説明

記録装置、記録装置におけるダビング中断方法、および記録装置におけるダビング再開方法

【課題】ダビング中断時の動作の自由度を高める。
【解決手段】制御部101は、ダビング時にユーザからダビング中断の要求があるとき、ダビングを中断すると共に、ダビング先メディアにダビング再開情報を記録する。制御部101は、リムーバブルメディアとしてのDVD111またはメモリカード112が装填されるとき、ダビング再開情報が記録されているか判定し、記録されている場合には、そのダビング再開情報に基づいて、ダビングを再開する。ダビング途中のダビング先メディアを取り出しても支障がなく、ダビング先メディアを取り出した後、別の記録メディアを装填し、撮影に係るコンテンツの記録を行うことができ、あるいは新たなダビングを行うことができる。ダビングを中断し、取り出したリムーバブルメディアが複数存在する場合、ダビングの開始の順番とダビング再開の順番が入れ替わってもダビングできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、複数種類の記録メディアを扱うビデオカメラ、レコーダ等に適用して好適な記録装置、記録装置におけるダビング中断方法、および記録装置におけるダビング再開方法に関する。詳しくは、ダビングを中断する際にダビング先メディアにダビング再開情報を記録しておくことにより、ダビング中断時の動作の自由度を高めるようにした記録装置等に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、1台のビデオカメラ、あるいは1台のレコーダが記録媒体として用いるのは1種類に限られていた。しかし、近年、これらの電子機器が複数種類の記録メディアを扱うようになり、異なる記録メディア間でコンテンツをダビングする必要性が高まっている。
【0003】
ダビングの開始から完了までにはそれなりの時間が必要となる。そのため、ダビング処理を中断できないときには、一旦ダビングを開始すると、一定時間、撮影や録画が行えなくなるという問題が発生する。この問題を解決するために、例えば、特許文献1には、ダビング中に録画予約開始時間が近づいたときにはダビングを一時中断し、録画が完了した後にダビングを再開することが記載されている。
【特許文献1】特表2006−526242号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載される技術では、ダビングを再開するために必要とするダビング再開情報がセット側に記録されることから、以下のような問題がある。
【0005】
(1)ダビング再開時に、ダビングを再開しようとする記録メディアとは別の記録メディアに先にダビングしたいコンテンツがあるにも関わらず、中断中のダビングを先に再開して完了しなければならない。
【0006】
(2)ダビング先メディアがリムーバブルメディアである場合、ダビングを中断し、ダビング中の記録メディアを取り出して、別の記録メディアに、ダビングではない通常の記録(例えば、テレビ放送、あるいは撮影に係るコンテンツの記録)を行うことができない。
【0007】
この発明の目的は、ダビング中断時の動作の自由度を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の概念は、
コンテンツを、ダビング元メディアから読み出し、ダビング先メディアに記録するダビング処理を行うダビング処理部と、
上記ダビング処理部におけるダビング処理が中断されるとき、上記ダビング先メディアにダビング処理を再開するために必要とするダビング再開情報を記録するダビング再開情報記録部と、
上記ダビング処理部でダビングを再開する際に、上記ダビング先メディアから上記ダビング再開情報を読み出すダビング再開情報読み出し部と
を備えることを特徴とする記録装置にある。
【0009】
この発明においては、ダビング処理時には、ダビング元メディアからコンテンツ(画像データ、音声データ、テキストデータ等)が読み出され、当該読み出されたコンテンツはダビング先メディアに記録される。例えば、ダビング元メディアはHD(Hard Disk)であり、ダビング先メディアはDVD(Digital VersatileDisc)等の光ディスク、あるいはメモリカードである。
【0010】
