説明

試料の細菌接種物レベルを自動的に調整する装置

本発明のさまざまな実施形態は例えば、試料の接種物レベルを自動的に調整するシステムおよび方法を提供する。本発明のある種の実施形態は、選択された接種物レベルに対応する選択された粒子濃度を有する試料を調製するために、予備試料中に存在する粒子濃度をセンサ装置を使用して測定し、試料容器に加える希釈剤の量または試料容器から取り出す希釈剤の量を決定することができる。本発明の実施形態はさらに、選択された粒子濃度を有する試料を調製するために、自動フルイディクスシステムを使用して希釈剤を自動的に加え、または希釈剤を自動的に取り出すことができる。選択された粒子濃度が達成され、確認された後、いくつかの実施形態はさらに、試料の少なくとも一部分を試料容器から取り出して、容器が選択された体積の試料を含むようにすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明のさまざまな実施形態は一般に、例えば選択された粒子濃度によって特徴づけられる選択された標準接種物レベルを有する細菌試料を調製する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
微生物を生化学的に識別する微量法(micromethod)は長年にわたって利用されている。例えば、初期のいくつかの文献は、試薬を含浸させた紙ディスクおよび微量管(micro−tube)法を使用して、腸内細菌を区別することを報告している。さらに、小型の細菌識別システムへの関心は、1960年代後半のいくつかの商用システムの導入につながった。これらの初期の小型生化学識別システムは、保管場所をほとんど必要としない、長い保管寿命を有する、標準化された品質管理を可能にする、比較的に使いやすいなどの利点を提供した。
【0003】
今日使用されている最新のブロス(broth)微量希釈(microdilution)試験は、臨床標本から分離した細菌の管内(in vitro)抗菌物質感受性試験(antimicrobial susceptibility testing:AST)を決定するために1942年という早い時期に使用された管希釈試験に起源を有する。このブロス希釈法は、連続2倍希釈(serial two−fold dilution)によって液体培地中の濃度が次第に低下する抗菌物質に細菌を曝露することを含む。目に見える細菌の増殖が起こらない最も低い抗菌物質濃度が最小阻止濃度(minimal inhibitory concentration:MIC)と定義される。MICは抗菌物質感受性の標準測度である。
【0004】
正確な希釈を迅速に実施するために較正された精密スパイラル線ループおよびドロッパ(dropper)を使用する1956年の微量滴定(microtitrator)システムの導入は、連続希釈AST試験の開発を可能にした。この微量滴定システムは正確であり、抗菌物質の体積の低減を可能にした。用語「微量希釈(microdilution)」は、0.1ml以下の抗菌物質溶液中で実行されるMIC試験を記述するために1970年に初めて使用された。
【0005】
いくつかの市販システムは、MIC/AST試験の微量希釈プロセスを自動化する。例えば、本発明のさまざまな実施形態の譲受人は、一度に100のASTおよび細菌識別試験を実行することができるパネルベースのシステム(Phoenix(商標)ID/AST Systemとして市販されている)を提供している。このようなシステムは、乾燥試薬を含んだ136個のマイクロウェル(microwell)を有する密封された自己接種型(self−inoculating)成形ポリマートレーを含むディスポーザブル(disposable)を含む。このトレーは、(1)細菌ID用の乾燥基質を含む細菌識別(ID)サイドと、(2)さまざまな濃度の抗菌物質ならびに増殖および蛍光コントロールを適当なマイクロウェル位置に有するASTサイドとを含む。
【0006】
このようなID/ASTシステムでは、細菌IDサイドが、一連の色素産生(chromogenic)および蛍光発生(fluorogenc)生化学試験を利用して細菌を識別する。所与の試料中に存在する可能性がある分類範囲内のさまざまなタイプの反応性をカバーするために、増殖ベースの基質と酵素基質の両方が使用される。これらのID試験は、微生物による基質の利用および続いて起こる基質の分解を、さまざまな指示薬系によって検出することに基づく。分離菌が炭水化物基質を利用することができるとき、酸産生はフェノールレッド指示薬の変化によって指示される。また、色素産生基質は、p−ニトロフェニルまたはp−ニトロアニリド化合物の酵素ハイドロロシス後に黄色に発色する。蛍光発生基質の酵素ハイドロロシスは蛍光クマリン誘導体を放出させる。特定の炭素源を利用する細菌はレサズリンベースの指示薬を還元する。さらに、細菌IDサイドでは、細菌IDサイドのマイクロウェル内に存在する所与の基質を加水分解し、分解し、還元し、または他の方法で利用する細菌の能力を検出する他の試験が提供される。
【0007】
さらに、このパネルベースシステムのASTサイドは、ブロスベースの微量希釈を利用する。例えば、Phoenix(商標)システムは、酸化還元指示薬を利用して、所与の抗菌物質の存在下での生物増殖を検出する。指示薬の変化の連続測定ならびに(本明細書でさらに説明される)細菌濁度の測定を、細菌増殖の判定に使用することができる。それぞれのASTパネル構成は、広範囲の2倍倍加希釈濃度を有するいくつかの抗菌物質を含む。それぞれの抗菌物質のMIC値の解釈では生物IDが使用される。
【0008】
このようなパネルベースのシステムは、(例えばPhoenix(商標)システムなど)全体ID/ASTシステムの使い捨て構成要素として従来から提供されている。このようなシステムでは、(例えばマクファーランド(McFarland)(McF)スケールに対する試料の濁度によって規定される)選択された生物密度を有する試料に使い捨てパネルを曝露しなければならない。例えば、Phoenix(商標)システムはしばしば、0.25McFまたは0.5McFの目標生物密度を有するように接種されたパネルを利用する。
【0009】
したがって、ID/ASTシステムを効果的に使用するためには、マクファーランドスケールに対して標準化された(例えば濁度として表現される)選択された粒子濃度を有するパネル接種物を手作業で調製する必要がある。したがって、接種物の調製およびハンドリングの向上が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第6,096,272号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の実施形態は、(例えば選択された細菌密度に対応する)選択された粒子濃度および/または選択された体積を有する(例えば接種物などの)試料を自動的に調製するシステムを含むことができる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
一実施形態では、このシステムが、予備試料を含む試料容器を受け取るように構成され、さらに、試料容器に希釈剤を加え、かつ/または予備試料の少なくとも一部分を試料容器から取り出すように構成されたフルイディクスシステムを含む。このシステムはさらに、予備試料中の粒子濃度を測定するように構成された(例えば比濁計などの)センサ装置と、フルイディクスシステムおよびセンサ装置と通信するコントローラ装置とを含む。コントローラ装置を、測定された粒子濃度をセンサ装置から受け取り、(いくつかの実施形態では濁度測定値として表現することができる)選択された粒子濃度を有する試料を調製するために、試料容器に加える希釈剤の量および/または試料容器から取り出す予備試料の量を決定するように構成することができる。コントローラ装置をさらに、選択された粒子濃度を有する試料を調製するために、決定された量の希釈剤を試料容器に加え、または決定された量の予備試料を試料容器から取り出すようにフルイディクスシステムを制御するように構成することができる。コントローラ装置をさらに、選択された体積を有する試料を試料容器が含むように、試料の少なくとも一部分を試料容器から取り出すようにフルイディクスシステムを制御するように構成することができる。いくつかの実施形態では、コントローラ装置が、試料の選択された粒子濃度および/または選択された体積のうちの少なくとも一方を含むユーザ入力を受け取るように構成されたユーザインタフェースを含むことができる。
【0013】
いくつかの実施形態では、このシステムをさらに、試料容器に対応する試験容器を受け取るように構成することができる。このような実施形態によれば、フルイディクスシステムをさらに、選択された粒子濃度および/または選択された体積を有する試料の少なくとも一部分を試験容器に移すように構成することができる。さらに、このようないくつかの実施形態では、フルイディクスシステムを、試験容器に指示薬物質を分配し、続いて試験容器内で、試料の少なくとも一部分と指示薬物質とを混合するように構成することができる。
【0014】
いくつかのシステム実施形態では、フルイディクスシステムを、予備試料および/または完成試料を混合するように構成することができる。例えば、いくつかの実施形態では、フルイディクスシステムをさらに、予備試料中の懸濁粒子濃度を決定する前に、予備試料を混合するように構成することができる。フルイディクスシステムをさらに、試料の少なくとも一部分を試料容器から取り出す前に、選択された粒子濃度を有する試料を混合するように構成することができる。
【0015】
いくつかのシステム実施形態はさらに、コントローラ装置と通信するロボットシステムを含むことができる。このロボットシステムを、試料容器、試験容器、フルイディクスシステムおよびセンサ装置のうちの少なくとも1つを互いに対して移動させるように構成することができる。このようないくつかの実施形態では、システムがさらに、試料容器を受け取るように構成されたID開口と、試験容器を受け取るように構成された試験開口とを画定したラックを含むことができる。いくつかのシステム実施形態では、試料容器とラックのうちの少なくとも一方が、それに添付された一意の標識を含むことができ、この一意の標識は、予備試料の識別および/または調製された試料中に存在する粒子の選択された濃度に対応する。さまざまなシステム実施形態では、一意の標識が、限定はされないが、バーコード、文字数字ラベル、RFIDラベル、および例えば調製された試料を識別/抗菌物質感受性試験システムに移すように構成された本明細書でさらに説明されるインタフェースなどの下流の処理要素が読むことができる他の標識を含むことができる。
【0016】
いくつかのシステム実施形態では、ロボットシステムをさらに、試料容器と試験容器のうちの少なくとも一方をフルイディクスシステムおよびセンサ装置に対して移動させるために、ラックを受け取るように構成することができる。例えば、いくつかのシステム実施形態では、ロボットシステムを、X軸、Y軸およびZ軸によって少なくとも部分的に画定された移動範囲内で移動するように構成することができる。このような実施形態では、ロボットシステムが、ラックをX軸に沿って移動させるように構成されたシャトル装置を含むことができる。
【0017】
試料容器を受け取るように構成されたID開口を画定したラックを含むいくつかのシステム実施形態では、ラックがさらに、試料容器を受け取るように構成された試料容器レセプタクルを含むことができ、試料容器レセプタクルはID開口内に滑動可能に配置される。このようないくつかの実施形態では、シャトル装置が、(例えばX軸に沿った)分析位置に位置するセンサ装置開口を画定した床を含むことができる。さらに、このような実施形態によれば、ラックが分析位置に移動したときに、ID開口がセンサ装置開口と実質的に同じ位置に位置するように、センサ装置を、センサ装置開口内に配置することができる。したがって、試料容器レセプタクルを、センサ装置開口内のセンサ装置に隣接した位置に挿入することができ、その結果、センサ装置が、試料容器に含まれる予備試料中の粒子濃度を測定することができる。このようないくつかの実施形態では、ラックがさらに、ラックと試料容器レセプタクルの間に動作可能に係合したバイアス要素を含むことができ、このバイアス要素は、試料容器レセプタクルをラックの上面に向かってバイアスするように構成されている。このようないくつかの実施形態では、システムがさらに、試料容器レセプタクルと動作可能に係合し、かつ/またはラックが分析位置に移動したときに、試料容器レセプタクルを、ラックの下面に向かって、センサ装置開口内へ押し下げるように構成されたロボット装置を含むことができる。
【0018】
ロボットシステムを含むいくつかのシステム実施形態では、システムがさらに、複数の使い捨て分配先端を含む分配先端ステーションを含むことができる。このような実施形態では、ロボットシステムを、選択された粒子濃度および/または選択された体積を有する試料を調製した後に、フルイディクスシステムと動作可能に係合した分配先端を、複数の使い捨て分配先端のうちの少なくとも1つの使い捨て分配先端に自動的に取り替えるように構成することができる。
【0019】
いくつかのシステム実施形態では、ロボットシステムがさらに、フルイディクスシステムと流体連通した第1のフルイディクスヘッドを含む第1のロボット装置を含むことができる。この第1のロボット装置は、シャトル装置がラックをX軸に沿って充填位置に移動させたときに、第1のフルイディクスヘッドが、試料容器に希釈剤を加え、かつ/または予備試料の少なくとも一部分を試料容器から取り出すことができるように、Y軸とZ軸のうちの少なくとも一方に沿って移動するように構成することができる。
【0020】
