記録システム
【課題】複数のカメラで撮像された撮像データをセンターの記憶装置において効率的に管理する技術を提供することを目的とする。
【解決手段】複数のIPカメラで撮像された撮像データはセンターのDVRに記録される。DVRに実装されたハードディスクは、複数の記憶領域R1〜RNに分割して管理されている。各IPカメラには、撮像データを記録する記憶領域が割り当てられている。各IPカメラで撮像された撮像データは、割り当てられた記憶領域の中で上書き処理を繰り返す。
【解決手段】複数のIPカメラで撮像された撮像データはセンターのDVRに記録される。DVRに実装されたハードディスクは、複数の記憶領域R1〜RNに分割して管理されている。各IPカメラには、撮像データを記録する記憶領域が割り当てられている。各IPカメラで撮像された撮像データは、割り当てられた記憶領域の中で上書き処理を繰り返す。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラにより撮像された撮像データを記録するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
監視カメラにより撮像された撮像データをネットワーク経由でセンターのDVR(Digital Video Recorder)に転送するシステムが存在する。センターでは、複数の監視カメラから転送された撮像データをハードディスクなどの記憶媒体に格納する。
【0003】
図37は、従来のシステムを示す図である。ローカル側には複数のIPカメラA1〜ANが設置されている。ローカル側とは、監視対象エリアである。複数のIPカメラで撮像された撮像データは、ネットワーク経由でセンターに転送される。センターでは、DVRが、複数のIPカメラから転送された撮像データを記録する。管理端末は、DVRに撮像データを格納するカメラの管理を行う。
【0004】
図38は、従来の別のシステムを示す図である。ローカル側には複数のIPカメラA1〜ANとDVRが設置されている。ローカル側のDVRには、複数のIPカメラで撮像された撮像データが記録される。ローカル側のDVRは、所定のタイミングでセンター側の映像保存サーバに撮像データをアップロードする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−193598号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図37および図38で示した従来のシステムでは、センター側のDVRあるいは映像保存サーバにおいて、各IPカメラにより撮像された撮像データが受信順に記録されている。センター側のDVRあるいは映像保存サーバにおいて、記憶領域がなくなると、最も古い時間に撮像された撮像データに対して順次上書き処理が行われる。
【0007】
このため、各カメラに対して、どの程度の記憶領域が割当てられるかを把握することは難しかった。あるカメラの記録レートを高くすれば、他のカメラの記憶領域を圧迫することになる。あるカメラに対して確保される記憶領域は、他のカメラの記録状態の影響を受けることになる。あるカメラの撮像データに対して、たとえば、過去3日間の保存期間を確保するという管理を行いたくても、その管理が困難であった。
【0008】
図38で示すシステムでは、ローカル側にDVRを設置するため、システムコストが高くなるという問題がある。たとえば、銀行の店舗ごとにDVRを設置するようなシステムが考えられる。店舗に1台のみカメラを設置する場合であっても、店舗ごとにDVRを設置する構成であるためコスト高となる。
【0009】
従来のシステムでは、カメラの追加・削除に対する処理が複雑であるという問題もある。たとえば、図37のシステム例に対して、DVRを1台追加した図39のシステムを考える。
【0010】
初め、ローカル側には、16台のIPカメラA1〜A16が設置されていたとする。16台のIPカメラA1〜A16からアップロードされた撮像データは、全てDVR−C1に格納されている。IPカメラA15およびA16は同じ店舗Pに設置されているIPカメラである。店舗PにIPカメラA17が追加される。DVR−C1にはカメラの管理上限台数が16台と規定されている。IPカメラA17はDVR−C2に格納すればよい。しかし、従来のシステムでは、DVRを跨って同じ店舗の撮像データを管理することができなかった。そこで、IPカメラA15〜A17をまとめてDVR−C2の管理下に変更する必要があった。
【0011】
上記のように、DVRには、複数のIPカメラからアップロードされた撮像データが受信順に記録される。各IPカメラの撮像データは、様々な記憶領域に散らばって格納されている。したがって、あるIPカメラをシステムから削除した場合にも、削除したIPカメラに対応する撮像データを消去することが困難であった。その後、上書き処理されるまでの間は、削除したIPカメラの撮像データが残存することになる。
【0012】
上記特許文献1は、記録媒体に映像データを格納する技術に関するものである。特許文献1の映像記録再生装置は、記録媒体を複数のブロックデータ領域で管理し、ブロックデータ領域に映像データを格納するようにしている。上記システムで説明した問題点は、特許文献1の装置においても同様に発生する問題点である。
【0013】
本発明の目的は、複数のカメラにより撮像された撮像データをセンターの記憶装置において効率的に管理する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、第1〜第M(Mは2以上の整数)のカメラにより撮像された撮像データを記録する記録システムであって、第1〜第N(Nは2以上の整数)の記憶領域に分割して管理され、撮像データを記録する記憶部と、前記記憶部の記憶領域を管理する管理部と、を備え、前記管理部は、k番目のカメラに前記第1〜第Nの記憶領域の中から第k1〜第kn(nは2以上の整数)の記憶領域を割り当てる記憶領域割当部と、k番目のカメラによって撮像された撮像データを、第k1〜第knの記憶領域の中から選択された一の記憶領域に記録し、第k1〜第knの記憶領域の全てにk番目のカメラによって撮像された撮像データが記録された後は、第k1〜第knの記憶領域の中から最も古い撮像データが記録されている記憶領域を選択して撮像データを記録する記録部と、を含む。
【0015】
請求項2記載の発明は、第1〜第M(Mは2以上の整数)のカメラで撮像された撮像データを記録する記録システムであって、第1〜第L(Lは2以上の整数)のL個の記憶部と、前記L個の記憶部の記憶領域を管理する管理部と、を備え、L個の記憶部は、全体で第1〜第N(Nは2以上の整数)の記憶領域に分割して管理されており、前記管理部は、k番目のカメラに前記第1〜第Nの記憶領域の中から第k1〜第kn(nは2以上の整数)の記憶領域を割り当てる記憶領域割当部と、k番目のカメラによって撮像された撮像データを、第k1〜第knの記憶領域の中から選択された一の記憶領域に記録し、第k1〜第knの記憶領域の全てにk番目のカメラによって撮像された撮像データが記録された後は、第k1〜第knの記憶領域の中から最も古い撮像データが記録されている記憶領域を選択して撮像データを記録する記録部と、を含む。
【0016】
請求項3記載の発明は、請求項2に記載の記録システムにおいて、前記管理部は、k番目のカメラに割当てる記憶領域を複数の記憶装置に跨って配置することを特徴とする。
【0017】
請求項4記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の記録システムにおいて、前記記録部と前記管理部とは、異なる端末装置に実装されていることを特徴とする。
【0018】
請求項5記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の記録システムにおいて、前記記録部と前記管理部とは、1つの端末装置に実装されていることを特徴とする。
【0019】
請求項6記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の記録システムにおいて、前記管理部は、k番目のカメラに対して、前記k1〜第knの連続する記憶領域を割当てることを特徴とする。
【0020】
請求項7記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の記録システムにおいて、前記管理部は、M個の連続する記憶領域を、第1〜第Mのカメラの記憶領域として割当てることを特徴とする。
【0021】
請求項8記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の記録システムにおいて、前記管理部は、撮像データを記録する記憶領域を領域情報キューにより管理するキュー管理部、を含み、前記キュー管理部は、第k1〜第knの記憶領域のうち、未だk番目のカメラが撮像した撮像データが記録されていない記憶領域に対応する領域情報キューを順序付けて管理する未使用領域キュー管理部、を有することを特徴とする。
【0022】
請求項9記載の発明は、請求項8に記載の記録システムにおいて、前記キュー管理部は、第k1〜第knの記憶領域のうち、既にk番目のカメラが撮像した撮像データが記録されている記憶領域に対応する領域情報キューを、撮像データが記録された時間順で順序付けて管理する記録済み領域キュー管理部、を有することを特徴とする。
【0023】
請求項10記載の発明は、請求項8または請求項9に記載の記録システムにおいて、前記キュー管理部は、第k1〜第knの記憶領域のうち、書き込み不可能に設定する記憶領域に対応する領域情報キューを管理する使用不可キュー管理部、を有することを特徴とする。
【0024】
請求項11記載の発明は、請求項8ないし請求項10のいずれかに記載の記録システムにおいて、k番目のカメラに割り当てられた第k1〜第knの記憶領域は、それぞれ1〜nのカメラ記憶領域番号が付与されることにより順序付けされており、前記キュー管理部は、前記カメラ記憶領域番号に基づいて、撮像データを格納する順序を決定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
各カメラに対しては、割り当てられた記憶領域のみに対して撮像データの記録が行われる。したがって、あるカメラの撮像データの記録状況が、他のカメラの撮像データの記録状況に影響を与えることがない。各カメラに要求されるデータ保存期間を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】実施の形態に係る監視システムの全体図である。
【図2】DVR管理情報を示す図である。
【図3】ユーザー管理情報を示す図である。
【図4】カメラ管理情報を示す図である。
【図5】カメラ追加後のカメラ管理情報を示す図である。
【図6】カメラ削除後のカメラ管理情報を示す図である。
【図7】ハードディスク内で分割して管理されている記憶領域を示す図である。
【図8】カメラに対して記憶領域を割り当てる第1の方法を示す図である。
【図9】カメラに対して記憶領域を割り当てる第1の方法を示す図である。
【図10】カメラに対して記憶領域を割り当てる第2の方法を示す図である。
【図11】カメラに対して記憶領域を割り当てる第2の方法を示す図である。
【図12】DVRカメラ管理情報を示す図である。
【図13】ハードディスクD1の記憶領域管理情報を示す図である。
【図14】ハードディスクD2の記憶領域管理情報を示す図である。
【図15】初期状態における領域情報キューを示す図である。
【図16】記録中の領域情報キューを示す図である。
【図17】DVRにおける記録開始時のフローチャートである。
【図18】DVRにおける上書き記録時のフローチャートである。
【図19】カメラに対して割り当てられた記憶領域を示す図である。
【図20】カメラに対して割り当てられた記憶領域を示す図である。
【図21】カメラA1の記憶領域を追加した後のカメラに対して割り当てられた記憶領域を示す図である。
【図22】カメラA1の記憶領域を追加した後のカメラに対して割り当てられた記憶領域を示す図である。
【図23】カメラA1の記憶領域を削除した後のカメラに対して割り当てられた記憶領域を示す図である。
【図24】カメラA1の記憶領域を削除した後のカメラに対して割り当てられた記憶領域を示す図である。
【図25】ハードディスクD1に異常が発生した後のカメラに対して割り当てられた記憶領域を示す図である。
【図26】ハードディスクD1に異常が発生した後のカメラに対して割り当てられた記憶領域を示す図である。
