説明

計量デバイス用の半径方向滑りシール要素およびそうした半径方向滑りシール要素を有する計量デバイス

本発明は特に注射器、ピペットピストン‐シリンダー器具などの計量デバイスにて使用される半径方向滑りシール要素(10)に関し、少なくとも一つのプレテンション要素(14)と協働するシーリング要素(12)を備え、要素(12)は軸方向および周方向に延在する、好ましくは周方向に延びるシーリングセグメント(16)を備え、その上には、シーリングならびに少なくとも軸方向の滑り接触のために第1の半径方向に面するシーリング面(18)が、軸方向および周方向に延在する、好ましくは周方向に延びる作用面上に形成され、かつ、その上には、第1の半径方向と反対の第2の半径方向に延在するプレテンション面(20)が半径方向プレテンション力の伝達のための要素(14)との係合のために形成されており、要素(14)は、スプリングキャリア(26)と、このキャリア(26)上で半径方向に弾性支持された複数の別個に形成された放射状スプリングセグメント(22)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シーリング要素を備え、かつ、それと協働する少なくとも一つのプレテンション要素を備える半径方向滑りシールサブアセンブリに関するものであり、シーリング要素は、軸方向に、そして周方向に延在するシーリングセクションを備え、その上には、第1の半径方向を向くシーリング面が、シーリングのために、そして軸方向にそして周方向に延在する作用面との少なくとも軸方向滑り接触のために形成されており、かつ、その上には、第1の半径方向と反対の第2の半径方向に面するプレテンション面が、半径方向プレテンション力を伝達するためのプレテンション要素と係合するために形成されている。
【背景技術】
【0002】
そうした半径方向滑りシールサブアセンブリは、特に、ピストン‐シリンダー器具を含む計量デバイスにおいて使用される。そうした計量デバイスは、たとえば、注射器、ピペットデバイスなどである。
【0003】
そうした計量デバイスにおいて、一般的なタイプの半径方向滑りシールサブアセンブリは、概して、シリンダー壁と、シリンダーに対して移動するピストンロッドの壁との間の半径方向ギャップをシールする役割を果たす。
【0004】
こうした半径方向ギャップは、概して、周方向に完全に円を描いて延在しているので、シーリングセクション、特にそれ自身に形成されたシーリング面は、作用面と共に、好ましくは、周方向に完全に円を描いて延在している。
【0005】
従来の公知の計量デバイスでは、シーリング要素は、Oリング上をひっくり返って半径方向滑りシールサブアセンブリとして頻繁にスライドするが、これは、半径方向滑りシールサブアセンブリの組み込み状態では、シーリング要素に半径方向のプレテンション力を加える。Oリングは、同時に、シーリングセクションのプレテンション面を押圧し、これによって、半径方向にプレテンション面と反対のシーリング面に半径方向にプレテンションを加える。
【0006】
こうした公知のタイプの半径方向滑りシールサブアセンブリの欠点は、一つには、プレテンション要素としてのOリングによって加えられる半径方向プレテンション力は、大きな寸法誤差および公知のラバー‐弾性プレテンション要素の決定素材特性の大きな変動のために、著しく変化するという事実にある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって本発明の目的は、それが可能な限り再現性のある均一な半径方向プレテンション力を提供し、それを用いてシーリング面に半径方向のプレテンションを加えることができるような、汎用半径方向滑りシールサブアセンブリを実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的は、冒頭で述べたタイプの半径方向滑りシールサブアセンブリによって、本発明に基づいて達成されるが、このものでは、プレテンション要素は、スプリングキャリアと、このスプリングキャリア上で、少なくとも半径方向に弾性的に支持された複数の別個に形成された半径方向スプリングセグメントとを具備してなる。
【0009】
複数の別個に形成された半径方向スプリングセグメントを提供することによって、確定された半径方向プレテンション力を提供でき、あるいは、半径方向スプリングセグメントと関連付けられた、プレテンション面の各周方向セクションのために調整することさえできる。
【0010】
シーリング要素に半径方向スプリングセグメントによって加えられる半径方向プレテンション力を支持するために、半径方向スプリングセグメントはプレテンション要素のスプリングキャリア上で支持される。スプリングキャリアは、したがって、個々の半径方向スプリングセグメントによって加えられるプレテンション力に対する反作用の力を吸収できる。
【0011】
本明細書において、半径方向スプリングセグメントが、スプリングキャリア上で、「半径方向に弾性的に支持」されているというときには、いつでも、プレテンション力を伝達する、放射状スプリングセグメントの少なくとも一つのセクションが、関連する放射状スプリングセグメントの可変なあるいは一定のスプリング剛性による半径方向力の作用のもと、半径方向に弾性的に変位可能であることを、そして、プレテンション力を伝達する、放射状スプリングセグメントのセクションが、力の作用が終了した後に実質的にその無負荷ポジションへと復元されることを意味するよう意図されている。これに関して、放射状スプリングセグメントがまた、さらなる方向に弾性的に支持されること、あるいは移動可能とすることが、さらに可能であることは除外されない。
【0012】
原則として、ほどほどに好ましい実施形態では、半径方向スプリングセグメントは、半径方向に長さが可変なヘリカル圧縮スプリングあるいは引っ張りボルトスプリングを用いて形成できる。各個々の半径方向スプリングセグメントへの極めて正確に調整可能な半径方向プレテンション力は、そうしたヘリカルスプリングによって実現できるが、これは、しかしながら、かなりの、そしてたいていは不要な設置費用を生じる。
【0013】
