説明

識別タグ、識別されるように構成されたオブジェクト、関連方法、デバイス、及びシステム

識別タグが取り付けられるかタグが埋め込まれることができるオブジェクトを識別するための識別タグ、並びに識別されるように構成されるオブジェクト。本発明は、識別タグに配置される識別機能を読み取るための読み取りデバイスに関する。タグとオブジェクトは、係合トラックや適応凹所よりなることができ、そこでは、係合トラックや適応凹所は、それがタグやオブジェクトに含まれる識別機能の読み取りを可能とするように設計され、且つ係合トラックや適応凹所は、それが読み取りデバイスの係合要素に対して形状が実質的に相補的であるように設計され、更に、係合要素は、識別タグやオブジェクトに配置される識別機能を読み取るように構成される読み取り要素を備える。また、識別タグは、適応凹所を備える適応層を備えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オブジェクトを識別するための識別タグ及び識別されるように構成されるオブジェクトに関し、オブジェクトへは、識別タグが取り付けられることができる又は識別タグが埋め込まれることができる。また、本発明は、夫々の識別システムに対して本発明の識別タグやオブジェクトに配置される識別機能を読み取る読み取りデバイス並びにここで述べられる識別タグやオブジェクトに配置される識別機能を読み取るための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
識別テクノロジーは、長年にわたって広範な関心と開発の対象となっている。識別の共通な方法は、読み取り可能タグの使用に依存している。このようなタグは、可視スケールにおけるシリアル番号、ホログラム及び機械読み取り可能タグ(バーコード、磁気ストリップ及び高周波識別(RFID)チップのような)から顕微鏡スケールでの蛍光インク及びミクロンスケールの散乱粒子までの範囲にわたる。
【0003】
識別テクノロジーにおける引き続く興味の主な理由の一つは、安全でない方法で実行された商取引に大きく起因する詐欺の発生率である。商取引のより安全なシステムの必要性は明白である。例えば、パスポート、証明書、労働許可証、ビザ及び運転免許証のような個人ドキュメント、並びにATMカード、クレジットカード、通貨、チェック、及び商取引における商取引の他の証券等の商業証書を確実に認証する必要性がある。他の例では、コンパクトディスク(CD)及びデジタル多用途ディスク(DVD)のようなアイテムを独自に指紋採取して著作権侵害コピーの使用を防止できることは、ソフトウエア及びエンターテインメント産業にとって非常に有益である。宝石、芸術品及び骨董品のような商品価値の高い品物が取引される更に他の例では、そのような商品を受け取った当事者がクレジットを発行する前に、その商品の同一性を突き止めることは極めて重要である。より一般的なレベルでは、その同一性がその後に検証されることが必要である物理的オブジェクトに対する安価で信頼できる認証システムの必要性がある。商業的には、これは、“ブランド保護”を容易にする。
【0004】
認証の幾つかの方法が知られており、以下に記述される。
【0005】
周知の識別方法は、クレジットカードに見られるように、磁気バーコードとしても知られる磁気ストライプに符号化された情報に依存している。磁気ストライプは、典型的には、樹脂に設定された小さな磁気粒子よりなる。これらの粒子は、直接にカードに付着されるか又はそのカードに付着されるプラスチックバッキングにストライプに作られる。このストライプは、これらの粒子(例えば、鉄粒子)の領域を特定の方向へ磁化させることによって符号化される、即ち、ストライプの磁性粒子の極性が局部的に変更されて情報のビットを定義する。ストライプの長さ方向に沿う符号化の方向を変化することによって、情報が書き込まれ、ストライプの中に記憶される。このように、ユーザのアカウント番号のような識別情報が書き込みヘッドによって最初に磁気ストライプにプログラムされ、次に、読み取りヘッドで磁気ストライプを読み取ることによって検証される。次に、ユーザは、例えば、ユーザにドキュメントにサインやメモさせて個人識別番号を入力しユーザの同一性を検証することによって検証される。
【0006】
このようなシステムは、磁気ストライプ内に符号化されたシグネチャとデータが容易に偽造されることができるので、本質的に安全ではない。更に、磁気媒体は、磁気ストライプが磁界に近接されると、破損される傾向がる。
【0007】
以下では、識別デバイスの分野の従来の技術が述べられる。
【0008】
欧州特許出願EP0824242A2は、ランダムな磁気ロッド、ファイバー又はフィラメントが品物の表面にあり、それらの位置が独自のシグネチャを提供するために読み取られて使用されることを記述している。
【0009】
米国特許第4,682,794号は、カードに挟まれた多数の光ファイバーで作られるクレジットカードを開示している。このファイバーは、ランダムにカードの反対側エッジと交差し、光が一方のエッジに向けられてファイバーを通過しカードの反対側のエッジに向けられると、カードの独自のシグネチャを提供する。国際特許出願WO87/06041号は、連続する光ファイバーが組み込まれる紙幣のようなオブジェクトを開示するのと実質的に同じアプローチを記述しており、そこでは、これらの光ファイバーがそのオブジェクトのエッジに配される二つの端表面を有する。そのオブジェクトの同一性の検証のために、WO87/06041のオブジェクトは、ファイバーの一端ポイントから照明され、光ファイバーを通過する光が第2の端表面から読み取られる。英国特許出願GB2099756号は、光ファイバーが絶縁プラスチック材料に埋め込まれた電話デビットカードを記述している。光ファイバーは、例えば、ファイバーを伝達される光がカードの検証に使用されるように、カードの二つのエッジ間に延出している。
【0010】
米国特許出願第2001/0010333号は、クレジットカード及び他の平坦な/ラミネート構造を通過するように案内される光の影響を測定すること及びアイテムのエッジで現れる独自のパターンを検出することを記述している。この文献は、このようなファイバーの予め決定されたパターンとランダムなパターンの使用及び識別目的でパターンを発生するための不透明及び透明な領域から散乱する光の効果を考察している。
【0011】
米国特許第4,218,674号は、オブジェクトを識別する手段として材料のランダムな表面欠陥の測定を記述している。
【0012】
PCT出願WO2004/013735号は、例えば、磁気トナーを使用して印刷される識別手段を記述している。これは、2Dバーコードパターンに類似しており、ビットマップのように、画素化形態においてセキュリティ情報をオブジェクトに書き込む手段である。
【0013】
PCT出願WO87/01845号及び欧州特許EP0236365B1号は、認証のための信号を生成する手段として、ランダムなファイバーのマイクロ波インタロゲーションの使用を開示している。
【0014】
欧州特許EP0696779A1号は、クレジットカードのようなオブジェクトの表面に印刷された磁気インクのランダムパターンの使用を開示している。
【0015】
欧州特許EP0583709B1号は、カード上の粒子のランダムな分布が電磁走査によって表面上で測定され、次にシグネチャがカード上のメモリチップにリンクされることが開示される。
【0016】
欧州特許EP0820031B1号は、クレジットカード上のストリップを全エリアが磁気材料を含むカードへ交換することを開示する。
【0017】
PCT出願WO03/017192号は、誘導読み取りヘッドを使用して問い合わせが行われるオブジェクトの表面上の磁気ファイバーやフィラメントに関する。
【0018】
米国特許出願第2002/0145050号は、データをカードの磁気ストライプに関し、そのマイクロ構造及びそれをバイオメトリックデータにリンクすることに関する。
【0019】
欧州特許第1031115B1号は、ドキュメントの表面への磁気粒子フィンガープリントの取り付け及びシグネチャの読み取りとそれを他の取り付けラベルとの相互参照することを開示している。
【0020】
米国特許第5,430,279号は、磁気ストライプ中に磁気ジッターを検出して認証する(チェックサムアプローチを使用して)ための方法と回路を開示している。
【0021】
米国特許第4,395,628号は、セキュリティシステムの一部としてカードへ書き込まれる(例えば、レーザビームを使用して)独自のパターンとしての磁性材料のマイクロドットの使用を開示する。
【0022】
米国特許第4,557,550号は、カードのセキュリティを改良するために一方が記録可能で他方が永久的な二つのストライプの使用を開示している。
【0023】
米国特許第6,254,002B1号は、磁気的に読み取り可能な情報源を形成するためにカジノチップの表面及び/又はエッジに取り付けられるランダムに分布された粒子を有するカジノチップの分野における偽造防止セキュリティシステムを開示している。
【0024】
最後に、米国特許出願第2005017082A1号及び国際特許出願WO2005/008284号は、セキュリティ用途のために独自の識別子として磁性材料が充填された無秩序の多孔性材料を使用することを記述している。
【0025】
しかしながら、容易に且つ効率的な方法で読み取られることができ、製造が安価で、且つ検証の十分なセキュリティを提供する、即ち、識別の信頼性が十分に高い、識別されるように構成される識別タグやオブジェクトの必要性が依然ある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題および課題を解決するための手段】
【0026】
本発明の目的は、このようなタグ及びオブジェクトを提供することである。この目的及び他の目的は、夫々の独立の請求項によって定義されるタグ、オブジェクト及びシステムによって解決される。
一実施の形態では、このようなタグは、識別タグが取り付けられることができるオブジェクトを識別するための識別タグであり、
前記識別タグは、適応層を備え、
前記適応凹所は、少なくとも部分的にランダムに分布された材料を備え、前記少なくとも部分的にランダムに分布された材料は、前記オブジェクトを識別するための読み取り可能識別機能を形成することを特徴とする識別タグ。
関連する実施の形態において、本発明は、そのような識別タグが取り付けられたオブジェクトに関する。その識別タグは、タグがオブジェクトの係合トラックを形成するようにオブジェクト(の外表面)に取り付けられることができ、前記係合トラックは、識別層に配置される識別機能を読み取る読み取りデバイスの一部に対して形状が実質的に相補的である。この構成によって、係合トラックによって、識別機能との読み取りデバイスの容易な位置合わせ、従って、タグが取り付けられるオブジェクトを識別するための単純で信頼できる方法が可能となる。
【0027】
他の実施の形態において、本発明のタグは、識別タグが取り付けられることができるオブジェクトを識別するための識別タグであって、この識別タグは、キャビティを備え、
読み取り可能識別機能は、タグ内に、識別機能が識別機能を読み取るためのキャビティ内に挿入される読み取りデバイスの一部によって読み取られることができるように配置され、
前記キャビティは、係合トラックが前記タグ内に形成されるように設計され、
前記係合トラックは、前記タグ内に配置される前記識別機能を読み取る読み取りデバイスの一部と形状が本質的に相補的であり、前記係合トラックによって、前記識別機能に対する前記読み取りデバイスの前記部分の容易な位置合わせが可能となることを特徴とする識別タグ。
【0028】
更に他の実施の形態において、本発明のタグは、識別タグが取り付けられることができるオブジェクトを識別するための識別タグであって、前記識別タグは、識別層を備え、
読み取り可能識別機能が前記識別層に配置され、前記識別機能は、前記識別層に含まれるランダムに分布された材料によって少なくとも部分的に形成され、
前記識別層は、前記識別タグに、係合トラックが前記タグ内に形成されるように配置され、前記係合トラックは、前記識別層に配置される前記識別機能を読み取るように読み取りデバイスの一部に対して形状が実質的に相補的であり、前記係合トラックによって、前記識別機能に対して前記読み取りデバイスの前記一部の容易な位置合わせが可能となることを特徴とする識別タグ。タグに形成される係合は、突起又は凹所の形態である。係合トラックが突起として形成される実施の形態において、タグが排除され、そこでは、識別層の最も薄い寸法が、読み取り可能識別機能の少なくとも幾つかが識別層の最も薄い寸法から有意に読み取られるに過ぎないように露出される。
【0029】
また、本発明は、識別されるように構成されるオブジェクトに関する。
【0030】
一実施の形態において、そのようなオブジェクトは、キャビティを備えるオブジェクトであって、
読み取り可能識別機能は、前記オブジェクト内に、前記識別機能が識別機能を読み取るためのキャビティ内に挿入される読み取りデバイスの一部によって読み取られることができるように配置され、
前記キャビティは、係合トラックが前記オブジェクト内に形成されるように設計され、
前記係合トラックは、前記オブジェクト内に配置される前記識別機能を読み取る読み取りデバイスの一部に対して形状が本質的に相補的であることを特徴とするオブジェクト。それによって、前記係合トラックは、前記識別機能に対して前記読み取りデバイスの前記部分の容易な位置合わせを可能とする。
【0031】
他の実施の形態は、識別されるように構成されるオブジェクトに関し、このオブジェクトは、識別層を備え、
読み取り可能識別機能が前記識別層に配置され、前記識別機能は、前記識別層に含まれるランダムに分布された材料によって少なくとも部分的に形成され、
前記識別層は、前記オブジェクトに、係合トラックが前記オブジェクト内に形成されるように配置され、前記係合トラックは、前記識別層に配置される前記識別機能を読み取る読み取りデバイスの一部に対して形状が実質的に相補的であることを特徴とするオブジェクト。また、この実施の形態において、前記係合トラックによって、前記識別機能に対して前記読み取りデバイスの前記一部の容易な位置合わせが可能となる。
【0032】
関連する実施の形態では、本発明は、識別タグを取り付けたオブジェクト(ここでは、“識別タグオブジェクト”と呼ばれる)に関し、前記識別タグオブジェクトは、識別層を備え、
読み取り可能識別機能が前記識別層に配置され、前記識別機能は、前記識別層に含まれるランダムに分布された材料によって少なくとも部分的に形成され、
前記識別層は、前記読み取り可能識別機能の少なくとも幾つかが前記識別層の最も薄い寸法から有意に読み取られるに過ぎないように露出されないという条件で、
前記識別タグは、前記オブジェクトの外表面に、前記タグが前記オブジェクト上に係合トラックを形成するように配置され、前記係合トラックは、前記読み取りトラックを介して前記識別層に配置される前記識別機能を読み取る読み取りデバイスの一部に対して形状が実質的に相補的であり、前記係合トラックによって、前記識別機能に対して前記読み取りデバイスの前記一部の容易な位置合わせが可能となることを特徴とするオブジェクトである。
【0033】
更に他の実施の形態において、本発明は、識別タグを備えるオブジェクトであって、前記識別タグオブジェクトは、識別層を備え、
読み取り可能識別機能が前記識別タグの前記識別層に配置され、前記識別機能は、前記識別層に含まれるランダムに分布された材料によって少なくとも部分的に形成され、
前記識別タグは、前記オブジェクトに、係合トラックが前記オブジェクトと前記識別タグによって前記オブジェクトに形成されるように配置され、前記係合トラックは、前記読み取りトラックを介して前記識別層に配置される前記識別機能を読み取る読み取りデバイスの一部に対して形状が実質的に相補的であり、前記係合トラックによって、前記識別機能に対して前記読み取りデバイスの前記一部の容易な位置合わせが可能となることを特徴とするオブジェクトである。
上記から理解されるように、本発明の基礎となる概念は、識別機能が配置される識別タグ又は識別機能が配置されるオブジェクトの一部(従って、識別されるように構成されるそれ自体によって)と識別機能を読み取る読み取りデバイスの一部との間での形状の相補性を提供することである。識別機能へのリーダのアクセスを可能とするオブジェクトやタグの一部(その部分は、ここでは”係合トラック"と呼ばれる)と識別機能を読み取るように構成される読み取り要素よりなる読み取りデバイスの一部(その部分は、ここでは”係合要素“と呼ばれる)との間の相補性は、係合トラックと係合要素との間の近接的物理的/機械的トランザクションを提供し、読み取り要素が容易且つ確実に識別機能と位置合わせされることができる。
【0034】
上記に従って、本発明は、対応する設計を有する種々の読み取りデバイスを提供する。
【0035】
一つのこのような実施の形態は、識別されるように構成される識別タグ又はオブジェクトに配置される識別機能を読み取りための読み取りデバイスであって、
識別タグ又はオブジェクトは、タグ又はオブジェクト内にキャビティ又は凹所として形成される係合トラックを備え、前記係合トラックは、前記識別機能を(正確に検出し且つ)読み取るために使用され、前記読み取りデバイスは、識別されるように構成される識別タグやオブジェクトに配置される識別機能を読み取るために構成される読み取り要素を備え、
前記読み取り要素は、前記読み取りデバイスの係合トラック内に配置され、前記係合要素は、前記識別タグやオブジェクトの係合トラックに対して形状が実質的に相補的であることを特徴とする読み取りデバイスである。
【0036】
他の実施の形態は、識別されるように構成される識別機能又はオブジェクトに配置される識別機能(複数)を読み取るための読み取りデバイスであって、前記識別タグ又はオブジェクトは、前記タグ又は前記オブジェクト内に突起として形成される係合トラックよりなり、前記係合トラックは、前記識別機能を読み取るために使用され、
前記読み取りデバイスは、
前記タグ又はオブジェクト内に配置される前記識別機能を読み取るために構成される読み取り要素を備え、前記読み取り要素は、前記識別タグ又はオブジェクトの前記係合トラックに対して形状が実質的に相補的である非U字形状係合要素内に配置されることを特徴とする読み取りデバイスである。
【0037】
読み取りデバイスの第3の実施の形態は、識別されるように構成される識別機能又はオブジェクトに配置される識別機能(複数)を読み取るための読み取りデバイスであって、前記識別タグ又はオブジェクトは、前記タグ又は前記オブジェクト内に突起として形成される係合トラックよりなり、前記係合トラックは、前記識別機能を読み取るために使用され、
前記読み取りデバイスは、
前記識別タグ又はオブジェクトの前記係合トラックに対して形状が実質的に相補的である凹所を有する係合要素を備え、前記係合要素は、前記凹所の横領域に、前記識別タグ内に配置される前記識別機能を読み取るために構成される読み取り要素を備えることを特徴とする読み取りデバイスである。
【0038】
更に、本発明は、対象となるオブジェクトを識別するための識別システムを含む。このシステムは、ここで記述される識別タグやオブジェクトとここで記述される読み取りデバイスを備える。識別システムは、更に、識別タグやオブジェクトの基準読み取りから得られる"事前格納される基準シグネチャ"が格納さえるデータ記憶媒体を備える。
【0039】
本発明で使用される識別機能は、対象となるオブジェクトの信憑性を後で識別する又は検証するための手段としてセキュリティシステムで現在使用されている任意の公知の機能であることができる。例えば、識別機能は、高周波タグ識別(RFID)チップや接触ベースのチップのようなチップに格納される/配置される情報である。また、この情報機能は、シリアル番号や磁気ストリップに配置されるか又は、従来のバーコード、一次元バーコードや二次元バーコード、或いは、ホログラムやロゴのような他の光学マーキング(として配置される。)また、識別機能は、ランダムに分布された材料、例えば、ランダムに分布された粒子を含む材料によって形成されることができる。ランダムに分布された粒子は、複数のランダムに分布された磁性又は磁化可能粒子、複数のランダムに分布された導電性及び/半導電性粒子、複数のランダムに分布された光学的に分布された光学的に読み取り可能又は光学的に活性粒子、又は前記粒子の混合物よりなることができる。適切なランダムな材料又は粒子の例は、制限されるわけではないが、米国特許出願第2005017082A1号又は国際特許出願WO2005/008284号に記述される磁性又は導電性材料が充填された多孔性材料や現在係属中のPCT出願PCT/SG2005/00012号に記述される粒子を含み、これらの特許の全体が参照によってここに組み込まれる。識別機能を形成でできるランダムに分布された材料は、ファイバーや、例えば、米国特許出願第20030014647号に記述されるような一枚のシート内のランダムに分布されたファイバーやバブルを含む。他の例は、PCT出願第WO87/00604号や米国特許第4,682,794号に記述されるような層の一又はそれより多くのエッジに配置された二つの端を有する連続光パイプ(複数)を含む。
【0040】
バーコードやランダムに分布された粒子のような識別機能を使用する場合において、識別機能は、層中に又は層状構造体(一次元バーコードは、表面上に印刷され、それによって、層に似ていると考えられる)に配置されることができる。他の実施の形態(例えば、図6及び図7を参照のこと)において、識別機能は、より糸のような又は髪の毛のような構成に配置される。この文脈において、ここで使用される用語は、図1Aと図1Bを参照して以下のように明確にされる。以下での議論は、識別層が粒子のようなランダムに分布された材料よりなる実施の形態を記述する。図1Aに示されるように、本発明のタグやオブジェクトは、例えば、2又は3層のような一つ又はそれより多くの層を含む層構造体よりなることができる。
層1は、読取可能識別機能が配置される識別層であり、そこでは、この識別層は、axbxcの寸法を有する。この識別層1は、典型的には、その少なくとも一部に、読取可能識別機能を形成する複数のランダムに分布された粒子を備える。典型的には、識別層1の厚み“a”は、"b"又は"c"未満であり、好ましくは、それらよりもはるかに少ない。識別層1は矩形である必要ななく、その場合、bとcは、面内形状の範囲の最も大きな寸法である。これに関して、"層“によって二つの次元に実質的に長く又は長くされ、残りの第3の次元で薄い構造を意味される。
以下に説明されるように、識別層1は、自立できる−例えば、シート状のポリマー又は“適応層”タグに分散された粒子(図6に示されるように)であることができ、従って、層2及び/又は3は、ランダムに分布された材料を使用する本発明の実施の形態において存在しなくてもよい。
識別層1は、不連続であることができる−即ち、個々に散乱された粒子であることができ、そこでは、粒子は、主に全てが平面内にあり、その場合、少なくとも層2又は層3が、支持し且つ接着するために存在することができる。
層2と3は、それらが存在する場合、層1に対して且つ互に対して異なる寸法にあることができる。これは本発明のタグやオブジェクトの幾つかの実施の形態において選択的であるが、a<fもa<iの要件もない。
識別機能を読み取るために、読み取り要素(図1Aの参照符号6を参照のこと)は、層構造体の”主表面“をこのような表面に沿って移動することによって読み取ることができる。”主表面”は、ここでは、識別層のより大きな又は隆起表面の一つであるように定義される。例えば、図1Aにおいて、b−c平面にある表面は、”主表面”であり、そこでは、a−c平面の表面が狭いエッジであり、ここで使用される定義下での”主表面”を構成しない。或いは、図1Aに示されるように、通常、識別されるべきオブジェクト又は識別タグの”主表面”エリアよりもかなり小さな表面エリアを有する表面は、識別機能を読み取るために使用されることができる。このようなより小さな表面を有する表面が、識別機能を読み取るために使用される場合、識別層の最も薄い寸法が、一般的に使用される。読み取り可能識別層を露出するために、このように、読み取りトラック4は、そのトラックが識別層の最も薄い寸法(図1Aにおいて寸法”a”)を露出するように層1のエッジの一つ又はそれより多くから形成されることができる。識別機能の少なくとも幾つかは、このトラックから有意に読み取られるだけである。ここで使用される”有意に読み取り可能“は、読み取り(主表面から又は読み取りトラックから)において識別目的で使用される独自の信号が得られることを意味する。
主表面又は読み取りトラック4における読み取りに関して、ここで、”フィンガープリント”と呼ばれる磁気/電気/光信号のような独自の信号を得る。このフィンガープリントは、”シグネチャ“として読み取られ且つ格納される(幾つかの例を挙げると、エンコーディング、デジタル処理、暗号化、圧縮、もし必要ならフィルタ処理、のような適切な処理方法で)。勿論、このフィンガープリントは、識別機能がランダムに分布された材料によって形成されない場合に得られるが、代わりに、例えば、RFIDチップに符号化された独自の識別子であるか又は独自のバーコードによって形成される。
フィンガープリントは、読み取り要素を使用して、識別機能の一部又は全体を読み取ることから得られる。読み取り要素は、オブジェクトやタグに沿って、好ましくは、識別機能を露出する表面に対して平行に又は”実質的に平行“(以下に定義されるように)に移動されることができ、そこでは、係合手段(係合トラックと係合要素)の相互作用は、読み取り可能識別機能(例えば、読み取り可能識別層に含まれる)に関して読み取り要素の相対方位が適切な相互関係に維持されそれによって識別機能が正確且つ精密に読み出されることができることを保障する。
露出表面(即ち、例えば、主表面又はトラック)が使用される場合、フィンガープリントは、表面の一部又は全表面を読み取ることから得られることができる。この文脈において、複数のエッジの内の少なくとも一つから典型的に形成されるトラックのみが識別層をサンプリングするために使用される時、識別層(層構造体の一部であることができる)内に埋め込まれる識別層の材料は、フィンガープリントと読み出されると共にオブジェクトやタグの同一性を検証するための識別情報を提供するシグネチャに寄与することができる。従って、識別層の最も薄い寸法のみを露出することは、本発明のオブジェクトやタグを偽造することをより一層困難にする。
