説明

調湿パネル

【課題】調湿材を効率よく収容できるとともに、室内空間の空気を効率的に調湿し得る調湿パネルを提供する。
【解決手段】パネル内に調湿材61が収容された調湿材保持層6を備えた調湿パネル1であって、前記パネルの一端に設けられた吸気口2と、前記パネルの他端に設けられた排気口3と、前記調湿材保持層に隣接して設けられ前記吸気口から前記排気口への空気の経路となる送風路5と、前記吸気口から空気を取り込み前記送風路へ取り込んだ空気を送風する送風手段4とを有し、前記調湿材保持層には、前記送風路の送風方向に多段に区画され前記送風路側に開口60aした多数の収容セル60が形成されており、該収容セルの開口側が通気可能な通気膜62で覆われ、前記収容セル内には調湿材が収容保持されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住居の内装建材などとして使用される調湿パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
近年は、住居の高断熱化及び高気密化が進んだことによって、これに起因する結露やカビ、ダニなどの発生が問題となっており、住居内の湿度調節が次なる課題となっている。
そこで、建物の内装建材などに使用される調湿機能を有した調湿パネルが提案されている。
【0003】
パネル内に調湿材を収容したものとしては、下記特許文献1が挙げられる。ここには、パネル内を仕切板で仕切り、その中に炭等を詰め、その表裏面に通気性のある被覆シートを貼着したパネルが記載されている。
一方、下記特許文献2には、建築物の通気内壁材と、壁面断熱部材の内面との間に通気層を設け、この通気層に吸着剤を内蔵等させた壁構造が記載されている。ここには通気性内壁材と壁面断熱構成部の内面との間に空気を流通させる通気層にハニカムを設け、このハムカム内に調湿材を収容したものが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−8633号公報
【特許文献2】特開2001−140368号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、住居内の湿度調節を行う調湿パネルを縦型のパネルとして使用する場合、調湿パネル内に調湿材を効率よく良好に収容することが難しい。例えば調湿パネル内が一空間に構成されている場合は、調湿材を調湿パネル内に収容していくと、下方側から調湿材が堆積していき、調湿材を上方まで詰めようとすると必要以上に大量の調湿材が必要となってしまう。
また吸排気口を備えた調湿パネルの場合は、吸気口側に近い上流側での吸湿性はよいが下流側になるにつれて、上流側で吸湿された空気が通過するため、吸湿量が低下してしまうことが問題となる。
【0006】
上記特許文献1に記載のパネルは、パネル内空間が仕切板で仕切られているが、室内空間の空気の自然対流を利用して吸放湿する構成であり、また上記特許文献2に記載のものは、建築物の構造全体に関わるものであるから、いずれも上述のような調湿パネルの課題を解決したものでない。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、調湿材を効率よく収容できるとともに、室内空間の空気を効率的に調湿し得る調湿パネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る調湿パネルは、パネル内に調湿材が収容された調湿材保持層を備えた調湿パネルであって、前記パネルの一端に設けられた吸気口と、前記パネルの他端に設けられた排気口と、前記調湿材保持層に隣接して設けられ前記吸気口から前記排気口への空気の経路となる送風路と、前記吸気口から空気を取り込み前記送風路へ取り込んだ空気を送風する送風手段とを有し、前記調湿材保持層には、前記送風路の送風方向に多段に区画され前記送風路側に開口した多数の収容セルが形成されており、該収容セルの開口側が通気可能な通気膜で覆われ、前記収容セル内には調湿材が収容保持されていることを特徴とする。
【0009】
これによれば、調湿材が送風路の送風方向に多段に区画形成された収容セル内に収容されているので、調湿パネル内が一空間に構成されている場合と比べて送風路の上流側から下流側に亘って調湿材を効率よく収容することができる。また例えば吸気口及び排気口が上下に位置するように設置される縦型のパネルとして適用する場合には、調湿材の自重による上下方向の調湿材収容量の偏りを低減できる。さらに収容セルに区画されて調湿材を収容することができるので、収容セル毎に調湿材の収容量の調整することが可能になる。
