計器装置
【課題】 表示板50を均一に照明できる計器装置を提供する。
【解決手段】 表示板50は、指標部51を有する。指針40は、指標部51を指示する。駆動手段30は、指針40を回動させる。発光素子70は、表示板50を照明する照明光を発する。回路基板10は、発光素子70を搭載する。第一の反射部81は、発光素子70が発した照明光を反射させる。第二の反射部91,92,93,94,95は、第一の反射部81で反射された照明光を更に反射させる。第二の反射部は、傾斜角度が漸次異なり、波状に配置された複数の反射面92,93,94を有する。第二の反射部90の反射面92,93,94は、回路基板10に設けられた電気部品11に対応する箇所に形成されている。
【解決手段】 表示板50は、指標部51を有する。指針40は、指標部51を指示する。駆動手段30は、指針40を回動させる。発光素子70は、表示板50を照明する照明光を発する。回路基板10は、発光素子70を搭載する。第一の反射部81は、発光素子70が発した照明光を反射させる。第二の反射部91,92,93,94,95は、第一の反射部81で反射された照明光を更に反射させる。第二の反射部は、傾斜角度が漸次異なり、波状に配置された複数の反射面92,93,94を有する。第二の反射部90の反射面92,93,94は、回路基板10に設けられた電気部品11に対応する箇所に形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示板を照明する発光素子を備えた計器装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、表示板を指針にて指示する計器装置が種々提案されており、例えば特許文献1に開示されている。図4に示すように、計器装置は、回路基板10と、この回路基板10に装着され回転軸20が前方に延びる駆動手段30と、回転軸20にて回動される指針40と、この指針40の背後に配置される表示板50と、指針40を照明する指針用光源60と、表示板50を照明する表示用光源70と、回路基板10と表示板50との間に配置される第一の反射部材80及び第二の反射部材90と、から構成されている。表示用光源70が発した照明光Lは、第一の反射部材80で反射され、更に、第二の反射部材90で反射され、表示板50を照明する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−47560号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、第二の反射部材90の反射面の一部の傾斜角度が適切でないため、表示板50の照明が均一な明るさにならないという問題を有していた。例えば、回路基板10に搭載された電気部品11に対応して、第二の反射部材90の一部に凹部90aが設けられていると、第二の反射部材90の一部が表示板50と平行になってしまうため、第二の反射部材90で反射された照明光Lの一部が表示板50に照射されなくなり、表示板50が均一に照明されない虞があった。
本発明は、この問題に鑑みなされたものであり、表示板50が均一に照明される計器装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、指標部51を有する表示板50と、前記指標部51を指示する指針40と、前記指針40を回動させる駆動手段30と、前記表示板50を照明する照明光を発する発光素子70と、前記発光素子70を搭載する回路基板10と、前記発光素子70が発した前記照明光を反射させる第一の反射部81と、前記第一の反射部81で反射された前記照明光を更に反射させる第二の反射部91,92,93,94,95と、を備えた計器装置であって、前記第二の反射部91,92,93,94,95は、傾斜角度が漸次異なり、波状に配置された複数の反射面92,93,94を有するものである。
【0006】
また、本発明は、前記第二の反射部90の前記反射面92,93,94は、前記回路基板10に設けられた電気部品11に対応する箇所に形成されているものである。
【発明の効果】
【0007】
傾斜角度が漸次異なり、波状に配置された複数の反射面を設けることにより、表示板が均一に照明される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態を示す断面図。
【図2】同上実施形態を示す正面図。
【図3】同上実施形態を示す要部拡大断面図。
【図4】従来例を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面に基づいて、本発明の一実施形態を説明する。
【0010】
計器装置は、回路基板10と、この回路基板10に装着され回転軸20が前方に延びる駆動手段30と、回転軸20にて回動される指針40と、この指針40の背後に配置される表示板50と、指針40を照明する指針用光源60と、表示板50を照明する表示用光源(発光素子)70と、回路基板10と表示板50との間に配置される第一の反射部材80及び第二の反射部材90と、から構成されている。
