負荷分散型ハンドレール駆動装置
ハンドレール(42)を駆動するよう配設された第1駆動輪組立体(60)を含むハンドレール駆動装置が提供され、第1駆動輪組立体は第1駆動部材(46)によって駆動される遊星歯車装置を含む。ハンドレール駆動装置はさらに、ハンドレールを駆動するよう配設された第2駆動輪組立体(41)を含み、第2駆動輪組立体は第2駆動部材(48)によって第1ハンドレール駆動輪組立体の遊星歯車装置に連結される。第1ハンドレール駆動輪組立体の遊星歯車装置は、第1駆動部材によって与えられたトルクを第1と第2駆動輪組立体の間で分配するよう配設されている。
【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、広くハンドレール駆動装置に関するものであり、より詳細には、動く歩道、トラベレータ、エスカレータなどに関連して一般に使用される線状ハンドレール駆動装置に関する。
【関連技術の説明】
【0002】
線状ハンドレール駆動装置は、長年存在してきた。このようなハンドレール駆動装置は、ハンドレール全体を動く歩道および/またはエスカレータのステップバンドの上方に持ち上げたものとして開発され、それにより、ハンドレールがトラスの下を通ってステップバンド用に配設された駆動要素で直接駆動されることを回避している。この構造は数々の利点があるにもかかわらず、公知の線状ハンドレール駆動装置は、例えば効果的な調整が困難、信頼性が不十分、能力に限度、特殊なハンドレールを実装不可、および老朽化がかなり早いといった問題を伴っていた。
【0003】
図1Aは、従来の線状ハンドレール駆動装置10の一例を示す。ハンドレール駆動装置10は、ハンドレール14を駆動するために設けられた複数の駆動輪部材12を備える。各駆動輪部材12は、入力部12aおよび出力部12bを備える。各駆動輪部材12の入力部12aは、連結部材16、例えばチェーンまたはベルトなどによって相互に接続されている。駆動モータ18が、入力連結部材16aによって少なくとも1つの駆動輪部材12の入力部12aに連結されている。ハンドレール14は、ハンドレール14の反対側に配設されたそれぞれのピンチローラ20によって、各駆動輪部材12の出力部12bに押し付けられている。運転状態では、駆動モータ18は駆動輪部材12の1つを駆動し、この駆動輪部材は次に、連結部材16を介して別の駆動輪部材12を実質的に同じ角速度で駆動する。その結果、各駆動輪部材12の出力部12bがハンドレール14を駆動して動かす。ハンドレール駆動装置10における前述の要素がすべて、構造上の特性が等しく(例えば、各駆動輪装置12の直径および硬度が等しく、また、各ピンチローラ20がハンドレール14に与える挟持力が等しく)、かつ各部材12の角速度が等しい場合、各駆動輪部材12の出力部12bの線速度もまた等しくなる。そのため、各駆動輪部材12がハンドレール14に与える線速度は等しいが、これは、駆動輪部材12の回転半径が等しいためである。
【0004】
しかし、一般に、標準的な製造工程につきものの様々な相違や不具合により、各駆動輪部材12はあらゆる点で均一でない。例えば、1つまたは複数の駆動輪部材12の出力部12bは完全な円形でない可能性があり、またはその直径が1つ以上の別の駆動輪部材12の直径と多少異なる場合もある。他の例としては、1つまたは複数の駆動輪部材12の硬度が異なる場合もあり、および/または各ピンチローラ20によってハンドレール14に加わる挟持力が一致していない可能性もある。上述の相違のいずれによっても、駆動輪部材12のそれぞれに回転半径の相違が生ずる可能性がある。図1Aに示すように、例えば、駆動輪部材12の各出力部12bの回転半径は互いに等しくない場合があり、その結果、小さい半径を有する出力部12bは、大きい半径を有する出力部12bより遅い線速度でハンドレール14を駆動しようとする。各駆動輪部材12がハンドレール14を異なる線速度で駆動しようとすると、ハンドレール14が走行する際、一部または全部の駆動輪部材12がハンドレール14に対して滑りまたは擦りを生ずる。当業者であれば理解しようが、滑りおよび/または擦りを伴う動作は、動摩擦係数に関連した非効率をもたらすのに対し、理想的な回転状態における動作では、より効果的な静摩擦係数をうまく活用する。最終的には、不十分な動作状態により、摩耗性が高く、摩耗くずが多く発生し、性能の低い非効率的な駆動装置となる。
【0005】
従来のハンドレール駆動装置の非効率性を軽減する試みの一つが図1Bに示され、ハンドレール23、駆動モータ24、入力連結部材26、主駆動輪部材28、少なくとも1つの補助駆動輪部材32、連結部材30、および複数のピンチローラ34を備える線状ハンドレール駆動装置22が図示されている。駆動モータ24は、例えばチェーンまたはベルトなどの入力連結部材26を介して、主駆動輪部材28の入力部28aに駆動可能に連結されている。主駆動輪部材28の出力部28bは、ハンドレール23と係合するように配設された、例えばチェーン、ポリVベルト、またはコグドベルトなどであってよい連結部材30を介して少なくとも1つの補助駆動輪部材32に連結されている。複数のピンチローラ34は、主および補助駆動輪部材32に対向して配設され、ハンドレール23と連結部材30の間を押圧接触させることで、ハンドレール23に動きを与える。この構造は、従来の線状ハンドレール駆動装置に関連する上述の非効率性に何らかの改善をもたらす一方で、固有の欠点も有している。例えば、連結部材30の線形剛性は、一般にハンドレール23の線形剛性よりはるかに低く、ハンドレール23に伝わる駆動力の大部分は、最初の挟持位置において(すなわち主駆動輪部材28において)発生する。これは、負荷を受ける挟持位置の間で必要な連結部材30の伸張よりもハンドレール23の伸張が少ないために、下流の挟持位置における駆動力が制限されるからである。