説明

誤り防止投与システム付き複数チャンバ容器

【課題】誤り防止投与システム付き複数チャンバ容器の提供。
【解決手段】本開示は、周囲縁部(14)がシールされており、出口(16)を有する容器本体を含む複数チャンバ容器(10)を提供する。この容器は、突出部分(42)を有する第1剥離シール(18)と、出口(16)を隔離する第2剥離シール(20)もまた備える。第2剥離シールは、突出部分(44)もまた備え得る。第1剥離シール(18)および第2剥離シール(20)は、対称チャンバを画定するように構成され得る。このチャンバは、第1突出部分(42)と第2突出部分(44)との間に延在する対称軸を備え得る。この容器のチャンバの幾何学的形状は、第1剥離シール(18)と第2剥離シール(20)との正確な連続開放を保証する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(背景)
不相溶または不安定な成分を個々に保存することを可能にする複数チャンバ容器は、公知である。これらの容器は、一般に、1つの出口、および個々のチャンバを分離する1つまたは複数の剥離シールまたは脆弱シールを含む。剥離シールは、一般に、容器内部に個々に保存されている成分を投与前に混合するために、活性化または破裂させる。成分は、粉末または液体でよく、混合された治療または医療溶液を形成し得る。混合後、溶液は、一般に、ヒトつまり患者に投与される(出口を通して)。投与は、ヘルスケア担当者によって行うことができる。あるいは、溶液は、溶液を受領するヒトが自己投与することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
多くの用途では、未混合溶液の投与は、不快で不利な副作用、あるいは患者に対する悪影響を生じ得る。したがって、未混合成分が出口から放出するのを妨げる複数チャンバ容器の必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0003】
(要旨)
本開示は、1つまたは複数の仕切り剥離シールと出口隔離剥離シールとの間の正確な連続開放を保証する複数チャンバ容器について記載する。そのため、本発明の容器は、未混合成分は容器から分配されないようになっている。
【0004】
一実施態様では、複数チャンバ容器は、周囲縁部がシールされて内部を画定している容器本体と、内部からの流体連通を提供するための出口とを備える。一実施態様では、この出口は周囲縁部を横断し得る。第1剥離シールは容器内にチャンバを画定し、この第1剥離シールは第1突出部分を有する。容器は、出口をチャンバから隔離する第2剥離シールも備え、この第2剥離シールは第2突出部分を有する。一実施態様では、第2剥離シールは、各々の端部が同じ容器側部に接触して、出口をチャンバから隔離する対向する端部を備える。一実施態様では、第2剥離シールは、出口チャンバを画定し得る。あるいは、第2剥離シールは、出口の入口端部を被覆し得る。
【0005】
一実施態様では、第1剥離シールは、第2剥離シールの剥離シール力未満の剥離シール力を有してよい。さらに他の実施態様では、第1剥離シールは、約10.0N/15mm〜約29.0N/15mmの剥離シール力を有することができ、第2剥離シールは、約13.0N/15mm〜約35.0N/15mmの剥離シール力を有することができる。さらに他の実施態様では、第1剥離シール力と第2剥離シール力との差は、約0.1N/15mm〜約13N/15mmである。
【0006】
一実施態様では、第1および/または第2突出部分は、弓形、多角形、尖った形、ギザギザした形、三角形から選択した形状、およびこれらの組合せから選択した形状を有することができる。
【0007】
一実施態様では、第1突出部分は、第2突出部分方向に突出する。さらに他の実施態様では、第1突出部分、第2突出部分、および出口は、互いに対して直線関係にある。
【0008】
一実施態様では、第1および/または第2剥離シールは、外側縁部を含むことができ、外側縁部の一部は鋸歯状部分を含み得る。
【0009】
一実施態様では、周囲縁部がシールされた容器本体を含み、出口が縁部を横断し、第1剥離シールが突出部分を有する複数チャンバ容器を提供する。容器は、出口を隔離する第2剥離シールを含むことができ、第2剥離シールは第2突出部分を有する。第1および第2剥離シールは、実質的に対称なチャンバを画定するように構成することができる。一実施態様では、チャンバは、第1および第2突出部分間に対称に延在する軸を含むことができる。
【0010】
一実施態様では、第1突出部分および第2突出部分は、チャンバ内でそれぞれ第1および第2シール接触角度を画定し得る。このシール接触角度は、サイズが実質的に等しいか、あるいは実質的に類似している。
【0011】
一実施態様では、第2剥離シールは、第1剥離シールの活性化エネルギー以上の活性化エネルギーを有することができる。第2剥離シールの活性化エネルギーは、第1剥離シールの活性化エネルギーより約1〜5倍大きくてよい。第1剥離シールの活性化エネルギーは、約0.10〜約0.20ジュールでよい。第2剥離シールの活性化エネルギーは、約0.25〜約0.50ジュールでよい。さらに他の実施態様では、第1剥離シールは、鋸歯状部分を有する外側縁部を備え得る。
【0012】
一実施態様では、剥離可能なシールを有する容器を剥離する方法を提供する。この方法は、周囲縁部がシールされており、出口が縁部を横断する容器本体を提供することを含む。この容器は、突出部分を有する第1剥離シールと、出口を隔離する第2剥離シールとを備え得る。第2剥離シールは第2突出部分を有することができ、第1および第2剥離シールは、実質的に対称のチャンバを画定することができる。この方法は、第1剥離シールを活性化し、さらに第2剥離シールを活性化することをさらに含む。
【0013】
一実施態様では、第2剥離シールは、第1剥離シールが活性化された後にのみ活性化される。
【0014】
一実施態様では、この方法は、第1突出部分において第1剥離シールの活性化を開始することを含む。さらに他の実施態様では、第2剥離シールの活性化は、第2突出部分において開始し得る。
【0015】
