説明

記録再生装置

【課題】付加情報付きのコンテンツの管理についてユーザの利便性を向上した記録再生装置の提供。
【解決手段】サーバからダウンロードしたコンテンツを記録媒体に記録する記録手段と、コンテンツの再生を開始させるための指示を受け付ける指示受付手段と、指示受付手段が受け付けた指示にしたがい、記録媒体に記録されたコンテンツを再生する再生手段と、所定のタイミングで、記録再生装置がサーバを含むネットワークシステムに接続されているか否かを判断する接続確認手段と、指示受付手段がコンテンツの再生を開始する指示を受け付けたときに、接続確認手段による判断結果が、記録再生装置とネットワークシステムが接続されていないことを示す場合は、再生手段は再生指示を受け付けたコンテンツを再生せずに、記録再生装置をネットワークシステムに接続する必要がある旨の警告を出力する警告出力手段と、を備える記録再生装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダウンロードしたコンテンツを再生可能な記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンテンツの配信方法として、放送波によるコンテンツの配信に加えて、インターネットなどの通信ネットワークを用いたコンテンツ配信方法が普及してきた。例えば、特許文献1には、通信ネットワークを介してビデオ・オン・デマンド(VOD:Video On Demand)によるコンテンツの配信が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10‐13816号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
また、コンテンツ配信の新たな手法として、コンテンツに再生可能期限や視聴対象年齢などの付加情報を付与しておき、記録再生装置がその付加情報とともにコンテンツをダウンロードするようなコンテンツ配信方法が提案されている。このような配信方法によれば、例えば、コンテンツに再生可能期限に関する情報が付加されている場合、コンテンツに付与された再生可能期限に応じてコンテンツが消去される。
【0005】
しかしながら、上記のような配信方法において、ユーザは記録再生装置に記録されているコンテンツの付加情報を容易に認識できないので、ユーザにとって利便性が悪いという課題があった。
【0006】
本発明は、付加情報付きのコンテンツの管理についてユーザの利便性を向上した記録再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様において、サーバからダウンロードしたコンテンツを記録媒体に記録し、再生可能な記録再生装置が提供される。記録再生装置は、サーバからダウンロードしたコンテンツを記録媒体に記録する記録手段と、コンテンツの再生を開始させるための指示を受け付ける指示受付手段と、指示受付手段が受け付けた指示にしたがい、記録媒体に記録されたコンテンツを再生する再生手段と、所定のタイミングで、記録再生装置がサーバを含むネットワークシステムに接続されているか否かを判断する接続確認手段と、指示受付手段がコンテンツの再生を開始する指示を受け付けたときに、接続確認手段による判断結果が、記録再生装置とネットワークシステムが接続されていないことを示す場合は、再生手段は再生指示を受け付けたコンテンツを再生せずに、記録再生装置をネットワークシステムに接続する必要がある旨の警告を出力する警告出力手段と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の記録再生装置によれば、付加情報付きのコンテンツの管理について、利便性を向上することができる。例えば、コンテンツ再生前に、ユーザに対して、記録再生装置がネットワークに接続されていないことを事前に警告することにより、ライセンス情報が取得できないことにより、コンテンツが再生できないという不具合を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1A】コンテンツ配信システムの構成を示すブロック図
【図1B】コンテンツサーバに格納されるメタ情報とライセンス情報を説明した図
【図2】本発明のレコーダの構成を示すブロック図
【図3A】録画一覧画像の一例を示す図
【図3B】まとめ表示される複数コンテンツの一覧表示の例を示す図
【図4】コンテンツの再生動作を示すフローチャート
【図5A】再生可能期限(視聴期限)に関する警告画面及び選択画面の一例を示す図
【図5B】再生可能期限(視聴期限)が表示された録画一覧の一例を示す図
【図6】再生可能時刻に関する警告画面の一例を示す図
【図7】メタ情報をダウンロード中の録画一覧の一例を示す図
【図8】再生できない旨の警告画面の一例を示す図
【図9A】コンテンツをダウンロード中の録画一覧の一例を示す図
【図9B】コンテンツをダウンロード中の録画一覧の一例を示す図(ダウンロード中のコンテンツの情報が録画一覧上に表示されていない)
【図9C】ダウンロード中コンテンツの一覧画面の一例を示す図
【図10】編集項目一覧の一例を示す図
【図11】編集項目一覧の作成動作を示すフローチャート
【図12A】コンテンツをダウンロード中の場合の録画一覧の一例を示す図
【図12B】ダウンロードの進捗状況の詳細を表示した録画一覧の一例を示す図
【図12C】ダウンロード完了後の録画一覧の一例を示す図
【図12D】まとめ表示されているコンテンツの一覧の表示例を示す図
【図13】録画一覧の表示の動作を示すフローチャート
【図14】年齢制限のあるコンテンツを表示した録画一覧画像の一例を示す図
【図15】年齢制限のあるコンテンツを非表示とした録画一覧画像の一例を示す図
【図16】視聴年齢制限付きのコンテンツの再生動作を示すフローチャート
【図17】暗証番号入力のための入力画面の一例を示す図
【図18】ダウンロード時のコンテンツの再生動作を示すフローチャート
【図19】コンテンツの再生が途中で停止することを示す警告画面の一例を示す図
【図20】コンテンツ全体を視聴できない可能性が有る旨を示す警告画面の一例を示す図
【図21】追っかけ再生の可否の決定動作を示すフローチャート
【図22】コンテンツのダウンロードに追いついた旨を示す警告画面の一例を示す図
【図23】追っかけ再生の可否の決定動作を示すフローチャート
【図24】ダウンロードを要求した場合のコンテンツのダウンロードの動作を示すフローチャート
【図25】ダウンロードの強制再開の動作を示すフローチャート
【図26】コンテンツが再生できない旨の警告画面の一例を示す図
【図27】再生可能期限の切れたコンテンツの消去の動作を示すフローチャート
【図28】視聴期限切れのコンテンツを含む録画一覧画像の一例を示す図
【図29】再生可能期限を超過しているため、再生ができない旨を示す警告画面の一例を示す図
【図30】再生可能期限経過後のコンテンツの再生動作を示すフローチャート
【図31】コンテンツの再生を停止すると再生ができなくなる旨を示す警告画面の一例を示す図
【図32】再生可能期限経過後のコンテンツの再生の強制終了の動作を示すフローチャート
【図33】コンテンツの再生停止の警告画面の一例を示す図
【図34】コンテンツの再生可能期限前における再生可能期限に関する警告動作を示すフローチャート
【図35】再生可能期限間近にコンテンツを再生した時に、コンテンツを停止した場合にコンテンツが再生できなくなる可能性がある旨を示す警告画面の一例を示す図
【図36】電源オフのシーケンス時にコンテンツを消去する動作を示すフローチャート
【図37】録画一覧のシーケンス時にコンテンツを消去する動作を示すフローチャート
【図38】再生可能期限との時間関係に基づくコンテンツの消去の動作を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付の図面を参照して種々の実施形態を説明する。
【0011】
[目次]
1 構成
1−1 コンテンツ配信システムの構成
1−2 レコーダの構成
1−3 コンテンツサーバで管理される情報
2 放送番組の録画及び録画した放送番組の再生の動作
2−1 放送番組の録画
2−2 録画した放送番組の再生
3 コンテンツのダウンロード
3−1 ダウンロードコンテンツの種類
3−2 初期設定
3−3 ダウンロードの基本動作
3−3−1 ユーザによるダウンロードコンテンツの選択
3−3−2 メタ情報のダウンロード
3−3−3 コンテンツのダウンロード
4 録画一覧の表示とコンテンツの再生
4−1 録画一覧の表示
4−2 ダウンロードコンテンツの再生
4−2−1 ライセンス情報のダウンロード
4−2−2 ライセンス情報受信後のコンテンツ再生動作
4−3 ダウンロード中の録画一覧および動作制限
4−3−1 メタ情報のダウンロード中の録画一覧および動作制限
4−3−2 コンテンツのダウンロード中の録画一覧および動作制限
4−4.視聴年齢制限付きコンテンツの録画一覧表示及び再生
4−4−1 ユーザ年齢情報の記録
4−4−2 年齢制限付きコンテンツの録画一覧
4−4−3 視聴年齢制限付きコンテンツの再生
4−4−4 暗証番号の入力による年齢制限の解除
5 ダウンロード時の特殊動作
5−1 ダウンロード時の追っかけ再生
5−2 複数コンテンツダウンロード要求時の動作
5−3 ダウンロードの自動停止及び強制再開
5−3−1 ダウンロードの自動停止
5−3−2 ダウンロードの強制再開
5−4 ダウンロード時の電源オフ
6 時刻情報の管理
7 コンテンツの削除時の動作
7−1 コンテンツ削除の基本動作
7−2 コンテンツの再生中に再生可能期限が切れた場合の動作
7−3 再生可能期限経過後のコンテンツの再生の強制終了
7−4 コンテンツ再生可能期限前の警告
7−5 再生可能期限経過後のコンテンツの消去
7−5−1 電源オフのシーケンス時の消去
7−5−2 録画一覧表示時の消去
7−5−3 再生可能期限との時間関係に基づく消去
8 コンテンツのダビング
8−1 コンテンツのダビング回数の制限
8−2 コンテンツのダビング期間の制限
9 用語の対応
【0012】
1 構成
1−1 コンテンツ配信システムの構成
コンテンツ配信システムの概要について説明する。図1Aは、コンテンツ配信システムの構成を示すブロック図である。デジタルテレビ100は放送を受信し表示する。また、デジタルテレビ100は、レコーダ101から映像信号と音声信号を受信し、表示する。デジタルテレビ100とレコーダ101は、例えばHDMIなどのケーブルで接続される。なお、接続の方法としては、LANを用いてもかまわない。
【0013】
レコーダ101は放送を受信して記録する。レコーダ101は、記録メディア(BD、DVD、SDカードなど)を装着可能である。レコーダ101は、インターネット網103または装着された記録メディアからコンテンツを受信し記録する。受信した放送や記録したコンテンツの映像信号と音声信号をデジタルテレビ100に送信する。
【0014】
ユーザはリモコン102を用いてレコーダ101を制御できる。
レコーダ101はインターネット網103を介して、コンテンツサーバ104及び時刻サーバ105に接続されている。コンテンツサーバ104には、コンテンツが記録されている。時刻サーバ105は、レコーダ101からの要求に応じて、レコーダ101に対して時刻情報を送る。ここで言うコンテンツ情報とは、映像や音楽などとして再生されるデータである。コンテンツは、映画や音楽などに限定されず、例えば、ゲームソフト等も含む概念である。
【0015】
コンテンツ配信システムを利用する場合、ユーザはリモコン102を用いてダウンロードを希望するコンテンツを選択する。これにより、コンテンツサーバ104に記録されているコンテンツをダウンロードすることができる。コンテンツ選択の方法や視聴の方法の詳細は後述する。
【0016】
1−2 レコーダの構成
本実施形態のレコーダ101の構成を説明する。図2は、レコーダ101の構成を示すブロック図である。レコーダ101は、チューナ201と、ADC202と、ビデオエンコーダ203と、ドライブ制御部204と、HDD205と、ディスク206と、ビデオデコーダ207と、グラフィック制御部208と、メモリ209と、映像出力部210と、フラッシュメモリ211と、CPU212と、RAM213と、バス214と、ネットワーク制御部215と、指示受信部216と、FL表示部217と、時刻管理部218と、セキュアクロック管理部219とを含む。
【0017】
チューナ201は、アンテナで受信したデジタル放送の1つのチャンネル信号を選択して、テレビジョン信号を出力する。
【0018】
ADC202は、チューナ201で選局されたアナログのテレビジョン信号をデジタル変換する。
【0019】
ビデオエンコーダ203は、ADC202でデジタル信号に変換されたテレビジョン信号をMPEG−2形式に圧縮符号化して、DVDビデオレコーディング規格に準拠したMPEG−2プログラムストリームを生成する。なお、圧縮符号化方式はMPEG−2形式のみならず、MPEG−4など他の方式でも良い。また、ストリームの方式は、MPEG−2プログラムストリームの他に、MPEG−2トランスポートストリームなど他の方式でも良い。
【0020】
ドライブ制御部204は、ビデオエンコーダ203から出力されたMPEG−2プログラムストリームをHDD205またはディスク206へコンテンツとして書き込む。また、ドライブ制御部204は、HDD205またはディスク206に記録されたコンテンツを読み出し、ビデオデコーダ207に出力する。
【0021】
HDD205は、コンテンツを記録可能な記録媒体である。HDD205は、ドライブ制御部204の制御にしたがいコンテンツの記録、読み出しを行う。
【0022】
ディスク206は、コンテンツを記録可能なメディアであり、例えば、BDやDVDである。
【0023】
なお、本実施の形態では、ダビング動作時を除いて、コンテンツを記録する記憶媒体をHDD205として記載している。しかし、コンテンツを記録する記憶媒体は、ディスク206であっても良いし、SDカードなど半導体メモリであっても良い。つまり、コンテンツを記録できる媒体であればよく、その形態は限定されるものではない。
【0024】
ビデオデコーダ207は、供給されたコンテンツを伸長して非圧縮データに変換し、グラフィック制御部208に供給する。
【0025】
グラフィック制御部208は、種々のメニュー画像を、ビデオデコーダ207から供給された映像に合成して映像出力部210に出力する。合成される画像は、メモリ209に記憶されている。または、RAM213に記録された画像データが、CPU212により解釈され、グラフィック制御部208で合成される。
【0026】
メモリ209は、グラフィック制御部208で合成する画像データを記憶する。
【0027】
映像出力部210は、グラフィック制御部208で合成された映像を出力する。映像出力部210は例えばHDMI端子である。
【0028】
フラッシュメモリ211は、レコーダ101の制御に必要な各種パラメータを記憶する。
【0029】
CPU212は、バス214を介して、チューナ201、ADC202、ビデオエンコーダ203、ドライブ制御部204、ビデオデコーダ207、グラフィック制御部208、映像出力部210、フラッシュメモリ211、RAM213、ネットワーク制御部215、指示受信部216、FL表示部217、時刻管理部218、セキュアクロック管理部219を制御する。
【0030】
RAM213は、ネットワーク制御部215から入力されたデータやHDD205もしくはディスク206から読み出されたデータを一時的に記憶する。
【0031】
バス214は、レコーダ101内の信号を伝送する経路であり、チューナ201、ADC202、ビデオエンコーダ203、ドライブ制御部204、ビデオデコーダ207、グラフィック制御部208、映像出力部210、フラッシュメモリ211、CPU212、RAM213、ネットワーク制御部215、時刻管理部218、セキュアクロック管理部219が接続されている。
【0032】
ネットワーク制御部215は、インターネット網103を介し、コンテンツサーバ104にコンテンツ等の配信を要求し、また、コンテンツサーバ104に記憶されているコンテンツをインターネット網103を介して受信する。
【0033】
指示受信部216は、ユーザの指示を受信する。指示受信部216は、具体的には、リモコン102の赤外線を受信する受光部であってもよいし、レコーダ101の筐体に備えられたレコーダ101を制御するためのボタンであってもよい。
【0034】
FL表示部217は、時刻を表示したり、あるいは、レコーダ101の動作状態を表示したりする。レコーダ101の動作状態とは、例えば、コンテンツのダウンロード中であるか否かを示す情報である。
【0035】
時刻管理部218は、FL表示部217に表示する時刻に関する情報を記憶・管理する。なお、時刻管理部218の時刻情報は、指示受信部216を通じてユーザが変更できる。
【0036】
セキュアクロック管理部219は、コンテンツの再生可能期限を管理するための時刻情報を記憶している。セキュアクロック管理部219の時刻情報は、ネットワーク制御部215が受信する時刻情報によって更新される。時刻管理部218のように、指示受信部216を通じてユーザが変更することはできない。
【0037】
1−3 コンテンツサーバで管理される情報
図1Bに、コンテンツサーバ104で管理される情報を示す。コンテンツサーバ104は、コンテンツに加えて、コンテンツに関連してメタ情報及びライセンス情報を格納している。メタ情報はコンテンツに関する付加情報である(詳細は後述)。ライセンス情報は、コンテンツを復号するための鍵を含む情報であり、コンテンツの視聴のための復号に用いる視聴用ライセンス情報と、コンテンツをダビングする際に用いるダビング用ライセンス情報とがある。
【0038】
2 放送番組の録画及び録画した放送番組の再生の動作
2−1 放送番組の録画
レコーダ101による放送番組の録画動作について説明する。チューナ201は、放送局から送信された放送信号を選局して受信し、番組の映像信号および音声信号をADC202に出力する。ADC202は入力された信号をデジタル変換してビデオエンコーダ203に供給する。ビデオエンコーダ203は、録画の開始指示を受け取ると、ADC202から供給されたデジタルデータを圧縮符号化して、ドライブ制御部204に出力する。圧縮符号化処理において、例えば、ビデオエンコーダ203がデータをMPEG−2形式に圧縮符号化し、DVDビデオレコーディング規格に準拠したMPEG−2プログラムストリームを生成する。この処理は、ビデオエンコーダ203が録画の終了指示を受け取るまで継続される。ビデオエンコーダ203は、圧縮符号化を行うために、フレームデータ等を一時的に保持するバッファとしてRAM213を用いる。
【0039】
ドライブ制御部204は録画の開始指示を受けると録画開始処理を行い、その後ビデオエンコーダ203の出力を受け取ってHDD205またはディスク206への書き込みを開始する。またドライブ制御部204は、録画の終了指示を受けた後、プログラムストリームの入力がなくなると書き込み処理を終了し、録画終了処理を行う。なお、本実施形態では、ドライブ制御部204はHDD205およびディスク206の両方に対する情報の授受を制御するとして説明しているが、HDD205のドライブ装置およびディスク206のドライブ装置の各々に設けられてもよい。
