説明

記録装置、入力装置および記録システム

【課題】より適切なタイミングで駆動電圧の印加の開始および停止の制御を行うこと。
【解決手段】制御部110は、駆動電圧の印加が停止された後、第1のしきい値時間より短い第2のしきい値時間が経過した場合において、第2のしきい値時間が経過する前までの間に入力装置が移動したとき、または、第2のしきい値時間が経過した時点で、入力装置と第1の面との距離がしきい値以下になっていることが検出されたときは、駆動電圧の印加を開始するように、電源135を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録装置、入力装置および記録システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、いわゆる電子ペーパといわれる表示媒体に、ペン形状の入力装置を用いて記録(書き込み)をする技術が開発されている。特許文献1は、電界により粒子を移動させる表示媒体において、ペンを用いて追記を行う技術を開示している。特許文献2は、フォトクロミック材料を用いた表示媒体に対し、紫外光を照射する光ペンを用いて追記を行う技術を開示している。特許文献3は、走査電極を駆動することにより描画を行う表示媒体において、ペン先の位置を検出し、検出した位置の走査電極を部分的に駆動して追記を行う技術を開示している。特許文献4は、光書き込み型の表示媒体において、光ペンによる追記の際に、光ペンとは別の記録装置からの露光を行い追記を支援する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−145998号公報
【特許文献2】特開2003−015257号公報
【特許文献3】特開2007−225757号公報
【特許文献4】特開2005−321736号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、光書き込み型の記録システムにおいて、より適切なタイミングで駆動電圧の印加の開始および停止の制御を行う技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る記録装置は、第1の面および前記第1の面に対向する第2の面と、照射される光および印加される電圧に応じて表示が変化する表示層とを有する表示媒体の前記第1の面上を、光を照射する光照射手段を有する入力装置が移動した軌跡を取得する取得手段と、前記取得手段が取得した軌跡を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された軌跡に応じて、前記表示層を、前記第2の面側から露光する露光手段と、前記表示層を駆動する駆動電圧を印加するための電力を供給する電源と、前記入力装置と前記第1の面との距離があらかじめ決められたしきい値以下になったことを検出する検出手段と、前記検出手段が、前記入力装置と前記第1の面との距離が前記しきい値以下になったことを検出した場合、前記駆動電圧の印加を開始するように、前記電源を制御する第1の制御手段と、前記駆動電圧の印加の開始が指示された後、第1のしきい値時間が経過した場合、前記駆動電圧の印加を停止するように、前記電源を制御する第2の制御手段と、前記駆動電圧の印加が停止された後、前記第1のしきい値時間より短い第2のしきい値時間が経過した場合において、前記第2のしきい値時間が経過する前までの間に前記入力装置が移動したとき、または、前記第2のしきい値時間が経過した時点で、前記入力装置と前記第1の面との距離が前記しきい値以下になっていることが検出されたときは、前記駆動電圧の印加を開始するように、前記電源を制御する第3の制御手段とを有する。
【0006】
請求項2に係る記録装置は、請求項1の記録装置において、前記露光手段は、前記駆動電圧の印加が停止されたときは前記軌跡に応じた露光の停止をし、前記露光の停止後、前記駆動電圧の印加が再開されたときは、前記軌跡のうち露光が停止された部分から、前記露光を再開することを特徴とする。
【0007】
請求項3に係る記録装置は、請求項1または2の記録装置において、前記入力装置により前記第1の面に加えられる圧力を検知する検知手段と、前記駆動電圧の印加の開始が指示された後、前記第1のしきい値時間より短く前記第2のしきい値時間より長い第3のしきい値時間が経過した場合において前記第2の検出手段により前記第1の面に前記入力装置が接触していないことが検出されたときに、前記駆動電圧の印加を停止するように、前記電源を制御する第4の制御手段とを有することを特徴とする。
【0008】
請求項4に係る記録装置は、請求項1−3のいずれかの記録装置において、前記入力装置が前記軌跡を描く速度に応じて、単位面積あたりの光照射量が一定になるように前記光照射手段の光量を調整する調整手段を有することを特徴とする。
【0009】
請求項5に係る入力装置は、接触部と、光照射手段と、第1の面と、前記第1の面と異なる第2の面と、前記第1の面および前記第2の面に挟まれ、照射される光および印加される電圧に応じて表示が変化する表示層とを有する表示媒体の前記第1の面上を、前記接触部が移動した軌跡を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された軌跡に応じて、前記表示層を、前記第2の面から露光する露光手段と、前記表示層を駆動する電圧を印加する電源とを有する記録装置と通信する通信手段と、前記接触部と前記第1の面との距離があらかじめ決められたしきい値以下になったことを検出する検出手段と、前記検出手段が、前記接触部と前記第1の面との距離が前記しきい値以下になったことを検出した場合、前記駆動電圧の印加を開始するように、前記通信手段を介して前記記録装置を制御する第1の制御手段と、前記駆動電圧の印加の開始が指示された後、第1のしきい値時間が経過した場合、前記駆動電圧の印加を停止するように、前記通信手段を介して前記記録装置を制御する第2の制御手段と、前記駆動電圧の印加が停止された後、前記第1のしきい値時間より短い第2のしきい値時間が経過した場合、前記駆動電圧の印加が停止された後、前記第2のしきい値時間が経過する前までの間に前記接触部が移動したとき、または、前記第2のしきい値時間が経過した時点で、前記接触部と前記第1の面との距離が前記しきい値以下になっていることが検出されとき、前記駆動電圧の印加を開始するように、前記通信手段を介して前記記録装置を制御する第3の制御手段とを有する。
【0010】
請求項6に係る入力装置は、請求項5の入力装置において、前記接触部により前記第1の面に加えられる圧力を検知する検知手段と、前記駆動電圧の印加の開始が指示された後、前記第1のしきい値時間より短く前記第2のしきい値時間より長い第3のしきい値時間が経過したときに前記第2の検出手段により前記第1の面に前記接触部が接触していないことが検出された場合、前記駆動電圧の印加を停止するように、前記通信手段を介して前記記録装置を制御する第4の制御手段とを有することを特徴とする。
【0011】
請求項7に係る入力装置は、請求項5または6の入力装置において、前記接触部が前記軌跡を描く速度に応じて、単位面積あたりの光照射量が一定になるように前記光照射手段の光量を調整する調整手段を有することを特徴とする。
【0012】
請求項8に係る記録システムは、請求項1−4のいずれかの項に記載の記録装置と、前記入力装置とを有する。
【0013】
請求項9に係る記録システムは、請求項5−7のいずれかの項に記載の入力装置と、前記入力装置と通信する通信手段を有する前記記録装置とを有する。
【0014】
