説明

記憶手段に記録されたオーディオ/ビデオ文書へのアクセスを保護することを目的とする表示装置及び表示方法

【課題】本発明は、記憶手段に記録されたオーディオ/ビデオ文書へのアクセスを保護することを目的とする表示装置及び表示方法に関する。
【解決手段】上記装置は、文書のマスキング閾値を設定する手段と、記憶手段において、マスキング閾値よりも旧い、記録された文書をマスキングする手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、旧い順に、記憶手段に記録されたオーディオ/ビデオ文書へのアクセスを保護することを目的とする表示装置(特に、ディジタル・カメラ)に関する。本発明は、旧い順に、記憶手段に記録されたオーディオ/ビデオ文書へのアクセスを保護することを目的とする表示方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
電子装置は、種々の環境から来るデータ(特に、オーディオ/ビデオ・データ)の記憶を可能にする。このデータの表示はそれ自体を、種々の環境で行うことが可能であり、電子装置の使用は一層、移動性が高くなってきている。よって、機密性の問題が生じ得る。
【0003】
例えば、ディジタル・カメラの使用を、職業上の環境及び私的な環境において検討することが可能である。職業上の環境で撮られた写真をその後、私的な環境で視ることが可能であるということが分かるのは不安であり得る。第三者が装置のメモリをブラウジングし、直前に撮られた写真のみならず、装置のメモリに含まれるオーディオ/ビデオ文書全ても視ることが可能であるという点で、装置が第三者に貸与される場合、不安材料になり得る。
【0004】
例えば、音楽又はビデオ・ファイルを再生することができるプレイヤに関連付けられていてもいなくてもよいUSBキーを使用することを想定することが可能である。直前に記録された、又は記録する対象の職業上の文書を交換するためにキーが利用可能にされる場合に、先行して記録された職業上の文書を第三者によって視ることが可能であるということは、不安材料であり得る。
【0005】
例えば、ウィンドウズ(登録商標)による隠しファイル手法を使用して、マスキングすることにより、データへのアクセスを保護することが既に提案されている。しかし、このマスキング処理により、文書が場合によっては表示される前に文書のマスキング特性を規定する必要があり、使用タイプについてのマスキング(例えば、職業上の環境における装置の使用からの、私的なデータのマスキング)を規定する必要があるという二重の弊害がもたらされる。
【0006】
一方が公開されており、他方はそのアクセスがパスワードを条件とする2つの区分を提供するUSBキーも存在している。キーはその場合、機密データをセキュアに含み得る。やはり、文書のマスキングは、2つの区分のうちの1つにおける文書の記録の時点において規定しなければならない。やはり、マスキングは、特権的なやり方で、一環境を別の環境に対して(例えば、私的な環境を職業上の環境に対して)保護する。
【0007】
最後に、文書へのアクセスを保護するようにオーディオ/ビデオ文書に関連付けられたライセンスを管理する方法が存在している。この手法は例えば、ビデオ・オン・デマンド(VOD)サービスにおいて使用される。オーディオ/ビデオ文書に対する権利は、特定の期間の間について購入される。この期間が満了すると、文書はもう表示に利用可能でない。このシステムは、独自開発の暗号化形式で機能し、オーディオ・ビデオ文書が暗号化され、ライセンスが、文書を視るために必要である。しかし、ビデオ・オン・デマンドの場合、文書は一般に、装置の記録手段に記録されず、オーディオ/ビデオ文書へのアクセスは遠隔である。ライセンス・ファイルのみが記憶手段に保存される。更に、この方法では、有効なライセンスを保有しているユーザは何れも、上記文書にアクセスすることが可能であるが、このユーザは、如何なる場合にも、期間の完了後、文書の保護を修正するか、又はライセンスを復活させることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】欧州特許第1785896(A)号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2008/285080(A1)号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2005/044066(A1)号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2003/184653(A1)号明細書
