説明

読取データ送信装置、画像形成装置および読取データ送信方法

【課題】 読取った画像データ量が大きくても、分割態様を確認しながら分割操作可能にする。
【解決手段】 画像読取部3は原稿から画像データを光学的に読み取る。ファイル作成部7は、読取り画像データから所定のフォーマットファイルを作成し、作成ファイルを分割処理して分割ファイルを作成する。入力部9は、作成ファイルに係る表示指示と分割設定指示の入力を受け付ける。表示部9は、作成ファイルの分割態様を設定するための分割設定画面を表示する。分割送信制御部27は、表示指示に基づき、表示部9に分割設定画面を表示させる。分割送信制御部27は、分割設定指示に基づきファイル作成部7を制御して作成ファイルを分割処理させ、分割ファイルを電子メールに添付して送信部から送信させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は読取データ送信装置、画像形成装置および読取データ送信方法に係り、プリンタ、複写機、ファクシミリ、これらの機能を有する複合機(MFP:Multi Function Peripheral)等の画像形成装置に搭載して好適する読取データ送信装置、当該画像形成装置および読取データ送信方法の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置は、例えば原稿から読み取った画像データに基づき回転する感光体の表面に形成した潜像にトナーでトナー像を形成し、給紙段から給紙搬送した用紙にトナー像を回転する感光体から転写し、その用紙を加熱定着部を通して転写トナーを加熱定着させて排紙する構成が良く知られている。
【0003】
さらに、近年の画像形成装置では、読み取った画像データをPDF(portable document format)ファイル化するとともに、社内LAN(local area network
)を介して使用者のコンピュータに送信させるファイル送信機能を有する構成も提供されている。
【0004】
そして、当該使用者は、受信画像データを自己のコンピュータから電子メールに添付して目的とする相手方へ送信することが可能になっている。
【0005】
ところが、電子メールは、ネットワーク上の複数の電子メール転送装置間を順次蓄積交換しながら相手方へ送信されるうえ、各電子メール転送装置で扱える電子メール1通分のデータ量に限度が設定される場合もあり、送信側で1通当たりのデータ量を減少させる必要がある。
【0006】
そのため、原稿から作成したPDFファイルのデータ容量が大きくなってメール送信に適さない場合には、データ容量を小さくするために、もう一度画像形成装置の前に行って解像度の設定を変えたり、電子メールに添付する自己のコンピュータ上でアプリケーションを使用してファイルを分割する等の処理が必要となって煩雑である。
【0007】
このような状況を改善する従来公報として、例えば特開2001−350700号公報(特許文献1)のデータ通信装置が提案されている。
【0008】
この特許文献1は、読み取り部で原稿上の画像を読み取って得た画像データを電子メールとして所望の相手先に送信させるとともに、データ量が予め設定した上限値を超える場合には、複数の電子メールに分割するか画像データのデータ量を減らして送信させる構成を有し、送信操作の都度、煩雑な操作を行わなくても適切なデータ量のデータを送信できるようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001−350700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上述した特許文献1では、データ量が多い画像データを画像形成装置側で自動的に分割して送信するから、使用者にとっては分割態様を確認しながら、所望の分割態様で分割操作したい場合に対応が困難で、特別な工夫が必要であって改良の余地がある。
【0011】
本発明はそのような課題を解決するためになされたもので、読み取った画像データに対し、分割態様を確認しながら分割操作可能で、操作性や生産性を向上させた読取データ送信装置、画像形成装置および読取データ送信方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