識別機能を読み取ることは、適切な読み取り要素で実行される。読み取り要素(又は構成要素)(”読み取り要素”が主表面やトラックに沿うフィンガープリントを検出するセンサ(単数又は複数))の寸法(図1Bにおいて高さ=j)は、表面トラック幅と等しく(又はそれより大きく)、トラックを横切る全てのフィンガープリント情報を感知する。読み取り要素が表面幅(主要面又はトラックの幅)よりも狭い場合、読み取り要素は、移動されることができ、それによって読み取り要素は、幅が表面幅よりも大きい又はそれに等しいエリアを走査する。エリアを走査する例示の方法は、図1Cに示され、この場合、走査幅は、“j”として定義される。図1Cにおいて、識別機能を含むトラック150を走査する読み取り要素120が示される。更に、読み取りデバイスが、磁気光学読み取りのような遠隔読み取り技術に基づく場合、上述のような”読み取り要素”と関連する寸法“j”は、例えば、物理的要素の寸法に向かい合うように光ビームによって走査されるエリアの幅を意味すると理解されるべきである。図1Cは、“実質的に平行な”即ち、そこでは、走査は、トラックに正確に平行ではないが、読み取り要素がフィンガープリントの読み取り全体を通して、トラックをまたぐに略十分に平行である走査を示す。その結果、用語”実質的に平行な“は、それが、使用されるべき読み取り要素の幅、トラックの幅及びフィンガープリント読み取りの長さに依存するために、相対的語である。
図1Aを参照すると、層1は、オブジェクトそれ自体の一部として含まれることができ(層2及び/又は3のような更なる層は、そのオブジェクトの一部として存在できる)。或いは、本発明のタグにおいて、層1、2及び3は、他のオブジェクトへ取り付けられることができるオブジェクト自体(タグ)である。
【0041】
以下の記述及び添付の図面に詳細に描かれているように、本発明で使用される係合トラックと係合要素は、これらの係合トラックと係合要素の係合時に、読み取り可能識別機能に対して読み取り要素の相対的方位が適切な相互関係に維持されて識別機能が正確且つ精密に読み出されることができるように、それらの形状が互いに実質的に相補的である限り、あらゆる可能な形状を採用できる。このように、係合トラックと係合要素の両方は、任意の相補的な規則的又は不規則的形状のものであることができる。例えば、係合トラックは、凹所(例えば、溝やスロット)として、突起として、キャビティとして、又は係合要素と物理的に/機械的に係合できる他の構造として設計されることができる。例えば、スロットや溝のような凹所は、三角形、四角形、矩形、五角形、六角形、又は八角形のような多角形(横断面に見られる)を有することができる。同様に、横断面で見ると、突起は、三角形、矩形、五角形、六角形、又は八角形を意味する多角形を有することができる。係合トラックは、オブジェクトやタグにおけるキャビティとして形成される場合、勿論、それは、係合要素の形状に対して相補的な規則的又は不規則な形状を採用できる。係合トラックは、実質的に円形又は多角形、キャビティを上から見ると、例えば、円形、半円形、又は楕円形断面を有することができる。或いは、上から見ると、キャビティ形状の係合トラックは、三角形、四角形、台形、半円形、五角形、六角形、又は八角形のような多角形のものであることができる。
【0042】
本発明の典型的な実施の形態において、本発明のオブジェクトやタグの係合トラックは、少なくとも50マイクロメートルの、少なくとも150マイクロメートルの、少なくとも200マイクロメートルの、又は少なくとも250マイクロメートルからミリメートル(例えば、1又は2ミリメートル)及びセンチメートルの範囲の延長(凹所として形成される場合は、深さ、又は突起として形成される場合は、高さ)を有する。従って、読み取りデバイスの係合要素は、タグやオブジェクトの表面エリアとリーダの他の部分が接触して読み取り処理を妨害することを回避するために同じ対応する高さや深さ又はそれより大きな高さや深さを有する。キャビティとして形成される場合、係合トラックは、少なくとも50マイクロメートルの深さを有するが、より好ましくは、ミリメートルやセンチメートル、例えば、制限されるわけではないが、約1から約10cmを含む数百マイクロメートルの深さを有する。
【0043】
この文脈において、ここで記述されるように、本発明において、識別されるように構成される識別タグやオブジェクトの両方は、それら自体、認証を可能とするシグネチャを得るために読み取られることができる識別機能よりなることに留意すべきである。従って、幾つかの実施の形態において、識別されるべき識別タグとオブジェクトは、原則として、同じ物理的構造を有する。識別されるように構成されるオブジェクトに加えて、本発明は、ここで記述されるように、識別タグを取り付ける又は中に組み込むことによって識別可能にされるオブジェクトに関する。原則として、対象となるオブジェクトはタグ付けされる/ここで記述される識別タグを備えるか、又は識別されるように構成されるオブジェクトにされる。
【0044】
この文脈において、用語“個々にタグ付けする”、及び"識別すること”及びそれらの派生語は、互いから独自に区別可能であるように特にアイテムをマーキングすることを意味するために同じ意味で使用される。“透かし”のような用語は、この文脈において時々使用されることができるが、これらの用語は、一般的には、一つのグループのアイテムを他のグループのアイテムから区別すること、例えば、紙幣の透かしは、それを偽造の紙幣から区別するが、それは、紙幣を他の個々の本物の紙幣から区別しないことを指す。用語“偽造品”、“贋物”、偽造“、及び”コピー“は、同じ意味で使用される。
【0045】
本発明に従ってタグ付けされることができるオブジェクトの実例は、偽造に対して確実にタグ付けしたりマークしたりすることが困難な金属コンポーネントのようなエンジニアリングコンポーネントを含む。金属コンポーネントは、例えば、RFIDを使用してタグ付けすることが困難である。理由は、金属は、RFIDタグからの信号と干渉するからである。従って、このような実施の形態において、識別機能は、典型的には、(限るわけではないが)読み取りが金属と干渉しない識別機能によって形成される。このような識別機能の例は、磁性(金属のある形態に対して)、半導体的、光活性、又は光学的に区別可能な粒子である。エンジニアリングコンポーネントの例は、幾つかの例を挙げれば、ブレーキディスク、オイルフィルタ、ドライブシャフトのようなドライブトレイン、エンジンブロック、シャーシー、エアコンディションハウジング、ストラット及びショックアブソーバのようなサスペンションコンポーネントのような自動車のコンポーネントを含む。他のエンジニアリングコンポーネントは、航空機製造、発電、建築、インフラ(例えば、水管理)ミリタリー又はリクリエーション目的のコンポーネントであってもよい。エンジニアリングコンポーネントは、金属、金属合金、ポリマー材料、カーボンファイバー又は複合材料のような典型的な材料から作られることができる。本発明に従ってタグ付けされる或いは識別層が一体化されることができる他のオブジェクトは、リードフレームのような電子コンポーネントやパッキング材料(例えば、医薬品、電子デバイス、タバコ製品、及び農製品)である。商品の他の例は、クレジットカード、証明書、紙幣、セキュリティアクセスカード、車両のキーカード、パスポート、IDカード、メディアディスク(例えば、CD、DVD)、又はハンドバッグ、レーザー商品、メガネフレームのような高級アイテムである。
【0046】
以下において、本発明の識別タグ及びオブジェクトの幾つかの現在の好適な実施の形態が記述される。これらの実施の形態は、読み取りデバイス、識別構成、識別システム、識別タグの形成方法及び識別情報の読み取り方法に対して適用可能である。
【0047】
幾つかの実施の形態では、本発明のタグやオブジェクトは、上に識別層が配置される支持層を備えることができる。
【0048】
適応層を備えるタグの実施の形態において、この適応層は、少なくとも一つの適応凹所を備える(図6を参照のこと)。一方、この適応凹所は、オブジェクトを識別するための読み取り可能識別機能を形成する少なくとも部分的にランダムに分布された材料を備える。この適応凹所は、実質的に、適応層の長手方向に配置されることができ、或いは実質的に適応層の横断面方向へ配置されることができ、或いは、それは、例えば、長手方向に対して30又は40度の角度のような他の方向へ配置されることができる。適応凹所は、連続的でも穿孔されてもよい。ここで使用される用語“適応凹所”は、適応層内に配置されかつランダムに分布された材料を含むように構成された任意の種類の部分を含む。適応凹所は、適応層内に配置されるカット又はカットマーク、穴、溝、トレンチ、凹エリア、又は貫通孔であることができる。適応凹所は、オブジェクトやタグの最終形態でカバーされてもよい。ここで使用される用語”ランダムに分布された材料”は、表面上又は平面内又は適応凹所内にランダムに分布された材料並びに粒子やファイバーのようなランダムに分布された機能よりなる材料やコンポジットを指す。ランダムに分布された粒子を指す時の用語”粒子”は、物理的粒子、ボイド、バブル、ドメイン(例えば、磁気ドメインを含む材料)及び連続する材料内のバリエーション(変動)、例えば、粗さ及び色のバリエーションのような識別目的のために使用されることができる機能を意味しまた指す。識別機能としてのバブルの使用は、例えば、米国特許出願第20030014647号に記述される。
【0049】
ランダムに分布された材料は、例えば、粒子がランダムに分散された又は乳化された硬化可能(前駆体)液体ポリマー組成物を使用して適応凹所全体の一部内に含まれることができる。この液体組成物は、例えば、液体組成物の中に分散された材料の混合物を凹所上に又は内に印刷、スクイージー、又は噴霧することによって凹所に接触されることができる。例えば、赤外(IR)又は紫外(UV)光によってポリマー前駆体を硬化することによって、前駆体の固化の後、このような組成物は、識別機能が安全に中に埋め込まれることを確実とする機械的に安定で且つ化学的に不活性マトリックスをもたらす。更に、一旦固化された組成物は、適応層が自立すること、従って、必要ならば、適応層がこの適応層を支持する更なる層を必要とすることなく使用されることができることを助ける。この文脈において、組成物((硬化された)マトリクス材料と識別機能を形成する粒子によって形成される)は、通常適応凹所全体の少なくとも一部内にランダムに分布されるが、識別機能を形成する粒子は、マトリックス材料内にランダムに分布される(埋め込まれる)ことに留意すべきである。
【0050】
適切な組成物の例は、ポリマー接着剤やインクを含む。適切な接着剤やインクの組成の図示の例は、例えば、米国特許出願第20040082098号に記述される、ポリスチレン、エポキシ樹脂、ポリアルキレン、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール(polybenzoxazoles)、ポリアクリレート、ポリエーテル、ポリベンゾオキサヨール(polybenzoxayoles)、ポリチオアヨール(polythioayoles)、エポシキド、(メタ)アクリレート、又はポリシロキサンのようなIR及び/又はUV硬化可能な従来の(誘電)有機ポリマー/樹脂を含む。他の適切な組成物は、米国特許出願第20050245633号及び米国特許出願第20050245634号に記述されるものを含む。ランダムに分布された粒子を含む印刷可能組成物は、溶融可能マトリックス材料及び中に分散された識別機能を形成する粒子から(もっぱら)なることができる。このタイプの適切な溶融可能なマトリックス材料の例は、ポリスチレンのようなサーモプラスチックス、金属(特に低融点金属と半田のような金属合金)のような無機マトリックス材料、グリーンセラミックスであり、これらは、それらの低融点によって区別される。このように、組成物と識別機能を形成する粒子の混合物は、固体形態で適応凹所内に配置されることができ、溶融可能なマトリックス材料の融点近くに加熱し、その後溶融物を固化させることによって、組成物材料に変換される。印刷可能組成物は、水性液体、有機液体、少なくともと二つの液体の混合物、有機水性液体混合物に基づくことができる。この液体は、溶剤として機能でき、その結果、マトリックス材料の前駆体並びに識別機能を形成する粒子は、その組成物に分散又は溶解される。セラミックスのような無機マトリックス材料は、典型的には、分散形態でインク中に存在するが、それらは、水性又は有機溶液に溶解されてもよい。溶解された無機マトリックス材料の一例は、(オルソ)ケイ酸ナトリウムであり、それは、酸の添加によって固化され、次に調節ステップで焼結されて水を放出する。
【0051】
マトリックスに埋め込まれる必要のない適応凹所内に識別機能を形成する材料を使用することも可能である。このような材料は、凹所への堆積後に、永続的に(少なくとも識別タグが使用される期間中は)凹所内の同じ位置に残ることができる任意の材料である。適切な材料の例は、例えば、蛍光、磁性、又は放射性ラテックス又はラテックスコーティングビーズのような接着性粒子やファイバーを含む。例えば、このようなビーズは、液体に分散され、適応凹所に印刷され、次に、同時に粒子に印刷のために使用される液体を気化することができる熱処理によって中に不動化される。或いは、材料は、それ自体、識別機能、例えば、ドメイン(例えば、磁気ドメインや反射率が変化するドメイン等)を含む連続材料を含むことができる。
【0052】
適応層よりなる識別タグは、ここで述べられる他のタグと同様に、それが識別されるべきオブジェクトに取り付け可能であるように構成される。この目的で、適応層の少なくとも一表面は、少なくとも部分的に接着性である又は少なくとも部分的に熱接合を受けうるのに適する。適応層は、自立するので(上を参照のこと)、このようなタグは、更なる支持層を必要とすることなく使用されることができる。しかしながら、もし必要ならば、支持層上に適応層を配置することもできる。支持層が使用される場合、適応層に接触する表面とは反対の支持層の表面は、少なくとも部分的に接着性である又は少なくとも部分的に熱接合を受けうるのに適する。従って、適応層や支持層(もし後者が存在するならば)は、熱的に接合されることができる又は、例えば、タグ、特に、識別機能を備える識別層、の一体性に影響を及ぼすことのないようにオブジェクトに粘着される材料をよりなる又は構成される。適切な材料は、ポリマー材料(有機と無機ポリマーの両方)、金属、セラミックス及びレザーのような自然有機材料とコットンテキスタイルのような処理済自然有機材料を含む。ポリマー材料の実例は、幾つかの例を挙げれば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、エポキシ樹脂、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリイミド、及びポリシリコンからなる群から選択される。
【0053】
本発明の前述のタグ並びに他のタグやオブジェクトは、カバー層を備える。その場合、ランダムに分布された材料は、自立するマトリックス内に埋め込まれず、例えば、カバー層又は支持層が適応凹所と接触している支持又はカバー層のエリア内でランダムに分布された材料を不動化することによって凹所内のランダムに分布された材料を支持するために使用されることができる。支持層が存在する場合、識別層は、支持層とカバー(頂部)層との間に配置されることができる。原則として、識別層と互換性のある材料が支持及び/又はカバー層の両方として使用されることができる。適切な材料の例は、制限されるわけではないが、プラスチックス、金属、セラミックス、テキスタイル、レザーやウッドのような自然有機材料、ガラス及びそれらの組み合わせを含む。適切なプラスチックスの例は、バッグ、クレジットカード、パッキング材料、シート等のようなプラスチック物品の製造のために一般的に使用される、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレートのようなポリマー材料を含む。適切なガラス及びセラミックスは、制限されるわけではないが、アルミナ、シリカ、ボーンチャイナ、エナメル及びガラスフリッツを含む。
【0054】
カバー層や支持層(二層構造の場合)又はサンドイッチ構造(三層構造の場合)の使用によって、識別層は、(更に)構造的に支持され且つ下から及び上から(サンドイッチ構造の場合)電磁的にシールドされることができる。このような層構造体は、これが必要ならば、更に識別層の(エッジから)最小寸法の露出を可能とする。識別層の最小寸法は、単純に切断し、識別層や層構造体の平面(又は幾つかの実施の形態では、平面に対して実質的に垂直である)に対して10度よりも大きな角度で識別層(又は支持及び/又はカバー層が使用される場合の層構造)を研磨又は磨耗させることによって容易に露出されることができる(それによって、トラックは、識別層のエッジの一つ又はそれより多くから得られる)。
【0055】
識別タグの層構造体は、前記底層と前記頂層との間に配置された少なくとも一つの更なる識別層を備える。
【0056】
一つ又はそれより多くの追加の識別層を提供することによって、識別機能は、複数の識別層に分割されることができ、更に、セキュリティを増加する。理由は、識別層に含まれる情報を模倣するために必要な努力が顕著に増加されるからである。更に、この対策は、識別タグの信頼性を更に増加するシステムにおける冗長性を導入できる。
【0057】
層構造体は、前記識別層と前記更なる識別層との間に配置される少なくとも一つの中間層を備えることができる。
【0058】
識別層の少なくとも最も薄い寸法が読み取りに使用される場合、複数の異なる識別層が、この対策と取ることによって、互いから空間的に分離されることができる。これによって、前記識別層(単数又は複数)に位置される情報の個別の及び/又は同時の読み取りが可能となる。このように、本発明の識別タグやオブジェクトの信頼性を改良する更なる冗長性が含まれることができる。
【0059】
本発明のタグやオブジェクトは、前記識別機能を読み取るプロセス中にリーダの読み取り部の位置合わせを更に促進する位置合わせマーキングを備えることができる。
【0060】
識別層(単数又は複数)は、層(単数又は複数)の少なくとも一部において、複数のランダムに分布された粒子よりなることができる。幾つかの実施の形態において、識別層は、米国特許出願第2005017082A1号又は国際特許出願WO2005/008284号に記述されるように、孔を有するホスト材料よりなり、そこでは、孔の少なくとも幾つかは、粒子を含む。粒子は、磁性又は磁化可能材料や実質的に電気導電性材料よりなることができる。他の実施の形態において、粒子は、マトリックス内にランダムに分布されることができ、或いは粒子は、スパッタリング/イオン注入によって提供されることができる。
【0061】
粒子でこのような(高く)無秩序化された構造を提供して識別機能を識別層に画定することによって、情報は、極端に高い努力で及び/又はコストで模倣されるに過ぎず、それによって、識別システムのセキュリティを改良する。
【0062】
識別層は、複数の磁性(又は磁化可能)粒子よりなることができる。磁性(又は磁化可能)粒子をランダムに分布された及び/又は配向された粒子として実施することによって、磁気読み取りヘッドは、識別層を露出するトラックに沿って移動する読み取り要素として使用されることができ、従って、磁性(又は磁化可能)粒子によって引き起こされる磁界分布から形成される識別機能のフィンガープリントを読み取り、従って、安価で且つ高い信頼性の識別構造を提供する。磁性を現す任意の材料が、制限されるわけではないが、フェリ磁性体、反強磁性体、及び強磁性体のような磁性材料を含む識別層に使用されることができる。使用される磁性材料は、制限されるわけではないが、Fe、Ni、Co、Gd、Dy、対応する合金、酸化物のような強磁性体及びそれらの混合物、及びMnBi、CrTe、EuO、CrO、及びMnAsのような他のコンパウンドを含む。磁力によって影響を及ぼされる他の材料も考えられる。このような材料の例は、フェリ磁性体、例えば、スピネル、ガーネット、マグネタイトのようなフェライトを含む。他の材料は、Ce、Cr、Pt、B、Nd(例えば、Nd−Fe−B、Nd−Fe−Co−B、Nd−Pr−Fe−Co−Ti−Zr−B)の合金、Sm(例えば、SmCo)、及びAlNiCoのような合金、パーマロイのような磁性メディアで一般的に使用される他の材料も考えられる。識別情報は、可変磁気特性を引き起こす材料中にボイドを含む連続材料内に変化する磁気特性のドメインによって形成されることができる。このように、変化する磁気特性のこのようなどメインは、用語“磁性又は磁化可能粒子”に含まれる。
【0063】
多孔性材料であって少なくとも部分的に孔が充填されているものが使用される場合、ホスト材料は、実質的に非磁性材料である。一般的に、少なくとも実質的に非磁性(磁気的に不活性)又は実質的に絶縁性である多孔性ホスト材料が、本発明において使用されることができる。通常、このホスト材料は、孔内の材料のホスト材料の他の領域への移動が防止される又は無視できるように良好な機械的、熱的且つ化学的安定性を有する。更に、ホスト材料の安定性は、孔内の材料の酸化や望ましくない化学的変更を最小にする。このような特性は、タグから得られる磁気的、電気的又は電磁的信号を独自に識別可能に維持する。例えば、適切なホスト材料は、米国特許第5,139,884号、第5,035,960号、又はNielsch等、Journal of Magnetism and Magnetic Materials 249(2002)234−240に記述されるように、アルミニウムフィルムの陽極酸化によって準備される多孔性アルマイトよりなることができる。このように、タグのホスト材料は、アルミナであることができる。
【0064】
他の適切なホスト材料は、多孔性ポリマーフィルム(通常、2分割ブロック又は3分割ブロック共重合体であり、そこでは、一つのコンポーネントが選択的に除去されている)又は多孔性シリコンや多孔性III−V材料(例えば、Advanced Materials,15,183−198(2003))のような多孔性半導電性材料を含む。本発明において多孔性ホスト材料としての使用に適するIII−V材料の例は、GaAs、InP及びAlAを含む。他の適切なホスト材料は、ゼオライトである。適切なゼオライトの例は、ゼオライト群のメンバーの一つを含み、例えば、クリノプチロライト、菱沸石、フィリップサイト、モルデナイトを含む。他の適切な多孔性材料は、シリコンオキサイド、酸化亜鉛及び酸化スズのような無機酸化物を含む。
【0065】
加えて又は或いは、本発明の識別タグやオブジェクトは、複数の導電性又は半導電性粒子を備えることができる。また、導電性又は半導電性粒子の場合、識別情報は、可変性導電性特性を引き起こす材料中のボイドを含む連続材料内の変化する導電性のドメインによって形成されることができる。このように、変化する磁気特性のこのようなドメインは、用語”導電性又は半導電性粒子”に含まれる。導電性材料は、制限されるわけではないが、Cu、Sn、Fe、Ni又はそれらの合金のような金属を含む。半導電性材料の例は、幾つかの例を挙げれば、(ポリ)シリコン、ガリウム砒素、窒化ガリウム、白金シリサイド、窒化珪素、又はシリコンクロム(sichrome, SiCr)を含む。本実施の形態に従って、磁気読み取りヘッドは、前記粒子の少なくとも幾つかに電流を流すことによって引き起こされる電磁界分布から形成される識別機能を読み取るために識別層をサンプリングするために読み取り要素として使用されることができる。同様に、識別層内の位置の関数としてランダムに分布された導電性又は半導電性粒子の抵抗率、導電性、インピーダンス等のような電気パラメータは、適切な読み取りデバイス(導電性センサのような)を使用して検出されることができる。多孔性ホスト材料の場合、材料の孔は、電気導電性粒子で充填されることができ、磁性粒子に関連して上述された同じホスト材料が使用されることができる。
【0066】
加えて又は或いは、識別タグやオブジェクトは、複数の光反射性、光吸収性,又は光活性粒子よりなる識別層を備えることができる。”光活性“は、本出願において、通過される又は反射される光の波長及び/又は偏光面を変化する粒子を意味している。本実施の形態に従って、光検出器は、識別機能を読み取るために識別層から形成されるトラックをサンプリングするために読み取り要素として使用されることができる。幾つかの例を挙げれば、これらの識別機能は、例えば、特定の波長で蛍光する粒子、偏光面を変化するキラル(chiral)粒子、又は異なる波長で蛍光する及び/又は相互作用光の偏光面を変化する粒子の混合物から形成されることができる。また、識別機能として光学的に区別可能な粒子を使用することができる。光学的に区別可能な粒子の例は、金属粒子、セラミック粒子、ポリマー粒子、紙内のファイバーのような自然発生粒子、ボイド又はバブル、及び連続材料内の変化する光学特性のドメイン及びそれらの混合物及び組み合わせを含む。
【0067】
また、本発明は、システムの信頼性とセキュリティを更に改良するために、磁性及び/又は磁化可能及び/又は導電性及び/又は半導電性及び/又は光活性及び/又は光学的に区別可能な粒子の組み合わせを含むことができる。一つの場合、例えば、光検証及び磁気検証の組み合わせが実施されることができる。典型的には、識別層に存在するボイド及びドメインを含むフィンガープリントに対する顕著な効果を有する平均粒子は、約10ナノメートルと約500マイクロメートルの最も大きな寸法(制限するわけではない)を有することができる。
【0068】
本発明の識別タグやオブジェクトにおいて、各々が識別機能を備える複数の識別層が考えられ、各識別層は、他の識別層から独立して読み取られることができる。
【0069】
個々の層を読み取ることによって、異なる種類の情報が本発明の識別タグやオブジェクト内に配置されることができる(例えば、識別情報及びタグが付着されることができる製品のプライスやこのような製品に関する背景情報のような追加の情報)。
【0070】
更なる実施の形態において、識別層(単数又は複数)を露出する表面(単数又は複数)は、保護コーティングによって被覆される。原則として、材料が識別機能の少なくとも幾つかがトラックから有意に読み取られることができることを防止しない限り、環境損傷(例えば、化学的及び/又は機械的劣化)から識別層を物理的に保護するために適する全ての材料が使用されることができる。保護層に含まれることができる適切な材料の例は、制限されるわけではないが、テフロンコーティングのようなポリマーコーティング、剛性ポリマー、ゾルゲル又は酸化物、窒化物のような蒸着材料、アモルファスダイアモンド、ダイアモンドのようなカーボンのようなダイアモンドのような材料(フィルム)、4面体アモルファスカーボン又はスパンコートラッカーを含む。この保護コーティング(層)は、“ハード”材料であってもよい。“ハード”材料は、ここでは、好ましくは、50メガニュートンパースクエアメートル、即ち、50MN/m以上のバルク降伏応力を有する材料として定義される。ハード材料として働く適切なポリマーの例は、タフで透明である利点を有するポリメチルメタクリレートである。ポリメチルメタクリレートの単一コーティング層は、単量体メチルメタクリレートの溶液でタグを浸漬又はスピンコーティングすることによって製造されることができる。モノマー溶液は、コーティング中又はその後に重合される。