ロボットシステムはさらに、シャトル装置がラックをX軸に沿って分析位置に移動させたときに、試料容器内の予備試料中の懸濁粒子濃度をセンサ装置が測定することができるよう、Z軸に沿って試料容器に隣接した位置にセンサ装置を配置するように、(いくつかの実施形態では比濁計を含むことができる)センサ装置をZ軸に沿って運ぶように構成された第2のロボット装置を含むことができる。いくつかの実施形態では、システムおよび/または第2のロボット装置がさらに、センサ装置を取り囲むシースを含むことができる。このようないくつかの実施形態によれば、ラックが分析位置に移動し、第2のロボット装置がセンサ装置を試料容器に隣接して配置したときに、ラックのID開口の周囲に画定された溝と協力して、実質的に光が入り込まない環境を、試料容器およびセンサ装置の周囲に提供するように、シースを構成することができる。いくつかの実施形態では、第2のロボット装置がさらに、フルイディクスシステムと流体連通した第2のフルイディクスヘッドを含むことができる。このような実施形態では、第2のフルイディクスヘッドを、その中の懸濁粒子の選択された濃度を有する試料を調製するために、試料容器に希釈剤を加え、かつ/または予備試料の少なくとも一部分を試料容器から取り出すように構成することができる。
【0021】
第2のロボット装置を含むいくつかのシステム実施形態によれば、システムがさらに、(例えばその一方または両方を第2のロボット装置によって運ぶことができる)センサ装置および/または第2のフルイディクスヘッドを受け取るように構成された洗浄ステーションを含むことができる。このような実施形態では、洗浄ステーションをさらに、試料調製サイクル中および/または試料調製サイクル間にセンサ装置と第2のフルイディクスヘッドのうちの少なくとも一方を洗浄するように構成することができる。
【0022】
本発明のさまざまな実施形態はさらに、試料を分析して、試料の少なくとも1つの細菌成分を識別し、かつ/または少なくとも1つの細菌成分の抗菌化合物に対する感受性を決定するように構成された識別/抗菌物質感受性試験(ID/AST)システムに、選択された粒子濃度を有する試料を移すように構成されたインタフェースを含むことができる。いくつかのシステム実施形態はさらに、試料を分析して、試料の少なくとも1つの細菌成分を識別し、かつ/または少なくとも1つの細菌成分の抗菌化合物に対する感受性を決定するように構成されたID/ASTシステムを含むことができる。このようないくつかの実施形態によれば、識別された少なくとも1つの細菌成分を、特定の試料容器および/またはラックに当初含まれた予備試料まで追跡できるよう、インタフェースおよび/または統合ID/ASTシステムを、ラックと試料容器のうちの少なくとも一方に添付された一意の標識を読むように構成することができる。本明細書に記載されるように、一意の標識はさらに、少なくとも部分的に、調製された試料内の粒子の選択された濃度に対応することができる。
【0023】
本発明のさまざまな実施形態はさらに、選択された粒子濃度および/または予備試料を含む試料容器内の選択された体積を有する試料を自動的に調製する方法(およびいくつかの実施形態では対応するコンピュータプログラム製品)を提供する。一実施形態では、この方法が、予備試料中の懸濁粒子濃度を(いくつかの実施形態では比濁計を含むことができる)センサ装置を使用して測定するステップと、続いて、選択された粒子濃度を有する試料を調製するために、センサ装置と通信するコントローラ装置を使用して、試料容器に加える希釈剤の量および/または試料容器から取り出す予備試料の量を決定するステップとを含む。さまざまな方法実施形態はさらに、コントローラと通信する自動フルイディクスシステムを使用して、決定された量の希釈剤を加えるステップ、および/または選択された粒子濃度を有する試料を調製するために、コントローラ装置と通信する自動フルイディクスシステムを使用して、決定された量の予備試料を試料容器から取り出すステップを含むことができる。本発明のいくつかの方法実施形態はさらに、選択された体積を有する試料を試料容器が含むように、自動フルイディクスシステムを使用して、調製された試料の少なくとも一部分を試料容器から取り出すステップを含むことができる。本発明のさまざまなシステム実施形態に関して本明細書に記載されるように、コントローラ装置はユーザインタフェースを含むことができる。したがって、いくつかの方法実施形態はさらに、試料の選択された粒子濃度と選択された体積のうちの少なくとも一方を含むユーザ入力を、コントローラ装置と通信するユーザインタフェースを介して受け取るステップを含むことができる。
【0024】
いくつかの方法実施形態はさらに、自動フルイディクスシステムを使用して、選択された粒子濃度および/または選択された体積を有する試料の少なくとも一部分を、試料容器に対応する試験容器に移すステップを含むことができる。このようないくつかの実施形態によれば、この方法はさらに、自動フルイディクスシステムを使用して試験容器に指示薬物質を分配するステップと、自動フルイディクスシステムを使用して、試験容器内で、試料の少なくとも一部分と指示薬物質とを混合するステップとを含むことができる。いくつかの方法実施形態はさらに、自動フルイディクスシステムを使用したさまざまな混合ステップを含むことができる。例えば、いくつかの方法実施形態はさらに、予備試料中の懸濁粒子濃度を決定する前に、予備試料を混合するステップ、および/または選択された粒子濃度を有する試料の少なくとも一部分を試料容器から取り出す前に、試料を混合するステップを含むことができる。
【0025】
いくつかの方法実施形態はさらに、さまざまな試料容器および試験容器の交差汚染を低減させ、または防ぐステップを含むことができる。例えば、いくつかの方法実施形態はさらに、試料の少なくとも一部分を試料容器から取り出した後に、自動フルイディクスシステムと動作可能に係合した分配先端を、分配先端ステーションに貯蔵された複数の使い捨て分配先端のうちの少なくとも1つの使い捨て分配先端に取り替えることを含むことができる。いくつかの方法実施形態はさらに、センサ装置が使用されていないときに、センサ装置を受け取るように構成された洗浄ステーションを使用してセンサ装置を洗浄することを含むことができる。
【発明の効果】
【0026】
したがって、本発明のさまざまな実施形態は、限定はされないが、以下のものを含む多くの利点を提供する:(例えばマクファーランドスケールに対して測定された濁度として特徴づけられる)試料中の懸濁粒子の標準化された実質的に正確な濃度を有する試料を自動的に調製するシステムおよび方法を提供すること、複数の試料を調製するシステムおよび方法であって、試料間の交差汚染を低減させまたは防ぐシステムおよび方法を提供すること、複数の試料を調製するシステムおよび方法であって、実質的に自動化された既存の細菌識別/AST検査システムおよびルーチンに適合し、かつ/または実質的に自動化された既存の細菌識別/AST検査システムおよびルーチンを含む複数の試料を調製するシステムおよび方法を提供すること。
【0027】
これらの利点および当業者には明らかなその他の利点は、本発明のさまざまな実施形態のシステムおよび方法において提供される。
【0028】
以上、本発明のさまざまな実施形態を一般的な用語で説明したが、次に添付図面を参照する。添付図面は必ずしも原寸に比例して描かれてはいない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】選択された濁度レベルおよび選択された体積を有する試料を自動的に調製する本発明の一実施形態に基づくシステムの動作を示す非限定的な概略図である。
【図2】選択された濁度レベルおよび選択された体積を有する試料を自動的に調製するシステム内で、複数の試料容器および対応する複数の試験容器を運ぶ本発明の一実施形態に基づくトレーを示す非限定的な透視図である。
【図3】選択された濁度レベルおよび選択された体積を有する試料を自動的に調製する本発明の一実施形態に基づくシステムを示す非限定的な透視図である。
【図4】光遮蔽シースによって取り囲まれた比濁計およびフルイディクスヘッドを運ぶ第2のロボット装置と試料容器トレーに画定された溝との間の本発明の一実施形態に基づく相互作用を示す非限定的な詳細透視図である。
【図5】選択された濁度レベルおよび選択された体積を有する試料を自動的に調製する本発明の一実施形態に基づくシステムを示す非限定的な側面図である。
【図6】選択された濁度レベルおよび選択された体積を有する試料を自動的に調製する本発明の一実施形態に基づくシステムを示す非限定的な上面図である。
【図7】濁度を測定するために、試料容器トレーに画定された溝と動作可能に係合して、実質的に光が入り込まない環境を試料容器のまわりに形成する光遮蔽シースによって取り囲まれた比濁計およびフルイディクスヘッドを運ぶ本発明の一実施形態に基づく第2のロボット装置を示す非限定的な詳細透視図である。
【図8】選択された濁度レベルおよび選択された体積を有する試料を自動的に調製する方法およびコンピュータプログラム製品の諸ステップを示す非限定的な概略図である。
【図9】濁度を測定するステップ、希釈剤の量を決定するステップ、希釈剤を分配するステップ、および試料の一部分を取り出すステップを含む、選択された濁度レベルおよび選択された体積を有する試料を自動的に調製する本発明の一実施形態に基づく方法およびコンピュータプログラム製品の諸ステップを示す非限定的な概略図である。
【図10】センサ開口を画定した床を含む本発明の一実施形態に基づくシャトル装置を示す非限定的な透視図である。
【図11】試料容器を受け取るように構成された試料容器レセプタクルを含む本発明の一実施形態に基づくラックを示す非限定的な透視図である。
【図12】センサ装置開口内へ試料容器レセプタクルを下ろすことができるように分析位置に配置されたラックを示す非限定的な断面図である。
【図13】選択された粒子濃度を有する試料を、試料を分析するように構成された識別/抗菌物質感受性試験システムに移すように構成されたインタフェースを示す非限定的な透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
次に、本発明の全てではない一部の実施形態が示された添付図面を参照して本発明をより詳細に説明する。実際、これらの発明は、多くの異なる形態で具体化することができるのであり、本発明が、本明細書に記載された実施形態に限定されると解釈してはならない。むしろ、これらの実施形態は、適用しうる法律要件をこの開示が満たすように提供される。全体を通じて同様の符号は同様の要素を指す。
【0031】
本明細書では、本発明のさまざまな実施形態が、ID/AST使い捨てトレー内に置かれた試料を分析する下流のID/ASTプロセスで使用される選択された密度によって特徴づけられる標準レベルを有する細菌試料を調製する環境の文脈で説明される。ID/AST使い捨てトレーは、(1)細菌ID用の乾燥基質を含む細菌識別(ID)サイドと、(2)さまざまな濃度の抗菌物質ならびに増殖および蛍光コントロールを適当なマイクロウェル位置に有するASTサイドとを含む。しかしながら、本明細書に記載されたさまざまなシステム1、方法およびコンピュータプログラム製品を、(例えば濁度測定値によって特徴づけられる)選択された粒子濃度および/または選択された体積を有するさまざまな異なる試料タイプを生成するために利用することができることを理解されたい。例えば、本発明のさまざまな実施形態を、無菌食塩水希釈剤に分散させたラテックス粒子の予備試料(preliminary sample)を含む(例えばマクファーランド標準に対する濁度レベルとして測定された)選択された粒子濃度を有する溶液を生成し、かつ/または複製するために利用することができる。他の実施形態では、1.175%塩化バリウム脱水物(BaCl2、2H2O)0.05mlおよび1%硫酸(H2SO4)9.95mlを含む(0.5マクファーランド標準などの)マクファーランド標準を生成し、かつ/または複製するために、自動センサ装置200、フルイディクス(fluidics)システム100およびコントローラ装置300を使用することができる。
【0032】
本発明のいくつかの実施形態は、その中の懸濁粒子の選択された濃度を有する試料、および/または(例えばID/AST手順などの)下流のプロセスで使用するために最適化することができる選択された体積を有する試料を自動的に調製するシステム1を含むことができる。図1に概略的に示されているように、システム1は、(1つまたは複数の培地平板から採取された細菌試料などの)予備試料を含む試料容器10(例えば図2参照)を受け取るように構成されたフルイディクスシステム100を含むことができる。予備試料は、自動および/または手動プロセスを使用して調製することができることを理解されたい。例えば、いくつかの実施形態では、下流のID/ASTプロセスのための接種物の予備試料を調製することができる。このような例示的ないくつかの実施形態によれば、異なるいくつかの培地平板のうちの1つの培地平板から同じ形態の細菌コロニーを無菌綿棒の先端で採取し、このようなコロニーを、無菌培地が充填された試験管の中に手作業で付着させることによって、ID/ASTパネル試料を調製することができる。その結果得られた細菌試料を次いで、試料容器10中に分散させ、選択された時間の間、撹拌することができる。
【0033】
図4〜6に関して本明細書でさらに説明されるが、本明細書に記載されたさまざまなシステム実施形態のフルイディクスシステム100の諸構成要素をさらに、10に希釈剤を加え、かつ/または予備試料の少なくとも一部分を試料容器10から取り出すように構成することができる。本明細書でさらに説明されるが、フルイディクスシステム100は、1つまたは複数の試料容器10および/または試験容器20に希釈剤を分配することができるように、(例えば無菌食塩水リザーバ(reservoir)などの)希釈剤の供給源と流体連通した複数の異なるフルイディクスヘッド435、425を含むことができる。さらに、フルイディクスシステム100(およびフルイディクスシステム100と流体連通したさまざまなフルイディクスヘッド435、425)を、予備試料および/または選択された濁度レベルを有する生成された試料を、システム1の動作中に吸引、混合および/または撹拌することができるように構成することもできる。さらに、本明細書でさらに説明されるとおり、フルイディクスシステム100を、1つまたは複数の使い捨て分配先端510と動作可能に係合することができるようにすることもできる(第1のロボット装置420と動作可能に係合した第1のフルイディクスヘッド425によって使い捨て分配先端510をそこから「ピックアップ」することができる分配先端ステーション500を含むシステム1を示す図5を参照されたい)。
