説明

調光装置およびプロジェクター

【課題】レンズアレイを構成するレンズが、遮光部材を開閉する方向に奇数行に配列されていても、遮光部材を閉じた状態での減光率を向上することができる調光装置およびプロジェクターを提供する。
【解決手段】調光装置10は、照明光軸OAに対して略垂直な方向(Y方向)の両側に延在し、略垂直な方向に軸方向が設定される回動軸52ax,52bxを中心に回動し、第1レンズアレイ311から射出される光束を遮光して通過光量を調整する、照明光軸OAを挟んで配置された一対の遮光部60a,60bを備え、第1レンズアレイ311はレンズ311aの中心が略照明光軸OAとなる位置に配置されたレンズ311aを含み、照明光軸OA側から見て、一対の遮光部60a,60bの照明光軸OA側の端部64a,64bに挟まれる隙間D1に、レンズ311aの中心が重ならない位置に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調光装置およびプロジェクターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源装置から射出された光束を画像情報に応じて光変調装置で変調し、スクリーン等に画像光として投写するプロジェクターが知られている。このプロジェクターには、投写される画像の明るさに対応させて、光変調装置に入射させる光束の光量を調節する調光装置を備えたものがある。この調光装置を備えるプロジェクターは、高いダイナミックコントラストを得ることができる。
【0003】
特許文献1には、(a1)光源と、(a2)光源からの光束を部分的に遮蔽可能な遮光部と、(a3)遮光部を動作させる駆動機構とを有する(a)照明光学系と、(b)照明光学系からの照明光によって照明される光変調装置とを備え、(c)遮光部が、駆動機構に駆動されて所定の回動軸のまわりに回動することで遮蔽領域の大きさを変化させ、(d)遮光部が、回動時の遮蔽領域と非遮蔽領域との境界部に対応する先端側端部を有し、(e)先端側端部が、第1の領域と、遮光部の回動時に第1の領域より光源側に位置する第2の領域とを備え、(f)第1の領域が、先端側端部において、複数個所に分離しており、(g)第2の領域が、第1の領域の間に位置するプロジェクターが開示されている。この構成により、遮光量の変化を比較的なだらかなものにしつつ、最大遮蔽状態において照明光量を十分に下げることのできるプロジェクターを提供するこができるとしている。
【0004】
図6は、従来の調光装置の遮光部の概略構成を模式的に示す図である。
図6に示すように、特許文献1も含め、従来の調光装置の遮光部において、一対の遮光部材100a,100bは、一般的に、光軸OAを含む水平面(XY平面)を対称面とした対称形状に形成され、水平面の上下方向(Z方向)に設置されている。また、遮光部材100a,100bは、光学系において、光束を部分光束に変換して射出する2つのレンズアレイ(第1レンズアレイ101、第2レンズアレイ102)の間に設置される。また、第1レンズアレイ101には、複数のレンズ101aがマトリクス状に配列される。また、第2レンズアレイ102には、第1レンズアレイ101のレンズ101aに対応し、レンズ102aがマトリクス状に配列される。遮光部材100a,100bは、前段となる第1レンズアレイ101から射出された部分光束に対して、所定の回動軸(Y方向に沿って設定させる回動軸105ax,105bx)を中心に回動角度を調整し、観音開き状に回動して遮光することで、後段となる第2レンズアレイ102に入射する光量を調整している。
【0005】
一対の遮光部材100a,100bは、光量が最も少なくなる状態(遮光部材100a,100bが閉じた状態)において、一対の遮光部材100a,100bの光軸OA側のZ方向端部間に、光軸OAを含む水平面を中心として、一定の間隔(隙間D10)を有するように設置されている。この隙間D10は、遮光部材100a,100bの加工精度や、調光装置として組み立てた場合の組立て精度のバラツキを加味し、遮光部材100a,100bが開閉時に互いに干渉することを防止させるために設けられている。従って、遮光部材100a,100bが閉じた状態では、隙間D10を光束が通過する。
【0006】
また、複数のレンズ101a,102aは、一般的に、偶数行・偶数列(図6では、6行(Z方向)6列(Y方向))で構成されており、光軸OAを含む水平面上には、レンズ101a(レンズ102a)と隣接するレンズ101a(レンズ102a)との境界部分が位置している。従って、このレンズ101a(レンズ102a)の境界部分が、光軸OAを含む水平面に位置することで、前述の隙間D10の中心は、レンズ101a(レンズ102a)の境界部分と略一致するように設置される。なお、レンズ101a(レンズ102a)は、それぞれ中心部が周辺部に比べて光束密度が高くなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2011−118322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
