説明

計量供給バルブ用プリセット式流れ制御モジュール

流れ制御室と、ディフューザと、固定長さ止栓とを備える流れ制御装置を提供する。固定長さ止栓は、軸と、栓とを備える。軸は、その長手方向軸に沿って圧縮することができる。流れ制御装置は、流れ制御部本体に取外し可能に取り付けられたインターフェースをさらに備える。固定長さ止栓の固定部分が、インターフェースに取り付けられている。流れ制御装置は、複数の所定の長さを有する複数の固定長さ止栓をさらに備える。装着されると、固定長さ止栓のそれぞれが、流れ制御室を通過する流体にある流速を生じさせるためにディフューザに所定の距離だけ入った状態で位置決めされる。固定長さ止栓は、所定の長さに従って色分けされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[101] 本出願は、一般に、計量供給装置に関し、より詳細には、それに限定するものではないが、飲料ディスペンサに連係する、飲料流体の流速を調節する改良された流れ制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
[102] 標準的な混合済み飲料ディスペンサは、飲料を調製するために飲料流体を混合する。特に、ソフトドリンク用の飲料風シロップなどの濃縮液の1配分量は、淡水または炭酸水などの希釈液の1配分量により混合される。濃縮液および希釈液は、通常、計量供給バルブアセンブリの計量供給ノズルを通して同時に計量供給され、それにより、所望の飲料が、混合されると同時に消費者に計量供給される。このように、それぞれの飲料流体は、飲料流体ラインを介して、飲料流体源から飲料ディスペンサの中を計量供給バルブアセンブリまで運ばれる。標準的な混合済み飲料ディスペンサは、一般に、他の機構と共に、計量供給バルブアセンブリによって送り出される飲料流体の流量および流速を制御する流れ制御装置を備える。
【0003】
[103] 流れ制御装置は、通常、流れ制御アセンブリとバルブアセンブリとに作動上分けられる。流れ制御アセンブリは、飲料流体ラインに連結され、そこから飲料流体を受け取る。流れ制御アセンブリは、高品質のドリンクが計量供給ノズルから送出されるように、飲料流体の流速を最適に調節する。バルブアセンブリは、所望の量の飲料流体を計量供給バルブアセンブリから計量供給ノズルへ通過させるように、流れ制御アセンブリおよび計量供給ノズルに作動的に係合している。
【0004】
[104] 流れの圧力が変化する中で、濃縮液および希釈液の流速を一定に維持することにより、混合済み飲料ディスペンサの流れ制御アセンブリは、確実に適切な濃縮液と希釈液の混合比を形成する。適切な混合比によって、ディスペンサは、一定の品質および味を有する飲料を提供することができる。そのような一貫性は、飲料製品が市場および商業的に成功する上で望ましい。しかし、現状の流れ制御アセンブリは、一般に、出来上がる混合飲料に適切な濃縮液/希釈液の比を達成するために、熟練した技師による時間の掛かる初期較正を必要とする。さらに、現状の流れ制御アセンブリは、時間経過と共に適正な調節状態から「ドリフト」して行くので、定期的に手作業による再較正を必要とする。
【0005】
[105] 図1は、先行技術による流れ制御装置10を示し、その流れ制御装置は、米国特許第6,328,181号により詳細に記載されている。流れ制御装置10は、可調節流れ制御機構をもつ流れ制御ユニット30を有する流れ制御アセンブリ20を備える。図示のように、このユニットは、流れ制御室60内でピストン50の位置を変化させることによって流れ制御ユニットを横切る流速を選択的に制御する流れ調節インターフェース40を備える。流れ調節インターフェース40は、流れ制御ばね70に作動的に連結され、それによって、流れ調節インターフェース40を変位させるにつれてピストン50を変位させることが可能になる。流れ調節インターフェース40は、流れ調節インターフェース40の位置を決め調節するために対応する制御入力(ねじ回しなど)を受ける調節スロット80を備える(すなわち、流れ調節インターフェース40は、ねじ回しで時計方向に回されることによって締め上げられ得、それによってピストン50を流れ制御室60にさらに押し込み、流れ制御アセンブリ20によって得られる流速を減少させ、または、流れ調節インターフェースは緩められ得、逆の結果を得る)。
