説明

調理器

【課題】 本発明は、網板上の食材に対するヒーターによる加熱力を100%利用することができるとともに油分や水分の反射板への落下とその除去を迅速に行うことができるようにする調理器を提供することを目的とする。
【解決手段】 任意形状に成る器体1の左右両側部に設けた柄部付近の器体下側方に脚部を設け、この両脚部間には水容器15を配置するようにし、全体が左右同高低と同傾斜面に成る熱反射板体8は谷底部に通孔9・・を設けるとともに左右両側端部10,10を水平面に形成し、この熱反射板体はその左右両側端部を器体の開口底部の周面部に載置し、前記熱反射板体の上方部には受け杆11を架設し、この受け杆上に一部を載置するヒーター13の基端プラグを前記柄部の一部に設けた差込口に嵌合して成るものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にロースターと呼ばれる調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
肉,魚,野菜などの食材の調理において、幅射熱を利用して前記食材を焼き上げるため家庭用調理器は、電源15Aの制限のため、ヒーター熱量は1500W以下になることから、器体を比較的小型化して熱量不足を補うようにしなければならないことが課題であった。
【0003】
そのため、従来の公知技術としては次のようなものが知られているが、これらの技術では油の流通回収が円滑にいかなかったり、肉類から流出する油分や水分が反射板を流れて水受器に落下する直前に、ヒーターからの直射熱によって蒸気化ないし火煙化するおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−299652号公報
【特許文献2】特開2002−58601号公報
【特許文献3】特許第3282621号公報
【特許文献4】実公昭46−35877号公報
【特許文献5】特開2009−72346号公報
【0005】
このうち特許文献5は、特許文献1乃至4の技術を改良した本発明の出願人の発明に係るものであるが、前記欠点が十分に解消しないものであった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、網板上の食材に対するヒーターによる加熱力を100%利用することができるとともに油分や水分の反射板への落下とその除去を迅速に行うことができるようにする調理器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、任意形状に成る器体の左右両側部に設けた柄部付近の器体下側方に脚部を設け、この両脚部間には水容器を配置するようにし、全体が左右同高低と同傾斜面に成る熱反射板体は谷底部に通孔を設けるとともに左右両側端部を水平面に形成し、この熱反射板体はその左右両側端部を器体の開口底部の周面部に載置し、前記熱反射板体の上方部には受け杆を架設し、この受け杆上に一部を載置するヒーターの基端プラグを前記柄部の一部に設けた差込口に嵌合して成るものである。
【発明の効果】
【0008】
ヒーターによって加熱された食材は網板を介して焼かれるが、下方の熱反射板体の山部と谷部と左右傾斜面部に均等に分配されて十二分に加熱反射することができ、またその際に発生する食材からの油脂分や水分などは、谷部の通孔から全部落下することができ、そこには受け皿としての水容器が用意してあるから、ヒーターによる加熱力を十分に利用することができるのはもちろん、水容器内に前記油脂分などを全部受け入れることができ、調理器の使用において常に安全な状態を維持することができる。
【0009】
前記のような熱反射板体の形状によって、ヒーターからの加熱力は熱反射板における左右均等な傾斜角度面への熱反射によって反射率は向上するから、食材の焼き上り時間を短縮することができるようになり、燃料コストの削減をも実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】全体の関係各部材を示す斜視図
【図2】使用時の全体の斜視図
【図3】図2A−A線の断面図
【図4】要部の斜視図
【図5】図4B−B線の断面図
【図6】要部の燃焼時の正断面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
いま図1に示した分離状態にある各部材を組合わせ図2及び図3に示した状態において、器体上面部に所定の網体を配置した後、魚,肉,野菜その他の食材を網体上に置き、ヒーターへの加熱を開始すると、食材から発生する油脂分や水分などはヒーター下方の熱反射板体の各山部から各谷部へ左右同一角度になる傾斜面部から落下し、谷底部の通孔から下方に配置した水容器に落下して消去するようになり、これは食材の焼き時間中に繰り返される作用である。
