説明

記録媒体アクセス装置及び記録媒体アクセス方法

半導体メモリカード101は異なるファイルシステムに基づく複数の領域105,106を有する。アダプタ102は、ユーザが操作可能な領域切り替え部110と、その操作を判定する判定部109と、判定結果に伴って半導体メモリカード101に使用する領域を切り替えるための切り替えコマンドを発行するカード制御部108を備える。領域切り替え部110からの入力に応じて切り替えコマンドを発行すると、半導体メモリカード101の領域選択部107でコマンドを解釈して領域を選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の動作が可能な記録媒体にアクセスする記録媒体アクセス装置及び記録媒体アクセス方法に関する。
【背景技術】
【0002】
音楽コンテンツや、映像データ等のデジタルデータを記録する記録媒体には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等、様々な種類が存在する。これらの記録媒体の1種類である半導体メモリカードは、記録素子としてフラッシュROM(FlashROM)等の半導体メモリを使用している。半導体メモリカードは、記録媒体の小型化が図れることから、デジタルスチルカメラや携帯電話端末等、小型の携帯機器を中心に急速に普及しつつある。
【0003】
このような半導体メモリカードの一例として、デジタル著作物を格納可能な著作権保護機能を備えた半導体メモリカードが存在する(例えば、特許文献1参照)。この半導体メモリカードは、デジタル著作物の著作権を保護するため、外部機器の認証に成功した場合にのみ外部機器にアクセスを許可する認証領域と、認証の結果に拘わらずアクセスを許可する非認証領域とを、半導体メモリカード内に有することを特徴としている。
【0004】
一方、半導体メモリカードに格納されたデータはファイルシステムにより管理されており、ユーザは格納されたデータをファイルとして容易に取り扱うことができる。従来使用されているファイルシステムとして、FATファイルシステム(詳細は、非特許文献1を参照)がある。FATファイルシステムはPCなどの情報機器で一般に用いられているファイルシステムである。これはファイルを構成するデータの格納位置をFAT(File Allocation Table)と呼ばれるテーブルにより一元管理するものである。半導体メモリカードに格納されたデータをFATファイルシステムにより管理した場合、FATファイルシステムを解釈可能な機器では半導体メモリカードに格納されたデータにアクセスすることが可能であるため、このような機器間では半導体メモリカードを介してデータを授受することが可能となる。
【0005】
しかしながら、ファイルシステムにはFATファイルシステムの他に、UDF(Universal Disk Format)ファイルシステム(詳細は、非特許文献2を参照)や、NTFSファイルシステム(New Technology File System)等が存在する。各機器が解釈可能なファイルシステムの種別が異なれば、半導体メモリカードを介してデータを授受することができなくなる。
【0006】
従来、この問題を解決する方法として、情報記録媒体に複数のファイルシステム管理情報を格納する領域と、共通のファイルデータを格納する領域を設ける方法が提案されている(例えば、特許文献2を参照)。従来の方法では、情報記録媒体が機器に挿入された後、使用するファイルシステムを選択し、該当するファイルシステム管理情報が格納された領域の先頭アドレスを0番地としてファイルシステム管理情報にアクセスする。このように、複数のファイルシステム管理情報の内、いずれか1つを選択して使用することで、異なるファイルシステムを解釈する機器間で共通の情報記録媒体を介したデータの授受が可能となる。
【特許文献1】特開2003−233795号公報
【特許文献2】特開平8−272541号公報
【非特許文献1】ISO/IEC9293、「インフォメーション テクノロジー ボリュウム アンド ファイル ストラクチャ オブ ディスク カートリッジ フォ インフォメーション(Information Technology−Volume and file structure of disk cartridges for information)」、1994年
【非特許文献2】OSTA「ユニバーサル ディスク フォーマット スペシフィケイション レビション 1.50(Universal Disk Format Specification Revision 1.50)」、1997年
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記の従来技術には次のような問題点がある。従来の領域管理方法では、ファイルシステム管理情報を各ファイルシステム種別に対応して複数格納し、ファイルデータは各ファイルシステムに対し共通な一式のみを格納している。これにより、同じデータを持つファイルを異なるファイルシステムで取り扱う場合に、データの実体を複数格納する必要がなく、情報記録領域を削減することが可能となる。しかしながら、この方法ではファイルを編集する際、複数のファイル管理情報を一度に変更する必要があり、全てのファイルシステム管理情報を解釈可能な機器でしかファイルを編集することができない。
【0008】
この問題を解決する方法として、半導体メモリカード内の領域を複数の領域に分割し、各々の領域を異なるファイルシステムにより管理することが考えられる。この場合、従来の認証領域と非認証領域を有する半導体メモリカードにおいては、夫々の領域を2分割するので、半導体メモリカード内に少なくとも4つの領域が共存することになり、これらの領域の切り替え処理は複雑なものとなる。
【0009】
また、半導体メモリカードの容量が大きくなってくると、従来とは異なった仕様が要求される。例えば、高速に大容量の映像データの書き込みを保証するとか、比較的サイズの小さなファイルを大量に、かつ、高速に書き込むといったものである。これらの性能を、同一のアーキテクチャや同一のインタフェースで実現するのは、極めて困難である。従って、特定の要求に対して、半導体メモリカードにおける挙動を一部変更するような仕組みが必要となり、カードの制御が更に複雑なものとなる。
【0010】
本発明では上記問題点に鑑み、ユーザの要求により、動的に、又は静的に、カードのインタフェースを切り替える方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は複数の機能を有する記録媒体にアクセスする記録媒体アクセス装置であって、外部から操作可能な切り替え部と、前記切り替え部が操作に応じて、装着されている記録媒体に対し、前記記録媒体の動作を切り替える切り替えコマンドを発行するカード制御部と、を有する記録媒体アクセス装置である。
【0012】
