調合工程管理方法、及び表示入力装置
【課題】調合材料の調合ミスが発生する確率を低減することができる調合工程管理方法、及び表示入力装置を提供する。
【解決手段】本発明の調合工程管理方法は、記録装置を備える表示入力装置を用いた調合工程管理方法であり、調合材料を示す調合材料画像の登録を受け付けて記録装置に記録する画像登録ステップを含んでいる。また、材料情報と調合材料画像を関連付けた関連情報の登録を受け付けて記録装置へ記録する関連情報登録ステップを含んでいる。また、画像を表示する表示部、及び記録媒体より材料情報を読み取る読み取り部を前記表示入力装置が備えている。また、読み取り部により材料情報が読み取られた場合に、読み取られた材料情報に関連付けられている調合材料画像を関連情報に基づいて判別する判別ステップを含んでいる。また、判別された調合材料画像を表示する表示ステップを含んでいる。
【解決手段】本発明の調合工程管理方法は、記録装置を備える表示入力装置を用いた調合工程管理方法であり、調合材料を示す調合材料画像の登録を受け付けて記録装置に記録する画像登録ステップを含んでいる。また、材料情報と調合材料画像を関連付けた関連情報の登録を受け付けて記録装置へ記録する関連情報登録ステップを含んでいる。また、画像を表示する表示部、及び記録媒体より材料情報を読み取る読み取り部を前記表示入力装置が備えている。また、読み取り部により材料情報が読み取られた場合に、読み取られた材料情報に関連付けられている調合材料画像を関連情報に基づいて判別する判別ステップを含んでいる。また、判別された調合材料画像を表示する表示ステップを含んでいる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品等の調合材料の調合工程において工程管理を行うための調合工程管理方法、及び表示入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、食品工場や化学薬品工場等において、作業者が調合作業に用いる表示入力装置、例えばプログラマブル表示器が普及している。表示入力装置は、作業に関連する各種情報を表示する機能や、作業者から操作入力を受け付ける機能を備えている。
【0003】
一般に表示入力装置は、画像表示機能を備えるので、操作盤、スイッチ、指示書情報等を表示することができ、調合工程管理システムにおける操作端末としての役割を果たす。
【0004】
また近年、ネットワーク技術の発展に伴い、複数の表示入力装置をLAN(Local Area Network)等のネットワークに接続し、表示入力装置をPC(Personal Computer)等のコンピュータから管理するシステムが実用化されている。これにより例えば、作業者が表示入力装置を用いて行う作業内容を、PCが備えるデータベースで一元管理し、作業の効率化を図っている。
【0005】
しかしながら食品/医薬品/化学薬品等の製造現場では、多品種少量生産や、熟練者の減少等を原因として、人為的作業ミスが生じる可能性がある。調合する材料の間違い(以下、「調合ミス」という)もその一つであり、これにより材料のムダ、廃棄ロス、信頼失墜等の問題が生じる可能性がある。
【0006】
調合材料を梱包した材料袋には、「サトウ」、「シオ」等の明確な材料名ではなく、アルファベットと数字の羅列による製品コードのみが印刷されている場合が多い。このため、見た目、色、製品コードが酷似した材料袋が存在する場合に、調合ミスが発生する確率が高まる。
【0007】
上記の問題を解決するための一つの方法として、バーコードによる照合システムが実用化されている。この照合システムでは、対象物である材料袋に貼り付けられているバーコードを、小分け計量工程作業前に読み取り、照合する。これにより、指示通りの材料を選択しているか、又は充填する容器や袋が間違っていないか等を照合システムが確認し、調合ミスを防止している。
【0008】
図9は、従来の照会システムで用いられる作業指示の一例を示した模式図である。図中の親コードは、製品、つまり作業指示品を識別するための識別子である。この製品を作るのに必要な材料を示すのが、複数の子コードである。投入順位は、所定の製品を生成する際の調合材料の投入順位を示している。仕入れ先コード及び仕入れ先名は、調合材料の材料メーカを示している。
【0009】
図10は、従来の照会システムにおける、マスタ及び作業指示の登録処理を示すフロー図である。図10に示す処理フローは、表示入力装置、及び表示入力装置に接続可能なPCによって実施される。
【0010】
本処理の開始後、PCはステップS110〜ステップS140において、構成マスタ、品目マスタ、品目仕入先構成マスタ、及び仕入先マスタの登録指示を受け付ける。受け付けた内容は、PC、又はデータベースサーバ等に予め構築されているデータベースへ登録される。なお、各マスタの登録順は必ずしも図10に示す順である必要はなく、受け付けた順に順次登録していく形態でもよい。
【0011】
次にPCはステップS150において、各種マスタを用いた作業指示の作成指示を受け付ける。作成指示を受け付けると、指示内容に従い、例えば図9に示すような作業指示が作成される。作成された作業指示は表示入力装置へ送られ、表示入力装置に登録される。
【0012】
図11は、従来の照会システムにおける、調合材料の照合処理を示すフロー図である。図11に示す処理フローは、予め上記のマスタ登録及び作業指示作成が完了しており、表示入力装置へ作業指示が登録されている状態において、任意のタイミングで開始可能である。
【0013】
本処理の開始後、表示入力装置はステップS210において、調合材料の読み取り指示を検知したか否かを判定する。なお読み取り指示は、例えば作業者が、材料袋に貼付されたバーコードへバーコードリーダを接近させることにより、バーコードリーダがバーコードを検知した場合等に発行される。なお、バーコードリーダは予め表示入力装置に接続されているものとする。
【0014】
読み取り指示を検知していない場合、後述するステップS240へ移行する。読み取り指示を検知した場合、材料情報の読み取りを実施する。そしてステップS220において、読み取った材料情報と、予め表示入力装置に記録されている作業指示とを用いて、照合を実施する。
【0015】
具体的には例えば、図9に示す、子コード「1111111」が材料情報として読み取られた場合、「1111111」に関連付けられている材料名「材料A」等が取得される。
【0016】
次に表示入力装置はステップS230において、上記で取得した情報を表示部へ表示する。これにより、材料名や、調合を行うための指示値等が、表示部に表示される。次に表示入力装置はステップS240において、表示された指示値による調合作業が完了した旨を、作業者より受け付けたか否かを判定する。
【0017】
この受け付けは例えば、表示入力装置が備えるタッチパネル等を用いて行う。作業者がタッチパネルにより所定の操作を行うと、表示入力装置は作業完了とみなす。作業完了を受け付けていない場合、再びステップS240へ移行する。なお、所定時間を経過しても作業完了を受け付けなかった場合、ステップS210へ移行してもよい。作業完了を受け付けた場合、実行された作業内容に基づいて作業指示の内容を更新した後、ステップ210へ移行する。
【0018】
以上に説明した従来の照合システムは、対象物、つまり調合材料を間違えたままでも作業工程を進めることが可能である。各作業工程において、単に作業者に必要な情報を知らせたり、自動工作機械へ必要な制御信号を与えたりするだけでは、間違った調合材料の使用を防止することに対して有効ではない。このため作業者は常に調合材料の間違いに注意しなければならず、作業者の負担が大きいという問題がある。
【0019】
上記に関連して特許文献1には、調合材料の間違いを防止することを目的とした調合工程管理システムが開示されている。この調合工程管理システムは、製造工程において、読み取り手段で読み取られた材料情報と調合予定情報とをサーバ装置が照合する。そして調合すべき調合材料であるか否かを判定し、工程の進行の許可/不許可を示す信号を出力する。
【0020】
これにより、間違った調合材料が使用されている場合に、工程の進行を強制的にストップさせ、間違った調合材料の使用を未然に防止し、作業者の作業負担を軽減している。
【0021】
また特許文献2には、商品を販売するに際し、その商品に含まれる副材等の添付忘れや添付ミスを防止することを目的とした、商品情報出力装置が開示されている。この商品情報出力装置は、商品を特定する特定手段と、商品本体とは別体の同時使用物品を当該商品に関連させて記録する記録手段とを備えている。
【0022】
また、特定された商品に同時使用物品があれば、当該物品の情報を表示させる表示手段を備えている。これにより、商品の販売を行う店員等が、同時使用物品を添付し忘れるのを防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0023】
【特許文献1】特開2006−39605号公報
【特許文献2】特開2005−300336号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
しかしながら上記の従来技術では、調合材料や商品を識別するための識別情報を含む媒体、例えばバーコード等を調合材料や商品に貼付するのも作業者、つまり人間である。このため、バーコードの貼り間違いが発生する可能性がある。従って、バーコードを用いたチェックを、完全に信用することはできない。以上のことから、バーコード照合の信頼性を更に高める方法が求められる。
【0025】
本発明はこれらの課題を解決するためのものであり、その目的は、食品工場等において調合材料の調合工程管理に用いられる調合工程管理方法、及び表示入力装置であって、調合材料の調合ミスが発生する確率を低減することができる調合工程管理方法、及び表示入力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0026】
上記目的を達成するために本発明の調合工程管理方法は、記録装置を備える表示入力装置を用いた調合工程管理方法において、調合材料を示す調合材料画像の登録を受け付けて前記記録装置に記録する画像登録ステップと、前記調合材料に付帯された記録媒体に記録されている材料情報と前記調合材料画像とを関連付けた関連情報の登録を受け付けて前記記録装置へ記録する関連情報登録ステップとを含むことを特徴としている。
【0027】
この構成によれば、本発明の調合工程管理方法は、記録装置を備える表示入力装置を用いた調合工程管理方法であり、調合材料を示す調合材料画像の登録を受け付けて記録装置に記録する画像登録ステップを含んでいる。また、調合材料に付帯された記録媒体に記録されている材料情報と調合材料画像を関連付けた関連情報の登録を受け付けて記録装置へ記録する関連情報登録ステップを含んでいる。
【0028】
また上記目的を達成するために本発明の調合工程管理方法は、画像を表示する表示部、及び前記記録媒体より前記材料情報を読み取る読み取り部を前記表示入力装置が備え、前記読み取り部により前記材料情報が読み取られた場合に、読み取られた前記材料情報に関連付けられている前記調合材料画像を前記関連情報に基づいて判別する判別ステップと、前記判別ステップで判別された前記調合材料画像を前記表示部に表示する表示ステップとを含む。
【0029】
この構成によれば、画像を表示する表示部、及び記録媒体より材料情報を読み取る読み取り部を前記表示入力装置が備えている。また、読み取り部により材料情報が読み取られた場合に、読み取られた材料情報に関連付けられている調合材料画像を関連情報に基づいて判別する判別ステップを含んでいる。また、判別ステップで判別された調合材料画像を表示部に表示する表示ステップを含んでいる。
【0030】
また上記目的を達成するために本発明の調合工程管理方法は、前記表示入力装置に着脱可能な着脱記録装置を接続して前記着脱記録装置に対する書き込み又は読み込みを行う接続部を前記表示入力装置が備え、前記表示ステップにおいて、前記判別ステップで判別された前記調合材料画像が前記着脱記録装置に記録されているか否かを判定し、記録されている場合に、前記調合材料画像を前記着脱記録装置より読み出して前記表示部に表示する。