【特許文献5】欧州特許第1589444(A)号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2004/205286(A1)号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2005/262083(A1)号明細書
【特許文献8】米国特許出願公開第2007/236729(A1)号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第2009/132489(A1)号明細書
【特許文献10】英国特許出願公開第2454001(A)号明細書
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Markvart他、「Sizing and Reliablity of stand alone PV systems, 12th E.C. Photovoltaic Solar Energy Conf. Amsterdam, The Netherlands、 April 11−15、 1994, pp 1722−1724」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、電子装置のメモリに記録された文書の機密性という問題に対する応答を提供する。本願提案の解決策は、別の環境に対して1つの環境を優先しないという利点、及び装置のメモリにおける文書の記録の前後に実現することができるという利点も有する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明による、記憶手段において記録されたオーディオ・ビデオ文書へのアクセスを保護することを目的とする表示装置は、文書のマスキング閾値を設定する手段と、記憶手段において閾値より旧い記録文書をマスキングする手段とを備える。
【0012】
閾値は、その時点から文書をマスキングすることが好ましいという時点の旧さを規定する。
【0013】
本発明の一実施例では、閾値は、1日に固定することが可能であり、その日からのオーディオ・ビデオ文書のみを表示することが可能であり、装置のメモリにおけるより旧い文書はマスキングされる。例えば、カメラのユーザは、Jという日に自分のカメラを職業上で使用し、その翌日(J+1の日と呼ばれる)に私用で使用することが可能である。私的な環境で撮られた写真を表示しようとする場合、J+1と呼ばれる日に撮られた写真のみが可視可能になり、職業上の環境において撮られた、Jと呼ばれる日の前日の写真はマスキングされる。同様に、翌日(J+2と呼ばれる)に、職業上の環境にいる場合、1日に固定された閾値よりも旧い、私的な環境において撮られた写真は、職業上の環境において目に見えなくなる。ユーザは、別々の用途を適切に分けるようにマスキング閾値を調節しなければならない。よって、本発明による装置は、とりわけ、私的な環境、又は職業上の環境によって特徴付けられることが多いタイプに応じて文書がマスキングされない一方、その旧さに応じてマスキングされるので、本発明による装置は、互いに環境を特権化しないという利点を有する。前述の実施例では、ユーザは、J+2と呼ばれる日に、自分の職業上の環境において、3日に自分の文書のマスキング閾値のパラメータも設定することが可能である。この場合、Jという日に撮られた職業上の環境の写真、私的な環境に関連付けられた、J+1という日の日付の写真、及び、職業上の環境に関連付けられた、J+2という日に撮られた写真を可視可能にすることが可能である。
【0014】
文書のマスキングは、一意に、閾値に対する旧さによって調節され、文書の記録の時点において規定された環境又は機密性という特性によって調節されない。よって、閾値は、調節することが可能であり、装置のメモリにおける文書の記録の前又は後に定めることができるという利点を有する。
【0015】
更に、好ましい実施例によれば、装置は効果的には、設定を起動解除する手段を備え、起動解除が、記録された文書全ての表示を可能にする。
【0016】
ユーザは、装置の記憶手段に記録された文書をソート又は削除したい場合、マスキングの制限なしで文書全体を視ることが必要である。よって、マスキング閾値の設定を非能動化することが可能である。しかし、文書の機密性を保護する意味で、この非能動化機能は、好ましくは、主ユーザと呼ばれるユーザに確保される。
【0017】
よって、非能動化手段は、好ましくは、アクセス・コードによって保護される。
【0018】
実施例によれば、アクセス・コードは、一連の英数文字、装置の一連の起動キー、又は装置のキーの同時の組合せであり得る。
