説明

記録装置および通信システム

【課題】 本発明は、著作権を保護した上で、コンテンツデータの送受信に関するユーザの利便性を向上させる通信システム及び記録装置を提供する。
【解決手段】 編集情報を取得するための編集情報取得要求を生成する取得要求生成手段207と、複製可能回数が設定された第1のコンテンツデータを複製して第2のコンテンツデータを生成する複製手段203と、前記編集情報取得要求と前記第2のコンテンツデータとを外部装置に送信する通信手段210と、前記編集情報取得要求と前記第2のコンテンツデータとの送信に伴って前記複製可能回数を減算すると共に、前記外部記録装置からの前記編集情報の受信及び前記第2のコンテンツデータを再生不可能化に伴って減算した前記複製可能回数を加算するコンテンツ管理手段211とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録装置および通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の電波環境や多様化する番組への要望に対応するため、アナログ方式に比べて妨害に強く、情報の圧縮や多重化などが容易なデジタル方式のテレビ放送への切り替えが進んでいる。しかし、デジタル方式の放送では、コンテンツデータの劣化しない複製が可能であり、不正に複製したコンテンツデータが市場に流通する恐れがある。そこで、著作権を保護するため、記録したコンテンツデータを複製する回数を制限してコンテンツデータを管理するコンテンツ保護規定が設けられている。
【0003】
該規定では、地上デジタル放送から受信したコンテンツデータに関し、1世代目のコンテンツデータは9回まで複製可能なCOG(Copy One Generation)の状態で記録媒体に蓄積できる。また、1世代目のコンテンツデータを複製した2世代目のコンテンツデータは、記録媒体間で移動可能であるが複製不可能となるNMC(No More Copy)の状態で記録媒体に蓄積できる。
【0004】
また、従来、コンテンツデータを編集する機能を有さない記録装置が、所望のコンテンツデータについての編集情報を取得することができるシステムが普及している。
【0005】
このようなシステムとして、例えば特許文献1では、ネットワークを介してコンテンツのチャプタ分割情報を取得し、当該チャプタ分割情報に基づいてコンテンツをチャプタ分割するコンテンツ処理システムが開示されている。
【特許文献1】特開2006−174402号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1では著作権を保護した上で、記録装置相互間でコンテンツデータ送受信を行うことが考慮されていない。
例えば、コンテンツデータを編集する機能を有さない記録装置が編集機能を有す他の記録装置に所望のコンテンツデータを送信して編集させる場合、当該コンテンツデータに設定された複製可能回数が減算されてしまい、ユーザの利便性に欠ける。しかし、他の記録装置に送信するコンテンツデータの複製に関して制限を設けなくては著作権を保護することができない。
【0007】
そこで、本発明は、著作権を保護した上で、コンテンツデータの送受信に関するユーザの利便性を向上させる通信システム及び記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、編集情報を取得するための編集情報取得要求を生成する取得要求生成手段と、複製可能回数が設定された第1のコンテンツデータを複製して第2のコンテンツデータを生成する複製手段と、前記編集情報取得要求と前記第2のコンテンツデータとを外部装置に送信する通信手段と、前記編集情報取得要求と前記第2のコンテンツデータとの送信に伴って前記複製可能回数を減算すると共に、前記外部記録装置からの前記編集情報の受信及び前記第2のコンテンツデータを再生不可能化に伴って減算した前記複製可能回数を加算するコンテンツ管理手段と、を具備することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、受信したコンテンツデータから編集情報を生成する編集情報生成手段と、外部装置からコンテンツデータを受信すると共に、当該コンテンツデータの編集情報を前記外部装置に送信する通信手段と、前記受信したコンテンツデータから生成した編集情報の送信に伴い、当該コンテンツデータを再生不可能化するコンテンツ管理手段とを具備することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、第1の記録装置と第2の記録装置とを備え、前記第1の記録装置は、第1のコンテンツデータを複製して第2のコンテンツデータを生成する複製手段と、前記第2のコンテンツデータを前記第2の記録装置に送信する第1の通信手段と、を具備し、前記第2の記録装置は、前記第1の記録装置から受信した前記第2のコンテンツデータの編集情報を生成する編集情報生成手段と、前記第2のコンテンツデータの前記編集情報を前記第1の記録装置に送信する第2の通信手段と、前記第2のコンテンツデータの前記編集情報の送信に伴い、前記第2のコンテンツデータを再生不可能化するコンテンツ管理手段とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