【図27】ハードディスクD3の記憶領域管理情報を示す図である。
【図28】ハードディスクD3を追加した後のカメラに対して割り当てられた記憶領域を示す図である。
【図29】ハードディスクD3を追加した後のカメラに対して割り当てられた記憶領域を示す図である。
【図30】カメラA1用の領域情報キューを示す図である。
【図31】カメラA2用の領域情報キューを示す図である。
【図32】カメラA3用の領域情報キューを示す図である。
【図33】システム空き領域用の領域情報キューを示す図である。
【図34】カメラA1用の領域情報キューを示す図である。
【図35】カメラA2用の領域情報キューを示す図である。
【図36】カメラA3用の領域情報キューを示す図である。
【図37】従来の監視システムを示す図である。
【図38】従来の監視システムを示す図である。
【図39】従来の監視システムにおいてカメラを追加する方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
<1.システムの全体構成>
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態に係る監視システムの全体図である。監視システムは、センターシステム10と複数のユーザー契約システム20、20・・・とから構成される。センターシステム10は、2台のDVR−C1およびDVR−C2を備える。センターシステム10は、3台以上のDVRを備えていてもよい。センターシステム10は、管理端末11を備える。ユーザー契約システム20は、複数のIPカメラA1〜ANを備える。IPカメラA1〜ANは、ネットワーク30を介してセンターシステム10に接続されている。
【0028】
ユーザー契約システム20は、監視エリアに設置されるシステムである。ユーザー契約システム20は、ユーザーごとに設けられる。図1に示す例では、ユーザーU1〜UX用のユーザー契約システム20、20・・・が構築されている。ユーザーU1契約システム20には、2つの店舗S1、S1のIPカメラA1〜A3が設置されている。
【0029】
IPカメラA1〜ANは、監視エリアを撮像する。IPカメラA1〜ANは、撮像データを圧縮符号化し、圧縮符号化した撮像データをDVR−C1あるいはDVR−C2にアップロードする。IPカメラA1〜ANは、撮像データをカメラ本体の記録媒体に記録することも可能である。カメラ本体に記録した撮像データは、所定のスケジュールに基づいてセンターシステム10に転送される。
【0030】
管理端末11は、ユーザー、店舗、DVRおよびIPカメラの管理を行う端末である。管理端末11は、各IPカメラの撮像データが、どのDVRに記録されているかを管理している。管理端末11は、撮像データの閲覧要求に対して認証処理を行う。本実施の形態においては、DVRとは別に管理機能を備える管理端末11を設ける構成とした。この他の構成として、管理機能をDVRに保有させてもよい。この場合であれば、管理端末11を設ける必要はない。カメラの台数が1台のDVRに収容できる台数の範囲内であり、1台のDVRで運用している場合などは、管理端末11を設けない構成としてもよい。
【0031】
DVR−C1およびDVR−C2は、各IPカメラで撮像された撮像データを記録する。DVR−C1およびDVR−C2は、ユーザーからの撮像データの閲覧要求に対して、撮像データの送信を行う。
【0032】
ユーザーPC31、32は、センターシステム10に対して、撮像データの閲覧要求を行う。ユーザーPC31、32は、管理端末11において認証を受けた後、DVR−C1あるいはDVR−C2から撮像データを受信する。
【0033】
<2.管理端末が保持するデータベース>
図2は、管理端末11に格納されているDVR管理情報101を示す図である。DVR管理情報101は、センターシステム10に接続されているDVRを管理するデータベースである。
【0034】
DVR管理情報101は、図2に示すように、「DVR番号」、「DVR IP」、「DVR固有番号」および「記憶領域空き容量」の4つのフィールドを備えている。
【0035】
「DVR番号」は、DVRを識別する番号である。DVR番号「1」、「2」は、それぞれDVR−C1、C2に対応している。「DVR IP」は、DVRのIPアドレスである。「DVR固有番号」は、DVRを一意に識別する番号である。「記憶領域空き容量」は、DVRの未使用領域のサイズが記録される。
【0036】
DVR管理情報101に「DVR IP」の情報が格納されると、管理端末11は、IP通信を行うことにより、DVRから「DVR固有番号」、「記憶領域空き容量」の情報を取得する。
【0037】
図3は、管理端末11に格納されているユーザー管理情報102を示す図である。ユーザー管理情報102は、「ユーザー番号」、「ユーザー名」、「登録店舗数」、「登録カメラ台数」および「password」の5つのフィールドを備えている。
【0038】
「ユーザー番号」は、ユーザーを識別する番号である。「ユーザー名」は銀行名などユーザーの具体的な名称である。「登録店舗数」は、ユーザーごとに登録されている店舗数を示す。店舗とはIPカメラが設置される監視エリアを示す。「登録カメラ台数」は、ユーザーごとに登録されているIPカメラの台数を示す。「password」は、ユーザーごとに設定されたパスワードである。
【0039】
図4は、管理端末11に格納されているカメラ管理情報103を示す図である。カメラ管理情報103は、「カメラNo」、「ユーザー名」、「ユーザー店舗名」、「カメラIP」、「ユーザーカメラ番号」、「登録DVR」、「DVR内カメラ番号」、「password」、「契約データ保存期間」、「記録レート」、「記録画質」および「カメラ割当容量」の12のフィールドを備えている。
【0040】
「カメラNo」は、この監視システム全体の中で各IPカメラを識別する番号である。「ユーザー名」は、銀行名などユーザーの具体的な名称である。「ユーザー店舗名」は、銀行の支店名など店舗の具体的な名称である。「カメラIP」は、IPカメラのIPアドレスである。「ユーザーカメラ番号」は、ユーザーごとにIPカメラに付与した連続番号である。「登録DVR」は、撮像データが記録されるDVRを示す。「DVR内カメラ番号」は、DVRごとにIPカメラを管理する番号である。「password」はIPカメラに設定されたパスワードである。このパスワードは、ユーザーのパスワードと一致させてもよい。「契約データ保存期間」は、撮像データの保存期間を示す。たとえば、「契約データ保存期間」として2weekと設定されているIPカメラについては、過去2週間の撮像データをいつでも参照できることが要求される。「記録レート」は撮像データのフレームレートが設定される。「記録画質」は、撮像データの画質レベルが設定される。「カメラ割当容量」は、契約データ保存期間、記録レートおよび記録画質から算出される値が設定される。
【0041】
管理端末11においては、オペレータによってカメラ管理情報11に情報が登録される。管理者が新たなカメラ情報を登録したとき、DVRの記憶領域の空き容量によっては、設定した契約データ保存期間が確保できない場合がある。この場合には、管理端末11は、画面上に、容量が不足していることを示すメッセージを表示する。管理端末11は、さらに、設定した契約データ保存期間を確保できる他のDVRの情報を表示させる。オペレータは、再度、カメラ管理情報103の設定を行う。
【0042】
設定された契約データ保存期間が確保できる場合、カメラ管理情報103の登録操作が完了する。管理端末11は、各DVRに、設定情報を送信する。管理端末11から各DVRに送信される設定情報は、「カメラIP」、「DVR内カメラ番号」、「契約データ保存期間」、「記録レート」、「記録画質」および「カメラ割当容量」の情報である。設定情報を受信したDVRは、設定情報に基づき、DVRに登録するカメラ情報を更新し、各IPカメラに対して記憶領域を割り当てる。
【0043】
図5は、カメラ管理情報103を示す。図5は、図4の状態からカメラNo.4のIPカメラが1台追加された状態を示す。具体的には、ユーザーU1の店舗S2に設置されるIPカメラの情報が追加されている。追加されたカメラNo.4のIPカメラは、カメラNo.1およびカメラNo.2のIPカメラと同様、ユーザーU1のIPカメラである。しかし、DVR−C1の容量が足りないため、追加されたIPカメラは、DVR−C2に登録されていることが分かる。
【0044】
図6は、カメラ管理情報103を示す。図6は、図5の状態からカメラNo.1のIPカメラが1台削除された状態を示す。具体的には、ユーザーU1の店舗S1に設置されるIPカメラの情報が削除されている。
【0045】
<3.記憶領域の管理方法>
図7は、2つのハードディスクD1およびD2の記憶領域の管理方法を示す図である。ハードディスクD1およびD2は、いずれもDVR−C1に搭載されている。ハードディスクD1およびD2は、いずれも、N個の記憶領域R1〜RNに分割して管理されている。ハードディスクD1とハードディスクD2とで記憶領域のサイズや分割数を異ならせてもよい。また、DVRは、3台以上のハードディスクを実装していてもよい。
【0046】
<3−1.第1の割り当て方法>
図8は、IPカメラにハードディスクD1およびD2の各記憶領域を割り当てる第1の方法を示す図である。ユーザーU1の店舗S1に設置されるIPカメラA1には、ハードディスクD1の連続する記憶領域R1、R2・・・が割り当てられている。ユーザーU1の店舗S1に設置されるIPカメラA2には、ハードディスクD1の後半の連続する記憶領域と、ハードディスクD2の連続する記憶領域R1、R2が割り当てられている。ユーザーU1の店舗S1に設置されるIPカメラA3は、ハードディスクD2の連続する記憶領域R3、R4・・・RNが割り当てられている。
【0047】
図9は、図8と同じ状態を示す。図9は、IPカメラに記憶領域が割り当てられた状態を示すとともに、撮像データの書き込み順序を示す図である。
【0048】
IPカメラA1により撮像された撮像データは、ハードディスクD1の記憶領域R1から順に記憶領域R2→記憶領域R3→・・・→記憶領域RMに記録される。記憶領域RMに対する記録が終わると、再び、記憶領域R1に対する記録が行われる。以降も同様に、記憶領域R2→記憶領域R3→・・・→記憶領域RMの順に撮像データが記録される。
【0049】
IPカメラA2により撮像された撮像データについては、ハードディスクD1の記憶領域R(M+1)から順に、記憶領域R(M+2)→記憶領域R(M+3)→・・・→記憶領域RNに記録される。続いて、ハードディスクD2の記憶領域R1→記憶領域R2に記録される。ハードディスクD2の記憶領域R2に対する記録が終了すると、再び最初に戻り、ハードディスクD1の記憶領域R(M+1)から順に記録が行われる。
【0050】
IPカメラA3により撮像された撮像データについては、ハードディスクD2の記憶領域R3から順に、記憶領域R4→記憶領域R5→・・・→記憶領域RNに記録される。ハードディスクD2の記憶領域RNに対する記録が終了すると、再び最初に戻り、ハードディスクD2の記憶領域R3から順に記録が行われる。
【0051】
このように、各IPカメラに対しては、割り当てられた記憶領域のみに対して撮像データの記録が行われる。したがって、あるIPカメラの撮像データの記録状況が、他のIPカメラの撮像データの記録状況に影響を与えることがない。各IPカメラに要求される契約データ保存期間を確保することができる。
【0052】
<3−2.第2の割り当て方法>
図10は、IPカメラにハードディスクD1およびD2の各記憶領域を割り当てる第2の方法を示す図である。ハードディスクD1において、先頭の記憶領域R1にIPカメラA1が割り当てられ、2番目の記憶領域R2にIPカメラA2が割り当てられ、3番目の記憶領域R3にIPカメラA3が割り当てられている。以降も、連続する記憶領域に、異なるIPカメラが順に割り当てられる。全てのIPカメラに対する割り当てが一巡すると、再びIPカメラA1→IPカメラA2→IPカメラA3→・・・の順に、連続する記憶領域に割り当てが行われる。ハードディスクD2においても、同様に、連続する記憶領域に異なるIPカメラが順に割り当てられる。たとえば、DVR−C1に3台のIPカメラが登録される場合、1つのIPカメラは、3ブロックごとに記憶領域に格納される。IPカメラA1であれば、記憶領域R1→記憶領域R4→記憶領域R7→・・・の順に、割り当てが行われる。
【0053】
