説明

誘導加熱コイル

【課題】並列接続された複数のコイル部の各インダクタンスを低くして、ワークに均一な加熱状態を容易に得ることができると共に、誘導加熱作業を安全に行うことが可能な誘導加熱コイルを提供する。
【解決手段】導体が所定回数巻回された複数のコイル部と、該各コイル部の両端部がそれぞれ電気的及び機械的に接続された一対の直線状導体と、を備え、複数のコイル部は、同軸状に配置されて略平行に配置された一対の直線状導体に並列的に接続されることにより、一対の直線状導体間のインダクタンスが所定に設定されていることを特徴とする。また、前記複数のコイル部は、同一かもしくはワークの形態に応じて異なる如く設定されたり、一対の直線状導体は、ホルダーに支持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種ワークを誘導加熱する際に使用される誘導加熱コイルに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、例えば平面視長方形状で板厚が0.5mm〜数mm程度の鋼板からなるワークの全面を焼入れしたり焼鈍しする場合、誘導加熱コイルを使用した高周波誘導加熱で行っている。この高周波誘導加熱は、誘導加熱コイルの内部にワークを水平に挿入配置した状態で、誘導加熱コイルにトランジスタインバータから所定周波数の高周波電流を供給し、ワークの表面に渦電流を誘起させることにより行っている。
【0003】
従来、このような高周波誘導加熱に使用される誘導加熱コイルとしては、導体としての銅パイプを螺旋状に所定巻数巻回することにより、その両端部で所定のインダクタンスが得られるように略円筒形状に形成し、この誘導加熱コイルの両端部にトランジスタインバータから高周波電流が供給されるようになっている。なお、この種の誘導加熱コイルは、例えば特許文献1及び特許文献2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−63627号公報
【特許文献2】実公平4−27114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような誘導加熱コイルにあっては、ワークに所定の焼入れ品質等を得るため、両端部で所定のインダクタンスが得られるように、銅パイプを螺旋錠に所定回数巻回していることから、誘導加熱コイル自体の巻数に応じてインダクタンスが一義的に決まり、誘導加熱コイル自体のインダクタンスの微調整が困難で、例えば誘導加熱時に反り易い板状のワークの全面に均一な焼入れ品質を得るためには、誘導加熱コイルに供給される高周波電流を低くする等、加熱条件を一々調整する必要があり、誘導加熱作業自体が面倒になり易い。
【0006】
また、誘導加熱コイル自体が1本の銅パイプを所定回数巻回することにより形成されているため、所定のインダクタンスを有する誘導加熱コイル自体に流れる電流値や電圧値が高くなって、例えば作業者が誘導加熱コイルに誤って触った際等に感電する虞がある等、安全性の面でも好ましくない。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、並列接続された複数のコイル部の各インダクタンスを低くして、ワークに均一な加熱状態を容易に得ることができると共に、誘導加熱作業を安全に行うことが可能な誘導加熱コイルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、所定形状のワークを誘導加熱する際に使用される誘導加熱コイルであって、導体が所定回数巻回された複数のコイル部と、該各コイル部の両端部がそれぞれ電気的及び機械的に接続された一対の直線状導体と、を備え、前記複数のコイル部は、同軸状に配置されて略平行に配置された前記一対の直線状導体に並列的に接続されることにより、一対の直線状導体間のインダクタンスが所定に設定されていることを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、前記複数のコイル部と一対の直線状導体が、その内部に冷却水流路が形成されて、高周波電源に接続されると共に冷却水供給装置に接続されていることを特徴とする。