説明

記録制御装置、記録制御方法及びプログラム

【課題】一回の撮影でユーザが被写体の動きの推移を的確に把握できるような連写画像とマルチモーション画像とを作成でき、かつ容易に管理ができるようにする。
【解決手段】本画像と差分画像とを読み出し(ステップS121)、これら本画像と差分画像の画像データを圧縮処理して、本画像データと差分画像データとを生成する(ステップS122)。更に、ステップS104でRAMに保持された所定連写枚数の画像に対する画像データの圧縮処理を終了したか否かを判断し(ステップS123)、所定枚数の画像データに対する前記処理を終了するまで、ステップS121及びステップS122の処理を繰り返す。これにより生成された本画像データと複数の差分画像データとを一つのEXIFファイルに記録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被写体を連続して撮像する撮像装置、撮像制御方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、所謂マルチモーション画像を生成するための画像合成技術がある。この画像合成技術は、背景画像と、この背景画像中で動作する被写体が存在する複数枚の画像とを連続して撮像する。そして、連続して撮像した複数枚の画像から、前記背景画像が有する背景を除いた被写体画像のみを切り出し、これら抽出した被写体画像を前記背景画像上に貼り付けて合成する。
【0003】
これにより、背景上に撮像した枚数で時分割的に順次変化する被写体画像が貼り付けられたマルチモーション画像が得られる。したがって、このマルチモーション画像によれば、例えばスポーツ選手の動きの軌跡を連続的に一つの画像に重ね合わせて合成表示できるので、スポーツ選手の動きの軌跡を把握し易く表現できる(例えば下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−5452号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のマルチモーション画像は、スポーツ選手等の被写体の動きの軌跡を把握する上では有用だが、合成画像であるために動いていない領域についてはかえって把握することが難しいという問題がある。この問題を解決するためには連写された個々の画像を別途記録することが望ましいが、瞬間的な映像は再現性においては困難なものが多く、個々の画像を記録するために再度同じような状況の撮影に望むことは現実的ではないという問題がある。
【0006】
また、上記マルチモーション画像の生成とは別に連写された個々の画像は、互いの関連付けを生成する工夫が考えられておらず、その後の画像管理において不都合が生じるという問題もある。
【0007】
本発明は、かかる従来の課題に鑑みてなされたものであり、一回の撮影でユーザが被写体の動きの推移を的確に把握できるような連写画像とマルチモーション画像とを作成でき、かつ容易に管理ができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、請求項1記載の発明に係る撮像装置にあっては、被写体を連続して撮像する撮像手段と、この撮像手段により撮像された被写体を有する複数の画像データを一時的に保持する保持手段と、この保持手段により保持された複数の画像データから一枚の画像データを選択する選択手段と、この選択手段により選択された画像データと他の複数の画像データとに基づいて、前記選択された画像データと前記他の複数の画像データとの差分を示す差分画像データを抽出する抽出手段と、前記選択された画像データと前記抽出手段により抽出された差分画像データとを一つの合成画像データとして合成する合成手段と、この合成手段により合成された合成画像データと、前記選択された画像データと、前記抽出された差分画像データとを一つのファイルとして記録させる記録制御手段と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項2記載の発明に係る撮像装置にあっては、前記記録制御手段は、更に前記選択された画像データと前記差分画像データとに関する画像付属情報も加えて記録させることを特徴とする。
【0009】
また、請求項3記載の発明に係る撮像装置にあっては、前記選択された画像データと前記抽出された差分画像データとを縮小処理して、サムネイルデータを生成する第1のサムネイルデータ生成手段を更に備え、前記記録制御手段は、更に前記サムネイルデータをも加えて記録させることを特徴とする。
【0010】
また、請求項4記載の発明に係る撮像装置にあっては、前記保持手段により保持された複数の画像データからサムネイルデータを生成する第2のサムネイルデータ生成手段を更に備え、前記記録制御手段は、前記サムネイルデータをも加えて、一つのファイルとして記録させることを特徴とする。
【0011】