図11は、図10と同じ状態を示す。図11は、IPカメラに割り当てられた記憶領域を示すとともに、撮像データの書き込み順序を示す図である。
【0054】
IPカメラA1により撮像された撮像データは、ハードディスクD1の記憶領域R1→記憶領域R4→記憶領域R7→・・・に記録される。さらに、IPカメラA1により撮像された撮像データは、ハードディスクD2に対しても3ブロックごとに記憶領域に記録される。記憶領域R(N−2)に対する記録が終わると、再び、記憶領域R1に対する記録が行われる。以降も同様に、記憶領域R4→記憶領域R7→・・・の順に撮像データが記録される。
【0055】
IPカメラA2により撮像された撮像データは、ハードディスクD1の記憶領域R2→記憶領域R5→記憶領域R8→・・・に記録される。さらに、IPカメラA2により撮像された撮像データは、ハードディスクD2に対しても3ブロックごとに記憶領域に記録される。記憶領域R(N−1)に対する記録が終わると、再び、記憶領域R2に対する記録が行われる。以降も同様に、記憶領域R5→記憶領域R8→・・・の順に撮像データが記録される。
【0056】
IPカメラA3により撮像された撮像データは、ハードディスクD1の記憶領域R3→記憶領域R6→記憶領域R9→・・・に記録される。さらに、IPカメラA3により撮像された撮像データは、ハードディスクD2に対しても3ブロックごとに記憶領域に記録される。記憶領域RNに対する記録が終わると、再び、記憶領域R3に対する記録が行われる。以降も同様に、記憶領域R6→記憶領域R9→・・・の順に撮像データが記録される。
【0057】
このように、各IPカメラに対しては、割り当てられた記憶領域のみに対して撮像データの記録が行われる。したがって、あるIPカメラの撮像データの記録状況が、他のIPカメラの撮像データの記録状況に影響を与えることがない。各IPカメラに要求される契約データ保存期間を確保することができる。
【0058】
<4.DVRおよびハードディスクが保持するデータベース>
図12は、DVRに格納されるDVRカメラ管理情報104を示す図である。DVRカメラ管理情報104は、管理端末11において作成されDVRに送信される。DVRカメラ管理情報104は、「カメラ番号」、「ユーザー情報」、「記憶容量」および「password」の4つのフィールドを備えている。管理端末11を利用せず、DVRが単体で管理機能を有する場合には、カメラ管理情報104は、DVRにおいて設定され、DVRにおいて生成される。
【0059】
「カメラ番号」は、DVRに登録されるIPカメラを識別する番号である。「ユーザー情報」は、ユーザー名称および店舗名称を示す。「記憶容量」は、各IPカメラに割り当てられる記憶容量を示す。「password」は、IPカメラに設定されたパスワードである。このパスワードはユーザーごとのパスワードと同じものを使用してもよい。
【0060】
DVRは、管理端末11から受信したDVRカメラ情報104と、既に保持していたDVRカメラ情報104とを比較する。比較の結果、各IPカメラに割り当てる記憶容量が変化している場合には、記憶領域の再割り当てを行う。
【0061】
図13は、ハードディスクD1が保持している記憶領域管理情報105を示す図である。図14は、ハードディスクD2が保持している記憶領域管理情報106を示す図である。記憶領域管理情報は、ハードディスクごとに保持され、ハードディスク内の記憶領域を管理する情報が登録される。
【0062】
記憶領域管理情報105および106は、「記憶領域番号」、「記録対象カメラ番号」、「カメラ記憶領域番号」、「使用状況」、「ユーザー情報」、「password」、「DVR−S/N」および「記録情報」の8つのフィールドを備えている。
【0063】
「記憶領域番号」は、ハードディスク内の記憶領域を識別する番号である。「記録対象カメラ番号」は、IPカメラの識別番号である。「カメラ記憶領域番号」は、IPカメラ単位で記憶領域に付与した番号である。
【0064】
「使用状況」は、記憶領域の状態を示す。“未使用”とは、未だ撮像データが記録されていない記憶領域の状態を示す。“記録済み”とは、撮像データが記録されている記憶領域の状態を示す。“記録中”とは、現在、撮像データを記録中の記憶領域の状態を示す。“削除禁止”とは、記憶領域に記録されている撮像データが削除不可能、つまり、上書き禁止となっている状態を示す。
【0065】
「ユーザー情報」は、記録対象のIPカメラを保有しているユーザーの情報を示す。「password」は、ユーザーのパスワードを示す。「DVR−S/N」は、DVR毎に固有の番号(シリアル番号等)を示す。「記録情報」とは、記憶領域に記録した撮像データの種別や、記録時間の情報などを示す。「記録情報」は、撮像データの検索用に用いられる。
【0066】
図13の記憶領域管理情報105を参照する。ハードディスクD1には、IPカメラA1およびIPカメラA2の撮像データが記録される。IPカメラA1には、記憶領域R1〜RMが割り当てられている。IPカメラA2には、記憶領域R(M+1)〜記憶領域RNが割り当てられている。ハードディスクD1は、DVR−C1に内蔵されている。図13の状態では、全ての記憶領域R1〜RNに、未だ撮像データは記録されていないため、使用状況が“未使用”となっている。
【0067】
図14の記憶領域管理情報106を参照する。ハードディスクD2には、IPカメラA2およびIPカメラA3の撮像データが記録される。つまり、IPカメラA2の撮像データは、ハードディスクD1とハードディスクD2に跨って記録される。IPカメラA2には、記憶領域R1およびR2が割り当てられている。IPカメラA3には、記憶領域R3〜記憶領域RNが割り当てられている。ハードディスクD2は、DVR−C1に内蔵されている。図14の状態では、全ての記憶領域R1〜RNに、未だ撮像データは記録されていないため、使用状況が“未使用”となっている。
【0068】
<5.領域情報キュー>
DVRは、記憶領域を管理するために、領域情報キューを利用する。領域情報キューには、システム空き領域キューと、カメラ用キューとが存在する。領域情報キューは、記憶領域管理情報105あるいは106に基づいて作成され、DVRが備えるメモリに格納される。
【0069】
システム空き領域キューは、DVR内でIPカメラに割り当てられない空き記憶領域を管理するキューである。
【0070】
カメラ用キューは、IPカメラに割り当てられる記憶領域を管理するキューである。カメラ用キューには、さらに、“未使用領域キュー”、“使用済みキュー”、“使用不可領域キュー”および“ReadOnly領域キュー”が存在する。
【0071】
初期状態では、全ての記憶領域がシステム空き領域キューに登録されている。各IPカメラに対して記憶領域の割り当てが行われることにより、各IPカメラの未使用領域キューに記憶領域が割り当てられる。
【0072】
DVRは、撮像データを記録するときには、“未使用領域キュー”から記憶領域をキューアウトする。キューアウトした記憶領域を“使用済み領域キュー”に登録し、撮像データの記録を行う。
【0073】
オペレータは、“使用済み領域キュー”に登録されている記憶領域を、“ReadOnly領域キュー”に登録することができる。これにより、撮像データの上書きを禁止し、撮像データを保護することができる。
【0074】
図15は、領域情報キューの一例を示す図である。図15に示すように、領域情報キューは、「カメラ記憶領域番号」、「記憶媒体番号」、「記憶領域番号」、「使用状況」、「記録情報」、「Prev」および「Next」の7つのフィールドを備えている。このような構造を持った領域情報キューが、複数、DVRのメモリに格納されている。「Prev」および「Next」フィールドは、領域情報キューのチェーン情報を示す。「Prev」フィールドには、1つ前のキューを示すポインタであり、「Next」は、1つ後のキューを示すポインタである。
【0075】
図15で示す例では、IPカメラA1の未使用領域キューには、記憶領域R1〜RMに対応する領域情報キューが登録されている。つまり、IPカメラA1に、記憶領域R1〜RMが割り当てられている。記憶領域R1〜RMには、未だ撮像データが記録されていないので、全ての領域情報キューが未使用領域キューに登録されている。IPカメラA1の使用済み領域キューには、領域情報キューは登録されていない。
【0076】
図16で示す例では、記憶領域R1およびR2が未使用領域キューから削除され、使用済み領域キューに登録されている。記憶領域管理情報105あるいは106の「使用状況」フィールドが“未使用”から“使用済み”に書き換えられることにより、領域情報キューの「使用状況」フィールドも“未使用”から“使用済み”に書き換えられる。この結果、未使用領域キューからの削除と、使用済み領域キューへの登録が行われることとなる。
【0077】
図16において、記憶領域R1内の全領域に撮像データが記録済みであるので、「使用状況」が“記録済”となっている。記憶領域R2については、未だ空き容量が存在するので、「使用状況」が“記録中”となっている。
【0078】
図17は、DVRにおける記録開始時のフローチャートを示す図である。DVRは、撮像データの記録を開始するときに、図17のフローチャートを利用して領域情報キューを利用した記憶領域の管理を行う。
【0079】
まず、使用済み領域キューに記録中の領域情報キューが存在するかどうかを確認する(ステップS11)。記録中の領域情報キューが存在する場合、記録中の記憶領域に撮像データを記録する(ステップS12)。
【0080】
記録中の領域情報キューが存在しない場合、未使用領域キューから未使用の記憶領域を取得する(ステップS13)。取得した記憶領域について、記憶領域管理情報105あるいは106の「使用状況」フィールドを、“記録中”に設定する(ステップS14)。これにより、領域情報キューの「使用状況」フィールドも“記録中”に書き換えられ、使用済み領域キューに登録される(ステップS15)。
【0081】
図18は、DVRにおける上書き記録時のフローチャートである。まず、未使用領域キューから未使用領域の取得を試みる(ステップS21)。未使用領域を取得できた場合、取得した記憶領域について、記憶領域管理情報105あるいは106の「使用状況」を“記録中”に設定する(ステップS22)。これにより、領域情報キューの「使用状況」フィールドも“記録中”に書き換えられ、使用済み領域キューに登録される(ステップS23)。
【0082】
続いて、未使用領域キューに未使用領域が残っているか否かを確認する(ステップS24)。未使用領域が残っていれば処理を終了する。未使用領域が残っていない場合、記録済みの記憶領域が上書き可能に設定されているかどうかを確認する(ステップS25)。上書き可能な場合には、使用済み領域キューから「使用状況」が“使用済み”の記憶領域をキューアウトする(ステップS26)。キューアウトした記憶領域を初期化する(ステップS27)。そして、初期化した記憶領域について、記憶領域管理情報105あるいは106の「使用状況」を“未使用”に書き換え、未使用領域キューに登録する(ステップS28)。このように、未使用領域を使い切った時点で、最も古い使用済み領域を初期化し、次の未使用領域の準備を行う。ステップS25において、上書き不可能に設定されていることを確認した場合には、処理を終了する。この場合には、撮像データを保護するため、使用済み領域を再び未使用領域キューに登録することはない。
【0083】
ステップS21で未使用領域が取得できない場合には、上書き設定が不可になっている状態であるので、記録を停止する(ステップS28)。
【0084】
<6.記憶領域の管理例>
図19は、ハードディスクD1およびD2にIPカメラA1〜A3が割り当てられている状態を示している。ハードディスクD3の記憶領域R1〜RNは、システム空き領域となっている。
【0085】
図20は、図19の状態においてIPカメラA1〜A3に割り当てられた記憶領域を示す図である。IPカメラA1には、ハードディスクD1の記憶領域R1〜RMが割り当てられている。
【0086】
図21は、図19の状態からIPカメラA1に2つの記憶領域を追加した状態を示す図である。ハードディスクD3の記憶領域R1およびR2がIPカメラA1に新たに割り当てられている。
【0087】
図22は、図21の状態においてIPカメラA1〜A3に割り当てられた記憶領域を示す図である。IPカメラA1には、ハードディスクD1の記憶領域R1〜RMおよびハードディスクD3の記憶領域R1およびR2が割り当てられている。
