説明

記憶処理装置及びプログラム

【課題】ブートドライブを適切に選択できる記憶処理装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】オペレーティングシステムが記憶されたリムーバブルハードディスク251及び252を接続するNAS20は、リムーバブルハードディスク251及び252のうち、自身のシグネチャが記憶されたリムーバブルハードディスクに自身に適したオペレーティングシステムが記憶されているとみなして、当該リムーバブルハードディスクをブートドライブとして選択し、選択したブートドライブに記憶されたオペレーティングシステムを起動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システム情報が記憶された複数の記憶媒体を接続可能な記憶処理装置、及び、当該記憶処理装置において実行されるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、NAS(Network Attached Storage)と称される記憶処理装置が普及しつつある。NASは、複数のハードディスクドライブを有し、当該ハードディスクドライブに映像や音声等の様々なコンテンツデータを記憶させることができる。NASは、端末装置からのコンテンツデータの要求を、ネットワークを介して受信すると、要求されたコンテンツデータを、ネットワークを介して端末装置へ送信する。端末装置では、受信されたコンテンツデータの再生が行われる。
【0003】
NASの複数のハードディスクドライブは、それぞれオペレーティングシステムが記憶されている。NASは、電源投入されると、何れかのハードディスクドライブをブートドライブとして選択し、その選択したブートドライブに記憶されたオペレーティングシステムを起動する。
【0004】
ブートドライブの選択手法としては、例えば、特許文献1及び2に記載された技術が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−100827号公報
【特許文献2】特開2002−49487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、NASには複数のリムーバブルハードディスクが接続可能となっているものがある。このようなNAS装置では、NASに接続されたリムーバブルハードディスクが、NAS以外の他の装置にも接続され、使用される場合がある。このため、リムーバブルハードディスクには、必ずしもNASに適したオペレーティングシステムが記憶されているとは限らない。従って、ブートドライブを適切に選択することが必要となる。
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載のブートドライブの選択手法では、利用者によるスイッチ操作に応じてブートドライブが選択されている。従って、利用者の操作を伴い、煩雑である。また、特許文献2に記載のブートドライブの選択手法では、システムのブート処理の途中でブートドライブまたは書き込まれているプログラムに異常が発生した場合に、自動的に他のドライブに切り替えるが、NASに最適なオペレーティングシステムを起動するための適切なブートドライブの選択手法ではない。
【0008】
上記問題点に鑑み、本発明は、ブートドライブを適切に選択できる記憶処理装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明は以下のような特徴を有している。
【0010】
本発明の特徴は、システム情報(オペレーティングシステム)が記憶された複数の記憶媒体(リムーバブルハードディスク251、252)を接続可能な記憶処理装置(NAS20)であって、前記複数の記憶媒体のうち、前記記憶処理装置の識別情報(シグネチャ)が記憶された前記記憶媒体をブートドライブとして選択し、選択した前記ブートドライブに記憶された前記システム情報に基づく前記記憶処理装置の起動を行うブート処理部(ブート処理部203)を備えることを要旨とする。
【0011】
このような記憶処理装置は、自身の識別情報が記憶された記憶媒体は、自身に適したシステム情報が記憶されているとみなし、その記憶媒体をブートドライブとして選択して、ブートドライブに記憶されたシステム情報に基づく起動を行う。従って、記憶処理装置に適したシステム情報が記憶されている記憶媒体をブートドライブとして適切に選択できる。
【0012】
