説明

試料交換機及びX線回折装置

【課題】試料を交換する際に、複雑な機構を用いずに試料の位置ずれを抑制でき、且つ試料軸の正確な回転数を保つことができる試料交換機を提供する。
【解決手段】第1の回転軸の周りを回転可能な複数の試料台10a,10eを円周上に沿って配列した円板状の回転板4と、回転板4を回転させる試料位置逐次移動機構7と、複数の試料台10a,10eの回転軸に接続され極性の異なる複数の第1の磁石の作用極を回転軸を中心軸とする円周面上に交互に周期的に配列した複数の受動磁石配列ユニット12a,12eと、極性の異なる複数の第2の磁石の作用極を回転軸を中心軸とする円周面上に交互に周期的に配列して回転する駆動磁石配列ユニット81と、測定位置の試料台10aに接続された受動磁石配列ユニット12aを、駆動磁石配列ユニット81を回転させることにより第1及び第2の磁石間の磁力を介して回転させる試料台回転駆動部8とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料交換機及びそれを用いたX線回折装置に関する。
【背景技術】
【0002】
X線回折装置において、試料交換機(サンプルチェンジャ)に複数の試料を配置し、複数の試料から測定対象を自動的に選択し測定を行うものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
試料交換機としては、複数の試料が載置された回転板を回転させ、試料位置を移動させる機構と、測定位置の試料軸を回転させる機構を有するものが知られている。ここで、試料位置を移動させる機構及び試料軸を回転させる機構の双方がギア駆動方式のものがある。この場合、試料軸を回転させる機構において、モータの駆動軸に接続された伝達機構のギアの歯と、試料軸に接続されたギアの歯とがあたり試料の位置ずれが発生する場合がある。
【0004】
又、試料軸を回転させる機構のモータ側の伝達機構のギアと、試料軸側の伝達機構のギアに、ギアを着脱するための噛み合い着脱機構を備えたものがある。この場合、上述したようなギアの歯同士があたる問題は軽減できるものの、複雑な機構が必要となる。
【0005】
又、試料位置を移動させる機構がギア駆動方式で、試料軸を回転させる機構がゴム接触方式のものがある。この場合、試料軸を回転させる機構のモータに接続された伝達機構及び試料軸側の伝達機構の一方又は双方にゴムを巻いて接触させるのでギアの歯があたる問題はないが、ゴムの寿命及び伸縮のため正確な回転数が保てない。
【特許文献1】特開平11−190684号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、試料を交換する際に、複雑な機構を用いずに試料の位置ずれを抑制でき、且つ試料軸の正確な回転数を保つことができる試料交換機及びX線回折装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、(イ)それぞれ第1の回転軸の周りを回転可能な複数の試料台を、第2の回転軸の円周上に沿って順に配列した円板状の回転板と、(ロ)複数の試料台を測定位置に逐次回転移動するように、回転板を第2の回転軸を中心として回転させる試料位置逐次移動機構と、(ハ)複数の試料台にそれぞれ接続された複数の受動磁石配列ユニットであって、極性の異なる複数の第1の磁石の作用極を第1の回転軸の延長線を中心軸とする円周面上に交互に周期的に配列した複数の受動磁石配列ユニットと、(ニ)逐次回転移動に伴い、測定位置の試料台に接続された受動磁石配列ユニットに逐次、選択的に結合する位置に配置され、極性の異なる複数の第2の磁石の作用極を第3の回転軸を中心軸とする円周面上に交互に周期的に配列し、第3の回転軸を中心として回転する駆動磁石配列ユニットと、(ホ)駆動磁石配列ユニットを回転させる試料台回転駆動部とを備える試料交換機が提供される。本発明の第1の態様に係る試料交換機では、第1及び第2の磁石間の磁力を介して、測定位置の試料台に接続された受動磁石配列ユニットを、駆動磁石配列ユニットが回転させる。
【0008】
