誘導加熱調理器
【課題】長期間使用しても使用者が清掃を意識することなく、また外観を損なうことなく、塵埃の器体内部への侵入を防止でき、吸気口に塵埃が堆積するのを防ぎ、信頼性を向上させた誘導加熱調理器を提供する。
【解決手段】本体の上面に配置したトッププレート1と、該トッププレート1の下方に配置した加熱コイルと、該加熱コイルを駆動制御する基板と、前記加熱コイルと前記基板を冷却するファン装置を備えており、前記ファン装置に器体外部の空気を供給するために設けた吸気口と、前記吸気口の外側に埃の侵入を防止するフィルタ21と、該フィルタ21を清掃する清掃部材22と、該清掃部材22又は前記フィルタ21を動作させる作動装置を具備する。
【解決手段】本体の上面に配置したトッププレート1と、該トッププレート1の下方に配置した加熱コイルと、該加熱コイルを駆動制御する基板と、前記加熱コイルと前記基板を冷却するファン装置を備えており、前記ファン装置に器体外部の空気を供給するために設けた吸気口と、前記吸気口の外側に埃の侵入を防止するフィルタ21と、該フィルタ21を清掃する清掃部材22と、該清掃部材22又は前記フィルタ21を動作させる作動装置を具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誘導加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
誘導加熱調理器は、高周波電流を誘導加熱コイルに流して発生させた磁力線が、金属製鍋を通過する際、鍋底に発生する渦電流によるジュール熱を利用して加熱調理を行うものである。
このような誘導加熱調理器の加熱時には、鍋のみならず誘導加熱コイルや誘導加熱コイルを制御する制御基板上の電子部品が発熱するため、送風機から冷却風を送風して誘導加熱コイルや制御基板を冷却している。このため一般的には、調理器の外郭に送風機へ空気を取り込むための吸気口が設けられている。
【0003】
この吸気口は誘導加熱調理器によって様々な箇所に設けられるが、吸気口の位置によっては塵埃を吸引し、吸気口が塞がれてしまい冷却性能の低下や、内部部品の損傷の原因となる恐れがある。そのため従来の誘導加熱調理器では防塵フィルタを有しているものや吸気口に堆積した塵埃を取り除く機構を取り付けているものがある。
【0004】
防塵フィルタを有している誘導加熱調理器の一例として特許文献1がある。この特許文献1の図1に示されているように、本体12の下面に指が入らない程度の複数の小孔からなる吸気口13を設け、前記吸気口13の外側に前記吸気口13より径の小さい複数の小孔を設けた防塵フィルタ17を着脱自在に設けた誘導加熱調理器となっている。
【0005】
吸気口に堆積した塵埃を取り除く機構を有している誘導加熱調理器の一例として特許文献2がある。この特許文献2では同文献の図5又は図6等で説明されるように、本体前面に設けた開閉式の操作部18と操作部ケース20の隙間21を吸気口とすることにより、前記操作部18の開閉の際に隙間21に付着した埃を落とす機能と凸部22によって隙間21に付着堆積した埃をかきだす機能を有している誘導加熱調理器となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3246272号公報(第4項、図1)
【特許文献2】特開2010−55758号公報(第10項、図5、図6)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら特許文献1では、防塵フィルタに堆積した塵埃を使用者が定期的に清掃することが必要である。そのため、使用者が防塵フィルタを清掃せずに長期間使用した場合、防塵フィルタに堆積した塵埃が吸気口を封鎖しまい、送風機の冷却風量が低下させてしまい、加熱温度の調節機能や加熱出力を維持するなどの性能や冷却不足による電子部品の信頼性が損なわれるという課題を有していた。
【0008】
また特許文献2では、防塵フィルタを有していないため、吸気口に相当する隙間21に直接塵埃が付着してしまう。そのため特許文献2では前面操作部3の開閉操作にて隙間21に堆積した埃を落とす機能があるが、隙間21の壁面に接触して直接清掃するものではないため、堆積した埃を確実に落とすことができない可能性があった。また塵埃が操作部18の左右の側壁に付着した場合は、隙間21が5mm程度と狭いこともあり、開閉操作によって隙間21の左右が塵埃により塞がれる恐れがある。また埃をかきとる凸部22が隙間21の上側にしか設けられていないため、凸部22の左右や隙間21の下側に詰まった埃をかきだすことも難しく、隙間21に一度堆積した塵埃が器体内部へ侵入する恐れがある。さらに隙間21から吸気していることにより、塵埃が操作用押しボタン部23や器体前面の前面板21に付着し易く、機器の外観を損ねるという課題も有している。
【0009】
本発明の目的は、長期間使用しても使用者が清掃を意識することなく、また外観を損なうことなく、塵埃の器体内部への侵入を防止でき、吸気口に塵埃が堆積するのを防ぐことで信頼性を向上させた誘導加熱調理器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明は、本体の上面に配置したトッププレートと、このトッププレートの下方に配置した加熱コイルと、この加熱コイルを駆動制御する基板と、前記加熱コイルと前記基板を冷却するファン装置と、前記本体の前面側に出没する操作部とを備えた誘導加熱調理器において、前記ファン装置に外部の空気を供給するために設けた吸気口と、この吸気口から流入する前記空気に含まれた埃の侵入を防止するために設けられたフィルタと、このフィルタを清掃する清掃部材とを備え、この清掃部材又は前記フィルタを前記操作部の動作で作動させる作動装置を設けたものである。
【0011】
また上記目的を達成するために本発明は好ましくは、前記動作装置から前記清掃部材又は前記フィルタに動力を伝達する動力伝達手段を設けると良い。
【0012】
また上記目的を達成するために本発明は好ましくは、前記フィルタはフィルタ面の形状が円弧状であると良い。
【0013】
また上記目的を達成するために本発明は好ましくは、前記操作部は底辺部を回転軸として前記本体の前面側に回転して出没するとともに、前記清掃部材は前記回転軸と連結し、前記操作部の回転にともなって作動して前記フィルタを清掃すると良い。
【0014】
また上記目的を達成するために本発明は好ましくは、前記清掃部材は先端にブラシを取り付けた枠によって形成されると良い。
【0015】
また上記目的を達成するために本発明は好ましくは、前記清掃部材は前記枠を複数組み合わせてほぼ円筒形状となっていると良い。
【0016】
また上記目的を達成するために本発明は好ましくは、前記フィルタの一端は前記本体に弾性部材を介して接続され、他端は前記操作部の回転軸に取り付けられた歯車に接触するとともに、前記歯車の回転によって前記フィルタは振動すると良い。
【0017】
また上記目的を達成するために本発明は、本体の上面に配置したトッププレートと、このトッププレートの下方に配置した加熱コイルと、この加熱コイルを駆動制御する基板と、前記加熱コイルと前記基板を冷却するファン装置と、前記本体の前面側に出没するグリル庫用の扉とを備えた誘導加熱調理器において、前記ファン装置に外部の空気を供給するために設けた吸気口と、この吸気口から流入する前記空気に含まれた埃の侵入を防止するために設けられたフィルタと、このフィルタを清掃する清掃部材とを備え、この清掃部材又は前記フィルタを前記扉の動作で作動させる作動装置を設けたものである。
【0018】