原則として、シーリング要素はまた、複数のプレテンション要素によって半径方向にプレテンションを加えることができる。この場合、不要に高額な製造コストを避けるために、個々のプレテンション要素が同一の形状とされるのが有利であり、こうすれば、ただ一つのタイプのプレテンション要素のみを製造するだけでよい。
【0014】
複数のプレテンション要素が望まれる場合、個々のプレテンション要素は、軸方向に交互に配置できる。これに関して、軸方向に隣接したプレテンション要素あるいはプレテンション要素の群は、同じあるいは反対方向に向けて設けることができる。このようにして、異なるシーリング要素ジオメトリーに適合された、異なる様式で明確に規定された半径方向プレテンション状態を実現できる。
【0015】
極めて小さな幾何学的寸法を備え、しかも同時に生産コストおよび/または組み込みコストが極めて低い半径方向滑りシールサブアセンブリは、少なくとも一つの放射状スプリングセグメントがその長手軸方向の一方の領域においてスプリングキャリアに対して接続され、かつ、プレテンション面への接触のための、長手軸方向端部から軸方向に離間した、プレテンション軸方向セクションを伴って形成される場合に得ることができる。この場合、半径方向スプリングセグメントは、軸方向にスプリングキャリアからリーフスプリングの様式で突出でき、そして、その自由な長手方向端部によって、理想化された片側だけクランプされたビームから公知の動作形態を伴って半径方向に弾力性を備えていてもよい。これに関連して、プレテンション軸方向セクションは放射状スプリングセグメント上に設けれ、好ましくは、放射状スプリングセグメントの長手軸方向端部を具備してなる領域上に設けられる。だが、必ずしもそうである必要はなく、リーフスプリング状放射状スプリングセグメントを好適に成形することで、スプリングキャリアに接続された長手軸方向端部と放射状スプリングセグメントの自由な長手軸方向端部との間に存在する放射状セクションはまた、プレテンション軸方向セグメントとして設計でき、この形状に基づく限り、それは、シーリング要素のプレテンション面と接触のために設計され、すなわち、半径方向滑りシールサブアセンブリの組み込み状態において、それは、事実上、プレテンション面に当接して存在する。
【0016】
半径方向プレテンション力の有効利用のために、プレテンション面が、やはりシーリング面が配置されるかあるいは二つの面が軸方向にオーバーラップする軸方向領域内で、軸方向に配置されることが有利である。だが、そうである必要はない。
【0017】
スプリングキャリアは、概して、複数の機能的タスク(放射状スプリングセグメントの保持がその一つである)を実行できるので、半径方向スプリングセグメントを保持するためのスプリングキャリアが、周方向に延在するキャリアセクションを有することが有利であり、そこから、少なくとも一つの半径方向スプリングセグメントが軸方向に突出する。
【0018】
冒頭で述べたとおり、シーリング面は、概して、周方向に完全に円形に延在するよう設計されるので、キャリアセクションもまた周方向に完全に円形に延在するように設計されるのが有利である。
【0019】
本発明に基づく半径方向滑りシールサブアセンブリを形成するための要素の必要な個数を可能な限り少なく抑えるために、可能な限り多くの、好ましくは全ての、半径方向スプリングセグメントが軸方向にキャリアセクションから突出しているのが有利である。
【0020】
これに関して、半径方向プレテンション力が、可能な限り広い軸方向領域にわたってシーリング要素に作用することを可能とすることが好ましく、この場合、半径方向スプリングセグメントがキャリアセクションから反対の軸方向に突出することを可能とすることが考えられる。
【0021】
好ましいプレテンション要素は(その軸方向寸法が可能な限り小さいので)、しかしながら、キャリアセクションから突出する半径方向スプリングセグメントが全て同じ軸方向に突出する場合に得ることができる。計量デバイスでの本明細書で説明した半径方向滑りシールサブアセンブリの好ましい利用によって、半径方向スプリングセグメントがキャリアセクションから可変中空スペースから離れる軸方向に突出するならば、計量デバイス内の普通に設けられる可変容積を可能な限り大きく形成できる。
【0022】
さらに、ほどほどに好ましい実施形態では、互いに軸方向にオフセットした状態で半径方向スプリングセグメントを配置することが考えられる。だが、これは、プレテンション要素の、結果として生じる大きな軸方向の構造的長さのために、あまり好ましいものではない。
【0023】
半径方向スプリングセグメントが周方向に隣接配置されるならば、周方向におけるシーリングセクションの実質的に全範囲にわたってシーリング要素への、個々の半径方向スプリングセグメントによる、半径方向プレテンション力の発揮を保証できる。
【0024】
半径方向スプリングセグメントの少なくとも一部、好ましくは全てがキャリアセグメントと一体に形成されるならば、有利な半径方向滑りシールサブアセンブリ(これは、可能な限り少ない個々の部品から形成できる)を実現することができる。このために、プレテンション要素全体は、特に好ましくは、一体要素として形成できる。
【0025】
構造的に、プレテンション要素は(特に、それが一体要素として形成される場合)、設計および構成の簡素化のために、周方向に隣接する複数の軸方向スリットを備える筒状セクションを有することができるが、その軸方向長さは筒状セクションのそれよりも短く、かつ、それは、好ましくは、筒状セクションの一つの長手軸方向端部から始まって、各場合における筒状セクションの他の長手軸方向端部へと延在する。筒状セクションは、キャリアセクションとしてのリングと、同じ軸方向にそこから突出するリーフスプリング状半径方向スプリングセグメントとを備える「クラウン形状」に設計できる。
【0026】
半径方向滑りシールサブアセンブリの組み込まれた状態のプレテンション要素が、シーリング要素のシーリングセクションに所望の半径方向プレテンション力を及ぼすことを保証するために、プレテンション要素は、無負荷状態のプレテンション軸方向セグメントが半径方向プレテンション作用方向にキャリアセクションを超えて突出するように構造的に形成できる。半径方向滑りシールサブアセンブリは、概して、これを用いてそれが他の要素に対して共同で移動できる要素上に設けられるように設計される。