【0011】
回路基板10は、例えばガラスエポキシ系基材に配線パターンを施した硬質回路基板からなり、指針用光源60と、表示用光源70と、コンデンサ等の電気部品11とが搭載され、前記配線パターンに導通されている。駆動手段30は、可動磁石式計器またはステッピングモータからなり、回路基板10の背後に装着され、且つ半田付け等の導通手段により前記配線パターンに電気接続されている。
【0012】
指針40は、透光性樹脂からなり、表示板50の後述する指標部を指示するように線状に延びる指示部41と、この指示部41の回転中心部を覆う遮光性樹脂からなる指針キャップ42とを備えている。また、指示部41の前記回転中心部には、背後に配置された指針用光源60から発せられる光を受光し、その光を指示部41の先端側に反射導光する受光部43が形成されている。
【0013】
表示板50は、指針40の回動軌道に沿った円弧状の配列形状を有し指針40の回動軌道に対応して設けられる指標部51と、この指標部51の背景を形成する背景部52とを備えている。指標部51は、指針40の回動中心に向けて延びる棒状形状からなる。
【0014】
指標部51,背景部52は、透光性樹脂からなる薄板状の基材の前面に形成された印刷層からなり、指標部51は青色系の透光性インクにより形成され、背景部52は黒色系の遮光性インクにより形成されている。これら指標部51,背景部52の各印刷層はスクリーン印刷等の手段を用いて印刷形成されてなる。
【0015】
指針用光源60は、チップ型発光ダイオードからなり、指針40の前記回転中心部に対応する回路基板10の前方側に配置されている。表示用光源70は、チップ型発光ダイオードからなり、第一の反射部材80の反射部(第一の反射部)81に対応する回路基板10の前方側に複数個配置されてなる。表示用光源70は、表示板50を透過照明するための照明光Lを発する。
【0016】
第一の反射部材80は、白色の樹脂からなり、回路基板10と表示板50との間に配設される。第一の反射部材80は、表示板50の貫通部55に対応し指針用光源60からの照明光を指針40の受光部43に導く筒状部82と、筒状部82を取り巻くように形成された湾曲形状の反射部81と、を備えている。
【0017】
第二の反射部材90は、回路基板10に搭載された電気部品11に対応して、凹部90aが後面に形成されている。第二の反射部材90は、曲面からなる反射面(第二の反射部)91,95と、平面からなる反射面(第二の反射部)92,93,94とを有している(図3参照)。反射面92,93,94は、回路基板10に搭載された電気部品11に対応する箇所で、反射面91と反射面95の間に配置されている。反射面92,93,94は、正面視では、回転軸20の前記軸線を中心とする略同心円弧状になっており、反射面92,93,94の近傍における第二の反射部材90の断面は波状になっている。
【0018】
図3に示すように、反射面92,93,94の傾斜角度は、夫々、A1,A2,A3になっている。反射面92,93,94の傾斜角度は、A1<A2<A3という漸次大きくなる角度になっている。第一の反射部材80の反射部81で反射された照明光Lは、反射面91,92,93,94,95で反射され、表示板50に略垂直に照射される。
【0019】
本実施形態によれば、第一の反射部材80の反射部81で反射された照明光を、反射面91,92,93,94,95にて更に反射させ、表示板50を透過照明することができる。
【0020】
なお、本実施形態では、第一の反射部材80と第二の反射部材90とは別体であったが、第一の反射部材80及び第二の反射部材90が一体に形成されていても良く、本実施形態と同様な効果を得ることができる。また、本実施形態では、第二の反射部材90の凹部90aは電気部品11に対応する箇所に設けられていたが、例えば、第二の反射部材90の凹部90aが、回路基板10に電気接続されたコネクタのリード端子に対応した箇所に設けられても良い。
【符号の説明】
【0021】
10 回路基板
11 電気部品
30 駆動手段
40 指針
50 表示板
51 指標部
70 発光素子
81 反射部(第一の反射部)
91 反射面(第二の反射部)
92 反射面(第二の反射部)
93 反射面(第二の反射部)
94 反射面(第二の反射部)
