説明

記録再生装置及び記録再生方法

【課題】複数の領域に分割された画像を記録する際に分割した画像の一部に記録できないフレーム(コマ落ち)が発生しても、再生時にはコマ落ちによる時間軸のずれの無い画像とする記録再生装置を提供する。
【解決手段】複数の分割画像にタイムコードを付するタイムコード付加手段5と、1つの画像から圧縮した画像を生成する画像生成手段4と、複数の分割画像に付されているタイムコードを検出するタイムコード検出部11と、タイムコードが検出されない場合には、分割画像が欠落していると判断する判断手段12と、判断手段12で欠落分割画像があると判断された場合には、欠落している分割画像を画像生成手段4で生成された画像の中の欠落分割画像と同じ大きさの画像にして置換する置換手段14と、置換された画像と共に分割画像を再生する再生部15と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は記録再生装置及び記録再生方法に係り、特に高解像度画像を複数に分割して並列に伝送して記録を行う際に生じる画像のフレーム欠落(コマ落ち)を再生時に修正する記録再生装置及び記録再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ハイビジョン(以下HDTVとする)以上の画素数を有する高解像度画像を、1画面として扱う記録再生装置では、1画面分の画像に相当する画像信号を、このまま1つの伝送路で伝送するのには伝送量が多く、専用伝送路の確保が困難なため、複数のHDTV相当の画像信号に分割してHDTVの伝送路を複数に並列に使用して伝送し、同時に記録、再生も複数に分割して行い、表示時に1画面に戻して再生していた。
図9に、この従来の記録再生装置の概要を示す。
【0003】
図9に示す記録再生装置100は、撮像装置101と、録画装置102と、記録媒体102a〜記録媒体102dと、再生装置103と、プロジェクタ104と、から構成される。
更に、撮像装置101は、図10に示すように撮像部105と、4分割画像生成部106と、からなる。
【0004】
撮像装置101は、撮像部105により被写体の光像を高解像度画像(例えばHDTV4画面相当)に光電変換したのち4分割画像生成部106により、この高解像度画像を4分割してそれぞれがHDTV1画面分に相当する画像信号として生成し出力する。
録画装置102は、4台のHDTV画像用録画装置からなり、磁気ディスク或いは光ディスク等の記録媒体102a〜記録媒体102dへそれぞれHDTV1画面分の画像信号を録画する。
再生装置103は、録画装置102で画像信号が録画された記録媒体102a〜記録媒体102dを装着して、この記録媒体102a〜記録媒体102dに録画された画像信号を同時に再生する。
プロジェクタ104は、再生装置103で再生された4つの画像信号を入力し合成して1枚の高解像度画像として表示する。
【0005】
次に、この従来の記録再生装置100の動作について説明する。
図9に示すように、撮像装置101において、被写体の光像を高解像度画像(例えばHDTV4画面相当の画素数横3840×縦2160)の画像信号に光電変換したのち4分割してそれぞれがHDTV1画面分相当の画像(画素数1920×1080)の画像信号として生成して出力し、録画装置102へ送る。
【0006】
録画装置102では、入力した4つの画像信号を4つの記録媒体102a〜記録媒体102dへそれぞれ録画する。
次に録画が終了した記録媒体102a〜記録媒体102dを録画装置102から取り出して再生装置103に装着する。
そして再生装置103により録画された画像信号を再生しプロジェクタ104において4つの画像信号を合成し1枚の高解像度画像として表示する。
【特許文献1】特開2005−184441号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記した従来の記録再生装置100では、例えば、撮像装置101から録画装置102への伝送路の状態が部分的に悪く録画装置102に、図10に示す分割した画像ch−a〜ch−dの画像信号のうち、図11(A)に示すようにch−cの画像信号c3が欠落してそのままコマ落ちして記録されると、図11(B)に示すようにch−cでは欠落した部分は再生されず次の画像信号c4が再生され他の画像信号に比較しずれた状態となり、以後このずれたまま画像信号が再生されてしまい、図12(A)に示すように画像の欠落が無い場合は#1〜#5の各画像信号のフレーム順に従って合成されてずれの無い1画面の画像として表示されるが、図12(B)に示すように画像の欠落が有る場合は#3以降のch−cの画像信号による画像のフレーム順がずれて表示されてしまうという問題点があった。
