説明

記録装置、記録方法

【課題】マークエッジ記録のような記録面内方向での情報記録密度の向上を図ると共に、深さ方向において記録面の数を増やすことによる大記録容量化も図る。
【解決手段】記録装置は、バルク状の記録層における深さ方向の複数位置にマーク記録が行われるバルク型光記録媒体について、上記記録層のそれぞれ異なる深さ位置にレーザ光を選択的に集光して空包によるマーク記録を行う記録部を備える。また、それぞれの深さ方向及び面内方向のマーク間隔が合波再生が可能な間隔となるように、上記記録層における第1の深さ位置と第2の深さ位置に対して空包マークが記録されるように上記記録部を制御する制御部を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、記録マークとしてボイド(空包)が形成される光記録媒体についての記録装置と記録方法とに関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【特許文献1】特開2008−135144号公報
【特許文献2】特開2008−176902号公報
【背景技術】
【0003】
光の照射により信号の記録/再生が行われる光記録媒体として、例えばCD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray Disc:登録商標)などのいわゆる光ディスクが普及している。
【0004】
これらCD、DVD、BDなど現状において普及している光記録媒体の次世代を担うべき光記録媒体に関して、先に本出願人は、上記特許文献1や上記特許文献2に記載されるようないわゆるバルク記録型(単にバルク型とも呼ばれる)の光記録媒体を提案している。
【0005】
ここで、バルク記録とは、例えば図16に示すように少なくともバルク層(記録層)100を有する光記録媒体(以下、バルク型記録媒体と表記)に対し逐次焦点位置を変えてレーザ光照射を行ってバルク層100内に多層記録を行うことで、大記録容量化を図る技術である。
【0006】
このようなバルク記録に関して、上記特許文献1には、いわゆるマイクロホログラム方式と呼ばれる記録技術が開示されている。マイクロホログラム方式では、バルク層100の記録材料として、いわゆるホログラム記録材料が用いられる。ホログラム記録材料としては、例えば光重合型フォトポリマ等が広く知られている。
【0007】
マイクロホログラム方式は、ポジ型マイクロホログラム方式と、ネガ型マイクロホログラム方式とに大別される。
ポジ型マイクロホログラム方式は、対向する2つの光束(光束A、光束B)を同位置に集光して微細な干渉縞(ホログラム)を形成し、これを記録マークとする手法である。
また、ネガ型マイクロホログラム方式は、ポジ型マイクロホログラム方式とは逆の発想で、予め形成しておいた干渉縞をレーザ光照射により消去して、当該消去部分を記録マークとする手法である。このネガ型マイクロホログラム方式では、初期化処理として、予めバルク層に干渉縞を形成しておく処理が必要となる。
【0008】
また、本出願人は、マイクロホログラム方式とは異なるバルク記録の手法として、例えば特許文献2に開示されるようなボイド(void:空包、空孔)を記録マークとして形成する記録手法も提案している。
ボイド記録方式は、例えば光重合型フォトポリマ或いは樹脂を主成分とする記録材料などで構成されたバルク層100に対して、比較的高パワーでレーザ光照射を行い、上記バルク層100内に空包を記録する手法である。特許文献2に記載されるように、このように形成された空包部分は、バルク層100内における他の部分と屈折率が異なる部分となり、それらの境界部分で光の反射率が高められることになる。従って上記空包部分は記録マークとして機能し、これによって空包マークの形成による情報記録が実現される。
【0009】
このようなボイド記録方式は、ホログラムを形成するものではないので、記録にあたっては片側からの光照射を行えば済むものとできる。すなわち、上述のポジ型マイクロホログラム方式の場合のように2つの光束を同位置に集光して記録マークを形成する必要は無いものとできる。
また、ネガ型マイクロホログラム方式との比較では、初期化処理を不要にできるというメリットがある。
なお、特許文献2には、ボイド記録を行うにあたり記録前のプリキュア光の照射を行う例が示されているが、このようなプリキュア光の照射は省略してもボイドの形成は可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、上記により説明したバルク記録方式のうち、特にボイド記録方式では、記録マークとして空包を形成する、いわゆる穴空け記録の方式であることから、例えばピークパワー=100W程度の比較的高パワーの記録ビームを照射するようにされる。
このようなボイド記録方式では、所望の長さによるマークを記録しようとしたときに、そのエッジ位置の制御が非常に困難となる。つまりこの点より、ボイド記録方式では、マークエッジ記録を採用することが非常に困難とされている。
【0011】
また、ボイド記録方式では、上述のように空包マークの表面が反射面として機能するため、仮にマークエッジ記録を行った場合には、奥側の層位置に届く光量が大きく低下する傾向となってしまい、その結果、記録を行う層位置の数を増やして大記録容量化を図ることが非常に困難となる。
この点においても、ボイド記録方式ではマークエッジ記録の実現が困難とされている。
【0012】
このようにマークエッジ記録を採用することが困難とされていることから、現状のボイド記録方式では、マークポジション記録を採用するものとしている。
【0013】
しかしながら、マークポジション記録はマークエッジ記録と比較して情報の記録密度(記録面内方向における記録密度)の向上を図る上で不利であり、結果、大記録容量化を図ることが非常に困難となる。
【0014】
本技術はかかる問題点に鑑み為されたものであり、マークエッジ記録のような記録面内方向での情報記録密度の向上(大記録容量化)を図ると共に、深さ方向において記録面(記録層位置)の数を増やすことによる大記録容量化も図られるようにすることをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題の解決のため、本技術では記録装置として以下のように構成することとした。
つまり、本技術の記録装置は、バルク状の記録層における深さ方向の複数位置にマーク記録が行われるバルク型光記録媒体について、上記記録層のそれぞれ異なる深さ位置にレーザ光を選択的に集光して空包によるマーク記録を行う記録部を備える。
また、それぞれの深さ方向及び面内方向のマーク間隔が合波再生が可能な間隔となるように、上記記録層における第1の深さ位置と第2の深さ位置に対して空包マークが記録されるように上記記録部を制御する制御部を備えるものである。
【0016】
本技術によれば、合波再生可能に、第1の深さ位置と第2の深さ位置とに空包マークを記録できる。
合波再生が可能とされることで、第1の深さ位置のマークと第2の深さ位置のマークとがマークポジション記録されても、マークエッジ記録と同等の再生信号が得られるようにできる。これにより、面内方向における情報記録密度の向上、ひいては面内記録容量の増大化を図ることができる。
また、合波再生は、第1の深さ位置のマークと第2の深さ位置のマークの組(1つのマーク部分を形成するものとされるマークの組)の合成再生信号の谷間の振幅レベルが一定レベル以上あれば実現されるので、第1の深さ位置のマークと第2の深さ位置のマークとの面内方向の間隔は或る程度空けるようにすることができる。
このように面内方向におけるマークの間隔を空けることが可能であるため、連続的なマークが形成されるマークエッジ記録と比較して、レーザ光が深さ方向に進行する際の反射ロスを抑えることができ、その分、記録層の奥側に届く光量を大きくできる。
この結果、記録面の数を増やして深さ方向の記録密度の向上を図ることができ、この点による大記録容量化も図られる。
【発明の効果】
【0017】
上記のように本技術によれば、空包マークを記録するボイド記録方式において、マークエッジ記録のような記録面内方向での情報記録密度の向上(大記録容量化)を図ると共に、深さ方向において記録面(記録層位置)の数を増やすことによる大記録容量化も図られるようにできる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施の形態で記録再生対象とする光記録媒体の断面構造図である。
【図2】記録時の位置制御手法について説明するための図である。
【図3】再生時の位置制御手法について説明するための図である。
【図4】第1の実施の形態の記録装置が備える主に光学系の構成について示した図である。
【図5】通常のMOPAの構成についての説明図である。
【図6】第1の実施の形態の記録装置の全体的な内部構成を示した図である。
【図7】合波再生として順当に考えられ得る手法についての説明図である。
【図8】図7に示す手法(図8A)と本実施の形態の手法(図8B)とを対比して示した図である。
【図9】具体的なマーク記録手法について説明するための図である。
【図10】各マーク長を実現するために記録されるべきマークの組み合わせの例を示した図である。
【図11】変換テーブルの構造例を示した図である。
【図12】第1の実施の形態の記録手法を実現するために実行されるべき具体的な処理の手順を示したフローチャートである。
【図13】実施の形態としての再生手法を実現するために実行されるべき具体的な処理の手順を示したフローチャートである。
【図14】第2の実施の形態の記録装置が備える主に光学系の構成について示した図である。
【図15】第2の実施の形態の記録装置の全体的な内部構成を示した図である。
【図16】バルク記録方式について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本技術に係る実施の形態について説明する。
なお、説明は以下の順序で行う。

<1.実施の形態で記録再生対象とする光記録媒体>
[1-1.光記録媒体の構造]
[1-2.位置制御手法について]
<2.記録装置の構成>
[2-1.光学系の構成]
[2-2.記録装置の全体的な内部構成]
<3.合波再生を可能とするための記録手法>
[3-1.合波再生について]
[3-2.記録手法の具体例]
[3-3.再生手法について]
[3-4.処理手順]
<4.第2の実施の形態>
<5.変形例>
【0020】
<1.実施の形態で記録再生対象とする光記録媒体>
[1-1.光記録媒体の構造]