そこで、本発明は、著作権を保護した上で、コンテンツデータの送受信に関するユーザの利便性を向上させる記録装置および通信システムを提供することを目的とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の通信装置について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の通信装置の実施例であるサーバ装置及びクライアント装置が使用される通信システムの構成を示す図である。通信システム1は、放送波を受信し録画する機能を有するクライアント装置2(第1の記録装置)と、サーバ装置3(第2の記録装置)とから構成される。尚、クライアント装置2とサーバ装置3とは、其々TCP(Transmission Control Protocol)/IP(Internet Protocol)により通信が行われるネットワーク4により接続される。
【0013】
ここで、クライアント装置2は、サーバ装置3に設定された録画予約情報や録画実行情報を一覧として表示する機能を有するデジタルテレビ受像機などである。
サーバ装置3は予約録画を行うDVD(Digital Versatile Disk)レコーダやHDD(Hard Disk Drive)レコーダ等である。また、サーバ装置3は設定された録画予約の情報や、録画の実行情報を、ネットワーク4を介してクライアント装置2に提示する機能も有する。クライアント装置2及びサーバ装置3を接続するネットワーク4は、例えばLAN(Local Area Network)等である。
【0014】
ここで、クライアント装置2及びサーバ装置3は、其々UPnPに対応したAV(Audio/Video)機器である。UPnPでは、AV機器向けにUPnP AV Architectureという仕様が規定されている。このUPnP AV Architectureではネットワークの基本構成として、デバイス(Device)、サービス(Service)、コントロールポイント(Control Point)が定義されている。デバイスはUPnP AVに対応した装置であり、サービスはデバイスが提供する機能を表す最小単位である。各デバイスは、少なくとも1つのサービスを有する被制御装置である。コントロールポイントは、デバイスが有するサービスを制御し、利用するものである。1つの機器の中に複数のデバイス機能を持たせることもでき、更にコントロールポイントとデバイスとが一体となった装置も考えることができる。
【0015】
UPnP AV Architectureでは、被制御機能を実装し、コンテンツデータを提供するサーバデバイスとしてUPnP Media Service(メディアサーバ)が定義されているが、本通信システム1では、サーバ装置3がメディアサーバとして機能する。メディアサーバである本実施例のサーバ装置3は、コンテンツリストの公開を行うサービスであるCDS(Content Directory Service)を提供する。尚、CDSはUPnP AVで定義されている。
【0016】
また、UPnP AV Architectureでは、メディアサーバが送信するコンテンツデータを再生するデバイスとして、UPnP Media Renderer(メディアレンダラ)が定義されているが、本通信システム1ではクライアント装置2がメディアレンダラとして機能する。
【0017】
更に、UPnP AV Architectureでは、メディアサーバが提供するサービスを制御、利用するコントロールポイントが定義されているが、本通信システム1では、クライアント装置2がコントロールポイントとして機能する。つまり、クライアント装置2はコントロールポイント及びメディアレンダラの2つの機能を実現している。
【0018】
ここで、ユーザがコントロールポイントであるクライアント装置2を使用してCDSを提供するサーバ装置3のダイジェスト情報を取得する場合や、メディアレンダラであるクライアント装置2を使用してメディアサーバであるサーバ装置3から編集情報を取得する場合の一般的な流れについて図2を参照しながら簡単に説明する。尚、サーバ装置3のダイジェスト情報とは、サーバ装置3が提供可能なコンテンツデータの情報(例えば、タイトル、クラス、URI(Uniform Resource Identifier)情報等)である。また、編集情報とは、例えばコンテンツデータをチャプタ分割するための情報などである。
【0019】
図2(a)は、クライアント装置2がネットワーク上に存在する通信相手装置を探索する際の処理の流れを示す図である。まず、クライアント装置2は、SSDP (Simple Service Discovery Protocol)に定義される方法で、ネットワーク上の通信相手装置を探したり、自装置の存在をネットワーク上の他の装置へ通知したりする。ここではクライアント装置2は、例えばマルチキャストサーチ(M−SEARCH)と呼ばれるリクエストを送信することで通信相手装置の探索を実行する(S11)。
