説明

記録されたコンテンツのバックアップ及びリカバリ

本発明は、複数のコンテンツアイテムを格納する格納手段を有するコンテンツアイテムレコーダに関する。コンテンツアイテムレコーダは、ハードディスクを有するパーソナルビデオレコーダ(PVR)であってもよい。コンテンツアイテムレコーダは、複数のコンテンツアイテムに関する縮小された参照情報を生成するバックアッププロセッサと、格納手段とは独立したバックアップメモリに縮小された参照情報を格納するメモリインタフェースとを有する。縮小された参照情報は、コンテンツアイテムの外部コピーが、具体的にはピア・ツー・ピアネットワークの一部とし得る外部ソースから特定可能な参照情報の縮小されたユーザプロファイル情報としてもよい。縮小された参照情報は、コンテンツアイテムが格納されるとき、記録可能なDVDディスクに自動的に格納されるようにしてもよい。ハードディスクの故障又は交換に続いて、ハードディスク情報が、縮小された参照情報に応答して復元されるようにしてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツアイテムレコーダ及びその動作方法に関し、特にコンテンツアイテム記憶手段のバックアップに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テレビ番組、ビデオクリップ、音楽、電子メール、電子書籍などの情報及びコンテンツへの利用性及び提供が爆発的に拡大している。現在、当該情報及びコンテンツは、多数の各種ソースから提供され、コンテンツの多様性及び利用可能性が実質的に増大している。
【0003】
例えば、ほとんどの国の利用可能なテレビチャンネル数は、ここ十年で実質的に増加している。多くの国では、視聴者は、数十又は数百のテレビチャンネルを受信することができる。テレビチャンネルはさらに、様々な放送局やソースから提供され、デジタル地上波放送、ケーブル配信又は衛星放送を含む各種メディアを介し通信される。同様に、利用可能なラジオチャンネルの個数も爆発的に増大し、衛星放送、地上は無線方法、ケーブル配信などの各種メディアを介し、さらにはインターネットを介し提供される。
【0004】
さらに、コンテンツアイテムを電子的に格納する利用可能な設備もまた実質的に増大している。例えば、デジタルビデオ記録機器がますます普及し、価格も大きく低減している。これら新しいビデオ記録装置は、典型的には、ユーザが記録されたコンテンツアイテムを選択、記録及び整理するのに供されるための機能を有する。
【0005】
オーディオビジュアルコンテンツアイテムの格納のための家電機器の一例として、近年消費者市場に導入されてきたDVD(Digital Versatile Dics)レコーダがあげられる。DVDレコーダは、ユーザが記録可能なDVD媒体に1以上のコンテンツアイテムを記録することを可能にする。典型的には、DVDレコーダは、格納されているオーディオビジュアル信号を選択、記録、編集及び整理するための手段を有する。従って例えば、記録されたDVDは、受信したテレビ番組や映画と共に、デジタルカメラからのビデオフィルムや写真も有するかもしれない。従って、ユーザは、異なるソースからの異なるコンテンツを合成するかもしれない。典型的には、数時間分のオーディオビジュアル信号が、1つのDVD媒体に記録され、これにより多数のDVDが複数の異なるアイテムを有することになる。
【0006】
オーディオビジュアル信号を格納するための他の一例となる家電機器として、典型的にはオーディオビジュアル信号を着脱可能な記録可能媒体でなく永久的なハードディスクに記録するパーソナルビデオレコーダ(PVR)があげられる。PVRは典型的には、数十時間分のビデオフィルムを記録するのに十分なサイズのハードディスクを有し、これにより、多数のテレビ番組などがハードディスクに格納可能となる。
【0007】
PVRとDVDレコーダには共に、ユーザが記録に適したコンテンツアイテムを容易に特定及び選択可能とする機能が備えられる傾向にある。例えば、PVRは、ユーザの嗜好のユーザプロファイルを構築し、当該ユーザプロファイルに適合するコンテンツアイテムを自動検索及び記録する手段を有するかもしれない。
【0008】
PVRの記録機能は、一般には搭載されているハードディスクのサイズにより限定される。十分な量のコンテンツを格納するため、ハードディスクは大型化の傾向にあり、典型的には、将来的にはより大きくなることが予想されるが、現在は20〜120ギガバイトとなっている。
【0009】
家電機器の信頼性は、高いユーザ満足を達成するため重要性が高い。しかしながら、ハードディスクは、故障する可能性があり、ハードディスクの使用によりPVRに重大な故障リスクを生じさせる。この問題は、PVRのハードディスクが典型的には、長時間、潜在的には半永久的にアクティブ状態とされるという事実により助長される。さらに、家電機器の寿命は、コンピュータのハードディスクの従来の使用より、かなり長くなることが予想され、これにより、家電機器の寿命中の故障の確率が増大することとなる。
【0010】
さらに、ハードディスクの故障は、ハードディスクが個々のコンテンツアイテムを格納するだけでなく、ユーザ又は装置に固有の情報を格納するため、PVRにおいて極めて重大なものとなる。例えば、ユーザプロファイルは、典型的にはハードディスクに格納される。
【0011】
コンピュータの分野においてハードディスクの故障の影響を軽減するため知られているアプローチとして、ハードディスクのバックアップコピーを生成及び格納するというものがある。しかしながら、PVRのハードディスクはサイズが大きいため、バックアップにより極めて大きなバックアップファイルが生成され、大きな格納要求と面倒で時間のかかるバックアップ処理が必要となることから、ハードディスクをバックアップすることは実際的ではない。例えば、120ギガバイトのハードディスクのバックアップを格納するのに、約25個の標準的な記録可能DVD(4.7ギガバイトを容量を有する)が必要とされる。
【0012】
従って、改良されたコンテンツアイテムレコーダが効果的であり、特に、故障リカバリが容易又は改良され、ハードディスクの故障の影響を軽減し、格納要求を低減し、ユーザ操作を容易にし、フレキシビリティを向上させ、及び/又は改善された故障パフォーマンスを可能にするコンテンツアイテムレコーダが効果的である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従って、本発明は好ましくは、上記問題点の1以上を個別に又は組み合わせて軽減、回避又は解消するものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の第1の特徴によると、複数のコンテンツアイテムを格納する格納手段と、前記複数のコンテンツアイテムに係る縮小された参照情報を生成する手段と、前記格納手段から独立したバックアップメモリに前記縮小された参照情報を格納する手段とを有することを特徴とするコンテンツアイテムレコーダが提供される。