第1レンズアレイ101(第2レンズアレイ102)のレンズ101a(レンズ102a)が奇数行(遮光部材を開閉する方向)に配列される場合、従来の遮光部(例えば、遮光部材100a,100b)を用いると、遮光部材100a,100bが閉じた状態において、隙間D10の中心にレンズ101a(レンズ102a)の概中心部が位置することが想定される。この場合、上述したように、隙間D10の中心にレンズ101a(レンズ102a)の境界部分が位置する場合に比べて、隙間D10を通過する光量が多くなってしまう。このため、遮光部材100a,100bを閉じた状態での減光率が低下してしまうという課題がある。
従って、レンズアレイを構成するレンズが、遮光部材を開閉する方向に奇数行に配列されていても、遮光部材を閉じた状態での減光率を向上することができる調光装置およびプロジェクターが要望されていた。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上述した課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0010】
[適用例1]本適用例に係る調光装置は、入射する光束の光軸に直交して設置され、複数のレンズがマトリクス状に配列され、光束を部分光束に変換して射出するレンズアレイの光路下流側に配置される調光装置であって、光軸に対して略垂直な方向の両側に延在し、当該略垂直な方向に軸方向が設定される回動軸を中心に回動し、レンズアレイから射出される光束を遮光して通過光量を調整する、光軸を挟んで配置された一対の遮光部を備え、レンズアレイはレンズの中心が略光軸となる位置に配置されたレンズを含み、光軸側から見て、一対の遮光部の光軸側の端部に挟まれる隙間に、レンズの中心が重ならない位置に配置されていることを特徴とする。
【0011】
このような調光装置によれば、遮光部は、光軸側から見て、一対の遮光部の光軸側の端部に挟まれる隙間に、レンズの中心が重ならない位置に配置されている。この構成により、レンズアレイのレンズの中心が略光軸となる位置に配置された場合であっても、通過光量が最も少なくなる状態において、隙間に光束密度の高くなるレンズ中心が重ならないため、減光率を向上させることができる。
【0012】
[適用例2]上記適用例に係る調光装置において、通過光量が最も少なくなる状態において、端部は、光軸に垂直な方向に直線状に形成されていることが好ましい。
【0013】
このような調光装置によれば、減光率を向上させるための端部を容易に形成することができる。
【0014】
[適用例3]上記適用例に係る調光装置において、通過光量が最も少なくなる状態において、端部は、レンズに対応して互い違いに形成されていることが好ましい。
【0015】
このような調光装置によれば、端部が互い違いに形成された遮光部を回動した場合、回動による遮光範囲を、光軸を含む直交方向(水平面)に対して略均等にさせることができる。これにより、回動角度による通過光量の急激な変化を抑制し、通過光量の変化を緩やかにすることができる。
【0016】
[適用例4]上記適用例に係る調光装置において、一対の遮光部の端部には、切欠き部が備えられていることが好ましい。
【0017】
このような調光装置によれば、レンズに対応させて光軸に直交する方向に直線状に形成されている端部に対して、切欠き部を備えることにより、回動角度による通過光量の調整をすることができるため、通過光量の変化を緩やかにすることができると共に、色むらの発生を抑制することができる。
【0018】
[適用例5]上記適用例に係る調光装置において、一対の遮光部の端部に備えられた切欠き部は、それぞれ大きさおよび形状のいずれかが異なることが好ましい。
【0019】
このような調光装置によれば、例えば、隣り合う行となるレンズが射出する光束の強度が異なる場合、切欠き部の大きさおよび形状の少なくともいずれかを異ならせることにより、更に色むらを抑制することができる。
【0020】
[適用例6]本適用例に係るプロジェクターは、光束を射出する光源装置と、光源装置からの光束を部分光束に変換して射出するレンズアレイと、光束を画像情報に応じて変調して画像光を形成する光変調装置と、上述したいずれかの調光装置と、を備えることを特徴とする。
【0021】
このようなプロジェクターによれば、光源装置から射出された光束を、調光装置で減光率を向上させて調整することができ、調整された光束を光変調装置で画像情報に応じて変調して画像光を形成する。また、レンズアレイを構成するレンズが、遮光部を開閉する方向に奇数行に配列されていても、形成された画像光のダイナミックコントラストを向上させることができる。また、上述する調光装置により、通過光量の変化を緩やかにすることができるため、画像光の急激な明るさの変化を抑制すると共に、色むらを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】第1実施形態に係るプロジェクターの概略構成を模式的に示す図。
【図2】調光装置の概略構成を示す図。
【図3】調光装置における遮光部の動作範囲を示す図。
【図4】第2実施形態に係る調光装置の遮光部の概略構成を模式的に示す図。
【図5】第3実施形態に係る調光装置の遮光部の概略構成を模式的に示す図。
【図6】従来の調光装置の遮光部の概略構成を模式的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
【0024】
図1は、第1実施形態に係るプロジェクター1の概略構成を模式的に示す図である。図1を参照して、本実施形態のプロジェクター1の概略構成を説明する。
本実施形態のプロジェクター1は、光源から射出される光束を画像情報に応じて変調してスクリーン等の投写面に拡大投写する電子機器である。