【0019】
更に、アクセス・コードは好ましくは、主ユーザにアクセス可能である。
【0020】
主ユーザは、マスキング閾値の非能動化を保護するアクセス・コードを保有する特権化ユーザ、又は装置の保有者として定義することが可能である。よって、主ユーザは、装置の記憶手段に記録されたオーディオ/ビデオ文書全ての表示、マスキング閾値の設定、及び設定の非能動化を制御する。
【0021】
特定の実施例によれば、文書のマスキング閾値を設定する手段は、少なくとも1つの遅延又は1つの日付を初期化することを可能にする。
【0022】
一実施例によれば、マスキング閾値は、時間・日の形式の求められた遅延(例えば、1日)であり得る。別の実施例では、マスキング閾値は、日・月・年の形式の求められた日付(例えば、「04 December 2008(西暦2008年12月4日)」であり得る。マスキングを定義する遅延よりも旧いか、又はマスキングを定義する日付よりも旧い場合、記録されたオーディオ/ビデオ文書はマスキングされる。
【0023】
別の実施例では、最大値を定義する第1の閾値、及び少なくとも、最小値を定義する第2の閾値は、遅延又は日付の形式で設定することが可能である。旧さが最大値よりも大きく、最小値よりも小さい場合、記録されたオーディオ/ビデオ文書はマスキングされる。よって、この実施例は効果的には、文書がマスクされる期間を規定することを可能にする。この実施例では、示した実施例のカメラのユーザは、第1の閾値のパラメータを1日に、第2の閾値を2日に設定することが可能である。この場合、Jという日に撮られた職業上の環境の写真を可視可能にし、私的な環境に関連付けられた、J+1という日の日付の写真をマスキングし、職業上の環境に関連付けられた、J+2という日に撮られた写真を可視可能にすることが可能である。
【0024】
記憶手段における文書の旧さは、好ましくは、記憶手段上の記録の日付に対するものである。
【0025】
よって、メタデータは、文書と関連付けられ、前述のメタデータは、文書、画像、mp3ファイルなどのリソース又はデータの項目を表すデータである。ウィンドウズ(登録商標)におけるプロパティの表示中、システムは、文書のメタデータ(すなわち、文書タイプ、サイズ、修正日付、セキュリティ、共有などの情報の組)を提示する。これらは、オペレーティング・システムのメタデータである。各文書タイプは、メタデータを含み得る。よって、EXIF、IPTC及びXMPのメタデータは、写真文書と関連付けられ、装置モデル、向き、分解能、撮影の日時、写真の修正の日時等などの情報を含む。
【0026】
一実施例によれば、文書は、ユーザにより、記録手段に記憶され、オペレーティング・システムにより、文書と関連付けられた修正日付のメタデータは次いで、修正され、装置内の文書の記録の日付及び時刻で更新される。この日付は、文書の旧さを規定する。
【0027】
別の実施例によれば、装置の文書は、やはりEXIFタイプのメタデータを有するディジタル写真である。撮影の日時は、文書の旧さを規定する。
【0028】
前述の2つの実施例では、装置の日時は、文書の旧さを規定するが、遅延である場合の閾値と旧さとの間の比較に介入し得る。よって、マスキング閾値が起動されると、装置の日時の修正をロッキングすることが有用であり得る。
【0029】
第1の実施例によれば、文書のマスキング閾値を設定する手段は、記憶手段における文書の記録前の閾値を定める。
【0030】
よって、示した実施例のカメラのユーザは、職業上の環境の写真文書の機密性を確保するように、J+1という日に写真を撮る前に、事前に、1日に遅延を定めることが可能である。
【0031】
第2の実施例によれば、文書のマスキング閾値を設定する手段は、記憶手段における文書の表示前の閾値を定める。
【0032】
この実施例では、閾値の設定は、第1の実施例と同様に記録に先行し得る。
【0033】
この実施例では、閾値の設定は、効果的には、記憶手段における文書の記録に後続し得る。よって、示された実施例のカメラのユーザは、J+2という日に写真を撮った後、J+2という日、及びJという日の職業上の環境からの写真を表示することができるように事後に、遅延を3日に定めることが可能である。
【0034】
記憶手段は、USB周辺装置又はメモリ・カードなどの大容量記憶装置タイプのものである。
【0035】
USB周辺装置は、USBキー、音楽文書を再生することができるMP3プレイヤ、又はオーディオ及びビデオ・ファイルを再生することができるMP4プレイヤを意味するものとする。更に、メモリ・カードは、コンパクト・フラッシュ、メモリ・スティック、ミニSD、マイクロSD及びxD形式などのフラッシュ・メモリであるものとする。大容量記憶装置は同様に例えば、限定列挙でないが、光ディスク、例えば、DVD形式、ミニDVサポート及びハード・ディスクであるものとする。