【0015】
これにより、本発明は、縮小された参照情報しか格納される必要がなく、これにより、大きく軽減された記憶容量要求及び短縮されたバックアップ処理時間を実現するコンテンツアイテムレコーダのバックアップ手段を実現する。本発明はまた、格納手段より実質的に小さなバックアップメモリに対し部分的なバックアップが実行されることを可能にするかもしれない。
【0016】
従って、本発明は、限定的な情報のみしかバックアップする必要なく、これにより、そうでない場合に除外されるバックアップメモリタイプを利用する可能性を発生する効率的なバックアップ処理を可能にする。例えば、記録可能な光ディスク、フラッシュメモリなどの着脱可能な媒体に基づくバックアップメモリが利用可能である。さらに、バックアップの時間消費及び複雑さは、大きく低減される。従って、本発明は、コンテンツアイテムレコーダのフレキシブル、効率的及び/又は実際的なバックアップを可能にするかもしれない。
【0017】
縮小された参照情報は、格納手段に格納されている、又は格納されたコンテンツアイテムに直接的又は間接的に関連する情報を有するかもしれないが、それ自体はコンテンツアイテムのコンテンツデータを有しない。縮小された参照情報は、例えば、他の手段からのアクセスを可能にするコンテンツアイテムへの参照を有する。好ましくは、縮小された参照情報は、バックアップメモリへの縮小された参照情報のバックアップ時に、格納手段と同一又は類似の状態に格納手段(又は他の格納手段)の初期化を可能にする。
【0018】
バックアップメモリは、格納手段から独立しており、コンテンツアイテムレコーダの外部又は内部に存在するようにしてもよい。縮小された参照情報が関連付けされる複数のコンテンツアイテムは、格納手段に現在及び/又は以前に格納されたコンテンツアイテムを含むかもしれない。
【0019】
格納手段は、具体的にはハードディスクであってもよい。
【0020】
本発明の特徴によると、縮小された参照情報は、前記複数のコンテンツアイテムに係るユーザプロファイルの情報部分を有する。
【0021】
前記縮小された参照情報は、ユーザプロファイルの情報部分を有するか、あるいは具体的に構成されるようにしてもよい。情報部分は、格納されているユーザプロファイルから抽出されたものに直接的には対応するものであってもよいし、あるいは、ユーザプロファイルの情報処理により導出されるものであってもよい。
【0022】
従って、本発明は、ユーザに適合する現在のユーザプロファイルにより格納手段(又は他の格納手段)が初期化されることを可能にするユーザプロファイル情報のシンプルかつ少ないリソースしか要求しないバックアップを可能にするかもしれない。ユーザプロファイルが長い期間に構築され、経時的に改良されるに従って、既存のユーザプロファイルにより他の格納手段を初期化するための可能性により、格納手段の故障の場合、ユーザに対する不便は大きく減少する。
【0023】
本発明の他の特徴によると、前記生成する手段は、前記情報部分に対して前記ユーザプロファイルの情報を、該情報に係るユーザプロファイル確定レベルに応じて選択するよう動作可能である。
【0024】
これにより、縮小された参照情報に対する記憶容量要求を低減させる便利な方法が可能となる。例えば、ユーザプロファイルは、典型的には詳細さ及び精緻さを向上させた情報を有するかもしれない。極めて詳細な情報を排除することによって、復元されたユーザプロファイルがもとのものとほとんど変わらないことを保証しながら、縮小された参照情報のサイズのかなりの減少が実現可能となる。
【0025】
本発明の他の特徴によると、前記生成する手段は、前記情報部分に対して前記ユーザプロファイルの情報を、該情報に係るユーザプロファイル確定レベルに応じて選択するよう動作可能である。
【0026】
これにより、縮小された参照情報に対する記憶容量要求を軽減する便利な方法が可能となる。例えば、ユーザプロファイルは、選択されたコンテンツアイテムとカテゴリとの間の一致に応じて嗜好情報を決定するものであってもよく、信頼レベルは、検出された一致数に依存するかもしれない。信頼レベルの低い情報を排除することによって、復元されたユーザプロファイルがもとのものからほとんど変わらないことを保証しながら、縮小された参照情報のサイズを低減することが可能となる。
【0027】
本発明の他の特徴によると、コンテンツアイテムレコーダはさらに、コンテンツアイテムを着脱可能な媒体に記録する第1記録手段と、前記縮小された参照情報を前記着脱可能な媒体に記録する第2記録手段とを有する。
【0028】
これにより、着脱可能な媒体が、コンテンツアイテムを格納すると共に、バックアップのため縮小された参照情報を格納することが可能となる。従って、外部又は追加的なバックアップメモリは必要とされない。
【0029】
第1及び第2記録手段は、一部又は完全に同じものであってもよい。例えば、単一のディスクドライブとディスクドライブコントローラが、コンテンツアイテムと縮小された参照情報の両方の記録に利用可能である。
【0030】
本発明の他の特徴によると、前記第2記録手段は、前記第1記録手段がコンテンツアイテムを前記着脱可能な媒体に記録することに応答して、前記縮小された参照情報を前記着脱可能な媒体に自動的に記録するよう動作可能である。
【0031】
具体的には、コンテンツアイテムレコーダは、ユーザがコンテンツアイテムを記録するとき、記録媒体に縮小された参照情報を自動的に記録するようにしてもよい。これにより、ユーザが関与する必要なく、またユーザに不便をかける必要なく、バックアップファイルを自動的に格納することが可能となる。実際、ユーザは、バックアップ情報がユーザの媒体に生成されていることを知る必要はない。縮小された参照情報のサイズの減少により、利用可能な記録容量の低減及び記録時間の増大は、典型的には重大なものとはならい。
【0032】
本発明の他の特徴によると、コンテンツアイテムレコーダはさらに、着脱可能な媒体が記録された縮小された参照情報を有するか判断し、前記着脱可能な媒体が記録された縮小された参照情報を有しない場合、前記縮小された参照情報を着脱可能な媒体に自動的に記録する手段を有する。