【0025】
図1を含む以降の図面では、各構成要素を図面上で認識できる程度の大きさとするため、各構成要素の寸法や比率を実際のものとは適宜異ならせて示している。また、図1を含む以降の図面では、説明の便宜上、XYZ直交座標系で記載する。XYZ直交座標系は、照明光軸OAに沿う光束の進行方向をX方向とし、X方向に直交する方向のうち水平方向に沿い、かつ、X方向先端側から見て右方向をY方向とする。さらに、X方向およびY方向に直交し、かつ、据置き姿勢での上方向をZ方向とする。なお、X方向先端側が光束射出方向である。従って、X方向基端側が光束の光路上流側となり、X方向先端側が光束の光路下流側となる。
【0026】
図1に示すように、プロジェクター1は、光学ユニット3、制御部(図示省略)、制御部等に電力を供給する電源ユニット(図示省略)、およびプロジェクター1内部を冷却する冷却ユニット(図示省略)等を備え、これら各装置が外装筺体2内部に収容されている。
【0027】
光学ユニット3は、制御部による制御に基づき、光源装置30から射出された光束を光学的に処理して画像情報に応じた画像光を形成して投写するユニットである。光学ユニット3は、光源装置30、照明光学装置31、色分離光学装置32、リレー光学装置33、電気光学装置34、およびこれら光学装置30〜34を内部に収容すると共に、投写レンズ35を所定位置で支持固定する光学部品用筺体36を備えて構成されている。
【0028】
光源装置30は、光源301およびリフレクター302を備える。光源装置30は、光源301から射出された光束をリフレクター302によって射出方向を揃え、照明光軸OAに対して平行化して照明光学装置31に向けて射出する。照明光軸OAは、光源装置30から被照明領域側に射出される光束の中心軸である。本実施形態の光源装置30は、超高圧水銀ランプを採用している。
【0029】
照明光学装置31は、第1レンズアレイ311と、第2レンズアレイ312と、偏光変換素子313と、重畳レンズ314と、平行化レンズ315と、を備えている。第1レンズアレイ311は、照明光軸OA方向から見て略矩形状の輪郭を有する小さいレンズ311aがマトリクス状に配列された構成を有している。各レンズ311aは、光源装置30から射出された光束を部分光束に分割し、照明光軸OAに沿った方向に射出する。第2レンズアレイ312は、第1レンズアレイ311のレンズ311aから射出された光束に対応して、レンズ312aがマトリクス状に配列された構成を有している。第2レンズアレイ312は、第1レンズアレイ311から射出された部分光束をそれぞれ重畳レンズ314に向けて射出する。なお、第1レンズアレイ311のレンズ311aは光路下流側の面に凸形状、第2レンズアレイ312のレンズ312aは光路上流側の面に凸形状として記載されているが、反対側の面や両面に形成されていてもよい。
【0030】
偏光変換素子313は、第2レンズアレイ312から射出されたランダム偏光光となる各部分光束を液晶パネル341で利用可能な略1種類の偏光光に揃える機能を有する。なお、第2レンズアレイ312から射出され、偏光変換素子313によって略1種類の偏光光に変換された各部分光束は、重畳レンズ314によって、各液晶パネル341の表面に略重畳される。なお、重畳レンズ314から射出された光束は、平行化レンズ315により平行化されて液晶パネル341に重畳される。平行化レンズ315は、後述する3色の色光毎に設けられている。
【0031】
照明光学装置31には、光束の透過光量を調整する調光装置10が設置される。詳細には、本実施形態の調光装置10は、回動する一対の遮光部60a,60b(図2参照)を備えており、この遮光部60a,60bが、第1レンズアレイ311と第2レンズアレイ312との間に位置するように設置される。なお、調光装置10は、遮光部60a,60bが回動することにより、光源装置30(第1レンズアレイ311)から射出される光束の一部を遮光して光路下流側に通過させる光量を調整する。なお、調光装置10の詳細な構成と動作に関しては後述する。
【0032】
色分離光学装置32は、第1ダイクロイックミラー321と、第2ダイクロイックミラー322と、反射ミラー323と、を備えている。色分離光学装置32は、照明光学装置31から射出された光束を、赤色(R)光、緑色(G)光、青色(B)光の3色の色光に分離する。
【0033】
リレー光学装置33は、入射側レンズ331と、リレーレンズ333と、反射ミラー332,334と、を備えている。リレー光学装置33は、色分離光学装置32で分離されたR光をR光用の液晶パネル341Rまで導く。なお、本実施形態では、リレー光学装置33がR光を導く構成としているが、これに限定されず、例えば、B光を導く構成としてもよい。
【0034】
電気光学装置34は、入射側偏光板342と、光変調装置としての液晶パネル341(R光用の液晶パネルを341R,G光用の液晶パネルを341G,B光用の液晶パネルを341Bとする)と、射出側偏光板343と、クロスダイクロイックプリズム344と、を備えている。入射側偏光板342および射出側偏光板343は、液晶パネル341R,341G,341B毎に設けられている。
【0035】
