語学学習システム及び語学学習システム用プログラム
【課題】語学学習システムを用いた語学学習において、学習者がまじめに語学学習に取り組んでいるか否かを正確且つ容易に教師に確認させる。
【解決手段】教師用端末101は、学習者用端末102−1〜102−nに対応させた学習者座席アイコンを含むGUI画面301を教師用モニタに表示させると共に、学習者用端末102−1〜102−nは、教師用端末101から供給された教材データに対応させたGUI情報を含むGUI画面501を学習者用モニタに表示させ、学習者用端末102−1〜102−nは、カメラ212で撮像した顔画像データを学習者用端末の識別子と共に教師用端末101に送信し、教師用端末101は、受信した顔画像データ及び識別子に基づき、GUI画面301における識別子に対応した学習者座席アイコンに顔画像データを描画するように構成した。
【解決手段】教師用端末101は、学習者用端末102−1〜102−nに対応させた学習者座席アイコンを含むGUI画面301を教師用モニタに表示させると共に、学習者用端末102−1〜102−nは、教師用端末101から供給された教材データに対応させたGUI情報を含むGUI画面501を学習者用モニタに表示させ、学習者用端末102−1〜102−nは、カメラ212で撮像した顔画像データを学習者用端末の識別子と共に教師用端末101に送信し、教師用端末101は、受信した顔画像データ及び識別子に基づき、GUI画面301における識別子に対応した学習者座席アイコンに顔画像データを描画するように構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、教師用端末と複数の学習者用端末とをネットワークを介してそれぞれ接続して語学学習を行わせるための語学学習システム及び語学学習システム用プログラムに係り、特に、教師用端末が、学習者用端末を操作しながら語学学習を行う学習者の様子を情報として確認することができる語学学習システム及び語学学習システム用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
大学や学校教育等で使用される語学学習システムとして、従来はLL(Language Laboratory)システムが多く用いられていたが、近年ではCALL(Computer Assisted Language Learning)システムと呼ばれる、ネットワーク接続されたパーソナルコンピュータ(以下、PCと記す。)を用いた語学学習システムが用いられるようになっている。
【0003】
CALLシステム(以下、語学学習システムと称す。)では、教師側のPCが、例えば教師の操作に従って複数の学習者側のPCを制御可能なように構成されている。そして、教師側のPCは教授/学習用の映像、静止画、音声等のマルチメディアデータの教材データを、学習者全員のPC又は選択した学習者のPCに送信することができる。このようにして、学習者は、各自のPCで受信した教材データを用いて学習することができる。
【0004】
また、語学学習システムでは、教師及び学習者それぞれのPCにヘッドホン部とマイクロホン部とを備えたヘッドセットを接続し、教師及び学習者がこのヘッドセットを装着して教授/学習を行うのが一般的である。すなわち、語学学習システムは、ヘッドセットの装着者自らが発声した音声をマイクロホン部で収音して各自のPCでデジタル音声データに変換処理して通信相手先のPCに送信すると共に、通信相手先のPCから出力されたデジタル音声データを各自のPCで受信して音声に変換し、この音声をヘッドホン部で聴くことで会話の練習を行うことができる(例えば、特許文献1を参照)。
【0005】
上記示したような従来の語学学習システムにおいては、教師が発声した音声を学習者が装着したヘッドセットに即時的に伝送して聴かせるだけでなく、学習者が学習したい音声教材データを選択し、繰り返し再生したり自分の声を録音したりして個別に練習を行うことが可能なものもある。
【0006】
さらに、従来の語学学習システムにおいては、教師用装置及び複数の学習者用装置それぞれに映像入出力手段(例えば、カメラ部を含む。)を設け、この映像入出力手段で撮像された学習者の顔画像を他の学習者の学習者用装置に配信することにより、当該他の学習者が画像を送信した相手の顔画像を見ながらより実践的な会話学習を行うことができる語学学習システムも知られている(例えば、特許文献2を参照)。
【0007】
特許文献2に開示された語学学習システムによれば、学習者は、学習相手の顔を見ながら会話学習を行うことができるため、学習意欲と学習効果とを向上させることが期待できる。
【0008】
ところで、語学学習システムにより学習者に語学学習を行わせる場合、各学習者が熱心に学習を行っているか否かを教師に把握させることは従来からの重要な課題であった。特に、前述したような個別練習を行う場合においては、各学習者が異なる動作をしているため、教師は語学練習をまじめに行っていない学習者を発見することが困難な面もあった。
【0009】
そこで、従来の語学学習システムでは、教師が教師用のPCで学習者用のPCを指定して、その学習者が練習している音声を教師用のPCのヘッドセットで聴くモニタや、学習者全員の音声を数秒ずつ順次モニタするスキャンモニタ(巡回モニタ)が行われている。
【特許文献1】特開2002−132128号公報
【特許文献2】特開2000−321970号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記のスキャンモニタは、教師が学習者全員の音声を順次聴いていくものであるため、全員の音声を聴き終わるまでに長い時間を要する。例えば、一教室40人の学習者に対して一人あたり5秒間の間隔でモニタする場合、学習者全員をモニタするのに3分20秒もかかってしまう。しかも、自分がモニタされている5秒間はまじめに学習しているがそれ以外の時間では学習を怠っている学習者がいたとしても、教師はそれを知ることができない。
【0011】
また、特許文献2に記載の語学学習システムにおいて、教師が映像入出力手段で撮像された学習者の顔画像を見て、まじめに学習しているか否かを確認するという用途も考えられるが、この語学学習システムは、学習者の表情を捉えた映像を教師用装置や他の学習者用装置に配信して、この映像を受信した教師用装置や学習者用装置が受信映像を表示する技術については明らかであるものの、上述した課題や、学習者がまじめに語学学習に取り組んでいるか否かを教師に正確且つ容易に確認させるための具体的な技術については何ら明らかにされていない。
【0012】
そこで本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、語学学習システムを用いた語学学習において、学習者がまじめに語学学習に取り組んでいるか否かを正確且つ容易に教師に確認させることができる語学学習システム及び語学学習システム用プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上記の課題を解決するために、
[1] 教師用モニタを接続した教師用端末と学習者用モニタをそれぞれ接続した複数の学習者用端末とをネットワークを介して接続し、前記教師用端末が前記複数の学習者用端末を制御して語学教材データを各学習者用端末に供給する語学学習システムであって、
前記教師用端末は、
前記各学習者用端末に対応させた学習者座席アイコンを含む教師用端末画面を前記教師用モニタに表示させる教師用端末表示制御手段と、
前記教師用モニタに表示した教師用端末画面に従って入力操作させる教師用端末入力手段とを備えると共に、
前記各学習者用端末は、
前記教師用端末から供給された語学教材データに対応させたGUI情報を含む学習者用端末画面を前記学習者用モニタに表示させる学習者用端末表示制御手段と、
前記学習者用モニタに表示した学習者用端末画面に従って入力操作させる学習者用端末入力手段と、
この学習者用端末入力手段を操作する学習者の顔部分を撮像するカメラと、
このカメラで撮像した顔画像データを当該学習者用端末の識別子と共に前記教師用端末に送信させる送信制御手段とを備え、
前記教師用端末は、
前記教師用端末入力手段からの入力操作信号に基づき、前記複数の学習者用端末の全て又は一部を選択して顔画像データの送信要求信号を出力し、この送信要求信号を受信した学習者用端末から供給された顔画像データ及び識別子に基づき、前記教師用端末画面における前記識別子に対応した学習者座席アイコンに前記顔画像データを描画するように前記教師用端末表示制御手段を制御するようにした語学学習システム
を提供し、
[2] 前記各学習者用端末は、
前記学習者用モニタに表示した前記学習者用端末画面を記憶する画面記憶手段を更に備えると共に、
前記送信制御手段は、前記記憶した学習者用端末画面を読み出して当該学習者用端末の識別子と共に前記教師用端末に送信させる機能をも備え、
前記教師用端末は、
前記教師用端末入力手段からの入力操作信号に基づき、前記複数の学習者用端末の全て又は一部に対して、顔画像データ又は学習者用端末画面のいずれかのデータ種類を選択して送信要求信号を出力し、この送信要求信号を受信した学習者用端末から前記データ種類に応じて供給された顔画像データ又は学習者用端末画面のいずれかと識別子とに基づき、前記教師用端末画面における前記識別子に対応した学習者座席アイコンに、前記顔画像データ又は学習者用端末画面のいずれかを描画するように前記教師用端末表示制御手段を制御するようにした上記[1]に記載の語学学習システム
を提供し、
[3] 教師用モニタとこの教師用モニタに表示させた教師用端末画面に従って入力操作させる教師用端末入力手段とをそれぞれ接続した教師用端末と、学習者用モニタとこの学習者用モニタに表示させた学習者用端末画面に従って入力操作させる学習者用端末入力手段とカメラとをそれぞれ接続した複数の学習者用端末と、をネットワークを介してそれぞれ接続し、前記教師用端末が前記複数の学習者用端末を制御して語学教材データを各学習者用端末に供給する語学学習システムにおける処理を、前記教師用端末に実行させる教師用端末制御プログラムと前記各学習者用端末に実行させる学習者用端末制御プログラムからなる語学学習システム用プログラムであって、