また上記目的を達成するために本発明は好ましくは、前記扉は前記本体の内部方向に伸びるスライドレールを備えており、このスライドレールに取り付けられたラックと前記清掃部材に取り付けられた歯車とが接続されとともに、前記扉が開閉されることにより前記清掃部材が回転すると良い。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、長期間使用しても使用者が清掃を意識することなく、また外観を損なうことなく、塵埃の器体内部への侵入を防止でき、吸気口に塵埃が堆積するのを防ぐことで信頼性を向上させた誘導加熱調理器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る誘導加熱調理器の全体斜視図である。
【図2】本発明に係る誘導加熱調理器を分解した全体構成の斜視図である。
【図3】本発明に係る誘導加熱調理器の一部を切断した側面断面斜視図である。
【図4】本発明の実施例1に係る誘導加熱調理器の防塵フィルタなどを取り外した全体斜視図である。
【図5】本発明の実施例1に係る誘導加熱調理器の一部の側面部分断面図である。
【図6】本発明の実施例1に係る誘導加熱調理器の前面操作部を開けた側面部分断面図である。
【図7】本発明の実施例1に係る誘導加熱調理器に採用される防塵フィルタの斜視図である。
【図8】本発明の実施例1に係る誘導加熱調理器に採用される清掃部材の斜視図である。
【図9】本発明の実施例2に係る誘導加熱調理器の一部を切断した側面部分断面図である。
【図10】本発明の実施例2に係る誘導加熱調理器の一部を拡大した側面部分断面斜視図である。
【図11】本発明の実施例1に係る誘導加熱調理器の一部を拡大した側面部分断面図である。
【図12】本発明の実施例3に係る誘導加熱調理器に採用される清掃部材の斜視図である。
【図13】本発明の実施例4に係る誘導加熱調理器の部分断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、実施例1〜4に共通する部分を、図面を用いて説明する。
図1は、3つの誘導加熱部と1つのグリル庫を備え、システムキッチンに組み込んで使用される誘導加熱調理器の外観傾斜図である。図1中の矢印は吸気部と排気部における冷却風の流れを表している。
【0022】
図1において、ガラス製のトッププレート1は、本体2の上面に設けられ、鍋などの負荷が載置される。本体2前面左側にはグリル庫4が設けられており、その隣には誘導加熱部やグリル庫4を操作する前面操作部3が設けられている。また、トッププレート1の手前側には表示操作部5が配置しており、誘導加熱部の火力を操作できるとともに誘導加熱部の出力状態を液晶で表示し、使用者に加熱出力の強さを伝達する。前面操作部3の上部には電源スイッチ19が取り付けられている。
なお、図1に示した矢印は冷却空気の流れであるが、詳細は図3で説明する。
【0023】
図2は図1で説明した誘導加熱調理器の分解斜視図であり、トッププレート1や前面操作部3を本体から取り外し、インバータ基板と誘導加熱コイルの実装を示したものである。
【0024】
図3は図2に示した誘導加熱調理器は前面から見て右側の誘導加熱コイル6のほぼ中央で切断した内部断面図であり、図中の矢印は冷却風の流れを示す。なお図3は説明のために部分的に実施例1の形状を示しており、図2と図3では説明のために一部構成を省略している。
【0025】
図2、図3において、トッププレート1の下方には、右側の誘導加熱部に対応した誘導加熱コイル6、左側の誘導加熱部に対応した誘導加熱コイル7、中央後方の加熱部に対応した誘導加熱コイル8が取り付けられている。これら誘導加熱コイル6,7,8に高周波電流を流すことにより磁力線が発生し、負荷である鍋を加熱することになる。右側の誘導加熱コイル6の下方には、各誘導加熱コイル7,8を制御するインバータ基板9と、このインバータ基板9と各誘導加熱コイル7,8に冷却風を供給するファン装置10を収納した基板ケース11を配置されている。
【0026】
前面操作部3は操作部ケース20に納められており、その操作部ケース20底辺部と本体2の底辺部との間に設けられた隙間が吸気口16となる。この吸気口16とファン装置吸引口を接続する吸気ダクト18をキバンケース11の下面と本体2の間に設けており、吸気口16から吸気された冷却空気は、吸気ダクト18を通って図3に示す矢印のようにファン装置吸引口14へと供給される。吸気口16には詳細は後述するが、防塵フィルタ21が取り付けられている。
【0027】
基板ケース11内部の後背部には、ファン12(ターボファン)を備えたファン装置10が設けられていて、ファン12をモータ13で駆動し冷却風を送風する。このファン装置10は、図3に示すようにファン装置吸気口14から吸気を行い、複数個の吐出口15から排気を行うものである。本実施例では、2つの吐出口15を設けた例を示すが、電子基板や誘導加熱コイルの数や発熱量に応じて、3つ以上の開口部を設けても良い。
なお、本実施例では、ファン12として、ファン内径/ファン外径が0.4〜0.7、羽根の出口角度が110度以下、羽根の枚数が15枚以下のターボファンを例に説明を行うが、軸流ファンや多翼ファンなどを用いても良く、ファンの位置についても本実施例以外の位置に配置してもよい。
【0028】
次に、本実施例における冷却風の流れについて説明する。
図3に示すように前面操作部3が収められた操作部ケース20と本体2の底面間に設けられた吸気口16は、本体2内部の冷却風の入口となる。
なお、ここでは吸気口16を本体2前面の前面操作部3の下方に設けたが、本体の背面や側面などに設けてもよい。
【0029】
この吸気口16から吸気された冷却風は、吸気ダクト18を通って、ファン装置吸込口14に導かれる。ファン装置吸込口14より取り込まれた空気は、ファンモータ13の駆動によるファン12が回転することで、ファン12内で90度流れの偏向をした後、ファン装置10内でさらに90度流れを偏向し、吐出口15から吐き出される。ファン装置10の下流側には、各誘導加熱コイルに対応したインバータ基板9を積み重ねて配置しており、ファン装置10から吹き出した冷却風は、図3の矢印に示すように、インバータ基板9や各誘導加熱コイルを冷却する。インバータ基板9及び各誘導加熱コイルを冷却した冷却風は、本体2後部上面に設けられた排気口17を抜けて外部に排出される。図2に示すように、本実施例では排気口17の開口穴は2つであるが、風量、圧損などに応じて1つにしても、3つ以上開けてもよい。
【0030】
以上の構成において、鍋を右側の誘導加熱部上に載置して調理する場合の全体の動作を簡単に説明する。
まず、右側の誘導加熱コイル6上方のトッププレート1上に鍋(図示せず)を載置し、電源スイッチ20をオンし、右側の誘導加熱部に対応した出力調整を表示操作部5で出力を調節する。インバータ基板9の制御部は、右の誘導加熱コイル6に高周波電流を流し、誘導加熱コイル6から磁力線を発生させ、鍋を加熱すると同時に、制御部はファン12も駆動する。駆動したファン12は、吸気口16から冷却するための空気を吸気し、冷却風をインバータ基板9及び各誘導加熱コイルに吹付けることにより冷却する。その後、本体2のトッププレート上後部に設けられた排気口17から外気に排気される。
【0031】
つまり、図1又は図3の矢印で示すように、吸気口16から吸い込まれた空気はインバータ基板9及び各誘導加熱コイルを冷却した後、排気口17から外気に放出される。
【0032】
さて、上述したが吸気口16は誘導加熱調理器周囲の空気を取り込んでいるため空気と一緒に空気中の塵埃まで吸い込んでしまう。吸い込んでしまった塵埃は吸気ダクト18を通り、冷却すべきインバータ基板9に堆積してしまい電気的障害を引き起こす可能性があった。