また、請求項5記載の発明に係る撮像制御方法にあっては、被写体を連続して撮像する撮像ステップと、この撮像ステップにて撮像された被写体を有する複数の画像データを一時的に保持する保持ステップと、この保持ステップにて保持された複数の画像データから一枚の画像データを選択する選択ステップと、この選択ステップにて選択された画像データと他の複数の画像データとに基づいて、前記選択された画像データと前記他の複数の画像データとの差分を示す差分画像データを抽出する抽出ステップと、前記選択された画像データと前記抽出ステップにて抽出された差分画像データとを一つの合成画像データとして合成する合成ステップと、この合成ステップにより合成された合成画像データと、前記選択された画像データと、前記抽出された差分画像データとを一つのファイルとして記録させる記録制御ステップと、を含むことを特徴とする。
【0012】
また、請求項6記載の発明に係るプログラムにあっては、被写体を連続して撮像する撮像手段を備える装置が有するコンピュータを、前記撮像手段により撮像された被写体を有する複数の画像データを一時的に保持する保持手段、この保持手段により保持された複数の画像データから一枚の画像データを選択する選択手段、この選択手段により選択された画像データと他の複数の画像データとに基づいて、前記選択された画像データと前記他の複数の画像データとの差分を示す差分画像データを抽出する抽出手段、前記選択された画像データと前記抽出手段により抽出された差分画像データとを一つの合成画像データとして合成する合成手段、この合成手段により合成された合成画像データと、前記選択された画像データと、前記抽出された差分画像データとを一つのファイルとして記録部に記録せるよう制御する記録制御手段、として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、一回の撮影でユーザが被写体の動きの推移を的確に把握できるような連写画像とマルチモーション画像とを作成でき、かつ容易に管理ができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施の形態に係るデジタルカメラの背面図である。
【図2】同デジタルカメラの回路構成を示すブロック構成図である。
【図3】連写モードにおける処理手順を示すフローチャートである。
【図4】表示装置の表示状態の一例を示す表示図である。
【図5】マルチモーション合成の手順を示す説明図である。
【図6】記憶装置の記憶状態を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係るデジタルカメラ1の外観を示す背面図である。
【0016】
このデジタルカメラ1の背面には、メニューキー2、モードダイアル3、表示装置4、カーソルキー5、SETキー6等が設けられ、上面にはシャッタボタン7が設けられている。
【0017】
メニューキー2は、選択すべきメニューが表示されたメニュー画面を表示装置4に表示させる際に操作され、モードダイアル3は通常撮影モードや連写モード、再生モード等の選択可能なモードを表示装置4に表示させる際に操作される。
【0018】
カーソルキー5は、メニュー選択やモード設定等に際して表示装置4に表示されるメニューやアイコン等をカーソルで指定する際に操作するキーであり、四方向の矢印が印刷されているシーソー式のキーである。このカーソルキー5おいて、矢印部分を押下することにより、カーソルを上下又は左右に移動させることができる。また、SETキー6はカーソルキー5によってカーソル表示されている項目を選択設定する際に押されるキーである。またSETキー6を確認キーとして用いることもできる。シャッタボタン7は、押下に応答して撮像開始指示信号を生成するキーである。
【0019】
なお、側部には図示されていないが、パーソナルコンピュータやモデム等の外部装置とUSBケーブルに接続する場合に用いるUSB(Universal Serial Bus)端子接続部が設けられ、正面側に後述する撮像レンズ8が設けられている。
【0020】
図2は、デジタルカメラ1の電気的構成の概略を示すブロック構成図である。このデジタルカメラ1はAE(Automatic Exposure(自動露出))、AF(Auto Focus(オートフォーカス))機能、及び連写機能を備えたものであって、主として以下の各部から構成されている。すなわちデジタルカメラ1は、撮像レンズ8により結像された被写体の光学像を光電変換し撮像信号として出力する撮像手段として、撮像素子9を有している。撮像素子9は、カメラ制御部10が有するタイミングジェネレータ(TG)により生成されるタイミング信号に基づく駆動信号により駆動される。
【0021】
前記撮像レンズ8には、フォーカスレンズ及びそれを光軸上で移動させるためのレンズモータが含まれる。そして、レンズモータがカメラ制御部10の指令に従い駆動されることにより、フォーカスレンズが光軸上での位置を制御される。
【0022】