【0036】
第1の実施例によれば、表示装置は好ましくは、オーディオ・レコーダ、静止画カメラ、ディジタル・カムコーダ又はプロ向ビデオ・カメラである。
【0037】
第2の実施例によれば、表示装置は、記憶手段、及び文書をマスキングする手段も備える、USBキーに関連付けられた記録及び読み取り手段を備えるパソコンでもあり得る。
【0038】
表示装置は効果的には、文書の連続表示モードを有し得る。マスキングされていない記録された文書のこの表示モードでは、表示手段は、連続し、ループしたやり方で記憶手段をブラウジングする。
【0039】
よって、示された実施例の静止画カメラのユーザは、J+2という日に写真を撮った後、遅延を1日に定めることが可能である。この実施例では、J+2という日の最も直近の写真(最新のもの)を表示し、写真の新しい順に装置のメモリを連続してブラウジングすることによって始まり得る。表示する対象の写真の旧さが、J+1という日に達すると、写真はマスキングされ、Jという日の写真についても同様である。メモリは、ループにおいてブラウジングされ、よって、最も旧い写真の後、最も新しい文書が表示される。後者はマスキングされず、表示される。この実施例では、ユーザは効果的には、その日の写真のみをループにおいて表示することが可能である。
【0040】
本発明は、記憶空間に記録されたオーディオ/ビデオ文書へのアクセスを保護することを目的とする表示方法にも関する。方法は、文書のマスキング閾値を設定する工程と、記憶空間において、閾値よりも旧い、記録された文書をマスキングする工程とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】(好ましくは、静止画カメラ・タイプの)表示装置を示すブロック図である。
【図2】(好ましくは、パソコンに関連付けられたUSB周辺装置大容量記憶装置タイプの)表示装置を示すブロック図である。
【図3】本発明の特定の実施例による、パラメータ設定において効果的に実現された方法を示す図である。
【図4】本発明の特定の実施例による、文書の表示において効果的に実現された方法を示す図である。
【図5】本発明の特定の実施例によって示す実施例の文書のマスキング原理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本発明は、限定列挙でないが、添付図面を参照して実施例及び効果的な実現形態により、更に深く理解し、例証されよう。
【実施例】
【0043】
図1は、(好ましくは、静止画カメラ・タイプ113の)表示装置を示すブロック図である。
【0044】
静止画カメラ・タイプ113の本発明の実施例では、ディジタル写真Dなどの文書が、装置の記録手段100によってキャプチャされる。写真Dは記憶手段101に記憶される。この実施例では、記憶手段101は好ましくは、メモリ・カード(例えば、コンパクト・フラッシュ、メモリ・スティック、ミニSD、マイクロSDやxDなどの形式を有するフラッシュ・メモリ)、光ディスク(例えば、DVD形式やミニDV)、又はハード・ディスクである。
【0045】
記憶手段101における記録の日付は、文書Dの旧さ108を規定する。設定する手段102は、定める対象のディジタル写真Dのマスキング閾値S1をイネーブルする。設定を非能動化する手段(103)は、主ユーザによってアクセスすることが可能なアクセス・コード106によって保護される。写真Dの旧さ108、マスキング閾値S1、及び非能動化110のレベルは、マスキング手段の第2のレベル104bのマスキング・コマンド111をマスキング手段の第1のレベル104aで規定することを可能にする。マスキング手段のこの第2のレベル104bは、静止画カメラ113の表示手段105におけるマスキング閾値S1よりも旧さ108が大きな可視文書DVの可視化を制御する。
【0046】
図2は、(好ましくは、パソコン213に関連付けられたUSB周辺装置タイプ214の大容量記憶装置の)表示装置を示すブロック図である。
【0047】
USBキー214がパソコン213と関連付けられる本発明の第2の実施例では、書き込み手段200は、USBインタフェース215を使用して文書D’が記録されることを可能にする。前述の文書D’は、USBキー214の記憶手段201に記録される。この実施例では、記憶手段201は好ましくは、USBキー214内部のフラッシュ・メモリ構成部分である。この実施例では、文書D’は、ディジタル写真であり得るが、例えば、限定列挙でないが、オーディオ若しくはビデオ・ファイル又はオフィス文書でもあり得る。