このダビング処理が中断されるとき、ダビング先メディアにダビング処理を再開するために必要とするダビング再開情報が記録される。ダビング処理の中断は、ダビング中断の指示に基づいて、行われる。ダビング中断の指示は、例えば、ビデオカメラの場合、ユーザ操作により発生される。また、例えば、レコーダの場合、ユーザ操作により発生される他、予約録画の開始時刻が近づいたとき、システム内で自動的に発生される。また、例えば、監視カメラ(防犯カメラ)の場合、ユーザ操作により発生される他、センサー出力、あるいは画像内容に基づいて、システム内で自動的に発生される。
【0011】
また、ダビング再開時には、ダビング先メディアからダビング再開情報が読み出され、このダビング再開情報に基づいて、当該ダビング先メディアに対するダビング処理が再開される。例えば、ダビング再開情報が記録されたリムーバブルメディアが装填されるとき、当該リムーバブルメディアからダビング再開情報が読み出されて、ダビング処理が再開される。
【0012】
このように、この発明においては、ダビングを中断する際にダビング先メディアにダビング再開情報を記録しておくため、ダビング中断時の動作の自由度を高めることが可能となる。例えば、ダビング先メディアがリムーバブルメディアである場合、ダビングを中断した後、ダビング先メディアを取り出し、別の記録メディアを装填し、ダビングではない通常の記録(例えば、テレビ放送、あるいは撮影に係るコンテンツの記録)を行うことができる。また、ダビング先メディアがリムーバブルメディアである場合、ダビングを中断した後、ダビング先メディアを取り出し、別の記録メディアを装填し、新たなダビングを行うことができる。
【0013】
なお、このように、ダビング先メディアがリムーバブルメディアであって、ダビングを中断した後にダビング先メディアを取り出したとしても、再装填されることで、上述したように当該リムーバブルメディアからダビング再開情報が読み出され、このダビング再開情報に基づいてダビング処理を再開できる。この場合、ダビングを中断して取り出したリムーバブルメディアが複数存在する場合、ダビングの開始の順番とダビング再開の順番が入れ替わってもダビングできる。
【0014】
また、この発明において、例えば、入力コンテンツを記録先メディアに記録するコンテンツ記録部と、ダビング処理部におけるダビングが中断される場合、ダビング先メディアが記録先メディアと同一でリムーバブルメディアであるとき、記録先メディアの入れ替えが必須である場合には、記録先メディアの入れ替えを通知するユーザ通知部とをさらに備える、ようにされてもよい。
【0015】
例えば、記録先メディアがDVDであり、記録フォーマットがDVD Video Recording Formatである場合には記録メディアの入れ替えが必須となる。しかし、記録先メディアがメモリカードである場合、MPEG−2方式でエンコードされた動画データをファイルシステム上にファイルとして記録する記録フォーマット(以下、「Video File Format」と称する)が採用されていれば、記録メディアの入れ替えは不要となる。すなわち、DVDへはコンテンツがシーケンシャルに記録されていくので、別のコンテンツを途中で記録することができないが、メモリカードへのコンテンツの記録は物理的位置に制約されないので、別のコンテンツを割り込んで記録できる。ここで、Video File Formatは、例えばDCF(Design rule forCamera File system)のように、ディレクトリとファイルに番号を与えてコンテンツを管理する方式であり、動画データは、番号を与えられたディレクトリ内にファイルとして記録される。
【0016】
また、例えば、記録フォーマットがAVCHD(Advanced Video Codec High Definition)である場合には記録メディアの入れ替えが必須となる。
【0017】
このように、記録メディアの入れ替えが必要な場合、その旨がユーザに通知されることで、ユーザは記録メディアの入れ替えを適切に行うことができ、ダビング中断中に行われる記録先メディアへのコンテンツの記録の失敗を回避できる。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、ダビングを中断する際にダビング先メディアにダビング再開情報を記録しておくものであり、ダビング中断時の動作の自由度を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態について説明する。図1は、実施の形態としてのビデオカメラ100の構成例を示している。なお、この構成例においては、説明を簡単にするため、音声系については省略している。
【0020】
