説明

触媒組成物及びその使用方法

【課題】アルカリ金属カルボン酸塩又はアルカリ土類金属カルボン酸塩の溶液を含んでなる触媒組成物であって、剛性フォームの生産において、当該剛性フォームの特性レベル(例えば炎耐性及び構造安定性)の改善に使用できる組成物の提供。
【解決手段】アルカリ金属カルボン酸塩及びアルカリ土類金属カルボン酸塩からなる群から選択される1つ以上の材料、並びにポリイソシアネートの中のイソシアネート反応性基と反応しない溶媒を含む溶液を含んでなる触媒組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イソシアヌレート、ウレタン、尿素及び/又はビウレット基を含んでなるポリウレタンの生産に有用な触媒組成物に関する。当該触媒組成物は、断熱材として有用なセル状ポリマーの形成にも使用できる。
【背景技術】
【0002】
ウレタン及び主にイソシアヌレート基を含んでなる剛性フォーム(PIRフォーム)が近年知られている。炭化水素、部分的にハロゲン化した炭化水素及び化学的に生成された二酸化炭素が、剛性フォームの生産における発泡剤として通常用いられる。
【0003】
OH含量の高いポリオール中に溶解させたアルカリ金属カルボン酸塩は、通常剛性フォーム生産において触媒として用いられる。例えばエチレン又はジエチレングリコール中に溶解させたカリウム2−ヘキサン酸エチルが、それらの活性及びコスト上の理由から、25%〜50%の濃度のグリコールと共に通常用いられる。しかしながら、これらの触媒組成物を比較的大量に剛性フォームの生産において添加すると、そのインデックスが低下し、フォームの特性レベルに悪影響が及ぶ。特にフォーム生成物の形状の安定性が顕著に損なわれ、またポリマーの炎抵抗性がウレタン基の存在により減少する。
【0004】
特許文献1においては、高OHのポリオールの代わりに水を、アルカリカルボン酸塩の溶媒として用いている。しかしながらこの溶液は、断熱フォーム又は高密度フォームの形成においてポリイソシアネートを使用する場合など、含水量の低い調製物の場合には適していない。なぜなら、含水量の増加により悪影響が生じうるからである。更に、PIRフォーム形成用の成分として特許文献1に記載されている触媒組成物の使用により望ましくない特性を有することとなる。具体的には、剛性フォーム生産用の触媒として使用する、少なくとも50%の水に溶解させたアルカリ金属カルボン酸塩の含有量が増加することにより、特許文献1に記載のように、大量の水の残存及びそれによる二酸化炭素の生成が生じ、それにより例えば脆弱化、二酸化炭素の生成による構造安定性及び断熱性の低下(炭化水素又は炭化フッ化水素などの他の発泡剤の使用を限定する発泡剤として作用する)、イソシアネートの使用量増加及びフォーム密度の制御の困難性増大など、フォーム生成物の特性レベルに対して悪影響が及ぶ。
【特許文献1】米国特許第5084485号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上より、アルカリ金属カルボン酸塩又はアルカリ土類金属カルボン酸塩の溶液を含んでなる触媒組成物であって、剛性フォームの生産において、当該剛性フォームの特性レベル(例えば炎耐性及び構造安定性)の改善に使用できる組成物に対するニーズが存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施態様は、アルカリ金属カルボン酸塩及びアルカリ土類金属カルボン酸塩からなる群から選択される1つ以上の材料、並びにポリイソシアネートの中のイソシアネート反応性基と反応しない溶媒を含む溶液を含んでなる触媒組成物の提供に関する。
【0007】
本発明の目的は、アルカリ金属カルボン酸塩及びアルカリ土類金属カルボン酸塩からなる群の1つ以上の材料を含んでなる、高度に架橋され、構造安定性が高く、強固なPIRフォームの生産用の触媒組成物を提供することである。当該触媒となる塩の溶媒は、イソシアネートと容易に反応するOH、NH又はNH官能基のいずれをも実質的に含まない。
【0008】
本発明の他の目的は、イソシアヌレートのウレタンによる希釈を防止し、剛性フォームの火炎耐性及び機械的特性を高めることが可能な、アルカリ金属カルボン酸塩及びアルカリ土類金属カルボン酸塩からなる群から選択される1つ以上の材料を含んでなる液体触媒組成物を提供することである。
【0009】
本発明の他の目的は、室温での取り扱いにおいて適切な粘性を有する触媒組成物を提供することである。
【0010】
本発明の他の目的は、イソシアネート又はイソシアネートプレポリマー中での保存安定性が改善された、金属カルボン酸塩(例えばアルカリ金属カルボン酸塩又はアルカリ土類金属カルボン酸塩)を主成分とする三量体形成触媒を提供することである。
【0011】
当業者にとり自明であるこれらの、また他の目的は、カルボン酸塩溶液を主成分とする触媒組成物(カルボン酸塩の含有率が約10%〜約90重量%)の存在下、ポリイソシアネートと、2つ以上のイソシアネート反応性水素原子を有する化合物とを反応させることにより達成できる。カルボン酸塩溶液に用いる溶媒は、OH、NH又はNH官能基を実質的に含まない又は全く含まないアルコールフリーの溶媒であり、それによりイソシアネートとのウレタン結合の形成が防止され、また三量体化反応に必要となるイソシアネートの浪費が防止される。更に、当該カルボン酸塩は、アルカリ金属カルボン酸塩及びアルカリ土類金属カルボン酸塩からなる群から選択される1つ以上の材料であってもよい。更に、2つ以上のイソシアネート反応性水素原子を有する化合物は、約150超のインデックスで、約400〜約10,000の範囲の分子量を有してもよい。