【0033】
そこで本発明の発明者らは前面操作部の動きや、グリル庫の扉の動きを利用して吸気フィルタに付着した塵埃を掻き落とすことを考えた結果、以下のごとき実施例を得た。
【0034】
以下、本発明に係る塵埃掻き落とし構造を図にしたがって詳細について説明する。
【実施例1】
【0035】
図4は実施例1における前面操作部3の開状態と、防塵フィルタ21と清掃部材22の位置を説明するための分解斜視図であり、前面操作部3と防塵フィルタ21を取り外した状態を示す。
【0036】
また図5、図6は本実施例における前面操作部3の開閉動作に伴って、防塵フィルタ21を清掃部材22が清掃する作用を説明するためのものである。図5は前面操作部3が閉じられている状態、図6は前面操作部3を全開にした様子を示している。説明のために一部省略している部分がある。
【0037】
さらに図7、図8は防塵フィルタ21と清掃部材22の形状を説明するためのものである。図7の破線は防塵フィルタ全体にわたって開口されている小孔を簡便のため省略していることを示す。図8に示す矢印は吸気の流れを示す。
【0038】
図4又は図5、図6において、本実施例では前面操作部3は図5,図6,図7,図8に示した固定ピン23によって下端部を操作部ケース20に取り付けられており、固定ピン23を中心にして回動して操作面が使用者側に露出するようになっている。防塵フィルタ21は、図7に示すように円弧状の面に複数の小孔を設けたものであり、図4に示すように、前面操作部3の前端より内側に、吸気口16より外側に、吸気口16を覆うように固定して設けられている。
【0039】
本実施例では防塵フィルタ21の円弧の中心は固定ピン23の軸中心とし、小孔の径は3mm程度のもので、開口率が50%程度の打抜金網を用いている。
【0040】
清掃部材22は図8に示すようなフレーム状の構造体(枠)によって開口22aが形成されている。この清掃部材22は前面操作部3の下部に器体内側へ突出した形で固定されているが、図8の矢印で吸気流路を示す通り、開口22aを設けたので前面操作部3の回動中に清掃部材22がどの場所に位置していても吸気を妨げない構造となっている。また清掃部材22の先端部24は5mm程度の長さの複数の毛羽からなるブラシ24aが取り付けられている。
【0041】
まず防塵フィルタ21を設けたことよる作用を説明する。
防塵フィルタ21は複数の小孔を設けていることにより冷却風と共に吸気された塵埃を分離、捕獲し、機体内部への侵入を防止することができる。
本実施例では複数の小孔を開口したものを用いているが、メッシュ状の金網や複数のスリットを設けたものなどでもよい。また前面操作部3の前面よりも器体の内側に設けているために、捕獲した塵埃が防塵フィルタ21の表面に付着堆積しても、前面操作部3に隠れて外観を損なうことがない。さらに後述の様に、防塵フィルタ21を円弧状にすることによって清掃部材22が清掃する際にブラシに加わる力が一定となり、よりいっそう清掃性を高めている。
【0042】
次に清掃部材22を設けたことによる作用を説明する。
機器を操作するために前面操作部3を回動開閉した際、清掃部材22は前面操作部3に固定されているため、回動開閉と同時に清掃部材22も回動する。この前面操作部3の回動運動により清掃部材22の先端部24に取り付けられたブラシ24aが円弧状の軌跡を描いて動く。この動きは防塵フィルタ21の円弧半径をその軌跡と同じ円弧半径にすることになるため、清掃部材22の回動の際に防塵フィルタ21の機体外面側に付着した塵埃を防塵フィルタ21の塵埃が付着する面にそって、一定の力でこすり落とすことができる。すなわち、清掃部材22を設けることにより、前面操作部3を操作する際の動力を利用して、防塵フィルタ21を清掃することができる。つまり、使用者は前面操作部3を開閉動作させるたびに、気付かないうちに防塵フィルタ21の清掃が行われることになる。
【0043】
以上のごとく本実施例によれば、防塵フィルタを清掃するための動力発生装置を新たに追加する必要がなく、また使用者は機器を操作するために前面操作部3を動作させることができる。この動作によって使用者に防塵フィルタ21を清掃していることを意識させることなく、防塵フィルタ21を清掃することを可能である。
【0044】
また特許文献1の様に、使用者が防塵フィルタを取り外し清掃する必要がないために、防塵フィルタ21を外観が損なわない様に視認性のない場所に設置しても問題なく清掃することができる。さらに清掃部材22はフレーム状による開口22aを設けたことにより、清掃部材が可動範囲のどの位置に来ても気流路を妨げるばかりでなく、簡単な構造で清掃部材22を前面操作部3に接続することができる。また、清掃部材22によって防塵フィルタ21から取り除かれた塵埃を器体外へ落とし、排出することもより容易に行うことができる。
【実施例2】
【0045】
図9、図10に実施例2の構成を示す。
実施例2は、実施例1の防塵フィルタ21と清掃部材22に代え、防塵フィルタ21bと動力伝達装置25を用いた変形例であり、実施例1と同等の構成には同一符号を付し説明を省略することとする。
【0046】
図9は図10に示す本実施例の構成を示すために歯車の周方向を含む平面で切断したものである。
【0047】
図9、図10において、防塵フィルタ21bは図10に示すように、複数の小孔を開口した板状形状となっている。この防塵フィルタ21bと本体との接続部には板ばね26gは取り付けられている。この板ばね26gによって防塵フィルタ21bを前面操作部3の前端より内側に、吸気口16より外側に位置して本体2の下面から吸気口16を覆うように傾斜させて押し付けるようになっている。防塵フィルタ21bの他方の辺は操作部ケース20の側壁に取り付けられた第2の歯車28に接触している。この第2の歯車28は第1の歯車27を介して操作部ケース20の側壁に取り付けられたラック29に噛み合っている。これらの歯車27と28及びラック29を動力伝達装置25という。
【0048】
本実施例による防塵フィルタ21bに形成された小孔の径は3mm程度のもので、開口率が50%程度の打抜金網を用いている。また動力伝達装置25は前面操作部3の開閉動作を防塵フィルタ21bに伝えるためのもので、第1の歯車27、第2の歯車28とラック29からなる。ラック29は前面操作部3の側面に固定されており、前面操作部3の開閉操作と同時に作動する。第1の歯車27と第2の歯車28は操作部ケース20に固定された回転軸を中心に回転する。前面操作部3が回動する際、ラック29は第1の歯車27を回転させ、第1の歯車27は第2の歯車28を回転させる。第2の歯車28は防塵フィルタ21bの端部を動かし、ある程度端部が変位すると、第2の歯車28から防塵フィルタ21bの端部が離れて、板ばね26の復元力により防塵フィルタ21bは元の位置に戻る。この往復運動により、防塵フィルタ21bを振動させて、防塵フィルタ21bの集塵面に堆積した塵埃を器体下側に落とすことができる。
【0049】
以上ごとく本実施例によれば、防塵フィルタ21b自体を振動させて清掃を行うため、防塵フィルタの付近に清掃部材のような清掃装置を設ける必要がなく、防塵フィルタまわりを単純化できることによって、吸気圧損を低減することができる。さらに防塵フィルタ21bをその集塵面を下側に向け、鉛直面に対し斜めに傾斜して取りつけることにより、塵埃がフィルタ面から落下し易くすることができる。また動力伝達装置25を設けることにより、前面操作部3が開く際に急激に回動するのを抑えるダンピングの効果が得られる。これにより前面操作部3が穏やかに開閉し、部品耐久性や使いやすさを向上させることができる。
【実施例3】
【0050】