請求項10に係る記録システムは、前記表示媒体を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係る記録装置によれば、検出手段、第1の制御手段、第2の制御手段および第3の制御手段を有しない記録装置と比較してより適切なタイミングで駆動電圧の印加の開始および停止の制御をすることができる。
請求項2に係る記録装置によれば、駆動電圧の印加が停止されたときは軌跡に応じた露光の停止をし、露光の停止後、駆動電圧の印加が再開されたときは、軌跡のうち露光が停止された部分から、露光を再開する露光手段を有しない記録装置と比較してより高品質な軌跡を記録することができる。
請求項3に係る記録装置によれば、駆動電圧の印加の開始が指示された後、第1のしきい値時間より短く第2のしきい値時間より長い第3のしきい値時間が経過した場合において第1の面に入力装置が接触していないことが検出されたときに、駆動電圧の印加を停止するように、電源を制御する制御手段を有しない記録装置と比較して、消費電力を低減することができる。
請求項4に係る記録装置によれば、入力装置が軌跡を描く速度に応じて、単位面積あたりの光照射量が一定になるように光照射手段の光量を調整する調整手段を有しない記録装置と比較して、表示媒体に記録される軌跡の濃度の変動を抑制することができる。
請求項5に係る入力装置によれば、検出手段、第1の制御手段、第2の制御手段および第3の制御手段入力装置と比較してより適切なタイミングで駆動電圧の印加の開始および停止の制御をすることができる。
請求項6に係る入力装置によれば、駆動電圧の印加の開始が指示された後、第1のしきい値時間より短く第2のしきい値時間より長い第3のしきい値時間が経過したときに第1の面に前記接触部が接触していないことが検出された場合、駆動電圧の印加を停止するように、記録装置を制御する制御手段を有しない入力装置と比較して、消費電力を低減することができる。
請求項7に係る入力装置によれば、接触部が軌跡を描く速度に応じて、単位面積あたりの光照射量が一定になるように光照射手段の光量を調整する調整手段を有しない記録装置と比較して、表示媒体に記録される軌跡の濃度の変動を抑制することができる。
請求項8に係る記録システムによれば、検出手段、第1の制御手段、第2の制御手段および第3の制御手段を有しない記録装置を有する記録システムと比較してより適切なタイミングで駆動電圧の印加の開始および停止の制御をすることができる。
請求項9に係る記録システムによれば、検出手段、第1の制御手段、第2の制御手段および第3の制御手段を有しない入力装置を有する記録システムと比較してより適切なタイミングで駆動電圧の印加の開始および停止の制御をすることができる。
請求項10に係る記録システムによれば、検出手段、第1の制御手段、第2の制御手段および第3の制御手段を有しない記録システムと比較してより適切なタイミングで駆動電圧の印加の開始および停止の制御をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1a】一実施形態に係る記録システムの構成を示す図である。
【図1b】一実施形態に係る記録システムの構成を示す図である。
【図2】電子ペーパ20を上面から見た外観図である。
【図3】電子ペーパ20の断面構造を示す図である。
【図4】電子ペーパ20のカラー表示の原理を説明する図である。
【図5】電子ペーパ20の表示層に印加される信号を例示する図である。
【図6】光ペン30による電子ペーパ20の表示の書き替えを例示する図である。
【図7】記録装置10の構成を示す図である。
【図8】記録装置10の機能構成を示す図である。
【図9】光ペン30の断面を模式的に示した図である。
【図10】通常モードにおける動作を示すフローチャートである。
【図11】手書き追記モードにおける動作を示すフローチャートである。
【図12】本実施形態の構成を有しない記録システムによる記録の例を示す図である。
【図13】本実施形態の記録システムによる記録の例を示す図である。
【図14】光ペン30の光出力の特性を示す図である。
【図15】変形例1に係る光ペン30の機能構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
1.構成
図1aおよび図1bは、本発明の一実施形態に係る記録システムの構成を示す図である。この記録システムは、記録装置10、電子ペーパ20および光ペン30を有する。電子ペーパ20は、記録装置10に着脱可能である。図1aは記録装置10から電子ペーパ20を外した状態を、図1bは記録装置10に電子ペーパ20を装着した状態を示している。電子ペーパ20は、光書き込み型の表示媒体である。「光書き込み型」の表示媒体とは、表示媒体に表示される情報の書き替えの際に光照射が用いられる表示媒体をいう。記録装置10は、電子ペーパ20に画像の記録(書き込み)、および記録された画像の消去(初期化)を行う装置である。光ペン30は、電子ペーパ20に記録された画像に利用者が追記を行う際に用いられる入力装置である。
【0018】
1−1.電子ペーパ20
図2は、電子ペーパ20を上面から見た外観図である。フレーム21は、電子ペーパ20の各構成を保持する。フレーム21は、機械的な剛性と、電気的な絶縁性と、光学的な遮光性を有する樹脂で作られている。表示体22は、画像の表示を行う構造体である。表示体22は、記憶性液晶であるコレステリック液晶を有している。コレステリック液晶は双安定の物質であり、電圧等によりエネルギーが与えられていない状態でも光の反射率が異なる2つの配向状態のいずれかを維持することができる。コレステリック液晶分子の安定な配向には、プレーナ配向とフォーカルコニック配向とがある。プレーナ配向において、コレステリック液晶分子は、特定の波長帯の光を反射(ブラッグ反射)する。フォーカルコニック配向において、コレステリック液晶分子は、光を透過する。表示体22は、原理的には、配向状態に応じた反射率の違いを利用して表示を行うものである。
【0019】
図3は、電子ペーパ20の断面、特に図2のIII−III線に沿った切断面の断面構造を示す
図である。面22aは、表示体22の上面すなわち表面(第1の面)である。利用者は、面22aから画像を見る。また、利用者は、光ペン30を用いて面22a側から追記を行う。面22bは、表示体22の下面すなわち裏面(第2の面)である。記録装置20は、面22b側から画像の消去や書き込みを行う。
【0020】
保護層210および275は、表示体22の表面を保護する層である。この例において、保護層210および275は、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂で作られている。
【0021】
液晶層230と、液晶層260と、液晶層265は、特定の波長帯の光を反射する液晶分子を含む層である。この例で、液晶層230、液晶層260、および液晶層265は、それぞれ、赤、緑、青の光を反射する。液晶層230、液晶層260、および液晶層265においては、コレステリック液晶が用いられている。具体的には、これらの層において、バインダー樹脂中にマイクロカプセル状のコレステリック液晶表示素子が分散されている。光の反射率は、コレステリック液晶分子の配向状態に応じて変化する。コレステリック液晶分子の配向状態は、印加される電圧(より正確には、与えられる電力)に応じて変化する。
【0022】