本発明の第2の態様は、第1の態様で説明した試料交換機と、測定位置の試料台に搭載された試料に対して逐次選択的に測定を行う測定部と、試料交換機及び測定部を収納するX線防護ケースを備え、第1及び第2の磁石間の磁力を介して、測定位置の試料台に接続された受動磁石配列ユニットを駆動磁石配列ユニットが回転させるX線回折装置が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、試料を交換する際に、複雑な機構を用いずに試料の位置ずれを抑制でき、且つ試料軸の正確な回転数を保つことができる試料交換機及びX線回折装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0011】
又、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0012】
(X線回折装置及び試料交換機)
本発明の実施の形態に係るX線回折装置は、図1及び図2に示すように、複数の試料9a,9b,9c,9d,9e,9f,9g,9hを交換しながら測定位置に移動させる試料交換機3と、測定位置の試料(図1では試料9a)に対して測定を行う測定部5と、試料交換機3による試料9a,9b,9c,9d,9e,9f,9g,9hの交換及び測定部5による測定を制御する制御装置1と、試料交換機3、測定部5及び制御装置1を収納するX線防護ケース(筐体)2を備える。
【0013】
制御装置1は中央演算処理装置(CPU)等である。制御装置1には入力装置及び出力装置等が必要に応じて接続されていても良い。又、図示を省略するが、X線防護ケース2にはシャッター等の必要な部品が設けられているのは勿論である。
【0014】
本発明の実施の形態に係る試料交換機3は、図1及び図2に示すように、それぞれ第1の回転軸の周りを回転可能な複数の試料台10a,10b,10c,10d,10e,10f,10g,10hを、第2の回転軸の円周上に沿って配列した円板状の回転板4と、試料台10a,10b,10c,10d,10e,10f,10g,10hを逐次測定位置に移動するように第2の回転軸を中心として、回転板4を回転させる試料位置逐次移動機構7と、複数の試料台10a,10b,10c,10d,10e,10f,10g,10hの第1の回転軸の延長上にそれぞれ接続され極性の異なる複数の第1の磁石の作用極を第1の回転軸の延長線を中心軸とする円周面上に交互に周期的に配列した複数の受動磁石配列ユニット12a,12b,12c,12d,12e,12f,12g,12hと、逐次回転移動に伴い、測定位置の試料台(図1では試料台10a)に接続された受動磁石配列ユニット12aに逐次、選択的に結合する位置に配置され、極性の異なる複数の第2の磁石の作用極を第3の回転軸を中心軸とする円周面上に交互に周期的に配列し、第3の回転軸を中心として回転する駆動磁石配列ユニット81と、この駆動磁石配列ユニット81を回転させる試料台回転駆動部8とを備える。そして、本発明の実施の形態に係る試料交換機3は、第1及び第2の磁石間の磁力を介して、測定位置の試料台に接続された受動磁石配列ユニット12aを、駆動磁石配列ユニット81が逐次、選択的に回転させる。
【0015】
回転板4は円板状であり、複数の試料台10a,10b,10c,10d,10e,10f,10g,10hを円周上に沿って等間隔で配列する。回転板4の側面をなす円周面上(円周端面上)には受動ギアの歯が設けられている。前述したように、試料9aを測定位置としたので、試料台10aのある位置が測定位置となる。回転板4には回転板支持棒42が取り付けられている。回転板支持棒42は、試料交換機3の本体に外周を固定されたベアリング41によって、試料交換機3の本体に回転自由に固定されている。
【0016】
試料位置逐次移動機構7は、回転板4の側面をなす円周面上に設けられた受動ギアの歯と噛み合わさり、第4の回転軸を中心に回転する駆動ギア71と、駆動ギア71の第4の回転軸と共通の中心軸を有するギア駆動棒72と、ギア駆動棒72を回転させる試料位置用モータ73とを備える。試料位置用モータ73としてはステップモータ等を用いればよい。
【0017】
複数の試料台10a,10b,10c,10d,10e,10f,10g,10hには、それぞれ対応する試料台駆動棒11a,11b,11c,11d,11e,11f,11g,11hを介して複数の受動磁石配列ユニット12a,12b,12c,12d,12e,12f,12g,12hがそれぞれ接続されている。
【0018】