前記撮像素子9の出力信号は、A/D(Analog/Digital )変換器等を備える信号変換部11でデジタル信号に変換された後、カメラ制御部10へ送られる。カメラ制御部10は、A/D変換後の撮像データをRAM(Random Access Memory)12に記憶させる。信号処理部14は、RAM12に記憶された画像データにおいて、画素毎のR(赤),G(緑),B(青)の色成分データ(RGBデータ)を生成するRGB補間処理、RGBデータから輝度信号(Y)と色差信号(U、V)からなるYUVデータを画素毎に生成するYUV変換処理、更にオートホワイトバランスや輪郭強調などの画品質向上のためのデジタル信号処理を行う。
【0023】
撮影用のモードが設定されているときRAM12に格納されたYUVデータは、RAM12において1フレーム分が蓄積される毎に表示制御部13においてビデオ信号に変換された後、前記表示装置4(液晶モニタ)においてスルー画像として画面表示される。そして、撮影時には、RAM12に一時記憶された画像データが信号処理部14においてJPEG(Joint Photographic Experts Group)方式により圧縮符号化された後、外部記憶制御部15を介して、例えば各種のメモリカードにより構成される外部記憶装置16に静止画ファイルとして記録される。
【0024】
前記外部記憶装置16に記録された静止画ファイルは、再生モードにおいてユーザーの選択操作に応じて適宜読み出されるとともに、信号処理部14において伸張されYUVデータとしてRAM12に展開された後、表示制御部13により表示装置4にて静止画像として表示される。
【0025】
キー入力ブロック17は、前記メニューキー2、モードダイアル3、カーソルキー5、SETキー6、シャッタボタン7等の複数キーやボタンを含み、各キーやボタンの操作状態は、CPU(Central Processing Unit)18により随時スキャンされる。
【0026】
CPU18は、このデジタルカメラ1を構成する各部の制御、撮像信号に含まれる輝度情報に基づいたAE制御や、コントラスト検出方式によるAF制御等を行う。なお、これらの制御をCPU18に行わせるための各種のプログラムや、各々の制御に必要な各種データは、ROM(Read Only Memory)19に記憶されている。また、ROM19には、ユーザーによるモード選択操作を検出しその結果をフラグ情報で記憶するフラグ情報を含め、当該デジタルカメラ1の各種の機能に関する設定フラグ情報等も記憶されている。
【0027】
なお、外部I/F(interface)20には、前記USB端子接続部が接続されている。
【0028】
以上の構成にかかる本実施の形態において、ユーザがメニューキー2を操作してメニュー画面を表示装置4に表示させた後、メニュー画面から連写モードを選択して、SETキー6を操作すると、連写モードが設定される。すると、CPU18は、ROM19に記憶されているプログラムに基づき、図3のフローチャートに示す連写モード処理を実行する。
【0029】
すなわち、シャッタボタン7が押下されたか否かを判断する(ステップS101)。好ましくは三脚等によりデジタルカメラ1を固定して、ユーザがシャッタボタン7を押下すると、CPU18は、カメラ制御部10を制御して撮像素子9の露光を開始させる(ステップS102)。引き続き、この露光開始に伴って生成される画像データを撮像素子9から読み出し(ステップS103)、メモリ(RAM12)に書き込んで保持する(ステップS104)。
【0030】
更に、所定の連写枚数(例えば、30〜60枚の範囲内の所定枚数)の連写を終了したか否か、つまりRAM12に所定枚数の画像データの保持を終了したか否かを判断する(ステップS105)。所定枚数の連写を終了するまで、ステップS103及びステップS104の処理を繰り返す。これらの処理が繰り返されることにより、RAM12に所定枚数分の画像データが保持されると(ステップS105→YES)、露光を終了させる(ステップS106)。
【0031】
これにより、RAM12には所定連写枚数の画像データが保持された状態となる。なお、このときRAM12には、1、2、3・・・と連続番号を付して、順次画像データを保存する。引き続き、このRAM12に保持された所定連写枚数の画像データを順次読み出す(ステップS107)。そして、この読み出した画像データを縮小処理し、表示装置4に表示させるための表示画像に対応するサムネイルデータとして、RAM12に保存する(ステップS108)。
【0032】
更に、前記ステップS104でRAM12に保持された所定連写枚数の画像データに対する縮小処理を終了したか否かを判断し(ステップS109)、所定枚数の画像データに対する縮小処理を終了するまで、ステップS107及びステップS108の処理を繰り返す。したがって、所定枚数の画像データに対する縮小処理が終了して、ステップS109の判断がYESになると、RAM12に所定連写枚数のサムネイルデータが保存された状態となる。
【0033】
