説明

豆腐容器

【課題】偏平直方体状の豆腐などを、効率良く鮮度保持用や緩衝保形用などの水とともに収容して、そのまま流通,販売することができる、購入した顧客が、手が水で濡れたり水が周辺に散乱したりすることなく、豆腐とともに収容した水を排出(水切り)することができる、豆腐の水切りと取出しとが容易な豆腐容器を提供する。
【解決手段】上面を開放した角を丸めた偏平直方体状などの、成型プラスチック製の容器本体20の上周部のフランジ21に、隅部などに開蓋タブ31を有する長方形状などの、剥離可能なプラスチックフィルム製の蓋材30を、熱融着するなどして閉蓋する豆腐容器において、容器本体20の一方の側面に、内面が凸状の水切り凸部22を設けて、この凸状の水切り凸部22に対応する蓋材30の隅部などに、V字切込みaを有する水切りタブ32を設けた豆腐容器である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、偏平直方体状の豆腐などを、鮮度保持用や緩衝保形用などの水とともに収容する、豆腐40の水切りと取出しとが容易な豆腐容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、偏平直方体状の豆腐などを、鮮度保持用や緩衝保形用などの水とともに収容する、例えば図5に示すような、上面を開放した角を丸めた偏平直方体状の、成型プラスチック製の容器本体20の上周部のフランジ21に、対向する隅部に開蓋タブ31,31を有する長方形状の、剥離可能なプラスチックフィルム製の蓋材30を、機械的に豆腐40を水とともに収容しながら、効率良く空気を排除した状態で熱融着して閉蓋して、そのまま流通,販売することができる、鮮度保持性や緩衝保形性などが優れた豆腐容器が、一般に広く用いられている。
【0003】
また従来から、偏平直方体状の豆腐などを、鮮度保持用や緩衝保形用などの水とともに収容する、図6に示すような、上面を開放した角を丸めた偏平直方体状の、成型プラスチック製の容器本体20の上周部のフランジ21に、長方形状の剥離可能なプラスチックフィルム製の蓋材30を、同様に機械的に豆腐40を水とともに収容しながら、効率良く空気を排除した状態で熱融着して閉蓋して、そのまま流通,販売することができる豆腐容器において、容器本体20のフランジ21の4つの隅部に、それぞれ横切り破断線fを有する水切り凹溝eを形成した豆腐容器(特許文献1)が、開示されて用いられている。
【0004】
特許文献は、以下のとおりである。
【特許文献1】特開2001−55286号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが従来の、図5に示すような豆腐容器については、効率良く豆腐40を水とともに収容して、そのまま流通,販売することができる豆腐容器であるものの、購入した顧客が、1つの開蓋タブ31を指で摘んで、蓋材30をやゝ強く引き剥がして開蓋して、手で豆腐40を押えて水切りをして、豆腐容器を転倒させるなどして慎重に豆腐40を取出す必要があって、手で豆腐40を押えて水切りをする時などに、手が水で濡れるばかりではなくて、開蓋タブ31を指で摘んで蓋材30をやゝ強く引き剥がす時などに、豆腐40とともに収容した鮮度保持用や緩衝保形用などの水が周辺に散乱して、台所などを汚す(濡らす)ことが問題であった。
【0006】
また従来の、図6に示すような豆腐容器については、容器本体20のフランジ21の適宜の隅部を上方に強く折曲げるだけで、図6Bに示すように、簡単に横切り破断線fを切断して水切り凹溝eを開口して、手が水で濡れたり水が周辺に散乱したりすることなく、豆腐40とともに収容した水を排出(水切り)することができるものの、容器本体20の幅狭のフランジ21の4つの隅部に、それぞれ横切り破断線fを有する大きな水切り凹溝eを形成することが難しいために、横切り破断線fを切断して開口した水切り凹溝eが小さくて、水切りに時間が掛かることが問題であった。
【0007】
加えて従来の、図6に示すような豆腐容器については、同様に効率良く豆腐40を水とともに収容して、そのまま流通,販売することができる豆腐容器であるものの、容器本体20のフランジ21の、特に4つの隅部が外からの衝撃を一番受け易いために、流通,販売する時の取扱いなどによって、この隅部が折曲って横切り破断線fが切断して、豆腐4
