説明

記録装置

【課題】画像読み取り部の動作中に記録部の動作に基づいて発生する振動によって読み取り画像に弊害が発生するのを防止するとともに、安価で使用者の利便性が高い画像読み取り記録装置を提供する。
【解決手段】記録部動作に基づく状態信号SがON状態、つまり記録部の動作による振動が比較的大きいと判断されるときは(S101)、スキャナモータが動作中であるか否かをチェックする(S107)。ここで、スキャナモータが動作中であると判断したときは、スキャナモータの駆動を停止するとともに読み取り動作をも中止する(S108)。そして、状態信号SがOFF状態となるまで画像読取動作を中断状態とし状態信号SがOFF状態となるまで読み取り動作を待機する(S101)。このように、記録部が動作している場合であっても、その動作に基づいて発生する振動によって画像読み取り部の読み取り画像に弊害が発生するのを防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像の読み取りを行う画像読み取り部と画像記録を行う記録部とを備えた、例えばファクシミリや複写機、複合機などの記録装置に関し、詳しくは、読み取り部の読み取り動作と記録部の記録動作相互を関連させた制御に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の装置として、ファクシミリや複写機が広く知られている。また、最近では、スキャナと同じ機能を有した画像読み取り部と画像情報に基づいて記録を行う記録部とを一体の筐体内に備えた複合機が、多機能性に加えて省スペースで実現できることなどの理由から広く用いられている。この複合機には、デジタルカメラなどの画像情報の記録媒体としてのメモリーカードなどから直接画像情報を読み込むためカードスロットなどを備えたものもある。さらに、複合機は、上記の画像読み取り部から読み取られた画像情報を所定のIF部を介してPCなどのホスト装置に送信し、ホスト装置で加工など行った後その画像情報を複合機に戻して、記録部において記録することも可能になっている。
【0003】
以上のような画像読み取り機構を備えた記録装置(以下、「画像読取り記録装置」とも言う)では、画像読み取り部と記録部とが独立して動作できる構成のものがよく知られている。例えば、PC(パーソナルコンピュータ)などホスト装置からの指示に基づいた画像読み取り動作中に、同じくホスト装置からの指示に基づく記録動作を実行する場合がある。また、メモリーカードからの画像情報に基づく記録動作中にやはりPCなどを介して画像読み取り部を動作させる場合や、ファクシミリ機能を備えた複合機などでは、受信した情報に基づいた記録動作中に、送信原稿などの読み取り動作をする場合などがある。
【0004】
このような画像読み取り記録装置における画像読み取り部は、読み取りセンサ部を例えば原稿となる用紙の幅方向に走査しながら画像の読み取り動作を行うものが一般的である。また、記録部は、記録ヘッドを、紙、フィルム等の記録媒体に対して走査させることと、この走査領域に対する記録媒体の搬送を繰り返しながら記録を行う所謂シリアル式のものを構成の容易さなどの点から広く用いている。
【0005】
ところで、画像読み取り記録装置の読み取りセンサ部の動作中に、装置の使用者による操作部での操作よって発生する振動や、記録部の動作に基づいて発生する振動が要因となって読み取りセンサ部の走査が不安定になることがある。このような場合、読み取りセンサ部によって読み取った画像に乱れなどの弊害が発生するおそれがある。また、記録部の記録動作などによって発生する振動によって上述の読み取りの不安定化を生じることもある。特に、画像読み取り部が、高品位を得るための例えば高解像度モードで動作し、一方記録部は記録速度の速いモードで動作する場合に、読み取りの不安定化による画像弊害の可能性が高まる。
【0006】
このような画像読み取り部以外の要素によって発生する振動に起因した画像弊害を低減するため、振動を検出するセンサ等の振動検出手段と画像読み取り部による読み取り位置を認識する認識手段とを装置内に設けた記録装置が知られている(例えば特許文献1)。そして、上記振動検出手段が振動を検出した場合には、振動が検出された画像読み取り部による読み取り位置を認識し、再度読み取り位置をその検出時の位置に戻って読み取りを行うものである。また、振動の検出のためのセンサ等を備えていない構成では、例えば画像読み取り部の動作時には記録部の動作を全て禁止してしまうということも考えられる。
【0007】
【特許文献1】特開平06−205180号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に示されているように振動検出のためのセンサを設ける場合には、センサ等の振動検出機構を設けるためそれだけ装置が高価になるという問題がある。特に、画像読み取り部における総ての動作が記録部からの振動によって読み取り画像の弊害をもたらすとは限らない。このため、そのような弊害を生ずる可能性のある所定の画像読み取り動作を対象としその画像弊害低減のためにセンサを設けることが考慮できるが、そのためだけに設けるセンサによって相対的な装置コストの増大が大きいと言える。
【0009】
また、例えば画像読み取り部の動作時に上記記録部の動作を全て禁止してしまう構成では、使用者が画像読み取り部による読み取り動作と記録部による記録動作とが独立して使用できないことになり、使用者の利便性を損なう可能性がある。
【0010】
以上の観点から、本発明の目的は、画像読み取り部の動作中に記録部の動作に基づいて発生する振動によって読み取り画像に弊害が発生するのを防止するとともに、安価で使用者の利便性が高い画像読み取り記録装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そのために本発明では、読み取りセンサを動作させて原稿を読み取る読み取り部と、記録媒体に記録を行うための動作を行う記録部と、を備えた記録装置において、前記記録部の動作状態に基づいて、前記読み取り部による読み取り動作の実行を許可または禁止するよう制御する制御手段、を具えたことを特徴とする。
