
下流側の解砕手段7に導入された鋳物砂は上流側の解砕手段7と同様に解砕され、下流側の解砕手段7の出口から出て、スクリーン5の下方に落下する。他方、アルミ片は扁平にされて下流側の解砕手段7から送り出され、スクリーン5外に送り出されて回収される。
【0033】
以上のように、本実施の形態においては解砕ロッド9を収容した解砕手段7をスクリーン5の全幅に亘って設けたので、ほとんどの被解砕物はすり抜けることなく確実に解砕ロッド9を通過して確実に解砕される。
また、被解砕物を押し潰し、または打撃によって解砕する手段として円柱体からなる解砕ロッド9を用いているので、被解砕物に対して線接触となり球体などを用いた場合に比較して接触面積が大きいので、解砕を確実に行なうことができる。
【0034】
さらに、円柱体が振動篩3の振動によって微小な上下動に加えて回転するので、常時新たな解砕面で被解砕物を解砕できるので、解砕物が付着することによる被解砕物のすり抜けを効果的に防止できる。
またさらに、本実施の形態では一つの解砕手段7にスクリーン5の進行方向複数の解砕ロッド9を収容したので、より確実な解砕が可能である。しかも、複数の解砕ロッド9はそれぞれが個別にゴム製の内枠本体37内に収容されているので、解砕ロッド9同士が衝突することがなく、騒音の発生を抑制できる。
また、本実施の形態においては、解砕手段7をスクリーン5における上流側と下流側に設けているために、上流側で解砕されなかった鋳物砂の凝集物を下流側で確実に解砕できる。
【0035】
なお、本実施の形態においては、一つのロッド収容枠11に2個の解砕ロッド9を収容した例を示したが、一つのロッド収容枠11に収容する解砕ロッド9の数は1本でも、3本以上でもよい。
また、一つのロッド収容枠11に3本の解砕ロッド9を収容する場合において、2本を幅方向に一列に配置し、これら2本の上流側または下流側に他の1本を配置する場合において、他の1本を2本の隙間に位置するように配置すれば、被解砕物のすり抜けをより確実に防止でき、確実な解砕が可能になる。
【0036】
また、本実施の形態においては、スクリーン5における上流側と下流側の2箇所に解砕手段7を設けるようにしたが、スクリーン5上に設ける解砕手段7の数は限定されるものではなく、1個でも3個以上でもよい。
【0037】
上記の実施の形態においては、被解砕物として鋳物砂の凝集物を例に挙げたが、本発明に係る解砕分級装置によって解砕分級する被解砕物はこれに限られるものではなく、例えば鉄鋼製錬工程などで発生する鉄系金属を巻き込んだ酸化物系スラグや、使用後の各種電気製品内に設置されていた基板部品を破砕したもの、あるいは廃自動車のシュレッダーダストなども対象とすることができる。
もっとも、被解砕物は解砕ロッドによって押し潰されるようにするのが効果的であることから、被解砕物の大きさは振動によって上下する解砕ロッドの下方に入り込める程度に小片となった方が効率的な解砕が可能となることから、例え酸化物系のスラグを被解砕物とする場合には予め小片に破砕する処理をするのが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の一実施の形態に係る解砕分級装置の斜視図である。
【図2】図1における図中の矢印Aで示した方向から見た拡大図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る解砕分級装置における解砕手段の説明図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る解砕分級装置の分解斜視図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る解砕分級装置においける内枠の説明図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係る解砕分級装置における入口部の幅方向断面図である。
【符号の説明】
【0039】
1 解砕分級装置
3 振動篩
5 スクリーン
7 解砕手段
9 解砕ロッド
11 ロッド収容枠
13 本体部
15 支持バー
17 両側枠部
18 支持バー固定ボルト
19 入口側開口部
21 出口側開口部
23 外枠本体
25 外枠蓋体
27 内枠
29 支持バー取付片
31 開口部
33 ロッド飛出し防止片
35 ボルト
37 内枠本体
39 内枠底部
41 空間部
43 上部枠
45 側部枠
47 鉄板
49 ゴム板
51 ステンレス金網
53 壁部
55 凝集物
57 アルミ片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動篩のスクリーン上に配置されてスクリーン上を移動する被解砕物を解砕する解砕手段を有し、
該解砕手段は、前記被解砕物を解砕する円柱状の解砕ロッドと、該解砕ロッドを収容するロッド収容枠とを備えてなり、前記被解砕物がスクリーン上を移動して前記ロッド収容枠内に導入され、前記解砕ロッドによって解砕されるように構成したことを特徴とする解砕分級装置。
【請求項2】
ロッド収容枠は、騒音を緩和する吸音性の部材で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の解砕分級装置。
【請求項3】
解砕ロッドは、スクリーンの進行方向に複数収容されていることを特徴とする請求項1または2に記載の解砕分級装置。
【請求項4】
解砕ロッドは、スクリーンの幅方向に複数設けられると共に、スクリーンの進行方向に複数に設けられ、かつ該進行方向に設けられた複数の解砕ロッドは相互にスクリーン幅方向にずれて配置されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の解砕分級装置。
【請求項5】
解砕手段における被解砕物の出口側にロッド収容枠の底部から上方に立ち上がる壁部を備えたことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の解砕分級装置。
【請求項6】
解砕手段をスクリーンの進行方向に複数設けたことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の解砕分級装置。
【請求項7】
解砕手段は、振動篩に着脱可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の解砕分級装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−285591(P2009−285591A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−141895(P2008−141895)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【出願人】(000200301)JFEミネラル株式会社 (79)
【Fターム(参考)】