【0027】
ピストン‐シリンダー器具を備えた計量デバイスにおいて本発明に基づく半径方向滑りシールサブアセンブリの使用の、特にここで考える例において、半径方向滑りシールサブアセンブリは、それゆえ、シリンダーおよびピストンあるいはピストンロッドからなる要素の一つに関して固定的に設けることができ、そしてシリンダーおよびピストンあるいはピストンロッドからなる個々のその他の要素に対して、これと一緒に移動できる。
【0028】
特に、半径方向スプリングセグメントが少なくとも部分的に上述したようなスプリングリーフ状に形成される場合、放射状スプリングセグメントの少なくとも一部が、組み込み状態でプレテンション面から離れる方向を向くその側面に放射状ストッパーを有するならば、放射状スプリングセグメントの助けによって、プレテンション要素は、したがって半径方向滑りシールサブアセンブリは全体として、半径方向滑りシールサブアセンブリを固定的に収容するキャリア要素上に、非常にシンプルにかつ有利にロックキング様式で配置できる。
【0029】
特に、したがって、プレテンション軸方向セクションが、本発明の有利な変形例として先に説明したように、無負荷状態でキャリアセクションに対して半径方向プレテンション作用方向に突出するならば、プレテンション要素は半径方向スプリングセグメントの少なくとも一部上の、好ましくは全ての半径方向スプリングセグメント上の上記半径方向ストッパー突起によって、放射状スプリングセグメントの半径方向の弾性的可動性を利用して、ロック様式で、たとえば適合するストッパー寸法形状を有するピストンロッドなどのキャリア部上に配置でき、ロックを解除するために、したがってプレテンション要素とキャリア要素とを分離させるために必要な力は、完全に組み込まれた状態で、半径方向プレテンション力の所望の作用方向に対して反対の半径方向プレテンション力を実現するために、作用面からその素材および/または寸法的弾力性に抗してプレテンション軸方向セクションが押しやられる場合、さらに増大させられる。したがって、それを用いて半径方向スプリングセグメントがシーリング要素のシーリングセクションを作用面に対して押し付ける半径方向プレテンション力は、それを支持するキャリア要素上でプレテンション要素のロッキング力として同時に機能する。
【0030】
半径方向滑りシールサブアセンブリが機能している間、シーリング要素およびプレテンション要素が実質的に、その意図された軸方向相対ポジションを維持することを、すなわち軸方向に互いに対して変位しないかあるいは無視できる程度しか変位しないことを保証するために、プレテンション要素が、少なくとも軸方向にシーリング要素およびプレテンション要素の相対ポジションを固定するための固定デバイスを有することも考えられる。これに関して、軸方向の固定が優先する。というのは、シーリング要素のシーリング面は、いかなる場合でも、その上にそれが載る作用面に関して軸方向に相対的移動可能であるからである。従来秘術から既に知られているように、固定デバイスは、少なくとも一つの固定突起として、好ましくは複数の固定突起として設計できる。これらは、半径方向にプレテンション要素から歯状様式で、そして任意選択で、プレテンション要素からシーリング要素へと、やはり軸方向の要素との良好な後方係合のために突出できる。そうした固定突起は、製造の観点からは、有利なことには、プレテンション要素の全長にわたって周方向に延在でき、すなわち、プレテンション部に完全に円形に形成できる。
【0031】
本発明のさらに有利な変形例によれば、プレテンション軸方向セクションの領域における固定デバイスは、一つ以上の半径方向スプリングセグメント上に設けることができ、この結果、それによって半径方向スプリングセグメントがシーリング要素に対して圧接する半径方向プレテンション力は、互いに対するシーリング要素およびプレテンション要素の位置安全性を増大させる。
【0032】
キャリア要素へのプレテンション要素の上記取り付けに代えて、あるいはそれに加えて、このために、プレテンション要素は、計量デバイスなどの主構造体に対してプレテンション要素を取り付けるために、半径方向に延在する取り付けセクションを有することが考えられる。ここで言及された主構造体は、上記キャリア要素と同一であってもよい。半径方向取り付けセクションは、非常に僅かな軸方向の拡張によって、主構造体への極めて確実な取り付けを保証できる。たとえば、取り付けセクションは半径方向フランジとして形成でき、これは、有利なことには、プレテンション要素の全周長にわたって延在し、そして、特に好ましくは、周方向に完全に円形に設けられる。
【0033】
従来公知のラバー弾性プレテンション要素のさらなる重大な欠点は、その温度特性である。本明細書で説明したプレテンション要素は、このプレテンション要素が少なくとも半径方向スプリングセグメントの領域において、好ましくはまたスプリングキャリアの領域において、金属から形成されるならば、非常に広い温度範囲において、たとえば200℃までの動作温度で、機能的に信頼性に優れた様式で使用可能である。
【0034】
シーリング要素は、少なくともシーリングセクションおいて、好ましくは完全に、エラストマーあるいは熱可塑性樹脂などのフレキシブルな弾性素材から形成される。
【0035】
本発明の有利な変形例(これは、特に、シーリング要素のシーリング面が作用面に対して特に大きな力すなわち圧力で押し付けられる場合に使用可能である)によれば、半径方向滑りシールサブアセンブリは、プレテンション要素に対して移動可能なクランプ力発生要素を具備してなることができる。クランプ力発生要素は、これに関して、好ましくは、第1のポジション(このポジションでは、クランプ力発生要素は、プレテンション要素がシーリング要素により小さな半径方向プレテンション力を加えるようにプレテンション要素と協働する)と、第2のポジション(このポジションでは、クランプ力発生要素は、プレテンション要素がシーリング要素により大きな半径方向プレテンション力を加えるようにプレテンション要素と協働する)との間でプレテンション要素に対して、少なくとも移動可能である。第1のポジションのプレテンション力はまたゼロであってもよい。