また本発明は複数の機能を有する記録媒体にアクセスする記録媒体アクセス装置における記録媒体アクセス方法であって、外部から切り替えを入力するステップと、前記切り替えステップが操作された場合、装着されている記録媒体に対し、前記記録媒体の動作を切り替える切り替えコマンドを発行するカード制御ステップと、を有する記録媒体アクセス方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、様々な切り替え機能を持つ記録媒体を、ユーザの意図したように、切替えながら使用することで、非常に利便性良く使用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は本発明の実施例1における半導体メモリカード及びアクセス装置の構成を示すブロック図
【図2】図2は本発明の実施例1における半導体メモリカード及びアクセス装置において動作状態の異なる例を示すブロック図
【図3】図3は本発明の実施例1における半導体メモリカード及びアクセス装置における基本的な動作を示すフローチャート
【図4】図4は本発明の実施例2における半導体メモリカード及びアクセス装置の構成を示すブロック図
【図5】図5は本発明の実施例2における半導体メモリカード及びアクセス装置における基本的な動作を示すフローチャート
【図6A】図6Aは本発明の実施例3における半導体メモリカード及びアクセス装置の構成を示すブロック図
【図6B】図6Bは本発明の変更例の構成を示す半導体メモリカード及びアクセス装置の構成を示すブロック図
【図7】図7は本発明の実施例3における半導体メモリカード及びアクセス装置における基本的な動作を示すフローチャート
【図8】図8は本発明の実施例4における半導体メモリカード及びアクセス装置の構成を示すブロック図
【図9】図9は本発明の実施例4における半導体メモリカード及びアクセス装置における基本的な動作を示すフローチャート
【図10】図10は本発明の実施例5における半導体メモリカード及びアクセス装置の構成を示すブロック図
【図11】図11は本発明の実施例5における半導体メモリカード及びアクセス装置における基本的な動作を示すフローチャート
【図12】図12は本発明の実施例6における半導体メモリカード及びアクセス装置の構成を示すブロック図
【図13】図13は本発明の実施例6における半導体メモリカード及びアクセス装置における切り替え部の構成例を示す概念図
【図14】図14は本発明の実施例6における半導体メモリカード及びアクセス装置における状態情報表示部の表示例を示す概念図
【図15】図15は本発明の実施例6における半導体メモリカード及びアクセス装置における基本的な動作を示すフローチャート
【符号の説明】
【0015】
101 半導体メモリカード
102 アダプタ
103 ホスト
104 認証領域
105 第1の領域
106 第2の領域
107 領域選択部
108 カード制御部
109 判定部
110 領域切り替え部
111 ホストコントローラ
401 半導体メモリカード
402 アダプタ
403 ホスト
404 認証領域
405 第1の領域
406 第2の領域
407 領域選択部
408 カード制御部
409 切り替え通知部
410 領域切り替え部
411 ホストコントローラ
601 半導体メモリカード
602,620,630 アダプタ
603 ホスト
604 認証領域
605 第1の領域
606 第2の領域
607 領域選択部
608 カード制御部
609 切り替え通知部
610,621,631 領域切り替え部
611 ホストコントローラ
612 切り替え通知部
613 領域切り替え部
801 半導体メモリカード
802 ホスト
803 認証領域
804 第1の領域
805 第2の領域
806 領域選択部
807 ホストコントローラ
808 切り替え通知部
809 領域切り替え部
1001 半導体メモリカード
1002 アダプタ
1003 ホスト
1004 認証領域
1005 第1の領域
1006 第2の領域
1007 領域選択部
1008 カード制御部
1009 切り替え通知部
1010 領域切り替え部
1011 通知判定部
1012 領域情報格納部
1013 ホストコントローラ
1201 半導体メモリカード
1202 アダプタ
1203 ホスト
1204 認証領域
1205 第1の領域
1206 第2の領域
1207 切り替え制御部
1208 カード制御部
1209 切り替え通知部
1210 切り替え部
1211 通知判定部
1212 状態情報格納部
1213 ホストコントローラ
1214 状態情報表示部
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の記録媒体、及び記録媒体アクセス装置について、図面を参照しつつ説明する。
【実施例1】
図1は本発明の実施例1における半導体メモリカード、及びアクセス装置の構成図である。半導体メモリカード101は本実施例における記録媒体である。半導体メモリカード101は、認証領域104、第1の領域105、第2の領域106及び領域選択部107を含んで構成される。認証領域104は、著作権情報や個人情報等の秘匿情報を格納する領域であり、例えば、著作権を保護しなければならない電子データを暗号化するのに用いた暗号鍵や、前記暗号鍵を更に特定の数値を鍵として暗号化したものを格納するのに用いる。第1の領域105は、特定のファイルシステムで管理され、第2の領域106は、第1の領域105とは異なるファイルシステムで管理される領域である。領域選択部107は、コマンドなどの外部からの指示により、第1の領域105と第2の領域106のどちらを使用するかを切り替える。
【0017】
ホスト103は半導体メモリカード101を利用する情報処理装置である。ホスト103には、ホストコントローラ111が備わっている。その他の構成については、省略する。
【0018】
アダプタ102は、ホスト103と半導体メモリカード101を接続する本実施例の記録媒体アクセス装置である。アダプタ102は、カード制御部108と判定部109と領域切り替え部110とを含んで構成される。カード制御部108は、判定部109の判定結果に基づいて半導体メモリカード101の領域を切替えたり、ホスト103と半導体メモリカード101の信号を中継したりする。判定部109は、初期化時に領域切り替え部110の状態を検出し、半導体メモリカード101の領域を切り替える必要があるかどうかを判定する。領域切り替え部110は、半導体メモリカード101で使用する領域を切り替えるための操作をするスイッチ部である。
【0019】
図1では、領域切り替え部110がA側に設定されており、その結果、半導体メモリカード101内の第1の領域105が選択された状態を示している。図2は、領域切り替え部110がB側に設定されている場合を示し、その結果、半導体メモリカード101内の第2の領域106が選択されている状態を示している。
【0020】
半導体メモリカード101の認証領域104にアクセスする場合には、ホスト103もしくはアダプタ102と半導体メモリカード101との間で相互認証が行われる。そして相互認証が成功した場合のみアクセスが可能である。相互認証のプロセスについては特に限定はしないが、ただ一つの命令で完了するものから、複数の処理によって成立する場合もある。
【0021】