本発明の特徴は、前記ブート処理部は、前記記憶処理装置の識別情報が記憶された前記記憶媒体が複数存在する場合に、前記記憶処理装置の識別情報が記憶された前記記憶媒体のうち、記憶された前記システム情報の作成日付(タイムスタンプ)が最新の前記記憶媒体を前記ブートドライブとして選択することを要旨とする。
【0013】
このような記憶処理装置は、システム情報の最新の作成日付が記憶された記憶媒体は、自身に適したシステム情報が記憶されているとみなし、その記憶媒体をブートドライブとして選択して、ブートドライブに記憶されたシステム情報に基づく起動を行う。従って、記憶処理装置に適したシステム情報が記憶されている記憶媒体をブートドライブとして適切に選択できる。
【0014】
本発明の特徴は、前記ブート処理部は、前記記憶処理装置の識別情報が記憶された前記記憶媒体が存在しない場合に、前記複数の記憶媒体のうち、記憶された前記システム情報の作成日付が最新の前記記憶媒体を前記ブートドライブとして選択することを要旨とする。
【0015】
このような記憶処理装置は、システム情報の最新の作成日付が記憶された記憶媒体は、自身に適したシステム情報が記憶されているとみなし、その記憶媒体をブートドライブとして選択して、ブートドライブに記憶されたシステム情報に基づく起動を行う。従って、記憶処理装置に適したシステム情報が記憶されている記憶媒体をブートドライブとして適切に選択できる。
【0016】
本発明の特徴は、前記ブート処理部は、記憶された前記システム情報の作成日付が最新の前記記憶媒体が複数存在する場合に、前記システム情報の作成日付が最新の前記記憶媒体のうち、前記記憶処理装置において前記記憶媒体を一意に特定可能な識別番号(ディスク番号)が所定の条件を満たす前記記憶媒体を前記ブートドライブとして選択することを要旨とする。
【0017】
本発明の特徴は、外部との通信を行う通信インタフェースを備え、前記記憶処理装置の識別情報は、前記通信インタフェースに付与されたMACアドレスであることを要旨とする。
【0018】
このような記憶処理装置は、MACアドレスが通信インタフェース(通信部)を一意に特定可能な情報であることに鑑み、内蔵する通信インタフェースに付与されたMACアドレスを記憶処理装置の識別情報として用いる。従って、例えば、他の記憶処理装置との間で識別情報が一意になるために必要なやりとりを行わなくても、識別情報を簡易に一意のものとすることが可能となる。
【0019】
本発明の特徴は、システム情報が記憶された複数の記憶媒体を接続可能な記憶処理装置に、前記複数の記憶媒体のうち、前記記憶処理装置の識別情報が記憶された前記記憶媒体をブートドライブとして選択し、選択した前記ブートドライブに記憶された前記システム情報に基づく前記記憶処理装置の起動を行うステップを実行させるプログラムであることを要旨とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ブートドライブを適切に選択できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態に係るNASの外観構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係るNASの全体概略構成図である。
【図3】本発明の実施形態に係るリムーバブルハードディスクの記憶領域の構成を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係るNASにおける第1の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態に係るNASにおける第2の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態に係るNASにおける第3の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。具体的には、(1)NASの構成、(2)NASの動作、(3)作用・効果、(4)その他の実施形態について説明する。以下の実施形態における図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
【0023】
(1)NASの構成
図1は、本発明の実施形態に係るNAS20の外観構成図である。
【0024】
図1に示すように、NAS(Network Attached Storage)20は、本体21と、蓋部22とを有する。NAS10は、2つのリムーバブルハードディスクを接続可能である。図1は、1つのリムーバブルハードディスク251が接続される状態を示す。
【0025】
