説明

記録再生装置及び方法

【課題】ユーザが目的のチャプタやシーンを素早く、かつ容易に見つけ出すことができる記録再生装置及び方法を提案する。
【解決手段】撮影により得られたシーンの映像情報を所定の第1の記録媒体に記録再生すると共に、シーンごとに1又は複数のチャプタを設定可能な記録再生装置及び当該記録再生装置における記録再生方法において、映像情報に基づく撮影映像に対して顔認識処理を実行し、重要人物に対する顔認識処理の処理結果に基づいてチャプタごとの重要度を設定し、チャプタごとの重要度に基づいて、対応する重要度のチャプタを選択的に再生するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録再生装置及び方法に関し、例えばビデオカメラに適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
近年、DVD(Digital Versatile Disc)、半導体メモリ及び又はハードディスク装置(HDD:Hard Disc Drive)などのランダムアクセスが可能な記録媒体に対応した記録再生装置が普及しつつある。このような記録再生装置では、記録媒体に記録した撮影映像の頭出しを容易かつ迅速に行うことができる。
【0003】
この種の記録再生装置のうち、例えば汎用のビデオカメラでは、通常、撮影映像の映像情報をシーン単位で管理しており、かかるシーンごとの管理情報を用いて各シーンの頭出しを行うことができるようになされている。また、この種のビデオカメラでは、1つのシーン内に複数のチャプタを設定でき、これらチャプタごとの頭出しを行うこともできる。
【0004】
ここでシーンとは、ユーザが記録ボタンを押下して撮影を開始してからもう一度記録ボタンを押下して撮影を終えるまでに記録された一連の映像をいう。記録ボタンを押下して撮影を行うたびに、シーン数は増加する。またチャプタとは、1つのシーン内における映像の区切りのことをいう。
【0005】
従って、かかるビデオカメラでは、各チャプタの頭出しを順次行いながら記録媒体に記録された映像情報を再生することによって、ユーザが素早くシーンの内容を把握することができる。
【0006】
しかしながら、かかるビデオカメラにおいては、シーン内に設定されたチャプタの数が多い場合、シーンの最後まで内容を確認するためには、ユーザはシーン内に設定したチャプタ数だけチャプタごとの頭出し操作をしなければならず、その分の労力及び時間を要する問題があった。
【0007】
なお、特許文献1には、撮影時のボタン操作の種類からフレームの優先度を算出し、再生を行う際に優先度の高いフレームを再生して効率良くシーンの内容を把握するための技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平6−165009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
近年、ビデオカメラの記録媒体が大容量化し、一度に長時間の撮影を行ったり、複数回に分けて撮影したシーンをまとめて記録媒体に保存したりできるようになった。そのため、ユーザが記録媒体に記録された膨大なシーンから目的のシーンを素早く見つけることが困難になってきた。
【0010】
従来の記録再生装置の中には、シーンごとのサムネイル画像を一覧表示する機能が搭載されたものもあるが、かかる機能では1つのシーンに対して1つのサムネイル画像しか対応させることができず、ユーザが1つのサムネイル画像から長時間のシーンの全容を思い出すことが困難な場合もあった。また、撮影から長時間経過した場合、シーンに対応付けられた1つのサムネイル画像からだけではシーンの全容をユーザが思い出すことは困難であった。
【0011】
さらに、通常、サムネイル画像を見てもシーンの内容が把握できない場合、ユーザはシーンを再生してシーンの内容を確認する。そのため、長時間のシーンの内容を確認する場合は、チャプタの頭出しを行いながら素早くシーン全体の内容を確認できる機能が必要となるが、現在はそのような機能は提案されていない。
【0012】
上記特許文献1には、撮影時のボタン操作の種類からフレームの優先度を算出し、シーンの内容を把握するためのダイジェスト再生を行う際に優先度の高いフレームを再生する技術が開示されているものの、この技術によると、ユーザがボタン操作を行わずに撮影したシーンに対して優先度を設定することができず、使い勝手が良いとはいえない。
【0013】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、ユーザが目的のチャプタやシーンを素早く、かつ容易に見つけ出すことができる記録再生装置及び方法を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
かかる課題を解決するため本発明においては、記録媒体に対し情報を記録再生する記録再生装置において、映像情報を記録媒体に記録する記録部と、前記記録部により前記記録媒体に記録された映像情報を再生する再生部と、前記映像情報に対して顔認識処理を実行する顔認識実行部と、予めユーザにより登録された人物の顔画像の一覧表示画面を出力する出力部と、前記出力部から出力された前記一覧表示画面の前記顔画像の中からユーザにより選択された前記顔画像に対応する人物を特定人物として設定する特定人物設定部と、前記顔認識実行部の前記顔認識処理に基づいて、前記特定人物設定部により設定された特定人物が含まれる映像情報を前記記録媒体から選択的に再生するように前記再生部を制御する制御部とを備えることを特徴とする。
【0015】
この結果、本発明による記録再生装置では、例えば重要人物が多く登場するチャプタといった、ユーザの設定に応じた特定のチャプタを選択的に再生させることができる。
【0016】
また本発明においては、記録媒体に対し情報を記録再生する記録再生方法において、映像情報に対して顔認識処理を実行する第1のステップと、予めユーザにより登録された人物の顔画像の一覧表示画面を出力する第2のステップと、前記第2のステップで出力された前記一覧表示画面の前記顔画像の中からユーザにより選択された前記顔画像に対応する人物を特定人物として設定する第3のステップと、前記第1のステップの前記顔認識処理に基づいて、前記第3のステップで設定した特定人物が含まれる映像情報を記録媒体から選択的に再生する第4のステップとを備えることを特徴とする。