【0033】
これにより、コンテンツアイテムレコーダが、単一でない記録可能な媒体に縮小された参照情報を自動的に追加することを可能にする。
【0034】
本発明の他の特徴によると、前記縮小された参照情報はさらに、着脱可能な媒体カタログ情報を有する。
【0035】
着脱可能な媒体に対して、コンテンツアイテムレコーダは、典型的にはユーザが特定の記録されたコンテンツアイテムを検出することを容易にする記録媒体カタログを生成及び格納する。縮小された参照情報に着脱可能媒体カタログ情報を備えることは、格納手段の故障に続くカタログの復元を可能にする。
【0036】
本発明の他の特徴によると、前記着脱可能な媒体は、記録可能なDVD(Digital Versatile Disc)である。これは、特に適した着脱可能媒体である。
【0037】
本発明の他の特徴によると、前記縮小された参照情報は、前記格納手段に現在格納されているコンテンツアイテムに係る識別情報を有する。
【0038】
この識別情報は、具体的にはコンテンツアイテムを部分的又は完全に特定するのに十分な情報を有するようにしてもよい。従って、識別情報は、コンテンツアイテムレコーダがコンテンツアイテムを参照し、具体的には、縮小された参照情報において参照されるコンテンツアイテムのコピーを検索及び抽出することを可能にするものであってもよい。
【0039】
本発明の他の特徴によると、前記識別情報は、少なくとも1つのコンテンツアイテムのタイトルを有する。これは、コンテンツアイテムを特定及び/又は参照するのに適したパラメータを提供する。
【0040】
本発明の他の特徴によると、前記識別情報は、配信された番組コンテンツアイテムの配信時間を有する。これは、コンテンツアイテムを特定及び/又は参照するのに適したパラメータを提供する。
【0041】
本発明の他の特徴によると、前記識別情報は、配信された番組コンテンツアイテムの配信チャンネル識別を有する。これは、コンテンツアイテムを特定及び/又は参照するのに適したパラメータを提供する。
【0042】
本発明の他の特徴によると、前記識別情報は、少なくとも1つのコンテンツアイテムのコンテンツアイテム署名データを有する。これは、コンテンツアイテムを特定及び/又は参照するのに適したパラメータを提供する。署名は、具体的には所定のアルゴリズムをコンテンツアイテムのコンテンツデータに適用することによって生成されるデータシーケンスを有するか、あるいはそれから構成されるものであってもよい。
【0043】
本発明の他の特徴によると、前記縮小された参照情報は、前記複数のコンテンツアイテムの少なくとも1つのコンテンツアイテムの外部のコピーへのポインタを有する。
【0044】
これにより、コンテンツアイテムとこれらが抽出される位置を特定する大変効率的な複雑さの少ない方法が可能となる。
【0045】
本発明の他の特徴によると、前記縮小された参照情報は、コンテンツアイテムアクセス権情報を有する。
【0046】
例えば、アクセス権情報は、特定のコンテンツアイテムをコピー又は提供するためのユーザ権限を示す情報を有するものであってもよい。従って、これにより、縮小された参照情報に基づく復元処理は、コンテンツアイテムの許可されないアクセス又は複製を生じさせないことを保証可能とするコンテンツアイテムレコーダを可能にする。
【0047】
本発明の他の特徴によると、コンテンツアイテムレコーダはさらに、復元処理モードに入る手段と、前記バックアップメモリから前記縮小された参照情報を抽出する手段と、前記縮小された参照情報に応答して、少なくとも1つの外部のソースからコンテンツアイテムを抽出する手段と、前記抽出されたコンテンツアイテムを格納する手段とを有する。
【0048】
従って、コンテンツアイテムレコーダは、縮小された参照情報がバックアップメモリに格納されたとき、格納手段の状態に格納手段(又は他の格納手段)を部分的又は完全に復元するよう動作可能とされてもよい。従って、コンテンツアイテムレコーダは、縮小されたサイズのバックアップから格納手段を復元し、これにより、大きなサイズの記憶媒体を有するコンテンツアイテムレコーダに適した実際的なバックアップ処理を可能にするかもしれない。
【0049】
具体的には、コンテンツアイテムレコーダは、縮小された参照情報の情報に基づき、可能な限り多くのコンテンツアイテムを特定、配置及び抽出することによって、コンテンツアイテムレコーダのハードディスクを復元するようにしてもよい。
【0050】
本発明の他の特徴によると、コンテンツアイテムレコーダはさらに、前記少なくとも1つのソースを有するネットワークにアクセスするアクセス手段を有する。好ましくは、前記ネットワークは、ピア・ツー・ピアネットワークである。
【0051】
これは、コンテンツアイテムレコーダを復元する特に適した手段を提供する。ネットワークは、コンテンツアイテムの一部又はすべてのコピーを独立に、又はコンテンツアイテムレコーダと協調して格納したいくつかの他のコンテンツアイテムレコーダ又は記憶装置を有するようにしてもよい。
【0052】
好ましくは、コンテンツアイテムレコーダは、パーソナルビデオレコーダ(PVR)である。
【0053】
本発明の第2の特徴によると、複数のコンテンツアイテムを格納する格納手段を有するコンテンツアイテムレコーダの動作方法であって、前記複数のコンテンツアイテムに係る縮小された参照情報を生成するステップと、前記縮小された参照情報を前記格納手段から独立したバックアップメモリに格納するステップとを有することを特徴とする方法が提供される。
【0054】
本発明の上記及び他の特徴、機能及び効果は、後述される実施例を参照することにより明らかとなるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0055】
以下の説明は、パーソナルビデオレコーダ(PVR)に適用可能な本発明の実施例に着目している。しかしながら、本発明が当該用途に限定されるものではなく、他の多数のコンテンツアイテムレコーダに適用されるということは理解されるであろう。
【0056】
図1は、本発明の実施例によるPVR101のブロック図を示す。
【0057】
PVR101は、外部ソース105からコンテンツアイテムを受信する受信機103を有する。好適な実施例では、外部ソース105はテレビ送信機であり、受信機103はテレビ放送を受信するのに適したテレビチューナであってもよい。他の実施例では、他のソース及び受信手段が利用可能である。例えば、受信機はネットワークインタフェースであって、外部ソースは、PVRが接続されるネットワーク内の他のネットワーク要素であってもよい。他の実施例では、コンテンツアイテムソースは、内部ソースであってもよい。
