説明

記入情報隠蔽シート

【課題】 記入した情報を隠蔽することができ、かつ、RF−IDメディアに書き込まれた情報を保護する。
【解決手段】 情報記入領域11が設けられた情報表示片10にRF−IDチップ10を取り付けるとともに、ミシン目30を介して情報表示片10に連接する隠蔽片20のうち、ミシン目30を介して折り畳み情報表示片10と隠蔽片20とを接着した場合にRF−IDチップ10に対向する領域に導電領域21を区画形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報記入領域に情報を記入した後に、記入した情報を隠蔽することができる記入情報隠蔽シートに関し、特に、シート内にRF−IDメディアが取り付けられた記入情報隠蔽シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、情報を記入するための情報記入領域が設けられたカードにおいて、情報記入領域に情報を記入した後にシール等の隠蔽片を情報記入領域に剥離可能に接着し、それにより、情報記入領域に記入された情報を隠蔽可能とするものが考えられている(例えば、特許文献1参照。)。このカードを用いて情報を伝達する場合、情報記入領域に伝達したい情報を記入した後、この情報記入領域を有する表示片に連接した隠蔽片を情報記入領域に剥離可能に接着し、その状態でカードを送付先に郵送等の手段によって送付する。これにより、カードの送付途中においては、情報記入領域に記入された情報は隠蔽片によって覆われており、外部から見られてしまうことはない。また、このカードが送付先に送付された後、カードの送付先において隠蔽片を表示片から剥離すると、情報記入領域に記入された情報が視認可能となり、それにより、情報記入領域に記入された情報がカードの送付元から送付先に伝達されることになる。
【0003】
ここで、近年、非接触型ICタグや非接触型ICラベル、非接触型ICカードといった、非接触状態にて情報の書き込み及び読み出しが可能なRF−IDメディアが、その優れた利便性から様々な用途に用いられている。このようなRF−IDメディアは、書き込み可能な情報量が多いことからも情報の伝達に用いられる場合も多く、上述したようなカードに微小なRF−IDメディアを取り付け、情報記入領域に記入された情報とRF−IDメディアに書き込まれた情報とを伝達することも考えられる。
【特許文献1】実用新案登録第2577590号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したようなカードにRF−IDメディアを取り付け、カードに記入された情報とRF−IDメディアに書き込まれた情報とを伝達する場合、カードに記入された情報においては、隠蔽片が剥離されない限り隠蔽することができるものの、RF−IDメディアに書き込まれた情報においては、隠蔽片によって覆われていても送付途中にてRF−IDメディアに対する情報の書き込み及び読み出しを行うリーダ/ライタが近接した場合に、RF−IDメディアに書き込まれた情報が読み出されてしまったり改竄されてしまったりする虞れがある。
【0005】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、記入した情報を隠蔽することができ、かつ、RF−IDメディアに書き込まれた情報を保護することができる記入情報隠蔽シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明は、
情報記入領域が設けられた第1の紙片と、該第1の紙片のうち少なくとも前記情報記入領域に記入された情報を隠蔽するために剥離可能な接着構造によって前記第1の紙片に接着可能に構成された第2の紙片とを有してなる記入情報隠蔽シートにおいて、
前記第1の紙片は、前記第2の紙片が接着される領域にRF−IDメディアが取り付けられ、
前記第2の紙片は、前記第1の紙片に接着された場合に前記RF−IDメディアの情報書き込み/読み出し領域を含む領域に対向する領域に電波遮断手段が区画形成されていることを特徴とする。
【0007】
また、前記第1の紙片と前記第2の紙片とは、折り部を介して連接しており、該折り部にて折り畳まれた場合に、前記情報記入領域が前記第2の紙片にて覆われ、かつ、前記電波遮断手段が前記RF−IDメディアの情報書き込み/読み出し領域を含む領域に対向する領域に位置することを特徴とする。