そして収容セルは送風路側に開口しこの開口側が通気可能な通気膜で覆われているので、調湿材を収容セル内に収容保持することができる。また送風手段によって強制的に吸気口から取り込まれた室内の空気は、送風路に導入され、送風路側に開口した収容セル内の調湿材によって調湿(除湿または加湿)された後、排気口から室内に向けて排出される。こうして空気を循環させることにより室内の空気が調湿された空気と混ざって、室内空間全体の空気の湿度調節をすることができる。
【0010】
本発明において、前記調湿材保持層の下流側領域に配置された前記収容セルには、上流側領域に配置された前記収容セルに収容された調湿材より低い湿度でも湿気を吸収する特性を有した調湿材が収容されているものとしてもよい。
このような構成とした場合は、上流側で吸湿され湿度が低くなった空気が下流側と通じるときに調湿材によって更に吸湿がなされるので、下流側の吸湿量の低下を防ぐことができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る調湿パネルによれば、調湿材を効率よく収容できるとともに、室内空間の空気を効率的に調湿し得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る調湿パネルの一実施形態(第1実施形態)を模式的に示す概略縦断面図である。
【図2】本発明に係る調湿パネルの他の実施形態(第2実施形態)を模式的に示す概略縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、第1実施形態に係る調湿パネル1を示しており、この調湿パネル1は、吸気口2を下端側に、排気口3を上端側に設け、壁面や室内空間に鉛直に立てて設置される縦型の壁パネルや間仕切りパネルに適用した例を示している。
【0014】
この調湿パネル1は、上下に長い中間部を構成するパネル本体9、並びにこのパネル本体9の上下にそれぞれ接続された上側外郭部30及び下側外郭部20を備えている。
パネル本体9は、パネル表面側の前板部9a、パネル裏面側の背板部9b、及びこれらの左右をそれぞれ連結する一対の側板部9c,9c(図では、一方のみを示している)により構成された中空の四角筒状体とされている。
このパネル本体9の内方空間の上下方向及び幅方向の全体に亘っては、背板部9bに沿うように調湿材保持層6が設けられ、また、パネル本体9の内方空間における表層側には、前板部9aに沿うように送風路5が設けられている。
つまり、パネル本体9の内方空間は、その厚さ方向に設けられた送風路5と調湿材保持層6とで構成されている。
【0015】
この調湿パネル1の大きさは、設置箇所等に応じて、適宜、設定可能であるが、本実施形態のように、壁パネルや間仕切りパネルとして設置される縦型パネルとした場合は、長さ(高さ)が1500mm〜2000mm程度、幅が200mm〜500mm程度、厚さが30mm〜60mm程度とされた縦長で扁平矩形状のものとしてもよい。本実施形態では、当該調湿パネル1の大きさを、長さ(高さ)が1800mm程度、幅が300mm程度、厚さが45mm程度としている。
【0016】
これら前板部9a、背板部9b、及び一対の側板部9c,9cからなるパネル本体9は、鋼板等により一体的に形成するようにしてもよく、適宜の板材を接合してパネル本体9を構成するようにしてもよい。
また、このパネル本体9の外周面の室内空間に露出する部位(壁パネルであれば、前板部9aの表面など)には、化粧シートや壁紙、突板等の表面化粧材を貼着するようにしてもよい。
【0017】
調湿材保持層6はパネル本体9の上下方向(送風路5の送風方向)及び幅方向に多段に区画され、中空筒状の多数の収容セル60の集合体からなるコア材を芯材としており、その外周の上部及び下部、両側部がパネル本体9の天板部や底板部、両側板部9c,9c等に固定されている。
この収容セル60は、送風路5側に開口60aし、収容セル60内には吸放湿性を有した調湿材61が充填されている。
また、この収容セル60の開口60a側には、通気性及び透湿性を有した通気膜62が貼り付けられ、収容セル60の開口60a側から調湿材61がこぼれ落ちないように収容保持されている。
そして調湿材保持層6の反送風路側(背板部9b側)には裏面材63が貼り付けられており、反送風路側をこの裏面材63で被覆することによって収容セル60の反送風路側から調湿材61がこぼれ落ちないように収容保持されている。