【0017】
この結果、本発明による記録再生方法によれば、例えば重要人物が多く登場するチャプタといった、ユーザの設定に応じた特定のチャプタを選択的に再生させることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ユーザが目的のチャプタやシーンを素早く、かつ容易に見つけ出すことができる記録再生装置及び方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1及び第2の実施の形態によるビデオカメラの構成を示すブロック図である。
【図2】チャプタ管理情報の一例を示す概念図である。
【図3】顔認識管理情報の一例を示す図概念図である。
【図4】顔認識を有効にした場合の撮影映像の一例を示す概念図である。
【図5】撮影映像記録処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】チャプタ重要度設定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】重要人物決定画面の画面構成例を示す略線図である。
【図8】重要度決定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】対象シーンにおけるチャプタ構成及び各チャプタにそれぞれ設定されたチャプタ重要度の一例を示す図表である。
【図10】チャプタ選択再生処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】チャプタ一覧画面の画面構成例を示す略線図である。
【図12】シーン一覧画面の画面構成例を示す略線図である。
【図13】重要人物設定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図14】撮影前重要人物設定画面の画面構成例を示す略線図である。
【図15】重要人物撮影画面の画面構成例を示す略線図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0021】
(1)第1の実施の形態
(1−1)記録再生装置の構成
図1において、1は全体として本実施の形態によるビデオカメラを示す。このビデオカメラ1は、図示しないDVDドライブと内蔵型のハードディスク装置2とを備えたハイブリッドビデオカメラである。DVDドライブに装着されるDVD3には、DVD−R、DVD−RW、DVD−RAM、DVD+R、DVD+RW及びHD(High Definition)−DVDのように複数の種類が存在するが、本ビデオカメラ1に適用可能なDVD3の種類は、特に限定されない。
【0022】
ビデオカメラ1においては、各種操作ボタンや後述する表示部6の表示面に貼着されたタッチパネルなどからユーザインタフェース部4が構成される。そしてこのユーザインタフェース部4を介して入力されたユーザの操作指令に応じてシステム制御部5が対応する制御処理を実行することにより、ハードディスク装置2や、DVDドライブに装着されたDVD3に撮影映像を記録したり、ハードディスク装置2やDVD3に記録された撮影映像を再生して表示部6に表示させることができるようになされている。
【0023】
実際上、システム制御部5は、CPU(Central Processing Unit)及び内部メモリ等を備えるマイクロコンピュータとして構成される。そしてシステム制御部5は、ユーザインタフェース部4が操作されて記録モードが選択された後、ユーザインタフェース部4内の記録ボタンが押下されると、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などから構成されるイメージセンサ7を駆動する。
【0024】
このときイメージセンサ7の受光面には、レンズ8により被写体の光学像が集光される。かくしてイメージセンサ7は、この光学像を光電変換し、得られた撮影映像信号をアナログ/ディジタル変換部9に送出する。またアナログ/ディジタル変換部9は、供給される撮影映像信号をアナログ/ディジタル変換処理し、得られた映像情報をCODEC(Compressor/Decompressor)部10に送出する。
【0025】
CODEC部10は、供給される映像情報をそのままバス11を介して表示部6に転送する。表示部6は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどから構成され、供給される映像情報に基づく撮影映像(スルー映像)を表示する。
【0026】
またCODEC部10は、供給される映像情報に対してMPEG(Moving Picture Expert Group)方式などの所定の圧縮符号化方式で符号化処理を施し、得られた符号化映像情報と、当該符号化処理を施していない映像情報とをバス11を介してRAM(Random Access Memory)12に格納する。
【0027】
そしてRAM12に格納された符号化映像情報は、この後、システム制御部5の制御のもとに、ハードディスク装置制御部13又はDVDドライブ制御部14によりRAM12から読み出されてハードディスク装置2又はDVD3に記録される。
【0028】
またRAM12に格納された映像情報は、顔認識実行部15により読み出される。そして顔認識実行部15は、この映像情報に基づく撮影映像に対して所定の顔認識処理を行い、その認識結果を後述の顔認識管理情報としてそのとき符号化映像情報が格納されたハードディスク装置制御部2又はDVDドライブ制御部14に与える。かくしてこの顔認識管理情報がかかる符号化映像情報と対応付けられてハードディスク装置2又はDVD3に記録される。
【0029】
一方、システム制御部5は、ユーザインタフェース部4が操作されて再生モードが選択された後、ユーザインタフェース部4内の再生ボタンが押下されると、対応するハードディスク装置制御部13又はDVDドライブ制御部14を制御することにより、ハードディスク装置2又はDVD3から符号化映像情報を読み出させ、これをバス11を介してCODEC部10に送信させる。