さらに他の実施態様では、第1剥離シールは、各々のチャンバがそれぞれの成分を含む2つのチャンバを画定し得る。この方法は、第2剥離シールを活性化する前に、成分を混合することをさらに含み得る。さらに他の実施態様では、混合された成分は、出口から分配し得る。
【0016】
その他の特徴および利点は、本明細書で説明し、以下の詳細な説明および図面から明らかになるであろう。
例えば、本願発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
複数チャンバ容器であって、
周囲縁部がシールされており、出口を有する容器本体と、
該容器内にチャンバを画定しており、第1突出部分を有する第1剥離シールと、
該出口を前記チャンバから隔離しており、第2突出部分を有する第2剥離シールと
を備える、複数チャンバ容器。
(項目2)
各々の剥離シールが剥離力を有し、前記第1剥離力が前記第2剥離力より小さい、項目1に記載の容器。
(項目3)
前記第1剥離力と第2剥離力との間の差が約0.1N/15mm〜約15.0N/15mmである、項目2に記載の容器。
(項目4)
前記第1剥離シールが、約10.0N/15mm〜約29.0N/15mmの剥離力を有する、項目1に記載の容器。
(項目5)
前記第2剥離シールが、約13.0N/15mm〜約35.0N/15mmの剥離力を有する、項目1に記載の容器。
(項目6)
前記第1剥離シールが第1活性化エネルギーを有し、前記第2剥離シールが第2活性化エネルギーを有し、該第2活性化エネルギーが該第1活性化エネルギーよりも大きいかまたは等しい、項目1に記載の容器。
(項目7)
前記第2活性化エネルギーが、前記第1活性化エネルギーよりも約1〜約5倍大きい、項目6に記載の容器。
(項目8)
前記第2活性化エネルギーが、前記第1活性化エネルギーよりも約1.25〜約2倍大きい、項目6に記載の容器。
(項目9)
前記第1活性化エネルギーが約0.10ジュール〜約0.20ジュールである、項目6に記載の容器。
(項目10)
前記第2活性化エネルギーが約0.25ジュール〜約0.50ジュールである、項目6に記載の容器。
(項目11)
前記第1突出部分が、弓形、多角形、鋭利な形、ギザギザした形、三角形、およびこれらの組合せから成る群から選択される形状を有する、項目1に記載の容器。
(項目12)
前記第2突出部分が、弓形、多角形、鋭利な形、ギザギザした形、三角形、およびこれらの組合せから成る群から選択される形状を有する、項目1に記載の容器。
(項目13)
前記第1突出部分が、前記第2突出部分方向に突出する、項目1に記載の容器。
(項目14)
前記第1突出部分、前記第2突出部分、および前記出口が、互いに対して実質的に直線関係にある、項目1に記載の容器。
(項目15)
前記第1剥離シールが外側縁部をさらに備え、該外側縁部の少なくとも一部分が鋸歯状部分を有する、項目1に記載の容器。
(項目16)
前記第2剥離シールが外側縁部をさらに備え、該外側縁部の少なくとも一部分が鋸歯状部分を有する、項目1に記載の容器。
(項目17)
前記第2剥離シールが対向端部を有し、前記容器が複数の縁部を有し、各々の端部が同じ容器縁部に接触する、項目1に記載の容器。
(項目18)
前記第2剥離シールが外側チャンバを画定する、項目1に記載の容器。
(項目19)
前記出口が、前記容器の内部に連通する入口端部をさらに含み、前記第2剥離シールが、該入口端部を覆う、項目1に記載の容器。
(項目20)
複数チャンバ容器であって、
周囲縁部がシールされており、出口を有する容器本体と、
突出部分を有する第1剥離シールと、
前記出口を隔離しており、第2突出部分を有する第2剥離シールと、
を備え、該第1剥離シールおよび該第2剥離シールは、実質的に対称なチャンバを画定する、複数チャンバ容器。
(項目21)
前記チャンバが、前記出口を貫通して延在する線に対して実質的に直角の対称軸をさらに含む、項目20に記載の容器。
(項目22)
前記第1突出部分および前記第2突出部分が、それぞれ第1シール接触角度および第2シール接触角度を前記チャンバ内に画定し、前記シール接触角度のサイズが実質的に類似する、項目20に記載の容器。
(項目23)
前記シール接触角度が約30°以下である、項目22に記載の容器。
(項目24)
前記第1剥離シールが、前記第2剥離シールの活性化力未満の活性化力を有する、項目20に記載の容器。
(項目25)
前記第1剥離シールが外側縁部をさらに備え、前記外側縁部が鋸歯状部分を有する、項目20に記載の容器。
(項目26)
前記第1突出部分が前記第2突出部分方向に突出する、項目20に記載の容器。
(項目27)
剥離可能シールを有する容器を開放するための方法であって、
周囲縁部がシールされており、出口と、突出部分を有する第1剥離シールと、該出口を隔離する第2剥離シールとを有しており、該第2剥離シールが第2突出部分を有し、該第1剥離シールおよび該第2剥離シールが対称チャンバを画定する、容器本体を提供するステップと、
前記第1剥離シールを活性化するステップと、
前記第2剥離シールを活性化するステップと
を含む方法。
(項目28)
前記第1剥離シールの活性化および前記第2剥離シールの活性化が、予め決められた順序で生じる、項目27に記載の方法。
(項目29)
前記第2剥離シールの活性化が、前記第1剥離シールの活性化の後にのみ生じる、項目27に記載の方法。
(項目30)
前記第1剥離シールの活性化を前記第1突出部分において開始するステップをさらに含む、項目27に記載の方法。
(項目31)
前記第2剥離シールの活性化を前記第2突出部分において開始するステップをさらに含む、項目27に記載の方法。
(項目32)
前記第1剥離シールが、各々のチャンバがそれぞれの成分を含む2つのチャンバを画定し、前記方法が、該成分を混合した後に、さらに活性化するステップをさらに含む、項目27に記載の方法。
(項目33)
前記混合した成分を前記出口から分配するステップをさらに含む、項目32に記載の方法
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、本開示による複数チャンバ容器の斜視図である。