このうち、例えば、受動磁石配列ユニット12aを例にとって説明すると、図3に示すように、作用極としてのN極が円周面側(作用側)になる磁石32,34,36,38及び作用極としてのS極が円周面側(作用側)になる磁石31,33,35,37を円周面に沿って交互に周期的に配置され交番磁界を発生している。N極(作用極)が円周面側(作用側)になる磁石32,34,36,38及びS極(作用極)が円周面側(作用側)になる磁石31,33,35,37の間にはそれぞれ非磁性の部材30が配置されている。他の受動磁石配列ユニット12a,12b,12c,12d,12e,12f,12g,12hの構造も受動磁石配列ユニット12aと同様である。
【0019】
図1に示した駆動磁石配列ユニット81は、図4に示すように、作用極としてのN極が円周面側(作用側)になる磁石21,23,25,27及び作用極としてのS極が円周面側(作用側)になる磁石22,24,26,28を交互に周期的に配置され、交番磁界を発生している。N極(作用極)が円周面側(作用側)になる磁石21,23,25,27及びS極(作用極)が円周面側(作用側)になる磁石22,24,26,28の間にはそれぞれ非磁性の部材20が配置されている。駆動磁石配列ユニット81と測定位置の試料9aに対応する受動磁石配列ユニット12aとの間隔は、磁石の種類にもよるが、例えば0.2〜0.5mm程度である。駆動磁石配列ユニット81を回転させることにより、駆動磁石配列ユニット81と受動磁石配列ユニット12aとの間の磁力を介して受動磁石配列ユニット12aを回転させることができる。
【0020】
図1に示した試料台回転駆動部8は、駆動磁石配列ユニット81の回転軸と共通の中心軸を有する回転駆動棒82と、回転駆動棒82を回転させる試料軸用モータ83とを備える。
【0021】
回転駆動棒82には、図5に示すように切り欠き部86が設けられた円盤(センサ止具)85及び原点センサ84が取り付けられている。センサ止具85は回転駆動棒82に接合しており、回転駆動棒82の回転と共に回転する。原点センサ84がセンサ止具85の切り欠き部86を検知することにより、試料9aの試料軸方向の位置座標を検知することができる。このため、回転駆動棒82を所望の位置まで正確に駆動可能である。
【0022】
測定部5は、複数の試料9a,9b,9c,9d,9e,9f,9g,9hのそれぞれ構成する元素の種類や含有量を逐次、選択的に測定する。測定部5は、測定位置の試料9a,9b,9c,9d,9e,9f,9g,9hに対しX線(1次X線)を逐次、選択的に照射するX線源61と、試料9a,9b,9c,9d,9e,9f,9g,9hからの蛍光X線(2次X線)を逐次、選択的に検出する検出器62を備える。検出器62により逐次、選択的に検出された2次X線は制御装置1において逐次若しくは一括的に分析される。
【0023】
(測定方法)
次に、本発明の実施の形態に係る試料交換機3を含むX線回折装置を用いた測定方法を説明する。
【0024】
(イ)図1に示した制御装置1からの制御信号により試料位置用モータ73を駆動することにより、駆動ギア71が回転し、駆動ギア71と回転板4の側面の受動ギアの噛み合わせにより回転板4が回転する。測定対象の試料(例えば試料9a)が測定位置まで移動した時点で試料位置用モータ73の駆動を停止する。
【0025】
(ロ)次に、制御装置1からの制御信号により試料軸用モータ83を駆動することにより回転駆動棒82を介して駆動磁石配列ユニット81が回転する。駆動磁石配列ユニット81を回転させることにより、図4に示した駆動磁石配列ユニット81のN極(作用極)が円周面側(作用側)になる磁石21,23,25,27及びS極(作用極)が円周面側(作用側)になる磁石22,24,26,28と、図3に示した受動磁石配列ユニット12aのN極(作用極)が円周面側(作用側)になる磁石32,34,36,38及びS極(作用極)が円周面側(作用側)になる磁石31,33,35,37との間の磁力を介して受動磁石配列ユニット12aを回転させる。試料9aの軸が所定の位置に達したら、試料軸用モータ83の駆動を停止する。
【0026】
(ハ)次に、制御装置1からの制御信号により測定部5が試料9aに対して測定を開始する。測定後、次に測定を予定している試料(例えば試料9b)に対して上述した手順と同様に測定を行う。
【0027】