【0030】
CODEC部10は、システム制御部5の制御のもとに、ハードディスク装置制御部13又はDVDドライブ制御部14から供給される符号化映像情報に対して所定の復号処理を施し、得られた再生映像情報をバス11を介して表示部6に送信する。かくしてこの再生映像情報に基づく再生映像が表示部6に表示される。
【0031】
なおバス11には画像サイズ変換部16も接続されている。そして画像サイズ変換部16は、例えば撮影動作中などに、システム制御部5の制御のもとに、RAM12に格納された映像情報や、ハードディスク装置2又はDVD3から読み出されてCODEC部10において復号された映像情報の中から各シーンの先頭フレームの映像情報や、各チャプタの先頭フレームの映像情報を抽出する。そして画像サイズ変換部16は、これら抽出した映像情報をそれぞれ所定サイズのサムネイル画像の画像情報に変換し、かくして得られたシーンの先頭フレームや、各チャプタの先頭フレームのサムネイル画像の画像情報をそのシーンと対応付けて、当該シーンの符号化映像情報が格納されたハードディスク装置2又はDVD3に格納する。
【0032】
またビデオカメラ1には、電源投入中や、充電中、ハードディスク装置2又はDVD3へのアクセス時などに点灯するLED(Light Emitting Diode)や各回路等に電源電力を供給するバッテリなどの他の一般的なビデオカメラのハードウェアや機能がすべて搭載されているものとする。
【0033】
さらに以下においては、撮影中はハードディスク装置2に撮影映像を記録し、撮影後にこの撮影映像をDVD3にダビングするという使用方法を想定して説明するが、撮影中はDVD3に撮影映像を記録し、撮影後にこの撮影映像をハードディスク装置2にダビングするという使用方法でも構わない。
【0034】
(1−2)シーン管理情報
本ビデオカメラ1の場合、ハードディスク装置2には、撮影の際に符号化映像情報と併せてシーン毎の管理情報(以下、これをシーン管理情報と呼ぶ)も記録される。このシーン管理情報は、チャプタ管理情報や顔認識管理情報など、シーンを管理するための情報から構成される。チャプタ管理情報には、チャプタごとの先頭フレームの位置、長さ、重要度及び概要などの情報が含まれる。また顔認識管理情報には、撮影中に顔認識実行部が認識した顔が登場するフレームの位置や、そのフレームにおけるその顔の表情及びそのフレームにおけるその顔の大きさなどの情報が含まれる。
【0035】
図2に、チャプタ管理情報の一例を示す。この図2に示すチャプタ管理情報20は、そのシーン内に設定されたチャプタごとのチャプタID情報21、開始フレーム位置情報22及びチャプタ重要度情報23から構成される。
【0036】
チャプタID情報21は、各チャプタにそれぞれ付与された固有のID(以下、これをチャプタIDと呼ぶ)を表す情報であり、開始フレーム位置情報22は、対応するチャプタの開始フレームの位置(時、分、秒及びフレーム番号)を表す情報である。またチャプタ重要度情報23は、対応するチャプタに設定された重要度(以下、これをチャプタ重要度と呼ぶ)を表す情報である。チャプタ重要度の詳細については、後述する。このチャプタ管理情報20は、システム制御部5により、そのシーンの符号化映像情報と対応付けてハードディスク装置2に格納される。
【0037】
また図3に、顔認識管理情報の一例を示す。この図3に示す顔認識管理情報24は、対応するシーン内で認識された顔ごとの顔ID情報25、パス/ファイル名情報26及びフレーム位置情報27から構成される。
【0038】
顔ID情報25は、顔認識実行部15により認識された個々の顔にそれぞれ付与された固有のID(以下、これを顔IDと呼ぶ)を表す情報であり、パス/ファイル名情報26は、対応する顔の画像(以下、これを顔画像と呼ぶ)の画像ファイルへのパス又はその画像ファイルのファイル名を表す情報である。かかる画像ファイルに格納される顔画像は、フレーム内で初めてその人物を認識した際にキャプチャした画像でも良いし、顔認識処理の際に笑顔などの良い表情を識別しておき、シーン内でその人物の一番良い表情をキャプチャした画像でも良い。
【0039】
またフレーム位置情報27は、対応する顔を認識したフレーム位置(時、分、秒及びフレーム番号)を表す情報である。このフレーム位置情報27は、対応する顔が登場したすべてのフレーム位置を含む。従って、そのシーンの中で登場する回数の多い顔(人物)ほどフレーム位置情報27に含まれるフレーム位置の数が多くなる。なお、かかる各フレーム位置とそれぞれ対応させて、そのフレームにおけるその顔の表情の種類も記録しておくようにしても良い。
【0040】
この顔認識管理情報24は、上述のように顔認識実行部15により、そのとき記録している撮影映像の符号化映像情報と対応付けてハードディスク装置2に格納される。
【0041】
(1−3)チャプタ重要度の設定方法
図4は、顔認識機能を「有効」に設定して撮影を行うときに表示部6に表示される撮影映像の一例を示す。本ビデオカメラ1においては、顔認識機能を「有効」に設定した場合、表示部6に表示される撮影映像30内に、顔認識機能により検出された人間の顔を囲むように四角形状の枠31が表示される。なお、顔認識機能を「無効」に設定した場合には、この枠31は表示されない。
【0042】
図5は、顔認識機能を「有効」に設定して撮影を行った場合における、撮影映像をハードディスク装置2に記録する処理(以下、これを撮影映像記録処理と呼ぶ)に関するシステム制御部5の処理内容を示している。システム制御部5は、この図5に示す撮影映像記録処理を、内部メモリに格納された対応する制御プログラムに基づいて実行する。
【0043】
すなわちシステム制御部5は、記録モードが選択された後、ユーザインタフェース部4の記録ボタンが押下されると、この撮影映像記録処理を開始し、まず、アナログ/ディジタル変換器9及びCODEC部10をそれぞれ制御することにより、撮影映像の映像情報及びこれを符号化した符号化映像情報をRAM12に格納させると共に、ハードディスク装置制御部13を制御することにより、1フレーム分の符号化映像情報をRAM12から読み出させ、これをハードディスク装置2に記録させる(SP1)。