そのため、連結部材30自体が最初の挟持位置においてハンドレール23を駆動できなくならない限り、または駆動できなくなるまで、負荷のほとんどが最初の挟持位置において連結部材30および主駆動輪部材28にかかる。駆動できなくなると、ハンドレール23は連結部材30に対して滑って連結部材30が伸張し、その結果、次の挟持位置(すなわち、隣接する補助駆動輪部材32)への負荷が伝達されてしまう。この滑りと負荷のなだれ現象は、均衡が生じてハンドレール23が動き出すまで続く。そのため、連結部材30自体が最初の挟持位置においてハンドレール23を駆動できない限り、小さな継続的な滑りが、ハンドレール23の駆動力/負荷条件に応じて後続の挟持位置で起きる。この結果は、装置でハンドレールおよび連結部材の摩耗、摩耗くずの発生が生じ、ほとんどの挟持位置において認められる滑り(動摩擦係数)により性能が低下する点で、上述の従来の線状ハンドレール駆動装置の場合と大差がない。
【概要】
【0006】
本発明は、これまでの線状ハンドレール駆動装置に関連する問題を改善し、駆動輪組立体間で負荷を分散して摩耗を低減させる、新たに改良されたハンドレール駆動装置に関するものであり、ハンドレールと駆動輪組立体の間の抵抗および滑りを除去することで駆動装置の効率を向上させ、摩擦の動的係数よりも静的係数によって駆動することで駆動能力を向上させる。
【0007】
本発明の一実施例において、ハンドレールを駆動するよう配設された第1の駆動輪組立体を含むハンドレール駆動装置が提供され、第1の駆動輪組立体は第1の駆動部材によって駆動されるように配設された遊星歯車装置を含む。ハンドレール駆動装置はさらに、ハンドレールを駆動するよう配設された第2の駆動輪組立体を含み、第2の駆動輪組立体は第2の駆動部材によって第1の駆動輪組立体の遊星歯車装置に連結されている。第1の駆動輪組立体の遊星歯車装置は、第1の駆動部材によって与えられるトルクを少なくとも第1および第2の駆動輪組立体の間で実質的に均等に分配する。
【0008】
第1の駆動輪組立体の遊星歯車装置は、太陽歯車部材、遊星歯車支持体、リングギア部材、および少なくとも1つの遊星歯車を含む。太陽歯車部材は第1の軸を中心として回転可能に配され、ハンドレールに接触してこれを駆動するよう配設された出力部を含む。遊星歯車支持体およびリングギア部材も、第1の軸を中心として回転可能に配設されている。少なくとも1つの遊星歯車は遊星歯車支持体に連結され、太陽歯車およびリングギアと噛合する。少なくとも1つの遊星歯車は、第1の軸と実質的に平行に延びる第2の軸を中心に回転するように配設されている。少なくとも1つの遊星歯車は、第1の駆動部材によって与えられたトルクを太陽歯車とリングギア部材の間の遊星歯車支持体に分配する。
【0009】
ハンドレール駆動装置の別の実施例において、少なくとも1つの遊星歯車は、太陽歯車と噛合するよう配された第1の部分と、リングギアと噛合するよう配された第2の部分とを有する複合遊星歯車であり、複合遊星歯車の第1の部分と第2の部分は異なる径を有し、例えば、複合遊星歯車の第1の部分の径は、複合遊星歯車の第2の部分の径より小さい。
【0010】
本発明の別の実施例において、ハンドレール駆動装置は、ハンドレールを駆動するよう配設された第1の駆動輪部材と、第1の駆動輪部材に並列に連結されてハンドレールを駆動する第2の駆動輪部材とを含むものである。ハンドレール駆動装置はさらに、ハンドレールを駆動するのに必要なトルクを、少なくとも第1および第2の駆動輪部材の間で分配する手段を含む。
【0011】
本発明のさらに別の実施例において、ハンドレール駆動装置はさらに複数のピンチローラを含み、ピンチローラはそれぞれ、第1および第2の駆動輪組立体の1つに対向して配設されて、ハンドレールを第1および第2の駆動輪組立体の駆動面に押し付ける。複数のピンチローラは相互に連結されて、各ピンチローラがハンドレールに均等に力をかける。張力状態のケーブルが複数のピンチローラのそれぞれを相互に連結し、このケーブルは、駆動装置のフレームに調整可能に固定された第1の端部と、駆動装置のフレームに不動固定された第2の端部とを有する。複数のピンチローラはそれぞれ、ケーブルを収容してケーブルの張力によってピンチローラをハンドレールに対してハンドレールの移動方向に実質的に垂直な方向に押し付けるよう配設された少なくとも1つの滑車を含む。ケーブルの第1の端部には、ナットに締結されたねじ切り端部と、ナットとフレームの間に設けられてケーブルに調整可能に張力をかける圧縮バネとを含む調整機構が設けられている。あるいは、ケーブルは、第1の位置においてその全長に沿って調整可能にフレームに固定され、また第2の位置においてその全長に沿ってフレームに不動固定される。また調整機構は、第1の位置においてケーブルがその全長に沿って通ってケーブルが各ピンチローラ組立体の両側に沿って延びるような滑車を含んでもよい。
【0012】
本発明のいくつかの実施形態の例を以下の図面に関連して述べる。図中、同様の参照符号は全図にわたって同様の特徴事項を表す。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1A】公知の線状ハンドレール駆動装置の概略側面図である。
【図1B】別の公知の線状ハンドレール駆動装置の概略側面図である。
【図2】本発明の実施例によるハンドレール駆動装置の概略側面図である。
【図3A】本発明の別の実施例によるハンドレール駆動装置の概略側面図である。
【図3B】図3Aの線3B−3Bにおけるハンドレール駆動輪組立体の実施例の概略断面図である。
【図3C】図3Aの線3C−3Cにおけるハンドレール駆動輪組立体の別の実施例の概略断面図である。
【図3D】図3Aの線3D−3Dにおけるハンドレール駆動輪組立体の別の実施例の概略断面図である。
【図4】図3Bに示すハンドレール駆動輪組立体の遊星歯車装置の詳細な概略断面図である。
【図5A】および