このビデオカメラ100は、制御部101と、ユーザ操作部102と、撮像部103と、記録再生処理部104と、RAM105と、表示部106と、出力端子107と、光ディスクドライブ108と、メモリカードドライブ109と、内蔵記録メディアとしてのHD(Hard Disk)110とを有している。
【0021】
制御部101は、ビデオカメラ100の各部の動作を制御する。ユーザ操作部102は、ユーザインタフェースを構成し、制御部101に接続されている。ユーザ操作部102は、ビデオカメラ100の図示しない筐体に配置されたキー、釦、ダイアル、あるいは表示部106の表示面に配置されたタッチパネル等で構成される。
【0022】
撮像部102は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、CMOS(ComplementaryMetal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の撮像素子を備え、図示しない被写体を撮像して、当該被写体に対応した撮像画像データを出力する。
【0023】
記録再生処理部104は、記録時には、撮像部103からの画像データに対して、記録フォーマットに応じた圧縮符号化等の記録処理を施して記録データを生成する。また、記録再生処理部104は、再生時には、光ディスクドライブ108、メモリカードドライブ109またはHD110からの読み出しデータに対して、復号化処理等を施して再生画像データを生成する。
【0024】
RAM105は、制御部101のワーキングエリアとして機能する。また、このRAM105は、記録時には、記録再生処理部104で生成された記録データを一時的に保持し、再生時には、光ディスクドライブ108、メモリカードドライブ109またはHD110からの読み出しデータを一時的に保持する。
【0025】
表示部106は、LCD(Liquid Crystal Display)等で構成される。この表示部106は、記録再生処理部104に接続されている。この表示部106は、撮像部103で撮像された撮像画像データによる画像を表示する。また、この表示部106は、再生時には、記録再生処理部104で生成された再生画像データによる画像を表示する。また、この表示部106は、ユーザインタフェースを構成し、動作状況を示す、あるいは、操作のための、ユーザインタフェース(UI)画面を提供する。出力端子107は、再生時に、記録再生処理部104で生成された再生画像データを出力する。
【0026】
光ディスクドライブ108は、記録メディアとしてのDVD111に対して、記録再生を行う。この光ディスクドライブ108には、DVD111が着脱自在に装填される。メモリカードドライブ109は、記録メディアとしてのメモリカード112に対して、記録再生を行う。このメモリカードドライブ109には、メモリカード112が着脱自在に装填される。ここで、DVD111およびメモリカード112は、リムーバブルメディアを構成している。
【0027】
図1に示すビデオカメラ100の動作を説明する。
【0028】
まず、記録時(撮影時)の動作を説明する。撮像部103から出力される被写体に対応した撮像画像データは記録再生処理部104に供給される。この記録再生処理部104では、撮像画像データに対して、圧縮符号化等の記録処理が施されて記録データが生成される。そして、この記録データはRAM105を介して、光ディスクドライブ108、メモリカードドライブ109またはHD110に供給されて、記録メディア(DVD111、メモリカード112またはHD)に記録される。この場合、記録メディアには、撮影に係るコンテンツが記録される。なお、この記録時には、記録再生処理部104から表示部106に撮像画像データが供給され、表示部106には、撮像画像が表示される。
【0029】
次に、再生時の動作を説明する。光ディスクドライブ108、メモリカードドライブ109またはHD110からの所定のコンテンツの読み出しデータは、RAM105を介して、記録再生処理部104に供給される。記録再生処理部104では、読み出しデータに対して、復号化等の再生処理が施されて再生画像データが生成される。
【0030】
記録再生処理部104で生成された再生画像データは、出力端子107に出力される。また、記録再生処理部104で生成された再生画像データは表示部106に供給され、表示部106には、再生画像が表示される。
【0031】