図1は、実施の形態で記録再生対象とする光記録媒体(バルク型記録媒体1)の断面構造図である。
このバルク型記録媒体1は、いわゆるバルク記録が行われる光記録媒体(バルク型光記録媒体)である。バルク記録とは、通常の多層光ディスクのような複数の記録膜が形成された多層構造は採らずに、バルク状の記録層に対して逐次焦点位置を変えてレーザ光照射を行って多層記録を行う技術を指す。
【0021】
図1において、バルク型記録媒体1は、ディスク状の光記録媒体とされ、回転駆動されるバルク型記録媒体1に対するレーザ光照射が行われてバルク層3に対するマーク記録(情報記録)が行われる。また、記録情報の再生としても、回転駆動されるバルク型記録媒体1に対してレーザ光を照射して行われる。
なお光記録媒体とは、光の照射により情報の記録/再生が行われる記録媒体を総称したものである。
【0022】
図示するようにバルク型記録媒体1には、上層側から順にカバー層2、バルク層3、接着層4、反射膜5、基板6が形成されている。
ここで、本明細書において「上層側」とは、後述する記録装置(記録再生装置10等)側からのレーザ光が入射する面を上面としたときの上層側を指す。
【0023】
また、本明細書においては「深さ方向」という語を用いるが、この「深さ方向」とは、上記「上層側」の定義に従った上下方向と一致する方向(すなわち記録装置側からのレーザ光の入射方向に平行な方向:フォーカス方向)を指すものである。
【0024】
バルク型記録媒体1において、カバー層2は、例えば樹脂で構成され、記録層としてのバルク層3の保護層として機能する。
【0025】
カバー層2の下層側には、バルク層3が形成されている。
ここで、本実施の形態では、記録マークとしてボイド(void:空包、空孔)を形成するボイド記録方式が採用される。従ってバルク層3の形成材料(記録材料)としては、ボイド記録方式に対応した材料が採用される。なお、バルク層3の具体的な記録材料としては、樹脂を主成分としたものを挙げることができる。
【0026】
バルク層3の下層側には、所要の接着材料で構成された接着層(中間層)4を介して、反射膜5が形成されている。
当該反射膜5には、記録/再生位置を案内するための位置案内子が形成される。ここで、反射膜に位置案内子が形成されるとは、位置案内子が形成されている界面上に反射膜が形成されるという意味である。
具体的にこの場合は、図中の基板6の一方の面側に対してグルーブ又はピット列が形成されることで、図のような凹凸の断面形状が与えられ、基板6の当該凹凸断面形状が与えられた面上に対し反射膜5が成膜されることで、当該反射膜5に上記グルーブ又はピット列による位置案内子が形成されたものとなっている。
上記グルーブ又はピット列によっては、バルク型記録媒体1の記録面内方向に平行な方向における絶対位置を表す情報(絶対位置情報:半径位置情報、及び回転角度情報)が記録される。この絶対位置情報は、上記位置案内子がグルーブで形成される場合には当該グルーブの蛇行(ウォブル)周期の変調により記録され、ピット列で形成される場合には、ピットの長さや形成間隔の変調により記録が為される。
【0027】
また、基板6は、例えばポリカーボネートなどの樹脂で構成される。基板6は、例えば上記位置案内子としての凹凸断面形状が与えられたスタンパを用いた射出成形などによって生成される。
【0028】
ここで、バルク層3内部には、位置案内子或いはそれが形成された反射膜は設けられておらず、後述するようにバルク層3における記録位置は、位置案内子が形成された反射膜5からの反射光に基づき制御されることになる。
この意味で、位置案内子が形成された反射膜5(反射面)については、基準面Refと表記する。
【0029】
[1-2.位置制御手法について]

ところで、位置案内子や反射膜の形成されていないバルク層3に対して多層記録を行うとしたときには、バルク層3内において、マーク記録を行うべき深さ位置、すなわち記録面の位置を何れの位置とするかを予め定めておくことになる。
ここで以下、深さ位置については層位置とも表記する。
【0030】
この場合におけるバルク層3では、マーク記録を行うべき層位置(情報記録層位置とも表記)として、例えば図2に示されるように第1情報記録層位置L1〜第5情報記録層位置L5の計5つの情報記録層位置Lが設定されているとする。
【0031】
ここで、後述もするように本実施の形態では、クロストークが生じる程度に近接した第1の深さ位置と第2の深さ位置とを1セットとして、それらに合波再生用のマーク列を記録し、再生時においてはこれら第1の深さ位置と第2の深さ位置の記録信号が一体となって読み出されるようにする。つまり、本実施の形態においては、これら第1,第2の深さ位置としての2つの深さ位置(2つの層位置)が1セットで、従来の多層光ディスクで言うところの1つの記録層を構成するものと言うことができる。
図2に示す各情報層位置Lは、このように従来の多層光ディスクの1つの記録層に相当するものとなる第1の深さ位置と第2の深さ位置のセットのうち、それぞれ第1の深さ位置のみを表しており、第2の深さ位置については図示を省略している。
【0032】
このとき、各情報記録層位置Lは、例えば基準面Refからのオフセット値ofにより定義できる。具体的に、第1情報記録層位置L1は、基準面Refから第1オフセット値of-L1に応じた分だけ上方にオフセットされた位置と定義できる。同様に、第2情報記録層位置L2、第3情報記録層位置L3、第4情報記録層位置L4、第5情報記録層位置L5は、それぞれ基準面Refから第2オフセット値of-L2、第3オフセット値of-L3、第4オフセット値of-L4、第5オフセット値of-L5に応じた分だけ離間した位置として定義される。
この場合、各オフセット値of-Lは、後述する記録再生装置10におけるコントローラ43(コントローラ53)に設定される。
【0033】
なお、この図2では図示の都合上、情報記録層位置Lが5つであるものとしているが、実際には例えば10μm程度の間隔を空けて数十(例えば20)程度の情報記録層位置Lが設定されることになる。
【0034】
ここで、バルク型記録媒体1に対しては、記録層3に対する記録時に対応して、空包マークの記録を行うためのレーザ光(記録用レーザ光)を照射すると共に、基準面Refにおける位置案内子に基づく位置制御を行うための、上記記録用レーザ光とは波長の異なるレーザ光(基準面サーボ用レーザ光)を併せて照射するものとなる。
図のようにこれら記録用レーザ光と基準面サーボ用レーザ光は、共通の対物レンズを介してバルク型記録媒体1に照射する。
【0035】
マークの記録時には、図のように基準面サーボ用レーザ光を反射膜5(基準面Ref)に合焦させるように照射して、反射膜5からの当該基準面サーボ用レーザ光の反射光に基づき対物レンズのフォーカスサーボ・トラッキングサーボ制御を行うことになる。そしてその状態において、記録用レーザ光の合焦位置を、バルク層3内の所望の層位置に一致させるように調整して、当該所望の層位置にマークを記録することになる。このとき、対物レンズは、上記基準面サーボ用レーザ光を用いたトラッキングサーボによって基準面Refに形成された位置案内子に追従するように駆動されるので、当該対物レンズを介して照射される記録用レーザ光のトラッキング方向における位置としても、上記位置案内子に沿った位置となるように制御される。
後述もするように、記録用レーザ光の合焦位置の調整は、記録光用フォーカス機構(図4における固定レンズ14、可動レンズ15、レンズ駆動部16の組)により行われることになる。
【0036】
なお本例において、記録用レーザ光の波長は400nm程度、基準面サーボ用レーザ光の波長は650nm程度であるとする。
【0037】
ここで、空包マークを記録するボイド記録方式では、比較的高パワーな記録用レーザ光の照射を要する。このため記録用の光源としては、後述するMOPA(Master Oscillator Power Amplifier)110のようなパルスレーザ光源を用いる。
【0038】
このようなパルスレーザ光源は、記録信号の再生や各種サーボ制御を行うための光源として用いることが非常に困難である。そこで、本実施の形態の記録装置では、記録用のレーザ光源とは別途に、記録情報の再生及び再生時のサーボ制御を行うためのCW(Continuous Wave)レーザ光源を別途設けるものとしている(図4におけるサーボ・再生用レーザ22)。
【0039】
再生時においては、図3に示すように、上記CWレーザ光源より発光されたサーボ・再生用レーザ光を、対物レンズを介してバルク層3に対して照射する。
具体的に、再生時には、バルク層3内の既記録マーク列からの上記サーボ・再生用レーザ光の反射光を利用して、再生対象とする情報記録層位置Lに対する上記サーボ・再生用レーザ光のフォーカスサーボ、トラッキングサーボを行う。すなわち、サーボ・再生用レーザ光の反射光に基づき、これらフォーカスサーボ・トラッキングサーボが実現されるように対物レンズを制御するものである。
また、上記サーボ・再生用レーザ光によっては、記録信号の再生も行われる。
【0040】
なお確認のため述べておくと、サーボ・再生用レーザ光は、バルク層3内における再生対象とする情報記録層位置Lに合焦しているものであり、つまりは反射膜5には焦点を結んだ後のサーボ・再生用レーザ光が照射されるものである。従って、サーボ・再生用レーザ光の反射膜5からの反射光が、当該サーボ・再生用レーザ光の記録マークからの反射光(再生光)に対して与える影響は小である。
このような、サーボ・再生用レーザ光の反射膜5からの反射光が再生性能に与える影響を考慮するとしたときは、当該反射膜5として、基準面サーボ用レーザ光(例えば波長650nm)と同波長帯の光のみを選択的に反射する波長選択膜を設けるものとすればよい。
【0041】
<2.記録装置の構成>
[2-1.光学系の構成]