図2は、NAS20の全体概略構成図である。図2に示すように、NAS20は、リムーバブルハードディスク251及び252を接続する。NAS20は、制御部200と、通信部210と、記憶部220と、出力部230と、記憶装置接続部241及び242とを含む。
【0026】
制御部200は、例えばCPUによって構成され、NAS20が具備する各種機能を制御する。
【0027】
通信部210は、例えばLANカードであり、MAC(Media Access Control)アドレスが付与されている。通信部210は、外部との通信を行う通信インタフェースであり、例えば、図示しないDMP対応テレビ受像機との間で、ネットワークを介した通信を行う。
【0028】
記憶部220は、例えば、NANDフラッシュメモリによって構成され、NAS20における制御などに用いられる各種情報を記憶する。具体的には、記憶部220は、ブートローダ等を記憶する。
【0029】
出力部230は、例えばスピーカやLEDによって構成され、例外処理の実行状況などを管理者に通知する。
【0030】
記憶装置接続部241は、リムーバブルハードディスク251を接続する。記憶装置接続部242は、リムーバブルハードディスク252を接続する。
【0031】
図3は、リムーバブルハードディスク251及び252の記憶領域の構成を示す図である。図3に示すように、リムーバブルハードディスク251及び252は、シグネチャ、オペレーティングシステム及びコンテンツデータの記憶領域により構成される。オペレーティングシステム記憶領域の一部は、タイムスタンプの記憶領域である。
【0032】
シグネチャは、リムーバブルハードディスク251及び252の接続先であるNASにおいて初期化された場合に、当該NASに内蔵されている通信部に付与されているMACアドレスである。オペレーティングシステムは、接続先のNASの電源投入時に起動され得るシステム情報である。タイムスタンプは、オペレーティングシステムのイメージファイルが作成された日付(年月日)である。コンテンツデータは、映像や音声等の再生可能なデータである。
【0033】
制御部200は、シグネチャ読み出し部201、タイムスタンプ読み出し部202及びブート処理部203を含む。これらシグネチャ読み出し部201、タイムスタンプ読み出し部202及びブート処理部203は、制御部200が記憶部220からブートローダを読み出して実行することにより、実現される機能である。
【0034】
シグネチャ読み出し部201は、リムーバブルハードディスク251及び252からシグネチャを読み出す。タイムスタンプ読み出し部202は、リムーバブルハードディスク251及び252からタイムスタンプを読み出す。
【0035】
ブート処理部203は、リムーバブルハードディスク251及び252の何れかをブートドライブに選択し、選択したブートドライブに記憶されているオペレーティングシステムを起動する。
【0036】
具体的には、ブート処理部203は、NAS20のシグネチャを取得する。ここで、NAS20のシグネチャは、通信部210に付与されたMACアドレスである。ブート処理部203は、通信部210にアクセスしてMACアドレスを取得することができる。更に、ブート処理部203は、NAS20のシグネチャと、リムーバブルハードディスク251及び252から読み出されたシグネチャとを比較し、NAS20のシグネチャと同一のシグネチャを記憶しているリムーバブルハードディスクが存在するか否かを判定する。
【0037】
NAS20のシグネチャと同一のシグネチャを記憶しているリムーバブルハードディスクが存在する場合、ブート処理部203は、NAS20のシグネチャと同一のシグネチャを記憶しているリムーバブルハードディスクが複数存在するか否かを判定する。
【0038】
NAS20のシグネチャと同一のシグネチャを記憶しているリムーバブルハードディスクが1つのみである場合、ブート処理部203は、NAS20のシグネチャと同一のシグネチャを記憶しているリムーバブルハードディスクをブートドライブとして選択する。
【0039】
NAS20のシグネチャと同一のシグネチャを記憶しているリムーバブルハードディスクが複数存在する場合(ここでは、リムーバブルハードディスク251及び252の双方がNAS20のシグネチャと同一のシグネチャを記憶している場合)、ブート処理部203は、NAS20のシグネチャと同一のシグネチャを記憶しているリムーバブルハードディスク251及び252から読み出されたタイムスタンプを比較し、最新のタイムスタンプを特定する。ブート処理部203は、最新のタイムスタンプを記憶しているリムーバブルハードディスクが複数存在するか否かを判定する。