【0006】
[106] したがって、図1の例では、技師が、最初の設定時にアセンブリを較正する必要があり、また、装置が適正な調節状態からドリフトして行くので、定期的に再較正する必要があり得る。さらに、米国特許第6,328,181号に記載されているように、そのような可調節流れ制御機構を有する流れ制御アセンブリは、熟練技師以外の者が流れ制御インターフェース40にアクセスするのを防止するロッキングユニット90を有することが有益である。これは、未熟な者による有害な手出しから較正を守ろうとする意図である。それにも拘わらず、可調節流れ制御装置を有するディスペンサの作動は、飲料の品質が一定せず、不必要な労力を要するようになる。ドリンクの完全性は、流れ制御アセンブリが、特に、訓練されていないサービス技師によって、不適切に較正されたとき、または、流れ制御アセンブリが、再較正が行われるまでに調節状態からドリフトしたときに損なわれ得る。さらに、技師に必要な訓練は、時間および費用が掛かる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
[107] したがって、混合済み飲料ディスペンサの濃縮液および希釈液両方の流れについて正確かつ効率的流速制御を行う流れ制御アセンブリが望まれる。さらに、流れ制御アセンブリが、較正から定期的にドリフトしないことが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[108] そこで、本願は、流体用の流れ制御装置を記載する。その流れ制御装置は、流れ制御室と、流れ制御室内に配置されたディフューザと、固定長さ止栓とを備え得る。固定長さ止栓は、ディフューザに所定の距離だけ入った状態で位置決めされ、それによって、流れ制御室を通過する流体の流速を制御する。
【0009】
[109] 固定長さ止栓は、軸と、栓とを備え得る。軸は圧縮できる素材を含み得、それにより、軸をその長手方向軸に沿って圧縮することができる。圧縮できる素材は、ばねを含み得る。ディフューザは中空円柱を備え得、栓は中実円柱を備え得る。ディフューザの内半径は、栓の半径より僅かに大きい。ディフューザは複数のディフューザ開口を備え得る。
【0010】
[110] 流れ制御装置は、流れ制御室を画成する流れ制御部本体と、流れ制御部本体に取外し可能に取り付けられているインターフェースとをさらに備え得る。固定長さ止栓の固定部分が、インターフェースに取り付けられている。固定長さ止栓が、流れ制御室内に所定の距離だけ延出する。
【0011】
[111] 固定長さ止栓は圧縮できる素材を含み得、それにより、固定長さ止栓をその長手方向軸に沿って圧縮することができる。圧縮できる素材は、ばねを含み得る。
【0012】
[112] 流れ制御装置は、さらに、複数の所定の長さを有する複数の固定長さ止栓を備え得る。装着されると、固定長さ止栓のそれぞれが、流れ制御室を通過する流体にある流速を生じさせるためにディフューザに所定の距離だけ入った状態で位置決めされる。固定長さ止栓は、所定の長さに従って色分けされている。
【0013】
[113] 本願は、さらに、流れ制御室を通る液体の流速を制御する方法を記載する。その方法は、様々な寸法の複数の固定長さ止栓を整えるステップと、流れ制御室を通る液体について所望の流速を決定するステップと、様々な寸法の複数の固定長さ止栓の1つを選択するステップと、様々な寸法の固定長さ止栓の選択された1つを流れ制御室の内部に配置するステップと、液体を所望の流速で流れ制御室を通して流すステップとを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】[114]公知の調節可能な流れ制御装置の例を示す分解組立図である。
【図2】[115]本明細書に記載する流れ制御装置の斜視図である。