0とともに収容した鮮度保持用や緩衝保形用などの水が漏れ出す恐れがあった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、偏平直方体状の豆腐などを、効率良く鮮度保持用や緩衝保形用などの水とともに収容して、そのまま流通,販売することができる豆腐容器であって、購入した顧客が、手が水で濡れたり水が周辺に散乱したりすることなく、豆腐40とともに収容した水を排出(水切り)することができる、豆腐40の水切りと取出しとが容易な豆腐容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の請求項1に記載の豆腐容器は、上面を開放した角を丸めた偏平直方体状などの、成型プラスチック製の容器本体20の上周部のフランジ21に、隅部などに開蓋タブ31を有する長方形状などの、剥離可能なプラスチックフィルム製の蓋材30を、熱融着するなどして閉蓋する、前述した図5に示すような豆腐容器において、図1,図2に示すように、容器本体20の一方の側面に、内面が凸状の(図1では3つの,図2では1つの大きな)水切り凸部22を設けて、この凸状の水切り凸部22に対応する蓋材30の隅部など(図1では相対する隅部,図2では一方の隅部)に、V字切込みaを有する水切りタブ32を設けたことを特徴とする豆腐容器である。
【0010】
本発明の豆腐容器においては、効率良く豆腐40を水とともに収容して、そのまま流通,販売することができる、前述した図5に示すような豆腐容器において、図1,図2に示すように、容器本体20の一方の側面に、内面が凸状の水切り凸部22を設けて、この凸状の水切り凸部22に対応する蓋材30の隅部などに、V字切込みaを有する水切りタブ32を設けたことによって、
購入した顧客が、図1A,図2Aに示す豆腐容器の、1つの水切りタブ32を指で摘んで、蓋材30をV字切込みaから延長して切断しながら、図1B,図2Bに示すように、蓋材30を部分的に楽に引き剥がして開蓋して、凸状の水切り凸部22で豆腐40を押えた状態で、図1Cに示すように、豆腐容器を凸状の水切り凸部22の方向に傾けるだけで、手が水で濡れたり水が周辺に散乱したりすることなく、簡単に豆腐40とともに収容した水を排出(水切り)した後に、前述した図5に示すような豆腐容器と同様に、開蓋タブ31を指で摘んで、残部の蓋材30を引き剥がして除去して、豆腐容器を転倒させるなどして慎重に豆腐40を取出すことができる、特に豆腐40の水切りが容易な、豆腐40の水切りと取出しとが容易な豆腐容器を得ることができる。
【0011】
本発明の請求項2に記載の豆腐容器は、上面を開放した角を丸めた偏平直方体状などの、成型プラスチック製の容器本体20の上周部のフランジ21に、隅部などに開蓋タブ31を有する長方形状などの、剥離可能なプラスチックフィルム製の蓋材30を、熱融着するなどして閉蓋する、前述した図5に示すような豆腐容器において、図3に示すように、蓋材30の開蓋タブ31に対応する容器本体20の一方の側面を、上面が大きく開いた傾斜面cに形成して、この一方の側面の傾斜面cに、内面が平状又は凹状(図3では凹状)に反転可能な凸状の水切り凸部23を設けたことを特徴とする豆腐容器である。
【0012】
本発明の豆腐容器においては、同様に効率良く豆腐40を水とともに収容して、そのまま流通,販売することができる、前述した図5に示すような豆腐容器において、図3に示すように、蓋材30の開蓋タブ31に対応する容器本体20の一方の側面を、上面が大きく開いた傾斜面cに形成して、この一方の側面の傾斜面cに、内面が平状又は凹状に反転可能な凸状の水切り凸部23を設けたことによって、
購入した顧客が、図3Aに示す豆腐容器の、開蓋タブ31を指で摘んで、蓋材30を途中まで引き剥がして開蓋して、図3Bに示すように、反転可能な凸状の水切り凸部23で豆腐40を押えた状態で、豆腐容器を反転可能な凸状の水切り凸部23の方向に傾けるだけで、手が水で濡れたり水が周辺に散乱したりすることなく、簡単に豆腐40とともに収