図4は、カラー表示の原理を説明する図である。図4において、縦軸は正規化された反射率を、横軸は液晶層に印加される電圧(駆動電圧)を示す。ここでは、赤、青、緑の3色の液晶層が積層された構成の表示体において、これら3つの液晶層全体に対して駆動電圧が印加される場合を例に説明する。曲線CR、CBおよびCGは、それぞれ赤、青および緑の液晶層の反射率−電圧曲線を示す。電圧Va、Vb、Vc、Vd、Ve、VfおよびVgは、各曲線におけるしきい値電圧を示す。しきい値電圧とは、正規化反射率が所定の値(例えば90%および10%)になる電圧である。例えば、電圧Vaは、曲線CRにおいて、正規化反射率が90%になる電圧である。また、Vbは、曲線CRにおいて正規化反射率が10%になり、かつ曲線CBにおいて正規化反射率が90%になる電圧である。図4の例ではこれらの電圧値が一致するように液晶層が設計されているが、曲線CRにおいて正規化反射率が10%になる電圧と、曲線CBにおいて正規化反射率が90%になる電圧とは異なっていてもよい。例えば電圧Vfを印加すると、緑の光は透過されるが、赤および青は反射され、利用者には紫色に見える。このように、電圧値によって、各液晶層の反射/透過の組み合わせを選択できる。すなわち、しきい値が他の層とずれた反射率−電圧曲線を有する液晶層を複数積層し、一組の電極で挟むことで、この一組の電極間に与えられる信号によりカラー表示を行うことが、原理的には可能である。
【0023】
図5は、表示層に印加される信号を例示する図である。この例では、表示層に対し信号VLCが印加されている。信号VLCにおいて、縦軸は電圧を、横軸は時間を示す。期間t1および期間t2において、信号VLCはそれぞれ電圧値が異なっている。これらの電圧値の組み合わせにより、3つの液晶層の配向状態の組み合わせが決定される。
【0024】
再び図3を参照して説明する。図4で説明したように、原理的には赤、緑、青の3層を1組の電極で挟んだ構造によりカラー表示が可能である。しかし、この例で、電子ペーパ20は、液晶層260(緑)および液晶層265(青)が1組の電極(透明電極270および245)に挟まれ、液晶層230(赤)が別の一対の電極(透明電極235および215)に挟まれた構造を有している。以下、透明電極270および245に挟まれた層を「第1の光アドレス層」、透明電極235および215に挟まれた層を「第2の光アドレス層」という。第1の光アドレス層と第2の光アドレス層はそれぞれ独立に制御される。また、以下において必要に応じて液晶層および感光層を含む層を「表示層」という。第1の光アドレス層および第2の光アドレス層はそれぞれ表示層の一例である。
【0025】
第1の光アドレス層は、面22a側から順に、液晶層265(青)、液晶層260(緑)および感光層255を有する。透明電極270および245は、第1の光アドレス層に電圧を印加するための電極である。透明電極270および245は、ITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウムすず)等、光を透過する(透明な)材料で作られている。感光層255は、特定の波長の光(例えば青色の光)が照射されると電荷を生じて暗状態より低抵抗化する。この例で、感光層255は、有機感光体(Organic Photoconductor:OPC)により形成されている。青色の光が照射されると、暗状態よりも感光層255が低抵抗化するので、液晶層260および265にかかる電圧が増加する。感光層255は、ジブロモアントアントロン(DBA)等の赤色(第1の光アドレス層で反射される色の補色)の光を透過する材料で形成されている。
【0026】
液晶層265(青)および液晶層260(緑)の配向状態の制御は例えば以下のように行われる。まず、暗状態においてVe<V1L<Vfなる電圧V1Lが、光照射状態においてVg<V1Hなる電圧V1Hが液晶層265(青)および液晶層260(緑)に印加されるような、電圧V1が第1の光アドレス層に印加される。暗状態の部分については液晶層の配向状態が(B,G)=(P,F)となり、光照射された部分については配向状態が(B,G)=(P,P)となる。ここで、Pはプレーナ配向を、Fはフォーカルコニック配向を示す。(B,G)=(P,F)は、液晶層265(青)の配向状態がプレーナ配向であり、液晶層260(緑)の配向状態がフォーカルコニック配向であることを示す(以下同様)。
【0027】
次に、暗状態においてV2L<Vbなる電圧V2Lが、光照射状態においてVb<V2H<Vcなる電圧V2Hが液晶層265(青)および液晶層260(緑)に印加されるような、電圧V2が第1の光アドレス層に印加される。暗状態の部分については電圧V1による配向状態が維持される。光照射された部分については、液晶層265(青)の配向状態がフォーカルコニック配向となる。
【0028】
第2の光アドレス層は、面22a側から順に、液晶層230(赤)および感光層225を有する。透明電極235および215は、第2の光アドレス層に電圧を印加するための電極である。透明電極235および215は、ITOで作られている。感光層225は、特定の波長の光(例えば赤色の光)が照射されると電荷を生じて、暗状態よりも低抵抗化する。感光層225は、感光層255と同様に、OPCにより形成されている。感光層225は、チタニルフタロシアニン(TiOPC)等の青〜緑色(第2の光アドレス層で反射される色の補色)の光を透過する材料で形成されている。液晶層230の配向状態の制御は、例えば以下のように行われる。暗状態においてV3L<Vcなる電圧V3Lが、光照射状態においてVd<V3Hなる電圧V3Hが液晶層230(赤)に印加されるような、電圧V3が第2の光アドレス層に印加される。
【0029】
以上のように、光照射と電圧印加を組み合わせることにより、特定の層の特定の領域の液晶の配向を制御すること、すなわち、画像を形成することができる。なお上記の方法は、電子ペーパに対する書き込み方法(記録方法または配向状態の制御)のあくまで一例であり、液晶層と感光層とのインピーダンスの比などの特性に応じて、他の書き込み方法が用いられてもよい。また、画像の書き込みの前に液晶層を所定の配向状態にする(すなわち、それまでに描かれていた画像を消去する)リセット処理が行われてもよい。
【0030】
絶縁層240は、透明電極245と透明電極235とを絶縁するための層である。この例で、絶縁層240はPETで形成されている。
【0031】
なお、光ペン30で追記を行わない記録システムにおいて、電子ペーパは、液晶層260と感光層255との間、および液晶層230と感光層225との間に、それぞれ光吸収層を有していてもよい。液晶層260と感光層255との間の光吸収層は、液晶層265および260で反射される波長帯の光(この例では青〜緑色)の光を吸収する層である。液晶層230と感光層225との間の光吸収層は、液晶層230で反射される波長帯の光(この例では赤色)の光を吸収する層である。本実施形態の電子ペーパ20は光ペン30で追記を行うためのものなので、光吸収層は有していない。
【0032】
電極23は、記録装置20等の外部装置からの電気信号を受ける接点である。この例で電極23は、電極23a、23bおよび23cの3つの電極を有する。電極23bは、グランド電位を与える電極である。電極23aおよび23bにより第1の光アドレス層に電圧が印加され、電極23bおよび23cにより第2の光アドレス層に電圧が印加される。電極23は、図1bに示すように電子ペーパ20が記録装置10に装着されると記録装置10側の電極145と電気的に接触する位置に配置されている。
【0033】
RFタグ24は、電子ペーパ20の個別情報を記憶する記憶装置である。個別情報とは、例えば「所有者名」や、「書き換え回数累計値」や、「シリアルナンバー」など、電子ペーパ20またはその利用者の属性を示す情報である。RFタグ24に記憶されている情報は、専用のリーダ/ライタにより読み出すことができる。
【0034】