【図5B】図3Cに示すハンドレール駆動輪組立体による複合遊星歯車を有する遊星歯車装置の別の実施例の概略前面図および側面図である。
【図6】本発明の実施例による可変式挟持力均等化装置を備えるピンチローラ・システムの概略側面図である。
【図7】本発明の別の実施例による、個々の油圧モータを利用してハンドレール駆動部材を駆動するハンドレール駆動装置の概略図である。
【詳細な説明】
【0014】
各図に示した実施例の説明において、理解を容易にするために特定の専門用語を用いている。しかし、本発明はここで選択された特定の用語に限定するものではない。それぞれの具体的要素は、同じように動作して同様の目的を達成するあらゆる同等技術を含むことを理解されたい。
【0015】
以下の本発明の特定の実施例の説明において、「上部」、「底部」、「上方へ」、および「下方へ」といった方向を示す語は、説明を目的として使用されるものであり、図に示すような発電機ユニットおよびその様々な構成部品の配向状態について限定を与えるものではない。同様に、「軸方向」および「径方向」などの方向を示す語もまた、説明を目的として使用されているものであり、限定を与えるものではない。
【0016】
図2は、本発明の実施例によるハンドレール駆動装置40の概略側面図である。ハンドレール駆動装置40は、ハンドレール42を駆動するように構成され、第1駆動部材48を介して第2駆動輪組立体41に駆動可能に連結された第1駆動輪組立体50を含む。第1駆動部材はベルトまたはチェーンなどでよい。図2に示す実施例では、第1駆動輪組立体50は、入力駆動部材46を介して駆動モータ44に駆動可能に連結されている。入力駆動部材はベルトまたはチェーンなどでよい。第1駆動輪組立体50は遊星歯車装置を含み、これは、入力駆動部材46によって与えられるトルクを第1駆動輪組立体50と第2駆動輪組立体41の間で分配して、各駆動輪組立体が並列にハンドレール42を駆動するものである。第1駆動輪組立体50の遊星歯車装置については、図3A、図3Cおよび図5を参照して以下により詳細に述べる。しかし、要するに、図2に概略的に示す遊星歯車装置は、軸Aを中心に回転可能に配置され、太陽歯車部材56、遊星歯車支持体52、リングギア部材58、および少なくとも1つの遊星歯車54、55を含む。遊星歯車装置は、ハンドレール42を出力部60において直接駆動する太陽歯車部材56と、トルクの分配分を第1駆動部材48を通じて第2駆動輪組立体41に伝達するリングギア部材58との間でトルクを分配する機能を果たす。2つの遊星歯車54、55が図2に示す実施例に含まれているが、1つ以上の遊星歯車を含め、いくつでも使用可能であることは当業者の理解するところであろう。
【0017】
第2駆動輪組立体41は、図2に示す実施例に見られるように、軸A’を中心として回転可能に配された一体的部材45である。第2駆動輪組立体41は、第1駆動部材48から与えられた入力トルクを受ける入力部43と、ハンドレール42に接触してレールを駆動する出力部47とを含む(図3Dを参照)。図2に示す実施例では、複数のピンチローラ62も第1および第2駆動輪組立体50、41の反対側に設けられて、ハンドレール42を第1および第2駆動輪組立体50、41の出力部60、47に対してハンドレール42の駆動方向に垂直な方向で押圧する。
【0018】
図3Aは、本発明の別の実施例によるハンドレール駆動装置40の概略側面図である。図3Aに示す実施例のハンドレール駆動装置40は、上述した図2に示す駆動装置と実質的に同じであるが、別の駆動輪組立体50Aが駆動モータ44と第1駆動輪組立体50の間に配設されている点が異なる。図3Aに示す実施例では、駆動輪組立体50A、50、および41は、従来の線状ハンドレール駆動装置の直列型ではなく、並列に駆動される。駆動輪組立体50A、50のそれぞれは、トルクを分配して角速度補正を行う遊星歯車装置を含む。図2に示すように、第2駆動輪組立体41は、入力部43および出力部47をそれぞれ有する一体部材45である。トルクは、駆動装置における駆動輪組立体の数および遊星歯車装置内の歯車比に応じて、駆動輪組立体50A、50の各遊星歯車装置によって分配される。図3B、図3C、および図3Dは、図3Aに示す実施例によるハンドレール駆動輪組立体の、各線3B−3B、3C−3C、3D−3Dにおける概略断面図である。
【0019】
図3Aおよび図3Bを参照すると、この追加した駆動輪組立体50Aは、支持フレームFに対して軸A’’を中心として回転可能に配設され、太陽歯車部材56A、遊星歯車支持体52A、リングギア部材58A、および少なくとも1つの遊星歯車54A、55Aを含む。図4は、以下にさらに述べるが、追加した駆動輪組立体50Aの遊星歯車装置をより詳細に示している。動作状態では、遊星歯車支持体52Aは駆動モータ44から入力駆動部材46を介してトルクを受ける。遊星歯車54A、55Aは、遊星歯車支持体52Aのシャフト57Aに回転可能に配設されている。遊星歯車54A、55Aの歯付き外面は、噛合いゾーン53Aにおいて太陽歯車部材56Aの歯付き外面と噛み合い、また噛合いゾーン51Aにおいてリングギア部材58Aの歯付き内面と噛み合う。遊星歯車54A、55Aにより、遊星歯車支持体52Aへの入力トルクは、出力部60Aにおいてハンドレール42を直接駆動する遊星歯車部材56Aと、分配された分のトルクを第1駆動輪組立体50に駆動部材48Aを通じて伝達するリングギア部材58Aとの間で分配される。追加した駆動輪組立体50Aの遊星歯車装置は駆動モータ44から入力されるトルクを分配し、小さい方のトルク分が噛合いゾーン53Aにおいて遊星歯車54A、55Aにより太陽歯車部材56Aに直接伝達されるようにする。残りの大きい方のトルク分は、噛合いゾーン51Aにおいて遊星歯車54A、55Aによってリングギア部材58Aに伝達される。大きいトルク分および小さいトルク分は、それぞれリングギア部材58Aおよび太陽歯車部材56Aによって決まるモーメントアームに基づく。出力された大きい方のトルク分は次に、チェーンやベルトなどの駆動部材48Aを介して、隣に連なる駆動輪組立体、例えば第1駆動輪組立体50に伝達/出力される。したがって、図3Aに示す実施例では、リングギア部材58Aから出力されるトルクは、第1駆動輪組立体50の遊星歯車支持体52に入力されるトルクとなる。この機械的トルク分配/分散工程は、駆動輪組立体を次々に、第2駆動輪組立体41に到達するまで繰り返される。第2駆動輪組立体41は、残りのトルクを第1駆動輪組立体50から単に受け取るだけであり、分配伝達する必要はない。