【0008】
上記のように構成された本発明においては、第1の紙片に設けられた情報記入領域に所望の情報を記入し、また、第1の紙片に取り付けられたRF−IDメディアに所望の情報を書き込み、第1の紙片に第2の紙片を剥離可能に接着すると、この状態においては、情報記入領域に記入された情報は第2の紙片によって覆われているため、外部から視認不可能となっている。また、第1の紙片に第2の紙片が接着された状態においては、第2の紙片に区画形成された電波遮断手段が、RF−IDメディアの情報書き込み/読み出し領域を含む領域に対向する領域に位置しているため、RF−IDメディアにリーダ/ライタを近接させた場合であっても、電波遮断手段によってリーダ/ライタからの電波が遮断され、RF−IDメディアに書き込まれた情報が読み出されてしまったり改竄されてしまったりすることが防止される。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように本発明においては、情報記入領域が設けられた第1の紙片にRF−IDメディアが取り付けられ、また、情報記入領域に記入された情報を隠蔽するために第1の紙片に第2の紙片が接着された場合に、第2の紙片の、RF−IDメディアの情報書き込み/読み出し領域を含む領域に対向する領域に電波遮断手段が区画形成されている構成としたため、情報記入領域に鉛筆等で人間が情報を記入した後に、その記入された情報を隠蔽することができ、かつ、RF−IDメディアに書き込まれた情報を保護することができる。
【0010】
また、第1の紙片と第2の紙片とが折り部を介して連接されたものにおいては、第1の紙片と第2の紙片とを折り部にて折り畳んで互いに接着するだけで、情報記入領域に記入された情報を隠蔽することができ、かつ、RF−IDメディアに書き込まれた情報を保護することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0012】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の記入情報隠蔽シートの第1の実施の形態を示す図であり、(a)は裏面から見た図、(b)は(a)に示した構成から剥離紙40を剥離した状態を示す図、(c)は表面から見た図、(d)は(a)に示したA−A’断面図である。
【0013】
本形態は図1に示すように、第1の紙片である情報表示片10と第2の紙片である隠蔽片20とが折り部となるミシン目30を介して連接してなるものであって、情報表示片10の表面には、この記入情報隠蔽シートの送付先の住所や氏名等の宛先情報を記入するための宛先記入領域13が設けられており、また、情報表示片10の裏面には、この記入情報隠蔽シートの送付先に伝達したい情報を記入するための情報記入領域11が設けられているとともに、非接触状態にて情報の書き込み及び読み出しが可能なRF−IDメディアであるRF−IDチップ12が取り付けられている。なお、RF−IDチップ12は、記憶部や演算部を有する制御回路部(不図示)と、RF−IDチップ12に対する情報の書き込みや読み出しを行うリーダ/ライタが近接した場合にリーダ/ライタからの電波によって制御回路部に電流を供給するとともにリーダ/ライタとの間にて通信を行うためのアンテナ(不図示)とから構成されており、貼付や埋め込み等の方法によって情報表示片10に取り付けられている。また、隠蔽片20の裏面には、ミシン目30を介して情報表示片10の情報記入領域11が内側となるように情報表示片10と隠蔽片20とが折り畳まれた場合にRF−IDチップ12と対向する領域に導電インクを用いたスポット印刷が施されることによって電波遮断手段である導電領域21が区画形成されており、さらにその面には、隠蔽片20を情報表示片10に対して剥離可能に接着するための接着構造が設けられている。この接着構造は、隠蔽片20の裏面上に、接着力の強い透明な粘着剤50aによってポリエチレンやポリエステル等の合成樹脂からなる透明フィルム60aが剥離不能に接着され、この透明フィルム60a上には、同じくポリエチレンやポリエステル等の合成樹脂からなる透明フィルム60bが、不完全な溶着、あるいは接着力の弱い粘着剤等の適宜な手段によって剥離可能に接着され、さらに透明フィルム60b上には、接着力の強い透明な粘着剤50bが設けられて構成されている。そして、粘着剤50bは剥離紙40によって被覆されている。また、剥離紙40には、剥離作用を容易に行うためのスリット41が形成されている。また、隠蔽片20は、ミシン目30を介して折り畳まれ、粘着剤50a,50bによって情報表示片10と接着された状態にて情報表示片10からの剥離作業を容易に行うためにその角部の一部が切り欠かれており、表面にはその部分から隠蔽片20を剥離することを案内するための案内情報22が記載されている。
