説明

評価方法、手振れモデル波形生成方法および情報処理装置

【課題】手振れ補正機能の評価の精度を向上させる。
【解決手段】第1画像取得工程は、撮像装置が備えるブレ補正機能が発揮されない状態における前記撮像装置により生成された第1画像を取得する。第2画像取得工程は、ブレ補正機能が発揮されている状態における撮像装置により生成された第2画像を取得する。第1検出工程は、第1画像における解像度を示す第1解像度を検出する。第2検出工程は、第2画像における解像度を示す第2解像度を検出する。評価工程は、第1解像度および第2解像度に基づいて、ブレ補正機能を評価する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、評価方法に関し、特に撮像装置のブレ補正機能を評価するための評価方法、手振れモデル波形生成方法および情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、撮像時における撮像装置のブレ(例えば、手振れ)により撮像画像がボケることを軽減するために、ブレを補正する機能(例えば、手振れ補正機能)を備える撮像装置(例えば、デジタルスチルカメラ、デジタル一眼レフカメラ)が広く普及している。
【0003】
この手振れ補正機能の性能を評価するために、例えば、撮像画像における黒色のブロックのエッジのにじみ幅またはブロックの面積を用いて手振れ補正機能の性能を数値化する手振れ補正機能の効果の評価方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−211023号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の従来技術では、手振れのモデルとなる手振れモデル波形を生成し、この手振れモデル波形を用いて手振れを発生させながら画像を撮像し、撮像画像における黒色のブロックのエッジのにじみ幅またはブロックの面積を数値化した評価値を生成する。しかしながら、デジタルスチルカメラでは、一般的にエッジ強調が施された撮像画像が生成されるため、これらの評価値は、エッジ強調の強弱により変化してしまい、適切な評価を行うことができないおそれがある。
【0006】
また、上述の従来技術では、シャッターボタンの押下に起因する手振れを考慮して手振れモデル波形を生成しているため、実際の手振れに近い手振れモデル波形を生成することができる。しかしながら、シャッターボタンの押下に起因する手振れのみが、特徴的な振動となるわけではない。例えば、シャッターボタンの半押しの期間と、露光期間との間では特徴が異なっている可能性があり、撮像動作に係る各期間に応じて特徴が異なることも想定される。そこで、手振れ補正機能の評価の精度をより向上させることが重要である。
【0007】
本技術はこのような状況に鑑みて生み出されたものであり、ブレ補正機能の評価の精度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本技術は、上述の問題点を解消するためになされたものであり、その第1の側面は、撮像装置が備えるブレ補正機能が発揮されない状態における上記撮像装置により生成された第1画像を取得する第1画像取得工程と、上記ブレ補正機能が発揮されている状態における上記撮像装置により生成された第2画像を取得する第2画像取得工程と、上記取得された第1画像における解像度を示す第1解像度を検出する第1検出工程と、上記取得された第2画像における解像度を示す第2解像度を検出する第2検出工程と、上記検出された第1解像度および第2解像度に基づいて、上記ブレ補正機能を評価する評価工程とを具備する評価方法および当該方法をコンピュータに実行させるプログラムならびに当該方法を実行する情報処理装置である。これにより、ブレ補正機能が発揮されない状態における解像度と、ブレ補正機能が発揮されている状態における解像度とに基づいてブレ補正機能の性能が評価されるという作用をもたらす。
【0009】
また、この第1の側面において、上記評価工程は、上記検出された第1解像度および第2解像度に基づいて、上記ブレ補正機能を評価するための評価値を算出するようにしてもよい。これにより、ブレ補正機能が発揮されない状態における解像度と、ブレ補正機能が発揮されている状態における解像度とに基づいて、ブレ補正機能の性能を評価するための評価値が算出されるという作用をもたらす。
【0010】
また、この第1の側面において、上記評価工程は、上記第1解像度と上記第2解像度との比に基づいて上記評価値を算出するようにしてもよい。これにより、第1解像度と第2解像度との比に基づいて評価値が算出されるという作用をもたらす。
【0011】
また、この第1の側面において、上記第1画像および上記第2画像は、同一の解像度チャートを被写体として生成された画像であるようにしてもよい。これにより、第1画像および第2画像が同一の解像度チャートを被写体として生成されるという作用をもたらす。
【0012】
また、この第1の側面において、上記第1画像取得工程は、上記撮像装置を静止させている状態において生成された画像を上記第1画像として取得し、上記第2画像取得工程は、上記撮像装置を振動させている状態において生成された画像を上記第2画像として取得するようにしてもよい。これにより、撮像装置を静止させている状態において生成された画像を第1画像として取得させ、撮像装置を振動させている状態において生成された画像を第2画像として取得させるという作用をもたらす。
【0013】
また、この第1の側面において、上記第1画像取得工程は、上記ブレ補正機能を有効にし、上記撮像装置を静止させることによりブレ補正機能が発揮されない状態とし、当該状態において生成された画像を上記第1画像として取得し、上記第2画像取得工程は、上記ブレ補正機能を有効にし、上記撮像装置を振動させることによりブレ補正機能が発揮されない状態とし、当該状態において生成された画像を上記第2画像として取得するようにしてもよい。これにより、ブレ補正機能を有効にして撮像装置を静止させて第1画像が撮像され、ブレ補正機能を有効にして撮像装置を振動させて第2画像が撮像されるという作用をもたらす。
【0014】
また、この第1の側面において、上記第2画像取得工程は、レリーズタイミングを基準とする時間軸における複数の区間ごとに生成された区間手振れモデル波形をつなぎ合わせて生成された手振れモデル波形に基づいて上記振動を発生させた状態において生成された画像を上記第2画像として取得するようにしてもよい。これにより、レリーズタイミングを基準とする時間軸における複数の区間ごとに生成された区間手振れモデル波形をつなぎ合わせて生成された手振れモデル波形に基づいて振動を発生させた状態において生成された画像が第2画像として取得されるという作用をもたらす。
【0015】
また、本技術の第2の側面は、撮像動作中における撮像装置の振動波形を示す複数の波形データを取得するデータ取得工程と、上記波形データにおけるレリーズタイミングを示すタイミング情報を上記波形データごとに取得するタイミング取得工程と、上記取得されたレリーズタイミングを基準として、上記波形データに係る振動波形を時間軸における複数の区間に上記波形データごとに分割する区間分割工程と、上記分割された上記振動波形を、周波数特性を示す周波数特性情報に上記区間ごとに変換する変換工程と、上記変換された周波数特性情報のうち上記時間軸における位置が同一視できる複数の周波数特性情報に基づいて上記区間ごとの周波数情報である区間周波数特性情報を上記区間ごとに生成する区間周波数特性情報生成工程と、上記生成された区間周波数特性情報に基づいて、区間手振れモデル波形を上記区間ごとに生成する区間波形生成工程と、上記生成された各区間の区間手振れモデル波形を、上記時間軸における上記区間の順序関係に基づいてつなぎ合わせることにより手振れモデル波形を生成する手振れモデル波形生成工程とを具備する手振れモデル波形生成方法および当該方法をコンピュータに実行させるプログラムならびに当該方法を実行する情報処理装置である。これにより、レリーズタイミングを基準として振動波形が分割され、分割された振動波形に基づいて区間手振れモデル波形が区間ごとに生成され、この区間手振れモデル波形を時間軸における区間の順序関係に基づいてつなぎ合わせることにより手振れモデル波形が生成されるという作用をもたらす。
【0016】
また、この第2の側面において、上記区間周波数特性情報生成工程は、上記同一視できる複数の周波数特性情報同士で各周波数成分を平均化して上記区間周波数特性情報を上記区間ごとに生成するようにしてもよい。これにより、同一視できる複数の周波数特性情報同士で各周波数成分を平均化して区間周波数特性情報が区間ごとに生成されるという作用をもたらす。
【0017】
また、この第2の側面において、上記変換工程は、上記周波数特性情報として、上記振動波形をフーリエ変換することにより振幅スペクトルおよび位相スペクトルを生成し、上記区間周波数特性情報生成工程は、上記区間周波数特性情報として、上記振幅スペクトルを平均化した平均振幅スペクトルと、上記位相スペクトルを平均化した平均位相スペクトルとを生成し、上記区間波形生成工程は、同一区間の上記平均振幅スペクトルと上記平均位相スペクトルとを逆フーリエ変換して上記区間手振れモデル波形を上記区間ごとに生成するようにしてもよい。これにより、区間ごとの振幅スペクトルおよび位相スペクトルを用いて区間手振れモデル波形が区間ごとに生成されるという作用をもたらす。
【0018】
また、この第2の側面において、上記レリーズタイミングは、上記撮像装置におけるレリーズボタンの押下操作に基づいて検出されるようにしてもよい。これにより、レリーズボタンの押下操作に基づいてレリーズタイミングが検出されるという作用をもたらす。
【発明の効果】
【0019】
本技術によれば、ブレ補正機能の性能の評価の精度を向上させることができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本技術の第1の実施の形態における手振れ補正機能評価システム100の外観構成の一例を示す模式図である。
【図2】本技術の第1の実施の形態における手振れ補正機能評価システム100の機能構成の一例を示す模式図である。
【図3】本技術の第1の実施の形態におけるテストチャート120において配置される限界解像度を検出するためのパターンの一例を示す模式図である。
【図4】本技術の第1の実施の形態における限界解像度検出部220による限界解像度の検出の一例を示す模式図である。
【図5】本技術の第1の実施の形態における撮像装置170が撮像した第1撮像画像および第2撮像画像におけるパターンの像の一例を模式的に示す図である。