図3は本発明の実施例1におけるアクセス方法の基本的な処理の流れを示すフローチャートである。まず、アダプタ102及び半導体メモリカード101の初期化を行う(S301)と、半導体メモリカード101には、電源が投入されたり、外部とのデータ転送を行うためのクロックが投入される。次に、判定部109で切り替え部110の状態を検出し、その結果、どちらの領域を選択したらよいかを判定する(S302)。切り替え部110がA側に設定されていた場合、カード制御部108は、半導体メモリカード101の第1の領域105を選択するための切り替えコマンドを発行する(S303)。切り替えコマンドを受け付けた領域選択部107は第1の領域105を選択し、以降のコマンドを第1の領域105に適用するように切り替える(S304)。
【0022】
また、図2に示すように切り替え部110がB側に設定されている場合には、カード制御部108は、半導体メモリカード101の第2の領域106を選択するための切り替えコマンドを発行する(S305)。切り替えコマンドを受け付けた領域選択部107は第2の領域106を選択し、以降のコマンドを第2の領域106に適用するように切り替える(S306)。このように初期化時にいずれかの領域を切り替えることにより、異なったファイルシステムを半導体メモリカードに保持することができる。
【0023】
尚、本発明の実施例1においては、領域切り替え部110がA側に設定されている場合に第1の領域105を選択するようにし、B側に設定されている場合に第2の領域106を選択するようにしている。領域切り替え部110は2つの状態を保持でき、どちらの領域を選択すればいいのかが判定できるものであれば、どのような形態であってもよい。
【0024】
尚、本実施例1では記録媒体として半導体メモリカードについて説明しているが、半導体メモリカードとICカードの双方の機能を達成する複合型の記録媒体であってもよい。この場合には第1の領域はメモリカード機能、第2の領域がICカードとしての機能を達成するものとすることができる。又この場合に領域選択部は2つの機能を切り替える選択部となる。アダプタはこの複合型の記録媒体をアクセスするアクセス装置であり、アダプタから出力されるコマンドによって2つの機能を切り替えるものとする。これは、以下の実施例においても同様である。
【0025】
実施例1ではアクセス装置となるアダプタを1つ用いており、そのアダプタに領域切り替え部を設けているが、複数のアダプタを縦続して使用することができる。また、複数のアダプタが連結されている場合において、それぞれの切り替え部による指示が異なる場合に、どの切り替え部あるいは、どのアダプタを優先するかを指定できるようになっていてもよい。また、複数のアダプタが連結されている場合において、それぞれの切り替え部による指示が異なる場合に、半導体メモリカードまたはホストに一番近いアダプタの指示を優先するとしてもよい。
【実施例2】
【0026】
図4は本発明の実施例2における半導体メモリカード、及びアクセス装置の構成を示すブロック図である。図4において、半導体メモリカード401は本実施例における記録媒体である。半導体メモリカード401は、認証領域404と第1,第2の領域405,406と領域選択部407を含んで構成される。認証領域404は、著作権情報や個人情報等の秘匿情報を格納する領域であり、例えば、著作権を保護しなければならない電子データを暗号化するのに用いた暗号鍵や、前記暗号鍵を更に特定の数値を鍵として暗号化したものを格納するのに用いる。第1の領域405は特定のファイルシステムで管理され、第2の領域406は第1の領域405とは異なるファイルシステムで管理される領域である。領域選択部407は、外部からの指示により、第1の領域405と第2の領域406のどちらを使用するかを切り替えるものである。
【0027】
ホスト403は半導体メモリカード401を利用する情報処理装置である。ホスト403には、ホストコントローラ411が備わっている。その他の構成については省略する。
【0028】
本実施例によるアダプタ402は、ホスト403と半導体メモリカード401を接続する記録媒体アクセス装置である。アダプタ402は、カード制御部408、切り替え通知部409と領域切り替え部410を含んで構成される。カード制御部408は、切り替え通知部409からの通知に基づいて半導体メモリカード401の領域を切り替えたり、ホスト403と半導体メモリカード401の信号を中継したりするものである。切り替え通知部409は、領域切り替え部410が押されたことを検出し、半導体メモリカード401の領域を切り替えが必要であることをカード制御部408に通知するものである。領域切り替え部410は、半導体メモリカード401で使用する領域を切り替えるものであり、押された時に、押されたことのみを検出するボタンスイッチなどで構成される。
【0029】
半導体メモリカード401の認証領域404にアクセスする場合には、ホスト403もしくはアダプタ402と半導体メモリカード401との間で相互認証が行われる。そして相互認証が成功した場合のみアクセスが可能である。相互認証のプロセスについては特に限定はしないが、ただ一つの命令で完了するものから、複数の処理によって成立する場合もある。
【0030】
図5は本発明の実施例2におけるアクセス方法の基本的な処理の流れを示すフローチャートである。まず、通常の初期化を行う(S501)と、半導体メモリカード401には、電源が投入されたり、外部とのデータ転送を行うためのクロックが投入されたりする。半導体メモリカード401は、初期化時には、特定の領域、例えば、第1の領域405をデフォルトの選択領域として選択する。初期化が終了すると、カード制御部408は、切り替え部410からの切り替え指示があるかどうかを検出し(S502)、なければ、そのまま通常のコマンド処理を実行する。まず、ホスト403が、ホストコントローラ411を介して、半導体メモリカード401へのコマンド、例えば、読み出しコマンドを発行する(S503)。次に、ホストコントローラ411から発行されたコマンドは、アダプタ402のカード制御部408を介して、半導体メモリカード401へ伝達される。半導体メモリカード401は、受信した読み出しコマンドに応じて必要な応答処理を行い、アダプタ402を介して、ホスト403に通知する(S504)。次に、ホスト403からの読み出しコマンドに従い、第1の領域405からデータを読み出し、結果を、アダプタ402を介して、ホスト403に転送する(S505)。半導体メモリカード401は、次のコマンドを受け付けるための準備を行い、コマンドを待つ。また、ホストコントローラ411は、半導体メモリカード401へのアクセスが必要な場合に、半導体メモリカード401が解釈できるコマンドを発行する。このようにS502からS505の処理は、繰り返し行われる。
【0031】
ここで、ユーザが領域切り替え部410を押すと、切り替え通知部609は領域切り替えの入力があったと判断してカード制御部408に半導体メモリカード401の領域の切り替えが必要であることを通知する。カード制御部408は、S506において半導体メモリカード401に領域切り替えコマンドを発行する。半導体メモリカード401の領域選択部407は、カード制御部408から発行された領域切り替えコマンドに従い、現在選択している領域とは異なる領域を選択する。このように、本実施例では任意のタイミングで領域切り替え部410を押すと、領域選択部407は、第1の領域405と第2の領域406を動的に切り替え、ホスト403がアクセスする領域を切り替えることができる。ここで記録媒体アクセス装置としてのアダプタは、領域切り替え部からの信号があったときに切り替えコマンドを発行するものであり、S502,506の処理をアダプタ403で実行している。