【0058】
受信機103は、受信機103により受信されたコンテンツアイテムを処理するよう動作可能なコンテンツアイテムプロセッサ107に結合される。コンテンツアイテムプロセッサ107は、具体的には、適切な量のコンテンツアイテムを格納するのに十分なサイズのハードディスク109である記憶手段に結合される。
【0059】
コンテンツアイテムプロセッサ107はさらに、コンテンツアイテムプロセッサ107からコンテンツアイテムを受信し、適切な表示信号を生成するよう動作可能なディスプレイプロセッサ111に結合される。ディスプレイプロセッサ111は、ディスプレイプロセッサ111からの表示信号が表示される外部ディスプレイ113に結合される。ディスプレイ113は、具体的には、適切なビデオモニタ又はテレビであってもよい。
【0060】
コンテンツアイテムプロセッサ107は、受信機103により受信されるコンテンツアイテムを選択し、それらをハードディスク109上に格納するよう動作可能である。コンテンツアイテムプロセッサ107は、特定のユーザ入力に応答して、コンテンツアイテムを選択するようにしてもよい。しかしながらさらに、コンテンツアイテムプロセッサ107は、コンテンツアイテムの記録の自動的な誘因となるようにしてもよい。
【0061】
具体的には、コンテンツアイテムプロセッサは、異なるタイプ及びカテゴリのコンテンツアイテムのユーザ嗜好の情報を有するユーザプロファイルを生成するようにしてもよい。コンテンツアイテムプロセッサ107は、ユーザにより選択されたコンテンツアイテムの特徴をモニタし、ユーザによって頻繁に選択されるコンテンツアイテムカテゴリにより大きな選好値を割り当てるようにしてもよい。アイドル動作中、PVRは、高い選好値を有するコンテンツアイテムのカテゴリに適合するコンテンツアイテムをモニタし、それらをハードディスク109に自動的に記録するようにしてもよい。
【0062】
従って、コンテンツアイテムプロセッサ107は、ユーザの嗜好を正確に反映した詳細なユーザプロファイルを生成するようにしてもよい。ユーザプロファイル又は選好表示を決定するための任意の適切なアルゴリズム又はアプローチが利用可能であるということは理解されるであろう。コンテンツアイテムプロセッサ107は、生成したユーザプロファイルをハードディスク109上に格納する。ユーザプロファイルは、大変詳細なものであってもよいが、これに従ってサイズは大きなものとなるかもしれない。
【0063】
好適な実施例では、コンテンツアイテムは、テレビ番組又はテレビ番組の各セクションに対応するが、本発明はこの事例に限定されるものではなく、他のコンテンツアイテムタイプ又はコンテンツアイテムの任意の適切な組み合わせに等しく適用可能である。例えば、他の実施例では、コンテンツアイテムは、映画、オーディオクリップ、ラジオ番組、画像、テキスト文書などを含むものであってもよい。
【0064】
PVR101はさらに、ハードディスク109に結合されたバックアッププロセッサ115を有する。バックアッププロセッサ115は、ハードディスク109に格納されている、又は格納されたコンテンツアイテムに関する縮小された参照情報を生成するよう動作可能である。
【0065】
バックアッププロセッサ115はさらに、バックアップメモリ109とインタフェースをとるよう動作可能なメモリインタフェース117に結合される。バックアッププロセッサ115は、メモリインタフェース117を介し、バックアップメモリ119に縮小された参照情報を格納するよう動作可能である。バックアップメモリ119は、記録可能マグネト及び/又は光ディスクなどの外部の着脱可能媒体、内部又は外部のフラッシュメモリなどを含む任意の適切なメモリであってもよい。メモリインタフェース117は、ディスクドライブ、ネットワークインタフェース又はフラッシュメモリインタフェースなどを含むバックアップメモリ119とインタフェースをとるための任意の適切なインタフェースであってもよい。
【0066】
PVR101はさらに、メモリインタフェース117に結合され、バックアップメモリ119から縮小された参照情報を抽出するよう動作可能なリストアプロセッサ121を有する。リストアプロセッサ121はさらに、抽出した縮小された参照情報に応答して、ハードディスク109上の情報を復元するよう動作可能である。
【0067】
従って、PVR101は、ハードディスクの故障に続いてハードディスク109上の情報を復元するのに利用可能な縮小された参照情報を生成する機能を有する。好適な実施例では、PVR101はさらに、縮小された参照情報から情報を復元する機能を有する。縮小された参照情報は、ハードディスク上に格納されている対応する情報より小さな1以上の大きさであってもよく、バックアップメモリの格納要求は大きく低減され、これにより、完全なハードディスクバックアップファイルを有することが不可能なバックアップメモリに対してバックアップ処理を実行することが可能となる。
【0068】
第1の実施例では、縮小された参照情報は、複数のコンテンツアイテムに関するユーザプロファイルの情報サブセットを有する、又はそれから構成される。
【0069】
本実施例では、バックアッププロセッサ115は、ハードディスク109からユーザプロファイルを抽出するよう動作可能である。このとき、バックアッププロセッサ115は、縮小されたユーザプロファイル情報を生成し、これを縮小された参照情報としてバックアップメモリ119に格納する。
【0070】
好ましくは、縮小されたユーザプロファイルは、ユーザプロファイルからの最も重要かつ確実なデータの抽出として生成されるが、縮小されたユーザプロファイルを生成する任意の適切なアプローチ又は基準が利用可能であるということは理解されるであろう。
【0071】
第1の実施例では、バックアッププロセッサ115は、ユーザプロファイルに関する詳細レベルに関してユーザプロファイルのデータを評価するよう動作可能である。このとき、バックアッププロセッサ115は、好ましくは、縮小されたユーザプロファイルに含まれるだけの低い詳細レベルを有する情報を選択し、一定の詳細レベル以下でデータを排除する。
【0072】