液晶パネル341(341R,341G,341B)は、色分離光学装置32で色光毎に分離された光束を画像情報に応じて変調する。クロスダイクロイックプリズム344は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状を有し、直角プリズム同士を貼り合わせた界面には、2つの誘電体多層膜が形成されている。クロスダイクロイックプリズム344は、液晶パネル341R,341G,341Bで変調された各色光を合成し、投写レンズ35に射出する。
【0036】
投写レンズ35は、複数のレンズを組み合わせた組レンズで構成され、電気光学装置34で変調され合成された光束をスクリーン等の投写面上に拡大投写する。
【0037】
プロジェクター1は、調光装置10により電気光学装置34に入射する光束の光量を調整できるため、例えば、場面に応じて光束の光量を調整することにより、投写される画像において高いダイナミックコントラストを得ることができる。
【0038】
図2は、調光装置10の概略構成を示す図である。詳しくは、図2(a)はX方向先端側から見た斜視図であり、図2(b)はZ方向先端側から見た平面図である。図2(a)および(b)は、いずれも最大遮光状態を示している。図3は、調光装置10における遮光部60a,60bの動作範囲を示す図である。詳しくは、図3(a)は最大遮光状態における遮光部60a,60bをY方向基端側から見た側面図であり、図3(b)は最大遮光状態における遮光部60a,60bをX方向基端側から見た正面図である。なお、図3(a)では、遮光部60a,60bの最小遮光状態も二点鎖線で示している。図2、図3を参照して、調光装置10の構成および動作に関して説明する。
【0039】
なお、以降では、第1レンズアレイ311、第2レンズアレイ312以外の一対備えられた各構成部材については、一方の部材の符号に「a」を付記し、他方の部材の符号に「b」を付記して識別する。
【0040】
図2に示すように、調光装置10は、固定部20と、駆動機構部40と、一対の回動部50a,50bと、一対の遮光部60a,60bと、を備えている。なお、調光装置10が遮光部60a,60bにより光束を最大限に遮光している状態(通過光量が最も少なくなる状態)を最大遮光状態といい、以降、適宜使用する。また、調光装置10が遮光部60a,60bにより光束を最小限に遮光している状態(通過光量が最大の状態(本実施形態では光束を遮らない状態))を最小遮光状態といい、以降、適宜使用する。
【0041】
固定部20は、固定部本体21を有し、光学部品用筺体36(図1参照)に取付けられて固定されている。固定部本体21は、板金等で形成されており、図示を省略するが、光学部品用筺体36に取付けるための取付部や、駆動機構部40および回動部50a,50bを支持するための開口部や軸受部等を有している。
【0042】
駆動機構部40は、モーター41と、モーター41の回転を回動部50a,50bに伝達するギヤ42と、を備えている。モーター41は固定部本体21のY方向先端側に固定されており、ギヤ42は固定部本体21のY方向基端側に配置されている。モーター41は、制御部(図示省略)により制御され、ギヤ42を回転させる駆動力を発生する。モーター41は、例えば、ステッピングモーターを用いることができる。なお、モーター41として、ボイスコイルモーター等の他のモーターを使用してもよく、その場合、モーター41の回転を伝達する手段はギヤ42に限定されるものではない。
【0043】
回動部50a,50bは、ギヤ51a,51bと、回動支軸52a,52bと、後述する遮光部60a,60bを保持する保持部53a,53bと、を備えている。ギヤ51a,51bは、遮光部60a,60bの動作範囲に応じた寸法に設定されており、Y方向から見て略1/4円形状を有している。回動支軸52a,52bの中心軸である回動軸52ax,52bxは、照明光軸OAに対して略直交する方向であるY方向に沿って配置されている。
【0044】
ギヤ51a,51bは、回動支軸52a,52bを介して固定部本体21に支持されており、回動軸52ax,52bxを中心として回動可能である。ギヤ51a,51bは歯形状及び直径が同一に形成されて互いに噛合しており、ギヤ51a,51bの一方はギヤ42と噛合している。ギヤ51a,51bは、モーター41の回転がギヤ42を介して伝達されると、互いに同期して逆方向に高速回動する。保持部53a,53bは、ギヤ51a,51bのY方向基端側の面における回動支軸52a,52bから外れた位置に設けられている。
【0045】
遮光部60a,60bは、回動部50a,50bに保持され、回動軸52ax,52bxに略平行に延びて、対向配置されて形成される。より具体的には、一方の遮光部60aがZ方向先端側に配置され、他方の遮光部60bがZ方向基端側に配置されている。また、遮光部60a,60bは、第1レンズアレイ311と第2レンズアレイ312との間に設置され、光学部品用筺体36のY方向先端側から挿入される構成となっている(図2(b)参照)。
【0046】
遮光部60a,60bは、本実施形態では、回動軸52ax,52bxの方向、すなわちY方向に沿って延在する板状部材であり、板金プレス加工等により形成される。また、遮光部60a,60bは、遮光部材61a,61bと、支持部65a,65bと、を備えている。
【0047】
図2、図3(a)に示すように、遮光部材61aは、最大遮光状態において、照明光軸OAに略垂直となるYZ平面上に重なる状態に形成される。同様に、遮光部材61bは、最大遮光状態において、遮光部材61aと略同一のYZ平面上に重なる状態に形成される。
【0048】