図4は、実施の形態としての記録装置が備える主に光学系の構成について説明するための図である。
実施の形態の記録装置は、バルク型記録媒体1についての記録機能と共に再生機能も有する。この点より以下、実施の形態の記録装置については記録再生装置10と称する。
図4は、当該記録再生装置10が備える光学ピックアップOP1の内部構成を主に示すものである。
【0042】
図4において、記録再生装置10に装填されたバルク型記録媒体1は、当該記録再生装置10における所定位置においてそのセンターホールがクランプされるようにしてセットされ、図示は省略したスピンドルモータによる回転駆動が可能な状態に保持される。
光学ピックアップOP1は、上記スピンドルモータにより回転駆動されるバルク型記録媒体1に対して記録用レーザ光、基準面サーボ用レーザ光、及びサーボ・再生用レーザ光を照射するために設けられる。
【0043】
光学ピックアップOP1内には、記録用レーザ光の光源であるMOPAのうち、SOA部9(SOA:Semiconductor Optical Amp、半導体光増幅器)のみが搭載される。
【0044】
ここで、図5により、通常のMOPA110の構成について説明しておく。
図示するように通常のMOPA110は、 モードロックレーザ部(MLLD部とも表記する)7と、アイソレータ8と、SOA部9とを有して構成される。
【0045】
MLLD部7は、半導体レーザであるレーザ部7Aを備えると共に、当該レーザ部7Aから出射された発散光によるレーザ光を集光する集光レンズ7Bと、集光レンズ7Bを介したレーザ光が入射するバンドパスフィルタ7Cと、バンドパスフィルタ7Cを介したレーザ光が入射する共振用ミラー7Dと、さらに共振用ミラー7Dを一部透過したレーザ光(発散光となる)をコリメートするコリメートレンズ7Eとを備えている。
図のように集光レンズ7Bによる集光点は共振用ミラー7Dの反射面に一致するようにされる。
また、バンドパスフィルタ7Cは、所定の波長範囲の光を選択的に透過するように構成される。
【0046】
このようなMLLD部7においては、レーザ部7Aの後方端面のミラー(不図示)と、共振用ミラー7Dとの間で、外部共振器(空間共振器)が形成される。この外部共振器の光路長により、MLLD部7から出射されるレーザ光の繰り返し周波数(発振周波数)が定まる。これにより、強制的に特定の周波数にロックさせることができ、レーザ光のモードをロックすることができる。
【0047】
MLLD部7より出射されたレーザ光(パルスレーザ光)は、アイソレータ8に入射する。アイソレータ8は、当該光アイソレータ8の後段の光学部品等において反射した光がMLLD部7に入射すること、及びSOA部9の入射端から出た光が光アイソレータ9より前段の光学部品等において反射しSOA部9に入射することを防止する機能を有する。
【0048】
アイソレータ8を介したレーザ光は、SOA部9に入射する。
図のようにSOA部9は集光レンズ9AとSOA9Bとを有する。このSOA部9においては、集光レンズ9Aによって、アイソレータ8を介したレーザ光がSOA9Bの入射端に集光される。SOA9Bは、入射レーザ光(MLLD部7から出射されたパルスレーザ光)を増幅変調する半導体光増幅器となる。
【0049】
このようなMOPA110に対しては、MLLD部7のレーザ部7Aを発光駆動するための駆動信号D-mlと、SOA9Bによる変調動作を記録信号に応じて制御するための駆動信号D-soaとを供給することになる。
MLLD部7Aから出力されるパルスレーザ光の繰り返し周波数は、データ周波数よりも十分に高く設定されている(例えば1GHz程度)。
SOA9Bは、例えば駆動信号D-soaがHighの区間でパルスレーザ光の出力をオンとし(増幅出力し)、駆動信号D-soaがLowの区間ではパルスレーザ光の出力をオフとする。これにより、記録信号に応じたレーザ発光が実現される。
【0050】
ここで、上記のようにMOPA110においては、パルスレーザ光の繰り返し周波数がMLLD部7の外部共振器の光路長によって定まるものであり、例えば上記のような1GHz程度の繰り返し周波数が要求される場合には、MLLD部7のサイズは比較的大きなものとなる。
このため本実施の形態では、光学ピックアップOP1の大型化の防止を図るべく、MOPA110全体を光学ピックアップOP1に搭載するものとはせず、SOA部9のみを搭載するものとしている。
【0051】
後の図6にて説明するように、MLLD部7及びアイソレータ8は、光学ピックアップOP1の外部に配置される。
この場合、アイソレータ8からの出力光は、光ファイバ11によって光学ピックアップOP1内のSOA部9に伝送するものとしている。
【0052】
図4において、SOA部9から出射された記録用レーザ光は、コリメーションレンズ12を介して平行光となるようにされた後、ビームスプリッタ13に入射する。ビームスプリッタ13に入射した記録用レーザ光はその一部が当該ビームスプリッタを透過して、固定レンズ14、可動レンズ15、及びレンズ駆動部16から成るエキスパンダに入射する。このエキスパンダは、前述した記録光用フォーカス機構に相当するものである。
当該記録光用フォーカス機構は、図のように光源であるSOA部9に近い側に固定レンズ14が、またSOA部9から遠い側に可動レンズ15が配置され、レンズ駆動部16によって上記可動レンズ15が記録用レーザ光の光軸に平行な方向に駆動されるように構成されている。当該記録光用フォーカス機構により、記録用レーザ光について独立したフォーカス制御を行うことが可能とされる。
後述するように、レンズ駆動部16は、図6に示すコントローラ43によって、対象とする情報記録層位置Lに対応して設定されたオフセット値of-Lに応じて駆動される。
【0053】
上記記録光用フォーカス機構を形成する固定レンズ14及び可動レンズ15を介した記録用レーザ光は、図のようにミラー17にて反射された後、1/4波長板18を介してダイクロイックプリズム19に入射する。
ダイクロイックプリズム19は、その選択反射面が、記録用レーザ光と同波長帯の光は反射し、それ以外の波長による光は透過するように構成されている。従って上記のようにして入射した記録用レーザ光は、ダイクロイックプリズム19にて反射される。
【0054】
ダイクロイックプリズム19で反射された記録用レーザ光は、図示するように対物レンズ20を介してバルク型記録媒体1に対して照射される。
対物レンズ20に対しては、当該対物レンズ20をフォーカス方向(バルク型記録媒体1に対して接離する方向)、及びトラッキング方向(上記フォーカス方向に直交する方向:バルク型記録媒体1の半径方向)に変位可能に保持する2軸アクチュエータ21が設けられる。
2軸アクチュエータ21には、フォーカスコイル、トラッキングコイルが備えられ、それぞれに駆動信号(後述する駆動信号FD、TD)が与えられることで、対物レンズ20をフォーカス方向、トラッキング方向にそれぞれ変位させる。
【0055】
また、光学ピックアップOP1内には、サーボ・再生用レーザ光の光源であるサーボ・再生用レーザ22が設けられる。
このサーボ・再生用レーザ22は、サーボ・再生用レーザ光として、記録用レーザ光と同波長によるレーザ光を発光するように構成されている。
【0056】
サーボ・再生用レーザ22より出射されたサーボ・再生用レーザ光は、コリメーションレンズ23を介して平行光となるようにされた後、偏光ビームスプリッタ24に入射する。偏光ビームスプリッタ24は、このようにサーボ・再生用レーザ22側より入射したサーボ・再生用レーザ光を反射するように構成されている。
【0057】
偏光ビームスプリッタ24にて反射されたサーボ・再生用レーザ光は、ビームスプリッタ13に入射し、その一部が反射されて前述した記録光用フォーカス機構に導かれる。
記録光用フォーカス機構(固定レンズ14→可動レンズ15)を介したサーボ・再生用レーザ光は、図のようにミラー17にて反射された後、1/4波長板18を介してダイクロイックプリズム19に入射する。
上述のようにサーボ・再生用レーザ光は記録用レーザ光と同波長とされるので、サーボ・再生用レーザ光はダイクロイックプリズム19にて反射され、対物レンズ20を介してバルク型記録媒体1に対して照射される。
【0058】
このようにバルク型記録媒体1に対してサーボ・再生用レーザ光が照射されることに応じては、バルク型記録媒体1(バルク層3内の既記録マーク列)よりその反射光(戻り光)が得られる。このように得られたサーボ・再生用レーザ光の反射光は、対物レンズ20を介してダイクロイックプリズム19に導かれ、当該ダイクロイックプリズム19にて反射される。
ダイクロイックプリズム19で反射されたサーボ・再生用レーザ光の反射光は、1/4波長板18→ミラー17→記録光用フォーカス機構(可動レンズ15→固定レンズ14)を介した後、ビームスプリッタ13でその一部が反射され、偏光ビームスプリッタ24に入射する。
【0059】
ここで、このように偏光ビームスプリッタ24に入射するサーボ・再生用レーザ光の反射光(復路光)は、1/4波長板18による作用とバルク型記録媒体1での反射時の作用とにより、サーボ・再生用レーザ22側から偏光ビームスプリッタ24に入射した往路光とはその偏光方向が90度異なるようにされる。この結果、上記のように入射したサーボ・再生用レーザ光の反射光は、偏光ビームスプリッタ24を透過する。
【0060】
偏光ビームスプリッタ24を透過したサーボ・再生用レーザ光の反射光は、集光レンズ25を介してサーボ・再生用受光部26の受光面上に集光する。サーボ・再生用受光部26がサーボ・再生用レーザ光の反射光を受光して得られる受光信号については、図のように受光信号DT-spと表記する。
【0061】
また、光学ピックアップOP内には、基準面サーボ用レーザ光についての光学系も設けられる。具体的には、基準面サーボ用レーザ27、コリメーションレンズ28、偏光ビームスプリッタ29、1/4波長板30、集光レンズ31、及び基準面用受光部32である。
【0062】
基準面サーボ用レーザ27より出射された基準面サーボ用レーザ光は、コリメーションレンズ28を介して平行光となるようにされた後、偏光ビームスプリッタ29に入射する。偏光ビームスプリッタ29は、このように基準面サーボ用レーザ27側から入射した基準面サーボ用レーザ光(往路光)は透過するように構成される。
【0063】
偏光ビームスプリッタ29を透過した基準面サーボ用レーザ光は、1/4波長板30を介してダイクロイックプリズム19に入射する。
先に述べたように、ダイクロイックプリズム19は記録用レーザ光と同波長帯の光は反射しそれ以外の波長による光は透過するように構成されているため、上記基準面サーボ用レーザ光はダイクロイックプリズム19を透過し、対物レンズ20を介してバルク型記録媒体1に照射される。
【0064】
また、このようにバルク型記録媒体1にサーボ用レーザ光が照射されたことに応じて得られる当該基準面サーボ用レーザ光の反射光(基準面Refからの反射光)は、対物レンズ20を介した後ダイクロイックプリズム19を透過し、1/4波長板30を介して偏光ビームスプリッタ29に入射する。
先のサーボ・再生用レーザ光の場合と同様に、このようにバルク型記録媒体1側から入射した基準面サーボ用レーザ光の反射光(復路光)は、1/4波長板30の作用とバルク型記録媒体1での反射時の作用とにより、往路光とはその偏光方向が90度異なるものとされ、従って復路光としての基準面サーボ用レーザ光の反射光は偏光ビームスプリッタ29にて反射される。
【0065】
偏光ビームスプリッタ29にて反射された基準面サーボ用レーザ光の反射光は、集光レンズ31を介して基準面用受光部32の受光面上に集光する。基準面用受光部32が基準面サーボ用レーザ光の反射光を受光して得られる受光信号については、図のように受光信号DT-refと表記する。
【0066】
なお、図示による説明は省略するが、実際において記録再生装置10には、上記により説明した光学ピックアップOP1全体をトラッキング方向にスライド駆動するスライド駆動部が設けられ、当該スライド駆動部による光学ピックアップOP1の駆動により、レーザ光の照射位置を広範囲に変位させることができるようにされている。
当該スライド駆動部の制御は、後述するサーボ回路39(再生時)や基準面用サーボ回路42(記録時)により行われる。
【0067】
[2-2.記録装置の全体的な内部構成]