【0012】
好ましくは、前記記録部の動作状態に応じて変化する状態信号を生成する信号生成手段をさらに具え、前記制御手段は、前記信号生成手段が生成する状態信号に基づいて、前記読み取り部による読み取り動作の実行を許可または禁止するよう制御することを特徴とする。
【0013】
また、別の形態では、複数の読み取りモードで原稿の読み取りを行なうことができる読み取り部と、複数の記録モードで記録媒体に記録を行うことができる記録部とを有する画像読み取り記録装置において、前記読み取り部による読み取り動作と前記記録部による記録動作とが重複して行なわれるとき、前記読み取り部において設定されている読み取りモードに応じて、前記記録部の記録モードを、前記記録部が実行可能な複数の記録モードのうち前記読み取り部への振動の影響がより少ない記録モードに設定するする制御手段、を具えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
以上の構成によれば、記録部における動作に伴って発生する振動が読み取り動作に悪影響を及ぼすほどに大きいことを、記録部の動作状態によって知ることができる。具体的には、記録部における動作の駆動信号に基づいた状態信号によって知ることができる。そして、この動作状態が、悪影響を及ぼすほどに大きい場合には、読み取り動作を行なっているときはそれを中断し、また、読み取り動作を行なっていないときは、上記状態信号が悪影響を及ぼすほどに大きいことを示さなくなるまで、読み取り動作を待機する。すなわち、読み取り動作を禁止する。この結果、記録部が動作している場合であっても、その動作に基づいて発生する振動によって画像読み取り部の読み取り画像に弊害が発生するのを防止できる。また、この構成を安価で使用者の利便性が高い画像読み取り記録装置として実現することができる。
【0015】
また、別の形態によれば、記録部の動作に起因した読み取り部への振動の影響を、例えば読み取り部の読み取り品位を表すに読み取りモード応じて記録部の記録モードを設定することができる。具体的には、記録部における複数の記録モードのうち、スキャナ部の読み取り品位に応じて、スキャナ部への振動の影響がより少ない記録モードに設定する。その結果、記録部において記録動作が行なわれていても、読み取り動作に対する悪影響を最小限にしながらスキャナ部の動作を中断または待機しないで読み取り動作を続けることができる。
【0016】
結果として、記録部が動作している場合であっても、その動作に基づいて発生する振動によって画像読み取り部の読み取り画像に弊害が発生するのを防止できる。また、この構成を安価で使用者の利便性が高い画像読み取り記録装置として実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
(第1実施形態)
本発明に係る画像読み取り記録装置(本明細書では、単に「記録装置」とも言う)として、画像読み取り部(以下、スキャナ部あるいは単に読み取り部とも言う)と記録部(以下プリンタ部とも言う)を備えた複合機を例に採り説明する。本実施形態の記録部はインクジェット記録方式を用いたものである。
【0018】
図1は、本実施形態の画像読取記録装置を示す斜視図であり、読み取り原稿を抑える圧板を開けた読み取り部を主に示している。本実施形態に係る画像読取記録装置は、上方に画像読み取り部を、その下方に記録部を配置し、これらを装置の外郭をなす上ケース部と下ケース部よる筐体内に一体に備えたものである。また、図1に示すように、画像読取記録装置の操作や表示をするためのパネル部M1002が設けられる。このパネル部M1002には画像読み取り記録装置をPCなどのホスト装置を介さずに、画像の読み取り動作や記録動作を指示することができるキー部が設けられている。加えてPCカードなどの画像情報などの記録媒体を挿入するカードスロット部も設けられこれらPCカードなどから読み込まれた画像情報などを表示するLCDもパネル部M1002に構成されている。
【0019】
記録部は、画像の記録を行う記録シートを装置本体内へと自動的に給送動作を行なう自動給送部、自動給送部から1枚ずつ送り出される記録シートを所望の記録位置へと導くと共に、記録位置から排出部へと記録シートを導く搬送部を備える。さらに、搬送部に搬送された記録シートに所望の記録を行う記録機構部と、前記記録部に対する吐出回復処理を行う回復部(回復処理部)とを備える。
【0020】
画像読み取り部M6000は、図1に示すように、原稿をセットするガラスM6001を有し、突き当て基準部M6002がガラスM6001の上面から貼り付けてある。突き当て基準部M6002は、原稿の端部の突き当て部となると同時にガラスM6001を通して裏側からの読み取りセンサ部M6003の絶対白基準となる役割もある。ガラス23はカバーM6004により上から押えられている。原稿のガラスM6001に対する浮きを押えるカバー部材としての圧板M6005が装置後方の一辺のヒンジ部M6006を介して回動可能に取り付けられている。圧板M6005にはスポンジと白色シートで構成されている圧板白シートM6007が貼り付けられている。
【0021】
画像読み取り部M6000は、画像を読み取るためのスキャナセンサ部を搭載するセンサホルダが、軸に沿って案内されて走査されて動くように構成されている。ここでセンサホルダはスキャナモータを駆動源として、タイミングベルトを介して駆動される。具体的には、コピー動作の指示やPCなどのホスト装置から指示基づいて、スキャナセンサが、駆動走査され、ガラスM6001を介して原稿の画像情報を読み取る。
【0022】