そのような課題を解決するために本発明の請求項1に係る読取データ送信装置は、原稿から画像データを光学的に読み取る画像読取部と、読み取った画像データから所定フォーマットのファイルを作成するとともに、この作成ファイルを分割処理し互いに関連付けされた分割ファイルを作成するファイル作成部と、その作成ファイルに係る所定の表示指示および分割設定指示の入力を受ける入力部と、その作成ファイルの分割態様を設定するための分割設定画面を表示する表示部と、その分割ファイルを外部に送信する送信部と、その表示指示が入力されたとき、その表示部に分割設定画面を表示制御するとともに、入力された分割設定指示に基づきファイル作成部を制御して作成ファイルの分割処理を制御し、その分割ファイルを送信部から送信制御する分割送信制御部と、を具備している。
【0013】
本発明の請求項2に係る読取データ送信装置は、上記送信部が、その分割ファイルを電子メールに添付して送信制御する構成である。
【0014】
本発明の請求項3に係る読取データ送信装置は、上記分割送信制御部が、その分割ファイルの分割数、分割サイズおよび又はカラー/モノクロ双方を設定する分割設定画面を表示制御するとともに、上記分割設定画面に従った分割設定指示に基づき作成ファイルを分割処理制御する構成である。
【0015】
本発明の請求項4に係る読取データ送信装置は、上記ファイル作成部が、その分割ファイルを特定付けるとともに互いに関連付けるファイル名称を付して当該分割ファイルを作成する構成である。
【0016】
本発明の請求項5に係る読取データ送信装置は、上記ファイル作成部が、PDFフォーマットのファイルを作成する構成である。
【0017】
本発明の請求項6に係る画像形成装置は、上請求項1〜5いずれか1記載の読取データ送信装置と、その画像データを画像形成する画像形成部とを具備している。
【0018】
本発明の請求項7に係る読取データ送信方法は、原稿から画像データを光学的に読み取る画像読取処理と、その作成ファイルに係る所定の表示指示を受ける表示指示入力処理と、その表示指示が入力されたとき、その表示部に作成ファイルの分割態様を設定するための分割設定画面を表示する分割設定画面表示処理と、その作成ファイルの分割設定指示を受ける分割設定入力処理と、その分割設定指示が入力されたとき、読み取った画像データから所定フォーマットのファイルを作成するとともに、その作成ファイルを分割処理し互いに関連付けされた分割ファイルを作成する分割ファイル作成処理と、送信実行が入力されたとき、その分割ファイルを送信部から外部に送信する分割送信処理と、を具備している。
【0019】
本発明の請求項8に係る読取データ送信方法は、上記分割送信処理が、その分割ファイルを電子メールに添付して送信する構成である。
【0020】
本発明の請求項9に係る読取データ送信方法は、上記分割設定画面表示処理が、その分割ファイルの分割数、分割サイズおよび又はカラー/モノクロ双方を設定する分割設定画面を表示し、上記分割処理が、その分割設定画面に従った分割設定指示に基づき作成ファイルを分割する構成を有している。
【0021】
本発明の請求項10に係る読取データ送信方法は、上記分割処理が、その分割ファイルを特定付けるとともに互いに関連付けるファイル名称を付して当該分割ファイルを作成する構成を有している。
【0022】
本発明の請求項11に係る読取データ送信方法は、上記ファイル作成処理がPDFフォーマットのファイルを作成する構成を有している。
【発明の効果】
【0023】
このような本発明の請求項1、7に係る読取データ送信装置および読取データ送信方法では、原稿から画像データを光学的に読み取り、所定の表示指示に基づき表示部に分割設定画面を表示し、作成ファイルの分割設定指示に基づき、読み取った画像データから所定フォーマットのファイルを作成するとともに、その作成ファイルを分割処理し互いに関連付けされた分割ファイルを分割作成し、これを送信実行の入力に基づき送信部から外部に送信するから、読み取った画像データについて、分割態様を確認しながら分割操作可能で、操作性や生産性を向上させることが容易である。
【0024】
本発明の請求項2、8に係る読取データ送信装置および読取データ送信方法では、その分割ファイルを通常の電子メールに添付して送信するから、分割ファイルの送信が極めて容易であるし、受信する側においても分割ファイルを扱い易い。
【0025】
本発明の請求項3、9に係る読取データ送信装置および読取データ送信方法では、その分割ファイルの分割数、分割サイズおよび又はカラー/モノクロ双方を設定する分割設定画面を表示し、この分割設定画面に従った分割設定指示に基づき作成ファイルを分割作成するから、ユーザの希望に添って細かく設定した分割ファイルの作成が可能である。
【0026】
本発明の請求項4、10に係る読取データ送信装置および読取データ送信方法では、その分割ファイルを特定付けるとともに互いに関連付けるファイル名称を付して当該分割ファイルを作成するから、受信する側においても分割ファイル相互の関連が分かり易く、扱い易い。