【0036】
これに関して、組み込みスペース節約構造のために、クランプ力発生要素を、少なくとも、その半径方向スプリングセグメントの領域において、プレテンション要素を取り囲むリングとして、簡単な様式で形成できる。クランプ力発生要素によって発生させることができる半径方向プレテンション力の良好な確定のために、半径方向突起は、好ましくは、リングとして形成されたクランプ力発生要素上に形成されるが、これは、プレテンション要素へとクランプ力発生要素から突出する。
【0037】
クランプ力発生要素の特にシンプルな動作のために、シーリング要素から離れる方向を向くその面上の半径方向スプリングセグメントの少なくとも一部、好ましくはその全てを軸方向に傾斜させて形成することが、さらに考えられ、この結果、リングとして形成されたクランプ力発生要素の軸方向変位は、軸方向に傾斜した、放射状スプリングセグメントの面との接触時に、変位経路に依存して、シーリング要素へ、さまざまに大きな半径方向プレテンション力を加える。
【0038】
さらに本発明は、シリンダーおよびピストンロッド(そのいずれもが、軸方向に沿って延在すると共に、この軸方向に互いに対して移動可能である)を備え、かつ、上述した半径方向滑りシールサブアセンブリをも備える、計量デバイス、特に注射器、ピペットピストン‐シリンダー器具などに関するものである。これに関して、第1の可能な実施形態によれば、作用面は、ピストンロッドに面するシリンダーの内側に形成できる。この場合、半径方向滑りシールサブアセンブリは、シリンダーに対してピストンあるいはピストンロッドをシールするために使用でき、この結果、シーリング要素は、ピストンロッドおよびシリンダーの相対移動によって変更可能な計量キャビティを画定するために直接使用可能であり、計量キャビティは、この場合、シリンダー壁のセクション、出口/入口開口を備えたシリンダー前面、そしてまさにシーリング要素によって範囲が定められる。少なくともシーリング要素は計量キャビティの区画に寄与し得る。
【0039】
このために、シリンダー内に突出する、ピストンロッドの計量長手方向端部の領域におけるプレテンション要素を、ジョイント動作のために当該ロッドに対して取り付けることが考えられる。この場合、冒頭で既に述べたように、半径方向スプリングセグメントが設けられ、かつ、計量キャビティから離れる方向にキャリアセクションから突出して配置されるならば、計量キャビティは、可能な限り大きな有効容積を持つように設計できる。
【0040】
ピストン‐シリンダー器具を備えた計量デバイスのピストン上であるいはピストンロッド上でプレテンション要素をロックする既に述べた可能性に加えて、あるいはそれに代えて、プレテンション要素(特に上記半径方向フランジ使用される場合)はピストンロッドに対してリベット留めできる。これに加えて、あるいはこれに代えて、プレテンション要素のセクションは、これが周方向に閉じたリングを形成する場合には、ピストンロッドあるいはピストンに対して収縮結合させることができる。この場合にも、組み込みスペースの最適利用のために、放射状スプリングセグメントが設けられ、かつ、計量キャビティから離れる方向にキャリアセクションから突出して配置されることが有利である。
【0041】
本明細書で説明した計量デバイスを形成するために必要な要素の数のさらなる低減が望まれる場合、プレテンション要素を、少なくとも部分的に、好ましくは完全に、ロッドのセクションと一体に形成することも考えられる。
【0042】
これに代えて、あるいはさらに、上記計量デバイスにおいて、作用面は、シリンダーの内壁に面して、ピストンロッドの外側に形成できる。たとえば、それが半径方向滑りシールサブアセンブリによってシールされるべき上記計量キャビティではないが、その代わりにシリンダーからピストンロッドの出口ポイントであるならば、これは望ましい。この場合、本発明に基づく半径方向滑りシールサブアセンブリは、計量開口を備えたシリンダーの長手方向端部と対向するシリンダーの長手方向端部上に配置される。
【0043】
以下、実施例を用い、そして図面を参照して、本発明について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明に基づく半径方向滑りシールサブアセンブリの第1実施形態の長手方向断面図であり、断面で示していないピストンロッドの長手方向端部上に配置された状態である。
【図2】図1の第1実施形態の部分的(非断面)斜視図である。
【図3】本発明に基づく半径方向滑りシールサブアセンブリの第2実施形態を備えた計量デバイスの長手方向断面図である。
【図4】図3における細部IVの長手方向断面図である。
【図5】ピストンロッド上に設けられた、半径方向滑りシールサブアセンブリの第2実施形態の斜視図である。
【図6】本発明に基づく半径方向滑りシールサブアセンブリの第3実施形態を備えた計量デバイスの長手方向断面図である。
【図7】本発明に基づく半径方向滑りシールサブアセンブリの第4実施形態を備えた計量デバイスの長手方向断面図である。
【図8】本発明に基づく半径方向滑りシールサブアセンブリの第5実施形態を備えた計量デバイスの長手方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図1において、長手方向断面で示す本発明に基づく半径方向滑りシールサブアセンブリの第1実施形態が、概して、参照数字10で示されている。これは、プレテンション要素14を外側から取り囲む、ポット形状シーリング要素12を備えている。
【0046】
シーリング要素12は、その開放長手方向端部12aの領域に、シーリングセクション16を有し、これは、その半径方向外面に、周方向に完全に円形でかつ軸方向に所定量だけ突出するシーリング面18を備え、プレテンション面20は、半径方向に反対側を向く面上に、シーリングセクション16の領域に形成され、その面上には、それぞれプレテンション軸方向セクション24を有する複数の放射状スプリングセグメント22が載っている。