【0071】
以下において、本発明の読み取りデバイスの好適な実施の形態が記述される。これらの実施の形態は、識別タグ、識別されるように構成されるオブジェクト、識別システム、識別タグを形成する方法及び識別情報を読み取るための方法に提供されることができる。
【0072】
読み取り要素は、識別層に含まれる複数のランダムに無秩序化された粒子から情報を読み取るために構成されることができる。
【0073】
このように、読み取り要素は、独自のフィンガープリント(及びシグネチャ)を提供するランダムに配向された粒子の特徴構成からの信号を検出するように構成されることができる。
【0074】
読み取り要素は、識別層に含まれる複数の磁性又は磁化可能粒子から情報を読み取るために構成されることができる。この場合、読み取り要素は、磁気読み取り要素である。
【0075】
読み取り要素は、識別層に含まれる複数の導電性及び/又は半導電性粒子から情報を読み出すために構成されることができる。この実施の形態に従って、読み取り要素は、ランダムに無秩序化された粒子の配置に対して電気的パラメータ特徴を読み出す電気的又は電磁的又は磁気的読み取り要素である。
【0076】
更に、読み取り要素は、識別構造体に含まれる複数の光活性又は光学的区別可能粒子から情報を読み取るために構成されることができる。この実施の形態に従って、読み取り要素は、反射率又は蛍光強度、光学異方性等の光学パラメータを読み出すことができる光リーダ又は検出器である。読み取り要素は、タグやオブジェクトの識別層に含まれる複数のランダムに分布された光学的区別可能粒子から反射された又はそれによって偏向された光子を検出するように構成されることができる。
【0077】
少なくとも二つの異なるタイプの読み取り能力、例えば、磁気的に且つ光学的に、又は電気的に且つ磁気的に、を有する読み取り要素を使用することができる。そうすると、セキュリティが更に向上されることができる。
【0078】
読み取りデバイスは、更にトラッキング要素を備えることができる。このトラッキング要素は、識別機能を読み出すプロセス中に読み出される識別機能に対して読み取り要素の位置合わせや運動を更に促進し又は測定するように構成される。
【0079】
そうするために、トラッキング要素は、識別機能に対して読み取り要素を光学的に位置決めするために構成されることができる。トラッキング要素は、読み取られる識別機能に関して読み取り要素の相対的位置を光学的に測定するために構成されることができる。これらの実施の形態に従って、可視マークは、位置的基準マークとして又は識別層に配置される識別機能のエラーのない検出を更に促進するために読み取り要素がガイドされるべきパスを指すオブジェクト又は識別タグ上の位置合わせマークとして設けられることができる。一例として、光学センサと読み取り要素の起動機構にリンクされるフィードバックループがこれを達成することができる。
【0080】
更に、読み取り要素は、トラッキング要素が識別機能を読み取るために使用される表面に沿って読み取り要素を電磁的に案内するために構成されるように設けられることができる。トラッキング要素は、読み取られる識別機能に対して読み取り要素の相対位置を電磁的に測定するために構成されることができる。これらの実施の形態に従って、読み取り可能電磁ガイド層や機能は、位置的基準マークとして又は位置合わせマークとして提供される。例えは、これは、強磁性体の構造体であり、これによって、トラッキング要素の補助感知要素をフィンガープリントが捕獲されるパスに従わせる。
【0081】
更なる実施の形態に従って、読み取りデバイスは、読み取り要素によって読み取られたフィンガープリントのシグネチャを事前格納された基準シグネチャと比較し、識別タグから読み取られたシグネチャが閾値未満だけ事前格納された基準シグネチャから異なっている場合、識別タグは有効であると検証するように構成される処理ユニットを有することができる。
【0082】
換言すれば、事前格納された基準シグネチャは、読み取りデバイスのデータ記憶媒体(読み取られたシグネチャを検証するためにアクセスされることができる遠くに配置された記憶媒体−この一例は、遠隔デバイスによって読み取られたシグネチャが検証されることができるようにインターネットに接続されたデータベースである)に一セットのパラメータとして格納されることができる。このセットのパラメータは、特定の場合に検出されるシグネチャに比較されることができ、そこでは、この測定されたシグネチャは、データ記憶媒体に格納された事前格納された基準シグネチャに対して比較される。測定されたシグネチャと事前格納基準シグネチャとの間の偏差値が閾値未満である場合、識別は実証されたと考えられる。一方、そのようなオブジェクトやタグが取り付けられるオブジェクトは、本物であると考えられる。しかしながら、事前格納された基準シグネチャは、読み取りデバイスのメモリに永続的に格納されることは必要ない。むしろ、読み取りデバイスは、それが、読み取りデバイスに関して遠くのデータ記憶媒体に格納される事前格納された基準シグネチャを受け取ることができるように設計されることができる。或いは、読み取りデバイスは、タグが取り付けられるオブジェクトや識別されるべきオブジェクトに格納される事前格納された基準シグネチャを受信できる。この文脈で、本発明のオブジェクトやタグは、更なる情報、例えば、オブジェクトのプライス、その製造者等格納してもよい。このような情報は、従来のバーコード、二次元バーコード、磁気ストリップやメモリチップに含まれることができる。このように、読み取りデバイスは、従来のバーコード、二次元バーコード、磁気ストリップ又はメモリチップからこのようなシグネチャを読み取るように構成されることができる。他の例は、読み取りデバイスが読み取った信号を(多分、インターネットに取り付けられたコンピュータのような通信デバイスを介して又はセルラー電話機のようなモバイル通信デバイスを介して)遠くに配置されるデバイス(サーバコンピュータのような)へ送信するように構成され、このデバイスには事前格納された基準シグネチャのデータベースが収容され、前記遠くに配置されたデバイスは、読み取られたシグネチャを事前格納された基準シグネチャ(単数又は複数)と比較することができる。読み取られたシグネチャを事前格納された基準シグネチャとマッチングすると、遠くに配置されたデバイスは、メッセージを読み取りデバイスへ(又は通信デバイスへ)送り返し、アイテムを検証し、ユーザにデータベースに格納された他の関連する情報を提供する。勿論、マッチングが見つけられない場合、遠くに配置されたデバイスは、マッチングが見つけられなかったことを示す信号及び他の情報(これらの状況においてユーザが取るべきステップが何かを提案するような)を戻すことができる。
【0083】
更に、処理手段は、最近の読み取られたフィンガープリント/シグネチャからの情報を使用して、事前格納された基準シグネチャを再書き込みや付加し、読み取られたフィンガープリントからシグネチャを格納することによって事前格納された基準シグネチャを将来の検証チェックのための更新基準シグネチャとして更新するように構成されることができる。より長い期間、識別タグ又は識別されるように構成されるオブジェクトを使用して、トラックや全識別層の磨耗が、識別タグの激しい使用の結果として生じる。このような磨耗は、特徴シグネチャを変化させる。事前格納された基準シグネチャが常に一定のままである静的システムにおいて、このような磨耗の影響は、識別タグがシステムによって認識されないという結果となる。このように、本発明の一実施の形態において使用されるダイナミックシステムは、検出されたシグネチャにおける変化を更新しこの更新されたシグネチャを事前格納基準シグネチャとして格納する。このように、識別層の材料の磨耗に起因する時間経過に従う小さな変化が考慮され、それによって、システムの機能性を改良する。理由は、磨耗の結果として無効であるとのタグやオブジェクトの誤った分類が回避されるからである。
【0084】
上記開示に従って、従来の読み取りヘッドは、識別されるように構成されるタグやオブジェクトの識別機能を表す特徴(シグネチャ)を決定するために使用されることができる。使用されることができる読み取りヘッドの例は、例えば、カセットテーププレイヤー、ビデオカセットレコーダ(VCR)、磁気データ記憶テープ、ハードディスクドライブ、Zip(商標)ディスク、Jaz(商標)ディスク、及び磁気ストライプリーダにおいて使用されるものである。或いは、MFMとして一般的に知られている磁気フォース顕微鏡が使用されることができる。電気又は電磁界強度のような特徴を決定するために、任意の従来の高感度電界メータや適切な周波数へ較正されることができるEMFガウスメータがこの目的で使用されることができる。光学特性を決定するために、例えば、必要な偏向フィルタ及び/又はカラーフィルタを備える光検出器や光ダイオードが使用されることができる。
【0085】
一旦オブジェクトやタグからのシグネチャが決定されると、記憶に先立って処理(例えば、フィルタ、平滑、フーリエ変換を行う、又は他の数学的信号処理テクニック)及び/又は圧縮及び/又はシグネチャを暗号化するためそれは数学的手順を受ける。第1の測定シグネチャ(又はもし必要ならば、引き続く測定されたシグネチャ)は、タグの読み取りから得られる生の信号の形態で又はその処理された/圧縮された/暗号化された形態で、ハードディスク、スマートカード、RAMモジュール、テープ記録、磁気ストライプ又は他のデータ記憶媒体のような種々のデータ記憶媒体に格納されることができる(それによって、事前格納基準シグネチャとなる)。
【0086】
本発明において、第1のシグネチャは、対象となるタグやオブジェクトに含まれる識別機能全体を含む表面エリアを走査することから得られる。しかしながら、表面の一部を読み取ることからのみこの第1のシグネチャを得てそれによって、識別機能の一部のみを読み取ることが可能である。例えば、認証のより低いレベルを必要とする用途において、(識別層の最も薄い寸法が露出される場合)、表面又はトラックの一部のみを読み取ることで十分であることができる。この“部分的”シグネチャは、事前格納シグネチャ(識別情報)となる。このように、新たなタグやオブジェクトのシグネチャを読み取り且つ記録するための処理時間が減少されることができる。
【0087】
“部分的”シグネチャのみの要求は、偽造することをより複雑にする。理由は、使用される部分は、タグやオブジェクト単独の識別層に含まれる識別機能から識別可能であることは必要ないが、選択的に全体のシステム内に独立命令の一部を形成するからである。このことは、一般的に、偽造者が、情報の幾らかのみがオブジェクトを認証するために使用されるにも拘らず、識別層全体(タグやオブジェクト全体を意味する)生成することを強いられることを意味する。典型的には、未使用の部分を再生することは元の製造者や合法的なユーザにとってコストと努力を大きく増加することなくタグを偽造するのに必要なコストと努力を増加する。
【0088】
上記で見られるように、事前格納基準シグネチャと識別目的の為に取られるシグネチャを得ることは、異なる時間と場所で発生する可能があり実施レベルで一般的である。例えば、製造されたタグは、最初に読み出されることができ、そこでは、シグネチャは、得られ、そしてタグがそのタグのユーザに(例えば、自動車産業では部品の供給者)に引き渡される前にデータ記憶媒体に格納される。次に、このタグのユーザは、タグをタグ付けされるべきオブジェクト、例えば、その顧客に配布される前に自動車のコンポーネントへ貼り付ける。或いは、タグは、タグユーザがタグをオブジェクトへ取り付けた又はタグをオブジェクトに含ませた後でのみタグユーザによって読み取られることができる。識別されるように構成されるオブジェクトの場合、シグネチャが、典型的に読み取られ、オブジェクトが製造され且つ事前格納基準シグネチャが、そうすることが望ましい場合、遠くの場所に送られてそこに記憶される。タグやオブジェクトの両方の使用の場合、自動車部品供給者や医薬製造者のようなユーザは、ここで記述されるような識別層を含むオブジェクトやタグに製品情報等のような更なる情報/コンテンツを格納できる。又は、本発明のこのような識別層を含むCDのようなデータ記憶メディアの場合、レコード会社のようなユーザは、音楽をCDに記憶し、それを顧客に配布できる。次に、この顧客は、第2のシグネチャを得、得たシグネチャを事前格納基準シグネチャ(これは、遠隔データ記憶媒体に記憶されることができる)と比較できる−オブジェクトの同一性を検証する為に。或いは、タグユーザは、タグを読み取る前にタグをオブジェクトに貼り付け、その後、シグネチャをデータ記憶媒体へ送信する(同様に、オブジェクトユーザは、最初に、対象となるコマーシャルアイテムを製造し、それを遠隔場所に送信し、そこで、基準シグネチャが読み取られ、データ記憶媒体に記憶される)。両方の場合、識別情報が対象となるタグやオブジェクトからシグネチャの形態で得られ、そのタグやオブジェクトの引き続く識別のためにデータ記憶媒体に格納される。
【0089】
この文脈で、本発明のオブジェクト又はタグにおける識別機能を読み取るための方法の実施の形態が以下で議論される。
【0090】
一実施の形態において、情報は、前記識別層の少なくとも一部に含まれる複数のランダムに分布された粒子から読みられる。複数のランダムに分布された粒子は、磁性又は磁化可能、導電性又は半導電性又は光活性又は光学的に区別可能な粒子であることができる。
【0091】
磁性粒子が使用される場合、読み取りは、タグ又はオブジェクト識別層の少なくとも一部の磁界の少なくとも一つの特徴を決定することを含む。それによって、特定の磁気信号が得られる。この場合、識別層は、孔を有する非磁性ホスト材料よりなり、そこでは、孔の少なくとも幾つかは磁性材料を含む。
【0092】
読み取りは、識別層の無秩序に高く依存する識別層の一部の磁界の少なくとも一つの特徴であることができる。より具体的には、無秩序は、識別層の特性の少なくとも一つ、例えば、識別層中における孔のサイズ、形状及び向き、孔同士間の距離、孔充填の割合及び磁性材料のクリスタルの配向に関連されることができる。例えば、多孔性ホスト材料が使用される場合、無秩序は、ホスト材料単独の特徴であることができる。これに対する例として、異なる孔サイズと孔同士間距離を有するホスト材料が使用されることができ、この材料の孔は、磁性材料で(等しく)充填される。無秩序が孔内への材料の充填度合いを変化することによって生成される秩序だった孔を有するホストを使用してもよい。勿論、無秩序構造を有する識別層を使用し、例えば、充填された孔の割合や(磁性材料の場合)タグ内の材料のクリスタルの配向を変化することも可能である。他の代替例は、多孔性ホスト材料が磁性で且つフィンガープリントが未充填孔(又は非磁性材料での孔の充填)のサイズと位置における無秩序から生じるものである。タグやオブジェクトの識別層における無秩序を生成するように操作され得る上記特性は、自由度と考えられることができる。
【0093】
一実施の形態において、識別層は、識別層の前記部分の磁界(信号)の少なくとも一つの特徴の各決定に先立って、磁界を受ける。この実施の形態において、識別層内の磁性材料は、各読み取り前に、磁界下で再磁化されることができる。これは、読み取りを容易にするための磁界信号を増加する。このために、単純な棒磁石によって生成されるもの、ソレノイドや磁石の組み合わせから発生される磁界のような均一であるが異質な磁界が識別層を再磁化するために使用されることができる。
【0094】
一実施の形態において、タグやオブジェクトの識別層における情報を更に記憶(記録)するための方法が考察される。この情報の記憶(記録)は、例えば、一グループの粒子に存在する磁性材料を分極ドメインへ磁化することによって又は磁性(又は電気導電性)材料を含むトラックの粒子のグループをパターン化することを介して決定することによって又はこれら二つのアプローチの組み合わせによって行われることができる。この記録ステップは、フィンガープリントの第1の決定に先立って又はこの第1の決定後になされることが好ましい。
【0095】
本発明の更に他の実施の形態は、オブジェクトに対して二つの事前格納された基準シグネチャを記憶することを含む。オブジェクトのシグネチャが読み出されると、引き続いて、読み出されたシグネチャは、例えば、そのオブジェクトに対して全ての事前格納基準シグネチャに対して比較される或いはデータベースに記憶された全ての事前格納基準シグネチャに対して比較される。例えば、シグネチャを読み取って異なる読み取りデバイスでオブジェクトに対する事前格納基準シグネチャとして使用される場合、そのことは、少なくとも二つ(複数の)読み取りデバイスが使用されることができることを意味する。複数の読み取りデバイスは、それらの各々が異なるように読み取られるべき識別機能のエリア同士間の空間関係を定義するように構成されることができる。構成におけるこの違いは、本質的に又は意図的に導入される。例えば、種々の読み取りデバイスの読み取り要素は、互いに対して目的をもって僅かに位置ずれされる。これは、各読み取りデバイスに対する読み取りの空間関係が僅かに異なるように定義することを意味する。その結果、各読み取りデバイスからのシグネチャは、僅かに異なることになる。全てのこれらの事前格納シグネチャを格納し且つそれらをオブジェクトの引き続く検証のために使用することによって、検証がより頑強になる。例えば、識別機能のトラックを読み取ることを考察する。第1の読み取りデバイスの読み取り要素が完全に位置合わせされると、それは、”位置合わせされたシグネチャ“と呼ばれることができるシグネチャを提供する。第2の読み取りデバイスの読み取り要素が僅かに左側に誤位置合わせされる(例えば、約1マイクロメートル、10マイクロメートル、50マイクロメートル又は100マイクロメートルだけ)と、そのことは、”左側シグネチャ”と呼ばれることができるシグネチャを提供する。第3の読み取りデバイスの読み取り要素が僅かに右側に誤位置合わせされる(例えば、約1マイクロメートル、10マイクロメートル、50マイクロメートル又は100マイクロメートルだけ)と、そのことは、”右側シグネチャ”と呼ばれることができるシグネチャを提供する。位置合わせされたシグネチャ、左側シグネチャ及び右側シグネチャを事前格納された基準シグネチャとして記憶することによって、これは、以下で記述されるように方法とシステムの頑強さを増加する。多くの読み取りデバイスが商業的セールのために製造されている場合、各デバイス間に幾らかの許容誤差とバリエーションがある。製造プロセスにおける許容最大位置合わせ誤差が±50マイクロメートルと仮定すれば、誤位置合わせ読み取り(少なくとも±50マイクロメートルの誤位置合わせを含む)に対応して一つ又はそれより多くのセットの事前格納基準シグネチャを記憶することは、最大の誤位置合わせ製造リーダでさえ、読み取られたシグネチャと良好にマッチングする対応する事前格納基準を有することを意味する。一つより多くの事前格納基準信号を得るための複数の読み取りデバイスを使用する更なる例は、読み取り要素自体がそれらの特徴(例えば、磁気センサは、感度が変化する)における幾らかのばらつきを有することである。読み取り要素の範囲を有する一セットの読み取りデバイスを使用することによって、可能であれば、一群の読み取り要素でシグネチャのスペクトルが記録されることができる。この実施の形態において、引き続いて読み取られたシグネチャが、特定のオブジェクト又は一群のオブジェクトに関連する事前格納されたシグネチャの少なくとも幾つか又は全てと比較されることができる。
【0096】
オブジェクトへ割り当てられるバーコード、シリアル番号のような他のシリアル化識別情報、2進又は16進情報、又は英数字コード(例えば、名前)が識別情報のセットの一つとして使用される本発明の更なる実施の形態において、及び読み取りデバイスが十分には、完全には又は正確には前記バーコードやシリアル化識別情報を読み取らない場合、処理ユニットは、別個に入力される又は走査される補充情報に基づいて読み取られた信号の部分から欠落しているデータやコンポーネント(例えば、基準ポイント)を再生できる。例えば、識別情報が、バーコードと関連番号である場合、バーコードは、代替装置で走査されることができ、関連する数字は、読み取られた信号の部分から欠落するデータやコンポーネント(例えば、基準ポイント)を再生するために補充情報として使用されることができる。次に、再生されたデータやコンポーネントは使用されて前記オブジェクトを識別するためのシグネチャを形成する。
【0097】
更なる実施の形態において、バーコードや他のシリアル化識別情報は、事前格納基準シグネチャが記憶及び/又は検索される主キーとして使用される。
【0098】
本発明の上記及び他のオブジェクト、特徴及び利点は、類似の部品や要素が類似の参照番号によって示される添付の図面に関連する、以下の記載及び添付の請求項から明らかになる。
【0099】
本発明は、以下の非制限例及び図面を参照して更に記述される。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1a】本発明で使用される読み取り要素と組み合わせて且つ本発明に従うタグやオブジェクトに存在する識別層の頂部と底部上の任意のカバー層との組み合わせにおける本発明の識別層を示す。
【0101】
【図1b】図1Aの識別層の側面図である。
【0102】
【図1c】識別機能を含むエリアを走査する例示の方法を示す。
【0103】
【図1d−1e】図1dは、本発明の一実施の形態に従うオブジェクトへ取り付けられるタグを示し、図1eは、本実施の形態に従うタグを読み取るように構成されるリーダを示す。
【0104】
【図2】図2aと図2cは、本発明の一実施の形態に従うラベルへ取り付けられるタグを示し、図2bは、実施の形態に従うタグを読み取るように構成されるリーダを示す。
【0105】
【図3】図3aは、本発明の他の実施の形態に従うタグを示し、図3bは、前記タグの平面図であり、図3cは、実施の形態に従うタグを読み取るように構成されるリーダを示す。
【0106】
【図4】本発明の更なる実施の形態に従うタグやオブジェクトを示す。
【0107】
【図5】本発明の実施の形態に従うタグを形成する方法を示す。
【0108】
【図6】図6aは、本発明の更なる実施の形態に従うタグを製造する方法を示し、図6bは、本発明のこのようなタグのオブジェクトへの取り付けを示す。
【0109】
【図7】図7aは、本発明の更なる実施の形態に従うタグを製造する方法を示し、図7bは、本発明のこのようなタグのオブジェクトへの取り付けを示し、図7cは、本発明において製造されたタグの関連の実施の形態を示す。
【0110】
【図8】図8aと図8bは、本発明の更なる実施の形態に従うタグやオブジェクトを示し、図8cは、タグやオブジェクトを読み取るように構成される本発明のリーダを示す。
【0111】
【図9】図9aと図9bは、本発明の更なる実施の形態に従うタグを示し、図9cは、タグを読み取るように構成される本発明のリーダを示す。
【0112】
【図10】図10aと図10bは、本発明の更なる実施の形態に従うタグを示し、図10cは、タグを読み取るように構成される本発明のリーダを示す。
【0113】
【図11】図11aと図11bは、本発明の更なる実施の形態に従うタグを示し、図11cは、タグを読み取るように構成される本発明のリーダを示す。
【0114】
【図12】図12aと図12bは、本発明の更なる実施の形態に従うタグを示し、図12cは、タグを読み取るように構成される本発明のリーダを示す。
【0115】
【図13】図13aと図13bは、本発明の更なる実施の形態に従うタグやオブジェクトを示し、図13cは、タグやオブジェクトを読み取るように構成される本発明のリーダを示す。
【0116】
【図14】図14aと図14bは、本発明の更なる実施の形態に従うタグやオブジェクトを示し、図14cは、タグやオブジェクトを読み取るように構成される本発明のリーダを示す。
【0117】
【図15】図15aと図15bは、本発明の更なる実施の形態に従うタグやオブジェクトを示し、図15cは、タグやオブジェクトを読み取るように構成される本発明のリーダを示す。
【0118】
【図16】図16a乃至16dは、本発明の更なる実施の形態に従うタグやオブジェクトを示す。
【0119】
【図17】図17aと図17bは、本発明の更なる実施の形態に従うタグやオブジェクトを示し、図17cは、タグやオブジェクトを読み取るように構成される本発明のリーダを示す。
【0120】
【図18】図18a乃至18cは、本発明の更なる実施の形態に従うタグやオブジェクトを示す。
【0121】
【図19】図19a乃至19cは、本発明の更なる実施の形態に従うタグやオブジェクトを示す。
【0122】
【図20】本発明の更なる実施の形態に従うタグやオブジェクトを示す。
【0123】
【図21】図21aと図21bは、本発明の更なる実施の形態に従うオブジェクトを示し、図21cは、オブジェクトを読み取るように構成される本発明のリーダを示す。
【0124】
【図22】図22aと図22bは、本発明の更なる実施の形態に従うオブジェクトを示し、図22cは、オブジェクトを読み取るように構成される本発明のリーダを示す。
【0125】
【図23】図23aと図23bは、本発明の更なる実施の形態に従うオブジェクトを示し、図23cは、オブジェクトを読み取るように構成される本発明のリーダを示す。
【0126】
【図24】図24aと図24bは、本発明の更なる実施の形態に従うオブジェクトを示し、図24cは、オブジェクトを読み取るように構成される本発明のリーダを示す。
【0127】
【図25】図25aと図25bは、本発明の更なる実施の形態に従うオブジェクトを示し、図25cは、オブジェクトを読み取るように構成される本発明のリーダを示す。
【0128】
【図26】本発明の更なる実施の形態に従うオブジェクトを示す。
【0129】
【図27】本発明の更なる実施の形態に従うオブジェクトを示す。
【0130】
【図28】図28aは、本発明の更なる実施の形態に従うオブジェクトを示し、図28bは、タグやオブジェクトを読み取るように構成される本発明のリーダを示す。
【0131】
【図29】図29aは、本発明のタグやオブジェクトに使用されることができる識別層の形成を示し、図29bは、前記識別層の斜視図を示す。
【0132】
【図30】図30A乃至30Hは、識別されるように構成される識別タグやオブジェクトの実施の形態を製造する方法中の図である。