【0040】
最新のタイムスタンプを記憶しているリムーバブルハードディスクが複数存在する場合(ここでは、リムーバブルハードディスク251及び252から読み出されたタイムスタンプが同一である場合)には、ブート処理部203は、リムーバブルハードディスク251及び252のうち、最小のディスク番号に対応するリムーバブルハードディスクをブートドライブとして選択する。ここで、ディスク番号とは、NAS20においてリムーバブルハードディスクを一意に特定可能な識別情報であり、例えば、リムーバブルハードディスクがNAS20に接続される際のスロットに付与されている番号である。
【0041】
最新のタイムスタンプを記憶しているリムーバブルハードディスクが1つのみである場合、ブート処理部203は、最新のタイムスタンプを記憶しているリムーバブルハードディスクをブートドライブとして選択する。
【0042】
NAS20のシグネチャと同一のシグネチャを記憶しているリムーバブルハードディスクが存在しない場合、ブート処理部203は、リムーバブルハードディスク251及び252から読み出されたタイムスタンプを比較し、最新のタイムスタンプを特定する。ブート処理部203は、最新のタイムスタンプを記憶しているリムーバブルハードディスクが複数存在するか否かを判定する。
【0043】
最新のタイムスタンプを記憶しているリムーバブルハードディスクが複数存在する場合(ここでは、リムーバブルハードディスク251及び252から読み出されたタイムスタンプが同一である場合)には、ブート処理部203は、リムーバブルハードディスク251及び252のうち、最小のディスク番号に対応するリムーバブルハードディスクをブートドライブとして選択する。
【0044】
最新のタイムスタンプを記憶しているリムーバブルハードディスクが1つのみである場合、ブート処理部203は、最新のタイムスタンプを記憶しているリムーバブルハードディスクをブートドライブとして選択する。
【0045】
上述したブートドライブの選択処理により、ブートドライブが選択されると、ブート処理部203は、選択したブートドライブからオペレーティングシステムを読み出して起動する。
【0046】
(2)NASの動作
次に、NAS10の動作を説明する。図4乃至図6は、NAS20の動作を示すフローチャートである。
【0047】
図4のステップS101において、シグネチャ読み出し部201は、リムーバブルハードディスク251及び252からシグネチャを読み出す。
【0048】
ステップS102において、ブート処理部203は、NAS20のシグネチャと同一のシグネチャを記憶しているリムーバブルハードディスクが存在するか否かを判定する。
【0049】
NAS20のシグネチャと同一のシグネチャを記憶しているリムーバブルハードディスクが存在する場合、ステップS103において、ブート処理部203は、NAS20のシグネチャと同一のシグネチャを記憶しているリムーバブルハードディスクが複数存在するか否か、換言すれば、リムーバブルハードディスク251及び252の双方がNAS20のシグネチャと同一のシグネチャを記憶しているか否かを判定する。
【0050】
リムーバブルハードディスク251及び252の双方がNAS20のシグネチャと同一のシグネチャを記憶している場合、ステップS104において、タイムスタンプ読み出し部202は、リムーバブルハードディスク251及び252からタイムスタンプを読み出す。
【0051】
ステップS105において、ブート処理部203は、最新のタイムスタンプを記憶しているリムーバブルハードディスクが複数存在するか否か、換言すれば、リムーバブルハードディスク251及び252の双方が同一のタイムスタンプを記憶しているか否かを判定する。
【0052】
リムーバブルハードディスク251及び252の双方が同一のタイムスタンプを記憶している場合、ステップS106において、ブート処理部203は、リムーバブルハードディスク251及び252のうち、最小のディスク番号に対応するリムーバブルハードディスクをブートドライブとして選択する。
【0053】
ステップS107において、ブート処理部203は、選択したブートドライブからオペレーティングシステムを読み出して起動する。
【0054】
一方、ステップS105において、リムーバブルハードディスク251及び252が同一のタイムスタンプを記憶していないと判定された場合、換言すれば、リムーバブルハードディスク251及び252の一方が最新のタイムスタンプを記憶していると判定された場合、ステップS108において、ブート処理部203は、リムーバブルハードディスク251及び252のうち、最新のタイムスタンプを記憶しているリムーバブルハードディスクをブートドライブとして選択する。
