説明

調理パン製造装置

【課題】一対のパンの間に具材を配置し、各パンの周辺部分を圧着させる作業を、作業者の熟練を要することなく、失敗することなく行える調理パン製造装置を提供する。
【解決手段】互いに押圧面1a,2aを対向させて配置された上下一対の押圧部材1,2を備え、上側の押圧部材2は、水平状態を維持したままで下側の押圧部材1に対する接離移動操作が可能とされている。各押圧部材1,2は、押圧面1a,2aが凹面となっており、周辺部に円環状でほぼ平面の圧着部1b,2bを有し、圧着部の周縁部に円環状の切断用突条1c,2cを有している。各押圧部材1,2間に、具材103を挟んだ一対のパン101,102を配置し、押圧面1a,2aにより挟持し、圧着部1b,2bにより一対のパン101,102の周辺部を圧着させ具材103を封入させ、切断用突条1c,2cにより一対のパン101,102の周縁部を切断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一対のパンの周辺部分を圧着させることにより、これらパンの間に具材を封入させる調理パン製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一対のパンの間に具材を配置し、これらパンの間に具材を封入させた調理パンが提案されている。このような調理パンを製造するには、特許文献1に記載されているように、具材をパン生地の中に包みこんでからパンを焼き上げたり、または、一対のパンの間に具材を配置した後に、これらパンの周辺部分を圧着させることが行われている。
【0003】
一対のパンの周辺部分を圧着させるには、従来、枠状の道具を用いて、手作業により行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−083631公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、一対のパンの周辺部分を、枠状の道具を用いて手作業により圧着させることには、作業者の熟練が必要である。この方法により圧着させる場合には、作業者の熟練度が低いと、失敗する確率が高い。
【0006】
そこで、本発明は、前述の実情に鑑みて提案されるものであって、一対のパンの間に具材を配置した後にこれらパンの周辺部分を圧着させる作業を、作業者の熟練を要することなく、失敗することなく行えるようになされた調理パン製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る調理パン製造装置は、互いに押圧面を対向させて配置された上下一対の押圧部材と、下側の押圧部材を支持する基台と、上側の押圧部材を、水平状態を維持したままで、下側の押圧部材に対する接離移動操作可能に支持する移動操作機構と、各押圧部材を加熱するヒータとを備え、各押圧部材は、押圧面が凹面となっており、周辺部に円環状でほぼ平面の圧着部を有し、この圧着部の周縁部に円環状の切断用突条を有しており、各押圧部材を加熱し、これら押圧部材の間に、具材を挟んだ一対の板状のパンを配置し、上側の押圧部材を移動操作して、各押圧部材の押圧面により一対の板状のパンを挟持させ、圧着部により一対の板状のパンの周辺部を圧着させ、具材を一対の板状のパンの間に封入させるとともに、切断用突条により一対の板状のパンの周縁部を切断することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る調理パン製造装置においては、各押圧部材を加熱し、これら押圧部材の間に、具材を挟んだ一対の板状のパンを配置し、上側の押圧部材を移動操作して、各押圧部材の押圧面により一対の板状のパンを挟持させ、圧着部により一対の板状のパンの周辺部を圧着させ、具材を一対の板状のパンの間に封入させるとともに、切断用突条により一対の板状のパンの周縁部を切断するので、一対のパンの間に具材を配置した後にこれらパンの周辺部分を圧着させる作業を、作業者の熟練を要することなく、失敗することなく行える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係る調理パン製造装置の構成を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る調理パン製造装置の押圧部材の形状を示す断面図である。
【図3】本発明に係る調理パン製造装置において、具材を挟んだ一対の板状のパンを配置した状態を示す要部断面図である。
【図4】本発明に係る調理パン製造装置において、具材を挟んだ一対の板状のパンの周辺部を圧着させた状態を示す要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る調理パン製造装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、本発明に係る調理パン製造装置の構成を示す斜視図である。
【0012】
本発明に係る調理パン製造装置は、図1に示すように、互いに押圧面1a,2aを対向させて配置された上下一対の押圧部材1,2を備えている。下側の押圧部材1は、押圧面1aを上方に向けて、基台3上に支持されている。上側の押圧部材2は、移動操作機構4により、押圧面2aを下方に向けて支持されており、下側の押圧部材1に対する接離移動操作が可能となされている。各押圧部材1,2は、例えば、ステンレス等の金属によって形成することが好ましい。
【0013】
移動操作機構4は、上側の押圧部材2を移動操作するときに、この押圧部材2を水平状態を維持したままで移動させるように構成されている。すなわち、移動操作機構4は、基台3上に植設された一対のシャフト6,7により支持された支持板5を有している。この支持板5は、一対のシャフト6,7により、水平状態を維持したままで、上下動可能に支持されている。この支持板5は、基端側を一対のシャフト6,7により支持されており、先端側の下面部には、上側の押圧部材2が取付けられている。この上側の押圧部材2は、押圧面2aを下方に向けて取付けられている。