【0020】
サーバ装置3は、このマルチキャストサーチを受信した場合、提供サービスのダイジェスト情報の所在を示すURI(Uniform Resource Identifier)やUUID(Universally Unique Identifier)と呼ばれる機器固有のID情報をテキストベースでUDP(User Datagram Protocol)パケットとしてブロードキャスト送信する(S12)。尚、UUIDは、サービス/アプリケーションが公開するインタフェースに割り当てられた固有のIDであり、UDPは、インターネットで利用される標準プロトコルで、OSI参照モデルのトランスポート層にあたる。
【0021】
次に、クライアント装置2が編集情報を取得する際の処理の流れについて、図2(b)を参照しながら説明する。図2(b)は、クライアント装置2がサーバ装置3から編集情報を取得する際の処理の流れを示す図である。
【0022】
クライアント装置2は、例えば図2(a)を参照して説明した処理により取得したダイジェスト情報に含まれる編集情報提供サービスの項目に記載されたURIに向けて、所定の通信プロトコル(図2(b)の例ではHTTP(HyperText Transport Protocol) GETメソッド)によりコンテンツデータに対応するIDをURIに付加する等によりヘッダに含め、編集情報取得要求を送信する(S13)。この応答として、メディアサーバであるサーバ装置3は、当該IDに対するコンテンツデータの編集情報を送信する(S14)。これにより、クライアント装置2は取得した編集情報を基に所望のコンテンツデータを編集することができる。当該IDは、クライアント装置2、サーバ装置3それぞれ独立に生成するが同一のコンテンツに対しては同じ値を生成し、コンテンツを通信システム1において一意に特定できるIDであり、例えばコンテンツに含まれる番組の詳細情報であるEIT(Event Information Table)のtransport_stream_id、original_network_id、service_id、start_timeなど放送局が割り振る値を基に生成される。尚、この通信プロトコルはHTTPに限られるものではなく、RTP(Realtime Transport Protocol)等を使用することもできる。
【0023】
次に図3を参照しながら、本実施例の編集情報の一例として扱うチャプタ情報について説明する。図3は、本実施例の編集情報として扱うチャプタ情報の構成を示した図である。本実施例のサーバ装置3では、コンテンツデータを分割するためのチャプタ情報を生成し、クライアント装置2に送信することができる。
【0024】
例えば、このチャプタ情報には、コンテンツデータのタイトル、コンテンツデータの固有情報を示すID、録画日時、放送時間、チャプタ数、及び各チャプタの開始位置が書き込まれている。このように本実施例では、クライアント装置2がチャプタ情報を生成する機能を有さない場合であっても、サーバ装置3から送信されたチャプタ情報に基づきコンテンツデータをチャプタ分割することができる。
【0025】
また、本実施例の通信システム1では、サーバ装置3から開示されたコンテンツリストの中に、ユーザが希望するコンテンツデータが無い場合、当該コンテンツデータをクライアント装置2からサーバ装置3に送信して編集情報を生成させることができる。以下、図4乃至図9を参照しながらこの構成について説明する。
【0026】
まず、図4を参照しながら本実施例におけるクライアント装置2の構成について説明する。図4は、本実施例におけるクライアント装置2の構成を示すブロック図である。
【0027】
クライアント装置2は、例えばアンテナ200、受信部201、再生処理部202、録画処理部203、HDD(Hard disk Drive)204、表示部205、操作入力部206、編集情報取得処理部207、機器探索部208、コンテンツ転送処理部209、ネットワークインタフェース部210、コンテンツ管理部211、及びセキュアフラッシュ212等から構成される。
【0028】
受信部201は、アンテナ200に接続され、放送局から送信されるデジタル放送番組を選局・受信する。例えば、地上波デジタル放送による放送信号は、アンテナ200で受信され、内蔵のコンバータ(図示していない)によって所定の高周波信号に変換されて受信部201に供給される。
【0029】
受信部201は、キャリア(受信周波数)の選択・受信を行うと共に、指定されたキャリアに対して復調処理や誤り訂正処理等を施すことで、トランスポートストリーム(TS:Transport Stream)を得る。
【0030】
ここで、デジタル放送の規格によるトランスポートストリームは、例えばMPEG2(Moving Picture Experts Group Layer2)方式によって、複数の放送プログラムのビデオ信号及びオーディオ信号を圧縮した圧縮データと、各種の付加情報とが多重化されている。各情報の多重化は、例えばトランスポートストリームを188バイトのトランスポートストリーム・パケット(以下、TSパケットと称する)で形成し、このTSパケットに対して各種付加情報を格納することにより行われる。