容した水を排出(水切り)した後に、図3Cに示すように、容器本体20の一方の側面の傾斜面cに設けた反転可能な凸状の水切り凸部23を、指で押えて平状又は凹状(図3Cでは凹状)に反転させた状態で、再び豆腐容器を反転可能な凸状の水切り凸部23の方向に傾けるだけで、前述した図5に示すような豆腐容器とは異なって、開蓋タブ31を指で摘んで、残部の蓋材30を引き剥がして除去して、豆腐容器を転倒させるなどする必要がなく、容器本体20の一方の側面の上面が大きく開いた傾斜面cを、そのまま“つるり"と滑らせて簡単に豆腐40を取出すことができる、特に豆腐40の取出しが容易な、豆腐40の水切りと取出しとが容易な豆腐容器を得ることができる。
【0013】
本発明の請求項3に記載の豆腐容器は、前述した請求項2に記載の豆腐容器において、図4に示すように、容器本体20の反転可能な凸状の水切り凸部23に対応する蓋材30の隅部など(図4では相対する隅部)に、開蓋タブ31に替えて、V字切込みaを有する水切りタブ32を設けたことを特徴とする豆腐容器である。
【0014】
本発明の豆腐容器においては、前述した請求項2に記載の、図3に示す豆腐40の水切りと取出しとが容易な豆腐容器において、図4に示すように、容器本体20の反転可能な凸状の水切り凸部23に対応する蓋材30の隅部などに、開蓋タブ31に替えて、V字切込みaを有する水切りタブ32を設けたことによって、
購入した顧客が、図4Aに示す豆腐容器の、1つの水切りタブ32を指で摘んで、蓋材30をV字切込みaから延長して切断しながら、図4Bに示すように、蓋材30を部分的に楽に引き剥がして開蓋して、反転可能な凸状の水切り凸部23で豆腐40を押えた状態で、豆腐容器を反転可能な凸状の水切り凸部23の方向に傾けるだけで、手が水で濡れたり水が周辺に散乱したりすることなく、簡単に豆腐40とともに収容した水を排出(水切り)した後に、前述した図3に示す豆腐容器と同様に、容器本体20の反転可能な凸状の水切り凸部23を、指で押えて平状又は凹状に反転させた状態で、再び豆腐容器を反転可能な凸状の水切り凸部23の方向に傾けるだけで、容器本体20の一方の側面の上面が大きく開いた傾斜面cを、そのまま“つるり"と滑らせて簡単に豆腐40を取出すことができる、豆腐40の水切りと取出しとが、それぞれ特に容易な豆腐容器を得ることができる。
【0015】
本発明の請求項4に記載の豆腐容器は、前述した請求項1又は請求項3に記載の豆腐容器において、図2,図4に示すように、容器本体20の(図2に示す)凸状の水切り凸部22又は(図4に示す)反転可能な凸状の水切り凸部23に対応する、剥離可能なプラスチックフィルム製の蓋材30の隅部など(図2では一方の隅部,図4では相対する隅部)に設けた、水切りタブ32のV字切込みaの(図4ではV字切込みa,aを結ぶ)延長上に、リードテープや半切れ線状などの切れ目線bを設けたことを特徴とする豆腐容器である。
【0016】
本発明の豆腐容器においては、前述した請求項1又は請求項3に記載の、図1,図2又は図4に示す豆腐40の水切りと取出しとが容易な豆腐容器において、図2,図4に示すように、容器本体20の凸状の水切り凸部22又は反転可能な凸状の水切り凸部23に対応する、剥離可能なプラスチックフィルム製の蓋材30の隅部などに設けた、水切りタブ32のV字切込みaの延長上に、リードテープや半切れ線状などの切れ目線bを設けたことによって、
剥離可能なプラスチックフィルム製の蓋材30の、(通常のプラスチックフィルムが持っている)引裂き方向性が弱い場合や引裂き方向が異なる場合などに、購入した顧客が、図2A,図4Aに示す豆腐容器の、1つの水切りタブ32を指で摘んで、蓋材30をV字切込みaから延長上の切れ目線bに沿って切断しながら、図2B,図4Bに示すように、蓋材30を部分的に楽に正確に引き剥がして開蓋して、凸状の水切り凸部22又は反転可能な凸状の水切り凸部23で豆腐40を押えた状態で、豆腐容器を凸状の水切り凸部22
又は反転可能な凸状の水切り凸部23の方向に傾けるだけで、簡単に豆腐40とともに収容した水を排出(水切り)することができる、特に豆腐40の水切りが容易な豆腐容器を得ることができる。
【発明の効果】
【0017】
以上、本発明の豆腐容器においては、偏平直方体状の豆腐などを、効率良く鮮度保持用や緩衝保形用などの水とともに収容して、そのまま流通,販売することができる豆腐容器であって、購入した顧客が、蓋材30を部分的に又は途中まで引き剥がして開蓋して、凸状の水切り凸部22又は反転可能な凸状の水切り凸部23で豆腐40を押えた状態で、豆腐容器を傾けるだけで、手が水で濡れたり水が周辺に散乱したりすることなく、簡単に(短時間で)豆腐40とともに収容した水を排出(水切り)することができる、豆腐40の水切りと取出しとが容易な豆腐容器を提供することができる。