【0044】
続いてシステム制御部5は、顔認識実行部15を制御することにより、ステップSP1においてハードディスク装置制御部13によりRAM12から符号化映像情報が読み出されたフレームと同じフレームの映像情報をRAM12から読み出させ、当該映像情報に基づく撮影映像に対する顔認識処理を実行させる(SP2)。
【0045】
この際、顔認識実行部15は、例えば平均顔を用いたテンプレートマッチングなどの手法により顔認識処理を実行する。ただし、ユーザが撮影前にあらかじめ重要人物が登録された重要人物リストを作成していた場合は、当該重要人物リストを使ったテンプレートマッチングにより顔認識処理を行うようにしても良い。そして顔認識実行部15は、この顔認識処理が終了すると、当該顔認識処理の処理結果を図3について上述した顔認識管理情報に反映(顔認識管理情報を更新)する。
【0046】
次いでシステム制御部5は、撮影により得られたすべてのフレームの符号化映像情報をハードディスク装置2に記録し終えたか否かを判断する(SP3)。そしてシステム制御部5は、この判断において否定結果を得ると、ステップSP1に戻り、この後同様の処理を繰り返す(SP1〜SP3−SP1)。
【0047】
そしてシステム制御部5は、やがて撮影により得られたすべてのフレームの符号化映像情報をハードディスク装置2に記録し終えることによりステップSP3において肯定結果を得ると、この撮影映像記録処理を終了する。
【0048】
なお、この撮影映像記録処理のステップSP2における顔認識処理は、上述のようにフレームごとに行うようにしても、また数フレームに1回の割合で行うようにしても良い。数フレームに一回の割合で行うようにすることによって、顔認識実行部15の処理負荷を軽減することができる。
【0049】
また顔認識機能を「無効」に設定して撮影を行った場合においても、撮影後にメニュー操作などによって記録済みのシーンに対して顔認識処理を行える機能(以下、これを撮影後顔認識機能と呼ぶ)ようにするようにしても良く、このようにしても図3と同様の顔認識管理情報を作成することができる。この撮影後顔認識機能により、顔認識機能が無い他のビデオカメラで撮影したシーンに対しても、後述のような顔認識機能を用いたチャプタ重要度の設定を行うことができるため、ユーザにとって非常に便利である。
【0050】
次に、上述のようにして得られた顔認識処理の処理結果(顔認識管理情報24(図3))に基づいて1つのシーン内の各チャプタにチャプタ重要度をそれぞれ決定する方法について説明する。
【0051】
なお、以下においては、1つのシーン内に少なくとも1つのチャプタが設定されているものとする。チャプタの作成には、ユーザが手動でチャプタの位置を決めて作成する方法や、シーン内の輝度変化の大きいところに自動的にチャプタを作成する方法、及び自動的に数分から数十分ごとに等間隔にチャプタを作成する方法などがあるが、本実施の形態ではチャプタがどのような方法により設定されていても構わない。
【0052】
図6は、1つのシーン内の各チャプタにチャプタ重要度をそれぞれ設定するチャプタ重要度設定機能に関するシステム制御部5の処理内容を示している。システム制御部5は、ユーザインタフェース部4が操作されて第1の画面表示要求が入力されると、図示しない内部メモリに格納された対応する制御プログラムに従ってこの図6に示すチャプタ重要度設定処理を実行する。
【0053】
すなわちシステム制御部5は、かかる第1の画面表示要求が与えられると、まず、ハードディスク装置2に格納された、そのとき対象としているシーン(以下、これを対象シーンと呼ぶ)のチャプタ管理情報20(図2)及び顔認識管理情報24(図3)を読み出し、これらチャプタ管理情報20及び顔認識管理情報24を用いて図7に示す重要人物決定画面40を表示部6に表示させる(SP10)。
【0054】
この重要人物決定画面40は、対象シーン内の重要人物をユーザが決定するための画面である。この重要人物決定画面40には、対象シーンの撮影時に顔認識が成功したすべての人物の顔画像41が表示される。個々の顔画像41は、図3について上述した顔認識管理情報24に含まれる対応するパス/ファイル名情報26(図3)により特定される画像ファイルから読み出された画像データに基づいて表示されたものである。
【0055】
そしてユーザは、この重要人物決定画面40に表示された各人物の顔画像41に基づいて、これらの人物の中から重要人物とすべき人物を選択することができる。重要人物として、複数の人物を選択することも可能である。また、家族などの被写体となる頻度が高い人物の顔を予め重要人物リストとしてビデオカメラ1に登録しておき、重要人物決定画面40では登録された人物の顔のみを表示するようにしても良い。このようにすることによって、背景に写り込んだ被写体とは関係の無い人物の顔を表示しなくなるため、ユーザが重要人物の決定を行い易くなる。
【0056】
そしてユーザは、重要人物として設定したい人物の顔画像41を所定操作により選択した後に、「決定」ボタン42を押下するようにする。この結果、このとき選択された人物が重要人物として登録される。なお、チャプタ重要度を決定する操作を中止したい場合は、「キャンセル」ボタン43を押下すれば良い。また、かかる重要人物リストを常に使用するか否かをユーザが設定できるようにすることで、ビデオカメラ1の使い勝手を向上させることができる。
【0057】
続いてシステム制御部5は、かかる重要人物決定画面40を用いて重要人物が決定されるのを待ち受け(SP11)、やがてユーザにより重要人物が決定されると、当該決定結果に基づいて対象シーン内の各チャプタのチャプタ重要度をそれぞれ決定する(SP12)。
【0058】
そしてシステム制御部5は、ステップSP11において決定したチャプタごとのチャプタ重要度を図2について上述したチャプタ管理情報20に反映させ(SP13)、この後、このチャプタ重要度設定処理を終了する。
【0059】
図8は、かかるチャプタ重要度設定処理のステップSP12におけるシステム制御部5の具体的な処理内容を示している。
【0060】
システム制御部5は、チャプタ重要度設定処理のステップSP12に進むと、この重要度決定処理を開始し、まず、上述の重要人物決定画面40(図7)を用いてユーザが決定した重要人物の登場回数を対象シーンのチャプタごとにカウントする(SP14)。