【図3】[116]図2の流れ制御装置の分解組立図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[117] ここで図面を参照すると、複数の図面を通して同じ番号は同じ要素を指すが、図2は、本明細書に記載される流れ制御装置100を示す。上記に説明したように、流れ制御装置100は、当技術分野で周知の飲料ディスペンサバルブアセンブリ(図示せず)と共に使用するように意図されている。これら飲料ディスペンサバルブアセンブリの1つの一部分として、流れ制御装置100は、1つまたは複数の飲料流体ライン(図示せず)に接続されそれらと流体連通することができ、その結果、流れ制御装置100は、混合済み濃縮液、混合済み希釈液、または未混合飲料流体などの飲料流体を飲料流体ラインから受け取る。流れ制御装置100は、飲料計量供給バルブアセンブリの計量供給ノズル(図示せず)によって送出される飲料流体の流量および流速を制御するように作動することができる。
【0016】
[118] 図2に示されるように、流れ制御装置100は、2つの部分に分けることができる。すなわち、流れ制御アセンブリ110と、バルブアセンブリ120とである。一般に、流れ制御アセンブリ110は、飲料流体ラインに作動的に接続され、そこから飲料流体を受け取ることができる。流れ制御アセンブリ110は、高品質のドリンクが計量供給ノズルから送出されるように、飲料流体の流速を調節する。バルブアセンブリ120は、流れ制御アセンブリ110および計量供給ノズルの両方に作動的に係合され得る。すなわち、バルブアセンブリ120は、所望の量の飲料流体を計量供給バルブアセンブリから計量供給ノズルへ通過させる。
【0017】
[119] 流れ制御アセンブリ110は、マニホルド入口130と、流れ制御部本体140とを備え得る。流れ制御部本体140は、マニホルド150の一部分である。また、マニホルド150の一部分が、バルブアセンブリ120のバルブ本体160でもあり得る。バルブアセンブリ120は、さらに、電気結合部170と、マニホルド出口180とを備え得る。
【0018】
[120] 図3に示されるように、流れ制御アセンブリ100は、さらに、施蓋ユニット190および流れ制御ユニット200に分けることができる。一般に、流れ制御ユニット200は、飲料流体を飲料流体ラインから受け入れるとき飲料流体によって加えられる流れ圧力の変動の中で飲料流体流速を一定に維持することができる。したがって、流れ制御装置100は、一定の品質および味を有する飲料を飲料ディスペンサが提供するために好適な流速が望まれる計量供給ノズルに飲料流体を流すとき、好適な流速を設定することができる。施蓋ユニット190は、流れ制御ユニット200の機構を係止し、その機構を流れ制御室210内に位置決めし、システムを封止するのを補助することができる。
【0019】
[121] 特に、マニホルド150は、流れ制御アセンブリ100およびバルブアセンブリ120を支持し、それらに作動的に連結し得る。流れ制御部本体140は、流れ制御ユニット200および施蓋ユニット190を流れ制御部本体140に固定することができる。図3のバルブアセンブリ120は、さらに、インダクタユニット220を割り付けられて備え得る。インダクタユニット220は、コイルアセンブリ230を介して、流れ制御装置100を通って流れる飲料流体の量を制御することができる。したがって、実際には、コイルアセンブリ230は、所望の量の飲料流体を送出するバルブとして働く。この機能は他の手段によって達成することもできることを当業者は理解するであろう。
【0020】
[122] 流れ制御部本体140は、流れ制御室210を画成することができる。施蓋ユニット190および流れ制御ユニット200は、流れ制御室210の全長に亘って配置され得る。流れ制御部本体140は、さらに、対応する流れ制御部ねじ250をねじ式に受け入れる少なくとも1つの係止部材240を備え得る。係止部材240は、好ましくはねじを受けるように構成されているが、係止部材240は、施蓋ユニット190および流れ制御ユニット200を流れ制御室210の中に取り付けるための任意の手段に対応するように構成することができることが当業者には理解されよう。マニホルド入口130は、流れ制御室210に作動的に連結されそれと流体連通し、流れ制御部本体140から外側へ延出して飲料流体を飲料流体ラインから受け取ることができる。
【0021】
[123] 同様に、バルブ本体160は、インダクタユニット220をバルブ本体160に固定することができる。バルブ本体160は、バルブ室260を画成することができる。インダクタユニット220は、バルブ室260の全長に亘って配置され得る。バルブ本体160は、対応するバルブねじ280をねじ式に受け入れる少なくとも1つの係止部材270を備え得る。