次に、ダビング時の動作を説明する。コンテンツのダビングは、DVD111、メモリカード112およびHD110の各記録メディア間で行われる。ダビング元メディアおよびダビング先メディアの選択、ダビング元メディアにおけるダビングするファイルの選択、ダビング開始の指示などは、表示部106に表示されるUI画面を参照しながら、ユーザがユーザ操作部102を操作することで、行われる。
【0032】
図2は、ダビング元メディアの選択、ダビングするファイルの選択、そして、ダビング開始の指示などを行うためのUI画面の一例を示している。このUI画面に基づいて、ユーザは、内蔵メディア(HD)、メモリカード、DVDのいずれかを、ダビング元メディアとして選択できる。このUI画面には、ダビング元メディアとして選択された記録メディアに記録されている各ファイル(チャプタ)の先頭画像を示すサムネイルが表示される。図において、かっこ内の数字はチャプタ番号を示している。
【0033】
ユーザは、このように表示されるサムネイルに基づいて、ダビングするファイルを選択できる。選択されたファイル(チャプタ)に対応するサムネイルには、図示のように、ダビングマークが付される。図の例においては、チャプタ番号が9〜11のサムネイルにダビングマークが付されている。ユーザは、UI画面に表示される各ファイル(チャプタ)のサムネイルの表示を、スクロールバーを操作することで、スクロールさせることができる。
【0034】
ユーザは、ダビング元メディアにおけるダビングするファイルを選択した後、例えば、UI画面に存在するダビング開始ボタンを操作して、ダビング開始を指示できる。なお、ダビング先メディアに関しては、ダビング元メディアの選択に先立って行われているものとする。ビデオカメラ100の制御部101は、ダビング開始の指示を受けて、ダビング制御を開始する。
【0035】
図3、図4のフローチャートは、ダビング時における制御部101の制御動作例を示している。
【0036】
まず、制御部101は、ステップST1において、ダビング開始の指示に基づいて、ダビング制御動作を開始し、ステップST2において、ダビングを開始する。
【0037】
例えば、ダビング元メディアがHD110で、ダビング先メディアがDVD111である場合には、HD110から読み出されたコンテンツデータが一時的にRAM105に書き込まれ、その後、当該コンテンツデータがRAM105から読み出されて光ディスクドライブ108に供給され、DVD111に記録される。
【0038】
また、例えば、ダビング元メディアがHD110で、ダビング先メディアがメモリカード112である場合には、HD110から読み出されたコンテンツデータが一時的にRAM105に書き込まれ、その後、当該コンテンツデータがRAM105から読み出されてメモリカードドライブ109に供給され、メモリカード112に記録される。
【0039】
次に、制御部101は、ステップST3において、ダビング中断の要求があるか否かを判定する。なお、図示しないが、ダビング中には、表示部106に、ダビング中断ボタンが表示され、ユーザは、当該ダビング中断ボタンを操作して、ダビング中断を指示できる。ユーザは、例えば、撮影を行うために、ダビング中断を指示する。制御部101は、このようにダビング中断の指示があるとき、ダビング中断の要求があったものと判定する。
【0040】
ダビング中断の要求があったとき、制御部101は、ステップST4において、ダビングを中断し、ダビング先メディアにダビング再開情報を記録する。
【0041】
図5は、ダビング元メディアがHD110で、ダビング先メディアがDVD111である場合に、DVD111に記録されるダビング再開情報の一例を示している。この例では、HD110にコンテンツとしてMPEGファイルが記録されており、ダビングするコンテンツがファイル単位で指定されているものとする。この場合、ダビング再開情報は、(a)ダビング元メディアにおけるダビングするファイルのファイル名リスト、(b)ダビング中断時にダビングしていたファイルのファイル名(中断ファイル名)、および、(c)ダビング中断時にダビングしていたファイルにおける中断位置(中断ファイル内位置)、の情報とされる。
【0042】
図6は、ダビング元メディアがHD110で、ダビング先メディアがメモリカード112である場合に、メモリカード112に記録されるダビング再開情報の一例を示している。この例では、HD110にコンテンツとしてMPEGファイルが記録されており、ダビングするコンテンツがファイル単位で指定されているものとする。この場合、ダビング再開情報は、(a)ダビング元メディアにおけるダビングするファイルのファイル名リスト、(b)ダビング中断時にダビングしていたファイルのファイル名(中断ファイル名)、および、(c)ダビング中断時にメモリカード112に記録されていたファイルのファイル名(ダビング先ファイル名)、の情報とされる。