【0014】
以下に、上記のように構成された記入情報隠蔽シートの使用方法について説明する。
【0015】
まず、情報表示片10に設けられた情報記入領域11に、この記入情報隠蔽シートの送付先に伝達したい情報を記入し、また、RF−IDチップ12に対する情報の書き込みや読み出しを行うリーダ/ライタを情報表示片10に取り付けられたRF−IDチップ12に近接させ、この記入情報隠蔽シートの送付先に伝達したい情報をRF−IDチップ12に書き込む。また、この記入情報隠蔽シートの送付先の住所や氏名等の宛先情報を宛先記入領域13に記入する。
【0016】
次に、スリット41から剥離紙40を剥離していき粘着剤50bを露出させ、露出した粘着剤50bが内側となるようにミシン目30を介して情報表示片10と隠蔽片20とを折り畳み、粘着剤50a,50bによって情報表示片10と隠蔽片20とを接着する。
【0017】
図2は、図1に示した情報表示片10と隠蔽片20とが接着された状態を示す図であり、(a)は隠蔽片20側から見た図、(b)は(a)に示したA−A’断面図である。
【0018】
図2(a)に示すように、情報表示片10と隠蔽片20とが接着された状態においては、情報表示片10の情報記入領域11が隠蔽片20で覆われているため、情報記入領域11に記入された情報が外部から視認不可能となっている。
【0019】
また、図2(b)に示すように、情報表示片10と隠蔽片20とが接着された状態においては、情報表示片10に取り付けられたRF−IDチップ12と隠蔽片20に区画形成された導電領域21とが対向しているため、リーダ/ライタが近接した場合であってもリーダ/ライタからの電波が遮断され、RF−IDチップ12に書き込まれている情報が読み出されたり改竄されたりすることがない。
【0020】
このように、ミシン目30を介して情報表示片10と隠蔽片20とを折り畳んで互いに接着するだけで、情報記入領域11に記入された情報を隠蔽することができ、かつ、RF−IDチップ12に書き込まれた情報を保護することができる。
【0021】
その後、情報表示片10の宛先記入領域13に記入された宛先情報に従って記入情報隠蔽シートが送付先に送付される。この際、上述したように、情報記入領域11に記入された情報が外部から視認不可能となっているとともに、RF−IDチップ12に書き込まれている情報が保護されている。
【0022】
記入情報隠蔽シートが送付先にて受け取られた後、記入情報隠蔽シートの送付先において、隠蔽片20に記載された案内情報22に従って隠蔽片20を剥離していくことになる。
【0023】
図3は、図1に示した情報表示片10と隠蔽片20とが接着された後に剥離された状態を示す図であり、(a)は接着されていた面を示す図であり、(b)は(a)に示したA−A’断面図である。
【0024】
隠蔽片20に記載された案内情報22に従って隠蔽片20を剥離していくと、図3に示すように、透明フィルム60aと透明フィルム60bとが離反し、透明フィルム60bが粘着剤50bによって情報表示片10に残り、また、透明フィルム60aが粘着剤50aによって隠蔽片20とともに情報表示片10から剥離される。この際、粘着剤50b及び透明フィルム60bが透明な材料から構成されているため、情報記入領域11に記入された記入情報14が粘着剤50b及び透明フィルム60bを介して視認可能になる。また、情報表示片10に取り付けられたRF−IDチップ12には導電領域21が対向していない状態となるため、RF−IDチップ12にリーダ/ライタを近接させることによって、RF−IDチップ12に書き込まれた情報を読み出すことができる。
【0025】
これにより、記入情報隠蔽シートの送付先に、情報記入領域11に記入された情報とRF−IDチップ12に書き込まれた情報とを伝達することができる。
【0026】