【0018】
収容セル60を形成するコア材としては、段ボール原紙やクラフト紙質等の紙材を接着剤で重積接着して形成するようにしてもよい。また、このような紙材に、エポキシ樹脂等の補強用の樹脂を更に含浸させたものとしてもよい。その他、アルミ材等の金属系材料や硬質ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂等の合成樹脂系材料から製されたものとしてもよい。
【0019】
また、収容セル60のセル形状は、蜂の巣状のハニカム形状、方形状、菱形状、JIS A6931に規定されているような円筒形状や、リブを平行に連続させたリブ形状、「く」字状のような折り紙形状を連続させた折り紙形状等としてもよい。
また、収容セル60のセルサイズ(セルの幅)は、10mm程度〜30mm程度としてもよい。本実施形態では、厚さが0.3mm程度の通気性の少ない、または、通気性のない板紙(難通気性材料)により、セルサイズが20mm程度とされたハニカム形状の収容セル60としている。
【0020】
収容セル60に充填される調湿材61としては、粉粒体状のもので、木炭、竹炭などの炭類、タルク、ゼオライト、珪藻土、シリカゲル(好ましくはB形)、モンモリロナイト、セピオライトなどの粘土鉱物、アルミナ、シリカなどの無機物等が挙げられる。或いは、可逆的な吸湿機能、放湿機能を有する高分子吸放湿材としてもよい。本実施形態では、調湿材61としてシリカゲルを採用している。
この調湿材61の粒径は、調湿性及び通気性の観点から1.0mm程度〜6.0mm程度としてもよい。この調湿材61の粒径が小さくなるほど、単位体積当たりに収容、充填される調湿材の表面積が大きくなり調湿性は向上するが、調湿材間の隙間が小さくなり通気性が阻害される傾向がある一方、粒径が大きくなるほど、通気性は向上するが調湿性が阻害される傾向がある。本実施形態では、平均粒径が2.0mm程度の調湿材61を採用している。
尚、上記各種の調湿材61は、二種以上を組み合わせて使用してもよい。また、粉粒体状の調湿材に限られず、薄片状や短繊維片状のものとしてもよい。
【0021】
収容セル60の開口60a側に貼り付けられた通気膜62としては、通気性及び透湿性を有した不織布などの布状部材や紙材が用いられる。または、合成樹脂系材料や金属系材料を、通気孔を形成するようにメッシュ状に加工した網状部材、若しくは多数の通気孔を形成したシート部材としてもよい。
布状部材としては、繊維を平織したクロスシートや種々の織態様により編み込み形成されたものとしてもよい。
このような通気膜62は、上記した調湿材61の粒径に応じて、調湿材61を通過させずに保持し得る構成とすればよい。
また裏面材63は調湿材61が保持できる素材であればよく、通気性や透湿性は求められない。例えば紙材、合成樹脂系材料、金属系材料などからなる板材や不織布などからなる布状部材を用いることができる。
【0022】
上記構成とされた調湿材保持層6は、例えば、各収容セル60に調湿材12を充填した後、収容セル60の開口60a側に通気膜62を貼り付けて、板状に形成するようにしてもよい。本実施形態では、調湿材保持層6の長さ(高さ)を1700mm程度、幅を290mm程度、厚さを25mm程度とし、6.0kg程度の調湿材61を各収容セル60に比較的、密に充填している。
【0023】
このような多数の収容セル60を有したものとすることで、調湿材保持層6に調湿材61を送風路5の上流側から下流側に亘って効率よく収容することができる。特に、本実施形態のように、当該調湿パネル1を、吸気口2及び排気口3が上下に位置するように設置される縦型のパネルとして適用する場合には、調湿材61の自重による上下方向の偏りを低減できる。また例えば調湿パネル内が一空間に構成されている場合と比べて、調湿材61の収容量を低減することができる。
更に各収容セル60への調湿材61の収容量を調整することができる。例えば各収容セル60への調湿材61の収容率は、本実施形態のように密に収容するようにしてもよく、各収容セル60において10%〜50%程度の空隙が形成されるように充填するようにしてもよい。このように、各収容セル60に空隙が形成されるように充填するものとすれば、調湿材保持層6を通過する空気の圧力損失を低減することができ、調湿材保持層6の通気性を向上させることができる。
【0024】