例えば、ユーザプロファイルは、ユーザがスポーツについて高い嗜好を有するという情報を有するかもしれない。より低い詳細レベルでは、ユーザプロファイルは、サッカーに関する嗜好は相対的に高いが、水泳に関する嗜好は相対的に低いということを示すかもしれない。さらにより低い詳細レベルでは、ユーザプロファイルは、ユーザがオランダのサッカーの試合に関して高い嗜好を有し、イギリスのサッカーの試合に関してやや低い嗜好を有し、ドイツのサッカーの試合に関して低い嗜好しか有しないということを示すかもしれない。さらにまたより低い詳細レベルでは、ユーザプロファイルは、オランダリーグの試合よりオランダカップの試合を嗜好するということを示すかもしれない。
【0073】
このような場合、バックアッププロセッサ115は、縮小されたユーザプロファイルに含まれるような高い詳細レベルを選択し、より低い詳細レベルを無視する。これにより、バックアッププロセッサ115は、スポーツ、具体的にはサッカーに対する高い嗜好に関する情報を有するが、何れの国及び何れのゲームタイプが嗜好されるかに関する情報を排除するかもしれない。
【0074】
ユーザファイルの各カテゴリに対して当該アプローチを利用することにより、バックアップメモリ119に都合よく格納される大きく縮小されたサイズのユーザプロファイルを生じさせる。
【0075】
第1の実施例では、バックアッププロセッサ115はさらに、ユーザプロファイルの情報を、当該情報に関するユーザプロファイル特定レベルに応答して選択するよう動作可能である。
【0076】
ユーザプロファイルは、典型的には、ユーザのアクション、具体的には視聴及び記録すべきコンテンツアイテムのユーザによる選択に応答して決定されるかもしれない。このため、ユーザの選択に関する情報が多く収集されるほど、この選択に基づく嗜好の正確さは増大する。しかしながら、ユーザの嗜好(又は利用可能なコンテンツ)の変化を反映するようユーザプロファイルを継続的に更新するため、ユーザプロファイルは、相対的に少数の嗜好に基づく情報を有することとなる。例えば、新たなカテゴリが、当該カテゴリ内により多くのコンテンツアイテムが示されるように、少数の選択に基づき相対的に高い選好値が割り当てられる。これにより多くの選択がもたらされる場合、当該選好値はさらに増加し、そうでない場合、選好値は減少するかもしれない。このため、PVRは、ユーザの嗜好をテストするのに用いられる相対的に不確定な選好値を有するかもしれない。それらは少数の選択に基づくものであるため、高い不確定性を有することとなる。
【0077】
バックアッププロセッサ115は、縮小されたユーザプロファイルに含まれるように、より高い確定嗜好情報を選択し、より小さな確定値を無視する。
【0078】
これにより、バックアップメモリ119に格納される縮小されたユーザプロファイルは、好ましくは、ハードディスク109上に格納されるユーザプロファイルより小さなサイズを有する。しかしながら好ましくは、縮小されたユーザプロファイルは、依然として装置により直接利用される、復元される一貫性のあるユーザプロファイルに対応する。
【0079】
好ましくは、縮小されたユーザプロファイルは、ユーザプロファイルの信頼できるより詳細さの低い情報を有する。このため、ハードディスク109が故障し、ユーザプロファイルが損傷又はアクセス不可となり、あるいは代替ハードディスクが必要となる場合、縮小されたユーザプロファイルがハードディスク109上で復元されるようにしてもよい。これはもとのユーザプロファイルの正確なコピーに対応するものではないが、最も重要な情報及び特定の情報は維持されるため、その相違は典型的には重要ではない。さらに、より詳細であってより確実性の低い省かれる情報は、PVRのユーザプロファイル処理の通常処理により最も高速に再生成することが可能なものである。
【0080】
このため、少量の情報のバックアップのみしか必要としない効率的なバックアッププロセスが実現される。これにより、そうでない場合には利用するのに非現実的又は不可能なバックアップメモリの利用を可能にする。
【0081】
具体的に、説明された実施例では、バックアップメモリ119は、DVDディスクなどの着脱可能な媒体である。この場合、メモリインタフェース117は、PVRに設けられるディスクドライブに対応するものであってもよい。
【0082】
本実施例では、PVRは、組み合わされたハードディスクとDVDレコーダである。すなわち、コンテンツアイテムは、ハードディスクとDVDディスクの一方又は両方に格納されるかもしれない。PVRはさらに、ハードディスクからDVDディスクにコンテンツアイテムをコピーする手段を有する。DVDディスクは、例えば、DVD+R(W)、DVD−R(W)及び/又はDVD−RAMであってもよい。
【0083】
本例では、バックアッププロセッサ115はさらに、コンテンツアイテムを記録可能なDVDディスクに記録するようPVRを制御する機能を有するようにしてもよい。さらに、バックアッププロセッサ115は、コンテンツアイテムが記録されているDVDディスクに縮小された参照情報を記録するよう動作可能である。
【0084】
好ましくは、縮小された参照情報は、新たなコンテンツアイテムがユーザによるやりとり又は関与なく記録されるときは常に、DVDディスクに自動的に記録される。従って、PVRは、ハードディスク上の情報を復元するのに利用可能なDVDディスク上のバックアップ情報を自動的に格納する。このため、バックアップの生成は、ユーザには完全に透過であり、ユーザが認識することなく実行されるようにしてもよい。情報の復元が必要な場合、ユーザは単に直近に記録されたDVDディスクを挿入するよう要求されるかもしれず、リストアプロセッサ121は、縮小された参照情報を抽出し、ハードディスクを復元するよう移行するようにしてもよい。
【0085】
縮小されたユーザプロファイルのサイズは極めて小さなものであるため、DVDディスクの記録容量の減少は重大ではない。例えば、標準的な記録可能DVDディスクの4.7ギガバイト記憶容量に関しては重大ではない、50キロバイトの縮小されたユーザプロファイルのファイルサイズが可能である。
【0086】
若干複雑な実施例では、PVRは、縮小されたユーザプロファイルがすでにディスクに格納されているか判断するため、記録用に挿入されたすべての新しいディスクを読み込むよう動作可能とされてもよい。この実施例では、DVDディスクが縮小されたユーザプロファイルをすでに有しない場合に限って、新たな縮小されたユーザプロファイルが格納されるようにしてもよく、これにより、DVDディスク上のスペースを節約することが可能となる。
【0087】
さらに、又は代わりに、DVDディスクが縮小された参照情報を有する場合、当該情報はまた新たな(より最新の)縮小された参照情報により更新されるようにしてもよい。