図6は、記録再生装置10の全体的な内部構成を示している。
なお図6において、光学ピックアップOP1の内部構成については、先の図4に示した構成のうちSOA部9、レンズ駆動部16、2軸アクチュエータ21、及びサーボ・再生用レーザ22のみを抽出して示している。
【0068】
先ず、記録再生装置10において、光学ピックアップOP1の外部には、バルク層3を対象とした記録や、記録マークの再生時における対物レンズ20のフォーカス/トラッキング制御(つまりサーボ・再生用レーザ光の反射光に基づく位置制御)を行うための構成として、図中のMLLD部7、アイソレータ8、記録処理部35、変換テーブル35A、レーザ駆動部36、サーボ・再生用マトリクス回路37、再生処理部38、及びサーボ回路39が設けられている。
【0069】
レーザ駆動部36は、後述するコントローラ43からの指示に基づき、MLLD部7に駆動信号D-mlを与えてMLLD部7(レーザ部7A)を発光させる。
この場合、MLLD部7より出射されたパルスレーザ光は、アイソレータ8→光ファイバ11を介して、SOA部9に入射される。
またレーザ駆動部36は、コントローラ43からの指示に応じて、駆動信号D-spによりサーボ・再生用レーザ22を発光駆動する。
【0070】
記録処理部35には、バルク型記録媒体1に対して記録すべきデータ(記録データ)が入力される。記録処理部35は、入力された記録データに対してエラー訂正符号の付加や所定の記録変調符号化を施すなどして、バルク型記録媒体1に実際に記録される例えば「0」「1」の2値データ列である記録変調データ列を得る。ここで、当該記録変調データ列は、符号長により情報を表現する「符号長信号」となる。
【0071】
なお、本実施の形態の記録処理部35は、変換テーブル35Aの内容に基づき、上記記録変調データ列(符号長信号)から、合波再生の実現のために記録されるべき第1信号と第2信号としての記録信号を生成するものとなるが、この点については後に改めて説明する。
【0072】
記録処理部35は、上記記録変調データ列から生成した記録信号に基づく駆動信号D-soaにより、SOA部9におけるSOA9Bの増幅変調動作を制御する。
【0073】
サーボ・再生用マトリクス回路37は、図4に示したサーボ・再生用受光部26としての複数の受光素子からの受光信号DT-sp(出力電流)に対応して電流電圧変換回路、マトリクス演算/増幅回路等を備え、マトリクス演算処理により必要な信号を生成する。
具体的には、バルク層3に記録された信号の再生信号に相当する高周波信号(以降、再生信号RFと称する)、フォーカスサーボ制御のためのフォーカスエラー信号FE-sp、トラッキングサーボ制御のためのトラッキングエラー信号TE-spを生成する。
【0074】
サーボ・再生用マトリクス回路37にて生成された再生信号RFは、再生処理部38に供給される。
また、フォーカスエラー信号FE-sp、上記トラッキングエラー信号TE-spは、サーボ回路39に対して供給される。
【0075】
再生処理部38は、再生信号RFについて、記録変調符号の復号化やエラー訂正処理など上述した記録データを復元するための再生処理を行い、上記記録データを再生した再生データを得る。
【0076】
また、サーボ回路39は、サーボ・再生用マトリクス回路37から供給されるフォーカスエラー信号FE-sp、トラッキングエラー信号TE-spからフォーカスサーボ信号、トラッキングサーボ信号をそれぞれ生成し、これらフォーカスサーボ信号、トラッキングサーボ信号に基づき、2軸アクチュエータ21のフォーカスコイル、トラッキングコイルをそれぞれ駆動するためのフォーカス駆動信号FD-sp、トラッキング駆動信号TD-spを生成する。
図のようにフォーカス駆動信号FD-spはスイッチSW1に供給され、トラッキング駆動信号TD-spはスイッチSW2に供給される。
スイッチSW1、スイッチSW2がそれぞれフォーカス駆動信号FD-sp、トラッキング駆動信号TD-spを選択することで、2軸アクチュエータ21のフォーカスコイル、トラッキングコイルがこれらフォーカス駆動信号FD-sp、トラッキング駆動信号TD-spに基づき駆動される。これにより、サーボ・再生用レーザ光についてのフォーカスサーボ制御、トラッキングサーボ制御が実現される。
なお、先の説明からも理解されるように、このようなサーボ・再生用レーザ光の反射光に基づく2軸アクチュエータ21(対物レンズ20)のサーボ制御は、再生時に対応して行われるものである。
【0077】
また、サーボ回路39は、再生時に対応してコントローラ43から為される指示に応じて、トラッキングサーボループをオフとして上記トラッキングコイルにジャンプパルスを与えることでトラックジャンプ動作を実現したり、トラッキングサーボの引き込み制御等も行う。また、再生時におけるフォーカスサーボの引き込み制御や、コントローラ43からの指示に応じたフォーカスバイアスの加算も行う。
【0078】
また、記録再生装置10においては、基準面サーボ用レーザ光の反射光についての信号処理系として、基準面用マトリクス回路40、位置情報検出部41、基準面用サーボ回路42が設けられる。
【0079】
基準面用マトリクス回路40は、図4に示した基準面サーボ光用受光部32における複数の受光素子からの受光信号DT-sv(出力電流)に対応して電流電圧変換回路、マトリクス演算/増幅回路等を備え、マトリクス演算処理により必要な信号を生成する。
具体的に基準面用マトリクス回路40は、フォーカスサーボ制御のためのフォーカスエラー信号FE-sv、及びトラッキングサーボ制御のためのトラッキングエラー信号TE-svを生成する。
また、基準面Refにおいて記録された絶対位置情報の検出を行うための位置情報検出用信号Dpsを生成する。例えば絶対位置情報がピット列により記録される場合、位置情報検出用信号Dpsとしては和信号を生成する。或いは、ウォブリンググルーブにより絶対位置情報が記録される場合には、位置情報検出用信号Dpsとしてはプッシュプル信号を生成する。
【0080】
位置情報検出用信号Dpsは、位置情報検出部41に供給される。位置情報検出部41は、位置情報検出用信号Dpsに基づき、基準面Refに記録された絶対位置情報を検出する。検出された絶対位置情報はコントローラ43に対して供給される。
【0081】
基準面用サーボ回路42には、基準面用マトリクス回路40にて生成されたフォーカスエラー信号FE-sv、トラッキングエラー信号TE-svが供給される。
基準面用サーボ回路42は、これらフォーカスエラー信号FE-sv、トラッキングエラー信号TE-svからフォーカスサーボ信号、トラッキングサーボ信号をそれぞれ生成し、これらフォーカスサーボ信号、トラッキングサーボ信号に基づき、2軸アクチュエータ21のフォーカスコイル、トラッキングコイルをそれぞれ駆動するためのフォーカス駆動信号TD-sp、トラッキング駆動信号TD-svを生成する。
フォーカス駆動信号FD-svはスイッチSW1に供給され、トラッキング駆動信号TD-svはスイッチSW2に供給される。スイッチSW1、スイッチSW2がそれぞれフォーカス駆動信号FD-sv、トラッキング駆動信号TD-svを選択することで、2軸アクチュエータ21のフォーカスコイル、トラッキングコイルがこれらフォーカス駆動信号FD-sv、トラッキング駆動信号TD-svに基づき駆動され、これにより、基準面サーボが実現される。
なお、先の説明からも理解されるように、このような基準面サーボは記録時に対応して行われるものである。
【0082】
また、基準面用サーボ回路42は、記録時(記録のためのシーク時も含む)に対応してコントローラ43から為される指示に応じて、トラッキングサーボループをオフとして2軸アクチュエータ21のトラッキングコイルにジャンプパルスを与えることでトラックジャンプ動作を実現したり、基準面Refに対するフォーカスサーボの引き込み制御等も行う。
【0083】
コントローラ43は、例えばCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などのメモリ(記憶装置)を備えたマイクロコンピュータで構成され、例えば上記ROM等に記憶されたプログラムに従った処理を実行することで、記録再生装置10の全体制御を行う。
例えばコントローラ43は、前述したように予め各情報記録層位置Lに対応して設定されたオフセット値of-Lに基づいて、記録用レーザ光の合焦位置の制御(設定)を行う。具体的には、記録対象とする情報記録層位置Lに対応して設定されたオフセット値of-Lの値に基づき、光学ピックアップOP1内のレンズ駆動部16を駆動することで、深さ方向における記録位置の選択を行う。
【0084】
また、コントローラ43は、先に説明したような記録/再生時の対物レンズ20のサーボ制御切り替えを実現するための制御も行う。具体的にコントローラ43は、記録時には、基準面用サーボ回路42に対してフォーカス駆動信号FD-sv、トラッキング駆動信号TD-svの出力を指示し、且つスイッチSW1、スイッチSW2にそれぞれフォーカス駆動信号FD-sp、トラッキング駆動信号TD-spの選択を指示する。
また記録時においてコントローラ43は、レーザ駆動部36に対する指示を行ってMLLD部7を発光させると共に、記録処理部35に対する指示を行って記録データに基づくマーク記録を実行させる。
【0085】
一方、再生時には、サーボ回路39に対してフォーカス駆動信号FD-sp、トラッキング駆動信号TD-spの出力を指示し、且つスイッチSW1、スイッチSW2にそれぞれフォーカス駆動信号FD-sp、トラッキング駆動信号TD-spの選択を指示する。
また再生時には、レーザ駆動部36に指示を行って、サーボ・再生用レーザ22を発光駆動させる。
【0086】
またコントローラ43は、基準面用サーボ回路42に対するシーク動作制御も行う。すなわち、基準面サーボ用レーザ光のスポット位置を基準面Ref上における所定の目標アドレスに移動させるように基準面用サーボ回路42に対する指示を行う。
【0087】
<3.合波再生を可能とするための記録手法>
[3-1.合波再生について]