パネル本体9の下方側に接続された下側外郭部20は、送風手段を構成するクロスフローファン4を収容するケーシング状とされ、その表面側には、複数のスリット状の吸気口2を形成する複数本の格子部材21が設けられている。下側外郭部20には、吸気口2と、送風路5とを連通させ、吸気口2からの空気を送風5に導入する導入口7が設けられている。
クロスフローフォン4がONとなると吸気口2から強制的に室内の空気が取り込まれ、この取り込まれた空気は吸気口2から導入口7を通じて送風路5へと送風される。
このクロスフローファン4のON/OFF操作や風量調整等をするための操作部は、上記したパネル本体9の前板部9aの適所等に設けるようにしてもよい。また、吸気口2の裏面側には、塵埃等を捕捉するフィルタ等を配設するようにしてもよい。
【0025】
パネル本体9の上方側に接続された上側外郭部30は、その表面側に排気口3を有している。この排気口3には、複数の羽板状のルーバー31が設けられている。上側外郭部30には、パネル本体9の送風路5と、排気口3とを連通させ、送風路6を送風される空気を排気口3に向けて導出する導出口8が設けられており、クロスフローファン4によって送風路6に送風された空気は調湿材61によって調湿された後、導出口8を経て排気口3から排気される。
なお、この上側外郭部30の内方空間に、クロスフローファン4や、その操作部と電気的に接続された制御部を配設するようにしてもよい。また、これらクロスフローファン4、制御部及び操作部等への給電は、適宜部位の裏面側に引出した図示しない電源コード等を介してなされるようにしてもよい。また、導出口8から排気口3に向けて送風される空気の気流方向を変更するガイド部材を設けるようにしてもよい。
【0026】
次に図1の矢印10〜矢印13を参照しながら、空気の流れについて説明する。
上記のように構成された調湿パネル1では、操作部をしてクロスフローファン4を起動させると、吸気口2から室内の空気が取り込まれる。
この取り込まれた空気は、導入口7を介して送風路5に導入され(矢印10参照)、上方に向けて送風されながら、送風路5に沿って調湿材保持層6における各収容セル60の開口60a側を通過する(矢印11参照)。このとき送風路5を通る空気が通気膜62を介して調湿材61と接触し(矢印12参照)、空気中の湿気が高いと水分を吸湿し、湿気が低いと取り込んだ水分を放湿する。こうして、調湿材61と接触し調湿された空気は再び送風路5を通じて、上流側から下流側へと流れていく。このとき調湿材61による吸放湿は、送風路5の上流側から下流側に亘ってなされる。そして、導出口8に至った調湿された空気は、導出口8を介して、排気口3から室内空間に向けて排気される。
こうして空気を循環させることにより室内の空気が調湿された空気と混ざって室内空間全体の空気の湿度調節をすることができる。
【0027】
ここでクロスフローファン4は室内の湿気が気になるときのみONとして起動させ、強制的に空気を循環させて使用するものとしてもよく、通常はOFF状態で使用してもよい。ON状態でも、自然対流で吸気口2或いは排気口3から空気が流れ込み、調湿材61による調湿機能によって室内空間の湿度調節を行うことができる。
【0028】
次に、本発明に係る他の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図2は、第2実施形態に係る調湿パネル1Aを模式的に示し、図1に対応させた図である。
尚、第1実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略或いは簡略に説明する。
本実施形態に係る調湿パネル1Aは、第1実施形態とは調湿材保持層6に収容された調湿材61の構成が異なる。
【0029】
図2に示す実施形態は、A領域(下流側領域)とB領域(上流側領域)に構成された収容セル60に収容する調湿材61の特性を異ならせることにより、下流側での吸湿量の低下を防いだものである。
調湿パネル1AのA領域に配置された各収容セル60には、A領域に配置された収容された調湿材61と比べて低めの湿度でも湿気を吸収する特性を有する調湿材61が収容されている。
【0030】
次に発明者が試行した例に基づいて具体的に説明する。
A領域にB改良形のシリカゲル(中湿型)を収容し、B領域にB形のシリカゲル(高湿型)を収容した場合、すべてB形のシリカゲルを収容した場合と比べて以下の効果が確認された。
