説明

誤動作防止傾動スイッチ

【課題】各種電気機器の動作を切り替える傾動スイッチに係り、誤動作を防止するため、傾動スイッチの構造を構築することを目的とする。
【解決手段】内面に凹部を設けた操作部とスイッチ本体内部を上下に仕切る仕切板との間に自在に動くことのできる回転部材を配設し、前記スイッチ本体の左右の傾きにより前記回転部材を操作部と仕切板間で前記回転部材を挟持して前記操作部の傾動を阻止する。これにより前記スイッチを搭載した各種電気機器の誤動作を防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種電気機器の動作を切り替える傾動スイッチに係り、誤動作を防止するため、操作部とスイッチ本体の内部構造に特徴を持たせた誤動作防止傾動スイッチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、各種電子機器の動作を切り替える一般的な傾動スイッチは、常に動作させることが可能であった。
【特許文献1】特願平6−285795号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記のような従来の傾動スイッチは常に動作させることが可能であるため、不必要なときに誤って傾動させてしまったり、何らかの衝撃によって誤って傾動してしまうことがあった。そこで、本発明は上記問題を解決するために、スイッチの配設された向きにより傾動動作を阻止することができるスイッチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上記目的を達成するために、操作部内面の凸部とスイッチ本体内部の仕切板上面との間に自在に動くことのできる回転部材を配置し、本発明のスイッチを配設した機器の傾きによっては前記回転部材が狭持され前記操作部を傾動できなくなるようにした。
【発明の効果】
【0005】
(1)本発明の誤動作防止傾動スイッチを搭載した機器が倒置している時は、スイッチ内部に配置されている回転部材により操作部の傾動を阻止できるので、機器の誤動作を防ぐことができる。また仕切板に傾斜面を設けることにより、スイッチ本体が直立している際に操作部の傾動を阻止することもできる。
(2)本発明の誤動作防止傾動スイッチを搭載した機器を持ち運ぶ際に、操作部を傾動不可能な状態に機器を傾けておくだけで、誤って操作してしまうことが無く、新たに操作部を固定するような手段をとらなくても良い。
(3)本発明の誤動作防止傾動スイッチを搭載した機器を傾けて操作部を傾動不可能な状態にしておけば、不慮の落下物により操作されてしまうことがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の誤動作防止傾動スイッチは、内面に凹部を設けた操作部とスイッチ本体内部を上下に仕切る仕切板を設け、前期操作部の下面と前記仕切板の上方のスイッチ本体内空間に前記スイッチ本体の左右の傾きにより、自在に動くことのできる回転部材を配設し、前記スイッチ本体の左右の傾きにより前記回転部材を前記操作部と前記仕切板間で狭持して、前記操作部の傾動を阻止することができる。
【実施例】
【0007】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0008】
図1は本発明の誤動作防止傾動スイッチの分解斜視図、図2は本発明の誤動作防止傾動スイッチの断面図、図3(a)は本発明の誤動作防止傾動スイッチの操作部の断面図、図3(b)は本発明の誤動作防止傾動スイッチの操作部の裏面図である。図1、図2、図3(a)、図3(b)に示すように、操作部1の側面に設けられた突起2がスイッチ本体5の側面に設けられた丸孔6と係合される。また、前記操作部の内面に凹部20を設け仕切板18の上方のスイッチ本体空間に自在に動くことが可能な回転部材3が配設される。前記仕切板18下面の略中央部に設けた円状の溝(図示なし)には防水効果を高めるOリング8が配設され、さらに該Oリング8の下部より連結子9がOリング8及びスイッチ本体5の中央部に設けた略円状の孔4を貫通し、操作部1の内部中央部に設けた略円状の穴19と係合される。また、前記連結子9の下部には穴(図示なし)が設けられており、該穴にはコイルバネ10を介して滑動棒11が挿入されている。一方ケース14には共通端子15及び接触端子16が配設され、内部には補助接触板12及び可動接片13が配設される。そして、前記ケース14の側面にある突片17にスイッチ本体5の側面に設けた角孔7が嵌着することにより本発明の誤動作防止傾動スイッチが形成され、操作部1を傾動することにより可動接片13が接触端子16とオン、オフ動作を行い電路が開閉される。
【0009】
図4(a)は本発明の誤動作防止傾動スイッチの傾斜時操作不可の場合の使用例を示した断面図である。図4(a)のように前記操作部1と前記仕切板18との間に回転部材3を配置することにより、スイッチ本体傾斜時において前記操作部1の傾動時に前記回転部材3が前記操作部1凹部と仕切板との間に狭持され前記操作部1が傾動できなくなる。また、仕切板上面の傾斜面の向きを変えることにより、図4(b)のように直立時の誤動作を防ぐことも可能である。
【0010】
また、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の方法の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0011】
本発明の誤動作防止傾動スイッチは、従来の傾動スイッチ本体と比べ、内面に凹部を設けた操作部とスイッチ本体内部を上下に仕切る仕切板との間に自在に動くことのできる回転部材を配設し、前記スイッチ本体の左右の傾きにより前記回転部材を前記操作部と前記仕切板間で前記回転部材を挟持させ、誤動作を防止することのできるスイッチを容易に作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の誤動作防止傾動スイッチの分解斜視図である。
【図2】本発明の誤動作防止傾動スイッチの断面図である。
【図3】本発明の誤動作防止傾動スイッチの操作部の断面図および裏面図である。
【図4】本発明の誤動作防止傾動スイッチの使用例を示した断面図である。
【図5】従来の傾動スイッチの断面図である。
【符号の説明】
【0013】
1 操作部
2 突起
3 回転部材
4 孔
5 スイッチ本体
6 丸孔
7 角孔
8 Oリング
9 連結子
10 コイルバネ
11 滑動棒
12 補助接触板
13 可動接片
14 ケース
15 共通端子
16 接触端子
17 突片
18 仕切板
19 穴
20 凹部
21 縁部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天面を開放したスイッチ本体の上下の略中央部に貫通孔を設けた仕切板によって仕切り、該仕切板の下方には接触機構部を配備するとともに前記仕切板の上方には前記接触機構部と連動し略中央部を中心として左右に傾動する操作部を設けた傾動スイッチにおいて、前記操作部の内面に凹部を設け、前記操作部の下面と前記仕切板の上方のスイッチ本体内間に前記スイッチ本体の左右の傾きにより自在に動くことのできる回転部材を配設し、前記スイッチ本体の左右の傾きにより前記回転部材を前記操作部の下面の縁部と前記仕切板間で挟持して、前記操作部の傾動を阻止することができることを特徴とした誤動作防止傾動スイッチ。
【請求項2】
前記仕切板の上面を傾斜面としたことを特徴とする請求項1記載の誤動作防止傾動スイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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