設計支援装置
【課題】設計案件の設計途中において、設計案件の最終設計結果を診断することが可能な設計支援装置を提供することを目的とする。
【解決手段】複数の設計プロセスから成る複数の設計案件を実行して、得られた複数の最終設計結果が登録されたデータベース106を備えた設計支援装置であって、少なくとも、最終設計結果登録部103で登録された最終設計結果と、データベースに登録された複数の設計案件の何れかの最終設計結果とを比較する設計結果分析診断部104とを備える。
【解決手段】複数の設計プロセスから成る複数の設計案件を実行して、得られた複数の最終設計結果が登録されたデータベース106を備えた設計支援装置であって、少なくとも、最終設計結果登録部103で登録された最終設計結果と、データベースに登録された複数の設計案件の何れかの最終設計結果とを比較する設計結果分析診断部104とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設計プロセス途中で発生する数々の成果物から、通常設計後に判断していた最終設計結果の良し悪しを診断する設計支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、過去の最終設計結果から、今回設計中の案件に対する最終設計結果に対して良し悪しを予測する技術には応答曲面法がある。これは、設計パラメータを独立変数、設計パラメータから得られる結果を従属変数とする関数を算出し、新たな設計案件の設計パラメータを入力して内挿補間することにより性能を予測するものである。機器決定のために空調能力を検討する場合を例に取ると、部屋の機器の配置位置を設計パラメータとし、その結果から得られる空調能力を算出して応答曲面を作成し、応答曲面から新たな機器の配置位置の空調能力を算出するものである。
【0003】
従来、設計パラメータから応答曲面を作成し、性能を予測する技術としては、特開2004−295164号公報に開示がある。特開2004−295164号公報では、過去に設計した実績装置の設計パラメータ及び性能試験結果(又は計算結果)を保存したデータベースと、多変量の設計パラメータからなる設計データを、各設計パラメータを軸とする多次元空間上の点として扱い、実績装置の設計パラメータの集合を多次元空間上に分布する点群上の性能値と見なし、新規の設計点における性能値を、これら点群上の性能値を内挿して求める方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−295164号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の応答曲面法を利用した予測技術は、設計パラメータと性能などとの関係を関数で表すことが前提となっている。このため、設計プロセスの中の一設計プロセスにおける設計パラメータと、該設計プロセスの出力結果の予測となり、設計プロセスの上流において、最終設計結果の良し悪しを予測することは難しい。機器検討,機器決定,ダクト配管検討,ダクト配管決定,図面作成,コスト算出といった場合の設計プロセスを例にとると、設計プロセスの上流側の機器検討で、機器の配置位置と空調能力の関係式を算出しても、そこから下流側のコスト算出プロセスでのコスト算出を予測し、さらに算出したコストに対して、計画した予算を満たしそうかどうかを判断することは難しい。これは、下流のプロセスにあるダクト配管,コスト算出の設計パラメータが決まっていないためである。
【0006】
このような従来の応答曲面法を利用した予測技術により最終設計結果を予測する場合、前述の課題により設計プロセスの上流側で結果を予測することは困難である。
【0007】
特開2004−295164号公報においても、設計パラメータにリンクした性能との応答曲面を作成し、新規の設計パラメータにより性能を予測するため、設計プロセスの下流での最終設計結果の良し悪しの予測という点に関しては、十分に考慮されていない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために、画面に表示された複数の設計プロセスから成る複数の設計案件を実行して、得られた複数の最終設計結果が登録されたデータベースを備えた設計支援装置であって、複数の設計プロセスから成る設計案件を前記データベースに登録する案件登録部と、前記案件登録部で登録された設計案件の複数の設計プロセス毎に、各設計プロセスの設計パラメータと設計パラメータ値を前記データベースに登録するプロセス型ナレッジ登録部と、前記データベースに登録された設計案件において、前記案件登録部で登録された設計案件に対しての最終設計結果を入力し、前記最終設計結果をデータベースに登録する最終設計結果登録部と、前記最終設計結果登録部で登録された最終設計結果と、前記データベースに登録された複数の設計案件の最終設計結果とを比較する設計結果分析診断部とを備える。
【0009】
さらに、前記設計結果分析診断部は、前記抽出された設計案件及び前記案件登録部に登録された設計案件の前記設計パラメータと設計パラメータ値とを用いて、多変量解析を実行して、マハラノビスの距離を算出して、比較する。
【0010】
さらに、前記比較した結果をグラフ化して前記画面に表示させる診断結果表示部を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、設計案件の設計途中において、設計案件の最終設計結果を診断することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例1の設計支援装置の全体図である。
【図2】実施例1の処理手順(フェーズ1)を示す図である。
【図3】実施例1の処理手順(フェーズ2)を示す図である。
【図4】実施例1の処理手順(フェーズ2)(続き1)を示す図である。
【図5】実施例1の処理手順(フェーズ2)(続き2)を示す図である。
【図6】案件登録画面の一例を示す図である。
【図7】プロセス型ナレッジの登録画面の一例を示す図である。
【図8】最終設計結果登録画面の一例を示す図である。
【図9】案件登録画面の一例を示す図である。
【図10】設計結果診断のための診断条件指定画面の一例を示す図である。
【図11】診断のために入力するデータを示す図である。
【図12】診断結果の画面の一例を示す図である。
【図13】過去の案件情報の画面の一例を示す図である。
【図14】診断結果のグラフ表示画面の一例を示す図である。
【図15】診断結果の推移表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、実施例1の設計支援装置を示すブロック図である。実施例1の装置は、案件登録部101,プロセス型ナレッジ登録部102,最終設計結果登録部103,設計結果分析診断部104,診断結果表示部105,データベース106,計算機107とからなる。
【0014】
すなわち、画面に表示された複数の設計プロセスから成る複数の設計案件を実行して、求められた複数の最終設計結果が登録されたデータベース106を備えた設計支援装置であって、複数の設計プロセスから成る設計案件をデータベース106に登録する案件登録部101と、案件登録部101で登録された設計案件の複数の設計プロセス毎に、各設計プロセスの設計パラメータと設計パラメータ値をデータベース106に登録するプロセス型ナレッジ登録部102と、データベース106に登録された設計案件において、案件登録部101で登録された設計案件に対しての最終設計結果を入力し、この最終設計結果をデータベース106に登録する最終設計結果登録部103と、最終設計結果登録部103で登録された最終設計結果と、データベース106に登録された複数の設計案件の何れかの最終設計結果とを比較する設計結果分析診断部104とを備える。