【0018】
なかでも、本発明の請求項2,請求項3に記載の豆腐容器においては、前述したように、簡単に豆腐40とともに収容した水を排出(水切り)した後に、容器本体20の反転可能な凸状の水切り凸部23を、指で押えて平状又は凹状に反転させた状態で、再び豆腐容器を傾けるだけで、容器本体20の一方の側面の上面が大きく開いた傾斜面cを、そのまま“つるり"と滑らせて簡単に豆腐40を取出すことができる、特に豆腐40の取出しが容易な、豆腐40の水切りと取出しとが容易な豆腐容器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の豆腐容器における、上面を開放した角を丸めた偏平直方体状などの、成型プラスチック製の容器本体20については、ポリプロピレン(PP)などの、通常の成型性などが優れた200〜600μm程度のプラスチックシートを用いて、後述する実施例に示すように、通常の真空,圧空成型方法で、短辺側などの一方の側面(の傾斜面c)に、内面が凸状の水切り凸部22又は反転可能な凸状の水切り凸部23を設けた、成型プラスチック製の容器本体20を、特に制約なく作製することができる。
【0020】
本発明の豆腐容器における、隅部などに開蓋タブ31を有する長方形状などの、剥離可能なプラスチックフィルム製の蓋材30については、それぞれ延伸したポリエステル(PET)やポリプロピレン(OPP)やナイロン(OPA)などの、通常の引張り強度などが優れた30〜120μm程度のプラスチックフィルムの内面には、ピール層のポリマーブレンドによる凝集力コントロールによる凝集剥離型のシーラントフィルムが使用できる熱融着した後に剥がすことができる30〜50μm程度のイージーピール層を積層した、剥離可能なプラスチックフィルム製の巻取り状などの蓋材30を、後述する実施例1,3,4に示すように、通常の充填,熱融着工程で、前述した成型プラスチック製の容器本体20の上周部のフランジ21に熱融着すると同時に、蓋材30の周辺部を長方形状などに切断するとともに、この蓋材30の隅部などに、V字切込みaを有する水切りタブ32を切断して設けることができる。
【実施例1】
【0021】
図1Aは、本発明の実施例1における、豆腐容器の斜視図であって、図1Bは、水切りのために、豆腐容器を部分的に開蓋した状態を示す斜視図であって、図1Cは、この豆腐容器を傾けて、水切りをする状態を示す断面説明図である。
【0022】
本発明の実施例1の豆腐容器は、収容部の縦,横,高さが95×120×45mmの、上面を開放した角を丸めた偏平直方体状の、成型プラスチック製の容器本体20の上周部のフランジ21に、短辺側の相対する隅部に開蓋タブ31,31を有する、縦,横が115×140mmの長方形状の、剥離可能なプラスチックフィルム製の蓋材30を、熱融着して閉蓋する、縦,横,高さが85×105×45mmの、400gの偏平直方体状の豆
腐40を、効率良く鮮度保持用や緩衝保形用などの水とともに収容して、そのまま流通,販売することができる、前述した従来と同様の豆腐容器において、容器本体20の短辺側の一方の側面に、内面が凸状の、収容部に5mm突出した半円筒状の3つの水切り凸部22,22,22を設けて、この凸状の水切り凸部22,22,22に対応する蓋材30の相対する隅部に、それぞれ片方の根元にV字切込みaを有する、引き剥がし矢印を印刷した水切りタブ32,32を設けた、図1Aに示す豆腐容器である。
【0023】
本発明の実施例1においては、先ず、通常の成型性などが優れた半透明ポリプロピレン(PP)の、400μmのプラスチックシートを用いて、通常の真空,圧空成型方法で、短辺側の一方の側面に、内面が凸状の、収容部に5mm突出した半円筒状の3つの水切り凸部22,22,22を設けた、前述した上面を開放した角を丸めた偏平直方体状の、上周部に10mm幅のフランジ21を有する成型プラスチック製の容器本体20を、従来と同様に制約なく作製した。
【0024】