【図6】本技術の第1の実施の形態における画像処理装置200による評価値の生成の一例を模式的に示す図である。
【図7】本技術の第1の実施の形態における手振れ補正機能評価システム100によって評価値が生成される際の評価値生成処理手順例を示すフローチャートである。
【図8】本技術の第2の実施の形態における手振れモデル波形生成装置600を用いて手振れ測定データの記録を行っている状態を模式的に示す図である。
【図9】本技術の第2の実施の形態における手振れモデル波形生成装置600の機能構成の一例を示す模式図である。
【図10】本技術の第2の実施の形態における手振れモデル波形生成装置600による手振れモデル波形の生成の一例を模式的に示す図である。
【図11】本技術の第2の実施の形態における手振れモデル波形生成装置600による手振れモデル波形の生成の一例を模式的に示す図である。
【図12】本技術の第2の実施の形態における手振れモデル波形生成装置600による手振れモデル波形の生成の一例を模式的に示す図である。
【図13】本技術の第2の実施の形態における区間連結処理部690による区間手振れモデル波形のつなぎ合わせの一例を示す模式図である。
【図14】本技術の第2の実施の形態における手振れモデル波形生成装置600によって手振れモデル波形が生成される際の手振れモデル波形生成処理手順例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本技術を実施するための形態(以下、実施の形態と称する)について説明する。説明は以下の順序により行う。
1.第1の実施の形態(手振れ補正機能評価制御:解像度を用いて手振れ補正機能を評価する例)
2.第2の実施の形態(手振れモデル波形生成制御:区間ごとの手振れモデル波形を生成する例)
【0022】
<1.第1の実施の形態>
[手振れ補正機能評価システムの外観構成例]
図1は、本技術の第1の実施の形態における手振れ補正機能評価システム100の外観構成の一例を示す模式図である。
【0023】
手振れ補正機能評価システム100は、撮像装置(例えば、コンパクトデジタルカメラ、デジタル一眼カメラ)に備えられるブレ(手振れ)補正機能の効果を評価するためのものである。補正機能評価システム100は、光源110と、テストチャート120と、振動台130と、シャッターボタン押下部140と、手振れモデル波形記録部150と、コントロールユニット160と、撮像装置170と、画像処理装置200とを備える。
【0024】
光源110は、撮像装置170がテストチャート120を撮像するために必要な光を供給するものである。
【0025】
テストチャート120は、撮像装置170の手振れ補正機能を評価するためのパターンが掲載されているチャート図である。撮像装置170は、このテストチャート120を被写体として撮像画像を生成する。なお、テストチャート120については、図3を参照して説明する。
【0026】
手振れモデル波形記録部150は、人が撮像装置170を構えて撮像する際における撮像装置170が受ける手振れ(ブレ)を再現するための情報(手振れモデル波形情報)を記録するものである。この手振れモデル波形情報には、ピッチ方向(ピッチ方向131)、ヨー方向(ヨー方向132)、ロール方向(ロール方向133)の3つの方向における撮像装置170の回転運動を再現するために、3つの方向の手振れモデル波形が含まれている。振れモデル波形は、レリーズタイミングを基準とする時間軸における複数の区間ごとに生成された区間手振れモデル波形をつなぎ合わせて生成される。なお、手振れモデル波形の生成方法については、本技術の第2の実施の形態として、図8乃至図14を参照して説明する。また、手振れモデル波形記録部150は、その手振れモデル波形におけるシャッターボタン(レリーズボタン)の押下タイミング(レリーズタイミング)を示す情報(押下タイミング情報)も保持している。この手振れモデル波形記録部150は、記録している手振れモデル波形および押下タイミング情報を、コントロールユニット160に供給する。
【0027】
コントロールユニット160は、振動台130の動作(振動動作)を制御するものである。このコントロールユニット160は、手振れモデル波形記録部150から供給される手振れモデル波形に基づいて、この手振れモデル波形が示す振動(手振れ)が撮像装置170に与えられるように振動台130の振動動作を制御する。また、コントロールユニット160は、シャッターボタン押下部140を制御して、撮像装置170のシャッターボタンを押下するための制御を行う。
【0028】
コントロールユニット160は、手振れ補正機能を評価するために、振動台130を振動させていない状態におけるテストチャート120の撮像画像と、振動台130を振動させた状態におけるテストチャート120の撮像画像とを撮像装置170に生成させる。すなわち、コントロールユニット160は、手振れ補正機能が発揮されない状態における撮像画像と、手振れ補正機能が発揮されている状態における撮像画像とを撮像装置170に生成させる。
【0029】
なお、振動台130を振動させて撮像する場合において、コントロールユニット160は、手振れモデル波形記録部150から供給される押下タイミング情報に基づいてシャッターボタン押下部140を制御する。コントロールユニット160は、手振れモデル波形情報が示す振動の供給開始から供給終了までの期間(振動再現期間)において、押下タイミング情報が示すタイミング(レリーズタイミング)で撮像装置170のシャッターボタンが押下されるようにシャッターボタン押下部140を制御する。
【0030】
振動台130は、振動台130のステージに置かれた物体に振動を加えるものである。この振動台130のステージには、振動を与える対象の物体(撮像装置170)が固定され、手振れモデル波形記録部150から供給される手振れモデル波形情報が示す手振れの振動が撮像装置170に供給される。これにより、撮像装置170に振動が加えられ、手振れによるピッチ方向(ピッチ方向131)、ヨー方向(ヨー方向132)、ロール方向(ロール方向133)の回転運動が再現される。
【0031】
シャッターボタン押下部140は、撮像装置170のシャッターボタンを押下するものである。このシャッターボタン押下部140は、コントロールユニット160からの制御に基づいて、振動再現期間における押下タイミング情報が示すタイミングにおいて撮像装置170のシャッターボタンを押下する。
【0032】
撮像装置170は、手振れ補正機能の評価対象の撮像装置である。この撮像装置170は、手振れ補正機能がONの状態で振動台130に固定される。そして、撮像装置170は、手振れ補正機能の評価のために、振動台130を静止させた状態でテストチャート120を撮像した撮像画像と、振動台130を振動させて手振れ補正機能が働いている状態でテストチャート120を撮像した撮像画像とを生成する。すなわち、撮像装置170は、手振れ補正機能が発揮されない状態における撮像画像と、手振れ補正機能が発揮されている状態における撮像画像とを生成する。なお、撮像装置170は、シャッターボタンが、シャッターボタン押下部140により押下される。
【0033】
画像処理装置200は、撮像装置170が生成した撮像画像に基づいて、撮像装置170の手振れ補正機能の性能を評価するための評価値を生成するものである。なお、この画像処理装置200については、図2を参照して説明するためここでの説明を省略する。
【0034】
[手振れ補正機能評価システムの機能構成例]
図2は、本技術の第1の実施の形態における手振れ補正機能評価システム100の機能構成の一例を示す模式図である。
【0035】
手振れ補正機能評価システム100は、テストチャート120と、振動台130と、手振れモデル波形記録部150と、コントロールユニット160と、シャッターボタン押下部140と、撮像装置170と、画像処理装置200とを備える。また、画像処理装置200は、画像データ取得部210と、限界解像度検出部220と、評価値生成部230と、評価値記録部240とを備える。なお、画像処理装置200における機能構成以外は、図1の外観構成において示した各構成にそれぞれ対応し、これらについては図1において説明した。このため、ここでは画像処理装置200に着目して説明する。
【0036】
画像データ取得部210は、手振れ補正機能の評価に必要な撮像画像を撮像装置170から取得するものである。すなわち、画像データ取得部210は、振動台130を静止させた状態でテストチャート120を撮像した撮像画像と、振動台130を振動させて手振れ補正機能が働いている状態でテストチャート120を撮像した撮像画像とを撮像装置170から取得する。例えば、画像データ取得部210は、撮像装置170が2枚の撮像画像を取得した後に、撮像装置170に備えられているメモリカードから撮像画像を読み出して、2枚の撮像画像を取得する。画像データ取得部210は、取得した2枚の撮像画像を、限界解像度検出部220に供給する。なお、画像データ取得部210は、特許請求の範囲に記載の取得部の一例である。
【0037】
限界解像度検出部220は、画像データ取得部210から供給された撮像画像に基づいて、その撮像画像を取得した条件における識別可能な解像度(分解能)の限界(限界解像度)を検出するものである。この限界解像度検出部220は、振動台130を静止させた状態でテストチャート120を撮像した撮像画像(第1撮像画像)から、手振れ補正機能が発揮していない状態における限界解像度(第1限界解像度)を検出する。また、限界解像度検出部220は、振動台130を振動させて手振れ補正機能が働いている状態でテストチャート120を撮像した撮像画像(第2撮像画像)から、手振れ補正機能が発揮している状態における限界解像度(第2限界解像度)を検出する。なお、限界解像度検出部220による限界解像度の検出の一例については、図4および図5を参照して説明する。画像データ取得部210は、生成した2つの限界解像度(第1限界解像度および第2限界解像度)を、評価値生成部230に供給する。なお、限界解像度検出部220は、特許請求の範囲に記載の検出部の一例である。
【0038】
評価値生成部230は、限界解像度検出部220から供給される第1限界解像度および第2限界解像度に基づいて、撮像装置170の手振れ補正機能の性能を評価するための評価値を生成するものである。評価値生成部230は、生成した評価値を評価値記録部240に供給する。なお、評価値生成部230は、特許請求の範囲に記載の評価部の一例である。
【0039】