【0088】
図23は、図19の状態からIPカメラA1の2つの記憶領域を削除した状態を示す図である。ハードディスクD1の記憶領域R1およびR2がシステム空き領域に変更されている。
【0089】
図24は、図23の状態においてIPカメラA1〜A3に割り当てられた記憶領域を示す図である。IPカメラA1には、ハードディスクD1の記憶領域R3〜RMが割り当てられている。
【0090】
これら記憶領域の追加や削除は、記憶領域管理情報105あるいは106の登録情報を書き換えることで容易に管理できる。また、各IPカメラに割り当てられている記憶領域が明確に管理されているので、記憶領域単位での撮像データの削除も容易である。
【0091】
ハードディスクに異常が発生した場合、システムで用意されている記憶領域が減少する。本実施の形態においては、次に説明するように、一部のハードディスクに異常が発生した場合であっても、システム空き領域が存在する場合には、記憶領域の再配置を行うことで、システムの信頼性を維持するようにしている。
【0092】
図25は、図19の状態からハードディスクD1に異常が発生した場合を示している。図に示すように、IPカメラA1およびA2には、ハードディスクD3の記憶領域が自動割り当てされている。
【0093】
図26は、図25の状態においてIPカメラA1〜A3に割り当てられた記憶領域を示す図である。IPカメラA1には、ハードディスクD3の記憶領域R1〜RMが割り当てられている。IPカメラA2には、ハードディスクD3の記憶領域R(M+1)〜RNが割り当てられている。
【0094】
異常が発生したハードディスクD1については、未使用領域および使用済み領域ともに、使用不可領域に登録する。これにより、システムで使用可能な記憶領域の容量を的確に判断することが可能である。
【0095】
また、ハードディスクが新たに追加された場合には、そのハードディスクの記憶領域管理情報に基づき、領域情報キューを新たに生成する。初期状態では、全ての記憶領域が、システム空き領域キューに登録される。システムの記憶容量が不足している場合には、直ちに、記憶領域の自動割り当てが行われる。
【0096】
DVRでは、追加あるいは交換されたハードディスクが、必ずしも新品であるとは限らない。他のDVRで使用していたハードディスクが初期化されずに実装される場合もある。このとき、本来保管すべき撮像データが誤って消去されることを防止するために、本実施の形態では次のような仕組みを備えている。
【0097】
再び、図8を参照する。図8の例では、IPカメラA1〜A3に、ハードディスクD1およびD2の記憶領域が割り当てられている。ハードディスクD1およびD2は、DVR−C1に実装されている。
【0098】
一方、図27は、DVR−C2に実装されているハードディスクD3の記憶領域管理情報107を示す図である。ハードディスクD3は、ユーザーU3のIPカメラA2あるいはA3の撮像データが記録されている。このハードディスクD3が、DVR−C2から取り外され、DVR−C1に実装される場合を考える。
【0099】
図28は、図8の状態から、ハードディスクD3が追加された状態を示す。ユーザーU3の店舗1に設置されたIPカメラA2には、ハードディスクD3の記憶領域R1およびR2が割り当てられている。ユーザーU3の店舗2に設置されたIPカメラA3には、ハードディスクD3の記憶領域R3〜RNが割り当てられている。
【0100】
図29は、図28の状態においてIPカメラA1〜A3に割り当てられた記憶領域を示す図である。IPカメラA2には、ハードディスクD1の記憶領域R(M+1)〜RNと、ハードディスクD2の記憶領域R1およびR2と、ハードディスクD3の記憶領域R1およびR2が割り当てられている。ただし、ハードディスクD3の記憶領域R1およびR2は、ReadOnly領域に設定される。図27に示すように、ハードディスクD3の各記憶領域の「DVR−S/N」フィールドには、“DVR−C2”が設定されている。現在実装されているDVR−S/Nと、記憶領域管理情報に登録されているDVR−S/Nが異なる場合には、それら記憶領域をReadOnly領域に設定し、誤って重要な撮像データが消去されないようにしている。撮像データを消去してもよい場合には、オペレータ操作により、ReadOnly領域をシステム空き領域に設定する。
【0101】
IPカメラA3には、ハードディスクD2の記憶領域R3〜RNと、ハードディスクD3の記憶領域R3〜RNが割り当てられている。ただし、ハードディスクD3の記憶領域R3〜RNは、ReadOnly領域に設定される。
【0102】
図30〜図32は、図28あるいは図29の状態における領域情報キューを示す図である。
【0103】
図30は、IPカメラA1に関する領域情報キューを示す。IPカメラA1については、ハードディスクD1の記憶領域R1およびR2が使用済み領域キューに登録されている。記憶領域R3〜RMについては、未使用領域キューに登録されている。
【0104】
図31は、IPカメラA2に関する領域情報キューを示す。IPカメラA2については、ハードディスクD1の記憶領域R(M+1)からハードディスクD2の記憶領域R2までが未使用領域キューに登録されている。ハードディスクD3の記憶領域R1およびR2については、ReadOnly領域キューに登録されている。
【0105】
図32は、IPカメラA3に関する領域情報キューを示す。IPカメラA3については、ハードディスクD2の記憶領域R3〜RNまでが未使用領域キューに登録されている。ハードディスクD3の記憶領域R3〜RNについては、ReadOnly領域キューに登録されている。
【0106】
続いて、ReadOnly領域を初期化する方法について説明する。つまり、図28で示した状態からハードディスクD3を初期化する。ハードディスクD3を初期化することにより、図19に示す状態と同様の状態となる。
【0107】
図33〜図36は、ハードディスクD3を初期化した後の領域情報キューを示す図である。
【0108】
図33は、システム空き領域キューを示す図である。ハードディスクD3が初期化されたことにより、ハードディスクD3の記憶領域R1〜RNが全てシステム空き領域キューに登録されている。
【0109】
図34は、IPカメラA1に関する領域情報キューを示す。IPカメラA1については、ハードディスクD1の記憶領域R1およびR2が使用済み領域キューに登録されている。記憶領域R3〜RMについては、未使用領域キューに登録されている。
【0110】
図35は、IPカメラA2に関する領域情報キューを示す。IPカメラA2については、ハードディスクD1の記憶領域R(M+1)からハードディスクD2の記憶領域R2までが未使用領域キューに登録されている。ハードディスクD3の記憶領域R1およびR2は、ReadOnly領域キューから削除されている。
【0111】
図36は、IPカメラA3に関する領域情報キューを示す。IPカメラA3については、ハードディスクD2の記憶領域R3〜RNまでが未使用領域キューに登録されている。ハードディスクD3の記憶領域R3〜RNについては、ReadOnly領域キューから削除されている。
【0112】
本実施の形態においては、撮像データを記録する順序は、カメラ記憶領域番号T1、T2・・・によって管理されている。各カメラには、複数の記憶領域が割り当てられるが、撮像データの記録順序は、カメラ記憶領域番号T1、T2・・・によって決定される。したがって、たとえば、DVR内でハードディスクを実装するスロット位置を変更した場合であっても、撮像データの記録位置は固定される。ハードディスクの物理的な配置が変更になり、撮像データの物理的な配置が変更された場合であっても、カメラ記憶領域番号にしたがって、撮像データの記録、再生を管理することができる。撮像データの再生順序に一貫性を持たせることができる。
【0113】
DVRの電源がOFFされた後、次回、DVRの電源がONされたときには、カメラ記憶領域番号にしたがって、領域情報キューの順序を決定することができる。これにより、電源OFF前と同じキュー情報の再構築を行うことができる。
【符号の説明】
【0114】
A1〜AN IPカメラ
C1、C2 DVR
D1〜D3 ハードディスク
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラにより撮像された撮像データを記録するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
監視カメラにより撮像された撮像データをネットワーク経由でセンターのDVR(Digital Video Recorder)に転送するシステムが存在する。センターでは、複数の監視カメラから転送された撮像データをハードディスクなどの記憶媒体に格納する。
【0003】
図37は、従来のシステムを示す図である。ローカル側には複数のIPカメラA1〜ANが設置されている。ローカル側とは、監視対象エリアである。複数のIPカメラで撮像された撮像データは、ネットワーク経由でセンターに転送される。センターでは、DVRが、複数のIPカメラから転送された撮像データを記録する。管理端末は、DVRに撮像データを格納するカメラの管理を行う。
【0004】
図38は、従来の別のシステムを示す図である。ローカル側には複数のIPカメラA1〜ANとDVRが設置されている。ローカル側のDVRには、複数のIPカメラで撮像された撮像データが記録される。ローカル側のDVRは、所定のタイミングでセンター側の映像保存サーバに撮像データをアップロードする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−193598号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図37および図38で示した従来のシステムでは、センター側のDVRあるいは映像保存サーバにおいて、各IPカメラにより撮像された撮像データが受信順に記録されている。センター側のDVRあるいは映像保存サーバにおいて、記憶領域がなくなると、最も古い時間に撮像された撮像データに対して順次上書き処理が行われる。
【0007】
このため、各カメラに対して、どの程度の記憶領域が割当てられるかを把握することは難しかった。あるカメラの記録レートを高くすれば、他のカメラの記憶領域を圧迫することになる。あるカメラに対して確保される記憶領域は、他のカメラの記録状態の影響を受けることになる。あるカメラの撮像データに対して、たとえば、過去3日間の保存期間を確保するという管理を行いたくても、その管理が困難であった。
【0008】
図38で示すシステムでは、ローカル側にDVRを設置するため、システムコストが高くなるという問題がある。たとえば、銀行の店舗ごとにDVRを設置するようなシステムが考えられる。店舗に1台のみカメラを設置する場合であっても、店舗ごとにDVRを設置する構成であるためコスト高となる。
【0009】
従来のシステムでは、カメラの追加・削除に対する処理が複雑であるという問題もある。たとえば、図37のシステム例に対して、DVRを1台追加した図39のシステムを考える。
【0010】
初め、ローカル側には、16台のIPカメラA1〜A16が設置されていたとする。16台のIPカメラA1〜A16からアップロードされた撮像データは、全てDVR−C1に格納されている。IPカメラA15およびA16は同じ店舗Pに設置されているIPカメラである。店舗PにIPカメラA17が追加される。DVR−C1にはカメラの管理上限台数が16台と規定されている。IPカメラA17はDVR−C2に格納すればよい。しかし、従来のシステムでは、DVRを跨って同じ店舗の撮像データを管理することができなかった。そこで、IPカメラA15〜A17をまとめてDVR−C2の管理下に変更する必要があった。
【0011】
上記のように、DVRには、複数のIPカメラからアップロードされた撮像データが受信順に記録される。各IPカメラの撮像データは、様々な記憶領域に散らばって格納されている。したがって、あるIPカメラをシステムから削除した場合にも、削除したIPカメラに対応する撮像データを消去することが困難であった。その後、上書き処理されるまでの間は、削除したIPカメラの撮像データが残存することになる。
【0012】
上記特許文献1は、記録媒体に映像データを格納する技術に関するものである。特許文献1の映像記録再生装置は、記録媒体を複数のブロックデータ領域で管理し、ブロックデータ領域に映像データを格納するようにしている。上記システムで説明した問題点は、特許文献1の装置においても同様に発生する問題点である。