【0061】
具体的にシステム制御部5は、システム内部にシーン内に存在するチャプタの数だけカウンタを内部メモリ上に用意する。そしてシステム制御部5は、重要人物決定画面40を用いてユーザが決定した重要人物の顔IDから、その重要人物が登場するすべてのフレームのフレーム位置を顔認識管理情報24(図3)から読み出し、これらのフレームがどのチャプタに属するかを、チャプタ管理情報20(図2)を参照してかかるフレームごとに判定する。そしてシステム制御部5は、この判定結果に基づいて、かかる重要人物が登場するフレームごとに、そのフレームが属するチャプタと対応付けられたカウンタのカウント値を1ずつカウントアップする。システム制御部5は、重要人物決定画面40を用いてユーザが決定したすべての重要人物についてこの処理を行う。
【0062】
続いてシステム制御部5は、各カウンタのカウント値を1から5の範囲に正規化し(SP15)、かかる正規化により得られた数値を6から減算した値を、それぞれそのカウンタに対応するチャプタのチャプタ重要度として決定する(SP16)。
【0063】
以上の処理により、重要人物が最も多く登場するチャプタには最も高いチャプタ重要度である「1」が設定され、重要人物の登場が最も少ないチャプタには最も低いチャプタ重要度である「5」が設定される。そしてシステム制御部5は、この後、この重要度決定処理を終了して、チャプタ重要度設定処理に戻る。
【0064】
なお、重要人物決定画面40上でユーザが重要人物を複数人選択した場合には、チャプタ重要度の重み付けをするなどして、より重視したい人物を設定できるようにすればさらにビデオカメラ1の使い勝手が向上する。
【0065】
(1−4)チャプタ重要度を使った再生方法
次に、上述のようにして設定されたチャプタごとのチャプタ重要度に基づく対象シーンの再生方法について説明する。なお、以下の説明においては、チャプタ重要度は5段階で設定され、「1」が最もチャプタ重要度が高く、「5」が最もチャプタ重要度が低いものとする。また以下においては、便宜上、チャプタ重要度が「1」を特急、チャプタ重要度が「3」を急行、チャプタ重要度が「5」を鈍行と呼んで区別する。
【0066】
図9は、対象シーンにおけるチャプタ構成及び各チャプタにそれぞれ設定されたチャプタ重要度の一例を示す。この図9の場合、対象シーンは、それぞれチャプタIDが「001」〜「009」である9個のチャプタに分けられている。そしてチャプタIDが「002」及び「005」である2つのチャプタについてはチャプタ重要度が「1」にそれぞれ設定され、チャプタIDが「004」及び「009」である2つのチャプタについてはチャプタ重要度が「3」にそれぞれ設定され、残りのチャプタ(チャプタIDが「001」、「003」、「006」〜「008」のチャプタ)についてはチャプタ重要度がそれぞれ「5」に設定されている。
【0067】
ところで本ビデオカメラ1の場合、このような状況下において、再生モードとしてメニューから「鈍行再生モード」を選択してから再生を行うと、各チャプタにそれぞれ設定されたチャプタ重要度に関わらず、すべてのチャプタがチャプタIDの小さいものから順番に順次再生される。つまり「鈍行再生モード」では、チャプタ重要度が「5」以下のチャプタ(チャプタ重要度が「1」〜「5」のチャプタであり、本実施の形態においてはすべてのチャプタ)が再生される。
【0068】
これに対して、ユーザが再生モードとして「急行再生モード」を選択してからシーン再生を開始すると、ビデオカメラ1は、まずチャプタ重要度が「1」に設定されたチャプタIDが「002」のチャプタを再生し、次にチャプタ重要度が「3」に設定されたチャプタIDが「004」のチャプタを再生し、次にチャプタ重要度が「1」に設定されたチャプタIDが「005」のチャプタを再生する。その後、ビデオカメラ1は、チャプタIDが「009」のチャプタを再生し、当該チャプタの再生が完了するとシーン再生を終了する。つまり「急行再生モード」では、チャプタ重要度が「3」以下のチャプタ(チャプタ重要度が「1」〜「3」のチャプタ)のみが再生される。従って、この「急行再生モード」で再生中に頭出しスキップを行えば、チャプタ重要度が「3」以下の次のチャプタの先頭から再生が開始される。
【0069】
一方、ユーザが再生モードとして「特急再生モード」を選択してからシーン再生を開始すると、ビデオカメラ1は、まずチャプタ重要度が「1」に設定されたチャプタIDが「002」のチャプタから再生が開始し、次にチャプタIDが「005」のチャプタを再生した後にシーン再生を終了する。つまり「特急再生モード」では、チャプタ重要度が「1」以下のチャプタ(チャプタ重要度が「1」のチャプタ)が再生される。
【0070】
従って、本ビデオカメラ1では、チャプタ重要度が「1」に設定されたチャプタはどの再生モードが選択されても必ず再生され、その他のチャプタは、そのチャプタに設定されたチャプタ重要度と同じ又はそれよりも小さいチャプタ重要度のチャプタを再生する再生モードが選択されたときにしか再生されない。
【0071】
この機能(以下、これをチャプタ選択再生機能と呼ぶ)を用いて、対象シーンの大まかな内容の確認を特急モード再生で行い、より詳細に内容を確認したい映像部分に近づいた段階で鈍行再生モードに切り替えることによって、効率良く対象シーンの内容を確認することができるため便利である。また、特急モード再生は、より短時間でシーンの内容を把握したいユーザにとって非常に使い勝手が良い。
【0072】
図10は、このようなチャプタ選択再生機能に関するシステム制御部5の具体的な処理内容を示している。システム制御部5は、内部メモリに格納された制御プログラムに基づいて、この図10に示すチャプタ選択再生処理を実行する。
【0073】
すなわちシステム制御部5は、再生モードとして「鈍行再生モード」、「急行再生モード」又は「特急再生モード」が選択されて再生動作の開始命令が入力されると、このチャプタ選択再生処理を開始し、まず、対応するハードディスク装置2又はDVD3から対象シーンのチャプタ管理情報を読み出す(SP20)。
【0074】