【0088】
典型的には、DVDレコーダなどの着脱可能なメディアレコーダは、記録済みのDVDディスクのカタログを生成する機能を有する。いくつかの実施例では、縮小された参照情報は、カタログ情報を有するかもしれない。従って本実施例では、記録されたDVDディスクのカタログが便宜的にバックアップされ、ハードディスクの故障に続いて復元されるようにしてもよい。
【0089】
いくつかの実施例では、専用のリカバリディスクが生成されてもよい。このディスクは、具体的にはリカバリに必要なすべての情報を含むかもしれない。レコーダは、ときどきユーザにリカバリディスクを挿入するよう求め、これにより、レコーダがデータを更新することが可能となる。リカバリディスクは、好ましくは、カタログ情報に含まれる。
【0090】
いくつかの実施例では、縮小された参照情報はさらに、ハードディスクのコンテンツアイテムのタイトルなどを有するかもしれない。これらのタイトル(及び記録に関する他の格納情報)は、ユーザプロファイルの詳細レベルを向上させるのに利用されてもよい。また、カタログ情報が当該目的に利用されてもよい。これにより、ユーザにより適合したユーザプロファイルが復元される。
【0091】
第2の実施例では、縮小された参照情報は、さらに、又は代わりに、コンテンツアイテムが他のソースから復元可能とする情報を有する。説明される実施例では、縮小された参照情報は、コンテンツアイテムの特定を可能にするコンテンツアイテムの情報を有し、あるいは、又は加えて、コンテンツアイテムのコピーへのポインタを有する。好ましくは、縮小された参照情報は、格納されている(又はおそらく最近削除された)すべてのコンテンツアイテムに対してこのような情報を有するが、いくつかの実施例では、コンテンツアイテムの一部のみに関連する情報が含まれるかもしれない。
【0092】
従って、縮小された参照情報は、極めて限定されたサイズを有し、具体的には対応するコンテンツアイテムのサイズよりはるかに小さなものとなるかもしれない。従って、それは上述のように適切な小容量バックアップメモリに都合良く格納可能である。
【0093】
ハードディスクに不具合が発生し、再初期化することが望ましい、又は必要となる場合、縮小された参照情報を利用するようにしてもよい。例えば、ハードディスクが記憶容量を増大させるため、又はもとのハードディスクが故障したため、代替ハードディスクと置換される場合、縮小された参照情報を用いて、もとのハードディスクに格納されていたコンテンツアイテムを有するハードディスクを再初期化するようにしてもよい。
【0094】
具体的には、リストアプロセッサ121が、バックアップメモリ119から縮小された参照情報を読み出すようにしてもよい。このとき、各コンテンツアイテムに対して、それはコンテンツアイテムを特定し、外部ソースから抽出するのに利用可能な適切な情報を決定するようにしてもよい。
【0095】
具体例として、いくつかのコンテンツアイテムがDVDディスクに格納されていたかもしれず、縮小された参照情報は、特定のコンテンツアイテムが格納されているディスクを特定するポインタを有するかもしれない。この縮小された参照情報に応答して、リストアプロセッサ121は、ユーザに当該DVDディスクを挿入するよう要求し、当該コンテンツをDVDディスクから代替ハードディスクにコピーするようにしてもよい。
【0096】
従って、本実施例では、コンテンツデータを有しない縮小された参照情報に応答として、コンテンツアイテムが復元される。従って、ハードディスクのコンテンツアイテムの完全又は部分的バックアップが、コンテンツアイテムのファイルサイズより小さな1以上のサイズオーダのバックアップファイルにより実現することが可能となる。
【0097】
好ましくは、PVRは、具体的にはピア・ツー・ピアネットワークのネットワークに接続される。この場合、リストアプロセッサ121は、他のネットワーク要素に格納されているコンテンツアイテムの他のコピーを検出するため、当該ネットワークを検索するよう動作可能とされてもよい。例えば、PVRのピア・ツー・ピアネットワークが存在する場合、テレビ番組は、リストアプロセッサ121が検索リクエストを送出することによって、PVRのハードディスクに復元されてもよい。ネットワークのPVRは、この検索リクエストに応答して、それらがテレビ番組のコピーを記録しているか判断し、記録している場合、対応するコンテンツアイテムをPVRに送信するようにしてもよい。これにより、PVRは、他のネットワーク要素から自動的にダウンロードすることによって、当該損失したコンテンツアイテムのすべて又は一部を復元するようにしてもよい。
【0098】
コンテンツアイテムが、インターネットサイトやリピート放送などを他の外部ソースから抽出可能であるということは理解されるであろう。
【0099】
例えば、コンテンツアイテムは、ハードディスク上に記録されていたかもしれない。ハードディスクがクラッシュした場合、これは新たなハードディスクと交換され、バックアップメモリからの縮小された参照情報が新たなハードディスクを初期化するのに利用されてもよい。当該装置が他のネットワーク要素からコンテンツアイテムを抽出することができない場合、当該コンテンツアイテムを配信時に記録すべき番組リストに追加するようにしてもよい。その後、コンテンツアイテムがPVRにより受信可能なチャンネルを介し放送されると、それは自動的に記録される。また、故障したハードディスクのもとの状況が、さらなるリピート放送が行われると、経時的に徐々に復元される。
【0100】
従って、本実施例は、コンテンツアイテムのバックアップではなく、参照情報のみに基づきコンテンツアイテムの復元処理が可能となる。従って、縮小された参照情報は、ピア・ツー・ピア接続又はインターネットを介しデータを復元するのに利用される。本発明の他の実施例では、復元用のデータは、無料又は有料によりコンテンツプロバイダにより提供される。故障又は交換前の状況の完全なリカバリは、保証できないが、典型的にはバックアップファイルの記憶容量要求の実質的な減少について許容される結果となる。
【0101】
各種タイプの情報が縮小された参照情報について利用可能であるということは、理解されるであろう。
【0102】