前記教師用端末制御プログラムは、
前記各学習者用端末に対応させた学習者座席アイコンを含む教師用端末画面を前記教師用モニタに表示させる教師用端末表示ステップを実行する一方、
前記学習者用端末制御プログラムは、
前記教師用端末から供給された語学教材データに対応させたGUI情報を含む学習者用端末画面を前記学習者用モニタに表示させる学習者用端末表示ステップと、
前記カメラにより前記学習者用端末入力手段を操作する学習者の顔部分を撮像させる撮像ステップと、
この撮像ステップにおいて撮像した顔画像データを当該学習者用端末の識別子と共に前記教師用端末に送信させる送信ステップとを実行し、
前記教師用端末制御プログラムは、
前記教師用端末入力手段からの入力操作信号に基づき、前記複数の学習者用端末の全て又は一部を選択して顔画像データの送信要求信号を出力させ、この送信要求信号を受信した学習者用端末から供給された顔画像データ及び識別子に基づき、前記教師用端末画面における前記識別子に対応した学習者座席アイコンに前記顔画像データを描画する描画ステップを実行する
処理を前記教師用端末及び各学習者用端末にそれぞれ実行させる語学学習システム用プログラム
を提供し、
[4] 教師用モニタとこの教師用モニタに表示させた教師用端末画面に従って入力操作させる教師用端末入力手段とをそれぞれ接続した教師用端末と、学習者用モニタとこの学習者用モニタに表示させた学習者用端末画面に従って入力操作させる学習者用端末入力手段とをそれぞれ接続した複数の学習者用端末と、をネットワークを介してそれぞれ接続し、前記教師用端末が前記複数の学習者用端末を制御して語学教材データを各学習者用端末に供給する語学学習システムにおける処理を、前記教師用端末に実行させる教師用端末制御プログラムと前記各学習者用端末に実行させる学習者用端末制御プログラムからなる語学学習システム用プログラムであって、
前記教師用端末制御プログラムは、
前記各学習者用端末に対応させた学習者座席アイコンを含む教師用端末画面を前記教師用モニタに表示させる教師用端末表示ステップを実行する一方、
前記学習者用端末制御プログラムは、
前記教師用端末から供給された語学教材データに対応させたGUI情報を含む学習者用端末画面を前記学習者用モニタに表示させる学習者用端末表示ステップと、
前記学習者用モニタに表示させた学習者用端末画面を記憶させる画面記憶ステップと、
この画面記憶ステップにおいて記憶させた学習者用端末画面を読み出して当該学習者用端末の識別子と共に送信させる送信ステップとを実行し、
前記教師用端末制御プログラムは、
前記教師用端末入力手段からの入力操作信号に基づき、前記複数の学習者用端末の全て又は一部を選択して学習者用端末画面の送信要求信号を出力させ、この送信要求信号を受信した学習者用端末から供給された学習者用端末画面及び識別子に基づき、前記教師用端末画面における前記識別子に対応した学習者座席アイコンに前記学習者用端末画面を描画する描画ステップを実行する
処理を前記教師用端末及び各学習者用端末にそれぞれ実行させる語学学習システム用プログラム
を提供するものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、教師用端末に接続された教師用モニタの教師用端末画面に、各学習者用端末を操作している学習者の顔画像を学習者座席アイコン上に表示することができるので、教師に、学習者がまじめに語学学習を行っているか否かを顔の様子から正確に且つ容易に確認させることができる。
【0015】
また、本発明によれば、教師用端末に接続された教師用モニタの教師用端末画面に、各学習者が操作している学習者用端末の学習者用端末画面を学習者座席アイコン上に表示することができるので、教師に、学習者が語学教材データを用いてまじめに学習を行っているか否かを学習者の操作画面上の様子から適切且つ容易に確認させることができる。
【0016】
さらに、本発明によれば、教師用端末側において、各学習者用端末からの学習者の顔画像と学習者用端末画面とを選択的に受信して教師用モニタ上に表示することができるので、教師に、学習者がまじめに語学学習を行っているか否かを顔の様子や操作画面上の様子を切り替えてより正確に確認させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明する。まず、図1に本発明の実施形態である語学学習システムの基本的なシステム構成を示す。同図において、語学学習システム1は、教師用端末101と、学習者用端末102−1〜102−nと、マルチメディアデータである教材データが多数格納されており、教師用端末101や学習者用端末102−1〜102−nからの読み出し制御によって所望の教材データを読み出すことが可能な教材サーバ103とが、ネットワーク104を介してそれぞれ接続されて構成されている。そして、教師用端末101には教師bが、そして学習者用端末102−1〜102−nには学習者a1〜anが、使用者として配されている。なお、同図には、学習者用端末102−1〜102−3それぞれの使用者である学習者a1〜a3と教師用端末101の使用者である教師bとが図示されており、他の学習者の図示は省略している。
【0018】
教材サーバ103には、教材データを格納するための教材フォルダ103aと、各学習者に公開する教材データを格納するための公開フォルダ103bと、授業の際に配布して
使用する教材データを格納するための配布フォルダ103cと、学習者用端末102−1〜102−nから受信した顔画像データを格納するための顔画像フォルダ103dと、学習者用端末102−1〜102−nから受信した操作画面データを格納するための操作画面フォルダ103eとが設けられている。
【0019】
なお、本実施形態においては、教師用端末101及び学習者用端末102−1〜102−nを端末と総称して説明することもある。
【0020】
次に、図2に端末の概略の内部構成を表したブロック図を示す。同図に示すように、教師用端末101と学習者用端末102−1〜102−nとは、後述するアプリケーションソフトウェアを除き基本的には同一の構成を有するものである。同図に示すように、端末は、語学学習システム1における語学学習のためのアプリケーションソフトウェア(以下、ソフトウェアと記す。)を実行するための不図示のCPU(Central Processing Unit)を備えた制御部201と、ソフトウェアや各種データを記憶するためのメモリ部202と、ハードディスクやDVD(Digital Versatile Disc)等による、ソフトウェア、学習者の発声による音声データ、顔画像データ等を記録するための記録部203と、当該端末をネットワーク104に接続させるためのネットワークインターフェース(I/F)部204と、後述するモニタ210を接続するためのモニタI/F部205と、デジタル音声信号処理を実行するための音声データ処理部206と、後述するカメラ212から供給される画像データを入力するための外部I/F部207とを備えている。そして、上記ブロック201〜207はそれぞれバス208に同図のごとく接続されている。
【0021】
そして、上記構成の端末には、教師b及び学習者a1〜anが操作するタッチパネル211を備えてソフトウェアの制御に基づいた表示をするモニタ210がモニタI/F部205に接続されると共に、ヘッドホン部及びマイクロホン部(いずれも不図示)を備えたヘッドセット209が音声データ処理部206に接続され、さらに教師bや学習者a1〜anの主に顔部分を撮像するためのカメラ212が外部I/F部207に接続されている。
【0022】
そして、上述したソフトウェアとして、教師用端末101については教師用端末制御ソフトウェアが、学習者用端末102−1〜102−nについては学習者用端末制御ソフトウェアがそれぞれインストールされている。
【0023】
以上の構成を有する端末においては、語学学習システム1の起動時に、予め記録部203に記録された教師用端末制御ソフトウェアや学習者用端末制御ソフトウェアがメモリ部202に読み出されて初期化処理を実行したのち、教師bや学習者a1〜anのタッチパネル211の操作に従って、制御部201がバス208に接続された各ブロックを制御する。下述の動作説明においては、制御部201がソフトウェアを実行することによる処理について詳細を述べるものである。
【0024】
なお、カメラ212は、カメラ212が接続された端末に接続されたモニタ210の画面を見ながら会話学習を行う学習者a1〜anや教授する教師bの顔部分を撮像する必要があるため、例えば、モニタ210の上部や机上に撮像方向を可動可能なように設置されることが望ましい。
【0025】
また、端末は一般的に普及しているPCを用いて構成することができる。この場合、音声データ処理部206はサウンドカード、外部I/F部207はUSB(Universal Serial Bus)やIEEE1394シリアルバス等の高速通信インターフェースが適用可能である。
【0026】
次に、本発明の実施形態である語学学習システム1の動作について説明する。
【0027】
<個別練習における教材データの配布>
まず、語学学習システム1における語学学習機能の一つである個別練習における教材データの配布の動作について説明する。個別練習とは、学習者a1〜anが教材サーバ103に格納された教材データの中から、各自学習したい教材データをネットワーク104越しに取得して各自の学習者用端末102−1〜102−nで再生させ、備えられたヘッドセット209を用いて教材データの音声の聞き取りや各自の音声の録音といった学習者個人で会話練習を行う学習形態である。
【0028】
最初に、教師用端末101による、教材サーバ103に格納された教材データの学習者用端末102−1〜102−nへの配布についてその動作を説明する。教師用端末101のモニタ210には、図3に示すようなGUI(Graphical User Interface)画面301が表示されている。そして、GUI画面301のうち教材データの配布の操作に必要な操作部分302を拡大して図示したのが図4のGUI画面401である。教材データは、教材サーバ103の教材フォルダ103aに格納されており、この教材フォルダ103a内にあるデータファイル(教材データ)のファイル名が音声教材一覧402に一覧表示されている。