【図2】図2は、本開示による複数チャンバ容器の平面図である。
【図3】図3は、複数チャンバ容器の平面図である。
【図4】図4は、本開示による複数チャンバ容器の略図である。
【図5】図5は、複数チャンバ容器の略図である。
【図6】図6は、本開示の一実施態様によるシーリングダイの斜視図である。
【図7】図7は、本開示の一実施態様による剥離力および活性化エネルギーを示すヒストグラムである。
【図8】図8は、図2の領域Bの拡大平面図である。
【図9】図9は、本開示の一実施態様による剥離シールの概略図である。
【図10】図10は、本開示の一実施態様による剥離シールの概略図である。
【図11】図11は、本開示の一実施態様による剥離シールの概略図である。
【図12】図12は、本開示の一実施態様による複数チャンバ容器の平面図である。
【図12A】図12Aは、図12の領域Cの拡大平面図である。
【図13】図13は、本開示の一実施態様による複数チャンバ容器の平面図である。
【図14】図14は、本開示の一実施態様による複数チャンバ容器の平面図である。
【図15】図15は、本開示の一実施態様による複数チャンバ容器の平面図である。
【図16】図16は、本開示の一実施態様による複数チャンバ容器の平面図である。
【図17】図17は、本開示の一実施態様による複数チャンバ容器の平面図である。
【図18】図18は、本開示の一実施態様による複数チャンバ容器の平面図である。
【図19】図19は、本開示の一実施態様による複数チャンバ容器の平面図である。
【図20】図20は、本開示の一実施態様による複数チャンバ容器の平面図である。
【図21】図21は、本開示の一実施態様による複数チャンバ容器の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(詳細な説明)
一般的に、類似の参照符号が類似の構造および要素を示す図、特に図1を参照すると、周囲縁部14、出口16、第1剥離シール18、および第2剥離20シールを含む本体12を有する容器10の斜視図が示されている。周囲縁部14は、上縁22、下縁24、および対向する側縁26および28を含む。一実施態様では、容器10は、周囲縁部14に沿って実質的に同一の広がりを有して容器10を囲み、容器の内部を形成するか、あるいは画定する永久シールを備える。永久シールは、先行技術で一般に公知のヒートシール、接着シール、無線周波シール、熱転写溶接、溶剤結合、またはレーザ溶接でよい。
【0019】
一実施態様では、出口16は、周囲縁部14を横断して延在するか、あるいは横断して、容器内部と容器外部との間に流体連通を提供する。あるいは、出口16は、周囲縁部14の外面に取り付けることができ、出口は、容器の周囲縁部において容器を貫通し、それによって容器内部と容器外部との間に流体連通を確立する。一実施態様では、出口16は、容器の下縁24に沿って配置し得る。出口16の入口30(図2)は、容器内部に延在してもしなくてもよい。容器10は、容器の製造プロセスで容器10に充填するか、または容器に充填されてシールされた後、さらに他の成分を容器内に導入するために使用し得るポート32も含むことができる。一実施態様では、容器10は、各々のチャンバ内に1つのポートを含み得る。これらのポートは、使用後にシールすることができる。容器10は、先行技術で一般に公知の形成充填シール(FFS)容器、シール充填シール(SFS)容器、または形成シール充填(FSF)容器でよい。
【0020】
一実施態様では、容器10は、先行技術で一般に公知の可撓性ポリマー材料またはフィルムから製造し得る。このフィルムは、容器10の内容によって決まるように、単一層または複数層構造でよい。一実施態様では、容器10は、シール層/中間層/外側層構成を有する複数層フィルム構造から製造することができる。これらの層は、互いに直接、あるいは1つまたは複数の介在接着結合層を用いて接着することができる。さらに他の実施態様では、フィルムは、ポリエチレンα−オレフィンコポリマーおよび熱可塑性エラストマーのブレンドを含み得るシール層、結合層、ポリアミドを含む中間層、結合層、およびポリプロピレンを含む外側層を有することができる。
【0021】
たとえば、フィルムシール層は、ポリプロピレンおよびエチレンランダムコポリマー、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)およびスチレン−エチレン−ブチレン−スチレントリ−ブロックコポリマー(SEBS)の三元ブレンドでよい。中間層は、ナイロン6およびナイロン6I/6Tのブレンドでよい。外側層は、ポリプロピレンでよい。結合層は、無水マレイン酸変性ポリプロピレンでよい。このようなフィルムは、欧州特許第1 139 969 Bl号に記載されており(引用することにより、全体を本願に援用する)、たとえば腹膜透析液などの医療溶液を保管するための適切な複数チャンバ容器を形成することが実証されている。一実施態様では、シール層は、約115℃〜約128℃の温度で剥離シールを形成し、約126℃〜約15O℃で永久シールを形成することが可能であり得る。
【0022】
一実施態様では、第1剥離シール18は、側部26および28間に延在して、第1チャンバ34および第2チャンバ36を形成する。図1は2つのチャンバを示しているが、容器10は3つ、4つ、5つ、6つまたはそれ以上のチャンバを有することができると考えられる。さらに、チャンバの数が増加すると、一般に必然的にチャンバを形成する剥離シールの数が増加すると考えられる。
【0023】