また、請求項3に記載の発明は、前記複数のコイル部が、その巻数が同一かもしくはワークの形態に応じて異なる如く設定されていることを特徴とする。さらに、請求項4に記載の発明は、前記一対の直線状導体が、絶縁板を介して圧接された一対の銅板を有するホルダーに電気的及び機械的に接続されていることを特徴とする。また、請求項5に記載の発明は、前記一対の直線状導体が、連結部を介してその長さが調整可能に形成されることにより、前記コイル部の数の増減が可能に構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明のうち請求項1に記載の発明によれば、所定回数巻回した複数のコイル部が同軸状に配置されて、略平行に配置された一対の直線状導体に並列状態で電気的及び機械的に接続されているため、並列接続されそのインダクタンスが低い複数のコイル部により誘導加熱コイル全体に所定のインダクタンスが得られて、各コイル部に流れる電流をバランス良く分散できて、ワークに均一な加熱状態を容易に得ることができると共に、低インダクタンスの各コイル部に流れる電流値を低くできて、誘導加熱作業の安全性を高めることができる。
【0011】
また、請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、複数のコイル部と一対の直線状導体の内部に冷却水流路が形成されて、高周波電源に接続されると共に冷却水供給装置に接続されているため、誘導加熱時の各コイル部の発熱を抑えて、加熱効率を向上させることができると共に、安全性を一層高めることができる。
【0012】
また、請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2に記載の発明の効果に加え、複数のコイル部の巻数が同一かもしくはワークの形態に応じて異なる如く設定されているため、巻数を同一とすることで例えば平坦なワークの全面を均一に誘導加熱でき、また、巻数をワークの例えば外形形状に応じて異ならせることで、各種形状のワークの全面を均一に誘導加熱することができる。
【0013】
さらに、請求項4に記載の発明によれば、請求項1ないし3に記載の発明の効果に加え、一対の直線状導体が絶縁板と一対の銅板からなるホルダーに電気的及び機械的に接続されているため、誘導加熱コイルをユニット化できて、ホルダーを高周波電源の出力端子に接続固定することで、誘導加熱コイルを所定位置に確実かつ容易に設置できて、その使い勝手を向上させることができる。
【0014】
また、請求項5に記載の発明によれば、請求項1ないし4に記載の発明の効果に加え、一対の直線状導体が連結部を介してその長さが調整可能に形成されて、コイル部の数の増減が可能となっているため、ワークの長さ等に応じてコイル部を簡単に増設できて、誘導加熱コイルの汎用性の向上と使い勝手を一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係わる誘導加熱コイルの一実施形態を示す斜視図
【図2】同その正面図
【図3】同平面図
【図4】同側面図
【図5】同等価回路図
【図6】本発明に係わる誘導加熱コイルの他の実施形態を示す平面図
【図7】同図6のA−A線矢視図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1〜図5は、本発明に係わる誘導加熱コイルの一実施形態を示している。図1〜図4に示すように、誘導加熱コイル1は、所定間隔を有して平行に配置された一対の直線状導体2a、2bと、両端部が前記直線状導体2a、2bにそれぞれ固定された複数個(図では4個)のコイル部3a〜3dを有している。前記一対の直線状導体2a、2bは、長さが同一な銅の角形のパイプにより形成されて、同一平面上で所定間隔を有して平行に配置されている。
【0017】
また、前記コイル部3a〜3dは、銅の丸形のパイプを平面視で矩形形状に所定回数(図では3ターン)巻回することにより、各コイル部3a〜3dの全体形状が略角筒形状に形成され、各パイプの外周面には、必要に応じて絶縁チューブが被せられたり絶縁塗料が塗布されて、絶縁処理されている。そして、この各コイル部3a〜3dの両端部が直線状導体2a、2b方向に引き出されて、各導体2a、2bの一側面に垂直状態でその端部がロー付けされて機械的に支持されることにより、各コイル部3a〜3dが同軸となるように設定されている。