【0029】
そして、教師bは、音声教材一覧402に表示されたファイル名のうち配布したいデータファイルに該当するファイル名にタッチパネル211上から触れて選択したのち公開ボタン403に触れる。すると、教師用端末101は、ネットワークI/F部204から教材サーバ103に対して選択されたデータファイルを公開させるための要求コマンドを発行し、この要求コマンドを受信した教材サーバ103は、選択されたデータファイルを教材フォルダ103aから公開フォルダ103bにコピーする。次に、教師bがGUI画面401の配布ボタン405に触れると、教師用端末101は教材サーバ103と通信し、公開フォルダ103bに格納されたデータファイルを配布フォルダ103cにコピーする。
【0030】
<学習者用端末における教材データの再生と学習者音声の録音>
次に、学習者用端末102−1〜102−nにおける教材データの再生と学習者音声の録音についてその動作を説明する。学習者用端末102−1〜102−nの各モニタ210には、図5に示すようなGUI画面501が表示されている。そして、教材サーバ103の配布フォルダ103cに格納されているデータファイルをプルダウンメニュー502に表示する(同図においては、プルダウンされていない状態を表示している。)。そして、学習者a1〜anは、各自のモニタ210に表示されたGUI画面501を見ながらタッチパネル211上からプルダウンメニュー502に触れてメニューをプルダウンさせると共に、練習したい教材データのデータファイルのファイル名に触れて選択する。すると、学習者用端末102−1〜102−nの制御部201は、ネットワークI/F部204を制御して、選択されたデータファイルを指定する指定コマンドを教材サーバ103に対して発行し、配布フォルダ103cに格納された指定データファイルを参照してデータを解析処理し、当該データファイルのデータの音声波形を波形表示部503に表示させる。
【0031】
そして、学習者a1〜anがタッチパネル211上から再生ボタン504に触れると、制御部201は、音声データ処理部206を制御して教材データを再生し、ヘッドセット209から再生音を出力する。そして、学習者a1〜anがタッチパネル211上から録音ボタン505を押して発声すると、その音声はヘッドセット209のマイクロホン部で収音され、音声データ処理部206でデジタル処理されたのち音声データとして記録部203に記録される。この際、音声データ処理部206で音声データをデータ圧縮する処理を実行してもよい。このようにして学習者a1〜anは、各自が所望する教材データを自身で選択し、各自の学習進捗に合わせて繰り返し再生や録音を行いながら語学学習を進めていく。
【0032】
<顔画像データの送受信の動作>
次に、語学学習システム1における、教師用端末101と学習者用端末102−1〜102−nとの間の画像データの送受信の動作について説明する。まず、教師用端末101に学習者用端末102−1〜102−nからの学習者a1〜anの顔画像データを受信させる場合、教師bは、タッチパネル211上から画像受信設定ボタン304(図3)を選択する。すると教師用端末101は、GUI画面301の適当な位置に図12に示すような画像受信設定画面1201を表示する。教師bは、この表示に従って顔画像受信ボタン1202を触れたのちOKボタン1204に触れる。
【0033】
次に、教師用端末101が学習者用端末102−1〜102−nから顔画像データを受信してGUI画面301に表示させる動作について、図8及び図9のフローチャートを併せ参照して説明する。上述したようにして顔画像受信設定を終えたのち、教師bはタッチパネル211上から画像受信ボタン303を選択する(ステップS801)。次に、教師用端末101の制御部201は以下の処理を実行する。まず、制御部201は、ネットワークI/F部204を制御し、学習者用端末102−1〜102−nに対して顔画像要求コマンドをマルチキャスト送信する(ステップS802)。
【0034】
ステップS802によって教師用端末101から送信された顔画像要求コマンドをネットワークI/F部204を介して受信した学習者用端末102−1〜102−nは、制御部201によって図9のフローチャートに示す処理を実行する。まず、制御部201は、入力した顔画像要求コマンドに基づいて、カメラ212で撮像している学習者a1〜anの顔画像を取り込み(ステップS901)、画像サイズをQVGAサイズ(320×240ピクセル)に縮小したのちJPEG圧縮し(ステップS902)、座席番号(識別子)をファイル名(例えば、A−1.jpg)とする顔画像データとして教材サーバ103に送信する(ステップS903)。
【0035】
学習者用端末102−1〜102−nから顔画像データを受信した教材サーバ103は、顔画像データを顔画像フォルダ103dに格納する。
【0036】
図8のフローチャートに戻って処理を説明する。次に、教師用端末101は教材サーバ103にアクセスして、顔画像フォルダ103dに学習者用端末102−1〜102−nから送信された顔画像データが格納されているか否かを確認し(ステップS803)、顔画像データが格納されている場合はそのデータのJPEG伸張処理を実行し(ステップS804)、顔画像データのファイル名により確定される座席番号に基づきGUI画面301上の学習者座席アイコンと照合して、該当する学習者座席アイコンに伸張した顔画像を表示する(ステップS805)。このように処理されて学習者座席アイコンに顔画像が表示されたGUI画面を図6に示す。
【0037】
教師用端末101は、予め設定された間隔、例えば5秒毎に顔画像要求コマンドをマルチキャスト送信し、教師用端末101、学習者用端末102−1〜102−n、及び教材サーバ103が上記と同様の処理を繰り返し実行してGUI画面301に表示する顔画像を更新していく。なお、顔画像要求コマンドが送信される時間間隔は、語学学習システム1のシステム構成の規模等により適宜調整可能である。
【0038】
以上により、教師bは、GUI画面301の学習者座席アイコンを見ることにより、学習者a1〜anの中で、まじめに学習に取り組まず横を向いて他の学習者とおしゃべりをしていたり、下を向いて居眠りをしていたりする学習者を正確且つ容易に発見することができる。
【0039】
なお、カメラ212で撮像した顔画像データのJPEG圧縮処理は、学習者用端末102−1〜102−nの制御部201ではなくカメラ212内部で処理するように構成してもよい。
【0040】
<操作画面データの送受信の動作>
次に、語学学習システム1における、教師用端末101と学習者用端末102−1〜102−nとの間の操作画面データの送受信の動作について説明する。まず、教師用端末101に学習者用端末102−1〜102−nからの操作画面データを受信させる場合、教師bは、タッチパネル211上から画像受信設定ボタン304(図3)を選択する。すると教師用端末101は、GUI画面301の適当な位置に図12に示すような画像受信設定画面1201を表示する。教師bは、この表示に従って操作画面受信ボタン1203を触れたのちOKボタン1204に触れる。
【0041】
次に、教師用端末101が学習者用端末102−1〜102−nから操作画面データを受信してGUI画面301に表示させる動作について、図10及び図11のフローチャートを併せ参照して説明する。上述したようにして操作画面受信設定を終えたのち、教師bはタッチパネル211上から画像受信ボタン303を選択する(ステップS1001)。次に、教師用端末101の制御部201は以下の処理を実行する。まず、制御部201は、ネットワークI/F部204を制御し、学習者用端末102−1〜102−nに対して操作画面要求コマンドをマルチキャスト送信する(ステップS1002)。
【0042】
ステップS1002によって教師用端末101から送信された操作画面要求コマンドをネットワークI/F部204を介して受信した学習者用端末102−1〜102−nは、制御部201によって図11のフローチャートに示す処理を実行する。まず、制御部201は、入力した操作画面要求コマンドに基づいて、モニタ210に表示している操作画面を静止画として取り込み(ステップS1101)、画面サイズをQVGAサイズ(320×240ピクセル)に縮小したのちJPEG圧縮し(ステップS1102)、座席番号(識別子)をファイル名とする操作画面データとして教材サーバ103に送信する(ステップS1103)。
【0043】
学習者用端末102−1〜102−nから操作画面データを受信した教材サーバ103は、操作画面データを操作画面フォルダ103eに格納する。
【0044】
図10のフローチャートに戻って処理を説明する。次に、教師用端末101は教材サーバ103にアクセスして、操作画面フォルダ103eに学習者用端末102−1〜102−nから送信された操作画面データが格納されているか否かを確認し(ステップS1003)、操作画面データが格納されている場合はそのデータのJPEG伸張処理を実行し(ステップS1004)、操作画面データのファイル名により確定される座席番号に基づきGUI画面301上の学習者座席アイコンと照合して、該当する学習者座席アイコンに伸張した操作画面を表示する(ステップS1005)。このようにして処理されて学習者座席アイコンに操作画面が表示されたGUI画面を図7に示す。
【0045】
教師用端末101は、予め設定された間隔、例えば5秒毎に操作画面要求コマンドをマルチキャスト送信し、教師用端末101、学習者用端末102−1〜102−n、及び教材サーバ103が上記と同様の処理を繰り返し実行してGUI画面301に表示する操作画面を更新していく。なお、操作画面要求コマンドが送信する時間間隔は、語学学習システム1のシステム構成の規模等により適宜調整可能である。
【0046】
以上により、教師bは、GUI画面301の学習者座席アイコンを見ることにより、学習者a1〜anの中で、まじめに学習に取り組まず教材データとは関係の無いホームページを閲覧していたり、パソコンゲームをしていたりする学習者を正確且つ容易に発見することができる。
【0047】