【発明を実施するための形態】
【0133】
上記に従い、ここで提供される開示は、アイテムをトラッキングし、偽造を防止し、且つ改ざん防止を可能とするための識別システムは:a)”識別機能”を含むタグやオブジェクト(ここでは、”識別機能“は、例えば、制限されるわけではないが、本質的に無秩序化された材料や組成物よりなると理解され、そこでは、材料/組成物の無秩序の少なくとも一つの特徴信号(ここでは、”シグネチャ”と呼ばれる)が前記シグネチャを読み取るように構成されるリーダを使用して有意に読み取られることができる)を備え、このタグやオブジェクトは、リーダが、識別機能に容易に物理的/機械的に位置合わせされることができる少なくとも一つの“係合トラック”を更に備え、且つそこにおいて、タグやオブジェクトは、価値のあるアイテムに取り付けられるように構成され;b)係合トラックと物理的/機械的に係合し、タグのシグネチャを読み取るように構成される読み取りデバイスを備え、それによって、前記シグネチャが識別機能から先に読み取られた無秩序の材料/組成物の対応する特徴信号(ここでは、“基準シグネチャ”や”事前格納基準シグネチャ”と呼ばれる)と比較されることができる;c)任意ではあるが、データ記憶デバイスを備え、そこでは、基準シグネチャは、記憶される(ここでは、”データ記憶デバイス“は、データ読み取りの機械読み取り可能手段、例えば、ハードディスク、磁気テープドライブ、光記憶ディスク、メモリチップ、又は2Dバーコードやビットマップのような従来の光学手段を指す。)
【0134】
価値のあるアイテム、特に、平坦な及び/又は湾曲表面を備え、照会される容易に利用可能なエッジやコーナーを有さない価値のあるアイテムに容易に取り付けられるタグやオブジェクトが提供される。
【0135】
図1dは、本発明の一実施の形態に従うタグ100を示す。このタグは、識別機能101のトラックや層を含む。タグは、例えば、接着剤層を有することによって、又は熱接合されることができることを介して、又は価値のあるアイテム内にタグのある部分を埋め込む物理的手段を提供する形状又はフォームファクタを有することによって価値のあるアイテム102へ取り付けられるように構成される。この場合、タグ自体は、係合トラックを形成する。理由は、タグは、良好に画定されたエッジを有する厚い矩形断面材料からできているからである。この係合トラックは、読み取りトラックを介して識別層に配置される識別機能を読み取る読み取りデバイスの一部に対して形状が実質的に相補的である。タグにおいて、複数の主表面の最も薄い寸法又は一つが識別機能の読み取りのために露出されることが出来る。
【0136】
図1eは、図1dに示されるタグの識別機能を読み取るように構成されるリーダ110の横断面図を示す。このリーダは、タグのシグネチャを読み取るのに適する少なくとも一つの読み取り要素111を備える(例えば、識別機能がランダムに分布された磁性粒子よりなる場合、読み取り要素は、例えば、磁気データ記憶テープ、VCR、フロッピーディスク又はハードディスクで使用される磁気読み取りヘッドとしての磁気センサであることができ、もし識別機能がランダムに分布された発光粒子である場合、読み取り要素は、光センサや光検出器であることが出来る)。読み取り要素111は、オブジェクト上のタグ100によって形成される係合トラックと係合するように設計される溝112の一つのエッジから既知の固定距離に位置される。読み取り要素111は、タグの識別機能と位置合わせし、それによってそのシグネチャを読み取るように係合要素のエッジから既知の固定距離に位置される。図示の実施の形態において、リーダは、タグに関して移動される事が出来る(反対に、例えば、リーダが手で保持され、リーダをタグに沿って移動することによって)、又は読み取り要素は、機械的アクチュエータを使用して識別機能を横切るように移動される、或いは読み取り要素が識別機能に関して移動されることなく読み取り要素が十分な情報を読み取ることが出来るようにされる(センサが線形に又はエリアアレイに配置されることによって、例えば、電荷結合デバイス(CCD)アレイのような光撮像デバイスが表面を横切るように移動されることなくエリアを撮像することが出来る)。
【0137】
係合要素が溝である実施の形態において、その幅”T”は、係合トラック“Y”の幅と等しく又はそれよりも僅かに大きいように設計され、それによって、係合要素が係合トラックと係合されることが出来る。幾つかのケースでは、幅“Y”よりも小さい幅“T”を有することが有利である。これらの場合、係合トラックや係合要素は、弾性的に変形可能でありそれによって有意な機械的係合が起こり得る。必要ならば、リーダは、一つ又はそれより多くの位置トラッキング要素113を含むことが出来る。例えば、シグネチャを読み取り中、リーダは、タグに関して移動され(又はその逆)繰り返し読み取りを達成する場合、幾つかの状況では、タグとリーダとの間の相対的変位を正確にトラックすることが重要である。更に、タグ上に少なくとも一つのマーキングを有し、読み取りが始まり/終わる開始ポイント及び/又は終了ポイントを示すことが有利である。
【0138】
例えば、位置トラッキング要素は、コンピュータの光学マウスで使用されるもののような光学位置センサであってもよい。位置センサが読み取りの開始及び/終了ポイント(及び多分それらの間の位置マーキング)を識別するために使用される場合、光バーコードセンサが良好に働くことがわかった。位置を感知するための他のセンサが使用されることが出来る、例えば、センサは、位置を識別するように設計される磁気マーキング/機能をトラッキングする磁気センサであることができることが当業者には明確である。更に、二つ以上の位置センサの組み合わせ、例えば、読み取りの開始と終了ポイントを識別するバーコードセンサと光学位置センサ(コンピュータのマウスで使用されるような)を使用してマーキング同士間で移動される距離をトラックすることが有利である場合がある。
【0139】
一般的に、係合トラックの寸法は、本発明において、それらが、係合要素との良好な物理的/機械的係合と可能とするに十分であるように選択される。その結果、係合されると、係合トラックが係合要素に突出する(又は、逆に、後者の実施の形態で示されるように)距離、ここでは“係合距離”と呼ばれる、特定の要素では可能な限り大きいが、典型的には、少なくとも約50マイクロメートルである。しかしながら、少なくとも150マイクロメートル以上であることが出来る。このことは、図1aに示される実施の形態では、係合トラックの高さ“Z”は、少なくとも50マイクロメートルであり、対応して、係合トラック112の深さ“D”は、少なくとも50マイクロメートルである。図1に示される実施の形態における構造的安定性のために、Z≦10Yであることが望ましく、より好ましくはZ≦Yである。読み取られるべき識別機能の長さは、“X”でマークされる。
【0140】
図1dに示されるように、タグ100は、その上に印刷された又はその中に埋め込まれた追加の情報を有することが出来る。例えば、磁気ストリップ(クレジットカードにおいて使用されるような)がタグに埋め込まれることが出来、会社のロゴや他のホログラムやバーコードのようなセキュリティ機能がタグの表面に印刷されてもよい。情報”書き込まれた“(例えば、磁気、光又は他の手段を使用して書き込まれた)は、タグのシグネチャについての情報を含むことが出来る。例えば、暗号化2Dバーコードは、タグの表面に書き込まれることができ、バーコード中の暗号化情報は、タグの基準シグネチャを含むことが出来る。次に、リーダは、タグのシグネチャとバーコードを同時に読み取ることが出来、シグネチャをバーコード中の基準シグネチャと比較できる。
【0141】
図2aは、本発明の更なる実施の形態を示す。ここでは、識別機能201を含むタグ200は、ラベル202に接合される。タグとラベルが接合されると、接合されたユニットは、本発明に従うオブジェクト203を形成する。また、識別機能を含むタグ200は、ラベルの表面上に係合トラックを形成する。この係合トラックは、Y幅とZ高さを有し、読み取りデバイスの係合要素と係合するように構成される。
【0142】
図2bは、図2aに示されるオブジェクトを読み取るように構成されるリーダの横断面図を示す。リーダ210は、図2aに示される係合トラックと係合するように設計される少なくとも係合要素211と係合要素212を備える。係合要素は、図に示されるように寸法DとTを有する。オリジナル位置トラッキング要素213が示される。寸法ZとDは、係合距離が少なくとも約50ミクロンメートルであるという基準を満足するために少なくとも約50ミクロンメートルである。寸法Tは、機械的係合を可能とするために寸法Yよりも大きいか又は等しい。
【0143】
図1dに示される場合に関して、図2aに示されるタグ200又はラベル202は、それらの上に印刷された又はそれらの中に埋め込まれた追加の情報を有する。これは、図2cの実施の形態によって示されており、そこでは、1Dバーコード204が、ラベル202に配置されるタグに実質的に平行に配置されている。これはまた、ここで述べられる全ての引き続く実施の形態に適用可能である。オブジェクト(ラベル)が取り付けられるべき価値のあるアイテムは、図2には示されていないことに留意すべきである。この文脈において、ラベル200上のバーコード204は、リーダ210のトラッキング要素213に対する位置合わせ又は位置決めマーキングとして働くことが出来る。上述されたように、図1の実施の形態に関する文脈において、トラッキング要素213は、光センサであることが出来る。或いは、バーコード204の代わりに、磁気ストップや図7に示されるようにヘアのような形態のランダムに分布された磁性粒子が位置合わせ又は位置決めマーキングとして使用される場合、トラッキング要素213は、図1を参照して示されたように磁気センサであることができる。このように、本発明において、位置合わせマーキングは、一般的に、第2のセットの識別機能であることができる。
【0144】
図3は、オブジェクト303とリーダ310が湾曲表面を有する価値のあるアイテム304に関して使用されるように構成される実施の形態を示す。図3aは、タグの横断面図を示し、図3bは、タグの平面図を示す。識別機能301を含むタグ300は、ラベル302に接合される。タグとラベルが接合されると、接合されたユニットは、本発明に従う識別されように構成されるオブジェクト303を形成する。このオブジェクト303は、湾曲表面を有する価値のあるアイテム304に接合されるように構成される。また、タグ300自体は、係合トラックを形成する。リーダ310は、少なくとも読み取り要素311と係合トラック300と係合するように設計される係合要素312を備える。任意の位置トラッキング要素313も示される。係合要素312に直に隣接するリーダ310の表面は、識別機能が読み取られる時に係合中にその機械的安定性を増加するように湾曲される(図3cに示されるように)。
【0145】
図4は、本発明の更なる実施の形態を示す。ここで、識別機能401を含むタグ400は、アイテムに埋め込まれることによって価値のあるアイテム404に取り付けられるように構成される(図に示されるように)。或いは、図4は、識別されるように構成されるオブジェクトを示し、そこでは、係合トラックがオブジェクトに形成されるように識別層が配置されている。係合トラック(この実施の形態では、タグ自体の又は識別層の一部である)は、Y幅及びZ高さを有する。ここで、寸法Zは、識別機能が読み取られることが出来るように係合要素(タグや識別機能が埋め込まれた後)と係合することが出来る係合トラックの高さとして測定される。また、本実施の形態において、寸法Zは、通常少なくとも約50ミクロンメートルである。タグ400を読み取るように構成されるリーダは、すでに示されているリーダと外観が同様であるので図示されない、即ち、それは、係合トラックと係合するのに十分な幅の係合要素を有する、即ち、係合要素は、少なくとも寸法Yと同じ幅である。
【0146】
図5は、図4に示されるもののようなタグが作られることができる方法を示す。タグのコンポーネントは、分解形態、即ち、コンポーネントが一緒に接合されてタグを形成すること先立つ状態で示される。ここで、矩形断面ストック材料521と522の二つの片が識別情報を含むフィルム材料523を挟む。例として、識別機能が磁性である場合、材料523は、ランダムに分布された粒子を含む非磁性マトリックス材料よりなる。識別機能は、リーダの読み取り要素により読み取り要素を材料の523の露出表面524に近接させることによって読み取られる。ストック521と522は、容易な接合、リーダの係合、及びシグネチャの読み取りを可能とする形状/断面を実際上有する。更に、ストック521と522は、用途に従って広範囲にわたる材料から作られることが出来る。例えば、プラスチックは、厚い壁のパイプ、自動車のバンパー又はプラスチック成型家具のアイテムのようなポリマーオブジェクトへの埋め込みに有用である。金属は、例えば、自動車キャスティング、金属ボックス及びシャシー、又は機械コンポーネントでの使用に適する。
【0147】
図6は、図1d、図2及び図3に示されるもののようなタグやオブジェクトが作られることが出来る方法を示す。このタグは、”適応”タグとも呼ばれる。図6aは、ロールツーロールセットアップにおけるプロセスの第1の部分を示す。ここで、周期的な貫通孔603がタグにおける適応層として働くフィルム材料601内に適応凹所としてカットされる(フィルムは、初めは、ロールフィルム600である)。貫通孔カッティングは、例えば、レーザー602を使用して行われることが出来ることがわかった。ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが使用される場合、二酸化炭素(CO)レーザーが許容される高速で正確で一貫して形成された孔をカットできる。その後、フィルム604の形態のカバーフィルムがそのロール605から引き出されてフィルム601(適応層)に接合され、貫通孔の一方の開口を閉鎖する。次に、これらの貫通孔は、分散注射器608から散布された前駆体材料607で反対側から充填される。識別機能が、磁気的に読み取られるべき場合、例えば、前駆体材料607は、ランダムに分散された磁気粒子を含む非磁性ポリマー接着剤やインクであることができる。適切な接着剤やインクの成分の実例は、従来の硬化可能エポキシド組成物、(メタ)アクリレート組成物、又はポリシロキサン組成物含み、米国特許出願第20050245633号と第20050245634号に記述されるものを含む。硬化した形態では、このようなインクは、識別機能が中に安全に埋め込まれ且つ適応層が自己支持し、必要ならば、協調的層を支持する更なる層やベースなしに使用されることが出来ることを保障する機械的に安定で、対磨耗性で化学的に不活性マトリックスを生成する。前駆体材料607は、例えば、スキージーやブレード609を使用して孔の中に押し込まれる。前駆体充填孔は、参照番号610として示される。この段階で、前駆体が硬化され、それによって、タグ内に埋め込まれたランダムに分布された粒子の位置を固定する。前駆体に依存して、硬化が熱、赤外(IR)光、紫外(UV)光、又は他の硬化メカニズム(例えば、電子ビーム誘導クロスリンキング)によって開始される。図6aに示される場合は、硬化要素(それは、例えば、加熱ランプやUV光であることができる)。適切な場合、フィルムは、例えば、スライスブレード612を使用してトリミングされる。ここで、タグ材料が作られ、それは、用途に合うサイズのセクションにカットされる。この“適応層”タグの実例において、適応凹所は、約10mmの長さ、約0.25mmの幅、及び約0.5mmの深さを有する。このように、凹所がランダムに分布された材料で充填されると、この適応凹所に形成される識別層は、非常に類似する二つの寸法(例えば、図1aを参照すると、寸法aとc)を有する髪の毛のような又はロッドのような形状を有する。このように、用語“機能層”は、このような髪の毛、糸(strand)又はロッドのような構成を有する。
【0148】
図6bは、図6cに示されるプロセスを使用するタグ材料のセクションから作られるタグ620を示す。前駆体充填溝は、リーダによって読み取られるべき識別機能621を構成する。更に、タグは、フィルム604から作られるカバー層622を備え、この層は、環境条件(湿度、腐食流体等のような)並びに機械的磨耗や摩滅から識別機能を更に保護するように働く。カバー層/フィルムがポリマー材料から作られる場合、湿度や他の化学物質がカバー全体に拡散することを防止するために金属の薄層を有するこの層/フィルムを有することが有利である。カバー層の反対側のタグの表面は、その上に接着剤のフィルムを有し、それによってそれが表面に容易に接合されることが好ましい。このタグは、図1aに示されるように、そのまま使用されることが出来、そこでは、タグは、接着剤コーティング面を価値のあるオブジェクトへ接触することによって価値のあるオブジェクトへ接合される。或いは、タグは、他のコンポーネント(単数又は複数)、例えば、ラベル623に関連して使用され、本発明に従うオブジェクトを形成する(このようなオブジェクトの例は、図2と図3に示される)。図6bに示される実施の形態において、タグは、裏返され、それによって接着剤コーティング面がラベルと接触し、それによって、タグがラベルに付着し、カバー層がタグの頂表面を形成し−接合ユニットが本発明に従うオブジェクトを形成する。
【0149】
識別機能が磁性粒子よりなる場合、シグネチャへの個別の粒子の寄与は、ホール603内の粒子の位置(ホール603の長さのみならず、粒子が表面からどの程度離れているか及びその空間的配向)によって影響が及ぼされる。これは、複雑さと識別機能の統計的変動を増加し、結果として、複雑さとシグネチャの“独自性”を増加する。
【0150】
磁気信号から引き出されるシグネチャの場合、カバー層/フィルム604は、磁界が読み取り要素によって容易に読み取られることが出来るように且つその磁界の野位置が明確に決定される(且つ読み取り要素への距離によって分散されない)ように可能な限り薄くあるべきである。高磁性粒子を使用する(NdFeB合金から作られるマイクロスケース粒子のような)場合、25から100マイクロメートル厚のポリマーフィルムが有効である−ロールツーロールラミネーションプロセスにおいて機械的に安定であるに十分な厚さとシグネチャが検出されることが出来るに十分な薄さであることがわかった。カバーフィルムの最適厚みは、a)使用される磁性粒子のタイプ(例えば、それらの磁界強度と粒子のサイズ)、b)検出メカニズム(例えば、磁気光学方法が使用されるべき場合、厚い透明フィルムが好ましいが、データ記憶テープに使用されるような標準の磁界センサや磁気読み取りヘッドが使用される場合、フィルムは、可能な限り薄く保たれるべきであるが、透明であることは必要ない)及びc)タグの使用中の環境条件(例えば、タグが長期間にわたって機能的に必要とされる機械的摩滅、腐食物質等に曝される場合、カバー層は適切に頑強であることが必要である)に依存する。最適な厚みは、実験的に容易に決定されることができる。
【0151】
穿孔や孔603の長さは、最終のタグ602の長さに調節されることが出来る。個別の孔の長さは、タグの長さよりも短いことが好ましく、それによって、タグは支持され且つ機械的に安定に保たれる。インクが粘性であり,孔が非常に短いか又は小さな直径を有する場合、円形の時、識別機能を形成するインクの充填プロセスは、問題となる。粘着性のエポキシベースのインクをスキージーするためには、孔同士間の0.5−1ミリメートルの間隔を有する1と10ミリメートルの間の孔(適応凹所)長が、10−100ミリメートルの長さのタグにとって適切であることがわかった。
【0152】
前述の議論から、図6に示されるプロセスにおいて、一緒に接合されたフィルム601とフィルム604の組み合わせ厚みは、係合トラックに対して必要な高さを提供するように少なくとも50マイクロメートルであるべきであることが明白である。また、光学インクの使用、例えば、蛍光粒子を含む透明インクに孔へのスキージーすることは、本発明のそのようなタグに含まれることは明白である。例えば、インクジェットやスプレーシステムを使用することによって孔603にインクを充填することが可能である。
【0153】
図7は、図1、図2、及び図3に示されるもののようなタグやオブジェクトが作られることが出来る更なる方法を示す。図7aは、ロールツーロールセットアップにおけるプロセスの第1の部分を示す。ここで、前駆体接着剤又はインク707(図6に示される適応タグの製造のためのものと同じであることができる)が材料のフィルム701(タグ中のベースサブストレートとして働くフィルムは最初にロール形態700にある)に適用される。前駆体接着剤やインクは分散注射器708や接着剤やインクを適用する他の適切な手段、例えば、インクジェットプリンタ、インタリオプリンタ等から分配される。また、一旦形成されたこのような識別層は、勿論制限されるわけではないが、約0.25mmの接着剤やインクの幅をゆする髪の毛のような形状を有することができる。識別機能が光学的に読み取られるべき場合、前駆体材料707は、例えば、ランダムに分布された蛍光又はりん光性粒子を含む透明ポリマー接着剤やインクであることができる。分散した後、前駆体インクが硬化される。前駆体に依存して、硬化は、単純な乾燥、過熱、紫外(UV)光、又は他の硬化メカニズム(電子ビーム誘導クロスリンキング)によって開始される。明瞭化のために、図7aは、硬化手段を示していない。必要ならば、フィルムは、例えば、スライスブレード712を使用して適切なサイズにトリミングされる。タグ材料がここに作られ、その用途に適するサイズのセクションにカットされる。
【0154】
図7bは、図7aに示されるプロセスを使用して作られるタグ材料のセクションから作られるタグ720を示す。硬化された前駆体は、リーダによって読み取られるべき識別機能721を構成する。前駆体インク707が分散される所の反対側にタグの表面は、それが表面に容易に接合されるようにその上に接着剤のフィルムを有する。このタグは、図1aに示されるように、そのまま使用されることができ、そこでは、タグは、接着剤コーティング面を価値のあるオブジェクトへ接触させることによって価値のあるオブジェクトへ接合されている。或いは、タグは、他のコンポーネント(単数又は複数)、例えば、ラベル723と関連して使用され、本発明に従うオブジェクト(例えば、そのようなオブジェクトは図2と図3に示される)を形成できる。図7bに示される実施の形態において、タグの接着剤コーティング面がラベルと接触し、それによって、タグをラベルへ接着する−接合されたユニットが本発明に従うオブジェクトを形成する。
【0155】
これらの図面及び上記の議論を考察して、係合トラックを提供するためにフィルム701は、典型的には少なくとも50マイクロメートル以上の厚みであるべきであることは明白である。更に、光学的に検出可能なシグネチャを作るトラックをインクジェット印刷する例が示されたが、磁気インクを印刷することが、このケースに適用されることができる。
【0156】
図7cは、図7aに示されるプロセスを使用して作られるタグ材料のセクションから作られるタグ720を示す。硬化された前駆体は、リーダによって読み取られるべき識別機能721を構成する。ここで、タグは、更に、1Dバーコード730でマークされている。マーキングは、任意の望ましいマーキング、例えば、ホログラムのような光学マーキング、2Dバーコード、ロゴや他のアートワーク、シリアル番号、タイミングマーク、又は磁気インクのような磁気マーキング、磁気ストリップ(クレジットカードで使用されるような)であることが理解される。更に、チップベースの識別子は、(また)タグに取り付けられたり埋め込まれたりされることができる。適切なチップベースの識別子は、高周波識別(RFID)チップ、やスマートカードで使用されるような接触ベースのICチップを含む。また、マーキングは、秘密のものであってもよく、例えば、それは、人が探そうとしない限り、検出が困難である化学的又は分子的マーカーであってもよい。
【0157】
図8は、本発明の他の実施の形態を示す。図8aは、識別されるように構成された識別タグやオブジェクトの横断面図を示す。このタグやオブジェクト800は、識別層中に配置される識別機能801を含む。タグやオブジェクトに含まれる識別層の主表面(図8aに示されるように)や最小寸法は、識別機能の読み取りのために露出される。更に、タグやオブジェクトは、係合トラック802を備える。本実施の形態において、係合トラックは、タグやオブジェクトの溝、チャネル、又はスロットである。係合トラックの深さは、寸法“Z”で与えられ、その幅は、寸法”Y”によって与えられる。図8bは、図8aに示されるタグの平面図を示す。図8bに示されるように、識別機能(寸法“X”)は、係合トラックの全長に延びてもよい−以前に述べたように、これは必要ではない。タグの面803(単数又は複数)は、本発明に従うオブジェクトを形成するために接着剤でコーティングされてタグの価値のあるアイテム又は他のコンポーネントへの接合が容易にされる。
【0158】
他の例は、タグが熱接合のような方法を使用して価値のあるアイテム(又は他のコンポーネント)へ接合されることである。図8に示される実施の形態において、識別機能は、タグが、例えば、ポリエチレンやポリカーボネートのような熱可塑性ポリマーからできている場合、タグのかなり薄いセクション内に含まれ、面803は、タグを価値のあるアイテムへ熱接合するために使用され、識別機能を損傷したり破壊したりすることなく引き続いてタグを除去することは非常に困難である。このことは、本物のアイテムからタグを除去してそこに偽造品を置くことは非常に困難であるので、良好な改ざん防止機能をタグに提供する。
【0159】
図8cは、図8aに示されるタグやオブジェクトを読み取るように構成されるリーダ810の横断面図を示す。リーダ810は、少なくとも読み取り要素811と係合トラック802を係合するように設計された係合要素812を備える。任意の位置トラッキング要素813もまた示される。この実施の形態において、係合要素812は、リーダの残りの部分から突出し、それによって、それは係合トラック802と係合させられる。また、この実施の形態において、係合距離は、典型的には、少なくとも50マイクロメートルであり、その結果、係合要素812の高さ(寸法“Z”によって与えられる)は、少なくとも50マイクロメートルであり、係合トラック802の深さもまた、少なくとも50マイクロメートルである。また、容易に係合するために、係合要素812の幅(寸法”T”で与えられる)は、係合トラックの幅(寸法”Y”によって与えられる)未満又はそれと等しい。この実施の形態の幾つかの場合、幅“Y”よりも大きな幅“T”を有することが有利であるが、これらの場合、係合トラック又は係合要素は、容易に弾性的に変形しなければならず、それによって、有意な係合が発生する。