【0032】
尚、本発明の実施例2において、領域切り替え部410は、押ボタンスイッチとした。しかし押されたこと、あるいは、離されたこと、あるいは、移動したこと等の状態の変化を検出できるものであれば、如何なるものでも良い。更に、領域切り替え部410は、アダプタに設けてもホストに設けてもよい。
【0033】
また、切り替えコマンドの発行は随時行われるとしているが、例えば、相互認証の処理中あるいは、特定のプロセス処理中は、切り替えコマンドを発行できないようにしてもよい。
【0034】
また、相互認証もしくは、それに類する処理中に切り替えが発生した場合には、相互認証もしくは、それに類する処理が終了した後、自動的に切り替えコマンドを発行しても良い。
【実施例3】
【0035】
図6Aは本発明の実施例3における半導体メモリカード、及びアクセス装置の構成を示すブロック図である。本発明の実施例3は、実施例2の特徴である領域切り替え部を、ホスト側にも設置したことを特徴とする。半導体メモリカード601は本実施例における記録媒体である。半導体メモリカード601は、認証領域604、第1の領域605、第2の領域606及び領域選択部607を含んで構成される。認証領域604は、著作権情報や個人情報等の秘匿情報を格納する領域であり、例えば、著作権を保護しなければならない電子データを暗号化するのに用いた暗号鍵や、この暗号鍵を更に特定の数値を鍵として暗号化したものを格納するのに用いる。第1の領域605は、特定のファイルシステムで管理され、第2の領域606は、第1の領域605とは異なるファイルシステムで管理される領域である。領域選択部607は、外部からの指示により、第1の領域605と第2の領域606のどちらを使用するかを切り替える。
【0036】
アダプタ602は、ホスト603と半導体メモリカード601を接続するものであり、本実施例では記録媒体アクセス装置でもある。アダプタ602は、カード制御部608、切り替え通知部609及び領域切り替え部610を含んで構成される。領域切り替え部610は、半導体メモリカード601で使用する領域を切り替える。カード制御部608は、切り替え通知部609からの通知に基づいて半導体メモリカード601の領域を切り替えたり、ホスト603と半導体メモリカード601の信号を中継したりする。切り替え通知部609は、領域切り替え部610が押されたことを検出し、半導体メモリカード601の領域を切り替えが必要であることをカード制御部608に通知する。領域切り替え部610は、押された時に、押されたことのみを検出するボタンスイッチなどで構成される。
【0037】
ホスト603は半導体メモリカードを利用する情報処理装置であり、本実施例では記録媒体アクセス装置でもある。ホスト603はホストコントローラ611と、切り替え通知部612及び領域切り替え部613を含んで構成される。ホストコントローラ611は、切り替え通知部612からの通知に基づいて半導体メモリカード601の領域を切り替えるためのコマンドを発行したり、半導体メモリカード601へのアクセスが必要な場合に、アクセスするためのコマンドを発行したり、半導体メモリカード601からの応答を受信したりする。又ホストコントローラ611はカード制御部608としての機能を果たすものである。切り替え通知部612は、領域切り替え部613が押されたことを検出し、半導体メモリカード601の領域を切り替えが必要であることをホストコントローラ611に通知するものである。領域切り替え部613は半導体メモリカード601で使用する領域を切り替えるためのものであり、押された時に、押されたことのみを検出するボタンスイッチなどで構成される。
【0038】
このように構成された本発明の実施例3の動作について説明する。図7は、本発明の実施例3における基本的な処理の流れを示すフローチャートである。まず、通常の初期化を行う(S701)と、半導体メモリカード601には、電源が投入されたり、外部とのデータ転送を行うためのクロックが投入されたりする。半導体メモリカード601は、初期化時には、特定の領域、例えば、第1の領域605をデフォルトの選択領域として選択する。初期化が終了すると、ホスト603のホストコントローラ611は、切り替え通知部612から切り替え指示が通知されているかどうかを検出する(S702)。通知されていなければ、カード制御部608は、切り替え通知部609から切り替え指示が通知されているかどうかを検出し(S703)、なければ、そのまま通常のコマンド処理を実行する。通常のコマンド処理では、まず、ホスト603がホストコントローラ611を介して半導体メモリカード601へのコマンド、例えば、読み出しコマンドを発行する(S704)。ホストコントローラ611から発行されたコマンドは、アダプタ602のカード制御部608を介して、半導体メモリカード601へ伝達される。半導体メモリカード601は受信した読み出しコマンドに応じて必要な応答処理を行い、アダプタ602を介してホスト603に通知する(S705)。次に、ホスト603からの読み出しコマンドに従い、第1の領域605からデータを読み出し、結果を、アダプタ602を介して、ホスト603に転送する(S706)。半導体メモリカード601は、次のコマンドを受け付けるための準備を行い、コマンドを待つ。また、ホストコントローラ611は、半導体メモリカード601へのアクセスが必要な場合に、半導体メモリカード601が解釈できるコマンドを発行する。このように、S702からS706の処理は、繰り返し行われる。
【0039】
ここで、ユーザがホスト603に装着されている領域切り替え部613を押すと、切り替え通知部612はこの信号をホストコントローラ611に伝える。ホストコントローラは611はS702において、切り替え指示があったと判定し、S707において半導体メモリカード601に領域切り替えコマンドを発行する。半導体メモリカード601の領域選択部607は、ホスト603のホストコントローラ611から発行された領域切り替えコマンドに従い、現在選択している領域とは異なる領域を選択する。このように、本実施例では任意のタイミングで領域切り替え部613を押す度にホスト603からアクセスする領域を第1の領域605と第2の領域606を交互に切り替えることができる。
【0040】
また、アダプタ602に装着されている領域切り替え部610を押した場合も同様に、切り替え通知部610はカード制御部608に対して領域の切り替えが必要であることを通知する。カード制御部608はS703において、切り替え指示があったと判定し、S709において半導体メモリカード601に領域切り替えコマンドを発行する。領域選択部607は、アダプタ602のカード制御部608から発行された領域切り替えコマンドに従い、現在選択している領域とは異なる領域を選択する。このように、任意のタイミングで領域切り替え部610又は613を押す度に、領域選択部607が第1の領域605と第2の領域606を切り替え、ホスト603がアクセスする領域を切り替えることができる。また、ホスト603に付随の領域切り替え部613と、アダプタ602に付随の領域切り替え部610とは、非同期に操作される。つまり、第1の領域605を使用中に、領域切り替え部610を押すと、第2の領域606に切り替わり、引き続いて領域切り替え部613を押すと、アクセスできる領域は再び第1の領域605に切り替わることとなる。