【0031】
この構成によれば、表示入力装置に着脱可能な着脱記録装置を接続して着脱記録装置に対する書き込み又は読み込みを行う接続部を表示入力装置が備えている。表示ステップにおいて、判別ステップで判別された調合材料画像が、着脱記録装置に記録されているか否かを判定する。そして記録されていると判定された場合に、調合材料画像を着脱記録装置より読み出して表示部に表示する。
【0032】
また上記目的を達成するために本発明の調合工程管理方法は、前記画像登録ステップにおいて、前記調合材料を撮像した撮像画像、又は前記調合材料を模式的に表した模式画像の登録を受け付けて前記調合材料画像として前記記録装置に記録する。
【0033】
この構成によれば、画像登録ステップにおいて、調合材料を撮像した撮像画像、又は調合材料を模式的に表した模式画像の登録を受け付けて、調合材料画像として記録装置に記録する。
【0034】
また上記目的を達成するために本発明の調合工程管理方法は、複数の画像を重畳する画像重畳部を前記表示入力装置が備え、前記表示ステップにおいて、前記判別ステップで判別された前記調合材料画像に対し、予め定められた画像を前記画像重畳部により重畳し、前記重畳がなされた前記調合材料画像を前記表示部に表示する。
【0035】
この構成によれば、複数の画像を重畳する画像重畳部を表示入力装置が備えている。表示ステップにおいて、判別ステップで判別された調合材料画像に対し、所定画像を画像重畳部により重畳する。そして重畳が行われた調合材料画像を表示部に表示する。
【0036】
また上記目的を達成するために本発明の調合工程管理方法は、前記表示ステップにおいて、前記読み取り部により読み取られた前記材料情報に含まれる予め定められた種別の情報から、前記画像重畳部により文字列画像を生成するとともに前記文字列画像を前記調合材料画像に重畳する。
【0037】
この構成によれば、表示ステップにおいて、読み取り部により読み取られた材料情報に含まれる所定情報から、画像重畳部により文字列画像を生成する。そして判別ステップで判別された調合材料画像に、生成した文字列画像を重畳する。そして重畳が行われた調合材料画像を表示部に表示する。
【0038】
また上記目的を達成するために本発明の表示入力装置は、記録装置を備える表示入力装置において、調合材料を示す調合材料画像の登録を受け付けて前記記録装置に記録する画像登録部と、前記調合材料に付帯された記録媒体に記録されている材料情報と前記調合材料画像とを関連付けた関連情報の登録を受け付けて前記記録装置に記録する関連情報登録部とを備えることを特徴としている。
【0039】
この構成によれば、本発明の表示入力装置は、記録装置を備えている。また、調合材料を示す調合材料画像の登録を受け付けて前記記録装置に記録する画像登録部を備えている。また調合材料に付帯された記録媒体に記録されている材料情報と調合材料画像とを関連付けた関連情報の登録を受け付けて記録装置に記録する関連情報登録部を備えている。
【0040】
また上記目的を達成するために本発明の表示入力装置は、画像を表示する表示部と、前記記録媒体より前記材料情報を読み取る読み取り部と、前記読み取り部により前記材料情報が読み取られた場合に、読み取られた前記材料情報に関連付けられている前記調合材料画像を前記関連情報に基づいて判別する判別部と、前記判別部により判別された前記調合材料画像を表示するよう前記表示部を制御する表示制御部とを備える。
【0041】
この構成によれば、本発明の表示入力装置は、画像を表示する表示部を備えている。また、記録媒体より材料情報を読み取る読み取り部を備えている。また、読み取り部により材料情報が読み取られた場合に、読み取られた材料情報に関連付けられている調合材料画像を関連情報に基づいて判別する判別部を備えている。また、判別部により判別された調合材料画像を表示するよう表示部を制御する表示制御部を備えている。
【0042】
また上記目的を達成するために本発明の表示入力装置は、前記表示入力装置に着脱可能な着脱記録装置を接続して前記着脱記録装置に対する書き込み又は読み込みを行う接続部を備え、前記表示制御部が、前記判別部により判別された前記調合材料画像が前記着脱記録装置に記録されているか否かを判定し、記録されている場合に、前記調合材料画像を前記着脱記録装置より読み出して表示するよう前記表示部を制御する。
【0043】
この構成によれば、本発明の表示入力装置は、表示入力装置に着脱可能な着脱記録装置を接続する接続部を備えている。また表示制御部は、判別部により判別された調合材料画像が着脱記録装置に記録されているか否かを判定する。記録されている場合、調合材料画像を着脱記録装置より読み出し、表示部に表示する。
【0044】
また上記目的を達成するために本発明の表示入力装置は、前記画像登録部が、前記調合材料を撮像した撮像画像、又は前記調合材料を模式的に表した模式画像を前記調合材料画像として前記記録装置に記録する。
【0045】
この構成によれば、画像登録部は、撮像装置により調合材料を撮像することにより得られた撮像画像、又は調合材料を模式的に表した模式画像を、調合材料画像として記録装置に記録する。
【0046】
また上記目的を達成するために本発明の表示入力装置は、複数の画像を重畳する画像重畳部を備え、前記表示制御部が、前記判別部により判別された前記調合材料画像に予め定められた画像を重畳するよう前記画像重畳部を制御し、前記重畳がなされた前記調合材料画像を表示するよう前記表示部を制御する。
【0047】
この構成によれば、本発明の表示入力装置は、複数の画像を重畳する画像重畳部を備えている。表示制御部は、別部により判別された調合材料画像に所定画像を重畳するよう、画像重畳部を制御する。そして重畳がなされた調合材料画像を表示部に表示する。
【0048】
また上記目的を達成するために本発明の表示入力装置は、前記表示制御部が、前記読み取り部により読み取られた前記材料情報に含まれる予め定められた種別の情報から、文字列画像を生成して前記調合材料画像に重畳するよう前記画像重畳部を制御する。
【0049】
この構成によれば、表示制御部は、読み取り部により読み取られた材料情報に含まれる所定情報から、文字列画像を生成して調合材料画像に重畳するよう、画像重畳部を制御する。そして重畳がなされた調合材料画像を表示部に表示する。
【発明の効果】
【0050】
本発明によれば、表示入力装置を用いて調合作業を行う作業者が、バーコード等の記録媒体読み取りによる確認と、調合材料画像及び対象物を見比べる目視確認との、二種類の方法で確認を行うことができる。これにより例えば、バーコードに貼り間違えが発生した場合において、対象物と異なる調合材料画像が表示される。また、バーコードが間違っている、又は対象物が間違っていることに作業者が気付くため、照合作業の信頼性を向上させることができる。
【0051】
また本発明によれば、表示入力装置へ着脱可能な着脱記録装置、例えばメモリカード等に調合材料画像を記録する。つまり表示入力装置が、ネットワーク等を介して調合材料画像を取得する必要がない。このため、情報転送量の少ないシステムや、情報処理端末の処理能力の低いシステムにおいて有利である。これにより、ネットワークから物理的に分断されている作業現場や、サイズが比較的大きい高性能情報処理装置を持ち込めない作業現場においても、本発明を実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の調合工程管理方法を用いたシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の表示入力装置の装置構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の作業指示及びマスタの構成を示す模式図である。
【図4】本発明の表示入力装置の表示画面を示す画面図である。
【図5】本発明の表示入力装置の外観を示す模式図である。
【図6】本発明の調合工程管理方法における目視確認対象を示す模式図である。
【図7】本発明の登録処理を示すフロー図である。
【図8】本発明の照会処理を示すフロー図である。
【図9】従来の作業指示の構成を示す模式図である。
【図10】従来の登録処理を示すフロー図である。
【図11】従来の照会処理を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
以下に、本発明の一実施形態に係る調合工程管理方法、及び表示入力装置について、図面を参照しつつ説明する。なお、ここで示す実施形態は一例であり、本発明はここに示す実施形態に限定されるものではない。
〈1.調合工程管理方法を用いたシステムの構成について〉
【0054】
図1は、本発明の一実施形態に係る調合工程管理方法を用いたシステムの構成を示している。このシステムは少なくとも、プログラマブル表示器100(=表示入力装置)と、PC200と、ロードセル300と、ラベルプリンタ400と、ハンディターミナル500(=表示入力装置)と、バーコードリーダ700(=読み取り部)とを含むように構成されている。またプログラマブル表示器100、PC200、ラベルプリンタ400、ハンディターミナル500、及びバーコードリーダ700は、LAN600により相互接続されている。
【0055】
プログラマブル表示器100は、シリアルケーブル等を介したロードセル300との通信により、ロードセル300の制御や計量結果の取得を行う。そして後述する表示部140(図2)に、ロードセル300より取得した情報等を表示する機能を備えている。
【0056】
またプログラマブル表示器100は、LAN600を介してPC200との間で、各種情報を送受信する機能を備えている。例えば、作業者が作業を行う際に参照する作業指示(図3)等を、PC200から受信する機能を備える。
【0057】
PC200は、予めインストールされたOS上で各種アプリケーションを実行することにより様々な機能を実現するコンピュータである。PC200には、プログラマブル表示器100と通信を行ったり、プログラマブル表示器100より取得した情報をデータベース管理したりするための各種アプリケーションがインストールされている。
【0058】
ロードセル300は、調合材料等の計量を行う計量装置である。ロードセル300は、シリアルケーブル等によりプログラマブル表示器100に接続されている。これにより、ロードセル300で行った計量結果をプログラマブル表示器100に表示することが可能である。
【0059】
ラベルプリンタ400は、調合材料を識別するためのラベル(=材料情報を記録した記録媒体)を生成する装置であり、例えばバーコードラベルを生成する。ラベルプリンタ400により生成されたラベルは、作業者により調合材料の材料袋等に貼付される。
【0060】
ハンディターミナル500は、作業者が作業現場等で使用する携帯用の情報処理端末である。ハンディターミナル500はプログラマブル表示器100の機能の一部を備えている。例えば、作業指示を記録した内蔵メモリや、メモリカードα(=着脱記録装置)を着脱するためのメモリスロット(=接続部)を備えている。
【0061】
なおメモリカードは、調合材料の材料袋を撮像した荷姿画像(=調合材料画像)を記録するのに用いられる。これにより作業者は、ハンディターミナル500を用いて荷姿画像の確認を行うことができる。
【0062】
バーコードリーダ700は、材料袋に添付されたラベルの読み取りを行う読み取り装置である。バーコードリーダ700が読み取った情報は、LAN600を介してプログラマブル表示器100等に送信される。なおバーコードリーダ700は、次に説明する図2に示すように、LAN600を介さずにプログラマブル表示器100へ接続される形態のものも存在する。
〈2.装置構成について〉
【0063】
次に、本発明の一実施形態に係るプログラマブル表示器100の装置構成について説明する。図2は、プログラマブル表示器100及びPC200の内部構成を示したブロック図である。なお、本発明と直接関わりのない機能部については、図示するのを省略している。