評価値記録部240は、評価値生成部230から供給された評価値を記録するものである。この評価値記録部240に記録された評価値は、例えば、他の撮像装置が生成した評価値と比較できるように表示画面(図示せず)に表示されたりする。これにより、撮像装置の手振れ補正機能の性能が、評価値を用いて評価される。
【0040】
このように、手振れ補正機能評価システム100によれば、手振れ補正機能が発揮していない状態における解像度と、手振れ補正機能が発揮している状態における解像度とに基づいて、手振れ補正機能の性能を評価するための評価値が生成される。
【0041】
続いて、画像処理装置200が解像度を検出するために被写体として用いられるテストチャート120について、図3を参照して説明する。
【0042】
[テストチャートにおける限界解像度を検出するためのパターンの例]
図3は、本技術の第1の実施の形態におけるテストチャート120において配置される限界解像度を検出するためのパターンの一例を示す模式図である。
【0043】
この図3には、黒および白のラインが交互にくさび状に配置されたパターン(パターン311乃至313)が示されている。また、パターン311乃至313には、解像度の指標となる値を模式的に示す符号(R1乃至R12)が示されている。
【0044】
パターン311乃至313では、同一の幅(図3の上下方向)の黒および白の複数のラインが、くさびの先端方向(図3の左側)に向かうにつれてラインの幅が狭くなるように描かれることにより、くさび状のパターンを形成している。限界解像度は、パターン311乃至313を撮像した撮像画像におけるパターン311乃至313のラインの識別可能な限界の細さ(黒のラインと白のラインとを区別できる限界の細さ)を検出することにより検出される。例えば、パターン311のR2の位置におけるラインの幅までが識別できる場合には、R2の値が限界解像度として検出される。なお、識別できる幅の検出方法の一例については、図4を参照して説明する。
【0045】
図3において説明したように、個々の物体(ここでは、ラインの幅)の認識可能な限界のサイズを検出できるパターン(例えば、パターン311乃至313)が描かれている図面をテストチャート120として用いることにより、限界解像度が検出される。すなわち、テストチャート120は、一般的な解像度チャート(例えば、ISO12233準拠の解像度チャート)をテストチャート120として用いることもできる。
【0046】
[限界解像度検出部による限界解像度の検出の一例]
図4は、本技術の第1の実施の形態における限界解像度検出部220による限界解像度の検出の一例を示す模式図である。
【0047】
図4(a)には、テストチャート120におけるパターンが明確に撮像される解像度における黒および白のラインを撮像した画素の輝度値を模式的に示すグラフが示されている。このグラフには、横軸をパターンが撮像されている画素の相対的な位置を示す軸とし、縦軸を輝度値を示す軸として、黒のライン(黒ライン)と白のライン(白ライン)とを撮像した画素の輝度値の分布を示す分布データ(分布データ361)が示されている。また、このグラフには、黒ラインを撮像した画素の位置を示す区間(区間B1乃至B3)と、白ラインを撮像した画素の位置を示す区間(区間C1およびC2)とが示されている。また、このグラフには、分布データ361における黒ラインを撮像した画素の輝度値のうち最も小さい輝度値(最も黒い輝度値)と、白ラインを撮像した画素の輝度値のうち最も大きい輝度値(最も白い輝度値)との間の輝度の差分(差分A1)が示されている。
【0048】
図4(a)に示すように、テストチャート120におけるパターンが明確に撮像される解像度における輝度値は、テストチャート120における黒ラインおよび白ラインの印刷箇所からの被写体光の強度をそのまま反映した輝度値となる。すなわち、黒ラインを撮像した画素の輝度値と、白ラインを撮像した画素の輝度値との間の差分(差分A1)は、最も大きな輝度値の差分となる。限界解像度検出部220は、テストチャート120を撮像した第1撮像画像および第2撮像画像からこの輝度値の差分(それぞれの画像における差分A1)をそれぞれ検出する。
【0049】
図4(b)には、テストチャート120におけるパターンが識別できる限界の解像度における黒および白のラインを撮像した画素の輝度値を模式的に示すグラフが示されている。このグラフには、図4(a)と同様の横軸および縦軸に、パターンが識別可能な限界の解像度における画素の輝度値の分布を示す分布データ(分布データ362)が示されている。また、このグラフには、分布データ362における黒ラインを撮像した画素の輝度値のうち最も小さい輝度値と、白ラインを撮像した画素の輝度値のうち最も大きい輝度値との間の輝度の差分(差分A2)が示されている。なお、このグラフにおいて示す差分A1、区間B1乃至B3、区間C1乃至C2は、図4(a)において示したものと同様のものである。
【0050】
図4(b)に示すように、解像度が限界に近づくと、被写光が適切な位置に集まらないため、黒ラインからの被写体光と白ラインからの被写体光とが混ざったような輝度値が、黒ラインおよび白ラインを撮像する画素において生成される。限界解像度検出部220は、例えば、輝度の差分(図4(b)の差分A2を参照)が、最大の輝度差となる解像度における差分(図4(a)の差分A1を参照)の5%になる解像度を、識別可能な限界の解像度(限界解像度)として検出する。
【0051】
このようにして、限界解像度検出部220は、テストチャート120を撮像した第1撮像画像および第2撮像画像から限界解像度をそれぞれ検出する。
【0052】
[テストチャートの撮像画像の一例]
図5は、本技術の第1の実施の形態における撮像装置170が撮像した第1撮像画像および第2撮像画像におけるパターンの像の一例を模式的に示す図である。
【0053】
図5(a)には、振動台130を静止させた状態でテストチャート120を撮像した撮像画像(第1撮像画像)におけるパターンの像(画像340)が模式的に示されている。また、この図5(a)には、限界解像度が検出された位置を示す矩形(検出位置341)が示されている。なお、画像340の下に振ってある3つの数値(800、1200、1600)は、解像度を示す目盛を模式的に表している。
【0054】
また、図5(b)には、振動台130を振動させて手振れ補正機能が働いている状態でテストチャート120を撮像した撮像画像(第2撮像画像)におけるパターンの像(画像350)が模式的に示されている。また、この図5(a)には、図5(a)と同様に、限界解像度が検出された位置を示す矩形(検出位置351)と、解像度を示す目盛とが示されている。
【0055】
図5(b)の画像350に示すように、振動台130を振動させて撮像すると、振動により被写体光の集光位置(当たる画素の位置)がずれて撮像された像がぼやけた像になる。すなわち、画像340では、手振れ補正機能を発揮させて(振動台130を静止させて)撮像したため、撮像装置170の備える解像度の限界(光学系、撮像素子、画像処理における性能的な限界)に近い解像度が限界解像度として検出されている(図5(a)では約1200本)。一方、画像350では、手振れ補正機能を発揮させて(振動台130を振動させて)撮像したため、画像340よりも限界解像度が低下する(図5(a)では約1200本だが、図5(b)では約1000本)。
【0056】
なお、手振れ補正機能が働いている場合には、第2撮像画像における限界解像度(第2限界解像度)が第1撮像画像における限界解像度(第1限界解像度)に近い値であるほど(差分が少ないほど)、手振れ補正機能の性能が高いことを示す。
【0057】
このように、限界解像度検出部220によって、第1撮像画像および第2撮像画像における限界解像度が検出される。
【0058】
続いて、第1撮像画像および第2撮像画像における限界解像度(第1限界解像度および第2限界解像度)に基づく評価値の生成について、図6を参照して説明する。
【0059】
[評価値の生成例]
図6は、本技術の第1の実施の形態における画像処理装置200による評価値の生成の一例を模式的に示す図である。
【0060】
なお、図6では、複数の撮像装置間で手振れ補正機能の性能を比較することができる値を評価値として生成することを想定して説明する。
【0061】
図6には、第1撮像装置の第1撮像画像および第2撮像画像から評価値が生成されるまでの流れが模式的に示されている。
【0062】
まず、画像処理装置200の限界解像度検出部220は、第1撮像画像の輝度値を解析して、最も大きな差分の輝度値を検出し、そして、最も大きな差分の5%となる差分を示す輝度値(分布データ371)の位置を検出する(図4参照)。続いて、限界解像度検出部220は、その検出した分布データ371のパターンにおける位置から(図3参照)、手振れが無く手振れ補正機能が働いていない状態における限界解像度(第1限界解像度)を検出する(限界解像度を検出373)。同様に、限界解像度検出部220は、第2撮像画像の輝度値を解析して、分布データ372のパターンにおける位置を検出し、手振れが有って手振れ補正機能が働いている状態における限界解像度(第2限界解像度)を検出する(限界解像度を検出374)。
【0063】
その後、評価値生成部230は、第1限界解像度および第2限界解像度に基づいて評価値を生成する。ここで、評価値生成部230による評価値の生成について説明する。評価値生成部230は、例えば、次の式1を用いて評価値を算出する。
E=20×log(R/R) ・・・式1
ここで、Eは、評価値である。また、Rは第1限界解像度であり、Rは第2限界解像度である。
【0064】
すなわち、式1により、第1限界解像度Rと第2限界解像度Rとの比の値(右辺のR/R)に基づいて、デシベルを単位とする評価値が算出される。
【0065】
このように、評価値生成部230は、手振れ補正機能が働いていない状態における限界解像度(第1限界解像度)と、手振れ補正機能が働いている状態における限界解像度(第2限界解像度)とに基づいて評価値を生成する。これにより、手振れ補正機能の性能を他の撮像装置との間で評価することができる評価値を生成することができる。
【0066】
ここで、解像度に基づいて評価値を生成する利点について説明する。なお、利点として、デジタルカメラでは、撮像画像の生成段階において行われる様々な画像処理のうちのエッジ強調処理(輪郭強調処理)に対する利点を説明する。
【0067】
このエッジ強調処理では、撮像画像におけるエッジが明確になるように、エッジにおける輝度差の傾斜の角度を急にしたり、コントラスト差(輝度差)を大きくしたりする。限界解像度検出部220による解像度の検出では輝度差を用いて解像度が検出されるため、エッジ強調による傾斜の角度の変化は解像度の検出に影響しない。