図6は、光ペン30による電子ペーパ20の表示の書き替えを例示する図である。信号V4および信号V4は、それぞれ、第1の光アドレス層および第2の光アドレス層に印加される電圧を示している。この例では、信号V4および信号V5ともDC300Vの電圧が500msec印加されている。この電圧値は、第1の光アドレス層において液晶層260(緑)の配向をフォーカルコニックにする電圧値である。光強度LGおよび光強度LRは、それぞれ、緑色および赤色の光の強度を示している。この例では、100μW/cm2の強度の緑色光および赤色光が、表示体22に照射される。B−ChLC、G−ChLCおよびR−ChLCは、それぞれ、液晶層265(青)、液晶層260(緑)および液晶層230(赤)の配向状態を示している。Fはフォーカルコニック配向を、Pはプレーナ配向を示す。この例で、液晶層265(青)の配向状態は電圧印加および光照射の前後で変化しないが、液晶層260(緑)および液晶層230(赤)の配向状態は電圧印加および光照射によりフォーカルコニック配向に変化する。
【0035】
図6中、下段の図は、電圧印加および光照射の前後の表示状態を示している。B、C、G、Y、W、M、RおよびKは、それぞれ、黒、シアン、緑、黄、白、マゼンタ、赤および黒を示している。例えば、赤が表示されていた領域は、3つの液晶層の配向状態は、(R,G,B)=(P,F,F)である。この例では、電圧印加および光照射により液晶層260(緑)および液晶層230(赤)がフォーカルコニック配向となるので、3つの液晶層の配向状態は、(R,G,B)=(F,F,F)となる。すなわち、赤が表示されていた領域は黒となる。同様に、電圧印加および光照射により、緑および黄の領域は黒となり、シアン、白およびマゼンタの領域は青となる。青および黒の領域は変化しない。このように、光ペン30を用いることにより、黒または青の軌跡が電子ペーパ20に記録される。
【0036】
1−2.記録装置10
図1aを参照して、記録装置10について説明する。筐体11は、記録装置10の各構成を保持する機能と、記録装置10内部(特に電子ペーパ20に記録を行う部分)に外光が侵入しないように遮光を行う機能と、利用者が電子ペーパ20を記録装置10に装着したときに電子ペーパ20を保持する機能とを有する。筐体11は、この例においてはエンジニアリングプラスチックなどの樹脂で製作されている。
【0037】
図7は、記録装置10の構成を示す図である。制御部110は、記録装置10の各要素を制御する制御装置である。この例で、制御部110は、演算装置としてのCPU(Central Processing Unit)と、記憶装置としてのHDD(Hard Disk Drive)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)と、入出力装置としてのI/Oポートとを備えたコンピュータである。HDDやROMには、記録装置10を制御するためのプログラムや各種のデータが記憶されている。CPUは、HDDやROMからプログラムを読み込んで実行することで記録装置10の各部の動作を制御する。また、CPUは、プログラム実行時のワークエリアとしてRAMを使用する。
【0038】
操作パネル115は、利用者からの指示操作を受け付け、受け付けた操作に応じた信号を制御部110に出力する。操作パネル115は、ユーザが指示を入力するための入力装置、例えば電源スイッチやテンキーと、利用者への情報の提供を行うための表示装置、例えば表示ランプや液晶ディスプレイとを有する。
【0039】
通信I/F120は、記録装置10が光ペン30等の外部機器とデータのやりとりを行うためのインターフェースである。この例において、通信I/F120は、無線通信を行うためのインターフェースである。
【0040】
位置センサ125は、光ペン30のペン先の位置を検出する。この例においては、位置センサ125として電磁誘導方式のセンサ等、公知の技術が用いられる。制御部110のCPUは、位置センサ125から取得した位置を示すデータを、光ペン30が移動した軌跡のデータとしてHDDに記憶する。
【0041】
RFタグ・リーダライタ130は、電子ペーパ20に内蔵されたRFタグ24に書き込まれた情報の読み書きを行う。RFタグ・リーダライタ130は、RFタグ24から読み出した情報を制御部110に出力する。また、RFタグ・リーダライタ130は、制御部110の制御下でRFタグ24に情報を書き込こむ。
【0042】
電源135は、制御部110や、電極145(すなわち電子ペーパ20)等に電力を供給する。着脱センサ140は、記録装置10に電子ペーパ20が装着されているか否かを検知し、検知した結果を制御部110に出力する。この例においては、着脱センサ140として押しボタンスイッチが用いられる。図1aに示すように、記録装置10に電子ペーパ20が装着されてなければ押しボタンスイッチは押されていない。図1bに示すように電子ペーパ20が装着されると押しボタンスイッチは押される。電極145は、3つの端子を有する。各端子は、電子ペーパ20の23a、23bおよび23cにそれぞれ対応する。電極145は、電源135が発生した電圧の電子ペーパ20への供給に用いられる。電極145は、図1bに示すように電子ペーパ20が記録装置10に装着されたときに電子ペーパ20の電極23と電気的に接触する位置に配置されている。
【0043】
リアルタイムクロック150は、時間を計測する時計機能を有する。リアルタイムクロック150は、この情報を制御部110と、後述する環境温度履歴記録部155に出力する。環境温度履歴記録部155は、環境温度センサ160から取得した環境温度情報と、リアルタイムクロック150から取得した時間の情報を結びつけて内蔵メモリに記録する。また、環境温度履歴記録部155は、制御部110からの要求に応じて、記録した温度履歴情報を制御部110に出力する。環境温度センサ160は、記録装置10の環境温度を測定し、測定した環境温度を環境温度履歴記録部155に出力する。
【0044】
画像処理部170は、制御部110の制御下で、LCDパネル195に描画する画像を示す画像データを処理する。画像処理部170は、処理した画像データを画像バッファ175に出力する。画像処理部170における画像処理は、例えば、複数の画像や、画像と文字との重ね合わせや、表示色の変更などである。画像バッファ175は、画像データを記憶するVRAM(Video Random Access Memory)である。
【0045】
バックライト制御部180は、制御部110の制御下でバックライト185を駆動する。バックライト185は、バックライト制御部180の制御下で、LCDパネル195に照射する光を発生する。この例において、バックライト185の光は、赤色と緑色のスペクトルを含んでいる。具体的に、バックライト185は、白色光を発生する冷陰極管を含んでいる。
【0046】
LCD駆動部190は、画像バッファ175に記憶された画像データを読み出し、読み出した画像データに従ってLCDパネル195を駆動することにより、画像を表示させる。すなわち、LCDパネル195は、バックライト185からの光を選択的に透過する、透過型のカラー液晶パネルである。
【0047】
図8は、記録装置10の機能構成を示す図である。取得手段101は、表示媒体の第1の面(面22a)上を、入力装置(光ペン30)が移動した軌跡を取得する。記憶手段102は、取得手段101が取得した軌跡を記憶する。露光手段103は、記憶手段102に記憶された軌跡に応じて、表示体22を、第2の面(面22b)側から露光する。電源104は、表示体22を駆動する電圧を印加する。検出手段105は、入力装置と第1の面22aとの距離があらかじめ決められたしきい値以下になったことを検出する。制御手段106aは、入力装置と第1の面22aとの距離がしきい値以下になったことを検出手段105が検出した場合、駆動電圧の印加の開始を、電源104に指示する。制御手段106bは、制御手段106aにより駆動電圧の印加の開始が指示された後、第1のしきい値時間が経過した場合、駆動電圧の印加の停止を、電源104に指示する。制御手段106cは、駆動電圧の印加が停止された後、第1のしきい値時間より短い第2のしきい値時間が経過した場合において、第2のしきい値時間が経過する前までの間に入力装置が移動したとき、または、第2のしきい値時間が経過した時点で、入力装置と第1の面22aとの距離がしきい値以下になっていることが検出されたときは、駆動電圧の印加の開始を、電源104に指示する。