【0040】
なお、受信した放送番組を「放送コンテンツ」と、ダウンロードしたコンテンツを「ダウンロードコンテンツ」と称する。
【0041】
2−2 録画した放送番組の再生
レコーダ101による録画した番組の再生動作について説明する。ドライブ制御部204はHDD205またはディスク206に記録されているデータを読み出す。ドライブ制御部204は、読み出したデータをビデオデコーダ207に出力する。ビデオデコーダ207は、供給された圧縮符号化データを伸長して非圧縮データに変換し、グラフィック制御部208に供給する。グラフィック制御部208には、内部演算用のメモリ209が接続されており、オン・スクリーン・ディスプレイ(On Screen Display;OSD)機能を実現できる。例えば、グラフィック制御部208は種々のメニュー画像を映像と合成して映像出力部210に出力する。映像出力部210は、入力された合成画像および音声データをデジタルテレビ100へ出力する。
【0042】
3 コンテンツのダウンロード
3−1 ダウンロードコンテンツの種類
コンテンツ配信システムにおけるコンテンツ配信の形態としては、VOD(ビデオ・オン・デマンド)とダウンロードの2通りがある。VODは、コンテンツサーバ104からダウンロードしたコンテンツを、HDD205などの記録媒体に記録することなく、デジタルテレビ100に表示して、ユーザに対してほぼリアルタイムで視聴可能にするサービスである。一方、ダウンロードサービスでは、コンテンツサーバ104からダウンロードしたコンテンツをHDD205などの記録媒体に記録し、記録したコンテンツを再生してデジタルテレビ100に表示して、ユーザに対して視聴可能にするサービスである。
【0043】
VODは受信したコンテンツをほぼリアルタイムで表示するため、視聴中にコンテンツが途切れないためには、通信環境が常に広帯域である必要がある。一方、ダウンロードサービスの場合は、一旦、記録媒体に記録し、記録したコンテンツを視聴するので、通信環境に関わらず、コンテンツが途切れることなく視聴することが可能である。以下、本実施の形態では、ダウンロードサービスを利用してコンテンツ配信を行う例を説明する。
【0044】
ダウンロードサービスは、コンテンツの再生可能期限管理の観点から、レンタル方式とセル方式との2通りに分類される。レンタル方式とは、コンテンツの初回視聴後、所定の期間(例えば、2週間)経過したときに、視聴が禁止される方式である。一方、セル方式とは、ダウンロードされたコンテンツに視聴期限を設けない方式である。つまり、一度ダウンロードすると、ユーザは半永久的にそのコンテンツの視聴が可能となる。本実施の形態においては、セル方式またはレンタル方式との記載が無い場合においては、どちらの方式でも良いものとする。
【0045】
ダウンロードしたコンテンツ(ダウンロードコンテンツ)は、初回再生時には、セル方式またはレンタル方式のいずれの場合であっても、そのコンテンツのライセンスを管理するライセンス情報を、コンテンツサーバ104からダウンロードする必要がある。これは、ダウンロードコンテンツは暗号化されており、当該暗号化されたコンテンツを復号するための鍵情報(復号鍵)やコンテンツの再生可能期限に関する情報が、ライセンス情報に含まれているからである。コンテンツを再生する場合、ライセンス情報の再生可能期限に関する情報を確認し、再生時点が再生可能期限内である場合に、鍵情報を用いてコンテンツを復号する。
【0046】
3−2 初期設定
レコーダ101の初期設定について説明する。コンテンツ配信サービスを受けるためには、ユーザの個人情報(氏名、クレジットカード番号等)をレコーダ101に登録する必要がある。まず、ユーザはレコーダ101にLANケーブルなどを接続し、レコーダ101をインターネット網103に接続する。
【0047】
ユーザがリモコン102の「コンテンツ配信システム」のボタンを押すと、レコーダ101はインターネット網103を介して、コンテンツサーバ104に記録されているユーザ登録用のHTMLデータをダウンロードする。
【0048】
ダウンロードしたHTMLデータは、ネットワーク制御部215を介してRAM213に記録される。CPU212は、RAM213に記録されたHTMLデータを解釈し、画像データとしてグラフィック制御部208に出力する。その後、画像データは映像出力部210を介して、デジタルテレビ100に送信され、デジタルテレビ100は画像データ映像信号を表示する。
【0049】
ユーザはリモコン102を用いてユーザの個人情報を入力する。入力した情報はコンテンツサーバ104に送信され、登録される。これによりユーザ登録が完了する。
【0050】
3−3 ダウンロードの基本動作
3−3−1 ユーザによるダウンロードコンテンツの選択
レコーダ101によるコンテンツのダウンロード動作について説明する。ユーザがリモコン102の「コンテンツ配信システム」のボタンを押すと、指示受信部216がその旨を検知する。そして、CPU212は、ネットワーク制御部215に対し、コンテンツサーバ104に記録されているコンテンツ一覧データを受信するように命令する。コンテンツ一覧は例えばHTMLで記載されている。
【0051】
ネットワーク制御部215はインターネット網103を介して、コンテンツサーバ104にコンテンツ一覧データを送信するように要求する。要求を受け付けたコンテンツサーバ104はコンテンツ一覧データをレコーダ101に対し送信する。ネットワーク制御部215は、コンテンツ一覧データを受信すると、バス214を介して、RAM213に記録する。CPU212は、RAM213に記録されたコンテンツ一覧データを解釈し、コンテンツ一覧画像データとしてグラフィック制御部208に出力する。コンテンツ一覧画像データはグラフィック制御部208及び映像出力部210を介して、デジタルテレビ100に送信される。デジタルテレビ100は受信した画像データに基づきコンテンツ一覧画像を表示する。
【0052】
ユーザはデジタルテレビ100に表示されたコンテンツ一覧画像を参照し、リモコン102を用いてダウンロードしたいコンテンツを選択する。
【0053】
指示受信部216がユーザのコンテンツ選択を検知すると、CPU212はユーザが選択したコンテンツをコンテンツサーバ104からダウンロードするように制御する。ネットワーク制御部215は、インターネット網103を介して、コンテンツサーバ104にそのコンテンツをレコーダ101に送信するように要求する。要求を受信したコンテンツサーバ104はレコーダ101に対して、そのコンテンツの送信を開始する。
【0054】
3−3−2 メタ情報のダウンロード
コンテンツサーバ104からコンテンツをダウンロードする場合、まずダウンロードするコンテンツの付加情報であるメタ情報がダウンロードされる。その後、映像/音声データ等のコンテンツがダウンロードされる。
【0055】
以下、メタ情報のダウンロードについて説明する。メタ情報はコンテンツに関する付加情報である。図1Bに示すように、コンテンツのタイトル、コンテンツの再生時間、ダビング可能回数、配信元のサーバに関する情報(URL)等を含む。また、メタ情報は、コンテンツのサムネイル画像やコンテンツのまとめ情報を含む。まとめ情報とは、コンテンツがまとめ表示される対象か否かを示す情報である。まとめ表示の詳細は後述する。
【0056】
ネットワーク制御部215は、ダウンロードしたメタ情報を、一旦、RAM213に記録する。ドライブ制御部204は、RAM213に記録されているメタ情報を読み出し、HDD205に記録する。
【0057】
ネットワーク制御部215は、メタ情報のダウンロードが終了するまで、RAM213にダウンロードしたメタ情報を記録し続ける。ドライブ制御部204は、ネットワーク制御部215によりRAM213へ記録されたメタ情報を、RAM213から読み出してHDD205へ移動する。
【0058】
以上の動作により、コンテンツサーバ104に記録されているコンテンツのメタ情報をHDD205に記録することができる。
【0059】
なお、メタ情報のダウンロード中はコンテンツをダウンロードしていないため、コンテンツの再生は不可能である。よって、指示受信部216がダウンロード中のコンテンツの再生指示を受け付けた場合であっても、CPU212はそのコンテンツの再生を実行しない。
【0060】
3−3−3 コンテンツのダウンロード
コンテンツのダウンロードについて説明する。ネットワーク制御部215はメタ情報の受信が終了すると、引き続きコンテンツの受信を開始する。ネットワーク制御部215は、ダウンロード中のコンテンツを一旦、RAM213に記録する。ドライブ制御部204は、RAM213に記録されているダウンロード中のコンテンツを読み出し、HDD205に移動する。
【0061】
ネットワーク制御部215はコンテンツのダウンロードが終了するまで、ダウンロードしたコンテンツをRAM213に記録し続ける。ドライブ制御部204は、ネットワーク制御部215が、ダウンロードコンテンツのRAM213への書き込みを終了するまで、ダウンロードしたコンテンツをRAM213からHDD205へ移動し続ける。
【0062】
以上の動作により、コンテンツサーバ104に記録されているコンテンツをHDD205に記録することができる。
【0063】
なお、ダウンロードコンテンツは、HDD205に記録されたときに、初期設定として消去ができないように設定することも可能である。具体的には、HDD205に記録されたコンテンツのメタ情報に、消去に関する属性として「消去禁止」を示す情報が記載されてもよい。指示受信部216が、ダウンロードしたコンテンツの消去指示をユーザから受信すると、CPU212は、HDD205に記録されている、そのコンテンツの消去に関する属性を参照し、「消去禁止」を示す情報が記載されている場合、そのコンテンツの消去動作を実行しないようにしてもよい。
【0064】
つまり、本実施形態のレコーダ101は、コンテンツサーバ104からダウンロードしたコンテンツをHDD205に記録し、再生することが可能なレコーダである。レコーダ101は、コンテンツサーバ104に格納されたコンテンツをダウンロードして、ダウンロードコンテンツとしてHDD205に記録する、ドライブ制御部204及びネットワーク制御部215と、放送波を介して受信した放送番組を放送コンテンツとしてHDD205に記録するチューナ201、ADC202、ビデオエンコーダ203及びドライブ制御部204と、HDD205に記録されたダウンロードコンテンツまたは放送コンテンツを消去するCPU212及びドライブ制御部204と、を備え、CPU212及びドライブ制御部204は、コンテンツの消去に関する属性にしたがいコンテンツの消去の可否を判断し、ドライブ制御部204及びネットワーク制御部215は、そのダウンロードコンテンツをHDD205に記録するときに、そのダウンロードコンテンツの消去に関する属性を、消去の禁止を示す値に設定し、チューナ201、ADC202、ビデオエンコーダ203及びドライブ制御部204は、その放送コンテンツをHDD205に記録するときに、その放送コンテンツの消去に関する属性を、消去が可能であることを示す値に設定する。
【0065】
なお、CPU212は、コンテンツの再生指示を受け付けた後は、ユーザからの消去指示を受け付けたときにコンテンツを消去するようにしてもよい。または、CPU212は、コンテンツの再生が完了した後は、ユーザからの消去指示を受け付けたときにコンテンツを消去するようにしてもよい。すなわち、CPU212は、コンテンツの再生指示を受け付けたときに、または、コンテンツの再生が完了したときに、そのコンテンツの消去に関する属性を「消去禁止」から「消去可能」に更新するようにしてもよい。
【0066】
また、指示受信部216が、コンテンツの消去に関する属性を「消去禁止」から「消去可能」に切り換える指示を受信した場合、CPU212はHDD205に記録されているメタ情報の消去に関する属性を変更する。具体的には、メタ情報に記載されている「消去禁止」を示す情報の内容を「消去可能」に更新する。これにより、メタ情報を更新されたコンテンツは消去可能となる。すなわち、指示受信部216が、ダウンロードしたコンテンツの消去指示をユーザから受信した場合、CPU212はドライブ制御部204に対し、そのコンテンツを消去するよう命令し、ドライブ制御部204はそのコンテンツを消去する。なお、コンテンツの消去に関する属性は、ユーザからの指示に基づき「消去禁止」から「消去可能」に変更できるようにしてもよい。
【0067】
以上のように「消去」の可否を示す属性情報をメタ情報に含めることにより、ダウンロードコンテンツをユーザが誤って消去することを防止することができる。
【0068】
これに対して、放送コンテンツについては、HDD205に記録したときに、初期設定として消去ができるように設定するのが好ましい。具体的には、HDD205に記録された放送コンテンツのメタ情報には「消去可能」を示す情報が記載されてもよい。放送コンテンツを記録する頻度が高く、初期設定として「消去禁止」に設定されると、その「消去禁止」を解除する作業が頻繁に発生するため、使い勝手が悪くなるためである。
【0069】
以上のように、CPU212は、HDD205に記録された、ダウンロードコンテンツまたは放送コンテンツを消去可能である。また、CPU212は、ダウンロードコンテンツまたは放送コンテンツの消去を禁止することもできる。CPU212は、ダウンロードコンテンツをHDD205に記録した直後において(つまり初期設定として)そのダウンロードコンテンツの消去を禁止する一方、放送コンテンツをHDD205に記録した直後においてその放送コンテンツの消去を禁止しないようにしてもよい。
【0070】
これにより、コンテンツに応じて消去禁止の初期設定が異なるため、ダウンロードしたコンテンツを不用意に消去してしまうことを防止しつつ、放送コンテンツの消去作業を効率化できる。
【0071】
4 録画一覧の表示とコンテンツの再生
4−1 録画一覧の表示
レコーダ101は、HDD205に記録されているコンテンツの一覧(以下「録画一覧」と称する。)を表示することができる。ユーザは、その録画一覧から所望のコンテンツを選択することによって、レコーダ101に所望のコンテンツの再生を指示することができる。以下、録画一覧の表示の動作について説明する。
【0072】
ユーザがリモコン102の「録画一覧」のボタンを押すと、指示受信部216がその旨を検知する。そして、CPU212は、ドライブ制御部204に対し、HDD205に記録されている全てまたは一部のコンテンツのメタ情報を読み出すよう命令する。ドライブ制御部204は、HDD205に記録されている全てまたは一部のコンテンツのメタ情報を読み出し、RAM213に記録する。メタ情報が読み出されるコンテンツは、放送録画によるコンテンツとダウンロードしたコンテンツの両方を含んでもよいし、いずれか一方のみでもよい。CPU212は、RAM213に記録されているメタ情報を解釈し、HDD205に記録されているコンテンツ一覧である録画一覧画像を作成する。録画一覧画像はグラフィック制御部208及び映像出力部210を介して、デジタルテレビ100に送信されて表示される。
【0073】
図3Aは録画一覧画像の一例を示した図である。HDD205に記録されているコンテンツについて、コンテンツに関するサムネイル画像31、コンテンツの状態32、録画した日付33、チャンネル等の取得先に関する情報34、タイトルの情報35が表示されている。これらの情報はメタ情報に格納されている。ここで、コンテンツの状態32の「未」は、録画されているコンテンツが未視聴のコンテンツであることを示す。「新」は、録画されているコンテンツが新番組のコンテンツであることを示す。丸印は、コンテンツが録画中であることを示す。「まとめ」は、コンテンツがまとめ表示されていることを示す。「まとめ表示」とは、録画一覧上において、同一属性を持つ複数コンテンツを一つのコンテンツとして管理して表示する機能である。同一属性を持つコンテンツとは、例えば、一連のドラマや映画、同一のテレビ番組などである。図3Aの例では、「ドラマ 奇跡体験!」のコンテンツが、まとめ表示されている。例えば、「ドラマ 奇跡体験!」の第1話〜第3話のコンテンツがまとめ表示されている場合、録画一覧上で「ドラマ 奇跡体験!」の行が選択されたときに、図3Bに示すように、まとめ表示されているコンテンツの一覧が表示される。
【0074】
ユーザはリモコン102の上下キーを押すことにより、録画一覧上でユーザが注目しているコンテンツの表示を拡大表示することができる。図3Aは、「熱狂・北京オリンピック」の表示が拡大されて表示された例を示している。コンテンツ詳細表示領域300に、ダビング可能回数や視聴可能期間、コンテンツの再生時間などのコンテンツの詳細情報が、表示されている。コンテンツ画像表示領域301は、サムネイル画像または縮小動画の表示領域である。特に、選択されているコンテンツのコンテンツ画像表示領域301は拡大して表示される。なお、縮小動画が、拡大されたコンテンツ画像表示領域301に表示されてもよい。縮小動画表示は以下のようにして実現できる。通常のコンテンツ再生と同様に、ドライブ制御部204がコンテンツを読み出し、ビデオデコーダ207が読み出したコンテンツを復号化し、グラフィック制御部208へ出力する。グラフィック制御部208は、複合化したコンテンツが、拡大したコンテンツ詳細表示領域300に表示されるように、録画一覧を作成する。これにより、ユーザは、拡大表示の選択をしたコンテンツの映像のプレビューを視聴することができる。
【0075】
つまり、本実施形態のレコーダ101は、コンテンツサーバ104からコンテンツをダウンロードし、HDD205に記録し、再生することが可能なレコーダである。レコーダ101は、コンテンツサーバ104に格納された付加情報を有するコンテンツをダウンロードしてHDD205に記録するドライブ制御部204と、ダウンロードによりHDD205に記録されたコンテンツを再生するドライブ制御部204及びビデオデコーダ207と、HDD205に格納されたコンテンツの一部または全部のコンテンツについて、各コンテンツの情報を一覧にして表示する一覧画像のデータを作成するCPU212及びグラフィック制御部208と、を備え、CPU212及びグラフィック制御部208は、ドライブ制御部204及びビデオデコーダ207がコンテンツを再生する前は、コンテンツの付加情報からサムネイル画像を取得し、取得したサムネイル画像を含むように一覧画像のデータを作成し、ドライブ制御部204及びビデオデコーダ207がそのコンテンツを再生した後は、そのコンテンツに基づいて縮小動画を生成し、その生成した縮小動画を含むようにその一覧画像のデータを作成する。
【0076】
ダウンロードコンテンツを再生するためにはライセンス情報が必要である。レコーダ101は、コンテンツのライセンス情報をコンテンツサーバ104からダウンロードしていない場合、コンテンツのサムネイル画像(縮小静止画)を表示する。また、拡大表示されていないコンテンツ画像表示領域301においては、メタ情報に含まれるサムネイル用画像が表示される。
【0077】