支持部65a,65bは、図2に示すように、遮光部材61a,61bよりもZ方向における幅が狭い板状であり、遮光部材61a,61bからY方向先端側に延出している。支持部65a,65bは、延出方向の中間部でX方向側に屈曲しており、延出方向の先端部で保持部53a,53bに固定される。調光装置10は、遮光部材61a,61bの一端側(支持部65a,65b)を支持する片持ち構造で、遮光部60a,60bを保持している。
【0049】
図3(a)に示すように、第1レンズアレイ311と第2レンズアレイ312は、互いに略平行であり、照明光軸OAと略直交するように設置される。なお、図3(a)に示すように、第1レンズアレイ311と第2レンズアレイ312の間を光束が通過する通過領域TAを2点鎖線で示している。
【0050】
3(a)に示すように、最大遮光状態から最小遮光状態とするには、ギヤ42の回動により、回動部50a,50bを回動させる。これに従動して、遮光部60a,60bは、回動軸52ax,52bxを中心に、観音開き状に上下方向に回転する。なお、遮光部60a,60bは、通過領域TAの外側に位置して停止する。遮光部60a,60bは、最小遮光状態の場合、光束の通過を遮らない。
【0051】
なお、第1レンズアレイ311の各レンズ311aから、それぞれ対応する第2レンズアレイ312の各レンズ312aに向けて光束を射出した場合、各レンズ311a,312aの略中心部の光束密度が周囲に比べて高くなっている。この状態を、図3(a)では、ドット表示で模式的に図示している。
【0052】
図3に示すように、第1レンズアレイ311を構成するレンズ311aは、詳細には、遮光部を開閉する方向(Z方向)に奇数行(7行)で、水平方向(Y方向)に偶数列(6列)に配列されている。第2レンズアレイ312を構成するレンズ312aも、レンズ311aに対応して、同様に配列されている。
【0053】
ここで、説明の便宜上、図3(a)に示すレンズ311a(対応するレンズ312aも同様)において、Z方向の先端側(最上部)の行を1行目レンズ311aa(312aa)とし、下側の行を順に2行目レンズ311ab(312ab)、3行目レンズ311ac(312ac)とする。従って、最下部の行が7行目レンズ311ag(312ag)となる。
【0054】
また、説明の便宜上、図3(b)に示すレンズ312a(対応するレンズ311aも同様)において、X方向の基端側から見た場合、最左部の列を1列目レンズ312ah(311ah)とし、右側の列を順に2列目レンズ312ai(311ai)、3列目レンズ312aj(311aj)とする。従って、最右部の列が6列目レンズ312am(311am)となる。
【0055】
図3に示すように、第1レンズアレイ311(第2レンズアレイ312)の照明光軸OAを含む直交方向(Y方向)には、4行目レンズ311ad(312ad)が位置する状態となる。また、照明光軸OAを含む直交平面(水平面:XY平面)には、4行目レンズ311ad(312ad)の概中心が位置する状態となる。
【0056】
本実施形態の遮光部材61aは、図3に示すように、照明光軸OA側の端部64aが照明光軸OAを含む水平面(XY平面)よりZ方向基端側(下側)に位置している。また、端部64aは、照明光軸OAを含む水平面(XY平面)に直線状に形成されている。遮光部材61bは、図3に示すように、照明光軸OA側の端部64bが照明光軸OAを含む水平面(XY平面)よりZ方向基端側(下側)に位置している。また、端部64bは、明光軸OAを含む水平面(XY平面)に直線状に形成されている。
【0057】
詳細には、遮光部材61aの端部64aは、X方向から見た場合、4行目レンズ311ad(312ad)の概中心より5行目レンズ311ae(312ae)側に位置している。また、遮光部材61bの端部64bは、5行目レンズ311ae(312ae)の概中心より4行目レンズ311ad(312ad)側に位置している。言い換えると、端部64a,64bは、4行目レンズ311ad(312ad)と、隣接する5行目レンズ311ae(312ae)との概中心を避けた領域に位置している。更に言い換えると、端部64a,64bは、4行目レンズ311ad(312ad)と、5行目レンズ311ae(312ae)とのZ方向の略境界部分に位置している。
【0058】
なお、端部64aと端部64bとは、一定の間隔(隙間D1)を有するように設置されている。この隙間D1は、遮光部材61a,61bの加工精度や、調光装置10として組み立てた場合の組立て精度のバラツキを加味し、遮光部材61a,61bが開閉時に互いに干渉することを防止させるために設けられている。従って、最大遮光状態では、隙間D1を光束が通過する。
【0059】
この隙間D1は、上述したように、光束密度の高くなる照明光軸OAを含むXY平面(4行目レンズ311adの概中心部)を避け、4行目レンズ311ad(312ad)と5行目レンズ311ae(312ae)との略境界部分に位置して設置されるため、最大遮光状態において、隙間D1を通過する光量を極力少なくしている。
【0060】
なお、遮光部60a,60bは、駆動機構部40の駆動により、回動部50a,50bの回動に応じて、最大遮光状態と最小遮光状態との間を高速に回動する。遮光部60a,60bの回動角度が変化することにより、遮光部材61a,61bによる光束の遮光領域が回動角度に応じて変化する。この動作により、遮光部60a,60b(遮光部材61a,61b)は、第1レンズアレイ311から射出される部分光束を遮光して通過光量を調整する。