また、教師用端末が、学習者用端末を操作して語学学習している学習者の顔画像データと学習者用端末の操作画面とを選択的に取得して学習者座席アイコン上に一覧表示することができるので、教師は、学習者の学習状況を学習者の顔画像及び操作画面による異なる側面から確認することができ、それにより、まじめに語学学習に取り組んでいない学習者をより正確に発見することができる。
【0048】
なお、本実施形態では、教材サーバ103を語学学習システム1の構成に入れて説明したが、別の実施形態例として、教材サーバ103の機能を教師用端末101に備えるように構成することもできる。
【0049】
また、本実施形態では、教材サーバ103を介して教師用端末101と学習者用端末102−1〜102−nとのJPEGデータの通信を行う例について説明したが、このJPEGデータのやり取りは、教師用端末101と学習者用端末102−1〜102−nとで直接実行するように構成することもできる。また、JPEG圧縮/伸張処理を実行しない構成としてもよい。
【0050】
また、本実施形態では、教師用端末101が、全ての学習者用端末102−1〜102−nに対して各学習者の顔画像データ又は学習者用端末の操作画面を取得して学習者座席アイコン上に一覧表示する例について説明したが、別の例として、教師用端末101のGUI画面301上で任意の学習者座席アイコンを選択し、この選択した学習者座席アイコンに該当する学習者用端末に対してのみ顔画像データや操作画面を要求するように構成することもできる。さらには、GUI画面301上に表示する学習者座席アイコンを、実際の教室の座席配置に対応付けて表示するようにすれば、教師は、学習者座席アイコンの位置関係により実際の学習者の座席を特定することが容易となる。
【0051】
また、本実施形態では、タッチパネル211を備えたモニタ210を用いて、教師bや学習者a1〜anが入力操作を行う例について説明したが、入力手段はこれに限定されず、例えば図示はしないがマウス等のポインティングデバイス、キーボード、操作盤等を用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0052】
以上により、本発明は、教師が学習者の学習状況を把握し難い環境、例えば遠距離学習のような、ネットワークを介して教師用PCと複数の学習者用PCとが接続されたPC学習システムにおいても有用である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施形態である語学学習システムの基本的なシステム構成図である。
【図2】教師用端末及び学習者用端末の概略の内部構成を示すブロック図である。
【図3】教師用端末のモニタに表示されるGUI画面の例である。
【図4】教師用端末のモニタに表示されるGUI画面のうち、教材データの配布に必要な表示操作部分を拡大したGUI画面の例である。
【図5】学習者用端末のモニタに表示されるGUI画面の例である。
【図6】教師用端末のモニタに表示されるGUI画面において、学習者座席アイコンに顔画像を表示した例である。
【図7】教師用端末のモニタに表示されるGUI画面において、学習者座席アイコンに操作画面を表示した例である。
【図8】教師用端末の顔画像受信の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図9】学習者用端末の顔画像送信の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図10】教師用端末の操作画面受信の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図11】学習者用端末の操作画面送信の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図12】教師用端末のモニタに表示される画像受信設定画面のGUI画面の例である。
【符号の説明】
【0054】
1 語学学習システム
101 教師用端末
102−1〜102−n 学習者用端末
103 教材サーバ
104 ネットワーク
201 制御部
202 メモリ部
203 記録部
204 ネットワークI/F部
205 モニタI/F部
206 音声データ処理部
207 外部I/F部
208 バス
209 ヘッドセット
210 モニタ
211 タッチパネル
212 カメラ
301 教師用端末のGUI画面
a1,a2,a3 学習者
b 教師
【技術分野】
【0001】
本発明は、教師用端末と複数の学習者用端末とをネットワークを介してそれぞれ接続して語学学習を行わせるための語学学習システム及び語学学習システム用プログラムに係り、特に、教師用端末が、学習者用端末を操作しながら語学学習を行う学習者の様子を情報として確認することができる語学学習システム及び語学学習システム用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
大学や学校教育等で使用される語学学習システムとして、従来はLL(Language Laboratory)システムが多く用いられていたが、近年ではCALL(Computer Assisted Language Learning)システムと呼ばれる、ネットワーク接続されたパーソナルコンピュータ(以下、PCと記す。)を用いた語学学習システムが用いられるようになっている。
【0003】
CALLシステム(以下、語学学習システムと称す。)では、教師側のPCが、例えば教師の操作に従って複数の学習者側のPCを制御可能なように構成されている。そして、教師側のPCは教授/学習用の映像、静止画、音声等のマルチメディアデータの教材データを、学習者全員のPC又は選択した学習者のPCに送信することができる。このようにして、学習者は、各自のPCで受信した教材データを用いて学習することができる。
【0004】
また、語学学習システムでは、教師及び学習者それぞれのPCにヘッドホン部とマイクロホン部とを備えたヘッドセットを接続し、教師及び学習者がこのヘッドセットを装着して教授/学習を行うのが一般的である。すなわち、語学学習システムは、ヘッドセットの装着者自らが発声した音声をマイクロホン部で収音して各自のPCでデジタル音声データに変換処理して通信相手先のPCに送信すると共に、通信相手先のPCから出力されたデジタル音声データを各自のPCで受信して音声に変換し、この音声をヘッドホン部で聴くことで会話の練習を行うことができる(例えば、特許文献1を参照)。
【0005】
上記示したような従来の語学学習システムにおいては、教師が発声した音声を学習者が装着したヘッドセットに即時的に伝送して聴かせるだけでなく、学習者が学習したい音声教材データを選択し、繰り返し再生したり自分の声を録音したりして個別に練習を行うことが可能なものもある。
【0006】
さらに、従来の語学学習システムにおいては、教師用装置及び複数の学習者用装置それぞれに映像入出力手段(例えば、カメラ部を含む。)を設け、この映像入出力手段で撮像された学習者の顔画像を他の学習者の学習者用装置に配信することにより、当該他の学習者が画像を送信した相手の顔画像を見ながらより実践的な会話学習を行うことができる語学学習システムも知られている(例えば、特許文献2を参照)。
【0007】
特許文献2に開示された語学学習システムによれば、学習者は、学習相手の顔を見ながら会話学習を行うことができるため、学習意欲と学習効果とを向上させることが期待できる。
【0008】
ところで、語学学習システムにより学習者に語学学習を行わせる場合、各学習者が熱心に学習を行っているか否かを教師に把握させることは従来からの重要な課題であった。特に、前述したような個別練習を行う場合においては、各学習者が異なる動作をしているため、教師は語学練習をまじめに行っていない学習者を発見することが困難な面もあった。
【0009】
そこで、従来の語学学習システムでは、教師が教師用のPCで学習者用のPCを指定して、その学習者が練習している音声を教師用のPCのヘッドセットで聴くモニタや、学習者全員の音声を数秒ずつ順次モニタするスキャンモニタ(巡回モニタ)が行われている。
【特許文献1】特開2002−132128号公報
【特許文献2】特開2000−321970号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記のスキャンモニタは、教師が学習者全員の音声を順次聴いていくものであるため、全員の音声を聴き終わるまでに長い時間を要する。例えば、一教室40人の学習者に対して一人あたり5秒間の間隔でモニタする場合、学習者全員をモニタするのに3分20秒もかかってしまう。しかも、自分がモニタされている5秒間はまじめに学習しているがそれ以外の時間では学習を怠っている学習者がいたとしても、教師はそれを知ることができない。
【0011】
また、特許文献2に記載の語学学習システムにおいて、教師が映像入出力手段で撮像された学習者の顔画像を見て、まじめに学習しているか否かを確認するという用途も考えられるが、この語学学習システムは、学習者の表情を捉えた映像を教師用装置や他の学習者用装置に配信して、この映像を受信した教師用装置や学習者用装置が受信映像を表示する技術については明らかであるものの、上述した課題や、学習者がまじめに語学学習に取り組んでいるか否かを教師に正確且つ容易に確認させるための具体的な技術については何ら明らかにされていない。
【0012】
そこで本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、語学学習システムを用いた語学学習において、学習者がまじめに語学学習に取り組んでいるか否かを正確且つ容易に教師に確認させることができる語学学習システム及び語学学習システム用プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上記の課題を解決するために、
[1] 教師用モニタを接続した教師用端末と学習者用モニタをそれぞれ接続した複数の学習者用端末とをネットワークを介して接続し、前記教師用端末が前記複数の学習者用端末を制御して語学教材データを各学習者用端末に供給する語学学習システムであって、
前記教師用端末は、
前記各学習者用端末に対応させた学習者座席アイコンを含む教師用端末画面を前記教師用モニタに表示させる教師用端末表示制御手段と、