図11に実施例3の構成を示す。
実施例3は、実施例1の清掃部材22に代え、清掃部材22cと動力伝達装置25cを用いた変形例であり、実施例1と同等の構成には同一符号を付し説明を省略することとする。
【0051】
清掃部材22cは図12に示すようにフレーム(枠)の先端にブラシ22dを取りつけたものを複数組み合わせた円筒形の形状のもので、防塵フィルタ21より外側に円筒の中心軸を中心に回転するように設けられている。先端に設けられたブラシ22dは5mm程度の長さの複数の毛羽からなっている。またブラシ22d間は開口22eとなっているので、フレーム間を通る吸気流を妨げることはない。
【0052】
動力伝達装置25cは前面操作部3の開閉動作を清掃部材22cに伝えるためのもので、第1の歯車27c、第2の歯車28c、第3の歯車30cとラック29cからなる。ラック29cは前面操作部3の側面に固定されており、前面操作部3の開閉操作と同時に作動する。第1の歯車27cと第2の歯車28cは操作部ケース20に固定された回転軸を中心に回転する。
【0053】
前面操作部3が回動する際、ラック29cは第1の歯車27cを回転させ、第1の歯車27cは第2の歯車28cを回転させる。第2の歯車28cはさらに清掃部材22cに取りつけられた第3の歯車30cを回転させて、清掃部材22cを回転させることになる。このとき、第1の歯車27c、第2の歯車28c、第3の歯車30cの歯数を調節し、前面操作部3が完全に開いた状態になるまでに、清掃部材22cが複数回回転するようにする。
【0054】
以上ごとく本実施例によれば、清掃部材22cが少なくとも一回転すると、清掃部材22cに設けた複数個のブラシが防塵フィルタ21を清掃するので、防塵フィルタ21の表面に付着した塵埃をブラシで払い落す回数が増え、より清掃性を向上することができる。
【実施例4】
【0055】
図13に実施例4の構成を示す。
実施例4は、実施例3の前面操作部3と動力伝達装置25cに代え、スライドレール32と動力伝達装置25dを用いた変形例であり、実施例3と同等の構成には同一符号を付し説明を省略することとする。
【0056】
図13において、スライドレール32から動力伝達装置25dを使って清掃部材22cを回転させる機構を説明するためのもので、前面操作部3と操作部ケース20を取り外しており、グリル庫を部分的に切り欠いている部分断面図としている。また簡便のために一部省略している。
【0057】
スライドレール32は図11に示すように、グリルドア31を開閉するためのものであり、前後に可動するレールとその収納部をグリル庫4の左右下方に1個ずつ設け、グリルドア31に接続されている。動力伝達装置25dは、開閉式のグリルドア31の開閉動作時の動力を防塵フィルタ21bに伝達するための装置であり、スライドレール32に取り付けられたラック29dと清掃部材22cに取りつけられた歯車30dからなる。
【0058】
グリルドアを開閉すると、スライドレール32が前後に移動し、同時にスライドレールに固定されたラック29dも前後に移動する。ラック29dは歯車30dに動力を伝達し回転させ、歯車30dに取り付けられた清掃部材22cを回転させることによって、清掃部材22c(本実施例に記載した清掃部材は図12の清掃部材とほぼ同等品)に設けられた複数のブラシ(図示せず)が防塵フィルタ21を清掃するようになっている。
【0059】
すなわち、本実施例では清掃部材22cを動作させる動力としてグリルドア31を開閉する際の動力を利用するものである。グリルドア31の開閉はスライドレールの全長が約300mm程度と長いため、可動範囲が広く、一度の開閉動作で清掃部材をより多く回転することができ、清掃性を高めることができる。
【0060】
またスライドレール32がグリル庫内奥、すなわち器体内部まで到達しているため、動力を取り出す位置が限られず、また器体背面に吸気口を開口した場合に於いてもそれに対応した防塵フィルタを設けることが考えられるが、このような場合に於いてもグリルドア31をその防塵フィルタ21を清掃する動力源とすることができる。本実施例では実施例3の変形例を示したが、同様に実施例2の防塵フィルタ21bをグリルドア31の開閉動作を利用して動作させてもよい。
【符号の説明】
【0061】
1…トッププレート、2…本体、3…前面操作部、4…グリル庫、5…表示操作部、6…誘導加熱コイル(右)、7…誘導加熱コイル(左)、8…誘導加熱コイル(中央)、9…インバータ基板、10…ファン装置、11…基盤ケース、12…ファン、13…ファンケース14…ファン装置吸引口、15…吐出口、16…吸気口、17…排気口、18…吸気ダクト、19…電源スイッチ、20…操作部ケース、21…防塵フィルタ、22…清掃部材、23…固定ピン、24…先端部、25…動力伝達装置、26…板ばね、27…第1の歯車、28…第2の歯車、29…ラック、30…第3の歯車、31…グリルドア、32…スライドレール。
【技術分野】
【0001】
本発明は、誘導加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
誘導加熱調理器は、高周波電流を誘導加熱コイルに流して発生させた磁力線が、金属製鍋を通過する際、鍋底に発生する渦電流によるジュール熱を利用して加熱調理を行うものである。
このような誘導加熱調理器の加熱時には、鍋のみならず誘導加熱コイルや誘導加熱コイルを制御する制御基板上の電子部品が発熱するため、送風機から冷却風を送風して誘導加熱コイルや制御基板を冷却している。このため一般的には、調理器の外郭に送風機へ空気を取り込むための吸気口が設けられている。
【0003】
この吸気口は誘導加熱調理器によって様々な箇所に設けられるが、吸気口の位置によっては塵埃を吸引し、吸気口が塞がれてしまい冷却性能の低下や、内部部品の損傷の原因となる恐れがある。そのため従来の誘導加熱調理器では防塵フィルタを有しているものや吸気口に堆積した塵埃を取り除く機構を取り付けているものがある。
【0004】
防塵フィルタを有している誘導加熱調理器の一例として特許文献1がある。この特許文献1の図1に示されているように、本体12の下面に指が入らない程度の複数の小孔からなる吸気口13を設け、前記吸気口13の外側に前記吸気口13より径の小さい複数の小孔を設けた防塵フィルタ17を着脱自在に設けた誘導加熱調理器となっている。
【0005】
吸気口に堆積した塵埃を取り除く機構を有している誘導加熱調理器の一例として特許文献2がある。この特許文献2では同文献の図5又は図6等で説明されるように、本体前面に設けた開閉式の操作部18と操作部ケース20の隙間21を吸気口とすることにより、前記操作部18の開閉の際に隙間21に付着した埃を落とす機能と凸部22によって隙間21に付着堆積した埃をかきだす機能を有している誘導加熱調理器となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3246272号公報(第4項、図1)
【特許文献2】特開2010−55758号公報(第10項、図5、図6)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら特許文献1では、防塵フィルタに堆積した塵埃を使用者が定期的に清掃することが必要である。そのため、使用者が防塵フィルタを清掃せずに長期間使用した場合、防塵フィルタに堆積した塵埃が吸気口を封鎖しまい、送風機の冷却風量が低下させてしまい、加熱温度の調節機能や加熱出力を維持するなどの性能や冷却不足による電子部品の信頼性が損なわれるという課題を有していた。
【0008】