【0013】
本発明の目的は、複数のカメラにより撮像された撮像データをセンターの記憶装置において効率的に管理する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、第1〜第M(Mは2以上の整数)のカメラにより撮像された撮像データを記録する記録システムであって、第1〜第N(Nは2以上の整数)の記憶領域に分割して管理され、撮像データを記録する記憶部と、前記記憶部の記憶領域を管理する管理部と、を備え、前記管理部は、k番目のカメラに前記第1〜第Nの記憶領域の中から第k1〜第kn(nは2以上の整数)の記憶領域を割り当てる記憶領域割当部と、k番目のカメラによって撮像された撮像データを、第k1〜第knの記憶領域の中から選択された一の記憶領域に記録し、第k1〜第knの記憶領域の全てにk番目のカメラによって撮像された撮像データが記録された後は、第k1〜第knの記憶領域の中から最も古い撮像データが記録されている記憶領域を選択して撮像データを記録する記録部と、を含む。
【0015】
請求項2記載の発明は、第1〜第M(Mは2以上の整数)のカメラで撮像された撮像データを記録する記録システムであって、第1〜第L(Lは2以上の整数)のL個の記憶部と、前記L個の記憶部の記憶領域を管理する管理部と、を備え、L個の記憶部は、全体で第1〜第N(Nは2以上の整数)の記憶領域に分割して管理されており、前記管理部は、k番目のカメラに前記第1〜第Nの記憶領域の中から第k1〜第kn(nは2以上の整数)の記憶領域を割り当てる記憶領域割当部と、k番目のカメラによって撮像された撮像データを、第k1〜第knの記憶領域の中から選択された一の記憶領域に記録し、第k1〜第knの記憶領域の全てにk番目のカメラによって撮像された撮像データが記録された後は、第k1〜第knの記憶領域の中から最も古い撮像データが記録されている記憶領域を選択して撮像データを記録する記録部と、を含む。
【0016】
請求項3記載の発明は、請求項2に記載の記録システムにおいて、前記管理部は、k番目のカメラに割当てる記憶領域を複数の記憶装置に跨って配置することを特徴とする。
【0017】
請求項4記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の記録システムにおいて、前記記録部と前記管理部とは、異なる端末装置に実装されていることを特徴とする。
【0018】
請求項5記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の記録システムにおいて、前記記録部と前記管理部とは、1つの端末装置に実装されていることを特徴とする。
【0019】
請求項6記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の記録システムにおいて、前記管理部は、k番目のカメラに対して、前記k1〜第knの連続する記憶領域を割当てることを特徴とする。
【0020】
請求項7記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の記録システムにおいて、前記管理部は、M個の連続する記憶領域を、第1〜第Mのカメラの記憶領域として割当てることを特徴とする。
【0021】
請求項8記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の記録システムにおいて、前記管理部は、撮像データを記録する記憶領域を領域情報キューにより管理するキュー管理部、を含み、前記キュー管理部は、第k1〜第knの記憶領域のうち、未だk番目のカメラが撮像した撮像データが記録されていない記憶領域に対応する領域情報キューを順序付けて管理する未使用領域キュー管理部、を有することを特徴とする。
【0022】
請求項9記載の発明は、請求項8に記載の記録システムにおいて、前記キュー管理部は、第k1〜第knの記憶領域のうち、既にk番目のカメラが撮像した撮像データが記録されている記憶領域に対応する領域情報キューを、撮像データが記録された時間順で順序付けて管理する記録済み領域キュー管理部、を有することを特徴とする。
【0023】
請求項10記載の発明は、請求項8または請求項9に記載の記録システムにおいて、前記キュー管理部は、第k1〜第knの記憶領域のうち、書き込み不可能に設定する記憶領域に対応する領域情報キューを管理する使用不可キュー管理部、を有することを特徴とする。
【0024】
請求項11記載の発明は、請求項8ないし請求項10のいずれかに記載の記録システムにおいて、k番目のカメラに割り当てられた第k1〜第knの記憶領域は、それぞれ1〜nのカメラ記憶領域番号が付与されることにより順序付けされており、前記キュー管理部は、前記カメラ記憶領域番号に基づいて、撮像データを格納する順序を決定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
各カメラに対しては、割り当てられた記憶領域のみに対して撮像データの記録が行われる。したがって、あるカメラの撮像データの記録状況が、他のカメラの撮像データの記録状況に影響を与えることがない。各カメラに要求されるデータ保存期間を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】実施の形態に係る監視システムの全体図である。
【図2】DVR管理情報を示す図である。
【図3】ユーザー管理情報を示す図である。
【図4】カメラ管理情報を示す図である。
【図5】カメラ追加後のカメラ管理情報を示す図である。
【図6】カメラ削除後のカメラ管理情報を示す図である。
【図7】ハードディスク内で分割して管理されている記憶領域を示す図である。
【図8】カメラに対して記憶領域を割り当てる第1の方法を示す図である。
【図9】カメラに対して記憶領域を割り当てる第1の方法を示す図である。
【図10】カメラに対して記憶領域を割り当てる第2の方法を示す図である。
【図11】カメラに対して記憶領域を割り当てる第2の方法を示す図である。
【図12】DVRカメラ管理情報を示す図である。
【図13】ハードディスクD1の記憶領域管理情報を示す図である。
【図14】ハードディスクD2の記憶領域管理情報を示す図である。
【図15】初期状態における領域情報キューを示す図である。
【図16】記録中の領域情報キューを示す図である。
【図17】DVRにおける記録開始時のフローチャートである。
【図18】DVRにおける上書き記録時のフローチャートである。
【図19】カメラに対して割り当てられた記憶領域を示す図である。
【図20】カメラに対して割り当てられた記憶領域を示す図である。
【図21】カメラA1の記憶領域を追加した後のカメラに対して割り当てられた記憶領域を示す図である。
【図22】カメラA1の記憶領域を追加した後のカメラに対して割り当てられた記憶領域を示す図である。
【図23】カメラA1の記憶領域を削除した後のカメラに対して割り当てられた記憶領域を示す図である。
【図24】カメラA1の記憶領域を削除した後のカメラに対して割り当てられた記憶領域を示す図である。
【図25】ハードディスクD1に異常が発生した後のカメラに対して割り当てられた記憶領域を示す図である。
【図26】ハードディスクD1に異常が発生した後のカメラに対して割り当てられた記憶領域を示す図である。
【図27】ハードディスクD3の記憶領域管理情報を示す図である。
【図28】ハードディスクD3を追加した後のカメラに対して割り当てられた記憶領域を示す図である。
【図29】ハードディスクD3を追加した後のカメラに対して割り当てられた記憶領域を示す図である。
【図30】カメラA1用の領域情報キューを示す図である。
【図31】カメラA2用の領域情報キューを示す図である。
【図32】カメラA3用の領域情報キューを示す図である。
【図33】システム空き領域用の領域情報キューを示す図である。
【図34】カメラA1用の領域情報キューを示す図である。
【図35】カメラA2用の領域情報キューを示す図である。
【図36】カメラA3用の領域情報キューを示す図である。
【図37】従来の監視システムを示す図である。
【図38】従来の監視システムを示す図である。
【図39】従来の監視システムにおいてカメラを追加する方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
<1.システムの全体構成>
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態に係る監視システムの全体図である。監視システムは、センターシステム10と複数のユーザー契約システム20、20・・・とから構成される。センターシステム10は、2台のDVR−C1およびDVR−C2を備える。センターシステム10は、3台以上のDVRを備えていてもよい。センターシステム10は、管理端末11を備える。ユーザー契約システム20は、複数のIPカメラA1〜ANを備える。IPカメラA1〜ANは、ネットワーク30を介してセンターシステム10に接続されている。
【0028】
ユーザー契約システム20は、監視エリアに設置されるシステムである。ユーザー契約システム20は、ユーザーごとに設けられる。図1に示す例では、ユーザーU1〜UX用のユーザー契約システム20、20・・・が構築されている。ユーザーU1契約システム20には、2つの店舗S1、S1のIPカメラA1〜A3が設置されている。
【0029】
IPカメラA1〜ANは、監視エリアを撮像する。IPカメラA1〜ANは、撮像データを圧縮符号化し、圧縮符号化した撮像データをDVR−C1あるいはDVR−C2にアップロードする。IPカメラA1〜ANは、撮像データをカメラ本体の記録媒体に記録することも可能である。カメラ本体に記録した撮像データは、所定のスケジュールに基づいてセンターシステム10に転送される。
【0030】
管理端末11は、ユーザー、店舗、DVRおよびIPカメラの管理を行う端末である。管理端末11は、各IPカメラの撮像データが、どのDVRに記録されているかを管理している。管理端末11は、撮像データの閲覧要求に対して認証処理を行う。本実施の形態においては、DVRとは別に管理機能を備える管理端末11を設ける構成とした。この他の構成として、管理機能をDVRに保有させてもよい。この場合であれば、管理端末11を設ける必要はない。カメラの台数が1台のDVRに収容できる台数の範囲内であり、1台のDVRで運用している場合などは、管理端末11を設けない構成としてもよい。
【0031】
DVR−C1およびDVR−C2は、各IPカメラで撮像された撮像データを記録する。DVR−C1およびDVR−C2は、ユーザーからの撮像データの閲覧要求に対して、撮像データの送信を行う。
【0032】
ユーザーPC31、32は、センターシステム10に対して、撮像データの閲覧要求を行う。ユーザーPC31、32は、管理端末11において認証を受けた後、DVR−C1あるいはDVR−C2から撮像データを受信する。
【0033】
<2.管理端末が保持するデータベース>
図2は、管理端末11に格納されているDVR管理情報101を示す図である。DVR管理情報101は、センターシステム10に接続されているDVRを管理するデータベースである。
【0034】
DVR管理情報101は、図2に示すように、「DVR番号」、「DVR IP」、「DVR固有番号」および「記憶領域空き容量」の4つのフィールドを備えている。
【0035】
「DVR番号」は、DVRを識別する番号である。DVR番号「1」、「2」は、それぞれDVR−C1、C2に対応している。「DVR IP」は、DVRのIPアドレスである。「DVR固有番号」は、DVRを一意に識別する番号である。「記憶領域空き容量」は、DVRの未使用領域のサイズが記録される。
【0036】
DVR管理情報101に「DVR IP」の情報が格納されると、管理端末11は、IP通信を行うことにより、DVRから「DVR固有番号」、「記憶領域空き容量」の情報を取得する。
【0037】
図3は、管理端末11に格納されているユーザー管理情報102を示す図である。ユーザー管理情報102は、「ユーザー番号」、「ユーザー名」、「登録店舗数」、「登録カメラ台数」および「password」の5つのフィールドを備えている。
【0038】
「ユーザー番号」は、ユーザーを識別する番号である。「ユーザー名」は銀行名などユーザーの具体的な名称である。「登録店舗数」は、ユーザーごとに登録されている店舗数を示す。店舗とはIPカメラが設置される監視エリアを示す。「登録カメラ台数」は、ユーザーごとに登録されているIPカメラの台数を示す。「password」は、ユーザーごとに設定されたパスワードである。