【0047】
プレテンション要素14は、放射状スプリングセグメント22に加えて、スプリングキャリア26を有するが、軸方向に放射状スプリングセグメントに隣接して存在するそのキャリアセクション27によって半径方向スプリングセグメント22は一体的に形成されており、かつ、ピストンロッド28の長手方向軸線Lの方向に突出している。放射状スプリングセグメント22(これは、周方向に長手方向軸線Lを中心として隣接配置されている)は全て、スプリングキャリア26から、同じ方向に突出している。
【0048】
図2からさらに容易に認識できるように、プレテンション要素14はクラウン形状であり、筒状セクション30を備えるが、ここで、半径方向スプリングセグメント22がスリット32によって互いに分離させられており、その軸方向の長さは筒状セクション30のそれよりも短く、この結果、筒状セクション30は、スリット32を導入することによって、筒状の未完成物品から形成できる。
【0049】
プレテンション要素14は、さらに、半径方向内側に向けられた放射状フランジ34を有し、これは、プレテンション要素をピストンロッド28の長手方向端部28aに対して取り付ける役割を果たすが、これは、組み付け状態で、シリンダー内に突出する。このために、概ね中央の開口36が放射状フランジ34に設けられ、これを用いて、プレテンション要素14はピストンロッド28の長手方向端部28aに対してリベット留めできる。
【0050】
さらに、点線で示す半径方向突起38を、半径方向にプレテンション面20から離れる方向に面して、放射状スプリングセグメント22の面上に設けることができるが、この突起は、ストッパーヘッドとして形成されて、ピストンロッド28の長手方向端部28a上でプレテンション要素14のロックのために機能できる。
【0051】
図1の半径方向外側に作用するプレテンション力を発生させるために、放射状スプリングセグメント22が、スプリングキャリア26上に弾性的に支持された状態で設けられるが、半径方向におけるその自由な長手方向端部(双方向矢印R参照)はピストンロッド28の中心長手方向軸線Lに関連付けられている。
【0052】
既に述べたとおり、組み付け状態では、ピストンロッド28の長手方向端部28a(これは、その上でプレテンション要素14をロックする同様に上述した可能性のために形成されており、軸方向に続くショルダーセクション28bよりも大きな直径を有する)は、計量デバイスシリンダー(図示せず)の内部に確実に挿入される。弾性シーリング要素12の前面12bは、これによって、計量デバイスの計量キャビティを画定する。
【0053】
プレテンション要素14上での計量要素12の位置的固定を保証するために、周方向に完全に円形に配置された突起40は、この例では、スプリングキャリア26の領域において、プレテンション要素14上に設けられる。図1に示す組み付け状態では、これらはシーリング要素12の弾性素材を貫通する。
【0054】
この位置的固定効果はまた、代替例としてあるいはこれに加えて、放射状スプリングセグメント22の面上のプレテンション軸方向セクション16の領域に、さらなる固定要素が、組み付け状態でシーリング要素12に面するように設けられる場合に強化できる。
【0055】
図1に示す半径方向滑りシールサブアセンブリ10の実施形態は、図2に斜視図で示されており、シーリング要素12は省略された状態である。
【0056】
この図から、図2の非変形状態にある放射状スプリングセグメント22のプレテンション軸方向セクション24は、スプリングキャリア26の外径を超えて、プレテンション作用の方向に放射状に、すなわちこの例では半径方向外側に突出することは明らかである。
【0057】
その上、シーリング要素12が、プレテンション要素14のプレテンション軸方向セクション上で、少なくともそのシーリングセクション16と共に滑る場合、放射状スプリングセグメント22は、その材料弾性に抗して半径方向内側に曲げられ、そして、相応に正確に調整可能なスプリング力(プレテンション力)によって、プレテンション面20を半径方向外側に押圧し、これによって、シーリング要素12のシーリング面18は、所望の様式で、半径方向外側にプレテンションが加えられる。
【0058】
図3は、計量デバイスに組み込まれた状態で、本発明に基づく半径方向滑りシールサブアセンブリの第2実施形態を示している。
【0059】
図3ないし図5の第2実施形態において、図1および図2の第1実施形態におけるのと同じ構造部品には、同じであるが、各場合に100だけ増大した参照数字が付与されている。第2実施形態について、それが第1実施形態と異なる点についてのみ説明するが、その説明に対して、参照は他の点では明らかになされている。
【0060】
図3において、計量デバイスは概して参照数字141によって示されている。当該デバイスは、シリンダー142を具備してなるが、その中には、ピストンロッド128が、このピストンロッドの長手方向軸線Lに沿ってシリンダーに対して移動可能であるように収容されている。ピストンロッドの長手方向軸線Lは、同時に、シリンダー142の長手方向軸線でもある。
【0061】
シリンダー142は、シリンダー本体145および閉塞・組み込みサブアセンブリ146と共に複数の部品から形成されるが、これは、シリンダー142からのピストンロッド128の出口側において、シリンダー本体145に連結されている。図4において、作用面144はピストンロッド128の外面によって形成されていることが分かるが、それに対しては、したがって、半径方向内側を向く、すなわちピストンロッド長手方向軸線Lに面するシーリング要素112のシーリング面118が載っている。
【0062】
したがって、第2実施形態のシーリング要素112のプレテンション面120は半径方向外側に面する。放射状スプリングセグメント122は、そのプレテンション軸方向セクション124がシーリング要素112のプレテンション面120に当接した状態で存在し、かつ、作用面144に対してシーリング要素112のシーリングセクション116を押し付ける。
【0063】