【0055】
ステップS109において、ブート処理部203は、選択したブートドライブからオペレーティングシステムを読み出して起動する。
【0056】
ステップS103において、NAS20のシグネチャと同一のシグネチャを記憶しているリムーバブルハードディスクが複数存在しない場合、換言すれば、リムーバブルハードディスク251及び252がNAS20の一方がシグネチャと同一のシグネチャを記憶していると判定された場合、図5のステップS110において、ブート処理部203は、NAS20のシグネチャと同一のシグネチャを記憶しているリムーバブルハードディスクをブートドライブとして選択する。
【0057】
ステップS111において、ブート処理部203は、選択したブートドライブからオペレーティングシステムを読み出して起動する。
【0058】
ステップS102において、NAS20のシグネチャと同一のシグネチャを記憶しているリムーバブルハードディスクが存在しないと判定された場合、図6のステップS112において、タイムスタンプ読み出し部202は、リムーバブルハードディスク251及び252からタイムスタンプを読み出す。
【0059】
ステップS113において、ブート処理部203は、最新のタイムスタンプを記憶しているリムーバブルハードディスクが複数存在するか否か、換言すれば、リムーバブルハードディスク251及び252の双方が同一のタイムスタンプを記憶しているか否かを判定する。
【0060】
リムーバブルハードディスク251及び252の双方が同一のタイムスタンプを記憶している場合、ステップS114において、ブート処理部203は、リムーバブルハードディスク251及び252のうち、最小のディスク番号に対応するリムーバブルハードディスクをブートドライブとして選択する。
【0061】
ステップS115において、ブート処理部203は、選択したブートドライブからオペレーティングシステムを読み出して起動する。
【0062】
ステップS113において、リムーバブルハードディスク251及び252の双方が同一のタイムスタンプを記憶していない、換言すれば、リムーバブルハードディスク251及び252の一方が最新のタイムスタンプを記憶していると判定された場合、ステップS116において、ブート処理部203は、リムーバブルハードディスク251及び252のうち、最新のタイムスタンプを記憶しているリムーバブルハードディスクをブートドライブとして選択する。
【0063】
ステップS117において、ブート処理部203は、選択したブートドライブからオペレーティングシステムを読み出して起動する。
【0064】
(3)作用・効果
本発明の実施形態において、オペレーティングシステムが記憶されたリムーバブルハードディスク251及び252を接続するNAS20は、リムーバブルハードディスク251及び252のうち、自身のシグネチャが記憶されたリムーバブルハードディスクに自身に適したオペレーティングシステムが記憶されているとみなして、当該リムーバブルハードディスクをブートドライブとして選択し、選択したブートドライブに記憶されたオペレーティングシステムを起動する。従って、NAS20に適したオペレーティングシステムが記憶されているリムーバブルハードディスクをブートドライブとして適切に選択できる。
【0065】
本発明の実施形態において、NAS20は、リムーバブルハードディスク251及び252の双方が自身のシグネチャを記憶している場合には、タイムスタンプが最新のリムーバブルハードディスクには自身に適したオペレーティングシステムが記憶されているとみなして、当該リムーバブルハードディスクをブートドライブとして選択し、選択したブートドライブに記憶されたオペレーティングシステムを起動する。従って、NAS20に適したオペレーティングシステムが記憶されているリムーバブルハードディスクをブートドライブとして適切に選択できる。
【0066】
本発明の実施形態において、NAS20は、リムーバブルハードディスク251及び252の双方が自身のシグネチャを記憶していない場合には、リムーバブルハードディスク251及び252のうち、タイムスタンプが最新のリムーバブルハードディスクをブートドライブとして選択し、選択したブートドライブに記憶されたオペレーティングシステムを起動する。従って、上述と同様、NAS20に適したオペレーティングシステムが記憶されているリムーバブルハードディスクをブートドライブとして適切に選択できる。
【0067】