【0061】
上述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
本実施形態の調光装置10によれば、第1レンズアレイ311を構成するレンズ311aが、遮光部60a,60b(遮光部材61a,61b)を開閉する方向に奇数行(7行)に配列されることにより、第1レンズアレイ311の照明光軸OAを含む直交方向(Y方向)に4行目レンズ311adを有する。この場合、最大遮光状態において、遮光部材61a,61bの隙間D1は、照明光軸OAを含む直交方向(Y方向)の4行目レンズ311adと、このレンズに隣接する5行目レンズ311aeとのそれぞれの概中心を避けた領域に位置する。言い換えると、隙間D1は、4行目レンズ311adと、隣接する5行目レンズ311aeとのそれぞれの概中心と重ならない位置に配置されている。なお、第2レンズアレイ312は、第1レンズアレイ311に相対しており、レンズ312aはレンズ311aにそれぞれ対応して形成される。この構成により、遮光部材61a,61bの隙間D1が光束密度の高くなるレンズ中心から外れて位置する(レンズ中心と重ならない)ことになり、最大遮光状態において、減光率を向上させることができる。
【0062】
本実施形態の調光装置10によれば、遮光部材61a,61bの端部64a,64bは、最大遮光状態において、照明光軸OAに直交する方向(Y方向)に直線状に形成されているため、減光率を向上させるための端部を容易に形成することができる。
【0063】
本実施形態のプロジェクター1によれば、光源装置30から射出された光束を、調光装置10で減光率を向上させて調整することができ、調整された光束を光変調装置(液晶パネル341)で画像情報に応じて変調して画像光を形成する。また、第1レンズアレイ311を構成するレンズ311a(または、第2レンズアレイ312を構成するレンズ312a)が、遮光部60a,60bを開閉する方向に奇数行(7行)に配列されていても、形成された画像光のダイナミックコントラストを向上させることができる。
(第2実施形態)
【0064】
図4は、第2実施形態に係る調光装置11の遮光部70a,70bの概略構成を模式的に示す図である。図4を参照して、本実施形態の調光装置11および遮光部70a,70bの概略構成を説明する。なお、図4は、最大遮光状態における遮光部70a,70bをX方向基端側から見た正面図であり、第1実施形態の調光装置10と異なる構成の部分を取り出した図である。
【0065】
本実施形態の調光装置11は、遮光部70a,70bの形状が、第1実施形態の遮光部60a,60bと異なっている。その他の構成は、第1実施形態と略同様となる。遮光部70a,70bは、第1実施形態の遮光部60a,60bの遮光部材61a,61bと同様の、遮光部材71a,71bで形成されている。第1実施形態と異なる部分は、遮光部材71a,71bの照明光軸OA側の端部74a,74bにおいて、円弧状(本実施形態では、略弓形状)の切欠き部73a,73bを備えていることである。
【0066】
切欠き部73a,73bは、図4に示すように、4行目と5行目のレンズ312ad,312aeと、3列目と4列目のレンズ312aj,312akとが重なる4つのレンズの接点P部分を中心として当該接点Pを通るXY平面に対称形状に形成されている。なお、端部74aと端部74bとの間隔は、第1実施形態と同様に、隙間D1を確保している、また、この隙間D1に、切欠き部73a,73bによる領域が増えることになる。
【0067】
なお、遮光部70a,70bは、第1実施形態と同様に、駆動機構部40の駆動により、回動部50a,50bの回動に応じて、最大遮光状態と最小遮光状態との間を高速に回動する。遮光部70a,70bの回動角度が変化することにより、遮光部材71a,71bによる光束の遮光領域が回動角度に応じて変化する。この動作により、遮光部70a,70b(遮光部材71a,71b)は、第1レンズアレイ311から射出される部分光束を遮光して通過光量を調整する。また、遮光部70a,70bの回動角度が変化することにより、略弓形状の輪郭を有する切欠き部73a,73bのX方向から見た開口面積が回動角度に応じて変化する。
【0068】
上述した実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏する他、以下の効果が得られる。
本実施形態の調光装置11によれば、一対の遮光部70a,70bの照明光軸OA側の端部74a,74bには、略弓形状の輪郭を有する切欠き部73a,73bが備えられている。そして、切欠き部73a,73bのX方向から見た開口面積が回動角度に応じて変化することにより、通過光量の急激な変化を抑制し、通過光量の変化を緩やかにすることができる。
【0069】
本実施形態のプロジェクター1によれば、調光装置11の切欠き部73a,73bにより、通過光量の変化を調整することができるため、画像光の急激な明るさの変化を抑制することができると共に、色むらを抑制することができる。
【0070】
本実施形態では、切欠き部73a,73bを対称形状としたが、4行目のレンズ312adが射出する光束の強度と5行目のレンズ312aeが射出する光束の強度が異なるため、切欠き部73a、73bの大きさおよび形状の少なくともいずれかを異ならせることにより、さらに色むらを抑制することができる。