すると、CPU18は、RAM12から前記サムネイルデータを読み出し、表示制御部13を制御して、表示装置4に各サムネイルデータに基づく連写画像を表示させる(ステップS110)。このステップS110での処理により、図4に示すように、各サムネイルデータに基づく連写画像のうちの一部の画像P1、P2、P3、P4が時系列順に、表示装置4に表示される。
【0034】
また、このステップS110での表示処理に際しては、図4に示すように、左方向矢印401、右方向矢印402、本画像選択ボタン403、マルチモーションボタン404等も表示装置4に表示させる。そして、カーソルキー5とSETキー6の操作により、左方向矢印401が選択された際には、連写画像を左方向にスクロール表示させ、右方向矢印402が選択された際には、連写画像を右方向にスクロール表示させる処理を実行する。したがって、このスクロール表示により、限られた表示面積からなる表示装置4において、連写された全ての画像を表示させることができる。
【0035】
更に、このステップS110での表示処理においては、画像P2に示すように、カーソルキー5とSETキー6の操作により選択された画像を、他の画像P1、P3よりも上部に変位させる等の処理も実行する。これにより、ユーザは選択した画像を他の画像と区別して、明瞭に視認することができる。
【0036】
次に、CPU18は、ユーザによる本画像選択操作が行われたか否かを判断する(ステップS111)。ここで、本画像とは後述する差分画像を抽出する際に基準となる画像であり、この本画像と他の画像との差分が差分画像である。また、本画像データとは、前記本画像を表す画像データであり、差分画像データとは前記差分画像を表す画像データである。
【0037】
また、本画像選択操作とは、表示装置4に表示されている何れかの画像を選択した状態で、本画像選択ボタン403を指定する操作である。したがって、ユーザが図4に示した背景のみからなる画像P1を選択した状態で、本画像選択ボタン403を指定すると、ステップS111からステップS112に進み、背景のみからなる画像P1が本画像Mとして決定される。
【0038】
次に、本画像に対して比較する対称となる比較対象画像を指定するためにカウント値Nを「0」にリセットする(ステップS113)。更に、このカウント値Nをインクリメントして、このインクリメントしたカウント値N+1により、前記ステップS104でRAM12に順次記憶させたN+1枚目の画像をRAM12から読み出す(ステップS114)。
【0039】
但し、このRAM12からの画像の読み出しに際しては、ステップS112で決定された本画像を除いて、残る画像から順次N+1枚目の画像を読み出す。
【0040】
引き続き、この読み出したN+1枚目の画像と前記本画像Mとの差分画像を抽出し、この差分画像を表す差分画像データをRAM12に保存する(ステップS115)。また、この抽出した差分画像を本画像Mに貼り付ける(ステップS116)。
【0041】
更に、前記ステップS104でRAM12に保持された所定連写枚数の画像(但し、本画像は除く)に対する差分画像抽出及び差分画像貼り付け処理を終了したか否かを判断し(ステップS117)、所定枚数の画像データに対する処理を終了するまで、ステップS114〜S116の処理を繰り返す。
【0042】
したがって、図4に示すように、1回目のステップS115での処理により、撮像された画像P2から差分画像PP2が抽出され、2回目のステップS115での処理により、撮像された画像P3から差分画像PP3が抽出され、3回目のステップS115での処理により、撮像された画像P3から差分画像PP3が抽出される。
【0043】
また、1回目のステップS116での処理により、図5(a)に示すように、本画像M(撮像された画像P1)に差分画像PP2が貼り付けられ、2回目のステップS116での処理により、図5(b)に示すように、差分画像PP2が貼り付けられた本画像Mに更に差分画像PP3が貼り付けられる。更に、3回目のステップS116での処理により、図5(c)に示すように、差分画像PP2、PP3が貼り付けられた本画像Mに更に差分画像PP4が貼り付けられる。
【0044】
これにより、図5(d)に示すように、本画像M(撮像された画像P1)に差分画像PP2、PP3、PP4が貼り付けられたマルチモーション画像MMがRAM12に生成される。
【0045】
そして、所定枚数の画像に対する差分画像抽出及び差分画像貼り付け処理を終了し、ステップS117の判断がYESになると、マルチモーション画像MMの画像データを圧縮する(ステップS118)。また、マルチモーション画像MMを縮小処理してマルチモーション画像MMのサムネイルデータであるMMサムネイルデータを生成する(ステップS119)。そして、このMMサムネイルデータを圧縮処理する(ステップS120)。
【0046】
引き続き、本画像データと差分画像データとを読み出し(ステップS121)、これら本画像と差分画像の画像データを圧縮処理する(ステップS122)。更に、前記ステップS104でRAM12に保持された所定連写枚数の画像に対する画像データの圧縮処理を終了したか否かを判断し(ステップS123)、所定枚数の画像データに対する前記処理を終了するまで、ステップS121及びステップS122の処理を繰り返す。