チャンバ34および36は、容器内で混合することができて、先行技術で一般に公知の治療溶液または医療溶液を形成する個々の成分を保存するために使用し得る。これらの成分は、互いに不相溶であるか、不安定、または敏感である場合があり、その結果、個々の保存チャンバを設ける必要がある。これらの成分の混合は、一般に、混合溶液を投与する前(つまり、24時間以内)に行われる。少なくとも1つの成分は、通常は液体だが、その他の成分は粉末状または液体状でよく、互いに混合して最終的な治療または医療溶液を形成することができる。開示されている容器内に別個に保存された成分を混合することによって形成される適切な容器の非制限的な例としては、栄養液、薬液、透析液、遺伝子治療および化学療法薬剤を含む薬剤、水和溶液、および静脈、皮下、腹腔内、またはその他の腸もしくは非経口経路により患者に投与され得るその他の多くの流体が挙げられる。一実施態様では、チャンバ34および36は各々、互いに混合した時に透析液を形成し得る単一成分を含む。さらに他の実施態様では、第1チャンバ34は低pH溶液を含むことができ、第2チャンバ36は緩衝溶液を含むことができる。さらに他の実施態様では、低pH溶液は、約1.8〜約2.2のpHを有する右旋性グルコース濃縮液でよく、緩衝溶液は、約8.6〜約12のpH、たとえば約8.6〜約9.8のpHを有する重炭酸塩濃縮液でよい。
【0024】
第2剥離シール20は、出口16を囲むか、あるいは出口16をチャンバから隔離するように、出口16の周囲に配置することができる。一実施態様では、第2剥離シール20は、出口16を第2チャンバ36から隔離し得る。一実施態様では、第2剥離シール20は、出口チャンバ40を画定し得る。さらに他の実施態様では、出口チャンバ40は空であるか、あるいは第1および第2チャンバ34、36内に含まれる成分と混合される成分を含まない。あるいは、出口16の入口側30を被覆し得る。第1および/または第2剥離シール18、20は、幅が均一であっても、均一でなくてもよい。
【0025】
一実施態様では、第2剥離シール20は、図1および2に示すように、容器10の同じ縁部に接触する端部41および43を有することができる。一実施態様では、端部41および43は、各々下縁24に接触して、出口16を第2チャンバ36から隔離し得る。これは、有利なことに、出口を隔離するのに必要な容器の面積を減少させると同時に、第2チャンバ36のためのより大きい面積、容量、または保存能力を提供する。
【0026】
一実施態様では、各々の剥離シールは、突出部分も備え得る。第1剥離シール18は第1突出部分42を含み、第2剥離シール20は第2突出部分44を含むことができる。さらに他の実施態様では、第1突出部分42は、第2突出部分44方向に突出し得る。一実施態様では、第2剥離シール20は、図1に示すように弓形の形状でよい。この実施態様では、突出部分44は、第2剥離シール20の最も内側に突出する領域を含み得ることが分かる。あるいは、第2剥離シールは、第2突出部分でよい。一実施態様では、第1突出部分42、第2突出部分44、および出口16は、互いに対して実質的に直線関係にある。
【0027】
一実施態様では、各々の剥離シールは、各々の剥離シールを活性化、破裂、あるいは開放するために、対応する剥離シール力(または剥離強度)および/または活性化エネルギーも有することができる。さらに他の実施態様では、各々の剥離シールの最初の活性化は、第1突出部分42および第2突出部分44でそれぞれ生じ得る。一実施態様では、第1および第2剥離シールは、正確な連続開放(CSO)を提供するように構成または作成される。CSOでは、第1剥離シール18は、第2剥離シール20の活性化の前に活性化する。容器10が、2つを超える成分チャンバを含む場合、CSOは、隔離剥離シール(つまり、図1のチャンバおよび第2剥離シール20から出口を隔離する剥離シール)は、最後に活性化する剥離シールであることを必要とする。つまり、CSOは、隔離シールが活性化する前に、任意またはすべての仕切りシールが活性化することを必要とする。したがって、CSOは、容器のチャンバ内の成分が、1)隔離剥離シールの活性化、および2)混合された成分が、出口16から患者に投与される前に、十分に混合されることを保証する。特定の実施態様では、CSOは、十分な混合を促進し、反応成分が、画定された予測可能な順序で相互に作用することを保証するために、成分チャンバ間の剥離シールが特定の順序で活性化することも必要とする。
【0028】
正確な連続開放は、いくつかの要素によって影響を受けることが実証されている。これらの要素としては、1)チャンバのプロファイルまたは幾何学的形状、2)シール接触角度(容器のフィルムと剥離シールとの間に形成される角度)、3)剥離シール力(または剥離強度)、4)剥離シールの活性化エネルギー、および5)等圧加圧が挙げられる。当然、きわめて信頼性があるか、または保証されたCSOは、仕切りシールと隔離シールとの間の剥離シール力および/または剥離シール活性化における大きい差により、あるいは非常に高い活性化エネルギーを隔離シールに与えることによって達成し得る。しかし、約30N/15mmを超える剥離シール力を有する剥離シールは、高齢者、虚弱者、または器用さが限られている人にとって、開放することが難しいことが実証されている。本発明の容器に予想されるユーザ、特に自己投与ユーザは、上記の1つまたは複数のカテゴリに分類されることが多いため、保証されたCSOのために大きい剥離シール力に頼っている従来の容器は、多くの状況で実際的ではない。
【0029】
本開示は、一部には、チャンバの幾何学的形状またはチャンバのプロファイルがCSOに影響を及ぼし得る驚くべき発見を対象としている。特に、チャンバの対称な幾何学的形状は、より正確にCSOを制御するために使用し得る追加のパラメータを生じる。したがって、一部には隔離剥離シールによって画定される対称チャンバの形成は、有利なことに、正確な連続開放を有する複数チャンバ容器を形成する際に、より強度の制御を提供する。さらに、対称チャンバプロファイルは、チャンバ内のアパーチャ角度のサイズ間の均一性、または実質的な類似性をさらに提供する。これらの特徴の利点について、以下でさらに説明する。
【0030】
図2〜5を参照すると、図2および3は、それぞれ容器10および100を示す。図2は、対称軸Aが、チャンバ36を貫通して第1および第2突出部分42および44間に延在する容器10を示す。対称軸Aは、図2に示すように、出口16を貫通して延在する線に実質的に垂直、あるいは実質的に直角でよい。あるいは、対称軸Aは、第1剥離シール18または下周囲縁部24に対して実質的に平行でよい。対称軸Aは、一方または両方の側縁26、28を横断してもよい。対称軸Aは、チャンバ36が双方向に対称であることを示す。つまり、軸Aに沿ったチャンバ36の二等分は、第1剥離シール18および第1突出部分42が下縁24、第2剥離シール20、および第2突出部分44に対して対称に配列または配置されていることを実証する。別の言い方では、第1突出部分42および第2突出部分44は、軸Aに沿って互いに鏡像である。