【0012】
本発明で用いる用語「インデックス」とは、フォーム中の架橋度のことを指す。フォームを生産するために用いるイソシアネートの量が、フォームの生産に必要なイソシアネートの化学量論量又は理論量に対して等量である場合、そのフォームは100のインデックスを有するものと一般的に言われている。したがって、インデックスは過小架橋又は過大架橋の度合いを定義するために用いる。インデックスは以下の式を用いて算出される:(イソシアネートの総量)÷(調製物中のOH又はNH又はNH官能基、並びに水に対して必要なイソシアネートの化学量論量)。イソシアネートの化学量論量は、水を含む調製物中の全ての反応性成分の重量を、それぞれの当量で除算し、更にイソシアネートの当量で乗算した数値の合計として算出される。更に、OH値とは触媒組成物に存在する水酸基の量の測定値であって、KOH(mg)/触媒組成物(g)として表される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は、ポリイソシアネートのイソシアネート反応性基と反応しない溶媒中に、アルカリ金属カルボン酸塩及びアルカリ土類金属カルボン酸塩からなる群から選択される1つ以上の材料を含有する溶液を含んでなる触媒組成物に関する。
【0014】
本発明の他の実施態様では、当該溶媒は触媒組成物に対して約90重量%未満の量で存在する。本発明の更に別の実施態様では、水は触媒組成物に対して約25重量%未満の量で存在する。
【0015】
本発明の他の実施態様は、触媒組成物を形成する方法の提供に関し、当該方法はエチルヘキサン酸をKOHの50%水溶液と反応させて反応混合物を形成する工程と、当該反応混合物に溶媒を添加する工程と、反応後、当該溶媒を含んでなる当該反応混合物から過剰な水を除去する工程を含んでなる。本発明の他の実施態様では、KOHに対するエチルヘキサン酸のモル比は約0.9:1.0〜最高約1.1:1.0である。本発明の更に別の実施態様では、当該モル比は約1.0:1.0〜最高約1.05:1.0である。本発明の更に別の実施態様では、当該反応混合物からの過剰な水の除去は真空蒸留により実施する。本発明の更に別の実施態様では、工程温度を80℃未満に維持することができる。
【0016】
本発明の中の更に別の実施態様は、アルカリ金属カルボン酸塩及びアルカリ土類金属カルボン酸塩からなる群から選択される1つ以上の材料を溶媒中に含有する溶液を含んでなる触媒組成物に関し、当該溶媒はポリイソシアネート中のイソシアネート反応性基、及び当該触媒組成物に対して約25重量%未満の量で存在する水と反応せず、また当該溶媒は触媒組成物に対して約90重量%未満の量で存在する。
【0017】
本発明の他の実施態様では、最終的な触媒組成物に存在する水の量は約5重量%未満である。本発明の他の実施態様では、最終的な触媒組成物に存在する水の量は約4.5重量%未満である。本発明の更に別の実施態様では、最終的な触媒組成物に存在する水の量は約3.5重量%未満である。
【0018】
本発明はまた、ウレタン基及び主にイソシアヌレート基を含んでなる剛性フォームの製造用の触媒組成物に関し、当該組成物は、
a)1つ以上のポリイソシアネートと、
b)イソシアネート反応性水素原子を2つ以上有する1つ以上の化合物とを、
c)アルカリ金属カルボン酸塩及びアルカリ土類金属カルボン酸塩からなる群から選択される1つ以上の材料を含有し、ポリイソシアネート中のイソシアネート反応性基、及び
d)発泡剤
と反応しない溶媒を含有する溶液を含んでなる触媒組成物の存在下で反応させることにより得られる。本発明の他の実施態様では、当該カルボン酸塩は触媒組成物に対して90重量%未満で量に存在する。本発明の更に別の実施態様では、水は触媒組成物に対して約25重量%未満の量で存在させてもよい。更に、他の公知の助剤及び添加剤を、剛性フォームの生産において使用してもよい。発泡剤は水、炭化水素、ガス、塩化フッ化炭化水素、ヒドロフルオロカーボン又はそれらのいかなる組み合わせであってもよい。この反応は、約150超のインデックスで実施してもよい。本発明の他の実施態様では、当該インデックスは約170〜約400の範囲である。任意に、2つ以上のイソシアネート反応性水素原子を有し、約32〜約399の分子量を有する鎖伸長剤及び/又は架橋剤を触媒組成物に存在させてもよい。本発明の更に別の実施態様では、当該2つ以上のイソシアネート反応性水素原子を有する1つ以上の化合物は約400〜約10,000の分子量を有してもよい。
【0019】
本発明の他の実施態様では、アルカリ金属カルボン酸塩又はアルカリ土類金属カルボン酸塩を、OH、NH若しくはNH官能基を実質的に含まない、又は全く含まない溶媒中に含んでなる溶液を、三量体形成触媒として用いる。本発明の他の実施態様では、当該カルボン酸塩は、溶液の合計量に対して約10%〜約90重量%の範囲で存在する。本発明の更に別の実施態様では、当該カルボン酸塩は溶液の合計量に対して約10%〜約80重量%の範囲で存在する。本発明の更に別の実施態様では、当該カルボン酸塩は炭酸ナトリウム、炭酸カリウム又は炭酸カルシウムであってもよい。
【0020】