【0039】
図4は、管理端末11に格納されているカメラ管理情報103を示す図である。カメラ管理情報103は、「カメラNo」、「ユーザー名」、「ユーザー店舗名」、「カメラIP」、「ユーザーカメラ番号」、「登録DVR」、「DVR内カメラ番号」、「password」、「契約データ保存期間」、「記録レート」、「記録画質」および「カメラ割当容量」の12のフィールドを備えている。
【0040】
「カメラNo」は、この監視システム全体の中で各IPカメラを識別する番号である。「ユーザー名」は、銀行名などユーザーの具体的な名称である。「ユーザー店舗名」は、銀行の支店名など店舗の具体的な名称である。「カメラIP」は、IPカメラのIPアドレスである。「ユーザーカメラ番号」は、ユーザーごとにIPカメラに付与した連続番号である。「登録DVR」は、撮像データが記録されるDVRを示す。「DVR内カメラ番号」は、DVRごとにIPカメラを管理する番号である。「password」はIPカメラに設定されたパスワードである。このパスワードは、ユーザーのパスワードと一致させてもよい。「契約データ保存期間」は、撮像データの保存期間を示す。たとえば、「契約データ保存期間」として2weekと設定されているIPカメラについては、過去2週間の撮像データをいつでも参照できることが要求される。「記録レート」は撮像データのフレームレートが設定される。「記録画質」は、撮像データの画質レベルが設定される。「カメラ割当容量」は、契約データ保存期間、記録レートおよび記録画質から算出される値が設定される。
【0041】
管理端末11においては、オペレータによってカメラ管理情報11に情報が登録される。管理者が新たなカメラ情報を登録したとき、DVRの記憶領域の空き容量によっては、設定した契約データ保存期間が確保できない場合がある。この場合には、管理端末11は、画面上に、容量が不足していることを示すメッセージを表示する。管理端末11は、さらに、設定した契約データ保存期間を確保できる他のDVRの情報を表示させる。オペレータは、再度、カメラ管理情報103の設定を行う。
【0042】
設定された契約データ保存期間が確保できる場合、カメラ管理情報103の登録操作が完了する。管理端末11は、各DVRに、設定情報を送信する。管理端末11から各DVRに送信される設定情報は、「カメラIP」、「DVR内カメラ番号」、「契約データ保存期間」、「記録レート」、「記録画質」および「カメラ割当容量」の情報である。設定情報を受信したDVRは、設定情報に基づき、DVRに登録するカメラ情報を更新し、各IPカメラに対して記憶領域を割り当てる。
【0043】
図5は、カメラ管理情報103を示す。図5は、図4の状態からカメラNo.4のIPカメラが1台追加された状態を示す。具体的には、ユーザーU1の店舗S2に設置されるIPカメラの情報が追加されている。追加されたカメラNo.4のIPカメラは、カメラNo.1およびカメラNo.2のIPカメラと同様、ユーザーU1のIPカメラである。しかし、DVR−C1の容量が足りないため、追加されたIPカメラは、DVR−C2に登録されていることが分かる。
【0044】
図6は、カメラ管理情報103を示す。図6は、図5の状態からカメラNo.1のIPカメラが1台削除された状態を示す。具体的には、ユーザーU1の店舗S1に設置されるIPカメラの情報が削除されている。
【0045】
<3.記憶領域の管理方法>
図7は、2つのハードディスクD1およびD2の記憶領域の管理方法を示す図である。ハードディスクD1およびD2は、いずれもDVR−C1に搭載されている。ハードディスクD1およびD2は、いずれも、N個の記憶領域R1〜RNに分割して管理されている。ハードディスクD1とハードディスクD2とで記憶領域のサイズや分割数を異ならせてもよい。また、DVRは、3台以上のハードディスクを実装していてもよい。
【0046】
<3−1.第1の割り当て方法>
図8は、IPカメラにハードディスクD1およびD2の各記憶領域を割り当てる第1の方法を示す図である。ユーザーU1の店舗S1に設置されるIPカメラA1には、ハードディスクD1の連続する記憶領域R1、R2・・・が割り当てられている。ユーザーU1の店舗S1に設置されるIPカメラA2には、ハードディスクD1の後半の連続する記憶領域と、ハードディスクD2の連続する記憶領域R1、R2が割り当てられている。ユーザーU1の店舗S1に設置されるIPカメラA3は、ハードディスクD2の連続する記憶領域R3、R4・・・RNが割り当てられている。
【0047】
図9は、図8と同じ状態を示す。図9は、IPカメラに記憶領域が割り当てられた状態を示すとともに、撮像データの書き込み順序を示す図である。
【0048】
IPカメラA1により撮像された撮像データは、ハードディスクD1の記憶領域R1から順に記憶領域R2→記憶領域R3→・・・→記憶領域RMに記録される。記憶領域RMに対する記録が終わると、再び、記憶領域R1に対する記録が行われる。以降も同様に、記憶領域R2→記憶領域R3→・・・→記憶領域RMの順に撮像データが記録される。
【0049】
IPカメラA2により撮像された撮像データについては、ハードディスクD1の記憶領域R(M+1)から順に、記憶領域R(M+2)→記憶領域R(M+3)→・・・→記憶領域RNに記録される。続いて、ハードディスクD2の記憶領域R1→記憶領域R2に記録される。ハードディスクD2の記憶領域R2に対する記録が終了すると、再び最初に戻り、ハードディスクD1の記憶領域R(M+1)から順に記録が行われる。
【0050】
IPカメラA3により撮像された撮像データについては、ハードディスクD2の記憶領域R3から順に、記憶領域R4→記憶領域R5→・・・→記憶領域RNに記録される。ハードディスクD2の記憶領域RNに対する記録が終了すると、再び最初に戻り、ハードディスクD2の記憶領域R3から順に記録が行われる。
【0051】
このように、各IPカメラに対しては、割り当てられた記憶領域のみに対して撮像データの記録が行われる。したがって、あるIPカメラの撮像データの記録状況が、他のIPカメラの撮像データの記録状況に影響を与えることがない。各IPカメラに要求される契約データ保存期間を確保することができる。
【0052】
<3−2.第2の割り当て方法>
図10は、IPカメラにハードディスクD1およびD2の各記憶領域を割り当てる第2の方法を示す図である。ハードディスクD1において、先頭の記憶領域R1にIPカメラA1が割り当てられ、2番目の記憶領域R2にIPカメラA2が割り当てられ、3番目の記憶領域R3にIPカメラA3が割り当てられている。以降も、連続する記憶領域に、異なるIPカメラが順に割り当てられる。全てのIPカメラに対する割り当てが一巡すると、再びIPカメラA1→IPカメラA2→IPカメラA3→・・・の順に、連続する記憶領域に割り当てが行われる。ハードディスクD2においても、同様に、連続する記憶領域に異なるIPカメラが順に割り当てられる。たとえば、DVR−C1に3台のIPカメラが登録される場合、1つのIPカメラは、3ブロックごとに記憶領域に格納される。IPカメラA1であれば、記憶領域R1→記憶領域R4→記憶領域R7→・・・の順に、割り当てが行われる。
【0053】
図11は、図10と同じ状態を示す。図11は、IPカメラに割り当てられた記憶領域を示すとともに、撮像データの書き込み順序を示す図である。
【0054】
IPカメラA1により撮像された撮像データは、ハードディスクD1の記憶領域R1→記憶領域R4→記憶領域R7→・・・に記録される。さらに、IPカメラA1により撮像された撮像データは、ハードディスクD2に対しても3ブロックごとに記憶領域に記録される。記憶領域R(N−2)に対する記録が終わると、再び、記憶領域R1に対する記録が行われる。以降も同様に、記憶領域R4→記憶領域R7→・・・の順に撮像データが記録される。
【0055】
IPカメラA2により撮像された撮像データは、ハードディスクD1の記憶領域R2→記憶領域R5→記憶領域R8→・・・に記録される。さらに、IPカメラA2により撮像された撮像データは、ハードディスクD2に対しても3ブロックごとに記憶領域に記録される。記憶領域R(N−1)に対する記録が終わると、再び、記憶領域R2に対する記録が行われる。以降も同様に、記憶領域R5→記憶領域R8→・・・の順に撮像データが記録される。
【0056】
IPカメラA3により撮像された撮像データは、ハードディスクD1の記憶領域R3→記憶領域R6→記憶領域R9→・・・に記録される。さらに、IPカメラA3により撮像された撮像データは、ハードディスクD2に対しても3ブロックごとに記憶領域に記録される。記憶領域RNに対する記録が終わると、再び、記憶領域R3に対する記録が行われる。以降も同様に、記憶領域R6→記憶領域R9→・・・の順に撮像データが記録される。
【0057】
このように、各IPカメラに対しては、割り当てられた記憶領域のみに対して撮像データの記録が行われる。したがって、あるIPカメラの撮像データの記録状況が、他のIPカメラの撮像データの記録状況に影響を与えることがない。各IPカメラに要求される契約データ保存期間を確保することができる。
【0058】
<4.DVRおよびハードディスクが保持するデータベース>
図12は、DVRに格納されるDVRカメラ管理情報104を示す図である。DVRカメラ管理情報104は、管理端末11において作成されDVRに送信される。DVRカメラ管理情報104は、「カメラ番号」、「ユーザー情報」、「記憶容量」および「password」の4つのフィールドを備えている。管理端末11を利用せず、DVRが単体で管理機能を有する場合には、カメラ管理情報104は、DVRにおいて設定され、DVRにおいて生成される。
【0059】
「カメラ番号」は、DVRに登録されるIPカメラを識別する番号である。「ユーザー情報」は、ユーザー名称および店舗名称を示す。「記憶容量」は、各IPカメラに割り当てられる記憶容量を示す。「password」は、IPカメラに設定されたパスワードである。このパスワードはユーザーごとのパスワードと同じものを使用してもよい。
【0060】
DVRは、管理端末11から受信したDVRカメラ情報104と、既に保持していたDVRカメラ情報104とを比較する。比較の結果、各IPカメラに割り当てる記憶容量が変化している場合には、記憶領域の再割り当てを行う。
【0061】
図13は、ハードディスクD1が保持している記憶領域管理情報105を示す図である。図14は、ハードディスクD2が保持している記憶領域管理情報106を示す図である。記憶領域管理情報は、ハードディスクごとに保持され、ハードディスク内の記憶領域を管理する情報が登録される。
【0062】
記憶領域管理情報105および106は、「記憶領域番号」、「記録対象カメラ番号」、「カメラ記憶領域番号」、「使用状況」、「ユーザー情報」、「password」、「DVR−S/N」および「記録情報」の8つのフィールドを備えている。
【0063】
「記憶領域番号」は、ハードディスク内の記憶領域を識別する番号である。「記録対象カメラ番号」は、IPカメラの識別番号である。「カメラ記憶領域番号」は、IPカメラ単位で記憶領域に付与した番号である。
【0064】
「使用状況」は、記憶領域の状態を示す。“未使用”とは、未だ撮像データが記録されていない記憶領域の状態を示す。“記録済み”とは、撮像データが記録されている記憶領域の状態を示す。“記録中”とは、現在、撮像データを記録中の記憶領域の状態を示す。“削除禁止”とは、記憶領域に記録されている撮像データが削除不可能、つまり、上書き禁止となっている状態を示す。
【0065】
「ユーザー情報」は、記録対象のIPカメラを保有しているユーザーの情報を示す。「password」は、ユーザーのパスワードを示す。「DVR−S/N」は、DVR毎に固有の番号(シリアル番号等)を示す。「記録情報」とは、記憶領域に記録した撮像データの種別や、記録時間の情報などを示す。「記録情報」は、撮像データの検索用に用いられる。
【0066】
図13の記憶領域管理情報105を参照する。ハードディスクD1には、IPカメラA1およびIPカメラA2の撮像データが記録される。IPカメラA1には、記憶領域R1〜RMが割り当てられている。IPカメラA2には、記憶領域R(M+1)〜記憶領域RNが割り当てられている。ハードディスクD1は、DVR−C1に内蔵されている。図13の状態では、全ての記憶領域R1〜RNに、未だ撮像データは記録されていないため、使用状況が“未使用”となっている。