【0020】
図3A、図3C、図5A、および図5Bは、本発明の実施例による第1駆動輪組立体50の遊星歯車装置のいくつかの態様を概略的に示す。第1駆動輪組立体50の遊星歯車装置は、支持フレームFに対して軸Aを中心に回転可能に配設され、太陽歯車部材56、遊星歯車支持体52、リングギア部材58、および少なくとも1つの遊星歯車54、55を備えている。遊星歯車54、55は、遊星歯車支持体52のシャフト57に回転可能に配されている。図3Aに示す実施例では、第1駆動輪組立体50は、駆動部材48Aを介して追加駆動輪組立体50Aに、また駆動部材48を介して第2駆動輪組立体41に、動作可能に連結されている。第2駆動輪組立体41は、駆動装置における最後の駆動輪組立体であるため、遊星歯車装置を備えていない。そのため、第1駆動輪組立体50がこれに入力されるトルクを自身と第2駆動輪組立体41との間で正確に等分するには、遊星歯車部材およびリングギア部材の径が理論的には等しいはずであろう。この場合、遊星歯車の直径は、必然的に零となろう。これは明らかに不可能である。遊星歯車が太陽歯車部材とリングギア部材の両方に噛み合うような形状の単一ピッチ円直径を有する歯付き外面を備えた遊星歯車装置を使用した最良のトルク分配は、約45〜55%分配である(例えば図3Bを参照)。しかし、図3Cに示すように、複合遊星歯車54、55を設けることで、ほぼ理想的な50〜50分配率のトルクが実現できる。複合遊星歯車54、55は、図3C、図5A、および図5Bに示す実施例の概略図に図示され、ピッチ円直径の異なる2つの別々な歯付き外面を有している。図3Cでは、各遊星歯車54、55の2つの歯付き外面のうち、1番目の外面がゾーン51においてリングギア58と噛み合い、各遊星歯車54、55の2つの歯付き外面の2番目の外面は、ゾーン53において、太陽歯車部材56とその半径方向の拡張部分59の半径方向の外側端で噛み合うように配されている。
【0021】
図3Aの実施例に示すハンドレール駆動装置40は3つの駆動輪組立体50A、50、および41を備え、追加した駆動輪組立体50Aにおける歯車係合は、伝達されたトルクの約1/3のトルク分配分を太陽歯車部材56Aに供給するように選択され、残りの2/3のトルクは第1駆動輪組立体50の遊星歯車支持体52に伝達される。第1駆動輪組立体50では、遊星歯車装置は残りの2/3のトルク分配分を太陽歯車部材56とリングギア部材58の間でほぼ等分するように構成され、それにより、3つの駆動輪組立体50A、50、および41のすべてが全駆動トルクおよび負荷の約1/3を受けることになる。当業者には明らかになろうが、ハンドレール駆動装置40は駆動輪組立体をいくつでも備えることが可能であり、例えば、2つ(図2など)、3つ(図3Aなど)、または4つの駆動輪組立体(図示せず)などでよく、トルクは駆動輪組立体間で実質的に等分される。
【0022】
すべての駆動パラメータ(例えば、構造寸法、硬度、およびピンチ輪力)および角速度が各駆動輪組立体50A、50、41間で完全に等しい場合、ハンドレール駆動装置40は、各駆動輪組立体の遊星歯車装置間の歯車比に基づいて、遊星歯車54、55(54A、55A)の内部運動に関係なく、駆動トルクを駆動輪組立体50、50A、41間で均等に分配するように動作するであろう。これは、すべての駆動輪組立体の回転半径が等しくなるはずだからである。しかし、このような装置の駆動パラメータは一般に理想と異なるため、普通は駆動輪組立体50、50A、41間で回転半径が異なる。そのため、遊星歯車54、55(54A、55A)が回転半径の差を補償する必要性から内部で動いて、その結果、ハンドレール42に与えられる駆動トルク分配分を維持したまま、各駆動輪組立体の角速度が変わる。
【0023】
図4は、図3Aおよび図3Bに示す追加駆動輪組立体50Aの遊星歯車装置の概略断面図を、複数のピンチローラ組立体103(以下に図6を参照してさらに述べる)の1つとともに、より詳細に示す。図2、図3A〜図3D、および図4に示す概略図は、一定の縮尺に基づくものではない。さまざまな要素の他の要素に対する大きさは、各図で異なる場合があるが、それによって図示しようとしている機械的関係が損なわれるものではないことは、当業者に明確となろう。例えば、図4において、追加駆動輪部材50Aの太陽歯車出力部60Aは、例えばリングギア58Aなどの他の要素よりその径が小さく示されているのに対し、図3Aおよび図3Bでは、出力部60Aの径はリングギア58Aより大きく描かれている。しかし、どちらの例でも、出力部60Aは太陽歯車部材56Aの一部を形成し、ハンドレール42を駆動するために配設されている。
【0024】
図6に示す本発明の別の実施例では、ピンチローラ力機構100は、複数の駆動輪組立体102の各ハンドレール接触点において、ハンドレール101に均等な挟持力を与えるように構成され、それにより、変動駆動パラメータのうちの1つの影響を最小限にしている。図6の実施例においてピンチローラ力機構100とともに図示された駆動輪組立体102は、本明細書に述べる駆動輪組立体のいずれかでよく、あるいは他の公知の駆動輪組立体でもよい。ピンチローラ力機構100は、ピンチローラ104を有する複数のピンチローラ組立体103を備え、各々がハンドレール101の駆動輪組立体102の出力部とは反対側に配設されている。ピンチローラ104は、ハンドレール101を、各駆動輪組立体102の出力部に対してハンドレール101の走行方向に垂直な方向に押し付ける。