【0064】
プログラマブル表示器100は、制御部110、メモリ120(=記録装置)、ネットワークI/F部130、表示部140、外部装置I/F部150、タッチパネル160、及びメモリスロット170(=接続部)を含む。また、メモリスロット170により接続される装置として、メモリカードαが存在する。また外部装置I/F部150により接続される装置として、ロードセル300及びバーコードリーダ700が存在する。
【0065】
制御部110は、プログラマブル表示器100に含まれる各装置を統括制御するための中央処理装置である。制御部110は例えば、所定の時間間隔毎や所定のイベント毎にロードセル300と通信して所定情報を取得し、メモリ120に書き込む。また制御部110は、複数のオブジェクトを組み合わせて作成された画面、例えば後述する表示画面900(図4)を描画表示する制御を行う。
【0066】
また制御部110は、制御部110が備える演算処理装置上で所定のプログラムを実行することにより実現される機能部として、画像登録部111、関連情報登録部112、判別部113、表示制御部114、及び画像重畳部115を備えている。
【0067】
画像登録部111は、調合材料を示す調合材料画像の登録を受け付け、メモリカードα等に記録する。関連情報登録部112は、材料情報と調合材料画像とを関連付けた作業指示(=関連情報)の登録を受け付け、メモリ120等に記録する。なお以上の各登録処理は、例えばPC200の操作者がLAN600を介して上記機能部へ登録指示を送信することにより行われる。
【0068】
判別部113は、バーコードリーダ700によりラベルの読み取りが実施された場合に、ラベルから読み取られた材料情報に関連付けられている荷姿画像を、作業指示に基づいて判別する。表示制御部114は、判別部113が判別した荷姿画像を、表示部140に表示する。
【0069】
画像重畳部115は、表示制御部114が荷姿画像を表示する際に、材料情報に含まれる所定のテキスト情報、例えば材料名等を示す文字列画像を生成し、荷姿画像に重畳する。これにより、作業者による目視確認の作業精度を高める。なお、画像重畳部115が文字列画像を重畳するか否かの設定を、予めタッチパネル160等により受け付け、設定情報としてメモリ120に記録する形態でもよい。
【0070】
メモリ120は、制御部110が各種処理を行う際の情報を一時的に記録するための記録装置である。ネットワークI/F部130は、プログラマブル表示器100とLAN600とを接続するためのインタフェースであり、例えば100Base−TX規格のLANカード等が用いられる。この場合、ネットワークI/F部130にはツイストペアケーブ等の通信ケーブルが接続される。
【0071】
表示部140は、プログラマブル表示器100を薄型に構成するための表示装置である。具体的には例えば、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ、又はプラズマディスプレイのような平板型ディスプレイが用いられる。
【0072】
外部装置I/F部150は、ロードセル300又はバーコードリーダ700等と相互通信を行うための通信制御部である。両装置はシリアルケーブル等で接続される。外部装置I/F部150は、ロードセル300又はバーコードリーダ700のメーカや機種に応じた通信プロトコルを用いて通信する。
【0073】
タッチパネル160は、表示部140の表示画面前面に貼付配置された操作用装置である。タッチパネル160が貼付された表示領域に作業者がタッチ操作を行うと、操作位置座標に応じた制御指示が生成され、制御部110に与えられる。
【0074】
メモリスロット170は、メモリカードαを接続するためのインタフェースである。メモリカードαは、メモリスロット170に着脱可能な外部記録装置である。メモリスロット170に接続されたメモリカードαは、制御部110からの指示により情報の書き込み/読み込みが可能である。本実施形態では主に、荷姿画像を記録するのに用いられる。
【0075】
次に、PC200について説明する。PC200は、制御部210、メモリ220、ネットワークI/F部230、HDD(Hard Disk Drive)240、及びメモリスロット250を備える。
【0076】
制御部210は、PC200が備える各装置を統括制御するための中央処理装置である。制御部210は、ネットワークI/F部230を用いて、プログラマブル表示器100との通信を行う。また、通信により得られた各種処理情報、及びプログラム情報等をHDD240に記録する。
【0077】
PC200には、マスタの登録、及び作業指示の作成を行うためのアプリケーションや、作成された情報を記録するデータベース等が、予めインストールされている。PC200の操作者は、各マスタを用いて作業指示を作成する。なお本実施形態では、荷姿画像と材料情報とを関連付けたマスタとして、品目仕入先構成マスタを用いる。
【0078】
PC200で作成された作業指示は、LAN600を介してプログラマブル表示器100へ伝送される。またPC200は、プログラマブル表示器100に表示する荷姿画像を、メモリスロット250に接続されたメモリカードαへ記録する機能も備えている。なお記録される荷姿画像のファイル名は、予め定められた取り決めに則って操作者が荷姿画像に付与する。例えば図3に示す「画像コード」の項目に対応するファイル名が付与される。
〈3.マスタ及び作業指示について〉
【0079】
図3は、マスタと、マスタに基づいて生成される作業指示との一例を示した模式図である。図3の例では、マスタとして構成マスタ、品目マスタ、品目仕入先構成マスタ、及び仕入先マスタが存在する。以上の四つのマスタを元に、作業指示が生成される。
【0080】
構成マスタは、所定の製品を生成する際の、調合材料の投入順位等を登録するものである。品目マスタは、子コードに関する情報を登録するものである。なお材料は、その材料メーカが一社のみとは限らない。例えば材料Aは、C社、F社、H社が製造しているもののいずれかを使用する。この内容を登録したのが、品目仕入先構成マスタである。仕入先マスタは、材料メーカの情報を登録したものである。
【0081】
本実施形態においては、品目仕入先構成マスタに「画像コード」という項目を追加している。これは従来の品目仕入先構成マスタには存在しない項目であり、荷姿画像の画像ファイル名を登録するのに用いられる。画像コードは、子コード及び仕入先コードの二つに基づいて一意の値となるように設定される。
〈4.表示画面について〉
【0082】
ここで、本発明の一実施形態に係るプログラマブル表示器100の表示画面900の一例を、図4を用いながら説明する。なお、表示画面900を表示するための各種情報は、予めPC200のエディタアプリケーションで作成されて、プログラマブル表示器100へ転送されているものとする。
【0083】
図4に示すように、本実施形態における表示画面900は、画像表示領域910、第一情報表示領域920、第二情報表示領域930、及びコマンド表示部940を含むように構成されている。画像表示領域910には、予めメモリカードαに記録されている荷姿画像であり、且つ調合材料に関連付けられている荷姿画像が表示される。
【0084】
第一情報表示領域920、及び第二情報表示領域930は、調合実施に関連する情報を表示する領域である。例えば、調合に用いられる材料名や、調合を行うにあたっての指示値等が表示される。
【0085】
コマンド表示部940は、作業者がプログラマブル表示器100に対して各種指示を入力するための領域である。作業者がコマンド表示部940にタッチ操作を行うと、タッチパネル160がこれを検知し、検知したコマンドの種別を制御部110へ伝える。
【0086】
また図5は、ハンディターミナル500の外観の一例を示した模式図である。ハンディターミナル500の表示部510は、プログラマブル表示器100の表示部140と比較してのそのサイズが小さい。このため、一度に表示できる情報量も限定される。従って表示情報の切り換えを、操作ボタン群520により行う。
【0087】
図5(a)は、調合実施に関連する情報を表示した状態のハンディターミナル500を示している。つまり、プログラマブル表示器100の第一情報表示領域920、又は第二情報表示領域930に相当する情報が、表示部510に表示されている。
【0088】
この状態において、操作ボタン群520に含まれる所定の操作ボタンが押下されると、図5(b)の状態へ移行する。図5(b)の状態では、プログラマブル表示器100の画像表示領域910に相当する情報、つまり荷姿画像が表示部510に表示されている。
【0089】
この状態において、操作ボタン群520に含まれる所定の操作ボタンが押下されると、再び図5(a)の状態へ移行する。これにより作業者は、作業指示と荷姿画像とを、必要に応じて切り換えて閲覧することが可能である。
【0090】
なお、ハンディターミナル500はメモリカードα(図2)を着脱自在に取り付けるメモリスロットを備えている。ハンディターミナル500は荷姿画像を表示する際に、このメモリスロットに接続されたメモリカードαより荷姿画像を読み出して表示する。
【0091】
図6は、作業者がハンディターミナル500を用いて調合材料の目視確認を行う場合の、確認対象となる対象物を表した模式図である。作業現場には、ハンディターミナル500、ラベルの貼付された調合材料、及び作業指示が存在する。なお作業指示は、プログラマブル表示器100に表示されている形態でもよいし、ハンディターミナル500に切り換え可能に表示されている形態でもよい。又は、紙媒体等に印刷されている形態でもよい。
【0092】
作業者が調合材料のラベルをバーコードリーダ700で読み取ると、読み取った情報がハンディターミナル500へ送られる。これを受けたハンディターミナル500は、表示部510に荷姿画像を表示する。なおバーコードリーダ700で読み取った材料情報は、例えば作業現場に設けられた無線LANや、ハンディターミナル500を他装置へ接続するためのクレードル等を介して、ハンディターミナル500へ送られる。
【0093】
作業者は表示された荷姿画像と、調合材料の現物と、作業指示に記述されている材料名とを目視確認することにより、調合材料の種別に間違いがないかを確認する。
〈5.処理フローについて〉
【0094】
ここで、マスタ及び作業指示の登録処理、及び調合材料の照合処理の処理フローを、図7及び図8のフロー図を用いながら説明する。
【0095】
図7は、本発明の一実施形態に係る、マスタ及び作業指示の登録処理を示すフロー図である。図7に示す処理フローは、PC200の電源が起動されている状態において、任意のタイミングで開始可能である。なお、従来技術(図10)と同様の処理については、同一のステップ番号を付加することにより説明を省略するものとする。
【0096】
本処理の開始後、まず従来技術のステップS110〜ステップS140を実施する。これにより、各マスタの登録が行なわれる。
【0097】
登録が完了すると、ステップS141〜ステップS144を実施する。
【0098】
制御部210はステップS141において、荷姿画像として登録する画像ファイルの入力を受け付ける。なお、登録する荷姿画像としては、例えば予めデジタルカメラ(不図示)により材料袋を撮像した撮像画像等を用いる。入力された荷姿画像は、HDD240へ記録される。なお荷姿画像は、デジタルカメラにより撮像された画像に限定されるものではなく、例えば調合材料を模式的に表したアイコン画像等を用いる形態でもよい。
【0099】
次に制御部210はステップS142において、入力された荷姿画像のファイル名を受け付ける。ファイル名が指定されると、制御部210はステップS143において、指定されたファイル名と、子コード及び仕入先コードとの関連付けの指定を受け付ける。これにより例えば、品目仕入先構成マスタの「画像コード」に、子コード及び仕入先コードに関連付けられた荷姿画像のファイル名が登録される。
【0100】