なお、本形態においては、隠蔽片20の裏面のうち、ミシン目30を介して情報記入領域11が内側となるように情報表示片10と隠蔽片20とが折り畳まれた場合にRF−IDチップ12と対向する領域に導電領域21が区画形成されているが、隠蔽片20のうち、ミシン目30を介して情報記入領域11が内側となるように情報表示片10と隠蔽片20とが折り畳まれた場合にRF−IDチップ12の情報書き込み/読み出し領域を含む領域に対向する領域に導電領域21が区画形成されていればよい。
【0027】
また、隠蔽片20の裏面に区画形成される導電領域21においては、本形態のように導電インクを用いたスポット印刷によって形成するものに限らず、その他に例えば、薄型の導電性部材を同一の領域に貼付することによって形成すること等も考えられる。
【0028】
また、本形態においては、折り部としてミシン目30が形成されているが、本発明はこれに限らず、情報表示片10と隠蔽片20とが折り畳み可能となるようなものであれば折り線等であってもよい。
【0029】
(第2の実施の形態)
図4は、本発明の記入情報隠蔽シートの第2実施の形態を示す図であり、(a)は積層構造を示す図、(b)は(a)に示した情報表示片110を剥離紙140側から見た図、(c)は(a)に示した隠蔽片120を粘着剤150a側から見た図である。
【0030】
本形態は図4(a)に示すように、第1の紙片である情報表示片110と第2の紙片である隠蔽片120とが、剥離可能な接着構造によって接着されて構成されている。この接着構造は、隠蔽片120の裏面上に、接着力の強い透明な粘着剤150aによってポリエチレンやポリエステル等の合成樹脂からなる透明フィルム160aが剥離不能に接着され、この透明フィルム160a上には、同じくポリエチレンやポリエステル等の合成樹脂からなる透明フィルム160bが、不完全な溶着、あるいは接着力の弱い粘着剤等の適宜な手段によって剥離可能に接着され、さらに透明フィルム160b上には、接着力の強い透明な粘着剤150bが設けられて構成されている。そして、粘着剤150bの一部が情報表示片110に接着され、他の部分が剥離紙140によって被覆されている。
【0031】
また、図4(b)に示すように、情報表示片110の剥離紙40と対向する面には、この記入情報隠蔽シートの送付先に伝達したい情報を記入するための情報記入領域111が設けられているとともに、非接触状態にて情報の書き込み及び読み出しが可能なRF−IDメディアであるRF−IDチップ112が取り付けられている。なお、RF−IDチップ112は、記憶部や演算部を有する制御回路部(不図示)と、RF−IDチップ112に対する情報の書き込みや読み出しを行うリーダ/ライタが近接した場合にリーダ/ライタからの電波によって制御回路部に電流を供給するとともにリーダ/ライタとの間にて通信を行うためのアンテナ(不図示)とから構成されており、貼付や埋め込み等の方法によって情報表示片110に取り付けられている。
【0032】
また、図4(c)に示すように、隠蔽片120の粘着剤150aが塗布された面には、情報表示片110に取り付けられたRF−IDチップ112と対向する領域に導電インクを用いたスポット印刷が施されることによって電波遮断手段である導電領域121が区画形成されている。
【0033】
以下に、上記のように構成された記入情報隠蔽シートの使用方法について説明する。
【0034】
まず、情報表示片110に設けられた情報記入領域111に、この記入情報隠蔽シートの送付先に伝達したい情報を記入し、また、RF−IDチップ112に対する情報の書き込みや読み出しを行うリーダ/ライタを情報表示片110に取り付けられたRF−IDチップ112に近接させ、この記入情報隠蔽シートの送付先に伝達したい情報をRF−IDチップ112に書き込む。
【0035】
図5は、図4に示した情報記入欄111に情報を記入するとともにRF−IDチップ112に情報を書き込む際の記入情報隠蔽シートの状態を示す図であり、(a)は隠蔽片120を捲り上げた状態を示す図、(b)は(a)に示した状態から剥離紙140を剥離した状態を示す図である。
【0036】