【0015】
案件登録部101では、これから設計する新たな案件について、案件名および種類,規模,洗浄度などの属性情報を設計者が入力して、データベース106へ登録する。
【0016】
プロセス型ナレッジ登録部102は、案件登録部101で登録された案件に対して、設計プロセスを表示する。また、各設計プロセス毎に、設計者が設計を遂行する上で必要な参照情報が予め登録され、それらの参照情報の参照が可能である。さらに、各設計プロセスの成果物,成果物の設計パラメータ,設計パラメータの値が設計プロセスに結び付けて登録される。また、案件名,属性情報,設計プロセスと共にデータベース106へ登録する。
【0017】
最終設計結果登録部103は、プロセス型ナレッジ登録部102で設計した案件に対し、設計終了後にその設計がどうであったか、すなわち良し悪しなどの設計結果を、プロセス型ナレッジ登録部102で登録した内容に付与する形で、最終設計結果としてデータベース106へ登録する。
【0018】
設計結果分析診断部104は、プロセス型ナレッジ登録部102で設計中の案件において、設計完了後の良し悪しについて診断すべく、任意の設計プロセスから診断条件指定画面を表示し、診断するために必要な過去の案件情報の検索条件を取得する。さらに、検索条件を元に、データベース106を検索することで案件情報を取得する。この取得した案件情報から、任意の設計プロセスと同様の設計プロセスから設計パラメータ,設計パラメータの値を取得する。さらに、案件情報に対して、最終設計結果登録部103で登録された最終設計結果を取得する。その後、現在設計中の案件に対して指定した任意の設計プロセスに登録された設計プロセスから設計パラメータ,設計パラメータの値を取得し、検索された過去の案件情報のデータとで多変量解析を実行してマハラノビスの距離を算出し、これにより設計結果診断を行い、診断結果をデータベース106へ登録する。
【0019】
診断結果表示部105は、データベース106より診断結果を取得し、その結果を表示する。すなわち、現在設計中の案件の設計完了後の良し悪しの診断を表示する。このとき、現在設計中に設計案件の診断結果と過去の設計案件に関するマハラノビスの距離を一覧表示する。さらに、一覧表から過去の設計案件の案件情報を、データベース106より取得し、プロセス型ナレッジ登録部102により案件情報を表示する。また、マハラノビスの距離を正規化したものをグラフにより表示する。このとき、過去の設計案件の案件情報をデータベース106より取得し、プロセス型ナレッジ登録部102により設計情報を表示する。さらに、各設計プロセスにおける診断結果をデータベース106から取得し、各設計プロセスの上流から下流までの診断結果の推移についてグラフ表示する。
【0020】
データベース106では、案件登録部101,プロセス型ナレッジ登録部102,最終設計結果登録部103,設計結果分析診断部104で登録された内容を蓄積する。
【0021】
計算機107は、演算部とキーボード,マウス,ディスプレイなどの入出力装置からなる。入出力装置では、操作者が入力する画面をディスプレイに表示し、キーボード,マウスからの入力情報を取得し、さらに処理結果をディスプレイに表示する。また、演算部では、入出力装置を構成する101か105までの処理を行う。
【0022】
実施例1の処理手続きについて、図1〜図15を用いて説明する。図2〜図5は、図1に示す設計支援装置における処理手順を表すフローチャートである。実施例1の利用手順は、大きく二つのフェーズに分けられる。フェーズ1は、設計案件に対する成果物などの設計情報を登録し、それらをデータベース106に案件情報として蓄積していく。フェーズ2は、設計中の案件に対して設計の良し悪しを診断する。ここで、成果物などの設計情報をナレッジと呼ぶことにする。
【0023】
まず、フェーズ1の図2のS1について説明する。
【0024】
図2のS1では、新規に設計する案件情報を登録する。まず、案件登録部101は、案件登録画面を表示する。図6に、新規登録する案件の登録画面の一例を示す。設計者は、これから設計する案件について、案件名やその属性について入力する。ここでは、案件名に「A社精密機器製造棟」が入力され、属性情報として種類に精密機器工場、規模に500m2〜1000m2、清浄度にクラス5000が選択されている。案件登録部101は、案件名,属性情報を取得し、それらの情報をデータベース106に登録する。
【0025】
図2のS2では、具体的に設計することで、設計案件に対するナレッジを登録し、それらをデータベース106に蓄積していく。プロセス型ナレッジ登録部102は、図2のS1で登録された設計案件の登録画面を表示する。図7に、プロセス型ナレッジの登録画面の一例を示す。図7は、図2のS1で登録された案件「A社精密機器製造棟」のプロセス型ナレッジ登録画面である。画面の上部には、図2のS1で入力した案件名,属性情報が表示されている。図7の左部分には、設計プロセスがツリー構造で記載されている。ツリー構造の一番上には、案件名「A社精密機器製造棟」が記載され、以下に「顧客要求確認」,「熱負荷算出」,「システム/機器」,「ダクト/配管」,「図面作成」,「見積もり」という設計プロセスが並んでいる。また、「顧客要求確認」,「システム/機器」,「ダクト/配管」プロセスでは、下位の階層に細分化した設計プロセスが記載されている。「システム/機器」プロセスを例に取ると、「スペック検討」,「機器入力」が記載されている。このように、設計プロセスをツリー構造によって記述する方法は、WBS(Work Breakdown Structure)と呼ばれる。ここでは、「機器入力」などの一つのプロセスを単位プロセスと呼ぶ。また、設計プロセスは、設計案件によって変わらない。すなわち、設計プロセスは、予め定義されているものであり、図2のS1で新規に案件を登録しても設計プロセスの手順は変わらない。次に、図5の右部分には、ナレッジが表示されている。ここで、ナレッジは、各々の単位プロセスに対して結び付けられた情報である。単位プロセス毎に結び付けられた情報は、データベース106より取得して表示するとともに、単位プロセスに結び付けてデータベース106へ登録することが可能である。図7は、「機器入力」プロセスに結び付けられたナレッジを示す例である。「機器入力」プロセスを二重線表示し、図7の右部分の画面上部には「機器入力:ナレッジ」のように、「機器入力」プロセスに結び付けられたナレッジであることを分かるようにしている。「機器入力」プロセスの参照情報として、「空調機器カタログ」,「冷凍機器カタログ」が登録されている。参照情報とは、予め単位プロセスに登録されたナレッジであり、設計プロセスにおいて設計を実行するのに参照すべきナレッジを意味する。参照情報は、データベース106より取得することで表示が可能である。次に、成果物として「機器表」が登録されている。設計者は、「機器入力」プロセスにおいて、「空調機器カタログ」,「冷凍機器カタログ」を参照しながら設計し、利用する機器を決める。設計者は、成果物の設計パラメータ・設計パラメータの値では、利用する機器の種類とその台数を入力する。ここでは、利用する機器が設計パラメータ、台数が対応する設計パラメータの値である。ターボ冷凍機が2台、吸収式冷凍機が8台、チラーユニットが38台、冷却塔開が10台、冷却塔閉が83台、ガス焚ボイラが6台、油焚ボイラが23台が入力されている。実際には、ユニット空調機などより多くの種類の機器、利用台数が入力される。この結果、プロセス型ナレッジ登録部102は、設計プロセスに対応する成果物,設計パラメータ,設計パラメータの値を取得し、データベース106へ登録する。このとき、データベース106に登録された成果物を取得して表示することも可能である。他の設計プロセスにおいても、プロセス型ナレッジ登録部102は、図2のS2の(2)と(3)を繰り返すことで同様の処理を行い、データベース106へ設計プロセスに対応する成果物,設計パラメータ,設計パラメータの値を登録する。