【0031】
再生処理部202は、トランスポートストリームから特定のTSパケットを分離し、特定の放送番組についてのビデオデータ、オーディオデータを取得する。また、再生処理部202は、分離・取得された特定の放送番組についてのオーディオデータのデコード処理を行ってスピーカ(図示していない)に出力すると共に、当該特定の放送番組についてのビデオデータのデコード処理を行って表示部205に出力する。
【0032】
録画処理部203は、受信部201で受信した放送番組を録画し、HDD204にコンテンツデータを生成する。また、録画処理部203は、HDD204のコンテンツデータを複製する。
【0033】
表示部205は、再生処理部202によって再生されたコンテンツの映像を出力する。表示部205は、LCD(Liquid Crystal Display)2051等を備えている。また、表示部205は、編集情報取得を行う場合、ユーザが所望のコンテンツデータの編集情報を取得できるようにGUI画面を生成し、LCD2051に表示させる。このGUI画面については、図5を参照しながら後述する。
【0034】
操作入力部206は、例えばリモコン(図示していない)などによってユーザから操作入力を受ける。
編集情報取得処理部207は、操作入力部206からの指示を受けて表示部205に編集情報を取得するためのGUI画面を表示させると共に、編集情報取得要求を生成し、ネットワークインタフェース部210に出力する。また、編集情報取得処理部207は、機器探索部208に対し、編集情報を取得することが出来る外部装置を見つけさせる。また、編集情報取得処理部207は、コンテンツ転送処理部209にコンテンツ転送処理を実行させる。
【0035】
機器探索部208は、編集情報取得処理部207の指示を受けて図2で説明した通信相手装置の探索を実行すると共に、発見した相手装置から示されたコンテンツリストを表示部205に出力する。
【0036】
コンテンツ転送処理部209は、編集情報取得処理部207の指示を受けて、録画処理部203で複製されたコンテンツデータの転送処理を実行する。このコンテンツ転送処理については、図7及び図8を参照しながら後述する。
【0037】
コンテンツ管理部211は複製可能回数管理部2001とデータ無効化部2002とからなる。複製可能回数管理部2001は、HDD204に格納されたコンテンツデータの複製可能回数等を記録してコンテンツデータの蓄積状態を管理する。データ無効化部2002は、HDD204に格納されたコンテンツデータを再生不可能化する。
【0038】
本実施例における再生不可能化の方法は、例えばコンテンツデータの送受信完了前に通信を中断することでコンテンツデータが装置間で移動することを回避する方法を用いる。コンテンツデータの送受信完了前に通信を中断した場合、受信先の装置はコンテンツデータを消去するものとする。例えばサーバ装置3はコンテンツデータの受信と同時に当該コンテンツデータから編集情報を生成し、コンテンツデータの受信完了通知を送信する前に編集情報を送信すると共にコンテンツデータを消去する。この構成により、クライアント装置2では、コンテンツデータの送信が完了したとみなさないため、当該コンテンツデータに設定された複製可能回数を維持したままで編集情報を取得することができる。
【0039】
尚、本実施例の通信システムでは、クライアント装置2及びサーバ装置3のどちらの装置からでも通信を中断させることができるものとする。例えばクライアント装置2では、コンテンツデータの送信を完了する前に所望の編集情報を受信した場合、通信を中断してコンテンツデータ残りの部分は送信しないようにすることができる。
【0040】
これにより、クライアント装置2では、編集情報を取得する場合に2つの装置の間で同時に同一のコンテンツデータが視聴されることを回避し、著作権を保護した上で、コンテンツデータの複製可能回数を減算させずに編集情報を取得することができる。
【0041】
尚、本実施例では、コンテンツデータの送受信完了前に通信を中断することでコンテンツデータが装置間で移動することを回避する方法を用いるが、これに限らず、著作権を保護した上で編集情報を得ることができる方法であればよいものとする。例えばクライアント装置2では、複製したコンテンツデータの送信後に、当該コンテンツデータに設定された複製可能回数を一度減算する。その後、サーバ装置3からの編集情報及びコンテンツデータの再生不可能化した旨の通知の受信に伴い、減算した複製可能回数を加算し元に戻す方法等がある。
【0042】
また、本実施例ではコンテンツデータを消去する場合、コンテンツデータを再生できないようにコンテンツデータの全部又は一部を消去する方法、或いはコンテンツデータを暗号化した後、暗号化の際に使用した鍵を消去する方法等を用いてもよい。
【0043】
セキュアフラッシュ212は、不揮発性のメモリであり、機器認証を行う際に用いるクライアント装置2の機器証明書、機器認証の際に受信したサーバ装置3の機器証明書、及びサーバ装置3との共有鍵を格納する。