【0048】
その記録の日付は、文書D’の旧さ208を規定する。マスキング閾値S1は、USBキー214の設定手段202に記憶される。閾値S1は、USBインタフェース215を使用することにより、パソコン213の書き込み手段200により、書き込みモードにおいてアクセスすることが可能である。設定の非能動化手段203は、USBインタフェース215を介して主ユーザによってアクセスすることが可能なアクセス・コード206によって保護される。文書D’の旧さ208、マスキング閾値S1、及び非能動化のレベル210は、マスキング手段の第1のレベル204aが、マスキング手段の第2のレベル204bのマスキング・コマンド211を規定することを可能にする。マスキング手段のこの第2のレベル204bは、常にUSBインタフェース215を介してパソコン213の読み出し手段205により、旧さ208がマスキング閾値S1よりも大きい前述の可視文書D’Vに対する読み出しアクセスを制御する。
【0049】
図3は、本発明の特定の実施例(例えば、静止画カメラ113)による設定手段において実現される方法を示す。上記方法はよって、静止画カメラ113のユーザ・インタフェースを介して効果的に実現することが可能なアルゴリズムを表す。
【0050】
写真キャプチャ・モード状態E1は効果的には、初期状態として規定される。初期状態E1から、設定要求工程EP2にアクセスすることが可能である。この工程EP2は、機能の非能動化を保護するアクセス・コード、マスキング機能の非能動化、マスキング閾値S1などのパラメータの別々のプログラムに対するアクセスを可能にする。
【0051】
よって、閾値プログラミングの検査EP3中に、ユーザには、プログラムする対象のパラメータがマスキング閾値であるか否かを尋ねる。検査EP3の結果が否定の場合、写真キャプチャ・モードへのリターンの検査EP8に達する。検査EP3の結果が肯定の場合、検査EP4は、閾値の設定が、日付又は遅延の初期化を可能にするか否かを解析する。検査EP4の結果が、日付の初期化である場合(はいの場合)、形式に効果的に規定された日付を入力する工程EP5に達する。検査EP4の結果が、遅延の初期化である場合(いいえの場合)、DD/MM/YY形式に効果的に規定された遅延を入力する工程EP6に達する。閾値の入力をし得る前述の2つの工程EP5及びEP6の後、工程EP7は文書のマスキング機能を起動させ、次いで、写真キャプチャ・モードへのリターンの検査EP8に達する。特定の実施例によれば、2つ以上の閾値をそれぞれが定義する2つ以上の遅延又は日付を初期化することが可能である。すなわち、検査EP4、工程EP5及びEP6は効果的には、この場合、繰り返すことが可能である。
【0052】
あるいは、非能動化のプログラミングの検査EP9中に、ユーザには、プログラムする対象のパラメータがマスキング機能の非能動化であるか否かを尋ねる。検査EP9の結果が否定の場合、写真キャプチャ・モードへのリターンの検査EP8に達する。検査EP9の結果が肯定の場合、マスキング機能の非能動化を効果的に保護するアクセス・コードを入力する工程EP10に達する。実施例によれば、アクセス・コードは、一連の英数文字、装置の一連の起動キー、又は装置のキーの同時の組合せであり得る。検査EP11は、アクセス・コードが有効であるか否かを検査する。検査E11の結果が肯定の場合、工程EP12は文書マスキング機能を非能動化し、次いで、写真キャプチャ・モードへのリターンの検査EP8に達する。検査EP11の結果が否定の場合、マスキング機能の非能動化の工程EP12を経ることなく写真キャプチャ・モードへのリターンの検査EP8に達する。
【0053】
あるいは、文書マスキングの非能動化を保護するアクセス・コードのプログラミングの検査EP13中に、ユーザには、プログラミングする対象のパラメータが、マスキング機能の非能動化を保護するアクセス・コードであるか否かを尋ねる。検査EP13の結果が否定の場合、写真キャプチャ・モードへのリターンの検査EP8に達する。検査EP13の結果が肯定の場合、アクセス・コードを入力する工程EP14に達する。検査EP15は、アクセス・コードが有効であるか否かを検査する。検査EP15の結果が肯定の場合、工程EP16は、新たなアクセス・コードが入力されることを可能にする。次いで、新たなアクセス・コードを起動させる工程EP17に達し、次に、写真キャプチャ・モードのリターンの検査EP8に達する。検査EP15の結果が否定の場合、アクセス・コードへの修正なしで、写真キャプチャ・モードへのリターンの検査EP8に達する。
【0054】