次に、表面に美麗な文字,絵柄や水切り方法などを印刷した、通常の引張り強度などが優れたONYの、15μmのプラスチックフィルムの内面に、熱融着した後に剥がすことができるポリマーブレンドによる凝集力をコントロールできるシーラントの、30μmのイージーピール層を積層した、剥離可能なプラスチックフィルム製の巻取り状の蓋材30を、通常の充填,熱融着工程で、前述した400gの偏平直方体状の豆腐40を水とともに収容しながら、作製した成型プラスチック製の容器本体20の上周部の10mm幅のフランジ21に熱融着すると同時に、蓋材30の周辺部を、短辺側の相対する隅部に開蓋タブ31,31を有する長方形状に切断するとともに、容器本体20の凸状の水切り凸部22,22,22に対応する蓋材30の相対する隅部に、それぞれ前述したV字切込みaを有する水切りタブ32,32を切断して設けて、本発明の実施例1の、図1Aに示す豆腐容器を作製した。
【0025】
本実施例1の豆腐容器においては、購入した顧客が、図1Aに示す豆腐容器の、どちらかの引き剥がし矢印を印刷した水切りタブ32を指で摘んで、蓋材30をV字切込みaから延長して切断しながら、図1Bに示すように、蓋材30を部分的に引き剥がして開蓋して、内面が凸状の、収容部に5mm突出した半円筒状の3つの水切り凸部22,22,22で豆腐40を押えた状態で、図1Cに示すように、豆腐容器を傾けるだけで、手が水で濡れたり水が周辺に散乱したりすることなく、簡単に豆腐40とともに収容した水を排出(水切り)した後に、前述した従来の豆腐容器と同様に、どちらかの開蓋タブ31を指で摘んで、残部の蓋材30を引き剥がして除去して、豆腐容器を転倒させるなどして慎重に豆腐40を取出すことができる、豆腐40の水切りと取出しとが容易な豆腐容器を得ることができた。
【実施例2】
【0026】
図2Aは、本発明の実施例2における、豆腐容器の斜視図であって、図2Bは、水切りのために、豆腐容器を部分的に開蓋した状態を示す斜視図である。
【0027】
本発明の実施例2の豆腐容器は、短辺側の一方(右方)に、半円筒状の小袋入りの露,薬味などの収容部を連続して設けた、豆腐40の収容部の縦,横,高さが95×130×45mmの、上面を開放した角を丸めた偏平半円筒直方体状の、成型プラスチック製の容器本体20の上周部のフランジ21に、半円状の頂部に指掛け穴d付の開蓋タブ31を有する、縦,横が115×180mmの半円長方形状の、剥離可能なプラスチックフィルム製の蓋材30を、貼着して閉蓋する、縦,横,高さが85×105×45mmの、実施例1と同一の400gの偏平直方体状の豆腐40を、効率良く鮮度保持用や緩衝保形用などの水とともに収容して、そのまま流通,販売することができる、販売効果などが優れた新奇形状の豆腐容器において、容器本体20の短辺側のもう一方(左方)の側面に、内面が
凸状の、豆腐40の収容部に15mm突出した大きな半円筒状の水切り凸部22を設けて、この凸状の水切り凸部22に対応する蓋材30の一方の隅部に、片方の根元にV字切込みaを有する、引き剥がし矢印を印刷した水切りタブ32を設けて、この水切りタブ32のV字切込みaの延長上に、半切れ線状の切れ目線bを設けた、図2Aに示す豆腐容器である。
【0028】
本発明の実施例2においては、先ず、通常の成型性などが優れた半透明ポリプロピレン(PP)の、450μmのプラスチックシートを用いて、通常の真空,圧空成型方法で、短辺側の一方(左方)の側面に、内面が凸状の、豆腐40の収容部に15mm突出した大きな半円筒状の水切り凸部22を設けて、短辺側のもう一方(右方)に、半円筒状の小袋入りの露,薬味などの収容部を連続して設けた、前述した上面を開放した角を丸めた偏平半円筒直方体状の、上周部に10mm幅のフランジ21を有する成型プラスチック製の容器本体20を、特に制約なく作製した。
【0029】
次に、表面に美麗な文字,絵柄や水切り方法などを印刷した、通常の引張り強度などが優れたPET(12μm)/NY(15μm)/イージーピールシーラント(既述の凝集剥離タイプ30μm)のプラスチックフィルムを用いて、通常の打抜型を用いた打抜工程で、蓋材30の周辺部を、半円状の頂部に指掛け穴d付の開蓋タブ31を有する半円長方形状に切断するとともに、容器本体20の凸状の水切り凸部22に対応する蓋材30の一方の隅部に、前述したV字切込みaを有する水切りタブ32を切断して設けて、この水切りタブ32のV字切込みaの延長上に、半切れ線状の切れ目線bを設けたプラスチックフィルム製の蓋材30を、特に制約なく作製した。
【0030】