次に制御部210はステップS144において、関連付けが行われた荷姿画像を、メモリカードスロット250に接続されているメモリカードαへ記録する。また必要に応じて、LAN600を介して画像登録部111へ送信する。これを受けた画像登録部111は、荷姿画像をメモリカードαに記録する(=画像登録ステップ)。
【0101】
画像の登録が完了すると、ステップS150へ移行する。なお、ステップS150の内容は従来技術と同様であるため、説明を省略する。ステップS150で作成された作業指示は、必要に応じて、LAN600を介して関連情報登録部112へ送られる。これを受けた関連情報登録部112は、作業指示をメモリ120等に記録する(=関連情報登録ステップ)。
【0102】
以上の処理が終了すると、作業者はメモリカードαをメモリスロット250より取り外し、プログラマブル表示器100のメモリスロット170へ装着する。これにより、関連付けが行われた荷姿画像を、プログラマブル表示器100で読み取り可能となる。
【0103】
次に、本発明の一実施形態に係る、調合材料の照合処理を示すフローを、図8を用いて説明する。図8に示す処理フローは、予め上記のマスタ登録、作業指示作成、及び関連付けられた荷姿画像の記録が完了している状態において、任意のタイミングで開始可能である。なお、従来技術(図11)と同様の処理については、同一のステップ番号を付加することにより説明を省略するものとする。
【0104】
ステップS210〜ステップS230の実施後、判別部113はステップS231において、ステップS220で取得した材料情報から、バーコード読み取りを行った調合材料に関連付けられている荷姿画像を判別する(=判別ステップ)。
【0105】
例えば作業指示が図3に示す状態であり、読み取った材料情報に含まれる子コードが「2222222」、仕入先コードが「1000」であったとする。この場合、図中の太線で示している画像コード「10003」が、関連付けられている荷姿画像のファイル名であると判別される。
【0106】
表示制御部114は、判別部113により判別されたファイル名の荷姿画像をメモリカードαより読み出し、表示部140へ表示する(=表示ステップ)。なおこの際、画像重畳部115による文字列画像の重畳が有効に設定されているかを、メモリ120に記録されている設定情報を参照して判定する形態でもよい。
【0107】
この形態の場合、有効に設定されていると判定されれば、画像重畳部115は材料情報に含まれる所定のテキスト情報、例えば材料名等を示す文字列画像を生成し、荷姿画像に重畳して表示部140に表示する。これにより、例えば図4の画像表示領域910に示すように、材料名を示す文字列画像「サトウ」が荷姿画像に重畳されて表示される。
【0108】
なお、該当する荷姿画像がメモリカードαに記録されていない場合は、表示を行わないか、エラー表示を行う。表示が完了すると、ステップS240へ移行する。以降の処理内容は従来技術と同様であるため、説明を省略する。
【0109】
以上に説明した本実施形態によれば、作業者が材料袋に貼付されているバーコードを読み取った場合に、従来の表示情報(材料名や材料コード等)に加えて、その調合材料の荷姿画像をプログラマブル表示器100又はハンディターミナル500に表示する。このため作業者は、材料名や材料コードのみを用いて調合材料の目視確認を行う場合と比較して、より容易且つ確実に確認作業を行うことができる。
【0110】
また本実施形態によれば、品目仕入先構成マスタに「画像コード」という項目を追加し、この項目に荷姿画像のファイル名を登録している。これにより、既存のマスタを流用して画像ファイルの登録を容易に行うことが可能である。
【0111】
また本実施形態によれば、荷姿画像をメモリカードαに記録している。このためプログラマブル表示器100又はハンディターミナル500は、LAN600等を介して荷姿画像を取得する必要がない。このため、情報転送量の少ないシステムや、情報処理端末の処理能力の低いシステムにおいて有利である。また、LAN600から物理的に分断されている作業現場や、サイズが比較的大きい高性能情報処理装置を持ち込めない作業現場においても、本発明を実施することが可能である。
【0112】
[その他の実施の形態]
以上、好ましい実施の形態及び実施例をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも上記実施の形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形して実施することができる。
【0113】
従って本発明は、以下の形態にも適用可能である。
【0114】
(A)上記実施形態では、荷姿画像の表示制御に関連する機能部、例えば表示制御部114等が、マイクロプロセッサ等の演算処理装置上で所定のプログラムを実行することにより実現されているが、各機能部が複数の回路により実現される形態でもよい。
【0115】
(B)また上記実施形態では、本発明の表示入力装置の一例としてプログラマブル表示器100及びハンディターミナル500を例示しているが、これ以外の表示入力装置を用いて本発明を実施する形態でもよい。例えば、携帯電話等で所定のアプリケーションを実行することにより、本発明の表示入力装置と同様の機能を実現する形態でもよい。
【0116】
(C)また上記実施形態では、品目仕入先構成マスタに登録される画像ファイルとして、デジタルカメラで撮像した荷姿画像を例に説明しているが、これ以外の画像ファイルを登録して使用する形態でもよい。例えば、調合材料を模式的に表したアイコン画像(=模式画像)を登録して使用する形態でもよい。又は、予め材料袋に特徴的な形状をしたシール等を目印として貼付し、この目印を撮像した画像ファイルを登録して使用する形態でもよい。
【0117】
(D)また上記実施形態では、画像ファイルを特定するための画像コードを品目仕入先構成マスタに登録しているが、この他のマスタに登録する形態でもよい。
【0118】
(E)また上記実施形態では、品目マスタに登録されている「材料名」の文字列から文字列画像を生成して荷姿画像に重畳しているが、これ以外の情報から文字列画像を生成して重畳する形態でもよい。例えば、「材料名」と「仕入先名」との両方から文字列画像を生成して重畳する形態でもよい。
【0119】
(F)また上記実施形態では、バーコードリーダ700がプログラマブル表示器100又はハンディターミナル500に外部接続されている形態、及びバーコードリーダ700がLAN600に接続されている形態を例に説明を行っているが、バーコードリーダ700がプログラマブル表示器100又はハンディターミナル500の一部として内蔵されている形態でもよい。
【0120】
(G)また上記実施形態では、画像ファイルを記録する記録装置としてメモリカードαを例に説明を行っているが、これ以外の記録装置に記録する形態でもよい。例えばマイクロハードディスクや光ディスク等の記録装置を用いる形態でもよい。
【0121】
(H)また上記実施形態では、調合材料の一例として、食品を生成するための調合材料を例に説明しているが、これ以外の調合材料の調合工程において本発明を実施する形態でもよい。例えば、化学薬品や医薬品等の調合材料の調合工程において本発明を実施する形態でもよい。
【0122】
(I)また上記実施形態では、画像コードの値として荷姿画像のファイル名を用いているが、これ以外の値を用いる形態でもよい。例えば任意の値が割り振られた画像コードと荷姿画像のファイル名とを登録するマスタを新たに作成し、このマスタを用いてファイル名の関連付けを行う形態でもよい。
【符号の説明】
【0123】
100 プログラマブル表示器(表示入力装置)
110 制御部
111 画像登録部
112 関連情報登録部
113 判別部
114 表示制御部
115 画像重畳部
120 メモリ(記録装置)
130 ネットワークI/F部
140 表示部
150 外部装置I/F部
160 タッチパネル(入力部)
170 メモリスロット(接続部)
200 PC
500 ハンディターミナル(表示入力装置)
700 バーコードリーダ(読み取り部)
α メモリカード(着脱記録装置)
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品等の調合材料の調合工程において工程管理を行うための調合工程管理方法、及び表示入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、食品工場や化学薬品工場等において、作業者が調合作業に用いる表示入力装置、例えばプログラマブル表示器が普及している。表示入力装置は、作業に関連する各種情報を表示する機能や、作業者から操作入力を受け付ける機能を備えている。
【0003】
一般に表示入力装置は、画像表示機能を備えるので、操作盤、スイッチ、指示書情報等を表示することができ、調合工程管理システムにおける操作端末としての役割を果たす。
【0004】
また近年、ネットワーク技術の発展に伴い、複数の表示入力装置をLAN(Local Area Network)等のネットワークに接続し、表示入力装置をPC(Personal Computer)等のコンピュータから管理するシステムが実用化されている。これにより例えば、作業者が表示入力装置を用いて行う作業内容を、PCが備えるデータベースで一元管理し、作業の効率化を図っている。
【0005】
しかしながら食品/医薬品/化学薬品等の製造現場では、多品種少量生産や、熟練者の減少等を原因として、人為的作業ミスが生じる可能性がある。調合する材料の間違い(以下、「調合ミス」という)もその一つであり、これにより材料のムダ、廃棄ロス、信頼失墜等の問題が生じる可能性がある。
【0006】
調合材料を梱包した材料袋には、「サトウ」、「シオ」等の明確な材料名ではなく、アルファベットと数字の羅列による製品コードのみが印刷されている場合が多い。このため、見た目、色、製品コードが酷似した材料袋が存在する場合に、調合ミスが発生する確率が高まる。
【0007】
上記の問題を解決するための一つの方法として、バーコードによる照合システムが実用化されている。この照合システムでは、対象物である材料袋に貼り付けられているバーコードを、小分け計量工程作業前に読み取り、照合する。これにより、指示通りの材料を選択しているか、又は充填する容器や袋が間違っていないか等を照合システムが確認し、調合ミスを防止している。
【0008】
図9は、従来の照会システムで用いられる作業指示の一例を示した模式図である。図中の親コードは、製品、つまり作業指示品を識別するための識別子である。この製品を作るのに必要な材料を示すのが、複数の子コードである。投入順位は、所定の製品を生成する際の調合材料の投入順位を示している。仕入れ先コード及び仕入れ先名は、調合材料の材料メーカを示している。
【0009】
図10は、従来の照会システムにおける、マスタ及び作業指示の登録処理を示すフロー図である。図10に示す処理フローは、表示入力装置、及び表示入力装置に接続可能なPCによって実施される。
【0010】
本処理の開始後、PCはステップS110〜ステップS140において、構成マスタ、品目マスタ、品目仕入先構成マスタ、及び仕入先マスタの登録指示を受け付ける。受け付けた内容は、PC、又はデータベースサーバ等に予め構築されているデータベースへ登録される。なお、各マスタの登録順は必ずしも図10に示す順である必要はなく、受け付けた順に順次登録していく形態でもよい。
【0011】
次にPCはステップS150において、各種マスタを用いた作業指示の作成指示を受け付ける。作成指示を受け付けると、指示内容に従い、例えば図9に示すような作業指示が作成される。作成された作業指示は表示入力装置へ送られ、表示入力装置に登録される。
【0012】
図11は、従来の照会システムにおける、調合材料の照合処理を示すフロー図である。図11に示す処理フローは、予め上記のマスタ登録及び作業指示作成が完了しており、表示入力装置へ作業指示が登録されている状態において、任意のタイミングで開始可能である。
【0013】