具体的には、ドライブ制御部204及びビデオデコーダ207が、HDD205に記録されているメタ情報が付加されたコンテンツを再生する前(すなわちライセンス情報取得前)は、CPU212は、メタ情報からサムネイル画像を取得し、その取得したサムネイル画像を含む表示データを作成するように、グラフィック制御部208を制御する。その後、ドライブ制御部204及びビデオデコーダ207がそのコンテンツを再生した後(すなわちライセンス情報取得後)は、CPU212は、そのコンテンツに基づいて縮小動画を生成し、生成した縮小動画を含む表示データを作成するように、グラフィック制御部208を制御する。つまり、録画一覧においては、コンテンツのライセンス情報を取得したときに、サムネイル画像から縮小動画に変更される。
【0078】
このようにして縮小動画を表示することによりコンテンツの内容を把握しやすくできるのに加えて、縮小画像を生成できない場合であってもサムネイル画像を表示するのでコンテンツの内容を把握しやすくできる。
【0079】
ユーザが拡大表示するコンテンツを選択後、リモコン102の決定ボタンを押すことにより、選択されたコンテンツが再生される。コンテンツの再生動作については後述する。
【0080】
図3Aに示す録画一覧画像において、チャンネル等の取得先に関する情報34として、『地上D010』や『TATSUYA TV』の記載がある。前者は地上波デジタル放送のチャンネル数を示し、後者はコンテンツのダウンロード元を示す情報である。また、図3Aに示すように、本実施形態では、放送コンテンツと、ダウンロードしたコンテンツとの双方を混在させて、1つの録画一覧画像上に表示することが可能である。つまり、グラフィック制御部208は、HDD205に記録されたダウンロードコンテンツ及び放送コンテンツを示す情報を互いに混在した状態で録画一覧用のデータを作成する。
【0081】
言い換えると、本実施形態のレコーダ101は、コンテンツサーバ104からコンテンツをダウンロードし、HDD205に記録し、再生することが可能なレコーダである。レコーダ101は、コンテンツサーバ104に格納されたコンテンツをダウンロードして、ダウンロードコンテンツとしてHDD205に記録するドライブ制御部204及びネットワーク制御部215と、放送波を介して受信した放送番組を放送コンテンツとしてHDD205に記録するチューナ201、ADC202、ビデオエンコーダ203及びドライブ制御部204と、HDD205に格納されたコンテンツの一部または全部のコンテンツについて、各コンテンツの情報を一覧にして表示する一覧画像のデータを作成するCPU212及びグラフィック制御部208と、を備え、CPU212及びグラフィック制御部208は、ダウンロードコンテンツを示す情報と、放送コンテンツを示す情報とを混在させて表示するようにその一覧画像のデータを作成する。
【0082】
録画一覧には、コンテンツを所定の条件で分類して表示するためのタブ302が設けられている。ユーザはいずれかのタブを選択することにより、所望のフィルタリングがなされた録画一覧を表示させることができる。図3Aにおいて、例えば、『すべて』タブは、全てのコンテンツを表示させるためのタブである。『未視聴』タブは、未視聴のコンテンツを表示させるためのタブである。
【0083】
ユーザが『ダウンロード』タブ302aを選択した場合の動作について説明する。指示受信部216がユーザ操作による『ダウンロード』タブ302aの選択を受け付けた場合、CPU212はドライブ制御部204に対し、HDD205に記録されているコンテンツのメタ情報を読み出すよう命令する。ドライブ制御部204は、HDD205に記録されている、ダウンロードに関するコンテンツのメタ情報を読み出し、RAM213に記録する。CPU212は、RAM213に記録されているメタ情報を解釈し、放送コンテンツではなくダウンロードしたコンテンツのメタ情報のみを抽出し、HDD205に記録されているダウンロードコンテンツの一覧である録画一覧画像を作成する。録画一覧画像はグラフィック制御部208と映像出力部210を介して、デジタルテレビ100に送信される。
【0084】
つまり、HDD205に記録されたダウンロードコンテンツ及び放送コンテンツの属性に関して、CPU212はタブ302を介して選択指示を受け付け、受け付けた選択指示に応じて、HDD205に記録されたコンテンツをグループ分けする。
【0085】
以上の方法で、ユーザが選択した属性情報に基づきフィルタリングをして、録画一覧を表示させることができる。なお、フィルタリングの属性情報には、未視聴のコンテンツを示す「未視聴」や、新番組の自動録画を示す「おまかせ」や、コンテンツのジャンルを示す「ドラマ」、「映画」、「スポーツ」や、動画カメラで撮像されたコンテンツを示す「撮影ビデオ」などが含まれても良い。
【0086】
4−2 ダウンロードコンテンツの再生
HDD205に記録された再生可能期限付きのコンテンツ(レンタル形式のコンテンツ)の再生動作について図4のフローチャートを用いて説明する。
【0087】
ユーザがデジタルテレビ100に表示されたコンテンツ一覧画像上でリモコン102を用いて再生したいコンテンツを選択すると、指示受信部216はコンテンツの再生指示を受け付ける(S401)。選択されたコンテンツが放送コンテンツの場合は、[2−2.録画した放送番組の再生]で説明したように再生動作が実施される。一方、選択されたコンテンツがダウンロードコンテンツの場合、ライセンス情報に含まれる鍵情報を用いて、コンテンツを復号する必要がある。
【0088】
選択されたコンテンツがダウンロードコンテンツの場合、CPU212は、そのコンテンツがすでに一度でも視聴されているコンテンツであるか、未視聴のコンテンツであるかを判断する(S402)。この判断は、そのコンテンツのライセンス情報がHDD205に記録されているか否かを確認することにより行われる。そのコンテンツが視聴済の場合は、コンテンツを再生する(S405)。
【0089】
一方、そのコンテンツが未視聴のコンテンツである場合は、CPU212は、グラフィック制御部208に対して、警告画面を表示するように命令する。警告画面は、コンテンツの再生可能期限に関する警告メッセージと、その警告を見たユーザがコンテンツの再生を実行するか中止するかを選択するための選択ボタンを含む。グラフィック制御部208はメモリ209から警告画面の画像データを読み出し、録画一覧に重畳して映像出力部210から出力する(S403)。
【0090】
図5Aは、録画一覧上に上記警告画面を表示した場合の一例を示した図である。再生可能期限に関する警告メッセージと、ユーザが再生を開始するか再生を中止するかを選択するためのボタンとが表示されている。
【0091】
図5Aに示す警告画面上でリモコン102を介してユーザにより『キャンセル』が選択されると(S404)、CPU212はそのコンテンツの再生を中止する(S406)。一方、ユーザにより『再生開始』が選択されると(S404)、CPU212は、そのコンテンツのライセンス情報をコンテンツサーバ104からダウンロードした後、そのコンテンツを再生する(S405)。ライセンス情報をダウンロードした時点からコンテンツの再生期間が開始される。具体的には、ユーザにより『再生開始』が選択されると、コンテンツサーバ104は、ライセンス情報内に再生可能期限を書き込んでレコーダ101にライセンス情報を送信する。レコーダ101におけるコンテンツの再生は、ライセンス情報内に書き込まれた再生可能期限までに限定される。
【0092】
ダウンロードコンテンツが再生を開始される前すなわちライセンス情報の取得前は、コンテンツ詳細表示領域300にそのコンテンツの再生可能期間を示す情報が表示される。例えば、図3Aに示す例では、「熱狂・北京オリンピック」の再生可能期間として「48時間視聴可能」と表示されている。この状態では、まだ再生可能期限が定まっていないからである。しかし、一旦、ダウンロードコンテンツが再生されると、すなわち、ライセンス情報の取得後は、そのコンテンツの再生可能期限が確定する。そこで、ダウンロードコンテンツが再生された後、すなわち、ライセンス情報の取得後は、コンテンツの再生可能期限(視聴可能期限)が表示される。例えば、図5Bに示すように、「熱狂・北京オリンピック」の再生可能期限として「2008年2月19日12時34分まで視聴可能」と表示される。このように、ライセンス取得の有無に基づいて、再生可能期間を表示するか、もしくは、再生可能期限を表示するかが決定される。
【0093】
4−2−1 ライセンス情報のダウンロード
ライセンス情報のダウンロード動作について詳細に説明する。HDD205にそのコンテンツのライセンス情報が記録されていない場合、CPU212は、ネットワーク制御部215に対して、ユーザにより再生のために選択されたコンテンツのライセンス情報をコンテンツサーバ104からダウンロードするように命令する。ネットワーク制御部215は、インターネット網103を介して、コンテンツサーバ104にそのコンテンツのライセンス情報を送信するように要求する。要求を受け付けたコンテンツサーバ104は、レコーダ101にライセンス情報の送信を開始する。
【0094】
ネットワーク制御部215はコンテンツサーバ104からライセンス情報を受信し、受信したライセンス情報を一旦、RAM213に記録する。ドライブ制御部204は、RAM213に記録されているライセンス情報を読み出し、HDD205に記録する。
【0095】
なお、再生可能期限の無いコンテンツ(セル形式のコンテンツ)については、ライセンス情報をダウンロードしていない場合、指示受信部216がユーザのそのコンテンツの再生指示を受け付けたときに、警告情報を出力することなく、ネットワーク制御部215がライセンス情報をダウンロードしても良い。
【0096】
また、通信路でのエラー等でネットワーク制御部215がライセンス情報を取得できなかった場合は、ネットワーク制御部215は再度ライセンス情報の送信を要求する。しかし、所定の時間経過後(例えば、15秒)もライセンス情報を受信できない場合は、ライセンス情報の送信要求を停止する。
【0097】
4−2−2 ライセンス情報受信後のコンテンツ再生動作
ライセンス情報受信後のコンテンツの再生動作について説明する。ダウンロードしたコンテンツは、ライセンス情報に基づき復号化され、再生される。ドライブ制御部204はHDD205からライセンス情報を読み出し、RAM213に記録する。続いて、ドライブ制御部204はHDD205のコンテンツを読み出す。ドライブ制御部204は、HDD205に記録されているライセンス情報に記録されている鍵情報に基づきコンテンツを復号化し、ビデオデコーダ207に供給する。ビデオデコーダ207には内部演算用のグラフィック制御部208が接続されており、オン・スクリーン・ディスプレイ(On Screen Display;OSD)機能を実現できる。例えば、グラフィック制御部208は種々のメニュー画像を映像と合成して映像出力部210に出力する。以上によりコンテンツを再生することができる。
【0098】
なお、本実施の形態において、録画一覧画面に重畳する各種警告画面はメモリ209に記憶されており、グラフィック制御部208が録画一覧画面に重畳することにより、デジタルテレビ100に表示される。
【0099】
また、ライセンス情報に持たせる再生可能期限としては、再生の開始可能時刻を設定しても良い。一般に新作の映画などは、コンテンツ配信側がユーザへの配布時期を指定するものが多い。しかし、配布時期までユーザにダウンロード許可しない場合は、ユーザは配布時期後に時間をかけてダウンロードしなければならず、配布時期後すぐにコンテンツを再生することができない。また、配布時期後すぐにコンテンツサーバにアクセスが集中する可能性がある。ライセンス情報に再生の開始可能時期を記載した上で、事前にコンテンツを配信することにより、コンテンツ配信業者の権利を守りつつ、ユーザにとっても使いやすいコンテンツ配信システムを提供することができる。この場合、再生の開始可能時刻前にコンテンツの再生を選択した場合、図6のような警告画面を表示することも可能である。
【0100】
4−3 ダウンロード中の録画一覧および動作制限
4−3−1 メタ情報のダウンロード中の録画一覧および動作制限
メタ情報のダウンロード中の録画一覧およびメタ情報のダウンロード中のレコーダ101の動作制限について説明する。
【0101】
図7は、メタ情報をダウンロード中の録画一覧の例を示した図である。メタ情報をダウンロードしているときは、コンテンツ自体をダウンロードできていないため、動画を表示することはできない。また、メタ情報に含まれるサムネイル画像も、メタ情報のダウンロードが完了していないため、表示できない可能性がある。そこで、コンテンツ画像表示領域301は、動画像を表示させずに、空白の領域とする。また、メタ情報のダウンロード中には、コンテンツ詳細表示領域300に「ダウンロード準備中」との表示が表示される。ここで、メタ情報のダウンロードはコンテンツのダウンロードの準備段階であることから、メタ情報がダウンロードされている間、「ダウンロード準備中」と表示している。
【0102】
また、メタ情報のダウンロード中に再生を選択した場合、図8に示すような、再生動作を実行できない旨を示す警告画面がデジタルテレビ100に表示される。具体的には、グラフィック制御部208がメモリ209に記録されている警告画面データを読み出し、録画一覧画面に重畳することにより、警告画面をデジタルテレビ100に表示できる。
【0103】
つまり、ネットワーク制御部215とドライブ制御部204は、コンテンツサーバ104に格納されたメタ情報付きのコンテンツをダウンロードしてHDD205に記録する。ドライブ制御部204とビデオデコーダ207は、ダウンロードによりHDD205に記録されたメタ情報付きコンテンツを再生する。CPU212とグラフィック制御部208は、HDD205に記録されたコンテンツの少なくとも一部のコンテンツに関するコンテンツ情報を表示するための表示データを作成する。CPU212とグラフィック制御部208は、ネットワーク制御部215とドライブ制御部204に、メタ情報付きコンテンツのダウンロードを開始させる。コンテンツに付随するメタ情報のダウンロードが開始されると、CPU212とグラフィック制御部208は、そのコンテンツに関するコンテンツ情報を表示するための表示データを作成する。一方、ドライブ制御部204とビデオデコーダ207で再生すべきコンテンツのダウンロードが開始されていない場合、CPU212とグラフィック制御部208は、そのコンテンツが再生できない旨の警告情報を含む表示データを作成する。
【0104】
4−3−2 コンテンツのダウンロード中の録画一覧および動作制限
コンテンツのダウンロード中の録画一覧およびコンテンツのダウンロード中のレコーダ101の動作制限について説明する。図9Aは、コンテンツのダウンロード中にデジタルテレビ100に表示される録画一覧の例である。図7に示したメタ情報のダウンロード中の録画一覧との違いは、コンテンツ画像表示領域301に画像が表示されている点と、コンテンツ詳細表示領域300に『ダウンロード中 20%』とのコンテンツのダウンロードの進捗状態が記載されている点である。
【0105】
コンテンツ画像表示領域301に表示される画像について説明する。既に視聴済であり、ライセンス情報を取得しているコンテンツである場合には、ライセンス情報によりコンテンツの復号が可能であるので、コンテンツ画像表示領域301に、そのコンテンツの縮小動画を表示する。一方、ライセンス情報を取得していない場合は、そのコンテンツの復号ができず再生ができないので、コンテンツ画像表示領域301には、メタ情報に含まれている静止画を表示する。また、コンテンツの詳細情報には「ダウンロード中20%」といったダウンロードの進捗情報が表示される。
【0106】
図9Bは、コンテンツがダウンロード中に表示される録画一覧の別の例を示した図であり、ダウンロード中のコンテンツの情報が録画一覧上に表示されていない例を示している。ダウンロードの詳細を確認するためには、所定のボタン(図9Bでは、赤ボタン40)を押下する。これにより、図9Cに示すようなダウンロード中コンテンツの一覧画面が表示され、ダウンロードの詳細が確認できる。なお、図9B、図9Cは、あるコンテンツ(「ドラマ 奇跡体験!第3話」)とともに、他のコンテンツ(「ドラマ 奇跡体験!第4話」)のメタ情報が同時にダウンロード中である例を示している。
【0107】
本実施形態では、コンテンツがダウンロード中である間、そのコンテンツの編集を禁止する。ここで、編集とは、具体的には、コンテンツ(番組)の分割、コンテンツ(番組)の結合またはコンテンツ(番組)の消去などの作業である。
【0108】
図10に、ユーザがコンテンツの編集指示を行った場合に表示される画面(編集項目一覧)の一例を示す。編集項目一覧303は編集内容に対応した複数の項目を含むが、編集不可能な項目については、その背景色を灰色に設定される。図10に示す編集項目一覧303の作成動作について、図11のフローチャートを用いて説明する。
【0109】
録画一覧においてユーザがコンテンツの編集を選択し、指示受信部216がその選択を受け付けると(S1101)、CPU212は、ダウンロード中のコンテンツに対する編集であるか、それ以外のコンテンツに対する編集であるかを判断する(S1102)。ダウンロード中のコンテンツに対する編集であった場合、CPU212はグラフィック制御部208に対し、編集不可能な項目の背景色を灰色に変えた編集項目一覧画像を作成するように指示する。グラフィック制御部208は、メモリ209の画像データを参照し、編集不可能な項目の背景色を灰色に変えて、編集項目一覧画像303を生成し、録画一覧の画像に重畳する(S1103)。例えば、図10においては、番組消去、番組編集、チャプタ一覧、チャプタ編集の項目の背景色が灰色に変えられている。そして、編集不可能な項目の背景色を灰色に変えられた編集項目一覧画像303を録画一覧の画像に重畳して、映像出力部210を介してデジタルテレビ100に送信する。これにより、デジタルテレビ100は編集不可能な項目の背景色を灰色に変えた編集項目一覧画像が重畳された画像を表示する。
【0110】
一方、ダウンロード中のコンテンツに対する編集で無い場合、通常通りの編集項目一覧画像を作成するように指示する(S1104)。
【0111】
つまり、指示受信部216がダウンロードコンテンツの編集に関するユーザによる要求を受け付けると、CPU212は、その編集要求に基づきHDD205に記録されたコンテンツを編集する。その際、CPU212は、ネットワーク制御部215がコンテンツをダウンロードしている間は、ユーザ操作に関わらず、そのコンテンツに対する編集要求を受け付けない。
【0112】
つまり、本実施形態のレコーダ101は、コンテンツサーバ104からダウンロードしたコンテンツをHDD205に記録し、再生することが可能なレコーダである。レコーダ101は、コンテンツサーバ104に格納されたコンテンツをダウンロードしてHDD205に記録するドライブ制御部204と、そのダウンロードされたコンテンツの編集に関するユーザの要求を受け付ける指示受信部216と、そのユーザの要求に基づき、HDD205に記録されたコンテンツを編集するCPU212と、を備える。指示受信部216は、ドライブ制御部204がコンテンツをダウンロードしている間は、そのコンテンツの編集に関するユーザの要求を受け付けない。これによりユーザが誤ってダウンロード中のコンテンツを編集することを防止することができる。