図2は、インクジェット記録方式を用いた記録部の概略構成を示す斜視図である。図2において、シャーシM3100は、所定の剛性を有する複数の板状金属部材によって構成され、記録装置の骨格をなし、後述の各記録動作機構を保持するものとなっている。記録動作機構は、記録シートを装置本体内へと自動的に給送する自動給送部M2000と、自動給送部から1枚ずつ送り出される記録シートを所望の記録位置へと導くと共に、記録位置から排出部M3050へと記録シートPを導く搬送部M3000を備える。さらに、搬送部M3000に搬送された記録シートPに所望の記録を行う記録部M4000と、前記記録部M4000等に対する回復処理を行う回復部M5000とを備える。
【0023】
本実施形態の自動給送部M2000は、水平面に対して約30°〜60°の角度を持って積載された記録シートを水平な状態で送り出し、不図示の給送口から略水平な状態を維持しつつ本体内へと記録シートを給送するものとなっている。すなわち、自動給送部M2000には、給送ローラM2001、可動サイドガイドM2002、圧板M2003、不図示の分離爪、分離シート等が備えられている。サイドガイドM2002は一対のシートガイドM2002a及びM2002bで構成されており、一方のシートガイドM2002bは水平移動可能となっており、様々な記録シートの水平方向の幅に対応し得るようになっている。そして不図示のASFモータの駆動により給送ローラM2001が回転することにより、圧板M2003上に積載された記録シートが送球される。詳しくは、前記分離爪や分離シートの分離作用によって積載された記録シートの内最上位の記録シートを順次1枚ずつ分離されて搬送部M3000へと送り出される。
【0024】
搬送部M3000は、LFローラM3001、ピンチローラM3002、及びプラテンM3003等を備える。LFローラM3001は、前記シャーシM3100等によって回動自在に支持された駆動軸に固定されており、LFギヤ列M3004を介してLFモータE0002により回転駆動される。また、ピンチローラM3002は、シャーシM3100に回動自在に支持されるピンチローラホルダM3002aに軸着されるとともに、ピンチローラホルダM3002aを付勢する巻きばね状のピンチローラばねによってLFローラM3001に圧接している。ピンチローラM3002は、LFローラM3001が回転するとこれに従動して回転し、記録シートをLFローラM3001との間で挟持しプラテンにM3003に支持されながら搬送させるものとなっている。
【0025】
このように構成された搬送部においては、自動給送部M2000の給紙ローラM2001による搬送動作が停止した後、一定時間が経過するとLFモータE0002の駆動が開始される。そして、LFローラM3001とピンチローラM3002のニップ部とに先端部が当接している記録シートPが、LFローラM3001の回転によってプラテンM3003上の記録開始位置まで搬送される。
【0026】
排出部M3050は、前記LFモータE0002の駆動を所定のギヤ列を介して伝達され回転可能な図2に示した排出ローラM3051を有し、この排出ローラの回転に従動回転する拍車M3053が拍車ステイM3052に設けられる。さらにこれら排出ローラと拍車M3053により排出される。前記記録シートへの記録が終了し、前記LFローラM3001とピンチローラM3002の間から前記記録シートPの後端が抜脱すると、排出ローラと拍車M3051のみによる記録シートPの搬送が行われ、前記記録シートの排出は完了する。
【0027】
記録機構部M4000は、主に、キャリッジ軸M4003とキャリッジレールM4005とによって移動可能に支持されたキャリッジM4001と、このキャリッジM4001に着脱可能に搭載される記録ヘッドカートリッジH1000とを備えて構成される。ここで、インクジェット記録ヘッドカートリッジH1000には不図示の記録ヘッド部へインク供給するインクタンクH1001が交換可能に構成されている。
【0028】
キャリッジM4001は、アイドラプーリM4009とキャリッジモータプーリM4010との間にキャリッジ軸M4003と略平行にコイルバネを介して張架されたキャリッジベルトM4011の下側に固定されている。これにより、キャリッジモータE0001の駆動によってキャリッジモータプーリM4010を駆動させ、キャリッジM4001をキャリッジ軸M4003とキャリッジレールM4005とに沿って移動させることができる。以上のように、記録部は記録ヘッドの走査を行う機構を含んで構成される。
【0029】
キャリッジM4001の記録ヘッドカートリッジH1000との係合部には、図3にて後述するコンタクト部E0011が設けられ、コンタクト部E0011上のピンとヘッドカートリッジH1000に設けられた不図示のコンタクト部とが接触する。これにより、記録のための各種情報の送受信や記録ヘッドカートリッジH1000のインク吐出部への電力の供給などを行うことができる。さらに、前記コンタクト部E0011はキャリッジM4001の背面に搭載されたキャリッジ基板E0013(CRPCB、図3)に装着される。また、キャリッジフレキシブルフラットケーブル(キャリッジFFC)E0012によりキャリッジM4001の側面部に引き出されメイン基板E0014(図3)と接続されている。また、キャリッジ基板E0013には、エンコーダセンサE0004(図3)が設けられる。これにより、シャーシM3100の両側面の間にキャリッジ軸M4003と平行に張架されたエンコーダスケールE0005上の情報を検出し、キャリッジM4001の位置や走査速度等を検出することができる。
【0030】