本発明の特定の実施例によれば、装置の日付及び時刻のプログラミングはアクセス・コードによって保護することが可能である。すなわち、効果的には、この実施例を充足するよう、設定アルゴリズムにおける分岐を追加することが可能である。
【0055】
検査EP8では、写真キャプチャ・モード状態E1に戻るか、又は、設定要求工程EP2に留まるかをユーザに尋ねる。
【0056】
よって、図3に示す方法は、本発明の特定の実施例による装置の設定手段において実現することが可能なアルゴリズムを表す。
【0057】
図4は、本発明の特定の実施例(例えば、静止画カメラ113)による文書の表示において効果的に実現される方法を示す。上記方法はよって、静止画カメラ113のユーザ・インタフェース手段を使用することにより、効果的に実現することが可能なアルゴリズムを表す。
【0058】
写真キャプチャ・モード状態E1は効果的には、初期状態として規定される。初期状態E1から、記憶手段において記録された文書の表示を要求する工程EA2にアクセスすることが可能である。この工程EA2後、一方で、記憶手段101、201、501に記録された文書へのアクセスを可能にし、他方で、文書Dに関連付けられたメタデータへのアクセスを可能にするリスト・ポインタを更新する工程EA3に達する。前述のメタデータのうちで、文書Dの旧さ108、208が求められる。本発明のUSBキー214及びパソコン213の実施例では、メタデータはオペレーティング・システムのメタデータである。カメラの実施例113では、メタデータは、写真文書Dに関連付けられたもの(例えば、EXIF)である。
【0059】
次に、検査EA4中に、表示機能のマスキング閾値S1よりも大きいか否かを確かめるために、表示が要求される文書Dの旧さが検査される。検査EA4の結果が否定の場合、文書DVはマスキングされておらず、工程EA5は文書の表示を可能にする。検査EA4の結果が肯定の場合、検査EA7は、マスキング機能を非能動化するか否かを検査する。検査EA7の結果が肯定の場合、文書はマスキングされず(DV)、文書の表示を可能にする工程EA5に達する。検査EA7の結果が否定の場合、機能が起動されている間、文書はマスキングされ(DM)、次いで、文書ポインタを更新する工程EA3へのリターンが存在している。特定の実施例によれば、記録された文書Dのリストに対するポインタは効果的には、ループにおいて連続的に更新し、リスト中の第1のマスキングされていない文書DVの表示を認可することが可能である。
【0060】
文書DVの表示の工程EA5後、写真キャプチャ・モードへのリターンの検査EA6に達する。検査EA6中、写真キャプチャ状態E1に戻るか、又は工程EP2に留まり、新たな文書Dの表示を要求するかをユーザに尋ねる。
【0061】
よって、図4に示す方法は、本発明の特定の実施例による装置の表示手段105において効果的に実現することが可能なアルゴリズムを表す。
【0062】
図5は、本発明の特定の実施例による、上記実施例の文書Dのマスキング原理を示す図である。
【0063】
ユーザは、自分のカメラをJという日に職業上の環境で使用し、J+1という日に私的な環境で使用し、もう一度、J+2という日に職業上の環境で使用する。ユーザは、種々のやり方で、別の環境に対する一環境の写真の機密性を保護したい。図5は、マスキング閾値S1、S2の設定モードに応じて、文書マスキング機能の非能動化(カメラ113のメモリに記憶された文書Dを可視状態にするか、又は可視でない状態にする方法)を示す。
【0064】
ユーザの静止画カメラ113のメモリ501の状態は、J+2という日で表す。すなわち、その旧さがJという日、J+1という日、及びJ+2という日に対するものである文書Dを含む。
【0065】
設定モード502では、マスキング閾値S1は、1日に定められ、マスキング機能はアクティブである。J+2という日の職業上の環境では、1日に定められたマスキング閾値S1よりも旧い、Jという日又はJ+1という日の写真DMはマスキングされ、他の写真DVは可視である。
【0066】
第2のパラメータ設定モード503では、マスキング閾値S1は1日になお定められるが、マスキング機能はユーザによって非能動化される。J+2という日の職業上の環境では、Jという日、J+1という日、又はJ+2という日の写真DV全てが可視である。ユーザは例えば、装置のメモリに含まれる写真のうちの何れか1つをソート又は削減することが可能である。
【0067】