【0113】
また、CPU212とグラフィック制御部208は、HDD205に記録されたコンテンツの少なくとも一部を含み、一覧表示するコンテンツ一覧データを作成する。CPU212は、ダウンロード中のコンテンツに対する編集項目の一覧を表示する場合、編集不能な編集項目について表示方法を変更する。
【0114】
つまり、本実施形態のレコーダ101は、HDD205に記録されたコンテンツの一部または全部のコンテンツについて、各コンテンツの情報を一覧にして表示する一覧画像のデータを作成するCPU212及びグラフィック制御部208をさらに備え、CPU212及びグラフィック制御部208は、ダウンロード中のコンテンツに対する編集動作項目の一覧画像のデータをさらに作成し、その編集動作項目の一覧画像において、CPU212が実行不可能な編集動作項目の表示方法を、CPU212が実行可能な編集動作項目の表示方法と異ならせる。これにより、ユーザは実行が可能な編集動作と編集が不可能な編集動作とを容易に判別することができる。
【0115】
これにより、コンテンツのダウンロード中には、そのコンテンツの編集が禁止されるとともに、ユーザは編集項目一覧画像を見るだけで編集が禁止されているか否かを判断することができる。
【0116】
つまり、本実施形態のレコーダ101は、コンテンツサーバ104からコンテンツをダウンロードし、HDD205に記録し、再生することが可能なレコーダである。レコーダ101において、ネットワーク制御部215及びドライブ制御部204は、コンテンツサーバ104に格納されたコンテンツのメタ情報を取得して、そのコンテンツのダウンロードを開始するための準備を行い、その準備の完了後、そのコンテンツをサーバからダウンロードしてHDD205に記録する。CPU212とグラフィック制御部208は、HDD205に記録されたコンテンツの少なくとも一部を一覧表示するためのコンテンツ一覧データを作成する。そして、CPU212とグラフィック制御部208は、ネットワーク制御部215及びドライブ制御部204がダウンロードの準備動作を行っているときと、ダウンロードを行っているときとで一覧表示が異なるようコンテンツ一覧データを作成する。
【0117】
なお、コンテンツのダウンロードを完了していない場合であっても、コンテンツのダウンロードを停止しているときは、コンテンツの編集を許可しても良い。すなわち、ネットワーク制御部215がコンテンツのダウンロードを完了していない場合であっても、そのコンテンツのダウンロードを停止している間は、CPU212は、そのコンテンツに対する編集要求を受け付けてもよい。
【0118】
また、コンテンツをダウンロード中には、まとめ表示を禁止することも可能である。まとめ表示とは、録画一覧において同一種類のコンテンツを一つのコンテンツとして表示する機能である。例えば、図9Aの例では『ドラマ 奇跡体験!』がまとめ表示されている。
【0119】
つまり、指示受信部216はHDD205に記録されたダウンロードコンテンツ及び放送コンテンツの属性に関して、選択指示を受け付ける。CPU212は、指示受信部216が受け付けた選択指示に応じて、HDD205に記録されたコンテンツをグルーピングする。そして、CPU212及びグラフィック制御部208は、コンテンツ一覧データを作成する。
【0120】
しかしながら、ダウンロード中のコンテンツをまとめ表示してしまうと、ダウンロードの進捗を確認することが難しくなる。そこで、まとめ表示されるコンテンツがダウンロード中のときは、そのコンテンツをまとめ表示せず、録画一覧上の別の領域にダウンロードの進捗状況を表示させても良い。つまり、CPU212及びグラフィック制御部208は、その付加情報がダウンロード中のコンテンツに関する情報を、その一覧画像には含めないようにその一覧画像を作成する。
【0121】
ダウンロード中のコンテンツをまとめ表示をせずに、録画一覧上の別の領域に表示させる場合の具体的な動作を説明する。図12Aは、そのような動作における、コンテンツのダウンロード中の録画一覧の表示例を示した図である。CPU212は、RAM213に記録されたメタ情報から録画一覧を作成する場合に、まとめ表示に関する情報を参照し、まとめ表示すべきコンテンツがあるか否かを判断する。まとめ表示すべきコンテンツが有る場合、CPU212は更に、まとめ表示すべきコンテンツの中でダウンロード中のコンテンツがあるか否かを判断する。ダウンロード中のコンテンツが無い場合、CPU212は、それらのコンテンツをまとめ表示した録画一覧を表示する。ダウンロード中のコンテンツが有る場合、CPU212は、図12Aに示したようにダウンロード中のコンテンツを、まとめ表示せずに録画一覧上の、まとめ表示の領域(第3行目)とは別の領域(最下行)に表示させる。そして、ダウンロード中の『ドラマ 奇跡体験!』の領域を拡大表示させた場合には、図12Bに示すようにダウンロードの進捗状況の詳細を表示する。これにより、ユーザは進捗を確認することが可能である。
【0122】
つまり、本実施形態のレコーダ101は、コンテンツサーバ104からコンテンツをダウンロードし、HDD205に記録し、再生することが可能なレコーダである。レコーダ101は、コンテンツサーバ104に格納された属性データを含むコンテンツをダウンロードしてHDD205に記録するドライブ制御部204と、HDD205に格納されたコンテンツの一部または全部のコンテンツについて、各コンテンツの情報を一覧にして表示する一覧画像のデータを作成するCPU212及びグラフィック制御部208と、を備える。CPU212及びグラフィック制御部208は、属性データが同じである複数のコンテンツをまとめて一つのコンテンツとして取り扱ってその一覧画像のデータを作成し、ダウンロード中のコンテンツを含む一覧画像のデータを作成する場合、そのダウンロード中のコンテンツとダウンロード済のコンテンツとが同一の属性データを持つ場合であっても、ダウンロード中のコンテンツとダウンロード済のコンテンツとをまとめずに別々のコンテンツとして取り扱ってその一覧画像のデータを作成する。
【0123】
かかる表示方法によると、録画一覧を参照することでダウンロード中のコンテンツのダウンロードの進捗状況を確認できるので、ダウンロードの進捗の確認が容易となる。
【0124】
図12Cは、ダウンロード完了後の録画一覧を示した図である。ダウンロードが完了したコンテンツは、ダウンロード完了時にまとめ表示される。よって、ダウンロード中は、図12Bに示すように、まとめ表示された「ドラマ 奇跡体験!」のコンテンツ数が2であったのに対して、ダウンロード完了後は、図12Cに示すように、そのコンテンツ数が3に増加している。この状態で、録画一覧上のまとめ表示された「ドラマ 奇跡体験!」の行が選択されると、図12Dに示すように、まとめ表示されているコンテンツの一覧が表示される。
【0125】
4−4 年齢制限付きコンテンツの録画一覧表示及び再生
4−4−1 ユーザ年齢情報の記録
暴力シーンを含むコンテンツなど、子供に悪影響のあるコンテンツについては、年齢によりその再生を制限する必要がある。また、それらのコンテンツには録画一覧としてタイトル名やサムネイル画像を表示するだけでも子供に有害な場合がある。そこで、本実施の形態のレコーダ101は、ユーザ年齢情報に応じて、録画一覧の表示や再生を規制することも可能とする。
【0126】
最初に、録画一覧の表示や再生を規制するためのユーザ年齢情報の記録方法について説明する。ユーザによるリモコン102を用いた操作により、レコーダ101はデジタルテレビ100に年齢入力のための画面を表示させる。ユーザによるリモコン102を用いた操作により、レコーダ101にユーザ年齢情報が入力される。ユーザ年齢情報とは、レコーダ101を使用するユーザの年齢情報であって、ユーザが任意に登録できる。指示受信部216がユーザの入力を受け付けると、CPU212はフラッシュメモリ211にそのユーザ年齢情報を記録する。
【0127】
4−4−2 年齢制限付きコンテンツの録画一覧情報
視聴年齢制限付きのコンテンツの録画一覧上の表示方法について説明する。HDD205に記録されているコンテンツは、そのコンテンツの有害性の度合いにより、視聴制限のレベルが設定される。視聴制限のレベルは例えば、以下の3段階に分類する。
【0128】
1)コンテンツ自体に有害性が無く、また、録画一覧上に、そのコンテンツのタイトル名やサムネイル画像を表示しても、コンテンツを再生しても、有害では無い場合である。このようなコンテンツを「非有害コンテンツ」と称する。
2)録画一覧上に、そのコンテンツのタイトル名やサムネイル画像を表示することには有害性は無いが、コンテンツ自体に有害情報を含んでいる場合である。このようなコンテンツを「弱有害コンテンツ」と称する。
3)そのコンテンツのタイトル名やサムネイル画像に有害情報を含み、また、コンテンツ自体にも有害情報を含んでいる場合である。このようなコンテンツを「強有害コンテンツ」と称する。
【0129】
本実施形態では、コンテンツが「非有害コンテンツ」、「弱有害コンテンツ」及び「強有害コンテンツ」のいずれであるかを示す情報(以下「有害度情報」と称す)を設けている。有害度情報はメタ情報に格納されている。また、コンテンツに対する再生の可否の基準となる年齢を規定する情報をメタ情報に記載している。以下、この情報を「対象年齢情報」と称する。例えば、弱有害コンテンツに対しては、例えば12〜19歳のいずれかの年齢を示す情報を対象年齢情報としてメタ情報に記載している。弱有害コンテンツは、常に録画一覧上での表示は可能であるが、ユーザの入力したユーザ年齢情報が、そのコンテンツの対象年齢情報以上の場合にのみ再生可能とされるように制御される。強有害コンテンツに対しては、対象年齢情報は例えば「20歳」に設定される。強有害コンテンツに対して、ユーザ年齢情報が20歳以上を示す場合は、そのコンテンツを録画一覧表示し、かつ、再生可能にするように制御される。一方、ユーザ年齢情報が20歳未満の場合は、そのコンテンツの録画一覧表示及び再生を禁止するように制御される。
【0130】
まず、ユーザの指示により録画一覧を表示させた場合の動作について図13のフローチャートを用いて説明する。ユーザがリモコン102の「録画一覧」のボタンを押すと、指示受信部216がその旨を検知する(S1301)。すると、CPU212はドライブ制御部204に対し、HDD205に記録されている全てまたは一部のコンテンツのメタ情報を読み出すよう命令する。ドライブ制御部204はHDD205に記録されている全てまたは一部のコンテンツのメタ情報を読み出し、RAM213に記録する。CPU212はRAM213に記録されているメタ情報を解釈する。
【0131】
以下の説明では、たとえば、図14に示すコンテンツ群がHDD205に記録されているとする。ここで、タイトル名が「R20番組」であるコンテンツが「強有害コンテンツ」に該当する。
【0132】
CPU212はフラッシュメモリ211に記録されているユーザ年齢情報を参照する(S1302)。フラッシュメモリ211に記録されているユーザ年齢情報が20歳以上を示す場合(S1303)、図14に示すような、全てのコンテンツを表示する録画一覧画像を作成する(S1306)。作成された録画一覧画像は、グラフィック制御部208及び映像出力部210を介して、デジタルテレビ100に送信され表示される。図14に示す録画一覧において、「強有害コンテンツ」である「R20番組」が録画一覧画面に表示されている。
【0133】
一方、フラッシュメモリ211に記録されているユーザ年齢情報が20歳未満を示す場合(S1303)、年齢制限はクリアされていないので、CPU212はRAM213に記録されているメタ情報(有害度情報)に基づき、HDD205に「強有害コンテンツ」が記録されているか否かを判定する(S1304)。そして、強有害コンテンツ以外のコンテンツを録画一覧上に表示する(S1305)。具体的には、図15に示すように、「R20番組」を除いて録画一覧画像を作成する。
【0134】
作成された録画一覧画像はグラフィック制御部208及び映像出力部210を介して、デジタルテレビ100に送信され表示される。図15では、「強有害コンテンツ」である「R20番組」は録画一覧画面上に表示されていない。
【0135】
つまり、CPU212及びグラフィック制御部208は、HDD205に記録されたコンテンツのうち一覧に含めようとするコンテンツについて、そのコンテンツが対象年齢情報を含む場合、その対象年齢情報とフラッシュメモリ211に記憶されたユーザ年齢情報とに基づいて、そのコンテンツを示すコンテンツ情報を一覧に含めるかどうかを決定する。これにより、年齢の若いユーザに対して、有害情報を提示することを防止することができる。
【0136】
4−4−3 年齢制限付きコンテンツの再生
視聴年齢制限付きのコンテンツの再生方法について、図16のフローチャートを用いて説明する。
【0137】
ユーザはデジタルテレビ100に表示される録画一覧(S1601)を用いて、再生するコンテンツを選択する。なお、ユーザ年齢情報が20歳未満を示す場合、「強有害コンテンツ」は録画一覧に表示されず、録画一覧上に表示されるのは「非有害コンテンツ」及び「弱有害コンテンツ」のみである。
【0138】
指示受信部216がコンテンツの選択を検知すると、CPU212は選択されたコンテンツの有害度情報を参照する。選択されたコンテンツが、「非有害コンテンツ」である場合は(S1602)、そのコンテンツを通常通り再生する(S1604)。
【0139】
一方、選択されたコンテンツが「弱有害コンテンツ」である場合(S1602)は、CPU212は、フラッシュメモリ211に記録されているユーザ年齢情報と、そのコンテンツのメタ情報に記憶されている対象年齢情報とを参照する。ユーザ年齢情報が示す値が対象年齢情報が示す値以上の場合(S1603)、そのコンテンツの再生を通常通り再生する(S1604)。一方、ユーザ年齢情報の示す年齢が対象年齢情報の示す年齢より小さい場合は(S1603)、コンテンツの再生を禁止する(S1605)。
【0140】
つまり、ドライブ制御部204及びビデオデコーダ207は、HDD205に記録されたコンテンツのうち再生しようとするコンテンツについて、そのコンテンツが対象年齢情報を含む場合、その対象年齢情報とフラッシュメモリ211に記憶されたユーザ年齢情報とに基づいて、そのコンテンツの再生の許可/禁止を決定する。
【0141】
以上のようにして、フラッシュメモリ211に記録されているユーザ年齢情報に応じて、コンテンツの再生の可否を決定することができる。
【0142】
また、対象年齢情報は、CPU212及びグラフィック制御部208がコンテンツ情報を一覧に含めるか否かを決定するために用いる第1の視聴年齢制限データと、ドライブ制御部204およびビデオデコーダ207がコンテンツを再生するか否かを決定するために用いる第2の視聴年齢制限データと、を含んでもよい。この場合、録画一覧の対象年齢とコンテンツ再生の対象年齢を分離することができる。
【0143】
4−4−4 暗証番号の入力による年齢制限の解除
レコーダ101が所定の暗証番号を記録しており、ユーザが暗証番号を入力することにより、コンテンツの年齢制限を解除することも可能である。コンテンツの年齢制限を解除できるようにすることにより、年齢制限のあるコンテンツの再生と録画一覧への表示の年齢制限を無くすことができる。
【0144】
フラッシュメモリ211には、予め暗証番号情報が記録されている。ユーザがコンテンツの年齢制限を解除する場合には、リモコン102を用いて暗証番号入力のための入力画面を表示する。図17に、暗証番号入力のための入力画面の一例を示す。
【0145】
ユーザはリモコン102を用いて、レコーダ101に対し暗証番号を入力する。指示受信部216が入力された暗証番号を検知すると、CPU212はフラッシュメモリ211に記憶されている暗証番号と、ユーザが入力した暗証番号とを比較する。
【0146】
CPU212は暗証番号が一致した場合、コンテンツの年齢制限を解除する。この場合、CPU212は、録画一覧を再度作成し、年齢制限のために表示しなかったコンテンツについて表示可能にする。また、年齢制限のために再生を許可しなかったコンテンツについて再生を許可する。一方、暗証番号が不一致の場合は、コンテンツの年齢制限に関する制御を維持する。
【0147】
一旦、コンテンツの年齢制限が解除されると、レコーダ101の電源がオフになるまで、コンテンツの年齢制限の解除は維持される。したがって、ユーザは何度も暗証番号を入力する必要は無い。
【0148】
つまり、CPU212とグラフィック制御部208が、コンテンツを示すコンテンツ情報を一覧に含めないようを決定した場合であっても、CPU212はその決定を取り消し、そのコンテンツ情報を一覧に含めさせるようグラフィック制御部208を制御する。
【0149】
以上のようにして、ユーザは暗証番号を入力することにより、コンテンツの録画一覧への表示に関する年齢制限を解除できる。
【0150】
また、ドライブ制御部204とビデオデコーダ207が、コンテンツの再生をしないよう決定した場合であっても、CPU212はその決定を取り消し、ドライブ制御部204とビデオデコーダ207に再生をさせるよう、ドライブ制御部204とビデオデコーダ207を制御する。
【0151】
以上のようにして、ユーザは暗証番号を入力することにより、コンテンツの再生に関する年齢制限を解除できる。
【0152】
また、年齢制限のあるコンテンツの再生と録画一覧への表示を同一の暗証番号により、一度に許可することができる。
【0153】
つまり、CPU212は、ユーザによる同一の操作によって、コンテンツを示すコンテンツ情報を一覧に含めないよう決定した場合であっても、グラフィック制御部208に一覧を表示させるように制御し、かつ、コンテンツの再生を禁止するよう決定した場合であっても、ドライブ制御部204とビデオデコーダ207を再生動作させるように制御できる。なお、ユーザによる同一の操作は、同一の暗証番号を入力する操作であってもよい。
【0154】
以上のような年齢制限の解除機能を設けたことにより、家庭でレコーダ101を使用する場合、子供の年齢に合わせてユーザ年齢情報を記録しておくことで、有害なコンテンツの視聴を防止するとともに、大人のユーザが使用する場合には、一度、暗証番号を入力すればその後はコンテンツを自由に視聴することが可能となる。
【0155】
5 ダウンロード時の特殊動作
5−1 ダウンロード時の追っかけ再生
再生可能期限付きのコンテンツ(レンタル形式のコンテンツ)のダウンロード中に、そのダウンロードされたコンテンツの再生をする場合の動作について図18のフローチャートを用いて説明する。以下、このような動作を「追っかけ再生」と称する。
【0156】
録画一覧画面においてユーザが追っかけ再生を実行するコンテンツを選択し、指示受信部216がその選択を受信すると(S1801)、ドライブ制御部204は、選択されたコンテンツが未視聴のコンテンツであるか否かを判断する(S1802)。この判断は、HDD205のライセンス情報の有無を確認することにより行われる。
【0157】