本実施形態の回復部は、記録ヘッドカートリッジH1000の不図示のインク吐出部に付着した異物を除去するための清掃手段やインクタンクH1001からインク吐出部に至るインクの流路の正常化を図るための吸引手段等を備えている。キャップM5001は記録ヘッドカートリッジH1000のインク吐出部に対向して設けられPGモータE0003と不図示のギヤ列とカム機構を介して接続され、図2に示すB方向に移動可能に構成されている。キャリッジM4001に装着された記録ヘッドカートリッジH1000のインク吐出部がキャップM5001と対向する位置(キャッピング位置ともいう)へ移動する。そして、キャップM5001が図中の鉛直上方へ駆動することでインク吐出部を覆いキャッピング状態となることができる。この状態でPGモータと所定のギヤ列と接続された不図示のポンプ機構を動作するとインクタンクH1001からインク吐出部を通じてインクが吸引され排出される。また、回復部M5000にはインク吐出部の清掃手段としてワイパーブレードM5002が設けられている。ワイパーブレードM5002は所定のギヤ列を介しPGモータE0003と接続され、図5の図中C方向に移動可能に構成されている。これにより、記録ヘッドカートリッジH1000が装着されたキャリッジM4001が所定のワイピング位置へ移動後、停止し、ワイパーブレードM5002を図5の手前方向に駆動することができる。この動作によりワイパーブレードM5002が記録ヘッドカートリッジH1000のインク吐出部の表面に当接し清掃を行う。
【0031】
図3および図4は、本実施形態の画像読取記録装置における電気的回路の全体構成を示す図である。
【0032】
本実施形態における電気的回路は、主にキャリッジ基板(CRPCB)E0013、メインPCB E0014、電源ユニットE0015等を有して構成される。ここで、電源ユニットE0015は、メインPCB E0014と接続され、各種駆動電源を供給する。
【0033】
キャリッジ基板E0013は、キャリッジM4001に搭載され、コンタクト部E0011を通じて記録ヘッドカートリッジH1000との信号の授受を行う。また、キャリッジM4001の移動に伴ってエンコーダセンサE0004から出力されるパルス信号に基づき、エンコーダスケールE0005とエンコーダセンサE0004との位置関係の変化を検出する。そして、その出力信号をフレキシブルフラットケーブル(CRFFC)E0012を通じてメインPCB E0014へと出力する。
【0034】
メインPCBは、画像読み取り部や記録部の駆動制御を司るプリント基板ユニットである。この基板ユニットは、パネル部M1002に設けられたキー部M1002a、LCD M1002b、電源キーE0018に対するポートを備える。これにより、画像読み取り部M6000のスキャナセンサ部M6003やおよびスキャナセンサ部M6003を走査駆動するためのスキャナモータM6011を動作させ画像情報を読み込むために電気的に接続される。また、記録部の紙端検出センサ(PEセンサ)E0006、ASFセンサE0009等とも接続され、また、基板ユニットは、パラレルI/F E0016、シリアルI/F E0017等に対するI/Oポートを有する。さらに、基板ユニットは、CRモータE0001、LFモータE0002、PGモータE0003、ASFモータE0008、スキャナモータM6011と接続されてこれらの駆動を制御する。その他、基板ユニットは、PGセンサE0010、CRFFC E0012、電源ユニットE0015との接続インターフェイスを有する。
【0035】
CPU E1001は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)E1002とともに記録装置の各部を駆動制御する。例えば、CRモータE0001、LFモータE0002、PGモータE0003、ASFモータE0008、スキャナモータM6011を、それぞれCRモータドライバーE1003、LFモータドライバーE1004、PGモータドライバーE1004、ASFモータドライバーE1005、スキャナモータドライバE0021を介して制御する。この際、ASIC E1002において出力される上記各モータの駆動信号に基づき、不図示の回路は、図7、図8などにて後述される状態信号Sを検出ないし生成される。
【0036】
図5は、以上説明した記録部の各種動作を説明するフローチャートである。AC電源に本画像読取記録装置が接続されると、まず、ステップS1で、本装置の第1の初期化処理を行う。この初期化処理では、本装置のROMおよびRAMのチェックなどの電気回路系のチェックを行い、電気的に本装置が正常に動作可能であるかを確認する。
【0037】
次に、ステップS2では、パネル部M1002に設けられた電源キーE0018(図3および図4)がONされたか否かの判断を行う。電源キーE0018が押された場合には、次のステップS3へと移行し、第2の初期化処理を行う。
【0038】
この第2の初期化処理では、本装置の記録部の各駆動機構およびヘッドカートリッジなどのチェックを行う。すなわち、各種モータの初期化やヘッド情報の読み込みを行い、本装置が正常に動作可能であるかを確認する。キャリッジの位置の基準を決めるためのホームポジション取得の動作はこの初期化処理2の中で実施される。
【0039】
次に、ステップS4ではイベント待ちを行う。すなわち、本装置に対して、外部I/Fからの指令イベント、ユーザ操作によるパネルキーM1002からのイベントおよび内部的な制御イベントなどを監視し、これらのイベントが発生するとそのイベントに対応した処理を実行する。
【0040】
例えば、ステップS4で、外部I/Fからの印刷指令イベントを受信した場合には、ステップS5へと移行し、その後の処理を実行する。また、ステップS4でユーザ操作による電源キーイベントが発生した場合にはステップS10へと移行し、プリント終了処理を行なう。さらに、ステップS4でその他のイベントが発生した場合にはステップS11へと移行し、それに応じた処理を行なう。
【0041】
ステップS5へ移行した場合、外部I/Fからの印刷指令を解析し、指定された紙種別、用紙サイズ、印刷品位、給紙方法などを判断し、その判断結果を表すデータを本装置内のRAMに記憶し、ステップS6へと進む。次いで、ステップS6ではステップS5で自動給送部M2000の駆動を開始し、用紙を記録開始位置まで送り、ステップS7に進む。ステップS7では記録動作を行う。
【0042】