【0027】
本発明の請求項5、11に係る読取データ送信装置および読取データ送信方法では、PDFフォーマットのファイルを作成するから、ファイルの作成や分割が容易で、受信する側においても分割ファイルを扱い易い。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係る読取データ送信装置を含む画像形成装置の実施の形態を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置を示す概略内部構成図である。
【図3】図1の操作パネル部を説明する図である。
【図4】図1の操作パネル部における分割設定画面の表示状態を説明する図である。
【図5】図1の操作パネル部における分割設定画面の表示状態を説明する図である。
【図6】本発明に係る分割ファイルを説明する図である。
【図7】本発明に係る読取データ送信装置の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明に係る読取データ送信装置、画像形成装置および読取データ送信方法の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、本発明に係る読取データ送信装置および読取データ送信方法は本発明に係る画像形成装置を説明する過程で説明する。
【0030】
図1は、本発明に係る画像形成装置Aの実施の形態を示すブロック図である。
【0031】
図1において、画像形成装置Aは、主制御部1を中心にして画像取込部3、記憶部5、ファイル作成部、操作パネル部9、印刷部11および通信部13を有し、例えば複合機を構成している。なお、画像形成装置Aは、これ以外にも構成を有するが、本発明の要旨ではないので説明および図示を省略する。
【0032】
画像読取部3は、例えば図2に示すように、画像形成装置Aの本体ケース15の上部に配置され、主制御部1の制御の下、操作パネル部9からの読取指示に基づき、例えば印刷された原稿から画像を光学的に読み込み、電子的画像データを生成する公知のスキャナー等であり、生成した画像データが記憶部5に順次記憶されるようになっている。画像形成装置Aの内部構成については後述する。
【0033】
記憶部5は、主制御部1の制御の下、画像読取部3からの読取画像データ、後述する分割ファイル、電子メールアドレスを記憶する他、主制御部1の動作プログラム、操作パネル部9に表示する動作画面データ、特に後述する分割設定画面データ等を記憶した読み書き可能な例えばハードディスクである。
【0034】
ファイル作成部7は、操作パネル部9からのファイル作成指示や分割設定指示に基づき、読み取った画像データから所定のフォーマット、例えばPDFフォーマットファイルを作成するとともに、この作成ファイルを分割処理し、これら分割ファイルを特定付けるとともに互いに関連付けるファイル名称、例えばaa−1.pdf、aa−2.pdf、aa−3.pdf等のファイル名を付して個々の当該分割ファイルを作成する機能を有する(後述する図6参照)。
【0035】
ファイル作成部7は、後述するように、操作パネル部9からの分割設定指示に基づき、分割数、分割サイズ、およびカラー/モノクロ双方生成指示に従った分割ファイルを作成する機能を有している。
【0036】
操作パネル部9は、図2に示すように、本体ケース15の上部に配置され、主制御部1の制御の下、例えば、種々の動作状態の表示が可能な表示部としての公知の例えば液晶表示パネルと、装置の動作に係る画像が表示されたキーを押下することにより、画像読取、印刷指示、分割処理指示その他の設定を受付ける入力部又は設定部としての機能を有している。
【0037】
すなわち、操作パネル部9は、例えば図3に示すように、印刷(印字、コピー)処理、プリンタ処理、スキャナ処理、ファックス処理等の種々の操作指示や選択をする選択キー9a、それらの操作に係る動作機能の設定、変更等を入力する入力部としてのテンキー9b、スタートキー9c、液晶表示パネルである表示パネル部9d等を有している。
【0038】
表示パネル部9dは、後述するように、作成ファイルに係る表示指示および分割設定指示の設定入力を受ける入力部と、作成ファイルの分割態様を設定するための分割設定画面を表示する表示部として機能する。
【0039】