【0048】
ここで、露光手段103は、駆動電圧の印加が停止されたときは軌跡に応じた露光の停止をする。露光手段103は、露光の停止後、駆動電圧の印加が再開されたときは、軌跡のうち露光が停止された部分から、露光を再開する。
【0049】
検知手段107は、入力装置により第1の面22aに加えられる圧力を検知する。制御手段106dは、駆動電圧の印加の開始が指示された後、第3のしきい値時間が経過した場合において検出手段105により第1の面22aに入力装置が接触していないことが検出されたときに、駆動電圧の印加の停止を、電源104に指示する。第3のしきい値時間は、第1のしきい値時間より短く第2のしきい値時間より長い。
【0050】
調整手段108は、光ペン30が軌跡を描く速度に応じて、単位面積あたりの光照射量が一定になるように光照射手段31の光量を調整する。
【0051】
図7の制御部110内のHDDは、記憶手段102の一例である。バックライト制御部180、バックライト185、LCD駆動190およびLCDパネル195は、露光手段103の一例である。電源135は、電源104の一例である。対応する命令を実行している制御部110は、取得手段101、検出手段105、制御手段106a、106b、106c、106d、検知手段107および調整手段108の一例である。
【0052】
1−3.光ペン30
図9は、光ペン30の構成を示す。図9は、光ペン30の断面を模式的に示した図である。この例で、光ペン30は、ボールペンや鉛筆、万年筆といった筆記具に類似した形状をしており、利用者は筆記具を使う要領で電子ペーパ20に書き込み(記録)を行う。
【0053】
筐体305は、光ペン30の各構成を保持する。この例における筐体305は、機械的な剛性と、電気的な絶縁性と、光学的な遮光性を有する樹脂で作られている。スイッチ310は、利用者から光ペン30への指示の入力に用いられる。例えば、後述する手書き追記モードへの移行や、電源のオン・オフ、書き込み色の選択などの指示が、スイッチ310により入力される。スイッチ310は、操作に応じた信号を制御部335に出力する。バッテリ315は、光ペン30の各構成に電力を供給する電源である。
【0054】
通信モジュール320は、記録装置10と通信を行うための装置である。通信モジュール320は、制御部335の制御下でアンテナ325を介して記録装置10と無線通信を行う。アンテナ325は、通信に用いられる電波の送受信を行う。
【0055】
加速度センサ330は、光ペン30の光軸(すなわち、筐体305の長手方向)に対する加速度のX軸、Y軸およびZ軸成分を検出し、検出結果を制御部335に出力する3次元加速度センサである。制御部335は、制御や演算を行うCPUと、記憶装置であるROMやRAMと、入出力を行うI/Oポートを有する。CPUは、利用者が光ペン30の電源投入を行うと、予めROMに記憶されている制御プログラムを読み出し、読み出した制御プログラムを実行して光ペン30の制御を行う。CPUは作業領域としてRAMを使用する。例えば、制御部335は、加速度センサ330から出力される加速度を用いて、光ペン30の移動速度を算出する。
【0056】
センサ340は、光ペン30のペン先の筆圧を検出するセンサである。具体的には、センサ340は、光ペン30のペン先(この例ではレンズ360)に加えられている圧力を検出し、検出結果を示す信号を制御部335に出力する。利用者が、光ペン30を用いて電子ペーパ20に書き込み(記録)を行うときはレンズ360が電子ペーパ20に接触して圧力が加えられる。レンズ360に加わった圧力は、導光部355、光源350を介して、センサ340に伝えられる。センサ345は、光ペン30のペン先と電子ペーパ20の面22aとの距離があらかじめ決められたしきい値以下になったことを検出するセンサである。センサ345は、検出結果を制御部335に出力する。この例で、センサ345は、フォトダイオード等の受光素子を有する。センサ345は、電子ペーパ20の面22aで反射された、光源350の光を受け、光強度に応じた信号を制御部335に出力する。制御部335は、距離センサから出力される信号により示される光強度があらかじめ決められたしきい値を超えると、ペン先と電子ペーパ20との距離がしきい値(例えば5mm)以下になったと判断する。
【0057】
光源350は、利用者が電子ペーパ20に書き込み(記録)を行うための光を出力する。この例で、光源350は、電子ペーパ20に赤色の書き込み行うための赤色光を発生するための赤色LEDと、青色と緑色の書き込みを行うための緑色光を発生するための緑色LEDを含んでいる。導光部355は、光源350が発生した光をレンズ360に導く。この例において、導光部355は、光の透過率の高い透明樹脂で構成されている。レンズ360は、光源350から出力された光を集光する。この例において、レンズ360は、光学ガラスで作られている。レンズ360により集光された光は電子ペーパ20の面22aに照射される。
【0058】
2.動作
2−1.電子ペーパ20への記録
電子ペーパ20への記録は、記録装置10に電子ペーパ20を装着した状態で行われる。電子ペーパ20への記録の方法(記録モード)は2通りある。1つは、バックライト185およびLCDパネル195を用いる方法(すなわち、記録光186を電子ペーパ20の面22bから照射する方法)であり、これを「通常モード」の記録という。もう1つは、光ペン30の光源350を用いる方法(すなわち、記録光を面22aから照射する方法)であり、これを「手書き追記モード」の記録という。この例で、手書き追記モードにおいては、光ペン30の光源350からの追記光361に加えて、バックライト185およびLCDパネル195からの記録光186も用いられる。
【0059】
図10は、通常モードにおける記録装置10の動作を示すフローチャートである。ステップS30において、記録装置10の制御部110は、手書き追記モードに遷移させる操作が行われたか判断する。この例で、「手書き追記モードに遷移させる操作」は、利用者が操作パネル115に対して行う。あるいは、この操作は、光ペン30のスイッチ310に対して行われてもよい。この場合、光ペン30は、特定の操作が行われたことを示す信号を通信モジュール320を介して出力する。記録装置10は、通信I/F120を介してこの信号を受信し、受信した信号により、手書き追記モードに遷移させる操作が行われたと判断する。手書き追記モードに遷移させる操作が行われたと判断された場合(S30:YES)、制御部110は、処理をステップS33に移行する。手書き追記モードに遷移させる操作が行われていないと判断された場合(S30:NO)、制御部110は、処理をステップS31に移行する。
【0060】
ステップS31において、制御部110は、光ペン30のペン先の圧力(筆圧)または位置が、手書き追記モードに遷移するための所定の条件を満たしたか判断する。ここでは、筆圧があるか、またはペン先の位置が電子ペーパ30の表面(面22a)から5mm以内にあるという条件が用いられる。この条件が満たされたと判断された場合(S31:YES)、制御部110は、処理をステップS33に移行する。この条件が満たされていないと判断された場合(S31:NO)、制御部110は、処理をステップS32に移行する。