図5(a)に示すように、粘着剤150a,150bによって接着された透明フィルム160a,160b及び剥離紙140とともに隠蔽片120を捲り上げると、情報表示片110に設けられた情報記入領域111が露出し、この情報記入領域111に、記入情報隠蔽シートの送付先に伝達したい情報を記入する。また、その際、情報表示片110に取り付けられたRF−IDチップ112も露出する。この状態においては、RF−IDチップ112は隠蔽片120に区画形成された導電領域121に対向していないため、リーダ/ライタを近接させることによりRF−IDチップ112に情報を書き込むことができる。また、情報表示片110の反対側の面に、この記入情報隠蔽シートの送付先の住所や氏名等の宛先情報を記入する。
【0037】
次に、図5(b)に示すように、剥離紙140を剥離していき粘着剤150bを露出させ、その状態で隠蔽片120を元の状態に戻し、粘着剤150a,150bによって情報表示片110と隠蔽片120とを接着する。なお、このような剥離作用を容易に行うための剥離紙140にスリット(不図示)を形成しておくことも考えられ、その場合、スリットから剥離紙140を剥離していくことになる。
【0038】
図6は、図4に示した情報表示片110と隠蔽片120とが接着された状態を示す図であり、(a)は隠蔽片120側から見た図、(b)は(a)に示したA−A’断面図である。
【0039】
図6(a)に示すように、情報表示片110と隠蔽片120とが接着された状態においては、情報表示片110の情報記入領域111が隠蔽片120で覆われているため、情報記入領域111に記入された情報が外部から視認不可能となっている。
【0040】
また、図6(b)に示すように、情報表示片110と隠蔽片120とが接着された状態においては、情報表示片110に取り付けられたRF−IDチップ112と隠蔽片120に区画形成された導電領域121とが対向しているため、リーダ/ライタが近接した場合であってもリーダ/ライタからの電波が遮断され、RF−IDチップ112に書き込まれている情報が読み出されたり改竄されたりすることがない。
【0041】
その後、情報表示片110の表面に記入された宛先情報に従って記入情報隠蔽シートが送付先に送付される。この際、上述したように、情報記入領域111に記入された情報が外部から視認不可能となっているとともに、RF−IDチップ112に書き込まれている情報が保護されている。
【0042】
記入情報隠蔽シートが送付先にて受け取られた後、記入情報隠蔽シートの送付先において、隠蔽片120に記載された案内情報122に従って隠蔽片120を剥離していくことになる。
【0043】
図7は、図4に示した隠蔽片120が剥離された情報表示片110の状態を示す図であり、(a)は隠蔽片120が接着されていた面を示す図であり、(b)は(a)に示したA−A’断面図である。
【0044】
隠蔽片120に記載された案内情報122に従って隠蔽片120を剥離していくと、透明フィルム160aと透明フィルム160bとが離反し、透明フィルム160bが粘着剤150bによって情報表示片110に残り、また、透明フィルム160aが粘着剤150aによって隠蔽片120とともに情報表示片110から剥離される。この際、粘着剤150b及び透明フィルム160bが透明な材料から構成されているため、情報記入領域111に記入された記入情報114が粘着剤150b及び透明フィルム160bを介して視認可能になる。また、情報表示片110に取り付けられたRF−IDチップ112には導電領域121が対向していない状態となるため、RF−IDチップ112にリーダ/ライタを近接させることによって、RF−IDチップ112に書き込まれた情報を読み出すことができる。
【0045】
これにより、記入情報隠蔽シートの送付先に、情報記入領域111に記入された情報とRF−IDチップ112に書き込まれた情報とを伝達することができる。
【0046】
なお、本形態においては、隠蔽片120の裏面のうち、情報表示片110に取り付けられたRF−IDチップ112と対向する領域に導電領域121が区画形成されているが、隠蔽片120のうち、RF−IDチップ112の情報書き込み/読み出し領域を含む領域に対向する領域に導電領域121が区画形成されていればよい。
【0047】
また、隠蔽片120の裏面に区画形成される導電領域121においては、本形態のように導電インクを用いたスポット印刷によって形成するものに限らず、その他に例えば、薄型の導電性部材を同一の領域に貼付することによって形成すること等も考えられる。
【0048】