【0043】
メモリカードドライブ109では、HD110から読み出されたファイルのファイル名を、リナンバーリングすることがある。例えば、HD110から読み出された「XXX0001.mpg,XXX0002.mpg,XXX0013.mpg」のファイルは、メモリカード112には、「XXX0001.mpg,XXX0002.mpg,XXX0003.mpg」のファイルとして記録される。メモリカードドライブ109では、FAT(File Allocation Table)ファイルシステムが使用されているので、ダビング中断時に、どのファイルに記録していたかを覚えておく必要がある。そのため、上述したように、ダビング再開情報にダビング先ファイル名が含まれる。
【0044】
図3に戻って、次に、制御部101は、ステップST5において、ダビング先メディアが、撮影時の記録メディアと同一で、リムーバブルメディアであるか否かを判定する。制御部101は、撮影時の記録先メディアがDVD111で、ダビング先メディアもDVD111であるときは、ステップST5の条件を満たすものと判定する。また、制御部101は、撮影時の記録先メディアがメモリカード112で、ダビング先メディアもメモリカード112であるときは、ステップST5の条件を満たすものと判定する。ステップST5の条件を満たさないと判定するとき、制御部101は、直ちに、ステップST6(図4)に移る。
【0045】
ステップST5の条件を満たすとき、制御部101は、ステップST7において、記録先メディアの入れ替えが必須であるか否かを判定する。制御部101は、記録先メディアがDVD111であり、記録フォーマットがDVD Video Recording Formatである場合には、記録先メディアの入れ替えが必須であると判定する。DVD111へはコンテンツがシーケンシャルに記録されていくので、別のコンテンツを途中で記録することができないからである。
【0046】
なお、記録先メディアがメモリカード112である場合、記録フォーマットがVideo File Formatであれば、コンテンツの記録は物理的位置に制約されないので、別のコンテンツを割り込んで記録でき、従って、記録先メディアの入れ替えは必須ではない。また、制御部101は、記録フォーマットがAVCHDである場合には、記録先メディアの入れ替えが必須であると判定する。この場合には、論理的にDVD111への記録と同じ状況となるからである。
【0047】
入れ替えが必須であると判定するとき、制御部101は、ステップST8において、例えば、表示部106に記録先メディアの入れ替えが必須である旨を表示し、ユーザに、記録先メディアの入れ替えを促す。そして、制御部101は、ステップST9において、記録先メディアの入れ替えを待った後、ステップST6に移る。
【0048】
また、入れ替えが必須でないと判定するとき、制御部101は、ステップST10において、表示部106に記録先メディアの入れ替えを行うか否かの選択ボタンを表示し、ユーザに、記録先メディアの入れ替えの判断を仰ぐ。
【0049】
そして、制御部101は、ステップST11において、記録先メディアを入れ替えるか否かを判定する。制御部101は、ユーザが入れ替えを行うことを選択したときは、入れ替えるものと判定し、一方、ユーザが入れ替えを行わないことを選択したときは、入れ替えを行わないものと判定する。入れ替えを行わないと判定するとき、制御部101は、直ちに、ステップST6に移る。一方、入れ替えるものと判定するとき、制御部101は、ステップST9において、記録先メディアの入れ替えを待った後、ステップST6に移る。
【0050】
制御部101は、ステップST6において、ユーザの操作に基づいて、撮影を開始し、その後、ステップST12において、ユーザの操作に基づいて撮影を終了する。撮影時には、撮像部103からの撮像画像データが記録再生処理部104に供給され、この撮像画像データに対応した記録データが生成され、この記録データが記録先メディアに記録される。
【0051】
次に、制御部101は、ステップST13において、記録先メディアの入れ替えを行ったか否かを判定する。記録先メディアの入れ替えを行っていないと判定するとき、制御部101は、ステップST14において、表示部106にダビング再開を行うか否かの選択ボタンを表示し、ユーザに、ダビング再開の判断を仰ぐ。