また特許文献2では、防塵フィルタを有していないため、吸気口に相当する隙間21に直接塵埃が付着してしまう。そのため特許文献2では前面操作部3の開閉操作にて隙間21に堆積した埃を落とす機能があるが、隙間21の壁面に接触して直接清掃するものではないため、堆積した埃を確実に落とすことができない可能性があった。また塵埃が操作部18の左右の側壁に付着した場合は、隙間21が5mm程度と狭いこともあり、開閉操作によって隙間21の左右が塵埃により塞がれる恐れがある。また埃をかきとる凸部22が隙間21の上側にしか設けられていないため、凸部22の左右や隙間21の下側に詰まった埃をかきだすことも難しく、隙間21に一度堆積した塵埃が器体内部へ侵入する恐れがある。さらに隙間21から吸気していることにより、塵埃が操作用押しボタン部23や器体前面の前面板21に付着し易く、機器の外観を損ねるという課題も有している。
【0009】
本発明の目的は、長期間使用しても使用者が清掃を意識することなく、また外観を損なうことなく、塵埃の器体内部への侵入を防止でき、吸気口に塵埃が堆積するのを防ぐことで信頼性を向上させた誘導加熱調理器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明は、本体の上面に配置したトッププレートと、このトッププレートの下方に配置した加熱コイルと、この加熱コイルを駆動制御する基板と、前記加熱コイルと前記基板を冷却するファン装置と、前記本体の前面側に出没する操作部とを備えた誘導加熱調理器において、前記ファン装置に外部の空気を供給するために設けた吸気口と、この吸気口から流入する前記空気に含まれた埃の侵入を防止するために設けられたフィルタと、このフィルタを清掃する清掃部材とを備え、この清掃部材又は前記フィルタを前記操作部の動作で作動させる作動装置を設けたものである。
【0011】
また上記目的を達成するために本発明は好ましくは、前記動作装置から前記清掃部材又は前記フィルタに動力を伝達する動力伝達手段を設けると良い。
【0012】
また上記目的を達成するために本発明は好ましくは、前記フィルタはフィルタ面の形状が円弧状であると良い。
【0013】
また上記目的を達成するために本発明は好ましくは、前記操作部は底辺部を回転軸として前記本体の前面側に回転して出没するとともに、前記清掃部材は前記回転軸と連結し、前記操作部の回転にともなって作動して前記フィルタを清掃すると良い。
【0014】
また上記目的を達成するために本発明は好ましくは、前記清掃部材は先端にブラシを取り付けた枠によって形成されると良い。
【0015】
また上記目的を達成するために本発明は好ましくは、前記清掃部材は前記枠を複数組み合わせてほぼ円筒形状となっていると良い。
【0016】
また上記目的を達成するために本発明は好ましくは、前記フィルタの一端は前記本体に弾性部材を介して接続され、他端は前記操作部の回転軸に取り付けられた歯車に接触するとともに、前記歯車の回転によって前記フィルタは振動すると良い。
【0017】
また上記目的を達成するために本発明は、本体の上面に配置したトッププレートと、このトッププレートの下方に配置した加熱コイルと、この加熱コイルを駆動制御する基板と、前記加熱コイルと前記基板を冷却するファン装置と、前記本体の前面側に出没するグリル庫用の扉とを備えた誘導加熱調理器において、前記ファン装置に外部の空気を供給するために設けた吸気口と、この吸気口から流入する前記空気に含まれた埃の侵入を防止するために設けられたフィルタと、このフィルタを清掃する清掃部材とを備え、この清掃部材又は前記フィルタを前記扉の動作で作動させる作動装置を設けたものである。
【0018】
また上記目的を達成するために本発明は好ましくは、前記扉は前記本体の内部方向に伸びるスライドレールを備えており、このスライドレールに取り付けられたラックと前記清掃部材に取り付けられた歯車とが接続されとともに、前記扉が開閉されることにより前記清掃部材が回転すると良い。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、長期間使用しても使用者が清掃を意識することなく、また外観を損なうことなく、塵埃の器体内部への侵入を防止でき、吸気口に塵埃が堆積するのを防ぐことで信頼性を向上させた誘導加熱調理器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る誘導加熱調理器の全体斜視図である。
【図2】本発明に係る誘導加熱調理器を分解した全体構成の斜視図である。
【図3】本発明に係る誘導加熱調理器の一部を切断した側面断面斜視図である。
【図4】本発明の実施例1に係る誘導加熱調理器の防塵フィルタなどを取り外した全体斜視図である。
【図5】本発明の実施例1に係る誘導加熱調理器の一部の側面部分断面図である。
【図6】本発明の実施例1に係る誘導加熱調理器の前面操作部を開けた側面部分断面図である。
【図7】本発明の実施例1に係る誘導加熱調理器に採用される防塵フィルタの斜視図である。
【図8】本発明の実施例1に係る誘導加熱調理器に採用される清掃部材の斜視図である。
【図9】本発明の実施例2に係る誘導加熱調理器の一部を切断した側面部分断面図である。
【図10】本発明の実施例2に係る誘導加熱調理器の一部を拡大した側面部分断面斜視図である。
【図11】本発明の実施例1に係る誘導加熱調理器の一部を拡大した側面部分断面図である。
【図12】本発明の実施例3に係る誘導加熱調理器に採用される清掃部材の斜視図である。
【図13】本発明の実施例4に係る誘導加熱調理器の部分断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、実施例1〜4に共通する部分を、図面を用いて説明する。
図1は、3つの誘導加熱部と1つのグリル庫を備え、システムキッチンに組み込んで使用される誘導加熱調理器の外観傾斜図である。図1中の矢印は吸気部と排気部における冷却風の流れを表している。
【0022】
図1において、ガラス製のトッププレート1は、本体2の上面に設けられ、鍋などの負荷が載置される。本体2前面左側にはグリル庫4が設けられており、その隣には誘導加熱部やグリル庫4を操作する前面操作部3が設けられている。また、トッププレート1の手前側には表示操作部5が配置しており、誘導加熱部の火力を操作できるとともに誘導加熱部の出力状態を液晶で表示し、使用者に加熱出力の強さを伝達する。前面操作部3の上部には電源スイッチ19が取り付けられている。
なお、図1に示した矢印は冷却空気の流れであるが、詳細は図3で説明する。
【0023】
図2は図1で説明した誘導加熱調理器の分解斜視図であり、トッププレート1や前面操作部3を本体から取り外し、インバータ基板と誘導加熱コイルの実装を示したものである。
【0024】
図3は図2に示した誘導加熱調理器は前面から見て右側の誘導加熱コイル6のほぼ中央で切断した内部断面図であり、図中の矢印は冷却風の流れを示す。なお図3は説明のために部分的に実施例1の形状を示しており、図2と図3では説明のために一部構成を省略している。
【0025】
図2、図3において、トッププレート1の下方には、右側の誘導加熱部に対応した誘導加熱コイル6、左側の誘導加熱部に対応した誘導加熱コイル7、中央後方の加熱部に対応した誘導加熱コイル8が取り付けられている。これら誘導加熱コイル6,7,8に高周波電流を流すことにより磁力線が発生し、負荷である鍋を加熱することになる。右側の誘導加熱コイル6の下方には、各誘導加熱コイル7,8を制御するインバータ基板9と、このインバータ基板9と各誘導加熱コイル7,8に冷却風を供給するファン装置10を収納した基板ケース11を配置されている。
【0026】
