説明

調剤過誤防止システム及び調剤過誤防止方法及びプログラム

【課題】調剤過誤防止システムに係り、調剤における薬品の取り違い、二重の調剤、調剤漏れを防止することを課題とする。
【解決手段】調剤の際に、バーコード入力部3から、薬品の容器等に付されたバーコードを読み取り、調剤薬品確認部4は、処方箋情報と比較し、薬品の取り違いに対する処方外警告、二重の調剤に対する二重調剤警告の出力を指示する。また、調剤漏れ検出部8は、最終的な調剤漏れに対する調剤漏れ警告の出力を指示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調剤過誤防止システムに係り、調剤における薬品の取り違い、二重の調剤、調剤漏れを防止できる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
調剤薬局において、処方箋に基づいて調剤する場合に、処方された薬品を正確に取りだし、調剤しなければならない。
【0003】
しかし、現実には薬品の取り違い、二重の調剤、調剤漏れなどの不具合が発生することがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−236748号公報
【特許文献2】特開昭60−21761号公報
【特許文献3】特開2000−276551号公報
【特許文献4】特開2001−357132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記した従来技術の欠点を除くためになされたものであって、その目的とするところは、調剤過誤防止システムにより、調剤における薬品の取り違い、二重の調剤、調剤漏れを防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る調剤過誤防止システムは、
以下の要素を有することを特徴とする。
(1)薬品を識別する薬品識別情報を含む処方箋情報を入力する処方箋情報入力部
(2)処方薬品毎に未処理と処理済を識別する処理フラグを設けて、入力した処方箋情報を記憶する処方箋情報記憶部
(3)調剤する薬品に関連付けられているバーコードを読み取るバーコード入力部
(4)読み取ったバーコードにより特定される調剤薬品が、処方箋情報入力部が入力した処方箋情報に含まれる薬品識別情報により特定される処方薬品のうちのいずれかと一致するかを判定し、一致する場合に当該処方薬品に対応する処理フラグが未処理であるか処理済みであるかを判定し、未処理である場合には当該処方薬品に対応する処理フラグを未処理から処理済みに更新し、処理済みである場合には二重調剤警告の出力を指示する調剤薬品確認部
(5)処方箋情報入力部が入力した処方箋情報に対する調剤の終了を入力する終了入力部(6)処方箋情報に対する調剤の終了を終了入力部が入力した後に、前記処方薬品のすべてについて、対応する処理フラグが未処理であるか判定し、いずれかの処方薬品の処理フラグが未処理である場合に、調剤漏れ警告の出力を指示する調剤漏れ検出部
(7)調剤薬品確認部より指示された二重調剤警告を出力し、調剤漏れ検出部より指示された調剤漏れ警告を出力する出力部。
【0007】
前記調剤漏れ検出部は、更に、前記処方薬品のすべての処理フラグが処理済である場合に、適合通知の出力を指示することを特徴とする。
【0008】
前記調剤漏れ検出部は、更に、未調剤薬品の薬品名を特定して、特定した薬品名の出力を指示することを特徴とする。
【0009】
前記調剤漏れ検出部は、更に、未調剤薬品の格納位置を特定し、特定した格納位置の出力を指示することを特徴とする。
【0010】
前記薬品識別情報は、薬品名であることを特徴とする。
【0011】
前記薬品識別情報は、薬品コードであることを特徴とする。
【0012】
出力部は、警告として音を出力することを特徴とする。
【0013】
出力部は、警告として振動を出力することを特徴とする。
【0014】
出力部は、警告として光を出力することを特徴とする。
【0015】
出力部は、警告として警告文を表示することを特徴とする。
【0016】
本発明に係る調剤過誤防止方法は、
処方薬品毎に未処理と処理済を識別する処理フラグを設けて、処方箋情報を記憶する処方箋情報記憶部を有する調剤過誤防止システムによる調剤過誤防止方法であって、以下の要素を有することを特徴とする。
(1)薬品を識別する薬品識別情報を含む処方箋情報を入力し、処方薬品毎に未処理と処理済を識別する処理フラグを設けて、処方箋情報を処方箋情報記憶部に記憶させる処方箋情報入力工程
(2)調剤する薬品に関連付けられているバーコードを読み取るバーコード入力工程