【0052】
そして、制御部101は、ステップST15において、ダビングを再開するか否かを判定する。制御部101は、ユーザがダビング再開を選択したときは、ダビングを再開するものと判定し、一方、ユーザがダビング再開を選択しないときは、ダビングを再開しないものと判定する。ダビングを再開しないと判定するとき、制御部101は、ステップST16において、一連の制御動作を終了する。ダビングを再開すると判定するとき、制御部101は、ステップST17において、表示部106への表示等で、ユーザにダビング再開を通知し、その後に、ステップST18に移る。
【0053】
このステップST18において、制御部101は、ダビング先メディアから、ダビング再開情報を読み出して取得する。そして、制御部101は、ステップST19において、ステップST18で取得されたダビング再開情報に基づいて、ダビングを再開する。その後、制御部101は、ステップST20において、ダビングが終了したか否かを判定する。制御部101は、ダビング元メディアにおけるダビングするファイルの全てがダビングされたとき、ダビングが終了したと判定する。ダビングが終了したと判定するとき、ステップST21でダビングを終了し、その後に、ステップST16において、一連の制御動作を終了する。
【0054】
また、ステップST13でメディアの入れ替えを行ったと判定するとき、制御部101は、ステップST22において、表示部106にダビング再開を行うか否かの選択ボタンを表示し、ユーザに、ダビング再開の判断を仰ぐ。
【0055】
そして、制御部101は、ステップST23において、ダビングを再開するか否かを判定する。制御部101は、ユーザがダビング再開を選択したときは、ダビングを再開するものと判定し、一方、ユーザがダビング再開を選択しないときは、ダビングを再開しないものと判定する。ダビングを再開しないと判定するとき、制御部101は、ステップST16において、一連の制御動作を終了する。ダビングを再開すると判定するとき、制御部101は、ステップST24に移る。
【0056】
このステップST24において、制御部101は、表示部106への表示等で、ユーザに、ダビング途中の記録メディア(リムーバブルメディア)を、装填するように通知する。この場合、ユーザは、ダビング途中の記録メディアがDVD111であった場合には、当該DVD111を光ディスクドライブ108に装填する。また、ユーザは、ダビング途中の記録メディアがメモリカード112であった場合には、当該メモリカード112をメモリカードドライブ109に装填する。
【0057】
次に、制御部101は、ステップST25において、記録メディアが装填されたか否かを判定する。記録メディアの装填があったとき、制御部101は、ステップST18において、ダビング先メディア(装填された記録メディア)から、ダビング再開情報を読み出して取得する。そして、制御部101は、ステップST19において、ステップST18で取得されたダビング再開情報に基づいて、ダビングを再開する。
【0058】
その後、制御部101は、ステップST20において、ダビングが終了したか否かを判定する。制御部101は、ダビング元メディアにおけるダビングするファイルの全てがダビングされたとき、ダビングが終了したと判定する。ダビングが終了したと判定するとき、ステップST21でダビングを終了し、その後に、ステップST16において、一連の制御動作を終了する。
【0059】
図7のフローチャートは、図3のフローチャートにおけるステップST3およびステップST4の部分の制御動作の詳細を示している。
【0060】
まず、制御部101は、ステップST31において、制御動作を開始し、その後に、ステップST32に移る。このステップST32において、制御部101は、ダビングするコンテンツ(ファイル)を全てダビングしたか否かを判定する。全てダビングしたと判定するときは、ステップST33において、ダビングを終了する。
【0061】
全てダビングしていないと判定するとき、制御部101は、ステップST34において、ユーザからのダビング中断の要求があるか否かを判定する。ダビング中断要求があると判定するとき、制御部101は、ステップST35において、ダビング再開情報をダビング先メディアに記録し、ステップST36において、ダビングを中断する。
【0062】