以上説明したように、従来において試料位置を移動させる機構及び試料軸を回転させる機構の双方がギア駆動方式の場合、試料軸を回転させる機構において、モータの駆動軸に接続された伝達機構のギアの歯と、試料軸に接続されたギアの歯とがあたり試料の位置ずれが発生する可能性がある。これに対して、本発明の実施の形態によれば、受動磁石配列ユニット12aを、駆動磁石配列ユニット81を回転させることにより第1及び第2の磁石間の磁力を介して回転させるので、ギアの歯同士があたることによる試料位置の回転ずれを生じさせることなく、複数の試料9a,9b,9c,9d,9e,9f,9g,9hの位置の交換及び軸の回転を行うことができる。
【0028】
又、従来において試料軸を回転させる機構のモータ側の伝達機構のギアと、試料軸側の伝達機構のギアに、ギアを着脱するための噛み合い着脱機構を備える場合、ギアの歯同士があたる問題は軽減できるものの、複雑な機構が必要となる。これに対して、本発明の実施の形態によれば、受動磁石配列ユニット12aを、駆動磁石配列ユニット81を回転させることにより第1及び第2の磁石間の磁力を介して回転させるので、簡単な機構で複数の試料9a,9b,9c,9d,9e,9f,9g,9hの位置の交換及び軸の回転を行うことができる。
【0029】
又、従来において試料位置を移動させる機構がギア駆動方式で、試料軸を回転させる機構がゴム接触方式の場合、試料軸を回転させる機構のモータに接続された伝達機構及び試料軸側の伝達機構の一方又は双方にゴムを巻いて接触させるのでギアの歯があたる問題はないが、ゴムの寿命及び伸縮のため正確な回転数が保てなかった。これに対して、本発明の実施の形態によれば、受動磁石配列ユニット12aを、駆動磁石配列ユニット81を回転させることにより第1及び第2の磁石間の磁力を介して回転させるので、ゴムの寿命及び伸縮による劣化がなく、正確に駆動伝達することができ、正確な回転数を保つことができる。
【0030】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は上記の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0031】
例えば、図1に示した回転板支持棒42にモータを接続して、そのモータを駆動することにより回転板支持棒42及び回転板4を回転させて試料9a,9b,9c,9d,9e,9f,9g,9hの位置を移動しても良い。
【0032】
又、図1では試料台10a,10b,10c,10d,10e,10f,10g,10hと、それに対応する試料台駆動棒11a,11b,11c,11d,11e,11f,11g,11h、及び受動磁石配列ユニット12a,12b,12c,12d,12e,12f,12g,12hをそれぞれ8組示したが、試料台、それに対応する試料台駆動棒及び受動磁石配列ユニットの数は特に限定されない。
【0033】
又、図3では受動磁石配列ユニット12aの作用極としてのN極が円周面側(作用側)になる磁石32,34,36,38及び作用極としてのS極が円周面側(作用側)になる磁石31,33,35,37を4個ずつ交互に示すが、磁石の個数は特に限定されない。同様に、図4では駆動磁石配列ユニット81のN極(作用極)が円周面側になる磁石21,23,25,27及びS極(作用極)が円周面側になる磁石22,24,26,28をそれぞれ4個ずつ交互に示すが、磁石の個数は特に限定されない。
【0034】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施の形態に係るX線回折装置の一例を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る試料交換機の一例を示す概略上面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る受動磁石配列ユニットの構造の一例を示す概略断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る駆動磁石配列ユニットの構造の一例を示す概略断面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る原点センサ及びセンサ止め具の構造の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
【0036】
1…制御装置
2…X線防護ケース(筐体)
3…試料交換機
4…回転板
5…測定部
7…試料位置逐次移動機構
8…試料台回転駆動部
9a,9b,9c,9d,9e,9f,9g,9h…試料
10a,10b,10c,10d,10e,10f,10g,10h…試料台