本処理の開始後、表示入力装置はステップS210において、調合材料の読み取り指示を検知したか否かを判定する。なお読み取り指示は、例えば作業者が、材料袋に貼付されたバーコードへバーコードリーダを接近させることにより、バーコードリーダがバーコードを検知した場合等に発行される。なお、バーコードリーダは予め表示入力装置に接続されているものとする。
【0014】
読み取り指示を検知していない場合、後述するステップS240へ移行する。読み取り指示を検知した場合、材料情報の読み取りを実施する。そしてステップS220において、読み取った材料情報と、予め表示入力装置に記録されている作業指示とを用いて、照合を実施する。
【0015】
具体的には例えば、図9に示す、子コード「1111111」が材料情報として読み取られた場合、「1111111」に関連付けられている材料名「材料A」等が取得される。
【0016】
次に表示入力装置はステップS230において、上記で取得した情報を表示部へ表示する。これにより、材料名や、調合を行うための指示値等が、表示部に表示される。次に表示入力装置はステップS240において、表示された指示値による調合作業が完了した旨を、作業者より受け付けたか否かを判定する。
【0017】
この受け付けは例えば、表示入力装置が備えるタッチパネル等を用いて行う。作業者がタッチパネルにより所定の操作を行うと、表示入力装置は作業完了とみなす。作業完了を受け付けていない場合、再びステップS240へ移行する。なお、所定時間を経過しても作業完了を受け付けなかった場合、ステップS210へ移行してもよい。作業完了を受け付けた場合、実行された作業内容に基づいて作業指示の内容を更新した後、ステップ210へ移行する。
【0018】
以上に説明した従来の照合システムは、対象物、つまり調合材料を間違えたままでも作業工程を進めることが可能である。各作業工程において、単に作業者に必要な情報を知らせたり、自動工作機械へ必要な制御信号を与えたりするだけでは、間違った調合材料の使用を防止することに対して有効ではない。このため作業者は常に調合材料の間違いに注意しなければならず、作業者の負担が大きいという問題がある。
【0019】
上記に関連して特許文献1には、調合材料の間違いを防止することを目的とした調合工程管理システムが開示されている。この調合工程管理システムは、製造工程において、読み取り手段で読み取られた材料情報と調合予定情報とをサーバ装置が照合する。そして調合すべき調合材料であるか否かを判定し、工程の進行の許可/不許可を示す信号を出力する。
【0020】
これにより、間違った調合材料が使用されている場合に、工程の進行を強制的にストップさせ、間違った調合材料の使用を未然に防止し、作業者の作業負担を軽減している。
【0021】
また特許文献2には、商品を販売するに際し、その商品に含まれる副材等の添付忘れや添付ミスを防止することを目的とした、商品情報出力装置が開示されている。この商品情報出力装置は、商品を特定する特定手段と、商品本体とは別体の同時使用物品を当該商品に関連させて記録する記録手段とを備えている。
【0022】
また、特定された商品に同時使用物品があれば、当該物品の情報を表示させる表示手段を備えている。これにより、商品の販売を行う店員等が、同時使用物品を添付し忘れるのを防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0023】
【特許文献1】特開2006−39605号公報
【特許文献2】特開2005−300336号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
しかしながら上記の従来技術では、調合材料や商品を識別するための識別情報を含む媒体、例えばバーコード等を調合材料や商品に貼付するのも作業者、つまり人間である。このため、バーコードの貼り間違いが発生する可能性がある。従って、バーコードを用いたチェックを、完全に信用することはできない。以上のことから、バーコード照合の信頼性を更に高める方法が求められる。
【0025】
本発明はこれらの課題を解決するためのものであり、その目的は、食品工場等において調合材料の調合工程管理に用いられる調合工程管理方法、及び表示入力装置であって、調合材料の調合ミスが発生する確率を低減することができる調合工程管理方法、及び表示入力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0026】
上記目的を達成するために本発明の調合工程管理方法は、記録装置を備える表示入力装置を用いた調合工程管理方法において、調合材料を示す調合材料画像の登録を受け付けて前記記録装置に記録する画像登録ステップと、前記調合材料に付帯された記録媒体に記録されている材料情報と前記調合材料画像とを関連付けた関連情報の登録を受け付けて前記記録装置へ記録する関連情報登録ステップとを含むことを特徴としている。
【0027】
この構成によれば、本発明の調合工程管理方法は、記録装置を備える表示入力装置を用いた調合工程管理方法であり、調合材料を示す調合材料画像の登録を受け付けて記録装置に記録する画像登録ステップを含んでいる。また、調合材料に付帯された記録媒体に記録されている材料情報と調合材料画像を関連付けた関連情報の登録を受け付けて記録装置へ記録する関連情報登録ステップを含んでいる。
【0028】
また上記目的を達成するために本発明の調合工程管理方法は、画像を表示する表示部、及び前記記録媒体より前記材料情報を読み取る読み取り部を前記表示入力装置が備え、前記読み取り部により前記材料情報が読み取られた場合に、読み取られた前記材料情報に関連付けられている前記調合材料画像を前記関連情報に基づいて判別する判別ステップと、前記判別ステップで判別された前記調合材料画像を前記表示部に表示する表示ステップとを含む。
【0029】
この構成によれば、画像を表示する表示部、及び記録媒体より材料情報を読み取る読み取り部を前記表示入力装置が備えている。また、読み取り部により材料情報が読み取られた場合に、読み取られた材料情報に関連付けられている調合材料画像を関連情報に基づいて判別する判別ステップを含んでいる。また、判別ステップで判別された調合材料画像を表示部に表示する表示ステップを含んでいる。
【0030】
また上記目的を達成するために本発明の調合工程管理方法は、前記表示入力装置に着脱可能な着脱記録装置を接続して前記着脱記録装置に対する書き込み又は読み込みを行う接続部を前記表示入力装置が備え、前記表示ステップにおいて、前記判別ステップで判別された前記調合材料画像が前記着脱記録装置に記録されているか否かを判定し、記録されている場合に、前記調合材料画像を前記着脱記録装置より読み出して前記表示部に表示する。
【0031】
この構成によれば、表示入力装置に着脱可能な着脱記録装置を接続して着脱記録装置に対する書き込み又は読み込みを行う接続部を表示入力装置が備えている。表示ステップにおいて、判別ステップで判別された調合材料画像が、着脱記録装置に記録されているか否かを判定する。そして記録されていると判定された場合に、調合材料画像を着脱記録装置より読み出して表示部に表示する。
【0032】
また上記目的を達成するために本発明の調合工程管理方法は、前記画像登録ステップにおいて、前記調合材料を撮像した撮像画像、又は前記調合材料を模式的に表した模式画像の登録を受け付けて前記調合材料画像として前記記録装置に記録する。
【0033】
この構成によれば、画像登録ステップにおいて、調合材料を撮像した撮像画像、又は調合材料を模式的に表した模式画像の登録を受け付けて、調合材料画像として記録装置に記録する。
【0034】
また上記目的を達成するために本発明の調合工程管理方法は、複数の画像を重畳する画像重畳部を前記表示入力装置が備え、前記表示ステップにおいて、前記判別ステップで判別された前記調合材料画像に対し、予め定められた画像を前記画像重畳部により重畳し、前記重畳がなされた前記調合材料画像を前記表示部に表示する。
【0035】
この構成によれば、複数の画像を重畳する画像重畳部を表示入力装置が備えている。表示ステップにおいて、判別ステップで判別された調合材料画像に対し、所定画像を画像重畳部により重畳する。そして重畳が行われた調合材料画像を表示部に表示する。
【0036】
また上記目的を達成するために本発明の調合工程管理方法は、前記表示ステップにおいて、前記読み取り部により読み取られた前記材料情報に含まれる予め定められた種別の情報から、前記画像重畳部により文字列画像を生成するとともに前記文字列画像を前記調合材料画像に重畳する。
【0037】
この構成によれば、表示ステップにおいて、読み取り部により読み取られた材料情報に含まれる所定情報から、画像重畳部により文字列画像を生成する。そして判別ステップで判別された調合材料画像に、生成した文字列画像を重畳する。そして重畳が行われた調合材料画像を表示部に表示する。
【0038】
また上記目的を達成するために本発明の表示入力装置は、記録装置を備える表示入力装置において、調合材料を示す調合材料画像の登録を受け付けて前記記録装置に記録する画像登録部と、前記調合材料に付帯された記録媒体に記録されている材料情報と前記調合材料画像とを関連付けた関連情報の登録を受け付けて前記記録装置に記録する関連情報登録部とを備えることを特徴としている。
【0039】
この構成によれば、本発明の表示入力装置は、記録装置を備えている。また、調合材料を示す調合材料画像の登録を受け付けて前記記録装置に記録する画像登録部を備えている。また調合材料に付帯された記録媒体に記録されている材料情報と調合材料画像とを関連付けた関連情報の登録を受け付けて記録装置に記録する関連情報登録部を備えている。
【0040】
また上記目的を達成するために本発明の表示入力装置は、画像を表示する表示部と、前記記録媒体より前記材料情報を読み取る読み取り部と、前記読み取り部により前記材料情報が読み取られた場合に、読み取られた前記材料情報に関連付けられている前記調合材料画像を前記関連情報に基づいて判別する判別部と、前記判別部により判別された前記調合材料画像を表示するよう前記表示部を制御する表示制御部とを備える。
【0041】
この構成によれば、本発明の表示入力装置は、画像を表示する表示部を備えている。また、記録媒体より材料情報を読み取る読み取り部を備えている。また、読み取り部により材料情報が読み取られた場合に、読み取られた材料情報に関連付けられている調合材料画像を関連情報に基づいて判別する判別部を備えている。また、判別部により判別された調合材料画像を表示するよう表示部を制御する表示制御部を備えている。
【0042】
また上記目的を達成するために本発明の表示入力装置は、前記表示入力装置に着脱可能な着脱記録装置を接続して前記着脱記録装置に対する書き込み又は読み込みを行う接続部を備え、前記表示制御部が、前記判別部により判別された前記調合材料画像が前記着脱記録装置に記録されているか否かを判定し、記録されている場合に、前記調合材料画像を前記着脱記録装置より読み出して表示するよう前記表示部を制御する。
【0043】
この構成によれば、本発明の表示入力装置は、表示入力装置に着脱可能な着脱記録装置を接続する接続部を備えている。また表示制御部は、判別部により判別された調合材料画像が着脱記録装置に記録されているか否かを判定する。記録されている場合、調合材料画像を着脱記録装置より読み出し、表示部に表示する。
【0044】
また上記目的を達成するために本発明の表示入力装置は、前記画像登録部が、前記調合材料を撮像した撮像画像、又は前記調合材料を模式的に表した模式画像を前記調合材料画像として前記記録装置に記録する。
【0045】
この構成によれば、画像登録部は、撮像装置により調合材料を撮像することにより得られた撮像画像、又は調合材料を模式的に表した模式画像を、調合材料画像として記録装置に記録する。
【0046】
また上記目的を達成するために本発明の表示入力装置は、複数の画像を重畳する画像重畳部を備え、前記表示制御部が、前記判別部により判別された前記調合材料画像に予め定められた画像を重畳するよう前記画像重畳部を制御し、前記重畳がなされた前記調合材料画像を表示するよう前記表示部を制御する。