例えば、縮小された参照情報は、一部又はすべてのコンテンツアイテムに対して、当該コンテンツアイテムを抽出できる特定の位置を特定する特定のポインタを有する。この特定の位置は、例えば、特定のインターネットサイト又はIP(Internet Protocol)アドレスであってもよい。さらに、この位置は、パブリック又はプライベートアドレスであってもよいし、具体的には、プライベトホームネットワーク内の位置であってもよい。例えば、ホームネットワークは、いくつかのコンテンツアイテムのコピーが格納されていることが知られるPVR及びパーソナルコンピュータを有するものであってもよい。これは、写真やホームビデオコンテンツアイテムなどのユーザにより生成されたコンテンツアイテムにとって特に効果的である。
【0103】
いくつかの実施例では、縮小された参照情報は、一部又はすべてのコンテンツアイテムに対して、コンテンツアイテムのコピーを検索するのに特に適した情報を有する。例えば、あるコンテンツアイテムの情報は、当該コンテンツアイテムのタイトルを有するかもしれない。例えば、コンテンツアイテムが曲に対応する場合、縮小されたこの曲のタイトルを有し、これにより、当該コンテンツアイテムの検索が容易となるかもしれない。
【0104】
コンテンツアイテムが、テレビ放送から受信したテレビ番組などの放送局から受信されたコンテンツアイテムである場合、縮小された参照情報は、当該コンテンツアイテムの放送時間及びチャンネルを有するかもしれない。これにより、コンテンツアイテムのコピーが外部装置を検索し、当該チャンネル及び時間の放送を格納したか確認することにより検出することが可能となる。
【0105】
他の可能な情報として、いくつかの放送局により送信されるコンテンツ参照識別があげられる。さらに、特定の署名アルゴリズムに従って、コンテンツアイテムの署名が生成されるようにしてもよい。この署名は、縮小された参照情報に格納されてもよく、復元処理中、外部ソースから一致する署名を有するコンテンツアイテムが検索されてもよい。従って、好ましくは、すべて又は少なくとも一部の外部ソースは、同一の署名アルゴリズムを使用する。このことは、ユーザに固有のコンテンツアイテムにとって特に適したものであるかもしれない。例えば、写真がPVR及びパーソナルコンピュータに格納される場合、これらは同じアルゴリズムを利用して、当該コンテンツアイテムの署名を独立し判断するようにしてもよい。パーソナルコンピュータが特定の署名を有するコンテンツアイテムのリクエストを受信すると、それは、格納されている写真の署名を検索し、一致するものがあるか、存在する場合には、当該コンテンツアイテムをPVRに送信するようにしてもよい。
【0106】
いくつかの実施例では、縮小された参照情報はさらに、コンテンツアイテムアクセス権情報を有するようにしてもよい。例えば、コンテンツアイテムは、ユーザにより具体的に購入されたことがあるコンテンツアイテム(曲ファイルなど)に対応するかもしれない。このようなコンテンツアイテムは、無料により入手可能でないかもしれず、縮小された参照情報によりユーザが当該複製に対する権利を取得していることが示されない場合、PVRには送信されない。
【0107】
本発明は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらの任意の組み合わせを含む任意の適切な形態により実現することが可能である。しかしながら、好ましくは、本発明は、少なくとも部分的に1以上のデータプロセッサ及び/又はデジタル信号プロセッサ上で実行されるコンピュータソフトウェアとして実現される。本発明の実施例による要素及びコンポーネントは、任意の適切な方法により物理的、機能的及び論理的に実現されてもよい。当該機能は、単一のユニット、複数のユニット、又は他の機能ユニットの一部として実現されてもよい。また、本発明は、単一のユニットにより実現されてもよく、あるいは、異なるユニット及びプロセッサ間に物理的かつ機能的に分散されてもよい。
【0108】
本発明が好適な実施例に関して説明されたが、それはここで与えられた具体的形態に限定されることを意図していない。本発明の範囲は、添付した請求項によってのみ限定される。請求項では、「有する」という用語は、他の要素又はステップの存在を排除するものではない。さらに、個別に列挙されるが、複数の手段、要素又は方法ステップは、単一のユニット又はプロセッサなどにより実現されてもよい。さらに、個々の特徴が異なる請求項に含まれるが、これらはおそらく効果的に合成されるかもしれず、異なる請求項に含めることは、機能の組み合わせが実現可能及び/又は効果的でないということを意味するものではない。さらに、単数形による表現は複数を排除するものではない。従って、「ある」、「第1」、「第2」などの参照は、複数を排除するものではない。
【0109】
要約すると、本発明は、複数のコンテンツアイテムを格納する格納手段(109)を有するコンテンツアイテムレコーダ(101)に関する。コンテンツアイテムレコーダ(101)は、ハードディスクを有するパーソナルビデオレコーダ(PVR)であってもよい。コンテンツアイテムレコーダ(109)は、複数のコンテンツアイテムに関する縮小された参照情報を生成するバックアッププロセッサ(115)と、格納手段(109)とは独立したバックアップメモリ(119)に縮小された参照情報を格納するメモリインタフェース(117)とを有する。縮小された参照情報は、コンテンツアイテムの外部コピーが、具体的にはピア・ツー・ピアネットワークの一部とし得る外部ソースから特定可能な参照情報の縮小されたユーザプロファイル情報としてもよい。縮小された参照情報は、コンテンツアイテムが格納されるとき、記録可能なDVDディスクに自動的に格納されるようにしてもよい。ハードディスクの故障又は交換に続いて、ハードディスク情報が、縮小された参照情報に応答して復元されるようにしてもよい。例えば、縮小された参照情報は、コンテンツアイテムのコピーをネットワーク要素から検索するのに利用されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】図1は、本発明の実施例によるPVRのブロック図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコンテンツアイテムを格納する格納手段と、
前記複数のコンテンツアイテムに係る縮小された参照情報を生成する手段と、
前記格納手段から独立したバックアップメモリに前記縮小された参照情報を格納する手段と、
を有することを特徴とするコンテンツアイテムレコーダ。
【請求項2】
請求項1記載のコンテンツアイテムレコーダであって、
前記縮小された参照情報は、前記複数のコンテンツアイテムに係るユーザプロファイルの情報部分を有することを特徴とするコンテンツアイテムレコーダ。
【請求項3】
請求項1記載のコンテンツアイテムレコーダであって、