ここで、前述したように空包マークを記録するボイド記録方式では、所定長のマークを形成しようとしたときのエッジ位置の制御が非常に困難であり、マークエッジ記録を採用することが困難とされる。
また、ボイド記録方式では、空包マークの表面が反射面として機能するため、仮にマークエッジ記録を行った場合には、奥側の層位置に届く光量が大きく低下する傾向となってしまい、結果、記録を行う層位置の数を増やして大記録容量化を図ることが困難となってしまう。
この点においても、ボイド記録方式ではマークエッジ記録の実現が困難とされている。
【0088】
これらの困難性から、現状のボイド記録方式では、マークポジション記録を採用するものとされている。
【0089】
しかしながら、マークポジション記録はマークエッジ記録と比較して情報の記録密度(記録面内方向における記録密度)の向上を図る上で不利であり、結果、大記録容量化を図ることが非常に困難となる。
【0090】
そこで本実施の形態では、マークエッジ記録のような記録面内方向での情報記録密度の向上(大記録容量化)を図ると共に、深さ方向において記録層位置の数を増やすことによる大記録容量化も図られるようにすることをその課題とする。
【0091】
ここで、当該課題の解決にあたっては、合波再生の手法を採ることが考えられる。
図7は、合波再生として順当に考えられる手法についての説明図である。
図7Aは合波再生のために記録されたマーク列を、また図7Bは図7Aのマーク列についての再生信号をそれぞれ例示している。
【0092】
合波再生を行うにあたっては、図7Aのように、同一の層位置Lnに対して、各マークのエッジ間隔が合波再生可能な距離(以下、合波再生可能距離Darと表記)以内となるように、マーク記録を行うことが順当に考えられる。
【0093】
図7Bでは、図7Aに示すそれぞれの記録マーク単体の再生信号波形(それぞれ細実線と細破線)と、それらの合波成分(太実線)とを示している。なお確認のため述べておくと、層位置Lnを対象として再生を行った際、実際に得られる再生信号は上記合波成分の方となる。
このように、合波再生可能距離Dar以内のエッジ間隔で記録マークを形成することによっては、その再生信号として、各記録マーク単体よりも長いマーク長を表現する再生信号を得ることができる。すなわち、個々のマークはマークポジション記録されたものであっても、その再生信号としてはあたかもマークエッジ記録を行った場合のような信号を得ることができる。
【0094】
なお、合波再生と言うためには、隣接関係にある各マークの再生信号成分の谷間部分(図中X)のレベルが、少なくともGNDレベル(例えば0レベル)にまで落ち込まないことを要する。
【0095】
しかしながら、実際において、図7のような同一の層位置Lnに各マークを形成する手法を採った場合には、合波再生可能距離Dar以内にマークを記録しようとしたときに、隣接マーク同士が融合(くっつき)してしまう場合があり、安定的な記録を実現することが困難であることが判明した。
【0096】
そこで本実施の形態では、合波再生させるべきマークを、第1の深さ位置と第2の深さ位置とにそれぞれ分けて記録するという手法を提案する。
図8は、図7で説明した順当に考えられる手法(図8A)と本実施の形態の手法(図8B)とを対比して示している。
なお、第1の深さ位置は、第1情報記録層位置L1〜第5情報記録層位置L5のうちの何れかと一致する位置となる。このため以下の説明において、第1の深さ位置については「第1の深さ位置Ln」とも表記する。
【0097】
図8Bに示されるように、本実施の形態では、合波再生させるべきマークを、第1の層位置Lnと、これよりも下層側に位置する第2の層位置Ln’とに分けてそれぞれ記録するものである。
【0098】
この図8Bと図8Aとを対比して分かるように、本実施の形態の手法によれば、記録面内方向における合波再生可能距離Darは維持したままで、合波再生されるべきマーク間の距離(図中の太線)は、図7で説明した手法よりも長くとることができる。つまりその分、隣接マーク間の融合の発生を抑制でき、安定した記録を実現することができる。
【0099】
図9は、具体的なマーク記録手法について説明するための図である。
図9において、先ず、前述のように第1の深さ位置Lnは、記録対象とする情報記録層位置Lnに一致するものである。従って当該第1の深さ位置Lnは、図のように基準面Refから第nオフセット値of-Ln(本例の場合nは1〜5の何れか)に応じた分だけオフセットした深さ位置と定義できる。
また、第2の深さ位置Ln’については、第1の深さ位置Lnから距離Dd分だけ下層側(奥側)にオフセットさせた位置となる。これは、基準面Refを基準とすれば、当該基準面Refから「第nオフセット値of_Ln−Dd」の値に応じた分だけオフセットした深さ位置と定義できる。
【0100】
ここで、合波再生を実現するにあたっては、記録面内方向における合波再生可能距離Darのみでなく、マーク間の深さ方向の距離Dd(マーク中心位置間の距離)も考慮すべきとなる。つまり換言すれば、当該距離Ddとしても、合波再生が可能な距離に設定すべきものである。
具体的に、距離Ddは、例えば対物レンズ20の焦点深度の3倍以下とすればよい。一例として、本例では、対物レンズ20の開口数NA=0.85程度、サーボ・再生用レーザ光(及び記録用レーザ光)の波長λ=400nm程度の条件の下で、距離Dd=200nm程度を設定するものとしている。
【0101】
また、面内方向の合波再生可能距離Darとしては、具体的には、上記のように対物レンズ20の開口数をNA、サーボ・再生用レーザ光の波長をλとしたとき、

λ/(2NA)≦Dar≦λ/NA

を満たすように設定すればよい。
【0102】
また、第2の深さ位置Ln’側に形成するマークサイズは、第1の深さ位置Ln側のマークサイズよりも大とする。これは、再生時においては第1の深さ位置Ln側を対象としてフォーカスサーボをかけるためである。
【0103】
ここで、第1の深さ位置Ln及び第2の深さ位置Ln’に共通する事項として、それぞれに形成されるマークのサイズは、サーボ・再生用レーザ光のスポットサイズ以下であることを前提とする。
【0104】
[3-2.記録手法の具体例]