ステップST34でダビング中断要求がないと判定するとき、制御部101は、ステップST37において、ダビング元メディアから所定量のデータを読み出してRAM105に書き込む。そして、制御部101は、ステップST38において、RAM105から所定量のデータを読み出してダビング先メディアに書き込む。その後、制御部101は、ステップST32に戻り、上述したと同様の制御動作を繰り返す。
【0063】
図8のフローチャートは、リムーバブルメディアとしてのDVD111あるいはメモリカード112が装填された場合における制御部101の制御動作例を示している。
【0064】
まず、制御部101は、ステップST41において、メディアの装填があったとき、制御動作を開始し、その後に、ステップST42に移る。このステップST42において、制御部101は、装填された記録メディアにダビング再開情報が記録されているか否かを判定する。ダビング再開情報が記録されているとき、制御部101は、ステップST43において、表示部106にダビング再開を行うか否かの選択ボタンを表示し、ユーザに、ダビング再開の判断を仰ぐ。
【0065】
そして、制御部101は、ステップST44において、ダビングを再開するか否かを判定する。制御部101は、ユーザがダビング再開を選択したときは、ダビングを再開するものと判定し、一方、ユーザがダビング再開を選択しないときは、ダビングを再開しないものと判定する。ダビングを再開すると判定するとき、制御部101は、ステップST45において、ダビングを再開し、その後、ステップST46において、制御動作を終了する。
【0066】
ステップST42で装填された記録メディアにダビング再開情報が記録されていないとき、あるいはステップST44でダビングを再開しないと判定するとき、制御部101は、直ちにステップST46に移り、制御動作を終了する。
【0067】
以上説明したように、図1に示すビデオカメラ100においては、ダビング時にユーザからダビング中断の要求があるとき、ダビングを中断すると共に、ダビング先メディアにダビング再開情報を記録する。そのため、ダビング先メディアがリムーバブルメディアであって、ダビングを中断した後にダビング先メディアを取り出したとしても、再装填されることで、上述したように当該リムーバブルメディアからダビング再開情報が読み出され、このダビング再開情報に基づいてダビング処理を再開できる。この場合、ダビングを中断し、取り出したリムーバブルメディアが複数存在する場合、ダビングの開始の順番とダビング再開の順番が入れ替わってもダビングできる。
【0068】
また、図1に示すビデオカメラ100においては、上述したように、ダビング途中のダビング先メディアを取り出しても支障がないので、ダビング先メディアを取り出した後、別の記録メディアを装填し、撮影に係るコンテンツの記録を行うことができ、あるいは新たなダビングを行うことができる。すなわち、ダビング中断時の動作の自由度を高めることができる。
【0069】
また、図1に示すビデオカメラ100においては、ダビングを中断したとき、ダビング先メディアが撮影時の記録先メディアと同一で、リムーバブルメディアであって、入れ替えが必須である場合には、表示部106にその旨を表示する等してユーザに記録先メディアの入れ替えを促す。そのため、ユーザは記録先メディアの入れ替えを適切に行うことができ、ダビング中断中に行われる撮影の失敗を回避できる。
【0070】
なお、上述実施の形態においては、この発明をビデオカメラ100に適用したものであるが、複数種類の記録メディアを取り扱うレコーダにも、この発明を同様に適用できる。その場合、ダビング中断の指示は、ユーザ操作により発生される他、予約録画の開始時刻が近づいたとき、システム内で自動的に発生される。
【0071】
また、上述実施の形態においては、記録メディアとして、DVD111、メモリカード112、HD110を例に挙げたが、記録メディアはこれに限定されないことは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0072】
この発明は、ダビングを中断する際にダビング先メディアにダビング再開情報を記録することで、ダビング中断時の動作の自由度を高めるようにしたものであり、複数種類の記録メディアを扱うビデオカメラ、レコーダ等に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】この発明の実施の形態としてのビデオカメラの構成例を示すブロック図である。
【図2】ダビング元メディアの選択、ダビングするファイルの選択、そして、ダビング開始の指示などを行うためのUI画面の一例を示す図である。