【0034】
いくつかの実施形態では、フルイディクスシステム100が、さまざまなID管10(および対応する試験管20)の交差汚染を防ぐために使い捨て分配先端510を利用する自動ピペッタ(pipettor)システムを含む。このような実施形態では、ピペッタが、(例えば食塩水を含むリザーバなどの)貯蔵容器から試料容器10への希釈剤の流体輸送を実行することができ、それによって、(例えば細菌試料を含む)予備試料を(あるマクファーランド値に対応する)選択された粒子濃度に希釈することを可能にする。ピペッタはさらに、試料容器10の液面の高さを均一にし(かつ/または選択された体積を達成するために試料の一部分を取り出し)、選択された濁度レベルを有する所定量の試料を、試料容器10から(例えばAST容器などの)関連試験容器20に移すことができる。ピペッタを、指示薬物質(すなわちAST指示薬染料)を試験容器20に加えるように構成することもできる。自動ピペッタを含むフルイディクスシステム100を含むシステム1のいくつかの実施形態では、ピペッタがさらに、さまざまな吸引および分配サイクルを実行することによって、さまざまな試料混合ステップまたは試料混合機能を実行することができる。いくつかの実施形態では、試料の体積を測定するために、(例えば自動ピペッタを含む)フルイディクスシステム100をさらに、予備試料および/または選択された粒子濃度を有する調製された試料を吸引するように構成することができる。
【0035】
いくつかの実施形態では、(ロボットシステム400の1つまたは複数の構成要素によって運ばれるピペッタシステムとして具体化することができる)フルイディクスシステム100が、((予備試料および/または調製された試料などの)イオン性流体の存在を検出する容量センサがその中に埋め込まれた容量ピペット先端などの)1つまたは複数のセンサ先端を含むことができる。センサ先端を、本明細書に記載されたコントローラ装置300と協力して、試料容器10内の予備試料および/または調製された試料の体積を決定するように構成することができる。例えば、いくつかの実施形態では、Z軸403に関するある移動範囲にわたって移動することができるロボットシステム400のある構成要素によって、このようなセンサ先端を運ぶことができる(例えば図4を参照されたい)。このセンサ先端は、試料容器10内の予備試料(または他のイオン性流体)の存在を感知することができ、標準試料容器10の最大容積は既知であるため(標準試料容器10の最大容積はコントローラ装置300にプログラムすることができる)、Z軸403に沿ってセンサ先端を運ぶロボットシステム400の構成要素の位置は、試料容器10内の予備試料および/または調製された試料の総体積を表しうる。したがって、このような実施形態によれば、ロボットシステム400によって運ばれ、(フルイディクスシステム100と通信する)センサ先端は、試料容器10内の体積の正確な決定を可能にすることができる。調製された試料の選択された体積の決定は、試料中の懸濁粒子の識別および/または抗菌物質感受性を決定するように構成されたID/ASTシステムに適合したその中の選択された粒子濃度と選択された体積の両方を有する試料を調製するのに特に有利なことがある。
【0036】
さらに、システム1は、試料容器10内の予備試料中の懸濁粒子濃度を測定するように構成されたセンサ装置200(第2のロボット装置430によって運ばれるセンサ装置200のヘッドを示す図4も参照されたい)を含む。センサ装置200は、(例えばマクファーランドスケールなどの)標準スケール上の懸濁液の濁度レベルを測定するように構成されたアナログおよび/またはディジタル光学機器を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、センサ装置200が、濁度測定値を生成するように構成された比濁計を含むことができる。他の実施形態では、センサ装置200が、試料中の懸濁粒子濃度に直接および/または間接に関係づけることができる散乱パラメータ、透過率、反射率および/または他の光学パラメータのうちの少なくとも1つを測定するように構成された1つまたは複数の光学装置を含むことができる。いくつかの実施形態では、センサ装置200が、可視および/または非可視スペクトル内の電磁エネルギーを発生させるように構成された1つまたは複数の発光器と、試料に入射した電磁エネルギーの透過率および/または反射率を測定するように構成された1つまたは複数の対応する受光器とを含むことができる。(いくつかの実施形態では例えば濁度値として表現される)測定された粒子濃度をコントローラ装置300に送信することができるように、いくつかの実施形態では、センサ装置200がさらに、コントローラ装置300と通信する1つまたは複数の電子インタフェースを含むことができる。例えば、センサ装置200は、コンピュータネットワークおよび/または直接「配線(hard−wired)」接続を介してコントローラ装置300と有線および/または無線通信することができる。いくつかの実施形態では、センサ装置200が、(例えばRS−232インタフェースなどの)1つまたは複数のインタフェース構成要素を介してコントローラ装置300と通信することができる。さらに、システム1のいくつかの実施形態では、センサ装置200を、(試料容器10(例えば図7参照)に実質的に純粋な食塩水を入れることによって)「ゼロに較正し」、かつ/または(試料容器10に0.5および/または0.25マクファーランド標準溶液を入れることによって)マクファーランド標準に較正することができる。
【0037】
さらに、例えば図4および12に示されているように、センサ装置200は、本発明の実施形態のシステム1の他の構成要素に対するさまざまな位置に配置することができる。例えば、いくつかの実施形態では、センサ装置200を、(本明細書でさらに説明されるように)1つまたは複数の試料容器10を含むラック50を移動させるように構成することができるシャトル(shuttle)装置410の床1010に画定されたセンサ装置開口1020(図10参照)の中に配置することができる。他の実施形態では、センサ装置200(ならびに/あるいはセンサ装置200の受光器および/または発光器部分)を、(例えば図4に示されているように)1つまたは複数のロボット装置430によって運ぶことができる。
【0038】
図1に概略的に示されているように、システム1はさらに、フルイディクスシステム100およびセンサ装置200と通信するコントローラ装置300を含む。コントローラ装置300は一般に、一般的なコンピュータシステムとして、または限定はされないがマイクロプロセッサ、VLSI、ASICなどを含む処理要素として具体化することができる。コントローラ装置300はさらに、(例えば1つまたは複数の選択された濁度レベル、標準または較正濁度レベルおよび/または選択された体積を記憶する)記憶装置、(例えばディスプレイ、キーボードおよび/またはマウスインタフェースを含む)ユーザインタフェース700、ならびにコントローラ装置300が有線または無線ネットワークおよび/あるいは1つまたは複数の外部コンピュータシステムと通信することを可能にするように構成された1つまたは複数のネットワークインタフェースのうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0039】
さらに、図1に概略的に示されているように、コントローラ装置300を、予備試料中の懸濁粒子の測定された濃度をセンサ装置200から受け取るように構成することができる。さらに、(コントローラ装置300が予め規定し、かつ/またはユーザインタフェース700を介してコントローラ装置300が受け取ることができる)選択された粒子濃度を有する試料を調製するため、コントローラ装置300(および/またはその中に含まれるプロセッサ装置)を、試料容器10に加える希釈剤の量および/または試料容器から取り出す予備試料の量を決定するように構成することができる。例えば、コントローラ装置300(および/またはその中に含まれるプロセッサ)を、選択された濁度を有する試料を調製するために試料容器10に加えるべき希釈剤の量、および/または試料容器から取り出す予備試料の量を(例えば測定された濁度とマクファーランド標準の濁度との間の関係に少なくとも部分的に基づいて)計算するように構成することができる。
【0040】
さらに、選択された濁度レベルを有する試料を調製するために、決定された量の希釈剤を試料容器10に加え、かつ/または決定された量の予備試料を試料容器10から取り出すように、フルイディクスシステム100(ならびに1つまたは複数のフルイディクスヘッド425、435および/あるいはフルイディクスヘッドと流体連通した自動ピペッタ)を制御するよう、コントローラ装置300を構成することもできる。さらに、選択された濁度を有する選択された体積の試料を試料容器10が含むように、試料容器10から試料の少なくとも一部分を(例えば吸引によって)取り出すよう、フルイディクスシステム100を制御するようにコントローラ装置300を構成することもできる。本明細書に記載されているとおり、コントローラ装置300はさらに、フルイディクスシステム100のさまざまな部分(および/またはさまざまなフルイディクスヘッド425、435)を試料容器10に対して移動させ、かつ/または操作するように構成することができるロボットシステムの1つまたは複数の構成要素410、420、430と通信することができる。
【0041】
図5に概略的に示されているように、システム1のいくつかの実施形態では、フルイディクスシステム100をさらに、試料容器10に対応する(例えば抗菌物質感受性試験(AST)容器などの)試験容器20を受け取るように構成することができる(複数の試料容器10および対応する複数の試験容器20を運ぶように構成されたトレー50を示す図2も参照されたい)。フルイディクスシステム100(および、いくつかの実施形態では、フルイディクスシステム100と流体連通し、第1のロボット装置420によって運ばれる第1のフルイディクスヘッド425)をさらに、選択された濁度レベルおよび選択された体積を有する試料の少なくとも一部分を試料容器10から試験容器20に移すように構成することができる。システム1のいくつかの実施形態では、フルイディクスシステム100をさらに、試験容器20に(例えば最適化された比色酸化還元指示薬などの)指示薬物質を分配し、続いて試験容器20内で、試料の少なくとも一部分と指示薬物質とを混合するように構成することができる。このような実施形態では、システム1がさらに、自動ピペッタ装置によって取り出し、かつ/または分配することができる指示薬物質の供給源を含むリザーバ、および/あるいは第1のロボット装置420によって運ばれるフルイディクスヘッド425を含むことができる。さらに、フルイディクスシステム100のさまざまな構成要素はさらに、一連の吸引および分配サイクルを実行することによって、指示薬物質を試料と混合することができる。
【0042】
システム1のさまざまな実施形態の動作中に他のいくつかの混合機能を実行するように、フルイディクスシステム100を構成することもできる。本明細書に記載されているとおり、いくつかの実施形態では、フルイディクスシステム100が、試料容器10および/または試験容器20に対して数回の吸引および分配サイクルを実行することによって、このような混合機能を実行することができる。例えば、いくつかのシステム実施形態では、フルイディクスシステム100をさらに、予備試料の濁度レベルを決定する前に、試料容器10内の予備試料を混合するように構成することができる(例えば図8のシステム1および/または方法流れ図に示されたステップ804を参照されたい)。システム1の他の実施形態では、フルイディクスシステムをさらに、試料の少なくとも一部分を試料容器10から取り出す前に、選択された濁度レベルを有する試料を混合するように構成することができる(例えば図8に示されたステップ808を参照されたい)。
【0043】
図1、3、5および6に概略的に示されているように、システム1はさらに、コントローラ装置300と通信するロボットシステム400のさまざまな構成要素410、420、430を含むことができる。図1に概略的に示されているように、ロボットシステム400を、試料容器10、試験容器20、フルイディクスシステム100およびセンサ装置200のうちの少なくとも1つを互いに対して移動させるように構成することができる。ロボットシステム400を使用した別個のいくつかの試料容器10(およびいくつかの実施形態では対応する試験容器20)の配置および移動を容易にするため、システム1はさらに、図2に示されているようなラック50を含むことができる。いくつかの実施形態では、ラック50が、試料容器10を受け取るように構成されたID開口51と、試験容器20を受け取るように構成される試験開口52とを画定する。
【0044】
システム1のいくつかの実施形態では、ラック50、試料容器10および試験容器20のうちの少なくとも1つが、それに添付された一意の標識(indicator)を含むことができ、一意の標識は、選択された粒子濃度および/または特定の容器10、20に含まれる予備試料の識別に対応する。このような実施形態では、一意の標識が、限定はされないがバーコード、文字数字ラベル、RFIDラベルおよび/またはこのような標識の組合せを含むことができる機械可読の標識および/または他のさまざまな一意の標識を含むことができる。本明細書でさらに説明されるとおり、本発明のシステム1のさまざまな実施形態によって調製され、かつ/または分析された試料を、特定のラック50および/または試料容器10まで追跡できる(この一意の標識を介して例えば特定の細菌試料までさかのぼって追跡することもできる)ように、このような一意の標識は、インタフェース1310のステーション(図13参照)で、および/または下流のID/ASTシステムによって読み取ることができる。一意の標識が(バーコードおよび/またはRFIDコード情報などの)機械可読標識を含む実施形態では、本発明のシステム1のさまざまな実施形態によって特定の試料および/または細菌試料が処理されているときに、その試料および/または細菌試料の進捗状況を追跡するために、システム1(および/またはそのコントローラ装置300)を、一意の標識を定期的に読み取るように構成することができる。