(3)読み取ったバーコードにより特定される調剤薬品が、処方箋情報入力工程により入力した処方箋情報に含まれる薬品識別情報により特定される処方薬品のうちのいずれかと一致するかを判定し、一致する場合に当該処方薬品に対応する処理フラグが未処理であるか処理済みであるかを判定し、未処理である場合には当該処方薬品に対応する処理フラグを未処理から処理済みに更新し、処理済みである場合には二重調剤警告を出力する調剤薬品確認工程
(4)処方箋情報入力工程により入力した処方箋情報に対する調剤の終了を入力する終了入力工程
(5)入力した処方箋情報に対する調剤の終了を終了入力工程により入力した後に、前記処方薬品のすべてについて、対応する処理フラグが未処理であるか判定し、いずれかの処方薬品の処理フラグが未処理である場合に、調剤漏れ警告を出力する調剤漏れ検出工程。
【0017】
本発明に係るプログラムは、
処方薬品毎に未処理と処理済を識別する処理フラグを設けて、処方箋情報を記憶する処方箋情報記憶部を有する調剤過誤防止システムとなるコンピュータに、以下の手順を実行させるためのプログラムであることを特徴とする。
(1)薬品を識別する薬品識別情報を含む処方箋情報を入力し、処方薬品毎に未処理と処理済を識別する処理フラグを設けて、処方箋情報を処方箋情報記憶部に記憶させる処方箋情報入力手順
(2)調剤する薬品に関連付けられているバーコードを読み取るバーコード入力手順
(3)読み取ったバーコードにより特定される調剤薬品が、処方箋情報入力手順により入力した処方箋情報に含まれる薬品識別情報により特定される処方薬品のうちのいずれかと一致するかを判定し、一致する場合に当該処方薬品に対応する処理フラグが未処理であるか処理済みであるかを判定し、未処理である場合には当該処方薬品に対応する処理フラグを未処理から処理済みに更新し、処理済みである場合には二重調剤警告を出力する調剤薬品確認手順
(4)処方箋情報入力手順により入力した処方箋情報に対する調剤の終了を入力する終了入力手順
(5)入力した処方箋情報に対する調剤の終了を処方箋情報入力手順により入力した後に、前記処方薬品のすべてについて、対応する処理フラグが未処理であるか判定し、いずれかの処方薬品の処理フラグが未処理である場合に、調剤漏れ警告を出力する調剤漏れ検出手順。
【発明の効果】
【0018】
調剤薬品確認部は、読み取ったバーコードにより特定される調剤薬品が、処方箋情報入力部が入力した処方箋情報に含まれる薬品識別情報により特定される処方薬品のうちのいずれかと一致するかを判定し、一致する場合に当該処方薬品に対応する処理フラグが未処理であるか処理済みであるかを判定し、未処理である場合には当該処方薬品に対応する処理フラグを未処理から処理済みに更新し、処理済みである場合には二重調剤警告の出力を指示するので、二重に調剤するミスを防止することができる。
【0019】
調剤漏れ検出部は、処方箋情報に対する調剤の終了を終了入力部が入力した後に、処方薬品のすべてについて、対応する処理フラグが未処理であるか判定し、いずれかの処方薬品の処理フラグが未処理である場合に、調剤漏れ警告の出力を指示するので、調剤漏れのミスを防止することができる。
【0020】
調剤漏れ検出部は、更に、前記処方薬品のすべての処理フラグが処理済である場合に、適合通知の出力を指示するので、正常な調剤を確認することが出来る。
【0021】
未調剤薬品の薬品名を出力するので、調剤漏れ薬品の確認を容易にすることができる。
【0022】
未調剤薬品の格納位置を出力するので、調剤漏れ薬品の調剤作業を効率化できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】調剤過誤防止システムの構成を示す図である。
【図2】全体処理フローを示す図である。
【図3】処方箋情報記憶部の構成例を示す図である。
【図4】調剤薬品確認処理フローを示す図である。
【図5】処方外警告処理フローを示す図である。
【図6】処方外警告の表示例を示す図である。
【図7】二重調剤警告処理フローを図である。
【図8】二重調剤警告の表示例を示す図である。
【図9】適合処理フローを示す図である。
【図10】適合通知の表示例を示す図である。
【図11】調剤漏れ検出処理フローを示す図である。
【図12】調剤漏れ警告処理フローを示す図である。
【図13】調剤漏れ警告と棚番号の表示例を示す図である。
【図14】調剤正常終了処理フローを示す図である。
【図15】調剤正常終了通知の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
実施の形態1.