第2実施形態の半径方向滑りシールサブアセンブリ110によって加えられるプレテンション力は、したがって、第1実施形態に比べて、半径方向逆向きに作用する。
【0064】
したがって、プレテンション要素114は、半径方向外側に面する取り付けフランジ134を備える。同じことが、やはり、シーリング要素112にも当てはまるが、その前面112bは、半径方向外側に完全に円形に延在する保持フランジ148上に形成されている。
【0065】
第2実施形態の半径方向滑りシールサブアセンブリは、軸方向に、この例ではシリンダー142からピストンロッド128の引抜き方向に、囲いおよび組み込みサブアセンブリ146の半径方向内側を向く半径方向突起150に抗する半径方向取り付けフランジ134を付加することで、計量デバイス141に対して、サンドイッチのような様式で、極めて簡単に取り付けることができる。逆向き軸方向に、保持フランジ148(これは、残りの一体シーリング要素112と共に、弾性素材からなる)は取り付けフランジ134に載っており、この結果、このフランジ構造体は、半径方向突起150に当接するシリンダー本体145の軸方向端部145aによって固定しかつプレテンションを加えることができる。固定は、たとえば、シリンダー本体に囲いおよび隔離アセンブリ146をねじ込むことによって簡単に実現でき、これによって、弾性シーリング要素素材のフレキシブルな弾力性に起因して、計量デバイス141上でシーリング要素112およびプレテンション要素114の固定が実現されるだけでなく、「作用=反作用」原理によって、シリンダー本体145上での囲いおよび組み込みサブアセンブリ146の固定がまた実現される。
【0066】
図5は、シリンダー142を省略した状態での、第2実施形態の部分断面斜視図である。
【0067】
図6は、本発明に基づく半径方向滑りシールサブアセンブリの第3実施形態を備えた計量デバイスを示している。図4および図5の第2実施形態におけるのと同じ構造部品には、図6において、同じであるが、100だけ増加した参照数字が付与されている。その他の参照は、明らかに、図4および図5の説明に対してなされている。
【0068】
図6の第3実施形態は実質的に第2実施形態に対応するので、これに関しては、既に説明した第2実施形態と異なる点についてのみ説明する。
【0069】
半径方向滑りシールサブアセンブリの第3実施形態と第2実施形態との間の差異は、一方では、シーリング要素212から離れる方向を向く半径方向スプリングセグメント222の放射状面252は、ピストンロッド228の長手方向軸線Lに対して傾いて形成されることである。図6に示す例では、外側放射状面252は円錐形に形成されており、半径方向スプリングセグメント222によって形成されたアセンブリの外径はシリンダー本体245に向かって増大している。
【0070】
さらに、プレテンション要素214は、半径方向スプリングセグメント222の領域において、クランプリング254によって半径方向外側において取り囲まれており、計量デバイス241内により深く存在するその長手方向端部254aには、半径方向スプリングセグメント222の外側放射状面252に面する半径方向突起256が形成されている。
【0071】
クランプリング254は、少なくとも計量デバイス241の設置の間、ピストンロッド228の長手方向軸線Lの方向に移動可能である。クランプリング254が計量デバイス内に挿入されるとき、すなわち図6の左側に向かって変位させられるとき、半径方向突起256は半径方向スプリングセグメント222の円錐形放射状面252と接触状態となり、この結果、計量デバイス241内へのクランプリング254のさらなる変位の際に、半径方向スプリングセグメント222は、半径方向突起256によって、ピストンロッド228にに対して、ますます押し付けられ、これによって、半径方向スプリングセグメント222によってシーリング要素212に加えられる半径方向プレテンション力は増大する。
【0072】
クランプリング254すなわち概してクランプ力発生要素は、この場合、半径方向プレテンション力がシーリング要素上に絶えず加えられることを保証するために、所望の半径方向プレテンション力がクランプ力発生要素によって、いったん得られると、たとえば、接着、溶接などによって、プレテンション要素に対して、その本来のポジションで固定できる。
【0073】
図7は、ピストンロッド上に配置された、第1実施形態に類似した、本発明に基づく半径方向滑りシールサブアセンブリの第4実施形態を通る長手方向断面を示している。
【0074】
図1におけるのと同じ構造部品には、同じであるが、300だけ増加した参照数字が付与されている。
【0075】
図7の第4実施形態について、それが図1および図2の第1実施形態と異なる点についてのみ説明するが、その説明に対して、これによって、参照は明らかになされている。
【0076】
図7のプレテンション要素314は、図1のプレテンション要素と完全に同一であるが、シーリング要素312は、それが反対の軸方向向きで二つのプレテンション要素314を収容できる点で異なっている。プレテンション要素314のこの構造はまた、X構造と呼ばれる。なぜなら、図7の長手方向セクションにおいて、二つのプレテンション要素314の放射状スプリングセグメント322は、リベット362を用いた取り付けポイント360を基点として、それがピストンロッド328の長手方向軸線Lから離れるように両軸方向に延在するように配置され、かつ、整列させられているからである。
【0077】
図7に示す構造によって、軸方向に関して非常に長いシーリング要素312のシーリングセクションを、図7には示していない作用面上で実現することができる。
【0078】
図8には、ピストンロッド上の半径方向滑りシールサブアセンブリが断面で再度示されている。やはり、第5実施形態のこの半径方向滑りシールサブアセンブリの要素は、第1および第4実施形態のそれと非常に類似している。したがって、第4実施形態における同一の構造部品には、図1、図2および図7におけるのと同じであるが、それぞれ400あるいは100だけ増加した参照数字を付与する。その他の参照は、明らかに、第1および第4実施形態の説明に対してなされている。