【0025】
各ピンチローラ組立体103は、ピンチローラ104に配設された複数の滑車105、106、107を備え、滑車105、106、107が収容するケーブル108によって、ケーブル108の張力に基づく均一な力で各ピンチローラをハンドレール101に押し付ける。各ピンチローラ104は、その片側にのみ設けられる滑車105、106、107を有してケーブル108がピンチローラ104の片側にのみ沿って延伸するようにしてもよい。あるいは、各ピンチローラ104は、その両側に配列された滑車105、106、107を有して、ケーブル108がピンチローラ104の両側に沿って延伸するようにしてもよい。この場合、ケーブル108はピンチローラ104の両側に沿って延びる1本の連続するケーブルでよく、あるいは、ピンチローラ104のそれぞれの側に沿って延びる2本の別個のケーブルでもよい。図6に示す実施例では、ケーブル108は、各ピンチローラ104の図に見える側に沿ってのみ延びているように図示されている。ケーブル108は、取付け要素115および調整機構109によって調整可能にフレーム110に固定されている。ケーブル108はまた、フレーム111にも不動固定されている。取付け要素115は、ケーブル108の端部を収容して把持する部材でよい。あるいは、取付け要素115は、各ピンチローラ104の挟持力方向に平行な回転軸を有する滑車でよく、それにより、第1および第2端部がフレーム111に不動固定された1本の連続ケーブル108がピンチローラ104の両側に沿って延伸できる。どちらの場合も、調整機構109は取付け要素115に連結され、また、ナット113に取り付けられた、ねじ切り端部を含む。圧縮バネ112がナット113とフレーム110の間に設けられて、ケーブル108に可調整張力を与える。ピンチローラ力機構100によって、図6に示すように、各駆動輪組立体102のそれぞれにおいて均等な大きさの張力および挟持力が生ずる。また、ケーブル張力は駆動輪組立体に必要な駆動力に応じて調整でき、それによって、最適な挟持力を、必要に応じて、また駆動力条件に応じて、駆動装置およびハンドレールに加えることができると考えられる。
【0026】
図7に概略的に示すように、油圧装置200によって上述のハンドレールを並列に駆動できることも考えられる。例えば、油圧装置200では、ハンドレール201を駆動する各駆動輪組立体202は、駆動輪組立体202に配設され接続された油圧駆動モータ203を備える。各駆動輪組立体202の油圧モータ203は、油圧ライン204を介して他の油圧モータ203と平行に垂下している。そのため、各油圧モータ203、ひいては各駆動輪組立体202は、各モータの変位および共通の圧力に応じて駆動負荷全体の一部を受けることになる。上述の機械システムの相当部分の場合のように、いずれかの駆動輪組立体202における回転半径または他の駆動パラメータの何らかの変化も、各モータの負荷分担分を維持しつつ、対応するモータ203および駆動輪組立体202の角速度の対応する変化によって補償される。また油圧装置200は、駆動モータ203の圧力をライン205を介して油圧シリンダ207に与え、油圧シリンダは、ピンチローラ206に連結されて駆動システム負荷に比例する挟持力を生成することができ、これによって、最適化されて負荷の補償された挟持力を図7に示すハンドレール201に生ずることとなる。
【0027】
また、ハンドレールの並列駆動は、複数のAC駆動輪モータおよび可変周波数制御装置(図示せず)を使用して電気的に達成できることも考えられる。
【0028】
本発明は特定の例および実施例に関連して述べたが、本願特許請求の範囲に規定された発明の範囲において変更可能である。
【発明の分野】
【0001】
本発明は、広くハンドレール駆動装置に関するものであり、より詳細には、動く歩道、トラベレータ、エスカレータなどに関連して一般に使用される線状ハンドレール駆動装置に関する。
【関連技術の説明】
【0002】
線状ハンドレール駆動装置は、長年存在してきた。このようなハンドレール駆動装置は、ハンドレール全体を動く歩道および/またはエスカレータのステップバンドの上方に持ち上げたものとして開発され、それにより、ハンドレールがトラスの下を通ってステップバンド用に配設された駆動要素で直接駆動されることを回避している。この構造は数々の利点があるにもかかわらず、公知の線状ハンドレール駆動装置は、例えば効果的な調整が困難、信頼性が不十分、能力に限度、特殊なハンドレールを実装不可、および老朽化がかなり早いといった問題を伴っていた。
【0003】
図1Aは、従来の線状ハンドレール駆動装置10の一例を示す。ハンドレール駆動装置10は、ハンドレール14を駆動するために設けられた複数の駆動輪部材12を備える。各駆動輪部材12は、入力部12aおよび出力部12bを備える。各駆動輪部材12の入力部12aは、連結部材16、例えばチェーンまたはベルトなどによって相互に接続されている。駆動モータ18が、入力連結部材16aによって少なくとも1つの駆動輪部材12の入力部12aに連結されている。ハンドレール14は、ハンドレール14の反対側に配設されたそれぞれのピンチローラ20によって、各駆動輪部材12の出力部12bに押し付けられている。運転状態では、駆動モータ18は駆動輪部材12の1つを駆動し、この駆動輪部材は次に、連結部材16を介して別の駆動輪部材12を実質的に同じ角速度で駆動する。その結果、各駆動輪部材12の出力部12bがハンドレール14を駆動して動かす。ハンドレール駆動装置10における前述の要素がすべて、構造上の特性が等しく(例えば、各駆動輪装置12の直径および硬度が等しく、また、各ピンチローラ20がハンドレール14に与える挟持力が等しく)、かつ各部材12の角速度が等しい場合、各駆動輪部材12の出力部12bの線速度もまた等しくなる。そのため、各駆動輪部材12がハンドレール14に与える線速度は等しいが、これは、駆動輪部材12の回転半径が等しいためである。