この記録動作では、外部I/Fから送信されてきた記録データを、一旦記録バッファに格納する。そして、CRモータE0001を駆動してキャリッジM4001の走査方向への移動を開始すると共に、プリントバッファに格納されている記録データを記録ヘッドカートリッジH1000へと供給して1行の記録を行う。1行分の記録データの記録動作が終了するとLFモータE0002を駆動し、LFローラM3001を回転させて用紙を副走査方向へと送る。この記録に伴うキャリッジM4001の走査は、加速状態、定速状態、減速状態、停止状態を遷移しながら行われる。
【0043】
この後、上記動作を繰り返し実行し、外部I/Fからの1ページ分の記録データの記録が終了すると、ステップS8へと進む。ステップS8では、LFモータE0002を駆動し、不図示の排出ローラを駆動し、用紙が完全に本装置から送り出されたと判断されるまで紙送りを繰返し、終了した時点で用紙は排紙トレイM1004a上に完全に排紙された状態となる。次にステップS9では、記録すべき全ページの記録動作が終了したか否かを判定し、記録すべきページが残存する場合には、ステップS5へと復帰する。そして、前述のステップS5〜S9までの動作を繰り返する。記録すべき全てのページの記録動作が終了した時点で記録動作は終了し、その後ステップS4へと移行し、次のイベントを待つ。
【0044】
ステップS10の処理では、プリンタ終了処理を行い、本装置の動作を停止させる。つまり、各種モータやヘッドなどの電源を切断するために、電源を切断可能な状態に移行した後、電源を切断しステップS4に進み、次のイベントを待つ。
【0045】
また、ステップS11では、上記以外の他のイベント処理を行う。例えば、本装置の各種パネルキーや外部I/Fからの記録ヘッドの回復処理指令や内部的に発生する回復イベントなどに対応した処理を行う。また、ステップS4では、例えば、ホスト装置からの画像読み取りの指示と、続いて同じくホスト装置から記録動作実行の指示がイベントとしてある場合もある。あるいは、メモリーカードからの画像情報に基づく記録動作の指示とホスト装置からの画像読み取りの指示が同じ時期にイベントとして入力したり、受信した情報に基づいた記録動作中に、送信原稿などの読み取り動作のイベントが入力する場合などがある。このように、画像読み取り部と記録部とが同時に動作する場合、記録部における動作に伴う振動によって読み取り部の読み取り動作が乱されることの弊害を防止するべく、以下で説明する処理が行われる。
【0046】
図6は、記録部での動作に基づいて発生する振動の様子の一例を示す図である。図6に示すグラフは、横軸に時間、縦軸に振動の大きさを示している。具体的には、一連の記録動作のうち、自動給送部から記録シートの給送を開始し、その記録シートを搬送部によって記録部による記録開始位置へ搬送し、その後キャリッジを移動させて記録ヘッドの走査を行っている状態の振動の様子を示している。ここで、図6の上部に示したグラフは、記録部のキャリッジM4001に加速度センサを装着して検出される振動の一例であり、図中下部のグラフは、記録部の各機構部を支持するシャーシM3100に加速度センサを装着して検出される振動の一例である。なお、実際の振動の検出は、本実施形態では、後述されるように各種モータの駆動時に出力される駆動信号に基づく状態信号Sを用いるものであり、加速度センサを用いた振動検出は行わない。この加速度センサの構成は、記録動作が画像読み取り部に及ぼす影響を説明するため実験的に用いられるものである。
【0047】
図6に示す領域1から領域7は、記録部の各機構の動作により発生した振動がシャーシM3100に伝達され、この伝達された振動のうち比較的大きい振動となっている領域を示している。以下各領域について記録部の動作に関連させて説明する。
【0048】
領域1は、キャリッジに搭載された記録ヘッドが、回復部のキャップによってキャップされている状態からPGモータを駆動し、記録ヘッドからキャップを離す動作の状態を示している。領域2は、領域1でのキャップの離隔動作に続いて、キャリッジの基準位置を決定するためのホームポジジョン取得動作の状態を示している。このとき図2において、キャリッジはシャーシM3100の図中右方向に移動し、シャーシM3100の側面部に突き当てられるように動作する。領域3は、記録部の自動給送部から記録シートを給送するためASFモータを駆動し圧板を給送ローラに向かって駆動すると共に給送ローラや搬送ローラを駆動して記録シートを所定の記録開始位置へ搬送している状態を示している。これに続く領域4から領域7は、所定の記録開始位置に搬送された記録シートにキャリッジの移動による記録ヘッドの走査を繰り返す状態のうち、ほぼキャリッジの、減速状態と停止状態とこれに続く走査方向を反転しての加速状態に対応した状態を示している。
【0049】
図7は、記録部において発生する振動が比較的大きい状態であることを示す記録部の動作状態を示す状態信号Sについて説明する図である。すなわち、記録部の各機構による動作により発生する振動のうち、図6に示す領域1〜領域7の振動は比較的大きなものであり、これらの振動は画像読み取り部の読み取り動作に悪影響を与えるものである。本実施形態は、この振動を、図6に示す領域1から領域7の状態に対応してONとなる状態信号Sとして検出する。この状態信号Sは、前述したように、図4に示したASIC E1002内部で、上記各領域で駆動するモータの駆動信号に基づき、不図示の信号生成回路によって生成される信号である。具体的には、領域1については、キャップの離隔動作のためのPGモータの駆動と共にON状態となりPGモータの停止と共にOFFとなるように生成される。領域2に対応した状態信号Sは、キャリッジのホームポジション取得動作のためキャリッジモータの駆動を開始したと共にON状態となりホームポジション取得が終了しキャリッジモータの駆動を停止すると共にOFF状態となるように生成される。領域3に対応した状態信号Sは、自動給送部からの記録シートの給送開始のためASFモータの駆動の開始と共にON状態となり所定の記録開始位置まで記録シートを搬送しLFモータの駆動を停止すると共にOFF状態となるように生成される。さらに、領域4から領域7に対応した状態信号Sは、主としてキャリッジの記録走査のための移動のうち、記録を終了して減速する減速状態と停止状態加えて次の記録動作のための加速状態にほぼ対応している。従って、キャリッジがキャリッジモータへの駆動力を低減させ減速状態に推移すると共にON状態となりこれに続く停止状態を介しキャリッジモータへの駆動力を段階的増加させる加速状態を終了すると共にOFF状態となるように生成される。