この結果、コマ落ち発生以降の記録画像は使用できず、被写体の撮影機会を逃してしまうとか、再度撮影をし直さなければならないという問題点があった。
【0008】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みなされたものであり、複数の領域に分割された画像を記録する際に分割した画像の一部に記録できないフレーム(コマ落ち)が発生しても、再生時にはコマ落ちによる時間軸のずれの無い画像とする記録再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明における第1の発明は、1つの画像から分割された複数の分割画像を記録媒体に記録した際、前記記録された前記複数の分割画像の中に欠落画像がある場合に、前記欠落画像を他の画像に置換して再生する記録再生装置において、前記記録媒体に記録する際に前記複数の分割画像にタイムコードを付するタイムコード付加手段と、前記1つの画像から圧縮した画像を生成する画像生成手段と、前記記録媒体に記録されている前記複数の分割画像に付されている前記タイムコードを検出するタイムコード検出部と、前記タイムコード検出部で前記タイムコードが検出されない場合には、前記分割画像が欠落していると判断する判断手段と、前記判断手段で欠落している前記分割画像があると判断された場合には、前記欠落している前記分割画像を前記画像生成手段で生成された前記圧縮した画像の中の前記欠落している前記分割画像と同じ画像を前記欠落している前記分割画像の大きさまで拡大して置換する置換手段と、前記置換された画像と共に前記分割画像を再生する再生部と、を備えたことを特徴とする記録再生装置を提供する。
第2の発明は、1つの画像から分割された複数の分割画像を記録媒体に記録した際、前記記録された前記複数の分割画像の中に欠落画像がある場合に、前記欠落画像を他の画像に置換して再生する記録再生方法において、前記記録媒体に記録する際に前記複数の分割画像にタイムコードを付し、前記1つの画像から圧縮した画像を生成し、前記記録媒体に記録されている前記複数の分割画像に付されている前記タイムコードを検出し、前記タイムコードが検出されない場合には、前記分割画像が欠落していると判断し、前記欠落している前記分割画像があると判断された場合には、前記欠落している前記分割画像を前記画像の中の前記欠落している前記分割画像と同じ画像を前記欠落している前記分割画像の大きさまで拡大して置換し、前記置換された圧縮した画像と共に前記分割画像を再生することを特徴とする記録再生方法を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、前記判断手段で欠落している前記分割画像があると判断された場合には、前記欠落している前記分割画像を前記画像生成手段で生成された前記圧縮した画像の中の前記欠落している前記分割画像と同じ画像を前記欠落している前記分割画像の大きさまで拡大して置換する置換手段と、前記置換された画像と共に前記分割画像を再生する再生部と、を備えているので、複数の領域に分割された画像を記録する際に分割した画像の一部に記録できないフレーム(コマ落ち)が発生しても、再生時にはコマ落ちによる時間軸のずれの無い画像とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に本発明の実施形態に係る記録再生装置及び記録再生方法について図1〜図8を用いて説明する。
図1は、本発明の実施形態における記録再生装置の全体を示す図である。
図2は、画像信号の構成を示すための図である。
図3は、本発明の実施形態における画像のフレーム毎の経過を示す図であり、(A)は記録再生装置に記録された記録画像を示す図であり、(B)は(A)の記録画像を再生した後置き換えた置き換え補正再生画像を示す図であり、(C)は(A)の記録画像を再生した未補正再生画像を示す図である。
図4は本発明の実施形態における記録再生装置の表示画像を示す図であり、(A)は複数に分割したコマ落ちの無い画像を1つの画像に合成してフレーム毎に表示した画像を示す図であり、(B)はコマ落ちのある画像を再生した後置き換えた置き換え補正再生画像を示す図であり、(C)はコマ落ちのある記録画像を再生した未補正再生画像を示す図である。
図5は、本発明の他の実施形態における記録再生装置の全体の構成を示す図である。
図6は、画像信号の構成を示すための図である。
図7は、本発明の他の実施形態における画像のフレーム毎の経過を示す図であり、(A)は記録再生装置に記録された記録画像を示す図であり、(B)は(A)の記録画像を再生した後置き換えた置き換え補正再生画像を示す図であり、(C)は(A)の記録画像を再生した未補正再生画像を示す図である。