【0041】
尚、本発明の実施例3のアクセス装置は、アダプタが一つとなっているが、領域切り替え部は、非同期に動作できるので、夫々の領域切り替え部を有する複数のアダプタが連結されてもよい。例えば図6Bに示すように、半導体メモリカードをミニSDカードとすると、このミニSDカードが挿入され通常のSDカードと同一の形状とするアダプタ620、通常のSDカードをパーソナルコンピュータのUSB端子等に連結するアダプタ630等が連結されるものであってもよい。この場合に夫々のアダプタ620,630に領域切り替え部621,631が設けられる。この場合に複数の領域切り替え部613,623,631の設定のいずれに応じてもいずれが操作されたときにも領域を切り替えるようにすることができる。
【0042】
また、領域切り替え部は、ホスト、アダプタそれぞれで複数備わっていてもよい。領域切り替え部は、ボタンスイッチに限定されるものではない。領域切り替え部は、領域切り替えのために使用するとしているが、領域選択と同時に、付加機能を切り替えるようにしてもよい。また、領域切り替え部を持たないアダプタが連結されていてもよい。また、領域切り替え部によって選択可能な領域の数は2つであることに限定されるものでない。
【0043】
また、半導体メモリカード内部に領域選択部が複数あってもよい。また、半導体メモリカード内部の領域選択部が付加機能を持ち、領域の切り替え時に、同時に付加機能も切り替えるようにしてもよい。
【実施例4】
【0044】
図8は本発明の実施例4における半導体メモリカード、及びアクセス装置の構成を示すブロック図である。実施例3において、ホストと半導体メモリカードの間にアダプタが存在していたが、本実施例4は、ホストが直接半導体メモリカードとの装着部を備えており、ホストが記録媒体アクセス装置となる。半導体メモリカード801は、本実施例における記録媒体である。半導体メモリカード801は、認証領域803と第1,第2の領域804,805と領域選択部806を含んで構成される。認証領域803は、著作権情報や個人情報等の秘匿情報を格納する領域であり、例えば、著作権を保護しなければならない電子データを暗号化するのに用いた暗号鍵や、この暗号鍵を更に特定の数値を鍵として暗号化したものを格納するのに用いる。第1の領域804は特定のファイルシステムで管理され、第2の領域805は第1の領域804とは異なるファイルシステムで管理される。領域選択部806は外部からの指示により、第1の領域804と第2の領域805のどちらを使用するかを切り替える。
【0045】
ホスト802は半導体メモリカード801にアクセスするアクセス装置である。ホスト802は、ホストコントローラ807、切り替え通知部808及び領域切り替え部809を含んで構成される。領域切り替え部809は半導体メモリカード801で使用する領域を切り替えるものであり、押された時に、押されたことのみを検出するボタンスイッチなどで構成される。切り替え通知部808は領域切り替え部809が押されたことを検出し、半導体メモリカード801の領域を切り替えが必要であることをホストコントローラ807に通知するものである。ホストコントローラ807は切り替え通知部808からの通知に基づいて半導体メモリカード801の領域を切り替えるためのコマンドを発行したり、半導体メモリカード801へのアクセスが必要な場合に、アクセスするためのコマンドを発行したり、半導体メモリカード801からの応答を受信したりする。相互認証のプロセスについては特に限定はしないが、ただ一つの命令で完了するものから、複数の処理によって成立する場合もある。
【0046】
このように構成された本発明の実施例4の動作について説明する。図9は、本発明の実施例4におけるアクセス方法の基本的な処理の流れを示すフローチャートである。まず、通常の初期化を行う(S901)と、半導体メモリカード801には、電源が投入されたり、外部とのデータ転送を行うためのクロックが投入されたりする。半導体メモリカード801は、初期化時には、特定の領域、例えば、第1の領域804をデフォルトの選択領域として選択する。初期化が終了すると、ホスト802のホストコントローラ807は、切り替え部809からの切り替え指示が、切り替え通知部808から通知されているかどうかを検出し(S902)、なければ、そのまま通常のコマンド処理を実行する。ホスト802のホストコントローラ807は半導体メモリカード801へコマンド、例えば、読み出しコマンドを発行する(S903)。ホストコントローラ807から発行されたコマンドは、半導体メモリカード801へ伝達される。半導体メモリカード801は受信した読み出しコマンドに応じて必要な応答処理を行い、ホスト802に通知する(S904)。次に、ホスト802からの読み出しコマンドに従い、第1の領域804からデータを読み出し、結果をホスト802に転送する(S905)。半導体メモリカード801は、次のコマンドを受け付けるための準備を行い、コマンドを待つ。また、ホストコントローラ807は、半導体メモリカード801へのアクセスが必要な場合に、半導体メモリカード801が解釈できるコマンドを発行する。このように、S902からS905の処理は、繰り返し行われる。
【0047】
ここで、ユーザがホスト802に装着されている領域切り替え部809を押すと、切り替え通知部808はホストコントローラに領域の切り替えが必要なことを通知する。ホストコントローラ807はS902において、切り替え指示があったと判定し、S906において半導体メモリカード801に領域切り替えコマンドを発行する。領域選択部806は、ホストコントローラ807から発行された領域切り替えコマンドに従い、現在選択している領域とは異なる領域を選択する。このように、任意のタイミングで領域切り替え部809を押す度に、領域選択部806が、第1の領域804と第2の領域805を切り替えることで、ホスト802がアクセスする領域を切り替えることができる。
【0048】
尚、本実施例4のアクセス装置の領域切り替え部は、複数備わっていてもよい。領域切り替え部は、ボタンスイッチに限定されるものではない。また、領域切り替え部は、領域切り替えのために使用するとしているが、領域と付加機能を同時に切り替えるための入力部として用いてもよい。付加機能とは、例えば大容量の半導体メモリカードにおいて、記録する信号源の相違により、例えば文書情報であれば小容量であるので第1の領域を用い、オーディオビデオ信号の記録などの大容量が必要な場合第2の領域を用いるようにしたり、これに対応して動作クロックを変更するような機能が考えられる。又半導体メモリカードがデータの記録だけでなく、通信機能等を有するカードとして用いられる場合に、その機能を切り替える。この場合、半導体メモリカード内部の領域選択部が付加機能を持ち、領域の切り替え時に、同時に付加機能も切り替えるようにしてもよい。
【0049】
また、ホストと半導体メモリカードの間に領域切り替え部を持たないアダプタが連結されていてもよい。
【0050】