【0045】
図11に示されているように、一意の標識1150を、回転可能なステータスホイール(status wheel)1120と動作可能に係合させることができ、ステータスホイール1120をさらにラック50と動作可能に係合させることができる。ステータスホイール1120は、それぞれが例えば(例えばラック50が(図12に概略的に示されている)分析位置まで進んだときにセンサ装置200によって測定された)特定の選択された粒子濃度に対応する一意の標識1150を含む複数の面を含むことができる。ラック50はステータス窓1130を画定することができ、ステータス窓1130は、複数の一意の標識1150のうち、一度に1つの標識だけが使用者(および/または(例えばバーコードスキャナなどの)下流の標識リーダ)に見えるように画定される。図12に示されているように、システム1はさらに、ラック50が((図12に概略的に示されている)センサ装置200に対する分析位置などの)システム1内の特定の位置にあるときに、ステータスホイール1120のステム(stem)1125と選択的に係合するように構成された回転アクチュエータ1127を含むことができる。センサ装置200によって決定された(いくつかの実施形態では濁度として表現される)粒子濃度に応答することができるように、回転アクチュエータ1127は、センサ装置200と(例えばコントローラ装置300を介して)通信することができる。したがって、いくつかの実施形態では、ラック50に画定されたステータス窓1130を通して見ることができる一意の標識1150が、調製された試料中の粒子の(例えばマクファーランドスケール上の濁度として表現された)選択された濃度に実質的に対応するように、ステータスホイール1120をラック50に対して回転させるよう、回転アクチュエータ1127を構成することができる。
【0046】
図6に概略的に示されているように、ロボットシステム400(および/またはX軸401シャトル装置を含むロボットシステム400のシャトル装置410)を、試料容器10と試験容器20のうちの少なくとも一方をフルイディクスシステム100およびセンサ装置200に対して移動させるためにラック50を受け取るように構成することができる。例えば、図6に概略的に示されているように、ロボットシステム400は、ラック50を受け取り、システム1のX軸401に沿って、本明細書でさらに説明される第1のロボット装置420および/または第2のロボット装置430に対する1つまたは複数の位置までラック50を運んで、ロボットシステム400のこれらのさまざまな構成要素が、選択された粒子濃度および/または選択された体積を有する試料を生成するために試料容器10(およびその中に含まれる試料)上で順番に動作することができるようにする、(ラック50を受け取るようにサイズが決められた凹みなどの)レジスタ(register)装置を含むシャトル装置410を含むことができる。
【0047】
図10に概略的に示されているように、シャトル装置410は、システム1のX軸401に沿って、本明細書でさらに説明される第1のロボット装置420および/または第2のロボット装置430に対する1つまたは複数の位置までラック50を運ぶように構成された駆動ベルト1030を含むことができる。シャトル装置410はさらに、入口待ち行列内のラック50を例えばY軸402に沿って前進させるように構成された1つまたは複数のコンベヤ1040を含むことができる。いくつかの実施形態では、シャトル装置410(および関連コンベヤ1040)が、(例えば図6に示されたシステム1の実施形態の左側に示された)入口待ち行列から、シャトル装置410によって画定されたX軸401経路を経て、最終的に(例えば図6に示されたシステム1の実施形態の右側に示された)出口待ち行列に至る実質的に「U字形」の経路に沿って、ラック50を運ぶことができる。
【0048】
図10に概略的に示されているように、いくつかの実施形態では、シャトル装置410が、X軸401に沿った分析位置に位置するセンサ装置開口1020を画定した床1010を含むことができる。このような実施形態によれば、(例えば図12の断面図にさらに詳細に示されているように)センサ装置開口1020内にセンサ装置200を取り付け、かつ/または配置して、システムのX軸401に沿ってラック50が分析位置まで移動したときに、(いくつかの実施形態では、例えば図12に示されているようにラック50アセンブリの全厚にわたって延びることができる)ID開口51を通してセンサ装置開口1020内へ試料容器10を下ろすことができるようにすることができる。図11および12を参照すると、このようないくつかの実施形態では、ラック50が、試料容器10を受け取るように構成された試料容器レセプタクル(receptacle)1110を含むことができる。特に図12に示されているように、試料容器レセプタクル1110は、試料容器10をラック50を貫通してセンサ装置開口1020内へ押し下げることができ、その結果、試料容器10に含まれる試料中の懸濁粒子濃度をセンサ装置200が測定することができるように、ID開口51内に滑動可能に配置することができる。このようないくつかの実施形態では、ラック50がさらに、ラック50と試料容器レセプタクル1110の間に動作可能に係合したバイアス(biasing)要素1210を含むことができる。いくつかの実施形態では、バイアス要素1210が、試料容器レセプタクル1110をラック50の上面1101に向かってバイアスするように構成されたばねを含むことができる。
【0049】
いくつかの実施形態では、このシステムがさらに、(例えば図4に示された第2のロボット装置430などの)ロボット装置を含むことができる。このロボット装置は、ラック50が分析位置に移動したときに、試料容器レセプタクル1110(およびその中に保持された試料容器10)を、ラック50の下面1102に向かって、シャトル装置410の床1010に画定されたセンサ装置開口1020内へ押し下げるよう、試料容器レセプタクル1110と動作可能に係合するように構成することができる。このような実施形態では、センサ装置200が(例えばセンサ装置開口1020内の)低光環境内に実質的に閉じ込められるため、ロボット装置が試料容器レセプタクル1110をセンサ装置開口1020内へ押し下げると、センサ装置200および試料容器10の周囲に実質的に光が入り込まない環境を確立することができる。したがって、このような実施形態によれば、第2のロボット装置430が、図4に示されているようにセンサ装置200を担持する必要はない。しかしながら、本明細書でさらに説明されるとおり、このような実施形態にシース(sheath)432(例えば図4参照)を含めることができ、シース432は、試料容器レセプタクル1110をセンサ装置開口1020内へ押し下げるように、試料容器レセプタクル1110と動作可能に係合することができる。
【0050】
さらに、(図4に概略的に示された)このようないくつかの実施形態では、(例えば第2のロボット装置430を含む)ロボット装置が、フルイディクスシステム100と流体連通したフルイディクスヘッド435を含むことができ、フルイディクスヘッド435は、選択された粒子濃度を有する試料を調製するために、希釈剤を試料容器10に加え、および/または予備試料の少なくとも一部分を試料容器10から取り出すように構成される。
【0051】
図3に概略的に示されているように、システム1のいくつかの実施形態では、ロボットシステム400が、X軸401、Y軸402およびZ軸403によって少なくとも部分的に画定された移動範囲内で移動するように構成されたさまざまな構成要素410、420、430を含むことができる。このようないくつかの実施形態によれば、ロボットシステム400は、ラック50をX軸401に沿って移動させるように構成された(例えば本明細書では図10に関して説明される)シャトル装置410を含むことができる。本明細書に記載されているとおり、いくつかの実施形態では、シャトル装置410が、トレー50をX軸401に沿って前進させることができるよう実質的に直線軸に沿って移動するように構成された直線アクチュエータ装置を含むことができる。システム1のいくつかの実施形態では、試料容器10と対応する試験容器20のそれぞれの対が、第1および第2のロボット装置420、430(ならびにロボット装置420、430によって運ばれるフルイディクスヘッド425、435およびセンサ200)による操作を受け取ることができるように、例えば(例えば本出願の譲受人によって生産されているPhoenix(商標)ID/ASTシステムなどの)1つまたは複数の下流ID/ASTプロセスに適合させることができるその中の懸濁粒子の選択された濃度および/または選択された体積を有する一連の試料を生成するために、ラック50によって運ばれた全ての容器10、20が処理されるまで、シャトル装置410が、ラック50を、X軸401に沿った一連の所定の「ストップ」位置まで、実質的に直線的に前進させる(かつ/または「インデキシングする(index)」)ことができる。さらに、本明細書に記載されているとおり、シャトル装置410は、シャトル装置410上でラック50を中心に配置し、かつ/またはラック50と動作可能に係合する1つまたは複数のレジスタ装置を画定することができる。例えば、シャトル装置410は、ラック50の対応する表面を受け取る1つまたは複数の溝または凹みを画定することができる。他の実施形態では、システム1のさまざまな構成要素に対してシャトル装置410がラック50を効果的に配置し、かつ/またはインデキシングすることができるように、シャトル装置410が、ラック50の対応する角または側壁を受け取るように構成された1つまたは複数のポスト(post)またはブラケット(bracket)を含むことができる。図10に示されているように、シャトル装置410はさらに、システム1のX軸401に沿って、本明細書でさらに説明される第1のロボット装置420および/または第2のロボット装置430に対する1つまたは複数の位置までラック50を運ぶように構成された1つまたは複数の駆動ベルト1030を含むことができる。シャトル装置410はさらに、入口待ち行列内および/または出口待ち行列内のラック50を、例えばY軸402に沿って前進させるように構成された1つまたは複数のコンベヤ1040を含むことができる。
【0052】
いくつかの実施形態では、シャトル装置410(および/または例えばシャトル装置410の出口待ち行列コンベヤ)を、(図13に概略的に示された「ポーリング(pouring)ステーション」などの)インタフェース1310と動作可能に係合させることができる。インタフェース1310は、試料の少なくとも1つの細菌成分を識別し、かつ/または少なくとも1つの細菌成分の抗菌化合物に対する感受性を決定するように試料を分析するよう構成された識別/抗菌物質感受性試験(ID/AST)システムに、選択された粒子濃度を有する処理された試料を移すことを容易にするように、ラック50を受け取るように構成することができる。例えば、複数の試料容器10および対応する複数の試験容器20を含むラック50を受け取ることができるように、インタフェース1310を、ロボットシステム400の出口待ち行列と動作可能に係合させることができる。
【0053】
いくつかの実施形態では、インタフェース1320が、試料容器10と試験容器20のそれぞれの対を、対応するID/ASTディスポーザブルと整列させるように構成された実質的に「独立型」の編成(organaization)ステーションを含むことができる。ID/ASTディスポーザブルは、(例えば本出願の譲受人によって製造されているPhoenix(商標)ID/ASTディスポーザブルなどの)対応する1つまたは複数のID/ASTディスポーザブルを受け取るように構成された1つまたは複数のレジスタ1320の中に下向きに配置することができる。図13に概略的に示されているように、インタフェース1310に画定されたレジスタ1320を、ラック50内に配置された試料容器10および試験容器20から処理された試料を受け取るように構成された1つまたは複数のポーリング開口と流体連通させることができる。インタフェース1310はしたがって、ラック50と動作可能に係合させることができる回転可能なステータスホイール1120と動作可能に係合させることができる一意の標識1150を使用者が容易に見ることができ、かつ/または確認することができる便利な編成ステーションを提供することができる。本明細書に記載されているとおり、一意の標識1150は、試料容器10と試験容器20のうちの一方に含まれる調製された試料の粒子の(ラック50が(図12に概略的に示された)分析位置まで進んだときに例えばセンサ装置200によって測定された)特定の選択された濃度を選択的に指示することができる。したがって、例えば1つまたは複数のレジスタ1320の中に含まれる対応するID/ASTディスポーザブルに調製された試料を加える前に、試料容器10と試験容器20のうちの一方に含まれる調製された試料が、ID/ASTディスポーザブルに実質的に適合した選択された粒子濃度を含むことを保証するため、インタフェース1310は、使用者が、一意の標識1150をすばやく見、かつ/または(例えば視覚的にまたはバーコードスキャナを使用して)評価することを可能にすることができる。図13に示されているように、ポーリングステーション1310はさらに、試料容器10および/または試験容器20から注ぎ込まれた調製された試料が、ID/ASTディスポーザブルに画定することができるさまざまな流体経路を通って完全に前進して、細菌ID用の乾燥基質ならびに/あるいは増殖および蛍光コントロールを含む1つまたは複数のマイクロウェルに到達することができるような最適な角度に、レジスタ1320(したがってレジスタ1320内に保持されたID/ASTディスポーザブル)を傾けるように構成された傾斜部分1330を含むことができる。