本発明の特定の実施例504では、第1のマスキング閾値S1は最大値を規定し、第2のマスキング閾値S2は最小値を規定し、最大値S1よりも旧く、最小値S2よりも新しい場合、文書はマスキングされる。設定モード504はよって、マスキング閾値S1を1日に定めること、マスキング閾値S2を2日に定めること、及びマスキング機能の起動を規定する。J+2という日の職業上の環境では、1日に定めたマスキング閾値S1よりも旧く、2日に定めたマスキング閾値S2よりも新しい、J+1という日の写真DMはマスキングされる。マスキング閾値S1よりも旧くない、J+2という日の職業上の環境の写真DVが可視である。マスキング閾値S2よりも旧くない、Jという日の職業上の環境の写真DVも可視である。
【0068】
更に、別々のパラメータを、装置101、201,501のメモリに含まれる文書Dと無関係にプログラムすることが可能である。よって、文書Dの機密性は効果的には、文書の記録前又は記録後に修正することが可能である。
【符号の説明】
【0069】
101 記憶装置
113 表示装置
201 記憶装置
213 表示装置
214 表示装置
501 記憶装置
D 文書
D’ 文書
S1 マスキング閾値
S2 マスキング閾値

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶手段に記録されたオーディオ/ビデオ文書へのアクセスを保護することを目的とする表示装置であって、
前記文書のマスキング閾値を設定する手段と、
前記マスキング閾値よりも、前記記憶手段において旧い、記録された文書をマスキングする手段と
を備える装置。
【請求項2】
請求項1記載の装置であって、前記設定を非能動化する手段を備え、前記非能動化は、前記記録された文書全ての表示を可能にする装置。
【請求項3】
請求項2記載の装置であって、前記非能動化する手段はアクセス・コードによって保護される装置。
【請求項4】
請求項3記載の装置であって、前記アクセス・コードは主ユーザにアクセス可能である装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項による装置であって、前記文書のマスキング閾値を設定する手段は、少なくとも1つの遅延又は1つの日付を初期化することを可能にする装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一項に記載の装置であって、前記記憶手段における前記文書の旧さは、前記記憶手段上の記録の日付に対するものである装置。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか一項に記載の装置であって、前記文書の前記マスキング閾値を設定する手段は、前記記憶手段における前記文書の記録に先行して、前記閾値を定める装置。
【請求項8】
請求項1乃至6の何れか一項に記載の装置であって、前記文書の前記マスキング閾値を設定する手段は、前記記憶手段における前記文書の表示に先行して、前記閾値を定める装置。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか一項に記載の装置であって、前記記憶手段は好ましくは、USB周辺装置又はメモリ・カードなどの大容量記憶タイプのものである装置。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか一項に記載の装置であって、オーディオ・レコーダ、静止画カメラ、ディジタル・カムコーダ、又はプロ向ビデオ・カメラである装置。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れか一項に記載の装置であって、ループにおいて連続して前記記録された文書及びマスキングされていない文書を表示する手段を備える装置。
【請求項12】
記憶空間に記録されたオーディオ/ビデオ文書へのアクセスを保護することを目的とする表示方法であって、
前記文書のマスキング閾値を設定する工程と、
前記マスキング閾値よりも、前記記憶空間において旧い、記録された文書をマスキングする工程と
を含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−148100(P2010−148100A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−278652(P2009−278652)
【出願日】平成21年12月8日(2009.12.8)
【出願人】(501263810)トムソン ライセンシング (2,848)
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing 
【住所又は居所原語表記】1−5, rue Jeanne d’Arc, 92130 ISSY LES MOULINEAUX, France
【Fターム(参考)】