【0047】
この構成によれば、本発明の表示入力装置は、複数の画像を重畳する画像重畳部を備えている。表示制御部は、別部により判別された調合材料画像に所定画像を重畳するよう、画像重畳部を制御する。そして重畳がなされた調合材料画像を表示部に表示する。
【0048】
また上記目的を達成するために本発明の表示入力装置は、前記表示制御部が、前記読み取り部により読み取られた前記材料情報に含まれる予め定められた種別の情報から、文字列画像を生成して前記調合材料画像に重畳するよう前記画像重畳部を制御する。
【0049】
この構成によれば、表示制御部は、読み取り部により読み取られた材料情報に含まれる所定情報から、文字列画像を生成して調合材料画像に重畳するよう、画像重畳部を制御する。そして重畳がなされた調合材料画像を表示部に表示する。
【発明の効果】
【0050】
本発明によれば、表示入力装置を用いて調合作業を行う作業者が、バーコード等の記録媒体読み取りによる確認と、調合材料画像及び対象物を見比べる目視確認との、二種類の方法で確認を行うことができる。これにより例えば、バーコードに貼り間違えが発生した場合において、対象物と異なる調合材料画像が表示される。また、バーコードが間違っている、又は対象物が間違っていることに作業者が気付くため、照合作業の信頼性を向上させることができる。
【0051】
また本発明によれば、表示入力装置へ着脱可能な着脱記録装置、例えばメモリカード等に調合材料画像を記録する。つまり表示入力装置が、ネットワーク等を介して調合材料画像を取得する必要がない。このため、情報転送量の少ないシステムや、情報処理端末の処理能力の低いシステムにおいて有利である。これにより、ネットワークから物理的に分断されている作業現場や、サイズが比較的大きい高性能情報処理装置を持ち込めない作業現場においても、本発明を実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の調合工程管理方法を用いたシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の表示入力装置の装置構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の作業指示及びマスタの構成を示す模式図である。
【図4】本発明の表示入力装置の表示画面を示す画面図である。
【図5】本発明の表示入力装置の外観を示す模式図である。
【図6】本発明の調合工程管理方法における目視確認対象を示す模式図である。
【図7】本発明の登録処理を示すフロー図である。
【図8】本発明の照会処理を示すフロー図である。
【図9】従来の作業指示の構成を示す模式図である。
【図10】従来の登録処理を示すフロー図である。
【図11】従来の照会処理を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
以下に、本発明の一実施形態に係る調合工程管理方法、及び表示入力装置について、図面を参照しつつ説明する。なお、ここで示す実施形態は一例であり、本発明はここに示す実施形態に限定されるものではない。
〈1.調合工程管理方法を用いたシステムの構成について〉
【0054】
図1は、本発明の一実施形態に係る調合工程管理方法を用いたシステムの構成を示している。このシステムは少なくとも、プログラマブル表示器100(=表示入力装置)と、PC200と、ロードセル300と、ラベルプリンタ400と、ハンディターミナル500(=表示入力装置)と、バーコードリーダ700(=読み取り部)とを含むように構成されている。またプログラマブル表示器100、PC200、ラベルプリンタ400、ハンディターミナル500、及びバーコードリーダ700は、LAN600により相互接続されている。
【0055】
プログラマブル表示器100は、シリアルケーブル等を介したロードセル300との通信により、ロードセル300の制御や計量結果の取得を行う。そして後述する表示部140(図2)に、ロードセル300より取得した情報等を表示する機能を備えている。
【0056】
またプログラマブル表示器100は、LAN600を介してPC200との間で、各種情報を送受信する機能を備えている。例えば、作業者が作業を行う際に参照する作業指示(図3)等を、PC200から受信する機能を備える。
【0057】
PC200は、予めインストールされたOS上で各種アプリケーションを実行することにより様々な機能を実現するコンピュータである。PC200には、プログラマブル表示器100と通信を行ったり、プログラマブル表示器100より取得した情報をデータベース管理したりするための各種アプリケーションがインストールされている。
【0058】
ロードセル300は、調合材料等の計量を行う計量装置である。ロードセル300は、シリアルケーブル等によりプログラマブル表示器100に接続されている。これにより、ロードセル300で行った計量結果をプログラマブル表示器100に表示することが可能である。
【0059】
ラベルプリンタ400は、調合材料を識別するためのラベル(=材料情報を記録した記録媒体)を生成する装置であり、例えばバーコードラベルを生成する。ラベルプリンタ400により生成されたラベルは、作業者により調合材料の材料袋等に貼付される。
【0060】
ハンディターミナル500は、作業者が作業現場等で使用する携帯用の情報処理端末である。ハンディターミナル500はプログラマブル表示器100の機能の一部を備えている。例えば、作業指示を記録した内蔵メモリや、メモリカードα(=着脱記録装置)を着脱するためのメモリスロット(=接続部)を備えている。
【0061】
なおメモリカードは、調合材料の材料袋を撮像した荷姿画像(=調合材料画像)を記録するのに用いられる。これにより作業者は、ハンディターミナル500を用いて荷姿画像の確認を行うことができる。
【0062】
バーコードリーダ700は、材料袋に添付されたラベルの読み取りを行う読み取り装置である。バーコードリーダ700が読み取った情報は、LAN600を介してプログラマブル表示器100等に送信される。なおバーコードリーダ700は、次に説明する図2に示すように、LAN600を介さずにプログラマブル表示器100へ接続される形態のものも存在する。
〈2.装置構成について〉
【0063】
次に、本発明の一実施形態に係るプログラマブル表示器100の装置構成について説明する。図2は、プログラマブル表示器100及びPC200の内部構成を示したブロック図である。なお、本発明と直接関わりのない機能部については、図示するのを省略している。
【0064】
プログラマブル表示器100は、制御部110、メモリ120(=記録装置)、ネットワークI/F部130、表示部140、外部装置I/F部150、タッチパネル160、及びメモリスロット170(=接続部)を含む。また、メモリスロット170により接続される装置として、メモリカードαが存在する。また外部装置I/F部150により接続される装置として、ロードセル300及びバーコードリーダ700が存在する。
【0065】
制御部110は、プログラマブル表示器100に含まれる各装置を統括制御するための中央処理装置である。制御部110は例えば、所定の時間間隔毎や所定のイベント毎にロードセル300と通信して所定情報を取得し、メモリ120に書き込む。また制御部110は、複数のオブジェクトを組み合わせて作成された画面、例えば後述する表示画面900(図4)を描画表示する制御を行う。
【0066】
また制御部110は、制御部110が備える演算処理装置上で所定のプログラムを実行することにより実現される機能部として、画像登録部111、関連情報登録部112、判別部113、表示制御部114、及び画像重畳部115を備えている。
【0067】
画像登録部111は、調合材料を示す調合材料画像の登録を受け付け、メモリカードα等に記録する。関連情報登録部112は、材料情報と調合材料画像とを関連付けた作業指示(=関連情報)の登録を受け付け、メモリ120等に記録する。なお以上の各登録処理は、例えばPC200の操作者がLAN600を介して上記機能部へ登録指示を送信することにより行われる。
【0068】
判別部113は、バーコードリーダ700によりラベルの読み取りが実施された場合に、ラベルから読み取られた材料情報に関連付けられている荷姿画像を、作業指示に基づいて判別する。表示制御部114は、判別部113が判別した荷姿画像を、表示部140に表示する。
【0069】
画像重畳部115は、表示制御部114が荷姿画像を表示する際に、材料情報に含まれる所定のテキスト情報、例えば材料名等を示す文字列画像を生成し、荷姿画像に重畳する。これにより、作業者による目視確認の作業精度を高める。なお、画像重畳部115が文字列画像を重畳するか否かの設定を、予めタッチパネル160等により受け付け、設定情報としてメモリ120に記録する形態でもよい。
【0070】
メモリ120は、制御部110が各種処理を行う際の情報を一時的に記録するための記録装置である。ネットワークI/F部130は、プログラマブル表示器100とLAN600とを接続するためのインタフェースであり、例えば100Base−TX規格のLANカード等が用いられる。この場合、ネットワークI/F部130にはツイストペアケーブ等の通信ケーブルが接続される。
【0071】
表示部140は、プログラマブル表示器100を薄型に構成するための表示装置である。具体的には例えば、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ、又はプラズマディスプレイのような平板型ディスプレイが用いられる。
【0072】
外部装置I/F部150は、ロードセル300又はバーコードリーダ700等と相互通信を行うための通信制御部である。両装置はシリアルケーブル等で接続される。外部装置I/F部150は、ロードセル300又はバーコードリーダ700のメーカや機種に応じた通信プロトコルを用いて通信する。
【0073】
タッチパネル160は、表示部140の表示画面前面に貼付配置された操作用装置である。タッチパネル160が貼付された表示領域に作業者がタッチ操作を行うと、操作位置座標に応じた制御指示が生成され、制御部110に与えられる。
【0074】
メモリスロット170は、メモリカードαを接続するためのインタフェースである。メモリカードαは、メモリスロット170に着脱可能な外部記録装置である。メモリスロット170に接続されたメモリカードαは、制御部110からの指示により情報の書き込み/読み込みが可能である。本実施形態では主に、荷姿画像を記録するのに用いられる。
【0075】
次に、PC200について説明する。PC200は、制御部210、メモリ220、ネットワークI/F部230、HDD(Hard Disk Drive)240、及びメモリスロット250を備える。
【0076】
制御部210は、PC200が備える各装置を統括制御するための中央処理装置である。制御部210は、ネットワークI/F部230を用いて、プログラマブル表示器100との通信を行う。また、通信により得られた各種処理情報、及びプログラム情報等をHDD240に記録する。
【0077】
PC200には、マスタの登録、及び作業指示の作成を行うためのアプリケーションや、作成された情報を記録するデータベース等が、予めインストールされている。PC200の操作者は、各マスタを用いて作業指示を作成する。なお本実施形態では、荷姿画像と材料情報とを関連付けたマスタとして、品目仕入先構成マスタを用いる。
【0078】
PC200で作成された作業指示は、LAN600を介してプログラマブル表示器100へ伝送される。またPC200は、プログラマブル表示器100に表示する荷姿画像を、メモリスロット250に接続されたメモリカードαへ記録する機能も備えている。なお記録される荷姿画像のファイル名は、予め定められた取り決めに則って操作者が荷姿画像に付与する。例えば図3に示す「画像コード」の項目に対応するファイル名が付与される。
〈3.マスタ及び作業指示について〉
【0079】