【0160】
図9は、本発明の他の実施の形態を示す。図9aは、識別されるように構成される識別タグ900やオブジェクト900の横断面図を示す。タグやオブジェクト900は、識別層中に配置される識別機能901を含む。図9aは、露出された最も薄い寸法を有する識別層の実例を示すが、図8に示されるように、識別層の主表面は、識別機能を読み取るために等しく使用されることができる。更に、タグは、係合トラック902を備える。この実施の形態において、係合トラックは、タグ中の凹所(溝、チャネル又はスロット)として設計される。係合トラックの深さは、寸法“Z”によって与えられ、その幅は寸法”Y”として与えられる。図8に示される実施の形態と異なり、本実施の形態は、識別機能が係合トラックの表面内又はその上にあることを必要としない−実際幾つかの例では、識別機能がトラックから遠くに離れていてもよいことが強調される。図9に示される実施の形態では、識別機能(又は識別層)は、タグやオブジェクト内に識別トラックを形成する凹所に対して横方向に位置される領域に配置される。図9bは、図9aに示されるタグやオブジェクトの平面図を示す。図9bに示されるように、識別機能(寸法“X”)は、係合トラックの全長に延出することができ−先に示されたように、このことは、必要ではない。タグの面903(単数又は複数)は、本発明に従うオブジェクトを形成するために、接着剤層でコーティングされてタグの価値のあるアイテムや他のコンポーネントへの容易な接合を可能とする。他の例は、タグが熱接合のような方法を使用して価値のあるアイテム(又は他のコンポーネント)へ接合されることができるようにタグが構成される。
【0161】
図9cは、図9aに示されるタグやオブジェクトを読み取るように構成されるリーダ910の横断面図を示す。リーダ910は、少なくとも読み取り要素911と係合トラック902と係合するように設計される係合要素912を備える。任意の位置トラッキング要素913もまた示される。この実施の形態において、係合要素912はリーダの残りの部分から突出し、それによって係合要素が係合トラック902と係合できる。また、係合距離は、少なくとも50マイクロメートルであり、従って、係合要素912の高さ(寸法“Z”によって与えられる)は、典型的には、少なくとも50マイクロメートルであり、係合トラック902の深さは、典型的には、少なくとも50マイクロメートルである。また、容易に係合するために、係合要素912の幅(寸法“T”によって与えられる)は、係合トラックの幅(寸法”Y”によって与えられる)未満又はそれと等しくあるべきである。
【0162】
図10は、本発明の更なる実施の形態を示す。図10aは、タグやオブジェクトの横断面図を示し、図10bは、タグやオブジェクトの平面図を示す。タグ/オブジェクト1000は、識別層として配置される識別機能1001を含む。この場合、識別層の最も薄い寸法が露出されて、識別機能1001を読み取るためのトラックを形成する。タグやオブジェクトは、更に、係合トラック1002を備える。この実施の形態は、図8と図9に示される実施の形態に類似する。しかしながら、図10は、識別機能1001の位置決めの更なるバリエーションを示しており、そこでは、前記バリエーションは、サンドイッチ構造における識別機能を係合トラックの一方の側にラミネートすることによって生成されることができる。
【0163】
図10cは、図10aに示されるタグやオブジェクトを読み取るように構成されるリーダ1010の横断面図を示す。リーダ1010は、少なくとも読み取り要素と係合トラック1002と係合するように設計される係合要素1012とを備える。任意の位置トラッキング要素1013も示される。
【0164】
図11は、発明の更なる実施の形態を示す。図11aは、識別されるように構成されるタグやオブジェクトの横断面図を示し、図11bは、タグやオブジェクトの平面図を示す。タグ/オブジェクト1100は、識別層に配置される識別機能1101を含む。前記識別層の最も薄い寸法が、識別機能を読み取るために露出される。タグ/オブジェクト1100は、代わりに又は追加的に、主表面が識別機能を読み取るために露出される層中に配置される識別機能1006を備えることができる。タグは、更に、係合トラック1102を備える。この実施の形態は、図8、図9及び図10に示される実施の形態に類似している。しかしながら、図11は、係合トラックが矩形横断面形状を有する必要はないこと強調している。むしろ、断面は、容易に機械的係合を可能とする任意の形状を有することができ−例えば、係合トラック1102は、三角形断面を有する突起として形成される。係合トラックの高さは、寸法”Z”によって示され、その幅は、寸法”Y”によって与えられる。識別機能の長さは、寸法“X”によって与えられる。
【0165】
図11cは、図11aで示されるタグ/オブジェクトを読み取るように構成されるリーダ1110の横断面図を示す。リーダ1110は、少なくとも一つの読み取り要素1111と係合トラック1102と係合するように設計される係合要素1112を備える(簡略化のために、識別機能1106を読み取るように構成される読み取り要素は図11cには示されない)。任意の位置トラッキング要素1113もまた示される。係合要素の深さは、寸法“D”によって与えられ、その幅は寸法”T”によって与えられる。“Z”と”D”の両方は、典型的には、少なくとも50マイクロメートルである。係合要素と係合トラックの両方は、矩形横断面形状を有し、それぞれの幅はそれらが測定される場所に依存して変化する。ここで、係合トラックのベースでそれらを測定するように適宜選択され、本実施の形態に示される係合要素によって係合される時、係合要素の開口に対応する位置にあり−その結果、その開口での幅として係合要素の幅を示すように選択された。寸法がどこで測定されようと、一旦係合されると、幅“Y”と”T”は、係合中に対応する位置で測定されることは明白である。
【0166】
図12は、本発明の更なる実施の形態を示す。図12aは、価値のあるオブジェクトに埋め込まれるように構成されるタグ1200と価値のあるオブジェクトの平面図を示す。図12bは、価値のあるオブジェクトに埋め込まれたタグの平面図を示す。タグ1200は、識別機能1201を含む。タグは、価値のあるオブジェクト1204に埋め込まれており、更に、係合トラック1202が形成されるようにオブジェクト1204内に配置される。横断面において、係合トラックは、台形形状を有する。埋め込みプロセスは、適切な手段を使用してなされることができ、例えば、タグは、成型又はスタンピングプロセス中に価値のあるプラスチックや金属アイテム内に押し込まれることができる。価値のあるアイテムが熱によって柔らかくなる(例えば、金属と熱可塑性ポリマー)場合の代替の方法は、価値のあるアイテムがオブジェクトとタグの境界で溶融して二つの部品は接着するように価値のあるアイテムが形成された後、加熱されたタグを価値のあるアイテムに押し込むことである。更なる代替の方法は、タグが嵌るに適する溝やスロットを価値のあるアイテムが含むように製造され、次に、タグが接着剤を使用して価値のあるアイテムへ接着されることである。これら三つの代替の方法が実証しているように、価値のあるオブジェクトへタグを埋め込む多くの適切な方法があることである。図12aに示されるように、タグの係合トラックは、寸法“Z”の深さと寸法“Y”の幅を有する。識別機能の長さは、寸法“X”によって与えられる。
【0167】
図12cは、図12aに示されるタグを読み取るように構成されるリーダ1210の横断面図である。リーダ1210は、少なくとも読み取り要素1211と係合トラック1202と係合するように設計される係合要素1212を備える。任意の位置トラッキング要素1213もまた示されている。係合要素の深さは、寸法”D”によって与えられ、その幅は、寸法”T”によって与えられる。また、本実施の形態において、“Z”と“D”の両方は、典型的には、少なくとも50マイクロメートルである。先に述べたように、一旦係合されると、幅“Y”は、幅“T”未満又はそれと同じであり、そこでは、“Y”と“T”は、係合中に対応する位置で測定される。
【0168】
図13は、本発明の更なる実施の形態を示す。図13aは、価値のあるオブジェクトに埋め込まれるように構成されるタグの埋め込まれた状態とその価値のあるオブジェクトの横断面図を示す。図13bは、価値のあるオブジェクトに埋め込まれたタグの平面図を示す。タグ1300は、識別機能1301を含む。タグは、それが係合トラック1302を形成するように価値のあるオブジェクト1304に埋め込まれている。図13bの平面図によって示されるように、凹所は、円形断面を持つことができ、そのことは、係合トラックが円筒形であることを意味する。前述のように、埋め込みは、任意の適切な手段を使用してなされることができる。図13aに示されるように、タグの係合トラックは、寸法“Z”の深さと寸法“Y”の幅を有する。識別機能の長さは、寸法“X”によって与えられる。
【0169】
図13cは、図13aや図13bに示されるタグを読み取るように構成されるリーダ1310の横断面図を示す。リーダ1310は、少なくとも読み取り要素1311と係合トラック1302と係合するように設計された係合要素1312を備える。係合要素の深さは、寸法“D”によって与えられ、その深さは、寸法“T”によって与えられ、係合要素は、円筒形状を有することができる。“Z”と“D”の両方は、少なくとも50マイクロメートルである。前述のように、一旦係合されると、幅“Y”は、幅“T”未満か又はそれと同じであり、そこでは、“Y”と“T”は、係合中に対応する位置で測定される。
【0170】
前述のように、この実施の形態は、係合トラックと係合要素の両方が円形であることを示す。係合要素は、係合トラックに挿入されるように設計される。一旦係合されると、係合要素は、読み取り要素が識別情報を走査できること確実にするようにねじられることができる。或いは、係合要素は、静止が保たれると共に読み取り要素は、識別情報の表面上で起動される。或いは、読み取り要素が、移動されることなく識別情報を含む全エリアから読み取ることができる(識別機能が光学的に読み取られるべき例では、2D画像(カメラで撮られるような)識別情報を読み取るのに十分である)。
【0171】
凹所内にタグを有するこのアプローチの利点は、タグがオブジェクトによって保護され、僅かなリアルエステートを占め、視覚的に検査されること(多分、コピーされるか又は複製されること)から妨げ、そしてこのフォーマットは、タグを改ざんすること非常に困難にする、例えば、タグと除去してそれを他のアイテムに取り付けることを非常に困難にする。
【0172】
図14は、本発明の更なる実施の形態を示す。図14aは、タグの横断面図を示し、図14bは、そのタグの一方の側の図を示す。タグ1400は、識別機能1401を含む。タグは、更に、係合トラック1402を備える。この実施の形態において、係合トラックは、タグの長手方向の沿って延出する貫通孔として形成される矩形断面キャビティである。その結果、一方の側から見ると(図14bに示されるように)、タグは中空に見える。識別機能は、それらが読み取りデバイスの係合要素に含まれる読み取り要素によって読み取られることができるようにタグ内に配置され、そこで、係合要素は、識別機能を読み取るためのキャビティ内に挿入されるように設計される。識別要素は、例えば、タグを組み立てる前のタグのベース層の表面に印刷されるバーコードであることができる。或いは、識別機能は、識別層に配置されたランダムに分布された粒子(例えば、磁性又は光学的活性粒子)であることができる。図14aと図14bに示されるように、タグの係合トラックは、寸法“Z”の深さを“Y”と“H”の横断面寸法を有する。識別機能の長さは、寸法“X”によって与えられる。
【0173】
図14cは、図14aに示されるタグを読み取るように構成されるリーダ1410の横断面図を示す。リーダ1410は、少なくとも読み取り要素1411と係合トラック1402と係合するように設計される係合要素1412を備える。バーコードが読み取られるべき場合、読み取りデバイスは、読み取られるバーコードのセクションを照明する光ファイバーを備えることができる。読み取り要素1411は、カメラや規定のバーコード読み取り要素のような光検出器であることができる。光ファイバーは、ランダムに分布された蛍光粒子が識別機能を形成する場合、読み取りデバイスに使用されることができる。この場合、光ファイバーは、蛍光粒子の励起波長の光を発することができ、読み取り要素1411は、発された蛍光光の波長で感知するフォトダイオードであることができる。磁性粒子が、識別機能を形成する場合、従来の磁気読み取り要素が読み取り要素として使用されることができる。係合要素の深さは、寸法“D”によって与えられ、その幅は、寸法“T”によって与えられる。また、本実施の形態において、“Z”と“D”の両方は、典型的には少なくとも50マイクロメートルである。図14cに示されるように、係合要素は、長尺形状を有することができ、ハンドリングのために、ミリメートル又はセンチメートルの長さを有することができる。一旦係合すると、幅“Y”と“H”は、幅“T”と“J”(図14には示されていないが、“J”は、そのページ面内への係合要素の幅である)未満又はそれと等しい。この実施の形態において、係合要素は、係合トラック内に挿入されるように設計される。一旦係合されると、係合要素は、係合トラックから引き抜かれ、読み取り要素は、識別情報を走査することができる。読み取り要素による識別情報の走査は、多数の適切な手段、例えば、画像形成、係合要素が静止したまま読み取り要素の起動、係合(引き抜きではない)時の走査等を使用してなされることができる前述の実施の形態の幾つかを読むと明らかである。また、図14cは、読み取り要素が走査中に識別情報との接触を維持することを保障するように位置決めされた任意のリーフスプリング1415を示す。
【0174】
図14に示されるタグは、価値のあるアイテムの面のいずれかを介してそのアイテムに取り付けられるか又は埋め込まれることができる。図14は、孔が矩形断面の貫通孔である実施の形態を示しているが、その孔は、適切な断面(円形、楕円形、四角形、三角形、又は多面の又は部分的に湾曲した形状)であることができ、ブラインド孔や他の適切な形状であることが理解される。また、対象となるオブジェクトは、識別機能をオブジェクトに配置し、オブジェクトに係合トラックを形成することによって識別されるように構成されるオブジェクトにされることができることが理解される。
【0175】
図15は、本発明の更なる実施の形態を示し、−本実施の形態では、識別機能よりなるタグが価値のあるアイテム内に埋め込まれるように構成されるか、オブジェクト自体は、オブジェクトが識別されるように構成されるように識別機能が配置される識別層を含む。タグや識別機能は、係合トラックが形成されるようにオブジェクトに配置される。以下において、識別されるように構成されるオブジェクトに同じコメントが適用されるけれどもタグが参照される。図15aは、価値のあるアイテムに埋め込まれる前のタグ1500を示す。図15bは、価値のあるアイテム1504に一旦埋め込まれたタグを示す。タグ1500は、識別機能1501を含む。係合トラック(本実施の形態では、タグ自体の一部である)は、Y幅とZ高さを有する。ここで、寸法Zは、識別機能が読み取られることができるために係合要素(タグが埋め込まれた後)と係合するために利用可能な係合トラックの高さとして測定される。識別機能の長さは、寸法“X”として与えられる。
【0176】
図15cは、図15bに示されるタグを読み取るように構成されるリーダ1510の横断面図を示す。リーダ1510は、少なくとも一つの読み取り要素1511と係合トラック1502と係合するように設計される係合要素1512を備える。任意の位置トラック要素1513もまた示される。係合要素の深さは、寸法“D”によって与えられ、その幅は、寸法“T”によって与えられる。“Z”と“D”の両方は、典型的には少なくとも50マイクロメートルである。タグは、可撓性ポリマーフィルムのような可撓性材料から製造されることができ、タグは、可撓性であることができることを意味する。
【0177】
タグは、読み取られない場合。本発明の更なる態様は、ストッパー、ダストキャップ、表面膜又はスプリング負荷カバーのようなカバーを提供して埃、ダスト、又は他の異物が凹所に入ることや環境に対する損傷、又は構造体や識別機能の腐食を防止することである。
【0178】
本発明の他の実施の形態において、リーダは、空気流を凹所に提供して凹所へ入るゴミを除去し排除することを助けるように更に変更される。これは、挿入前に行われる吹き飛ばし動作や挿入される時の凹所を真空清掃する吸い込み動作であることができる。
【0179】
図16は、図14に示されるもののようなタグやオブジェクトを作る一つの方法を示す。最初に、前駆体材料1601は、オブジェクト1600のキャビティ内に充填される。例えば、オブジェクト1600は、一片の金属自動車コンポーネント(例えば、キャストコンプレッサのフランジやオルタネータ)でもよいし、それは、衣服のアクセサリ(例えば、プラスチックボトム)でもよいし、それは識別のためにキャビティよりなるのに適する任意の他の価値のあるオブジェクト(又はタグ)であることができる。キャビティは、適切な方法で形成されることができる。例えば、キャビティは、既にあるもの(例えば、オブジェクトがチューブストックの一部であるか又は、中に鋳造又は鍛造された孔を有すコンポーネントの場合)であってもよいし、それは、オブジェクトに穴あけされてもよい。前駆体材料は、例えば、ランダムに分布された磁性粒子を含むエポキシ樹脂のようなポリマー樹脂であってもよく、そこでは、磁性粒子は、磁化されていない(これは、それらが前駆体内で凝集することを防止する)。図16aは、オブジェクトが前駆体材料で充填された後のオブジェクトの横断面図を示す。図16bは、オブジェクトが前駆体材料で充填された後のオブジェクトの端面図を示す。前駆体が固まると(即ち、エポキシのような硬化可能ポリマーが硬化された−そのエポキシが熱硬化エポキシの場合、例えば、熱を使って)、第1のキャビティに平行に延出するが僅かにそれからオフセットする矩形スロット1602がオブジェクトを貫通してドリル形成される。図16cは、この矩形スロットがドリル形成された後のオブジェクトの横断面図を示す。図16dは、この矩形スロットがドリル形成された後のオブジェクトの端面図を示す。円形キャビティと矩形スロットが本実施の形態では示されているが、任意の適切なキャビティ/孔が係合トラックのために使用されることができる。一旦タグやオブジェクトが形成されると、磁性粒子は、タグを強力な磁界へ曝すことによって磁化され、それによって、識別機能を形成する。
【0180】
図17は、キャビティを含む本発明の他のタグやオブジェクト並びにキャビティを含むそのようなタグやオブジェクトの作る方法を示す。また、タグやオブジェクトのこの実施の形態において、タグやオブジェクトの識別情報は、読み取り要素(単数又は複数)をキャビティに挿入することによって読み取られる。ここで、タグ1700(即ち、図17bにおけるその最終状態で示される)は、二つの片の材料1703と1704との間に識別層1701(即ち、識別情報、例えば、ランダムに分布された磁性又は光学粒子やファイバーのようなランダムに分布された材料を含む層)をラミネートすることによって形成される。その後、孔1702は、ラミネート構造体にドリルで形成される。この孔は、係合トラックを形成しかつ識別層の平面に平行に延出し、前記層を少なくとも一つの場所にカットする。図17cは、タグ1700を読み取るように構成される読み取りデバイス1710の横断面図である。読み取りデバイスは、その係合要素1712の各側に二つの読み取り要素1711を有する。係合要素1712は、係合トラック1702に嵌り、読み取り要素1711は、係合トラックによって露出される識別層の二つの側(即ち、孔が開けられるとき露出される識別層のエリア)を読み取る。識別されるように構成される識別タグやオブジェクトの本実施の形態において、識別層の最も薄い寸法が露出される。
【0181】
図18は、キャビティを有するタグの他の実施の形態並びにキャビティを含むタグを作る対応する方法を示す。タグの識別情報は、読み取り要素(単数又は複数)をキャビティに挿入することによって読み取られる(図14cに示されるリーダに類似するリーダを使用して)。図18aは、二つの片の材料1803と1804との間にラミネートされた識別層1801よりなるラミネート片1807を示す。次に、片1807は、図17に関して記述されたものと類似の方法を使用して作られる。次に、片1807は、図18bに示されるように、材料1808内に埋め込まれる。タグ(図18cに示される)の形成は、材料1808に孔1802を開けることによって完了される。この場合に示される孔1802は、ラミネート片1807の平面に平行に延出する三角形断面の孔である。この孔は、ラミネート片をカットし、識別層のエリアを露出する。孔1802は、タグの係合トラックを形成する。任意の第2のセットの識別機能1809がタグ1800に示されている−この場合、第2のセットの識別機能は、タグを識別するための追加の情報として使用されることができる1Dバーコードである。タグは、適切に形成された係合要素(係合要素が容易にキャビティに挿入され且つ読み取り要素を識別機能に関して正確に位置決めさせるようにその断面が形成される限り任意の断面の係合要素が許容されるが、この場合、三角形断面の係合要素)に係合トラックに挿入することによって読み取られる。係合要素は、それが係合トラックに挿入されるか又はそこから取り出される時に露出された識別機能を読み取ることができるように位置決めされた読み取り要素を含む。
【0182】
図19は、キャビティを含む本発明の他のタグ並びにキャビティを含むそのようなタグを作る方法を示す。タグの識別情報は、読み取り要素をキャビティ内に挿入することによって読み取られる(図14cに示されるリーダに類似するリーダを使用して)。図19aは、タグのアセンブリ完成前のタグのコンポーネントを示す。図19bは、組み付けられた後のタグ1900を示す。図19cは、完成されたタグ1900を示し、そこでは、トップ片は、種々のコンポーネントの組み立て位置が見えるように半透明に作られている。ここで、識別機能1901は、接触識別チップ(スマートカードに見られるように)や読み取られるために読み取り要素に近接することが必要な高周波識別(RFID)チップ(オンチップアンテナを有するミニチュアRFID−例えば、Hitachiのマイクロチップ−読み取られるために読み取り要素に近接することを必要とする)を備える。識別機能1901、即ち、RFIDチップや接触識別チップは、図19aに示されるように基板1903に取り付けられる。その後、トップ片1904は、基板の頂部に接合される。種々のコンポーネントは、図19bと19cに示されるように接合後の完成されたタグ1900は、タグの識別トラックを備えるキャビティ1902を有するように設計される。識別機能1901は、それらがトラックからアクセスされることができるようにキャビティ内に配置される。読み取りデバイスは、係合要素が係合トラックに挿入されると、識別機能1901と位置合わせするように位置決めされる読み取り要素を含む係合要素を備える。この位置合わせは、識別機能の読み取りを容易にする。例えば、接触識別チップの場合、チップの読み取りは、チップの入力/出力パッド読み取りデバイスの対応する出力/入力パッドと位置合わせすることを必要とする−本発明は、この位置合わせが容易に且つ効果的に起こる事を可能とする。この種の構成は、他の識別機能、例えば、1Dや2Dバーコードと共に使用されることができ、そこでは、係合トラックは、バーコード読み取り要素が正確にバーコードに位置合わせされることを保障する。
【0183】
図20は、本発明の更なる実施の形態を示す。ここで、タグ2000(横断面で示される)は、トラックの少なくとも一つの側に位置される識別機能2001を有する係合トラック2002(この場合、矩形断面ブラインド孔)を備える。係合トラックは、リーダの係合要素を挿入するために使用される一つの開口端を有する。図20に示されるように、タグが読み取られていない時、係合トラックは、ストッパー2009で閉鎖されることができる。図14、16,17,18,19及び29に示されるように係合トラックをキャビティとして有する構成は、識別機能が磨耗と引き裂きに対して良好に保護される利点がある。係合トラックがストッパーによって閉鎖される場合(図20で示されるように)、識別機能は、環境的ファクタに対してより一層良好に保護される。例えば、ストッパーは、タグにねじ止めされることができるキャップの形態を取り、それによって、ストッパーを固定し、ストッパーが抜け落ちることを防止する。また、ストッパーは、改ざん明示機能の何らかの形態を含むことが意図される。例えば、ストッパーがねじの頭の形態である場合、ストッパーは、ストッパーを開けるために、ユーザは、キャップの一部を壊す必要があるように設計される(こうするための方法は、文献で広く利用可能であり、実際、大部分のキャップ付瓶詰め商品は、現在この種の機能を含む)。このことは、読み取られたと思われる時よりも前に、キャップが開けられたか否か(及びタグが潜在的に読み取られたか改ざんされたか)を明確にすることを意味する。
【0184】
図21aと21bは、本発明に従う更なるオブジェクトを示す。このオブジェクトは、識別タグを備え、そこでは、前記識別タグは、識別層を備え、そこでは、読み取り可能識別機能が、識別タグの識別層に配置される。識別タグは、係合トラックがオブジェクトと識別タグによってオブジェクト中に形成されるようにオブジェクトに配置される。係合トラックは、読み取りトラックを介して識別層に配置された識別機能を読み取る読み取りデバイスの一部と形状が実質的に相補的であり、それによって、係合トラックは、読み取りデバイスの識別機能との容易な位置合わせを可能とする。
【0185】
図21aは、オブジェクトを横断面図で示し、図21bは、オブジェクトの平面図を示す。前述のように、本実施の形態では、オブジェクトは、価値のあるアイテム2104に埋め込まれたタグ2100を備える。タグは、識別層に配置される識別機能2101を含む。係合トラック2102は、価値のあるアイテムとタグ自体の表面であるベースによって提供される横方向壁よりなる。
【0186】