【0061】
ステップS32において、制御部110は、通常モードの記録処理を行う。通常モードの動作の詳細は省略するが、概要は以下のとおりである。制御部110は、電子ペーパ20に記録する画像を示すデータ、例えばHDDに記憶されている画像データや、通信I/F120を介して外部から取得した画像データを、画像処理部170に送る。画像処理部170は、画像データを液晶層に対応した色成分(ここではRGB)に分解する。また、画像処理部170は、解像度変換や明るさ情報の付与などの処理を行う。画像処理部170は、こうして処理された画像データを画像バッファ175に送る。LCD駆動部190は、画像バッファ175からデータを読み出し、その内容に応じてLCDパネル195を制御する。また、制御部110は、LCDパネル195の制御と同期して、バックライト制御部180を制御し、バックライト185を点灯させる。さらに、制御部110は、バックライト185の制御と同期して、電源135を制御し、第1の光アドレス層または第2の光アドレス層に駆動電圧を印加する。このように、液晶層265、液晶層260および液晶層230に照射される光および印加される電圧を制御することにより、電子ペーパ20への画像の記録(書き込み)が行われる。
【0062】
ステップS33において、制御部110は、記録モードを手書き追記モードに遷移させる。
【0063】
図11は、手書き追記モードにおける記録装置10の動作を示すフローチャートである。ステップS10において、制御部110は、光ペン30のペン先の圧力または位置が、手書き追記モードに遷移するための所定の条件を満たしたか判断する。この処理は、図10のステップS31と同様に行われる。条件を満たしたと判断された場合(S10:YES)、制御部110は、処理をステップS11に移行する。条件を満たしていないと判断された場合(S10:NO)、制御部110は、条件が満たされるまで待機する。
【0064】
ステップS11において、制御部110は、駆動電圧の印加を開始させる。このとき、通常モードと同様に、駆動電圧の印加と同期して、バックライト185およびLCDパネル195による露光が行われる。この露光に用いられるデータは、RAMに記憶されている、光ペン30の軌跡のデータである。すなわち、駆動電圧の印加が行われている間、バックライト185およびLCDパネル195による、光ペン30の軌跡の記録が行われる。ステップS12において、制御部110は、経過時間のタイマをリセットし、リセットしたタイマをスタートさせる。経過時間タイマは、駆動電圧の印加が開始されてからの経過時間をカウントするタイマである。この例において、経過時間のタイマはCPUによるソフトウエアタイマである。
【0065】
ステップS13において、制御部110は、タイマにより計測された経過時間に応じての処理を変更する。経過時間がしきい値時間ta(この例ではta=500msec)を超えた場合(S13:500msec超)、制御部110は、処理をステップS15に移行する。経過時間がしきい値時間tb(この例ではtb=350msec)未満である場合(S13:350msec未満)、制御部110は、経過時間が350msec以上になるまで待機する。第1のしきい値時間および第3のしきい値時間はあらかじめ決められており、HDDに記憶されている。経過時間が350msec以上、かつ、500msec以下である場合(S13:350〜500msec)、制御部110は、処理をステップS14に移行する。
【0066】
ステップS14において、制御部110は、光ペン30の筆圧があるか判断する。具体的に、制御部110は、光ペン30のセンサ340から送信されてくる信号を通信I/F120を介して受信し、この信号から筆圧があるか判断する。筆圧があると判断された場合(S14:YES)、制御部は、処理をステップS13に移行する。筆圧が無いと判断された場合(S14:NO)、制御部110は、処理をステップS15に移行する。
【0067】
ステップS15において、制御部110は、電子ペーパ20への駆動電圧の印加を停止する。制御部110は、電源135を制御して駆動電圧の印加を停止させる。ステップS17において、制御部110は、タイマのリセットおよびスタートを行う。制御部110は、駆動電圧の印加を停止してからの経過時間をカウントするタイマをリセットして、新たにカウントを開始する。
【0068】
ステップS18において、制御部110は、タイマにより計測される経過時間がしきい値時間tc(この例ではtc=50msec)以上になるまで待機する。なお、制御部110は、駆動電圧の印加が行われていない間(以下、この期間を「印加停止期間」という)も光ペン30の軌跡をRAMに記憶している。経過時間が50msec以上になった場合(S18:50msec以上)、制御部110は、処理をステップS19に移行する。第2のしきい値時間はあらかじめ決められており、HDDに記憶されている。しきい値時間ta、tb、tcの大小関係は、ta>tb>tc、である。
【0069】
ステップS19において、制御部110は、印加休止期間中に光ペン30の軌跡が更新されたか判断する。この例で、制御部110は、光ペン30の軌跡をRAMに記憶する際に、印加休止期間中の軌跡については、印加休止期間中であることを示すフラグとともに軌跡のデータを記憶する。制御部110は、このフラグの有無により、印加休止期間中に軌跡が更新されたか判断する。印加休止期間中に軌跡が更新されていないと判断された場合(S19:NO)、制御部110は、処理をステップS19に移行する。印加休止期間中に軌跡が更新されたと判断された場合(S19:YES)、制御部110は、処理をステップS11に移行する。ここで、ステップS11では、既に記録が完了している点の次の点(すなわち、まだ記録されていない点のうち最も古いもの)のデータから、バックライト185およびLCDパネル195による露光が行われる。すなわち、印加休止期間中に軌跡が更新された場合でも、その間に更新された軌跡が、この露光によって記録される。
【0070】
ステップS20において、制御部110は、手書き追記モードから離脱する操作が行われたか判断する。制御部110は、操作パネル115からのデータを読むこと、及び、光ペン30から送信されてくるデータを通信I/F120を介して受信することでこれらの情報を得る。この例で、「手書き追記モードから離脱する操作」は、利用者が操作パネル115に対して行う。あるいは、この操作は、光ペン30のスイッチ310に対して行われてもよい。この場合、光ペン30は、特定の操作が行われたことを示す信号を通信モジュール320を介して出力する。記録装置10は、通信I/F120を介してこの信号を受信し、受信した信号により、手書き追記モードから離脱させる操作が行われたと判断する。手書き追記モードから離脱する操作が行われたと判断された場合(S20:YES)、制御部110は、記録モードを通常モードに移行する。手書き追記モードから離脱する操作が行われていないと判断された場合(S20:NO)、制御部110は、処理をステップS10に移行する。
【0071】
以上で説明したように、本実施形態によれば、通常モードと手書き追記モードとが、ペン先と電子ペーパ20との距離に応じて自動的に切り替えられる。
【0072】
図12は、本実施形態の構成を有しない記録システムによる記録の例を示す図である。液晶層の特性により、または記録装置の特性により、駆動電圧を長時間連続して印加できない場合がある。ここでは、駆動電圧を500msec連続して印加すると50msecの間駆動電圧の印加が休止される例が示されている。この場合、光ペン30の光源を用いた記録だけでは、印加休止期間の軌跡が途切れてしまう。