本実施例2の豆腐容器においては、購入した顧客が、図2Aに示す豆腐容器の、引き剥がし矢印を印刷した水切りタブ32を指で摘んで、蓋材30をV字切込みaから延長上の半切れ線状の切れ目線bに沿って切断しながら、図2Bに示すように、蓋材30を部分的に正確に引き剥がして開蓋して、内面が凸状の、豆腐40の収容部に15mm突出した大きな半円筒状の水切り凸部22で豆腐40を押えた状態で、豆腐容器を傾けるだけで、手が水で濡れたり水が周辺に散乱したりすることなく、簡単に豆腐40とともに収容した水を排出(水切り)した後に、実施例1の豆腐容器と同様に、半円状の頂部の開蓋タブ31の指掛け穴dに指を掛けて、残部の蓋材30を引き剥がして除去して、豆腐容器を転倒させるなどして慎重に豆腐40を取出すことができる、豆腐40の水切りと取出しとが容易な、販売効果などが優れた新規形状の豆腐容器を得ることができた。
【実施例3】
【0031】
図3Aは、本発明の実施例3における、豆腐容器の斜視図であって、図3Bは、途中まで開蓋した豆腐容器を傾けて、水切りをする状態を示す断面説明図であって、図3Cは、この豆腐容器を再び傾けて、豆腐40を取出す状態を示す断面説明図である。
【0032】
本発明の実施例3の豆腐容器は、収容部の縦,横,高さが95×115×45mmの、上面を開放した角を丸めた偏平直方体状の、成型プラスチック製の容器本体20の上周部のフランジ21に、途中まで開蓋する短辺側全体を開蓋タブ31とした、縦,横が115×190mmの長方形状の、剥離可能なプラスチックフィルム製の蓋材30を、熱融着して閉蓋する、縦,横,高さが85×105×45mmの、実施例1,2と同一の400gの偏平直方体状の豆腐40を、効率良く鮮度保持用や緩衝保形用などの水とともに収容して、そのまま流通,販売することができる、前述した従来と同様の豆腐容器において、蓋材30の開蓋タブ31に対応する容器本体20の、途中まで開蓋する短辺側の一方の側面を、上面が大きく開いた垂直面からの傾斜角が40度の傾斜面cに形成して、この一方の側面の傾斜面cに、縦,横,高さが40×35×40mmの横向き三角筒状の、内面が凹状に反転可能な凸状の水切り凸部23を設けた、図3Aに示す豆腐容器である。
【0033】
本発明の実施例3においては、先ず、通常の成型性などが優れた半透明ポリプロピレン(PP)の、400μmのプラスチックシートを用いて、通常の真空,圧空成型方法で、途中まで開蓋する短辺側の一方の側面を、上面が大きく開いた垂直面からの傾斜角が40度の傾斜面cに形成して、この一方の側面の傾斜面cに、前述した内面が凹状に反転可能な凸状の水切り凸部23を設けた、前述した上面を開放した角を丸めた偏平傾斜直方体状の、上周部に10mm幅のフランジ21を有する成型プラスチック製の容器本体20を、従来と同様に制約なく作製した。
【0034】
次に、表面に美麗な文字,絵柄や水切り方法などを印刷した、通常の引張り強度などが優れたONYの、15μmのプラスチックフィルムの内面に、熱融着した後に剥がすことができるポリマーブレンドによる凝集力をコントロールできるシーラントの、30μmのイージーピール層を積層した、実施例1と同様の剥離可能なプラスチックフィルム製の巻取り状の蓋材30を、通常の充填,熱融着工程で、前述した実施例1,2と同一の400gの偏平直方体状の豆腐40を水とともに収容しながら、作製した成型プラスチック製の容器本体20の上周部の10mm幅のフランジ21に熱融着すると同時に、蓋材30の周辺部を、途中まで開蓋する短辺側全体を開蓋タブ31とした長方形状に切断して、本発明の実施例3の、図3Aに示す豆腐容器を作製した。
【0035】
本実施例3の豆腐容器においては、購入した顧客が、図3Aに示す豆腐容器の、短辺側全体の開蓋タブ31を指で摘んで、蓋材30を途中まで引き剥がして開蓋して、図3Bに示すように、反転可能な凸状の水切り凸部23で豆腐40を押えた状態で、豆腐容器を傾けるだけで、手が水で濡れたり水が周辺に散乱したりすることなく、簡単に豆腐40とともに収容した水を排出(水切り)した後に、図3Cに示すように、容器本体20の一方の側面の、上面が大きく開いた垂直面からの傾斜角が40度の傾斜面cに設けた、前述した内面が凹状に反転可能な凸状の水切り凸部23を、指で押えて凹状に反転させた状態で、再び豆腐容器を傾けるだけで、この傾斜角が40度の傾斜面cを、そのまま“つるり"と滑らせて簡単に豆腐40を取出すことができる、特に豆腐40の取出しが容易な、豆腐40の水切りと取出しとが容易な豆腐容器を得ることができた。