【0026】
図2のS3では、設計完了した案件に対し、設計の良し悪しを判断した最終設計結果を登録する。判断の基準は色々あるが、コストが赤字か黒字か、決められた工期を満たしたかどうかかなど、結果に対して何らかの判定を行い、最終設計結果として登録する。最終設計結果登録部103は、図2のS1で登録した案件に対する最終設計結果登録画面を表示する。図8に、最終設計結果登録画面の一例を示す。図8では、案件名や属性情報が記載され、最終設計結果としてコストが黒字(良)か赤字(悪)か、設計期間が遅延してないか(良)、遅延したか(悪)、施工期間が遅延していないか(良)、遅延したか(悪)の三項目を二者択一の形で入力するようになっている。ここでは、コストが「良」、設計期間が「良」、施工期間が「悪」が入力されている。最終設計結果登録部103は、コスト,設計期間,施工期間の最終設計結果を取得し、図2のS1で登録した設計案件に結び付けてデータベース106へ登録する。このように、プロセス型ナレッジは、予め定義された設計プロセスに沿ってナレッジを登録していき、設計案件において、単位プロセスに結び付けられた参照物,成果物,設計パラメータ,設計パラメータの値,最終設計結果とを設計案件毎に管理するものである。これらの情報を案件情報と呼び、フェーズ1を繰り返して設計案件を登録していくことにより、データベース106に数多くの案件情報が蓄積されていく。
【0027】
次に、設計中の案件に対して、途中の設計プロセスで設計後の良し悪しを診断するフェーズ2について説明する。ここで、設計後の良し悪しの診断を、設計結果診断と呼ぶ。
【0028】
図3のS4では、図2のS1と同様に新規案件を登録処理する。図9に、案件登録画面の一例を示す。ここでは、「B社試験室工事」の案件を登録する。案件登録部101は、案件登録画面より案件名,属性情報を取得し、データベース106へ登録する。
【0029】
図3のS5では、図2のS2と同様に、図3のS6で診断する設計プロセスまでに対して、プロセス型ナレッジ登録部102が設計プロセスに対応する成果物,設計パラメータ,設計パラメータの値を、データベース106へ登録する。
【0030】
図3のS6では、現在設計中の設計案件、すなわち「B社試験室工事」の設計プロセスにおいて、設計結果診断に必要な条件を指定する。設計結果分析診断部104は、診断条件指定画面を表示する。図10に、設計結果診断のための診断条件指定画面の一例を示す。ここでは、「機器入力」プロセスにおいて、「機器入力」プロセスで入力された設計パラメータと設計パラメータの値から、設計結果診断する。図10の左側の設計プロセスのツリー構造の「機器入力」プロセスを二重線表示し、図10の右部分の画面上部には「「機器入力」プロセスの設計結果診断」と表示することで、「機器入力」プロセスで診断することが分かるようにしている。図10の右部分には、診断に必要な過去の案件情報を検索するための条件が表示されている。初期状態の表示では、現在設計中の案件「B社試験室工事」での入力情報が表示されている。すなわち、種類は精密機器工場、規模は500m2〜1000m2、清浄度にクラス5000が入力されている。設計結果分析診断部104は、検索条件を取得する。ここでは、種類が精密機器工場、規模が500m2〜1000m2、清浄度がクラス5000である。次に、取得した検索条件に一致する案件情報についてデータベース106に問い合わせる。すなわち、種類が精密機器工場、規模が500m2〜1000m2、清浄度がクラス5000である案件情報を取得する。次に取得した案件情報の中の設計プロセス「機器入力」に属している設計パラメータ及び設計パラメータの値を取得する。さらに、取得した案件情報の最終設計結果を取得する。なお、図10の画面の右部分で検索条件を変更することにより、他の案件情報から設計結果診断することも可能である。
【0031】
図3のS7では、図3のS6で入手したデータを元に設計結果診断する。設計結果分析診断部104は、多変量解析による判別分析により診断する。図3のS6で取得した案件情報の、図8で入力したコスト,設計期間,施工期間といったそれぞれの項目の最終設計結果の「良」を一群目、「悪」を二群目とする二群判別とする。図11には、診断するための入力データを示す。行が設計案件を表し、列が設計パラメータおよびコストに関する最終設計結果である。二行目「今回」は、案件名「B社試験室工事」のものを表す。なお、三行目以降の設計案件は、番号表示としている。図11の中の数値は、設計プロセス「機器入力」で入力された設計パラメータの値である。ここでは、20件の設計案件に対する11個の設計パラメータに対して判別分析する。判別分析手法は数多くあるが、ここではマハラノビスの距離に基づく判別を行う。マハラノビスの距離は、(数1),(数2)で与えられる。
【0032】
D12k=(xk,i−μ1i)S1i,j-1(xk,j−μ1j) (数1)
D22k=(xk,i−μ2i)S2i,j-1(xk,j−μ2j) (数2)
【0033】
ここで、D1は一群目に対するマハラノビスの距離を表し、xは設計パラメータ、μ1は一群目に属する設計パラメータの平均値、S1は一群目に属する共分散を表す。下付き添字i,jは、設計パラメータの要素、下付き添字kは過去の設計案件を意味する。また、i,j=1〜11,k=1〜20とする。同様に、D2は、二群目に対するマハラノビスの距離を表し、μ2は二群目に属する設計パラメータの平均値、S2は二群目に属する共分散を表す。まず、一群目に属する設計パラメータの平均μ1iを算出する。次に、二群目に属する設計パラメータの平均μ2iを算出する。次に、一群目に属する共分散S1i,j、二群目に属する共分散S2i,jを算出し、それらの共分散の逆行列S1i,j-1,S2i,j-1を算出する。次に一群目,二群目に属するマハラノビスの距離を、(数1),(数2)を利用して求める。次に判別分析する。まず、一群目,二群目からのマハラノビスの距離を(数3),(数4)により算出する。
【0034】
ID12=(xi−μ1i)S1i,j-1(xj−μ1j) (数3)
ID22=(xi−μ2i)S2i,j-1(xj−μ2j) (数4)
【0035】
ここでxは、現在設計中の案件「B社試験室工場」における設計パラメータを意味し、ID1は一群目からのマハラノビスの距離、ID2は二群目からのマハラノビスの距離を表す。また、i,j=1〜11とする。次に判別分析する。ここでは、一群目,二群目までのマハラノビスの距離の近い群に属する方を診断基準にした。上記のマハラノビスの距離による判別は、コスト,設計期間,施工期間のそれぞれに対して算出して、診断し、診断結果をデータベース106へ登録する。
【0036】
次に、他の判別分析法である線形判別分析について述べる。線形判別法は、(数5)で与えられる関数に対して、zの正負により一群目,二群目を判別するものである。
【0037】
z=aixi (数5)
【0038】
ここでaは、係数である。下付き添字iは、設計パラメータの要素を意味する。係数aiは、(数6)により算出する。また、i=1〜11とする。
【0039】
ai=Vi,j-1 dj (数6)