95 反射面(第二の反射部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示板を照明する発光素子を備えた計器装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、表示板を指針にて指示する計器装置が種々提案されており、例えば特許文献1に開示されている。図4に示すように、計器装置は、回路基板10と、この回路基板10に装着され回転軸20が前方に延びる駆動手段30と、回転軸20にて回動される指針40と、この指針40の背後に配置される表示板50と、指針40を照明する指針用光源60と、表示板50を照明する表示用光源70と、回路基板10と表示板50との間に配置される第一の反射部材80及び第二の反射部材90と、から構成されている。表示用光源70が発した照明光Lは、第一の反射部材80で反射され、更に、第二の反射部材90で反射され、表示板50を照明する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−47560号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、第二の反射部材90の反射面の一部の傾斜角度が適切でないため、表示板50の照明が均一な明るさにならないという問題を有していた。例えば、回路基板10に搭載された電気部品11に対応して、第二の反射部材90の一部に凹部90aが設けられていると、第二の反射部材90の一部が表示板50と平行になってしまうため、第二の反射部材90で反射された照明光Lの一部が表示板50に照射されなくなり、表示板50が均一に照明されない虞があった。
本発明は、この問題に鑑みなされたものであり、表示板50が均一に照明される計器装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、指標部51を有する表示板50と、前記指標部51を指示する指針40と、前記指針40を回動させる駆動手段30と、前記表示板50を照明する照明光を発する発光素子70と、前記発光素子70を搭載する回路基板10と、前記発光素子70が発した前記照明光を反射させる第一の反射部81と、前記第一の反射部81で反射された前記照明光を更に反射させる第二の反射部91,92,93,94,95と、を備えた計器装置であって、前記第二の反射部91,92,93,94,95は、傾斜角度が漸次異なり、波状に配置された複数の反射面92,93,94を有するものである。
【0006】
また、本発明は、前記第二の反射部90の前記反射面92,93,94は、前記回路基板10に設けられた電気部品11に対応する箇所に形成されているものである。
【発明の効果】
【0007】
傾斜角度が漸次異なり、波状に配置された複数の反射面を設けることにより、表示板が均一に照明される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態を示す断面図。
【図2】同上実施形態を示す正面図。
【図3】同上実施形態を示す要部拡大断面図。
【図4】従来例を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面に基づいて、本発明の一実施形態を説明する。
【0010】
計器装置は、回路基板10と、この回路基板10に装着され回転軸20が前方に延びる駆動手段30と、回転軸20にて回動される指針40と、この指針40の背後に配置される表示板50と、指針40を照明する指針用光源60と、表示板50を照明する表示用光源(発光素子)70と、回路基板10と表示板50との間に配置される第一の反射部材80及び第二の反射部材90と、から構成されている。
【0011】
回路基板10は、例えばガラスエポキシ系基材に配線パターンを施した硬質回路基板からなり、指針用光源60と、表示用光源70と、コンデンサ等の電気部品11とが搭載され、前記配線パターンに導通されている。駆動手段30は、可動磁石式計器またはステッピングモータからなり、回路基板10の背後に装着され、且つ半田付け等の導通手段により前記配線パターンに電気接続されている。
【0012】
指針40は、透光性樹脂からなり、表示板50の後述する指標部を指示するように線状に延びる指示部41と、この指示部41の回転中心部を覆う遮光性樹脂からなる指針キャップ42とを備えている。また、指示部41の前記回転中心部には、背後に配置された指針用光源60から発せられる光を受光し、その光を指示部41の先端側に反射導光する受光部43が形成されている。
【0013】
表示板50は、指針40の回動軌道に沿った円弧状の配列形状を有し指針40の回動軌道に対応して設けられる指標部51と、この指標部51の背景を形成する背景部52とを備えている。指標部51は、指針40の回動中心に向けて延びる棒状形状からなる。
【0014】
指標部51,背景部52は、透光性樹脂からなる薄板状の基材の前面に形成された印刷層からなり、指標部51は青色系の透光性インクにより形成され、背景部52は黒色系の遮光性インクにより形成されている。これら指標部51,背景部52の各印刷層はスクリーン印刷等の手段を用いて印刷形成されてなる。
【0015】
指針用光源60は、チップ型発光ダイオードからなり、指針40の前記回転中心部に対応する回路基板10の前方側に配置されている。表示用光源70は、チップ型発光ダイオードからなり、第一の反射部材80の反射部(第一の反射部)81に対応する回路基板10の前方側に複数個配置されてなる。表示用光源70は、表示板50を透過照明するための照明光Lを発する。