【0068】
また、解像度を検出する段階において、第1撮像画像における最も大きな輝度値の差分(最大差分)と、第2撮像画像における最大差分とは、同じ大きさになり、第1限界解像度および第2限界解像度は、輝度差が最大差分の5%となる位置に基づいて検出される。すなわち、第1撮像画像および第2撮像画像に同じエッジ強調がされるなら、第1限界解像度が検出された位置におけるエッジ強調の強調度合いと、第2限界解像度が検出された位置におけるエッジ強調の強調度合いとが、同じぐらいの度合いとなる。
【0069】
このため、コントラスト差を生じるようなエッジ強調の場合においても、第1限界解像度および第2限界解像度に係るエッジ強調の度合いが略同じになり、エッジ強調の度合いが略同である2つの限界解像度の比に基づいて評価値を算出することにより、エッジ強調の影響が少なくなる。
【0070】
このように、解像度を用いて評価値を生成することにより、撮像装置において撮像画像を生成する段階において施された画像処理(例えば、エッジ強調)の影響を軽減させて、手振れ補正機能の性能を評価するための評価値を生成することができる。
【0071】
[画像処理装置の動作例]
次に、本技術の第1の実施の形態における手振れ補正機能評価システム100の動作について図面を参照して説明する。
【0072】
図7は、本技術の第1の実施の形態における手振れ補正機能評価システム100によって評価値が生成される際の評価値生成処理手順例を示すフローチャートである。
【0073】
まず、振動台130に固定された撮像装置170に対して、テストチャート120迄の距離、露光時間、画角、感度等の撮像のための条件が設定される(ステップS911)。そして、振動台130が、コントロールユニット160からの制御により静止状態に設定されて、振動台130の静止処理が行われる(ステップS912)。
【0074】
続いて、撮像装置170のシャッターボタンがシャッターボタン押下部140により押下され、撮像画像(第1撮像画像)が生成される撮像処理が行われる(ステップS913)。その後、その生成された撮像画像(第1撮像画像)が、撮像装置170に備えられているメモリカードに記録される(ステップS914)。なお、ステップS914は、特許請求の範囲に記載の第1画像取得工程の一例である。
【0075】
その後、手振れモデル波形および押下タイミング情報が、コントロールユニット160により手振れモデル波形記録部150から取得される(ステップS915)。そして、この取得されたモデル波形に基づいて、振動台130を振動させる振動処理が行われる(ステップS916)。続いて、振動開始からの経過時間が、押下タイミング情報が示す押下タイミング(レリースタイミング)になったか否かが、コントロールユニット160により判断される。そして、レリースタイミングになっていないと判断された場合には(ステップS917)、レリーズタイミングになるまで待機する。
【0076】
一方、レリーズタイミングになったと判断された場合には(ステップS917)、撮像装置170のシャッターボタンがシャッターボタン押下部140により押下され、撮像画像(第2撮像画像)が生成される撮像処理が行われる(ステップS918)。その後、その生成された撮像画像(第2撮像画像)が、撮像装置170に備えられているメモリカードに記録される(ステップS919)。なお、ステップS919は、特許請求の範囲に記載の第2画像取得工程の一例である。
【0077】
続いて、撮像装置170が生成した2つの撮像画像(第1撮像画像および第2撮像画像)が、画像処理装置200の画像データ取得部210により取得される(ステップS920)。そして、手振れ補正機能が発揮されていない状態(OFF)における撮像装置170の解像度(第1限界解像度)が、限界解像度検出部220により第1撮像画像に基づいて検出される(ステップS921)。その後、手振れ補正機能が発揮されている状態(ON)における撮像装置170の解像度(第2限界解像度)が、限界解像度検出部220により第2撮像画像に基づいて検出される(ステップS922)。なお、ステップS921は、特許請求の範囲に記載の第1検出工程の一例である。また、ステップS922は、特許請求の範囲に記載の第2検出工程の一例である。
【0078】
そして、第1限界解像度および第2限界解像度に基づいて、手振れ補正機能の性能を評価するための評価値が評価値生成部230により生成される(ステップS923)。続いて、その生成された評価値が出力されて評価値記録部240に記録され(ステップS924)、評価値生成処理手順が終了される。なお、ステップS923は、特許請求の範囲に記載の評価工程の一例である。
【0079】
このように、本技術の第1の実施の形態によれば、撮像画像における解像度を用いてブレ(手振れ)補正機能の性能を評価することにより、ブレ(手振れ)補正機能の性能の評価の精度を向上させることができる。
【0080】
<2.第2の実施の形態>
本技術の第1の実施の形態では、画像処理装置200による評価値の生成について説明した。この評価値の生成の際に、手振れモデル波形記録部150が保持する手振れモデル波形に基づいて撮像装置170に振動を与えて、第2撮像画像を取得する。この第2撮像画像を取得する際に用いる手振れモデル波形は、人の手振れをできる限り忠実に再現できるものが望ましい。
【0081】
そこで、本技術の第2の実施の形態では、この手振れモデル波形の生成方法について説明する。
【0082】
[手振れモデル波形生成装置による手振れ測定データの記録例]
図8は、本技術の第2の実施の形態における手振れモデル波形生成装置600を用いて手振れ測定データの記録を行っている状態を模式的に示す図である。
【0083】
図8には、人(人物440)が、手振れ測定用ジャイロセンサ410およびレリーズタイミング測定用圧力センサ420が取り付けられた撮像装置170を用いて撮像している様子が模式的に示されている。また、図8には、手振れ測定用ジャイロセンサ410およびレリーズタイミング測定用圧力センサ420が、手振れモデル波形生成装置600と接続されている様子が模式的に示されている。
【0084】
ここで、手振れ測定用ジャイロセンサ410、レリーズタイミング測定用圧力センサ420、および、手振れモデル波形生成装置600について説明する。
【0085】
手振れ測定用ジャイロセンサ410は、撮像装置170の手振れによる振動を測定するためのジャイロセンサである。この手振れ測定用ジャイロセンサ410は、例えば、ピッチ方向、ロール方向、および、ヨー方向に対する角速度をそれぞれ測定し、その測定した角角度に関する情報を手振れモデル波形生成装置600に供給し、手振れ測定データ記録部610に記録させる。
【0086】
レリーズタイミング測定用圧力センサ420は、撮像装置170のシャッターボタンに取り付けられ、人物440によるシャッターボタンの押下タイミング(レリーズタイミング)を取得(測定)するための圧力センサである。このレリーズタイミング測定用圧力センサ420は、測定した押下タイミングに関する情報(測定レリーズタイミング情報)を手振れモデル波形生成装置600に供給し、手振れ測定データ記録部610に記録させる。
【0087】
手振れモデル波形生成装置600は、測定された複数の手振れの測定データ(手振れ測定データ)に基づいて手振れモデル波形を生成するものである。この手振れモデル波形生成装置600は、手振れ測定用ジャイロセンサ410と、レリーズタイミング測定用圧力センサ420とに接続されている。なお、手振れモデル波形生成装置600の機能構成については図9を参照して説明し、ここでは、測定された複数の手振れの測定データを記録するための手振れ測定データ記録部610のみを示す。
【0088】
図8に示すように、手振れ測定データは、人(人物440)に撮像装置170を用いて撮像してもらい、その際の手振れを測定することにより生成される。これにより、手振れ測定データとして、撮像期間(例えば、シャッターボタンの半押しの開始から、露光の終了まで)における撮像装置170の手振れ振動波形と、レリーズタイミングとを取得することができる。
【0089】
なお、標準的な手振れの振動を示す手振れモデル波形を生成するために、本技術の第2の実施の形態では、様々なシーンにおいて複数の人に同じような動作により撮像してもらい、複数の手振れ測定データを用意する。
【0090】
[手振れモデル波形生成装置の機能構成例]
図9は、本技術の第2の実施の形態における手振れモデル波形生成装置600の機能構成の一例を示す模式図である。
【0091】
手振れモデル波形生成装置600は、手振れ測定データ記録部610と、区間分割部620と、フーリエ変換部630と、振幅スペクトル保持部640と、平均振幅スペクトル算出部650と、位相スペクトル保持部660とを備える。また、手振れモデル波形生成装置600は、平均位相スペクトル算出部670と、逆フーリエ変換部680と、区間連結処理部690と、手振れモデル波形記録部150とを備える。
【0092】
手振れ測定データ記録部610は、図8において示したように、測定された手振れ測定データと、その手振れ測定データにおけるレリーズタイミング(測定レリーズタイミング情報)とを記録するものである。例えば、手振れ測定データ記録部610は、9人が1回ずつ撮像して手振れ測定データを取得した場合には、9つの手振れ測定データと、それらの手振れ測定データにおけるレリーズタイミングとを記録する。この手振れ測定データ記録部610は、手振れ測定データおよびレリーズタイミングを区間分割部620に供給する。
【0093】
区間分割部620は、手振れ測定データ(波形)を、レリーズタイミングを基準として、時間軸における複数の区間に分割するものである。この区間分割部620は、手振れ測定データ記録部610に記録されている複数の手振れ測定データそれぞれを複数の区間に分割する。例えば、区間分割部620は、手振れ測定データを3つの区間に分割する場合には、9つの手振れ測定データを手振れ測定データ記録部610から取得し、取得した9つの手振れ測定データそれぞれを3つの区間に分割する。なお、この分割については、図10を参照して説明し、ここでの説明を省略する。区間分割部620は、区間に分割した手振れ測定データを、フーリエ変換部630に供給する。なお、区間分割部620は、特許請求の範囲に記載のデータ取得部、タイミング取得部、区間分割部の一例である。
【0094】