【実施例4】
【0036】
図4Aは、本発明の実施例4における、豆腐容器の斜視図であって、図4Bは、水切りのために、豆腐容器を部分的に開蓋した状態を示す斜視図である。
【0037】
本発明の実施例4の豆腐容器は、収容部の縦,横,高さが95×115×45mmの、上面を開放した角を丸めた偏平直方体状の、成型プラスチック製の容器本体20の上周部のフランジ21に、縦,横が115×180mmの開蓋タブ31を有しない長方形状の、剥離可能なプラスチックフィルム製の蓋材30を、熱融着して閉蓋する、縦,横,高さが85×105×45mmの、実施例1,2,3と同一の400gの偏平直方体状の豆腐40を、効率良く鮮度保持用や緩衝保形用などの水とともに収容して、そのまま流通,販売することができる、前述した従来と同様の豆腐容器において、実施例3と同様に、部分的に開蓋する短辺側の一方の側面を、上面が大きく開いた垂直面からの傾斜角が40度の傾斜面cに形成して、この一方の側面の傾斜面cに、縦,横,高さが40×35×40mmの横向き三角筒状の、内面が凹状に反転可能な凸状の水切り凸部23を設けて、実施例3に加えて、この反転可能な凸状の水切り凸部23に対応する蓋材30の相対する隅部に、それぞれ片方の根元にV字切込みaを有する、引き剥がし矢印を印刷した幅広の水切りタブ32,32を設けて、それぞれの幅広の水切りタブ32のV字切込みaの延長上に、V字切込みa,aを結ぶ半切れ線状の切れ目線bを設けた、図4Aに示す豆腐容器である。
【0038】
本発明の実施例4においては、先ず、通常の成型性などが優れた半透明ポリプロピレン
(PP)の、400μmのプラスチックシートを用いて、通常の真空,圧空成型方法で、部分的に開蓋する短辺側の一方の側面を、上面が大きく開いた垂直面からの傾斜角が40度の傾斜面cに形成して、この一方の側面の傾斜面cに、前述した内面が凹状に反転可能な凸状の水切り凸部23を設けた、実施例3と同様の成型プラスチック製の容器本体20を、従来と同様に制約なく作製した。
【0039】
次に、表面に美麗な文字,絵柄や水切り方法などを印刷した、通常の引張り強度などが優れたONYの、15μmのプラスチックフィルムの内面に、熱融着した後に剥がすことができるポリマーブレンドによる凝集力をコントロールできるシーラントの、30μmのイージーピール層を積層した、実施例1,3と同様の剥離可能なプラスチックフィルム製の巻取り状の蓋材30を、通常の充填,熱融着工程で、前述した実施例1,2,3と同一の400gの偏平直方体状の豆腐40を水とともに収容しながら、作製した成型プラスチック製の容器本体20の上周部のフランジ21に熱融着すると同時に、蓋材30の周辺部を、開蓋タブ31を有しない長方形状に切断するとともに、容器本体20の反転可能な凸状の水切り凸部23に対応する蓋材30の相対する隅部に、それぞれ前述したV字切込みaを有する幅広の水切りタブ32,32を切断して設けた後に、通常の炭酸ガスレーザー装置で、それぞれの幅広の水切りタブ32のV字切込みaの延長上に、V字切込みa,aを結ぶ半切れ線状の切れ目線bを設けて、本発明の実施例4の、図4Aに示す豆腐容器を作製した。
【0040】
本実施例4の豆腐容器においては、購入した顧客が、図4Aに示す豆腐容器の、どちらかの引き剥がし矢印を印刷した幅広の水切りタブ32を指で摘んで、蓋材30をV字切込みaの延長上のV字切込みa,aを結ぶ半切れ線状の切れ目線bに沿って切断しながら、図4Bに示すように、蓋材30を部分的に更に正確に引き剥がして開蓋して、反転可能な凸状の水切り凸部23で豆腐40を押えた状態で、豆腐容器を傾けるだけで、手が水で濡れたり水が周辺に散乱したりすることなく、簡単に豆腐40とともに収容した水を排出(水切り)した後に、図3Cに示す実施例3と同様に、容器本体20の一方の側面の、上面が大きく開いた垂直面からの傾斜角が40度の傾斜面cに設けた、前述した内面が凹状に反転可能な凸状の水切り凸部23を、指で押えて凹状に反転させた状態で、再び豆腐容器を傾けるだけで、この傾斜角が40度の傾斜面cを、そのまま“つるり"と滑らせて簡単に豆腐40を取出すことができる、特に豆腐40の取出しが容易な、豆腐40の水切りと取出しとが容易な豆腐容器を得ることができた。