(第3実施形態)
【0071】
図5は、第3実施形態に係る調光装置12の遮光部80a,80bの概略構成を模式的に示す図である。図5を参照して、本実施形態の調光装置12および遮光部80a,80bの概略構成を説明する。なお、図5は、最大遮光状態における遮光部80a,80bをX方向基端側から見た正面図であり、第1実施形態の調光装置10と異なる構成の部分を取り出した図である。
【0072】
本実施形態の調光装置12は、遮光部80a,80bの形状が、第1実施形態の遮光部60a,60bと異なっている。その他の構成は、第1実施形態と略同様となる。遮光部80a,80bは、第1実施形態の遮光部60a,60bの遮光部材61a,61bと同様に、一方の遮光部80aがZ方向先端側に配置され、他方の遮光部80bがZ方向基端側に配置され、それぞれが対向配置されて形成される。遮光部材81a,81bは、Y方向に沿って延在する板状部材であり、板金プレス加工等により形成される。
【0073】
第1実施形態と異なる部分は、図5に示すように、最大遮光状態において、遮光部材81a,81bの照明光軸OA側の端部84a,84bの形状がそれぞれ互い違いに形成されていることである。また、端部84a,84bは、照明光軸OAを含むY方向に位置する4行目レンズ312adの各レンズ312aに対して互い違いに形成されている。更には、遮光部材81a,81bは、照明光軸OAを中心に、回転対称形状に形成されている。遮光部材81a,81bは、180度回転した場合重なる形状、いわゆる2回対称の形状に形成されている。
【0074】
詳細には、一方の遮光部材81aの端部84aは、4行目レンズ312adと2列目レンズ312aiとに位置するレンズ312aと、4行目レンズ312adと4列目レンズ312akとに位置するレンズ312aと、4行目レンズ312adと6列目レンズ312amとに位置するレンズ312aと、の3つのレンズ312aを略覆うように形成されている。
【0075】
そして、他方の遮光部材81bの端部84bは、4行目レンズ312adと1列目レンズ312ahとに位置するレンズ312aと、4行目レンズ312adと3列目レンズ312ajとに位置するレンズ312aと、4行目レンズ312adと5列目レンズ312alとに位置するレンズ312aと、の3つのレンズ312aを略覆うように形成されている。
【0076】
また、互い違いに形成される端部84aと端部84bとは、一定の間隔(隙間D2)を有して互い違いに形成されている。この隙間D2は、遮光部材81a,81bの加工精度や、調光装置12として組み立てた場合の組立て精度のバラツキを加味し、遮光部材81a,81bが開閉時に互いに干渉することを防止させるために設けられている。
【0077】
端部84a,84bは、光束密度の高くなるレンズ312aの概中心部分を覆い、光束密度の低くなるレンズ312aの概中心部分の外周となるレンズ312aとこのレンズ312aに隣接するレンズ312aとの略境界部分(概中心を避けた領域)に隙間D2を有する状態となる。なお、最大遮光状態では、この隙間D2を光束が通過する。
【0078】
なお、遮光部80a,80bは、第1実施形態と同様に、駆動機構部40の駆動により、回動部50a,50bの回動に応じて、最大遮光状態と最小遮光状態との間を高速に回動する。遮光部80a,80bの回動角度が変化することにより、遮光部材81a,81bによる光束の遮光領域が回動角度に応じて変化する。この動作により、遮光部80a,80b(遮光部材81a,81b)は、第1レンズアレイ311から射出される部分光束を遮光して通過光量を調整する。
【0079】
上述した実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏する他、以下の効果が得られる。
本実施形態の調光装置12によれば、最大遮光状態において、遮光部材81a,81bの端部84a,84bは、レンズ311aに対応させて互い違いに形成されている。これにより、端部84a,84bが互い違いに形成された遮光部80a,80bを回動した場合、回動による遮光範囲を、照明光軸OAを含む直交方向(XY平面)に対して上下方向で略均等にさせることができる。上下方向の不均等による色むらの発生を抑制することができる。
【0080】
本実施形態のプロジェクター1によれば、調光装置12の遮光部材81a,81bが、互い違いに形成される端部84a,84bを有することにより、通過光量の変化を緩やかにすることができるため、画像光の急激な明るさの変化を抑制すると共に、色むらを抑制することができる。
【0081】
なお、上述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更や改良等を加えて実施することが可能である。変形例を以下に述べる。
【0082】
前記第1実施形態の調光装置10において、第1レンズアレイ311(第2レンズアレイ312)のレンズ311a(312a)の配列は、7行6列の配列である。しかし、この配列に限定されず、奇数行偶数列または奇数行奇数列の配列であればよい。これは、前記第2、第3実施形態においても同様となる。
【0083】
前記第1実施形態の調光装置10において、端部64a,64bは、4行目レンズ311ad(312ad)と、5行目レンズ311ae(312ae)とのZ方向の略境界部分に位置している。しかし、これに限定されず、端部64a,64bは、3行目レンズ311ac(312ac)と、4行目レンズ311ad(312ad)とのZ方向の略境界部分に位置してもよい。これは、前記第2実施形態においても同様となる。