図10は、各マーク長を実現するために記録されるべきマークの組み合わせの例を示した図である。
この図では、2T〜8Tの各マークごとのマークの組み合わせの例を示しており、具体的に、2T=0.15μm、3T=0.23μm、4T=0.30μm、5T=0.38μm、6T=0.45μm、7T=0.53μm、8T=0.60μmを前提としている。
【0105】
先ず、本例では、2T〜4Tのマークについては、第1の深さ位置Ln側に形成する1つのマークのサイズの差により表現するものとしている。
具体的に、2Tについては2T分のサイズによるマーク、3Tについては3T分のサイズによるマーク、4Tについては4T分のサイズによるマークをそれぞれ割り当てている。
【0106】
ここで、マークのサイズは、記録用レーザ光の照射時間とパワーとにより調整する。この図10では、元信号としての符号長信号における符号変化点(例えば符号”0”から”1”への変化点)を基準とした、記録パルスの出力位置(出力開始時点と出力期間の長さ)を太実線により表している。
2T〜4Tに関して、記録パルスの出力位置と記録パワーの情報は、実際に再生を行った際にそれぞれ2T、3T、4Tとしての再生信号波形が得られるように設定すればよい。
【0107】
このとき、マークサイズが大(つまり記録パワーが大)となることに応じては、マークのフロントエッジ位置がよりフロント側にせり出すことになる。すなわち、記録パワーを大とすると、記録パルスの出力開始時点からマークのフロントエッジ位置までの距離がより大となるものである。
そこで、2T〜4Tに関して、記録パルスの出力開始時点は、2T〜4Tとマークサイズが大となるごとに、リア側に徐々にシフトさせていく。
これにより、符号変化点を基準として各マークが適切にそのマーク長を表現するようにできる。
【0108】
一方、本例では、5T以上のマークについて、第1の深さ位置Lnのマークと第2の深さ位置Ln’のマークとの合波再生を適用する。
具体的に、5Tマークについては、図のように第1の深さ位置Lnに2Tマーク程度のサイズのマークを1つ、及び第2の深さ位置Ln’に3Tマーク程度のサイズのマークを1つ割り当てるものとしている。
また、6Tマークについては、図のように第1の深さ位置Lnに2Tマーク程度のサイズのマークを1つ、及び第2の深さ位置Ln’に4Tマーク程度のサイズのマークを1つ割り当てるものとしている。
また、7Tマークについては、第1の深さ位置Lnに2Tマーク程度のサイズのマークを2つ、及び第2の深さ位置Ln’に3Tマーク程度のサイズのマークを、記録面内方向において第1の深さ位置Lnのマークの間に配置させるように1つ割り当てるものとしている。
また、8Tマークについては、第1の深さ位置Lnに2Tマーク程度のサイズのマークを2つ、及び第2の深さ位置Ln’に4Tマーク程度のサイズのマークを、記録面内方向において第1の深さ位置Lnのマークの間に配置させるように1つ割り当てるものとしている。
【0109】
ここで、このように複数のマークによって任意のマーク長を表現する場合、記録面内方向にて最も先頭に位置するマークは、合波再生信号におけるフロントエッジ位置を決定づけるものとなり、逆に最も後方に位置するマークは合波再生信号におけるリアエッジ位置を決定づけるものとなる。
このとき、7T,8Tのように中間位置にマークが配置される場合、当該中間位置のマークは、両エッジへの寄与は少なく、主にレベル調整用として機能するものとなる。
【0110】
先に説明したように、合波再生を実現するためには、記録面内方向にて隣接関係にある各マークのエッジ間隔は、合波再生可能距離Dar以内に設定すべきものである。
従って、5T〜8Tマークについては、このような合波再生可能距離Dar以内という条件が満たされるようにしつつ、合波再生した際の波形としてそれぞれ対応するマーク長を表現する波形が得られるように、第1の深さ位置Lnのマークのサイズ及びその位置と、第2の深さ位置Ln’のマークのサイズとその位置とを定めることになる。
ここで、上記説明からも理解されるように、それぞれの深さ位置に形成するマークのサイズとその位置は、記録パルスの出力位置(出力開始時点と出力期間)と記録パワーとで定まるものである。
【0111】
本実施の形態では、符号長信号(マークエッジ記録信号)としての元信号から、第1の深さ位置Lnに記録すべき第1信号と、第2の深さ位置Ln’に記録すべき第2信号とを生成する。つまり、元のマークエッジ記録信号を、合波再生用の第1信号と第2信号とに変換するものである。
【0112】
図11は、マークエッジ記録信号としての符号長信号を、合波再生を可能とするための第1信号及び第2信号に変換する際に用いる変換テーブル35Aの構造例を示している。
なおこの図11において、「フロントエッジ位置」「リアエッジ位置」「パワー」は、それぞれ記録パルスのフロントエッジ位置、リアエッジ位置、パルス高さを表すものである。先の図10の説明からも理解されるように、記録パルスのフロントエッジ位置、リアエッジ位置は、符号長信号における符号変化点を基準した位置を表すものである。
また、第1パルスは1つ目のパルス、第2パルスは2つ目のパルスを表すものである。
【0113】
この図11に示されるように、変換テーブル35Aは、変換元となる符号長信号における各マーク長(2T〜8T)ごとに、第1信号の生成パラメータ、及び第2信号の生成パラメータを対応づけた情報となる。
具体的に、第1信号の生成パラメータとしては、第1パルスについてのフロントエッジ位置、リアエッジ位置、パワー、及び第2パルスについてのフロントエッジ位置、リアエッジ位置、パワーとなる。
また、第2信号の生成パラメータとしては、第1パルスについてのフロントエッジ位置、リアエッジ位置、パワーとなる。
先の図10より、本例の場合2T〜4Tは第1信号の第1パルスのみで構成されるので、これら2T〜4Tについて第1信号の第2パルスについての生成パラメータ、及び第2信号の生成パラメータは「なし」となる。
また、5T及び6Tについては、第1信号の第1パルス、及び第2信号の第1パルスのみで構成されるので、図のようにこれら5T,6Tについての第1信号の第2パルスについての生成パラメータは「なし」となる。
【0114】
ここで、先の図6に示した記録処理部35は、記録データから生成した符号長信号を、上記のようなデータ構造を有する変換テーブル35Aに基づいて第1信号と第2信号とに変換する。
【0115】
第1の実施の形態では、このように記録処理部35において得られる第1信号と第2信号を、いわゆる二度書きによりそれぞれの深さ位置に記録する。すなわち、第1の深さ位置Lnに対する第1信号の記録と、第2の深さ位置Ln’に対する第2信号の記録との何れか一方を先行して実行し、その後に、他方の記録を実行するものである。
【0116】
上記により説明したような第1の実施の形態としての記録手法によって、元の符号長信号(マークエッジ記録信号)と同等の再生信号が合波再生されるように、第1の深さ位置Lnと第2の深さ位置Ln’とにマーク記録を行うことができる。具体的には、各深さ位置に対する記録はマークポジション記録であるにも関わらず、合波再生により、マークエッジ記録を行った場合と同等の再生信号が得られるようにできるものである。
【0117】
マークエッジ記録を行った場合と同等の再生信号が得られるようにできることで、記録面内方向における情報記録密度の向上、ひいては面内記録容量の増大化を図ることができる。
【0118】
また、先の図7等の説明からも理解されるように、合波再生は、第1の深さ位置Lnのマークと第2の深さ位置Ln’のマークの組(つまり1つのマーク部分を形成するものとされるマークの組)の合成再生信号の谷間部分Xの振幅レベルが一定レベル以上あれば実現されるので、第1の深さ位置Lnのマークと第2の深さ位置Ln’のマークとの面内方向における間隔は或る程度空けるようにすることができる。このように面内方向におけるマークの間隔を空けることが可能であるため、連続的なマークが形成されるマークエッジ記録と比較して、レーザ光が深さ方向に進行する際の反射ロスを抑えることができ、その分、記録層の奥側に対して届く光量を大きくできる。
この結果、記録面の数を増やして深さ方向の記録密度の向上を図ることができ、この点による大記録容量化も図られる。
【0119】
このように本実施の形態の記録手法によれば、空包マークを記録するボイド記録方式において、マークエッジ記録のような記録面内方向での情報記録密度の向上(大記録容量化)を図ると共に、深さ方向において記録面(記録層位置)の数を増やすことによる大記録容量化も図られるようにできる。
【0120】
[3-3.再生手法について]

ここで、本実施の形態の場合、第1の深さ位置Lnに記録された第1信号と第2の深さ位置Ln’に記録された第2信号との合波再生は、第1の深さ位置Ln側を対象としてフォーカスサーボをかけて行うことを前提としている。
具体的に、合波再生を行うとしたときには、サーボ・再生用レーザ光によるフォーカスサーチを行って、再生対象とする情報記録層位置Lnとしての第1の深さ位置Lnにフォーカスサーボの引き込みを行う。
【0121】
このとき、フォーカスバイアスの調整により、合波再生信号(再生信号RF)の振幅を調整するものとしてもよい。
具体的な振幅調整手法としては、例えば谷間部分Xの振幅レベルを適切な範囲に収める等の手法を挙げることができる。
【0122】
[3-4.処理手順]