続いてシステム制御部5は、かかるチャプタ管理情報に含まれるチャプタID情報に基づいて、最初のチャプタ(例えばチャプタIDが最も小さいチャプタ)を選択(SP21)し、そのチャプタのチャプタ重要度が、そのとき設定された再生モードに応じて予め定められた閾値以下であるか否かを判断する(SP22)。かかる閾値の値は、再生モードとして「鈍行再生モード」が設定されているときには「5」、再生モードとして「急行再生モード」が設定されているときには「3」、再生モードとして「特急再生モード」が設定されているときには「1」である。
【0075】
そしてシステム制御部5は、かかるステップSP22の判断において否定結果を得るとステップSP24に進み、これに対して肯定結果を得ると、CODEC部10を制御することにより、そのチャプタを再生させてその再生映像を表示部に表示させる(SP23)。
【0076】
次いでシステム制御部5は、チャプタ管理情報を参照して、ステップSP21において選択したチャプタの次のチャプタが存在するか否かを判断する(SP24)。そしてシステム制御部5は、この判断において肯定結果を得るとステップSP21に戻り、この後、ステップSP21において選択するチャプタを順次次のチャプタに切り換えながら、同様の処理を繰り返す(SP21〜SP24−SP21)。
【0077】
そしてシステム制御部5は、やがてすべてのチャプタについてステップSP21〜ステップSP24の処理を終えることによりステップSP24において否定結果を得ると、このチャプタ選択再生処理を終了する。
【0078】
次に、シーン内のチャプタごとに設定されたチャプタ重要度をユーザが容易に確認するための手段について説明する。
【0079】
図11は、ユーザがメニュー操作によって表示部6に表示させることができるチャプタ一覧画面50を示す。このチャプタ一覧画面50では、対象シーン内の各チャプタにそれぞれ設定されたサムネイル画像51と、各チャプタのシーン先頭からの経過時間及びチャプタ重要度などのそのチャプタの管理情報52とが表示される。
【0080】
実際上、システム制御部5は、ユーザインタフェース部4が操作されてかかるチャプタ一覧画面50の表示命令が入力された場合、対応するハードディスク装置制御部13又はDVDドライブ制御部14を制御することにより、対象シーンのチャプタ管理情報20(図2)と、対象シーンと対応付けて格納された各チャプタの先頭フレームのサムネイル画像51の画像情報とをハードディスク装置2又はDVD3から読み出す。そしてシステム制御部5は、かかる画像情報に基づく各チャプタの先頭フレームのサムネイル画像51をチャプタ一覧画面50上に表示させる一方、これらサムネイル画像51とそれぞれ対応させて、チャプタ管理情報20に基づく各チャプタの管理情報52をチャプタ一覧画面50上に表示させる。
【0081】
これにより、ユーザはこのチャプタ一覧画面50に基づいてチャプタ重要度の高いチャプタを知ることができるため、素早く重要な部分を探し出すことができる。
【0082】
次に、チャプタ重要度が設定されているシーンをユーザが容易に確認するための手段について説明する。
【0083】
図12は、ユーザがメニュー操作によって表示部に表示させることができるシーン一覧画面53を示す。このシーン一覧画面53では、ハードディスク装置2やDVD3に記録された各シーンのサムネイル画像54が表示される。
【0084】
実際上、システム制御部5は、ユーザインタフェース部4が操作されてかかるシーン一覧画面53の表示命令が入力された場合、ハードディスク装置制御部13又はDVDドライブ制御部14を制御することにより、ユーザにより指定されたハードディスク装置2又はDVD3に格納されたすべてのシーンについて、当該シーンの先頭フレームのサムネイル画像54の画像情報をハードディスク装置2又はDVD3から読み出す。そしてシステム制御部5は、かかる画像情報に基づく各シーンの先頭フレームのサムネイル画像54をシーン一覧画面53上に表示させる。
【0085】
この際、システム制御部5は、各シーンのチャプタ管理情報20(図2)を参照して、チャプタ重要度が設定されているシーンについては、そのシーンのサムネイル画像54上に所定形状のアイコン55を表示する。
【0086】
これにより、例えば再生しようとするシーンにチャプタ重要度が設定されているか否かをアイコン55の有無によってユーザが判断できるため、アイコン55が表示されたシーンについては直ちに上述のようなチャプタ重要度を使った再生方法での再生操作を行うことによって、そのシーンの内容を効率良く確認することができる。またアイコンが表示されていないシーンについては、再生操作の前にチャプタ重要度を設定する操作を行うことによって、上述のような再生方法による再生を行うことができる。
【0087】
(1−5)シーンのダビング時の処理
次に、ハードディスク装置2に記録されている符号化映像情報をDVD3にダビングする際の処理について説明する。
【0088】
本ビデオカメラ1の場合、システム制御部5は、チャプタ重要度が設定されているシーンをハードディスク装置2からDVD3にダビングする際には、該当シーンの符号化映像情報及びシーン管理情報(チャプタ管理情報20(図2)及び顔認識管理情報24(図3))だけでなく、シーン管理情報に含まれる顔認識管理情報24に登録された顔の顔画像の画像ファイルもDVD3にコピーする。これにより、ハードディスク装置2内の符号化映像情報を消去した後でも、DVD3を使用してチャプタ重要度を用いた再生やチャプタ重要度の再設定をすぐに行うことができる。
【0089】
(1−6)本実施の形態の効果
以上のように本実施の形態によるビデオカメラでは、撮影時に行った顔認識処理の処理結果に基づいてチャプタのチャプタ重要度を設定することができるため、ユーザが、目的とする人物(重要人物)が多く登場するチャプタを素早く見つけ出すことが可能となる。またチャプタのチャプタ優先度に応じて、対応するチャプタ重要度のチャプタを選択的に再生するため、ユーザがシーン全体の内容を短時間でかつ容易に把握し、目的とするシーンを素早く見つけ出すことができる。かくするにつき、ビデオカメラ1の使い勝手を格段的に向上させることができる。
【0090】
(2)第2の実施の形態