【0084】
前記第2実施形態の調光装置11において、切欠き部73a,73bは、円弧状に形成され、詳細には略弓形状の輪郭を有している。しかし、切欠き部73a,73bは、円弧状に限られず、通過光量の変化を緩やかにできる形状であればよい。
【0085】
前記第2実施形態の調光装置11において、切欠き部73a,73bの大きさは略同一に形成されている、しかし、これに限定されず、切欠き部73a,73bの大きさがそれぞれ異なることでもよい。切欠き部73a,73bの大きさは、回動角度の変化に対応して切欠き部73a,73bのX方向から見た開口面積が変化する場合に、それぞれの切欠き部73a,73bを通過する通過光量が同等となるように決めることでよい。
【0086】
前記第3実施形態の調光装置12において、遮光部材81a,81bの端部84a,84bは互い違いに形成され、4行目レンズ311adを交互に覆う状態となっている。しかし、これに限定されず、レンズ311aの覆い方は、各レンズ311aの光束密度の違い等を勘案し、適宜、互い違いの形状とすることができ、隙間D2は、隣接するレンズ311aとレンズ311aとの概中心を避けた領域に位置するように設置することでよい。
【0087】
前記第1実施形態の調光装置10は、遮光部60a,60bが、Z方向に開閉する機構となっているが、Y方向に開閉する機構としてもよい。なお、これは、第2、第3実施形態においても同様である。
【0088】
前記第1実施形態の光源301は、超高圧水銀ランプを採用している。しかし、これに限定されず、高輝度発光する種々の放電型のランプを採用することができ、例えば、メタルハライドランプや高圧水銀ランプ等を採用することができる。
【0089】
前記第1実施形態の光学ユニット3は、R光、G光、B光に対応する3つの光変調装置(液晶パネル341)を用いる、いわゆる3板方式を採用している。しかし、これに限られず、単板方式の光変調装置を採用してもよい。また、コントラストを向上させるための光変調装置を追加して採用してもよい。
【0090】
前記第1実施形態の光学ユニット3は、透過型の光変調装置(透過型の液晶パネル341)を採用している。しかし、これに限られず、反射型の光変調装置を採用してもよい。
【符号の説明】
【0091】
1…プロジェクター、10,11,12…調光装置、30…光源装置、52ax,52bx…回動軸、60a,60b…遮光部、61a,61b…遮光部材、64a,64b…端部、70a,70b…遮光部、71a,71b…遮光部材、73a,73b…切欠き部、74a,74b…端部、80a,80b…遮光部、81a,81b…遮光部材、84a,84b…端部、311…第1レンズアレイ、311a…レンズ、312…第2レンズアレイ、312a…レンズ、341…液晶パネル、D1,D2…隙間、OA…照明光軸。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射する光束の光軸に直交して設置され、複数のレンズがマトリクス状に配列され、前記光束を部分光束に変換して射出するレンズアレイの光路下流側に配置される調光装置であって、
前記光軸に対して略垂直な方向の両側に延在し、当該略垂直な方向に軸方向が設定される回動軸を中心に回動し、前記レンズアレイから射出される光束を遮光して通過光量を調整する、光軸を挟んで配置された一対の遮光部を備え、
前記レンズアレイは前記レンズの中心が略光軸となる位置に配置されたレンズを含み、
前記光軸側から見て、前記一対の遮光部の前記光軸側の端部に挟まれる隙間に、レンズの中心が重ならない位置に配置されていることを特徴とする調光装置。
【請求項2】
請求項1に記載の調光装置であって、
前記通過光量が最も少なくなる状態において、前記端部は、前記光軸に垂直な方向に直線状に形成されていることを特徴とする調光装置。
【請求項3】
請求項1に記載の調光装置であって、
前記通過光量が最も少なくなる状態において、前記端部は、前記レンズに対応して互い違いに形成されていることを特徴とする調光装置。
【請求項4】
請求項2に記載の調光装置であって、
前記一対の遮光部の前記端部には、切欠き部が備えられていることを特徴とする調光装置。
【請求項5】
請求項4に記載の調光装置であって、
前記一対の遮光部の前記端部に備えられた前記切欠き部は、それぞれ大きさおよび形状のいずれかが異なることを特徴とする調光装置。
【請求項6】
前記光束を射出する光源装置と、
前記光源装置からの光束を部分光束に変換して射出するレンズアレイと、
前記光束を画像情報に応じて変調して画像光を形成する光変調装置と、
請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の調光装置と、を備えることを特徴とするプロジェクター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−41018(P2013−41018A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−176579(P2011−176579)
【出願日】平成23年8月12日(2011.8.12)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】