【0047】
また、このようにして連写枚数に対応する本画像データと差分画像データの圧縮処理を終了したならば(ステップS123→YES)、本画像データ及び差分画像データを読み出して縮小処理する(ステップS124)。そして、これら本画像サムネイルデータと差分画像サムネイルデータを圧縮処理する(ステップS125)。
【0048】
更に、前記ステップS104でRAM12に保持された所定連写枚数の画像に対するサムネイル画像データの圧縮処理を終了したか否かを判断し(ステップS126)、所定枚数の画像データに対する前記処理を終了するまで、ステップS124及びステップS125の処理を繰り返す。
【0049】
したがって、ステップS126の判断がYESとなって、前記処理を終了すると、RAM12には、少なくとも下記のデータ[1]〜[6]が各々圧縮されて保存されることとなる。
【0050】
[1]「MM画像データ」:ステップS118での処理により圧縮されたマルチモーション画像MMの画像データ。
[2]「MMサムネイルデータ」:ステップS120での処理により圧縮されたMMサムネイルの画像データ。
[3]「本画像データ」:ステップS122での処理により圧縮された本画像の画像データ。
[4]「差分画像データ」:ステップS122での処理により圧縮された差分画像の画像データ。
[5]「本画像サムネイルデータ」:ステップS125での処理により圧縮された本画像サムネイルの画像データ。
[6]「差分画像サムネイルデータ」:ステップS125での処理により圧縮された差分画像サムネイルの画像データ。
【0051】
そして、ステップS126の判断がYESとなって、前記処理を終了したならば、前記データ[1]〜[6]を用いて、EXIF(Exchangeable Image File Format)ファイルを作成する(ステップS127)。
【0052】
このステップS127での処理により、図6に示すように、
画像情報F10、
画像付属情報F11、
MMサムネイルデータF12、
MM画像データF13、
本画像データF20、
差分画像データ(1)F21〜差分画像データ(N)F2N、
本画像サムネイルデータF30、
差分画像サムネイルデータ(1)F31〜差分画像サムネイルデータ(N)F3N、
で構成されるEXIFファイルFが作成される。
【0053】
これらEXIFファイルFを構成する各データにおいて、画像情報F10はMMサムネイルデータF12に関する情報であり、撮影情報、画像サイズ、画像パラメータ等の情報である。画像付属情報F11は、本画像データF20、差分画像データ(1)F21〜差分画像データ(N)F2N、本画像サムネイルデータF30、差分画像サムネイルデータ(1)F31〜差分画像サムネイルデータ(N)F3Nに関する情報であり、これらに関する画像サイズ、各画像のアドレス等の情報である。
【0054】
しかる後に、CPU18は、この作成されたEXIFファイルFを外部記憶制御部15を介して、外部記憶装置16に書き込む(ステップS128)。また、EXIFファイルの作成及び外部記憶装置16への書き込みにより、RAM12内に画像データや表示データは不要となったことから、これら画像データ・表示データをRAM12から消去して(ステップS129)、処理を終了する。
【0055】
したがって、外部記憶制御部15にはEXIFファイルFが保存されることから、ユーザは、後日、この外部記憶制御部15に保存されているEXIFファイルFを自在に用いることができる。よって、本画像データF20に対応する本画像と差分画像データ(1)F21〜差分画像データ(N)F2Nに対応する各差分画像から、任意に選択した総数Nよりも少ない数の差分画像を本画像に貼り付けることにより、ユーザが被写体の動きの推移を的確に把握できるような、任意の変化で被写体像が連続するマルチモーション画像を作成することができる。
【0056】
また、マルチモーションボタン404に対する指定操作に応じて、MM画像データF13やMMサムネイルデータF12を再生することにより、表示装置4にてマルチモーション画像を観賞することができる。
【0057】
また、差分画像サムネイルデータ(1)F31〜差分画像サムネイルデータ(N)F3Nを使用して、表示装置4に順次変化する被写体をサムネイル表示することもでき、これにより被写体の個々の動きを明瞭に視認することもできる。
【0058】
なお、本実施の形態においては、差分画像のサムネイルデータを記録するようにしたが、連写された各画像自体のサムネイルデータをさらに記録するようにしてもよい。このようにすれば、本画像サムネイルデータと差分画像サムネイルデータとから合成してサムネイルデータを生成する機能を再生装置が備えていなくても、連写画像のサムネイルデータに基づく画像を再生することができ、これにより連写画像の利用価値を高めることができる。