図12は、第1の実施の形態としての記録手法を実現するために実行されるべき具体的な処理の手順を示したフローチャートである。
なお、この図12に示す処理は、図6に示したコントローラ43が自ら備えるROM等に格納されたプログラムに基づき実行するものである。
【0123】
先ず、ステップS101では、第n情報記録層位置Lnの記録を開始すべき状態となるまで待機する。つまり本例の場合は、第1情報記録層位置L1〜第5情報記録層位置L5の何れかの情報記録層位置Lに対する記録を開始すべき状態となるまで待機するものである。
【0124】
第n情報記録層位置Lnに対する記録を開始すべき状態となったことに応じては、ステップS102において、記録開始アドレスにシークするための処理を行う。すなわち、基準面サーボ回路42に記録開始アドレスを指示して、当該アドレスへのシーク動作を実行させる。
このシーク動作により、基準面Refを対象とした対物レンズ20のフォーカスサーボ制御・トラッキングサーボ制御が行われた状態となる。
【0125】
ステップS102のシーク処理後は、ステップS103において、オフセット値of_Lnを設定するための処理を実行する。すなわち、記録対象とされた第n情報記録層位置Lnに対応して設定された第nオフセット値of_Lnに基づき、レンズ駆動部16を駆動して、記録用レーザ光の合焦位置を第n情報記録層位置Ln(第1の深さ位置Ln)に一致させるものである。
【0126】
ステップS103の設定処理後は、ステップS104において、第1信号の記録開始指示を行う。すなわち、図6に示したレーザ駆動部36に対してMLLD部7の発光指示を、また記録処理部35に第1信号の生成及び当該第1信号に基づく駆動信号D-soaの出力を指示することで、第1の深さ位置Lnに対する第1信号の記録を開始させるものである。
【0127】
続くステップS105においては、第1信号の記録が終了するまで待機する。
そして、第1信号の記録が終了した場合は、ステップS106において、記録開始アドレスにシークするための処理を実行する。
【0128】
ステップS106のシーク処理後は、ステップS107において、オフセットof_Ln−Ddを設定するための処理を行う。すなわち、当該「オフセットof_Ln−Dd」による値に基づきレンズ駆動部16を駆動することで、記録用レーザ光の合焦位置を第2の深さ位置Ln’と一致させるものである。
【0129】
ステップS107の設定処理後は、ステップS108において、第2信号の記録開始指示を行う。すなわち、レーザ駆動部36にMLLD部7の発光指示を、また記録処理部35に第2信号の生成及び当該第2信号に基づく駆動信号D-soaの出力を指示することで、第2の深さ位置Lnに対する第2信号の記録を開始させるものである。
【0130】
続くステップS109においては、第2信号の記録が終了するまで待機する。そして、第2信号の記録が終了した場合は、この図に示す処理は終了となる。
【0131】
図13は、実施の形態としての再生手法を実現するための実行されるべき具体的な処理の手順を示したフローチャートである。
なお、この図13に示す処理としても、図6に示したコントローラ43が自ら備えるROM等に格納されたプログラムに基づき実行するものである。
【0132】
図13において、ステップS201では、第n情報記録層位置Lnの再生を開始すべき状態となるまで待機する。
そして、第n情報記録層位置Lnの再生を開始すべき状態となった場合は、ステップS202において、第n情報記録層位置LnにフォーカスONするための処理を実行する。すなわち、レーザ駆動部36に指示を行ってサーボ・再生用レーザ22を発光させると共に、サーボ回路39に対し、第n情報記録層位置Lnを対象としたフォーカスサーチを実行するように指示を行うことで、サーボ・再生用レーザ光を当該第n情報記録層位置LnにフォーカスONさせるものである。
【0133】
ステップS202のフォーカスON処理の実行後は、ステップS203において、FB調整処理を実行する。
このFB調整処理は、本例の場合、再生信号RFの谷間Xの振幅レベルが予め定められた所定の範囲内に収まるようにフォーカスバイアスを調整する処理となる。なお、フォーカスバイアスの設定は、サーボ回路39に対して行う。
【0134】
ステップS203のFB調整処理の実行後は、ステップS204において、再生を開始させるための処理を実行する。すなわち、サーボ回路38に対する指示を行って、所定の再生開始アドレスからの再生を開始させるものである。
なお、バルク層3に対する記録時には、記録信号中にアドレス情報を埋め込むようにされる。
再生時にはこのように記録信号中に挿入されたアドレス情報に基づき、所定位置にアクセスすることができる。
【0135】
<4.第2の実施の形態>

続いて、第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態は、記録用レーザ光をそれぞれ独立して照射可能に構成することで、第1の深さ位置Lnに対する第1信号の記録と、第2の深さ位置Ln’に対する第2信号の記録とが同時に行われるようにするものである。
【0136】
図14は、第2の実施の形態としての記録装置(記録再生装置50)が備える主に光学系の構成について説明するための図である。具体的には、記録再生装置50が備える光学ピックアップOP2の内部構成を主に示したものである。
なお以下の説明において、既に第1の実施の形態で説明済みとなった部分と同様となる部分については同一符号を付して説明を省略する。
【0137】
先の図4と比較して分かるように、第2の実施の形態の光学ピックアップOP2においては、SOA部9として、SOA部9-1とSOA部9-2の2つを設けている点が第1の実施の形態の場合とは異なる。
これは、第1信号に応じたレーザ光の変調と、第2信号に応じたレーザ光の変調を同時並行的に行うことが可能となるようにしたものである。
【0138】
ここで、以下、SOA部9-1より発せられる記録用レーザ光については第1の記録用レーザ光と、またSOA部9-2より発せられる記録用レーザ光については第2の記録用レーザ光と表記する。
これら第1の記録用レーザ光と第2の記録用レーザ光は、共通の光学系(コリメーションレンズ12〜対物レンズ20)を介してバルク型記録媒体1に照射される。
このとき、第1の記録用レーザ光は第1の深さ位置Lnに、第2の記録用レーザ光は第2の深さ位置Ln’にそれぞれ合焦させるために、これら第1の記録用レーザ光の合焦位置と第2の記録用レーザ光の合焦位置の深さ方向における間隔が距離Ddとなるように光学系を構成する。例えば本例では、SOA部9-1とSOA部9-2とが、レーザ光軸に平行な方向において距離Ddだけずれて配置されているものとする。
このような構成により、レンズ駆動部16が駆動されて第1の記録用レーザ光が第1の深さ位置Lnに合焦したとき、第2の記録用レーザ光が第2の深さ位置Ln’に合焦するようにできる。
【0139】
また、第1の記録用レーザ光のスポット位置と第2の記録用レーザ光のスポット位置は、面内方向において同位置に形成することは困難である。従って本例の場合、これら第1の記録用レーザ光のスポット位置と第2の記録用レーザ光のスポット位置は、線方向にずれた位置に配置するものとしている。
これらスポット位置の線方向におけるずれ量を、以下「DL」と表記する。
【0140】
図15は、第2の実施の形態の記録再生装置50の全体的な内部構成を示している。
なお図15では、光学ピックアップOP2の内部構成のうち、図14に示されるSOA部9-1、SOA部9-2、レンズ駆動部16、2軸アクチュエータ21、及びサーボ・再生用レーザ22のみを抽出して示している。
【0141】
第2の実施の形態の記録再生装置50は、第1の実施の形態の記録再生装置10(図6)との比較で、記録処理部35に代えて記録処理部52が、またコントローラ53に代えてコントローラ53が設けられた点が異なる。
またこの場合は、アイソレータ8からの出射光を分光する分光部51が追加されると共に、当該分光部51で分光されたレーザ光をそれぞれSOA部9-1、SOA部9-2に伝送するための光ファイバ11-1、光ファイバ11-2が設けられる。
【0142】
この場合の記録処理部52は、変換テーブル35Aを用いて生成した第1信号と第2信号とについて、第1信号に基づく駆動信号D-soa(駆動信号D-soa1とする)のSOA部9-1に対する供給と、第2信号に基づく駆動信号D-soa(駆動信号D-soa2とする)のSOA部9-2への供給とを同時に行うことが可能に構成される。
【0143】
コントローラ53は、記録処理部52に対する指示を行って、第1の深さ位置Lnに対する第1信号の記録と第2の深さ位置Ln’に対する第2信号の記録とが同時に実行されるようにする。
なお、このコントローラ53としても、記録時や再生時に対応したサーボ切替制御やレーザ駆動部36に対する指示によるレーザ光の発光制御等を行う点は第1の実施の形態の場合のコントローラ43と同様となる。
【0144】
ここで、先に述べたように、本例においては、第1の記録用レーザ光のスポット位置と第2の記録用レーザ光のスポット位置は線方向において距離DLだけ離間している。このため、記録処理部52は、第1信号(駆動信号D-soa1)を上記距離DLに応じた分だけ遅延させて出力する。このことで、第1信号と第2信号とを同期させて記録することができる。
【0145】
なお、このような第1信号と第2信号の同時記録の実現のためにコントローラ53が実行すべき具体的な処理手順としては、先の図12に示したステップS101〜S103の処理を実行した後、ステップS104において、第1信号と第2信号の同時記録を開始させるための指示を行うものとすればよい。具体的にこの場合のステップS104の処理としては、レーザ駆動部16にMLLD部7の発光を指示すると共に、記録処理部52に第1信号と第2信号の生成と、それらに基づく駆動信号D-soa1と駆動信号D-soa2との出力を開始させる指示を行う。
【0146】
確認のため述べておくと、再生手法については、第1の実施の形態の場合と同様となるので改めての説明は省略する。
【0147】
上記のような第2の実施の形態によれば、第1信号と第2信号の同時記録が可能とされることで、第1の実施の形態の場合との比較で記録時間の大幅な短縮化を図ることができる。
【0148】
<5.変形例>