【0022】
[124] 既述のように、マニホルド150は、マニホルド出口180を備えることができ、そのマニホルド出口180は、バルブ室260に作動的に連結され、バルブ本体160から外側へ延出して、飲料流体を流れ制御装置100から送出することができる。さらに、マニホルド150は、飲料流体を流れ制御アセンブリ110からバルブアセンブリ120へ導く結合チャネル(図示せず)を形成し、それによって、流れ制御アセンブリ110とバルブアセンブリ120とを作動的に連結することができる。
【0023】
[125] 図3に示すように、流れ制御ユニット200は、流れ制御室210に入る飲料流体を押さえる固定長さ止栓290を備え得る。実質的に、固定長さ止栓290は、入って来る飲料流体に伴う好ましくない高圧力または低圧力を緩和させることができる。流れ制御ユニット200は、さらに、固定長さ止栓290の周りに配置されたディフューザスリーブ300を備え得る。複数のディフューザ出口310が、ディフューザスリーブ300を廻って配置され得て、固定長さ止栓290と協働することにより、飲料流体が流れ制御アセンブリ110を通ってバルブアセンブリ120へ通過するとき、所望の流速を実現する。
【0024】
[126] 固定長さ止栓290は、軸320と、栓330とを備え得る。軸320は、中実金属円柱でもよいが、他の形状および材料を使用してもよい。円柱の一方の端部では、軸320の外面がねじ状開口に受け入れられるように、軸320の外面にねじを切ることができる。円柱の他方の端部では、軸320を栓330に取り付けることができる。栓330は、やはり中実金属円柱でもよいが、他の形状および材料を使用してもよい。栓330は、軸320より直径を大きくすることができるが、これは要件ではない。栓330は、ディフューザスリーブ300に挿入することができるような大きさにされ得、ディフューザスリーブ300は、中空金属円柱を備えてもよいが、やはり、他の形状および材料を使用してもよい。ディフューザスリーブ300の内半径は、栓330の半径より僅かに大きくし得る。使用中、固定長さ止栓290をその長手方向軸に沿って圧縮することができるように、軸320の一部分をばねなどの圧縮できる素材で製作してもよいが、図3には、その代替形態は示されていない。
【0025】
[127] 止栓ユニット190は、インターフェース340を備えることができ、インターフェース340は固定長さ止栓290に係合するように構成されている。既述のように、固定長さ止栓290の軸320には、インターフェース340に配置されたねじ状開口によって受け入れられ得るように、ねじを切ってもよい。この目的を達成するために他の係止手段が可能であることを当業者は理解するであろう。インターフェース340のねじ状開口は、固定長さ止栓290の固定部分を受け入れるように設計され得る。それにより、固定長さ止栓290が、インターフェース340に適切に装着され、インターフェースが、流れ制御室210に適切に取り付けられる(より詳細に以下に説明されるように)と、栓330が、流れ制御室210内に所定の(すなわち既知の)長さだけ延出する。
【0026】
[128] インターフェースは、流れ制御ユニットリテイナ360に貫通して挿入され得るノブ350をさらに備え得、流れ制御ユニットリテイナ360は、インターフェース340が、流れ制御部本体140に取り付けられたとき、それが確実に好適に位置決めされるようにする。これにより、固定長さ止栓290(固定長さ止栓290はインターフェース340に所定の長さだけねじ込まれている)が、ディフューザスリーブ300および流れ制御室210内に確実に好適に位置決めされ(上記の通り)得る。シール370および380は、流れ制御室210を通って流れて行く流入飲料流体の漏出を防止するのに使用され得る。
【0027】
[129] 作動中、飲料流体は、飲料流体ラインからマニホルド入口130に流れ込み、ディフューザスリーブ300に導入され得る。次いで、飲料流体は、ディフューザスリーブ300(ディフューザスリーブ300は流れ制御室210内に配置されている)内に配置された栓330に衝突し得る。飲料流体は、次いで、栓330の頭部を横切り、栓330の外半径とディフューザスリーブ300の内半径によって画成された空間を通って流れ得る。飲料流体は、次いで、ディフューザ出口310を通ってその空間から流出し得る。栓330を出口スリーブ300内にディフューザ出口310と相関させて配置することによって、飲料流体が装置のこの領域を通過するとき、飲料流体に所望の流速を付与することができる。この箇所から、飲料流体は、次いで、流れ制御アセンブリ110の流れ制御室210を通って、接続チャネル(図示せず)を経由してバルブアセンブリ120のバルブ室260へ導かれ得る。