図3は、マスタと、マスタに基づいて生成される作業指示との一例を示した模式図である。図3の例では、マスタとして構成マスタ、品目マスタ、品目仕入先構成マスタ、及び仕入先マスタが存在する。以上の四つのマスタを元に、作業指示が生成される。
【0080】
構成マスタは、所定の製品を生成する際の、調合材料の投入順位等を登録するものである。品目マスタは、子コードに関する情報を登録するものである。なお材料は、その材料メーカが一社のみとは限らない。例えば材料Aは、C社、F社、H社が製造しているもののいずれかを使用する。この内容を登録したのが、品目仕入先構成マスタである。仕入先マスタは、材料メーカの情報を登録したものである。
【0081】
本実施形態においては、品目仕入先構成マスタに「画像コード」という項目を追加している。これは従来の品目仕入先構成マスタには存在しない項目であり、荷姿画像の画像ファイル名を登録するのに用いられる。画像コードは、子コード及び仕入先コードの二つに基づいて一意の値となるように設定される。
〈4.表示画面について〉
【0082】
ここで、本発明の一実施形態に係るプログラマブル表示器100の表示画面900の一例を、図4を用いながら説明する。なお、表示画面900を表示するための各種情報は、予めPC200のエディタアプリケーションで作成されて、プログラマブル表示器100へ転送されているものとする。
【0083】
図4に示すように、本実施形態における表示画面900は、画像表示領域910、第一情報表示領域920、第二情報表示領域930、及びコマンド表示部940を含むように構成されている。画像表示領域910には、予めメモリカードαに記録されている荷姿画像であり、且つ調合材料に関連付けられている荷姿画像が表示される。
【0084】
第一情報表示領域920、及び第二情報表示領域930は、調合実施に関連する情報を表示する領域である。例えば、調合に用いられる材料名や、調合を行うにあたっての指示値等が表示される。
【0085】
コマンド表示部940は、作業者がプログラマブル表示器100に対して各種指示を入力するための領域である。作業者がコマンド表示部940にタッチ操作を行うと、タッチパネル160がこれを検知し、検知したコマンドの種別を制御部110へ伝える。
【0086】
また図5は、ハンディターミナル500の外観の一例を示した模式図である。ハンディターミナル500の表示部510は、プログラマブル表示器100の表示部140と比較してのそのサイズが小さい。このため、一度に表示できる情報量も限定される。従って表示情報の切り換えを、操作ボタン群520により行う。
【0087】
図5(a)は、調合実施に関連する情報を表示した状態のハンディターミナル500を示している。つまり、プログラマブル表示器100の第一情報表示領域920、又は第二情報表示領域930に相当する情報が、表示部510に表示されている。
【0088】
この状態において、操作ボタン群520に含まれる所定の操作ボタンが押下されると、図5(b)の状態へ移行する。図5(b)の状態では、プログラマブル表示器100の画像表示領域910に相当する情報、つまり荷姿画像が表示部510に表示されている。
【0089】
この状態において、操作ボタン群520に含まれる所定の操作ボタンが押下されると、再び図5(a)の状態へ移行する。これにより作業者は、作業指示と荷姿画像とを、必要に応じて切り換えて閲覧することが可能である。
【0090】
なお、ハンディターミナル500はメモリカードα(図2)を着脱自在に取り付けるメモリスロットを備えている。ハンディターミナル500は荷姿画像を表示する際に、このメモリスロットに接続されたメモリカードαより荷姿画像を読み出して表示する。
【0091】
図6は、作業者がハンディターミナル500を用いて調合材料の目視確認を行う場合の、確認対象となる対象物を表した模式図である。作業現場には、ハンディターミナル500、ラベルの貼付された調合材料、及び作業指示が存在する。なお作業指示は、プログラマブル表示器100に表示されている形態でもよいし、ハンディターミナル500に切り換え可能に表示されている形態でもよい。又は、紙媒体等に印刷されている形態でもよい。
【0092】
作業者が調合材料のラベルをバーコードリーダ700で読み取ると、読み取った情報がハンディターミナル500へ送られる。これを受けたハンディターミナル500は、表示部510に荷姿画像を表示する。なおバーコードリーダ700で読み取った材料情報は、例えば作業現場に設けられた無線LANや、ハンディターミナル500を他装置へ接続するためのクレードル等を介して、ハンディターミナル500へ送られる。
【0093】
作業者は表示された荷姿画像と、調合材料の現物と、作業指示に記述されている材料名とを目視確認することにより、調合材料の種別に間違いがないかを確認する。
〈5.処理フローについて〉
【0094】
ここで、マスタ及び作業指示の登録処理、及び調合材料の照合処理の処理フローを、図7及び図8のフロー図を用いながら説明する。
【0095】
図7は、本発明の一実施形態に係る、マスタ及び作業指示の登録処理を示すフロー図である。図7に示す処理フローは、PC200の電源が起動されている状態において、任意のタイミングで開始可能である。なお、従来技術(図10)と同様の処理については、同一のステップ番号を付加することにより説明を省略するものとする。
【0096】
本処理の開始後、まず従来技術のステップS110〜ステップS140を実施する。これにより、各マスタの登録が行なわれる。
【0097】
登録が完了すると、ステップS141〜ステップS144を実施する。
【0098】
制御部210はステップS141において、荷姿画像として登録する画像ファイルの入力を受け付ける。なお、登録する荷姿画像としては、例えば予めデジタルカメラ(不図示)により材料袋を撮像した撮像画像等を用いる。入力された荷姿画像は、HDD240へ記録される。なお荷姿画像は、デジタルカメラにより撮像された画像に限定されるものではなく、例えば調合材料を模式的に表したアイコン画像等を用いる形態でもよい。
【0099】
次に制御部210はステップS142において、入力された荷姿画像のファイル名を受け付ける。ファイル名が指定されると、制御部210はステップS143において、指定されたファイル名と、子コード及び仕入先コードとの関連付けの指定を受け付ける。これにより例えば、品目仕入先構成マスタの「画像コード」に、子コード及び仕入先コードに関連付けられた荷姿画像のファイル名が登録される。
【0100】
次に制御部210はステップS144において、関連付けが行われた荷姿画像を、メモリカードスロット250に接続されているメモリカードαへ記録する。また必要に応じて、LAN600を介して画像登録部111へ送信する。これを受けた画像登録部111は、荷姿画像をメモリカードαに記録する(=画像登録ステップ)。
【0101】
画像の登録が完了すると、ステップS150へ移行する。なお、ステップS150の内容は従来技術と同様であるため、説明を省略する。ステップS150で作成された作業指示は、必要に応じて、LAN600を介して関連情報登録部112へ送られる。これを受けた関連情報登録部112は、作業指示をメモリ120等に記録する(=関連情報登録ステップ)。
【0102】
以上の処理が終了すると、作業者はメモリカードαをメモリスロット250より取り外し、プログラマブル表示器100のメモリスロット170へ装着する。これにより、関連付けが行われた荷姿画像を、プログラマブル表示器100で読み取り可能となる。
【0103】
次に、本発明の一実施形態に係る、調合材料の照合処理を示すフローを、図8を用いて説明する。図8に示す処理フローは、予め上記のマスタ登録、作業指示作成、及び関連付けられた荷姿画像の記録が完了している状態において、任意のタイミングで開始可能である。なお、従来技術(図11)と同様の処理については、同一のステップ番号を付加することにより説明を省略するものとする。
【0104】
ステップS210〜ステップS230の実施後、判別部113はステップS231において、ステップS220で取得した材料情報から、バーコード読み取りを行った調合材料に関連付けられている荷姿画像を判別する(=判別ステップ)。
【0105】
例えば作業指示が図3に示す状態であり、読み取った材料情報に含まれる子コードが「2222222」、仕入先コードが「1000」であったとする。この場合、図中の太線で示している画像コード「10003」が、関連付けられている荷姿画像のファイル名であると判別される。
【0106】
表示制御部114は、判別部113により判別されたファイル名の荷姿画像をメモリカードαより読み出し、表示部140へ表示する(=表示ステップ)。なおこの際、画像重畳部115による文字列画像の重畳が有効に設定されているかを、メモリ120に記録されている設定情報を参照して判定する形態でもよい。
【0107】
この形態の場合、有効に設定されていると判定されれば、画像重畳部115は材料情報に含まれる所定のテキスト情報、例えば材料名等を示す文字列画像を生成し、荷姿画像に重畳して表示部140に表示する。これにより、例えば図4の画像表示領域910に示すように、材料名を示す文字列画像「サトウ」が荷姿画像に重畳されて表示される。
【0108】
なお、該当する荷姿画像がメモリカードαに記録されていない場合は、表示を行わないか、エラー表示を行う。表示が完了すると、ステップS240へ移行する。以降の処理内容は従来技術と同様であるため、説明を省略する。
【0109】
以上に説明した本実施形態によれば、作業者が材料袋に貼付されているバーコードを読み取った場合に、従来の表示情報(材料名や材料コード等)に加えて、その調合材料の荷姿画像をプログラマブル表示器100又はハンディターミナル500に表示する。このため作業者は、材料名や材料コードのみを用いて調合材料の目視確認を行う場合と比較して、より容易且つ確実に確認作業を行うことができる。
【0110】
また本実施形態によれば、品目仕入先構成マスタに「画像コード」という項目を追加し、この項目に荷姿画像のファイル名を登録している。これにより、既存のマスタを流用して画像ファイルの登録を容易に行うことが可能である。
【0111】
また本実施形態によれば、荷姿画像をメモリカードαに記録している。このためプログラマブル表示器100又はハンディターミナル500は、LAN600等を介して荷姿画像を取得する必要がない。このため、情報転送量の少ないシステムや、情報処理端末の処理能力の低いシステムにおいて有利である。また、LAN600から物理的に分断されている作業現場や、サイズが比較的大きい高性能情報処理装置を持ち込めない作業現場においても、本発明を実施することが可能である。
【0112】
[その他の実施の形態]
以上、好ましい実施の形態及び実施例をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも上記実施の形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形して実施することができる。
【0113】
従って本発明は、以下の形態にも適用可能である。
【0114】
(A)上記実施形態では、荷姿画像の表示制御に関連する機能部、例えば表示制御部114等が、マイクロプロセッサ等の演算処理装置上で所定のプログラムを実行することにより実現されているが、各機能部が複数の回路により実現される形態でもよい。
【0115】
(B)また上記実施形態では、本発明の表示入力装置の一例としてプログラマブル表示器100及びハンディターミナル500を例示しているが、これ以外の表示入力装置を用いて本発明を実施する形態でもよい。例えば、携帯電話等で所定のアプリケーションを実行することにより、本発明の表示入力装置と同様の機能を実現する形態でもよい。
【0116】
(C)また上記実施形態では、品目仕入先構成マスタに登録される画像ファイルとして、デジタルカメラで撮像した荷姿画像を例に説明しているが、これ以外の画像ファイルを登録して使用する形態でもよい。例えば、調合材料を模式的に表したアイコン画像(=模式画像)を登録して使用する形態でもよい。又は、予め材料袋に特徴的な形状をしたシール等を目印として貼付し、この目印を撮像した画像ファイルを登録して使用する形態でもよい。