また、半導体メモリカードの選択可能な領域の数は2つであることに限定されるものでない。また、半導体メモリカード内部に領域選択部が複数あってもよい。
【0051】
また、半導体メモリカード内部に、認証領域が1つ存在するとしているが、第1の領域と、第1の領域に対応する第1の認証領域の組、第2の領域と第2の領域に対応する第2の認証領域の組といった組み合わせにより、同時に切り替えるようにしてもよい。
【0052】
また、切り替えコマンドの発行は随時行われるとしているが、例えば、相互認証の処理中あるいは、特定のプロセス処理中は、切り替えコマンドを発行できないようにしてもよい。
【0053】
また、相互認証もしくは、それに類する処理中に切り替えが発生した場合に、相互認証もしくは、それに類する処理が終了した後、自動的に切り替えコマンドを発行してもよい。
【実施例5】
【0054】
図10は本発明の実施例5における半導体メモリカード、及びアクセス装置の構成を示すブロック図である。図10において、半導体メモリカード1001は本実施例における記録媒体である。半導体メモリカード1001は、認証領域1004と第1,第2の領域1005,1006と領域選択部1007を含んで構成される。認証領域1004は、著作権情報や個人情報等の秘匿情報を格納する領域であり、例えば、著作権を保護しなければならない電子データを暗号化するのに用いた暗号鍵や、前記暗号鍵を更に特定の数値を鍵として暗号化したものを格納するのに用いる。第1の領域1005は特定のファイルシステムで管理され、第2の領域1006は第1の領域1005とは異なるファイルシステムで管理される領域である。領域選択部1009は、外部からの指示により、第1の領域1005と第2の領域1006のどちらを使用するかを切り替えるものである。
【0055】
ホスト1003は半導体メモリカード1001を利用する情報処理装置である。ホスト1003には、ホストコントローラ1013が備わっている。その他の構成については省略する。
【0056】
本実施例によるアダプタ1002は、ホスト1003と半導体メモリカード1001を接続する記録媒体アクセス装置である。アダプタ1002は、カード制御部1008、切り替え通知部1009と領域切り替え部1010及び通知判定部1011と領域情報格納部1012を含んで構成される。カード制御部1008は、切り替え通知部1009からの通知に基づいて半導体メモリカード1001の領域を切り替えたり、ホスト1003と半導体メモリカード1001の信号を中継したりするものである。切り替え通知部1009は、領域切り替え部1010が押されたことを検出し、半導体メモリカード1001の領域を切り替えが必要であることをカード制御部1008に通知するものである。領域切り替え部1010は、半導体メモリカード1001で使用する領域を切り替えるものであり、押された時に、押されたことのみを検出するボタンスイッチなどで構成される。領域情報格納部1012は、使用している領域に関する情報、例えば第1の領域1005,第2の領域1006のファイルシステムや容量を格納するものである。通知判定部1011は、領域切り替え部1010の押下により半導体メモリカードに対して領域切り替えコマンドを送った結果として、実際に半導体メモリカード内で領域の切り替えが行われた場合に、ホストに対し、領域が切り替わったことを通知するか否かを判定するものである。
【0057】
図11は、本発明の実施例5における半導体メモリカード、及びアクセス装置の基本的な動作を示すフローチャートである。まず、通常の初期化を行う(S1101)と、半導体メモリカード1001には、電源が投入されたり、外部とのデータ転送を行うためのクロックが投入されたりする。半導体メモリカード1001は、初期化時には、特定の領域、例えば、第1の領域1005をデフォルトの選択領域として選択する。ここでS1101の初期化処理は、領域情報格納部1012において初期化時の選択されている領域の情報を保持する処理が含まれる。初期化が終了すると、カード制御部1008は、切り替え部1010からの切り替え指示があるかどうかを検出し(S1102)、なければ、そのまま通常のコマンド処理を実行する。まず、ホスト1003が、ホストコントローラ1013を介して、半導体メモリカード1001へのコマンド、例えば、読み出しコマンドを発行する(S1103)。次に、ホストコントローラ1013から発行されたコマンドは、アダプタ1002のカード制御部1008を介して、半導体メモリカード1001へ伝達される。半導体メモリカード1001は、受信した読み出しコマンドに応じて必要な応答処理を行い、アダプタ1002を介して、ホスト1003に通知する(S1104)。次に、ホスト1003からの読み出しコマンドに従い、第1の領域1005からデータを読み出し、結果を、アダプタ1002を介して、ホスト1003に転送する(S1105)。半導体メモリカード1001は、次のコマンドを受け付けるための準備を行い、コマンドを待つ。また、ホストコントローラ1013は、半導体メモリカード1001へのアクセスが必要な場合に、半導体メモリカード1001が解釈できるコマンドを発行する。このようにS1102からS1105の処理は、繰り返し行われる。
【0058】
さて領域切り替え部1010において領域切り替えの指示が行われたものとする。この場合切り替え通知部1009によって領域切り替えが必要なことがカード制御部1008に伝えられ、S1106において領域切り替えコマンドが半導体メモリカード1001に伝えられる。従って半導体メモリカード側で領域選択部1000によって領域の切り替えが行われ、その切り替え処理の終了がカード制御部1008に伝えられる。変更が正常に行われた場合には領域情報格納部1012の情報が書き換えられる。このためステップS1108において領域情報が変更されたかどうかを判定する。そして領域情報が変更された場合はS1109において、領域情報が変更されたことをホスト1003に通知する。領域情報が変更されていなければS1109の処理を行うことなくS1102に戻る。また、領域切り替え処理(S1107)において、領域情報格納部1012内部に、切り替え前と切り替え後の領域に関する情報を格納する処理を含む。
【0059】
尚、通知判定部1011はホスト1003側からの設定によって通知の要否の判定を行うようにしてもよい。
【0060】
このように本発明の実施例5における半導体メモリカード、及びアクセス装置においては、半導体メモリカード1001の領域が変更されたことがホスト1003に通知される。従ってホスト1003は、領域が変更されたことを認識でき、それに応じた処理を即座に実行することができる。このため極めて使い勝手の良いアクセス装置を提供することができる。
【実施例6】
【0061】
図12は本発明の実施例6における半導体メモリカード、及びアクセス装置の構成図である。半導体メモリカード1201は本実施例における記録媒体である。半導体メモリカード1201は、認証領域1204、第1の領域1205、第2の領域1206及び切り替え制御部1207を含んで構成される。認証領域1204は著作権情報や個人情報等の秘匿情報を格納する領域であり、第1の領域1205は特定のファイルシステムで管理される領域、第2の領域1206は第1の領域1205とは異なるファイルシステムで管理される領域である。切り替え制御部1207は外部からの指示により、第1の領域1205と第2の領域1206のどちらを使用するかを切り替えたり、それぞれの領域に対するアクセス方法を切り替えたりするものである。ホスト1203は半導体メモリカード1201を利用するものであり、ホストコントローラ1213が備わっている。