【0004】
しかし、一般に、標準的な製造工程につきものの様々な相違や不具合により、各駆動輪部材12はあらゆる点で均一でない。例えば、1つまたは複数の駆動輪部材12の出力部12bは完全な円形でない可能性があり、またはその直径が1つ以上の別の駆動輪部材12の直径と多少異なる場合もある。他の例としては、1つまたは複数の駆動輪部材12の硬度が異なる場合もあり、および/または各ピンチローラ20によってハンドレール14に加わる挟持力が一致していない可能性もある。上述の相違のいずれによっても、駆動輪部材12のそれぞれに回転半径の相違が生ずる可能性がある。図1Aに示すように、例えば、駆動輪部材12の各出力部12bの回転半径は互いに等しくない場合があり、その結果、小さい半径を有する出力部12bは、大きい半径を有する出力部12bより遅い線速度でハンドレール14を駆動しようとする。各駆動輪部材12がハンドレール14を異なる線速度で駆動しようとすると、ハンドレール14が走行する際、一部または全部の駆動輪部材12がハンドレール14に対して滑りまたは擦りを生ずる。当業者であれば理解しようが、滑りおよび/または擦りを伴う動作は、動摩擦係数に関連した非効率をもたらすのに対し、理想的な回転状態における動作では、より効果的な静摩擦係数をうまく活用する。最終的には、不十分な動作状態により、摩耗性が高く、摩耗くずが多く発生し、性能の低い非効率的な駆動装置となる。
【0005】
従来のハンドレール駆動装置の非効率性を軽減する試みの一つが図1Bに示され、ハンドレール23、駆動モータ24、入力連結部材26、主駆動輪部材28、少なくとも1つの補助駆動輪部材32、連結部材30、および複数のピンチローラ34を備える線状ハンドレール駆動装置22が図示されている。駆動モータ24は、例えばチェーンまたはベルトなどの入力連結部材26を介して、主駆動輪部材28の入力部28aに駆動可能に連結されている。主駆動輪部材28の出力部28bは、ハンドレール23と係合するように配設された、例えばチェーン、ポリVベルト、またはコグドベルトなどであってよい連結部材30を介して少なくとも1つの補助駆動輪部材32に連結されている。複数のピンチローラ34は、主および補助駆動輪部材32に対向して配設され、ハンドレール23と連結部材30の間を押圧接触させることで、ハンドレール23に動きを与える。この構造は、従来の線状ハンドレール駆動装置に関連する上述の非効率性に何らかの改善をもたらす一方で、固有の欠点も有している。例えば、連結部材30の線形剛性は、一般にハンドレール23の線形剛性よりはるかに低く、ハンドレール23に伝わる駆動力の大部分は、最初の挟持位置において(すなわち主駆動輪部材28において)発生する。これは、負荷を受ける挟持位置の間で必要な連結部材30の伸張よりもハンドレール23の伸張が少ないために、下流の挟持位置における駆動力が制限されるからである。そのため、連結部材30自体が最初の挟持位置においてハンドレール23を駆動できなくならない限り、または駆動できなくなるまで、負荷のほとんどが最初の挟持位置において連結部材30および主駆動輪部材28にかかる。駆動できなくなると、ハンドレール23は連結部材30に対して滑って連結部材30が伸張し、その結果、次の挟持位置(すなわち、隣接する補助駆動輪部材32)への負荷が伝達されてしまう。この滑りと負荷のなだれ現象は、均衡が生じてハンドレール23が動き出すまで続く。そのため、連結部材30自体が最初の挟持位置においてハンドレール23を駆動できない限り、小さな継続的な滑りが、ハンドレール23の駆動力/負荷条件に応じて後続の挟持位置で起きる。この結果は、装置でハンドレールおよび連結部材の摩耗、摩耗くずの発生が生じ、ほとんどの挟持位置において認められる滑り(動摩擦係数)により性能が低下する点で、上述の従来の線状ハンドレール駆動装置の場合と大差がない。
【概要】
【0006】
本発明は、これまでの線状ハンドレール駆動装置に関連する問題を改善し、駆動輪組立体間で負荷を分散して摩耗を低減させる、新たに改良されたハンドレール駆動装置に関するものであり、ハンドレールと駆動輪組立体の間の抵抗および滑りを除去することで駆動装置の効率を向上させ、摩擦の動的係数よりも静的係数によって駆動することで駆動能力を向上させる。
【0007】
本発明の一実施例において、ハンドレールを駆動するよう配設された第1の駆動輪組立体を含むハンドレール駆動装置が提供され、第1の駆動輪組立体は第1の駆動部材によって駆動されるように配設された遊星歯車装置を含む。ハンドレール駆動装置はさらに、ハンドレールを駆動するよう配設された第2の駆動輪組立体を含み、第2の駆動輪組立体は第2の駆動部材によって第1の駆動輪組立体の遊星歯車装置に連結されている。第1の駆動輪組立体の遊星歯車装置は、第1の駆動部材によって与えられるトルクを少なくとも第1および第2の駆動輪組立体の間で実質的に均等に分配する。
【0008】
第1の駆動輪組立体の遊星歯車装置は、太陽歯車部材、遊星歯車支持体、リングギア部材、および少なくとも1つの遊星歯車を含む。太陽歯車部材は第1の軸を中心として回転可能に配され、ハンドレールに接触してこれを駆動するよう配設された出力部を含む。遊星歯車支持体およびリングギア部材も、第1の軸を中心として回転可能に配設されている。少なくとも1つの遊星歯車は遊星歯車支持体に連結され、太陽歯車およびリングギアと噛合する。少なくとも1つの遊星歯車は、第1の軸と実質的に平行に延びる第2の軸を中心に回転するように配設されている。少なくとも1つの遊星歯車は、第1の駆動部材によって与えられたトルクを太陽歯車とリングギア部材の間の遊星歯車支持体に分配する。