【0044】
次に、図5を参照しながら本実施例におけるサーバ装置3の構成について説明する。図5は、本実施例におけるサーバ装置3の構成を示すブロック図である。本実施例のサーバ装置3は、例えばアンテナ300、受信部301、再生処理部302、録画処理部303、HDD(Hard disk Drive)304、編集情報生成処理部305、コンテンツ転送処理部306、存在告知部307、ネットワークインタフェース部308、データ無効化部309、及びセキュアフラッシュ310等から構成される。尚、アンテナ300、受信部301、再生処理部302、録画処理部303、HDD(Hard disk Drive)304、コンテンツ転送処理部306、ネットワークインタフェース部308、データ無効化部309、及びセキュアフラッシュ310については、図4で説明したクライアント装置2の構成と同様であるため、説明を省略する。
【0045】
編集情報生成処理部305は、HDD304に格納されたコンテンツデータや外部記録装置から送信されたコンテンツデータを編集し、これらのコンテンツデータについての編集情報を生成する。存在告知部307は、外部記録装置から受信したマルチキャストサーチに応じて図2で説明したダイジェスト情報を生成し、ネットワークインタフェース部308に出力する。
【0046】
次に、図6を参照しながら本実施例におけるクライアント装置2で表示される編集情報を取得するためのGUI画面について説明する。図6は、本実施例におけるクライアント装置2が表示する編集情報を取得するためのGUI画面の一例を示した図である。
【0047】
本実施例のクライアント装置2では、例えばアプリケーションの1つとして編集情報取得アプリケーションを備えている。当該アプリケーションがユーザによって選択されると、図6に示すGUI画面50が表示され、所望のコンテンツデータに関する編集情報を取得できるようになっている。
【0048】
GUI画面50では、アイコン401〜410が表示され、これらをカーソル500で選択・指定することができるようになっている。以下、GUI画面50により編集情報を取得する処理の流れを説明する。
【0049】
まず、GUI画面50では編集情報を提供する接続先がアイコン401〜405で決定できるようになっている。接続先の相手装置を選ぶ際、YESアイコン401をカーソル500で選択・指定すると、マルチキャストサーチで発見された外部記録装置を選択するための装置アイコン403〜405が選択できるようになる。尚、例えば表示された外部記録装置以外の装置を新たに探す場合は、Noアイコン402を選択・指定して再び装置の探索からやり直す。
【0050】
次に、本実施例のGUI画面50では、編集情報を生成するコンテンツデータをコンテンツアイコン406〜408等から選択する。ここで選択したコンテンツデータと同一のコンテンツデータに関する編集情報を外部記録装置が有している場合は、当該編集データを受信する処理に進む。しかし、選択したコンテンツデータと同一のコンテンツデータに関する編集情報を外部記録装置が有していない場合は、クライアント装置2が格納するコンテンツデータを外部記録装置に送信し、編集情報を生成させる処理に進む。
【0051】
編集情報を取得する外部記録装置、及びコンテンツデータを選択した後にYESアイコン409が選択・指定された場合、クライアント装置は編集情報を取得する処理を実行する。尚、Noアイコン402が選択・指定された場合は処理を終了する。
【0052】
以上、説明した通り、本実施例の通信システム1では、GUI画面50を用いて所望のコンテンツデータに関する編集情報を取得できる。
また、本実施例の通信システム1では、選択したコンテンツデータと同一のコンテンツデータに関する編集情報を外部記録装置が有していない場合は、クライアント装置2が格納するコンテンツデータを外部記録装置に送信して編集情報を生成させる処理に進む。本実施例の通信システム1では、送受信するコンテンツデータの著作権を強固に保護するため、コンテンツデータを扱う装置同士で相互間の機器認証を実行する。以下、図6及び図7を参照しながら本実施例における機器認証処理の方法について説明する。
【0053】
図7は、本実施例の通信システム1におけるコンテンツデータをクライアント装置2からサーバ装置3に送信する前に行う機器認証処理方式を示す。図8は、本実施例の通信システム1における機器認証方式の具体的な流れを示したフローチャートである。
【0054】
本実施の形態では、コンテンツデータを送受信する際、例えば、第三者の傍受または外部機器への誤送受信を回避して安全にネットワーク通信を行うため、クライアント装置2とサーバ装置3との相互間で機器認証を行う。
【0055】
例えば、サーバ装置3がコンテンツデータをクライアント装置2に要求する場合、まず、本実施の形態は、サーバ装置3が接続先のクライアント装置2に対して認証要求の信号、乱数、及び公開鍵を備えたサーバ装置3の機器証明書を送る(ステップS201)。尚、本実施例では、例えば、機器認証で用いられる機器証明書は、DTLA(Digital Transmission Licensing Administrator)が発行した機器証明書を用いる。