すなわち、表示パネル部9dは、主制御部1の制御の下、図4に示すように、操作画面を切り換える「基本」タブt1、「ユーザ機能」タブt2、「カラー機能」タブt3に加えて電子メール送信に係る画面用の「メール送信」タブt4の表示が可能になっており、当該操作画面中に、解像度設定用の「解像度」キー9e、カラー品質設定用の「カラー品質」キー9f、両面/片面印刷設定用の「両面片面」キー9g、拡大/縮小設定用の「拡大/縮小」キー9hに加え、「メール送信」タブt4をタッチ選択すると、作成ファイルの分割態様設定用の「ファイル設定」キー9iが表示されるようになっている。「メール送信」タブt4は送信指示とともに表示指示として機能する。
【0040】
さらに、表示パネル部9dは、「ファイル設定」キー9iが選択入力されると、主制御部1の制御の下、図5に示すように、作成ファイルを分割する容量指定の「分割サイズ指定」表示9j、その分割容量値の入力ボックス9k、分割するファイル数の「分割数指定」表示9l、分割するファイル数の入力ボックス9m、カラーとモノクロ双方を生成して送信するか否かの「カラー+モノクロ送付」表示9nおよび送付を「する、しない」ボックス9o等からなる分割設定画面が表示されるようになっている。なお、図4および図5中の符号9pは実行キー、符号9qは中止キーである。
【0041】
図1中の通信部13は、主制御部1の制御の下、所定のプロトコルに従い、ネットワークNTを介して情報処理装置(コンピュータ)Bに対して分割画像データを送信するインターフェース部である。
【0042】
しかも、通信部13は、主制御部1の制御の下、予め入力設定された電子メールアドレスの指定により、電子メールを作成してこれに分割ファイルを添付し、ネットワークNTを介して外部の情報処理装置(コンピュータ)Bに送信する送信部としても機能する。
【0043】
なお、電子メールアドレスは、画像形成装置Aの使用時に使用者の識別番号を入力することにより、予め記憶部5に記憶された電子メールアドレスリストから読み出されたものであり、電子メールは、分割ファイルを添付送信するための形式的な空メールであり、主制御部1の制御の下で通信部13で生成される。
【0044】
図2は画像形成装置Aの内部構成を概略的に示す概略内部構成図である。
【0045】
画像形成装置Aは、本体ケース15内に、大きさの異なる用紙のセットされる複数の給紙段17a、17bと、印刷画像イメージデータに基づきトナーで感光体ドラムにトナー現像してこれを用紙に転写する転写部19と、トナー像の転写された用紙を定着する定着部21と、定着された用紙を両面印刷用に転写部19に戻す反転搬送部23等とを有し、これらが印刷部13を形成している。符号25は排紙トレイである。
【0046】
印刷部13において、感光体ドラムは、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロ(Y)およびブラック(K)のカラー用転写ドラムとなっており、画像形成部としてのカラー又はモノクロ印刷エンジンである。
【0047】
図1に戻って、主制御部1は、CPU、このCPUの動作プログラムを格納したROMおよび作業用RAM(何れも図示せず。)を有して形成されており、上述し画像読取部3、記憶部5、ファイル作成部、操作パネル部9、印刷部11および通信部13等を制御するとともに、以下の分割送信制御部27としての機能を有している。
【0048】
すなわち、分割送信制御部27は、図4に示すように、表示パネル部9eにおいてメール送信タブt4がタッチされて送信指示(表示指示)が入力されたとき、ファイル設定キー9iを表示制御し、ファイル設定キー9iがタッチ入力されると、図5に示すように、表示パネル部9dに対し、「分割サイズ指定」表示9j、入力ボックス9k、「分割数指定」表示9l、入力ボックス9m、「カラー+モノクロ送付」表示9nおよび「する、しない」ボックス9o等の分割設定画面を表示制御する機能を有している。
【0049】
分割送信制御部27は、それら入力ボックス9k、9m、9oへの入力による分割設定指示に基づき、ファイル作成部7を制御してそれら分割設定指示に沿った分割ファイルを作成制御する機能を有している。
【0050】
分割送信制御部27は、使用者の電子メールアドレスに対する電子メールを作成し、これに分割ファイルを添付して送信するよう通信部13を送信制御する機能も有している。
【0051】
図5は、分割送信制御部27の制御によってファイル作成部7で作成された、例えば3個の分割ファイル(ファイル名aa−1.pdf〜aa−3.pdf)であり、個々の分割ファイルにおいて、分割PDFデータ部(1)〜(3)がファイル作成部7で作成される変換テキストデータ部であり、PDF管理部(1)〜(3)がそれらを管理制御する管理部である。
【0052】
これら分割ファイル(ファイル名aa−1.pdf〜aa−3.pdf)は、通信部13において図示しない電子メール中にファイル名等を記載リンクされる。
【0053】