また、上述した2つの実施の形態においては、情報表示片10,110と隠蔽片20,120とが略同一の形状のものを例に挙げて説明したが、情報表示片10,110と隠蔽片20,120とが接着された場合に、隠蔽片20,120によって情報記入部11,111が隠蔽され、かつ、導電領域21,121がRF−IDチップ12,112の情報書き込み/読み出し領域を含む領域に対向する領域に位置するようなものであれば、その大きさ、形状についてはこれに限られない。
【0049】
また、上述した2つの実施の形態においては、接着構造の構成として、不完全な溶着、あるいは接着力の弱い粘着剤等の適宜な手段によって剥離可能に接着された2つの透明フィルムを用いたが、情報表示片10,110と隠蔽片20,120とを接着力の弱い粘着剤を用いて直接剥離可能に接着するものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の記入情報隠蔽シートの第1の実施の形態を示す図であり、(a)は裏面から見た図、(b)は(a)に示した構成から剥離紙を剥離した状態を示す図、(c)は表面から見た図、(d)は(a)に示したA−A’断面図である。
【図2】図1に示した情報表示片と隠蔽片とが接着された状態を示す図であり、(a)は隠蔽片側から見た図、(b)は(a)に示したA−A’断面図である。
【図3】図1に示した情報表示片と隠蔽片とが接着された後に剥離された状態を示す図であり、(a)は接着されていた面を示す図であり、(b)は(a)に示したA−A’断面図である。
【図4】本発明の記入情報隠蔽シートの第2実施の形態を示す図であり、(a)は積層構造を示す図、(b)は(a)に示した情報表示片を剥離紙側から見た図、(c)は(a)に示した隠蔽片を粘着剤側から見た図である。
【図5】図4に示した情報記入欄に情報を記入するとともにRF−IDチップに情報を書き込む際の記入情報隠蔽シートの状態を示す図であり、(a)は隠蔽片を捲り上げた状態を示す図、(b)は(a)に示した状態から剥離紙を剥離した状態を示す図である。
【図6】図4に示した情報表示片と隠蔽片とが接着された状態を示す図であり、(a)は隠蔽片側から見た図、(b)は(a)に示したA−A’断面図である。
【図7】図4に示した隠蔽片が剥離された情報表示片の状態を示す図であり、(a)は隠蔽片が接着されていた面を示す図であり、(b)は(a)に示したA−A’断面図である。
【符号の説明】
【0051】
10,110 情報表示片
11,111 情報記入領域
12,112 RF−IDチップ
13 宛先記入領域
14,114 記入情報
20,120 隠蔽片
21,121 導電領域
22,122 案内情報
30 ミシン目
40,140 剥離紙
41 スリット
50a,50b,150a,150b 粘着剤
60a,60b,160a,160b 透明フィルム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報記入領域が設けられた第1の紙片と、該第1の紙片のうち少なくとも前記情報記入領域に記入された情報を隠蔽するために剥離可能な接着構造によって前記第1の紙片に接着可能に構成された第2の紙片とを有してなる記入情報隠蔽シートにおいて、
前記第1の紙片は、前記第2の紙片が接着される領域にRF−IDメディアが取り付けられ、
前記第2の紙片は、前記第1の紙片に接着された場合に前記RF−IDメディアの情報書き込み/読み出し領域を含む領域に対向する領域に電波遮断手段が区画形成されていることを特徴とする記入情報隠蔽シート。
【請求項2】
請求項1に記載の記入情報隠蔽シートにおいて、
前記第1の紙片と前記第2の紙片とは、折り部を介して連接しており、該折り部にて折り畳まれた場合に、前記情報記入領域が前記第2の紙片にて覆われ、かつ、前記電波遮断手段が前記RF−IDメディアの情報書き込み/読み出し領域を含む領域に対向する領域に位置することを特徴とする記入情報隠蔽シート。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2006−88372(P2006−88372A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−273437(P2004−273437)
【出願日】平成16年9月21日(2004.9.21)
【出願人】(000110217)トッパン・フォームズ株式会社 (989)
【Fターム(参考)】