本発明の他の実施態様では、触媒組成物中に存在するカルボン酸塩の量は溶液の合計量に対して約50%〜約80重量%であり、触媒組成物中に存在する溶媒の量は溶液の合計量に対して約20%〜約50重量%であり、触媒組成物中に存在する残存水の量は溶液の合計量に対して約25重量%未満である。本発明の他の実施態様では、触媒組成物中のOH値は約20mgKOH/最終的な触媒組成物(g)未満である。
【0021】
カルボン酸塩は直鎖状若しくは環状のカルボン酸、又はポリカルボン酸に由来するものであってもよく、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、3−クロロプロピオン酸、ピバル酸、酪酸、γ−アミノ酪酸、吉草酸、アクリル酸、桂皮酸、クロトン酸、オレイン酸、安息香酸、2−ヒドロキシ安息香酸性酸、p−アミノ安息香酸、p−メチル安息香酸、ナフトエ酸、シクロペンタンカルボン酸、3,3−ジメチルシクロヘキサンカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸に由来するものが挙げられる。本発明の他の実施態様では、当該カルボン酸は1つ以上のカルボキシル基を含んでなり、約46〜約2000の分子量を有する。
【0022】
あるいは、当該カルボン酸塩は1つ以上の水酸基を有するカルボン酸若しくはポリカルボン酸に由来してもよい。本発明の他の実施態様では、当該カルボン酸塩は乳酸カリウム、リシノール酸カリウム及びジメチロールプロピオン酸カリウムであってもよい。
【0023】
本発明の他の実施態様では、当該カルボン酸塩はオクチル酸塩(例えばカプリル酸リチウム、カプリル酸ナトリウム、カプリル酸カリウム、カプリル酸カルシウム、2−ヘキサン酸エチルリチウム、2−ヘキサン酸エチルナトリウム、2−ヘキサン酸エチルカルシウム又は2−ヘキサン酸エチルカリウム)である。本発明の他の実施態様では、当該カルボン酸塩は2−ヘキサン酸エチルカリウムである。
【0024】
本発明の実施態様に係る溶液に使用する溶媒は、OH、NH及び/又はNH官能基を実質的に含まない、又は全く含まない非プロトン性溶媒又は化合物であってもよい。当該非プロトン性溶媒としては、メトキシエーテル、酢酸エステル、アジピン酸エステル及びフタル酸エステルなどのエステル、ケトン、リン酸エステル又は第三級アミンが挙げられる。これらの溶媒は、ポリウレタン又はポリイソシアヌレートの生産において通常使用する、OH基を高含有するポリオール型の溶媒を代替するものである。更に、本発明の溶液において使用する溶媒はまた、ポリウレタン又はポリイソシアヌレートの製造において、適切な低粘度を溶液に提供するものである。
【0025】
本発明の他の実施態様では、当該溶媒は化学反応の間にイソシアネート反応性基と反応しない官能基を含んでなる。本発明の他の実施態様では、当該非プロトン溶媒はジアルキルスルホキシド、N,N−ジアルキルアルカノアミド、アリール又はアルキルホスホネート、トリアルキルホスフェート、有機カーボネート、第三級アミン、ケトン又はそれらのいかなる組み合わせであってもよい。本発明の他の実施態様では、当該溶媒はジ−エチル−エチル−ホスホネート、テトラメチレンスルホン、1−メチル−2−ピロリジノン、トリエチルホスフェート、トリブチルエチルホスフェート、アセトニトリル、ジメチルカーボネート、ジメチルベジルアミン、ジメチルアミノプロピルヘキサヒドロトリアジン、ペンタメチルジエチルエナミン、ジイソブチルケトン、メチルn−アミルケトン又はそれらのいかなる組み合わせであってもよい。
【0026】
あるいは、当該溶媒は実質的に遊離ヒドロキシル基を有さないエーテルであってもよい。本発明の他の実施態様では、当該溶媒はモノオール、ジオール、トリオール又はグリコールエーテルとモノ−、ジ−又はポリカルボン酸とに由来する、実質的に遊離ヒドロキシル基を有さないエステル、グリセロールと脂肪族酸若しくは芳香族酸とに由来するトリグリセリド、脂肪族若しくは芳香族のカルボン酸とアミドとに由来する、実質的に遊離−NH基を有さないアミン、又はそれらのいかなる組み合わせであってもよい。当該溶媒は実質的に遊離ヒドロキシル基を有さないシラン又はシロキサン−ポリアルキレンオキシドの共重合体であってもよい。
【0027】
本発明の他の実施態様では、当該触媒組成物はアルカリ金属カルボン酸塩又はアルカリ土類金属カルボン酸塩を溶液の合計量に対して約10〜約90重量%の量で含有してもよい。本発明の更に別の実施態様では、当該カルボン酸塩は溶液の合計量に対して約10〜約80重量%の量で存在する。本発明の更に別の実施態様では、当該カルボン酸塩は溶液の合計量に対して約50〜約80重量%の量で存在する。
【0028】
本発明の他の実施態様では、当該触媒組成物は、溶液の合計量に対して約10〜約90重量%の量で溶媒を含有してもよい。本発明の更に別の実施態様では、当該溶媒は溶液の合計量に対して約20〜約90重量%の量で存在する。本発明の更に別の実施態様では、当該溶媒は溶液の合計量に対して約20〜約50重量%の量で存在する。
【0029】
本発明の触媒組成物はカルボン酸塩の形成に由来する水を含有してもよく、その場合、水は当該触媒組成物の合計量に対して約25重量%以下の量で存在する。本発明の他の実施態様では、当該触媒組成物に存在する水の量は約5重量%未満である。
【0030】
本発明の他の実施態様では、触媒組成物のOH値は約20mgKOH/g未満である。本発明の更に別の実施態様では、触媒組成物のOH値は約10mg/触媒組成物(g)未満である。
【0031】