前面操作部3は操作部ケース20に納められており、その操作部ケース20底辺部と本体2の底辺部との間に設けられた隙間が吸気口16となる。この吸気口16とファン装置吸引口を接続する吸気ダクト18をキバンケース11の下面と本体2の間に設けており、吸気口16から吸気された冷却空気は、吸気ダクト18を通って図3に示す矢印のようにファン装置吸引口14へと供給される。吸気口16には詳細は後述するが、防塵フィルタ21が取り付けられている。
【0027】
基板ケース11内部の後背部には、ファン12(ターボファン)を備えたファン装置10が設けられていて、ファン12をモータ13で駆動し冷却風を送風する。このファン装置10は、図3に示すようにファン装置吸気口14から吸気を行い、複数個の吐出口15から排気を行うものである。本実施例では、2つの吐出口15を設けた例を示すが、電子基板や誘導加熱コイルの数や発熱量に応じて、3つ以上の開口部を設けても良い。
なお、本実施例では、ファン12として、ファン内径/ファン外径が0.4〜0.7、羽根の出口角度が110度以下、羽根の枚数が15枚以下のターボファンを例に説明を行うが、軸流ファンや多翼ファンなどを用いても良く、ファンの位置についても本実施例以外の位置に配置してもよい。
【0028】
次に、本実施例における冷却風の流れについて説明する。
図3に示すように前面操作部3が収められた操作部ケース20と本体2の底面間に設けられた吸気口16は、本体2内部の冷却風の入口となる。
なお、ここでは吸気口16を本体2前面の前面操作部3の下方に設けたが、本体の背面や側面などに設けてもよい。
【0029】
この吸気口16から吸気された冷却風は、吸気ダクト18を通って、ファン装置吸込口14に導かれる。ファン装置吸込口14より取り込まれた空気は、ファンモータ13の駆動によるファン12が回転することで、ファン12内で90度流れの偏向をした後、ファン装置10内でさらに90度流れを偏向し、吐出口15から吐き出される。ファン装置10の下流側には、各誘導加熱コイルに対応したインバータ基板9を積み重ねて配置しており、ファン装置10から吹き出した冷却風は、図3の矢印に示すように、インバータ基板9や各誘導加熱コイルを冷却する。インバータ基板9及び各誘導加熱コイルを冷却した冷却風は、本体2後部上面に設けられた排気口17を抜けて外部に排出される。図2に示すように、本実施例では排気口17の開口穴は2つであるが、風量、圧損などに応じて1つにしても、3つ以上開けてもよい。
【0030】
以上の構成において、鍋を右側の誘導加熱部上に載置して調理する場合の全体の動作を簡単に説明する。
まず、右側の誘導加熱コイル6上方のトッププレート1上に鍋(図示せず)を載置し、電源スイッチ20をオンし、右側の誘導加熱部に対応した出力調整を表示操作部5で出力を調節する。インバータ基板9の制御部は、右の誘導加熱コイル6に高周波電流を流し、誘導加熱コイル6から磁力線を発生させ、鍋を加熱すると同時に、制御部はファン12も駆動する。駆動したファン12は、吸気口16から冷却するための空気を吸気し、冷却風をインバータ基板9及び各誘導加熱コイルに吹付けることにより冷却する。その後、本体2のトッププレート上後部に設けられた排気口17から外気に排気される。
【0031】
つまり、図1又は図3の矢印で示すように、吸気口16から吸い込まれた空気はインバータ基板9及び各誘導加熱コイルを冷却した後、排気口17から外気に放出される。
【0032】
さて、上述したが吸気口16は誘導加熱調理器周囲の空気を取り込んでいるため空気と一緒に空気中の塵埃まで吸い込んでしまう。吸い込んでしまった塵埃は吸気ダクト18を通り、冷却すべきインバータ基板9に堆積してしまい電気的障害を引き起こす可能性があった。
【0033】
そこで本発明の発明者らは前面操作部の動きや、グリル庫の扉の動きを利用して吸気フィルタに付着した塵埃を掻き落とすことを考えた結果、以下のごとき実施例を得た。
【0034】
以下、本発明に係る塵埃掻き落とし構造を図にしたがって詳細について説明する。
【実施例1】
【0035】
図4は実施例1における前面操作部3の開状態と、防塵フィルタ21と清掃部材22の位置を説明するための分解斜視図であり、前面操作部3と防塵フィルタ21を取り外した状態を示す。
【0036】
また図5、図6は本実施例における前面操作部3の開閉動作に伴って、防塵フィルタ21を清掃部材22が清掃する作用を説明するためのものである。図5は前面操作部3が閉じられている状態、図6は前面操作部3を全開にした様子を示している。説明のために一部省略している部分がある。
【0037】
さらに図7、図8は防塵フィルタ21と清掃部材22の形状を説明するためのものである。図7の破線は防塵フィルタ全体にわたって開口されている小孔を簡便のため省略していることを示す。図8に示す矢印は吸気の流れを示す。
【0038】
図4又は図5、図6において、本実施例では前面操作部3は図5,図6,図7,図8に示した固定ピン23によって下端部を操作部ケース20に取り付けられており、固定ピン23を中心にして回動して操作面が使用者側に露出するようになっている。防塵フィルタ21は、図7に示すように円弧状の面に複数の小孔を設けたものであり、図4に示すように、前面操作部3の前端より内側に、吸気口16より外側に、吸気口16を覆うように固定して設けられている。
【0039】
本実施例では防塵フィルタ21の円弧の中心は固定ピン23の軸中心とし、小孔の径は3mm程度のもので、開口率が50%程度の打抜金網を用いている。
【0040】
清掃部材22は図8に示すようなフレーム状の構造体(枠)によって開口22aが形成されている。この清掃部材22は前面操作部3の下部に器体内側へ突出した形で固定されているが、図8の矢印で吸気流路を示す通り、開口22aを設けたので前面操作部3の回動中に清掃部材22がどの場所に位置していても吸気を妨げない構造となっている。また清掃部材22の先端部24は5mm程度の長さの複数の毛羽からなるブラシ24aが取り付けられている。
【0041】
まず防塵フィルタ21を設けたことよる作用を説明する。
防塵フィルタ21は複数の小孔を設けていることにより冷却風と共に吸気された塵埃を分離、捕獲し、機体内部への侵入を防止することができる。
本実施例では複数の小孔を開口したものを用いているが、メッシュ状の金網や複数のスリットを設けたものなどでもよい。また前面操作部3の前面よりも器体の内側に設けているために、捕獲した塵埃が防塵フィルタ21の表面に付着堆積しても、前面操作部3に隠れて外観を損なうことがない。さらに後述の様に、防塵フィルタ21を円弧状にすることによって清掃部材22が清掃する際にブラシに加わる力が一定となり、よりいっそう清掃性を高めている。
【0042】
次に清掃部材22を設けたことによる作用を説明する。
機器を操作するために前面操作部3を回動開閉した際、清掃部材22は前面操作部3に固定されているため、回動開閉と同時に清掃部材22も回動する。この前面操作部3の回動運動により清掃部材22の先端部24に取り付けられたブラシ24aが円弧状の軌跡を描いて動く。この動きは防塵フィルタ21の円弧半径をその軌跡と同じ円弧半径にすることになるため、清掃部材22の回動の際に防塵フィルタ21の機体外面側に付着した塵埃を防塵フィルタ21の塵埃が付着する面にそって、一定の力でこすり落とすことができる。すなわち、清掃部材22を設けることにより、前面操作部3を操作する際の動力を利用して、防塵フィルタ21を清掃することができる。つまり、使用者は前面操作部3を開閉動作させるたびに、気付かないうちに防塵フィルタ21の清掃が行われることになる。
【0043】