【0009】
ハンドレール駆動装置の別の実施例において、少なくとも1つの遊星歯車は、太陽歯車と噛合するよう配された第1の部分と、リングギアと噛合するよう配された第2の部分とを有する複合遊星歯車であり、複合遊星歯車の第1の部分と第2の部分は異なる径を有し、例えば、複合遊星歯車の第1の部分の径は、複合遊星歯車の第2の部分の径より小さい。
【0010】
本発明の別の実施例において、ハンドレール駆動装置は、ハンドレールを駆動するよう配設された第1の駆動輪部材と、第1の駆動輪部材に並列に連結されてハンドレールを駆動する第2の駆動輪部材とを含むものである。ハンドレール駆動装置はさらに、ハンドレールを駆動するのに必要なトルクを、少なくとも第1および第2の駆動輪部材の間で分配する手段を含む。
【0011】
本発明のさらに別の実施例において、ハンドレール駆動装置はさらに複数のピンチローラを含み、ピンチローラはそれぞれ、第1および第2の駆動輪組立体の1つに対向して配設されて、ハンドレールを第1および第2の駆動輪組立体の駆動面に押し付ける。複数のピンチローラは相互に連結されて、各ピンチローラがハンドレールに均等に力をかける。張力状態のケーブルが複数のピンチローラのそれぞれを相互に連結し、このケーブルは、駆動装置のフレームに調整可能に固定された第1の端部と、駆動装置のフレームに不動固定された第2の端部とを有する。複数のピンチローラはそれぞれ、ケーブルを収容してケーブルの張力によってピンチローラをハンドレールに対してハンドレールの移動方向に実質的に垂直な方向に押し付けるよう配設された少なくとも1つの滑車を含む。ケーブルの第1の端部には、ナットに締結されたねじ切り端部と、ナットとフレームの間に設けられてケーブルに調整可能に張力をかける圧縮バネとを含む調整機構が設けられている。あるいは、ケーブルは、第1の位置においてその全長に沿って調整可能にフレームに固定され、また第2の位置においてその全長に沿ってフレームに不動固定される。また調整機構は、第1の位置においてケーブルがその全長に沿って通ってケーブルが各ピンチローラ組立体の両側に沿って延びるような滑車を含んでもよい。
【0012】
本発明のいくつかの実施形態の例を以下の図面に関連して述べる。図中、同様の参照符号は全図にわたって同様の特徴事項を表す。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1A】公知の線状ハンドレール駆動装置の概略側面図である。
【図1B】別の公知の線状ハンドレール駆動装置の概略側面図である。
【図2】本発明の実施例によるハンドレール駆動装置の概略側面図である。
【図3A】本発明の別の実施例によるハンドレール駆動装置の概略側面図である。
【図3B】図3Aの線3B−3Bにおけるハンドレール駆動輪組立体の実施例の概略断面図である。
【図3C】図3Aの線3C−3Cにおけるハンドレール駆動輪組立体の別の実施例の概略断面図である。
【図3D】図3Aの線3D−3Dにおけるハンドレール駆動輪組立体の別の実施例の概略断面図である。
【図4】図3Bに示すハンドレール駆動輪組立体の遊星歯車装置の詳細な概略断面図である。
【図5A】および
【図5B】図3Cに示すハンドレール駆動輪組立体による複合遊星歯車を有する遊星歯車装置の別の実施例の概略前面図および側面図である。
【図6】本発明の実施例による可変式挟持力均等化装置を備えるピンチローラ・システムの概略側面図である。
【図7】本発明の別の実施例による、個々の油圧モータを利用してハンドレール駆動部材を駆動するハンドレール駆動装置の概略図である。
【詳細な説明】
【0014】
各図に示した実施例の説明において、理解を容易にするために特定の専門用語を用いている。しかし、本発明はここで選択された特定の用語に限定するものではない。それぞれの具体的要素は、同じように動作して同様の目的を達成するあらゆる同等技術を含むことを理解されたい。
【0015】
以下の本発明の特定の実施例の説明において、「上部」、「底部」、「上方へ」、および「下方へ」といった方向を示す語は、説明を目的として使用されるものであり、図に示すような発電機ユニットおよびその様々な構成部品の配向状態について限定を与えるものではない。同様に、「軸方向」および「径方向」などの方向を示す語もまた、説明を目的として使用されているものであり、限定を与えるものではない。
【0016】
図2は、本発明の実施例によるハンドレール駆動装置40の概略側面図である。ハンドレール駆動装置40は、ハンドレール42を駆動するように構成され、第1駆動部材48を介して第2駆動輪組立体41に駆動可能に連結された第1駆動輪組立体50を含む。第1駆動部材はベルトまたはチェーンなどでよい。図2に示す実施例では、第1駆動輪組立体50は、入力駆動部材46を介して駆動モータ44に駆動可能に連結されている。入力駆動部材はベルトまたはチェーンなどでよい。第1駆動輪組立体50は遊星歯車装置を含み、これは、入力駆動部材46によって与えられるトルクを第1駆動輪組立体50と第2駆動輪組立体41の間で分配して、各駆動輪組立体が並列にハンドレール42を駆動するものである。第1駆動輪組立体50の遊星歯車装置については、図3A、図3Cおよび図5を参照して以下により詳細に述べる。しかし、要するに、図2に概略的に示す遊星歯車装置は、軸Aを中心に回転可能に配置され、太陽歯車部材56、遊星歯車支持体52、リングギア部材58、および少なくとも1つの遊星歯車54、55を含む。遊星歯車装置は、ハンドレール42を出力部60において直接駆動する太陽歯車部材56と、トルクの分配分を第1駆動部材48を通じて第2駆動輪組立体41に伝達するリングギア部材58との間でトルクを分配する機能を果たす。2つの遊星歯車54、55が図2に示す実施例に含まれているが、1つ以上の遊星歯車を含め、いくつでも使用可能であることは当業者の理解するところであろう。