本発明の他の実施態様は、アルカリ金属カルボン酸塩及びアルカリ土類金属カルボン酸塩からなる群から選択される1つ以上の材料を水中に含有する溶液を含んでなる触媒組成物に関し、当該水は触媒組成物に対して約10〜約25重量%の範囲の量で存在し、当該カルボン酸塩は触媒組成物に対して約75〜約90重量%の範囲の量で存在する。
【0032】
本発明の他の実施態様は、アルカリ金属カルボン酸塩及びアルカリ土類金属カルボン酸塩からなる群から選択される1つ以上の材料を溶媒中に含有する溶液を含んでなる触媒組成物に関し、当該溶媒はポリイソシアネート中のイソシアネート基と反応性を有さず、触媒組成物に対して約10〜約25重量%の範囲の量で存在し、当該カルボン酸塩は触媒組成物に対して約75〜約90重量%の範囲の量で存在する。
【0033】
発泡剤は炭化水素、ガス、塩化フッ化炭化水素、ヒドロフルオロカーボン又はいかなるそれらの組み合わせであってもよい。本発明の他の実施態様では、当該発泡剤はイソペンタン、n−ペンタン、シクロペンタン、イソブテン、窒素、空気、二酸化炭素、HCFC−141b、HCFC−142b、HCFC−22、HFC−134a、HFC−152a、HFC−245fa、HFC−245ca、HFC−236ea、HFC−365mfcなど、テトラメチルシラン又はそれらのいかなる組み合わせであってもよい。本発明の更に別の実施態様では、当該発泡剤はパーフルオロアルカン、エステル、アセタール、ケトン又はそれらのいかなる組み合わせであってもよい。本発明の更に別の実施態様では、当該発泡剤はイソペンタン、n−ペンタン、シクロペンタン、イソブタン、HCFC−141b、245fa、HFC−365mfc、HFC−134a又はそれらのいかなる組み合わせであってもよい。
【0034】
本発明の触媒組成物はイソシアネート、イソシアネートプレポリマー又はポリオール成分に添加してもよい。
【0035】
本発明の触媒組成物をポリウレタン又はポリイソシアヌレート調製物中に使用してもよく、その場合、触媒組成物はポリウレタン又はポリイソシアヌレート調製物の合計量に対して約0.3%〜約10%の量で存在する。
【0036】
あるいは、アルカリ金属カルボン酸塩はオクチル酸塩であってもよい。本発明の他の実施態様では、アルカリ金属カルボン酸塩はカリウム2−ヘキサン酸エチルである。更に、溶液中のアルカリ金属カルボン酸塩含有量は約10%〜約90重量%であってもよい。本発明の更に別の実施態様では、アルカリ金属カルボン酸塩含有量は約10〜約80重量%である。本発明の更に別の実施態様では、アルカリ金属カルボン酸塩含有量は約50〜約80重量%である。
【0037】
従来は、ポリイソシアヌレートのフォームの調製において使用される、従来公知のポリイソシアネートのいずれも、上記のフォーム調製用の反応混合物に使用できる。本発明の他の実施態様では、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートとして公知のポリイソシアネートを、上記のフォーム調製用の反応混合物に使用できる。本発明の他の実施態様では、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートをメチレンビス(イソシアン酸フェニル)に対して約20%〜約85重量%の量で含有してもよく、混合物のその残りは、約2.0個超の官能基を有するポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートであってもよい。これらのポリイソシアネートの詳細な説明及びそれらの調製方法は米国特許第3745133号に記載されており、その全開示内容が本願明細書に援用される。
【0038】
本発明の他の実施態様では、いかなる有機ポリイソシアネートも本発明の工程に使用できる。好適なポリイソシアネートには芳香族、脂肪族、複素環式、芳香族−脂肪族、脂環式ポリイソシアネート及びそれらのいかなる組み合わせも包含される。有用なイソシアネートの例としてはm−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート及びその異性体、1,5−ナフチレンジイソシアネート、1−メチル−フェニル−2,4−フェニルジイソシアネート、4,4’−ジフェニル−メタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート及び3、3’−ジメチル−ジフェニル−プロパン−4,4−ジイソシアネート、トリイソシアネート(例えば2,4,6−トルエントリイソシアネート)、並びに、ポリイソシアネート(例えば4,4’−ジメチル−ジフェニル−メタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネート及びポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート)が挙げられる。本発明の他の実施態様では、ポリイソシアネートはポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、メタ又はパラフェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート及びジフェニルメタンジイソシアネートである。
【0039】