図1において、60は第2の実施の形態によるビデオカメラを示す。この第2の実施の形態によるビデオカメラ60は、チャプタ重要度の設定方法が異なる点を除いて第1の実施の形態によるビデオカメラ1と同様に構成されている。
【0091】
すなわち、第1の実施の形態では、撮影を行った後でユーザが重要人物決定画面40(図7)を用いて重要人物を決定し、この決定結果に基づいて各チャプタのチャプタ重要度を設定していた。これに対して第2の実施の形態では、撮影前にユーザが決定しておいた重要人物に対してのみ顔認識処理を行い、この顔認識処理の処理結果に基づいて各チャプタのチャプタ重要度を設定する。
【0092】
図13は、このような第2の実施の形態によるチャプタ重要度の設定方法のうち、撮影前にユーザが重要人物を設定する重要人物設定処理に関するシステム制御部61の処理内容を示している。システム制御部61は、図示しない内部メモリに格納された制御プログラムに基づいて、この重要人物設定処理を実行する。
【0093】
すなわちシステム制御部61は、ユーザインタフェース部4が操作されて重要人物設定モードが選択されると、この重要人物設定処理を開始し、まず、図14に示すような撮影前重要人物設定画面70を表示部6に表示させる(SP30)。
【0094】
続いてシステム制御部61は、かかる撮影前重要人物設定画面70に表示された第1及び第2の重要人物決定方法選択ボタン71,72のいずれかが押下されるのを待ち受ける(SP31)。ここで、第1の重要人物決定方法選択ボタン71は、重要人物を今から撮影するモードに対応したボタンであり、第2の重要人物決定方法選択ボタン72は、第1の実施の形態と同様に既に行われた撮影において認識された人物の中から重要人物を決定するモードに対応したボタンである。
【0095】
そしてシステム制御部61は、かかる第1及び第2の重要人物決定方法選択ボタン71,72のいずれかが押下されると、押下されたボタンが第1の重要人物決定方法選択ボタン71であるか否かを判断する(SP32)。
【0096】
システム制御部61は、この判断において肯定結果を得ると、イメージセンサ7、アナログ/ディジタル変換部7及びCODEC部10を駆動させて、図15に示すようなそのときの撮影映像を表示部6に表示させる(SP34)。かくして、このときユーザは、登録しようとする重要人物をビデオカメラ60で撮影するようにする。
【0097】
次いでシステム制御部61は、かかる重要人物の撮影中に顔認識処理部15を駆動させて、そのとき撮影されている重要人物に対する顔認識処理を実行させる(SP35)。またはシステム制御部61は、この顔認識処理が終了すると、その顔認識処理結果に基づく顔認識管理情報24(図3)を顔認識実行部15に作成させてハードディスク装置2に格納させる(SP38)。そしてシステム制御部61は、この後、この重要人物設定処理を終了する。
【0098】
これに対してシステム制御部61は、ステップSP32の判断において否定結果を得ると(つまり第2の重要人物決定方法選択ボタン72が押下されたときには)、図7について上述した重要人物表示画面40を表示部6に表示させる(SP36)。
【0099】
続いてシステム制御部61は、この重要人物表示画面40を用いて重要人物が選択されるのを待ち受け(SP37)、やがて重要人物が選択されると、このとき選択された重要人物に関する情報のみが登録された図3に示す顔認識管理情報24を顔認識処理部15に作成させる(SP38)。そしてシステム制御部61は、この後、この重要人物設定処理を終了する。
【0100】
そしてシステム制御部61は、この後、撮影時には、顔認識実行部15を制御して、上述のようにして登録された重要人物に関する顔認識処理の処理結果のみを顔認識管理情報24(図3)に反映させる。またシステム制御部61は、シーンの撮影が終了するごとに、図8について上述した重要度設定処理を実行することによりそのシーン内に設定された各チャプタのチャプタ重要度を決定し、決定結果に基づいてチャプタ管理情報20(図3)を更新する。
【0101】
以上のように本実施の形態によるビデオカメラ60では、動画撮影前にユーザが決定しておいた重要人物に対してのみ顔認識処理を行い、この顔認識処理の処理結果に基づいて各チャプタのチャプタ重要度を設定するため、チャプタのチャプタ重要度の設定を容易化させることができる。またビデオカメラ60では、上述のように重要人物を事前登録するため、顔認識を利用した自動焦点や自動露光を行う際に、たまたま一緒に映りこんだ他人の顔を認識したためにその人物に最適な焦点・露光設定を行ってしまい、撮影したかった目的の人物が上手く映らないという現象を回避することができる。
【0102】
(3)他の実施の形態
なお上述の第1及び第2の実施の形態においては、本発明を図1のように構成されたビデオカメラ1,60に適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々の構成を有するビデオカメラや、ビデオカメラ以外の例えばDVDレコーダや、動画撮影機能が搭載された電子スチルカメラ又は携帯電話機などにも広く適用することができる。
【0103】
また上述の第1及び第2の実施の形態においては、撮影映像を記録する記録媒体としてハードディスク装置2及びDVD3を適用した場合について述べたがが、本発明はこれに限らず、DVD及びハードディスク装置以外の例えばBD(Blu-ray Disc)、CD(Compact Disc)、MD(Mini Disc)及び又は半導体メモリなどの他の記録媒体を広く適用することができる。
【0104】
さらに上述の第1及び第2の実施の形態においては、撮影により得られたシーンの映像情報を記録媒体に記録再生する記録再生部としてのハードディスク装置2及びDVDドライブをビデオカメラ1,60が内蔵する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、これらの記録再生部としてUSB(Universal Serial Bus)やeSATA(External Serial Advanced Technology Attachment)などで接続された外付タイプのドライブを適用するようにしても良い。
【0105】