以上のごとく本実施例によれば、防塵フィルタを清掃するための動力発生装置を新たに追加する必要がなく、また使用者は機器を操作するために前面操作部3を動作させることができる。この動作によって使用者に防塵フィルタ21を清掃していることを意識させることなく、防塵フィルタ21を清掃することを可能である。
【0044】
また特許文献1の様に、使用者が防塵フィルタを取り外し清掃する必要がないために、防塵フィルタ21を外観が損なわない様に視認性のない場所に設置しても問題なく清掃することができる。さらに清掃部材22はフレーム状による開口22aを設けたことにより、清掃部材が可動範囲のどの位置に来ても気流路を妨げるばかりでなく、簡単な構造で清掃部材22を前面操作部3に接続することができる。また、清掃部材22によって防塵フィルタ21から取り除かれた塵埃を器体外へ落とし、排出することもより容易に行うことができる。
【実施例2】
【0045】
図9、図10に実施例2の構成を示す。
実施例2は、実施例1の防塵フィルタ21と清掃部材22に代え、防塵フィルタ21bと動力伝達装置25を用いた変形例であり、実施例1と同等の構成には同一符号を付し説明を省略することとする。
【0046】
図9は図10に示す本実施例の構成を示すために歯車の周方向を含む平面で切断したものである。
【0047】
図9、図10において、防塵フィルタ21bは図10に示すように、複数の小孔を開口した板状形状となっている。この防塵フィルタ21bと本体との接続部には板ばね26gは取り付けられている。この板ばね26gによって防塵フィルタ21bを前面操作部3の前端より内側に、吸気口16より外側に位置して本体2の下面から吸気口16を覆うように傾斜させて押し付けるようになっている。防塵フィルタ21bの他方の辺は操作部ケース20の側壁に取り付けられた第2の歯車28に接触している。この第2の歯車28は第1の歯車27を介して操作部ケース20の側壁に取り付けられたラック29に噛み合っている。これらの歯車27と28及びラック29を動力伝達装置25という。
【0048】
本実施例による防塵フィルタ21bに形成された小孔の径は3mm程度のもので、開口率が50%程度の打抜金網を用いている。また動力伝達装置25は前面操作部3の開閉動作を防塵フィルタ21bに伝えるためのもので、第1の歯車27、第2の歯車28とラック29からなる。ラック29は前面操作部3の側面に固定されており、前面操作部3の開閉操作と同時に作動する。第1の歯車27と第2の歯車28は操作部ケース20に固定された回転軸を中心に回転する。前面操作部3が回動する際、ラック29は第1の歯車27を回転させ、第1の歯車27は第2の歯車28を回転させる。第2の歯車28は防塵フィルタ21bの端部を動かし、ある程度端部が変位すると、第2の歯車28から防塵フィルタ21bの端部が離れて、板ばね26の復元力により防塵フィルタ21bは元の位置に戻る。この往復運動により、防塵フィルタ21bを振動させて、防塵フィルタ21bの集塵面に堆積した塵埃を器体下側に落とすことができる。
【0049】
以上ごとく本実施例によれば、防塵フィルタ21b自体を振動させて清掃を行うため、防塵フィルタの付近に清掃部材のような清掃装置を設ける必要がなく、防塵フィルタまわりを単純化できることによって、吸気圧損を低減することができる。さらに防塵フィルタ21bをその集塵面を下側に向け、鉛直面に対し斜めに傾斜して取りつけることにより、塵埃がフィルタ面から落下し易くすることができる。また動力伝達装置25を設けることにより、前面操作部3が開く際に急激に回動するのを抑えるダンピングの効果が得られる。これにより前面操作部3が穏やかに開閉し、部品耐久性や使いやすさを向上させることができる。
【実施例3】
【0050】
図11に実施例3の構成を示す。
実施例3は、実施例1の清掃部材22に代え、清掃部材22cと動力伝達装置25cを用いた変形例であり、実施例1と同等の構成には同一符号を付し説明を省略することとする。
【0051】
清掃部材22cは図12に示すようにフレーム(枠)の先端にブラシ22dを取りつけたものを複数組み合わせた円筒形の形状のもので、防塵フィルタ21より外側に円筒の中心軸を中心に回転するように設けられている。先端に設けられたブラシ22dは5mm程度の長さの複数の毛羽からなっている。またブラシ22d間は開口22eとなっているので、フレーム間を通る吸気流を妨げることはない。
【0052】
動力伝達装置25cは前面操作部3の開閉動作を清掃部材22cに伝えるためのもので、第1の歯車27c、第2の歯車28c、第3の歯車30cとラック29cからなる。ラック29cは前面操作部3の側面に固定されており、前面操作部3の開閉操作と同時に作動する。第1の歯車27cと第2の歯車28cは操作部ケース20に固定された回転軸を中心に回転する。
【0053】
前面操作部3が回動する際、ラック29cは第1の歯車27cを回転させ、第1の歯車27cは第2の歯車28cを回転させる。第2の歯車28cはさらに清掃部材22cに取りつけられた第3の歯車30cを回転させて、清掃部材22cを回転させることになる。このとき、第1の歯車27c、第2の歯車28c、第3の歯車30cの歯数を調節し、前面操作部3が完全に開いた状態になるまでに、清掃部材22cが複数回回転するようにする。
【0054】
以上ごとく本実施例によれば、清掃部材22cが少なくとも一回転すると、清掃部材22cに設けた複数個のブラシが防塵フィルタ21を清掃するので、防塵フィルタ21の表面に付着した塵埃をブラシで払い落す回数が増え、より清掃性を向上することができる。
【実施例4】
【0055】
図13に実施例4の構成を示す。
実施例4は、実施例3の前面操作部3と動力伝達装置25cに代え、スライドレール32と動力伝達装置25dを用いた変形例であり、実施例3と同等の構成には同一符号を付し説明を省略することとする。
【0056】
図13において、スライドレール32から動力伝達装置25dを使って清掃部材22cを回転させる機構を説明するためのもので、前面操作部3と操作部ケース20を取り外しており、グリル庫を部分的に切り欠いている部分断面図としている。また簡便のために一部省略している。
【0057】
スライドレール32は図11に示すように、グリルドア31を開閉するためのものであり、前後に可動するレールとその収納部をグリル庫4の左右下方に1個ずつ設け、グリルドア31に接続されている。動力伝達装置25dは、開閉式のグリルドア31の開閉動作時の動力を防塵フィルタ21bに伝達するための装置であり、スライドレール32に取り付けられたラック29dと清掃部材22cに取りつけられた歯車30dからなる。
【0058】
グリルドアを開閉すると、スライドレール32が前後に移動し、同時にスライドレールに固定されたラック29dも前後に移動する。ラック29dは歯車30dに動力を伝達し回転させ、歯車30dに取り付けられた清掃部材22cを回転させることによって、清掃部材22c(本実施例に記載した清掃部材は図12の清掃部材とほぼ同等品)に設けられた複数のブラシ(図示せず)が防塵フィルタ21を清掃するようになっている。
【0059】
すなわち、本実施例では清掃部材22cを動作させる動力としてグリルドア31を開閉する際の動力を利用するものである。グリルドア31の開閉はスライドレールの全長が約300mm程度と長いため、可動範囲が広く、一度の開閉動作で清掃部材をより多く回転することができ、清掃性を高めることができる。
【0060】
またスライドレール32がグリル庫内奥、すなわち器体内部まで到達しているため、動力を取り出す位置が限られず、また器体背面に吸気口を開口した場合に於いてもそれに対応した防塵フィルタを設けることが考えられるが、このような場合に於いてもグリルドア31をその防塵フィルタ21を清掃する動力源とすることができる。本実施例では実施例3の変形例を示したが、同様に実施例2の防塵フィルタ21bをグリルドア31の開閉動作を利用して動作させてもよい。