以下本発明を図面に示す実施例に基づいて説明する。図1は、調剤過誤防止システムの構成を示す図である。
【0025】
1は、処方箋情報入力部、2は、処方箋情報記憶部、3は、バーコード入力部、4は、調剤薬品確認部、5は、表示部、6は、音源部、7は、終了入力部、8は、調剤漏れ検出部、9は、調剤結果出力部である。この調剤過誤防止システムは、例えば、バーコードリーダを備えるハンドヘルドコンピュータのような単体装置でもよいし、バーコードリーダと処理装置とを接続するシステムであってもよい。情報の入出力手段としては、有線、無線や赤外線等の通信手段を用いてもよいし、フレキシブルディスクやCD等の記録媒体を用いてもよい。また、表示部5と音源部6については、通信手段を介して接続する形態であっても構わない。
【0026】
続いて処理について説明する。図2は、全体処理フローを示す図である。
【0027】
処方箋情報入力部1は、処方箋情報入力処理(S201)を行う。この処理により、患者名とともに、処方箋情報を入力する。処方箋情報は、少なくとも薬品を特定する情報(例えば、薬品コードあるいは薬品名)を含んでいる。入力した情報は、処方箋情報記憶部2に記憶される。
【0028】
図3は、処方箋情報記憶部の構成例を示す図である。患者名305に対応付けて、テーブルが設けられている。薬品コード301に対応付けて、薬品名302、棚番号303、処理フラグ304の各項目を有し、処方薬品毎にレコード351、352が設けられている。棚番号303は、マスターから引用することにより設定される。
【0029】
その後、図2に示すように、調剤過誤防止システムは入力待ち(S202)となる。この状態で、調剤者は、調剤をしようとする薬品の容器に付されたバーコードを読み取る。そのため、バーコード入力部3によりバーコード入力されると(S203)、調剤薬品確認部4は、調剤薬品確認処理(S204)を行う。
【0030】
調剤薬品確認処理(S204)の詳細について説明する。図4は、調剤薬品確認処理フローを示す図である。
【0031】
まず、バーコードを取得する(S401)。この例では、バーコードとして薬品コードを用いているが、バーコードから薬品コードを特定するようにしてもよい。次に、薬品コードをキーとして処方箋情報記憶部内を検索する(S402)。適合するレコードが存在しなかった場合には、処方外警告処理(S403)を行う。適合するレコードが存在する場合には、当該レコードの処理フラグを取得し、判定する(S404)。「処理済」の場合には、二重調剤警告処理(S405)を行う。「未処理」の場合には、適合処理(S406)を行う。
【0032】
前述の処方外警告処理(S403)の詳細について説明する。図5は、処方外警告処理フローを示す図である。
【0033】
調剤薬品確認部4は、表示部5へ処方外警告の表示指示を出力する(S501)。これにより、表示部5は、処方外警告を表示する。図6は、処方外警告の表示例を示す図である。
【0034】
更に、音源部6へ警告音を鳴らす指示を出力する(S502)。これにより、音源部6は、警告音を出力する。
【0035】
前述の二重調剤警告処理(S405)の詳細について説明する。図7は、二重調剤警告処理フローを図である。
【0036】
調剤薬品確認部4は、表示部5へ二重調剤警告の表示指示を出力する(S701)。これにより、表示部5は、二重調剤警告を表示する。図8は、二重調剤警告の表示例を示す図である。
【0037】
更に、音源部6へ警告音を鳴らす指示を出力する(S702)。これにより、音源部6は、警告音を出力する。警告音は、音色や音程により、警戒を促す音である。
【0038】
前述の適合処理(S406)の詳細について説明する。図9は、適合処理フローを示す図である。
【0039】
調剤薬品確認部4は、当該処理フラグを「処理済」に更新し(S901)、表示部5へ適合通知の表示指示を出力する(S902)。これにより、表示部5は、適合通知を表示する。図10は、適合通知の表示例を示す図である。
【0040】
更に、音源部6へ適合通知音を鳴らす指示を出力する(S903)。これにより、音源部6は、適合通知音を出力する。適合通知音は、音色や音程により、順当である印象を与える音である。
【0041】
調剤者は、調剤を終える場合に、調剤過誤防止システムへ「終了」の入力を行う。このため、図2の入力待ち(S202)の状態で、終了が入力されると(S205)、調剤漏れ検出処理(S206)に移行し、この処理後、調剤結果出力処理(S207)に移行する。
【0042】