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明の、偏平直方体状の豆腐などを、効率良く鮮度保持用や緩衝保形用などの水とともに収容して、そのまま流通,販売することができる、豆腐40の水切りと取出しとが容易な豆腐容器については、実施例に示す偏平直方体状の豆腐40以外に、調味用や保存用などの液体を分離,排出して賞味する、偏平な楕円形や三角形や六角形などの各種立体状の水羊羹や寒天類や蒟蒻などの、水切りと取出しとが容易な食品容器として、そのまま幅広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施例1における、図1Aは、豆腐容器の斜視図であって、図1Bは、水切りのために、豆腐容器を部分的に開蓋した状態を示す斜視図であって、図1Cは、この豆腐容器を傾けて、水切りをする状態を示す断面説明図である。
【図2】本発明の実施例2における、図2Aは、豆腐容器の斜視図であって、図2Bは、水切りのために、豆腐容器を部分的に開蓋した状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施例3における、図3Aは、豆腐容器の斜視図であって、図3Bは、途中まで開蓋した豆腐容器を傾けて、水切りをする状態を示す断面説明図であって、図3Cは、この豆腐容器を再び傾けて、豆腐40を取出す状態を示す断面説明図である。
【図4】本発明の実施例4における、図4Aは、豆腐容器の斜視図であって、図4Bは、水切りのために、豆腐容器を部分的に開蓋した状態を示す斜視図である。
【図5】従来の豆腐容器の斜視図である。
【図6】図5Aは、従来の豆腐容器の斜視図であって、図5Bは、従来の豆腐容器を傾けて、水切りをする状態を示す断面説明図である。
【符号の説明】
【0043】
20 …容器本体
21 …フランジ
22 …凸状の水切り凸部
23 …反転可能な凸状の水切り凸部
30 …蓋材
31 …開蓋タブ
32 …水切りタブ
40 …豆腐
a …V字切込み
b …切れ目線
c …傾斜面
d …指掛け穴
e …水切り凹溝
f …横切り破断線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面を開放した角を丸めた偏平直方体状などの、成型プラスチック製の容器本体20の上周部のフランジ21に、隅部などに開蓋タブ31を有する長方形状などの、剥離可能なプラスチックフィルム製の蓋材30を、熱融着するなどして閉蓋する豆腐容器において、容器本体20の一方の側面に、内面が凸状の水切り凸部22を設けて、この凸状の水切り凸部22に対応する蓋材30の隅部などに、V字切込みaを有する水切りタブ32を設けたことを特徴とする豆腐容器。
【請求項2】
上面を開放した角を丸めた偏平直方体状などの、成型プラスチック製の容器本体20の上周部のフランジ21に、隅部などに開蓋タブ31を有する長方形状などの、剥離可能なプラスチックフィルム製の蓋材30を、熱融着するなどして閉蓋する豆腐容器において、蓋材30の開蓋タブ31に対応する容器本体20の一方の側面を、上面が大きく開いた傾斜面cに形成して、この一方の側面の傾斜面cに、内面が平状又は凹状に反転可能な凸状の水切り凸部23を設けたことを特徴とする豆腐容器。
【請求項3】
請求項2に記載の豆腐容器において、容器本体20の反転可能な凸状の水切り凸部23に対応する蓋材30の隅部などに、開蓋タブ31に替えて、V字切込みaを有する水切りタブ32を設けたことを特徴とする豆腐容器。
【請求項4】
請求項1又は請求項3に記載の豆腐容器において、容器本体20の凸状の水切り凸部22又は反転可能な凸状の水切り凸部23に対応する、剥離可能なプラスチックフィルム製の蓋材30の隅部などに設けた、水切りタブ32のV字切込みaの延長上に、リードテープや半切れ線状などの切れ目線bを設けたことを特徴とする豆腐容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−269368(P2007−269368A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−97744(P2006−97744)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】