前記教師用モニタに表示した教師用端末画面に従って入力操作させる教師用端末入力手段とを備えると共に、
前記各学習者用端末は、
前記教師用端末から供給された語学教材データに対応させたGUI情報を含む学習者用端末画面を前記学習者用モニタに表示させる学習者用端末表示制御手段と、
前記学習者用モニタに表示した学習者用端末画面に従って入力操作させる学習者用端末入力手段と、
この学習者用端末入力手段を操作する学習者の顔部分を撮像するカメラと、
このカメラで撮像した顔画像データを当該学習者用端末の識別子と共に前記教師用端末に送信させる送信制御手段とを備え、
前記教師用端末は、
前記教師用端末入力手段からの入力操作信号に基づき、前記複数の学習者用端末の全て又は一部を選択して顔画像データの送信要求信号を出力し、この送信要求信号を受信した学習者用端末から供給された顔画像データ及び識別子に基づき、前記教師用端末画面における前記識別子に対応した学習者座席アイコンに前記顔画像データを描画するように前記教師用端末表示制御手段を制御するようにした語学学習システム
を提供し、
[2] 前記各学習者用端末は、
前記学習者用モニタに表示した前記学習者用端末画面を記憶する画面記憶手段を更に備えると共に、
前記送信制御手段は、前記記憶した学習者用端末画面を読み出して当該学習者用端末の識別子と共に前記教師用端末に送信させる機能をも備え、
前記教師用端末は、
前記教師用端末入力手段からの入力操作信号に基づき、前記複数の学習者用端末の全て又は一部に対して、顔画像データ又は学習者用端末画面のいずれかのデータ種類を選択して送信要求信号を出力し、この送信要求信号を受信した学習者用端末から前記データ種類に応じて供給された顔画像データ又は学習者用端末画面のいずれかと識別子とに基づき、前記教師用端末画面における前記識別子に対応した学習者座席アイコンに、前記顔画像データ又は学習者用端末画面のいずれかを描画するように前記教師用端末表示制御手段を制御するようにした上記[1]に記載の語学学習システム
を提供し、
[3] 教師用モニタとこの教師用モニタに表示させた教師用端末画面に従って入力操作させる教師用端末入力手段とをそれぞれ接続した教師用端末と、学習者用モニタとこの学習者用モニタに表示させた学習者用端末画面に従って入力操作させる学習者用端末入力手段とカメラとをそれぞれ接続した複数の学習者用端末と、をネットワークを介してそれぞれ接続し、前記教師用端末が前記複数の学習者用端末を制御して語学教材データを各学習者用端末に供給する語学学習システムにおける処理を、前記教師用端末に実行させる教師用端末制御プログラムと前記各学習者用端末に実行させる学習者用端末制御プログラムからなる語学学習システム用プログラムであって、
前記教師用端末制御プログラムは、
前記各学習者用端末に対応させた学習者座席アイコンを含む教師用端末画面を前記教師用モニタに表示させる教師用端末表示ステップを実行する一方、
前記学習者用端末制御プログラムは、
前記教師用端末から供給された語学教材データに対応させたGUI情報を含む学習者用端末画面を前記学習者用モニタに表示させる学習者用端末表示ステップと、
前記カメラにより前記学習者用端末入力手段を操作する学習者の顔部分を撮像させる撮像ステップと、
この撮像ステップにおいて撮像した顔画像データを当該学習者用端末の識別子と共に前記教師用端末に送信させる送信ステップとを実行し、
前記教師用端末制御プログラムは、
前記教師用端末入力手段からの入力操作信号に基づき、前記複数の学習者用端末の全て又は一部を選択して顔画像データの送信要求信号を出力させ、この送信要求信号を受信した学習者用端末から供給された顔画像データ及び識別子に基づき、前記教師用端末画面における前記識別子に対応した学習者座席アイコンに前記顔画像データを描画する描画ステップを実行する
処理を前記教師用端末及び各学習者用端末にそれぞれ実行させる語学学習システム用プログラム
を提供し、
[4] 教師用モニタとこの教師用モニタに表示させた教師用端末画面に従って入力操作させる教師用端末入力手段とをそれぞれ接続した教師用端末と、学習者用モニタとこの学習者用モニタに表示させた学習者用端末画面に従って入力操作させる学習者用端末入力手段とをそれぞれ接続した複数の学習者用端末と、をネットワークを介してそれぞれ接続し、前記教師用端末が前記複数の学習者用端末を制御して語学教材データを各学習者用端末に供給する語学学習システムにおける処理を、前記教師用端末に実行させる教師用端末制御プログラムと前記各学習者用端末に実行させる学習者用端末制御プログラムからなる語学学習システム用プログラムであって、
前記教師用端末制御プログラムは、
前記各学習者用端末に対応させた学習者座席アイコンを含む教師用端末画面を前記教師用モニタに表示させる教師用端末表示ステップを実行する一方、
前記学習者用端末制御プログラムは、
前記教師用端末から供給された語学教材データに対応させたGUI情報を含む学習者用端末画面を前記学習者用モニタに表示させる学習者用端末表示ステップと、
前記学習者用モニタに表示させた学習者用端末画面を記憶させる画面記憶ステップと、
この画面記憶ステップにおいて記憶させた学習者用端末画面を読み出して当該学習者用端末の識別子と共に送信させる送信ステップとを実行し、
前記教師用端末制御プログラムは、
前記教師用端末入力手段からの入力操作信号に基づき、前記複数の学習者用端末の全て又は一部を選択して学習者用端末画面の送信要求信号を出力させ、この送信要求信号を受信した学習者用端末から供給された学習者用端末画面及び識別子に基づき、前記教師用端末画面における前記識別子に対応した学習者座席アイコンに前記学習者用端末画面を描画する描画ステップを実行する
処理を前記教師用端末及び各学習者用端末にそれぞれ実行させる語学学習システム用プログラム
を提供するものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、教師用端末に接続された教師用モニタの教師用端末画面に、各学習者用端末を操作している学習者の顔画像を学習者座席アイコン上に表示することができるので、教師に、学習者がまじめに語学学習を行っているか否かを顔の様子から正確に且つ容易に確認させることができる。
【0015】
また、本発明によれば、教師用端末に接続された教師用モニタの教師用端末画面に、各学習者が操作している学習者用端末の学習者用端末画面を学習者座席アイコン上に表示することができるので、教師に、学習者が語学教材データを用いてまじめに学習を行っているか否かを学習者の操作画面上の様子から適切且つ容易に確認させることができる。
【0016】
さらに、本発明によれば、教師用端末側において、各学習者用端末からの学習者の顔画像と学習者用端末画面とを選択的に受信して教師用モニタ上に表示することができるので、教師に、学習者がまじめに語学学習を行っているか否かを顔の様子や操作画面上の様子を切り替えてより正確に確認させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明する。まず、図1に本発明の実施形態である語学学習システムの基本的なシステム構成を示す。同図において、語学学習システム1は、教師用端末101と、学習者用端末102−1〜102−nと、マルチメディアデータである教材データが多数格納されており、教師用端末101や学習者用端末102−1〜102−nからの読み出し制御によって所望の教材データを読み出すことが可能な教材サーバ103とが、ネットワーク104を介してそれぞれ接続されて構成されている。そして、教師用端末101には教師bが、そして学習者用端末102−1〜102−nには学習者a1〜anが、使用者として配されている。なお、同図には、学習者用端末102−1〜102−3それぞれの使用者である学習者a1〜a3と教師用端末101の使用者である教師bとが図示されており、他の学習者の図示は省略している。
【0018】
教材サーバ103には、教材データを格納するための教材フォルダ103aと、各学習者に公開する教材データを格納するための公開フォルダ103bと、授業の際に配布して
使用する教材データを格納するための配布フォルダ103cと、学習者用端末102−1〜102−nから受信した顔画像データを格納するための顔画像フォルダ103dと、学習者用端末102−1〜102−nから受信した操作画面データを格納するための操作画面フォルダ103eとが設けられている。
【0019】
なお、本実施形態においては、教師用端末101及び学習者用端末102−1〜102−nを端末と総称して説明することもある。
【0020】
次に、図2に端末の概略の内部構成を表したブロック図を示す。同図に示すように、教師用端末101と学習者用端末102−1〜102−nとは、後述するアプリケーションソフトウェアを除き基本的には同一の構成を有するものである。同図に示すように、端末は、語学学習システム1における語学学習のためのアプリケーションソフトウェア(以下、ソフトウェアと記す。)を実行するための不図示のCPU(Central Processing Unit)を備えた制御部201と、ソフトウェアや各種データを記憶するためのメモリ部202と、ハードディスクやDVD(Digital Versatile Disc)等による、ソフトウェア、学習者の発声による音声データ、顔画像データ等を記録するための記録部203と、当該端末をネットワーク104に接続させるためのネットワークインターフェース(I/F)部204と、後述するモニタ210を接続するためのモニタI/F部205と、デジタル音声信号処理を実行するための音声データ処理部206と、後述するカメラ212から供給される画像データを入力するための外部I/F部207とを備えている。そして、上記ブロック201〜207はそれぞれバス208に同図のごとく接続されている。
【0021】
そして、上記構成の端末には、教師b及び学習者a1〜anが操作するタッチパネル211を備えてソフトウェアの制御に基づいた表示をするモニタ210がモニタI/F部205に接続されると共に、ヘッドホン部及びマイクロホン部(いずれも不図示)を備えたヘッドセット209が音声データ処理部206に接続され、さらに教師bや学習者a1〜anの主に顔部分を撮像するためのカメラ212が外部I/F部207に接続されている。