前記生成する手段は、前記情報部分に対して前記ユーザプロファイルの情報を、該情報に係るユーザプロファイル確定レベルに応じて選択するよう動作可能であることを特徴とするコンテンツアイテムレコーダ。
【請求項4】
請求項1記載のコンテンツアイテムレコーダであって、
前記生成する手段は、前記情報部分に対して前記ユーザプロファイルの情報を、該情報に係るユーザプロファイル詳細レベルに応じて選択するよう動作可能であることを特徴とするコンテンツアイテムレコーダ。
【請求項5】
請求項1記載のコンテンツアイテムレコーダであって、さらに、
コンテンツアイテムを着脱可能な媒体に記録する第1記録手段と、
前記縮小された参照情報を前記着脱可能な媒体に記録する第2記録手段と、
を有することを特徴とするコンテンツアイテムレコーダ。
【請求項6】
請求項5記載のコンテンツアイテムレコーダであって、
前記第2記録手段は、前記第1記録手段がコンテンツアイテムを前記着脱可能な媒体に記録することに応答して、前記縮小された参照情報を前記着脱可能な媒体に自動的に記録するよう動作可能であることを特徴とするコンテンツアイテムレコーダ。
【請求項7】
請求項6記載のコンテンツアイテムレコーダであって、さらに、
着脱可能な媒体が記録された縮小された参照情報を有するか判断し、前記着脱可能な媒体が記録された縮小された参照情報を有しない場合、前記縮小された参照情報を着脱可能な媒体に自動的に記録する手段を有することを特徴とするコンテンツアイテムレコーダ。
【請求項8】
請求項5記載のコンテンツアイテムレコーダであって、
前記縮小された参照情報はさらに、着脱可能な媒体カタログ情報を有することを特徴とするコンテンツアイテムレコーダ。
【請求項9】
請求項5記載のコンテンツアイテムレコーダであって、
前記着脱可能な媒体は、記録可能なDVD(Digital Versatile Disc)であることを特徴とするコンテンツアイテムレコーダ。
【請求項10】
請求項1記載のコンテンツアイテムレコーダであって、
前記縮小された参照情報は、前記格納手段に現在格納されているコンテンツアイテムに係る識別情報を有することを特徴とするコンテンツアイテムレコーダ。
【請求項11】
請求項10記載のコンテンツアイテムレコーダであって、
前記識別情報は、少なくとも1つのコンテンツアイテムのタイトルを有することを特徴とするコンテンツアイテムレコーダ。
【請求項12】
請求項10記載のコンテンツアイテムレコーダであって、
前記識別情報は、配信された番組コンテンツアイテムの配信時間を有することを特徴とするコンテンツアイテムレコーダ。
【請求項13】
請求項10記載のコンテンツアイテムレコーダであって、
前記識別情報は、配信された番組コンテンツアイテムの配信チャンネル識別を有することを特徴とするコンテンツアイテムレコーダ。
【請求項14】
請求項10記載のコンテンツアイテムレコーダであって、
前記識別情報は、少なくとも1つのコンテンツアイテムのコンテンツアイテム署名データを有することを特徴とするコンテンツアイテムレコーダ。
【請求項15】
請求項1記載のコンテンツアイテムレコーダであって、
前記縮小された参照情報は、前記複数のコンテンツアイテムの少なくとも1つのコンテンツアイテムの外部のコピーへのポインタを有することを特徴とするコンテンツアイテムレコーダ。
【請求項16】
請求項1記載のコンテンツアイテムレコーダであって、
前記縮小された参照情報は、コンテンツアイテムアクセス権情報を有することを特徴とするコンテンツアイテムレコーダ。
【請求項17】
請求項1記載のコンテンツアイテムレコーダであって、さらに、
復元処理モードに入る手段と、
前記バックアップメモリから前記縮小された参照情報を抽出する手段と、
前記縮小された参照情報に応答して、少なくとも1つの外部のソースからコンテンツアイテムを抽出する手段と、
前記抽出されたコンテンツアイテムを格納する手段と、
を有することを特徴とするコンテンツアイテムレコーダ。
【請求項18】
請求項17記載のコンテンツアイテムレコーダであって、さらに、
前記少なくとも1つのソースを有するネットワークにアクセスするアクセス手段を有することを特徴とするコンテンツアイテムレコーダ。
【請求項19】
請求項18記載のコンテンツアイテムレコーダであって、
前記ネットワークは、ピア・ツー・ピアネットワークであることを特徴とするコンテンツアイテムレコーダ。
【請求項20】
請求項1記載のコンテンツアイテムレコーダであって、
前記コンテンツアイテムレコーダは、パーソナルビデオレコーダ(PVR)であることを特徴とするコンテンツアイテムレコーダ。
【請求項21】
複数のコンテンツアイテムを格納する格納手段を有するコンテンツアイテムレコーダの動作方法であって、
前記複数のコンテンツアイテムに係る縮小された参照情報を生成するステップと、
前記縮小された参照情報を前記格納手段から独立したバックアップメモリに格納するステップと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項22】
請求項21記載のコンテンツアイテムレコーダの動作方法であって、さらに、
復元処理モードに入るステップと、
前記バックアップメモリから前記縮小された参照情報を抽出するステップと、
前記縮小された参照情報に応答して、少なくとも1つの外部のソースからコンテンツアイテムを抽出するステップと、
前記抽出されたコンテンツアイテムを格納するステップと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項23】
請求項22記載の方法を実行することを可能にするコンピュータプログラム。
【請求項24】
請求項23記載のコンピュータプログラムを有することを特徴とする記録キャリア。

【図1】
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【公表番号】特表2007−506336(P2007−506336A)
【公表日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−526758(P2006−526758)
【出願日】平成16年9月1日(2004.9.1)
【国際出願番号】PCT/IB2004/051661
【国際公開番号】WO2005/029852
【国際公開日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(501344315)コニンクリユケ フィリップス エレクトロニクス エヌ.ブイ. (174)
【Fターム(参考)】