【0028】
[130] バルブアセンブリ120の働きは、飲料流体をディスペンサノズルまで進ませ得、またはそれ以上流れるのを止め得ることである。たとえば、バルブの閉位置では、バルブアセンブリ120は、流体が引き続き流れるのを止め得る。所望のドリンクを飲料ディスペンサから計量供給するように要求されたときなど、バルブの開位置では、バルブアセンブリ120は、ユニットを通して飲料流体を流させ得る。この機能は、当技術分野で周知のいくつかの手段によって達成することができるが、図3に示す例は、バルブ室260内に配置され、マニホルド出口180への飲料流体の流れを選択的に制止するコイルアセンブリ230に作動的に連結するプランジャ390を有するインダクタユニット220を示す。コイルアセンブリ230は、コイル要素400と、コイル要素400に作動的に連結されたアクチュエータ要素410とを備え得、それによって、コイル要素400とアクチュエータ要素410は協働して、プランジャ390の位置を選択的に制御して飲料流体の流れを制止するように作用する。すなわち、所望のドリンクを飲料ディスペンサから計量供給するように要求されると、電流がコイル要素400を通して流されてアクチュエータ要素410が磁化され得る。アクチュエータ要素410が、電動力をプランジャ390に加え得てプランジャ390を持ち上げ、開口通路を露出することにより、流体の流れをマニホルド出口180に向かわせ、その流体の流れは、次いで、ノズルを通って送り出され得る。このようにして、バルブアセンブリ120は、ディスペンサノズルから放出される飲料の量を制御することができる。
【0029】
[131] このようにして、飲料流体は、制御された一定の流速で所望の量だけ送出され得る。したがって、2つ以上のそのような流れ制御装置100が、一定した比率の要求成分を有する混合飲料(すなわち、1つまたは複数の液体飲料成分の調合を要する飲料)を調製するのに使用され得る。これは、流れ制御装置100のそれぞれに、適切な寸法の固定長さ止栓290を使用することによって達成され得る。より詳細には、各流れ制御装置100には、合成効果(液体飲料成分それぞれの流れ制御装置の液体飲料成分に各固定長さ止栓290が生じさせる特定の流速による)によって混合飲料に適切な成分比が得られるように特定の固定長さ止栓290(それはその他の固定長さ止栓290とは異なる長さであり得る)が装着され得る。
【0030】
[132] たとえば、飲料「Z」は、飲料成分「X」と、飲料成分「Y」との混合物を含み得る。さらに、この単純化された例としては、飲料Z中のXおよびYの適切な比は、60%Xおよび40%Yであり得る。すなわち、流れ制御装置100同士は、得られる飲料混合物に実質的に適切な比率を達成するために、相対的に一定した特定の流速を有する必要がある。これを考慮して、複数の固定長さ止栓290が、固定長さの範囲をある長さ間隔でカバーするように構成され得、すなわち、固定長さ止栓290のセットが作られ得る。すなわち、様々な長さの固定長さ止栓290は、特定の飲料成分に関して様々な流速(または、密度、粘性など、流速に関し実質的に同じ物理的特性を有する類似の飲料成分のグループに関して様々な流速)を示し得る。セット中の各固定長さ止栓290は、装着に際し、ディフューザスリーブ300内で栓330が異なる位置を占め、したがって、装置を通る特定の飲料成分が異なる流速を有する結果を生じ得る。
【0031】
[133] 止栓290は、所望の流速に応じて色分けされ得、すなわち、赤い止栓290はある流速を有し、緑の止栓290は違う流速を有するなどのようになる。止栓290は、広範囲の流体および流体特性に適応させることができる。
【0032】