【0050】
図8は、本発明の一実施形態にかかる上述の状態信号Sに基づいた画像読み取り部の動作について説明するフローチャートである。
【0051】
画像読み取り部M6000における画像読み取り動作の開始が指示されると、先ず記録部の状態信号Sをチェックする(ステップS101)。なお、このチェックは、CPU E1001が、上述したように不図示の回路が生成する状態信号Sの状態を検知することによって行なう。ここで、状態信号SがOFF状態、つまり記録部により発生する振動が比較的小さいかまたは記録部が動作していないと判断されるときは、スキャナモータ6011の駆動を開始する(ステップS102)。その後、スキャナセンサ部M6003を用いたホームポジションの取得動作を実施する(ステップS103)。ここで、スキャナフレームには所定の位置に不図示のフォトセンサなどが備えられ、スキャナセンサ部M6003を支持したセンサホルダ部がその移動にともなってこのフォトセンサを通過するよう構成されている。そして、そのスキャナセンサホルダ部がフォトセンサを通過した位置を基準として、スキャナセンサ部M6003の、戴置された原稿画像に対する位置が認識される。ホーム位置の取得が行われると、続いてセンサ部の出力の調整などのためセンサボルダ部を白基準M6002に対向する位置まで移動させ、白基準の読取動作を実施する(ステップS104)。その後、センサ部M6003を原稿画像に向かって駆動し画像の読取を開始する(ステップS105)。画像の読み取り動作は、画像情報が検出されなくなるかもしくは、センサ部M6003の最大走査距離に相当する位置まで走査されたかなどに基づいて画像の読取動作が終了するまで行われる(ステップS106)。
【0052】
一方、ステップS101で、記録部動作に基づく状態信号SがON状態、つまり記録部の動作による振動が比較的大きいと判断されるときは、ステップS107へ移行し、スキャナモータが動作中であるか否かをチェックする。ここで、スキャナモータが動作中であると判断されたときは、ステップS108で直ちにスキャナモータの駆動を禁止ないし停止するとともに読み取り動作を禁止または中止する。そして、ステップS101へ移行して記録部の状態信号SのON、OFF状態をチェックする。このように、状態信号SがOFF状態となるまで画像読取動作を中断状態として状態信号SがOFF状態となるまで待機する。そして、状態信号SがOFF状態となったことが検知されたときにはステップS102に移行して画像の読取動作を再開する。
【0053】
また、ステップS107で、スキャナモータが動作中でないと判断したときも、同様にステップ101に移行して状態信号SがOFF状態となるまで待機し、状態信号SがOFF状態となった後ステップS102により読み取り動作を開始または再開する。すなわち、読み取り動作を許可する。
【0054】
読み取り動作の再開は、本実施形態では、読み取りを中止した位置にスキャナセンサ部M6003を戻し、そこから読み取りを再開する。なお、この形態に限らず、読取動作の中止が指示された位置を保持しておくとともに、読み取り動作を再開する場合に、読取り動作の中止が指示された位置よりも所定量以前の位置から読取り動作を行うようにしてもよい。そして、読取動作が中止されたときに読み取られた画像情報は破棄して読み取り動作の再開後に読み取られた画像を正規の読み取り画像情報とするようにする。
【0055】
以上のように、本実施形態によれば、記録部における動作に伴って発生する振動が読み取り動作に悪影響を及ぼすほどに大きいことを、記録部における駆動部を駆動する駆動信号に基づいた状態信号によって知ることができる。そして、この状態信号が、悪影響を及ぼすほどに大きいことを示す場合には、読み取り動作を行なっているときは中断し、また、読み取り動作を行なっていないときは、上記状態信号が悪影響を及ぼすほどに大きいことを示さなくなるまで、読み取り動作を待機する。この結果、記録部が動作している場合であっても、その動作に基づいて発生する振動によって画像読み取り部の読み取り画像に弊害が発生するのを防止できる。また、この構成を安価で使用者の利便性が高い画像読み取り記録装置として実現することができる。
【0056】
なお、上述した形態では、状態信号Sが、記録部の各機構を駆動するモータの駆動の開始や駆動の停止とともにON、OFF状態となるように生成せれる構成とした。しかし、この形態に限られず、図9に示すように、モータの駆動の停止(動作停止状態)から所定時間T1をおいて状態信号Sが変化するようにすることも考えられる。図9に示す例は、状態信号SがON状態からOFF状態となるタイミングを、例えば記録部のモータの駆動停止よりも所定時間遅延(T1)させてOFF状態となるようにした形態を示している。この形態によれば、モータの駆動停止より時間的に遅れて振動が減衰する場合などにも対応でき、その結果より状態信号SのOFF状態の信頼性が増加する。
【0057】
また、記録部動作による振動の画像読取部への伝達そのものが時間的に遅れる場合には、図9に加え、図10に示したように、状態信号SのOFF状態からON状態への変化を記録部のモータの駆動開始から所定時間T2だけ遅延させて生成することも考えられる。図9、図10に示すような状態信号Sを設けることでより効果的に状態信号を生成することができ、その結果記録部の動作による振動による画像読取部M600による画像弊害を最小限に抑えることが可能になる。