【0031】
容器100は、形状が実質的に線形であるか、あるいは突出部分がない第1剥離シール102を備える。第1剥離シール102は、チャンバ104および106を画定する。第2剥離シール108は、突出部分110を有する。第2剥離シール108は、出口112を隔離する。注目すべき点は、チャンバ106が、剥離シール102および108間に対称軸がなく、第1剥離シール102および第2剥離108間に鏡像関係が存在しないことである。
【0032】
図4および5は、それぞれ容器10および100のチャンバの幾何学的形状のプロファイルの略図を示す。図4は、容器10、第1突出部分42、およびその鏡像である第2突出部分44が、チャンバ36内でそれぞれのシール接触角度50および52を形成することを示す。シール接触角度50および52は、サイズが各々類似している。一実施態様では、各々のシール接触角度50および52のサイズは約30°以下でよい。対照的に、図5は、容器100では、第1剥離シール102はシール接触角度114を形成し、第2剥離シール108の突出部分110は、チャンバ106内にシール接触角度116を形成する。接触角度114は、接触角度116より大きい。一実施態様では、シール接触角度114は約80°でよく、シール接触角度116は約30°でよい。したがって、シール接触角度114のサイズは、シール接触角度116のサイズの約2倍でよい。
【0033】
図4および5は、さらに、それぞれ容器10および100に対する油圧力の適用を示す。各々の油圧力は、水平力成分(FH)および垂直力成分(FV)に分解される。すべての剥離シールパラメータが一定であることを条件として、第1剥離シールが開放するのは、垂直力成分が最大のシールである。図4では、第1突出部分42の垂直力成分は、突出部分44の垂直力成分と実質的に同じであるか、あるいは等しい。したがって、容器10内では、第1および第2突出部分42および44が同時に、あるいは実質的に同時に活性化するであろう。しかし、図5では、第2剥離シール108は、第1剥離シール102(仕切りシール)の垂直力成分より大きい垂直力成分を有する。したがって、容器100では、第2剥離シール108(出口隔離剥離シール)は、他のすべてのシールパラメータが一定である第1剥離シール102の活性化以前に活性化する。
【0034】
したがって、隔離シールの鏡像に仕切りシールを構成することによって、対称的な幾何学的形状のプロファイルを有するチャンバを形成し得ることが実証されている。隔離剥離シールは、鏡像の剥離シールまたは仕切りシールと関連して、幾何学的に対称の保存チャンバを形成する。さらに、互いに対して対称な関係にある剥離シールの突出部分は、チャンバの接触角度をより小さくする。実質的に等しく小さい接触角度は、非対称チャンバ、および/または接触角度が等しくないか、あるいは大きいチャンバの剥離シールの活性化エネルギーと比べると、より低い剥離シール活性化エネルギーを有するチャンバを生じる。さらに、1)隔離剥離シールによって部分的に画定される対称チャンバが、2)鏡像の突出部分を有するというコンセプトは、CSOが保証され、必要な剥離シール活性化エネルギーが従来よりも低い複数チャンバ容器を形成するために使用し得る。CSOが保証され、活性化力がより低い容器は、容器の動作を容易にする点で有利である。これは、本発明の容器を使用する高齢者、弱者、知的弱者、虚弱者、身体障害者、および/または老衰したユーザ、特に自己投与ユーザにとって特に有利である。
【0035】
一実施態様では、第1剥離シール18は、先行技術で一般に公知の任意の方法で、第2剥離シール20の剥離シール力より低い剥離シール力を有するように形成し得る。たとえば、第1剥離シール18は、約115℃〜約128℃の温度、および約3バール〜約5バールの圧力で、対向するヒートシールダイを容器に適用することによって形成し得る。一実施態様では、第1剥離シール18は、約10.0N/15mm〜約29.0N/15mm(殺菌後)、または約10.2N/15mm〜約16.0N/15mmの剥離シール力を有することができる。さらに他の実施態様では、第1剥離シールは、約121℃の温度で形成することができ、約10.4N/15mmの剥離シール力を有する。さらに他の実施態様では、第1剥離シールは、約122℃の温度で形成することができ、約17.0N/15mmの剥離シール力を有する。
【0036】
同様に、第2剥離シール20は、約115℃〜約128℃の温度および約3バール〜約5バールの圧力で、ヒートシールダイを容器に適用することによって形成し得る。一実施態様では、第2剥離シール20は、約123℃〜約126℃の温度で形成し得る。図6は、先行技術で一般に公知のように第2剥離シール20を形成するために使用し得るシーリングダイ200を示す。ダイ200は、Teflon塗布してアニールしたダイでよく、これは、反りを防止し、溶融または融解したポリマー材料に対する付着を防止する点で有利である。突出部202は、幅Dを有し得る。一実施態様では、幅Dは約12mmの長さを有し得る。ダイ200に類似するダイは、第1剥離シール18を形成するために使用することができる。一実施態様では、第2剥離シール20は、約13.0N/15mm〜約35.0N/15mm(殺菌後)、または約15.0N/15mm〜約25.0N/15mmの剥離シール力を有することができる。さらに他の実施態様では、第2剥離シールは、約125℃の温度で形成することができ、約17.5N/15mmの剥離力を有する。さらに他の実施態様では、第2剥離シールは、約126℃の温度で形成することができ、約20−21N/15mmの剥離シール力を有する。
【0037】