フーリエ変換部630は、複数の手振れ測定データそれぞれに対して、分割された区間ごとにフーリエ変換を行い、振幅スペクトルと、位相スペクトルとを区間ごとに算出するものである。すなわち、フーリエ変換部630は、分割された区間ごとに周波数成分(周波数特性)を解析する。例えば、フーリエ変換部630は、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)を用いて周波数領域ごとの位相および振幅を算出することにより振幅スペクトルおよび位相スペクトルを算出する。フーリエ変換部630は、例えば、9つの手振れ測定データにおけるそれぞれ3つの区間(計27)をそれぞれフーリエ変換して、振幅スペクトルおよび位相スペクトルをそれぞれ算出(振幅スペクトルおよび位相スペクトルがそれぞれ27)する。フーリエ変換部630は、生成した振幅スペクトルを振幅スペクトル保持部640に供給し、生成した位相スペクトルを位相スペクトル保持部660に供給する。なお、フーリエ変換部630は、特許請求の範囲に記載の変換部の一例である。
【0095】
振幅スペクトル保持部640は、フーリエ変換部630が算出した振幅スペクトルを一時的に保持するものである。振幅スペクトル保持部640は、全ての手振れ測定データの全ての区間の振幅スペクトルが算出された場合には、保持する振幅スペクトルを平均振幅スペクトル算出部650に供給する。
【0096】
平均振幅スペクトル算出部650は、複数の手振れ測定データにおける同一視できる区間(同一の区間)の振幅スペクトルの振幅を周波数領域ごとに平均化して、その区間の振幅スペクトル(平均振幅スペクトル)を生成するものである。すなわち、この平均振幅スペクトル算出部650は、区間分割部620において手振れ測定データが3つの区間(第1区間、第2区間、第3区間)に分割された場合には、3つの平均振幅スペクトルを算出する。例えば、平均振幅スペクトル算出部650は、9つの手振れ測定データの第1区間の振幅スペクトルにおける周波数領域ごとの振幅をそれぞれ平均することにより平均振幅スペクトルを算出する。平均振幅スペクトル算出部650は、算出した平均振幅スペクトルを、逆フーリエ変換部680に供給する。
【0097】
位相スペクトル保持部660は、フーリエ変換部630が算出した位相スペクトルを一時的に保持するものである。位相スペクトル保持部660は、全ての手振れ測定データの全ての区間の位相スペクトルが算出された場合には、保持する位相スペクトルを平均位相スペクトル算出部670に供給する。
【0098】
平均位相スペクトル算出部670は、複数の手振れ測定データにおける同一視できる区間(同一の区間)の位相スペクトルの位相を周波数領域ごとに平均化して、その区間の位相スペクトル(平均位相スペクトル)を生成するものである。例えば、平均位相スペクトル算出部670は、9つの手振れ測定データの第1区間の位相スペクトルにおける周波数領域ごとの位相をそれぞれ平均することにより平均位相スペクトルを算出する。平均位相スペクトル算出部670は、算出した平均位相スペクトルを、逆フーリエ変換部680に供給する。なお、平均振幅スペクトル算出部650および平均位相スペクトル算出部670は、特許請求の範囲に記載の区間周波数特性情報生成部の一例である。
【0099】
逆フーリエ変換部680は、同一区間の平均振幅スペクトルおよび平均位相スペクトルを逆フーリエ変換してその区間の波形(区間手振れモデル波形)を生成するものである。例えば、逆フーリエ変換部680は、逆高速フーリエ変換(逆FFT)を用いて区間手振れモデル波形を生成する。すなわち、逆フーリエ変換部680は、手振れ測定データが3つの区間に分割された場合には、平均振幅スペクトルおよび平均位相スペクトルを区間ごとに逆フーリエ変換して、3つの区間の区間手振れモデル波形を生成する。例えば、逆フーリエ変換部680は、第1区間の平均振幅スペクトルおよび平均位相スペクトルを逆フーリエ変換して、第1区間の区間手振れモデル波形を生成する。逆フーリエ変換部680は、生成した区間手振れモデル波形を区間連結処理部690に供給する。なお、逆フーリエ変換部680は、特許請求の範囲に記載の区間波形生成部の一例である。
【0100】
区間連結処理部690は、区間手振れモデル波形を時系列の順序につなぎ合わせて、手振れの振動のモデルとなる波形(手振れモデル波形)を生成するものである。すなわち、区間連結処理部690は、3つの区間の区間手振れモデル波形から1つの手振れモデル波形を生成する。また、区間連結処理部690は、その生成した手振れモデル波形におけるレリーズタイミング(シャッターボタンの押下タイミング)を決定し、押下タイミング情報を生成する。区間連結処理部690は、生成した手振れモデル波形および押下タイミング情報を手振れモデル波形記録部150に供給する。なお、区間連結処理部690は、特許請求の範囲に記載の手振れモデル波形生成部の一例である。
【0101】
手振れモデル波形記録部150は、区間連結処理部690から供給された手振れモデル波形および押下タイミング情報を記録するものである。この手振れモデル波形および押下タイミング情報は、第1の実施の形態において説明したように、手振れ補正機能を評価する際に手振れを再現するために用いられる。
【0102】
[手振れモデル波形の生成例]
図10乃至図12は、本技術の第2の実施の形態における手振れモデル波形生成装置600による手振れモデル波形の生成の一例を模式的に示す図である。図10では、2つの手振れ測定データが3つの区間に分割され、そして分割されたそれぞれの区間の振幅スペクトルおよび位相スペクトルが算出されるまでを説明する。また、図11では、3つの区間のそれぞれの振幅スペクトルおよび位相スペクトルからそれぞれの区間の区間手振れモデル波形が生成されるまでを説明する。そして、図12では、それぞれの区間の区間手振れ波形から手振れモデル波形が生成されるまでを説明する。
【0103】
ここでは、説明の便宜上、2つの手振れ測定データから手振れモデル波形を生成することを想定して説明する。また、図10乃至図12では、説明の便宜上、3方向(ピッチ方向、ロール方向、ヨー方向)のうちの一方向のみを示すが、3方向全てについて、同様に処理されて、3方向それぞれの手振れモデル波形が生成される。
【0104】
図10には、区間分割部620による手振れ測定データの3つの区間への分割と、フーリエ変換部630によるそれぞれの区間の振幅スペクトルおよび位相スペクトルの算出とが模式的に示されている。
【0105】
図10では、手振れ測定データ記録部610に記録されている手振れ測定データとして、2つの手振れ測定データが示す手振れ波形(手振れ波形510および520)が示されている。また、図10では、手振れ波形510を3つの区間に分割した手振れ波形(手振れ波形511乃至513)と、手振れ波形520を3つの区間に分割した手振れ波形(手振れ波形521乃至523)とが示されている。
【0106】
さらに、図10では、区間511乃至513のそれぞれから算出された振幅スペクトル(振幅スペクトル531乃至533)および位相スペクトル(位相スペクトル534乃至536)が示されている。また、図10では、区間521乃至523のそれぞれから算出された振幅スペクトル(振幅スペクトル531乃至533)および位相スペクトル(位相スペクトル534乃至536)が示されている。
【0107】
なお、図10以降では、手振れ波形を示すグラフでは、x軸を時間を示す軸とし、y軸(図示せず)を角度(deg)を示す軸とする。
【0108】
ここで、手振れ測定データから振幅スペクトルおよび位相スペクトルが算出されるまでについて図10を参照して説明する。手振れモデル波形の生成では、まず、手振れ測定データ記録部610に記録されている手振れ測定データ(手振れ波形510および520)が区間分割部620により取得される。そして、それぞれのレリーズタイミング(手振れ波形510の破線L1、手振れ波形520の破線L2)を基準にして、手振れ測定データが3つの区間の手振れ波形(手振れ波形511乃至513、手振れ波形521乃至524)にそれぞれ分割される。
【0109】
この区間分割では、例えば、レリーズタイミングの直前および直後の期間(期間t2)と、半押し中の期間(期間t1)と、期間t2の終了タイミングから露光終了タイミングまでの期間(期間t3)とにおける手振れ波形に、手振れ測定データが区切られる。この区間分割では、まず、手振れ測定データとともに記録されているレリーズタイミングを基準にして、期間t2における手振れ波形が分割される。この期間t2は、レリーズタイミングの直前および直後に特徴的な手振れ波形が含まれるように設定される。例えば、レリーズタイミングの前後において特徴的な手振れが、レリーズタイミングの直前約0.5秒間および直後0.5秒間において取得された場合には、これらの期間(計1.0秒)が期間t2として設定される。そして、半押しの開始タイミング付近からレリーズタイミングの約0.5秒前までが期間t1として設定され、レリーズタイミングの約0.5秒後から露光の終了タイミング付近までが期間t3として設定される。
【0110】
ここで、露光期間が約2秒間と設定された撮像装置のシャッターボタンを約7秒間半押しした後に全押しして撮像する設定において手振れ測定データが取得されたことを想定し、期間t1乃至t3を説明する。なお、説明の便宜上、撮像装置の撮像動作におけるタイムラグは考慮せずに、レリーズタイミング(全押しのタイミング)から約2秒間を露光期間として想定する。
【0111】
この場合には、まず、レリーズタイミングの直前約0.5秒間および直後0.5秒間の手振れ測定データが期間t2の手振れの波形として分割される。続いて、半押しの開始直後(例えば、半押しの開始時の手振れを除外する場合、レリーズタイミングの約5秒前)からレリーズタイミングの約0.5秒前までの期間の手振れ測定データが期間t1の手振れ波形として分割される。また、レリーズタイミングの約0.5秒後から、露光の終了のタイミング(例えば、レリーズタイミングから約2秒後)までの期間の手振れ測定データが期間t3の手振れ波形として分割される。
【0112】
続いて、3つの区間の手振れ波形(期間t1乃至t3の手振れ波形)に分割された後に、フーリエ変換部630によって、FFTを用いて各区間の振幅スペクトルおよび位相スペクトルがそれぞれ算出される。例えば、手振れ波形510の期間t1の波形(手振れ波形511)を変換する場合には、この波形(手振れ波形511)をFFTにより周波数成分の情報へ変換する。これにより、手振れ波形510の期間t1の手振れ波形の周波数成分の情報(振幅および位相)を示す2つのスペクトル(振幅スペクトル531、位相スペクトル534)が生成される。このように、区間ごとに分割された各手振れ波形(手振れ波形511乃至513、521乃至523)を、FFTにより区間ごとに変換する。これにより、振幅スペクトル(振幅スペクトル531乃至533、541乃至543)および位相スペクトル(位相スペクトル534乃至536、544乃至546)が生成される。