前述の調剤漏れ検出処理(S206)の詳細について説明する。図11は、調剤漏れ検出処理フローを示す図である。
【0043】
調剤漏れ検出部8は、処方箋情報記憶部2の各レコード毎(各処方薬品毎)に、以下の処理を繰り返す(S1101)。レコードに含まれる処理フラグを判定する(S1102)。「未処理」の場合には、調剤漏れ警告処理(S1103)を行う。
【0044】
図12は、調剤漏れ警告処理フローを示す図である。
【0045】
薬品コードと薬品名の取得を取得し(S1201)、薬品コードと薬品名とを含む調剤漏れ警告の表示指示を、表示部5へ出力する(S1202)。更に、棚番号(未調剤薬品の格納位置の例)を取得し(S1203)、棚番号の表示指示を表示部5へ出力する(S1204)。これにより、表示部5は、調剤漏れ警告と棚番号を表示する。図13は、調剤漏れ警告と棚番号の表示例を示す図である。
【0046】
この例によらず、薬品コードと薬品名のいずれか一方のみを含む表示であっても構わない。また、棚番号の表示を省く形態であっても構わない。
【0047】
音源部6へ警告音を鳴らす指示を出力する(S1205)。これにより、音源部6は、警告音を出力する。
【0048】
その後、「確認」の入力待ちとなり(S1206)、「確認」が入力されると終了する。
【0049】
図11に示すように、すべての処方薬品について上述の処理を終了し(S1104)、すべての処方薬品の処理フラグが「処理済」であった場合には(S1105)、調剤正常終了処理(S1106)を行う。
【0050】
図14は、調剤正常終了処理フローを示す図である。調剤正常終了通知の表示指示を表示部5へ出力する(S1401)。これにより、表示部5は調剤正常終了通知を表示する。図15は、調剤正常終了通知の表示例を示す図である。
【0051】
更に、音源部6へ適合通知音を鳴らす指示を出力する(S1402)。
【0052】
最後に、図2に示すように調剤結果出力処理(S207)を行う。調剤結果出力部9は、処方箋情報記憶部2に記憶している情報を、調剤結果として出力する。
【0053】
前述の例では、警告として、音又は警告文を出力する形態を説明したが、警告として、バイブレータによる振動を出力し、あるいは、発光装置により光を出力するようにしてもよい。
【0054】
調剤過誤防止システムは、コンピュータであり、各要素はプログラムにより処理を実行することができる。また、プログラムを記憶媒体に記憶させ、記憶媒体からコンピュータに読み取られるようにすることができる。
【0055】
本実施の形態に係る調剤過誤防止システムは、
以下の要素を有することを特徴とする。
(1)薬品を識別する薬品識別情報を含む処方箋情報を入力する処方箋情報入力部
(2)調剤する薬品に関連付けられているバーコードを読み取るバーコード入力部
(3)読み取ったバーコードにより特定される調剤薬品が、入力した処方箋情報に含まれる薬品識別情報により特定される処方薬品のうちのいずれかと一致するか否かを判定し、一致しない場合に警告の出力を指示する調剤薬品確認部
(4)調剤薬品確認部より指示された警告を出力する出力部。
【0056】
前記調剤薬品確認部は、読み取ったバーコードにより特定される調剤薬品が、既に一致するとして判定済みの処方薬品である場合に、警告の出力を指示することを特徴とする。
【0057】
前記調剤薬品確認部は、読み取ったバーコードにより特定される調剤薬品が、入力した処方箋情報に含まれる薬品識別情報により特定される処方薬品のうちのいずれかと一致する場合であって、既に一致するとして判定済みの処方薬品ではない場合に、適合通知の出力を指示することを特徴とする。
【0058】
前記調剤過誤防止システムは、更に、
前記処方薬品のうち、前記調剤薬品のいずれにも該当しない未調剤薬品が存在する場合に、警告の出力を指示する調剤漏れ検出部を有することを特徴とする。
【0059】
前記調剤漏れ検出部は、更に、前記処方薬品のうち、前記調剤薬品のいずれにも該当しない未調剤薬品が存在しない場合に、適合通知の出力を指示することを特徴とする。
【0060】
本実施の形態に係る調剤過誤防止方法は、
調剤過誤防止システムによる調剤過誤防止方法であって、以下の要素を有することを特徴とする。
(1)薬品を識別する薬品識別情報を含む処方箋情報を入力する工程
(2)調剤する薬品に関連付けられているバーコードを読み取る工程
(3)読み取ったバーコードにより特定される調剤薬品が、入力した処方箋情報に含まれる薬品識別情報により特定される処方薬品のうちのいずれかと一致するか否かを判定し、一致しない場合に警告の出力を指示する工程