図8は本発明の他の実施形態における記録再生装置の表示画像を示す図であり、(A)は複数に分割したコマ落ちの無い画像を1つの画像に合成してフレーム毎に表示した画像を示す図であり、(B)はコマ落ちのある画像を次の画像で置き換えた置き換え補正再生画像を示す図であり、(C)はコマ落ちのある記録画像を再生した未補正再生画像を示す図である。
【0012】
図1に示すように、本発明の実施形態における記録再生装置は、撮像部2と、4分割画像生成部3と、縮小画像生成部4と、タイムコード生成部5と、タイムコード付加部6と、送信部7と、伝送路8と、受信部9と、記録再生部10と、タイムコード検出部11と、判断部12と、置き換え用画像生成部13と、画像置き換え部14と、表示部15と、から構成される。
さらに、タイムコード付加部6はタイムコード付加部6a〜6eと、記録再生部10は記録再生部10a〜10eと、タイムコード検出部11はタイムコード検出部11a〜11eと、画像書き換え部14は画像書き換え部14a〜14dと、を有する。
【0013】
撮像部2は、被写体の光像を光電変換して高解像度画像を生成する。
4分割画像生成部3は、撮像部2で生成された高解像度画像を4分割し、並列に伝送で
きる4つの分割画像を生成する。
縮小画像生成部4は、撮像部2で生成された高解像度画像を、4分割画像生成部3で生成された4つの分割画像の一つと同じ画素数の画像に、縮小した縮小画像を生成する。
【0014】
タイムコード生成部5は、画像のフレーム順に付加するタイムコードを生成する。
タイムコード付加部6は、4つの分割画像及び縮小画像にフレームごとに同じタイムコードを付加する。
【0015】
送信部7は、タイムコードが付加された4つの分割画像及び1つの縮小画像をそれぞれ送信信号に変換する。
伝送路8は、送信部7から複数の送信信号を入力し受信部9へ伝送する。
受信部9は、伝送路8によって伝送された複数の送信信号を受信し4つの分割画像及び縮小画像に戻す。
【0016】
記録再生部10は、4つの分割画像及び縮小画像をそれぞれ個々に記録したのち、記録した個々の画像を、判断部12で生成された再生タイミング信号に基づいて、それぞれ再生する。
タイムコード検出部11は、再生された個々の画像からそれぞれの画像に付加されたタイムコードを検出する。
判断部12は、検出されたタイムコードを収納して比較し、記録再生部10で再生された4つの分割画像のタイムコードに不一致がある場合、不一致画像は繰り返し再生させ、タイムコードが一致している画像はそのまま順次再生させる、タイムコードを一致させるための再生タイミング信号を生成するとともに、不一致画像の置き換え信号を生成する。
【0017】
置き換え用画像生成部13は、不一致画像の置き換え信号に基づいて、不一致画像と等しい位置にある縮小画像を抽出し不一致画像と同じサイズの画像に拡大する。
画像置き換え部14は、記録再生部10で再生された不一致画像と、置き換え用画像生成部13で不一致画像と等しい位置にあって抽出されて拡大された縮小画像と、を置き換え、タイムコードが一致している画像はそのまま用いることにより、タイムコードが一致した4つの分割画像として揃える。
表示部15は、タイムコードが揃った4つの分割画像を、液晶やCRT等のディスプレイを用いて1つの画像として表示する。
【0018】
次に、本発明の実施形態における動作について説明する。
図2に示すように、撮像部2で被写体の光像を、高解像度画像(例えば、HDTVの4画面相当の画素数横3840×縦2160)に光電変換したのち、4分割画像生成部3により、高解像度画像を4分割してそれぞれがHDTV1画面分相当の画素数(1920×1080)の4つの画像をch−a〜ch−dの並列画像に並び替えて、それぞれのフレームごとの画像信号(ch−aはa1,a2,..,ch−bはb1,b2,..,ch−cはc1,c2,..,ch−dはd1,d2,..)を生成する。
一方、縮小画像生成部4において、撮像部2で生成された高解像度画像を、4分割画像生成部3で生成された4つの分割画像の一つと同じ画素数に縮小した縮小画像をフレームごとの画像信号(ch−eのe1,e2,..)として生成する。
【0019】
次に、タイムコード生成部5では、画像のフレーム順に付加するタイムコードを生成し、タイムコード付加部6で、このタイムコードを4つの分割画像及び1つの縮小画像の画像信号にフレームごとに付加する。
そして、送信部7では、タイムコードが付加された4つの分割画像及び1つの縮小画像をそれぞれ送信信号に変換し、この送信信号を伝送路8で受信部9へ伝送する。