一実施態様では、第1剥離シール力と第2剥離シール力との差は約0.1N〜約13.0N、または約2.0N〜約10.0Nでよい。さらに他の実施態様では、第1剥離シール力と第2剥離シール力との差は約7.1N/15mmでよい。さらに他の実施態様では、第1剥離シール力と第2剥離シール力との差は約5.0N/15mmでよい。本発明の容器は、剥離シール力の範囲が全体に低く(つまり、一実施態様では10〜20N/15mm)、高信頼性の正確な連続開放容器を有利に提供する。これは、従来の複数チャンバ容器に対する改善として有効であり、必要な剥離シール力範囲は、仕切り剥離シールの場合は約10〜40N/15mmであり、隔離剥離シールの場合は約25〜40N/15mmである。本発明の容器は、低い剥離シール力で高信頼性の正確な連続開放を有利に提供する。
【0038】
一実施態様では、第1剥離シール18および/または第1突出部分42は、図2に示すように外側縁部46および48を含み得る。一方または両方の縁部46および48は、鋸歯状部分54を含み得る。鋸歯状部分54は、一方または両方の縁部46および48の一部分に沿って延在し得る。一実施態様では、鋸歯状部分54は、一方または両方の縁部46および48の長さと実質的に同一の広がりを持つか、あるいはその全体に沿って延在する。鋸歯状部分54を設けることによって、第1剥離シール18の活性化エネルギー(つまり、剥離シールを最初に活性化するのに必要なエネルギー)が減少する。活性化エネルギーを低下させると、剥離シールを最初に破裂させるために必要な力が低下するために有利である。第2剥離シール20は、以下に詳細に説明する類似の方法で、シールの活性化エネルギーを変更するための鋸歯状部分を含み得る。
【0039】
一実施態様では、第1剥離シール18は、第1活性化エネルギーを有することができ、第2剥離シール20は、第2活性化エネルギーを有することができ、第2活性化エネルギーは第1活性化エネルギーより大きい。つまり、第1剥離シール18は、開放するための作動力が少なくて済み、第2剥離シール20より容易に、第2剥離シール20より先に開放する。あるいは、第1および第2活性化エネルギーはほぼ等しい場合があり、この場合、第1および第2剥離シールは同時に開放し得る。正確な連続開放は、第1剥離シール18を第2剥離シール20よりわずかに狭くすることによってさらに保証し得る。別の実施態様では、第2活性化エネルギーは、第1活性化エネルギーの約1倍〜約5倍でよい。さらに他の実施態様では、第2活性化エネルギーは第1活性化エネルギーの約1倍〜約2倍でよい。第1活性化エネルギーは、約0.10ジュール〜約0.20ジュールでよい。第2活性化エネルギーは、約0.25ジュール〜約0.50ジュールでよい。
【0040】
図7は、第1(仕切り)シール18(点線)、および第2(隔離)シール20(実線)の剥離力(または剥離シール力)、および剥離シール活性化エネルギー(または活性化エネルギー)を表すヒストグラムを示す。図7に示すように、シール18およびシール20の剥離シール力は異なる。一実施態様では、シール18および20の剥離シール力は、ヒストグラムの剥離力に示すように重複し得る。第2隔離シール20の活性化エネルギーは、シール18および20の剥離シール力間の関係に関わりなく、第1仕切りシール18の活性化エネルギーより大きい状態を保つ。第2シール20の活性化エネルギーが、第1シール18の活性化エネルギーより大きいことを保証することによって、本開示は、各々のシール18および20の剥離シール強度に関係なく、容器の正確な連続開放を有利に提供する。
【0041】
いくつかの要素は、剥離シール力、シール接触角度、および剥離シールの構成を含む各々のシールの活性化エネルギーに影響を与え得る。一実施態様では、どちらの剥離シールも、必要に応じて剥離シールの活性化エネルギーを変更するように修正し得る。たとえば、第1剥離シール18の構成は、必要に応じて剥離シールの活性化エネルギーを変更または低下させるように構成し得る。図8は、図2の領域Bの拡大図であり、頂点55および谷57を含み得る鋸歯状部分54を有する第1剥離シール18を示す。距離Eは、隣接する頂点55間に延在し得る。一実施態様では、距離Eは、約7mm〜約9mm、または約8mmの長さを有することができる。各々の頂点55は、対応する曲率半径Fを有し得る。曲率半径Fは、約0.3mm〜約0.7mm、または約0.5mmの曲率半径Fを有し得る。各々の頂点および谷間の傾斜は、角度Gを形成し得る。角度Gは、約75°〜約105°、または約90°でよい。各々の谷57は、曲率半径Hを有してもよい。曲率半径Hは、約0.5mm〜約1.5mm、または約1.0mmの長さを有し得る。距離Iは、シール18の一方の側部上の頂点55と、シール18の他方の側部上にあり、頂点55に整列する対応する谷57との間に延在し得る。距離Iは、約3.0mm〜約5.0mm、または約4.2mmの長さを有し得る。距離Jは、シール18の一方の側部上の谷57と、シール18の他方の側部上に配置された谷57との間に延在し得る。距離Jは、約6.0mm〜約8.0mm、または約7.5mmの長さを有し得る。剥離シール18は、幅Kを有し得る。一実施態様では、幅Kは、約2mm〜約3mm、または約2.8mmの長さを有し得る。
【0042】
第1剥離シール18は、その他の構成を有し得る。たとえば、第1剥離シール18は、スカラップ状縁部(図9)を有する鋸歯状部分56、台形縁部(図10)を有する鋸歯状部分58、または接触スカラップ状縁部を有する鋸歯状部分60(図11)を含み得る。あるいは、鋸歯状部分60は、瓦状の三角形縁部を有し得る。一実施態様では、第2剥離シール20および/または第2突出部分44は、上記の鋸歯状部分を含み得る。
【0043】
第1および/または第2突出部分42、44の形状は、初期ピーク活性化力および/または剥離シール活性化力が変化するように変更し得る。図12は、第1剥離シール18および第2剥離シール20を有する容器10を示す。突出部分42は、第1剥離シール18から突出し、各々が鋸歯状縁部46および48を有する。エルボー部分88は、第1剥離シール18を突出部分42に接続するか、あるいは相接させる。
【0044】