そのコンテンツが既に視聴されたことのあるコンテンツの場合は、そのコンテンツを再生する(S1808)。一方、そのコンテンツが未視聴のコンテンツである場合は、図5Aに示すようなコンテンツの再生可能期限に関する警告メッセージと、その警告に対してユーザがコンテンツの再生をするか再生を中止するかを選択するための選択ボタンとを含む警告画面を録画一覧画面上に表示する(S1803)。
【0158】
ここで、コンテンツの再生可能期限に関する警告画面について説明する。再生するコンテンツがセル形式のコンテンツの場合、コンテンツの再生が途中で停止することを警告すればよい。例えば、図19に示すような警告画面が重畳されてもよい。
【0159】
ユーザが再生中止を選択した場合(S1804)、CPU212はそのコンテンツの再生を中止する(S1809)。
【0160】
一方、ユーザが再生を選択すると(S1804)、CPU212はそのコンテンツがダウンロード中であるか否かを判定する(S1805)。そのコンテンツがダウンロード中でない場合は、CPU212はコンテンツを再生する(S1808)。一方、そのコンテンツがダウンロード中である場合、CPU212は、コンテンツが再生不可能となる可能性がある旨の警告メッセージと、その警告に対してユーザがコンテンツの再生をするか再生を中止するかを選択するための選択ボタンとを含む警告画面を、録画一覧画面上に表示させる(S1806)。
【0161】
ここで、コンテンツが再生不可能となる可能性がある旨の警告画面について説明する。コンテンツの再生を開始することにより再生可能期限が始まる。よって、ダウンロード速度が遅い場合、追っかけ再生を実施すると、ダウンロードが完了する前に再生可能期限を超過する可能性がある。この場合、コンテンツを最後まで再生することができないという不都合が生じる。そこで、追っかけ再生を行う場合、事前に、コンテンツ全体を視聴できない可能性が有る旨をユーザに警告することが好ましい。警告画面として、例えば、図20に示すような警告画面が表示される。
【0162】
上記の警告画面が録画一覧画面上に表示された後、CPU212はユーザが再生を選択したか、再生を取りやめたかを判定する(S1807)。
【0163】
ユーザにより再生の中止が選択された場合、CPU212はそのコンテンツの再生を中止する(S1809)。一方、ユーザにより再生が選択された場合、CPU212はそのコンテンツを再生する(S1808)。
【0164】
このように、本実施の形態のレコーダ101は、コンテンツサーバ104からダウンロードしたコンテンツを記録し、再生することが可能なレコーダ101であって、コンテンツサーバ104に格納された再生可能期限付きのコンテンツをダウンロードして、HDD205に記録するドライブ制御部204と、コンテンツの再生を開始させるための指示を受け付ける指示受信部216と、指示受信部216が受け付けた指示にしたがい、HDD205に記録されたコンテンツを再生するドライブ制御部204及びビデオデコーダ207と、コンテンツをダウンロード中に、指示受信部216がコンテンツの再生を開始する指示を受け付けたときに、ドライブ制御部204及びビデオデコーダ207によるコンテンツの再生を開始する前に、コンテンツに対する再生可能期限に関する警告情報を出力するCPU212及びグラフィック制御部208とを備える。
【0165】
つまり、CPU212とグラフィック制御部208は、コンテンツをダウンロード中に、指示受信部216でそのコンテンツに関して再生開始指示を受け付けると、そのコンテンツをドライブ制御部204及びビデオデコーダ207で再生する前に、再生可能期限に関する警告情報を出力する。
【0166】
以上の動作によると、コンテンツのダウンロード中にライセンスを取得し再生する場合に、コンテンツのダウンロードの完了前に再生可能期限が切れてしまう可能性を、事前にユーザに警告(図19参照)することによって、その不具合の発生を抑止することが可能となる。
【0167】
また、その再生可能期限に関する警告情報は、ユーザにコンテンツの再生を実行するか中止するかを選択させるための選択手段を含む。これにより、ユーザは再生可能期限に関する警告情報が表示されている状態でコンテンツの再生を実行するか中止するかを選択することができる。
【0168】
また、CPU212とグラフィック制御部208は、コンテンツをダウンロード中に、指示受信部216がそのコンテンツに対する追っかけ再生の開始指示を受け付けると、そのコンテンツをビデオデコーダ207で再生する前に、そのコンテンツのダウンロード速度に起因する再生停止に関する警告情報(図20参照)を出力する。これによっても、ダウンロード途中で再生不可能になるという不具合の発生を抑止することが可能となる。
【0169】
ところで、コンテンツのダウンロード中に追っかけ再生を実施した場合、次のような不具合も生じ得る。すなわち、コンテンツのダウンロード速度が遅い場合に追っかけ再生を実施すると、コンテンツの再生がコンテンツのダウンロードに追いつく場合がある。この場合、コンテンツの再生が不可能となり、コンテンツの再生が停止する。このような場合に、コンテンツの再生が停止した箇所を「レジュームポイント」としてHDD205に記録してもよい。レジュームポイントは、コンテンツ再生を再開する際のコンテンツの開始位置を示す。具体的な動作を以下に説明する。
【0170】
CPU212は、コンテンツの再生がコンテンツのダウンロードに追いつくか否かを監視する。そして、コンテンツの再生がコンテンツのダウンロードに追いついて、コンテンツの再生が停止したときに、その停止したコンテンツの再生時刻をレジュームポイントとして認定する。そして、ドライブ制御部204に対し、HDD205にそのレジュームポイントを記録するように命令する。ドライブ制御部204はHDD205にそのレジュームポイントを記録する。
【0171】
具体的には、CPU212は、コンテンツをダウンロード中にそのコンテンツを再生している間、そのコンテンツの記録ポイントと再生ポイントとを比較し、両者が一致した場合は、その一致ポイントをレジュームポイントとしてHDD205に記録するよう制御する。
【0172】
つまり、本実施の形態のレコーダ101は、コンテンツサーバ104からダウンロードしたコンテンツをHDD205に記録し、再生可能なレコーダであって、コンテンツサーバ104に格納されたコンテンツをダウンロードして、HDD205に記録するドライブ制御部204と、HDD205に記録されたコンテンツを再生するドライブ制御部204及びビデオデコーダ207と、コンテンツをダウンロード中にそのコンテンツを再生した場合において、そのコンテンツの記録位置と再生位置とが一致した場合に、その一致した位置を再開位置としてHDD205に記録するように制御するCPU212とを備える。
【0173】
コンテンツの再生を再開する動作について説明する。指示受信部216はコンテンツの再生を再開する旨を受け付けると、CPU212はドライブ制御部204に対し、HDD205に記録されているレジュームポイントを参照して、その再生を再開しようとしているコンテンツを、そのレジュームポイントが示すポイントから再生するように制御する。ドライブ制御部204はHDD205からそのレジュームポイントが示すポイントからコンテンツを読み出す。
【0174】
つまり、本実施形態のレコーダ101は、コンテンツの再生を開始させるための指示を受け付ける指示受信部216をさらに備え、CPU212は、そのコンテンツの記録位置と再生位置とが一致した場合に、その一致した位置を再開位置として前記記録媒体に記録するとともに、さらに、コンテンツの再生を停止し、その停止後、指示受信部216がコンテンツの再生指示を受け付けた場合に、その再開位置からそのコンテンツの再生を再開するように制御する。
【0175】
これにより、コンテンツの再生を再開するときには、そのレジュームポイントから再生を実行すれば、コンテンツを停止した部分からコンテンツを視聴することができる。
【0176】
また、コンテンツの再生がコンテンツのダウンロードに追いつき、コンテンツの再生が不可能となり、コンテンツの再生が停止することを防止するため、コンテンツのダウンロード速度に基づき、追っかけ再生の可否を決定することも可能である。
【0177】
追っかけ再生の可否の決定動作について、図21のフローチャートを用いて説明する。なお、図18のフローチャートと同じ動作については、説明を省略する。すなわち、図21のフローチャートにおけるステップS2101〜S2106は、図18のフローチャートにおけるステップS1801〜S1806と同じであるため、それらの動作説明は省略する。
【0178】
ステップS2106において、コンテンツが再生不可能となる可能性がある旨の警告メッセージと、その警告に対してユーザがコンテンツの再生をするか再生を中止するかを選択するための選択ボタンとを含む警告画面が録画一覧画面上に表示される。その警告画面上でユーザにより再生が選択されると(S2107)、CPU212はネットワーク制御部215のコンテンツのダウンロードの速度を測定し(S2108)、測定したダウンロード速度を所定の閾値と比較する(S2109)。ネットワーク制御部215のコンテンツのダウンロードの速度が所定の閾値よりも小さい場合は、CPU212はコンテンツの再生を中止する(S2111)。一方、ネットワーク制御部215のコンテンツのダウンロードの速度が所定の閾値以上の場合、CPU212はコンテンツを再生する(S2110)。
【0179】
つまり、コンテンツをダウンロード中に、指示受信部216でそのコンテンツに関して再生開始指示を受け付けると、そのコンテンツをドライブ制御部204及びビデオデコーダ207で再生する前に、ネットワーク制御部215のダウンロード速度に応じて、記録中のコンテンツの再生を禁止するか否かを決定する。
【0180】
これにより、コンテンツのダウンロード中にそのコンテンツを再生した場合に、コンテンツの再生がダウンロードに追いつく可能性を低減できる。
【0181】
ダウンロード速度(ビットレート)は、コンテンツのダウンロード開始から測定時までのダウンロード速度の平均値を算出して求めてもよい。または、ダウンロード速度の測定開始時の所定時間だけ前の時点から、測定時までのダウンロード速度の平均値を算出してダウンロード速度を求めても良い。
【0182】
なお、コンテンツの再生がコンテンツのダウンロードに追いついた場合には、図22に示すように、コンテンツの再生を一時停止し、コンテンツの再生がコンテンツのダウンロードに追いついた旨の警告画面を表示しても良い。この場合、ユーザはコンテンツが停止した理由を容易に把握することができるため、ユーザの利便性が向上する。
【0183】
また、追っかけ再生の可否について、コンテンツのダウンロード速度だけで判断するのではなく、既にダウンロード済のファイルサイズやコンテンツ全体のファイルサイズの情報も利用してもよい。例えば、ダウンロード速度と、未だダウンロードされていないコンテンツの部分のサイズから、コンテンツのダウンロードに要する時間を予測することができる。この動作について図23のフローチャートを用いて説明する。なお、図18のフローチャートと同じ動作については、説明を省略する。すなわち、図23のフローチャートにおけるステップS2301〜S2306は、図18のフローチャートにおけるステップS1801〜S1806と同じであるため、それらの動作説明は省略する。
【0184】
ステップS2306において、コンテンツが再生不可能となる可能性がある旨の警告メッセージと、ユーザがコンテンツの再生をするか再生を中止するかを選択するための選択ボタンとを含む警告画面が録画一覧上に表示される。その警告画面上でユーザにより再生が選択されると(S2307)、CPU212はネットワーク制御部215のコンテンツのダウンロードの速度を測定する(S2308)。そして、CPU212は、ダウンロードしているコンテンツの未ダウンロード分のファイルサイズと、測定したダウンロード速度とから、コンテンツのダウンロードが完了するのに要する時間を予測する(S2309)。そして、CPU212は、このダウンロードに要する予測した時間とコンテンツの再生時間(視聴時間)とを比較し(S2310)、コンテンツの再生時間の方が長い場合は再生を許可し(S2311)、予測時間の方が長い場合は再生を禁止する(S2312)。
【0185】
具体的には、本実施の形態のレコーダ101は、コンテンツサーバ104からダウンロードしたコンテンツをHDD205に記録し、再生可能なレコーダである。レコーダ101は、コンテンツサーバ104に格納されたコンテンツをダウンロードして、HDD205に記録するドライブ制御部204と、コンテンツの再生を開始させるための指示を受け付ける指示受信部216と、指示受信部216が受け付けた指示にしたがい、HDD205に記録されたコンテンツを再生するドライブ制御部204及びビデオデコーダ207と、コンテンツをダウンロード中に、指示受信部216がそのコンテンツの再生を開始させるための指示を受け付けると、そのコンテンツをドライブ制御部204及びビデオデコーダ207により再生する前に、ドライブ制御部204及びネットワーク制御部215のダウンロード速度、そのコンテンツの記録済みのデータ量、及びそのコンテンツの未記録のデータ量に基づき、そのコンテンツの再生を禁止するか否かを決定するCPU212とを備える。
【0186】
これにより、追っかけ再生を実行した場合に、そのコンテンツの再生がダウンロードに追いつくか否かをより正確に判断することができるので、レコーダ101は再生の許可と禁止をより適切に選択することができる。
【0187】
さらに具体的には、CPU212は、記録中のコンテンツの記録済み部分の視聴時間と、記録中のコンテンツ全体のデータ量とそのダウンロード速度とから算出される予測受信時間とを比較し、その視聴時間(再生時間)より予測受信時間が大きい場合は、その記録中のコンテンツの再生を禁止する。
【0188】
これにより、追っかけ再生を実行した場合に、そのコンテンツの再生がダウンロードに追いつくか否かをより正確に判断することができるので、レコーダ101は再生の許可と禁止をより適切に選択することができる。
【0189】
5−2 複数コンテンツダウンロード要求時の動作
コンテンツサーバ104に対して複数のコンテンツのダウンロードを要求した場合の、コンテンツのダウンロードの動作について図24のフローチャートを用いて説明する。
【0190】
ユーザはリモコン102を用いて、複数のコンテンツをダウンロードするように指示すると、指示受信部216はその旨の指示をCPU212に送信する。CPU212は、ネットワーク制御部215に対し、それら複数のコンテンツを同時にダウンロードするように指示する。これにより、ネットワーク制御部215はその複数のコンテンツを同時にダウンロードする(S2401)。
【0191】
ダウンロードしている複数のコンテンツ中に再生しているコンテンツがある場合、その再生中のコンテンツのダウンロードを優先する。以下、再生中のコンテンツのダウンロードの優先処理について説明する。
【0192】
CPU212は、ダウンロード中の複数のコンテンツの中に再生中のコンテンツと一致するコンテンツがあるか否かを監視する(S2402)。ここで、ダウンロード中の複数のコンテンツと再生中のコンテンツとで一致するコンテンツが無い場合には、CPU212はそれら複数のコンテンツのダウンロード速度を調整することなくダウンロードする(S2407)。
【0193】
一方、ダウンロード中の複数のコンテンツと再生中のコンテンツとで一致するコンテンツが有る場合には、CPU212は、再生中のコンテンツと一致するコンテンツのダウンロードを優先するようにネットワーク制御部215を制御する(S2403)。
【0194】
具体的には、CPU212は、その一致するコンテンツのダウンロード速度を、ダウンロード中の他のコンテンツのダウンロード速度よりも速くするように、ネットワーク制御部215を制御する。または、CPU212は、ダウンロード中の他のコンテンツのダウンロードを停止し、その一致するコンテンツのみをダウンロードするようにネットワーク制御部215を制御してもよい。
【0195】
CPU212は再生しているコンテンツのダウンロード中に、そのコンテンツの再生が停止したか否かを判断する(S2404)。
【0196】
停止している場合は、ダウンロード中のコンテンツは再生されていないので(S2402)、複数のコンテンツを同一速度でダウンロードする(S2407)。
【0197】
一方、ダウンロードが継続している場合は、CPU212は再生中のコンテンツのダウンロードが継続しているか否かを判定する(S2405)。CPU212は再生中のコンテンツのダウンロードが終了した場合には、すべてのコンテンツのダウンロードが完了したか否かを判定する(S2406)。
【0198】
すべてのコンテンツのダウンロードが完了していない場合、CPU212は再度ダウンロード中のコンテンツが再生されていないかを監視する(S2402)。すべてのコンテンツのダウンロードが完了した場合は、コンテンツのダウンロードを終了する。
【0199】
つまり、CPU212は、ネットワーク制御部215が指示受信部216で受け付けた指示が示す複数のコンテンツのうち少なくとも1つのコンテンツがダウンロード中である場合、指示受信部216が複数のコンテンツのうちいずれかについて再生指示を受け付けると、その再生指示が示すコンテンツを他のコンテンツに優先してダウンロードするように、ネットワーク制御部215及びドライブ制御部204を制御する。
【0200】
これにより、ダウンロード中のコンテンツのダウンロード速度を速くできる。したがって、ダウンロード中のコンテンツを同時再生する場合に、コンテンツの再生がコンテンツのダウンロードに追いつくためコンテンツの再生が停止する可能性を低減できる。
【0201】
なお、ネットワーク制御部215が同時に受信するコンテンツの数は1つであることが好ましい。この場合、コンテンツの再生がコンテンツのダウンロードに追いつき、コンテンツの再生が停止する可能性をより低減できる。
【0202】
5−3 ダウンロードの自動停止及び強制再開
5−3−1 ダウンロードの自動停止
コンテンツをダウンロード中に、レコーダ101の動作状況によりコンテンツのダウンロードを自動停止することも可能である。
【0203】
例えば、VODはネットワークから受信したコンテンツをリアルタイムで表示するため、一定のネットワーク帯域が必要となる。そこで、コンテンツをダウンロード中にVODを視聴する場合、CPU212は、VODの視聴の開始を検知したときに、ネットワーク制御部215にコンテンツのダウンロードの中止を命令する。ネットワーク制御部215はコンテンツのダウンロードを中止する。これにより、VODのコンテンツの視聴の信頼性を高めることができる。
【0204】
5−3−2 ダウンロードの強制再開
ダウンロード中のコンテンツはユーザの指示等により停止させることが可能である。ここで、ダウンロード停止後、ユーザがダウンロードの指示をしない限りダウンロードが再開しないとすると、ユーザがコンテンツを購入したにもかかわらず、コンテンツのダウンロードができていないという不具合が発生する場合がある。本実施の形態におけるレコーダ101は、かかる不具合を防止するため、コンテンツのダウンロードが停止された時に、コンテンツのダウンロードを強制的に再開する。
【0205】