(4)調剤薬品確認部より指示された警告を出力する工程。
【0061】
本実施の形態に係るプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、
調剤過誤防止システムとなるコンピュータに、以下の処理を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であることを特徴とする。
(1)薬品を識別する薬品識別情報を含む処方箋情報を入力する処理
(2)調剤する薬品に関連付けられているバーコードを読み取る処理
(3)読み取ったバーコードにより特定される調剤薬品が、入力した処方箋情報に含まれる薬品識別情報により特定される処方薬品のうちのいずれかと一致するか否かを判定し、一致しない場合に警告の出力を指示する処理
(4)調剤薬品確認部より指示された警告を出力する処理。
【0062】
本実施の形態に係るプログラムは、
調剤過誤防止システムとなるコンピュータに、以下の手順を実行させるためのプログラムであることを特徴とする。
(1)薬品を識別する薬品識別情報を含む処方箋情報を入力する手順
(2)調剤する薬品に関連付けられているバーコードを読み取る手順
(3)読み取ったバーコードにより特定される調剤薬品が、入力した処方箋情報に含まれる薬品識別情報により特定される処方薬品のうちのいずれかと一致するか否かを判定し、一致しない場合に警告の出力を指示する手順
(4)調剤薬品確認部より指示された警告を出力する手順。
【0063】
本実施の形態においては、読み取ったバーコードにより特定される調剤薬品が、入力した処方箋情報に含まれる処方薬品のうちのいずれかと一致するか否かを判定し、一致しない場合に警告を出力するので、処方外の薬品を調剤するミスを防止することができる。
【0064】
また、読み取ったバーコードにより特定される調剤薬品が、既に一致するとして判定済みの処方薬品である場合に、警告を出力するので、二重に調剤するミスを防止することができる。
【0065】
また、読み取ったバーコードにより特定される調剤薬品が、入力した処方箋情報に含まれる処方薬品のうちのいずれかと一致する場合であって、既に一致するとして判定済みの処方薬品ではない場合に、適合通知を出力するので、正常な調剤を促すことが出来る。
【0066】
処方薬品のうち、調剤薬品のいずれにも該当しない未調剤薬品が存在する場合に、警告を出力するので、調剤漏れのミスを防止することができる。
【0067】
処方薬品のうち、調剤薬品のいずれにも該当しない未調剤薬品が存在しない場合に、適合通知を出力するので、正常な調剤を確認することが出来る。
【符号の説明】
【0068】
1 処方箋情報入力部、2 処方箋情報記憶部、3 バーコード入力部、4 調剤薬品確認部、5 表示部、6 音源部、7 終了入力部、8 調剤漏れ検出部、9 調剤結果出力部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の要素を有することを特徴とする調剤過誤防止システム
(1)薬品を識別する薬品識別情報を含む処方箋情報を入力する処方箋情報入力部
(2)処方薬品毎に未処理と処理済を識別する処理フラグを設けて、入力した処方箋情報を記憶する処方箋情報記憶部
(3)調剤する薬品に関連付けられているバーコードを読み取るバーコード入力部
(4)読み取ったバーコードにより特定される調剤薬品が、処方箋情報入力部が入力した処方箋情報に含まれる薬品識別情報により特定される処方薬品のうちのいずれかと一致するかを判定し、一致する場合に当該処方薬品に対応する処理フラグが未処理であるか処理済みであるかを判定し、未処理である場合には当該処方薬品に対応する処理フラグを未処理から処理済みに更新し、処理済みである場合には二重調剤警告の出力を指示する調剤薬品確認部
(5)処方箋情報入力部が入力した処方箋情報に対する調剤の終了を入力する終了入力部(6)処方箋情報に対する調剤の終了を終了入力部が入力した後に、前記処方薬品のすべてについて、対応する処理フラグが未処理であるか判定し、いずれかの処方薬品の処理フラグが未処理である場合に、調剤漏れ警告の出力を指示する調剤漏れ検出部
(7)調剤薬品確認部より指示された二重調剤警告を出力し、調剤漏れ検出部より指示された調剤漏れ警告を出力する出力部。
【請求項2】
前記調剤漏れ検出部は、更に、前記処方薬品のすべての処理フラグが処理済である場合に、適合通知の出力を指示することを特徴とする請求項1記載の調剤過誤防止システム。
【請求項3】