【0073】
図13は、本実施形態の記録システムによる記録の例を示す図である。本実施形態の記録システムによれば、光ペン30の光源350を用いた面22aからの露光による記録が印加休止期間により途切れたとしても、印加休止期間中の軌跡は記憶される。さらに、バックライト185およびLCDパネル195を用いた面22bからの露光による記録が行われ、印加休止期間中の軌跡が記録される(印加休止期間以外の軌跡も上書きされる)。こうして、途切れが低減された軌跡が記録される。
【0074】
2−2.光ペン30の光出力の制御
図14は、光ペン30の光出力の特性を示す図である。図14の縦軸は光源350の出力を、横軸はペン先の移動速度を示している。この例で、制御部110は、通信I/F120を介して、光ペン30の加速度センサ330から出力される信号を取得する。制御部110は、この信号から、ペン先の移動速度を算出する。あるいは、制御部110は、ペン先位置センサ125により取得されたペン先の位置と、その位置を取得した時刻とから、ペン先の移動速度を算出してもよい。制御部110は、光ペン30が軌跡を描く速度に応じて、液晶層の単位面積あたりの光照射量があらかじめ決められた一定の値になるように、光源350の光量を調整するための信号を、通信I/F120を介して光ペン30に出力する。この制御により、光ペン30により電子ペーパ20に記録される軌跡の濃度の変動が抑制される。
【0075】
3.他の実施形態
本発明は上述の実施形態に限定されない。本発明は、以下のようにさまざまな形態で実施可能である。以下で説明する変形例のうち、2つ以上のものが組み合わせて用いられてもよい。
【0076】
3−1.変形例1
記録装置10と光ペン30との間の機能の分担は、実施形態で説明したものに限定されない。実施形態において記録装置10の機能として説明したものの一部を、光ペン30が有していてもよい。
【0077】
図15は、変形例1に係る光ペン30の機能構成を示す図である。光照射手段31は、電子ペーパ20への書き込みに用いられる波長帯の光を照射する。通信手段32は、記録装置10と通信する。検出手段33は、接触部(ペン先等、電子ペーパ20に接する部分)と電子ペーパ20の第1の面(面22a)との距離があらかじめ決められたしきい値以下になったことを検出する。
【0078】
制御手段34aは、検出手段33が、接触部と第1の面22aとの距離がしきい値以下になったことを検出した場合、駆動電圧の印加の開始を、通信手段32を介して記録装置10に指示する。制御手段34bは、駆動電圧の印加の開始が指示された後、第1のしきい値時間が経過した場合、駆動電圧の印加の停止を、通信手段32を介して記録装置10に指示する。制御手段34cは、駆動電圧の印加が停止された後、第1のしきい値時間より短い第2のしきい値時間が経過した場合、駆動電圧の印加が停止された後、第2のしきい値時間が経過する前までの間に接触部が移動したとき、または、第2のしきい値時間が経過した時点で、接触部と第1の面22aとの距離がしきい値以下になっていることが検出されとき、駆動電圧の印加の開始を、通信手段32を介して記録装置10に指示する。
【0079】
検知手段35は、接触部により第1の面22aに加えられる圧力を検知する。制御手段34dは、駆動電圧の印加の開始が指示された後、第1のしきい値時間より短く第2のしきい値時間より長い第3のしきい値時間が経過したときに第2の検出手段により第1の面22aに接触部が接触していないことが検出された場合、駆動電圧の印加の停止を、記録装置10に指示する。調整手段36は、接触部が軌跡を描く速度に応じて、液晶層の単位面積あたりの光照射量が一定になるように光照射手段31の光量を調整する。
【0080】
光源350は、光照射手段31の一例である。通信モジュール320は、通信手段32の一例である。センサ345は、検出手段33の一例である。制御部335は、制御手段34a、34b、34c、34d、調整手段36の一例である。センサ340は、検知手段35の一例である。
【0081】
図15は、実施形態において記録装置10が行っていた処理の大部分を光ペン30で行うための構成を示している。図15の例では、例えば、電圧印加の停止の指示は、光ペン30から記録装置10に送られる。記録装置10の制御部110は、光ペン30からの指示を受けて、駆動電圧の印加を停止する。
【0082】
なお、変形例1において、光ペン30は、図15に示される機能のすべてを有していなくてもよい。光ペン30が図15の機能の一部のみを有し、記録装置10がそれ以外の機能を有していてもよい。
【0083】
3−2.変形例2
記録装置10は、2−2節で説明した、光ペン30の光出力の制御機能を有していなくてもよい。この場合、光ペン30の移動速度に応じて、記録される軌跡の濃度には変動が生じる。しかし、バックライト185およびLCDパネル195を用いた露光により上書きされる軌跡により、最終的に描かれる軌跡の濃度の変動は抑制される。
【0084】
3−3.変形例3
図11のステップS14の処理、すなわち制御手段105dに相当する機能は省略されてもよい。この場合において、制御部110は、経過時間がしきい値時間ta(実施形態では500msec)を超えた場合に処理をステップS15に移行し、それ以外の場合は経過時間がしきい値時間taを超えるまで待機する。
【0085】
3−4.変形例4
手書き追記モードにおいて、バックライト185およびLCDパネル195を用いた露光は行われなくてもよい。光ペン30の光源350を用いた露光だけが行われてもよい。
【0086】
3−5.変形例5
制御手段105cが駆動電圧の印加の開始を指示する条件は、実施形態で説明したものに限定されない。実施形態においては、図11のステップS18における、「印加休止期間中に光ペン30の軌跡が更新された」という条件が、駆動電圧の印加の開始を指示する条件として用いられた。これ以外にも、例えば、「しきい値時間tcが経過した時点で、光ペン30のペン先と面22aとの距離がしきい値以下になっている」という条件または「しきい値時間tcが経過した時点で、光ペン30の筆圧がある」という条件が用いられてもよい。
【0087】
3−6.変形例6
図8に示される機能構成を実現するための装置構成は、図7で示されるものに限定されない。要求される機能を実現できるものであれば、どのような構成の装置が用いられてもよい。例えば、露光手段103は、バックライト185およびLCDパネル195に限定されない。発光色を変えられるバックライトと透過型モノクロ液晶パネルが、露光手段103として用いられてもよい。光ペン30についても同様である。実施形態において、赤色LEDと緑色LEDが、光照射手段31として用いられたが、これに代わり、白色光源および色フィルタが光照射手段31として用いられてもよい。
【0088】
また、実施形態においては、制御部110が、取得手段101、検出手段105、制御手段106a、106b、106c、106d、検知手段107および調整手段108としての機能を兼ね備えていた。しかし、これらの機能の一部は、制御部110とは別のハードウェア構成要素により実現されてもよい。変形例1の制御部335と、制御手段34a、34b、34c、34d、および調整手段36とについても同様である。
【0089】
3−7.変形例7
電子ペーパ20の具体的構成は、実施形態で説明したものに限定されない。電子ペーパ20は、例えば、一組の透明電極の間に、RGBの3つの液晶層を挟んだ構成を有していてもよい。あるいは、電子ペーパ20は、一組の透明電極の間に1つの液晶層を挟んだ光アドレス層を複数有していてもよい。また、液晶層の数も3つに限定されない。4層以上の液晶層が用いられてもよいし、モノクロ表示の電子ペーパであれば単一の液晶層が用いられてもよい。また、液晶層のしきい値の設計も図4で例示したものに限定されない。液晶層のしきい値は、表示層の構造や駆動方法に応じて設計される。