【0062】
アダプタ1202は、ホスト1203と半導体メモリカード1201を接続するものであり、本実施例では記録媒体アクセス装置である。アダプタ1202は、カード制御部1208、切り替え通知部1209、切り替え部1210、通知判定部1211、状態情報格納部1212及び状態情報表示部1214を含んで構成される。カード制御部1208は切り替え通知部1209からの通知に基づいて半導体メモリカード1201の領域や制御方法を切り替えたり、ホスト1203と半導体メモリカード1201の信号を中継する。切り替え通知部1209は切り替え部1210の状態が変化したことを検出し、半導体メモリカード1201の領域の切り替えを含めた半導体メモリカード1201の制御方法の切り替えが必要であることをカード制御部1208に通知する。切り替え部1210は、半導体メモリカード1201で記録されるデータの種類や、アクセス方法を切り替えるスイッチである。切り替え部1210は、例えば、図13に示すように、3ステートのボタンスイッチSW1と、2ステートのボタンスイッチSW2により構成されている。3ステートボタンスイッチSW1は、扱うデータがAVストリーム系か、ワープロ文書などの文書ファイルか、あるいはこれらの混在かを指示するスイッチである。2ステートボタンスイッチSW2は、半導体メモリカードへのアクセスに際し、速度優先でアクセスするか、省電力優先でアクセスするかを指示するスイッチである。通知判定部1211は、切り替え部1209の状態変化により、領域情報あるいは制御情報が切り替わったかどうかを判定し、更に、ホスト1203に通知すべきかどうかを判定する。状態情報格納部1212は、切り替え部1209による、領域や制御方法の切り替えが行われる前と後の情報を格納する。また、状態情報表示部1214は、状態情報をユーザに知らせるための表示部である。
【0063】
図14は状態情報表示部1214の表示例を示している。図14では、データの種類はAVストリーム系データと、文書系データの混在、つまり、例えば、第1の領域1205と第2の領域1206を自動的に切り替えながら使用するように設定されていることを表示している。制御方法については、省電力優先の制御方法に設定されていることを表示している。
【0064】
図15は本発明の実施例6における基本的な処理の流れを示すフローチャートである。まず、通常の初期化を行う(S1501)と、半導体メモリカード1201には、電源が投入されたり、外部とのデータ転送を行うためのクロックが投入されたりする。半導体メモリカード1201は、初期化時には、特定の領域、例えば、第1の領域1205をデフォルトの選択領域として選択する。ここで状態情報格納部1212の初期化も初期化処理に含まれる。初期化が終了すると、カード制御部1208は、切り替え部1210からの切り替え指示があるかどうかを検出する(S1502)。切り替え指示がなければ、そのまま通常のコマンド処理を実行する。通常のコマンド処理ではホスト1203が、ホストコントローラ1213を介して、カードへのコマンド、例えば、読み出しコマンドを発行する(S1503)。発行されたコマンドは、アダプタ1202のカード制御部1208を介して、半導体メモリカード1201へ伝達される。半導体メモリカード1201は、受信した読み出しコマンドに応じて必要な応答処理を行い、アダプタ1202を介して、ホスト1203に通知する(S1504)。次に、ホストからの読み出しコマンドに従い第1の領域1205からデータを読み出し、結果をアダプタ1202を介してホスト1203に転送する(S1505)。半導体メモリカード1201は、次のコマンドを受け付けるための準備を行い、コマンドを待つ。また、ホストコントローラ1213は、半導体メモリカード1201へのアクセスが必要な場合に、半導体メモリカード1201が解釈できるコマンドを発行する。このように、S1502からS1505の処理は、繰り返し行われる。
【0065】
ここで、ユーザがアダプタ1202に装着されている切り替え部1210を操作し、状態を変更すると、その出力は切り替え通知部1209よりカード制御部1208に送られる。カード制御部1208はS1502において、切り替え指示があったと判定し、半導体メモリカード1201に切り替えコマンドを発行する。半導体メモリカード1201の切り替え制御部1207は、アダプタ1202のカード制御部1208から発行された切り替えコマンドに従い、半導体メモリカード1201内で、使用している領域若しくは、制御方法を切り替える。このように、切り替え部1210を操作する度に、切り替え制御部1207は、第1の領域1205と第2の領域1206を切り替えたり、制御方法を切り替えたりする。また、切り替え部1210を操作して、領域あるいは制御方法を切り替えた場合、カード制御部1208は、切り替え通知部1209からの通知に従い、状態情報格納部1212に格納されている旧の状態と、切り替え後の状態により、状態情報が変更されたかどうかを通知判定部1211に問い合わせる(S1508)。状態情報が変更され、ホストコントローラ1213に状態の変化の通知が必要な場合には、状態情報変更通知をホストコントローラ1213に通知し(S1509)、その後、状態情報表示の更新を行う(S1510)。
【0066】
尚、本発明の実施例6において、切り替え部1210は、選択可能な数だけの状態を扱えるものであればよく、その形状、操作方法については限定されない。
【0067】
また、状態情報表示部1214は、アダプタ1202に備わっているとしているが、同等の構成要素が、半導体メモリカードやホストに存在してもよい。
【0068】
また、状態情報表示が、ホストが表示装置としてLCD等を備えているのであれば、ソフトウェアによって実現され、状態情報を表示するものであってもよい。
【0069】
また、切り替え部が、アダプタではなく、ホストに実装されていてもよい。この場合には、切り替えの入力がソフトウェアによって実現されるものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明に関わる記録媒体へのアクセス装置及びアクセス方法により、ユーザによる、使用する半導体メモリカードの領域や、制御方法の指定が可能となる。これにより非常に使い勝手の良い、多種多様なデータを扱う大容量な半導体メモリカードを始めとする記録媒体及び、アクセス装置を提供することをできる。このような記録媒体は、デジタルAV機器や携帯電話端末、携帯情報端末、PC(パーソナルコンピュータ)等の情報記録媒体として利用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の機能を有する記録媒体にアクセスする記録媒体アクセス装置であって、
外部から操作可能な切り替え部と、
前記切り替え部に対する操作に応じて、装着されている記録媒体に対し、前記記録媒体の動作を切り替える切り替えコマンドを発行するカード制御部と、を有する記録媒体アクセス装置。