前記調剤漏れ検出部は、更に、未調剤薬品の薬品名を特定して、特定した薬品名の出力を指示することを特徴とする請求項1記載の調剤過誤防止システム。
【請求項4】
前記調剤漏れ検出部は、更に、未調剤薬品の格納位置を特定し、特定した格納位置の出力を指示することを特徴とする請求項1記載の調剤過誤防止システム。
【請求項5】
前記薬品識別情報は、薬品名であることを特徴とする請求項1記載の調剤過誤防止システム。
【請求項6】
前記薬品識別情報は、薬品コードであることを特徴とする請求項1記載の調剤過誤防止システム。
【請求項7】
出力部は、警告として音を出力することを特徴とする請求項1記載の調剤過誤防止システム。
【請求項8】
出力部は、警告として振動を出力することを特徴とする請求項1記載の調剤過誤防止システム。
【請求項9】
出力部は、警告として光を出力することを特徴とする請求項1記載の調剤過誤防止システム。
【請求項10】
出力部は、警告として警告文を表示することを特徴とする請求項1記載の調剤過誤防止システム。
【請求項11】
処方薬品毎に未処理と処理済を識別する処理フラグを設けて、処方箋情報を記憶する処方箋情報記憶部を有する調剤過誤防止システムによる調剤過誤防止方法であって、以下の要素を有することを特徴とする調剤過誤防止方法
(1)薬品を識別する薬品識別情報を含む処方箋情報を入力し、処方薬品毎に未処理と処理済を識別する処理フラグを設けて、処方箋情報を処方箋情報記憶部に記憶させる処方箋情報入力工程
(2)調剤する薬品に関連付けられているバーコードを読み取るバーコード入力工程
(3)読み取ったバーコードにより特定される調剤薬品が、処方箋情報入力工程により入力した処方箋情報に含まれる薬品識別情報により特定される処方薬品のうちのいずれかと一致するかを判定し、一致する場合に当該処方薬品に対応する処理フラグが未処理であるか処理済みであるかを判定し、未処理である場合には当該処方薬品に対応する処理フラグを未処理から処理済みに更新し、処理済みである場合には二重調剤警告を出力する調剤薬品確認工程
(4)処方箋情報入力工程により入力した処方箋情報に対する調剤の終了を入力する終了入力工程
(5)入力した処方箋情報に対する調剤の終了を終了入力工程により入力した後に、前記処方薬品のすべてについて、対応する処理フラグが未処理であるか判定し、いずれかの処方薬品の処理フラグが未処理である場合に、調剤漏れ警告を出力する調剤漏れ検出工程。
【請求項12】
処方薬品毎に未処理と処理済を識別する処理フラグを設けて、処方箋情報を記憶する処方箋情報記憶部を有する調剤過誤防止システムとなるコンピュータに、以下の手順を実行させるためのプログラム
(1)薬品を識別する薬品識別情報を含む処方箋情報を入力し、処方薬品毎に未処理と処理済を識別する処理フラグを設けて、処方箋情報を処方箋情報記憶部に記憶させる処方箋情報入力手順
(2)調剤する薬品に関連付けられているバーコードを読み取るバーコード入力手順
(3)読み取ったバーコードにより特定される調剤薬品が、処方箋情報入力手順により入力した処方箋情報に含まれる薬品識別情報により特定される処方薬品のうちのいずれかと一致するかを判定し、一致する場合に当該処方薬品に対応する処理フラグが未処理であるか処理済みであるかを判定し、未処理である場合には当該処方薬品に対応する処理フラグを未処理から処理済みに更新し、処理済みである場合には二重調剤警告を出力する調剤薬品確認手順
(4)処方箋情報入力手順により入力した処方箋情報に対する調剤の終了を入力する終了入力手順
(5)入力した処方箋情報に対する調剤の終了を処方箋情報入力手順により入力した後に、前記処方薬品のすべてについて、対応する処理フラグが未処理であるか判定し、いずれかの処方薬品の処理フラグが未処理である場合に、調剤漏れ警告を出力する調剤漏れ検出手順。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−115688(P2012−115688A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−14073(P2012−14073)
【出願日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【分割の表示】特願2010−22773(P2010−22773)の分割
【原出願日】平成14年3月28日(2002.3.28)
【出願人】(394013002)三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社 (251)
【Fターム(参考)】