【0079】
以下、図8の第5実施形態について、既に説明した実施形態1および4と異なる点についてのみ説明する。
【0080】
図8の第5実施形態もまた、二つのプレテンション要素414を備えた半径方向滑りシールサブアセンブリを示しているが、これらは、第1および第4実施形態それぞれのプレテンション要素14および314と完全に同一である。
【0081】
図7の第4実施形態とは対照的に、プレテンション要素414およびそれに接続されたシーリング要素412は、その前面が隣接した状態ではないが、その放射状スプリングセグメント422の自由な長手方向端部を伴って配置されている。放射状スプリングセグメント422の互いに近接して存在するこれらの自由な長手方向端部を基点として、両放射状スプリングセグメントは、各場合に、ピストンロッド428の長手方向軸線Lへと軸方向に延在するが、これは、図8に示す構造がまたO構造と呼ばれる理由である。リベット462は相応に長めに形成され、スリーブ464は、プレテンション要素414(これは、左側プレテンション要素414によって図8の右側プレテンション要素414を固定する役割を果たす)の前面(放射状フランジ434)と、リベット頭部462cとの間を滑る。単に、放射状フランジ434によって、そして右側シーリング要素412の場合にはまたそのシーリング素材によって取り囲まれたリベット462のこれらのセクションは、スリーブ464によって囲まれていない。これらのセクションは、参照数字462aおよび462bによって図8中で特定されている。
【0082】
やはり、軸方向における非常に長いシーリング面が、図8に示す第5実施形態によって実現される。
【符号の説明】
【0083】
10 半径方向滑りシールサブアセンブリ
12 ポット形状シーリング要素
12a 開放長手方向端部
14 プレテンション要素
16 シーリングセクション
18 シーリング面
20 プレテンション面
22 放射状スプリングセグメント
24 プレテンション軸方向セクション
26 スプリングキャリア
27 キャリアセクション
28 ピストンロッド
28a 長手方向端部
28b ショルダーセクション
30 筒状セクション
32 スリット
34 放射状フランジ
36 開口
38 半径方向突起
40 突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピストン‐シリンダー器具を備えると共に、前記シリンダー(142)の壁と、このシリンダー(142)に対して移動可能なピストンロッド(28;128;228;328;428)の壁との間の半径方向ギャップをシールする半径方向滑りシールサブアセンブリ(10;110;210;310;410)を備える計量デバイスであって、前記アセンブリは、シーリング要素(12;112;212;313;412)と、それと協働する少なくとも一つのプレテンション要素(14;114;214;314;414)とを具備してなり、前記シーリング要素(12;112;212;312;412)は、軸方向におよび周方向に、好ましくは周方向に完全に円形に延在するシーリングセクション(16;116;216)を具備してなり、その上には、第1の半径方向に面するシーリング面(18;118;318;418)が、シーリング、ならびに軸方向および周方向に、好ましくは周方向に完全に円形に延在する作用面(144;244)との少なくとも軸方向における滑り接触のために形成されており、かつ、その上には、第1の半径方向と反対の第2の半径方向に面するプレテンション面(20;120)が、前記半径方向プレテンション力の伝達のための前記プレテンション要素(14;114;214;314;414)との係合のために形成されており、前記プレテンション要素(14;114;214;314;414)は、スプリングキャリア(26;126)と、このスプリングキャリア(26;126)上で少なくとも半径方向に弾性的に支持された複数の別個に形成された放射状スプリングセグメント(22;122;222;322;422)と、を具備してなることを特徴とする計量デバイス。
【請求項2】
少なくとも一つの放射状スプリングセグメント(22;122;222;322;422)は、前記スプリングキャリア(26;126)に対して、その長手軸方向端部の一方の領域において連結されており、かつ、プレテンション面(20;120)への接触のために、前記長手軸方向端部から軸方向に間隔が置かれたプレテンション軸方向セクション(24;124)を用いて形成されていることを特徴とする請求項1に記載の計量デバイス。
【請求項3】
前記スプリングキャリア(26;126)は、周方向に、好ましくは完全に円形に延在するキャリアセクション(27;127;227)を具備してなり、そこから、少なくとも一つの放射状スプリングセグメント(22;122;222;322;422)が、好ましくはいくつかの、特に好ましくは全ての放射状スプリングセグメント(22;122;222;322;422)が軸方向に、好ましくは同一の軸方向に突出していることを特徴とする請求項2に記載の計量デバイス。
【請求項4】
前記放射状スプリングセグメント(22;122;222;322;422)は、周方向に隣接的に配置されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の計量デバイス。
【請求項5】
放射状スプリングセグメント(22;122;222;322;422)の少なくとも一部、好ましくはその全ては、前記キャリアセクション(27;127;227)と一体に形成されていることを特徴とする請求項3または請求項3を引用する請求項4に記載の計量デバイス。
【請求項6】
前記プレテンション要素(14;114;214;314;414)は一体要素であることを特徴とする請求項5に記載の計量デバイス。
【請求項7】
前記プレテンション要素(14;114;214;314;414)は周方向に隣接する複数の軸方向スリット(32;132)を有する筒状セクション(30;130)を具備してなり、その軸方向の長さは前記筒状セクション(30;130)のそれよりも短く、かつ、好ましくは、前記筒状セクション(30;130)の長手軸方向端部を基点として前記筒状セクション(30;130)の各場合における他の長手軸方向端部へと延在していることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の計量デバイス。