ダウンロードの強制再開の動作について、図25のフローチャートを用いて説明する。ダウンロード中にユーザがリモコン102にてダウンロードの停止を指示する。指示受信部216から指示を得たCPU212は、ネットワーク制御部215に対し、ダウンロードを停止するように命令する。これにより、ネットワーク制御部215はコンテンツのダウンロードを停止する(S2501)。
【0206】
ダウンロードの停止後、CPU212は、ユーザによるダウンロードの再開指示を受けたか否かを監視する(S2502)。ユーザによるダウンロードの再開指示を受けた場合は、コンテンツのダウンロードを再開する(S2504)。一方、ダウンロードの再開指示を受けていない場合、CPU212はダウンロードの停止後、所定時間が経過したか否かを判定する(S2503)。ダウンロードの停止後、所定時間が経過した場合は、コンテンツのダウンロードを再開する(S2504)。
【0207】
つまり、CPU212は指示受信部216がコンテンツのダウンロードの停止を受け付けた場合に、コンテンツのダウンロードを停止させ、その後、停止状態のままで所定時間が経過した場合に、停止中のコンテンツのダウンロードを再開させるようネットワーク制御部215を制御する。言い換えると、本実施形態のレコーダ101は、コンテンツサーバ104からダウンロードしたコンテンツをHDD205に記録し、再生することが可能なレコーダである。レコーダ101は、コンテンツサーバ104に格納されたコンテンツをダウンロードしてHDD205に記録するドライブ制御部204と、HDD205に記録されたコンテンツを再生するドライブ制御部204及びビデオデコーダ207と、ドライブ制御部204によるコンテンツのダウンロードを停止させるための停止指示を受け付ける指示受信部216と、ドライブ制御部204を制御するCPU212と、を備え、CPU212は、指示受信部216がコンテンツのダウンロードの停止指示を受け付けたときに、そのコンテンツのダウンロードを停止させ、そのコンテンツのダウンロードの停止後、ダウンロードの停止状態のままで所定時間が経過したときに、そのコンテンツのダウンロードを再開するように、ドライブ制御部204を制御する。この場合、ダウンロード中の全てのコンテンツのダウンロードを停止し、全ての停止中のコンテンツのダウンロードを再開するようにするのがより好ましい。
【0208】
これにより、ユーザがダウンロード停止後、ダウンロードを再開させることを忘れていた場合でも、コンテンツのダウンロードを強制的に再開することができるので、確実にコンテンツをダウンロードすることができる。
【0209】
なお、ダウンロードの再開時には、回線の使用状況を確認し、その使用状況に応じてダウンロードを再開するコンテンツを選択してもよい。例えば、VODの再生を行っている間は、停止したダウンロードを自動再開しないようにしてもよい。または、ダウンロードを停止しているコンテンツとは異なるコンテンツをダウンロード再生している場合、停止中のダウンロードを強制的に再開しないようにしてもよい。具体的には、コンテンツBの追っかけ再生中に、ダウンロードを停止しているコンテンツAの強制的な再開を行わないようにしてもよい。つまり、ダウンロードを停止したコンテンツと異なるコンテンツを再生している時は、停止したダウンロードを再開しない。もしくは、ダウンロードを停止した第1のコンテンツと異なる第2のコンテンツの追っかけ再生中に、第1のコンテンツの自動再開を行わない。これは、回線の帯域を現在再生中のコンテンツのダウンロードに優先的に割り当てることで、再生中のコンテンツの視聴に影響を与えないようにするためである。
【0210】
5−4 ダウンロード時の電源オフ
コンテンツのダウンロード中に、レコーダ101の電源がオフにされたときに、コンテンツのダウンロードを継続させることも可能である。ダウンロード中にユーザがリモコン102にてレコーダ101の電源オフを指示すると、指示受信部216から指示を得たCPU212は、ネットワーク制御部215においてコンテンツがダウンロード中か否かを判断する。コンテンツをダウンロード中の場合、CPU212は電源オフをせずに、コンテンツのダウンロードを継続する。このとき、CPU212はFL表示部217に対し、コンテンツのダウンロード中である旨を表示させる。
【0211】
CPU212は、コンテンツのダウンロードが終了したか否かを判断し、コンテンツのダウンロードが終了した場合、レコーダ101の電源をオフする。
【0212】
つまり、CPU212は、ネットワーク制御部215によるコンテンツのダウンロード中に、指示受信部216が電源オフの指示を受け付けた場合、そのコンテンツのダウンロードの完了を待って、電源供給を停止する。言い換えると、本実施形態のレコーダ101は、コンテンツサーバ104からダウンロードしたコンテンツをHDD205に記録し、再生することが可能なレコーダ101であって、コンテンツサーバ104に格納されたコンテンツをダウンロードしてHDD205に記録するドライブ制御部204と、レコーダ101の電源をオフにする旨の指示を受け付ける指示受信部216と、指示受信部216で受け付けた指示に応じて、レコーダ101への電源供給を制御するCPU212と、を備え、CPU212は、ドライブ制御部204によるコンテンツのダウンロード中に、指示受信部216が電源オフの指示を受け付けた場合、そのコンテンツのダウンロードが完了した時に、すなわち、そのコンテンツのダウンロードの完了を待って、レコーダ101の電源供給を停止する。
【0213】
これにより、コンテンツのダウンロード中に、レコーダ101の電源がオフにされたと場合であっても、コンテンツのダウンロードが完了してからダウンロードを停止するので、コンテンツを確実にダウンロードすることができる。
【0214】
なお、この場合にFL指示部217に電源オフをしたにもかかわらず、ダウンロード中である旨を表示することも可能である。
【0215】
つまり、レコーダ101の動作状態を示すFL指示部217を備え、コンテンツをダウンロード中に指示受信部216が電源オフにする旨の指示を受け付けた後、ダウンロードが完了するまでの間に、FL指示部217は所定の表示をする。所定の表示とは、例えば、コンテンツがダウンロード中であることを示す表示である。
【0216】
これにより、ユーザは電源オフの指示をしたにも関わらず、電源がオフにならない理由を認識することができる。
【0217】
6 時刻情報の管理
コンテンツ配信システムにおいて、再生可能期限付きのコンテンツの再生可能期限を管理する場合に、その再生可能期限を管理するための計時手段の信頼性を高めることが重要である。なぜなら、計時手段をユーザが簡単に改変できてしまうと、コンテンツ配信業者がコンテンツの再生可能期限を管理することが不可能となるからである。
【0218】
そのため、本実施の形態のレコーダ101は、FL表示部217に表示する時刻情報を表示するための時刻を計時する時刻管理部218とは別に、セキュアクロック管理部219を設けている。時刻管理部218は、指示受信部216を介したユーザの指示により、時間情報の変更が可能である。これに対して、セキュアクロック管理部219は、時刻サーバ105からダウンロードされる時刻情報のような、ユーザ指示以外の情報によって時間情報を変更することが可能である。以下、セキュアクロック管理部219における時刻更新の動作について説明する。
【0219】
CPU212は、所定の周期(例えば、10日毎)で、ネットワーク制御部215に対し、時刻サーバ105から時間情報をダウンロードするように指示する。ネットワーク制御部215は、インターネット網103を介して、時刻サーバ105に対して、時間情報の送信を要求する。時刻サーバ105はその要求に応じて、時刻情報をレコーダ101に送信する。ネットワーク制御部215は、その時刻情報を受信し、RAM213に記録する。CPU212はRAM213に記録された時刻情報に基づき、セキュアクロック管理部219の時刻情報を更新する。
【0220】
つまり、ネットワーク制御部215とドライブ制御部204は、コンテンツサーバ104に格納された再生可能期限付きのコンテンツをダウンロードしてHDD205に記録する際、コンテンツサーバ104及びレコーダ101を含むネットワークシステムが従うべき時刻を管理する時刻サーバ105から、時刻情報をダウンロードする。CPU212は、そのダウンロードした時刻情報に基づいて、再生可能期限付きのコンテンツの再生可能期限を管理する。指示受信部216は、ネットワーク制御部215とドライブ制御部204による時刻設定とは異なる方法により、時刻設定を受け付ける。CPU212は、レコーダ101のコンテンツの再生可能期限動作以外の動作について、受け付けた時刻設定に基づき時刻管理を行う。
【0221】
また、ネットワーク制御部215とドライブ制御部204は、所定の周期で時刻サーバ105から時刻情報をダウンロードする。
【0222】
以上より、セキュアクロック管理部219はユーザの指示によって時刻情報が更新されるのではなく、時刻サーバ105からダウンロードした時刻情報によって時刻情報が更新される。したがって、ユーザによって時刻情報を不正に改変されることがないので、コンテンツの再生可能期限を不正に改変されることなく管理することができる。
【0223】
なお、レコーダ101が時刻サーバ105にアクセスできず、正確な時刻情報を得ることができない場合、セキュアクロック管理部219の時刻情報の正確性が担保されず、コンテンツの再生可能期限を正確に守れない可能性がある。そこで、ネットワーク制御部215が所定の期間、時刻サーバ105にアクセスできない場合、レコーダ101はコンテンツの再生を禁止するようにしてもよい。
【0224】
つまり、コンテンツの再生可能期限を管理するために用いる時刻情報をネットワーク制御部215がダウンロードしていない間は、CPU212は、ドライブ制御部204及びビデオデコーダ207での、そのコンテンツの再生を禁止する。
【0225】
また、時刻サーバ105より時刻情報をダウンロードできない場合、その旨を警告出力しても良い。
【0226】
つまり、CPU212及びビデオデコーダ207は、ネットワーク制御部215が時刻サーバ105より時刻情報をダウンロードできない場合、その旨を警告出力する。
【0227】
またその後、時刻サーバ105にアクセスできた場合は、レコーダ101はコンテンツの再生を許可しても良い。
【0228】
つまり、ネットワーク制御部215は、コンテンツサーバ104から再生可能期限付きのコンテンツをダウンロードしてHDD205に記録する。ネットワーク制御部215とドライブ制御部204は、コンテンツサーバ104及びレコーダ101を含むシステムが従うべき時刻を管理する時刻サーバ105から時刻情報をダウンロードする。CPU212は、そのダウンロードした時刻情報に基づいて、再生可能期限付きのコンテンツの再生可能期限を管理する。ネットワーク制御部215とドライブ制御部204は、CPU212が再生可能期限を管理できなくなった場合、改めて時刻サーバ105から時刻情報をダウンロードする。
【0229】
時刻情報をダウンロードする際にレコーダ101がネットワークに接続されていないと、時刻サーバ105にアクセスできない。よって、時刻サーバ105にアクセスできない場合は、指示受信部216がコンテンツの再生開始指示を受け付けたときに、図26に示すような、ネットワークに接続する必要がある旨の警告画面を表示してもよい。
【0230】
つまり、レコーダ101がインターネット網103に接続されているかを判別する所定のタイミングは、レコーダ101におけるコンテンツの再生時である。これにより、レコーダ101において、再生時に確実にセキュアクロック管理部219の時刻情報の正確性が担保され、コンテンツの再生可能期限を正確に守ることができるかを確認することができる、
【0231】
具体的には、指示受信部216でコンテンツに関する再生開始指示を受け付けたときに、レコーダ101と、コンテンツサーバ104を含むネットワークシステムとの接続が確認されていないときは、CPU212とグラフィック制御部208は、そのコンテンツをドライブ制御部204とビデオデコーダ207で再生するためにネットワークに接続する必要がある旨の警告(図27参照)を出力する。
【0232】
つまり、本実施形態のレコーダ101は、コンテンツサーバ104からダウンロードしたコンテンツをHDD205に記録し、再生可能なレコーダである。レコーダ101は、コンテンツサーバ104からダウンロードしたコンテンツをHDD205に記録するドライブ制御部204と、コンテンツの再生を開始させるための指示を受け付ける指示受信部216と、指示受信部216が受け付けた指示にしたがい、HDD205に記録されたコンテンツを再生するドライブ制御部204及びビデオデコーダ207と、所定のタイミングで、レコーダ101がコンテンツサーバ104を含むインターネット網103に接続されているか否かを判断するCPU212及びネットワーク制御部215と、指示受信部216がコンテンツの再生を開始する指示を受け付けたときに、CPU212及びネットワーク制御部215による判断結果が、レコーダ101とインターネット網103が接続されていないことを示す場合は、レコーダ101をインターネット網103に接続する必要がある旨の警告を出力するCPU212及びグラフィック制御部208とを備える。
【0233】
これにより、セキュアクロック管理部219の時刻情報の正確性が担保され、コンテンツの再生可能期限を正確に守ることができる。
【0234】
また、CPU212は、所定周期(例えば10日毎)で、レコーダ101の電源オン時に、または、電源オン後最初に録画一覧を表示した時に、レコーダ101とネットワークシステムの接続を確認してもよい。そして、指示受信部216でコンテンツに関する再生開始指示を受け付けた時点で、レコーダ101とネットワークシステムの接続が確認されていなければ、図27に示すような、ネットワークへ接続する必要がある旨の警告を表示するようにしてもよい。つまり、レコーダ101がインターネット網103に接続されているかを判別する所定のタイミングは、レコーダ101の電源投入時である。これにより、レコーダ101は自装置の動作への影響が少ないタイミングに接続の確認をすることができる。なお、CPU212は、ネットワークシステムへの未接続を確認した場合でも、前回に時刻サーバ105にアクセスしてから所定期間(例えば10日)が経過する前であれば、警告を表示しないようにしてもよい。
【0235】
つまり、レコーダ101とインターネット網103の接続が最後に確認されてから所定期間が経過していなければ、CPU212及びグラフィック制御部208は、CPU212及びネットワーク制御部215による判断結果がレコーダ101とインターネット網103が接続されていないことを示す場合であっても、警告を出力せず、ドライブ制御部204及びビデオデコーダ207は、指示受信部216が受け付けた指示にしたがいコンテンツの再生を開始する。これにより、レコーダ101とインターネット網103が接続されていない状態であっても、セキュアクロック管理部219の時刻情報の正確性が担保されている場合は、コンテンツを再生することができる。
【0236】
また、レコーダ101の電源オフ時に、時刻サーバ105にアクセスして時刻情報をダウンロードしても良い。つまり、指示受信部216が電源オフの指示を受け付けると、ネットワーク制御部215は時刻サーバ105から時刻情報をダウンロードする。電源オフ時に時刻サーバ105にアクセスすることにより、時刻サーバ105へのアクセスを他の動作への影響の少ないタイミングで実行することができる。
【0237】
7 コンテンツの削除時の動作
7−1 コンテンツ削除の基本動作
ここでは、再生可能期限の切れたコンテンツの消去の動作について、図27のフローチャートを用いて説明する。CPU212がコンテンツの消去を開始するタイミングについては後述する。
【0238】
CPU212は、ドライブ制御部204に対して、HDD205に記録されているコンテンツのライセンス情報をRAM213に記録するように指示する。ドライブ制御部204は、HDD205に記録されているコンテンツのライセンス情報をRAM213に記録する。CPU212は、RAM213に記録されたライセンス情報を参照し、再生可能期限の情報を取得する(S2701)。
【0239】
CPU212は、ライセンス情報に含まれる再生可能期限と、セキュアクロック管理部219の時間情報とを比較して、再生可能期限を超過しているコンテンツがあるか否かを判定する(S2702)。再生可能期限を超過しているコンテンツがある場合、CPU212は、そのコンテンツを消去する(S2703)。すなわち、CPU212は、ドライブ制御部204に対して、再生可能期限を過ぎているコンテンツを消去するように命令する。ドライブ制御部204は、その命令を受けてHDD205に記録されているそのコンテンツを消去する。
【0240】
一方、再生可能期限を超過しているコンテンツがない場合、CPU212は、コンテンツの消去はしない。
【0241】
なお、再生可能期限を超過するまでは、HDD205にはコンテンツ及びそのコンテンツのメタ情報は記録されている。また、再生可能期限が超過していても消去されていないコンテンツがある場合、HDD205には、そのコンテンツ及びそのコンテンツのメタ情報は記録されたままである。そのような場合に録画一覧は図28に示すように表示される。図28において、『熱狂・北京オリンピック』は再生期限を超過したコンテンツであり、コンテンツ詳細表示領域300に「視聴期限切れ」の旨が表示されている。この状態でこのコンテンツの再生を選択すると、再生可能期限を超過しているため、図29に示すようなコンテンツの再生ができない旨の警告が表示される。
【0242】
再生可能期限を超過して直ぐには、そのコンテンツを消去しないようにするのは次の理由による。再生可能期限到達時にユーザがそのコンテンツを視聴していた場合、ユーザが視聴しているにもかかわらず、コンテンツの再生が停止し、ユーザが視聴できなくなることを防止するためである。この詳細は以下に後述する。
【0243】
7−2 コンテンツの再生中に再生可能期限が切れた場合の動作
コンテンツ再生中に再生可能期限が切れた場合の動作について説明する。ユーザがコンテンツを再生中に再生可能期限が来た場合に、その時点でコンテンツを消去すると、ユーザはそのコンテンツを継続して視聴できなくなる。
【0244】
そこで、本実施の形態のレコーダ101は、再生可能期限経過後のコンテンツの再生について、コンテンツ再生中に再生可能期限が来た場合には、停止しない限り再生を許すものとする。
【0245】
以下、具体的な動作について図30のフローチャートを用いて説明する。
【0246】
コンテンツを再生中に再生可能期限に達しても、そのコンテンツの再生を継続する(S3001)。その後、コンテンツの再生の終了を判断し(S3002)、終了した場合、コンテンツの再生を停止する(S3006)。
【0247】
コンテンツの再生が継続中の場合は、CPU212は、ユーザによるコンテンツの停止の指示があったか否かを監視する(S3003)。ユーザによるコンテンツの停止の指示があった場合は、CPU212は、コンテンツの再生を一時停止するとともに、「再生可能期限を超過しているため、停止すると再生ができなくなる」旨の警告メッセージと、再生停止の実行/キャンセルを選択するための選択ボタンとを含む警告画面を表示する(S3004)。図31に、この警告画面の一例を示す。警告画面の背景には再生しているコンテンツの静止画を表示してもよい。