【0040】
ここで、diはμ1i−μ2i、下付き添字jは設計パラメータの要素を意味する。また、Vi,jは(数7)より算出する。また、i,j=1〜11とする。
【0041】
Vi,j=(Σk=19(x1k,i−μ1i)(x1k,j−μ1j)+Σl=111(x2l,I
−μ2i)(x2l,j−μ2j))/(n1−n2−2) (数7)
【0042】
ここで、x1は一群目に属する設計パラメータ、x2は2群目に属する設計パラメータを表し、n1は一群目に属する数、N2は二群目に属する数を表す。また、i,j=1〜11とする。(数6)(数7)により係数aiを算出した後、(数5)により判別分析する。なお、ここではマハラノビスの距離を用いた場合について説明する。
【0043】
図4のS8では判定結果を表示する。診断結果表示部105は、診断結果をデータベース106より取得し、診断結果画面を表示する。図12に、診断結果の画面の一例を示す。図12の上部には、診断した現在設計中の案件名「B社試験室工事」、診断対象となった設計プロセス「機器入力」が表示されている。今回診断をするための過去案件を検索した条件も表示されている。また、図12は「コスト」に関して診断した結果を表し、図12に診断内容の右側に「コスト」と明示している。診断内容は、コストの他に設計期間,施工期間がある。現在の案件を一番上にマハラノビスの距離ID1,ID2を表示し、検索された設計案件に関してもマハラノビスの距離D1,D2をそれぞれ表示している。図12では、ID1,D1を「良からの距離」、ID2,D2を「悪からの距離」と表している。現在の案件では、良からの距離よりも悪からの距離の方が近いので、結果は「悪」となっている。また、図12の診断内容の設計期間を選んだ場合には、設計期間に関するD1,D2,ID1,ID2を表示する。検索条件が不適な場合などは、検索条件を変更することで再度診断することも可能である。この場合は、図3のS6の(2)から処理を実行し、診断結果を再表示する。また、診断結果画面に表示された過去の案件情報を表示することも可能である。図12の太枠の案件「C社精密」の案件情報を表示する場合を例に取ると、診断結果表示部105は、表示する案件名を取得し、データベース106より案件情報を取得して、プロセス型ナレッジ登録部102より案件情報を表示する。図13に、案件情報の画面の一例を示す。このように、過去の設計案件に対しても、各設計プロセスに登録された成果物や設計パラメータや設計パラメータの値などの参照が可能である。次に、診断結果をグラフ表示する。診断結果画面からのグラフ表示の命令を受け取ると、各案件に対して下記の方法によりマハラノビスの距離の正規化を行う。ここで、正規化されたマハラノビスの距離を上付き添字「’」で表し、それぞれD1’,ID1’とすれば、下記(数8),(数9)により得られる。
【0044】
D1'k=D1k/(D1k+D2k) (数8)
ID1’=ID1/(ID1+ID2) (数9)
【0045】
ここで、D2,ID2に関しては、正規化されているため1から引いた値となる。また、(数8)において、k=1〜20とする。
【0046】
診断結果表示部105は、正規化されたマハラノビスの距離をグラフ表示する。診断結果のグラフ表示の一例を図14に示す。また、図14は「コスト」に関して診断した結果を表し、図14に診断内容の右側に「コスト」と明示している。図14の横軸は、正規化されたマハラノビスの距離を表し、0への方向が良を表し、1への方向が悪を表す。すなわち、0.5を境に左側に属している設計案件は良であり、右側に属している設計案件は悪となる。縦軸は、設計案件を並べている。一番上が現在の設計案件である。このように、現在の設計案件が、良よりなのか、悪よりなのか過去の設計案件を含めて確認できる。また、図14の診断内容の設計期間を選んだ場合には、設計期間に関する正規化したグラフを表示する。グラフ表示された過去の案件情報を表示することも可能である。診断結果表示部105は、設計者から指示された●の点の案件名を取得し、データベース106より案件情報を取得して、プロセス型ナレッジ登録部102より案件情報を表示する。また、診断結果に応じて設計を見直す場合は、図3のS5に戻り、再び設計を行う。
【0047】
図5のS9では、現在、設計中の設計案件の設計プロセスの上流から下流における診断結果の推移を表示する。診断結果表示部105は、各設計プロセスにおいて正規化された診断結果をデータベース106より取得し、その結果をグラフ表示する。図15に、診断結果推移の表示画面の一例を示す。図15の上部には、現在設計中の案件名「B社試験室工事」が明記されている。図15は「コスト」に関する診断結果の推移を表し、診断内容の右側に「コスト」と明示している。図15の縦軸は、設計プロセスを意味し、横軸は、図4のS8と同様に正規化されたマハラノビスの距離を表し、0への方向が良を表し、1への方向が悪を表す。診断結果が入っている設計プロセスに関してプロットしている。図15が示すとおり、設計プロセスの下流に行くほど「良」の方に推移していることが読み取れる。このように、設計プロセスの診断結果の推移を見ることにより、現在設計中の設計案件が、改良に向かっているのか、改悪に向かっているかが把握できる。
【0048】
実施例1では、設計プロセスにおいて、設計パラメータと設計パラメータの値を入力するようにした。しかし、成果物の中のどの部分に設計パラメータと設計パラメータの値が記載されているかを設定して、成果物から設計パラメータと設計パラメータの値を抽出するようにしてもよい。
【0049】
実施例1では、判別分析を良悪の二群としたが、群を増やすために設計結果の入力において判別項目を増やしてもよい。判別項目を増やすことにより、精度のよい判断を得ることが可能となる。
【0050】
また、実施例1により、設計終了後に発覚するコスト超過などの不具合を未然に防止し、それらの発生後の手戻りを防止することで、設計解を短時間で得ることが可能になる。
【符号の説明】
【0051】
101 案件登録部
102 プロセス型ナレッジ登録部
103 最終設計結果登録部
104 設計結果分析診断部
105 診断結果表示部
106 データベース
107 計算機
【技術分野】
【0001】
本発明は、設計プロセス途中で発生する数々の成果物から、通常設計後に判断していた最終設計結果の良し悪しを診断する設計支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、過去の最終設計結果から、今回設計中の案件に対する最終設計結果に対して良し悪しを予測する技術には応答曲面法がある。これは、設計パラメータを独立変数、設計パラメータから得られる結果を従属変数とする関数を算出し、新たな設計案件の設計パラメータを入力して内挿補間することにより性能を予測するものである。機器決定のために空調能力を検討する場合を例に取ると、部屋の機器の配置位置を設計パラメータとし、その結果から得られる空調能力を算出して応答曲面を作成し、応答曲面から新たな機器の配置位置の空調能力を算出するものである。
【0003】