【図3】ダビング時におけるビデオカメラの制御部の制御動作例を示すフローチャート(1/2)である。
【図4】ダビング時におけるビデオカメラの制御部の制御動作例を示すフローチャート(2/2)である。
【図5】ダビング元メディアがHDで、ダビング先メディアがDVDである場合に、DVDに記録されるダビング再開情報の一例を示す図である。
【図6】ダビング元メディアがHDで、ダビング先メディアがメモリカードである場合に、メモリカードに記録されるダビング再開情報の一例を示す図である。
【図7】ダビング時およびダビング中断時の制御動作の詳細を示すフローチャートである。
【図8】リムーバブルメディアとしてのDVDあるいはメモリカードが装填された場合におけるビデオカメラの制御部の制御動作例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0074】
100・・・ビデオカメラ、101・・・制御部、102・・・ユーザ操作部、103・・・撮像部、104・・・記録再生処理部、105・・・RAM、106・・・表示部、107・・・出力端子、108・・・光ディスクドライブ、109・・・メモリカードドライブ、110・・・HD、111・・・DVD、112・・・メモリカード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツを、ダビング元メディアから読み出し、ダビング先メディアに記録するダビング処理を行うダビング処理部と、
上記ダビング処理部におけるダビング処理が中断されるとき、上記ダビング先メディアにダビング処理を再開するために必要とするダビング再開情報を記録するダビング再開情報記録部と、
上記ダビング処理部でダビングを再開する際に、上記ダビング先メディアから上記ダビング再開情報を読み出すダビング再開情報読み出し部と
を備えることを特徴とする記録装置。
【請求項2】
入力コンテンツを記録先メディアに記録するコンテンツ記録部と、
上記ダビング処理部におけるダビングが中断される場合、上記ダビング先メディアが上記記録先メディアと同一でリムーバブルメディアであるとき、記録先メディアの入れ替えが必須である場合には、記録先メディアの入れ替えを通知するユーザ通知部とをさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
ダビング再開情報が記録されたリムーバブルメディアが装填されるとき、
上記ダビング再開情報読み出し部は、上記リムーバブルメディアからダビング再開情報を読み出し、
上記ダビング処理部は、上記ダビング再開情報読み出し部で読み出されたダビング再開情報に基づいて、上記リムーバブルメディアをダビング先メディアとするダビング処理を再開する
ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項4】
コンテンツをダビング元メディアから読み出してダビング先メディアに記録するダビング処理を行うダビング処理部を有する記録装置におけるダビング中断方法であって、
ダビング中断の指示に基づいて、上記ダビング処理部が行っているダビング処理を中断するダビング中断ステップと、
上記ダビング中断ステップでダビング処理が中断されるとき、上記ダビング先メディアにダビング処理を再開するために必要とするダビング再開情報を記録するダビング再開情報記録ステップと
を備えることを特徴とする記録装置におけるダビング中断方法。
【請求項5】
コンテンツをダビング元メディアから読み出してダビング先メディアに記録するダビング処理を行うダビング処理部を有する記録装置におけるダビング再開方法であって、
上記ダビング先メディアからダビング再開情報を読み出すダビング再開情報読み出しステップと、
上記ダビング再開情報読み出しステップで読み出されたダビング再開情報に基づいて、上記ダビング処理部におけるダビング処理を再開するダビング再開ステップと
を備えることを特徴とする記録装置におけるダビング再開方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2009−93728(P2009−93728A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−261617(P2007−261617)
【出願日】平成19年10月5日(2007.10.5)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】