【0248】
ユーザは警告画面上でコンテンツの再生を停止するか否かを選択する(S3005)。そして、コンテンツの再生停止を指示した場合には、コンテンツの再生を停止する(S3006)。一方、コンテンツの再生停止の指示をキャンセルした場合は、コンテンツの再生を継続する(S3001)。
【0249】
つまり、CPU212及びビデオデコーダ207は、指示受信部216が再生開始の指示を受け付けた後にコンテンツの再生可能期限を超過した場合は、再生可能期限を超過した後であっても、そのコンテンツの再生を継続する。しかし、その再生可能期限を超過した後にそのコンテンツの再生を停止した場合は、CPU212及びビデオデコーダ207は、指示受信部216が再生開始の指示を受け付けても、そのコンテンツの再生はできないように制御する。そのため、指示受信部216が、再生開始の指示を受け付けた後であって再生可能期限を超過した後に、そのコンテンツの再生を停止する旨の指示を受け付けたときは、CPU212及びグラフィック制御部208は、コンテンツの停止を実行すると再度再生ができなくなる旨の警告画面を表示する。
【0250】
このように警告画面を表示することによって、ユーザに対して、再生可能期限超過によりコンテンツの再生ができなくなる可能性を通知でき、ユーザにとっての不測の事態を回避でき、利便性を向上できる。
【0251】
また、その警告情報出力時には、そのコンテンツの静止画を出力してもよい。
【0252】
ドライブ制御部204とビデオデコーダ207は、CPU212とグラフィック制御部208による警告画面の出力後に、指示受信部216がそのコンテンツの再生を停止する旨の指示を受け付けた場合、そのコンテンツの再生を停止する。これにより、ユーザは再生可能期限を超過しているときであっても、コンテンツの停止をすることができる。
【0253】
また、コンテンツの停止を指示し、警告情報が出力されている状態において、所定の期間、指示受信部216が再生の指示を受け付けなかった場合は、指示受信部216が再生を受け付けても再生を実行しないとしても良い。つまり、再生可能期限付きコンテンツの再生中にそのコンテンツの再生可能期限を超過した後に、指示受信部216がそのコンテンツの再生の停止指示を受け付けたときに警告情報が出力された場合において、停止指示を受付けてから所定の時間経過後は、指示受信部216がコンテンツの再生指示を受け付けても、ドライブ制御部204及びビデオデコーダ207そのコンテンツの再生を実行しない。
【0254】
これにより、警告が出力されている状態であっても、所定の期間が経過した場合は再生を禁止できる。
【0255】
なお、コンテンツの再生を停止したときに、そのコンテンツを消去してもよい。その場合、コンテンツの停止を実行すると再度再生ができなくなる旨の警告画面上で、さらに、コンテンツの再生を停止したときにそのコンテンツが消去される旨の警告を行ってもよい。
【0256】
また、一時停止の場合も再生状態とみなして、コンテンツの再生継続を許しても良い。この場合、コンテンツを一時停止後も再生すると、通常通りコンテンツが再生されるようにする。
【0257】
7−3 再生可能期限経過後のコンテンツの再生の強制終了
図30に示すフローチャートの制御のみでは、コンテンツ再生中に再生可能期限に達した場合でも、停止しない限り半永久的に再生が可能となる。つまり、ユーザの指示によりコンテンツの再生を一時停止の状態にしておけば、その一時停止を解除することにより、再生可能期限に関係なくコンテンツを再生できることになるからである。しかし、このような半永久的な再生を許すと、コンテンツの再生可能期限の管理が困難となる。そこで、本実施の形態のレコーダ101は、再生可能期限から所定時間(例えば、4時間)が経過した場合は、コンテンツの再生を強制的に終了する機能及び新たにコンテンツの再生を実行しない機能をさらに備えている。
【0258】
以下、再生可能期限経過後のコンテンツの再生の強制終了の動作について図32のフローチャートを用いて説明する。
【0259】
コンテンツの再生可能期限超過後にコンテンツの再生が継続されている場合において(S3201)、CPU212は、再生中のコンテンツが再生期限を超過しているかを判定する(S3202)。この判定は、所定の周期で、ライセンス情報の再生可能期限に関する情報と、セキュアクロック管理部219の時刻情報とを比較することで行われる。再生可能期限を所定時間(例えば4時間)以上超過しているコンテンツがある場合には、CPU212は、ドライブ制御部204に対し、そのコンテンツの再生を停止する(S3203)。CPU212は、そのようなコンテンツに対して、その後ユーザからの再生指示を受け付けても、新たにコンテンツの再生を実行しない。一方、その再生中のコンテンツが再生可能期限を所定時間以上超過していない場合、CPU212はコンテンツの再生を禁止しない。
【0260】
なお、再生可能期限を所定時間以上超過したことにより、コンテンツの再生が停止になった場合には、図33に示すような警告画面を表示する。また、そのコンテンツの停止と同時にそのコンテンツを消去しても良い。
【0261】
つまり、ドライブ制御部204及びビデオデコーダ207は、指示受信部216が再生を開始する旨の指示を受け付けた後であってその再生可能期限付きコンテンツの再生可能期限を超過した後であってもそのコンテンツの再生を継続する一方、再生を継続していても再生可能期限から所定の時間が経過するとそのコンテンツの再生を停止する。
【0262】
したがって、再生可能期限を超過したコンテンツの再生を許す場合であっても、そのコンテンツが半永久的に再生可能となることを防止することができる。したがって、再生中にコンテンツが消去されることを防止できるとともに、コンテンツに再生可能期限をもたせることができる。
【0263】
また、上記動作において、コンテンツの再生が停止した場合には、再生期限を超過した旨の警告を表示しても良い。
【0264】
つまり、CPU212とグラフィック制御部208は、所定時間の経過後にドライブ制御部204及びビデオデコーダ207がそのコンテンツの再生を停止すると、そのコンテンツの再生可能期限に関する警告情報を出力する。
【0265】
なお、本実施の形態では超過期限である所定時間は4時間に限らず、他の時間であってもよい。
【0266】
7−4 コンテンツ再生可能期限前の警告
コンテンツの再生可能期限前における再生可能期限に関する警告動作について説明する。「7−2 コンテンツの再生中に再生可能期限が切れた場合の動作」で説明したように、再生可能期限間近にコンテンツを再生した場合、再生中にコンテンツの再生可能期限を過ぎる可能性がある。再生中のコンテンツが再生可能期限を過ぎた場合にユーザが誤って停止を指示すると、その後ユーザはそのコンテンツを再生できなくなる。したがって、再生可能期限間近にコンテンツを再生した時に、「コンテンツを停止した場合に、コンテンツが再生できなくなる可能性がある」旨の警告画面を表示すれば、ユーザが誤って停止を指示する可能性を低減することができる。
【0267】
図35に、そのような警告画面の一例を示す。再生しようするコンテンツの再生可能期限は2008年2月19日12時34分であり、録画時間が2時間7分である。したがって、2008年2月19日10時27分以降に再生を開始した場合、上記警告画面を表示する必要がある。
【0268】
本実施の形態のレコーダ101は、コンテンツ再生前に、コンテンツが再生中に再生可能期限が到来する可能性がある場合は警告画面を表示する。これにより、ユーザが誤って停止を指示する可能性を低減する。上記の例においては、2008年2月19日10時27分以降にこのコンテンツが再生される場合に、警告画面を表示する。
【0269】
以下、この動作について図34のフローチャートを用いて具体的に説明する。CPU212は、指示受信部216よりコンテンツの再生の指示を受けると(S3401)、ドライブ制御部204に対して、HDD205に記録されている再生しようとしているコンテンツのライセンス情報とメタ情報をRAM213に記録するように命令する。この命令を受けてドライブ制御部204は、HDD205に記録されているコンテンツのライセンス情報とメタ情報をRAM213に記録する。ライセンス情報には、そのコンテンツの再生可能期限が記載されており、メタ情報には、そのコンテンツの再生可能期限と再生時間とが記載されている。このため、CPU212は、コンテンツの再生可能期限と再生時間とを取得する(S3402)。CPU212は、メタ情報に含まれる再生可能期限と、コンテンツの再生時間の情報と、セキュアクロック管理部219の時間情報とに基づき、警告画面の表示の要否を決定する(S3403)。具体的には、再生可能期限までの残り時間が、そのコンテンツの再生時間より短い場合に、CPU212は、グラフィック制御部208に対して、再生期限に関する警告画面を表示するように命令する。この命令を受けて、グラフィック制御部208は、メモリ209から視聴期限に関する警告画面の画像データを取得し、録画一覧画像に重畳し、映像出力部210を介してデジタルテレビ100に表示する(S3404)。
【0270】
図35は、デジタルテレビ100に表示される視聴期限に関する警告画面の一例である。この警告画面が表示されているときに、ユーザがリモコン102の決定ボタンを押すと、そのコンテンツの再生が開始される。
【0271】
つまり、HDD205に記録された再生可能期限付きのコンテンツの再生指示を受けたときに、CPU212は、そのコンテンツの再生を完了するのに要する時間である再生時間を検出する。そして、CPU212及びグラフィック制御部208は、そのコンテンツの再生可能期限と、そのコンテンツについてCPU212で検出された再生時間とに基づいて、再生可能期限に関する警告情報を出力する。
【0272】
これにより、再生中に再生可能期限が満了するコンテンツを再生する前にデジタルテレビ100に警告画面が表示されるので、ユーザが誤って停止を指示する可能性を低減できる。
【0273】
また、CPU212は、HDD205のコンテンツの再生が完了しているか否かを検知して、再生が完了していない場合に警告を出力するようにしても良い。つまり、CPU212は、HDD205に記録されたコンテンツのうち所定時間内に再生可能期限が到来するコンテンツについて、ドライブ制御部204及びビデオデコーダ207がそのコンテンツの再生を完了しているか否かを検出する。CPU212とグラフィック制御部208は、コンテンツの再生が完了していない場合に、再生可能期限に関する警告情報を出力する。
【0274】
具体的には、本実施形態のレコーダ101は、コンテンツサーバ104からダウンロードしたコンテンツを記録し、再生することが可能なレコーダである。レコーダ101は、コンテンツサーバ104からダウンロードされた再生可能期限付きのコンテンツを格納するHDD205と、コンテンツの再生を開始させるための指示を受け付ける指示受信部216と、指示受信部216が受け付けた指示にしたがい、HDD205に格納されたコンテンツを再生するドライブ制御部204及びビデオデコーダ207と、HDD205に格納され、指示受信部216が指示を受け付けたときから所定期間内に再生可能期限が到来するコンテンツについて、ドライブ制御部204及びビデオデコーダ207が既にそのコンテンツの再生を完了しているか否かを検出するCPU212と、CPU212の検出結果に応じて、再生可能期限に関する警告情報を出力するCPU212及びグラフィック制御部208とを備える。
【0275】
これにより、ユーザがまだ視聴を完了していないコンテンツについて再生可能期限が切れる前にデジタルテレビ100に警告画面が表示される。よって、視聴が未完了のコンテンツについて、視聴が未完了の状態で再生可能期限が到達する可能性を低減できる。
【0276】
また、CPU212及びグラフィック制御部208は、指示受信部216が指示を受け付けた時点を基準としたコンテンツの再生可能期限までの残りの時間がコンテンツの再生時間より小さい場合に、警告情報を表示する。これにより、コンテンツの再生可能期限までの残りの時間がコンテンツの再生時間より小さい場合に警告情報が表示されるので、視聴が未完了のコンテンツについて、視聴が未完了の状態で再生可能期限が到達する可能性を低減できる。
【0277】
また、表示する警告情報は、図35に示すように、ドライブ制御部204及びビデオデコーダ207にコンテンツの再生動作を指示するための指示手段を含んでも良い。これにより、ユーザは容易にコンテンツの再生を再開できる。
【0278】
また、警告画面表示後、所定時間経過後に自動的にコンテンツの再生が開始されるようにしてもよい。これにより、警告画面を表示した状態にしたままの状態でユーザがコンテンツの再生を実行することを忘れていた場合であっても、自動的にコンテンツの再生を実行することができる。
【0279】
また、警告画面は図35に示すように録画一覧に重畳させて表示してもよい。つまり、警告情報はデジタルテレビ100に表示され、警告情報の背景において、HDD205に格納されたコンテンツの一覧を表示する画面が表示される。または、警告画面はコンテンツの再生画面に重畳させて表示してもよい。その際、コンテンツは警告情報の背景において再生されていても良い。つまり、警告情報はデジタルテレビ100に表示され、警告情報の背景において、コンテンツが再生される。また、警告画面は、コンテンツ再生開始後、最初のフレームで一時停止した状態で表示させてもよい。その後、所定時間経過後に警告画面の表示を停止し、コンテンツの再生を開始してもよい。
【0280】
つまり、警告情報は、その背景で表示されるコンテンツの最初のフレームで、そのコンテンツの再生を一時停止した状態で表示され、その後所定時間経過した後に警告情報の表示を停止し、コンテンツの一時停止を解除する。
【0281】
また、コンテンツの停止時にそのコンテンツを消去してもよい。具体的には、HDD205に記録されたコンテンツのうち再生可能期限付きのコンテンツについて、ドライブ制御部204及びビデオデコーダ207は、再生可能期限満了後でかつ所定のタイミングでそのコンテンツの再生ができなくなる。CPU212は、ドライブ制御部204及びビデオデコーダ207がそのコンテンツを再生できなくなったタイミングで、そのコンテンツを消去する。
【0282】
警告画面の背景には、録画一覧を表示してもよいし、またはコンテンツを再生してもよい。
【0283】
なお、本実施の形態において、警告画面を表示するタイミングを『再生可能期限の残り時間<再生時間』となるタイミングとしているが、厳密に適用されるものではなく、本発明の効果を期待できる範囲で、多少早くもしくは遅く警告画面を出しても良い。
【0284】
また、本実施形態では、コンテンツの再生中に再生可能期限が到来する場合に、事前に警告画面を表示する例を示したが、コンテンツの再生中に再生可能期限が到来する場合に限らず、再生開始指示受付時から所定期間内に再生可能期限が到来する場合にも、同様に警告画面を表示するようにしてもよい。
【0285】
7−5 再生可能期限経過後のコンテンツの消去
再生可能期限を超過したコンテンツの消去の動作について説明する。コンテンツの消去のタイミングとしては、以下の3通りのいずれかを適用することが可能である。
1)レコーダ101の電源オフのシーケンス時
2)録画一覧の表示時(すなわち作成時)
3)レコーダ101の動作状態に関わらず、再生可能期限と再生タイミングの時間関係に基づくタイミング
【0286】
以下、これら3つのタイミングでの消去動作について具体的に説明する。
【0287】
7−5−1 電源オフのシーケンス時の消去
電源オフのシーケンス時にコンテンツを消去する場合について、図36のフローチャートを用いて説明する。
【0288】
CPU212は、ユーザがリモコン102にてレコーダ101の電源オフを指示したか否かを判定する(S3601)。ユーザが電源オフを指示した場合には、CPU212は、ドライブ制御部204に対し、HDD205に記録されているコンテンツのライセンス情報を読み出すよう命令する。この命令を受けて、ドライブ制御部204は、HDD205に記録されているコンテンツのライセンス情報を読み出し、RAM213に記録する(S3602)。
【0289】
CPU212は、RAM213に記録されているライセンス情報の再生可能期限に関する情報を解釈し、HDD205に記録されているコンテンツの中で再生可能期限を超過しているコンテンツが有るか否かを判定する(S3603)。再生可能期限を超過しているコンテンツが有る場合、CPU212は、そのコンテンツを消去するようにドライブ制御部204に命令する。ドライブ制御部204はそのコンテンツをHDD205から消去する(S3604)。
【0290】
一方、再生可能期限を超過しているコンテンツが無い場合、CPU212は、コンテンツの消去の命令を実行しない。その後、レコーダ101は、所定の電源オフのための動作を行い、レコーダ101の電源がオフとなる(S3605)。
【0291】
以上のように、ユーザが電源オフを指示した後に、消去すべきコンテンツの判定とコンテンツの消去を実行する。
【0292】
つまり、CPU212は、HDD205に記録されたコンテンツのうち再生可能期限付きのコンテンツについては、指示受信部216が電源オフの指示を受けたときに、そのコンテンツを消去する。
【0293】
言い換えると、本実施形態のレコーダ101は、コンテンツサーバ104からダウンロードしたコンテンツを記録し、再生することが可能なレコーダである。レコーダ101は、コンテンツサーバ104からダウンロードされた再生可能期限付きのコンテンツを格納するHDD205もしくはディスク206と、レコーダ101の電源のオン/オフの指示を受け付ける指示受信部216と、HDD205もしくはディスク206からコンテンツを消去するCPU212及びドライブ制御部204と、を備え、CPU212及びドライブ制御部204は、指示受信部216が電源オフの指示を受け付けたときに、再生可能期限が満了したコンテンツをHDD205もしくはディスク206HDD205から消去する。
【0294】
これにより、コンテンツの再生中など他の動作に並行して消去すべきコンテンツの判定とコンテンツの消去などが行われ、CPU212に過大な負荷がかかることを防止することができる。よって、レコーダ101を安定に動作させることができる。
【0295】
なお、コンテンツの消去後レコーダ101の電源がオンされた場合、レコーダ101は次の起動時においてコンテンツを消去した旨の警告画面を表示しても良い。具体的には、以下の通りに動作してもよい。
【0296】
指示受信部216がレコーダ101に対する電源オンの指示を受け付けると、CPU212は、コンテンツを消去した旨の警告画面を表示するようにグラフィック制御部208に命令する。グラフィック制御部208は、メモリ209に記録された、コンテンツを消去した旨を表示するための画像データを読み出し、映像出力部210を通じてデジタルテレビ100に出力する。
【0297】
つまり、HDD205からコンテンツが消去された場合、その消去されたコンテンツに関する情報を消去情報としてHDD205に記録する。映像出力部210は、指示受信部216が電源オンの指示を受け付けたときに、HDD205から消去情報を読み出して、出力する。