【0113】
図11には、振幅スペクトルおよび位相スペクトルからの区間ごとの平均振幅スペクトルおよび平均位相スペクトルの算出と、区間ごとの平均振幅スペクトルおよび平均位相スペクトルからの区間ごとの区間手振れモデル波形の算出とが模式的に示されている。
【0114】
図11では、図10において示した振幅スペクトル(振幅スペクトル531乃至533、541乃至543)と、図10において示した位相スペクトル(位相スペクトル534乃至536、544乃至546)とが示されている。また、図11では、各手振れ測定データの期間t1の振幅スペクトルにおける周波数領域ごとの振幅をそれぞれ平均化して生成される期間t1の平均振幅スペクトル(平均振幅スペクトル551)が示されている。同様に、図11では、期間t2の平均振幅スペクトル(平均振幅スペクトル553)と、期間t3の平均振幅スペクトル(平均振幅スペクトル555)とが示されている。
【0115】
また、図11では、各手振れ測定データの期間t1の位相スペクトルにおける周波数領域ごとの振幅をそれぞれ平均化して生成される期間t1の平均位相スペクトル(平均位相スペクトル552)が示されている。同様に、図11では、期間t2の平均位相スペクトル(平均位相スペクトル554)と、期間t3の平均位相スペクトル(平均位相スペクトル556)とが示されている。
【0116】
また、図11では、期間t1の平均振幅スペクトルおよび平均位相スペクトルを逆FFTして生成される区間手振れモデル波形(区間手振れモデル波形561)が示されている。同様に、図11では、期間t2の区間手振れモデル波形562と、期間t3の区間手振れモデル波形563とが示されている。
【0117】
ここで、振幅スペクトルおよび位相スペクトルから各区間の区間手振れモデル波形が生成されるまでについて図11を参照して説明する。フーリエ変換部630により生成された振幅スペクトルおよび位相スペクトルは、全ての手振れ測定データについて区間分割およびフーリエ変換が完了するまで、振幅スペクトル保持部640および位相スペクトル保持部660に一時的に保持される。図10乃至13では2つの手振れ測定データ(手振れ波形510および520)に基づいて手振れモデル波形を生成することを想定しているため、この2つの手振れ波形の各区間の手振れ波形のフーリエ変換が終わるまで一時的に保持される。そして、全ての区間のフーリエ変換が終わると、平均振幅スペクトル算出部650および平均位相スペクトル算出部670により、各区間の平均振幅スペクトルおよび平均位相スペクトルが算出される。
【0118】
例えば、平均振幅スペクトル算出部650は、振幅スペクトル531および541における周波数領域ごとの振幅をそれぞれ平均化して、期間t1の平均振幅スペクトル(平均振幅スペクトル551)を生成する。また、平均位相スペクトル算出部670も同様に、位相スペクトル534および544における周波数領域ごとの振幅をそれぞれ平均化して期間t1の平均位相スペクトル(平均位相スペクトル552)を生成する。同様にして、期間t2の平均振幅スペクトル553は振幅スペクトル532および542から生成され、期間t2の平均位相スペクトル554は位相スペクトル535および545から生成される。また、期間t3の平均振幅スペクトル555は振幅スペクトル533および543から生成され、期間t3の平均位相スペクトル556は位相スペクトル536および546から生成される。
【0119】
続いて、各区間の平均振幅スペクトルおよび平均位相スペクトルが算出されると、逆フーリエ変換部680により区間ごとに逆フーリエ変換されて、区間ごとの手振れモデル波形(区間手振れモデル波形561乃至563)が生成される。例えば、逆フーリエ変換部680は、期間t1の平均振幅スペクトル551および平均位相スペクトル552を逆FFTすることにより、期間t1の区間手振れモデル波形(区間手振れモデル波形561)を生成する。同様にして、平均振幅スペクトル553および平均位相スペクトル554から期間t2の区間手振れモデル波形562が生成され、平均振幅スペクトル555および平均位相スペクトル556から期間t3の区間手振れモデル波形563が生成される。なお、期間t2における真ん中のタイミング(区間手振れモデル波形562に示す破線L3)が、区間手振れモデル波形のレリーズタイミングとして決定される。
【0120】
図12には、区間手振れモデル波形からの手振れモデル波形の生成が模式的に示されている。
【0121】
図12では、図11において示した区間手振れモデル波形561乃至563が示されている。また、図12では、区間手振れモデル波形561乃至563を時系列順につなぎ合わせて生成される手振れモデル波形(手振れモデル波形570)が示されている。
【0122】
ここで、区間手振れモデル波形に基づく手振れモデル波形の生成について、図12を参照して説明する。逆フーリエ変換部680は、生成した区間手振れモデル波形561乃至563を区間連結処理部690に供給する。そして、区間連結処理部690は、供給された区間手振れモデル波形561乃至563を時系列順につなぎ合わせて(連結して)、手振れモデル波形(手振れモデル波形570)を生成する。なお、つなぎ合わせの方法は、種々の一般的に知られている方法を用いることができるが、一例を図13において説明する。また、手振れモデル波形570の生成の際に、期間t2における真ん中のタイミング(手振れモデル波形570に示す破線L3)が、手振れモデル波形570におけるレリーズタイミングとして決定される。区間連結処理部690は、生成した手振れモデル波形570を、レリーズタイミングを示す押下タイミング情報とともに、手振れモデル波形記録部150に記録する。
【0123】
[区間連結処理部による区間手振れモデル波形のつなぎ合わせの一例]
図13は、本技術の第2の実施の形態における区間連結処理部690による区間手振れモデル波形のつなぎ合わせの一例を示す模式図である。
【0124】
図13では、説明の便宜上、2つの区間手振れモデル波形をつなぎ合わせる(連結する)場合を想定して説明する。
【0125】
図13(a)には、期間t11の区間手振れモデル波形(区間手振れモデル波形711)と、期間t11の終了タイミング(図13(a)の破線L11)から開始される期間t12の区間手振れモデル波形(区間手振れモデル波形712)とが示されている。
【0126】
区間手振れモデル波形711および712は、図11において示したように、複数の振幅スペクトルおよび位相スペクトルを平均化して生成された平均振幅スペクトルおよび平均位相スペクトルを逆フーリエ変換することにより生成される。すなわち、区間手振れモデル波形711と区間手振れモデル波形712との間におけるつなぎ目(破線L11)の波形は、図13(a)に示すように、連続的になるとは限らない。そこで、区間連結処理部690は、このつなぎ目における波形が連続的になるように波形をつなぎ合わせる処理(連結処理)を行う。
【0127】
図13(b)には、区間連結処理部690が連結処理を行う際に新たに設定される連結処理用の波形の区間が区間手振れモデル波形711および712に示されている。なお、図13(b)乃至(d)では、図13(a)において示した時間軸を省略して図示する。また、図13(b)では、図13(a)と共通するものには同一の符号を付してここでの説明を省略する。
【0128】
図13(b)では、破線L11が示すタイミング(波形のつなぎ目となるタイミング)から僅かな時間(微小時間Δt1)ほど前のタイミングを示す破線(破線L12)が示されている。また、図13(b)では、破線L11が示すタイミングから僅かな時間(微小時間Δt1)ほど後のタイミングを示す破線(破線L13)と、破線L12およびL13の間における連結処理用の区間を示す期間(期間t21)とが示されている。
【0129】
ここで、区間連結処理部690による期間t21の設定について説明する。区間連結処理部690は、区間手振れモデル波形のつなぎ目における波形が連続的になるように波形をつなぎ合わせるために、まず、つなぎ目付近の波形を切り取る。この切り取る波形の区間は、既に生成された区間手振れモデル波形の波形に与える影響が少なくなるように設定される。すなわち、つなぎ目のタイミング(破線L11が示すタイミング)から僅かな時間(微小時間Δt1)ほど前後の期間(期間t21)が、波形を切り出すための区間として設定され、この区間における区間手振れモデル波形711および712の波形が切り出される。
【0130】
図13(c)には、区間連結処理部690が連結処理を行うために切り出した波形を用いたつなぎ目の波形の合成処理が示されている。なお、図13(c)では、図13(b)と共通するものには、同一の符号を付してここでの説明を省略する。
【0131】
図13(c)では、区間手振れモデル波形711から切り出された波形を示す破線(波形W1)と、区間手振れモデル波形712から切り出された波形を示す破線(波形W2)とが示されている。また、図13(b)では、破線L11が示すタイミングにおける波形W1の位置(位置P1)と、破線L13が示すタイミングにおける波形W2の位置(位置P2)とが示されている。さらに図13(b)では、波形W1と波形W2とから生成されたつなぎ目の波形(波形W3)が示されている。
【0132】
ここで、区間連結処理部690によるつなぎ目の波形の合成処理について説明する。区間連結処理部690は、期間t21を設定して切り取った2つのつなぎ目付近の波形(波形W1およびW2)に基づいて、区間手振れモデル波形711と区間手振れモデル波形712との間におけるつなぎ目の波形を連続的にするための波形(波形W3)を生成する。この波形W3は、切り出していない区間手振れモデル波形との接続部分(位置P1およびP2)のy軸方向における位置や、この接続部分における微分成分(速度)が変化しないように生成される。また、この波形W3は、波形W3のフーリエ変換により生成される振幅スペクトルにおける各周波数成分の振幅の量が、区間手振れモデル波形711の対応する周波数成分の振幅の量と、区間手振れモデル波形712の対応する周波数成分の振幅の量との間の量になるように生成される。
【0133】