【符号の説明】
【0090】
10…記録装置、11…筐体、101…取得手段、102…記憶手段、103…露光手段、104…電圧印加手段、105…検出手段、106a、106b、106c、106d…制御手段、107…検知手段、108…調整手段、110…制御部、115…操作パネル、120…通信I/F、125…ペン先位置センサ、130…RFタグ・リーダライタ、135…電源、140…着脱センサ、145…電極、150…リアルタイムクロック、155…環境温度履歴装置、160…環境温度センサ、170…画像処理部、175…画像バッファ、180…バックライト制御、185…バックライト、186…記録光、190…LCD駆動、195…LCDパネル、20…電子ペーパ、21…フレーム、22…表示体、22a…第1の面、22b…第2の面、23、23a、23b、23c…電極、24…RFタグ、210、275…保護層、215、235、245、270…透明電極、225、255…感光層、230、260、265…液晶層、240…絶縁層、30…光ペン、31…光照射手段、32…通信手段、33…検出手段、34a、34b、34c、34d…制御手段、35…検知手段、36…調整手段、305…筐体、310…スイッチ、315…バッテリ、320…通信モジュール、325…アンテナ、330…加速度センサ、335…制御部、340、345…センサ、350…光源、355…導光路、360…レンズ、361…追記光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の面および前記第1の面に対向する第2の面と、照射される光および印加される電圧に応じて表示が変化する表示層とを有する表示媒体の前記第1の面上を、光を照射する光照射手段を有する入力装置が移動した軌跡を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した軌跡を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された軌跡に応じて、前記表示層を、前記第2の面側から露光する露光手段と、
前記表示層を駆動する駆動電圧を印加するための電力を供給する電源と、
前記入力装置と前記第1の面との距離があらかじめ決められたしきい値以下になったことを検出する検出手段と、
前記検出手段が、前記入力装置と前記第1の面との距離が前記しきい値以下になったことを検出した場合、前記駆動電圧の印加を開始するように、前記電源を制御する第1の制御手段と、
前記駆動電圧の印加の開始が指示された後、第1のしきい値時間が経過した場合、前記駆動電圧の印加を停止するように、前記電源を制御する第2の制御手段と、
前記駆動電圧の印加が停止された後、前記第1のしきい値時間より短い第2のしきい値時間が経過した場合において、前記第2のしきい値時間が経過する前までの間に前記入力装置が移動したとき、または、前記第2のしきい値時間が経過した時点で、前記入力装置と前記第1の面との距離が前記しきい値以下になっていることが検出されたときは、前記駆動電圧の印加を開始するように、前記電源を制御する第3の制御手段と
を有する記録装置。
【請求項2】
前記露光手段は、前記駆動電圧の印加が停止されたときは前記軌跡に応じた露光の停止をし、前記露光の停止後、前記駆動電圧の印加が再開されたときは、前記軌跡のうち露光が停止された部分から、前記露光を再開する
ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記入力装置により前記第1の面に加えられる圧力を検知する検知手段と、
前記駆動電圧の印加の開始が指示された後、前記第1のしきい値時間より短く前記第2のしきい値時間より長い第3のしきい値時間が経過した場合において前記第2の検出手段により前記第1の面に前記入力装置が接触していないことが検出されたときに、前記駆動電圧の印加を停止するように、前記電源を制御する第4の制御手段と
を有する請求項1または2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記入力装置が前記軌跡を描く速度に応じて、単位面積あたりの光照射量が一定になるように前記光照射手段の光量を調整する調整手段
を有する請求項1−3のいずれかの項に記載の記録装置。
【請求項5】
接触部と、
光照射手段と、
第1の面と、前記第1の面と異なる第2の面と、前記第1の面および前記第2の面に挟まれ、照射される光および印加される電圧に応じて表示が変化する表示層とを有する表示媒体の前記第1の面上を、前記接触部が移動した軌跡を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された軌跡に応じて、前記表示層を、前記第2の面から露光する露光手段と、前記表示層を駆動する電圧を印加する電源とを有する記録装置と通信する通信手段と、
前記接触部と前記第1の面との距離があらかじめ決められたしきい値以下になったことを検出する検出手段と、
前記検出手段が、前記接触部と前記第1の面との距離が前記しきい値以下になったことを検出した場合、前記駆動電圧の印加を開始するように、前記通信手段を介して前記記録装置を制御する第1の制御手段と、
前記駆動電圧の印加の開始が指示された後、第1のしきい値時間が経過した場合、前記駆動電圧の印加を停止するように、前記通信手段を介して前記記録装置を制御する第2の制御手段と、
前記駆動電圧の印加が停止された後、前記第1のしきい値時間より短い第2のしきい値時間が経過した場合、前記駆動電圧の印加が停止された後、前記第2のしきい値時間が経過する前までの間に前記接触部が移動したとき、または、前記第2のしきい値時間が経過した時点で、前記接触部と前記第1の面との距離が前記しきい値以下になっていることが検出されとき、前記駆動電圧の印加を開始するように、前記通信手段を介して前記記録装置を制御する第3の制御手段と
を有する入力装置。
【請求項6】
前記接触部により前記第1の面に加えられる圧力を検知する検知手段と、
前記駆動電圧の印加の開始が指示された後、前記第1のしきい値時間より短く前記第2のしきい値時間より長い第3のしきい値時間が経過したときに前記第2の検出手段により前記第1の面に前記接触部が接触していないことが検出された場合、前記駆動電圧の印加を停止するように、前記通信手段を介して前記記録装置を制御する第4の制御手段と
を有する請求項5に記載の入力装置。
【請求項7】
前記接触部が前記軌跡を描く速度に応じて、単位面積あたりの光照射量が一定になるように前記光照射手段の光量を調整する調整手段
を有する請求項5または6に記載の入力装置。
【請求項8】
請求項1−4のいずれかの項に記載の記録装置と、
前記入力装置と
を有する記録システム。
【請求項9】
請求項5−7のいずれかの項に記載の入力装置と、
前記入力装置と通信する通信手段を有する前記記録装置と
を有する記録システム。
【請求項10】
前記表示媒体を有する請求項8または9に記載の記録システム。

【図1a】
image rotate

【図1b】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2010−230707(P2010−230707A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−74992(P2009−74992)
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】