【0298】
また、録画一覧を表示する際に、消去情報を表示しても良い。つまり、CPU212は、HDD205からコンテンツが消去された場合、消去されたコンテンツに関する情報を消去情報としてHDD205に記憶しておく。CPU212は、指示受信部216が電源オンの指示を受け付けたときに、HDD205から消去情報を読み出し、この消去情報を録画一覧とともに表示する。言い換えると、レコーダ101は、HDD205に格納されたコンテンツの一部または全部のコンテンツについて、各コンテンツの情報を一覧にして表示する一覧画像のデータを作成するCPU212及びグラフィック制御部208を備え、CPU212及びグラフィック制御部208が一覧データを作成するときに消去情報を出力する。これによりユーザは、再生可能期限の超過によりコンテンツが消去されたことを知ることができる。
【0299】
また、一度に消去するコンテンツの数に上限を設けても良い。これにより、多数のコンテンツを消去するために要する時間を低減でき、レコーダ101の電源オフのタイミングが遅延することを防止できる。なお、再生可能期限を超過しているコンテンツの中で、視聴期限がより古いものから、または、容量のより大きいものから所定数(上限)個のコンテンツを消去するようにするのが好ましい。
【0300】
また、CPU212及びドライブ制御部204は定期的にコンテンツの再生可能期限を監視し、再生可能期限が満了したコンテンツをHDD205から消去してもよい。これにより、電源のオン/オフなどレコーダ101の動作に依存することなく、適切なタイミングでコンテンツの再生期限を管理することができる。
【0301】
7−5−2 録画一覧表示時の消去
録画一覧の表示時(作成時)にコンテンツを消去する場合について図37のフローチャートを用いて説明する。
【0302】
CPU212は、ユーザがリモコン102にて録画一覧の表示を指示したか否かを判定する(S3701)。ユーザが録画一覧の表示を指示した場合には、CPU212はドライブ制御部204に対し、HDD205に記録されているコンテンツの情報を読み出すよう命令する。ドライブ制御部204はHDD205に記録されているコンテンツのライセンス情報を読み出し、RAM213に記録する(S3702)。
【0303】
CPU212は、RAM213に記録されているライセンス情報の再生可能期限に関する情報を解釈し、HDD205に記録されているコンテンツの中で、再生可能期限を超過しているコンテンツが有るか否かを判定する(S3703)。再生可能期限を超過しているコンテンツが有る場合には、CPU212はそのコンテンツを消去するようにドライブ制御部204に命令する。ドライブ制御部204はそのコンテンツをHDD205から消去する(S3704)。その後、録画一覧を作成し、表示する(S3705)。
【0304】
つまり、HDD205に記録されたコンテンツのうち再生可能期限付きのコンテンツについて、CPU212とグラフィック制御部208は、録画一覧画像データを作成するときに、そのコンテンツを消去する。
【0305】
言い換えると、本実施形態のレコーダ101は、コンテンツサーバ104からダウンロードしたコンテンツを記録し、再生することが可能なレコーダである。レコーダ101は、コンテンツサーバ104からダウンロードされた再生可能期限付きのコンテンツを格納するHDD205と、HDD205に格納されたコンテンツの一部または全部のコンテンツについて、各コンテンツの情報を一覧にして表示する一覧画像のデータを作成するCPU212及びグラフィック制御部208と、HDD205からコンテンツを消去するCPU212及びドライブ制御部204と、を備え、CPU212及びドライブ制御部204は、CPU212及びグラフィック制御部208が一覧画像のデータを作成するときに、再生可能期限が満了したコンテンツをHDD205から消去する。
【0306】
かかる動作によると、ユーザが録画一覧を生成したときに、コンテンツの再生可能期限を判定する。そのため、録画一覧の表示は常に最新の再生可能期限を反映した一覧となる。したがって、ユーザが再生可能期限を超過しているコンテンツを選択することを防止することができ、ユーザの利便性が向上する。
【0307】
また、一度に消去するコンテンツの数に上限を設けても良い。これにより、多数のコンテンツを消去することに起因する、レコーダ101から録画一覧データが出力されるタイミングの遅延を防止することができる。つまり、CPU212及びドライブ制御部204は、一度に消去するコンテンツの数に上限を有する。また、その際、視聴期限のより古いものから、または、容量がより大きいものから所定数(上限)個のコンテンツを選択して消去するようにしてもよい。つまり、CPU212及びドライブ制御部204は、再生可能期限が満了したコンテンツの中で、視聴期限がより古いものからその上限数個のコンテンツを選択し、消去する。もしくは、CPU212及びドライブ制御部204は、再生可能期限が満了したコンテンツの中で、容量がより大きいものから前記上限数個のコンテンツを選択し、消去する。
【0308】
なお、コンテンツの消去後レコーダ101の電源がオンされた場合、レコーダ101は次の起動時においてコンテンツを消去した旨の警告画面を表示しても良い。具体的には、以下の通りに動作してもよい。
【0309】
指示受信部216がレコーダ101に対する電源オンの指示を受け付けると、CPU212は、コンテンツを消去した旨の警告画面を表示するようにグラフィック制御部208に命令する。グラフィック制御部208は、メモリ209に記録された、コンテンツを消去した旨を表示するための画像データを読み出し、映像出力部210を通じてデジタルテレビ100に出力する。
【0310】
つまり、レコーダ101は、レコーダ101の電源オンの指示を受け付ける指示受信部216と、HDD205からコンテンツが消去された場合、その消去されたコンテンツに関する情報を消去情報としてHDD205に記録し、指示受信部216が電源オンの指示を受け付けたときに、HDD205からその消去情報を読み出して、出力するCPU212及び映像出力部210とを備える。
【0311】
これにより、HDD205に記録されているコンテンツが消去された場合であっても、電源オン時にその消去に関する情報が出力される。その為、ユーザは自動的に消去されたコンテンツを認識することができる。
【0312】
また、電源オンのタイミングではなく、CPU212及びグラフィック制御部208が一覧データを作成するときに消去情報を出力しても良い。
【0313】
7−5−3 再生可能期限との時間関係に基づく消去
再生可能期限と再生タイミングの時間関係に基づくコンテンツの消去について、図38のフローチャートを用いて説明する。
【0314】
CPU212は、所定の周期でHDD205に記録されているライセンス情報をRAM213に記録する(S3801、S3802)。
【0315】
CPU212は、RAM213に記録されているライセンス情報の再生可能期限に関する情報を解釈し、HDD205に記録されているコンテンツの中で再生可能期限を超過しているコンテンツが有るか否かを判定する(S3803)。再生可能期限を超過しているコンテンツが有る場合には、CPU212はそのコンテンツを消去するようにドライブ制御部204に命令する。ドライブ制御部204はそのコンテンツをHDD205から消去する(S3804)。
【0316】
つまり、CPU212は、HDD205に記録されたコンテンツのうち再生可能期限付きのコンテンツについて、再生可能期限満了から所定時間内にそのコンテンツを消去する。
【0317】
言い換えると、レコーダ101は、レコーダ101の電源オンの指示を受け付ける指示受信部216と、HDD205からコンテンツが消去された場合、その消去されたコンテンツに関する情報を消去情報としてHDD205に記録し、指示受信部216が電源オンの指示を受け付けたときに、HDD205から消去情報を読み出して、出力するCPU212及び映像出力部210とを備える。
【0318】
かかる動作によると、再生可能期限を超過したコンテンツの消去のタイミングの遅延をより小さくすることができる。
【0319】
なお、同時に消去するコンテンツの数に上限を設けても良い。例えば、同時に消去できるコンテンツの上限を64個とすることも可能である。また、視聴期限のより古いものから、または、容量がより大きいものから所定数(上限)個のコンテンツを消去するようにしてもよい。
【0320】
8 コンテンツのダビング
8−1 コンテンツのダビング回数の制限
コンテンツのダビング回数の制限が有る場合のコンテンツのダビング制御について説明する。以下では、HDD205からディスク206へコンテンツをダビングする際の動作を説明する。
【0321】
指示受信部216がユーザによるダビング指示を受け付けると、CPU212は、ダビングするコンテンツのライセンス情報を取得し、取得したライセンス情報をRAM213に記録するように制御を行う。なお、そのコンテンツのライセンス情報を未だ受信していない場合は、ネットワーク制御部215を通じてライセンス情報をダウンロードする。ライセンス情報は、ダビングするコンテンツを復号するための復号鍵を含んでいる。
【0322】
また、コンテンツのメタ情報には、ダビング制限情報として、コンテンツのダビング可能回数が記録されている(図1B参照)。CPU212は、メタ情報に記載されているダビング可能回数が1以上の場合、コンテンツのダビングを許可し、HDD205のコンテンツをディスク206にコピーする。CPU212は、メタ情報に記載されているダビング可能回数を1だけ減じ、そのメタ情報をドライブ制御部204を介してHDD205に記録する。
【0323】
一方、メタ情報に記載されているダビング可能回数が0である場合、CPU212はダビングを禁止し、HDD205からディスク206へのコンテンツのダビングを実行しない。
【0324】
つまり、ネットワーク制御部215は、コンテンツサーバ104に格納されたコンテンツをダウンロードしてHDD205に記録する。ドライブ制御部204は、HDD205に記録されたコンテンツをディスク206にダビング可能である。ネットワーク制御部215は、ドライブ制御部204がダビングを実行する前に、ダビングするコンテンツのダビング制限情報(例えば、ダビング可能回数)を取得し、取得したダビング制限情報に基づき、ダビングの可否を判断する。
【0325】
また、コンテンツのダビング回数はHDD205に記録されてもよい。ダビング制限情報が、ダビングするコンテンツのダビング可能回数を含んでもよい。そして、ダビング可能回数が、HDD205が記録しているコンテンツのダビング回数以下である場合、ダビングできないと判断してもよい。
【0326】
かかる動作によると、ダウンロードしたコンテンツについて、ダビングの回数を制限することができる。したがって、コンテンツ配信システム側がダウンロードしたコンテンツのダビングの回数を制限することができる。
【0327】
なお、ダビング回数をカウントアップして管理してもよい。その場合、CPU212は、ダビング処理毎にダビング回数(初期値0)を1ずつカウントアップし、カウントアップしたダビング回数をHDD205等に記録しておく。CPUは、カウントアップしたダビング回数と、メタ情報に記載されたダビング可能回数とを比較し、カウントアップしたダビング回数がダビング可能回数以上のときにダビングができないと判断してもよい。
【0328】
8−2 コンテンツのダビング期間の制限
コンテンツのダビング期間の制限が有る場合のコンテンツのダビング制御について説明する。以下では、HDD205からディスク206へコンテンツをダビングする場合の動作を説明する。
【0329】
指示受信部216がユーザからのダビング指示を受け付けると、CPU212は、ダビングするコンテンツのライセンス情報を取得し、取得したライセンス情報をRAM213に記録するよう制御する。なお、そのコンテンツのライセンス情報を受信していない場合は、ネットワーク制御部215を通じてライセンス情報をダウンロードする。ライセンス情報は、ダビングするコンテンツを復号するための復号鍵を含んでいる。
【0330】
また、コンテンツのメタ情報には、ダビング制限情報として、コンテンツのダビング可能期限が記録されている(図1B参照)。CPU212は、メタ情報に記録されているコンテンツのダビング可能期限と、セキュアクロック管理部219の時刻情報(現在の日時)とを比較する。CPU212は、現在の日時がメタ情報に記録されているダビング可能期限内である場合、コンテンツのダビングを許可し、HDD205のコンテンツをディスク206に記録する。
【0331】
一方、現在の日時がライセンス情報に記載されているダビング可能期限外である場合、CPU212は、コンテンツのダビングを禁止し、HDD205からディスク206へのコンテンツのダビングを実行しない。
【0332】
つまり、ダビング制限情報は、ダビングをするコンテンツのダビング可能期限を含んでおり、CPU212は、そのダビング可能期限を超過したと判断すると、ダビング不可と判断する。
【0333】
以上の動作により、ダウンロードしたコンテンツについて、ダビング可能期間を制限することができる。したがって、コンテンツ配信システム側がダウンロードしたコンテンツのダビング可能期間を制限することができる。
【0334】
なお、ダビング中にダビング可能期限を超過した場合であっても、ダビングを継続させてもよい。
【0335】
つまり、ドライブ制御部204は、コンテンツのダビングを開始し、その後、そのコンテンツのダビング中にダビング可能期間を超過した場合においても、ダビングを継続する。
【0336】
これにより、ダビング中にダビング可能期間外となったとしても、ダビングが途切れることを防止することができる。
【0337】
なお、以上の実施形態において、警告手段として、テキストによる警告を通知する警告画面を用いたが、警告手段はこれに限られず、音声やランプ等の他の手段でもよい。
【0338】
9 用語の対応
ドライブ制御部204は、記録手段の一例である。ネットワーク制御部215及びドライブ制御部204は、ダウンロード記録手段の一例である。HDD205は記録媒体の一例である。ドライブ制御部204およびビデオデコーダ207は再生手段の一例である。指示受信部216は、指示受付手段の一例である。CPU212、グラフィック制御部208は、警告出力手段の一例である。CPU212は制御手段の一例である。ドライブ制御部204およびCPU212は、表示データ作成手段の一例である。CPU212は、完了検出手段の一例である。ドライブ制御部204及びCPU212は、消去手段の一例である。ドライブ制御部204及びCPU212はダビング手段の一例である。FL表示部217は、状態表示手段の一例である。チューナ201、ADC202、ビデオエンコーダ203及びドライブ制御部204は放送記録手段の一例である。指示受信部216は、要求受付手段の一例である。映像出力部210は消去情報出力手段の一例である。CPU212及びネットワーク制御部215は、接続確認手段の一例である。CPU212は、編集手段の一例である。CPU212は、消去禁止解除手段の一例である。デジタルテレビ100は、表示手段の一例である。
【産業上の利用可能性】
【0339】
本発明の記録再生装置は、デジタルテレビやレコーダなど放送番組等を録画可能な装置に用いることができる。
【0340】
本発明は、特定の実施形態について説明されてきたが、当業者にとっては他の多くの変形例、修正、他の利用が明らかである。それゆえ、本発明は、ここでの特定の開示に限定されず、添付の請求の範囲によってのみ限定され得る。なお、本出願は日本国特許出願、特願2008−213779号(2008年8月22日提出)に関連し、それらの内容は参照することにより本文中に組み入れられる。
【符号の説明】
【0341】
100 デジタルテレビ
101 レコーダ
102 リモコン
103 インターネット網
104 コンテンツサーバ
105 時刻サーバ
201 チューナ
202 ADC
203 ビデオエンコーダ
204 ドライブ制御部
205 HDD
206 ディスク
207 ビデオデコーダ
208 グラフィック制御部
209 メモリ
210 映像出力部
211 フラッシュメモリ
212 CPU
213 RAM
214 バス
215 ネットワーク制御部
216 指示受信部
217 FL表示部
218 時刻管理部
219 セキュアクロック管理部
300 コンテンツ詳細表示領域
301 コンテンツ画像表示領域
302 タブ
303 編集項目一覧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバからダウンロードしたコンテンツを記録媒体に記録し、再生可能な記録再生装置であって、
前記サーバからダウンロードしたコンテンツを前記記録媒体に記録する記録手段と、
コンテンツの再生を開始させるための指示を受け付ける指示受付手段と、
前記指示受付手段が受け付けた指示にしたがい、前記記録媒体に記録されたコンテンツを再生する再生手段と、
所定のタイミングで、当該記録再生装置が前記サーバを含むネットワークシステムに接続されているか否かを判断する接続確認手段と、
前記指示受付手段が前記コンテンツの再生を開始する指示を受け付けたときに、前記接続確認手段による判断結果が、当該記録再生装置と前記ネットワークシステムが接続されていないことを示す場合は、前記再生手段は再生指示を受け付けたコンテンツを再生せずに、当該記録再生装置を前記ネットワークシステムに接続する必要がある旨の警告を出力する警告出力手段と、
を備える記録再生装置。
【請求項2】
当該記録再生装置と前記ネットワークシステムの接続が最後に確認されてから所定期間が経過していなければ、
前記警告出力手段は、前記接続確認手段による判断結果が当該記録再生装置と前記ネットワークシステムが接続されていないことを示す場合であっても、前記警告を出力せず、
前記再生手段は、前記指示受付手段が受け付けた指示にしたがいコンテンツの再生を開始する、
請求項1記載の記録再生装置。
【請求項3】
前記所定のタイミングは、当該記録再生装置の電源投入時である、請求項1記載の記録再生装置。
【請求項4】
前記所定のタイミングは、コンテンツの再生開始時である、請求項1記載の記録再生装置。
【請求項5】
前記所定のタイミングは、所定周期のタイミングである、請求項1記載の記録再生装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図12D】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【公開番号】特開2011−96360(P2011−96360A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−265506(P2010−265506)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【分割の表示】特願2010−525600(P2010−525600)の分割
【原出願日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】