剛性フォームの製造に有用なイソシアネートは例えばW. Siefken in Justus Liebigs Annalen der Chemie,562,pages75−136に記載されているタイプであってもよく、例えば式Q(NCO)に対応するものであってもよい(式中、n=2〜4であり、Qが、2〜18の炭素数の脂肪族炭化水素基、4〜15の炭素原子数の脂環式炭化水素、6〜15の炭素原子数の芳香族炭化水素基又は8〜15の炭素原子数の芳香脂肪族炭化水素である)。本発明の一実施態様では、当該式Q(NCO)のnは2である。本発明の他の実施態様では、当該脂肪族炭化水素基は6〜10の炭素原子数である。本発明の更に別の実施態様では、脂環式炭化水素基は5〜10の炭素原子数である。本発明の更に別の実施態様では、芳香族炭化水素基は6〜13の炭素原子数である。本発明の更に別の実施態様では、芳香脂肪族炭化水素は8〜13の炭素原子数である。
【0040】
かかるポリイソシアネートの具体例は、ドイツ国特許出願公開第2832253号(ページ10〜11)に記載されている。あるいは、当該ポリイソシアネートは、2,4−トルエンジイソシアネート又は2,6−トルエンジイソシアネート(「TDI」)と、アニリン−ホルムアルデヒド縮合物(「粗MDI」)のホスゲン化により得られるタイプのポリフェニルポリメチレンポリイソシアネートと、カルボジイミド基、ウレタン基、アロファネート基、イソシアヌレート基、尿素基又はビウレット基を有するポリイソシアネート(「修飾ポリイソシアネート」)の混合物であってもよい。修飾ポリイソシアネートは、2,4−トルエンジイソシアネート及び/又は2,6−トルエンジイソシアネートから、又は、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート及び/又は2,4−ジフェニルメタンジイソシアネートに由来してもよい。
【0041】
2つ以上のイソシアネート反応性水素原子と約400〜約10,000の分子量を有する化合物が本発明の工程において有用である。これらの化合物としては、アミノ基、チオール群及びカルボキシル基を含んでなる化合物が挙げられる。本発明の他の実施態様では、当該化合物は水酸基を有する。本発明の更に別の実施態様では、当該化合物は2〜8個の水酸基を有し、特に約1,000〜約6,000の範囲の分子量を有するのが好ましい。本発明の更に別の実施態様では、当該分子量は約2,000〜約6,000の範囲である。
【0042】
2つ以上の水酸基を有するポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート及びポリエステルアミドは、本発明の方法(例えば均一なセル状ポリウレタンの製造)に使用できるイソシアネート反応性化合物のタイプの例である。これらの化合物の中の具体例は、ドイツ国特許出願公開第2832253号(ページ11〜18)に記載されている。本発明の他の実施態様では、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート及びポリエステルアミドは2〜8個のヒドロキシ基を有する。更に別の実施態様では、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート及びポリエステルアミドは2〜6個の水酸基を有する。本発明の更に別の実施態様では、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート及びポリエステルアミドは約28〜約56のOH値を有する。本発明の更に別の実施態様では、上記のポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート及びポリエステルアミドのいかなる組合せを用いてもよい。
【0043】
あるいは、2つ以上のイソシアネート反応性水素原子を含み、約32〜約399の分子量を有している化合物を、本発明の工程中に反応混合物に含有させてもよい。これらの化合物は水酸基、及び/又はアミノ基、及び/又はチオール基、及び/又はカルボキシル基を有してもよい。本発明の他の実施態様では、これらの化合物は水酸基及び/又はアミノ基を有する化合物であり、それは鎖伸長剤及び/又は架橋剤として有用である。これらの化合物は2〜8個のイソシアネート反応性水素原子を有してもよい。本発明の他の実施態様では、これらの化合物は2〜4個のイソシアネート反応性水素原子を有する。これらの化合物の中の具体例はドイツ国特許出願公開第2832253号(ページ10〜20)に記載されている。
【0044】
同様に、ポリイソシアヌレートフォームの生産において従来使用されているポリオールのいずれも、本発明にかかるフォームの反応用の混合物において使用できる。かかるポリオールには2〜6個の官能基、及び約60〜約1000以上の分子量範囲を有するポリエーテル及びポリエステルポリオールが包含される。高分子量のポリオールの使用も可能ではあるが、ポリオールは一般に固体状であるか又は非常に粘稠性の高い液体となる傾向があるため、取扱い上及び混合上の問題からあまり望ましくない。
【0045】
本発明の他の実施態様では、ポリオールは、ポリイソシアネート1当量当り約0.01当量〜約0.4当量の範囲でフォーム形成用の反応混合物に使用される。かかるポリオールの詳細な説明及び例示に関しては米国特許第3745133号に記載されており、その全開示内容が本願明細書に援用される。
【0046】
本発明においては、反応成分(新規な触媒組成物を含む)は、いかなる周知の一段階工程(例えばプレポリマー工程又はセミプレポリマー工程)で反応させてもよい。米国特許第2764565号に記載のような装置を使用してもよい。更に、いかなる周知のラミネート装置を用いた工程により、ウレタン及び主にイソシアネート反応性基を含んでなる剛性フォームを生産してもよい。本発明の実施において使用できる他の処理装置の詳細は、Kunststoff−Handbuch,Vol.VII,edited by Vieweg and Hochtlen,Carl Hanser Verlag,Munchen 1966の、例えばp121−205に記載されている。