【0059】
また、本実施例のS118〜S122においては、MMサムネイルデータを圧縮処理した後に本画像データと差分画像データの圧縮処理をしたが、本画像データと差分画像データの圧縮処理をした後にMMサムネイルデータの圧縮処理をするようにしても良い。
【符号の説明】
【0060】
2 メニューキー
3 モードダイアル
4 表示装置
5 カーソルキー
6 SETキー
7 シャッターキー
8 撮像レンズ
9 撮像素子
10 カメラ制御部
11 信号変換部
12 RAM
13 表示制御部
14 信号処理部
15 外部記憶制御部
16 外部記憶装置
17 キー入力ブロック
18 CPU
19 ROM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を連続して撮像する撮像手段と、
この撮像手段により撮像された被写体を有する複数の画像データを一時的に保持する保持手段と、
この保持手段により保持された複数の画像データから一枚の画像データを選択する選択手段と、
この選択手段により選択された画像データと他の複数の画像データとに基づいて、前記選択された画像データと前記他の複数の画像データとの差分を示す差分画像データを抽出する抽出手段と、
前記選択された画像データと前記抽出手段により抽出された差分画像データとを一つの合成画像データとして合成する合成手段と、
この合成手段により合成された合成画像データと、前記選択された画像データと、前記抽出された差分画像データとを一つのファイルとして記録させる記録制御手段と、
を備えたことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記記録制御手段は、更に前記選択された画像データと前記差分画像データとに関する画像付属情報も加えて記録させることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記選択された画像データと前記抽出された差分画像データとを縮小処理して、サムネイルデータを生成する第1のサムネイルデータ生成手段を更に備え、
前記記録制御手段は、更に前記サムネイルデータをも加えて記録させることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項4】
前記保持手段により保持された複数の画像データからサムネイルデータを生成する第2のサムネイルデータ生成手段を更に備え、
前記記録制御手段は、前記サムネイルデータをも加えて、一つのファイルとして記録させることを特徴とする請求項1又は2記載の撮像装置。
【請求項5】
被写体を連続して撮像する撮像ステップと、
この撮像ステップにて撮像された被写体を有する複数の画像データを一時的に保持する保持ステップと、
この保持ステップにて保持された複数の画像データから一枚の画像データを選択する選択ステップと、
この選択ステップにて選択された画像データと他の複数の画像データとに基づいて、前記選択された画像データと前記他の複数の画像データとの差分を示す差分画像データを抽出する抽出ステップと、
前記選択された画像データと前記抽出ステップにて抽出された差分画像データとを一つの合成画像データとして合成する合成ステップと、
この合成ステップにより合成された合成画像データと、前記選択された画像データと、前記抽出された差分画像データとを一つのファイルとして記録させる記録制御ステップと、
を含むことを特徴とする撮像制御方法。
【請求項6】
被写体を連続して撮像する撮像手段を備える装置が有するコンピュータを、
前記撮像手段により撮像された被写体を有する複数の画像データを一時的に保持する保持手段、
この保持手段により保持された複数の画像データから一枚の画像データを選択する選択手段、
この選択手段により選択された画像データと他の複数の画像データとに基づいて、前記選択された画像データと前記他の複数の画像データとの差分を示す差分画像データを抽出する抽出手段、
前記選択された画像データと前記抽出手段により抽出された差分画像データとを一つの合成画像データとして合成する合成手段、
この合成手段により合成された合成画像データと、前記選択された画像データと、前記抽出された差分画像データとを一つのファイルとして記録部に記録させるよう制御する記録制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2013−93863(P2013−93863A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−267437(P2012−267437)
【出願日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【分割の表示】特願2010−60096(P2010−60096)の分割
【原出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】