【0018】
また、前記直線状導体2a、2bは、図2に示すように、その内部に冷却水流路4が形成されると共にその両端部が閉塞されており、また、前記各コイル部3a〜3dは、図3に示すように、その内部に冷却水流路5が形成されると共にその端部が開放されている。この一方の直線状導体2aと各コイル部3a〜3dの一方の端部及び他方の直線状導体2bと各コイル部3a〜3dの他方の端部が、各直線状導体2a、2bの一側面に設けた円形の連通孔6(図2参照)により、内部の冷却水流路4、5が連通状態とされている。
【0019】
さらに、前記直線状導体2a、2bの各コイル部3a〜3dがロー付けされた側と反対側の側面の、長手方向の略中間位置で長手方向で重ならない位置には、円形の連通孔(図示せず)が形成され、この連通孔には、先端に導電性のホースコネクタ7a、7bがロー付けされた銅の丸形のパイプ8a、8bがロー付けされている。これにより、ホースコネクタ7a、7bから、パイプ8a、8b、冷却水流路4、5に連通する冷却水の循環流路が形成されている。
【0020】
そして、図2に示すように、前記各コイル部3a〜3dの両端部が、直線状導体2a、2b、パイプ6a、6b、ホースコネクタ7a、7bを介して、高周波電源としての誘導加熱装置9のトランジスタインバータ10に、例えば可撓性ケーブル11を介して電気的に接続されると共に、ホースコネクタ7a、7bがチューブ13を介して誘導加装置9の冷却水供給装置12に接続されている。このとき、前記可撓性ケーブル11とチューブ13は一体化されており、また、冷却水供給装置12とトランジスタインバータ10も一体化されることにより、前記誘導加熱コイル1が装着される誘導加熱装置9の小型化が図られている。
【0021】
前記誘導加熱コイル1は、4個のコイル部3a〜3dの両端部が一対の直線状導体2a、2bにそれぞれ機械的及び電気的に接続されることにより、図5(a)に示すように、各コイル部3a〜3dが並列接続されており、誘導加熱コイル1のインダクタンスをLとした場合、各コイル部3a〜3dのインダクタンスL1が1/4Lとなり、各コイル部3a〜3dのインダクタンスL1が小さく設定されている。
【0022】
次に、前記誘導加熱コイル1の動作について説明する。先ず、例えば板状のワークの形態に応じて、ワークに所望の焼入れや焼鈍し品質を得るための誘導加熱コイル1のインダクタンスLを設定し、このインダクタンスLに応じて、各コイル部3a〜3dのインダクタンスL1を1/4Lに設定する。そして、この誘導加熱コイル1を誘導加熱装置9に装着し、各コイル部3a〜3d内に板状のワークを水平状態で配置し、誘導加熱装置9のトランジスタインバータ10を作動させて、誘導加熱コイル1の各コイル部3a〜3dに、所定周波数で所定出力の高周波電流を供給する。
【0023】
この誘導加熱コイル1に供給される高周波電流は、同一のインダクタンスL1の各コイル部3a〜3dが並列接続されていることから、各コイル部3a〜3dに供給される電流がバランス良く分散された状態となり、その電圧値(電流値)自体も低くなり、感電等の虞を回避できることになる。そして、各コイル部3a〜3dに供給される高周波電流により、ワークに渦電流が誘起されてワークが誘導加熱され、このとき、各コイル部3a〜3dに同一の高周波電流がバランス良く供給されることから、ワークの全面が均一に誘導加熱されて、板状のワークが反ることもなくワークの全面に例えば良好な焼入れ品質を得ることが可能になる。
【0024】
なお、誘導加熱コイル1への高周波電流の供給時に、前記冷却水供給装置12が作動して、各コイル部3a〜3d内に冷却水が循環供給されて、各コイル部3a〜3dの発熱が抑えられ、加熱効率の低下が抑制されるようになっている。つまり、前記誘導加熱コイル1の場合、一対の直線状導体2a、2bに4個のコイル部3a〜3dを並列接続することにより、各コイル部3a〜3dのインダクタンスL1を低くすると共に、各コイル部3a〜3dにその電流値を低くした高周波電流をバランス良く流して、ワークに均一な加熱状態が得られることになる。
【0025】