図13(d)には、図13(c)において示した波形W3を用いて区間手振れモデル波形711と区間手振れモデル波形712とをつなげた波形(手振れモデル波形713)が示されている。図13(c)において説明したように、波形W3は、波形W3の両端(位置P1およびP2)が区間手振れモデル波形711および712と連続的になるように生成される。すなわち、区間手振れモデル波形711および712における波形W3の合成のために切り出していない波形を、波形W3を介してつなぎ合わせることにより一連のモデル波形(手振れモデル波形713)を生成することができる。
【0134】
[手振れモデル波形生成装置の動作例]
次に、本技術の第2の実施の形態における手振れモデル波形生成装置600の動作について図面を参照して説明する。
【0135】
図14は、本技術の第2の実施の形態における手振れモデル波形生成装置600によって手振れモデル波形が生成される際の手振れモデル波形生成処理手順例を示すフローチャートである。
【0136】
まず、手振れの測定用のセンサが設けられた撮像装置(例えば、図8を参照)を用いて複数人が撮像動作を行うことにより生成された複数の手振れ波形の測定データ(手振れ波形)が、手振れ測定データ記録部610から取得される(ステップS941)。また、この手振れ波形の取得の際に、測定されたレリーズタイミング(測定レリーズタイミング情報)も取得される。続いて、区間分割部620は、複数の手振れ波形を、それぞれのレリーズタイミングを基準とする複数の区間にそれぞれ分割する(ステップS942)。なお、ステップS941は、特許請求の範囲に記載のデータ取得工程およびタイミング取得工程の一例である。また、ステップS942は、特許請求の範囲に記載の区間分割工程の一例である。
【0137】
その後、各区間の手振れ波形が、それぞれフーリエ変換されて、振幅スペクトルおよび位相スペクトルがフーリエ変換部630により生成される(ステップS943)。そして、区間ごとに振幅スペクトルが平均化されて、区間ごとの平均振幅スペクトルが平均振幅スペクトル算出部650により生成される(ステップS944)。続いて、区間ごとに位相スペクトルが平均化されて、区間ごとの平均位相スペクトルが平均位相スペクトル算出部670により生成される(ステップS945)。なお、ステップS943は、特許請求の範囲に記載の変換工程の一例である。また、ステップS944およびステップS945は、特許請求の範囲に記載の区間周波数特性情報生成工程の一例である。
【0138】
その後、同一の区間の平均振幅スペクトルと平均位相スペクトルとを逆フーリエ変換することにより、区間の手振れモデル波形(区間手振れモデル波形)が、逆フーリエ変換部680により区間ごとに生成される(ステップS946)。続いて、生成された区間手振れモデル波形が時系列順につなぎ合わされて、手振れモデル波形が区間連結処理部690により生成される(ステップS947)。また、手振れモデル波形が生成されるとともに、その手振れモデル波形におけるレリーズタイミングが決定され、レリーズタイミングを示す押下タイミング情報が生成される。そして、手振れモデル波形が、その手振れモデル波形におけるレリーズタイミングを示す押下タイミング情報とともに手振れモデル波形記録部150に記録され(ステップS948)、手振れモデル波形生成処理手順は終了する。なお、ステップS946は、特許請求の範囲に記載の区間波形生成工程の一例である。また、ステップS947は、特許請求の範囲に記載の手振れモデル波形生成工程の一例である。
【0139】
このように、本技術の第2の実施の形態によれば、手振れモデル波形を生成する際に複数の区間に分割するため、各区間における手振れの特徴を再現できる手振れモデル波形を生成することができる。また、手振れモデル波形を生成する際に、一般的には用いられない位相に関する情報(位相スペクトル)についても平均化して用いているため、より正確な手振れモデル波形を生成することができる。
【0140】
すなわち、本技術の第2の実施の形態によれば、より尤もらしい手振れを再現できる手振れモデル波形を生成できるため、手振れ補正機能の性能の評価の精度を向上させることができる。
【0141】
このように、本技術の実施の形態によれば、ブレ(手振れ)補正機能の性能の評価の精度を向上させることができる。
【0142】
なお、本技術の第1の実施の形態では評価値は記録することを想定したがこれに限定されるものではなく、表示部に表示や外部の装置に出力するようにしてもよい。また、図1では、コントロールユニット160と、画像処理装置200と、手振れモデル波形記録部150とは別々の装置として記載したがこれに限定されるものではなく、1つのパーソナルコンピュータである場合も考えられる。
【0143】
また、本技術の第1の実施の形態では、評価値としてデシベルを算出する例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、第1限界解像度Rと第2限界解像度Rとの比(R/R)を評価値とするようにすることもできる。
【0144】
なお、本技術の第1の実施の形態では、手振れモデル波形情報は1つであることを想定したが、これに限定されるものではない。例えば、子供の手振れモデル波形、大人の手振れモデル波形とかのユーザ層を意識した手振れモデル波形を複数用意し、それぞれに対して評価値を生成するようにすることも考えられる。
【0145】
また、本技術の第1の実施の形態では、撮像装置としてコンパクトデジタルカメラやデジタル一眼カメラを想定したが、これに限定されるものではない。例えば、車載カメラや監視カメラのブレ補正機能を評価する場合においても適用できる。例えば、車載カメラのブレ補正機能を評価する場合には、車載カメラに与えられる振動のモデル波形を用意し、本技術の第1の実施の形態と同様に評価値を生成することによって、手振れ補正機能の性能の評価の精度を向上させることができる。
【0146】
また、本技術の第1の実施の形態では、撮像装置の手振れ補正機能をONにし、振動台を静止させることにより手振れ補正機能が発揮させない状態の撮像画像を取得することを想定したが、これに限定されるものではない。例えば、撮像装置の手振れ補正機能をOFFにし、振動台を振動させることにより手振れ補正機能が発揮させない状態の撮像画像を取得する場合も考えられる。
【0147】
なお、本技術の第2の実施の形態では、区間分割部620は、レリーズタイミングを基準として3つの期間に手振れ波形を分割することを想定したが、これに限定されるものではない。もっと複数の区間に分割するようにしてもよい。また、本技術の第2の実施の形態では、レリーズタイミングの直前約0.5秒と直後0.5秒とから構成される期間(計1.0秒)を期間t2として設定したが、これに限定されるものではない。他に、例えば、波形を解析して、レリーズタイミングの直前および直後において特徴的な波形が見られる区間を期間t2として設定する場合なども考えられる。
【0148】
なお、上述の実施の形態は本技術を具現化するための一例を示したものであり、実施の形態における事項と、特許請求の範囲における発明特定事項とはそれぞれ対応関係を有する。同様に、特許請求の範囲における発明特定事項と、これと同一名称を付した本技術の実施の形態における事項とはそれぞれ対応関係を有する。ただし、本技術は実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において実施の形態に種々の変形を施すことにより具現化することができる。
【0149】
また、上述の実施の形態において説明した処理手順は、これら一連の手順を有する方法として捉えてもよく、また、これら一連の手順をコンピュータに実行させるためのプログラム乃至そのプログラムを記憶する記録媒体として捉えてもよい。この記録媒体として、例えば、ハードディスク、CD(Compact Disc)、MD(MiniDisc)、DVD(Digital Versatile Disk)、メモリカード、ブルーレイディスク(Blu-ray Disc(登録商標))等を用いることができる。
【0150】
なお、本技術は以下のような構成もとることができる。
(1) 撮像装置が備えるブレ補正機能が発揮されない状態における前記撮像装置により生成された第1画像を取得する第1画像取得工程と、
前記ブレ補正機能が発揮されている状態における前記撮像装置により生成された第2画像を取得する第2画像取得工程と、
前記取得された第1画像における解像度を示す第1解像度を検出する第1検出工程と、
前記取得された第2画像における解像度を示す第2解像度を検出する第2検出工程と、
前記検出された第1解像度および第2解像度に基づいて、前記ブレ補正機能を評価する評価工程と
を具備する評価方法。
(2) 前記評価工程は、前記検出された第1解像度および第2解像度に基づいて、前記ブレ補正機能を評価するための評価値を算出する前記(1)に記載の評価方法。
(3) 前記評価工程は、前記第1解像度と前記第2解像度との比に基づいて前記評価値を算出する前記(2)に記載の評価方法。
(4) 前記第1画像および前記第2画像は、同一の解像度チャートを被写体として生成された画像である前記(1)から(3)のいずれかに記載の評価方法。
(5) 前記第1画像取得工程は、前記撮像装置を静止させている状態において生成された画像を前記第1画像として取得し、
前記第2画像取得工程は、前記撮像装置を振動させている状態において生成された画像を前記第2画像として取得する
前記(1)から(4)のいずれかに記載の評価方法。
(6) 前記第1画像取得工程は、前記ブレ補正機能を有効にし、前記撮像装置を静止させることによりブレ補正機能が発揮されない状態とし、当該状態において生成された画像を前記第1画像として取得し、
前記第2画像取得工程は、前記ブレ補正機能を有効にし、前記撮像装置を振動させることによりブレ補正機能が発揮されない状態とし、当該状態において生成された画像を前記第2画像として取得する
前記(1)から(5)のいずれかに記載の評価方法。
(7) 前記第2画像取得工程は、レリーズタイミングを基準とする時間軸における複数の区間ごとに生成された区間手振れモデル波形をつなぎ合わせて生成された手振れモデル波形に基づいて前記振動を発生させた状態において生成された画像を前記第2画像として取得する前記(6)に記載の評価方法。
(8) 撮像動作中における撮像装置の振動波形を示す複数の波形データを取得するデータ取得工程と、
前記波形データにおけるレリーズタイミングを示すタイミング情報を前記波形データごとに取得するタイミング取得工程と、
前記取得されたレリーズタイミングを基準として、前記波形データに係る振動波形を時間軸における複数の区間に前記波形データごとに分割する区間分割工程と、