【0058】
(第2実施の形態)
上述した第1実施形態では、記録部の動作状態に基づいて状態信号Sを生成し、この状態信号Sに従って画像読み取り部での画像読み取り動作を制御して、記録部の動作により発生する振動に起因する読取画像への弊害を最小限に抑える形態について説明した。本発明の第2の実施形態は、このような第1実施形態と合わせて、記録部の動作をも制御する構成に関するものである。
【0059】
図11は、記録部における記録モードごとのキャリッジM4001による走査速度を示す図である。キャリッジM4001の走査は、前述のようにその速度を段階的に速度を増加させる加速状態と、一定の速度を維持しながら走査する定速状態と、この定速状態での速度から段階的に減速する減速状態を示しながら行われる。本実施形態は、キャリッジM4001の定速状態における速度が、図11に示すたように、モードごとの3種類の速度となる。これらの走査状態は、記録時間が短い「速い」モード、より高品位の記録結果を得るための「きれい」モード、およびこれらのモードの中間的な記録時間と記録品位を得るための「標準」モードのおのおのに対応して設けられている。すなわち、本実施形態の記録部は、複数の記録モードを実行可能に構成されている。「速い」モード時に適用されるキャリッジM4001の走査状態は到達速度の最も大きい速度v1に対応し、「標準」モード時に適用される走査状態は速度v2に対応し、「きれい」モード時適用される走査状態は最も低い速度v3に対応している。さらには、図11に示すように到達速度が大きくなるにつれて加速度および減速度も大きくなる。
【0060】
本実施形態では、基本的に、画像読み取り部による実行可能な4つの読み取りモードで読み取り動作が行われているときに、記録部の動作が指示されると、図12に示すテーブルに従って記録部におけるキャリッジの走査状態を制御する。すなわち、記録部の動作と読み取り部の動作が重複するとき、読み取り部のモードに応じて記録部のモードを変更する。
【0061】
画像読み取り部であるスキャナ部の動作モードが、読み取り動作の試行である「プレスキャンモード」の場合には、記録部で記録動作が行なわれていても、第1実施形態で説明したように、読み取り動作を中止または待機しない。これは、記録部動作による振動によって画像弊害が多少生じても使用者にとってその読み取り動作モードの使用目的を達成できるからである。具体的には、図12に示すように、スキャナ部の動作モードが「プレスキャンモード」のときは、その読み取り動作を行なうとともに、記録部における記録モードに対応したキャリッジの走査状態を変更せずにそのままの状態で記録動作を行なう。
【0062】
スキャナ部の動作モードが、解像度の低い「高速スキャンモード」の場合、同様に、記録部で記録動作が行なわれていても、読み取り動作を中止または待機しない。そして、記録部におけるキャリッジの走査状態がもっとも加速度および減速度のおおきい「速い」モードの場合に限って、その走査状態をたとえば「標準」モードで適用される速度v2の走査状態に変更する。
【0063】
スキャナ部の動作モードが「標準スキャンモード」の場合、記録部におけるキャリッジの走査状態が「速い」モードまたは「標準」モードに対応したものであるときは、同様に、記録部で記録動作が行なわれていても、読み取り動作を中止または待機しない。そして、キャリッジの加速度、減速度がもっとも小さい走査状態で駆動される「きれい」モードに変更して記録動作を行う。また、記録部において設定されている記録モードが元々「きれい」モードの場合は、そのモードを変更せずに記録動作を行なう。結果として、記録部における最初の設定モードがいずれのものであっても、「きれい」モードの記録動作を行なう。そして、この場合に、図8にて説明した、状態信号S基づく画像読み取り部の動作の中止、再開の制御を行う。
【0064】
さらに、スキャナ部の動作モードが、高品位な読み取り画像を得るための「高解像度スキャンモード」である場合は、第1実施形態で説明した図8に示す制御は行なわず、記録部による記録動作を行わないで待機状態とする。
【0065】
以上のように、本実施形態によれば、記録部の動作に起因したスキャナ部への振動の影響を、スキャナ部の読み取り品位に応じて変更することができる。具体的には、記録部における複数の記録モードのうち、スキャナ部の読み取り品位に応じて、スキャナ部への振動の影響がより少ない記録モードに変更する。その結果、記録部において記録動作が行なわれていても、読み取り動作に対する悪影響を最小限にしながらスキャナ部の動作を中断または待機しないで読み取り動作を続けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の一実施形態にかかる画像読み取り記録装置としての複合機を示す外観斜視図である。
【図2】図1に示した複合機の記録部を示す斜視図である。
【図3】上記複合機における電気的回路の全体構成を示すブロック図である。
【図4】図3に示す電気的回路におけるメイン基板における回路構成を示すブロック図である。
【図5】上記複合機における各種動作を説明するフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態に係る記録部による振動を説明する図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る記録部の上記振動に基づく状態信号を説明する図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る画像読み取り部による動作を説明するフローチャートである。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る記録部の状態信号の他の形態を説明する図である。