【0117】
(D)また上記実施形態では、画像ファイルを特定するための画像コードを品目仕入先構成マスタに登録しているが、この他のマスタに登録する形態でもよい。
【0118】
(E)また上記実施形態では、品目マスタに登録されている「材料名」の文字列から文字列画像を生成して荷姿画像に重畳しているが、これ以外の情報から文字列画像を生成して重畳する形態でもよい。例えば、「材料名」と「仕入先名」との両方から文字列画像を生成して重畳する形態でもよい。
【0119】
(F)また上記実施形態では、バーコードリーダ700がプログラマブル表示器100又はハンディターミナル500に外部接続されている形態、及びバーコードリーダ700がLAN600に接続されている形態を例に説明を行っているが、バーコードリーダ700がプログラマブル表示器100又はハンディターミナル500の一部として内蔵されている形態でもよい。
【0120】
(G)また上記実施形態では、画像ファイルを記録する記録装置としてメモリカードαを例に説明を行っているが、これ以外の記録装置に記録する形態でもよい。例えばマイクロハードディスクや光ディスク等の記録装置を用いる形態でもよい。
【0121】
(H)また上記実施形態では、調合材料の一例として、食品を生成するための調合材料を例に説明しているが、これ以外の調合材料の調合工程において本発明を実施する形態でもよい。例えば、化学薬品や医薬品等の調合材料の調合工程において本発明を実施する形態でもよい。
【0122】
(I)また上記実施形態では、画像コードの値として荷姿画像のファイル名を用いているが、これ以外の値を用いる形態でもよい。例えば任意の値が割り振られた画像コードと荷姿画像のファイル名とを登録するマスタを新たに作成し、このマスタを用いてファイル名の関連付けを行う形態でもよい。
【符号の説明】
【0123】
100 プログラマブル表示器(表示入力装置)
110 制御部
111 画像登録部
112 関連情報登録部
113 判別部
114 表示制御部
115 画像重畳部
120 メモリ(記録装置)
130 ネットワークI/F部
140 表示部
150 外部装置I/F部
160 タッチパネル(入力部)
170 メモリスロット(接続部)
200 PC
500 ハンディターミナル(表示入力装置)
700 バーコードリーダ(読み取り部)
α メモリカード(着脱記録装置)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録装置を備える表示入力装置を用いた調合工程管理方法において、
調合材料を示す調合材料画像の登録を受け付けて前記記録装置に記録する画像登録ステップと、
前記調合材料に付帯された記録媒体に記録されている材料情報と前記調合材料画像とを関連付けた関連情報の登録を受け付けて前記記録装置へ記録する関連情報登録ステップとを含むこと
を特徴とする調合工程管理方法。
【請求項2】
画像を表示する表示部、及び前記記録媒体より前記材料情報を読み取る読み取り部を前記表示入力装置が備え、
前記読み取り部により前記材料情報が読み取られた場合に、読み取られた前記材料情報に関連付けられている前記調合材料画像を前記関連情報に基づいて判別する判別ステップと、
前記判別ステップで判別された前記調合材料画像を前記表示部に表示する表示ステップとを含む、
請求項1に記載の調合工程管理方法。
【請求項3】
前記表示入力装置に着脱可能な着脱記録装置を接続して前記着脱記録装置に対する書き込み又は読み込みを行う接続部を前記表示入力装置が備え、
前記表示ステップにおいて、前記判別ステップで判別された前記調合材料画像が前記着脱記録装置に記録されているか否かを判定し、記録されている場合に、前記調合材料画像を前記着脱記録装置より読み出して前記表示部に表示する、
請求項2に記載の調合工程管理方法。
【請求項4】
前記画像登録ステップにおいて、前記調合材料を撮像した撮像画像、又は前記調合材料を模式的に表した模式画像の登録を受け付けて前記調合材料画像として前記記録装置に記録する、
請求項2に記載の調合工程管理方法。
【請求項5】
複数の画像を重畳する画像重畳部を前記表示入力装置が備え、
前記表示ステップにおいて、前記判別ステップで判別された前記調合材料画像に対し、予め定められた画像を前記画像重畳部により重畳し、前記重畳がなされた前記調合材料画像を前記表示部に表示する、
請求項2に記載の調合工程管理方法。前記表示入力装置
【請求項6】
前記表示ステップにおいて、前記読み取り部により読み取られた前記材料情報に含まれる予め定められた種別の情報から、前記画像重畳部により文字列画像を生成するとともに前記文字列画像を前記調合材料画像に重畳する、
請求項5に記載の調合工程管理方法。
【請求項7】
記録装置を備える表示入力装置において、
調合材料を示す調合材料画像の登録を受け付けて前記記録装置に記録する画像登録部と、
前記調合材料に付帯された記録媒体に記録されている材料情報と前記調合材料画像とを関連付けた関連情報の登録を受け付けて前記記録装置に記録する関連情報登録部とを備えること
を特徴とする表示入力装置。
【請求項8】
画像を表示する表示部と、
前記記録媒体より前記材料情報を読み取る読み取り部と、
前記読み取り部により前記材料情報が読み取られた場合に、読み取られた前記材料情報に関連付けられている前記調合材料画像を前記関連情報に基づいて判別する判別部と、
前記判別部により判別された前記調合材料画像を表示するよう前記表示部を制御する表示制御部とを備える、
請求項7に記載の表示入力装置。
【請求項9】
前記表示入力装置に着脱可能な着脱記録装置を接続して前記着脱記録装置に対する書き込み又は読み込みを行う接続部を備え、
前記表示制御部が、前記判別部により判別された前記調合材料画像が前記着脱記録装置に記録されているか否かを判定し、記録されている場合に、前記調合材料画像を前記着脱記録装置より読み出して表示するよう前記表示部を制御する、
請求項8に記載の表示入力装置。
【請求項10】
前記画像登録部が、前記調合材料を撮像した撮像画像、又は前記調合材料を模式的に表した模式画像を前記調合材料画像として前記記録装置に記録する、
請求項8に記載の表示入力装置。
【請求項11】
複数の画像を重畳する画像重畳部を備え、
前記表示制御部が、前記判別部により判別された前記調合材料画像に予め定められた画像を重畳するよう前記画像重畳部を制御し、前記重畳がなされた前記調合材料画像を表示するよう前記表示部を制御する、
請求項8に記載の表示入力装置。
【請求項12】
前記表示制御部が、前記読み取り部により読み取られた前記材料情報に含まれる予め定められた種別の情報から、文字列画像を生成して前記調合材料画像に重畳するよう前記画像重畳部を制御する、
請求項11に記載の表示入力装置。
【請求項1】
記録装置を備える表示入力装置を用いた調合工程管理方法において、
調合材料を示す調合材料画像の登録を受け付けて前記記録装置に記録する画像登録ステップと、
前記調合材料に付帯された記録媒体に記録されている材料情報と前記調合材料画像とを関連付けた関連情報の登録を受け付けて前記記録装置へ記録する関連情報登録ステップとを含むこと
を特徴とする調合工程管理方法。
【請求項2】
画像を表示する表示部、及び前記記録媒体より前記材料情報を読み取る読み取り部を前記表示入力装置が備え、
前記読み取り部により前記材料情報が読み取られた場合に、読み取られた前記材料情報に関連付けられている前記調合材料画像を前記関連情報に基づいて判別する判別ステップと、
前記判別ステップで判別された前記調合材料画像を前記表示部に表示する表示ステップとを含む、
請求項1に記載の調合工程管理方法。
【請求項3】
前記表示入力装置に着脱可能な着脱記録装置を接続して前記着脱記録装置に対する書き込み又は読み込みを行う接続部を前記表示入力装置が備え、
前記表示ステップにおいて、前記判別ステップで判別された前記調合材料画像が前記着脱記録装置に記録されているか否かを判定し、記録されている場合に、前記調合材料画像を前記着脱記録装置より読み出して前記表示部に表示する、
請求項2に記載の調合工程管理方法。
【請求項4】
前記画像登録ステップにおいて、前記調合材料を撮像した撮像画像、又は前記調合材料を模式的に表した模式画像の登録を受け付けて前記調合材料画像として前記記録装置に記録する、
請求項2に記載の調合工程管理方法。
【請求項5】
複数の画像を重畳する画像重畳部を前記表示入力装置が備え、
前記表示ステップにおいて、前記判別ステップで判別された前記調合材料画像に対し、予め定められた画像を前記画像重畳部により重畳し、前記重畳がなされた前記調合材料画像を前記表示部に表示する、
請求項2に記載の調合工程管理方法。前記表示入力装置
【請求項6】
前記表示ステップにおいて、前記読み取り部により読み取られた前記材料情報に含まれる予め定められた種別の情報から、前記画像重畳部により文字列画像を生成するとともに前記文字列画像を前記調合材料画像に重畳する、
請求項5に記載の調合工程管理方法。
【請求項7】
記録装置を備える表示入力装置において、
調合材料を示す調合材料画像の登録を受け付けて前記記録装置に記録する画像登録部と、
前記調合材料に付帯された記録媒体に記録されている材料情報と前記調合材料画像とを関連付けた関連情報の登録を受け付けて前記記録装置に記録する関連情報登録部とを備えること
を特徴とする表示入力装置。
【請求項8】
画像を表示する表示部と、
前記記録媒体より前記材料情報を読み取る読み取り部と、
前記読み取り部により前記材料情報が読み取られた場合に、読み取られた前記材料情報に関連付けられている前記調合材料画像を前記関連情報に基づいて判別する判別部と、
前記判別部により判別された前記調合材料画像を表示するよう前記表示部を制御する表示制御部とを備える、
請求項7に記載の表示入力装置。
【請求項9】
前記表示入力装置に着脱可能な着脱記録装置を接続して前記着脱記録装置に対する書き込み又は読み込みを行う接続部を備え、
前記表示制御部が、前記判別部により判別された前記調合材料画像が前記着脱記録装置に記録されているか否かを判定し、記録されている場合に、前記調合材料画像を前記着脱記録装置より読み出して表示するよう前記表示部を制御する、
請求項8に記載の表示入力装置。
【請求項10】
前記画像登録部が、前記調合材料を撮像した撮像画像、又は前記調合材料を模式的に表した模式画像を前記調合材料画像として前記記録装置に記録する、
請求項8に記載の表示入力装置。
【請求項11】
複数の画像を重畳する画像重畳部を備え、
前記表示制御部が、前記判別部により判別された前記調合材料画像に予め定められた画像を重畳するよう前記画像重畳部を制御し、前記重畳がなされた前記調合材料画像を表示するよう前記表示部を制御する、
請求項8に記載の表示入力装置。
【請求項12】
前記表示制御部が、前記読み取り部により読み取られた前記材料情報に含まれる予め定められた種別の情報から、文字列画像を生成して前記調合材料画像に重畳するよう前記画像重畳部を制御する、
請求項11に記載の表示入力装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−8472(P2011−8472A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−150569(P2009−150569)
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(000134109)株式会社デジタル (224)
【出願人】(593027738)三島食品株式会社 (4)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(000134109)株式会社デジタル (224)
【出願人】(593027738)三島食品株式会社 (4)
【Fターム(参考)】
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