【0067】
図14の記憶領域管理情報106を参照する。ハードディスクD2には、IPカメラA2およびIPカメラA3の撮像データが記録される。つまり、IPカメラA2の撮像データは、ハードディスクD1とハードディスクD2に跨って記録される。IPカメラA2には、記憶領域R1およびR2が割り当てられている。IPカメラA3には、記憶領域R3〜記憶領域RNが割り当てられている。ハードディスクD2は、DVR−C1に内蔵されている。図14の状態では、全ての記憶領域R1〜RNに、未だ撮像データは記録されていないため、使用状況が“未使用”となっている。
【0068】
<5.領域情報キュー>
DVRは、記憶領域を管理するために、領域情報キューを利用する。領域情報キューには、システム空き領域キューと、カメラ用キューとが存在する。領域情報キューは、記憶領域管理情報105あるいは106に基づいて作成され、DVRが備えるメモリに格納される。
【0069】
システム空き領域キューは、DVR内でIPカメラに割り当てられない空き記憶領域を管理するキューである。
【0070】
カメラ用キューは、IPカメラに割り当てられる記憶領域を管理するキューである。カメラ用キューには、さらに、“未使用領域キュー”、“使用済みキュー”、“使用不可領域キュー”および“ReadOnly領域キュー”が存在する。
【0071】
初期状態では、全ての記憶領域がシステム空き領域キューに登録されている。各IPカメラに対して記憶領域の割り当てが行われることにより、各IPカメラの未使用領域キューに記憶領域が割り当てられる。
【0072】
DVRは、撮像データを記録するときには、“未使用領域キュー”から記憶領域をキューアウトする。キューアウトした記憶領域を“使用済み領域キュー”に登録し、撮像データの記録を行う。
【0073】
オペレータは、“使用済み領域キュー”に登録されている記憶領域を、“ReadOnly領域キュー”に登録することができる。これにより、撮像データの上書きを禁止し、撮像データを保護することができる。
【0074】
図15は、領域情報キューの一例を示す図である。図15に示すように、領域情報キューは、「カメラ記憶領域番号」、「記憶媒体番号」、「記憶領域番号」、「使用状況」、「記録情報」、「Prev」および「Next」の7つのフィールドを備えている。このような構造を持った領域情報キューが、複数、DVRのメモリに格納されている。「Prev」および「Next」フィールドは、領域情報キューのチェーン情報を示す。「Prev」フィールドには、1つ前のキューを示すポインタであり、「Next」は、1つ後のキューを示すポインタである。
【0075】
図15で示す例では、IPカメラA1の未使用領域キューには、記憶領域R1〜RMに対応する領域情報キューが登録されている。つまり、IPカメラA1に、記憶領域R1〜RMが割り当てられている。記憶領域R1〜RMには、未だ撮像データが記録されていないので、全ての領域情報キューが未使用領域キューに登録されている。IPカメラA1の使用済み領域キューには、領域情報キューは登録されていない。
【0076】
図16で示す例では、記憶領域R1およびR2が未使用領域キューから削除され、使用済み領域キューに登録されている。記憶領域管理情報105あるいは106の「使用状況」フィールドが“未使用”から“使用済み”に書き換えられることにより、領域情報キューの「使用状況」フィールドも“未使用”から“使用済み”に書き換えられる。この結果、未使用領域キューからの削除と、使用済み領域キューへの登録が行われることとなる。
【0077】
図16において、記憶領域R1内の全領域に撮像データが記録済みであるので、「使用状況」が“記録済”となっている。記憶領域R2については、未だ空き容量が存在するので、「使用状況」が“記録中”となっている。
【0078】
図17は、DVRにおける記録開始時のフローチャートを示す図である。DVRは、撮像データの記録を開始するときに、図17のフローチャートを利用して領域情報キューを利用した記憶領域の管理を行う。
【0079】
まず、使用済み領域キューに記録中の領域情報キューが存在するかどうかを確認する(ステップS11)。記録中の領域情報キューが存在する場合、記録中の記憶領域に撮像データを記録する(ステップS12)。
【0080】
記録中の領域情報キューが存在しない場合、未使用領域キューから未使用の記憶領域を取得する(ステップS13)。取得した記憶領域について、記憶領域管理情報105あるいは106の「使用状況」フィールドを、“記録中”に設定する(ステップS14)。これにより、領域情報キューの「使用状況」フィールドも“記録中”に書き換えられ、使用済み領域キューに登録される(ステップS15)。
【0081】
図18は、DVRにおける上書き記録時のフローチャートである。まず、未使用領域キューから未使用領域の取得を試みる(ステップS21)。未使用領域を取得できた場合、取得した記憶領域について、記憶領域管理情報105あるいは106の「使用状況」を“記録中”に設定する(ステップS22)。これにより、領域情報キューの「使用状況」フィールドも“記録中”に書き換えられ、使用済み領域キューに登録される(ステップS23)。
【0082】
続いて、未使用領域キューに未使用領域が残っているか否かを確認する(ステップS24)。未使用領域が残っていれば処理を終了する。未使用領域が残っていない場合、記録済みの記憶領域が上書き可能に設定されているかどうかを確認する(ステップS25)。上書き可能な場合には、使用済み領域キューから「使用状況」が“使用済み”の記憶領域をキューアウトする(ステップS26)。キューアウトした記憶領域を初期化する(ステップS27)。そして、初期化した記憶領域について、記憶領域管理情報105あるいは106の「使用状況」を“未使用”に書き換え、未使用領域キューに登録する(ステップS28)。このように、未使用領域を使い切った時点で、最も古い使用済み領域を初期化し、次の未使用領域の準備を行う。ステップS25において、上書き不可能に設定されていることを確認した場合には、処理を終了する。この場合には、撮像データを保護するため、使用済み領域を再び未使用領域キューに登録することはない。
【0083】
ステップS21で未使用領域が取得できない場合には、上書き設定が不可になっている状態であるので、記録を停止する(ステップS28)。
【0084】
<6.記憶領域の管理例>
図19は、ハードディスクD1およびD2にIPカメラA1〜A3が割り当てられている状態を示している。ハードディスクD3の記憶領域R1〜RNは、システム空き領域となっている。
【0085】
図20は、図19の状態においてIPカメラA1〜A3に割り当てられた記憶領域を示す図である。IPカメラA1には、ハードディスクD1の記憶領域R1〜RMが割り当てられている。
【0086】
図21は、図19の状態からIPカメラA1に2つの記憶領域を追加した状態を示す図である。ハードディスクD3の記憶領域R1およびR2がIPカメラA1に新たに割り当てられている。
【0087】
図22は、図21の状態においてIPカメラA1〜A3に割り当てられた記憶領域を示す図である。IPカメラA1には、ハードディスクD1の記憶領域R1〜RMおよびハードディスクD3の記憶領域R1およびR2が割り当てられている。
【0088】
図23は、図19の状態からIPカメラA1の2つの記憶領域を削除した状態を示す図である。ハードディスクD1の記憶領域R1およびR2がシステム空き領域に変更されている。
【0089】
図24は、図23の状態においてIPカメラA1〜A3に割り当てられた記憶領域を示す図である。IPカメラA1には、ハードディスクD1の記憶領域R3〜RMが割り当てられている。
【0090】
これら記憶領域の追加や削除は、記憶領域管理情報105あるいは106の登録情報を書き換えることで容易に管理できる。また、各IPカメラに割り当てられている記憶領域が明確に管理されているので、記憶領域単位での撮像データの削除も容易である。
【0091】
ハードディスクに異常が発生した場合、システムで用意されている記憶領域が減少する。本実施の形態においては、次に説明するように、一部のハードディスクに異常が発生した場合であっても、システム空き領域が存在する場合には、記憶領域の再配置を行うことで、システムの信頼性を維持するようにしている。
【0092】
図25は、図19の状態からハードディスクD1に異常が発生した場合を示している。図に示すように、IPカメラA1およびA2には、ハードディスクD3の記憶領域が自動割り当てされている。
【0093】
図26は、図25の状態においてIPカメラA1〜A3に割り当てられた記憶領域を示す図である。IPカメラA1には、ハードディスクD3の記憶領域R1〜RMが割り当てられている。IPカメラA2には、ハードディスクD3の記憶領域R(M+1)〜RNが割り当てられている。
【0094】
異常が発生したハードディスクD1については、未使用領域および使用済み領域ともに、使用不可領域に登録する。これにより、システムで使用可能な記憶領域の容量を的確に判断することが可能である。
【0095】
また、ハードディスクが新たに追加された場合には、そのハードディスクの記憶領域管理情報に基づき、領域情報キューを新たに生成する。初期状態では、全ての記憶領域が、システム空き領域キューに登録される。システムの記憶容量が不足している場合には、直ちに、記憶領域の自動割り当てが行われる。
【0096】
DVRでは、追加あるいは交換されたハードディスクが、必ずしも新品であるとは限らない。他のDVRで使用していたハードディスクが初期化されずに実装される場合もある。このとき、本来保管すべき撮像データが誤って消去されることを防止するために、本実施の形態では次のような仕組みを備えている。
【0097】
再び、図8を参照する。図8の例では、IPカメラA1〜A3に、ハードディスクD1およびD2の記憶領域が割り当てられている。ハードディスクD1およびD2は、DVR−C1に実装されている。
【0098】
一方、図27は、DVR−C2に実装されているハードディスクD3の記憶領域管理情報107を示す図である。ハードディスクD3は、ユーザーU3のIPカメラA2あるいはA3の撮像データが記録されている。このハードディスクD3が、DVR−C2から取り外され、DVR−C1に実装される場合を考える。
【0099】
図28は、図8の状態から、ハードディスクD3が追加された状態を示す。ユーザーU3の店舗1に設置されたIPカメラA2には、ハードディスクD3の記憶領域R1およびR2が割り当てられている。ユーザーU3の店舗2に設置されたIPカメラA3には、ハードディスクD3の記憶領域R3〜RNが割り当てられている。
【0100】
図29は、図28の状態においてIPカメラA1〜A3に割り当てられた記憶領域を示す図である。IPカメラA2には、ハードディスクD1の記憶領域R(M+1)〜RNと、ハードディスクD2の記憶領域R1およびR2と、ハードディスクD3の記憶領域R1およびR2が割り当てられている。ただし、ハードディスクD3の記憶領域R1およびR2は、ReadOnly領域に設定される。図27に示すように、ハードディスクD3の各記憶領域の「DVR−S/N」フィールドには、“DVR−C2”が設定されている。現在実装されているDVR−S/Nと、記憶領域管理情報に登録されているDVR−S/Nが異なる場合には、それら記憶領域をReadOnly領域に設定し、誤って重要な撮像データが消去されないようにしている。撮像データを消去してもよい場合には、オペレータ操作により、ReadOnly領域をシステム空き領域に設定する。
【0101】
IPカメラA3には、ハードディスクD2の記憶領域R3〜RNと、ハードディスクD3の記憶領域R3〜RNが割り当てられている。ただし、ハードディスクD3の記憶領域R3〜RNは、ReadOnly領域に設定される。
【0102】
図30〜図32は、図28あるいは図29の状態における領域情報キューを示す図である。
【0103】
図30は、IPカメラA1に関する領域情報キューを示す。IPカメラA1については、ハードディスクD1の記憶領域R1およびR2が使用済み領域キューに登録されている。記憶領域R3〜RMについては、未使用領域キューに登録されている。
【0104】
図31は、IPカメラA2に関する領域情報キューを示す。IPカメラA2については、ハードディスクD1の記憶領域R(M+1)からハードディスクD2の記憶領域R2までが未使用領域キューに登録されている。ハードディスクD3の記憶領域R1およびR2については、ReadOnly領域キューに登録されている。