次に、本発明に係る読取データ送信装置を含む画像形成装置Aの動作を図7のフローチャートを参照して簡単に説明する。
【0054】
本発明に係る動作プログラムが起動し、ステップS1にて画像読取部3に原稿をセットし操作パネル部9から何らかの入力がなされると(表示指示入力処理)、ステップS2にて分割送信制御部27がメール送信指示(表示指示)の有無を判別する。
【0055】
メール送信指示があってステップS2がYESであれば、ステップS3にて分割送信制御部27が表示パネル部9eに分割設定画面を表示させ(分割設定画面表示処理)、ステップS4にて表示パネル部9eからの分割サイズ指定、分割数指定、カラー+モノクロ双方の送付指示を受け付けてステップS5に移る(分割設定入力処理)。
【0056】
ステップS5では、設定入力の有無が判別され、設定入力があってステップS5がYESであれば、ステップS6にて画像読取部3が原稿から画像データを読み取って記憶部5に記憶させる(原稿読取処理)。
【0057】
続く、ステップS7にてファイル作成部7が記憶部5の画像データを読み出し、入力された分割設定指示に基づき分割送信制御部27がファイル作成部7を制御して作成ファイルの分割処理し、分割ファイルを作成する(分割ファイル作成処理)。
【0058】
さらに、ステップS8にて表示パネル部9eの実行キー9p等の送信実行指示を受け(送信実行入力処理)、ステップS9にて、分割送信制御部27が送信部13を制御して使用者宛の電子メールに分割ファイルを添付し、使用者の情報処理装置Bに送信して終了する(電子メール添付処理、分割送信処理)。
【0059】
メール送信指示がなくてステップS2がNOであれば、ステップS10にて通常の原稿読取処理をしてステップS11に移り、ステップS11にて例えば画像データの印刷処理をして終了する。
【0060】
設定入力がなくてステップS5がNOであれば、ステップS11にて上述した処理がなされて終了する。
【0061】
このような処理過程が本発明の読取データ送信方法を構成する。
【0062】
なお、電子メールに添付して分割ファイルを受信した使用者は、自己の情報処理装置Bにおいて、適宜、任意の電子メールに分割ファイルを添付し、所望の相手方へ送信する。
【0063】
このように本発明の読取データ送信装置は、原稿から画像データを光学的に読み取る画像読取部3と、読み取った画像データからPDFフォーマットのファイルを作成するとともに、この作成ファイルを分割処理し互いに関連付けされた分割ファイルを作成するファイル作成部7と、その作成ファイルに係る所定の表示指示および分割設定指示の入力を受ける操作パネル部(入力部)9と、その作成ファイルの分割態様を設定するための分割設定画面を表示する操作パネル部(表示部)9と、その分割ファイルを外部に送信する送信部13と、その表示指示が入力されたとき、その表示部に前記分割設定画面を表示制御するとともに、入力された分割設定指示に基づきファイル作成部7を制御して作成ファイルの分割処理を制御し、その分割ファイルを電子メールに添付して送信部から送信制御する分割送信制御部27と、を具備している。
【0064】
しかも、その分割ファイルの分割数、分割サイズおよび又はカラー/モノクロ双方を設定するとともに、上記分割設定画面に従った分割設定指示に基づき作成ファイルを分割処理する構成となっている。
【0065】
そのため、スキャナ機能を利用する際、読み取るファイルについて分割サイズ、分割数を設定して読み取り、これを電子メールに添付して送信するから、読み取った画像データ量が大きい場合でも、画像形成装置Aにおいて、分割態様を確認しながら分割操作可能で、操作性や生産性を向上させることが容易である。
【0066】
しかも、カラーと同時にモノクロの分割ファイルを添付設定可能であり、受信した使用者側において、電子メール添付時に容量に応じてカラーとモノクロのファイル添付選択が可能で、再度、画像形成装置Aの前に行き、スキャナ機能の画質をモノクロにして実行する必要がなく、近い勝手が向上する。
【0067】
また、その分割ファイルを特定付けるとともに互いに関連付けるファイル名称を付して作成するから、受信した使用者側において、分割ファイル相互の関連が分かり易く、扱い易い。
【0068】
ところで、上述した構成では、読み取るファイルからPDFフォーマットのファイルを作成するから、ファイルの作成や分割が容易で、受信する側においても分割ファイルを扱い易いものの、本発明はこれに限定されず、種々のフォーマットファイルが作成可能である。
【0069】
そして、本発明の読取データ送信装置を搭載した画像形成装置Aおよび読取データ送信方法においては、読取データ送信装置と同様の効果を得ることが可能である。