[134] この例ではさらに、セットの固定長さ止栓290のそれぞれを使用して、流れ制御ユニット200を通る飲料成分Xの流速を調べることができる。同様に、セットの固定長さ止栓290のそれぞれを使用して、流れ制御ユニット200を通る飲料成分Yの流速を調べることができる。調査の結果は、固定長さ止栓290のどの組合せが、飲料Zのために好適な60−40混合物を達成するかを決定するのに使用され得る。現場では、2つの該当する固定長さ止栓は、それらをインターフェース340に単に挿入することによって、効率的に装着することができる。その後は、飲料ディスペンサで飲料Zが所望される度毎に、この既知の固定長さ止栓290の組合せを好都合に使用することができる。さらに、固定長さ止栓290を使用することは、流速が使用中「ドリフト」せず、それにより、より一定した流速が実現し、再較正の必要がなくなることを意味する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体用の流れ制御装置であって、
流れ制御室と、
前記流れ制御室内に配置されたディフューザと、
固定長さ止栓と、を備え、
前記固定長さ止栓が、前記ディフューザに所定の距離だけ入った状態で位置決めされ、それによって、前記流れ制御室を通過する前記流体の流速を制御する、流れ制御装置。
【請求項2】
前記固定長さ止栓が、軸と、栓とを備える、請求項1に記載の流れ制御装置。
【請求項3】
前記軸が圧縮できる素材を含み、それにより、前記軸をその長手方向軸に沿って圧縮することができる、請求項2に記載の流れ制御装置。
【請求項4】
前記圧縮できる素材がばねを含む、請求項3に記載の流れ制御装置。
【請求項5】
前記ディフューザが中空円柱を備え、前記栓が中実円柱を備える、請求項2に記載の流れ制御装置。
【請求項6】
前記ディフューザの内径が、前記栓の半径より僅かに大きい、請求項5に記載の流れ制御装置。
【請求項7】
前記ディフューザが複数のディフューザ開口を備える、請求項1に記載の流れ制御装置。
【請求項8】
前記流れ制御室を画成する流れ制御部本体と、
前記流れ制御部本体に取外し可能に取り付けられているインターフェースと
をさらに備える、請求項1に記載の流れ制御装置。
【請求項9】
前記固定長さ止栓の固定部分が前記インターフェースに取り付けられている、請求項8に記載の流れ制御装置。
【請求項10】
前記固定長さ止栓が、前記流れ制御室内に所定の距離だけ延出する、請求項9に記載の流れ制御装置。
【請求項11】
前記固定長さ止栓が圧縮できる素材を含み、それにより、前記固定長さ止栓をその長手方向軸に沿って圧縮することができる、請求項1に記載の流れ制御装置。
【請求項12】
前記圧縮できる素材がばねを含む、請求項11に記載の流れ制御装置。
【請求項13】
複数の所定の長さを有する複数の固定長さ止栓をさらに備え、
前記固定長さ止栓のそれぞれが、前記ディフューザに所定の距離だけ入った状態で位置決めされ、前記流れ制御室を通過する前記流体にある流速を生じさせる、請求項1に記載の流れ制御装置。
【請求項14】
前記複数の固定長さ止栓が、複数の所定の長さに従って色分けされる、請求項13に記載の流れ制御装置。
【請求項15】
流れ制御室を通る液体の流速を制御する方法であって、
寸法の異なる複数の固定長さ止栓を提供するステップと、
前記流れ制御室を通る前記液体の所望の流速を決定するステップと、
前記寸法の異なる複数の固定長さ止栓の1つを選択するステップと、
前記選択された寸法の異なる固定長さ止栓の1つを前記流れ制御室の内部に配置するステップと、
前記液体を前記所望の流速で前記流れ制御室を通して流すステップと
を含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−527070(P2010−527070A)
【公表日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−507507(P2010−507507)
【出願日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際出願番号】PCT/US2008/060603
【国際公開番号】WO2008/140891
【国際公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(391026058)ザ・コカ−コーラ・カンパニー (238)
【氏名又は名称原語表記】THE COCA−COLA COMPANY
【Fターム(参考)】