【0105】
図32は、IPカメラA3に関する領域情報キューを示す。IPカメラA3については、ハードディスクD2の記憶領域R3〜RNまでが未使用領域キューに登録されている。ハードディスクD3の記憶領域R3〜RNについては、ReadOnly領域キューに登録されている。
【0106】
続いて、ReadOnly領域を初期化する方法について説明する。つまり、図28で示した状態からハードディスクD3を初期化する。ハードディスクD3を初期化することにより、図19に示す状態と同様の状態となる。
【0107】
図33〜図36は、ハードディスクD3を初期化した後の領域情報キューを示す図である。
【0108】
図33は、システム空き領域キューを示す図である。ハードディスクD3が初期化されたことにより、ハードディスクD3の記憶領域R1〜RNが全てシステム空き領域キューに登録されている。
【0109】
図34は、IPカメラA1に関する領域情報キューを示す。IPカメラA1については、ハードディスクD1の記憶領域R1およびR2が使用済み領域キューに登録されている。記憶領域R3〜RMについては、未使用領域キューに登録されている。
【0110】
図35は、IPカメラA2に関する領域情報キューを示す。IPカメラA2については、ハードディスクD1の記憶領域R(M+1)からハードディスクD2の記憶領域R2までが未使用領域キューに登録されている。ハードディスクD3の記憶領域R1およびR2は、ReadOnly領域キューから削除されている。
【0111】
図36は、IPカメラA3に関する領域情報キューを示す。IPカメラA3については、ハードディスクD2の記憶領域R3〜RNまでが未使用領域キューに登録されている。ハードディスクD3の記憶領域R3〜RNについては、ReadOnly領域キューから削除されている。
【0112】
本実施の形態においては、撮像データを記録する順序は、カメラ記憶領域番号T1、T2・・・によって管理されている。各カメラには、複数の記憶領域が割り当てられるが、撮像データの記録順序は、カメラ記憶領域番号T1、T2・・・によって決定される。したがって、たとえば、DVR内でハードディスクを実装するスロット位置を変更した場合であっても、撮像データの記録位置は固定される。ハードディスクの物理的な配置が変更になり、撮像データの物理的な配置が変更された場合であっても、カメラ記憶領域番号にしたがって、撮像データの記録、再生を管理することができる。撮像データの再生順序に一貫性を持たせることができる。
【0113】
DVRの電源がOFFされた後、次回、DVRの電源がONされたときには、カメラ記憶領域番号にしたがって、領域情報キューの順序を決定することができる。これにより、電源OFF前と同じキュー情報の再構築を行うことができる。
【符号の説明】
【0114】
A1〜AN IPカメラ
C1、C2 DVR
D1〜D3 ハードディスク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1〜第M(Mは2以上の整数)のカメラにより撮像された撮像データを記録する記録システムであって、
第1〜第N(Nは2以上の整数)の記憶領域に分割して管理され、撮像データを記録する記憶部と、
前記記憶部の記憶領域を管理する管理部と、
を備え、
前記管理部は、
k番目のカメラに前記第1〜第Nの記憶領域の中から第k1〜第kn(nは2以上の整数)の記憶領域を割り当てる記憶領域割当部と、
k番目のカメラによって撮像された撮像データを、第k1〜第knの記憶領域の中から選択された一の記憶領域に記録し、第k1〜第knの記憶領域の全てにk番目のカメラによって撮像された撮像データが記録された後は、第k1〜第knの記憶領域の中から最も古い撮像データが記録されている記憶領域を選択して撮像データを記録する記録部と、
を含む記録システム。
【請求項2】
第1〜第M(Mは2以上の整数)のカメラで撮像された撮像データを記録する記録システムであって、
第1〜第L(Lは2以上の整数)のL個の記憶部と、
前記L個の記憶部の記憶領域を管理する管理部と、
を備え、
L個の記憶部は、全体で第1〜第N(Nは2以上の整数)の記憶領域に分割して管理されており、
前記管理部は、
k番目のカメラに前記第1〜第Nの記憶領域の中から第k1〜第kn(nは2以上の整数)の記憶領域を割り当てる記憶領域割当部と、
k番目のカメラによって撮像された撮像データを、第k1〜第knの記憶領域の中から選択された一の記憶領域に記録し、第k1〜第knの記憶領域の全てにk番目のカメラによって撮像された撮像データが記録された後は、第k1〜第knの記憶領域の中から最も古い撮像データが記録されている記憶領域を選択して撮像データを記録する記録部と、
を含む記録システム。
【請求項3】
請求項2に記載の記録システムにおいて、
前記管理部は、k番目のカメラに割当てる記憶領域を複数の記憶装置に跨って配置することを特徴とする記録システム。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の記録システムにおいて、
前記記録部と前記管理部とは、異なる端末装置に実装されていることを特徴とする記録システム。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載の記録システムにおいて、
前記記録部と前記管理部とは、1つの端末装置に実装されていることを特徴とする記録システム。
【請求項6】
請求項1または請求項2に記載の記録システムにおいて、
前記管理部は、k番目のカメラに対して、前記k1〜第knの連続する記憶領域を割当てることを特徴とする記録システム。
【請求項7】
請求項1または請求項2に記載の記録システムにおいて、
前記管理部は、M個の連続する記憶領域を、第1〜第Mのカメラの記憶領域として割当てることを特徴とする記録システム。
【請求項8】
請求項1または請求項2に記載の記録システムにおいて、
前記管理部は、
撮像データを記録する記憶領域を領域情報キューにより管理するキュー管理部、
を含み、
前記キュー管理部は、
第k1〜第knの記憶領域のうち、未だk番目のカメラが撮像した撮像データが記録されていない記憶領域に対応する領域情報キューを順序付けて管理する未使用領域キュー管理部、
を有することを特徴とする記録システム。
【請求項9】
請求項8に記載の記録システムにおいて、
前記キュー管理部は、
第k1〜第knの記憶領域のうち、既にk番目のカメラが撮像した撮像データが記録されている記憶領域に対応する領域情報キューを、撮像データが記録された時間順で順序付けて管理する記録済み領域キュー管理部、
を有することを特徴とする記録システム。
【請求項10】
請求項8または請求項9に記載の記録システムにおいて、
前記キュー管理部は、
第k1〜第knの記憶領域のうち、書き込み不可能に設定する記憶領域に対応する領域情報キューを管理する使用不可キュー管理部、
を有することを特徴とする記録システム。
【請求項11】
請求項8ないし請求項10のいずれかに記載の記録システムにおいて、
k番目のカメラに割り当てられた第k1〜第knの記憶領域は、それぞれ1〜nのカメラ記憶領域番号が付与されることにより順序付けされており、前記キュー管理部は、前記カメラ記憶領域番号に基づいて、撮像データを格納する順序を決定することを特徴とする記録システム。
【請求項1】
第1〜第M(Mは2以上の整数)のカメラにより撮像された撮像データを記録する記録システムであって、
第1〜第N(Nは2以上の整数)の記憶領域に分割して管理され、撮像データを記録する記憶部と、
前記記憶部の記憶領域を管理する管理部と、
を備え、
前記管理部は、
k番目のカメラに前記第1〜第Nの記憶領域の中から第k1〜第kn(nは2以上の整数)の記憶領域を割り当てる記憶領域割当部と、
k番目のカメラによって撮像された撮像データを、第k1〜第knの記憶領域の中から選択された一の記憶領域に記録し、第k1〜第knの記憶領域の全てにk番目のカメラによって撮像された撮像データが記録された後は、第k1〜第knの記憶領域の中から最も古い撮像データが記録されている記憶領域を選択して撮像データを記録する記録部と、
を含む記録システム。
【請求項2】
第1〜第M(Mは2以上の整数)のカメラで撮像された撮像データを記録する記録システムであって、
第1〜第L(Lは2以上の整数)のL個の記憶部と、
前記L個の記憶部の記憶領域を管理する管理部と、
を備え、
L個の記憶部は、全体で第1〜第N(Nは2以上の整数)の記憶領域に分割して管理されており、
前記管理部は、
k番目のカメラに前記第1〜第Nの記憶領域の中から第k1〜第kn(nは2以上の整数)の記憶領域を割り当てる記憶領域割当部と、
k番目のカメラによって撮像された撮像データを、第k1〜第knの記憶領域の中から選択された一の記憶領域に記録し、第k1〜第knの記憶領域の全てにk番目のカメラによって撮像された撮像データが記録された後は、第k1〜第knの記憶領域の中から最も古い撮像データが記録されている記憶領域を選択して撮像データを記録する記録部と、
を含む記録システム。
【請求項3】
請求項2に記載の記録システムにおいて、
前記管理部は、k番目のカメラに割当てる記憶領域を複数の記憶装置に跨って配置することを特徴とする記録システム。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の記録システムにおいて、
前記記録部と前記管理部とは、異なる端末装置に実装されていることを特徴とする記録システム。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載の記録システムにおいて、
前記記録部と前記管理部とは、1つの端末装置に実装されていることを特徴とする記録システム。
【請求項6】
請求項1または請求項2に記載の記録システムにおいて、
前記管理部は、k番目のカメラに対して、前記k1〜第knの連続する記憶領域を割当てることを特徴とする記録システム。
【請求項7】
請求項1または請求項2に記載の記録システムにおいて、
前記管理部は、M個の連続する記憶領域を、第1〜第Mのカメラの記憶領域として割当てることを特徴とする記録システム。
【請求項8】
請求項1または請求項2に記載の記録システムにおいて、
前記管理部は、
撮像データを記録する記憶領域を領域情報キューにより管理するキュー管理部、
を含み、
前記キュー管理部は、
第k1〜第knの記憶領域のうち、未だk番目のカメラが撮像した撮像データが記録されていない記憶領域に対応する領域情報キューを順序付けて管理する未使用領域キュー管理部、
を有することを特徴とする記録システム。
【請求項9】
請求項8に記載の記録システムにおいて、
前記キュー管理部は、
第k1〜第knの記憶領域のうち、既にk番目のカメラが撮像した撮像データが記録されている記憶領域に対応する領域情報キューを、撮像データが記録された時間順で順序付けて管理する記録済み領域キュー管理部、
を有することを特徴とする記録システム。
【請求項10】
請求項8または請求項9に記載の記録システムにおいて、
前記キュー管理部は、
第k1〜第knの記憶領域のうち、書き込み不可能に設定する記憶領域に対応する領域情報キューを管理する使用不可キュー管理部、
を有することを特徴とする記録システム。
【請求項11】
請求項8ないし請求項10のいずれかに記載の記録システムにおいて、
k番目のカメラに割り当てられた第k1〜第knの記憶領域は、それぞれ1〜nのカメラ記憶領域番号が付与されることにより順序付けされており、前記キュー管理部は、前記カメラ記憶領域番号に基づいて、撮像データを格納する順序を決定することを特徴とする記録システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【公開番号】特開2011−114791(P2011−114791A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−271727(P2009−271727)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(591128453)株式会社メガチップス (322)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(591128453)株式会社メガチップス (322)
【Fターム(参考)】
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