従来、設計パラメータから応答曲面を作成し、性能を予測する技術としては、特開2004−295164号公報に開示がある。特開2004−295164号公報では、過去に設計した実績装置の設計パラメータ及び性能試験結果(又は計算結果)を保存したデータベースと、多変量の設計パラメータからなる設計データを、各設計パラメータを軸とする多次元空間上の点として扱い、実績装置の設計パラメータの集合を多次元空間上に分布する点群上の性能値と見なし、新規の設計点における性能値を、これら点群上の性能値を内挿して求める方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−295164号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の応答曲面法を利用した予測技術は、設計パラメータと性能などとの関係を関数で表すことが前提となっている。このため、設計プロセスの中の一設計プロセスにおける設計パラメータと、該設計プロセスの出力結果の予測となり、設計プロセスの上流において、最終設計結果の良し悪しを予測することは難しい。機器検討,機器決定,ダクト配管検討,ダクト配管決定,図面作成,コスト算出といった場合の設計プロセスを例にとると、設計プロセスの上流側の機器検討で、機器の配置位置と空調能力の関係式を算出しても、そこから下流側のコスト算出プロセスでのコスト算出を予測し、さらに算出したコストに対して、計画した予算を満たしそうかどうかを判断することは難しい。これは、下流のプロセスにあるダクト配管,コスト算出の設計パラメータが決まっていないためである。
【0006】
このような従来の応答曲面法を利用した予測技術により最終設計結果を予測する場合、前述の課題により設計プロセスの上流側で結果を予測することは困難である。
【0007】
特開2004−295164号公報においても、設計パラメータにリンクした性能との応答曲面を作成し、新規の設計パラメータにより性能を予測するため、設計プロセスの下流での最終設計結果の良し悪しの予測という点に関しては、十分に考慮されていない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために、画面に表示された複数の設計プロセスから成る複数の設計案件を実行して、得られた複数の最終設計結果が登録されたデータベースを備えた設計支援装置であって、複数の設計プロセスから成る設計案件を前記データベースに登録する案件登録部と、前記案件登録部で登録された設計案件の複数の設計プロセス毎に、各設計プロセスの設計パラメータと設計パラメータ値を前記データベースに登録するプロセス型ナレッジ登録部と、前記データベースに登録された設計案件において、前記案件登録部で登録された設計案件に対しての最終設計結果を入力し、前記最終設計結果をデータベースに登録する最終設計結果登録部と、前記最終設計結果登録部で登録された最終設計結果と、前記データベースに登録された複数の設計案件の最終設計結果とを比較する設計結果分析診断部とを備える。
【0009】
さらに、前記設計結果分析診断部は、前記抽出された設計案件及び前記案件登録部に登録された設計案件の前記設計パラメータと設計パラメータ値とを用いて、多変量解析を実行して、マハラノビスの距離を算出して、比較する。
【0010】
さらに、前記比較した結果をグラフ化して前記画面に表示させる診断結果表示部を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、設計案件の設計途中において、設計案件の最終設計結果を診断することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例1の設計支援装置の全体図である。
【図2】実施例1の処理手順(フェーズ1)を示す図である。
【図3】実施例1の処理手順(フェーズ2)を示す図である。
【図4】実施例1の処理手順(フェーズ2)(続き1)を示す図である。
【図5】実施例1の処理手順(フェーズ2)(続き2)を示す図である。
【図6】案件登録画面の一例を示す図である。
【図7】プロセス型ナレッジの登録画面の一例を示す図である。
【図8】最終設計結果登録画面の一例を示す図である。
【図9】案件登録画面の一例を示す図である。
【図10】設計結果診断のための診断条件指定画面の一例を示す図である。
【図11】診断のために入力するデータを示す図である。
【図12】診断結果の画面の一例を示す図である。
【図13】過去の案件情報の画面の一例を示す図である。
【図14】診断結果のグラフ表示画面の一例を示す図である。
【図15】診断結果の推移表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、実施例1の設計支援装置を示すブロック図である。実施例1の装置は、案件登録部101,プロセス型ナレッジ登録部102,最終設計結果登録部103,設計結果分析診断部104,診断結果表示部105,データベース106,計算機107とからなる。
【0014】
すなわち、画面に表示された複数の設計プロセスから成る複数の設計案件を実行して、求められた複数の最終設計結果が登録されたデータベース106を備えた設計支援装置であって、複数の設計プロセスから成る設計案件をデータベース106に登録する案件登録部101と、案件登録部101で登録された設計案件の複数の設計プロセス毎に、各設計プロセスの設計パラメータと設計パラメータ値をデータベース106に登録するプロセス型ナレッジ登録部102と、データベース106に登録された設計案件において、案件登録部101で登録された設計案件に対しての最終設計結果を入力し、この最終設計結果をデータベース106に登録する最終設計結果登録部103と、最終設計結果登録部103で登録された最終設計結果と、データベース106に登録された複数の設計案件の何れかの最終設計結果とを比較する設計結果分析診断部104とを備える。
【0015】
案件登録部101では、これから設計する新たな案件について、案件名および種類,規模,洗浄度などの属性情報を設計者が入力して、データベース106へ登録する。
【0016】
プロセス型ナレッジ登録部102は、案件登録部101で登録された案件に対して、設計プロセスを表示する。また、各設計プロセス毎に、設計者が設計を遂行する上で必要な参照情報が予め登録され、それらの参照情報の参照が可能である。さらに、各設計プロセスの成果物,成果物の設計パラメータ,設計パラメータの値が設計プロセスに結び付けて登録される。また、案件名,属性情報,設計プロセスと共にデータベース106へ登録する。
【0017】
最終設計結果登録部103は、プロセス型ナレッジ登録部102で設計した案件に対し、設計終了後にその設計がどうであったか、すなわち良し悪しなどの設計結果を、プロセス型ナレッジ登録部102で登録した内容に付与する形で、最終設計結果としてデータベース106へ登録する。
【0018】
設計結果分析診断部104は、プロセス型ナレッジ登録部102で設計中の案件において、設計完了後の良し悪しについて診断すべく、任意の設計プロセスから診断条件指定画面を表示し、診断するために必要な過去の案件情報の検索条件を取得する。さらに、検索条件を元に、データベース106を検索することで案件情報を取得する。この取得した案件情報から、任意の設計プロセスと同様の設計プロセスから設計パラメータ,設計パラメータの値を取得する。さらに、案件情報に対して、最終設計結果登録部103で登録された最終設計結果を取得する。その後、現在設計中の案件に対して指定した任意の設計プロセスに登録された設計プロセスから設計パラメータ,設計パラメータの値を取得し、検索された過去の案件情報のデータとで多変量解析を実行してマハラノビスの距離を算出し、これにより設計結果診断を行い、診断結果をデータベース106へ登録する。
【0019】