図21cは、図21aに示されるオブジェクトの識別機能を読み取るように構成されるリーダ2110の横断面図を示す。リーダは、オブジェクトのシグネチャを読み取るのに適する少なくとも一つ読み取り要素2111を備える。例えば、識別機能がランダムに分布された磁性粒子よりなる場合、読み取り要素もまた、本実施の形態では、例えば、磁気データ記憶テープ、VCR、フロッピーディスク又はハードディスクにおいて使用される磁気読み取りヘッドのような磁気センサであることができ、識別機能がランダムに分散された発光粒子を含む場合、読み取り要素は、光学センサや光検出器であることができる。読み取り要素は、オブジェクトと識別タグによって形成される係合トラックと係合するように設計される突起2112の一エッジから既知の固定距離に位置される。
【0187】
また、係合要素が突起である本実施の形態では、係合要素の幅“T”が係合トラック“Y”の幅と等しい又はそれよりも僅かに小さいように係合要素が設計され、それによって、係合要素は、係合トラックに係合することができる。幾つかの場合、幅“Y”よりも大きな幅“T”を有すること有利であるが、これらの場合、係合トラック又は係合要素は、有意な機械的係合が起こることができるように変形可能である必要がある。もし必要ならば、リーダは、一つ又はそれより多くの位置トラッキング要素2113を含むことができる。例えば、シグネチャの読み取り中に、リーダがオブジェクトに関して移動されて(また、その逆)繰り返し読み取りを達成する場合、幾つかの状況において、オブジェクトとリーダとの間の相対変位を正確に追跡することが重要であり、更に、読み取りが開始し/終了するべき開始ポイント及び/又は終了ポイントを指すようにオブジェクト上に少なくともマーキングを有することが有利である。
【0188】
例えば、位置トラッキング要素は、コンピュータの光学マウスに使用されているもののような光学位置センサであることができる。その位置センサが読み取りの開始及び/又は終了ポイント(及び多分両者の間にある位置マーキング)を識別するために使用される場合、光学バーコードセンサが良好に働くことを発見した。位置を感知するために他のセンサが使用でき、例えば、センサは、位置を識別するために設計された磁気マーク/機能をトラッキングする磁気センサであることができる。更に、時には、二つ以上の位置センサの組み合わせ、例えば、読み取りの開始と終了ポイントを識別するためのバーコードセンサとマーキング同士間での移動距離をトラッキングするための位置センサ(コンピュータマウスで使用されるような)を使用すると有利である。
【0189】
図22は、本発明の更なる実施の形態を示す。図22aは、オブジェクトの横断面図を示す。また、本実施の形態において、オブジェクトは、オブジェクトに含まれる識別タグと共に係合トラックを形成する。図22bは、オブジェクト2204の平面図を示す。本実施の形態において、オブジェクト2204は、価値のあるアイテムに埋め込まれるタグ2200よりなる。タグは、識別機能2201(最も薄い寸法が露出する識別層内に配置される)を含む。係合トラック2202は、価値のあるアイテムとタグ自体の表面であるベースによって提供される横方向壁よりなる。埋め込みプロセスは、適切な手段を使用してなされる、例えば、タグは、モールディングやスタンピングプロセス中にプラスチックや金属の価値のあるアイテムに押し込まれることができる。価値のあるアイテムが熱によって柔らかくなる(例えば、金属と熱可塑性ポリマー)場合の代替の方法は、価値のあるアイテムがオブジェクトとタグの境界で溶融して二つの部品は接着するように価値のあるアイテムが形成された後、加熱されたタグを価値のあるアイテムに押し込むことである。更なる代替の方法は、タグが嵌るに適する溝やスロットを価値のあるアイテムが含むように製造され、次に、タグが接着剤を使用して価値のあるアイテムへ接着されることである。これら三つの代替の方法が実証しているように、値のオブジェクトへタグを埋め込む多くの適切な方法があることである。図22aに示されるように、オブジェクトの係合トラックは、寸法“Z”の深さと寸法“Y”の幅を有する。識別機能の長さは、寸法“X”によって与えられる。
【0190】
図22cは、図22aに示されるタグを読み取るように構成されるリーダ2210の横断面図を示す。リーダ2210は、少なくとも一つの読み取り要素2211と係合トラック2202と係合するように設計される係合要素2212を備える。任意の位置トラッキング要素2213もまた示されている。係合要素の深さは、寸法”D”によって与えられ、その幅は、寸法”T”によって与えられる。“Z”と“D”の両方は、典型的には、本実施の形態において、同様に、少なくとも50マイクロメートルである。一旦係合されると、先に述べた実施の形態の文脈において説明されたように、幅“Y”は、幅“T”未満又はそれと同じであり、そこでは、“Y”と“T”は、係合中に対応する位置で測定される。
【0191】
図23は、本発明の更なる実施の形態を示す。図23aは、オブジェクトの横断面図を示す。オブジェクト2300は、識別機能2301(典型的には識別層に配置される)を含む。更に、オブジェクトは、係合トラック2202を備える。本実施の形態において、係合トラックは、オブジェクトに溝、チャネル、又はスロットとして形成された凹所である。係合トラックの深さは、寸法“Z”によって与えられ、その幅は、寸法“Y”によって与えられる。図23bは、図23aに示されるオブジェクトの平面図を示す。図23bに示されるように、識別機能(寸法“X”)は、係合トラックの全長の延出する−以前にも述べたが、これは、必要なことではない。
【0192】
図23cは、図23aに示されるオブジェクトを読み取るように構成されるリーダ2310の横断面図である。リーダ2310は、少なくとも一つの読み取り要素2311と係合トラック2302と係合するように設計された係合要素2312を備える。任意の位置トラッキング要素2313も示される。この実施の形態において、係合要素2312は、リーダから突出し、それによって、係合要素2312が係合トラック2302と係合できる。係合距離は、典型的には、少なくとも50マイクロメートルであり、その結果、係合要素512の高さ(寸法“Z”によって与えられる)は、通常、少なくとも50マイクロメートルであり、係合トラック502の深さもまた、少なくとも50マイクロメートルである。また、容易に係合するために、係合要素512の幅(寸法”T”で与えられる)は、係合トラックの幅(寸法”Y”によって与えられる)未満又はそれと等しい。幾つかの場合、幅“Y”よりも大きな幅“T”を有することが有利であるが、これらの場合、係合トラック又は係合要素は、容易に弾性的に変形しなければならず、それによって、有意な係合が発生する。
【0193】
図24は、本発明の更なる実施の形態を示す。図24aは、オブジェクト2400の横断面図を示す。オブジェクト2400は、識別機能2401を含む領域2402を備える。オブジェクトは、更に、係合トラック2402を備える。本実施の形態において、係合トラックは、オブジェクトのリッジである。係合トラックの高さは、寸法“Z”によって与えられ、その幅は、寸法“Y”によって与えられる。図24の実施の形態は、識別機能が係合トラックの表面内やその上にあることを必要としないことを強調しており−実際、幾つかの実施の形態において、識別機能は、トラックから離れていることができ、例えば、係合トラックの横の又は隣接する表面に配置されることができる。図24bは、図24aに示されるオブジェクトの平面図を示す。図24bに示すように、識別機能(寸法“X”)は、係合トラックの全長に延出することができる−以前に述べたように、これは、必要なことではない。
【0194】
図24cは、図24aに示されるオブジェクトを読み取るように構成されるリーダ2410の横断面図を示す。リーダ2410は、少なくとも一つの読み取り要素2411と係合トラック2402と係合するように設計された係合要素2412を備える。任意の位置トラッキング要素2413もまた示される。本実施の形態において、係合要素2412はスロットであり、それによって、係合要素2412が係合トラック2402に係合することができる。係合距離は、通常、少なくとも50マイクロメートルであり、その結果、係合要素2412の深さ(寸法“Z”によって与えられる)は、通常、少なくとも50マイクロメートルであり、係合トラック2402の高さもまた、少なくとも50マイクロメートルである。また、容易に係合するために、係合要素612の幅(寸法”T”で与えられる)は、係合トラックの幅(寸法”Y”によって与えられる)未満又はそれと等しい。
【0195】
図25は、本発明の更なる実施の形態を示す。図25aは、オブジェクトの横断面図を示し、図25bは、オブジェクトの一側の図を示す。オブジェクト2500は、識別機能2501を含む領域2504を備える。オブジェクトは、更に、係合トラック2502を備える。本実施の形態において、係合トラックは、オブジェクトの長手に沿って延出する矩形断面貫通孔である。その結果、一つの側から見ると(図25bに示されるように)、オブジェクトは、中空として現れる。図25aと図25bに示されるように、オブジェクトの係合トラックは、寸法“Z”の深さと“Y”と“H”の横断面寸法を有する。識別機能の長さは、寸法“X”によって与えられる。オブジェクト2500の識別機能は、図14に示されるようにリーダで読み取られることができる。
【0196】
図26は、本発明の更なる実施の形態を示し、本発明に従うオブジェクトの横断面図が示される。オブジェクトは、価値のあるアイテム2604に取り付けられるタグ2600を備える。タグは、識別機能2601を含む。タグが、価値のあるアイテムに取り付けられてオブジェクトを形成すると、この組み合わせユニットは、係合トラック2602を形成する−この場合、は、タグと価値のあるアイテムとの間のキャビティである。キャビティの頂壁と側壁は、タグから形成され、その底壁は、価値のあるアイテムから形成される。オブジェクトは、図14cに示されるものと類似の形態の適切なリーダを使用して読み取られることができる。
【0197】
図27は、本発明の更なる実施の形態を示し、本発明に従うオブジェクトの横断面図が示される。オブジェクトは、価値のあるアイテム2704に取り付けられるタグ2700を備える。価値のあるアイテムは、識別機能2701を含む。タグが、価値のあるアイテムに取り付けられてオブジェクトを形成すると、その組み合わせユニットは係合トラック2702を形成する−この場合、タグと価値のあるアイテムとの間にあるキャビティである。キャビティの頂壁と側壁は、タグから形成され、その底壁は、価値のあるアイテムから形成される。オブジェクトは、図14cに示されるものと類似の形態の適切なリーダを使用して読み取られることができる。
【0198】
図28は、本発明の更なる実施の形態を示す。図28aは、本発明に従うオブジェクト2800を示す。オブジェクトは、識別層2801を二つのシート材料2803と2805との間にラミネートすることによって作られる。また、価値のあるオブジェクト2804は、ラミネート構造体に挟まれる。ラミネート後、キー孔形状のスロットがラミネート構造体を貫通するように開口され、パンチング又はカットされる。このキー孔は、丸いエントリ孔2808と係合トラック2802を備える。識別層は、係合トラック2802の側に沿って露出される。ここで、明細書中を通して、用語”露出される“は、”適切な読み取りデバイスを使用して有意に読み取られるようにアクセス可能である“ということを意味するが、それは、識別層(又は識別情報)が直接的に環境に露出されることを必ずしも意味するわけではない−例えば、構造体は、識別情報の”露出された“エリアをコートする保護層を備えることができる。保護層は、識別機能が適切な読み取りデバイスによって有意に読み取られることができることを可能とする場合、識別情報は、露出されていると考えられる。本発明の他の実施の形態に関して、識別機能は、任意のデバイス読み取り可能機能よりなることができる。例えば、識別層が、一片の紙や織物からなる場合、リーダは、トラックによって露出される紙や織物のファイバーの相対位置を識別するために使用されることができる。これらの種類の識別機能をマッピングする方法は、文献で周知であり、例えば、英国特許出願第GB2417707号は、レーザスペックルを使用してフィンガープリントとして紙のファイバーを使用して紙を独自に識別することを記述している(その出願は、紙のファイバーと他の材料を識別子として使用する他の手段も記述している)。
【0199】
図28bは、図28aに示されるタグ2800を読み取るように構成される読み取りデバイスの横断面図を示す。読み取りデバイスは、リーダの係合要素2812がタグの係合トラック2802に沿って移動される時に、識別機能を読み取ることができるように配置される少なくとも一つの読み取り要素(図では、二つが示される)を備える。本実施の形態において、係合要素は、それが横方向へ移動されて係合トラックに完全に係合する前に、エントリ孔2808に挿入され、それによって、読み取り要素(単数又は複数)を識別機能に位置合わせする。
【0200】
図28aに示される構成は、織物と他の可撓性又は薄い値のオブジェクトに対して使用されるのに特に良好に適する。例えば、価値のあるアイテムが、一片の紙である場合、識別機能として、紙自体の繊維を使用することができる。これのことは、識別層2801が必要とされず、オブジェクトが識別層なしで存在できることを意味する。理由は、紙自体がオブジェクトを識別するために必要な識別層を形成するからである。
【0201】
次に、本発明方法のオブジェクトやタグで使用されることができる識別層の例とこのような識別層を作る方法の例が更に述べられる。
【0202】
図29aは、本発明のタグやオブジェクトで使用されることができる識別層2900(このように、一層タグと呼ばれることもできる)の形成を示す。ここで、磁性又は磁化可能粒子2901が非磁性マトリックス材料2902(このマトリックス材料は、制限するわけではないが、ポリマーや金属であることができる)。このミックスは、ホッパー2903から下方のパイプ2904へ流れ、押し出し/圧延機構2905を使用して押し出される及び/又は圧延される。結果としての識別層の斜視図が図29bに示される。この場合、識別層2900(寸法a、b、cを有する)が頂部又は底部に支持層を必要としないように十分に頑強であることができる。従って、この文脈において、識別層2900は、層が中にキャビティを形成するのに十分な厚みと安定性を有する場合、図16に例示されるように、本発明の”キャビティタグ“に変化されることができる。更に、層は、図18におけるインサートとして使用されてもよい。凹所は、ここで述べられるように、層が、”凹所タグ“にされるように、層の中に形成されることができる。また、例えば、方向bに沿う層の最も薄い寸法は、識別機能を読み取るために使用されることができ、層2900のb−c平面における主平面は、識別機能を世も取るために使用されることができる。
【0203】
次に、図30A乃至図30Hを参照して、識別されるように構成される識別タグやオブジェクトの実施の形態を製造するための方法中の図が記述される。
【0204】
図20A乃至図30Dは、そのようなタグやオブジェクトを製造するために使用されることができるプロセスを示す。最初に、図30Aに示されるように、ニッケルフレーク3000は、ポリマーラミネートシート3001の糊を含む側にブラシでこすり付けられる。次に、図30Bに示されるように、もう一つのラミネートシート3002が重ねられ材料のスタックは、そのスタックを110℃でかつ最も低い事前設定速度で従来のオフィス固定ラミネーターを通過させることによって一緒にラミネートされる。そうすることで、タグやオブジェクト3010(図30Bと30Fに未アセンブル状態で示される)が得られる。適切な場合、次に、図30Cに示されるように、エッジ横断面は、識別層の読み取りトラック3003を含む滑らかな表面が露出されることを確実とするために研磨される。次に、読み取りトラック3003を露出する主表面又はエッジが、図30Dに示されるように、フィンガープリント/シグネチャ3004を提供するために、磁界センサを使用して読み取られることができ、そこでは、粒子は、フィンガープリント/シグネチャにおけるピークと一致する磁界におけるピークを引き起こす。適切な磁界センサは、誘導ヘッド、AMRヘッド、GMRヘッド及び磁気光学カー効果検出器を含む。図30F乃至図30Hに示される、識別するように構成される識別タグやオブジェクトの実施の形態を製造するプロセスは、識別層の平面に配置される長尺状のニッケルフレーク、ファイバー又はウイスカーが使用されることを除いて、図30A乃至図30Dのものと同一である。ニッケルフレークの異なるサイズ、形状及び配置のために、トラックを読み取ることから得られるフィンガープリント3004は、勿論、図30Dにおけるものとは異なっている。長尺形状は、トラックから検出される磁気信号が、実質的に、面外磁気信号であり、信号の検出をより容易にし(従って、フィンガープリントがより容易に読み取られる)そしてタグを偽造するのをより難しくするという更なる利点を与える。次に、例えば、図30に示される構造体3010は、値のオブジェクトに含まれてオブジェクト内に係合トラックを形成することができる(例えば、図4を参照する)か、それがオブジェクトと共に係合を形成する用にオブジェクトに含まれることができる(例えば、図21と図22を参照する)か、図17に示されるようにキャビティタグにされることができるか、又は図18に示されるようにタグやオブジェクトに含まれることができる。
【0205】
本発明は、好適な実施の形態に関して記述されたが、多くのバリエーション及び変更が、以下の請求項に述べられる本発明の精神と範囲から離れることなく、行われることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オブジェクトを識別するための識別タグであって、前記オブジェクトへ前記識別タグが取り付けられることができ、
前記識別タグは、適応層を備え、
前記適応層は、少なくとも一つの適応凹所を備え、
前記適応凹所は、少なくとも部分的にランダムに分布された材料を備え、前記少なくとも部分的にランダムに分布された材料は、前記オブジェクトを識別するための読み取り可能識別機能を形成することを特徴とする識別タグ。
【請求項2】
前記タグは、それが識別されるべきオブジェクトへ取り付け可能であるように構成されることを特徴とする請求項1に記載の識別タグ。
【請求項3】
前記適応層の少なくとも一つ表面は、少なくとも部分的に接着性があるか又は熱接合を受けるのに少なくとも部分的に適することを特徴とする請求項2に記載の識別タグ。
【請求項4】
前記適応層は、ポリマー材料、金属、セラミック又は自然発生有機材料からなる群から選択された材料よりなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の識別タグ。
【請求項5】
前記ポリマー材料は、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、エポキシ樹脂、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリイミド、及びポリシリコンからなる群から選択されることを特徴とする請求項4に記載の識別タグ。
【請求項6】
前記ランダムに分布された材料は、複数のランダムに分布された粒子よりなることを特徴とする請求項1乃至5項のいずれか一項に記載の識別タグ。
【請求項7】
前記ランダムに分布された粒子は、複数のランダムに分布された磁性又は磁化可能粒子、複数に分布された導電性及び/又は半導電性粒子、複数のランダムに分布された光活性粒子又は光学的に区別可能な粒子又は前記粒子の混合物からなることを特徴とする請求項6に記載の識別タグ。
【請求項8】
前記磁性粒子は、フェリ磁性体、反強磁性体、強磁性体、又は連続する材料(可変磁性を引き起こすボイドを含む)内の変化する磁性のドメイン、及びそれらの組み合わせよりなることを特徴とする請求項7に記載の識別タグ。
【請求項9】
前記強磁性体は、MnBi、CrTe、EuO、CrO2、MnAs、Fe、Ni、Co、Gd、Dy、対応する合金及びFe、Ni、Co、Sm、Gd、Dyの酸化物、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項8に記載の識別タグ。
【請求項10】
前記光活性粒子は、染料粒子、染料コーティング粒子、発光粒子、量子ドット粒子、光輝性粒子、偏光クリスタル、キラル分子、液晶、複屈折粒子、及びそれらの混合物よりなる群から選択される粒子よりなることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか一項に記載の識別タグ。
【請求項11】
前記光学的に区別可能な粒子は、金属粒子、セラミック粒子、ポリマー粒子、紙内のファイバーのような自然に発生する粒子、ボイド又はバブル及び連続する材料内の変化する光学特性のドメイン及びそれらの混合物よりなる群から選択される粒子よりなることを特徴とする請求項7乃至10のいずれか一項に記載の識別タグ。
【請求項12】
前記導電性粒子は、金属粒子、カーボンブラック粒子、グラファイト粒子、金属コーティング粒子、ボイド又はバブル及び連続する材料内の変化する導電性のドメイン及びそれらの混合物から選択される材料よりなることを特徴とする請求項7乃至11のいずれか一項に記載の識別タグ。
【請求項13】
前記導電性粒子は、(ポリ)シリコン、ガリウム砒素、窒化ガリウム、白金シリサイド、窒化珪素、及びシリコンクロム(SiCr)よりなることを特徴とする請求項7乃至12のいずれか一項に記載の識別タグ。
【請求項14】
平均粒子は、約10ナノメートルと約500マイクロメートルとの間の最も大きな寸法を有することを特徴とする請求項7乃至13のいずれか一項に記載の識別タグ。
【請求項15】
前記タグは、前記適応層の頂部に配置されるカバー層を備えることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか一項に記載の識別タグ。
【請求項16】
前記少なくとも一つの適応凹所は、本質的に適応層の長手方向へ配置されることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか一項に記載の識別タグ。
【請求項17】
前記少なくとも一つの適応凹所は、本質的に適応層の横断面方向へ配置されることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか一項に記載の識別タグ。
【請求項18】
前記少なくとも一つの適応凹所は連続することを特徴とする請求項1乃至17の一項に記載の識別タグ。
【請求項19】
前記少なくとも一つの適応凹所は穿孔されることを特徴とする請求項1乃至17のいずれか一項に記載の識別タグ。
【請求項20】
請求項1乃至19のいずれか一項で定義される識別タグが取り付けられたことを特徴とするオブジェクト。
【請求項21】
前記識別タグは、オブジェクト(の外表面)に、前記タグが前記オブジェクト上に係合トラックを形成するように取り付けられ、前記係合トラックは、識別層に配置される識別機能を読み取る読み取りデバイスの一部と形状が本質的に相補的であり、それによって、係合トラックは、識別機能に関して前記読み取りデバイスの容易な位置合わせを可能とすることを特徴とする請求項20に記載のオブジェクト。
【請求項22】
オブジェクトを識別するための識別タグであって、前記オブジェクトへ前記識別タグが取り付けられることができ、前記識別タグは、キャビティを備え、
読み取り可能識別機能は、前記タグ内に、識別機能を読み取るためのキャビティ内に挿入される読み取りデバイスの一部によって前記識別機能が読み取られることができるように配置され、
前記キャビティは、係合トラックが前記タグ内に形成されるように設計され、
前記係合トラックは、前記タグ内に配置される前記識別機能を読み取る読み取りデバイスの一部に対して形状が本質的に相補的であり、前記係合トラックによって、前記識別機能に対して前記読み取りデバイスの前記一部の容易な位置合わせが可能となることを特徴とする識別タグ。
【請求項23】
前記識別機能は、チップ、磁気ストリップ、シリアル番号、又は光学マーキングに配置されることを特徴とする請求項22に記載の識別タグ。
【請求項24】
前記チップは、高周波タグ識別(RFID)チップ又は接触ベースのチップであることを特徴とする請求項23に記載の識別タグ。
【請求項25】
前記光学マーキングは、バーコード又はホログラムであることを特徴とする請求項22に記載の識別タグ。
【請求項26】
ベース層を備え、前記チップは、前記ベース層中に配置されるか又はその上に取り付けられるか、又は前記光学マーキングは、前記ベース層中に又は上に配置されることを特徴とする請求項22乃至25のいずれか一項に記載の識別タグ。
【請求項27】
頂部層を更に備えることを特徴とする請求項26に記載の識別タグ。
【請求項28】
前記頂部層又は前記ベース層は、前記頂部層を前記底部層に取り付けることによって前記キャビティが形成されるように設計されることを特徴とする請求項27に記載の識別タグ。
【請求項29】
前記タグは、識別層を備え、
前記読み取り可能識別機能は、前記識別層に配置され、
前記識別機能は、前記識別層に含まれる少なくとも部分的にランダムに分布された材料によって形成され、
前記識別層は、前記タグ内に、前記識別機能を読み取るために前記キャビティ内に挿入される読み取りデバイスの一部によって前記識別機能が読み取られることができるように配置され、前記係合トラックによって、前記識別機能に対して前記読み取りデバイスの読み取りヘッドの前記一部の容易な位置合わせが可能となることを特徴とする請求項22乃至28のいずれか一項に記載の識別タグ。
【請求項30】
前記ランダムに分布された材料は、複数のランダムに分布された粒子よりなることを特徴とする請求項29に記載の識別タグ。
【請求項31】
前記ランダムに分布された粒子は、複数のランダムに分布された磁性又は磁化可能粒子、複数のランダムに分布された導電性及び/又は半導電性粒子、複数のランダムに分布された光活性粒子又は光学的に区別可能な粒子又は前記粒子の混合物からなることを特徴とする請求項30に記載の識別タグ。
【請求項32】
前記磁性粒子は、フェリ磁性体、反強磁性体、強磁性体、又は連続する材料(可変磁性を引き起こすボイドを含む)内の変化する磁性のドメイン、及びそれらの組み合わせよりなることを特徴とする請求項31に記載の識別タグ。
【請求項33】
前記強磁性体は、MnBi、CrTe、EuO、CrO、MnAs、Fe、Ni、Co、Gd、Dy、対応する合金及びFe、Ni、Co、Sm、Gd、Dyの酸化物及びそれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項32に記載の識別タグ。
【請求項34】
前記光活性粒子は、染料粒子、染料コーティング粒子、発光粒子、量子ドット粒子、光輝性粒子、偏光クリスタル、キラル分子、液晶、複屈折粒子、ボイド又はバブル及び連続する材料内の変化する光学特性及びそれらの混合物よりなる群から選択される粒子よりなることを特徴とする請求項31乃至33のいずれか一項に記載の識別タグ。