【0054】
本発明のいくつかのシステム実施形態はさらに、選択された粒子濃度を有する試料を受け取るように構成された識別/抗菌物質感受性試験(ID/AST)システムを含むことができる。例えば、システム1は、例えば図3に概略的に示されたシステム1を使用し、図8および9に概略的に示されたプロセスに従って生成された1つまたは複数の試料にさらすことができる例えば1つまたは複数のID/ASTディスポーザブルを受け取るように構成された(本出願の譲受人によって生産されているPhoenix(商標)ID/ASTシステムなどの)統合ID/ASTシステムを含むことができる。本明細書に記載されているとおり、このようなID/ASTシステムをさらに、試料の少なくとも1つの細菌成分を識別し(すなわち「ID」決定)、かつ/または試料内の少なくとも1つの細菌成分の抗菌化合物に対する感受性を決定する(すなわち「AST」プロセス)ように構成することができる。本発明のシステム1のさまざまな実施形態が(例えば特定の最適細菌密度に対応する)正確な粒子濃度を有する試料を調製できることは、使用に適したAST結果を生成するのに特に有用である。ID/ASTシステムは例えば、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる特許文献1に全体的に開示されたPhoenix(商標)ID/ASTシステムを含むことができる。
【0055】
(図5に概略的に示された)システム1のいくつかの実施形態では、ロボットシステム400がさらに、フルイディクスシステム100と流体連通した第1のフルイディクスヘッド425を含む第1のロボット装置420を含むことができる。第1のロボット装置420は、(第1のフルイディクスヘッド425を試料容器10と試験容器20のうちの少なくとも一方に対して上げ、かつ/または下げることができるよう)Y軸402とZ軸403のうちの少なくとも一方に沿って移動するように構成することができる。したがって、シャトル装置410がラック50を(例えば第1のロボット装置420のY軸402方向の動程に実質的に隣接した)X軸401に沿って充填位置に移動させたときに、第1のロボット装置420は、(自動ピペッタを含むことができる)第1のフルイディクスヘッド425を使用して、試料容器10に希釈剤を加え、かつ/または予備試料の少なくとも一部分を試料容器10から(例えば吸引によって)取り出すことができる。システム1のいくつかの実施形態では、第1のロボット装置420が、1つまたは複数のフルイディクスヘッド425をY軸に沿って前進させ、かつ/または後退させるように構成された1つまたは複数の直線アクチュエータを含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、第1のロボット装置420が、Y軸402およびZ軸403に沿って独立に移動するように構成された1つまたは複数の「ZYロボット」を含むことができる。このような実施形態では、図5に概略的に示されているように、第1のロボット装置420のZYロボットが、ラック50内に保持されたIDおよび試験容器10、20、分配先端ステーション500、ならびに(第1のフルイディクスヘッド425を使用して1つまたは複数の容器10、20から吸引された過剰な希釈剤および/または試料材料を受け取るように構成された)廃棄物容器650のうちの少なくとも1つの上方に第1のフルイディクスヘッド425を配置することができるようにすることができる。このようないくつかの実施形態によれば、システム1がさらに、複数の使い捨て分配先端510を含む分配先端ステーション500を含むことができる。このようないくつかの実施形態では、選択された濁度レベルおよび選択された体積を有する試料を調製した後に、フルイディクスシステム100(および/または第1のロボット装置420によって運ばれる第1のフルイディクスヘッド425)と動作可能に係合した分配先端510を、複数の使い捨て分配先端510のうちの少なくとも1つの使い捨て分配先端510に自動的に取り替えるように、ロボットシステム400(より具体的には第1のロボット装置420)を構成することができる。システム1の他の実施形態では、試料の少なくとも一部分を試料容器10から試験容器20に移し、試料と指示薬物質とを混合した後で、フルイディクスシステム100と動作可能に係合した分配先端510を、複数の使い捨て分配先端510のうちの少なくとも1つの使い捨て分配先端510に自動的に取り替えるように、ロボットシステム400を構成することができる。したがって、シャトル装置410がトレー50をシステム1のX軸401に沿ってインデキシングしたときに、第1のロボット装置420は、新しい試料容器10(および対応する試験容器20)ごとに、選択された濁度レベルおよび選択された体積を有する試料を処理するために使用されるさまざまな分配および吸引サイクルに新しい使い捨て分配先端510を利用することができる。
【0056】
システム1のいくつかの追加の実施形態では、ロボットシステム400がさらに、Z軸403に沿って試料容器10に隣接する位置にセンサ装置200を配置するようにZ軸403に沿ってセンサ200を運ぶ(すなわち試料容器10に対してセンサ装置200を上げ下げする(例えば図4および7参照))ように構成された第2のロボット装置430を含むことができる。したがって、シャトル装置410がラック50をX軸401に沿って分析位置まで移動させたときに、試料容器10内の予備試料の濁度レベルを測定するのに最適な位置にセンサ装置200を配置するように、第2のロボット装置430を構成することができる。システム1のいくつかの実施形態では、図4に概略的に示されているように、ラック50がさらに、第2のロボット装置430と動作可能に係合した相補形のシース432を受け取るようにサイズおよび構成を決定することができる溝55を、ID開口51の周囲に画定することができる。シース432は、第2のロボット装置430がセンサ装置200を、Z軸403に沿ってID管10に実質的に隣接した位置まで下げたときに、試料容器10およびセンサ装置200の周囲に実質的に光が入り込まない環境が提供されるように、トレー50に画定された溝55にシース432が入るようにシース432が構成されるように、センサ装置200(および/またはセンサ装置200の走査ヘッド)を実質的に閉じ込めるように配置することができる。したがって、センサ装置200が、試料容器10内に配置された試料の濁度をより正確に読むことができるよう、シース432を、システム1が動作している環境内に存在する周囲光に対してセンサ装置200を遮蔽するように構成することができる。
【0057】
図4および7に示されているように、第2のロボット装置430はさらに、フルイディクスシステム100と流体連通した第2のフルイディクスヘッド435を含むことができる。システム1のいくつかの実施形態では、第2のフルイディクスヘッド435が、(フルイディクスシステム100の他の構成要素および第1のフルイディクスヘッド425に関して本明細書で説明される)自動ピペッタ装置を含むことができる。第2のフルイディクスヘッド435は、選択された粒子濃度を有する試料を調製するため、(分配サイクルで)試料容器10に希釈剤を加え、かつ/または(例えば吸引サイクルで)予備試料の少なくとも一部分を試料容器10から取り出すように構成することができる。システム1の他の実施形態に関して本明細書に記載されているとおり、第2のフルイディクスヘッド435を、1回または数回の吸引および分配サイクルを実行することによって、試料容器10内の試料を混合することができるようにすることもできる(例えば図8のステップ808として示された「混合し、達成された目標密度を確認する」(McF)ステップを参照されたい)。
【0058】
図6に示されているように、第2のロボット装置430はロボットアームを含むことができ、このロボットアームは、ロボットアームの中心軸に対する選択された角度位置Θまで中心軸を軸に移動するように構成される。したがって、第2のロボット装置430が第2のフルイディクスヘッド435を含む実施形態では、(例えば無菌食塩水の供給源を含む)希釈剤リザーバから希釈剤の供給を得るために、角度Θにわたって移動し、かつ/またはZ軸403に沿って移動することができ、試料容器10に希釈剤を分配することができるように試料容器10に隣接した位置まで角度Θにわたって回転するように、第2のロボット装置430を構成することができる。さらに、いくつかの実施形態では、図6に示されているように、システム1がさらに、第2のロボット装置430が使用されていないときにセンサ装置200および第2のフルイディクスヘッド435を受け取るように構成された洗浄ステーション600を含むことができる。洗浄液ステーション600をさらに、分配、吸引および/または測定サイクル間に、第2のロボット装置430が洗浄ステーション600内に「置かれた」ときに、センサ200と第2のフルイディクスヘッド435のうちの少なくとも一方を洗浄するように構成することができる。
【0059】
図3に示されているように、システム1のいくつかの実施形態はさらに、コントローラ装置300と統合され、かつ/またはコントローラ装置300と通信するユーザインタフェース700を含むことができる。ユーザインタフェース700は、試料の選択された粒子濃度および/または選択された体積のうちの少なくとも一方を含むユーザ入力を受け取るように構成することができる。システム1のさまざまな実施形態によれば、ユーザインタフェース700は、(例えばタッチスクリーンLCDなどの)ディスプレイ、ならびに/あるいは、限定はされないが、キーボード/キーパッド、マウス/トラックボールおよび(スピーカおよび/または表示灯などの)警報要素を含む他のユーザインタフェース構成要素を含むことができる。したがって、使用者がシステム1の動作を監視し、かつ/または制御することを可能にするように、ユーザインタフェース700を構成することもできる。例えば、ユーザインタフェース700は、システム1のステータスに関する視覚および/または聴覚フィードバックを使用者に提供することができる。このようなフィードバックには、限定はされないが、希釈剤レベルの感知、警報、使い捨て分配先端510の残数ステータス、トレー50の位置ステータス、試料容器10および/または試験容器20の残数、ならびにシステム1を監視する他のフィードバックが含まれる。
【0060】
図8〜9に概略的に示されているように、本発明のさまざまな実施形態はさらに、予備試料を含む試料容器10内で、(例えばいくつかの実施形態では濁度レベルとして表現される)選択された粒子濃度および/または選択された体積を有する試料を自動的に調製する方法を提供することができる。図9に概略的に示されているように、この方法は、最初に、予備試料中の懸濁粒子濃度をセンサ装置200を使用して測定するステップ805を含むことができる。この方法はさらに、全体希釈計画(overall dilution schime)を、センサ装置200と通信するコントローラ装置300を使用して決定するステップ806を含むことができる。全体希釈計画は例えば、選択された粒子濃度を有する試料を調製するために試料容器10に加える希釈剤の量、および/または試料容器10からのオーバーフローを防ぐため希釈剤を加える前に試料容器10から取り出す予備試料の量を含むことができる。この方法はさらに、試料中の懸濁粒子の選択された濃度を有する試料を調製するために、コントローラ装置300と通信する自動フルイディクスシステム100を使用して、ステップ806で決定された決定された量の希釈剤を加え、かつ/または決定された量の予備試料を取り出すステップ807を含む。最後に、いくつかの実施形態では、この方法がさらに、試料容器10が選択された体積を有する試料を含むように、自動フルイディクスシステム100を使用して、試料の少なくとも一部分を試料容器10から取り出すステップ810を含む。例えば図8および9に示された方法は、実質的に自動化されたシステムによって実行することができることを理解されたい。
【0061】
図8は、予備試料を含む試料容器10内で、選択された粒子濃度および/または選択された体積を有する試料を調製するために実行することができる追加の方法ステップを含む本発明の方法の例示的な他の実施形態を示す。図8に概略的に示されたステップ、(特に(マクファーランド(McF)スケールに対して測定された濁度に換算して示される)選択された粒子濃度)ステップ806〜806aおよびステップ807は、(識別および/または抗菌物質感受性を決定するための試験を目的とする細菌または他の粒子のタイプに少なくとも部分的に応じて0.25McFまたは0.5McFの密度を有する試料を利用するように設定することができる)本出願の譲受人によって製造されているPhoenix(商標)ID/ASTシステムによって実行されるプロセスなどの下流ID/ASTプロセスにおいて使用されるのに適した選択された粒子濃度を略述することができるそれぞれ0.25McFまたは0.5McFの選択された濁度レベルを有する例示的な試料に対して特定的なものであることを理解されたい。本発明のさまざまな方法実施形態を使用して、図8に示された例示的な値以外のさまざまな選択された粒子濃度および/または選択された体積を有する試料を調製することができることも理解されたい。
【0062】
図8に示されているように、さまざまな方法実施形態はさらに、図1に関して概略的に説明したシステムなどのシステム1に消耗品を装填するステップ801を含むことができる。消耗品には例えば、限定はされないが、使い捨て分配先端510、(例えばバルク(bulk)無菌食塩水などの)希釈剤、および(例えばステップ812の部分として試験容器20に分配することができるバルクAST指示薬物質などの)指示薬物質が含まれる。この方法はさらに、(例えばID管などの試料容器10に入れられた)予備試料をラック50に装填するステップ802を含むことができる。消耗品および試料ラック50が装填された後、プロセスを開始することができる(例えばプロセスの開始を表す要素800を参照されたい)。いくつかの実施形態では、この方法がさらに、選択された粒子濃度および/または選択された体積を有する試料を調製する後続のステップに移る前に、(AST試薬または他の消耗品などの)消耗品の残量および/またはステータスをチェックするステップ800aを含むことができる。本発明のシステム1のさまざまな実施形態に関して本明細書に記載されているとおり、ステップ800aはコントローラ装置300によって実行することができ、ステップ800aによって得られた結果は、(ディスプレイおよび/または警報インジケータなどの)ユーザインタフェース700を介して伝達されるステータスリポートおよび/またはステータスインジケータとして使用者に提示することができる。さらに、1つまたは複数の試薬または他の消耗品がシステム上で検出されない場合、いくつかの実施形態では、コントローラ装置300が、図8に示された方法を自動的に一時停止させることができる(例えば要素800b参照)。