診断結果表示部105は、データベース106より診断結果を取得し、その結果を表示する。すなわち、現在設計中の案件の設計完了後の良し悪しの診断を表示する。このとき、現在設計中に設計案件の診断結果と過去の設計案件に関するマハラノビスの距離を一覧表示する。さらに、一覧表から過去の設計案件の案件情報を、データベース106より取得し、プロセス型ナレッジ登録部102により案件情報を表示する。また、マハラノビスの距離を正規化したものをグラフにより表示する。このとき、過去の設計案件の案件情報をデータベース106より取得し、プロセス型ナレッジ登録部102により設計情報を表示する。さらに、各設計プロセスにおける診断結果をデータベース106から取得し、各設計プロセスの上流から下流までの診断結果の推移についてグラフ表示する。
【0020】
データベース106では、案件登録部101,プロセス型ナレッジ登録部102,最終設計結果登録部103,設計結果分析診断部104で登録された内容を蓄積する。
【0021】
計算機107は、演算部とキーボード,マウス,ディスプレイなどの入出力装置からなる。入出力装置では、操作者が入力する画面をディスプレイに表示し、キーボード,マウスからの入力情報を取得し、さらに処理結果をディスプレイに表示する。また、演算部では、入出力装置を構成する101か105までの処理を行う。
【0022】
実施例1の処理手続きについて、図1〜図15を用いて説明する。図2〜図5は、図1に示す設計支援装置における処理手順を表すフローチャートである。実施例1の利用手順は、大きく二つのフェーズに分けられる。フェーズ1は、設計案件に対する成果物などの設計情報を登録し、それらをデータベース106に案件情報として蓄積していく。フェーズ2は、設計中の案件に対して設計の良し悪しを診断する。ここで、成果物などの設計情報をナレッジと呼ぶことにする。
【0023】
まず、フェーズ1の図2のS1について説明する。
【0024】
図2のS1では、新規に設計する案件情報を登録する。まず、案件登録部101は、案件登録画面を表示する。図6に、新規登録する案件の登録画面の一例を示す。設計者は、これから設計する案件について、案件名やその属性について入力する。ここでは、案件名に「A社精密機器製造棟」が入力され、属性情報として種類に精密機器工場、規模に500m2〜1000m2、清浄度にクラス5000が選択されている。案件登録部101は、案件名,属性情報を取得し、それらの情報をデータベース106に登録する。
【0025】
図2のS2では、具体的に設計することで、設計案件に対するナレッジを登録し、それらをデータベース106に蓄積していく。プロセス型ナレッジ登録部102は、図2のS1で登録された設計案件の登録画面を表示する。図7に、プロセス型ナレッジの登録画面の一例を示す。図7は、図2のS1で登録された案件「A社精密機器製造棟」のプロセス型ナレッジ登録画面である。画面の上部には、図2のS1で入力した案件名,属性情報が表示されている。図7の左部分には、設計プロセスがツリー構造で記載されている。ツリー構造の一番上には、案件名「A社精密機器製造棟」が記載され、以下に「顧客要求確認」,「熱負荷算出」,「システム/機器」,「ダクト/配管」,「図面作成」,「見積もり」という設計プロセスが並んでいる。また、「顧客要求確認」,「システム/機器」,「ダクト/配管」プロセスでは、下位の階層に細分化した設計プロセスが記載されている。「システム/機器」プロセスを例に取ると、「スペック検討」,「機器入力」が記載されている。このように、設計プロセスをツリー構造によって記述する方法は、WBS(Work Breakdown Structure)と呼ばれる。ここでは、「機器入力」などの一つのプロセスを単位プロセスと呼ぶ。また、設計プロセスは、設計案件によって変わらない。すなわち、設計プロセスは、予め定義されているものであり、図2のS1で新規に案件を登録しても設計プロセスの手順は変わらない。次に、図5の右部分には、ナレッジが表示されている。ここで、ナレッジは、各々の単位プロセスに対して結び付けられた情報である。単位プロセス毎に結び付けられた情報は、データベース106より取得して表示するとともに、単位プロセスに結び付けてデータベース106へ登録することが可能である。図7は、「機器入力」プロセスに結び付けられたナレッジを示す例である。「機器入力」プロセスを二重線表示し、図7の右部分の画面上部には「機器入力:ナレッジ」のように、「機器入力」プロセスに結び付けられたナレッジであることを分かるようにしている。「機器入力」プロセスの参照情報として、「空調機器カタログ」,「冷凍機器カタログ」が登録されている。参照情報とは、予め単位プロセスに登録されたナレッジであり、設計プロセスにおいて設計を実行するのに参照すべきナレッジを意味する。参照情報は、データベース106より取得することで表示が可能である。次に、成果物として「機器表」が登録されている。設計者は、「機器入力」プロセスにおいて、「空調機器カタログ」,「冷凍機器カタログ」を参照しながら設計し、利用する機器を決める。設計者は、成果物の設計パラメータ・設計パラメータの値では、利用する機器の種類とその台数を入力する。ここでは、利用する機器が設計パラメータ、台数が対応する設計パラメータの値である。ターボ冷凍機が2台、吸収式冷凍機が8台、チラーユニットが38台、冷却塔開が10台、冷却塔閉が83台、ガス焚ボイラが6台、油焚ボイラが23台が入力されている。実際には、ユニット空調機などより多くの種類の機器、利用台数が入力される。この結果、プロセス型ナレッジ登録部102は、設計プロセスに対応する成果物,設計パラメータ,設計パラメータの値を取得し、データベース106へ登録する。このとき、データベース106に登録された成果物を取得して表示することも可能である。他の設計プロセスにおいても、プロセス型ナレッジ登録部102は、図2のS2の(2)と(3)を繰り返すことで同様の処理を行い、データベース106へ設計プロセスに対応する成果物,設計パラメータ,設計パラメータの値を登録する。
【0026】
図2のS3では、設計完了した案件に対し、設計の良し悪しを判断した最終設計結果を登録する。判断の基準は色々あるが、コストが赤字か黒字か、決められた工期を満たしたかどうかかなど、結果に対して何らかの判定を行い、最終設計結果として登録する。最終設計結果登録部103は、図2のS1で登録した案件に対する最終設計結果登録画面を表示する。図8に、最終設計結果登録画面の一例を示す。図8では、案件名や属性情報が記載され、最終設計結果としてコストが黒字(良)か赤字(悪)か、設計期間が遅延してないか(良)、遅延したか(悪)、施工期間が遅延していないか(良)、遅延したか(悪)の三項目を二者択一の形で入力するようになっている。ここでは、コストが「良」、設計期間が「良」、施工期間が「悪」が入力されている。最終設計結果登録部103は、コスト,設計期間,施工期間の最終設計結果を取得し、図2のS1で登録した設計案件に結び付けてデータベース106へ登録する。このように、プロセス型ナレッジは、予め定義された設計プロセスに沿ってナレッジを登録していき、設計案件において、単位プロセスに結び付けられた参照物,成果物,設計パラメータ,設計パラメータの値,最終設計結果とを設計案件毎に管理するものである。これらの情報を案件情報と呼び、フェーズ1を繰り返して設計案件を登録していくことにより、データベース106に数多くの案件情報が蓄積されていく。
【0027】
次に、設計中の案件に対して、途中の設計プロセスで設計後の良し悪しを診断するフェーズ2について説明する。ここで、設計後の良し悪しの診断を、設計結果診断と呼ぶ。
【0028】
図3のS4では、図2のS1と同様に新規案件を登録処理する。図9に、案件登録画面の一例を示す。ここでは、「B社試験室工事」の案件を登録する。案件登録部101は、案件登録画面より案件名,属性情報を取得し、データベース106へ登録する。