【図10】本発明の第1の実施形態に係る記録部の状態信号のさらに他の形態を説明する図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係るキャリッジの走査状態を説明する図である。
【図12】本発明の第2の実施形態にかかる画像読み取り部動作中のキャリッジの走査状態を説明する図である。
【符号の説明】
【0067】
M2000 自動給送部
M3050 排出部
M4000 記録部
M4001 キャリッジ
M5000 回復系ユニット
M6000 画像読み取り部
M6003 スキャナセンサ部
E0001 キャリッジモータ
E0014 メイン基板
E1001 CPU
E1002 ASIC
E1003 CRモータドライバー
H1000 記録ヘッドカートリッジ
H1001 インクタンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
読み取りセンサを動作させて原稿を読み取る読み取り部と、記録媒体に記録を行うための動作を行う記録部と、を備えた記録装置において、
前記記録部の動作状態に基づいて、前記読み取り部による読み取り動作の実行を許可または禁止するよう制御する制御手段、
を具えたことを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記記録部は、記録媒体に記録を行う記録ヘッドを走査しながら記録を行う走査手段を含んで構成され、
前記制御手段は、前記記録ヘッドのキャリッジの走査が加速状態と減速状態のときに、前記読み取り部の動作の実行を禁止するよう制御することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記記録部は、記録媒体を自動給送する自動給送部を含んで構成され、
前記制御手段は、前記自動給送部による記録媒体の給送動作が行なわれているときに、前記読み取り部の動作の実行を禁止するよう制御することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項4】
前記記録部は、記録媒体にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録ヘッドを走査して記録を行う走査手段と該記録ヘッドの吐出回復処理をおこなう回復処理部を含んで構成され、
前記制御手段は、前記回復処理部による吐出回復処理が行なわれているときに、前記読み取り部の動作を禁止するよう制御することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項5】
前記記録部の動作状態に応じて変化する状態信号を生成する信号生成手段をさらに具え、
前記制御手段は、前記信号生成手段が生成する状態信号に基づいて、前記読み取り部による読み取り動作の実行を許可または禁止するよう制御することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の記録装置。
【請求項6】
前記信号生成手段による状態信号は、前記記録部における機構部を動作させるモータの動作状態と動作の停止状態とに基づいて変化する信号であることを特徴とする請求項5に記載の記録装置。
【請求項7】
前記信号生成手段は、前記記録部における機構部の動作停止状態から動作状態に移行するのに所定時間遅延して変化する状態信号を生成することを特徴とする請求項5または6に記載の記録装置。
【請求項8】
前記信号生成手段は、前記記録部における機構部の動作状態から動作の停止状態に移行するのに所定時間遅延して変化する状態信号を生成することを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載の記録装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記状態信号が記録部における機構部の動作状態を示す場合は、読み取り動作を禁止するよう制御するとともに、前記状態信号が記録部における前記機構部の動作停止状態を示す場合は、読み取り動作を許可するよう制御することを特徴とする請求項5ないし8のいずれかに記載の記録装置。
【請求項10】
前記読み取り部は、複数の読み取りモードを実行可能であり、前記記録部は、複数の記録モードを実行可能であり、
前記制御手段は、前記読み取り部による読み取り動作と前記記録部による記録動作とが重複して行なわれる場合に、前記読み取り部の読み取りモードに応じて、前記記録部の記録モードを、当該記録部の記録動作による前記読み取り部に対する振動の影響がより少ない記録モードに変更するとともに、前記記録部の動作状態に基づいて、前記読み取り部による読み取り動作の実行を許可または禁止するよう制御することを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の記録装置。
【請求項11】
複数の読み取りモードで原稿の読み取りを行なうことができる読み取り部と、複数の記録モードで記録媒体に記録を行うことができる記録部とを有する画像読み取り記録装置において、
前記読み取り部による読み取り動作と前記記録部による記録動作とが重複して行なわれるとき、前記読み取り部において設定されている読み取りモードに応じて、前記記録部の記録モードを、前記記録部が実行可能な複数の記録モードのうち前記読み取り部への振動の影響がより少ない記録モードに設定するする制御手段、
を具えたことを特徴とする記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−283516(P2008−283516A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−126399(P2007−126399)
【出願日】平成19年5月11日(2007.5.11)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】