【0063】
いくつかの方法実施形態はさらに、予備試料中の懸濁粒子濃度を測定する(すなわち比濁計または他のセンサ装置200を使用して試料の密度を「読む」)ステップ805を実行する前に、試料容器10に含まれる予備試料を混合するステップ804を含むことができる。図8に示されているように、いくつかの実施形態では、ステップ804がさらに、試料容器内の予備試料の液面の高さを(例えばコントローラ300と通信するセンサ先端(すなわち容量先端)を使用して)検出することを含むことができる。ステップ804の試料容器内の予備試料の液面の高さの検出は例えば、(図3および5に概略的に示された第1のロボット装置420の1つまたは複数の複製物などの)ロボット装置によって運ばれる1つまたは複数のフルイディクスヘッド425を使用して1つまたは複数のセンサ先端を試料容器10内へ下ろすことによって実施することができる。ステップ804はさらに、後にステップ810で得られる試料容器10の液面の高さと比較するため、検出された予備試料の液面の高さを(例えばコントローラ装置300と統合された記憶装置を使用して)記憶することを含むことができる。さまざまなシステム1の実施形態に関して本明細書に記載されているとおり、(ステップ804などの)混合ステップは、(ピペッタなどの)自動フルイディクスシステム100によって、一連の吸引および/または分配サイクルで実行することができる。
【0064】
図8に関して本明細書に示されているとおり、本発明はさらに、予備試料中の懸濁粒子濃度を(例えば比濁計などのセンサ装置200を使用して)測定するステップ805を含むことができる。さらに、(いくつかの実施形態では濁度レベルとして表現される)測定された粒子濃度に少なくとも部分的に基づいて、本明細書に記載されたコントローラ装置300をさらに、その中の懸濁粒子の選択された濃度を有する(既知の体積を有する試料容器10をオーバーフィル(overfill)および/またはアンダーフィル(underfill)しない)試料を調製するための全体希釈計画(すなわち試料容器10に加える希釈剤の量、および/または試料容器10から取り出す予備試料の量)を決定するステップ806を実行するように構成することができる。
【0065】
したがって、図8に示されているように、ステップ806は、(ステップ805で測定された予備試料中の懸濁粒子の測定濃度が与えられた場合に)その中の懸濁粒子の選択された濃度を有する試料を得るために試料容器10に加える希釈剤の量および/または試料容器10から取り出す予備試料の量を含むことができる全体希釈計画の量を決定するさまざまなサブルーチンおよび/または判断ポイントを含むことができる。例えば、粒子濃度が濁度測定値として表現される実施形態では、ステップ806aが、当初の濁度レベル(すなわち例えばMcF「密度」)が低すぎる(すなわち例えば0.25および0.5McF標的に対する最低濁度よりも低い)かどうかを判定することを含むことができる。ステップ806aの結果が肯定的である(すなわち密度が低すぎる)場合には、プロセスを停止する(すなわち試料容器10を拒絶する)ことができる。密度(ステップ805で決定された濁度または粒子の測定濃度)が、決定された希釈計画(ステップ806参照)の適用を十分に許容する場合、この方法は、本明細書でさらに論じられるステップ807へ進むことができる。
【0066】
図8に概略的に示されているように、ステップ807は一般に、選択された粒子濃度を有する試料(すなわちステップ806で決定された希釈計画に実質的に従った試料)を調製するために、コントローラ装置300と通信する(例えば自動フルイディクスシステム100を使用して)決定された量の希釈剤を試料容器10に加え、または例えば試料容器10のオーバーフローを防ぐため希釈剤を加える前に、決定された量の予備試料を試料容器10から取り出すことを含む。ステップ805で決定された検出粒子濃度(およびステップ806で決定された対応する希釈計画)に応じて、この方法は、(例えば試料中の粒子の選択された濃度に対応する)選択された目標希釈レベルを達成するために、(バルク食塩水などの)希釈剤を試料容器10に加え、かつ/または(希釈剤と予備試料中の懸濁粒子の一部分の両方を含む)全体予備試料の少なくとも一部分を試料容器10から取り出すことを含むことができる。本明細書に記載されているとおり、いくつかの実施形態では、使用者が、あるタイプのIDおよび/またはASTプロセスに対して最適であることができる1つまたは複数の目標粒子密度を選択することができる。例えば、いくつかの実施形態では、選択された粒子濃度が、限定はされないが、0.25McFおよび0.5McFを含むことができる。図8に示されているように、ステップ807はさらに、調製された試料の液面の高さをステップ804で最初に検出された体積に「リセット」するために、(希釈剤およびその中の懸濁試料粒子を含む)流体を試料容器10から吸引することを含むことができる。
【0067】
ステップ808は、自動フルイディクスシステムを使用して試料の少なくとも一部分を試料容器から取り出す前に、その中の懸濁粒子の選択された濃度を有する試料を混合することを含むことができる。ステップ808は、(例えば第2のロボット装置430によって運ばれる)第2の流体ヘッド435を使用して、1回または数回の吸引/分配サイクルによって実行することができる。図7に示されているように、ステップ808は、第2の流体ヘッド435とセンサ装置200の両方を運ぶ第2のロボット装置430によって実行することができるため、ステップ808はさらに、自動フルイディクスシステム100を使用して試料の少なくとも一部分を試料容器10から取り出す前に、試料中の懸濁粒子濃度を(センサ装置200を使用して)確認することを含むことができる。
【0068】
ステップ809に概略的に示されているように、コントローラ300(および/または本明細書に記載された方法実施形態を実行する使用者)は、ステップ808で決定された確認された粒子濃度を読み、(ステップ808の粒子の測定濃度が粒子の選択濃度に実質的に等しくない場合に)その管を拒絶し、さもなければ下流の方法ステップ810〜816へ進むことができる。いくつかの方法実施形態はさらに、第2のセンサ先端(すなわちロボット装置420と動作可能に係合した1つまたは複数のフルイディクスヘッド425によって運ばれる使い捨て容量先端)を使用して、試料容器10内の液面の高さ(すなわち予備試料の高さ)を確認するステップ810を含むことができる。本明細書に記載されているとおり、いくつかの実施形態では、ロボットシステム400が、一対の専用ロボット装置420を含むことができ、一方のロボット装置は、ステップ808および809を実行する(すなわちステップ806において決定された希釈計画によって指示された分配および/または吸引ステップを実行する)役目を果たし、もう一方のロボット装置は、AST試料調製(ステップ811〜814参照)のために、調製された試料の一部分を対応する試験容器20に移すことをうけもつ。したがって、第2の「AST」調製ロボット装置420は、調製された試料の少なくとも一部分を対応する試験容器20に移す前に試料容器10内の調製された試料の液面の高さを独立して確認するように構成された第2のセンサ先端を運ぶ別個のフルイディクスヘッド425を含むことができる。
【0069】
図8はさらに、所与の試料容器10に対応する試験容器20が存在するかどうかを判定する追加の方法ステップ811を示す。所与の試料容器10に対応する試験容器20が存在しない場合、この方法はステップ811で終了となる。しかし、試験容器20が存在する場合、この方法はステップ812〜814に進むことができ、ステップ812〜814は、例えば選択された粒子濃度および/または選択された体積を有する試料の一部分に指示薬物質を加え、かつ/または混合することにより、下流のASTプロセス用の試験容器20を調製するステップを含む。さまざまな方法実施形態では、本明細書に記載された完全システム1の部分であるフルイディクスシステム100の1つまたは複数の構成要素によって、ステップ812〜814を実行することができることを理解されたい。ステップ812は、自動フルイディクスシステム100を使用して試験容器20に指示薬物質を分配し、自動フルイディクスシステム100を使用して混合することを含む。ステップ813は、選択された粒子濃度および/または選択された体積を有する試料の少なくとも一部分を、自動フルイディクスシステム100を使用して、試料容器10に対応する試験容器20に移し、試験容器20内で、この試料の少なくとも一部分を、自動フルイディクスシステム100を使用して指示薬物質と混合することを含む。システム1のいくつかの実施形態に関して本明細書に記載されているとおり、例えばステップ812および813の一部として実行されるさまざまな混合ステップは、所望の混合レベルを達成するために繰り返し試験容器20から吸引し、かつ/または試験容器20に分配するように構成された自動ピペッタを含む自動フルイディクスシステム100によって実行することができる。さらに、ステップ814は、ラックステータスインジケータ(例えば図11に示された回転可能なステータスホイール1120を参照されたい)を更新することを含む。図11に関して本明細書に記載されているとおり、ステップ814は、ラック50が((図12に概略的に示された)センサ装置200に対する分析位置などの)システム1内の特定の位置にあるときにステータスホイール1120のステム1125と選択的に係合するように構成された回転アクチュエータ1127によって実行することができる。センサ装置200によって決定された(いくつかの実施形態では濁度として表現される)粒子濃度に応答することができるように、回転アクチュエータ1127は(例えばコントローラ装置300を介して)センサ装置200と通信することができる。したがって、いくつかの実施形態では、ラック50に画定されたステータス窓1130を通して見える一意の標識1150が、(例えばマクファーランドスケール上の濁度として表現された)調製された試料中の粒子の選択された濃度に実質的に対応するよう、ラック50に対してステータスホイール1120を回転させるように、回転アクチュエータ1127を構成することができる。
【0070】
図8に示されているように、さまざまな方法実施形態はさらに、システム1内に追加の試料容器10が存在するかどうかを判定するステップ815を含むことができる。追加の試料容器10が存在する場合、ステップ806において決定された希釈計画を、(いくつかの方法実施形態では、試料容器10を含むラック50をシステム1の一軸に沿って整然と前進させるように構成されたシャトル装置410によって前方へインデキシングすることができる)他の試料容器10に適用することができるように、この方法はステップ807に戻ることができる。ステップ815において追加の試料容器10が検出されなかった場合、この方法は、(例えば下流の微量希釈ID/AST試験に必要な選択された細菌密度などの)選択された粒子濃度を有する試料を必要とする下流プロセスで使用するために、試料容器10および対応する試験容器20の完了ラック50を取り出すステップ816へ進むことができる。
【0071】
システムおよび方法を提供することに加えて、本発明はさらに、上述のさまざまなステップおよびステップの組合せを実行するコンピュータプログラム製品を提供する。これらのコンピュータプログラム製品は、コンピュータ可読プログラムコードがその中に具体化されたコンピュータ可読記憶媒体を介して機能することができる。図1を参照すると、コンピュータ可読記憶媒体はコントローラ装置300の部分であることができ、上で論じられたステップを実行するコンピュータ可読プログラムコードを実装することができる。
【0072】
これに関して、図8〜9は、本発明の例示的な実施形態に基づく方法、システム1およびコンピュータプログラム製品のブロック図、流れ図および制御フロー図である。ブロック図、流れ図および制御フロー図のそれぞれのブロックまたはステップ、ならびにブロック図、流れ図および制御フロー図のブロックの組合せは、コンピュータプログラム命令によって実行することができることが理解される。これらのコンピュータプログラム命令を、機械を生成する(例えば本明細書に記載されたコントローラ装置300を含む)コンピュータまたは他のプログラム可能装置上へロードして、コンピュータまたは他のプログラム可能装置上で実行される命令が、ブロック図、流れ図または制御フロー図のブロック(1つまたは複数)またはステップ(1つまたは複数)に指定された機能を実行することができるようにすることができる。これらのコンピュータプログラム命令を、特定の方法で機能するようコンピュータまたは他のプログラム可能装置に命令することができるコンピュータ可読記憶装置に記憶して、コンピュータ可読記憶装置に記憶された命令が、ブロック図、流れ図または制御フロー図のブロック(1つまたは複数)またはステップ(1つまたは複数)に指定された機能を実行する命令を含む製品を生み出すようにしてもよい。これらのコンピュータプログラム命令を、コンピュータまたは他のプログラム可能装置上で実行される一連の動作ステップがコンピュータ実行プロセスを生み出すコンピュータまたは他のプログラム可能装置上にロードして、コンピュータまたは他のプログラム可能装置上で実行される命令が、ブロック図、流れ図または制御フロー図のブロック(1つまたは複数)またはステップ(1つまたは複数)に指定された機能を実行するステップを提供するようにしてもよい。