【0047】
本発明の他の実施態様では、全ての成分が約150超のインデックスで反応を起こす。本発明の更に別の実施態様では、全ての成分が約170〜約300のインデックスで反応を起こす。
【0048】
本発明により得られるウレタン基及び主にイソシアヌレート基を含んでなる剛性フォームは、特に建築産業において、例えば絶縁材料として使用できる。
【0049】
本発明の他の実施態様では、ポリウレタン又はポリイソシアヌレートフォーム組成物は更に、任意の周知の添加剤(例えば活性化剤、触媒又は反応促進剤、着色剤、色素、染料、架橋剤/鎖伸長剤、界面活性剤、充填材、安定化剤、酸化防止剤、可塑剤、難燃剤など)を含有してもよい。
【0050】
例えば、充填材には従来の有機及び無機充填材及び補強剤が包含される。より具体的な例としては、ケイ酸塩ミネラル(例えばフィロケイ酸塩(例えばアンチゴライト)、セルペンタイン、ホルンブレンズ、アンフィボール、クリソタイル及びタルクなどの無機充填材、金属酸化物(例えば酸化アルミニウム、チタン酸化物及び酸化鉄)、金属塩(例えばチョーク、バライト及び無機顔料(特に硫化カドミウム、硫化亜鉛及びガラス))、カオリン、ケイ酸アルミニウム、硫酸バリウムとケイ酸アルミニウムの共沈殿物、天然及び合成の繊維状ミネラル(例えば様々な長さの中のウォラストナイト、金属及びガラス繊維)などが挙げられる。適切な有機充填材の例は、カーボンブラック、メラミン、コロホニ、シクロペンタジエニル樹脂、セルロース繊維、ポリアミド繊維、ポリアクリロニトリル繊維、ポリウレタン繊維、並びに芳香族及び/又は脂肪族ジカルボン酸エステル、特に炭素繊維を主成分としたポリエステル繊維である。本発明の他の実施態様では、無機及び有機充填材を個々に用いてもよく、又は混合物として用いてもよい。
【0051】
本発明の工程で使用できる任意の助剤及び添加剤としては、更に発泡剤として機能する易揮発性の有機物質、周知の反応促進剤及び反応抑制剤、界面活性物質(例えば乳化剤及びフォーム安定化剤)、周知のセル調節剤(例えばパラフィン又は脂肪族アルコール又はジメチルポリシロキサン)、染色物質、色素、周知の難燃剤(例えばリン酸ジフェニルクレジル、リン酸トリクレジル)、エージング及び風化に対する安定化剤、可塑剤、制真菌剤及び制菌剤、並びに充填材(例えば硫酸バリウム、キーザルガ、カーボンブラック又は白亜)が挙げられる。
【0052】
これらの任意の助剤及び添加剤の具体例は、例えばドイツ国特許出願公開第2732292号(p21〜24)に記載されている。本発明で任意に使用できる界面活性添加剤及びフォーム安定化剤の、セル調節剤、反応抑制剤、安定化剤、難燃剤、可塑剤、色素、充填材、制真菌剤及び制菌剤、並びにかかる添加剤の使用、その作用機構に関する詳細は、Kunststoff−Handbuch,Vol.VII,edited by Vieweg and Hochtlen,Carl Hanser Verlag,Munchen,1966、例えばp103から113に記載されている。
【0053】
適切な難燃剤の例としては、リン酸トリクレジル、リン酸トリス(2−クロロエチル)、リン酸トリス(2−クロロプロピル)及びリン酸トリス(2,3−ジブロモプロピル)が挙げられる。また本発明の組成物における適切な難燃剤として、Akzo Nobel Functional Chemicals社から入手可能なリン酸トリス(クロロプロピル)のFYROL PCF(登録商標)も挙げられる。
【0054】
上述のハロゲン置換されたリン酸塩のほかに、赤リン、酸化アルミニウム水和物、三酸化アンチモン、酸化ヒ素、ポリリン酸アンモニウム(EXOLIT(登録商標)、Clariant社製)、及び硫酸カルシウム、拡張可能なグラファイト若しくはシアヌール酸誘導体(例えばメラミン)、又は2以上の難燃剤の混合物(例えばアンモニウムポリリン酸塩、メラミン、及び必要に応じて穀物澱粉)、又はアンモニウムポリリン酸塩、メラミン、拡張可能なグラファイト及び/又は必要に応じて芳香族ポリエステルなどの無機又は有機難燃剤を使用してもよい。
【0055】
本発明の他の実施態様では、UV吸収剤又はUV安定化剤をフォーム反応用の混合物に含有させ、紫外線によるコンポジット構造の化学的及び物理的特性の崩壊及び損失を防止してもよい。本発明の他の実施態様では、UV吸収剤としてはTinuvin(登録商標)1130及びTinuvin(登録商標)292(Ciba社製)が挙げられる。当然ながら、Ciba又は他のいかなる同業の供給元から入手可能な他のいかなるUV吸収剤を含有させてもよい。更に、他のUV吸収剤として、限定されないがTinuvin(登録商標)123、及びTinuvin(登録商標)900(Ciba社製)が挙げられる。
【0056】
上記以外の公知の助剤及び添加物に関しては、例えばJ.H.Saunders and K.C.Frisch, High Polymers,Volume XVI,Polyurethanes,パート1及び2,Interscience Publishers 1962及び1964、又はKunststoff−Handbuch,Polyurethane,VolumeVII,Carl−Hanser−Verlag,Munich,Vienna,第1及び第2版、1966及び1983のモノグラフなどの専門文献に記載されており、本発明に援用される。