【0056】
サーバ装置3から認証要求の信号、乱数、及びサーバ装置3の機器証明書を受けると(ステップS101)、クライアント装置2のコンテンツ転送処理部209は、サーバ装置3の機器証明書を検証する(ステップS102)。
【0057】
検証の結果、サーバ装置3の機器証明書を認証すると(ステップS103のYes)、クライアント装置2は、サーバ装置3に対して乱数及び公開鍵を備えたクライアント装置2の機器証明書を送る(ステップS105)。サーバ装置3の機器証明書の認証が不可能であると(ステップS103のNo)、コンテンツ転送処理部209は、サーバ装置3に機器証明書の認証が不可能である通知を送信し(ステップS104)、ステップS101の状態に処理を戻す。
【0058】
クライアント装置2から機器証明書の認証が不可能である通知を受信する場合(ステップS202、ステップS203のYes)、サーバ装置3のコンテンツ転送処理部306は、ステップS201の状態に処理を戻す。クライアント装置2から機器証明書の認証が不可能である通知を受信しない場合(ステップS203のNo)、コンテンツ転送処理部306は、機器証明書の認証がされたとみなしてステップS203の処理を行う。
【0059】
サーバ装置3のコンテンツ転送処理部306は、クライアント装置2から認証要求の信号、乱数、及びクライアント装置2の機器証明書を受けると(ステップS204)、クライアント装置2の機器証明書を検証する(ステップS205)。検証の結果、クライアント装置2の機器証明書を認証すると(ステップS206のYes)、サーバ装置3は、クライアント装置2に電子署名を付したメッセージを送る(ステップS208)。サーバ装置3の機器証明書の認証が不可能であると(ステップS206のNo)、コンテンツ転送処理部306はクライアント装置2に機器証明書の認証が不可能である通知を送信し(ステップS207)、ステップS201の状態に処理を戻す。
【0060】
サーバ装置3から機器証明書の認証が不可能である通知を受信する場合(ステップS106、ステップS107のYes)、クライアント装置2のコンテンツ転送処理部209は、ステップS101の状態に処理を戻す。サーバ装置3から機器証明書の認証が不可能である通知を受信しない場合(ステップS107のNo)、コンテンツ転送処理部209は、機器証明書の認証がされたとみなして、サーバ装置3に電子署名を付したメッセージを送る(ステップS108)。サーバ装置3のコンテンツ転送処理部306は、クライアント装置2の電子署名を付したメッセージを受けると、電子署名を付したメッセージを生成してクライアント装置2に送る(ステップS208)。
【0061】
相互間での電子署名付きメッセージの交換が行われると、クライアント装置2のコンテンツ転送処理部209およびサーバ装置3のコンテンツ転送処理部306は、夫々電子署名を検証する(ステップS109、ステップS209)。検証の結果、夫々電子署名を認証すると(ステップS110のYes、ステップS210のYes)、夫々暗号化鍵の生成処理を実行する。夫々電子署名の認証が不可能であると(ステップS110のNo、ステップS210のNo)、コンテンツ転送処理部209およびコンテンツ転送処理部306は、認証が不可能である通知を送信する(ステップS111、ステップS211)。ステップS108またはステップS208の状態に処理を戻す。
【0062】
コンテンツ転送処理部209およびコンテンツ転送処理部306は、認証が不可能である通知を夫々受信すると(ステップS112、ステップS212、ステップS113のYes、およびステップS213のYes)。ステップS108またはステップS208の状態に処理を戻す。
【0063】
コンテンツ転送処理部209およびコンテンツ転送処理部306は、クライアント装置2およびサーバ装置3の相互間での電子署名が認証不可能の通知を受信しない場合(ステップS113のNo、ステップS213のNo)、機器証明書の公開鍵を用いた公開鍵暗号方式を基に相互に交換した乱数から共有鍵を生成する(ステップS114、ステップS214)。該共有鍵は、時間と共に変化をする時変鍵であり暗号の強度を高める。本実施の形態では、例えば、生成された共有鍵をセキュアフラッシュ212およびセキュアフラッシュ307に夫々格納している。
【0064】
本実施の形態における通信システム1では、コンテンツデータがCOGまたはNMCとして蓄積される状態を示す方法として、例えば、COGで蓄積されるコンテンツデータの複製可能回数をセキュアフラッシュ212に記録する。また、NMCで蓄積されるコンテンツデータは、ヘッダーに残りの複製可能回数またはNMCであることを示した値を書き込む。従って、本実施の形態は、コンテンツデータの同一性を保持して蓄積状態を記録できる。また、本実施の形態は、セキュアフラッシュ212およびコンテンツデータのヘッダーに蓄積状態を書き込むが、これに限らず、コンテンツデータと該コンテンツデータの複製との同一性を保持して蓄積状態を記録する方法であればよい。