【0073】
したがって、ブロック図、流れ図または制御フロー図のブロックまたはステップは、指定された機能を実行するステップの組合せ、および指定された機能を実行するプログラム命令の組合せをサポートする。ブロック図、流れ図または制御フロー図のそれぞれのブロックまたはステップ、およびブロック図、流れ図または制御フロー図のブロックまたはステップの組合せは、指定された機能またはステップを実行するハードウェアベースの特殊目的コンピュータシステム、あるいは特殊目的ハードウェアとコンピュータ命令の組合せによって実現することができることも理解される。
【0074】
上記の説明および関連図面中に提示された教示の利益を有する本発明が属する技術分野の技術者には、本明細書に記載された発明の多くの変更および他の実施形態が思い浮かぶであろう。したがって、本発明が、開示された特定の実施形態に限定されないこと、ならびに変更および他の実施形態が、添付された特許請求の範囲に含まれることが意図されることを理解されたい。本明細書では特定の用語が使用されるが、それらは、一般的かつ記述的な意味においてのみ使用されており、限定目的では使用されていない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予備試料を含む試料容器を受け取るように構成され、さらに、前記試料容器に希釈剤を加えることと、前記予備試料の少なくとも一部分を前記試料容器から取り出すこととのうちの少なくとも一方を実行するように構成されたフルイディクスシステムと、
前記予備試料中の粒子濃度を測定するように構成されたセンサ装置と、
前記フルイディクスシステムおよび前記センサ装置と通信するコントローラ装置と
を含み、
前記コントローラ装置は、前記測定された粒子濃度を前記センサ装置から受け取るように構成されており、
前記コントローラ装置はさらに、選択された粒子濃度を有する試料を調製するために、前記試料容器に加える希釈剤の量または前記試料容器から取り出す前記予備試料の量を決定するように構成されており、
前記コントローラ装置はさらに、前記選択された粒子濃度を有する前記試料を調製するために、前記決定された量の希釈剤を前記試料容器に加え、または前記決定された量の前記予備試料を前記試料容器から取り出すように前記フルイディクスシステムを制御するように構成されている
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記コントローラ装置はさらに、選択された体積を有する前記試料を前記試料容器が含むように、前記試料の少なくとも一部分を前記試料容器から取り出すように前記フルイディクスシステムを制御するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記センサ装置は、前記粒子濃度を前記予備試料の濁度として測定するように構成された比濁計を含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
ID開口を画定したラックであって、前記試料容器を受け取るように構成された試料容器レセプタクルを含み、前記試料容器レセプタクルが前記ID開口内に滑動可能に配置されたラックと、
前記コントローラ装置と通信するシャトル装置であって、前記ラックを前記センサ装置に対して移動させるように構成されており、分析位置に位置するセンサ装置開口を画定した床を含むシャトル装置と
をさらに含み、前記センサ装置は、前記ラックが前記分析位置に移動したときに、前記ID開口が前記センサ装置開口と実質的に同じ位置に位置し、その結果、前記試料容器レセプタクルおよび前記試料容器を、前記センサ装置開口内の前記センサ装置に隣接した位置に挿入することができ、その結果、前記センサ装置が、前記試料容器に含まれる前記予備試料中の粒子の前記濃度を測定することができるように、前記センサ装置開口内に配置される
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記ラックと前記試料容器レセプタクルの間に動作可能に係合したバイアス要素をさらに含み、前記バイアス要素は、前記試料容器レセプタクルを前記ラックの上面に向かってバイアスするように構成されており、前記システムはさらに、前記試料容器レセプタクルと動作可能に係合するように構成されたロボット装置を含み、前記ロボット装置はさらに、前記ラックが前記分析位置に移動したときに、前記試料容器レセプタクルを、前記ラックの下面に向かって、前記センサ装置開口内へ押し下げるように構成されていることを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記ロボット装置はさらに、前記フルイディクスシステムと流体連通したフルイディクスヘッドを含み、前記フルイディクスヘッドは、前記選択された粒子濃度を有する前記試料を調製するために、前記試料容器に希釈剤を加えることと、前記予備試料の少なくとも一部分を前記試料容器から取り出すこととのうちの少なくとも一方を実行するように構成されていることを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記フルイディクスシステムはさらに、前記試料容器に対応する試験容器を受け取るように構成されており、前記フルイディクスシステムはさらに、前記選択された粒子濃度および前記選択された体積を有する前記試料の少なくとも一部分を前記試験容器に移すように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記フルイディクスシステムはさらに、前記試験容器に指示薬物質を分配し、続いて前記試験容器内で、前記試料の前記少なくとも一部分と前記指示薬物質とを混合するように構成されていることを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記フルイディクスシステムはさらに、前記予備試料中の粒子の前記濃度を前記センサ装置が決定する前に、前記予備試料を混合するように構成されていることを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記フルイディクスシステムはさらに、前記予備試料中の粒子の前記濃度を前記センサ装置が決定する前に、前記予備試料を混合するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記フルイディクスシステムはさらに、前記選択された粒子濃度を有する前記試料の少なくとも一部分を前記試料容器から取り出す前に、前記試料を混合するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記コントローラ装置と通信するロボットシステムをさらに含み、前記ロボットシステムは、前記試料容器、前記フルイディクスシステムおよび前記センサ装置のうちの少なくとも1つを互いに対して移動させるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記コントローラ装置と通信するロボットシステムをさらに含み、前記ロボットシステムは、前記試料容器、前記試験容器、前記フルイディクスシステムおよび前記センサ装置のうちの少なくとも1つを互いに対して移動させるように構成されていることを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項14】
前記試料容器を受け取るように構成されたID開口を画定したラックをさらに含み、前記ロボットシステムはさらに、前記フルイディクスシステムおよび前記センサ装置に対して前記試料容器を移動させるために前記ラックを受け取るように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記試料容器と前記ラックのうちの少なくとも一方は、それに添付された一意の標識を含み、前記一意の標識は、前記予備試料の識別と前記選択された粒子濃度のうちの少なくとも一方に対応することを特徴とする請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記一意の標識は、
バーコード、
文字数字ラベル、
RFIDラベル、および
これらの組合せ
からなるグループから選択されることを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記試料容器を受け取るように構成されたID開口を画定したラックをさらに含み、前記ラックはさらに、前記試験容器を受け取るように構成された試験開口を画定し、前記ロボットシステムはさらに、前記試料容器と前記試験容器のうちの少なくとも一方を前記フルイディクスシステムおよび前記センサ装置に対して移動させるために、前記ラックを受け取るように構成されていることを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項18】
前記ロボットシステムは、X軸、Y軸およびZ軸によって少なくとも部分的に画定された移動範囲内で移動するように構成されており、前記ロボットシステムは、
前記試料容器を受け取るように構成されたID開口を画定したラックを前記X軸に沿って移動させるように構成されたシャトル装置と、
前記フルイディクスシステムと流体連通した第1のフルイディクスヘッドを含む第1のロボット装置と
を含み、前記第1のロボット装置は、前記シャトル装置が前記ラックを前記X軸に沿って充填位置に移動させたときに、前記第1のフルイディクスヘッドが、前記試料容器に前記希釈剤を加えることと、前記予備試料の少なくとも一部分を前記試料容器から取り出すこととのうちの少なくとも一方を実行することができるように、前記Y軸と前記Z軸のうちの少なくとも一方に沿って移動するように構成されている
ことを特徴とする請求項14に記載のシステム。
【請求項19】
前記シャトル装置が前記ラックを前記X軸に沿って分析位置に移動させたときに、前記試料容器内の前記予備試料中の粒子の前記濃度を前記センサ装置が測定することができるよう、前記Z軸に沿って前記試料容器に隣接した位置に前記センサ装置を配置するように、前記センサ装置を前記Z軸に沿って運ぶように構成された第2のロボット装置をさらに含むことを特徴とする請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記ロボットシステムは、X軸、Y軸およびZ軸によって少なくとも部分的に画定された移動範囲内で移動するように構成されており、前記ロボットシステムは、
前記ラックを前記X軸に沿って移動させるように構成されたシャトル装置と、
前記フルイディクスシステムと流体連通した第1のフルイディクスヘッドを含む第1のロボット装置と
を含み、前記第1のロボット装置は、前記シャトル装置が前記ラックを前記X軸に沿って充填位置に移動させたときに、前記第1のフルイディクスヘッドが、前記試料容器に前記希釈剤を加えることと、前記予備試料の少なくとも一部分を前記試料容器から取り出すこととのうちの少なくとも一方を実行することができるように、前記Y軸と前記Z軸のうちの少なくとも一方に沿って移動するように構成されている
ことを特徴とする請求項17に記載のシステム。
【請求項21】
前記シャトル装置が前記ラックを前記X軸に沿って分析位置に移動させたときに、前記試料容器内の前記予備試料中の粒子の前記濃度を前記センサ装置が測定することができるよう、前記Z軸に沿って前記試料容器に隣接した位置に前記センサ装置を配置するように、前記センサ装置を前記Z軸に沿って運ぶように構成された第2のロボット装置をさらに含むことを特徴とする請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記ラックはさらに前記ID開口の周囲に溝を画定し、前記第2のロボット装置はさらに前記センサ装置を取り囲むシースを含み、前記シースは、前記ラックが前記分析位置に移動し、前記第2のロボット装置が前記センサ装置を前記試料容器に隣接して配置したときに、実質的に光が入り込まない環境を、前記試料容器および前記センサ装置の周囲に提供するため、前記溝に入るように構成されていることを特徴とする請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記第2のロボット装置は、前記フルイディクスシステムと流体連通した第2のフルイディクスヘッドを含み、前記第2のフルイディクスヘッドは、前記選択された粒子濃度を有する前記試料を調製するために、前記試料容器に希釈剤を加えることと、前記予備試料の少なくとも一部分を前記試料容器から取り出すこととのうちの少なくとも一方を実行するように構成されていることを特徴とする請求項21に記載のシステム。
【請求項24】
複数の使い捨て分配先端を含む分配先端ステーションをさらに含み、前記ロボットシステムは、前記選択された粒子濃度および前記選択された体積を有する前記試料を調製した後に、前記フルイディクスシステムと動作可能に係合した分配先端を、前記複数の使い捨て分配先端のうちの少なくとも1つの使い捨て分配先端に自動的に取り替えるように構成されていることを特徴とする請求項14に記載のシステム。
【請求項25】
前記第2のロボット装置が使用されていないときに前記センサ装置および前記第2のフルイディクスヘッドを受け取るように構成された洗浄ステーションをさらに含み、前記洗浄ステーションはさらに、前記センサ装置と前記第2のフルイディクスヘッドのうちの少なくとも一方を洗浄するように構成されていることを特徴とする請求項23に記載のシステム。
【請求項26】
前記コントローラ装置はさらに、前記試料の前記選択された粒子濃度と前記選択された体積のうちの少なくとも一方を含むユーザ入力を受け取るように構成されたユーザインタフェースを含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項27】