図12Aは、外側縁部46および48を有する第1突出部分42を示す図12の領域Cの拡大図を示す。縁部46および48の形状または構成は同じであるか、あるいは異なってよい。縁部46は鋸歯状でよく、頂点80および谷82を含み得る。同様に、縁部48は鋸歯状でよく、頂点84および谷86を含み得る。頂点80および84の高さは同じであるか、あるいは異なってよい。谷82および86の深さは同じであるか、あるいは異なってよい。縁部46の谷82は、曲率半径Lを有し得る。曲率半径Lは、約1.0mm〜約2.0mm、または約1.5mmの長さを有し得る。縁部46の頂点80は、曲率半径Mを有し得る。曲率半径Mは、約25.0mm〜約27.0mm、または約26.50mmの長さを有し得る。頂点82および谷84間の傾斜は、角度Nを構成し得る。角度Nは、約70°〜約90°、または約79°でよい。縁部48を参照すると、各々の谷86は曲率半径Oを有し得る。曲率半径Oは、約1.0mm〜約2.0mm、または約1.5mmの長さを有し得る。各々の頂点84は、曲率半径Pを有し得る。曲率半径Pは、約30.0mm〜約40.0mm、または約35.0mmの長さを有し得る。頂点84および谷86間の傾斜は、角度Qを形成し得る。角度Qは、約90°〜約110°、または約101.5°でよい。距離Rは、縁部48上の谷82と、縁部46上の谷86との間に延在し得る。距離Rは、約3.0mm〜約4.0mm、または約3.3mmの長さを有し得る。
【0045】
突出部分42は、第1剥離シール18に対する突出部分42に相接するエルボー88も含み得る。縁部48の側部では、エルボー88は、約6.0mm〜約8.0mm、または約7.0mm.の長さを有する曲率半径Sを有し得る。エルボー88は、縁部46の側部に曲率半径Tを有することができ、曲率半径Tは、約14.0mm〜約16.0mm、または約15.0mmの長さを有する。
【0046】
一実施態様では、第1および第2突出部分42、44の一方または両方の形状は、弓形、多角形、尖った形、ギザギザした形、三角形から選択した形状、およびこれらの組合せから選択し得る。図1では、第1および第2突出部分42および44の両方が弓形である。第1および第2突出部分のその他の形状の非制限的な例を図13〜21に示す。図13は、弓形の第1突出部分42と、および平アーチ形または楕円形(または半楕円形)の第2突出部分とを有する容器10を示す。図14は、弓形の第1突出部分42、および弓形に尖った形状の第2突出部分64を有する容器10を示す。図15は、鋭利あるいは三角形の形状である第1突出部分66、および半楕円形を有する第2突出部分62を有する容器10を示す。図16は、尖った第1突出部分66、弓形の尖った第2突出部分64を有する容器10を示す。図17は、弓形の尖った形状を有する第1突出部分68、および半楕円形の第2突出部分62を有する容器10を示す。図18は、弓形の尖った第1突出部分68、および弓形の尖った第2突出部分64を有する容器10を示す。図19は、多角形の第1突出部分70、および尖った第2突出部分72を有する容器10を示す。図20は、ギザギザした形を有する第1突出部分74、およびギザギザした形または縁部を有する第2突出部分76を有する容器10を示す。図21は、ギザギザした第1突出部分74、および半楕円形の第2突出部分62を有する容器10を示す。第1および第2突出部分は、他の形状または構成を有することもできると考えられる。
【0047】
一実施態様では、容器を剥離する方法を提供する。この方法は、周囲縁部がシールされており、内部、および容器の内部との流体連通を提供する出口を画定する容器本体、突出部分を有する第1剥離シール、出口を隔離する第2剥離シール、第2突出部分を有する第2剥離シール、並びに対称なチャンバを画定する第1および第2剥離シールを提供することを含み得る。この方法は、第1剥離シールおよび第2剥離シールを活性化することをさらに含み得る。一実施態様では、第2剥離シールの活性化は、第1剥離シールの活性化後にのみ生じる。さらに他の実施態様では、第1剥離シールの活性化は第1突出部分で開始することができ、第2剥離シールの活性化は、第2突出部分で開始することができる。
【0048】
さらに他の実施態様では、第1剥離シールは、上記のとおり、各々のチャンバが成分を保持する2つの保存チャンバを画定し得る。この方法は、容器内の成分を混合してから、さらに活性化し得る。一実施態様では、この方法は、混合された成分を出口から分配することをさらに含み得る。
【0049】
一実施態様では、この方法は、容器の上縁を容器本体上に巻くか、あるいはカールさせて、第1成分とともに、第1剥離シールを破裂あるいは活性化させるための力を第1チャンバ内に形成することを含み得る。つまり、容器の縁部は、容器上に巻かれて、第1チャンバ内に成分が保存された状態で、第1剥離シールを開放する第1剥離シール活性化力に等しいか、あるいはそれより大きい流体力を形成し得る。これは、第1チャンバを第2チャンバと流体連通させる。上縁を巻くことを容器の下縁方向に継続すると、第1および第2成分の混合を生じ得る。一実施態様では、容器の上縁は、容器の下縁方向に向かって容器本体上に引き続き巻かれ、混合された成分がチャンバ内に存在する状態で流体力を形成し、第2剥離シールを開放または破裂させることができる。一実施態様では、第2剥離シールは、第1剥離シールの活性化力より大きい活性化力を有する。混合成分は、その後、出口から分配することができる。あるいは、シールは、下部または下のチャンバに直接外圧を適用して、第1シールを活性化させてから、袋を巻いて第2シールを活性化させることによって、正確な順序で活性化させることができる。この動作モードは、第1突出部分によって促進され、第1突出部分は、下部チャンバ内の圧力の増加に反応し得る剥離シール活性化の開始点を提供し得る。
【0050】
本発明の容器は、有利に1)出口を隔離し、2)対称チャンバプロファイルを提供し、3)この対称チャンバプロファイルは、第1および第2剥離シールの接触角度を実質的に等しくする。鏡像または対称に配置された突出部分をチャンバプロファイルに組み込むことによって、チャンバの接触角度サイズを減少させ、その結果、剥離シール活性化力が相応に減少する。その結果、一実施態様では、容器は、従来の容器または非対称容器と比べて、剥離シール活性化力がより低い状態で、保証された正確な連続開放を提供する。さらに、油圧が容器の外側のどこに適用されるかに関係なく、本発明の容器は、第1剥離シールが活性化してから、第2剥離シールが活性化することを有利に保証する。