まず上流側に湿度70%の空気が導入されるとB領域に収容されたB形のシリカゲルに空気中の水分が吸収される。すると次第に送風路5を通じる空気の湿度が60%に調湿される。ここでA領域に至ったときにA領域に収容されている調湿材61がB領域と同じB形のシリカゲルだと、これ以上湿気を吸湿せず、湿度が58%の空気が排気口3から排気される。しかし、A領域にB改良形のシリカゲルを収容した場合は、下流側での吸湿量の低下が生じず、さらに吸湿がなされ、排気口3から湿度50%の空気が排気された。
以上によれば、B領域で吸湿され湿度が低くなった空気がA領域を通じるときに更にA領域に収容された調湿材が吸湿を行うので、下流側の吸湿量の低下を防ぐことができる。
なお、本実施形態では調湿材保持層6を上下2つの領域に分け、2種の特性の異なる調湿材61を収容する例について説明しているが、これに限定されるものではない。例えば調湿材保持層を3つの領域に分け、3種の特性の異なる調湿材を収容するものとしてもよい。
【0031】
尚、上記構成とされた各実施形態に係る調湿パネルを取り付け対象に取り付ける際には、他の壁面材や他の調湿パネルの表面と面一状となるように、一部を壁内部に埋め込ませるようにして取り付けるようにしてもよく、または、既設の壁面に付設するようにしてもよい。或いは、間仕切りパネルとして、下端部等に適宜の支持部材等を設けて、室内空間に設置するようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、調湿パネルとして、縦長扁平矩形状の縦型パネルを例示したが、横長扁平矩形状のものとしてもよく、また、排気口及び吸気口のそれぞれを図例とは逆側に設けるようにしてもよい。
さらに、調湿パネルの表面に開口させた一対の通気開口部を構成する吸気口と排気口とを上下に離間させて形成した態様を例示しているが、左右に離間させて形成するようにしてもよい。すなわち、当該調湿パネルを横型パネルとして横置きにして設置するような態様にしてもよい。
【0032】
さらにまた、上記各実施形態では、空気を送風するための送風手段として、クロスフローファンを下側外郭部に設けた例を示しているが、上側外郭部に設けるようにしてもよく、或いは、少なくともいずれか一方の送風路の途中部位に設けるようにしてもよい。
また、クロスフローファンに限られず、シロッコファンや軸流ファン等を送風手段として設けるようにしてもよい。
さらに、上記各実施形態では、送風路を表面側に設け、調湿材保持層を裏面側に設けた例を示しているが、それぞれを逆側に設けるようにしてもよい。
【0033】
そして本実施形態では、調湿材保持層を、パネル本体の上下方向及び幅方向に沿って区画された多数の中空筒状の収容セルを有したものとし、この収容セルに調湿材を充填した例を示しているが、上下方向(各送風路の送風方向と同方向)に沿ってのみ区画された多数の収容セルからなるものとしてもよい。
【符号の説明】
【0034】
1、1A 調湿パネル
2 吸気口
3 排気口
4 送風手段
5 送風路
6 調湿材保持層
60 収容セル
60a 開口
61 調湿材
62 通気膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネル内に調湿材が収容された調湿材保持層を備えた調湿パネルであって、
前記パネルの一端に設けられた吸気口と、前記パネルの他端に設けられた排気口と、前記調湿材保持層に隣接して設けられ前記吸気口から前記排気口への空気の経路となる送風路と、前記吸気口から空気を取り込み前記送風路へ取り込んだ空気を送風する送風手段とを有し、
前記調湿材保持層には、前記送風路の送風方向に多段に区画され前記送風路側に開口した多数の収容セルが形成されており、該収容セルの開口側が通気可能な通気膜で覆われ、前記収容セル内には調湿材が収容保持されていることを特徴とする調湿パネル。
【請求項2】
請求項1において、
前記調湿材保持層の下流側領域に配置された前記収容セルには、上流側領域に配置された前記収容セルに収容された調湿材より低い湿度でも湿気を吸収する特性を有した調湿材が収容されていることを特徴とする調湿パネル。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−69049(P2011−69049A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−218520(P2009−218520)
【出願日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】