【符号の説明】
【0061】
1…トッププレート、2…本体、3…前面操作部、4…グリル庫、5…表示操作部、6…誘導加熱コイル(右)、7…誘導加熱コイル(左)、8…誘導加熱コイル(中央)、9…インバータ基板、10…ファン装置、11…基盤ケース、12…ファン、13…ファンケース14…ファン装置吸引口、15…吐出口、16…吸気口、17…排気口、18…吸気ダクト、19…電源スイッチ、20…操作部ケース、21…防塵フィルタ、22…清掃部材、23…固定ピン、24…先端部、25…動力伝達装置、26…板ばね、27…第1の歯車、28…第2の歯車、29…ラック、30…第3の歯車、31…グリルドア、32…スライドレール。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体の上面に配置したトッププレートと、このトッププレートの下方に配置した加熱コイルと、この加熱コイルを駆動制御する基板と、前記加熱コイルと前記基板を冷却するファン装置と、前記本体の前面側に出没する操作部とを備えた誘導加熱調理器において、
前記ファン装置に外部の空気を供給するために設けた吸気口と、この吸気口から流入する前記空気に含まれた埃の侵入を防止するために設けられたフィルタと、このフィルタを清掃する清掃部材とを備え、
この清掃部材又は前記フィルタを前記操作部の動作で作動させる作動装置を設けたことを特徴とした誘導加熱調理器。
【請求項2】
請求項1に記載の誘導加熱調理器において、
前記動作装置から前記清掃部材又は前記フィルタに動力を伝達する動力伝達手段を設けたことを特徴とする誘導加熱調理器。
【請求項3】
請求項1に記載の誘導加熱調理器において、
前記フィルタはフィルタ面の形状が円弧状であることを特徴とする誘導加熱調理器。
【請求項4】
請求項1に記載の誘導加熱調理器において、
前記操作部は底辺部を回転軸として前記本体の前面側に回転して出没するとともに、
前記清掃部材は前記回転軸と連結し、前記操作部の回転にともなって作動して前記フィルタを清掃することを特徴とする誘導加熱調理器。
【請求項5】
請求項1に記載の誘導加熱調理器において、
前記清掃部材は先端にブラシを取り付けた枠によって形成されていることを特徴とする誘導加熱調理器。
【請求項6】
請求項1又は5のいずれかに記載の誘導加熱調理器において、
前記清掃部材は前記枠を複数組み合わせてほぼ円筒形状となっていることを特徴とする誘導加熱調理器。
【請求項7】
請求項1に記載の誘導加熱調理器において、
前記フィルタの一端は前記本体に弾性部材を介して接続され、他端は前記操作部の回転軸に取り付けられた歯車に接触するとともに、
前記歯車の回転によって前記フィルタは振動することを特徴とする誘導加熱調理器。
【請求項8】
本体の上面に配置したトッププレートと、このトッププレートの下方に配置した加熱コイルと、この加熱コイルを駆動制御する基板と、前記加熱コイルと前記基板を冷却するファン装置と、前記本体の前面側に出没するグリル庫用の扉とを備えた誘導加熱調理器において、
前記ファン装置に外部の空気を供給するために設けた吸気口と、この吸気口から流入する前記空気に含まれた埃の侵入を防止するために設けられたフィルタと、このフィルタを清掃する清掃部材とを備え、
この清掃部材又は前記フィルタを前記扉の動作で作動させる作動装置を設けたことを特徴とする誘導加熱調理器。
【請求項9】
請求項8に記載の誘導加熱調理器において、
前記扉は前記本体の内部方向に伸びるスライドレールを備えており、このスライドレールに取り付けられたラックと前記清掃部材に取り付けられた歯車とが接続されとともに、
前記扉が開閉されることにより前記清掃部材が回転することを特徴とする誘導加熱調理器。
【請求項1】
本体の上面に配置したトッププレートと、このトッププレートの下方に配置した加熱コイルと、この加熱コイルを駆動制御する基板と、前記加熱コイルと前記基板を冷却するファン装置と、前記本体の前面側に出没する操作部とを備えた誘導加熱調理器において、
前記ファン装置に外部の空気を供給するために設けた吸気口と、この吸気口から流入する前記空気に含まれた埃の侵入を防止するために設けられたフィルタと、このフィルタを清掃する清掃部材とを備え、
この清掃部材又は前記フィルタを前記操作部の動作で作動させる作動装置を設けたことを特徴とした誘導加熱調理器。
【請求項2】
請求項1に記載の誘導加熱調理器において、
前記動作装置から前記清掃部材又は前記フィルタに動力を伝達する動力伝達手段を設けたことを特徴とする誘導加熱調理器。
【請求項3】
請求項1に記載の誘導加熱調理器において、
前記フィルタはフィルタ面の形状が円弧状であることを特徴とする誘導加熱調理器。
【請求項4】
請求項1に記載の誘導加熱調理器において、
前記操作部は底辺部を回転軸として前記本体の前面側に回転して出没するとともに、
前記清掃部材は前記回転軸と連結し、前記操作部の回転にともなって作動して前記フィルタを清掃することを特徴とする誘導加熱調理器。
【請求項5】
請求項1に記載の誘導加熱調理器において、
前記清掃部材は先端にブラシを取り付けた枠によって形成されていることを特徴とする誘導加熱調理器。
【請求項6】
請求項1又は5のいずれかに記載の誘導加熱調理器において、
前記清掃部材は前記枠を複数組み合わせてほぼ円筒形状となっていることを特徴とする誘導加熱調理器。
【請求項7】
請求項1に記載の誘導加熱調理器において、
前記フィルタの一端は前記本体に弾性部材を介して接続され、他端は前記操作部の回転軸に取り付けられた歯車に接触するとともに、
前記歯車の回転によって前記フィルタは振動することを特徴とする誘導加熱調理器。
【請求項8】
本体の上面に配置したトッププレートと、このトッププレートの下方に配置した加熱コイルと、この加熱コイルを駆動制御する基板と、前記加熱コイルと前記基板を冷却するファン装置と、前記本体の前面側に出没するグリル庫用の扉とを備えた誘導加熱調理器において、
前記ファン装置に外部の空気を供給するために設けた吸気口と、この吸気口から流入する前記空気に含まれた埃の侵入を防止するために設けられたフィルタと、このフィルタを清掃する清掃部材とを備え、
この清掃部材又は前記フィルタを前記扉の動作で作動させる作動装置を設けたことを特徴とする誘導加熱調理器。
【請求項9】
請求項8に記載の誘導加熱調理器において、
前記扉は前記本体の内部方向に伸びるスライドレールを備えており、このスライドレールに取り付けられたラックと前記清掃部材に取り付けられた歯車とが接続されとともに、
前記扉が開閉されることにより前記清掃部材が回転することを特徴とする誘導加熱調理器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−109850(P2013−109850A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−251760(P2011−251760)
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【出願人】(399048917)日立アプライアンス株式会社 (3,043)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【出願人】(399048917)日立アプライアンス株式会社 (3,043)
【Fターム(参考)】
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