【0065】
本実施の形態における通信システム1では、クライアント装置2とサーバ装置3との相互間で行う機器認証方式として乱数及び公開鍵を備えた機器証明書を用いているが、これに限らず、クライアント装置2とサーバ装置3との相互間で機器認証を行う方式であれば良い。
【0066】
本実施の形態における通信システム1では、例えば、コンテンツデータの送受信を行う際に、クライアント装置2とサーバ装置3との相互間で毎回機器認証を行うことで、接続した相手機器がコンテンツデータを送信してよい機器であることを確認できる。
【0067】
本実施の形態における通信システム1は、ネットワーク上でコンテンツデータを伝送する場合に、例えば、第三者の傍受または部機器への誤送受信を回避して伝送できる。また、本実施の形態における通信システム1では、共有鍵が時間と共に変化するため暗号の強度が高い。
【0068】
従って、本実施の形態における通信システム1では、クライアント装置2からコンテンツデータを送信する場合に安全にネットワーク通信を行うことができる。
次に、図9を参照しながら、本実施例におけるクライアント装置2がサーバ装置3から編集情報を取得するまでの処理について説明する。図9は、本実施例におけるクライアント装置2がサーバ装置3から編集情報を取得するまでの流れを示したフローチャートである。
【0069】
まず、本実施例のクライアント装置2では、例えば編集情報取得アプリケーションが選択されると、GUI画面50を表示する(S1001)。そして、このGUI画面50上を用いた処理により、対象のコンテンツデータが決定されると(S1002)、当該コンテンツデータに関する編集情報を取得できるように編集情報取得要求を生成し(S1003)、この編集情報取得要求をサーバ装置3に送信する(S1004)。
【0070】
本実施例のサーバ装置3は、クライアント装置2からの編集情報取得要求を受信すると(S2001)、この編集情報取得要求で指定されたコンテンツデータのタイトルを検索する(S2002)。指定されたタイトルが無い場合(S2003のNo)、サーバ装置3は、該当するタイトルが無い旨の通知をクライアント装置2に送信する(S2004)。
【0071】
反対に、指定されたタイトルが有る場合(S2003のYes)、サーバ装置3は、該当するタイトルの編集情報がHDD304内に有るか否か確認する(S2005)。該当するタイトルの編集情報がHDD304内に無い場合(S2005のNo)、サーバ装置3は、処理をS2008に移し、該当するタイトルの編集情報がHDD304内に有る場合(S2005のYes)、サーバ装置3は、処理をS2009に移す。
【0072】
クライアント装置2では、該当するタイトルが無い旨の通知を受けると(S1005,S1006のYes)、サーバ装置3との相互間で、図8で説明した機器認証処理を実行する(S1007,S2006)。機器認証処理を終えると、クライアント装置2はS1002で決定した編集情報を取得するコンテンツデータの複製処理を実行し(S1008)、当該複製したコンテンツデータをサーバ装置3に送信する(S1009)。
【0073】
サーバ装置3は、クライアント装置からコンテンツデータを受信した場合(S2007)、または、該当するタイトルの編集情報がHDD304内に無い場合(S2005のNo)、指定されたコンテンツデータから編集情報を生成する(S2008)。
【0074】
次にサーバ装置3は、S2008で生成した編集情報又はHDD304内に格納していた編集情報をクライアント装置2に送信する(S2009)。この時、サーバ装置3はクライアント装置2から編集情報を生成するためのコンテンツデータを受信している場合(S2010のYes)、このコンテンツデータを生成不可能化して(S2011)処理を終了する。
【0075】
また、クライアント装置2では、編集情報をサーバ装置3から受信すると、この編集情報を基に対象のコンテンツデータを編集すると共に(S1011)、編集情報を記録して(S1012)処理を終了する。
【0076】
上述したように、本実施例の通信システムによると、著作権を保護した上で、コンテンツデータの送受信に関するユーザの利便性を向上させる記録装置および通信システムを提供することができる。
【0077】
本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の通信装置の実施例であるサーバ装置及びクライアント装置が使用される通信システムの構成を示す図である。
【図2】クライアント装置とサーバ装置との通信処理の流れを示す図である。
【図3】本実施例の編集情報として扱うチャプタ情報の構成を示した図である。
【図4】本実施例におけるクライアント装置の構成を示すブロック図である。
【図5】本実施例におけるサーバ装置の構成を示すブロック図である。
【図6】本実施例におけるクライアント装置が表示する編集情報を取得するためのGUI画面の一例を示した図である。
【図7】本実施例の通信システム1におけるコンテンツデータをクライアント装置2からサーバ装置3に送信する前に行う機器認証処理方式を示す図である。