【符号の説明】
【0070】
1 主制御部
3 画像取込部
5 記憶部
7 ファイル作成部
9 操作パネル部
9a 選択キー
9b テンキー
9c スタートキー
9d 表示パネル部
9e、9f、9g、9h、9p、9q キー
9i ファイル設定キー
9j、9l、9n 表示
9k、9m、9o ボックス
11 印刷部
13、29 通信部(送信部)
15 本体ケース
17a、17b 給紙段
19 転写部
21 定着部
23 反転搬送部
25 排紙トレイ
27 分割送信制御部
A 画像形成装置
B 情報処理装置
NT ネットワーク
t1、t2、t3、t4 タブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿から画像データを光学的に読み取る画像読取部と、
読み取った画像データから所定フォーマットのファイルを作成するとともに、この作成ファイルを分割処理し互いに関連付けされた分割ファイルを作成するファイル作成部と、
前記作成ファイルに係る所定の表示指示および分割設定指示の入力を受ける入力部と、
前記作成ファイルの分割態様を設定するための分割設定画面を表示する表示部と、
前記分割ファイルを外部に送信する送信部と、
前記表示指示が入力されたとき、前記表示部に前記分割設定画面を表示制御するとともに、入力された前記分割設定指示に基づき前記ファイル作成部を制御して前記作成ファイルの分割処理を制御し、前記分割ファイルを前記送信部から送信制御する分割送信制御部と、
を具備することを特徴とする読取データ送信装置。
【請求項2】
前記送信部は、前記分割ファイルを電子メールに添付して送信制御する請求項1記載の読取データ送信装置。
【請求項3】
前記分割送信制御部は、前記分割ファイルの分割数、分割サイズおよび又はカラー/モノクロ双方を設定する前記分割設定画面を表示制御するとともに、前記分割設定画面に従った前記分割設定指示に基づき前記作成ファイルを分割処理制御する請求項1又は2記載の読取データ送信装置。
【請求項4】
前記ファイル作成部は、前記分割ファイルを特定付けるとともに互いに関連付けるファイル名称を付して当該分割ファイルを作成する請求項1〜4いずれか1記載の読取データ送信装置。
【請求項5】
前記ファイル作成部は、PDFフォーマットの前記ファイルを作成する請求項1〜4いずれか1記載の読取データ送信装置。
【請求項6】
前記請求項1〜5いずれか1記載の読取データ送信装置と、前記画像データを画像形成する画像形成部とを具備することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
原稿から画像データを光学的に読み取る画像読取処理と、
前記作成ファイルに係る所定の表示指示を受ける表示指示入力処理と、
前記表示指示が入力されたとき、表示部に前記作成ファイルの分割態様を設定するための分割設定画面を表示する分割設定画面表示処理と、
前記作成ファイルの分割設定指示を受ける分割設定入力処理と、
前記分割設定指示が入力されたとき、読み取った前記画像データから所定フォーマットのファイルを作成するとともに、前記作成ファイルを分割処理し互いに関連付けされた分割ファイルを作成する分割ファイル作成処理と、
送信実行が入力されたとき、前記分割ファイルを送信部から外部に送信する分割送信処理と、
を具備することを特徴とする読取データ送信方法。
【請求項8】
前記分割送信処理は、前記分割ファイルを電子メールに添付して送信する請求項7記載の読取データ送信方法。
【請求項9】
前記分割設定画面表示処理は、前記分割ファイルの分割数、分割サイズおよび又はカラー/モノクロ双方を設定する前記分割設定画面を表示し、前記分割処理は、前記分割設定画面に従った前記分割設定指示に基づき前記作成ファイルを分割する請求項7又は8記載の読取データ送信方法。
【請求項10】
前記分割処理は、前記分割ファイルを特定付けるとともに互いに関連付けるファイル名称を付して当該分割ファイルを作成する請求項7〜9いずれか1記載の読取データ送信方法。
【請求項11】
前記ファイル作成処理は、PDFフォーマットの前記ファイルを作成する請求項7〜10いずれか1記載の読取データ送信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−114778(P2011−114778A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−271552(P2009−271552)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】