受信部9では、伝送路8によって伝送された複数の送信信号を受信し4つの分割画像及び縮小画像に戻す。
【0020】
記録再生部10では、4つの分割画像及び縮小画像をそれぞれ個々に記録する。
この時、図3(A)に示すように、画像(ch−c)のc3の画像信号が欠落(コマ落ち)している場合、画像(ch−c)はc3の画像信号が欠落したまま記録再生部10に記録される。
そのほかの欠落の無い画像(ch−a,ch−b,ch−d,ch−e)は順次そのまま記録される。
【0021】
次に、記録再生部10で、個々に記録された4つの分割画像及び縮小画像をそれぞれ再生する。再生された画像は、タイムコード検出部11により、個々の画像からそれぞれの画像に付加されたタイムコードが検出される。
そして、判断部12でこの検出されたタイムコードを比較する。
図3(A)に示すように画像(ch−c)のc3の画像信号が欠落したまま記録したのち再生すると、図3(C)に示すように画像信号c3の代わりに画像信号c4が再生される。以後画像(ch−c)の画像信号はc5,c6と続けてずれたまま再生される。
【0022】
この時、各フレームの画像信号に含まれるタイムコードを比較すると図3(C)に示すように再生された画像信号がa3,b3,c4,d3のときから不一致となりずれを生じるから、判断部12からは、画像(ch−c)のみ画像信号c4の再生を繰り返してタイムコードを合わせる再生タイミング信号を生成し記録再生部10に送る。
そうすると、タイムコードのずれたフレーム時に再生される画像信号はa3,b3,c4,d3とずれたままであるが、次のフレームでは再生タイミング信号により再生される画像信号は合わされて、画像信号がa4,b4,c4,d4となりタイムコードが一致する。
【0023】
判断部12からは、さらに再生された画像信号の不一致画像に対する置き換え信号が生成されて置き換え用画像生成部13に加えられる。
この不一致画像の置き換え信号に基づいて、不一致画像信号c4と等しい位置にある縮小画像ch−eの不一致画像部分を抽出して、縮小画像から不一致画像と同じ画像サイズに拡大した置き換え画像信号c3eを生成し、画像置き換え部14において画像ch−cの不一致画像信号c4と縮小画像ch−eから生成した置き換え画像信号c3eとを図3(B)に示すように置き換え、4つの分割画像のタイムコードをフレームごとに一致させてから表示部15に供給する。
【0024】
このようにして、図4(C)に示すような、表示部15においてフレームのタイミングがずれた表示画像を、図4(B)に示すようなフレームのタイミングの合った表示画像とすることができる。
図4(B)の表示画像は、1フレーム期間における1/4の画像部分のみが図4(A)の正常な表示画像に比較し低解像度となるが、一瞬であり、画像の位置ずれも無いため良好な再生画像として十分用いることができる。
【0025】
次に、本発明の他の実施形態における動作について説明する。
図5に示すように、本発明の他の実施形態における記録再生装置16は、図1の記録再生装置1に比較し、縮小画像生成部4と置き換え用画像生成部13と置き換え部14とを省略したものである。
従って、記録再生装置1と同じ名称については同じ動作である。
以下、図6〜図8を用いて記録再生装置16の動作を説明する。
【0026】
図6に示すように撮像部2で被写体の光像を、高解像度画像(例えば、HDTV4画面相当の画素数横3840×縦2160)に光電変換したのち4分割画像生成部3により、4分割してそれぞれがHDTV1画面分相当の画素数1920×1080の4つの画像をch−a〜ch−dの並列画像に並び替えて、それぞれのフレームごとの画像信号(ch−aはa1,a2,..,ch−bはb1,b2,..,ch−cはc1,c2,..,ch−dはd1,d2,..)を生成する。
【0027】
次に、タイムコード生成部5では、画像のフレーム順に付加するタイムコードを生成し、タイムコード付加部6で、このタイムコードを4つの分割画像及び1つの縮小画像の画像信号にフレームごとに付加する。
そして、送信部7では、タイムコードが付加された4つの分割画像をそれぞれ送信信号に変換し、この送信信号を伝送路8で受信部9へ伝送する。
受信部9では、伝送路8によって伝送された複数の送信信号を受信し、4つの分割画像に戻す。
【0028】
記録再生部10では、4つの分割画像をそれぞれ個々に記録する。
この時、図7(A)に示すように、画像(ch−c)のc3の画像信号が欠落(コマ落ち)している場合、画像(ch−c)はc3の画像信号が欠落したまま記録再生部10に記録される。そのほかの欠落の無い画像(ch−a,ch−b,ch−d)は順次そのまま記録される。
【0029】
次に、記録再生部10で、個々に記録された4つの分割画像をそれぞれ再生する。