【0022】
そして、上述したソフトウェアとして、教師用端末101については教師用端末制御ソフトウェアが、学習者用端末102−1〜102−nについては学習者用端末制御ソフトウェアがそれぞれインストールされている。
【0023】
以上の構成を有する端末においては、語学学習システム1の起動時に、予め記録部203に記録された教師用端末制御ソフトウェアや学習者用端末制御ソフトウェアがメモリ部202に読み出されて初期化処理を実行したのち、教師bや学習者a1〜anのタッチパネル211の操作に従って、制御部201がバス208に接続された各ブロックを制御する。下述の動作説明においては、制御部201がソフトウェアを実行することによる処理について詳細を述べるものである。
【0024】
なお、カメラ212は、カメラ212が接続された端末に接続されたモニタ210の画面を見ながら会話学習を行う学習者a1〜anや教授する教師bの顔部分を撮像する必要があるため、例えば、モニタ210の上部や机上に撮像方向を可動可能なように設置されることが望ましい。
【0025】
また、端末は一般的に普及しているPCを用いて構成することができる。この場合、音声データ処理部206はサウンドカード、外部I/F部207はUSB(Universal Serial Bus)やIEEE1394シリアルバス等の高速通信インターフェースが適用可能である。
【0026】
次に、本発明の実施形態である語学学習システム1の動作について説明する。
【0027】
<個別練習における教材データの配布>
まず、語学学習システム1における語学学習機能の一つである個別練習における教材データの配布の動作について説明する。個別練習とは、学習者a1〜anが教材サーバ103に格納された教材データの中から、各自学習したい教材データをネットワーク104越しに取得して各自の学習者用端末102−1〜102−nで再生させ、備えられたヘッドセット209を用いて教材データの音声の聞き取りや各自の音声の録音といった学習者個人で会話練習を行う学習形態である。
【0028】
最初に、教師用端末101による、教材サーバ103に格納された教材データの学習者用端末102−1〜102−nへの配布についてその動作を説明する。教師用端末101のモニタ210には、図3に示すようなGUI(Graphical User Interface)画面301が表示されている。そして、GUI画面301のうち教材データの配布の操作に必要な操作部分302を拡大して図示したのが図4のGUI画面401である。教材データは、教材サーバ103の教材フォルダ103aに格納されており、この教材フォルダ103a内にあるデータファイル(教材データ)のファイル名が音声教材一覧402に一覧表示されている。
【0029】
そして、教師bは、音声教材一覧402に表示されたファイル名のうち配布したいデータファイルに該当するファイル名にタッチパネル211上から触れて選択したのち公開ボタン403に触れる。すると、教師用端末101は、ネットワークI/F部204から教材サーバ103に対して選択されたデータファイルを公開させるための要求コマンドを発行し、この要求コマンドを受信した教材サーバ103は、選択されたデータファイルを教材フォルダ103aから公開フォルダ103bにコピーする。次に、教師bがGUI画面401の配布ボタン405に触れると、教師用端末101は教材サーバ103と通信し、公開フォルダ103bに格納されたデータファイルを配布フォルダ103cにコピーする。
【0030】
<学習者用端末における教材データの再生と学習者音声の録音>
次に、学習者用端末102−1〜102−nにおける教材データの再生と学習者音声の録音についてその動作を説明する。学習者用端末102−1〜102−nの各モニタ210には、図5に示すようなGUI画面501が表示されている。そして、教材サーバ103の配布フォルダ103cに格納されているデータファイルをプルダウンメニュー502に表示する(同図においては、プルダウンされていない状態を表示している。)。そして、学習者a1〜anは、各自のモニタ210に表示されたGUI画面501を見ながらタッチパネル211上からプルダウンメニュー502に触れてメニューをプルダウンさせると共に、練習したい教材データのデータファイルのファイル名に触れて選択する。すると、学習者用端末102−1〜102−nの制御部201は、ネットワークI/F部204を制御して、選択されたデータファイルを指定する指定コマンドを教材サーバ103に対して発行し、配布フォルダ103cに格納された指定データファイルを参照してデータを解析処理し、当該データファイルのデータの音声波形を波形表示部503に表示させる。
【0031】
そして、学習者a1〜anがタッチパネル211上から再生ボタン504に触れると、制御部201は、音声データ処理部206を制御して教材データを再生し、ヘッドセット209から再生音を出力する。そして、学習者a1〜anがタッチパネル211上から録音ボタン505を押して発声すると、その音声はヘッドセット209のマイクロホン部で収音され、音声データ処理部206でデジタル処理されたのち音声データとして記録部203に記録される。この際、音声データ処理部206で音声データをデータ圧縮する処理を実行してもよい。このようにして学習者a1〜anは、各自が所望する教材データを自身で選択し、各自の学習進捗に合わせて繰り返し再生や録音を行いながら語学学習を進めていく。
【0032】
<顔画像データの送受信の動作>
次に、語学学習システム1における、教師用端末101と学習者用端末102−1〜102−nとの間の画像データの送受信の動作について説明する。まず、教師用端末101に学習者用端末102−1〜102−nからの学習者a1〜anの顔画像データを受信させる場合、教師bは、タッチパネル211上から画像受信設定ボタン304(図3)を選択する。すると教師用端末101は、GUI画面301の適当な位置に図12に示すような画像受信設定画面1201を表示する。教師bは、この表示に従って顔画像受信ボタン1202を触れたのちOKボタン1204に触れる。
【0033】
次に、教師用端末101が学習者用端末102−1〜102−nから顔画像データを受信してGUI画面301に表示させる動作について、図8及び図9のフローチャートを併せ参照して説明する。上述したようにして顔画像受信設定を終えたのち、教師bはタッチパネル211上から画像受信ボタン303を選択する(ステップS801)。次に、教師用端末101の制御部201は以下の処理を実行する。まず、制御部201は、ネットワークI/F部204を制御し、学習者用端末102−1〜102−nに対して顔画像要求コマンドをマルチキャスト送信する(ステップS802)。
【0034】
ステップS802によって教師用端末101から送信された顔画像要求コマンドをネットワークI/F部204を介して受信した学習者用端末102−1〜102−nは、制御部201によって図9のフローチャートに示す処理を実行する。まず、制御部201は、入力した顔画像要求コマンドに基づいて、カメラ212で撮像している学習者a1〜anの顔画像を取り込み(ステップS901)、画像サイズをQVGAサイズ(320×240ピクセル)に縮小したのちJPEG圧縮し(ステップS902)、座席番号(識別子)をファイル名(例えば、A−1.jpg)とする顔画像データとして教材サーバ103に送信する(ステップS903)。
【0035】
学習者用端末102−1〜102−nから顔画像データを受信した教材サーバ103は、顔画像データを顔画像フォルダ103dに格納する。
【0036】
図8のフローチャートに戻って処理を説明する。次に、教師用端末101は教材サーバ103にアクセスして、顔画像フォルダ103dに学習者用端末102−1〜102−nから送信された顔画像データが格納されているか否かを確認し(ステップS803)、顔画像データが格納されている場合はそのデータのJPEG伸張処理を実行し(ステップS804)、顔画像データのファイル名により確定される座席番号に基づきGUI画面301上の学習者座席アイコンと照合して、該当する学習者座席アイコンに伸張した顔画像を表示する(ステップS805)。このように処理されて学習者座席アイコンに顔画像が表示されたGUI画面を図6に示す。
【0037】
教師用端末101は、予め設定された間隔、例えば5秒毎に顔画像要求コマンドをマルチキャスト送信し、教師用端末101、学習者用端末102−1〜102−n、及び教材サーバ103が上記と同様の処理を繰り返し実行してGUI画面301に表示する顔画像を更新していく。なお、顔画像要求コマンドが送信される時間間隔は、語学学習システム1のシステム構成の規模等により適宜調整可能である。
【0038】
以上により、教師bは、GUI画面301の学習者座席アイコンを見ることにより、学習者a1〜anの中で、まじめに学習に取り組まず横を向いて他の学習者とおしゃべりをしていたり、下を向いて居眠りをしていたりする学習者を正確且つ容易に発見することができる。
【0039】
なお、カメラ212で撮像した顔画像データのJPEG圧縮処理は、学習者用端末102−1〜102−nの制御部201ではなくカメラ212内部で処理するように構成してもよい。
【0040】
<操作画面データの送受信の動作>
次に、語学学習システム1における、教師用端末101と学習者用端末102−1〜102−nとの間の操作画面データの送受信の動作について説明する。まず、教師用端末101に学習者用端末102−1〜102−nからの操作画面データを受信させる場合、教師bは、タッチパネル211上から画像受信設定ボタン304(図3)を選択する。すると教師用端末101は、GUI画面301の適当な位置に図12に示すような画像受信設定画面1201を表示する。教師bは、この表示に従って操作画面受信ボタン1203を触れたのちOKボタン1204に触れる。
【0041】