【請求項35】
前記光学的に区別可能な粒子は、金属粒子、セラミック粒子、ポリマー粒子、紙内のファイバーのような自然に発生する粒子、ボイド又はバブル及び連続する材料内の変化する光学特性のドメイン及びそれらの混合物よりなる群から選択された粒子よりなることを特徴とする請求項31乃至34のいずれか一項に記載の識別タグ。
【請求項36】
前記導電性粒子は、金属粒子、カーボンブラック粒子、グラファイト粒子、金属コーティング粒子、ボイド又はバブル及び連続する材料内の変化する導電性のドメイン及びそれらの混合物から選択される材料よりなることを特徴とする請求項31乃至35のいずれか一項に記載の識別タグ。
【請求項37】
前記導電性粒子は、(ポリ)シリコン、ガリウム砒素、窒化ガリウム、白金シリサイド、窒化珪素、シリコンクロム(SiCr)及びそれらの混合物よりなることを特徴とする請求項31乃至36のいずれか一項に記載の識別タグ。
【請求項38】
平均粒子は、約10ナノメートルと約500マイクロメートルとの間の最も大きな寸法を有することを特徴とする請求項31乃至37のいずれか一項に記載の識別タグ。
【請求項39】
前記タグは、層構造体よりなり、前記識別層は、ベース層と頂部層との間に配置されることを特徴とする請求項29乃至38のいずれか一項に記載の識別タグ。
【請求項40】
前記キャビティは、前記識別層の少なくとも一部が、前記識別機能を読み取るために露出されるように形成されることを特徴とする請求項39に記載の識別タグ。
【請求項41】
前記キャビティは、規則正しい形状を有することを特徴とする請求項22乃至40のいずれか一項に記載の識別タグ。
【請求項42】
前記キャビティは、実質的に円形横断形状又は多角形横断形状を有することを特徴とする請求項41に記載の識別タグ。
【請求項43】
前記実質的に円形状は、円形又は楕円形であることを特徴とする請求項43に記載の識別タグ。
【請求項44】
前記多角形は、実質的に三角形、四角形、矩形、五角形、六角形、又は八角形であることを特徴とする請求項43に記載の識別タグ。
【請求項45】
前記キャビティは、一つの開口又は二つの開口よりなることを特徴とする請求項22乃至44のいずれか一項に記載の識別タグ。
【請求項46】
前記層構造体は、前記ベース層と前記頂部層との間に配置される少なくとも一つの更なる識別層を備えることを特徴とする請求項29乃至45のいずれか一項に記載の識別タグ。
【請求項47】
前記層構造体は、前記識別層と前記更なる識別層との間に配置される少なくとも一つの中間層を備えることを特徴とする請求項46に記載の識別タグ。
【請求項48】
前記タグは、それが識別されるべきオブジェクトに取り付け可能であるように構成されることを特徴とする請求項22乃至47のいずれか一項に記載の識別タグ。
【請求項49】
前記識別されるべきオブジェクトに取り付け可能であるために、前記タグの少なくとも一つの外表面が少なくとも部分的に接着性であるか又は熱接合を受けるのに少なくとも部分的に適することを特徴とする請求項48に記載の識別タグ。
【請求項50】
前記ベース層は、ポリマー材料、金属、セラミック、又は自然に生じる有機材料からなる群から選択される材料よりなることを特徴とする請求項22乃至49のいずれか一項に記載の識別タグ。
【請求項51】
請求項22乃至50のいずれか一項で定義される識別タグが取り付けられたことを特徴とするオブジェクト。
【請求項52】
識別されるように構成されるオブジェクトであって、前記オブジェクトは、キャビティを備え、
読み取り可能識別機能は、前記オブジェクト内に、識別機能を読み取るためのキャビティ内に挿入される読み取りデバイスの一部によって前記識別機能が読み取られることができるように配置され、
前記キャビティは、係合トラックが前記オブジェクト内に形成されるように設計され、
前記係合トラックは、前記オブジェクトに配置される前記識別機能を読み取る読み取りデバイスの前記一部に対して形状が本質的に相補的であり、前記係合トラックによって、前記識別機能に対して前記読み取りデバイスの前記一部の容易な位置合わせが可能となることを特徴とするオブジェクト。
【請求項53】
前記識別機能は、チップ、磁気ストリップ、シリアル番号、又は光学マーキングに配置されることを特徴とする請求項52に記載のオブジェクト。
【請求項54】
前記チップは、高周波タグ識別(RFID)チップ又は接触ベースのチップであることを特徴とする請求項53に記載のオブジェクト。
【請求項55】
前記光学マーキングは、バーコード又はホログラムであることを特徴とする請求項53に記載のオブジェクト。
【請求項56】
ベース層を備え、前記チップは、前記ベース層中に配置されるか又はその上に取り付けられるか、又は前記光学マーキングは、前記ベース層中に又は上に配置されることを特徴とする請求項52乃至55のいずれか一項に記載のオブジェクト。
【請求項57】
頂部層を更に備えることを特徴とする請求項56に記載のオブジェクト。
【請求項58】
前記頂部層又は前記ベース層は、前記頂部層を前記底部層に取り付けることによって前記キャビティが形成されるように設計されることを特徴とする請求項57に記載のオブジェクト。
【請求項59】
前記オブジェクトは、識別層を備え、
前記読み取り可能識別機能は、前記識別層内に配置され、
前記識別機能は、前記識別層に含まれる少なくとも部分的にランダムに分布された材料によって形成され、
前記識別層は、前記タグ内に、前記識別機能を読み取るために前記キャビティ内に挿入される読み取りデバイスの前記一部によって前記識別機能が読み取られることができるように配置されることを特徴とする請求項52乃至58のいずれか一項に記載のオブジェクト。
【請求項60】
前記ランダムに分布された材料は、複数のランダムに分布された粒子よりなることを特徴とする請求項59に記載のオブジェクト。
【請求項61】
前記ランダムに分布された粒子は、複数のランダムに分布された磁性又は磁化可能粒子、複数に分布された導電性及び/又は半導電性粒子、複数のランダムに分布された光活性又は光学的に区別可能な粒子又は前記粒子の混合物からなることを特徴とする請求項60に記載のオブジェクト。
【請求項62】
前記磁性粒子は、フェリ磁性体、反強磁性体、強磁性体、又は連続する材料(可変磁性を引き起こすボイドを含む)内の変化する磁性のドメイン、及びそれらの組み合わせよりなることを特徴とする請求項61に記載のオブジェクト。
【請求項63】
前記強磁性体は、MnBi、CrTe、EuO、CrO、MnAs、Fe、Ni、Co、Gd、Dy、対応する合金及びFe、Ni、Co、Sm、Gd、Dyの酸化物及びそれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項62に記載のオブジェクト。
【請求項64】
前記光活性粒子は、染料粒子、染料コーティング粒子、発光粒子、量子ドット粒子、光輝性粒子、偏光クリスタル、キラル分子、液晶、複屈折粒子、ボイド又はバブル、及び連続する材料内の変化する光学特性のドメイン及びそれらの混合物よりなる群から選択される粒子よりなることを特徴とする請求項61乃至63のいずれか一項に記載のオブジェクト。
【請求項65】
前記光学的に区別可能な粒子は、金属粒子、セラミック粒子、ポリマー粒子、紙内のファイバーのような自然に発生する粒子、ボイド又はバブル及び連続する材料内の変化する光学特性のドメイン及びそれらの混合物よりなる群から選択された粒子よりなることを特徴とする請求項61乃至64の一項に記載のオブジェクト。
【請求項66】
前記導電性粒子は、金属粒子、カーボンブラック粒子、グラファイト粒子、金属コーティング粒子、ボイド又はバブル及び連続する材料内の変化する導電性のドメイン及びそれらの混合物から選択される材料よりなることを特徴とする請求項61乃至65のいずれか一項に記載のオブジェクト。
【請求項67】
前記導電性粒子は、(ポリ)シリコン、ガリウム砒素、窒化ガリウム、白金シリサイド、窒化珪素、シリコンクロム(SiCr)、及びそれらの混合物から選択された材料よりなることを特徴とする請求項61乃至67のいずれか一項に記載のオブジェクト。
【請求項68】
平均粒子は、約10ナノメートルと約500マイクロメートルとの間の最も大きな寸法を有することを特徴とする請求項61乃至67のいずれか一項に記載のオブジェクト。
【請求項69】
前記キャビティは、前記識別層の少なくとも一部が前記識別機能を読み取るために露出されるように形成されることを特徴とする請求項59乃至68のいずれか一項に記載のオブジェクト。
【請求項70】
前記キャビティは、規則正しい形状を有することを特徴とする請求項52乃至69のいずれか一項に記載のオブジェクト。
【請求項71】
前記キャビティは、実質的に円形横断形状又は多角形横断形状を有することを特徴とする請求項70に記載のオブジェクト。
【請求項72】
前記実質的に円形状は、円形又は楕円形であることを特徴とする請求項71に記載のオブジェクト。
【請求項73】
前記多角形は、実質的に三角形、四角形、矩形、五角形、六角形、又は八角形であることを特徴とする請求項72に記載のオブジェクト。
【請求項74】
前記キャビティは、一つの開口又は二つの開口よりなることを特徴とする請求項52乃至73のいずれか一項に記載のオブジェクト。
【請求項75】
前記オブジェクトは、エンジニアリングコンポーネントであることを特徴とする請求項52乃至75のいずれか一項に記載のオブジェクト。
【請求項76】
前記エンジニアリングコンポーネントは、金属、金属合金、セラミック、ポリマー材料、ファイバーグラス又はカーボンファイバーから作られる請求項75に記載のオブジェクト。
【請求項77】
オブジェクトを識別するための識別タグであって、前記オブジェクトへ前記識別タグが取り付けられることができ、前記識別タグは、識別層を備え、
読み取り可能識別機能が前記識別層に配置され、前記識別機能は、前記識別層に含まれるランダムに分布された材料によって少なくとも部分的に形成され、
前記識別層は、前記識別タグに、係合トラックが前記タグ内に形成されるように配置され、前記係合トラックは、前記識別層に配置される前記識別機能を読み取るように読み取りデバイスの一部に形状が実質的に相補的であり、前記係合トラックによって、前記識別機能に対して前記読み取りデバイスの前記一部の容易な位置合わせが可能となることを特徴とする識別タグ。
【請求項78】
前記係合トラックは、前記タグ中に凹所として形成され、前記識別層は、前記凹所内に配置されることを特徴とする請求項77に記載の識別タグ。
【請求項79】
前記識別層は、前記凹所の頂部又は底部壁内に又はその上に配置されることを特徴とする請求項78に記載の識別タグ。
【請求項80】
前記識別層は、前記凹所の横壁に又は内に配置されることを特徴とする請求項78に記載の識別タグ。
【請求項81】
前記係合トラックは、少なくとも50マイクロメートルの、少なくとも150マイクロメートルの、少なくとも200マイクロメートルの、又は少なくとも250マイクロメートルの深さを有することを特徴とする請求項78乃至80のいずれか一項に記載の識別タグ。
【請求項82】
前記係合トラックは、前記タグの突起として形成され、前記識別層は、前記タグの前記突起内に配置されることを特徴とする請求項77に記載の識別タグ。
【請求項83】
前記識別層は、前記突起の頂壁内に又は上に配置されることを特徴とする請求項82に記載の識別タグ。
【請求項84】
前記識別層は、前記突起の横壁内に又は上に配置されることを特徴とする請求項83に記載の識別タグ。
【請求項85】
前記係合トラックは、少なくとも50マイクロメートルの、少なくとも150マイクロメートルの、少なくとも200マイクロメートルの、又は少なくとも250マイクロメートルの高さを有することを特徴とする請求項82乃至84のいずれか一項に記載の識別タグ。
【請求項86】
前記識別層は、前記凹所又は前記突起に対して横方向に位置される領域中の前記タグに配置されることを特徴とする請求項78乃至86のいずれか一項に記載の識別タグ。
【請求項87】
前記識別層の主表面は、前記識別機能を読み取るために露出されることを特徴とする請求項77乃至86のいずれか一項に記載の識別タグ。
【請求項88】
前記識別層の最も薄い寸法は、前記識別機能を読み取るために露出されることを特徴とする請求項77乃至86のいずれか一項に記載の識別タグ。
【請求項89】
前記係合トラックは、規則的な形状を有することを特徴とする請求項77乃至86のいずれか一項に記載の識別タグ。
【請求項90】
前記係合トラックは、実質的に円形横断形状又は多角形横断形状を有することを特徴とする請求項89に記載の識別タグ。
【請求項91】
前記実質的に円形状は、円形又は楕円形であることを特徴とする請求項90に記載の識別タグ。
【請求項92】
前記多角形は、実質的に三角形、四角形、矩形、五角形、六角形、又は八角形であることを特徴とする請求項90に記載の識別タグ。
【請求項93】
前記タグは、前記識別機能を読み取るプロセス中に前記リーダの読み取り部分の位置合わせを更に容易にする位置合わせマーキングを備えることを特徴とする請求項77乃至92のいずれか一項に記載の識別タグ。
【請求項94】
前記ランダムに分布された材料は、複数のランダムに分布された粒子よりなる請求項77乃至93のいずれか一項に記載の識別タグ。
【請求項95】
前記ランダムに分布された粒子は、複数のランダムに分布された磁性又は磁化可能粒子、複数に分布された導電性及び/又は半導電性粒子、複数のランダムに分布された光活性粒子又は光学的に区別可能な粒子又は前記粒子の混合物からなることを特徴とする請求項94に記載の識別タグ。
【請求項96】
前記磁性粒子は、フェリ磁性体、反強磁性体、強磁性体、又は連続する材料(可変磁性を引き起こすボイドを含む)内の変化する磁性のドメイン、及びそれらの組み合わせよりなることを特徴とする請求項95に記載の識別タグ。
【請求項97】
前記強磁性体は、MnBi、CrTe、EuO、CrO、MnAs、Fe、Ni、Co、Gd、Dy、対応する合金及びFe、Ni、Co、Sm、Gd、Dyの酸化物及びそれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項96に記載の識別タグ。
【請求項98】
前記光活性粒子は、染料粒子、染料コーティング粒子、発光粒子、量子ドット粒子、光輝性粒子、偏光クリスタル、キラル分子、液晶、複屈折粒子、ボイド又はバブル、及び連続する材料内の変化する光学特性のドメイン及びそれらの混合物よりなる群から選択される粒子よりなることを特徴とする請求項95乃至97のいずれか一項に記載の識別タグ。
【請求項99】
前記光学的に区別可能な粒子は、金属粒子、セラミック粒子、ポリマー粒子、紙内のファイバーのような自然に発生する粒子、ボイド又はバブル及び連続する材料内の変化する光学特性のドメイン及びそれらの混合物よりなる群から選択される粒子よりなることを特徴とする請求項95乃至98のいずれか一項に記載の識別タグ。
【請求項100】
前記導電性粒子は、金属粒子、カーボンブラック粒子、グラファイト粒子、金属コーティング粒子、ボイド又はバブル及び連続する材料内の変化する導電性のドメイン及びそれらの混合物よりなる群から選択される材料よりなることを特徴とする請求項95乃至99のいずれか一項に記載の識別タグ。
【請求項101】
前記導電性粒子は、(ポリ)シリコン、ガリウム砒素、窒化ガリウム、白金シリサイド、窒化珪素、及びシリコンクロム(SiCr)よりなることを特徴とする請求項95乃至100のいずれか一項に記載の識別タグ。
【請求項102】
平均粒子は、約10ナノメートルと約500マイクロメートルとの間の最も大きな寸法を有することを特徴とする請求項95乃至101のいずれか一項に記載の識別タグ。
【請求項103】
請求項77乃至102のいずれか一項に記載の識別タグを取り付けたオブジェクト。
【請求項104】
識別されるように構成されたオブジェクトであって、前記オブジェクトは、識別層を備え、
読み取り可能識別機能が前記識別層に配置され、前記識別機能は、前記識別層に含まれるランダムに分布された材料によって少なくとも部分的に形成され、
前記識別層は、前記オブジェクトに、係合トラックが前記オブジェクト内に形成されるように配置され、前記係合トラックは、前記識別層に配置される前記識別機能を読み取る読み取りデバイスの一部に形状が実質的に相補的であり、前記係合トラックによって、前記識別機能に対して前記読み取りデバイスの前記一部の容易な位置合わせが可能となることを特徴とするオブジェクト。
【請求項105】
前記係合トラックは、前記タグ中に凹所として形成され、前記識別層は、前記凹所内に配置されることを特徴とする請求項104に記載のオブジェクト。
【請求項106】
前記識別層は、前記オブジェクトの前記凹所内又は前記凹所の底壁上に配置されることを特徴とする請求項105に記載のオブジェクト。
【請求項107】
前記識別層は、前記凹所に又は前記凹所の横壁内に配置されることを特徴とする請求項106に記載のオブジェクト。
【請求項108】
前記係合トラックは、少なくとも50マイクロメートルの、少なくとも150マイクロメートルの、少なくとも200マイクロメートルの、又は少なくとも250マイクロメートルの深さを有することを特徴とする請求項105乃至107のいずれか一項に記載のオブジェクト。
【請求項109】
前記係合トラックは、前記オブジェクトの突起として形成され、前記識別層は、前記オブジェクトの前記突起内に配置されることを特徴とする請求項104に記載のオブジェクト。
【請求項110】
前記識別層は、前記突起の頂壁内に又は上に配置されることを特徴とする請求項109に記載のオブジェクト。
【請求項111】
前記識別層は、前記突起の横壁内に又は上に配置されることを特徴とする請求項110に記載のオブジェクト。
【請求項112】
前記係合トラックは、少なくとも50マイクロメートルの、少なくとも150マイクロメートルの、少なくとも200マイクロメートルの、又は少なくとも250マイクロメートルの高さを有することを特徴とする請求項109乃至112のいずれか一項に記載のオブジェクト。
【請求項113】
前記識別層は、前記凹所又は前記突起に対して横方向に位置される領域中の前記タグに配置されることを特徴とする請求項105乃至112のいずれか一項に記載のオブジェクト。
【請求項114】
前記識別層の主表面は、前記識別機能を読み取るために露出されることを特徴とする請求項104乃至113のいずれか一項に記載のオブジェクト。
【請求項115】
前記識別層の最も薄い寸法は、前記識別機能を読み取るために露出されることを特徴とする請求項104乃至113のいずれか一項に記載のオブジェクト。
【請求項116】
前記係合トラックは、規則的な形状を有することを特徴とする請求項104乃至115のいずれか一項に記載のオブジェクト。
【請求項117】
前記係合トラックは、実質的に円形横断形状又は多角形横断形状を有することを特徴とする請求項116に記載のオブジェクト。
【請求項118】
前記実質的に円形状は、円形又は楕円形であることを特徴とする請求項117に記載のオブジェクト。
【請求項119】
前記多角形は、実質的に三角形、四角形、矩形、五角形、六角形、又は八角形であることを特徴とする請求項118に記載のオブジェクト。
【請求項120】
前記オブジェクトは、前記識別機能を読み取るプロセス中に前記リーダの読み取り部分の位置合わせを更に容易にする位置合わせマーキングを備えることを特徴とする請求項104乃至119のいずれか一項に記載のオブジェクト。
【請求項121】
前記ランダムに分布された材料は、複数のランダムに分布された粒子よりなることを特徴とする請求項104乃至120のいずれか一項に記載のオブジェクト。
【請求項122】
前記ランダムに分布された粒子は、複数のランダムに分布された磁性又は磁化可能粒子、複数に分布された導電性及び/又は半導電性粒子、複数のランダムに分布された光活性粒子又は光学的に区別可能な粒子又は前記粒子の混合物からなることを特徴とする請求項121に記載のオブジェクト。
【請求項123】
前記磁性粒子は、フェリ磁性体、反強磁性体、強磁性体、又は連続する材料(可変磁性を引き起こすボイドを含む)内の変化する磁性のドメイン、及びそれらの組み合わせよりなることを特徴とする請求項122に記載のオブジェクト。
【請求項124】
前記強磁性体は、MnBi、CrTe、EuO、CrO、MnAs、Fe、Ni、Co、Gd、Dy、対応する合金及びFe、Ni、Co、Sm、Gd、Dyの酸化物及びそれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項123に記載のオブジェクト。
【請求項125】
前記光活性粒子は、染料粒子、染料コーティング粒子、発光粒子、量子ドット粒子、光輝性粒子、偏光クリスタル、キラル分子、液晶、複屈折粒子、ボイド又はバブル、及び連続する材料内の変化する光学特性のドメイン及びそれらの混合物よりなる群から選択される粒子よりなることを特徴とする請求項122乃至124のいずれか一項に記載のオブジェクト。
【請求項126】
前記光学的に区別可能な粒子は、金属粒子、セラミック粒子、ポリマー粒子、紙内のファイバーのような自然に発生する粒子、ボイド又はバブル及び連続する材料内の変化する光学特性のドメイン及びそれらの混合物よりなる群から選択される粒子よりなることを特徴とする請求項122乃至125のいずれか一項に記載の識別タグ。
【請求項127】
前記導電性粒子は、金属粒子、カーボンブラック粒子、グラファイト粒子、金属コーティング粒子、ボイド又はバブル及び連続する材料内の変化する導電性のドメイン及びそれらの混合物よりなる群から選択される材料よりなることを特徴とする請求項122乃至1261の一項に記載のオブジェクト。
【請求項128】
前記導電性粒子は、(ポリ)シリコン、ガリウム砒素、窒化ガリウム、白金シリサイド、窒化珪素、及びシリコンクロム(SiCr)よりなることを特徴とする請求項122乃至127のいずれか一項に記載のオブジェクト。
【請求項129】
平均粒子は、約10ナノメートルと約500マイクロメートルとの間の最も大きな寸法を有することを特徴とする請求項122乃至128のいずれか一項に記載のオブジェクト。
【請求項130】
識別タグを備えるオブジェクトであって、前記識別タグオブジェクトは、識別層を備え、
読み取り可能識別機能が前記識別タグの前記識別層に配置され、前記識別機能は、前記識別層に含まれるランダムに分布された材料によって少なくとも部分的に形成され、
前記識別タグは、前記オブジェクトに、係合トラックが前記オブジェクトと前記識別タグによって形成されるように配置され、前記係合トラックは、前記読み取りトラックを介して前記識別層に配置される前記識別機能を読み取る読み取りデバイスの一部に対して形状が実質的に相補的であり、前記係合トラックによって、前記識別機能に対して前記読み取りデバイスの前記一部の容易な位置合わせが可能となることを特徴とするオブジェクト。
【請求項131】
前記係合トラックは、前記オブジェクトの凹所として形成され、前記識別タグは、前記凹所内に配置され、且つ前記タグは、前記係合トラックの少なくとも一表面を形成すること特徴とする請求項130に記載のオブジェクト。
【請求項132】
前記識別タグは、前記オブジェクトの前記凹所の底壁上に配置されること特徴とする請求項131に記載のオブジェクト。
【請求項133】
前記識別タグは、前記凹所の横壁上に配置されること特徴とする請求項132に記載のオブジェクト。
【請求項134】
前記係合トラックは、少なくとも50マイクロメートルの、少なくとも150マイクロメートルの、少なくとも200マイクロメートルの、又は少なくとも250マイクロメートルの深さを有することを特徴とする請求項130乃至133のいずれか一項に記載のオブジェクト。
【請求項135】
前記係合トラックは、前記オブジェクトの突起として形成され、前記識別タグは、前記オブジェクトの前記突起内に配置され、前記識別タグは、前記係合トラックの少なくとも一表面を形成すること特徴とする請求項130に記載のオブジェクト。
【請求項136】
前記識別層は、前記突起の頂壁上に配置されること特徴とする請求項135に記載のオブジェクト。
【請求項137】
前記識別層は、前記突起の横壁上に配置されること特徴とする請求項136に記載のオブジェクト。
【請求項138】
前記係合トラックは、少なくとも50マイクロメートルの、少なくとも150マイクロメートルの、少なくとも200マイクロメートルの、又は少なくとも250マイクロメートルの高さを有することを特徴とする請求項135乃至137のいずれか一項に記載のオブジェクト。
【請求項139】
前記識別層は、前記凹所又は前記突起に対して横方向に位置される領域中のオブジェクトに配置されることを特徴とする請求項130乃至138のいずれか一項に記載のオブジェクト。
【請求項140】
前記識別層の主表面は、前記識別機能を読み取るために露出されることを特徴とする請求項130乃至139のいずれか一項に記載のオブジェクト。
【請求項141】
前記識別層の最も薄い寸法は、前記識別機能を読み取るために露出されることを特徴とする請求項130乃至139のいずれか一項に記載のオブジェクト。
【請求項142】
前記係合トラックは、規則的な形状を有することを特徴とする請求項130乃至141のいずれか一項に記載のオブジェクト。
【請求項143】
前記係合トラックは、実質的に円形横断形状又は多角形横断形状を有することを特徴とする請求項142に記載のオブジェクト。
【請求項144】
前記実質的に円形状は、円形又は楕円形であることを特徴とする請求項143に記載のオブジェクト。
【請求項145】
前記多角形は、実質的に三角形、四角形、矩形、五角形、六角形、又は八角形であることを特徴とする請求項143に記載のオブジェクト。
【請求項146】
前記オブジェクトは、前記識別機能を読み取るプロセス中に前記リーダの読み取り部分の位置合わせ又はその読み取り部分の相対位置の測定を更に容易にする位置合わせマーキングを備えることを特徴とする請求項130乃至145のいずれか一項に記載のオブジェクト。
【請求項147】
前記識別層は、ランダムに分布された材料よりなることを特徴とする請求項130乃至146のいずれか一項に記載のオブジェクト。
【請求項148】
前記ランダムに分布された材料は、複数のランダムに分布された粒子よりなることを特徴とする請求項147に記載のオブジェクト。
【請求項149】
前記ランダムに分布された粒子は、複数のランダムに分布された磁性又は磁化可能粒子、複数に分布された導電性及び/又は半導電性粒子、複数のランダムに分布された光活性粒子又は光学的に区別可能な粒子又は前記粒子の混合物からなることを特徴とする請求項148に記載のオブジェクト。