前記分割された前記振動波形を、周波数特性を示す周波数特性情報に前記区間ごとに変換する変換工程と、
前記変換された周波数特性情報のうち前記時間軸における位置が同一視できる複数の周波数特性情報に基づいて前記区間ごとの周波数情報である区間周波数特性情報を前記区間ごとに生成する区間周波数特性情報生成工程と、
前記生成された区間周波数特性情報に基づいて、区間手振れモデル波形を前記区間ごとに生成する区間波形生成工程と、
前記生成された各区間の区間手振れモデル波形を、前記時間軸における前記区間の順序関係に基づいてつなぎ合わせることにより手振れモデル波形を生成する手振れモデル波形生成工程と
を具備する手振れモデル波形生成方法。
(9) 前記区間周波数特性情報生成工程は、前記同一視できる複数の周波数特性情報同士で各周波数成分を平均化して前記区間周波数特性情報を前記区間ごとに生成する前記(8)に記載の手振れモデル波形生成方法。
(10) 前記変換工程は、前記周波数特性情報として、前記振動波形をフーリエ変換することにより振幅スペクトルおよび位相スペクトルを生成し、
前記区間周波数特性情報生成工程は、前記区間周波数特性情報として、前記振幅スペクトルを平均化した平均振幅スペクトルと、前記位相スペクトルを平均化した平均位相スペクトルとを生成し、
前記区間波形生成工程は、同一区間の前記平均振幅スペクトルと前記平均位相スペクトルとを逆フーリエ変換して前記区間手振れモデル波形を前記区間ごとに生成する
前記(9)に記載の手振れモデル波形生成方法。
(11) 前記レリーズタイミングは、前記撮像装置におけるレリーズボタンの押下操作に基づいて検出される前記(8)から(10)のいずれかに記載の手振れモデル波形生成方法。
(12) 撮像装置が備えるブレ補正機能が発揮されない状態における前記撮像装置により生成された第1画像と、前記ブレ補正機能が発揮されている状態における前記撮像装置により生成された第2画像とを取得する取得部と、
前記取得された第1画像における解像度を示す第1解像度と、前記取得された第2画像における解像度を示す第2解像度とを検出する検出部と、
前記検出された第1解像度および第2解像度に基づいて、前記ブレ補正機能を評価する評価部と
を具備する情報処理装置。
(13) 撮像動作中における撮像装置の振動波形を示す複数の波形データを取得するデータ取得部と、
前記波形データにおけるレリーズタイミングを示すタイミング情報を前記波形データごとに取得するタイミング取得部と、
前記取得されたレリーズタイミングを基準として、前記波形データに係る振動波形を時間軸における複数の区間に前記波形データごとに分割する区間分割部と、
前記分割された前記振動波形を、周波数特性を示す周波数特性情報に前記区間ごとに変換する変換部と、
前記変換された周波数特性情報のうち前記時間軸における位置が同一視できる複数の周波数特性情報に基づいて前記区間ごとの周波数情報である区間周波数特性情報を前記区間ごとに生成する区間周波数特性情報生成部と、
前記生成された区間周波数特性情報に基づいて、区間手振れモデル波形を前記区間ごとに生成する区間波形生成部と、
前記生成された各区間の区間手振れモデル波形を、前記時間軸における前記区間の順序関係に基づいてつなぎ合わせることにより手振れモデル波形を生成する手振れモデル波形生成部と
を具備する情報処理装置。
【符号の説明】
【0151】
100 手振れ補正機能評価システム
110 光源
120 テストチャート
130 振動台
140 シャッターボタン押下部
150 手振れモデル波形記録部
160 コントロールユニット
170 撮像装置
200 画像処理装置
210 画像データ取得部
220 限界解像度検出部
230 評価値生成部
240 評価値記録部
410 手振れ測定用ジャイロセンサ
420 レリーズタイミング測定用圧力センサ
600 手振れモデル波形生成装置
610 手振れ測定データ記録部
620 区間分割部
630 フーリエ変換部
640 振幅スペクトル保持部
650 平均振幅スペクトル算出部
660 位相スペクトル保持部
670 平均位相スペクトル算出部
680 逆フーリエ変換部
690 区間連結処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置が備えるブレ補正機能が発揮されない状態における前記撮像装置により生成された第1画像を取得する第1画像取得工程と、
前記ブレ補正機能が発揮されている状態における前記撮像装置により生成された第2画像を取得する第2画像取得工程と、
前記取得された第1画像における解像度を示す第1解像度を検出する第1検出工程と、
前記取得された第2画像における解像度を示す第2解像度を検出する第2検出工程と、
前記検出された第1解像度および第2解像度に基づいて、前記ブレ補正機能を評価する評価工程と
を具備する評価方法。
【請求項2】
前記評価工程は、前記検出された第1解像度および第2解像度に基づいて、前記ブレ補正機能を評価するための評価値を算出する請求項1記載の評価方法。
【請求項3】
前記評価工程は、前記第1解像度と前記第2解像度との比に基づいて前記評価値を算出する請求項2記載の評価方法。
【請求項4】
前記第1画像および前記第2画像は、同一の解像度チャートを被写体として生成された画像である請求項1記載の評価方法。
【請求項5】
前記第1画像取得工程は、前記撮像装置を静止させている状態において生成された画像を前記第1画像として取得し、
前記第2画像取得工程は、前記撮像装置を振動させている状態において生成された画像を前記第2画像として取得する
請求項1記載の評価方法。
【請求項6】
前記第1画像取得工程は、前記ブレ補正機能を有効にし、前記撮像装置を静止させることによりブレ補正機能が発揮されない状態とし、当該状態において生成された画像を前記第1画像として取得し、
前記第2画像取得工程は、前記ブレ補正機能を有効にし、前記撮像装置を振動させることによりブレ補正機能が発揮されない状態とし、当該状態において生成された画像を前記第2画像として取得する
請求項1記載の評価方法。
【請求項7】
前記第2画像取得工程は、レリーズタイミングを基準とする時間軸における複数の区間ごとに生成された区間手振れモデル波形をつなぎ合わせて生成された手振れモデル波形に基づいて前記振動を発生させた状態において生成された画像を前記第2画像として取得する請求項6記載の評価方法。
【請求項8】
撮像動作中における撮像装置の振動波形を示す複数の波形データを取得するデータ取得工程と、
前記波形データにおけるレリーズタイミングを示すタイミング情報を前記波形データごとに取得するタイミング取得工程と、
前記取得されたレリーズタイミングを基準として、前記波形データに係る振動波形を時間軸における複数の区間に前記波形データごとに分割する区間分割工程と、
前記分割された前記振動波形を、周波数特性を示す周波数特性情報に前記区間ごとに変換する変換工程と、
前記変換された周波数特性情報のうち前記時間軸における位置が同一視できる複数の周波数特性情報に基づいて前記区間ごとの周波数情報である区間周波数特性情報を前記区間ごとに生成する区間周波数特性情報生成工程と、
前記生成された区間周波数特性情報に基づいて、区間手振れモデル波形を前記区間ごとに生成する区間波形生成工程と、
前記生成された各区間の区間手振れモデル波形を、前記時間軸における前記区間の順序関係に基づいてつなぎ合わせることにより手振れモデル波形を生成する手振れモデル波形生成工程と
を具備する手振れモデル波形生成方法。
【請求項9】
前記区間周波数特性情報生成工程は、前記同一視できる複数の周波数特性情報同士で各周波数成分を平均化して前記区間周波数特性情報を前記区間ごとに生成する請求項8記載の手振れモデル波形生成方法。
【請求項10】
前記変換工程は、前記周波数特性情報として、前記振動波形をフーリエ変換することにより振幅スペクトルおよび位相スペクトルを生成し、
前記区間周波数特性情報生成工程は、前記区間周波数特性情報として、前記振幅スペクトルを平均化した平均振幅スペクトルと、前記位相スペクトルを平均化した平均位相スペクトルとを生成し、
前記区間波形生成工程は、同一区間の前記平均振幅スペクトルと前記平均位相スペクトルとを逆フーリエ変換して前記区間手振れモデル波形を前記区間ごとに生成する
請求項9記載の手振れモデル波形生成方法。
【請求項11】
前記レリーズタイミングは、前記撮像装置におけるレリーズボタンの押下操作に基づいて検出される請求項8記載の手振れモデル波形生成方法。
【請求項12】
撮像装置が備えるブレ補正機能が発揮されない状態における前記撮像装置により生成された第1画像と、前記ブレ補正機能が発揮されている状態における前記撮像装置により生成された第2画像とを取得する取得部と、
前記取得された第1画像における解像度を示す第1解像度と、前記取得された第2画像における解像度を示す第2解像度とを検出する検出部と、
前記検出された第1解像度および第2解像度に基づいて、前記ブレ補正機能を評価する評価部と
を具備する情報処理装置。
【請求項13】
撮像動作中における撮像装置の振動波形を示す複数の波形データを取得するデータ取得部と、
前記波形データにおけるレリーズタイミングを示すタイミング情報を前記波形データごとに取得するタイミング取得部と、
前記取得されたレリーズタイミングを基準として、前記波形データに係る振動波形を時間軸における複数の区間に前記波形データごとに分割する区間分割部と、
前記分割された前記振動波形を、周波数特性を示す周波数特性情報に前記区間ごとに変換する変換部と、
前記変換された周波数特性情報のうち前記時間軸における位置が同一視できる複数の周波数特性情報に基づいて前記区間ごとの周波数情報である区間周波数特性情報を前記区間ごとに生成する区間周波数特性情報生成部と、
前記生成された区間周波数特性情報に基づいて、区間手振れモデル波形を前記区間ごとに生成する区間波形生成部と、
前記生成された各区間の区間手振れモデル波形を、前記時間軸における前記区間の順序関係に基づいてつなぎ合わせることにより手振れモデル波形を生成する手振れモデル波形生成部と
を具備する情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−25267(P2013−25267A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−162691(P2011−162691)
【出願日】平成23年7月26日(2011.7.26)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】