【0029】
図3のS5では、図2のS2と同様に、図3のS6で診断する設計プロセスまでに対して、プロセス型ナレッジ登録部102が設計プロセスに対応する成果物,設計パラメータ,設計パラメータの値を、データベース106へ登録する。
【0030】
図3のS6では、現在設計中の設計案件、すなわち「B社試験室工事」の設計プロセスにおいて、設計結果診断に必要な条件を指定する。設計結果分析診断部104は、診断条件指定画面を表示する。図10に、設計結果診断のための診断条件指定画面の一例を示す。ここでは、「機器入力」プロセスにおいて、「機器入力」プロセスで入力された設計パラメータと設計パラメータの値から、設計結果診断する。図10の左側の設計プロセスのツリー構造の「機器入力」プロセスを二重線表示し、図10の右部分の画面上部には「「機器入力」プロセスの設計結果診断」と表示することで、「機器入力」プロセスで診断することが分かるようにしている。図10の右部分には、診断に必要な過去の案件情報を検索するための条件が表示されている。初期状態の表示では、現在設計中の案件「B社試験室工事」での入力情報が表示されている。すなわち、種類は精密機器工場、規模は500m2〜1000m2、清浄度にクラス5000が入力されている。設計結果分析診断部104は、検索条件を取得する。ここでは、種類が精密機器工場、規模が500m2〜1000m2、清浄度がクラス5000である。次に、取得した検索条件に一致する案件情報についてデータベース106に問い合わせる。すなわち、種類が精密機器工場、規模が500m2〜1000m2、清浄度がクラス5000である案件情報を取得する。次に取得した案件情報の中の設計プロセス「機器入力」に属している設計パラメータ及び設計パラメータの値を取得する。さらに、取得した案件情報の最終設計結果を取得する。なお、図10の画面の右部分で検索条件を変更することにより、他の案件情報から設計結果診断することも可能である。
【0031】
図3のS7では、図3のS6で入手したデータを元に設計結果診断する。設計結果分析診断部104は、多変量解析による判別分析により診断する。図3のS6で取得した案件情報の、図8で入力したコスト,設計期間,施工期間といったそれぞれの項目の最終設計結果の「良」を一群目、「悪」を二群目とする二群判別とする。図11には、診断するための入力データを示す。行が設計案件を表し、列が設計パラメータおよびコストに関する最終設計結果である。二行目「今回」は、案件名「B社試験室工事」のものを表す。なお、三行目以降の設計案件は、番号表示としている。図11の中の数値は、設計プロセス「機器入力」で入力された設計パラメータの値である。ここでは、20件の設計案件に対する11個の設計パラメータに対して判別分析する。判別分析手法は数多くあるが、ここではマハラノビスの距離に基づく判別を行う。マハラノビスの距離は、(数1),(数2)で与えられる。
【0032】
D12k=(xk,i−μ1i)S1i,j-1(xk,j−μ1j) (数1)
D22k=(xk,i−μ2i)S2i,j-1(xk,j−μ2j) (数2)
【0033】
ここで、D1は一群目に対するマハラノビスの距離を表し、xは設計パラメータ、μ1は一群目に属する設計パラメータの平均値、S1は一群目に属する共分散を表す。下付き添字i,jは、設計パラメータの要素、下付き添字kは過去の設計案件を意味する。また、i,j=1〜11,k=1〜20とする。同様に、D2は、二群目に対するマハラノビスの距離を表し、μ2は二群目に属する設計パラメータの平均値、S2は二群目に属する共分散を表す。まず、一群目に属する設計パラメータの平均μ1iを算出する。次に、二群目に属する設計パラメータの平均μ2iを算出する。次に、一群目に属する共分散S1i,j、二群目に属する共分散S2i,jを算出し、それらの共分散の逆行列S1i,j-1,S2i,j-1を算出する。次に一群目,二群目に属するマハラノビスの距離を、(数1),(数2)を利用して求める。次に判別分析する。まず、一群目,二群目からのマハラノビスの距離を(数3),(数4)により算出する。
【0034】
ID12=(xi−μ1i)S1i,j-1(xj−μ1j) (数3)
ID22=(xi−μ2i)S2i,j-1(xj−μ2j) (数4)
【0035】
ここでxは、現在設計中の案件「B社試験室工場」における設計パラメータを意味し、ID1は一群目からのマハラノビスの距離、ID2は二群目からのマハラノビスの距離を表す。また、i,j=1〜11とする。次に判別分析する。ここでは、一群目,二群目までのマハラノビスの距離の近い群に属する方を診断基準にした。上記のマハラノビスの距離による判別は、コスト,設計期間,施工期間のそれぞれに対して算出して、診断し、診断結果をデータベース106へ登録する。
【0036】
次に、他の判別分析法である線形判別分析について述べる。線形判別法は、(数5)で与えられる関数に対して、zの正負により一群目,二群目を判別するものである。
【0037】
z=aixi (数5)
【0038】
ここでaは、係数である。下付き添字iは、設計パラメータの要素を意味する。係数aiは、(数6)により算出する。また、i=1〜11とする。
【0039】
ai=Vi,j-1 dj (数6)
【0040】
ここで、diはμ1i−μ2i、下付き添字jは設計パラメータの要素を意味する。また、Vi,jは(数7)より算出する。また、i,j=1〜11とする。
【0041】
Vi,j=(Σk=19(x1k,i−μ1i)(x1k,j−μ1j)+Σl=111(x2l,I
−μ2i)(x2l,j−μ2j))/(n1−n2−2) (数7)
【0042】
ここで、x1は一群目に属する設計パラメータ、x2は2群目に属する設計パラメータを表し、n1は一群目に属する数、N2は二群目に属する数を表す。また、i,j=1〜11とする。(数6)(数7)により係数aiを算出した後、(数5)により判別分析する。なお、ここではマハラノビスの距離を用いた場合について説明する。
【0043】
図4のS8では判定結果を表示する。診断結果表示部105は、診断結果をデータベース106より取得し、診断結果画面を表示する。図12に、診断結果の画面の一例を示す。図12の上部には、診断した現在設計中の案件名「B社試験室工事」、診断対象となった設計プロセス「機器入力」が表示されている。今回診断をするための過去案件を検索した条件も表示されている。また、図12は「コスト」に関して診断した結果を表し、図12に診断内容の右側に「コスト」と明示している。診断内容は、コストの他に設計期間,施工期間がある。現在の案件を一番上にマハラノビスの距離ID1,ID2を表示し、検索された設計案件に関してもマハラノビスの距離D1,D2をそれぞれ表示している。図12では、ID1,D1を「良からの距離」、ID2,D2を「悪からの距離」と表している。現在の案件では、良からの距離よりも悪からの距離の方が近いので、結果は「悪」となっている。また、図12の診断内容の設計期間を選んだ場合には、設計期間に関するD1,D2,ID1,ID2を表示する。検索条件が不適な場合などは、検索条件を変更することで再度診断することも可能である。この場合は、図3のS6の(2)から処理を実行し、診断結果を再表示する。また、診断結果画面に表示された過去の案件情報を表示することも可能である。図12の太枠の案件「C社精密」の案件情報を表示する場合を例に取ると、診断結果表示部105は、表示する案件名を取得し、データベース106より案件情報を取得して、プロセス型ナレッジ登録部102より案件情報を表示する。図13に、案件情報の画面の一例を示す。このように、過去の設計案件に対しても、各設計プロセスに登録された成果物や設計パラメータや設計パラメータの値などの参照が可能である。次に、診断結果をグラフ表示する。診断結果画面からのグラフ表示の命令を受け取ると、各案件に対して下記の方法によりマハラノビスの距離の正規化を行う。ここで、正規化されたマハラノビスの距離を上付き添字「’」で表し、それぞれD1’,ID1’とすれば、下記(数8),(数9)により得られる。