このように、前記誘導加熱コイル1によれば、所定回数巻回した4個のコイル部3a〜3dが同軸状に配置されて、略平行に配置された一対の直線状導体2a、2bに並列状態で電気的及び機械的に接続されているため、並列接続されたコイル部3a〜3dにより誘導加熱コイル1に所定のインダクタンスLが得られて、各コイル部3a〜3dのインダクタンスL1を低くすることができる。その結果、各コイル部3a〜3dに高周波電流をバランス良く分散できて、ワークに均一な加熱状態を容易に得ることができる。特に、複数のコイル部3a〜3dの巻数が同一に設定されていることから、例えば板状で平坦なワークであってもその全面を一層均一に誘導加熱することができる。
【0026】
また、各コイル部3a〜3dの低インダクタンス化により、各コイル部3a〜3dに流れる電流値を小さくしてその電圧値を低くできて、感電事故を防止できる等、誘導加熱作業の安全性を高めることができる。また、4個のコイル部3a〜3dと一対の直線状導体2a、2bの内部に冷却水流路4、5が形成されて、トランジスタインバータ10に接続されると共に冷却水供給装置12に接続されているため、誘導加熱時の各コイル部3a〜3dの発熱を抑えて、発熱による加熱効率の低下を防止できると共に、誘導加熱時のコイル部3a〜3d自体の表面温度を低くできて、作業者の火傷を防止できる等、誘導加熱作業の安全性を一層高めることができる。
【0027】
図6及び図7は、本発明に係わる誘導加熱コイルの他の実施形態を示している。以下、前記実施形態と同一部位には、同一符号を付して説明する。この実施形態の誘導加熱コイル1の特徴は、一対の直線状導体2a、2bをホルダー14に接続することにより、誘導加熱コイル1をユニット化した点にある。すなわち、一対の直線状導体2a、2bの各コイル部3a〜3dがロー付けされる側面と反対側の側面の長手方向の略中間位置に、所定長さの銅のパイプ8a、8bの一端部をロー付けし、このパイプ8a、8bの他端部がホルダー14に電気的及び機械的に接続(支持)されている。
【0028】
このとき、ホルダー14は、その外面に各パイプ8a、8bがロー付けされた一対の銅板15a、15bと、この銅板15a、15b間に介装された絶縁板16を有し、この銅板15a、15bと絶縁板16とがナット17により圧接状態で固定されている。また、パイプ8a、8bの先端部は、外側に90度屈曲され、その端部に前記ホースコネクタ7a、7bがロー付けされている。そして、ホルダー14がトランジスタインバータ10の出力端子の一対の銅板で挟持されることにより、誘導加熱コイル1が誘導加熱装置9に装着され、また、誘導加熱装置9の出力端子からホルダー14を取り外すことにより、誘導加熱コイル1の交換や修理が可能となっている。
【0029】
この実施形態においても、前記実施形態と同様の作用効果を得ることができる他に、誘導加熱コイル1にホルダー14が一体化されているため、ホルダー14を誘導加熱装置9の出力端子に接続固定することで、誘導加熱コイル1を所定位置に確実かつ容易に設置できると共に、ワークの形態に応じた誘導加熱コイル1の交換等が可能となって、その使い勝手を向上させることができる。
【0030】
なお、前記各実施形態においては、各コイル部3a〜3dが直線状導体2a、2bに予め所定個数固定されている場合について説明したが、例えば図7の二点鎖線で示すように、直線状導体2a、2bの端部に直線状導体21a、21bとコイル部22を有する増設用コイル20を連設することで、誘導加熱コイル1のコイル部を増設可能に構成しても良い。この場合は、直線状導体2a、2bの端部を開放させると共に、連結部としての角筒状の連結部材23により誘導加熱コイル1の各直線状導体2a、2bと増設用コイル20の各直線状導体21a、21bとを例えばロー付け等で連結すれば良い。
【0031】
このように構成すれば、一対の直線状導体2a、2bが連結部材23を介してその長さが調整されるため、コイル部の数の増減が可能となって、ワークの長さ等に応じてコイル部を簡単に増設できる等、誘導加熱コイル1の汎用性を向上させることができると共に使い勝手を一層向上させることができる。また、コイル部の増設により誘導加熱コイル1自体の軸方向の長さを長くすることができるため、長さの長いワークであっても、その全域を同時にかつ均一に誘導加熱できて、例えば誘導加熱コイル1を一々移動させつつ誘導加熱する必要がなくなり、誘導加熱作業を効率的に行うことも可能になる。
【0032】