【請求項150】
前記磁性粒子は、フェリ磁性体、反強磁性体、強磁性体、又は連続する材料(可変磁性を引き起こすボイドを含む)内の変化する磁性のドメイン、及びそれらの組み合わせよりなることを特徴とする請求項149に記載のオブジェクト。
【請求項151】
前記強磁性体は、MnBi、CrTe、EuO、CrO、MnAs、Fe、Ni、Co、Gd、Dy、対応する合金及びFe、Ni、Co、Sm、Gd、Dyの酸化物及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるなることを特徴とする請求項150に記載のオブジェクト。
【請求項152】
前記光活性粒子は、染料粒子、染料コーティング粒子、発光粒子、量子ドット粒子、光輝性粒子、偏光クリスタル、キラル分子、液晶、複屈折粒子、ボイド又はバブル、及び連続する材料内の変化する光学特性のドメイン及びそれらの混合物よりなる群から選択される粒子よりなることを特徴とする請求項149乃至151のいずれか一項に記載のオブジェクト。
【請求項153】
前記光学的に区別可能な粒子は、金属粒子、セラミック粒子、ポリマー粒子、紙内のファイバーのような自然に発生する粒子、ボイド又はバブル及び連続する材料内の変化する光学特性のドメイン及びそれらの混合物よりなる群から選択された粒子よりなることを特徴とする請求項149乃至152のいずれか一項に記載のオブジェクト。
【請求項154】
前記導電性粒子は、金属粒子、カーボンブラック粒子、グラファイト粒子、金属コーティング粒子、ボイド又はバブル及び連続する材料内の変化する導電性のドメイン及びそれらの混合物よりなる群から選択される材料よりなることを特徴とする請求項149乃至153のいずれか一項に記載のオブジェクト。
【請求項155】
前記導電性粒子は、(ポリ)シリコン、ガリウム砒素、窒化ガリウム、白金シリサイド、窒化珪素、及びシリコンクロム(SiCr)よりなることを特徴とする請求項149乃至154のいずれか一項に記載のオブジェクト。
【請求項156】
平均粒子は、約10ナノメートルと約500マイクロメートルとの間の最も大きな寸法を有することを特徴とする請求項148乃至155のいずれか一項に記載のオブジェクト。
【請求項157】
識別タグを取り付けたオブジェクトであって、前記識別タグオブジェクトは、識別層を備え、
読み取り可能識別機能は、前記識別層に配置され、前記識別機能は、前記識別層に含まれるランダムに分布された材料によって少なくとも部分的に形成され、
前記識別層は、前記読み取り可能識別機能の少なくとも幾つかが前記識別層の最も薄い寸法から有意に読み取られるに過ぎないように露出されないという条件で、
前記識別タグは、前記オブジェクトの外表面に、前記タグが前記オブジェクト上に係合トラックを形成するように配置され、前記係合トラックは、前記読み取りトラックを介して前記識別層に配置される前記識別機能を読み取る読み取りデバイスの一部に対して形状が実質的に相補的であり、前記係合トラックによって、前記識別機能に関して前記読み取りデバイスの前記一部の容易な位置合わせが可能となることを特徴とするオブジェクト。
【請求項158】
前記オブジェクトは、前記識別層の主表面が前記識別機能を読み取るために露出されるように配置されることを特徴とする請求項157に記載のオブジェクト。
【請求項159】
前記オブジェクトは、前記オブジェクト上に突起として配置され、それによって、前記係合トラックを形成することを特徴とする請求項157又は158に記載のオブジェクト。
【請求項160】
前記係合トラックは、少なくとも50マイクロメートルの、少なくとも150マイクロメートルの、少なくとも200マイクロメートルの、又は少なくとも250マイクロメートルの高さを有することを特徴とする請求項157乃至159のいずれか一項に記載のオブジェクト。
【請求項161】
前記ランダムに分布された材料は、複数のランダムに分布された粒子よりなることを特徴とする請求項159乃至160のいずれか一項に記載のオブジェクト。
【請求項162】
前記ランダムに分布された粒子は、複数のランダムに分布された磁性又は磁化可能粒子、複数に分布された導電性及び/又は半導電性粒子、複数のランダムに分布された光活性粒子又は前記粒子の混合物からなることを特徴とする請求項161に記載のオブジェクト。
【請求項163】
オブジェクトを識別するための識別タグを生成するための方法であって、前記オブジェクトへ前記識別タグが取り付けられることができ、前記方法は、
適切な材料の適応層を提供し、前記適応層は、少なくとも一つの適応凹所を備え、
少なくとも部分的に材料で前記少なくとも一つの適応凹所を充填し、充填後に、前記材料が前記適応凹所内にランダムに分布され、それによって、前記オブジェクトを識別するための読み取り可能識別機能を形成することを特徴とする方法。
【請求項164】
前記適応層は、前記少なくとも一つの適応凹所を前記適切な材料のフィルム内に形成することによって生成されることを特徴とする請求項163に記載の方法。
【請求項165】
前記適応層は、機械的手段又はレーザーを使用することによって、前記適切な材料のフィルム内に形成されることを特徴とする請求項164に記載の方法。
【請求項166】
前記機械的手段は、ナイフ、ブレード又はパンチャーであることを特徴とする請求項165に記載の方法。
【請求項167】
前記識別機能を形成する材料で前記適応層を充填するために、前記材料は、液体組成物に分散されることを特徴とする請求項163乃至167のいずれか一項に記載の方法。
【請求項168】
前記材料が粒子よりなることを特徴とする請求項163乃至167のいずれか一項に記載の方法。
【請求項169】
前記粒子は、複数の磁性又は磁化可能粒子、複数の導電性及び/又は半導電性粒子、複数の光活性粒子及び/又は光学的に区別可能粒子又は前記粒子の混合物よりなることを特徴とする請求項168に記載の方法。
【請求項170】
前記液体組成物は、赤外(IR)又は紫外(UV)光手段によって硬化可能なポリマー前駆体コンパウンドよりなることを特徴とする請求項167乃至169のいずれか一項に記載の方法。
【請求項171】
前記ポリマー前駆体コンパウンドは、ポリスチレン、エポキシ樹脂、ポリアルキレン、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール(polybenzoxazoles)、ポリアクリレート、ポリエーテル、ポリベンゾオキサヨール(polybenzoxayoles)、ポリチオアヨール(polythioayoles)、エポシキド、(メタ)アクリレート、及びポリシロキサンよりなる群から選択されることを特徴とする請求項170に記載の方法。
【請求項172】
前記液体組成物は、プリンティング、スクイージング、又はスプレーイングによって前記適応凹所内に分散されることを特徴とする請求項167乃至171のいずれか一項に記載の方法。
【請求項173】
前記液体組成物は、前記組成物を前記適応凹所内に分散した後固化され、それによって、前記粒子をマトリックス内にランダム分布方法で埋め込むことを特徴とする請求項172に記載の方法。
【請求項174】
前記適応凹所は、カバー層又は支持層を前記適応層に取り付ける前に生成されることを特徴とする請求項163乃至173のいずれか一項に記載の方法。
【請求項175】
オブジェクトを識別するための識別タグを生成するための方法であって、前記オブジェクトへ前記識別タグが取り付けられることができ、前記識別タグは、キャビティを備え、
前記方法は、読み取り可能識別機能を前記識別機能が前記キャビティ内に挿入されるべき読み取りデバイスの一部によって読み取られることができるように前記タグ内に配置し、
係合トラックが前記タグ内の前記キャビティによって形成されるように前記キャビティを形成し、前記係合トラックは、前記タグ内に配置される前記識別機能を読み取る読み取りデバイスの前記一部に対して形状が実質的に相補的であることを特徴とする方法。
【請求項176】
オブジェクトを識別するための識別タグを生成するための方法であって、前記オブジェクトへ前記識別タグが取り付けられることができ、前記識別タグは、識別層を備え、読み取り可能識別機能が前記識別層に配置され、前記識別機能は、前記識別層に含まれるランダムに分布された材料によって少なくとも部分的に形成され、
前記方法は、係合トラックが前記タグ内に形成されるように且つ前記係合トラックが前記識別層に配置される識別機能を読み取る読み取りデバイスの一部に対して形状が実質的に相補的であるように前記識別タグ内に前記識別層を配置することよりなることを特徴とする方法。
【請求項177】
識別されるように構成されるオブジェクトを生成する方法であって、前記オブジェクトは、キャビティを備え、
前記方法は、読み取り可能識別機能を前記識別機能が前記キャビティ内に挿入されるべき読み取りデバイスの一部によって読み取られるように前記オブジェクト内に配置し、且つ
係合トラックが前記オブジェクト内の前記キャビティによって形成されるように前記キャビティを形成し、前記係合トラックは、前記オブジェクト内に配置される前記識別機能を読み取る読み取りデバイスの前記一部に対して形状が実質的に相補的であることを特徴とする方法。
【請求項178】
識別されるように構成されるオブジェクトを生成する方法であって、前記オブジェクトは、識別層を備え、読み取り可能識別機能が前記識別層内に配置され、前記識別機能は、前記識別層に含まれるランダムに分布された材料によって少なくとも部分的に形成され、
前記方法は、係合トラックが前記オブジェクト内に形成されるように且つ前記係合トラックが前記識別層に配置される識別機能を読み取る読み取りデバイスの一部に対して形状が実質的に相補的であるように前記識別オブジェクト内に前記識別層を配置することよりなることを特徴とする方法。
【請求項179】
識別されるように構成される識別機能又はオブジェクトに配置される識別機能(複数)を読み取るための読み取りデバイスであって、前記識別タグ又はオブジェクトは、前記タグ又は前記オブジェクト内にキャビティ又は凹所として形成される係合トラックを備え、前記係合トラックは、前記識別機能を読み取るために使用され、
前記読み取りデバイスは、
識別されるように構成される前記識別タグ又はオブジェクト内に配置される前記識別機能を読み取るため構成される読み取り要素を備え、前記読み取り要素は、前記読み取りデバイスの係合要素内に配置され、前記係合要素は、前記識別タグ又はオブジェクトの前記係合トラックに対して形状が実質的に相補的であることを特徴とする読み取りデバイス。
【請求項180】
前記係合要素は、前記係合トラックと係合するための突起を備え、この突起は、規則正しい形状を有することを特徴とする請求項179に記載の読み取りデバイス。
【請求項181】
前記突起は、半円形横断面形状又は多角形横断面形状を有することを特徴とする請求項180に記載の読み取りデバイス。
【請求項182】
前記多角形は、実質的に三角形、四角形、矩形、五角形、六角形、又は八角形であることを特徴とする請求項181に記載の読み取りデバイス。
【請求項183】
前記突起は、少なくとも50マイクロメートルの、少なくとも150マイクロメートルの、少なくとも200マイクロメートルの、又は少なくとも250マイクロメートルの高さを有することを特徴とする請求項180乃至182のいずれか一項に記載の読み取りデバイス。
【請求項184】
識別されるように構成される識別機能又はオブジェクトに配置される識別機能(複数)を読み取るための読み取りデバイスであって、前記識別タグ又はオブジェクトは、前記タグ又は前記オブジェクト内に突起として形成される係合トラックを備え、前記係合トラックは、前記識別機能を読み取るために使用され、
前記読み取りデバイスは、
前記タグ又はオブジェクト内に配置される前記識別機能を読み取るため構成される読み取り要素を備え、前記読み取り要素は、前記識別タグ又はオブジェクトの前記係合トラックに対して形状が実質的に相補的である非U字形状係合要素内に配置されることを特徴とする読み取りデバイス。
【請求項185】
前記係合要素は、前記係合トラックと係合するための凹所よりなり、この凹所は、断面が実質的に三角形、四角形、台形、半円形、五角形、六角形、八角形、又は曲線形であることを特徴とする請求項184に記載の読み取りデバイス。
【請求項186】
識別されるように構成される識別機能又はオブジェクトに配置される識別機能(複数)を読み取るための読み取りデバイスであって、前記識別タグ又はオブジェクトは、前記タグ又は前記オブジェクト内に突起として形成される係合トラックよりなり、前記係合トラックは、前記識別機能を読み取るために使用され、
前記読み取りデバイスは、
前記識別タグ又はオブジェクトの前記係合トラックに対して形状が実質的に相補的である凹所を有する係合要素を備え、前記係合要素は、前記凹所の横領域に、前記識別タグ内に配置される前記識別機能を読み取るために構成される読み取り要素を備えることを特徴とする読み取りデバイス。
【請求項187】
前記係合要素は、前記係合トラックと係合するための凹所を備えると共に、この凹所は、実質的にU形状、三角形、四角形、台形、半円形、五角形、六角形、八角形、又は曲線形であることを特徴とする請求項184に記載の読み取りデバイス。
【請求項188】
前記凹所は、少なくとも50マイクロメートルの、少なくとも150マイクロメートルの、少なくとも200マイクロメートルの、又は少なくとも250マイクロメートルの深さを有することを特徴とする請求項186又は187に記載の読み取りデバイス。
【請求項189】
前記読み取り要素は、前記タグ又はオブジェクトに前記識別機能を形成するランダムに分布された材料から情報を読み取るように構成されることを特徴とする請求項179乃至188のいずれか一項に記載の読み取りデバイス。
【請求項190】
前記読み取り要素は、前記タグ又はオブジェクトに前記識別機能を形成する複数のランダムに分布された粒子から情報を読み取るように構成されることを特徴とする請求項189に記載の読み取りデバイス。
【請求項191】
前記読み取り要素は、前記タグ又はオブジェクトの識別層に含まれる複数のランダムに分布された磁性粒子から情報を読み取るように構成されることを特徴とする請求項190に記載の読み取りデバイス。
【請求項192】
前記読み取り要素は、前記タグ又はオブジェクトの識別層に含まれる複数のランダムに分布された導電性及び/又は半導電性粒子から電気又は電磁情報を読み取るように構成されることを特徴とする請求項190又は191に記載の読み取りデバイス。
【請求項193】
前記読み取り要素は、前記タグ又はオブジェクトの識別層に含まれる複数のランダムに分布された光活性粒子から発される光子を検出するように構成されることを特徴とする請求項190乃至192のいずれか一項に記載の読み取りデバイス。
【請求項194】
前記読み取り要素は、前記タグ又はオブジェクトの識別層に含まれる複数のランダムに分布された光学的に区別可能な粒子から反射される又はそれによって偏向される光子を検出するように構成されることを特徴とする請求項190乃至193のいずれか一項に記載の読み取りデバイス。
【請求項195】
トラッキング要素を更に備え、前記トラッキング要素は、前記識別機能を読み取るプロセス中に読み取られるべき前記識別機能に相対する前記読み取り要素の位置合わせや運動を容易にする又は測定するように構成されることを特徴とする請求項179乃至194のいずれか一項に記載の読み取りデバイス。
【請求項196】
前記トラッキング要素は、前記読み取り要素を光学的に位置決めするために構成されることを特徴とする請求項195に記載の読み取りデバイス。
【請求項197】
前記トラッキング要素は、読み取られるべき識別機能に対して、前記読み取り要素の相対位置を光学的に測定するために構成されることを特徴とする請求項196に記載の読み取りデバイス。
【請求項198】
前記トラッキング要素は、前記読み取り要素を電磁的に位置決めするために構成されることを特徴とする請求項195又は196に記載の読み取りデバイス。
【請求項199】
前記トラッキング要素は、読み取られるべき前記識別機能に対して、前記読み取り要素の相対位置を電磁的に測定するために構成されることを特徴とする請求項198に記載の読み取りデバイス。
【請求項200】
前記読み取り要素によって読み取られる前記機能からフィンガープリント及び/又はシグネチャを処理するように構成される処理手段を有することを特徴とする請求項179乃至199のいずれか一項に記載の読み取りデバイス。
【請求項201】
前記処理手段は、
−前記読み取り要素によって読み取られた機能からの前記フィンガープリント及び/又はシグネチャを事前格納された基準シグネチャと比較し、
−もし識別タグ又はオブジェクトから読み取られた前記フィンガープリント及び/又はシグネチャが前記事前格納された基準シグネチャから予め決定された閾値未満だけ異なる場合、前記識別タグ又は前記オブジェクトを有効であると識別するように構成されることを特徴とする請求項200に記載の読み取りデバイス。
【請求項202】
前記読み取りデバイスは、前記読み取りデバイスに対して遠くのデータ記憶媒体に配置される事前格納された基準シグネチャを受信するように構成されることを特徴とする請求項201に記載の読み取りデバイス。
【請求項203】
前記読み取りデバイスは、前記タグ又は前記タグが取り付けられる前記オブジェクトに配置される事前格納された基準シグネチャを受信するように構成されることを特徴とする請求項201に記載の読み取りデバイス。
【請求項204】
前記処理手段は、最近読み取られたフィンガープリント/シグネチャからの情報を使用して、前記事前格納された基準シグネチャを再書き込み又は付加することによって前記事前格納された基準シグネチャを更新するように更に構成されることを特徴とする請求項201乃至203のいずれか一項に記載の読み取りデバイス。
【請求項205】
オブジェクトを識別するための識別システムであって、識別タグが取り付けられることができるオブジェクトを識別するための請求項1乃至19、請求項22乃至50、又は請求項77乃至102のいずれか一項に従う識別タグと、
前記識別タグにコード化された情報を読み取るための請求項179乃至204のいずれか一項に記載の読み取りデバイスと、を備えることを特徴とする識別システム。
【請求項206】
前記識別タグの基準読み取りから得られる基準シグネチャが格納されるデータ記憶媒体を更に備えることを特徴とする請求項205に記載の識別システム。
【請求項207】
オブジェクトを識別するための識別システムであって、
請求項52乃至76、又は請求項103乃至162のいずれか一項に従う識別されるように構成されるオブジェクトと、
前記識別タグに配置される識別情報を読み取るための請求項179乃至204のいずれか一項に従う読み取りデバイスと、を備えることを特徴とする識別システム。
【請求項208】
識別されるように構成されるオブジェクトの基準読み取りから得られる基準シグネチャが格納されるデータ記憶媒体を更に備えることを特徴とする請求項207に記載の識別システム。
【請求項209】
前記事前格納された基準シグネチャのための前記データ記憶媒体は、前記読み取りデバイスに関して遠くにあるデータ記憶媒体であることを特徴とする請求項205又は請求項207に記載の識別システム。
【請求項210】
前記読み取りに関して遠くにあるデータ処理デバイスを更に備え、前記デバイスは、前記事前格納された基準シグネチャに前記読み取られたシグネチャをマッチングするために前記データ処理を実行するように構成されることを特徴とする請求項205又は請求項207に記載の識別システム。
【請求項211】
前記事前格納された基準シグネチャのための前記データ記憶媒体は、前記オブジェクトに取り付けられる前記タグに配置されることを特徴とする請求項210に記載の識別システム。
【請求項212】
前記事前格納された基準シグネチャのための前記データ記憶媒体は、前記オブジェクトに配置されることを特徴とする請求項210に記載の識別システム。
【請求項213】
前記データ記憶媒体は、磁気ストリップ、メモリチップ、メディアディスク、ハードディスク、スマートカード、RAMモジュール、磁気テープ、又は2Dバーコードやビットマップのような従来の光学手段であることを特徴とする請求項211又は請求項212に記載の識別システム。
【請求項214】
請求項22乃至50、又は請求項77乃至102のいずれか一項に定義される識別タグにおける識別機能を読み取るための方法であって、読み取り可能識別機能が前記識別タグ中に配置され、前記識別タグは、係合トラックを有し、前記方法は、
前記タグを読み取るデバイスに接触させ、前記読み取りデバイスは、前記識別タグに配置される前記識別機能を読み取るために構成される読み取り要素を備え、前記読み取り要素は、前記読み取りデバイスの係合要素内に配置され、前記係合要素は、前記識別タグの前記係合トラックに対して形状が実質的に相補的であることを特徴とする方法。
【請求項215】
請求項21、52乃至76、又は請求項103乃至162のいずれか一項に定義される識別されるべきオブジェクトにおける識別機能を読み取るための方法であって、読み取り可能識別機能が前記オブジェクトに又は前記オブジェクトへ取り付けられる又はそれに含まれる識別タグに配置され、前記オブジェクトは、係合トラックを有し、前記方法は、
前記オブジェクトを読み取りデバイスに接触させ、前記読み取りデバイスは、前記オブジェクト又は前記識別タグに配置される前記識別機能を読み取りために構成される読み取り要素を備え、前記読み取り要素は、前記読み取りデバイスの係合要素内に配置され、前記係合要素は、前記オブジェクトの前記係合トラックに対して形状が実質的に相補的であることを特徴とする方法。
【請求項216】
前記読み取りデバイスの前記係合要素が前記タグ又は前記オブジェクトの前記係合トラックと係合するように前記タグ又は前記オブジェクトを前記読み取りデバイスに接触させ、それによって、前記識別機能を配置し、前記識別機能に対して前記読み取りデバイスを位置合わせすることを備えることを特徴とする請求項214又は請求項215に記載の方法。
【請求項217】
前記係合要素に関して前記係合要素を移動し、それによって、前記識別機能を読み取ることを更に備えることを特徴とする請求項216に記載の方法。
【請求項218】
前記識別機能は、チップ内、磁気ストリップ内、シリアル番号、光学マーキング及び/又はランダムに分布された材料内に配置されることを特徴とする請求項214乃至217のいずれか一項に記載の方法。
【請求項219】
前記ランダムに分布された材料は、複数のファイバー又は粒子よりなることを特徴とする請求項218に記載の方法。
【請求項220】
読み取りは、前記識別機能から少なくとも一つの信号を読み取ることよりなることを特徴とする請求項214乃至218のいずれか一項に記載の方法。
【請求項221】
少なくとも一つのシグネチャは、前記読み取られた信号から引き出されることを特徴とする請求項220に記載の方法。
【請求項222】
前記シグネチャは格納され、それによって、事前格納基準シグネチャとなることを特徴とする請求項221に記載の方法。
【請求項223】
一つより多くの基準シグネチャが前記オブジェクトに対して格納されることを特徴とする請求項222に記載の方法。
【請求項224】
前記一つより多くの事前格納された基準シグネチャは、少なくとも二つの異なる読み取りデバイスを使用して前記オブジェクトを読み取ることから引き出されることを特徴とする請求項223に記載の方法。
【請求項225】
前記読み取りデバイス(複数)は、それらの間に固有の又は意図的に設計された違いを有し、前記違いは、前記読み取りに、従って関連するシグネチャに影響を及ぼすことを特徴とする請求項224に記載の方法。
【請求項226】
引き続いて読み取られたシグネチャは、前記オブジェクトに関連する又は複数のオブジェクトの集まりに関連する事前格納された基準シグネチャの全てと比較されることを特徴とする請求項222乃至225のいずれか一項に記載の方法。
【請求項227】
引き続いて読み取られたシグネチャは、データベースに存在する事前格納された基準シグネチャの全てと比較されることを特徴とする請求項222乃至225のいずれか一項に記載の方法。
【請求項228】
シリアル化された識別情報は、前記少なくとも二セットの識別機能の内の一つのセットとして使用され、処理ユニットは、前記読み取りデバイスが前記シリアル化された識別情報を十分に、完全に、又は正確に読み取らなかった場合、前記読み取られた信号の一部(単数又は複数)から欠落したデータ又はコンポーネントを再生するように構成されることを特徴とする請求項215乃至227のいずれか一項に記載の方法。
【請求項229】
前記読み取られた信号の一部(単数又は複数)の欠落したデータやコンポーネントは、別個にキー入力された又は走査された補充情報に基づいて再生又は推定され、前記補充情報は、十分ではない又は正確ではない機能情報に関連することを特徴とする請求項228に記載の方法。
【請求項230】
前記再生されたデータ又はコンポーネントは、前記オブジェクトを識別するためにシグネチャを形成するために使用されることを特徴とする請求項229に記載の方法。
【請求項231】
シリアル化された識別情報は、前記少なくとも二セットの識別機能の内の一つのセットとして使用され、前記シリアル化された識別情報は、前記データベースに事前格納された基準シグネチャを格納する及びそれから検索するための主キーとして使用されることを特徴とする請求項215乃至230のいずれか一項に記載の方法。
【請求項232】
前記シリアル化された情報は、前記オブジェクトに割り当てられるバーコード、シリアル番号、2進又は16進情報、又は英数字コードであることを特徴とする請求項231に記載の方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図1d−1e】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公表番号】特表2009−537030(P2009−537030A)
【公表日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−509498(P2009−509498)
【出願日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際出願番号】PCT/SG2006/000160
【国際公開番号】WO2007/133164
【国際公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
2.フロッピー
【出願人】(508334432)ビルケア テクノロジーズ プライベート リミテッド (3)
【Fターム(参考)】