【請求項2】
前記切り替え部は、切り替えられた状態を保持するスイッチ部である請求項1記載の記録媒体アクセス装置。
【請求項3】
前記記録媒体または前記記録媒体アクセス装置の初期化時に、前記切り替え部の状態を検出し、前記記録媒体に対して動作を切り替えるかどうかを判定する判定部を更に有し、
前記カード制御部は、前記判定部の判定結果に応じて前記記録媒体に切り替えコマンドを発行することを特徴とする請求項2記載の記録媒体アクセス装置。
【請求項4】
前記切り替え部は、切り替えを入力するスイッチ部である請求項1記載の記録媒体アクセス装置。
【請求項5】
前記記録媒体アクセス装置は、情報処理装置に装着され、前記情報処理装置と前記記録媒体の間で信号を中継するアダプタである請求項1記載の記録媒体アクセス装置。
【請求項6】
前記アダプタは複数のアダプタが連結して使用されるものであり、
各アダプタは、夫々独立して前記記録媒体の動作を切り替える切り替え部を有する請求項5記載の記録媒体アクセス装置。
【請求項7】
前記記録媒体は、情報処理装置との間で相互認証を必要とする認証領域を有するものであり、
前記カード制御部は、相互認証の終了後に切り替えコマンドを発行することを特徴とする請求項5記載の記録媒体アクセス装置。
【請求項8】
前記切り替え部は複数の切り替え状態を有することを特徴とする請求項1記載の記録媒体アクセス装置。
【請求項9】
前記切り替え部は、切り替えられた状態を保持するスイッチ部であり、
前記カード制御部は、所定の優先順位で前記複数の切り替え部の状態を検知することを特徴とする請求項8記載の記録媒体アクセス装置。
【請求項10】
前記カード制御部は、前記記録媒体及び前記情報処理装置のいずれか一方に近い切り替え部の設定を優先することを特徴とする請求項6記載の記録媒体アクセス装置。
【請求項11】
前記記録媒体の動作が切り替わったことを前記情報処理装置に通知するか否かを判定する通知判定部を更に有し、
前記カード制御部は、前記通知判定部において通知が必要と判定された場合に、前記情報処理装置に前記記録媒体の動作が切り替わったことを通知する請求項5記載の記録媒体アクセス装置。
【請求項12】
前記通知判定部は、前記情報処理装置の設定により通知の可否を判定する請求項11記載の記録媒体アクセス装置。
【請求項13】
前記記録媒体の動作状態を格納する領域情報格納部を有し、
前記カード制御部は、前記切り替え部が操作された場合に、前記領域情報格納部に格納された領域の情報と比較し、変化があった場合に切り替えコマンドを前記記録媒体に発行することを特徴とする請求項5記載の記録媒体アクセス装置。
【請求項14】
前記記録媒体の状態情報を保持する状態情報格納部と、
前記情報記録媒体の動作の状態を表示する表示部と、を有する請求項1記載の記録媒体アクセス装置。
【請求項15】
前記情報記録媒体の状態情報を格納する状態情報格納部を有し、
前記カード制御部は、前記切り替え部が操作された場合に、前記状態情報格納部に格納された状態と比較し、変化があった場合に切り替えコマンドを前記記録媒体に発行することを特徴とする請求項1記載の記録媒体アクセス装置。
【請求項16】
複数の機能を有する記録媒体にアクセスする記録媒体アクセス装置における記録媒体アクセス方法であって、
外部からの入力動作を検知する切り替えステップと、
前記切り替えステップが操作された場合、装着されている記録媒体に対し、前記記録媒体の動作を切り替える切り替えコマンドを発行するカード制御ステップと、を有する記録媒体アクセス方法。
【請求項17】
前記切り替えステップは、切り替えられた状態を保持する請求項16記載の記録媒体アクセス方法。
【請求項18】
前記記録媒体または前記記録媒体アクセス装置の初期化時に、前記切り替えステップの状態を検出し、前記記録媒体に対して動作を切り替えるかどうかを判定する判定ステップを更に有し、
前記カード制御ステップは、前記判定部の判定結果に応じて前記記録媒体に切り替えコマンドを発行することを特徴とする請求項17記載の記録媒体アクセス方法。
【請求項19】
前記切り替えステップは、切り替えを入力するステップである請求項16記載の記録媒体アクセス方法。
【請求項20】
前記記録媒体アクセス装置は、情報処理装置に装着され、前記情報処理装置と前記記録媒体の間で信号を中継するアダプタである請求項16記載の記録媒体アクセス方法。
【請求項21】
前記アダプタは複数のアダプタが連結して使用されるものであり、
各アダプタは、夫々独立して前記記録媒体の動作を切り替える切り替えステップを有する請求項16記載の記録媒体アクセス方法。
【請求項22】
前記記録媒体は、情報処理装置との間で相互認証を必要とする認証領域を有するものであり、
前記カード制御ステップは、相互認証の終了後に切り替えコマンドを発行することを特徴とする請求項20記載の記録媒体アクセス装置。
【請求項23】
前記切り替えステップは、切り替えられた状態を保持する複数のスイッチ部により入力されるステップであり、
前記カード制御ステップは、所定の優先順位で前記複数のスイッチ部の状態を検知することを特徴とする請求項16記載の記録媒体アクセス方法。
【請求項24】
前記記録媒体の動作が切り替わったことを前記情報処理装置に通知するか否かを判定する通知判定ステップを更に有し、
前記カード制御ステップは、前記通知判定部において通知が必要と判定された場合に、前記情報処理装置に前記記録媒体の動作が切り替わったことを通知する請求項20記載の記録媒体アクセス方法。
【請求項25】
前記通知判定ステップは、前記情報処理装置の設定により通知の可否を判定する請求項23記載の記録媒体アクセス方法。
【請求項26】
前記記録媒体の動作状態を格納する領域情報格納ステップを有し、
前記カード制御ステップは、前記切り替え部が操作された場合に、前記領域情報格納ステップで格納された領域の情報と比較し、変化があった場合に切り替えコマンドを前記記録媒体に発行することを特徴とする請求項20記載の記録媒体アクセス方法。
【請求項27】
前記記録媒体の状態情報を保持する状態情報格納ステップと、
前記情報記録媒体の動作の状態を表示する表示ステップと、を有する請求項16記載の記録媒体アクセス方法。
【請求項28】
前記情報記録媒体の状態情報を格納する状態情報格納ステップを有し、
前記カード制御ステップは、前記切り替えステップで入力された場合に、前記状態情報格納ステップで格納された状態と比較し、変化があった場合に切り替えコマンドを前記記録媒体に発行することを特徴とする請求項16記載の記録媒体アクセス方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【国際公開番号】WO2005/050432
【国際公開日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【発行日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−515642(P2005−515642)
【国際出願番号】PCT/JP2004/017170
【国際出願日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】