また、前記各実施形態においては、誘導加熱コイル1の各コイル部の数が4個でその各巻数が全て同一である場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば図5(b)に示すように、両側のコイル部3a、3dの巻数を多くしても良いし、逆に中央部のコイル部3b、3cの巻数を多くしたり、あるいは、一方のコイル部3aから他方のコイル部3dに向けて巻数を多くしたり小さくする等、各コイル部3a〜3dの巻数を所定に異ならせることもできる。このように構成すれば、ワークの形状に応じた巻数の設定(調整)が可能になり、軸方向に凹凸部を有するワークであっても、その全域を均一に誘導加熱することが可能になる。また、コイル部の数も4個に限らず、複数個であれば良い。
【0033】
さらに、前記各実施形態における、各コイル部3a〜3dの形状も矩形状に限らず、例えば略円形や略三角形状等であっても良いし、前記パイプ8a、8bの引き出し方向も、ワークの形態や加熱位置に応じて直線状導体2a、2bの適宜側面から引き出すことができる。また、前記各実施形態における、直線状導体2a、2bやホルダー14の形状も一例であって、例えば直線状導体2a、2bは全体として直線状(棒状)であれば良く、一部に曲線部を有する形状としたり、パイプ8a、8bとして角形を使用する等、本発明の各発明に係わる要旨を逸脱しない範囲において適宜の構成を採用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、例えばワークの焼入れ時に冷却手段として使用される冷却ジャケットが、各コイル部の全部もしくは一部に一体化された誘導加熱コイル等、ワークを誘導加熱する際に使用される全ての誘導加熱コイルに利用できる。
【符号の説明】
【0035】
1・・・誘導加熱コイル、2a、2b・・・直線状導体、3a〜3d・・・コイル部、4、5・・・冷却水流路、6・・・連通孔、7a、7b・・・ホースコネクタ、8a、8b・・・パイプ、9・・・誘導加熱装置、10・・・トランジスタインバータ、11・・・可撓性ケーブル、12・・・冷却水供給装置、13・・・チューブ、14・・・ホルダー、15a、15b・・・銅板、16・・・絶縁板、17・・・ナット、20・・・増設用加熱コイル、21a、21b・・・直線状導体、22・・・コイル部、23・・・連結部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定形状のワークを誘導加熱する際に使用される誘導加熱コイルであって、導体が所定回数巻回された複数のコイル部と、該各コイル部の両端部がそれぞれ電気的及び機械的に接続された一対の直線状導体と、を備え、
前記複数のコイル部は、同軸状に配置されて略平行に配置された前記一対の直線状導体に並列的に接続されることにより、一対の直線状導体間のインダクタンスが所定に設定されていることを特徴とする誘導加熱コイル。
【請求項2】
前記複数のコイル部と一対の直線状導体は、その内部に冷却水流路が形成されて、高周波電源に接続されると共に冷却水供給装置に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱コイル。
【請求項3】
前記複数のコイル部は、その巻数が同一かもしくはワークの形態に応じて異なる如く設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の誘導加熱コイル。
【請求項4】
前記一対の直線状導体は、絶縁板を介して圧接された一対の銅板を有するホルダーに電気的及び機械的に接続されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の誘導加熱コイル。
【請求項5】
前記一対の直線状導体は、連結部を介してその長さが調整可能に形成されることにより、前記コイル部の数の増減が可能に構成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の誘導加熱コイル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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