再生された画像は、タイムコード検出部11により、個々の画像からそれぞれの画像に付加されたタイムコードが検出される。
そして、判断部12でこの検出されたタイムコードを比較する。
図7(A)に示すように、画像(ch−c)のc3の画像信号が欠落したまま記録して再生すると、図7(C)に示すように画像信号c3の代わりに画像信号c4が再生される。
以後の画像(ch−c)の画像信号はc5,c6と続けてずれたまま再生される。
【0030】
この時、各フレームの画像信号に含まれるタイムコードを比較すると図7(C)に示すように再生された画像信号がa3,b3,c4,d3のときから不一致となりずれを生じるから、判断部12からは、画像ch−cのみ画像信号c4の再生を繰り返してタイムコードを合わせる再生タイミング信号を生成し記録再生部10に送る。
そうすると、再生される画像信号がa3,b3,c4,d3の時はずれたままであるが、次のフレームでは再生タイミング信号により画像ch−cのタイムコードが修正されて次の画像信号がa4,b4,c4,d4となりタイムコードが一致する。
【0031】
このようにして、図8(C)に示すような、表示部15において表示されるフレームのタイミングがずれた表示画像を、図8(B)に示すような不一致部分の1フレーム分を除いてフレームのタイミングの合った表示画像とすることができる。
図8(B)の表示画像は、1フレーム期間における1/4の画像部分のみが図8(A)の正常な表示画像に比較し、一瞬のフレームずれを生じるが、ほんの一瞬であるため無視しても問題はほとんどなく、良好な再生画像として十分用いることができる。
本発明の他の実施形態の記録再生装置16によれば、本発明の実施形態の記録再生装置1に比較して、略同じ性能でしかも全体の構成を簡略化することが出来る。
【0032】
本発明の実施形態及び他の実施形態においてのタイムコードは、HDTVの基準クロックからフレーム信号ごとにタイミングを合わせて生成したフレーム番号としてもよい。また、時計カウンターをタイムコード生成部5に用いて生成した時刻コードを使用してもよい。
これらのタイムコードは、画像信号の帰線消去期間、或いは画像の先頭部分に画像範囲とは識別したコード範囲を設置して付加する。
【0033】
なお、縮小画像の一部から置き換え画像信号を生成したが、コマ落ちの前後のフレームの画像信号(たとえば画像信号c3の前後の画像信号c2,c4)と縮小画像とを使って動きの無い部分はコマ落ちの前後のフレームの画像信号から置き換え画像信号を生成し、動きのある部分は縮小画像を使って置き換え画像信号を生成しても良い。
このようにすれば、動きの無い部分の解像度低下はなくなり、表示される再生画像のコマ落ち時の画質向上が図れる。
【0034】
また、置き換え画像の生成を記録再生装置内のハードウェアとして実現したが、各画像信号を一旦パーソナルコンピュータ(PC)等へ画像データとして取り込み、PC上で置き換え画像処理を時間をかけて十分行うことによりコマ落ち画像を高性能に置き換えることが出来る画像信号を生成して、記録再生装置に再び戻しても良い。
【0035】
以上、述べてきたように本発明の実施形態及び他の実施形態によれば、分割画像信号および縮小画像信号をタイムコードと共に記録し、再生時には、タイムコードを参照することで分割画像信号のコマ落ちを検出し、コマ落ちの発生した画像信号に対しては、記録再生部からの読み出しを制御したり、縮小画像信号から置き換え用画像信号を生成してこれをコマ落ちしたフレームの代わりに用いたりすることで、コマ落ち発生以降の時間ずれの無い画像信号を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施形態における記録再生装置の全体の構成を示す図である。
【図2】画像信号の構成を示すための図である。
【図3】本発明の実施形態における画像のフレーム毎の経過を示す図であり、(A)は記録再生装置に記録された記録画像を示す図であり、(B)は(A)の記録画像を再生した後置き換えた置き換え画像を示す図であり、(C)は(A)の記録画像を再生した未置き換え再生画像を示す図である。
【図4】本発明の実施形態における記録再生装置の表示画像を示す図であり、(A)は複数に分割したコマ落ちの無い画像を1つの画像に合成してフレーム毎に表示した画像を示す図であり、(B)はコマ落ちのある画像を再生した後置き換えた置き換え画像を示す図であり、(C)はコマ落ちのある記録画像を再生した未補間再生画像を示す図である。
【図5】本発明の他の実施形態における記録再生装置の全体の構成を示す図である。
【図6】画像信号の構成を示すための図である。