本発明の実施形態において、NAS20は、リムーバブルハードディスク251及び252の双方が最新のタイムスタンプを記憶している場合には、ディスク番号が最小のリムーバブルハードディスクをブートドライブとして選択し、選択したブートドライブに記憶されたオペレーティングシステムを起動する。従って、上述の選択手法では、ブートドライブが選択できない場合にも、最終的にブートドライブを選択できる。
【0068】
NAS20は、外部との通信を行うことが必須であるため、MACアドレスが付与された通信部210を備えている。本実施形態では、MACアドレスが通信部210を一意に特定可能な情報であることに鑑み、通信部210に付与されたMACアドレスをNAS20の識別情報であるシグネチャとして用いる。従って、例えば、他のNASとの間でシグネチャが一意になるために必要なやりとりを行わなくても、シグネチャを簡易に一意のものとすることができる。
【0069】
(4)その他の実施形態
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
【0070】
上述した実施形態では、NAS20は、最小のディスク番号に対応するリムーバブルハードディスクをブートドライブとして選択したが、ディスク番号に基づくリムーバブルハードディスクの選択手法はこれに限定されない。例えば、NAS20は、最大のディスク番号に対応するリムーバブルハードディスクをブートドライブとして選択してもよい。
【0071】
上述した実施形態では、NAS20には、リムーバブルハードディスク251及び252が接続されたが、接続される記憶媒体はこれに限定されない。例えば、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ、SDカード等の記憶媒体が接続され、これらにオペレーティングシステムが記憶されていてもよい。
【0072】
このように本発明は、ここでは記載していない様々な実施形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によってのみ限定されるものである。
【符号の説明】
【0073】
20…NAS、21…本体、22…蓋部、200…制御部、210…通信部、220…記憶部、230…出力部、241、242…記憶装置接続部、251、252…リムーバブルハードディスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
システム情報が記憶された複数の記憶媒体を接続可能な記憶処理装置であって、
前記複数の記憶媒体のうち、前記記憶処理装置の識別情報が記憶された前記記憶媒体をブートドライブとして選択し、選択した前記ブートドライブに記憶された前記システム情報に基づく前記記憶処理装置の起動を行うブート処理部を備える記憶処理装置。
【請求項2】
前記ブート処理部は、前記記憶処理装置の識別情報が記憶された前記記憶媒体が複数存在する場合に、前記記憶処理装置の識別情報が記憶された前記記憶媒体のうち、記憶された前記システム情報の作成日付が最新の前記記憶媒体を前記ブートドライブとして選択する請求項1に記載の記憶処理装置。
【請求項3】
前記ブート処理部は、前記記憶処理装置の識別情報が記憶された前記記憶媒体が存在しない場合に、前記複数の記憶媒体のうち、記憶された前記システム情報の作成日付が最新の前記記憶媒体を前記ブートドライブとして選択する請求項1に記載の記憶処理装置。
【請求項4】
前記ブート処理部は、記憶された前記システム情報の作成日付が最新の前記記憶媒体が複数存在する場合に、前記システム情報の作成日付が最新の前記記憶媒体のうち、前記記憶処理装置において前記記憶媒体を一意に特定可能な識別番号が所定の条件を満たす前記記憶媒体を前記ブートドライブとして選択する請求項2又は3に記載の記憶処理装置。
【請求項5】
外部との通信を行う通信インタフェースを備え、
前記記憶処理装置の識別情報は、前記通信インタフェースに付与されたMACアドレスである請求項1乃至4の何れかに記載の記憶処理装置。
【請求項6】
システム情報が記憶された複数の記憶媒体を接続可能な記憶処理装置に、
前記複数の記憶媒体のうち、前記記憶処理装置の識別情報が記憶された前記記憶媒体をブートドライブとして選択し、選択した前記ブートドライブに記憶された前記システム情報に基づく前記記憶処理装置の起動を行うステップを実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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