【0057】
以下の実施例は本発明の例示を目的とするものであり、その範囲を限定するものと解釈すべきでない。実施例中の全ての部分及びパーセンテージは、特に明記しない限り重量ベースである。
【実施例】
【0058】
<比較実施例1−2及び実施例3−10>
比較実施例1及び2はそれぞれ、Pelron社及びAir Products及びChemical社から市販されている触媒組成物である。
【0059】
実施例3は、以下の方法に従い調製した。144.2gの2−エチルヘキサン酸を、112.2gのKOH50%水溶液と共にフラスコに添加し、10分間撹拌した。次いで65.5gのDMSOを反応混合物に添加し、触媒組成物中において約3.5%の残留水となるまで水を真空蒸留し、反応混合物から除去した。得られた触媒組成物は透明な溶液であった。
【0060】
実施例9は、以下の方法に従い調製した。147.1gの2−エチルヘキサン酸を、112.2gのKOH50%水溶液と共にフラスコに添加し、10分間撹拌した。次いで65.5gのジ−イソブチル−アジピン酸塩を反応混合物に添加し、触媒組成物中において約3.5%の残留水となるまで水を真空蒸留し、ジ−イソブチル−アジピン酸塩を含んでなる反応混合液から除去した。得られた触媒組成物は透明な溶液であった。
【0061】
異なる溶媒を各々の実施例で使用したことを除き、実施例3〜8及び10は、実施例3に関して上記したのと同様の方法に従い調製した。
【0062】
比較実施例1〜2の組成物及び実施例3〜10を下記の表1に列記する。OH値とは触媒組成物に存在する水酸基の量の測定値であり、KOH(mg)/触媒組成物(g)として表される。
【0063】
【表1】

【0064】
<比較調製例11及び調製例12−18>
これらの調製例は剛性フォームの調製に関する。剛性フォームの調製に使用した具体的な触媒組成物、材料及び添加量、並びにフォームの試験結果を下記の表2に列記する。
【0065】
方法:
均質な混合物が得られるまで、イソシアネート以外の全ての調製物成分を容器中で撹拌した。次いでイソシアネートを均質となった混合物に添加し、プロペラを用いて5000rpmで7秒間撹拌した。反応混合物を直ちに木箱(20×20×20cm)に注入し、そこでフォームを膨張及び硬化させた。フォーム特性を24時間後に測定した。
【0066】
【表2】

【0067】
実施例3〜9の触媒組成物を用いてそれぞれ調製した調製例12〜18を用いて生産したフォームでは、比較実施例1の触媒組成物を用いて調製した比較調製例11を用いて生産したフォームと比較し、耐圧強度が増加し、燃焼試験の後の重量がより良好に保持されていた。
【0068】
<比較調製物例19−20及び調製物例21−26>
異なる芳香族ポリエステルポリオール、発泡剤、及び場合によっては異なる触媒組成物を用いたことを除き、上記と同様の方法、並びに比較調製例11及び調製例12〜18に関して上記で用いた反応物質を用いて一連のフォームを調製した。比較調製例19及び20、並びに調製例21〜26のフォームの調製に使用した具体的な触媒組成物、材料及び添加量、並びにフォームの試験結果を下記の表3に列記する。
【0069】
【表3】

【0070】
実施例3〜7及び10の触媒組成物を用いてそれぞれ調製した調製21〜26を用いて生産したフォームでは、比較実施例1及び2の触媒組成物を用いて調製した比較調製例19及び20を用いて生産したフォームと比較し、耐圧強度が増加し、燃焼試験の後の重量がより良好に保持されていた。
【0071】
表と共に例示的な実施形態を記載したが、当業者であれば、本発明の技術的思想と範囲から逸脱することなく、それらに対して様々な変更及び置換を行うことができると理解される。したがって、本発明の記載は飽くまで例示を目的とし、限定を目的とするものではないことを理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルカリ金属カルボン酸塩及びアルカリ土類金属カルボン酸塩からなる群から選択される1つ以上の材料を、ポリイソシアネートの中のイソシアネート反応性基と反応しない溶媒中に含んでなる触媒組成物。
【請求項2】
前記カルボン酸塩が炭酸ナトリウム、炭酸カリウム又は炭酸カルシウムからなる群から選択される、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
前記カルボン酸塩が直鎖状若しくは環状のカルボン酸、又はポリカルボン酸に由来する、請求項1記載の組成物。
【請求項4】
前記カルボン酸又はポリカルボン酸が、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、3−クロロプロピオン酸、ピバル酸、酪酸、γ−アミノ酪酸、吉草酸、アクリル酸、桂皮酸、クロトン酸、オレイン酸、安息香酸、2−ヒドロキシ安息香酸性酸、p−アミノ安息香酸、p−メチル安息香酸、ナフトエ酸、シクロペンタンカルボン酸、3,3−ジメチルシクロヘキサンカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸からなる群から選択される、請求項3記載の組成物。
【請求項5】
前記カルボン酸が1つ以上のカルボキシル基を含んでなり、約46〜約2000の分子量を有する、請求項3記載の組成物。
【請求項6】