【0051】
次に、一例として、制限するのではなく、本発明の例を記載する。
【0052】
【表1】

【0053】
【表2】

本明細書に記載する現在好ましい実施態様対する様々な変更および修正は、当業者にとっては明らかであることを理解するべきである。このような変更および修正は、本発明の主題の精神および範囲を逸脱せず、意図する利点を損なうことなく行うことができる。したがって、このような変更および修正は、添付の請求の範囲が適用されることを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数チャンバ容器(10)であって、
周囲縁部(14)がシールされており、下周囲縁部に取り付けられた出口(16)を有する容器本体と、
突出部分(42)および外側縁部を有する第1剥離シール(18)であって、該外側縁部の少なくとも一部分が鋸歯状部分を有する、第1剥離シール(18)と、
前記出口(16)を隔離しており、第2突出部分(44)を有する第2剥離シール(20)と、
を備え、
該第1剥離シール(18)および該下周囲縁部のうちの少なくとも一方に対して実質的に平行である対称軸Aに対して実質的に対称に、該第1突出部分 (42)が該第2突出部分(44)方向に突出し、そして該第2突出部分(44)が該第1突出部分(42)方向に突出しており、そして
該第1剥離シール(18)および該第2剥離シール(20)は、実質的に対称なチャンバを画定する、複数チャンバ容器。
【請求項2】
前記チャンバが、前記出口(16)を貫通して延在する線に対して実質的に直角の対称軸をさらに含む、請求項に記載の容器(10)。
【請求項3】
前記第1突出部分(42)および前記第2突出部分(44)が、それぞれ第1シール接触角度および第2シール接触角度を前記チャンバ内に画定し、前記シール接触角度のサイズが実質的に類似する、請求項に記載の容器(10)。
【請求項4】
前記シール接触角度が約30°に等しい、請求項に記載の容器(10)。
【請求項5】
前記第1剥離シール(18)が、前記第2剥離シール(20)の活性化力未満の活性化力を有し、ここで、該活性化エネルギーが、各剥離シールを開放するために必要とされるエネルギーである、請求項に記載の容器(10)。
【請求項6】
剥離可能シールを有する容器(10)を開放するための方法であって、
周囲縁部(14)がシールされており、1)下周囲縁部に取り付けられた出口(16)と、2)突出部分(42)および外側縁部を有する第1剥離シール (18)であって、該外側縁部の少なくとも一部分が鋸歯状部分を有する、第1剥離シール(18)と、3)該出口(16)を隔離する第2剥離シール(20)とを有しており、該第2剥離シール(20)が第2突出部分(44)を有し、該第1剥離シール(18)および該下周囲縁部のうちの少なくとも一方に対して実 質的に平行である対称軸Aに対して実質的に対称に、該第1突出部分(42)が該第2突出部分(44)方向に突出し、そして該第2突出部分(44)が該第1突出部分(42)方向に突出しており、該第1剥離シール(18)および該第2剥離シール(20)が対称チャンバを画定する、容器本体を提供するステップ と、
前記第1剥離シール(18)を活性化するステップと、
前記第2剥離シール(20)を活性化するステップと
を含み、ここで、該活性化は各剥離シールを開放するステップである、方法。
【請求項7】
前記第1剥離シールの活性化および前記第2剥離シールの活性化が、予め決められた順序で生じる、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記第2剥離シールの活性化が、前記第1剥離シールの活性化の後にのみ生じる、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1剥離シール(18)の活性化を前記第1突出部分(42)において開始するステップをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記第2剥離シール(20)の活性化を前記第2突出部分(44)において開始するステップをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記第1剥離シール(18)が、各々のチャンバがそれぞれの成分を含む2つのチャンバを画定し、前記方法が、さらに活性化する前に該成分を混合するステップをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項12】
前記混合した成分を前記出口(16)から分配するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図12A】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2013−31680(P2013−31680A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−217139(P2012−217139)
【出願日】平成24年9月28日(2012.9.28)
【分割の表示】特願2009−509995(P2009−509995)の分割
【原出願日】平成19年4月30日(2007.4.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
【出願人】(591013229)バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド (448)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
【出願人】(501453189)バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム (289)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER HEALTHCARE S.A.
【Fターム(参考)】