【図7】本発明の他の実施形態における画像のフレーム毎の経過を示す図であり、(A)は記録再生装置に記録された記録画像を示す図であり、(B)は(A)の記録画像を再生した後補間した補間画像を示す図であり、(C)は(A)の記録画像を再生した未補間再生画像を示す図である。
【図8】本発明の他の実施形態における記録再生装置の表示画像を示す図であり、(A)は複数に分割したコマ落ちの無い画像を1つの画像に合成してフレーム毎に表示した画像を示す図であり、(B)はコマ落ちのある画像を次の画像で置き換えた置き換え画像を示す図であり、(C)はコマ落ちのある記録画像を再生した未補間再生画像を示す図である。
【図9】従来の記録再生装置の構成を説明するための図である。
【図10】画像信号の構成を示すための図である。
【図11】従来の記録再生装置の画像のフレーム毎の経過を示す図であり、(A)は記録再生装置に記録された記録画像を示す図であり、(B)は(A)の記録画像を再生した再生画像を示す図である。
【図12】従来の記録再生装置の表示画像を示す図であり、(A)は複数に分割したコマ落ちの無い画像を1つの画像に合成してフレーム毎に表示した画像を示す図であり、(B)はコマ落ちのある画像を示す図である。
【符号の説明】
【0037】
1・・・記録再生装置、2・・・撮像部、3・・・4分割画像生成部、4・・・縮小画像生成部(画像生成手段)、5・・・タイムコード生成部(タイムコード付加手段)、6,6a,6b,6c,6d,6e・・・タイムコード付加部、7・・・送信部、8・・・伝送路、9・・・受信部、10,10a,10b,10c,10d,10e・・・記録再生部、11,11a,11b,11c,11d,11e・・・タイムコード検出部、12・・・判断部(判断手段)、13・・・置き換え用画像生成部、14,14a,14b,14c,14d・・・画像置き換え部(置換手段)、15・・・表示部(再生部)、16・・・記録再生装置、100・・・記録再生装置、101・・・撮像装置、102・・・録画装置、102a,102b,102c,102d・・・記録媒体、103・・・再生装置、104・・・プロジェクタ、105・・・撮像部、106・・・4分割画像生成部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの画像から分割された複数の分割画像を記録媒体に記録した際、前記記録された前記複数の分割画像の中に欠落画像がある場合に、前記欠落画像を他の画像に置換して再生する記録再生装置において、
前記記録媒体に記録する際に前記複数の分割画像にタイムコードを付するタイムコード付加手段と、
前記1つの画像から圧縮した画像を生成する画像生成手段と、
前記記録媒体に記録されている前記複数の分割画像に付されている前記タイムコードを検出するタイムコード検出部と、
前記タイムコード検出部で検出したタイムコードが一致しない場合には、前記分割画像が欠落していると判断する判断手段と、
前記判断手段で欠落している前記分割画像があると判断された場合には、前記欠落している前記分割画像を前記画像生成手段で生成された前記圧縮した画像の中の前記欠落している前記分割画像と同じ画像を前記欠落している前記分割画像の大きさまで拡大して置換する置換手段と、
前記置換された画像と共に前記分割画像を再生する再生部と、
を備えたことを特徴とする記録再生装置。
【請求項2】
1つの画像から分割された複数の分割画像を記録媒体に記録した際、前記記録された前記複数の分割画像の中に欠落画像がある場合に、前記欠落画像を他の画像に置換して再生する記録再生方法において、
前記記録媒体に記録する際に前記複数の分割画像にタイムコードを付し、
前記1つの画像から圧縮した画像を生成し、
前記記録媒体に記録されている前記複数の分割画像に付されている前記タイムコードを検出し、
前記タイムコードが一致しない場合には、前記分割画像が欠落していると判断し、
前記欠落している前記分割画像があると判断された場合には、前記欠落している前記分割画像を前記画像の中の前記欠落している前記分割画像と同じ画像を前記欠落している前記分割画像の大きさまで拡大して置換し、
前記置換された圧縮した画像と共に前記分割画像を再生することを特徴とする記録再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−172789(P2007−172789A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−372197(P2005−372197)
【出願日】平成17年12月26日(2005.12.26)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】