【0014】
支持板5と基台3との間には、スプリング8が配設されている。このスプリング8は、一方のシャフト7に巻付けられた状態で配設され、支持板5を上方に押上げている。支持板5は、スプリング8により押上げられた状態で、他方のシャフト6の上端側に設けられたストッパ6aにより位置決めされている。
【0015】
そして、基台3上には、一対のシャフト6,7の近傍に、一対の支柱9,9が立設されている。これら支柱9,9の上端側には、それぞれ支軸10を介して、一対の押圧アーム11,11が回動可能に取付けられている。これら押圧アーム11,11は、基端側を支柱9,9の上端側において回動可能に支持され、互いの先端側同士を、ハンドル14によって連結されている。
【0016】
これら押圧アーム11,11の中途部分には、押圧バー12が差し渡されて取付けられている。この押圧バー12は、支持板5の先端側の上方、すなわち、上側の押圧部材2の上方に位置している。この押圧バー12は、支持板5の上面部に設けられたスライダスリット13,13に挿通されている。これらスライダスリット13,13は、押圧バー12が支持板5の上面に沿って移動することを可能としつつ、押圧バー12が支持板5から離間することを阻止している。
【0017】
また、この調理パン製造装置は、各押圧部材1,2を加熱する図示しないヒータを備えている。このヒータとしては、例えば、100V400W程度のニクロム線ヒータを用いることができる。
【0018】
このように構成された調理パン製造装置においては、図1中矢印Aで示すように、ハンドル14を押し下げると、押圧アーム11,11が下方側に回動され、押圧バー12を介して、支持板5が下方に押し下げられる。支持板5が押し下げられることにより、上側の押圧部材2が、水平状態を維持したままで、下側の押圧部材1側に移動される。
【0019】
図2は、本発明に係る調理パン製造装置の押圧部材の形状を示す断面図である。
【0020】
各押圧部材1,2は、図2に示すように、押圧面1a,2aが凹面となっており、周辺部に円環状でほぼ平面の圧着部1b,2bを有し、この圧着部1b,2bの周縁部に円環状の切断用突条1c,2cを有している。これら切断用突条1c,2cは、同一の形状を有しており、上側の押圧部材2が下側の押圧部材1側に移動されたとき、互いに先端面を突き合わせるようになっている。
【0021】
図3は、本発明に係る調理パン製造装置において、具材を挟んだ一対の板状のパンを配置した状態を示す要部断面図である。
【0022】
この調理パン製造装置においては、まず、各押圧部材1,2を加熱し、これら押圧部材1,2の間に、図3に示すように、具材103を挟んだ一対の板状のパン101,102を配置する。
【0023】
図4は、本発明に係る調理パン製造装置において、具材を挟んだ一対の板状のパンの周辺部を圧着させた状態を示す要部断面図である。
【0024】
次に、図4に示すように、上側の押圧部材2を移動操作して、図4中矢印Aで示すように、各押圧部材1,2の押圧面1a,2aにより一対の板状のパン101,102を挟持させ、圧着部1b,2bにより、一対の板状のパン101,102の周辺部を圧着させる。このとき、具材103が一対の板状のパン101,102の間に封入されるとともに、切断用突条1c,2cにより、一対の板状のパン101,102の周縁部が切断される。
【0025】
このようにして、一対のパンの間に具材が封入され、各パンの周辺部分が圧着された調理パンが製造される。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は、一対のパンの周辺部分を圧着させることにより、これらパンの間に具材を封入させる調理パンの製造に使用される。
【符号の説明】
【0027】
1 下側の押圧部材
1a 押圧面
1b 圧着部
1c 切断用突条
2 上側の押圧部材
2a 押圧面
2b 圧着部
2c 切断用突条
3 基台
4 移動操作機構
101 板状のパン
102 板状のパン
103 具材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに押圧面を対向させて配置された上下一対の押圧部材と、
下側の前記押圧部材を支持する基台と、
上側の前記押圧部材を、水平状態を維持したままで、前記下側の押圧部材に対する接離移動操作可能に支持する移動操作機構と、
前記各押圧部材を加熱するヒータと
を備え、
前記各押圧部材は、前記押圧面が凹面となっており、周辺部に円環状でほぼ平面の圧着部を有し、この圧着部の周縁部に、円環状の切断用突条を有しており、
前記各押圧部材を加熱し、これら押圧部材の間に、具材を挟んだ一対の板状のパンを配置し、前記上側の押圧部材を移動操作して、前記各押圧部材の押圧面により前記一対の板状のパンを挟持させ、前記圧着部により前記一対の板状のパンの周辺部を圧着させ、前記具材を前記一対の板状のパンの間に封入させるとともに、前記切断用突条により前記一対の板状のパンの周縁部を切断する
ことを特徴とする調理パン製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−187567(P2010−187567A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−33316(P2009−33316)
【出願日】平成21年2月16日(2009.2.16)
【出願人】(501407447)株式会社丸賀 (2)
【Fターム(参考)】