前記センサ装置を取り囲むシースをさらに含み、前記シースは、前記センサ装置が前記予備試料中の粒子の前記濃度を測定するときに、実質的に光が入り込まない環境を、前記試料容器および前記センサ装置の周囲に提供するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項28】
前記試料容器内の前記予備試料中の粒子の前記濃度を前記センサ装置が測定することができるよう、前記センサ装置を前記試料容器に隣接した位置に配置するように、前記センサ装置を運ぶよう構成されたロボット装置をさらに含み、前記ロボット装置は、前記フルイディクスシステムと流体連通したフルイディクスヘッドを含み、前記フルイディクスヘッドは、前記選択された粒子濃度を有する前記試料を調製するために、前記試料容器に希釈剤を加えることと、前記予備試料の少なくとも一部分を前記試料容器から取り出すこととのうちの少なくとも一方を実行するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項29】
前記フルイディクスシステムと流体連通したフルイディクスヘッドであって、前記選択された粒子濃度を有する前記試料を調製するために、前記試料容器に希釈剤を加えることと、前記予備試料の少なくとも一部分を前記試料容器から取り出すこととのうちの少なくとも一方を実行するように構成されたフルイディクスヘッドと、
複数の使い捨て分配先端を含む分配先端ステーションと
をさらに含み、前記フルイディクスヘッドは、前記選択された粒子濃度を有する前記試料を調製した後に、前記フルイディクスヘッドと動作可能に係合した分配先端を、前記複数の使い捨て分配先端のうちの少なくとも1つの使い捨て分配先端に自動的に取り替えるように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項30】
前記センサ装置を受け取るように構成された洗浄ステーションをさらに含み、前記洗浄ステーションはさらに、前記センサ装置が使用されていないときに前記センサ装置を洗浄するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項31】
前記試料を分析して、前記試料の少なくとも1つの細菌成分の識別と、前記少なくとも1つの細菌成分の抗菌化合物に対する感受性とのうちの少なくとも一方を決定するように構成された識別/抗菌物質感受性試験システムに、前記選択された粒子濃度を有する前記試料を移すように構成されたインタフェースをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項32】
前記試料を分析して、前記試料の少なくとも1つの細菌成分の識別と、前記少なくとも1つの細菌成分の抗菌化合物に対する感受性とのうちの少なくとも一方を決定するように構成された識別/抗菌物質感受性試験システムに、前記選択された粒子濃度を有する前記試料を移すように構成されたインタフェースをさらに含み、前記インタフェースは、前記識別された少なくとも1つの細菌成分を前記予備試料まで追跡できるよう、前記一意の標識を読み、前記一意の標識を前記識別/抗菌物質感受性試験システムに伝えるように構成されていることを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項33】
前記選択された粒子濃度を有する前記試料を受け取るように構成された識別/抗菌物質感受性試験システムをさらに含み、前記識別/抗菌物質感受性試験システムはさらに、前記試料の少なくとも1つの細菌成分の識別と、前記少なくとも1つの細菌成分の抗菌化合物に対する感受性とのうちの少なくとも一方を決定するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項34】
前記選択された粒子濃度を有する前記試料を受け取るように構成された識別/抗菌物質感受性試験システムをさらに含み、前記識別/抗菌物質感受性試験システムはさらに、前記試料の少なくとも1つの細菌成分の識別と、前記少なくとも1つの細菌成分の抗菌化合物に対する感受性とのうちの少なくとも一方を決定するように構成されており、前記識別/抗菌物質感受性試験システムはさらに、前記識別された少なくとも1つの細菌成分が前記予備試料まで追跡できるよう、前記一意の標識を読み、前記識別された少なくとも1つの細菌成分に前記一意の標識を割り当てるように構成されていることを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項35】
その中の選択された粒子濃度および予備試料を含む試料容器内の選択された体積を有する試料を自動的に調製する方法であって、
前記予備試料中の粒子濃度をセンサ装置を使用して測定すること、
前記選択された粒子濃度を有する前記試料を調製するために、前記センサ装置と通信するコントローラ装置を使用して、前記試料容器に加える希釈剤の量と前記試料容器から取り出す前記予備試料の量のうちの少なくとも一方を決定すること、および
前記選択された粒子濃度を有する前記試料を調製するために、前記コントローラ装置と通信する自動フルイディクスシステムを使用して、前記決定された量の希釈剤を前記試料容器に加え、または前記決定された量の前記予備試料を前記試料容器から取り出すこと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項36】
前記選択された体積を有する前記試料を前記試料容器が含むように、前記自動フルイディクスシステムを使用して、前記試料の少なくとも一部分を前記試料容器から取り出すことをさらに含むことを特徴とする請求項35に記載の方法。
【請求項37】
決定する前記ステップは、
前記試料容器の最大容積を超えないように決定された量の希釈剤を加えることによって、前記選択された粒子濃度を有する前記試料を調整することができるかどうかを判定すること、および
最低限の体積を少なくとも有する試料を調製するように決定された量の希釈剤を加えることによって、前記選択された粒子濃度を有する前記試料を調整することができるかどうかを判定すること
を含むことを特徴とする請求項35に記載の方法。
【請求項38】
前記自動フルイディクスシステムを使用して、前記選択された粒子濃度および前記選択された体積を有する前記試料の少なくとも一部分を、前記試料容器に対応する試験容器に移すことをさらに含むことを特徴とする請求項35に記載の方法。
【請求項39】
前記自動フルイディクスシステムを使用して前記試験容器に指示薬物質を分配すること、および
前記自動フルイディクスシステムを使用して、前記試験容器内で、前記試料の前記少なくとも一部分と前記指示薬物質とを混合すること
をさらに含むことを特徴とする請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記予備試料中の粒子の前記濃度を決定する前に、前記自動フルイディクスシステムを使用して前記予備試料を混合することをさらに含むことを特徴とする請求項35に記載の方法。
【請求項41】
前記選択された粒子濃度を有する前記試料の少なくとも一部分を前記試料容器から取り出す前に、前記自動フルイディクスシステムを使用して前記試料を混合することをさらに含むことを特徴とする請求項35に記載の方法。
【請求項42】
前記自動フルイディクスシステムはさらに、複数の使い捨て分配先端を含む分配先端ステーションを含み、前記方法はさらに、前記試料の少なくとも一部分を前記試料容器から取り出した後に、前記自動フルイディクスシステムと動作可能に係合した分配先端を、前記複数の使い捨て分配先端のうちの少なくとも1つの使い捨て分配先端に取り替えることを含むことを特徴とする請求項35に記載の方法。
【請求項43】
前記センサ装置を受け取るように構成された洗浄ステーションを使用して前記センサ装置を洗浄することをさらに含むことを特徴とする請求項35に記載の方法。
【請求項44】
前記試料の前記選択された粒子濃度と前記選択された体積のうちの少なくとも一方を含むユーザ入力を、前記コントローラ装置と通信するユーザインタフェースを介して受け取ることをさらに含むことを特徴とする請求項35に記載の方法。
【請求項45】
その中の選択された粒子濃度および予備試料を含む試料容器内の選択された体積を有する試料を自動的に調製するコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラム製品は、自動フルイディクスシステムおよびセンサ装置と通信するコントローラ装置を動作させるように適合されており、前記コンピュータプログラム製品は、コンピュータ可読プログラムコード命令がその中に記憶されたコンピュータ可読記憶媒体を含み、
前記予備試料中の粒子濃度を前記センサ装置を使用して自動的に測定する第1のコンピュータ命令セットと、
前記選択された粒子濃度を有する前記試料を調製するために、前記試料容器に加える希釈剤の量と前記試料容器から取り出す前記予備試料の量のうちの少なくとも一方を決定する第2のコンピュータ命令セットと、
前記選択された粒子濃度を有する前記試料を調製するために、前記コントローラ装置と通信する前記自動フルイディクスシステムを使用して、前記決定された量の希釈剤を前記試料容器に加え、または前記決定された量の前記予備試料を前記試料容器から取り出す第3のコンピュータ命令セットと
を含むことを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【請求項46】
前記選択された体積を有する前記試料を前記試料容器が含むように、前記自動フルイディクスシステムを使用して、前記試料の少なくとも一部分を前記試料容器から取り出す第4のコンピュータ命令セットをさらに含むことを特徴とする請求項45に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項47】
決定する前記第2のコンピュータ命令セットは、
前記試料容器の最大容積を超えないように決定された量の希釈剤を加えることによって、前記選択された粒子濃度を有する前記試料を調整することができるかどうかを判定すること、および
最低限の体積を少なくとも有する試料を調製するように決定された量の希釈剤を加えることによって、前記選択された粒子濃度を有する前記試料を調整することができるかどうかを判定すること
を含むことを特徴とする請求項45に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項48】
前記自動フルイディクスシステムを使用して、前記選択された粒子濃度および前記選択された体積を有する前記試料の少なくとも一部分を、前記試料容器に対応する試験容器に移す第5のコンピュータ命令セットをさらに含むことを特徴とする請求項45に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項49】
前記自動フルイディクスシステムを使用して前記試験容器に指示薬物質を分配する第6のコンピュータ命令セットと、
前記自動フルイディクスシステムを使用して、前記試験容器内で、前記試料の前記少なくとも一部分と前記指示薬物質とを混合する第7のコンピュータ命令セットと
をさらに含むことを特徴とする請求項48に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項50】
前記予備試料中の粒子の前記濃度を決定する前に、前記自動フルイディクスシステムを使用して前記予備試料を混合する第8のコンピュータ命令セットをさらに含むことを特徴とする請求項45に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項51】
前記選択された粒子濃度を有する前記試料の少なくとも一部分を前記試料容器から取り出す前に、前記自動フルイディクスシステムを使用して前記試料を混合する第9のコンピュータ命令セットをさらに含むことを特徴とする請求項45に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項52】
前記自動フルイディクスシステムは、複数の使い捨て分配先端を含む分配先端ステーションを含み、前記コンピュータプログラム製品はさらに、前記試料の少なくとも一部分を前記試料容器から取り出した後に、前記自動フルイディクスシステムと動作可能と係合した分配先端を、前記複数の使い捨て分配先端のうちの少なくとも1つの使い捨て分配先端に取り替える第10のコンピュータ命令セットを含むことを特徴とする請求項45に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項53】
前記センサ装置を受け取るように構成された洗浄ステーションを使用して前記センサ装置を洗浄する第11のコンピュータ命令セットをさらに含むことを特徴とする請求項45に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項54】
前記試料の前記選択された粒子濃度と前記選択された体積のうちの少なくとも一方を含むユーザ入力を、前記コントローラ装置と通信するユーザインタフェースを介して受け取る第12のコンピュータ命令セットをさらに含むことを特徴とする請求項45に記載のコンピュータプログラム製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2010−505116(P2010−505116A)
【公表日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−530392(P2009−530392)
【出願日】平成19年9月25日(2007.9.25)
【国際出願番号】PCT/US2007/020654
【国際公開番号】WO2008/039442
【国際公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【出願人】(595117091)ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー (539)
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417−1880, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】