11a,11b,11c,11d,11e,11f,11g,11h…試料台駆動棒
12a,12b,12c,12d,12e,12f,12g,12h…受動磁石配列ユニット
20,30…部材
21,22,23,24,25,26,27,28,31,32,33,34,35,36,37,38…磁石
41…ベアリング
42…回転板支持棒
61…X線源
62…検出器
71…駆動ギア
72…ギア駆動棒
73…試料位置用モータ
81…駆動磁石配列ユニット
82…回転駆動棒
83…試料軸用モータ
84…原点センサ
85…センサ止具
86…切り欠き部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ第1の回転軸の周りを回転可能な複数の試料台を、第2の回転軸の円周上に沿って順に配列した円板状の回転板と、
前記複数の試料台を測定位置に逐次回転移動するように、前記回転板を前記第2の回転軸を中心として回転させる試料位置逐次移動機構と、
前記複数の試料台にそれぞれ接続された複数の受動磁石配列ユニットであって、極性の異なる複数の第1の磁石の作用極を前記第1の回転軸の延長線を中心軸とする円周面上に交互に周期的に配列した複数の受動磁石配列ユニットと、
前記逐次回転移動に伴い、前記測定位置の前記試料台に接続された前記受動磁石配列ユニットに逐次、選択的に結合する位置に配置され、極性の異なる複数の第2の磁石の作用極を第3の回転軸を中心軸とする円周面上に交互に周期的に配列し、前記第3の回転軸を中心として回転する駆動磁石配列ユニットと、
前記駆動磁石配列ユニットを回転させる試料台回転駆動部
とを備え、前記第1及び第2の磁石間の磁力を介して、前記測定位置の前記試料台に接続された前記受動磁石配列ユニットを、前記駆動磁石配列ユニットが回転させることを特徴とする試料交換機。
【請求項2】
前記試料台回転駆動部は、
前記駆動磁石配列ユニットの回転軸と共通の中心軸を有する回転駆動棒と、
前記回転駆動棒を回転させる試料軸用モータ
とを備えることを特徴とする請求項1に記載の試料交換機。
【請求項3】
前記回転板の側面をなす円周面上に受動ギアが設けられ、
前記試料位置逐次移動機構は、
前記受動ギアの歯と噛み合い、第4の回転軸を中心に回転する駆動ギアと、
前記第4の回転軸と共通の中心軸を有し、前記駆動ギアを回転駆動するギア駆動棒と、
前記ギア駆動棒を回転させる試料位置用モータ
とを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の試料交換機。
【請求項4】
それぞれ第1の回転軸の周りを回転可能な複数の試料台を第2の回転軸の円周上に沿って順に配列した円板状の回転板、前記複数の試料台を測定位置に逐次回転移動するように前記回転板を前記第2の回転軸を中心として回転させる試料位置逐次移動機構、前記複数の試料台にそれぞれ接続された複数の受動磁石配列ユニットであって極性の異なる複数の第1の磁石の作用極を前記第1の回転軸の延長線を中心軸とする円周面上に交互に周期的に配列した複数の受動磁石配列ユニット、前記逐次回転移動に伴い前記測定位置の前記試料台に接続された前記受動磁石配列ユニットに逐次選択的に結合する位置に配置され極性の異なる複数の第2の磁石の作用極を第3の回転軸を中心軸とする円周面上に交互に周期的に配列し前記第3の回転軸を中心として回転する駆動磁石配列ユニット、前記駆動磁石配列ユニットを回転させる試料台回転駆動部を有する試料交換機と、
前記測定位置の前記試料台に搭載された試料に対して逐次選択的に測定を行う測定部と、
前記試料交換機及び前記測定部を収納するX線防護ケース
とを備え、前記第1及び第2の磁石間の磁力を介して、前記測定位置の前記試料台に接続された前記受動磁石配列ユニットを、前記駆動磁石配列ユニットが回転させることを特徴とするX線回折装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−264978(P2009−264978A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−116318(P2008−116318)
【出願日】平成20年4月25日(2008.4.25)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【Fターム(参考)】