【0012】
前記水容器が過熱したり汚損した時は、内部の水を捨去し、新しい水を収容して配置するようにすればよい。
【実施例】
【0013】
1は任意形状に成る器体で、この器体の左右両側部には上面が巾広の水平面形に成る柄部2,2を設け、この柄部の平面部の高さは前記器体1の上周縁部と一致する又はそれ以下にすると、使い勝手がよい。
【0014】
3は一方の前記柄部2の下部に設けたプラグ差込口で、この差込口には電源に通ずるコード5を有するプラグ4が嵌合する。
【0015】
6,6は前記柄部2,2と一体に成形する脚部で、この脚部は前記器体1の左右底面部に位置し、この両脚部6,6間の器体底面部においては後記水容器15を配置するようにする。
【0016】
7,7は前記器体1の内側部の左右相対位置に内方に突設した被掛止部で、この被掛止部には後記受け杆11の左右側端の掛止部12,12が係合するようになる。
【0017】
8は全体が山部と谷部とが左右同一角度の傾斜面に成る熱反射板体で、この熱反射板体はその谷底部に通孔9・・を設けるとともにその左右両側端部10,10を水平面に形成し、この水平左右両側端部は熱反射板体8を前記器体1の開口周面部1’に配置したとき、器体底部の開口部1”上に載置するようになる。
【0018】
前記熱反射板体8の底面部中央には、1本の止め杆17を架設して水平保持をする。
【0019】
11は前記器体1に配置する熱反射板体8の上方部に設置する受け杆で、この受け杆の左右両端の掛止部12,12は前記器体の被掛止部7,7に係止して架設する。
【0020】
13は基端部にプラグ14を設けたヒーターで、このヒーターの頭部分は前記熱反射板体8の上方部に架設した受け杆11上に載置し、その基端プラグ14は前記柄部2の一部に設けたプラグ差込口3に嵌合する。
【0021】
15は水容器で、使用時には前記器体1底部の開口部1”の左右脚部6,6間に配置し、消火煙用の水を収容しておくようにする。
【0022】
16,16は前記水容器15の左右両側部に設けた把手である。
【0023】
前記ヒーター13を、熱反射板8の上方部に受け杆11を介して配置したとき、ヒーターは器体1の内部に収容された状態にあるが、食材aの加熱時には、器体の周縁部上面に任意の網体18を載置するようになる。その際、網体の載置を妨げないように、前記器体の左右両側部に設ける柄部2,2の上面部は水平面に成りかつ器体の周縁部と一致する高さに成るようにしてある。
【0024】
なお、網体18の構造については、進歩性の高い発明となるものなので、別に特許出願をする。即ち、その単体にあっては、それぞれ網目形態を異にして単独で使用することができるものであり、これを連結して複合体に構成すれば、両網板体で食材を挟んで使用することができるようになる。
【符号の説明】
【0025】
1 器体
1’ 開口周面部
1” 底開口部
2,2 柄部
3 プラグ差込口
6,6 脚部
7,7 被掛止部
8 熱反射板体
9・・ 通孔
10,10 左右両側端部
11 受け杆
12,12 掛止部
13 ヒーター
14 基端プラグ
15 水容器
16,16 把手
17 止め杆
18 網体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
任意形状に成る器体の開口底部上方に配置する熱反射板体の全体は各山部と谷部とが左右同一角度の傾斜面に成り、この谷底部に通孔を設けて成ることを特徴とする調理器。
【請求項2】
水容器を器体底面部の脚部間に接離し得るように配置して成ることを特徴とする調理器。
【請求項3】
任意形状に成る器体の左右両側部に設けた柄部付近の器体の底面部に設けた脚部間に水容器を配置するようにし、全体が各山部と谷部とが左右同一角度の傾斜面に成る熱反射板体は谷底部に通孔を設けるとともに左右両側端部を水平面に形成し、この熱反射板体はその左右両側端部を器体の開口底部の周面部に載置し、前記熱反射板体の上方部には受け杆を架設し、この受け杆上に一部を載置するヒーターの基端プラグを前記柄部の一部に設けた差込口に嵌合して成ることを特徴とする調理器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−55455(P2012−55455A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−200545(P2010−200545)
【出願日】平成22年9月8日(2010.9.8)
【出願人】(000193977)杉山金属株式会社 (9)
【Fターム(参考)】