さらに上述の第1及び第2の実施の形態においては、ユーザにより設定された重要人物に対する顔認識処理の処理結果に基づいてチャプタごとのチャプタ重要度を設定する重要度設定部と、チャプタごとのチャプタ重要度に基づいて、対応するチャプタ重要度のチャプタを選択的に再生するようにハードディスク装置2及びDVDドライブを制御する制御部と、表示部6に一覧表示された顔画像のうち、ユーザにより選択された顔画像に対応する被写体を重要人物として設定する重要人物設定部とを1つのシステム制御部5,61により構成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、これら重要度設定部、制御部及び重要人物設定部をそれぞれ別個に構成するようにしても良い。
【0106】
本発明は、ビデオカメラのほか、DVDレコーダなどの種々の記録再生装置に広く適用することができる。
【0107】
以上、本発明の好適な実施例を図面を用いて説明した。本発明によれば、ユーザ設定に応じた特定のチャプタを選択的に再生させることができるため、所望する人物が登場するチャプタをユーザが素早く見つけ出すことができる。またユーザの設定に応じた特定のチャプタを選択的に再生させることができるため、シーン全体の内容をユーザが短時間でかつ容易に把握することができる。
【符号の説明】
【0108】
1,60……ビデオカメラ、2……ハードディスク装置、3……DVD、4……ユーザインタフェース部、5,61……システム制御部、6……表示部、15……顔認識実行部、20……チャプタ管理情報、24……顔認識管理情報、30……撮影映像、31……枠、40……重要人物決定画面、41……顔画像、50……チャプタ一覧画面、51,54……サムネイル画像、53……シーン一覧画面、55……アイコン、70……撮影前重要人物設定画面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に対し情報を記録再生する記録再生装置において、
映像情報を記録媒体に記録する記録部と、
前記記録部により前記記録媒体に記録された映像情報を再生する再生部と、
前記映像情報に対して顔認識処理を実行する顔認識実行部と、
予めユーザにより登録された人物の顔画像の一覧表示画面を出力する出力部と、
前記出力部から出力された前記一覧表示画面の前記顔画像の中からユーザにより選択された前記顔画像に対応する人物を特定人物として設定する特定人物設定部と、
前記顔認識実行部の前記顔認識処理に基づいて、前記特定人物設定部により設定された特定人物が含まれる映像情報を前記記録媒体から選択的に再生するように前記再生部を制御する制御部と
を備えることを特徴とする記録再生装置。
【請求項2】
再生モードとして複数の再生モードが設けられ、
各前記再生モードには、それぞれ異なる閾値が設定され、
前記制御部は、
ユーザにより指定された前記再生モードの閾値と、各前記映像情報の重要度とを比較して、前記重要度が当該再生モードの閾値と同じ又は当該閾値よりも高い映像情報を選択的に再生するように前記再生部を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の記録再生装置。
【請求項3】
前記特定人物設定部により設定された特定人物に対する前記顔認識実行部の前記顔認識処理に基づいて、前記記録媒体に記録された映像情報の重要度を設定する重要度設定部を備え、
前記制御部は、
前記重要度設定部により設定された前記映像情報の重要度に基づいて、対応する前記重要度の映像情報を前記記録媒体から選択的に再生するように前記再生部を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の記録再生装置。
【請求項4】
前記重要度設定部は、
前記映像情報における前記特定人物の登場回数に基づいて、当該映像情報の重要度を設定する
ことを特徴とする請求項3に記載の記録再生装置。
【請求項5】
記録媒体に対し情報を記録再生する記録再生方法において、
映像情報に対して顔認識処理を実行する第1のステップと、
予めユーザにより登録された人物の顔画像の一覧表示画面を出力する第2のステップと、
前記第2のステップで出力された前記一覧表示画面の前記顔画像の中からユーザにより選択された前記顔画像に対応する人物を特定人物として設定する第3のステップと、
前記第1のステップの前記顔認識処理に基づいて、前記第3のステップで設定した特定人物が含まれる映像情報を記録媒体から選択的に再生する第4のステップと
を備えることを特徴とする記録再生方法。
【請求項6】
再生モードとして複数の再生モードが設けられ、
各前記再生モードには、それぞれ異なる閾値が設定され、
ユーザにより指定された前記再生モードの閾値と各前記映像情報の重要度とを比較し、前記重要度が当該再生モードの閾値と同じ又は当該閾値よりも高い映像情報を選択的に再生する
ことを特徴とする請求項5に記載の記録再生方法。
【請求項7】
前記第3のステップで設定した特定人物に対する前記第1のステップの前記顔認識処理に基づいて、前記記録媒体に記録された映像情報の重要度を設定する第5のステップを備え、
前記第4のステップにおいて、前記第5のステップで設定した前記映像情報の重要度に基づいて、対応する前記重要度の映像情報を前記記録媒体から選択的に再生する
ことを特徴とする請求項5に記載の記録再生方法。
【請求項8】
前記第5のステップでは、
前記映像情報内における前記特定人物の登場回数に基づいて当該映像情報の重要度を設定する
ことを特徴とする請求項7に記載の記録再生方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−161081(P2012−161081A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−63504(P2012−63504)
【出願日】平成24年3月21日(2012.3.21)
【分割の表示】特願2008−130678(P2008−130678)の分割
【原出願日】平成20年5月19日(2008.5.19)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】