【請求項8】
無負荷状態にある前記プレテンション軸方向セクション(24;124)は、半径方向プレテンション作用方向に前記キャリアセクション(27;127;227)に対して突出していることを特徴とする、請求項2を引用する、請求項2ないし請求項7のいずれか1項に記載の計量デバイス。
【請求項9】
前記放射状スプリングセグメント(22;122;222;322;422)の少なくとも一部は、組み込まれた状態で前記プレテンション面(20;120)から離れる方向を向くその面上に、半径方向停止突起(38)を有することを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の計量デバイス。
【請求項10】
前記プレテンション要素(14;114;214;314;414)は、前記シーリング要素(12;112;212;312;412)およびプレテンション要素(14;114;214;314;414)の少なくとも軸方向における相対ポジションを固定するための固定デバイス(40)を、好ましくは固定突起(40)の形態で具備してなることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の計量デバイス。
【請求項11】
前記プレテンション要素(14;114;214;314;414)は、計量デバイスなどの主構造体(141;241)に対して前記プレテンション要素(14;114;214;314;414)を取り付けるための、半径方向に延在する取り付けセクション(34;134;434)を具備してなることを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の計量デバイス。
【請求項12】
前記取り付けセクション(34;134;434)は、好ましくは完全に円形に延在する放射状フランジ(34;134;434)として形成されることを特徴とする請求項11に記載の計量デバイス。
【請求項13】
少なくとも前記放射状スプリングセグメント(22;122;222;322;422)の領域において、好ましくはまた前記スプリングキャリア(26;126)の領域において、前記プレテンション要素(14;114;214;314;414)は金属から形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項12のいずれか1項に記載の計量デバイス。
【請求項14】
前記プレテンション要素(14;114;214;314;414)に対して移動可能なクランプ力発生要素を具備してなり、これは、前記プレテンション要素(14;114;214;314;414)が前記シーリング要素に、より小さな半径方向プレテンション力を加えるように前記クランプ力発生要素が前記プレテンション要素(14;114;214;314;414)と協働する第1のポジションと、前記プレテンション要素(14;114;214;314;414)が前記シーリング要素に、より大きな半径方向プレテンション力を加えるように前記クランプ力発生要素が前記プレテンション要素(14;114;214;314;414)と協働する第2のポジションとの間で、前記プレテンション要素(14;114;214;314;414)に対して少なくとも移動可能であることを特徴とする請求項1ないし請求項13のいずれか1項に記載の計量デバイス。
【請求項15】
請求項1ないし請求項14のいずれか1項に記載の計量デバイス(141;241)、特に注射器、ピペットピストン‐シリンダー器具であって、シリンダー(142)およびピストンロッド(28;128;228;328;428)を備え、その両方が軸方向に沿って延在し、かつ、当該方向に互いに対して移動可能であり、前記作用面が、前記ピストンロッド(28;128;228;328;428)に面して、前記シリンダー(142)の内側上に形成されていることを特徴とする計量デバイス(141;241)。
【請求項16】
前記シリンダー内に突出する、前記ピストンロッド(28;328;428)の計量長手方向端部(28a;328a)の領域における前記プレテンション要素(14;314;414)はジョイント動作のために前記ロッドに対して固定されていることを特徴とする請求項15に記載の計量デバイス。
【請求項17】
前記プレテンション要素(14;114;214;314;414)は、前記ピストンロッド(28;128;228;328;428)に対してリベット留めされ、かつ/または、収縮嵌合させられることを特徴とする請求項15に記載の計量デバイス。
【請求項18】
前記プレテンション要素(14;114;214;314;414)は、少なくとも部分的に、好ましくは全体として、前記ピストンロッド(28;128;228;328;428)のセクションと一体に形成されることを特徴とする請求項15に記載の計量デバイス。
【請求項19】
前記作用表面(144;244)は、前記シリンダーの内壁に面して、前記ピストンロッド(28;128;228;328;428)の外側に形成されることを特徴とする請求項15のプリアンブル部分に記載の、あるいは請求項15に記載の計量デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−507666(P2012−507666A)
【公表日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−533541(P2011−533541)
【出願日】平成20年11月5日(2008.11.5)
【国際出願番号】PCT/EP2008/009319
【国際公開番号】WO2010/051824
【国際公開日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(501401397)ハミルトン・ボナドゥーツ・アーゲー (8)
【Fターム(参考)】