【0016】
第一の反射部材80は、白色の樹脂からなり、回路基板10と表示板50との間に配設される。第一の反射部材80は、表示板50の貫通部55に対応し指針用光源60からの照明光を指針40の受光部43に導く筒状部82と、筒状部82を取り巻くように形成された湾曲形状の反射部81と、を備えている。
【0017】
第二の反射部材90は、回路基板10に搭載された電気部品11に対応して、凹部90aが後面に形成されている。第二の反射部材90は、曲面からなる反射面(第二の反射部)91,95と、平面からなる反射面(第二の反射部)92,93,94とを有している(図3参照)。反射面92,93,94は、回路基板10に搭載された電気部品11に対応する箇所で、反射面91と反射面95の間に配置されている。反射面92,93,94は、正面視では、回転軸20の前記軸線を中心とする略同心円弧状になっており、反射面92,93,94の近傍における第二の反射部材90の断面は波状になっている。
【0018】
図3に示すように、反射面92,93,94の傾斜角度は、夫々、A1,A2,A3になっている。反射面92,93,94の傾斜角度は、A1<A2<A3という漸次大きくなる角度になっている。第一の反射部材80の反射部81で反射された照明光Lは、反射面91,92,93,94,95で反射され、表示板50に略垂直に照射される。
【0019】
本実施形態によれば、第一の反射部材80の反射部81で反射された照明光を、反射面91,92,93,94,95にて更に反射させ、表示板50を透過照明することができる。
【0020】
なお、本実施形態では、第一の反射部材80と第二の反射部材90とは別体であったが、第一の反射部材80及び第二の反射部材90が一体に形成されていても良く、本実施形態と同様な効果を得ることができる。また、本実施形態では、第二の反射部材90の凹部90aは電気部品11に対応する箇所に設けられていたが、例えば、第二の反射部材90の凹部90aが、回路基板10に電気接続されたコネクタのリード端子に対応した箇所に設けられても良い。
【符号の説明】
【0021】
10 回路基板
11 電気部品
30 駆動手段
40 指針
50 表示板
51 指標部
70 発光素子
81 反射部(第一の反射部)
91 反射面(第二の反射部)
92 反射面(第二の反射部)
93 反射面(第二の反射部)
94 反射面(第二の反射部)
95 反射面(第二の反射部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
指標部を有する表示板と、前記指標部を指示する指針と、前記指針を回動させる駆動手段と、前記表示板を照明する照明光を発する発光素子と、前記発光素子を搭載する回路基板と、前記発光素子が発した前記照明光を反射させる第一の反射部と、前記第一の反射部で反射された前記照明光を更に反射させる第二の反射部と、を備えた計器装置であって、
前記第二の反射部は、傾斜角度が漸次異なり、波状に配置された複数の反射面を有することを特徴とする計器装置。
【請求項2】
前記第二の反射部の前記反射面は、前記回路基板に設けられた電気部品に対応する箇所に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の計器装置。
【請求項1】
指標部を有する表示板と、前記指標部を指示する指針と、前記指針を回動させる駆動手段と、前記表示板を照明する照明光を発する発光素子と、前記発光素子を搭載する回路基板と、前記発光素子が発した前記照明光を反射させる第一の反射部と、前記第一の反射部で反射された前記照明光を更に反射させる第二の反射部と、を備えた計器装置であって、
前記第二の反射部は、傾斜角度が漸次異なり、波状に配置された複数の反射面を有することを特徴とする計器装置。
【請求項2】
前記第二の反射部の前記反射面は、前記回路基板に設けられた電気部品に対応する箇所に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の計器装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図2】
【図3】
【図4】
【公開番号】特開2012−132732(P2012−132732A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−283932(P2010−283932)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(000231512)日本精機株式会社 (1,561)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(000231512)日本精機株式会社 (1,561)
【Fターム(参考)】
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