次に、教師用端末101が学習者用端末102−1〜102−nから操作画面データを受信してGUI画面301に表示させる動作について、図10及び図11のフローチャートを併せ参照して説明する。上述したようにして操作画面受信設定を終えたのち、教師bはタッチパネル211上から画像受信ボタン303を選択する(ステップS1001)。次に、教師用端末101の制御部201は以下の処理を実行する。まず、制御部201は、ネットワークI/F部204を制御し、学習者用端末102−1〜102−nに対して操作画面要求コマンドをマルチキャスト送信する(ステップS1002)。
【0042】
ステップS1002によって教師用端末101から送信された操作画面要求コマンドをネットワークI/F部204を介して受信した学習者用端末102−1〜102−nは、制御部201によって図11のフローチャートに示す処理を実行する。まず、制御部201は、入力した操作画面要求コマンドに基づいて、モニタ210に表示している操作画面を静止画として取り込み(ステップS1101)、画面サイズをQVGAサイズ(320×240ピクセル)に縮小したのちJPEG圧縮し(ステップS1102)、座席番号(識別子)をファイル名とする操作画面データとして教材サーバ103に送信する(ステップS1103)。
【0043】
学習者用端末102−1〜102−nから操作画面データを受信した教材サーバ103は、操作画面データを操作画面フォルダ103eに格納する。
【0044】
図10のフローチャートに戻って処理を説明する。次に、教師用端末101は教材サーバ103にアクセスして、操作画面フォルダ103eに学習者用端末102−1〜102−nから送信された操作画面データが格納されているか否かを確認し(ステップS1003)、操作画面データが格納されている場合はそのデータのJPEG伸張処理を実行し(ステップS1004)、操作画面データのファイル名により確定される座席番号に基づきGUI画面301上の学習者座席アイコンと照合して、該当する学習者座席アイコンに伸張した操作画面を表示する(ステップS1005)。このようにして処理されて学習者座席アイコンに操作画面が表示されたGUI画面を図7に示す。
【0045】
教師用端末101は、予め設定された間隔、例えば5秒毎に操作画面要求コマンドをマルチキャスト送信し、教師用端末101、学習者用端末102−1〜102−n、及び教材サーバ103が上記と同様の処理を繰り返し実行してGUI画面301に表示する操作画面を更新していく。なお、操作画面要求コマンドが送信する時間間隔は、語学学習システム1のシステム構成の規模等により適宜調整可能である。
【0046】
以上により、教師bは、GUI画面301の学習者座席アイコンを見ることにより、学習者a1〜anの中で、まじめに学習に取り組まず教材データとは関係の無いホームページを閲覧していたり、パソコンゲームをしていたりする学習者を正確且つ容易に発見することができる。
【0047】
また、教師用端末が、学習者用端末を操作して語学学習している学習者の顔画像データと学習者用端末の操作画面とを選択的に取得して学習者座席アイコン上に一覧表示することができるので、教師は、学習者の学習状況を学習者の顔画像及び操作画面による異なる側面から確認することができ、それにより、まじめに語学学習に取り組んでいない学習者をより正確に発見することができる。
【0048】
なお、本実施形態では、教材サーバ103を語学学習システム1の構成に入れて説明したが、別の実施形態例として、教材サーバ103の機能を教師用端末101に備えるように構成することもできる。
【0049】
また、本実施形態では、教材サーバ103を介して教師用端末101と学習者用端末102−1〜102−nとのJPEGデータの通信を行う例について説明したが、このJPEGデータのやり取りは、教師用端末101と学習者用端末102−1〜102−nとで直接実行するように構成することもできる。また、JPEG圧縮/伸張処理を実行しない構成としてもよい。
【0050】
また、本実施形態では、教師用端末101が、全ての学習者用端末102−1〜102−nに対して各学習者の顔画像データ又は学習者用端末の操作画面を取得して学習者座席アイコン上に一覧表示する例について説明したが、別の例として、教師用端末101のGUI画面301上で任意の学習者座席アイコンを選択し、この選択した学習者座席アイコンに該当する学習者用端末に対してのみ顔画像データや操作画面を要求するように構成することもできる。さらには、GUI画面301上に表示する学習者座席アイコンを、実際の教室の座席配置に対応付けて表示するようにすれば、教師は、学習者座席アイコンの位置関係により実際の学習者の座席を特定することが容易となる。
【0051】
また、本実施形態では、タッチパネル211を備えたモニタ210を用いて、教師bや学習者a1〜anが入力操作を行う例について説明したが、入力手段はこれに限定されず、例えば図示はしないがマウス等のポインティングデバイス、キーボード、操作盤等を用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0052】
以上により、本発明は、教師が学習者の学習状況を把握し難い環境、例えば遠距離学習のような、ネットワークを介して教師用PCと複数の学習者用PCとが接続されたPC学習システムにおいても有用である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施形態である語学学習システムの基本的なシステム構成図である。
【図2】教師用端末及び学習者用端末の概略の内部構成を示すブロック図である。
【図3】教師用端末のモニタに表示されるGUI画面の例である。
【図4】教師用端末のモニタに表示されるGUI画面のうち、教材データの配布に必要な表示操作部分を拡大したGUI画面の例である。
【図5】学習者用端末のモニタに表示されるGUI画面の例である。
【図6】教師用端末のモニタに表示されるGUI画面において、学習者座席アイコンに顔画像を表示した例である。
【図7】教師用端末のモニタに表示されるGUI画面において、学習者座席アイコンに操作画面を表示した例である。
【図8】教師用端末の顔画像受信の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図9】学習者用端末の顔画像送信の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図10】教師用端末の操作画面受信の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図11】学習者用端末の操作画面送信の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図12】教師用端末のモニタに表示される画像受信設定画面のGUI画面の例である。
【符号の説明】
【0054】
1 語学学習システム
101 教師用端末
102−1〜102−n 学習者用端末
103 教材サーバ
104 ネットワーク
201 制御部
202 メモリ部
203 記録部
204 ネットワークI/F部
205 モニタI/F部
206 音声データ処理部
207 外部I/F部
208 バス
209 ヘッドセット
210 モニタ
211 タッチパネル
212 カメラ
301 教師用端末のGUI画面
a1,a2,a3 学習者
b 教師
【特許請求の範囲】
【請求項1】
教師用モニタを接続した教師用端末と学習者用モニタをそれぞれ接続した複数の学習者用端末とをネットワークを介して接続し、前記教師用端末が前記複数の学習者用端末を制御して語学教材データを各学習者用端末に供給する語学学習システムであって、
前記教師用端末は、
前記各学習者用端末に対応させた学習者座席アイコンを含む教師用端末画面を前記教師用モニタに表示させる教師用端末表示制御手段と、
前記教師用モニタに表示した教師用端末画面に従って入力操作させる教師用端末入力手段とを備えると共に、
前記各学習者用端末は、
前記教師用端末から供給された語学教材データに対応させたGUI情報を含む学習者用端末画面を前記学習者用モニタに表示させる学習者用端末表示制御手段と、
前記学習者用モニタに表示した学習者用端末画面に従って入力操作させる学習者用端末入力手段と、
この学習者用端末入力手段を操作する学習者の顔部分を撮像するカメラと、
このカメラで撮像した顔画像データを当該学習者用端末の識別子と共に前記教師用端末に送信させる送信制御手段とを備え、
前記教師用端末は、
前記教師用端末入力手段からの入力操作信号に基づき、前記複数の学習者用端末の全て又は一部を選択して顔画像データの送信要求信号を出力し、この送信要求信号を受信した学習者用端末から供給された顔画像データ及び識別子に基づき、前記教師用端末画面における前記識別子に対応した学習者座席アイコンに前記顔画像データを描画するように前記教師用端末表示制御手段を制御するようにした語学学習システム。
【請求項2】
前記各学習者用端末は、
前記学習者用モニタに表示した前記学習者用端末画面を記憶する画面記憶手段を更に備えると共に、
前記送信制御手段は、前記記憶した学習者用端末画面を読み出して当該学習者用端末の識別子と共に前記教師用端末に送信させる機能をも備え、
前記教師用端末は、
前記教師用端末入力手段からの入力操作信号に基づき、前記複数の学習者用端末の全て又は一部に対して、顔画像データ又は学習者用端末画面のいずれかのデータ種類を選択して送信要求信号を出力し、この送信要求信号を受信した学習者用端末から前記データ種類に応じて供給された顔画像データ又は学習者用端末画面のいずれかと識別子とに基づき、前記教師用端末画面における前記識別子に対応した学習者座席アイコンに、前記顔画像データ又は学習者用端末画面のいずれかを描画するように前記教師用端末表示制御手段を制御するようにした請求項1に記載の語学学習システム。
【請求項3】
教師用モニタとこの教師用モニタに表示させた教師用端末画面に従って入力操作させる教師用端末入力手段とをそれぞれ接続した教師用端末と、学習者用モニタとこの学習者用モニタに表示させた学習者用端末画面に従って入力操作させる学習者用端末入力手段とカメラとをそれぞれ接続した複数の学習者用端末と、をネットワークを介してそれぞれ接続し、前記教師用端末が前記複数の学習者用端末を制御して語学教材データを各学習者用端末に供給する語学学習システムにおける処理を、前記教師用端末に実行させる教師用端末制御プログラムと前記各学習者用端末に実行させる学習者用端末制御プログラムからなる語学学習システム用プログラムであって、