【0044】
D1'k=D1k/(D1k+D2k) (数8)
ID1’=ID1/(ID1+ID2) (数9)
【0045】
ここで、D2,ID2に関しては、正規化されているため1から引いた値となる。また、(数8)において、k=1〜20とする。
【0046】
診断結果表示部105は、正規化されたマハラノビスの距離をグラフ表示する。診断結果のグラフ表示の一例を図14に示す。また、図14は「コスト」に関して診断した結果を表し、図14に診断内容の右側に「コスト」と明示している。図14の横軸は、正規化されたマハラノビスの距離を表し、0への方向が良を表し、1への方向が悪を表す。すなわち、0.5を境に左側に属している設計案件は良であり、右側に属している設計案件は悪となる。縦軸は、設計案件を並べている。一番上が現在の設計案件である。このように、現在の設計案件が、良よりなのか、悪よりなのか過去の設計案件を含めて確認できる。また、図14の診断内容の設計期間を選んだ場合には、設計期間に関する正規化したグラフを表示する。グラフ表示された過去の案件情報を表示することも可能である。診断結果表示部105は、設計者から指示された●の点の案件名を取得し、データベース106より案件情報を取得して、プロセス型ナレッジ登録部102より案件情報を表示する。また、診断結果に応じて設計を見直す場合は、図3のS5に戻り、再び設計を行う。
【0047】
図5のS9では、現在、設計中の設計案件の設計プロセスの上流から下流における診断結果の推移を表示する。診断結果表示部105は、各設計プロセスにおいて正規化された診断結果をデータベース106より取得し、その結果をグラフ表示する。図15に、診断結果推移の表示画面の一例を示す。図15の上部には、現在設計中の案件名「B社試験室工事」が明記されている。図15は「コスト」に関する診断結果の推移を表し、診断内容の右側に「コスト」と明示している。図15の縦軸は、設計プロセスを意味し、横軸は、図4のS8と同様に正規化されたマハラノビスの距離を表し、0への方向が良を表し、1への方向が悪を表す。診断結果が入っている設計プロセスに関してプロットしている。図15が示すとおり、設計プロセスの下流に行くほど「良」の方に推移していることが読み取れる。このように、設計プロセスの診断結果の推移を見ることにより、現在設計中の設計案件が、改良に向かっているのか、改悪に向かっているかが把握できる。
【0048】
実施例1では、設計プロセスにおいて、設計パラメータと設計パラメータの値を入力するようにした。しかし、成果物の中のどの部分に設計パラメータと設計パラメータの値が記載されているかを設定して、成果物から設計パラメータと設計パラメータの値を抽出するようにしてもよい。
【0049】
実施例1では、判別分析を良悪の二群としたが、群を増やすために設計結果の入力において判別項目を増やしてもよい。判別項目を増やすことにより、精度のよい判断を得ることが可能となる。
【0050】
また、実施例1により、設計終了後に発覚するコスト超過などの不具合を未然に防止し、それらの発生後の手戻りを防止することで、設計解を短時間で得ることが可能になる。
【符号の説明】
【0051】
101 案件登録部
102 プロセス型ナレッジ登録部
103 最終設計結果登録部
104 設計結果分析診断部
105 診断結果表示部
106 データベース
107 計算機
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面に表示された複数の設計プロセスから成る複数の設計案件を実行して、得られた複数の最終設計結果が登録されたデータベースを備えた設計支援装置であって、
複数の設計プロセスから成る設計案件を前記データベースに登録する案件登録部と、
前記案件登録部で登録された設計案件の複数の設計プロセス毎に、各設計プロセスの設計パラメータと設計パラメータ値を前記データベースに登録するプロセス型ナレッジ登録部と、
前記データベースに登録された設計案件において、前記案件登録部で登録された設計案件に対しての最終設計結果を入力し、前記最終設計結果をデータベースに登録する最終設計結果登録部と、
前記最終設計結果登録部で登録された最終設計結果と、前記データベースに登録された複数の設計案件の何れかの最終設計結果とを比較する設計結果分析診断部とを備えたことを特徴とする設計支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載の設計支援装置であって、
前記設計結果分析診断部は、前記抽出された設計案件及び前記案件登録部に登録された設計案件の前記設計パラメータと設計パラメータ値とを用いて、多変量解析を実行して、マハラノビスの距離を算出して、比較することを特徴とする設計支援装置。
【請求項3】
請求項2に記載の設計支援装置であって、
前記比較した結果をグラフ化して前記画面に表示させる診断結果表示部を備えたことを特徴とする設計支援装置。
【請求項1】
画面に表示された複数の設計プロセスから成る複数の設計案件を実行して、得られた複数の最終設計結果が登録されたデータベースを備えた設計支援装置であって、
複数の設計プロセスから成る設計案件を前記データベースに登録する案件登録部と、
前記案件登録部で登録された設計案件の複数の設計プロセス毎に、各設計プロセスの設計パラメータと設計パラメータ値を前記データベースに登録するプロセス型ナレッジ登録部と、
前記データベースに登録された設計案件において、前記案件登録部で登録された設計案件に対しての最終設計結果を入力し、前記最終設計結果をデータベースに登録する最終設計結果登録部と、
前記最終設計結果登録部で登録された最終設計結果と、前記データベースに登録された複数の設計案件の何れかの最終設計結果とを比較する設計結果分析診断部とを備えたことを特徴とする設計支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載の設計支援装置であって、
前記設計結果分析診断部は、前記抽出された設計案件及び前記案件登録部に登録された設計案件の前記設計パラメータと設計パラメータ値とを用いて、多変量解析を実行して、マハラノビスの距離を算出して、比較することを特徴とする設計支援装置。
【請求項3】
請求項2に記載の設計支援装置であって、
前記比較した結果をグラフ化して前記画面に表示させる診断結果表示部を備えたことを特徴とする設計支援装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−277116(P2010−277116A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−125953(P2009−125953)
【出願日】平成21年5月26日(2009.5.26)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月26日(2009.5.26)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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