前記カルボン酸塩が1つ以上の水酸基を有するカルボン酸若しくはポリカルボン酸に由来する、請求項1記載の組成物。
【請求項7】
前記カルボン酸塩が乳酸カリウム、リシノール酸カリウム及びジメチロールプロピオン酸カリウムからなる群から選択される、請求項6記載の組成物。
【請求項8】
前記カルボン酸塩がオクチル酸塩である、請求項1記載の組成物。
【請求項9】
前記カルボン酸塩がカプリル酸リチウム、カプリル酸ナトリウム、カプリル酸カリウム、カプリル酸カルシウム、2−ヘキサン酸エチルリチウム、2−ヘキサン酸エチルナトリウム、2−ヘキサン酸エチルカルシウム又は2−ヘキサン酸エチルカリウムである、請求項8記載の組成物。
【請求項10】
前記溶媒が化学反応中にイソシアネート反応性基と反応しない官能基を有する、請求項1記載の組成物。
【請求項11】
前記溶媒がジアルキルスルホキシド、N,N−ジアルキルアルカノアミド、アリール又はアルキルホスホネート、トリアルキルホスフェート、有機カーボネート、第三級アミン、ケトン及びそれらの組み合わせからなる群から選択される非プロトン溶媒である、請求項1記載の組成物。
【請求項12】
前記溶媒がジ−エチル−エチル−ホスホネート、テトラメチレンスルホン、1−メチル−2−ピロリジノン、トリエチルホスフェート、トリブチルエチルホスフェート、アセトニトリル、ジメチルカーボネート、ジメチルベジルアミン、ジメチルアミノプロピルヘキサヒドロトリアジン、ペンタメチルジエチルエナミン、ジイソブチルケトン、メチルn−アミルケトン及びそれらの組み合わせからなる群から選択される非プロトン溶媒である、請求項1記載の触媒組成物。
【請求項13】
前記溶媒が実質的に遊離ヒドロキシル基を有さないエーテルである、請求項1記載の組成物。
【請求項14】
前記溶媒が、モノオール、ジオール、トリオール又はグリコールエーテルとモノ−、ジ−又はポリカルボン酸とに由来する実質的に遊離ヒドロキシル基を有さないエステル、グリセロールと脂肪族酸若しくは芳香族酸とに由来するトリグリセリド、脂肪族若しくは芳香族のカルボン酸とアミドとに由来する実質的に遊離−NH基を有さないアミン、又はそれらの組み合わせである、請求項1記載の組成物。
【請求項15】
前記溶媒が、実質的に遊離ヒドロキシル基を有さないシラン又はシロキサン−ポリアルキレンオキシドの共重合体である、請求項1記載の組成物。
【請求項16】
前記溶媒が組成物に対して約90重量%未満の量で存在する、請求項1記載の組成物。
【請求項17】
前記カルボン酸塩が溶液の合計量に対して約10重量%〜約90重量%の量、特に溶液の合計量に対して約50重量%〜約80重量%で存在する、請求項16記載の組成物。
【請求項18】
前記溶媒が溶液の合計量に対して約10重量%〜約90重量%の量、特に溶液の合計量に対して約20重量%〜約50重量%で存在する、請求項16記載の組成物。
【請求項19】
水が組成物に対して約25重量%未満の量で存在する、請求項1記載の組成物。
【請求項20】
組成物中に存在する水の量が、組成物の最終的な重量に対して約5重量%未満である、請求項19記載の組成物。
【請求項21】
前記組成物がイソシアネートプレポリマー、イソシアネートプレポリマー又はポリオール成分に添加される、請求項1記載の組成物。
【請求項22】
約20未満のOH値(mg(KOH)/g(触媒組成物))、特に約10未満のOH値(mg/g(触媒組成物))を有する、請求項1記載の組成物。
【請求項23】
アルカリ金属カルボン酸塩及びアルカリ土類金属カルボン酸塩からなる群から選択される1つ以上の材料を溶媒中に含有する溶液を含んでなる触媒組成物であって、当該溶媒がポリイソシアネート中のイソシアネート反応性基、及び当該触媒組成物に対して約25重量%未満の量で存在する水と反応せず、当該溶媒が触媒組成物に対して約90重量%未満の量で存在する触媒組成物。
【請求項24】
ポリウレタン又はポリイソシアヌレート調製物の合計量に対して約0.3重量%〜約10%の量の請求項23記載の組成物が用いられている、前記ポリウレタン又はポリイソシアヌレート調製物。
【請求項25】
ポリウレタン又はポリイソシアヌレート調製物の合計量に対して約0.3重量%〜約10%の量の請求項1記載の組成物が用いられている、前記ポリウレタン又はポリイソシアヌレート調製物。
【請求項26】
1つ以上のポリイソシアネートと、イソシアネート反応性水素原子を2つ以上有する1つ以上の化合物とを、アルカリ金属カルボン酸塩及びアルカリ土類金属カルボン酸塩からなる群から選択される1つ以上の材料を含有し、ポリイソシアネート中のイソシアネート反応性基と反応しない溶媒を含んでなる触媒組成物の存在下で反応させることにより得られるウレタン基及びイソシアヌレート基を含んでなるポリウレタンフォーム。

【公表番号】特表2008−544041(P2008−544041A)
【公表日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−516897(P2008−516897)
【出願日】平成18年5月31日(2006.5.31)
【国際出願番号】PCT/US2006/020725
【国際公開番号】WO2006/138050
【国際公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(506390498)モーメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・インク (85)
【Fターム(参考)】