前記教師用端末制御プログラムは、
前記各学習者用端末に対応させた学習者座席アイコンを含む教師用端末画面を前記教師用モニタに表示させる教師用端末表示ステップを実行する一方、
前記学習者用端末制御プログラムは、
前記教師用端末から供給された語学教材データに対応させたGUI情報を含む学習者用端末画面を前記学習者用モニタに表示させる学習者用端末表示ステップと、
前記カメラにより前記学習者用端末入力手段を操作する学習者の顔部分を撮像させる撮像ステップと、
この撮像ステップにおいて撮像した顔画像データを当該学習者用端末の識別子と共に前記教師用端末に送信させる送信ステップとを実行し、
前記教師用端末制御プログラムは、
前記教師用端末入力手段からの入力操作信号に基づき、前記複数の学習者用端末の全て又は一部を選択して顔画像データの送信要求信号を出力させ、この送信要求信号を受信した学習者用端末から供給された顔画像データ及び識別子に基づき、前記教師用端末画面における前記識別子に対応した学習者座席アイコンに前記顔画像データを描画する描画ステップを実行する
処理を前記教師用端末及び各学習者用端末にそれぞれ実行させる語学学習システム用プログラム。
【請求項4】
教師用モニタとこの教師用モニタに表示させた教師用端末画面に従って入力操作させる教師用端末入力手段とをそれぞれ接続した教師用端末と、学習者用モニタとこの学習者用モニタに表示させた学習者用端末画面に従って入力操作させる学習者用端末入力手段とをそれぞれ接続した複数の学習者用端末と、をネットワークを介してそれぞれ接続し、前記教師用端末が前記複数の学習者用端末を制御して語学教材データを各学習者用端末に供給する語学学習システムにおける処理を、前記教師用端末に実行させる教師用端末制御プログラムと前記各学習者用端末に実行させる学習者用端末制御プログラムからなる語学学習システム用プログラムであって、
前記教師用端末制御プログラムは、
前記各学習者用端末に対応させた学習者座席アイコンを含む教師用端末画面を前記教師用モニタに表示させる教師用端末表示ステップを実行する一方、
前記学習者用端末制御プログラムは、
前記教師用端末から供給された語学教材データに対応させたGUI情報を含む学習者用端末画面を前記学習者用モニタに表示させる学習者用端末表示ステップと、
前記学習者用モニタに表示させた学習者用端末画面を記憶させる画面記憶ステップと、
この画面記憶ステップにおいて記憶させた学習者用端末画面を読み出して当該学習者用端末の識別子と共に送信させる送信ステップとを実行し、
前記教師用端末制御プログラムは、
前記教師用端末入力手段からの入力操作信号に基づき、前記複数の学習者用端末の全て又は一部を選択して学習者用端末画面の送信要求信号を出力させ、この送信要求信号を受信した学習者用端末から供給された学習者用端末画面及び識別子に基づき、前記教師用端末画面における前記識別子に対応した学習者座席アイコンに前記学習者用端末画面を描画する描画ステップを実行する
処理を前記教師用端末及び各学習者用端末にそれぞれ実行させる語学学習システム用プログラム。
【請求項1】
教師用モニタを接続した教師用端末と学習者用モニタをそれぞれ接続した複数の学習者用端末とをネットワークを介して接続し、前記教師用端末が前記複数の学習者用端末を制御して語学教材データを各学習者用端末に供給する語学学習システムであって、
前記教師用端末は、
前記各学習者用端末に対応させた学習者座席アイコンを含む教師用端末画面を前記教師用モニタに表示させる教師用端末表示制御手段と、
前記教師用モニタに表示した教師用端末画面に従って入力操作させる教師用端末入力手段とを備えると共に、
前記各学習者用端末は、
前記教師用端末から供給された語学教材データに対応させたGUI情報を含む学習者用端末画面を前記学習者用モニタに表示させる学習者用端末表示制御手段と、
前記学習者用モニタに表示した学習者用端末画面に従って入力操作させる学習者用端末入力手段と、
この学習者用端末入力手段を操作する学習者の顔部分を撮像するカメラと、
このカメラで撮像した顔画像データを当該学習者用端末の識別子と共に前記教師用端末に送信させる送信制御手段とを備え、
前記教師用端末は、
前記教師用端末入力手段からの入力操作信号に基づき、前記複数の学習者用端末の全て又は一部を選択して顔画像データの送信要求信号を出力し、この送信要求信号を受信した学習者用端末から供給された顔画像データ及び識別子に基づき、前記教師用端末画面における前記識別子に対応した学習者座席アイコンに前記顔画像データを描画するように前記教師用端末表示制御手段を制御するようにした語学学習システム。
【請求項2】
前記各学習者用端末は、
前記学習者用モニタに表示した前記学習者用端末画面を記憶する画面記憶手段を更に備えると共に、
前記送信制御手段は、前記記憶した学習者用端末画面を読み出して当該学習者用端末の識別子と共に前記教師用端末に送信させる機能をも備え、
前記教師用端末は、
前記教師用端末入力手段からの入力操作信号に基づき、前記複数の学習者用端末の全て又は一部に対して、顔画像データ又は学習者用端末画面のいずれかのデータ種類を選択して送信要求信号を出力し、この送信要求信号を受信した学習者用端末から前記データ種類に応じて供給された顔画像データ又は学習者用端末画面のいずれかと識別子とに基づき、前記教師用端末画面における前記識別子に対応した学習者座席アイコンに、前記顔画像データ又は学習者用端末画面のいずれかを描画するように前記教師用端末表示制御手段を制御するようにした請求項1に記載の語学学習システム。
【請求項3】
教師用モニタとこの教師用モニタに表示させた教師用端末画面に従って入力操作させる教師用端末入力手段とをそれぞれ接続した教師用端末と、学習者用モニタとこの学習者用モニタに表示させた学習者用端末画面に従って入力操作させる学習者用端末入力手段とカメラとをそれぞれ接続した複数の学習者用端末と、をネットワークを介してそれぞれ接続し、前記教師用端末が前記複数の学習者用端末を制御して語学教材データを各学習者用端末に供給する語学学習システムにおける処理を、前記教師用端末に実行させる教師用端末制御プログラムと前記各学習者用端末に実行させる学習者用端末制御プログラムからなる語学学習システム用プログラムであって、
前記教師用端末制御プログラムは、
前記各学習者用端末に対応させた学習者座席アイコンを含む教師用端末画面を前記教師用モニタに表示させる教師用端末表示ステップを実行する一方、
前記学習者用端末制御プログラムは、
前記教師用端末から供給された語学教材データに対応させたGUI情報を含む学習者用端末画面を前記学習者用モニタに表示させる学習者用端末表示ステップと、
前記カメラにより前記学習者用端末入力手段を操作する学習者の顔部分を撮像させる撮像ステップと、
この撮像ステップにおいて撮像した顔画像データを当該学習者用端末の識別子と共に前記教師用端末に送信させる送信ステップとを実行し、
前記教師用端末制御プログラムは、
前記教師用端末入力手段からの入力操作信号に基づき、前記複数の学習者用端末の全て又は一部を選択して顔画像データの送信要求信号を出力させ、この送信要求信号を受信した学習者用端末から供給された顔画像データ及び識別子に基づき、前記教師用端末画面における前記識別子に対応した学習者座席アイコンに前記顔画像データを描画する描画ステップを実行する
処理を前記教師用端末及び各学習者用端末にそれぞれ実行させる語学学習システム用プログラム。
【請求項4】
教師用モニタとこの教師用モニタに表示させた教師用端末画面に従って入力操作させる教師用端末入力手段とをそれぞれ接続した教師用端末と、学習者用モニタとこの学習者用モニタに表示させた学習者用端末画面に従って入力操作させる学習者用端末入力手段とをそれぞれ接続した複数の学習者用端末と、をネットワークを介してそれぞれ接続し、前記教師用端末が前記複数の学習者用端末を制御して語学教材データを各学習者用端末に供給する語学学習システムにおける処理を、前記教師用端末に実行させる教師用端末制御プログラムと前記各学習者用端末に実行させる学習者用端末制御プログラムからなる語学学習システム用プログラムであって、
前記教師用端末制御プログラムは、
前記各学習者用端末に対応させた学習者座席アイコンを含む教師用端末画面を前記教師用モニタに表示させる教師用端末表示ステップを実行する一方、
前記学習者用端末制御プログラムは、
前記教師用端末から供給された語学教材データに対応させたGUI情報を含む学習者用端末画面を前記学習者用モニタに表示させる学習者用端末表示ステップと、
前記学習者用モニタに表示させた学習者用端末画面を記憶させる画面記憶ステップと、
この画面記憶ステップにおいて記憶させた学習者用端末画面を読み出して当該学習者用端末の識別子と共に送信させる送信ステップとを実行し、
前記教師用端末制御プログラムは、
前記教師用端末入力手段からの入力操作信号に基づき、前記複数の学習者用端末の全て又は一部を選択して学習者用端末画面の送信要求信号を出力させ、この送信要求信号を受信した学習者用端末から供給された学習者用端末画面及び識別子に基づき、前記教師用端末画面における前記識別子に対応した学習者座席アイコンに前記学習者用端末画面を描画する描画ステップを実行する
処理を前記教師用端末及び各学習者用端末にそれぞれ実行させる語学学習システム用プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−32787(P2008−32787A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−202966(P2006−202966)
【出願日】平成18年7月26日(2006.7.26)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月26日(2006.7.26)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】
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