以上、本技術の実施の形態について説明したが、本技術としてはこれまでで説明した具体例に限定されるべきものではない。
例えば、各マーク長と各深さ位置に記録するマークの組み合わせは図10示したものに限定されるべきものではなく、多様に考えられるものである。これらの関係は、合波再生によって所望のマーク長の再生信号が得られるように選定されたものであればよく、例示したものに限定されるべきものではない。
【0149】
また、これまでの説明では、再生時において、上層側の第1の深さ位置Lnを対象としてフォーカスサーボをかける場合を例示したが、フォーカスサーボをかける位置は、第1の深さ位置Lnに限定されるべきものではない。例えば、第1の深さ位置Lnと第2の深さ位置Ln’の中間位置などとすることもできる。その場合には、当該位置を対象としてフォーカスサーボをかけて再生することを前提として、マークサイズ等のパラメータを決定するものとすればよい。
【0150】
また、これまでの説明では、バルク層3に対する記録は、基準面Refに対して基準面サーボ用レーザ光の反射光に基づくトラッキングサーボをかけながら行うものとしたが、バルク層3への記録時におけるトラッキングサーボについては、ATS(隣接トラックサーボ)を利用して行うこともできる。
【0151】
また、これまでの説明では、オフセットof_Lは、基準面Refからのオフセットとする場合を例示したが、これは、基準面サーボ用レーザ光を基準面Refに合焦させるように対物レンズ20のフォーカスサーボ制御が行われ且つレンズ駆動部16により駆動される可動レンズ15がニュートラル位置にある状態(以下、単にニュートラル状態と表記)で、記録用レーザ光の合焦位置が基準面Refと同位置となることを前提としたものである。
オフセットof_Lの値については、上記ニュートラル状態での記録用レーザ光の合焦位置が何れの深さ位置となるかに応じて定めればよいものであって、基準面Refからのオフセットとすることに限定されるべきものではない。例えば、上記ニュートラル状態での記録用レーザ光の合焦位置がバルク層3の中間深さ位置(例えば第3情報記録層位置L3)に一致するように光学系を設計している場合には、オフセットof_Lは、当該中間の深さ位置を基準とした各情報記録層位置Lへのオフセットとすればよい。
【0152】
また、これまでの説明では、バルク型記録媒体1として基準面Refがバルク層3の下層側に設けられるタイプのものを例示したが、本技術は基準面Refがバルク層3の上層側に設けられるタイプの場合にも好適に適用できる。この場合、基準面Refを形成する反射膜としては基準面サーボ用レーザ光を選択反射する選択反射膜を設ける。
【0153】
またこれまでの説明では、本技術の記録装置が光記録媒体に対する記録と再生の双方を行う記録再生装置に適用される場合を例示したが、本技術は光記録媒体(記録層)に対する記録のみが可能とされた記録専用装置(記録装置)にも好適に適用できる。
【0154】
また、本技術は以下に示す構成とすることも可能である。
(1)
バルク状の記録層における深さ方向の複数位置にマーク記録が行われるバルク型光記録媒体について、上記記録層のそれぞれ異なる深さ位置にレーザ光を選択的に集光して空包によるマーク記録を行う記録部と、
それぞれの深さ方向及び面内方向のマーク間隔が合波再生が可能な間隔となるように、上記記録層における第1の深さ位置と第2の深さ位置に対して空包マークが記録されるように上記記録部を制御する制御部と
を備える記録装置。
(2)
上記記録部は、
その最大サイズが上記レーザ光のスポットサイズ以下となる上記空包マークを記録する
上記(1)に記載の記録装置。
(3)
上記第1の深さ位置と上記第2の深さ位置との間隔が、上記レーザ光の焦点深度の3倍以下の間隔とされる
上記(2)に記載の記録装置。
(4)
上記レーザ光の波長をλ、上記レーザ光を集光するために上記記録部が有する対物レンズの開口数をNAとしたとき、
上記合波再生が可能な上記面内方向の間隔として、λ/(2NA)以上λ/NA以下の間隔が設定されている
上記(2)〜(3)に記載の記録装置。
(5)
上記第1の深さ位置に記録されるべき信号を第1の記録信号、上記第2の深さ位置に記録されるべき信号を第2の記録信号としたとき、符号長により情報を表現する符号長信号に基づいて、その合波再生により上記符号長信号を再生させることのできる上記第1の記録信号と上記第2の記録信号とを生成する信号生成部をさらに備え、
上記制御部は、
上記記録部に、上記第1の深さ位置に対する上記第1の記録信号の記録、又は上記第2の深さ位置に対する上記第2の記録信号の記録の何れか一方を実行させた後に、他方の記録を実行させる
上記(2)〜(4)に記載の記録装置。
(6)
上記第1の深さ位置に記録されるべき信号を第1の記録信号、上記第2の深さ位置に記録されるべき信号を第2の記録信号としたとき、符号長により情報を表現する符号長信号に基づいて、その合波再生により上記符号長信号を再生させることのできる上記第1の記録信号と上記第2の記録信号とを生成する信号生成部をさらに備え、
上記記録部が、
上記第1の深さ位置と上記第2の深さ位置とに同時にレーザ光を照射可能に構成されていると共に、
上記制御部は、
上記記録部に、上記第1の深さ位置に対する上記第1の記録信号の記録と上記第2の深さ位置に対する上記第2の記録信号の記録とを同時に実行させる
上記(2)〜(4)に記載の記録装置。
【符号の説明】
【0155】
1 バルク型記録媒体、2 カバー層、3 バルク層、4 接着層(中間層)、5 反射膜、Ref 基準面、6 基板、L 情報記録層位置(第1の深さ位置)、7 MLLD部、8 アイソレータ、9,9-1,9-2 SOA部、10,50 記録再生装置、11,11-1,11-2 光ファイバ、12,23,28 コリメーションレンズ、13 ビームスプリッタ、14 固定レンズ、15 可動レンズ、16 レンズ駆動部、17 ミラー、18,30 1/4波長板、19 ダイクロイックプリズム、20 対物レンズ、21 2軸アクチュエータ、22 サーボ・再生用レーザ、24,29 偏光ビームスプリッタ、25,31 集光レンズ、26 サーボ・再生用受光部、27 基準面サーボ用レーザ、32 基準面用受光部、35,52 記録処理部、35A 変換テーブル、36 レーザ駆動部、37 サーボ・再生用マトリクス回路、38 再生処理部、39 サーボ回路、40 基準面用マトリクス回路、41 位置情報検出部、42 基準面用サーボ回路、43,53 コントローラ、51 分光部、SW1,SW2 スイッチ、OP1,OP2 光学ピックアップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルク状の記録層における深さ方向の複数位置にマーク記録が行われるバルク型光記録媒体について、上記記録層のそれぞれ異なる深さ位置にレーザ光を選択的に集光して空包によるマーク記録を行う記録部と、
それぞれの深さ方向及び面内方向のマーク間隔が合波再生が可能な間隔となるように、上記記録層における第1の深さ位置と第2の深さ位置に対して空包マークが記録されるように上記記録部を制御する制御部と
を備える記録装置。
【請求項2】
上記記録部は、
その最大サイズが上記レーザ光のスポットサイズ以下となる上記空包マークを記録する
請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
上記第1の深さ位置と上記第2の深さ位置との間隔が、上記レーザ光の焦点深度の3倍以下の間隔とされる
請求項2に記載の記録装置。
【請求項4】
上記レーザ光の波長をλ、上記レーザ光を集光するために上記記録部が有する対物レンズの開口数をNAとしたとき、
上記合波再生が可能な上記面内方向の間隔として、λ/(2NA)以上λ/NA以下の間隔が設定されている
請求項3に記載の記録装置。
【請求項5】
上記第1の深さ位置に記録されるべき信号を第1の記録信号、上記第2の深さ位置に記録されるべき信号を第2の記録信号としたとき、符号長により情報を表現する符号長信号に基づいて、その合波再生により上記符号長信号を再生させることのできる上記第1の記録信号と上記第2の記録信号とを生成する信号生成部をさらに備え、
上記制御部は、
上記記録部に、上記第1の深さ位置に対する上記第1の記録信号の記録、又は上記第2の深さ位置に対する上記第2の記録信号の記録の何れか一方を実行させた後に、他方の記録を実行させる
請求項1に記載の記録装置。
【請求項6】
上記第1の深さ位置に記録されるべき信号を第1の記録信号、上記第2の深さ位置に記録されるべき信号を第2の記録信号としたとき、符号長により情報を表現する符号長信号に基づいて、その合波再生により上記符号長信号を再生させることのできる上記第1の記録信号と上記第2の記録信号とを生成する信号生成部をさらに備え、
上記記録部が、
上記第1の深さ位置と上記第2の深さ位置とに同時にレーザ光を照射可能に構成されていると共に、
上記制御部は、
上記記録部に、上記第1の深さ位置に対する上記第1の記録信号の記録と上記第2の深さ位置に対する上記第2の記録信号の記録とを同時に実行させる
請求項1に記載の記録装置。
【請求項7】
バルク状の記録層における深さ方向の複数位置にマーク記録が行われるバルク型光記録媒体についての記録方法であって、
それぞれの深さ方向及び面内方向のマーク間隔が合波再生が可能な間隔となるように、上記記録層における第1の深さ位置と第2の深さ位置に対して空包マークを記録する
記録方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−20659(P2013−20659A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−150589(P2011−150589)
【出願日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】