【図8】本実施例の通信システム1における機器認証方式の具体的な流れを示したフローチャートである。
【図9】本実施例におけるクライアント装置2がサーバ装置3から編集情報を取得するまでの流れを示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0079】
1 通信システム
2 クライアント装置
3 サーバ装置
4 ネットワーク
50 GUI画面
200 アンテナ
201,301 受信部
202、302 再生処理部
203、303 録画処理部
204、304 HDD
205 表示部
206 操作入力部
207 編集情報取得処理部
208 機器探索部
209,306 コンテンツ転送処理部
210,308 ネットワークインタフェース部
211 コンテンツ管理部
2001 複製可能回数管理部
2002,309 データ無効化部
212、310 セキュアフラッシュ
305 編集情報生成部
307 存在告知部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
編集情報を取得するための編集情報取得要求を生成する取得要求生成手段と、
複製可能回数が設定された第1のコンテンツデータを複製して第2のコンテンツデータを生成する複製手段と、
前記編集情報取得要求と前記第2のコンテンツデータとを外部装置に送信する通信手段と、
前記編集情報取得要求と前記第2のコンテンツデータとの送信に伴って前記複製可能回数を減算すると共に、前記外部記録装置からの前記編集情報の受信及び前記第2のコンテンツデータを再生不可能化に伴って減算した前記複製可能回数を加算するコンテンツ管理手段と、
を具備することを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記コンテンツ管理手段は、前記第1のコンテンツデータが複製不可と設定されている場合、前記編集情報取得要求と前記第2のコンテンツデータとの送信に伴って前記第1のコンテンツデータを再生不可能化すると共に、前記外部記録装置からの前記編集情報の受信及び前記第2のコンテンツデータを再生不可能化に伴って再生不可能化された前記第1のコンテンツデータを再生可能化することを特徴とする請求項1記載の記録装置。
【請求項3】
前記通信手段は、前記第2のコンテンツデータの送信完了前に前記外部装置との通信を中断することで、前記第2のコンテンツデータを再生不可能化させることを特徴とする請求項1記載の記録装置。
【請求項4】
受信したコンテンツデータから編集情報を生成する編集情報生成手段と、
外部装置からコンテンツデータを受信すると共に、当該コンテンツデータの編集情報を前記外部装置に送信する通信手段と、
前記受信したコンテンツデータから生成した編集情報の送信に伴い、当該コンテンツデータを再生不可能化するコンテンツ管理手段と
を具備することを特徴とする記録装置。
【請求項5】
前記コンテンツ管理手段は、前記外部装置から編集情報の取得要求を受信した場合、前記編集情報の送信に伴い、前記受信したコンテンツデータを再生不可能化することを特徴とする請求項4記載の記録装置。
【請求項6】
前記コンテンツ管理手段は、前記コンテンツデータの受信完了前に前記外部装置との通信を中断することで、前記コンテンツデータを再生不可能化することを特徴とする請求項1記載の記録装置。
【請求項7】
第1の記録装置と第2の記録装置とを備え、
前記第1の記録装置は、
第1のコンテンツデータを複製して第2のコンテンツデータを生成する複製手段と、
前記第2のコンテンツデータを前記第2の記録装置に送信する第1の通信手段と、
を具備し、
前記第2の記録装置は、
前記第1の記録装置から受信した前記第2のコンテンツデータの編集情報を生成する編集情報生成手段と、
前記第2のコンテンツデータの前記編集情報を前記第1の記録装置に送信する第2の通信手段と、
前記第2のコンテンツデータの前記編集情報の送信に伴い、前記第2のコンテンツデータを再生不可能化するコンテンツ管理手段と
を具備することを特徴とする通信システム。
【請求項8】
前記第1の通信手段は、前記第2のコンテンツデータの送信完了前に前記第2の記録装置との通信を中断することで、前記第2のコンテンツデータを再生不可能化させることを特徴とする請求項7記載の通信システム。
【請求項9】
前記第1の記録装置は、
前記第2のコンテンツデータの受信完了通知の受信に伴って前記第1のコンテンツデータを再生不可能化すると共に、前記第2のコンテンツデータの再生不可能化に伴って前記第1のコンテンツデータの再生不可能化を解除する第2のコンテンツ管理手段を更に具備することを特徴とする請求項7記載の通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−27182(P2010−27182A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−190808(P2008−190808)
【出願日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】