【0017】
第2駆動輪組立体41は、図2に示す実施例に見られるように、軸A’を中心として回転可能に配された一体的部材45である。第2駆動輪組立体41は、第1駆動部材48から与えられた入力トルクを受ける入力部43と、ハンドレール42に接触してレールを駆動する出力部47とを含む(図3Dを参照)。図2に示す実施例では、複数のピンチローラ62も第1および第2駆動輪組立体50、41の反対側に設けられて、ハンドレール42を第1および第2駆動輪組立体50、41の出力部60、47に対してハンドレール42の駆動方向に垂直な方向で押圧する。
【0018】
図3Aは、本発明の別の実施例によるハンドレール駆動装置40の概略側面図である。図3Aに示す実施例のハンドレール駆動装置40は、上述した図2に示す駆動装置と実質的に同じであるが、別の駆動輪組立体50Aが駆動モータ44と第1駆動輪組立体50の間に配設されている点が異なる。図3Aに示す実施例では、駆動輪組立体50A、50、および41は、従来の線状ハンドレール駆動装置の直列型ではなく、並列に駆動される。駆動輪組立体50A、50のそれぞれは、トルクを分配して角速度補正を行う遊星歯車装置を含む。図2に示すように、第2駆動輪組立体41は、入力部43および出力部47をそれぞれ有する一体部材45である。トルクは、駆動装置における駆動輪組立体の数および遊星歯車装置内の歯車比に応じて、駆動輪組立体50A、50の各遊星歯車装置によって分配される。図3B、図3C、および図3Dは、図3Aに示す実施例によるハンドレール駆動輪組立体の、各線3B−3B、3C−3C、3D−3Dにおける概略断面図である。
【0019】
図3Aおよび図3Bを参照すると、この追加した駆動輪組立体50Aは、支持フレームFに対して軸A’’を中心として回転可能に配設され、太陽歯車部材56A、遊星歯車支持体52A、リングギア部材58A、および少なくとも1つの遊星歯車54A、55Aを含む。図4は、以下にさらに述べるが、追加した駆動輪組立体50Aの遊星歯車装置をより詳細に示している。動作状態では、遊星歯車支持体52Aは駆動モータ44から入力駆動部材46を介してトルクを受ける。遊星歯車54A、55Aは、遊星歯車支持体52Aのシャフト57Aに回転可能に配設されている。遊星歯車54A、55Aの歯付き外面は、噛合いゾーン53Aにおいて太陽歯車部材56Aの歯付き外面と噛み合い、また噛合いゾーン51Aにおいてリングギア部材58Aの歯付き内面と噛み合う。遊星歯車54A、55Aにより、遊星歯車支持体52Aへの入力トルクは、出力部60Aにおいてハンドレール42を直接駆動する遊星歯車部材56Aと、分配された分のトルクを第1駆動輪組立体50に駆動部材48Aを通じて伝達するリングギア部材58Aとの間で分配される。追加した駆動輪組立体50Aの遊星歯車装置は駆動モータ44から入力されるトルクを分配し、小さい方のトルク分が噛合いゾーン53Aにおいて遊星歯車54A、55Aにより太陽歯車部材56Aに直接伝達されるようにする。残りの大きい方のトルク分は、噛合いゾーン51Aにおいて遊星歯車54A、55Aによってリングギア部材58Aに伝達される。大きいトルク分および小さいトルク分は、それぞれリングギア部材58Aおよび太陽歯車部材56Aによって決まるモーメントアームに基づく。出力された大きい方のトルク分は次に、チェーンやベルトなどの駆動部材48Aを介して、隣に連なる駆動輪組立体、例えば第1駆動輪組立体50に伝達/出力される。したがって、図3Aに示す実施例では、リングギア部材58Aから出力されるトルクは、第1駆動輪組立体50の遊星歯車支持体52に入力されるトルクとなる。この機械的トルク分配/分散工程は、駆動輪組立体を次々に、第2駆動輪組立体41に到達するまで繰り返される。第2駆動輪組立体41は、残りのトルクを第1駆動輪組立体50から単に受け取るだけであり、分配伝達する必要はない。
【0020】
図3A、図3C、図5A、および図5Bは、本発明の実施例による第1駆動輪組立体50の遊星歯車装置のいくつかの態様を概略的に示す。第1駆動輪組立体50の遊星歯車装置は、支持フレームFに対して軸Aを中心に回転可能に配設され、太陽歯車部材56、遊星歯車支持体52、リングギア部材58、および少なくとも1つの遊星歯車54、55を備えている。遊星歯車54、55は、遊星歯車支持体52のシャフト57に回転可能に配されている。図3Aに示す実施例では、第1駆動輪組立体50は、駆動部材48Aを介して追加駆動輪組立体50Aに、また駆動部材48を介して第2駆動輪組立体41に、動作可能に連結されている。第2駆動輪組立体41は、駆動装置における最後の駆動輪組立体であるため、遊星歯車装置を備えていない。そのため、第1駆動輪組立体50がこれに入力されるトルクを自身と第2駆動輪組立体41との間で正確に等分するには、遊星歯車部材およびリングギア部材の径が理論的には等しいはずであろう。この場合、遊星歯車の直径は、必然的に零となろう。これは明らかに不可能である。遊星歯車が太陽歯車部材とリングギア部材の両方に噛み合うような形状の単一ピッチ円直径を有する歯付き外面を備えた遊星歯車装置を使用した最良のトルク分配は、約45〜55%分配である(例えば図3Bを参照)。しかし、図3Cに示すように、複合遊星歯車54、55を設けることで、ほぼ理想的な50〜50分配率のトルクが実現できる。複合遊星歯車54、55は、図3C、図5A、および図5Bに示す実施例の概略図に図示され、ピッチ円直径の異なる2つの別々な歯付き外面を有している。図3Cでは、各遊星歯車54、55の2つの歯付き外面のうち、1番目の外面がゾーン51においてリングギア58と噛み合い、各遊星歯車54、55の2つの歯付き外面の2番目の外面は、ゾーン53において、太陽歯車部材56とその半径方向の拡張部分59の半径方向の外側端で噛み合うように配されている。
【0021】
図3Aの実施例に示すハンドレール駆動装置40は3つの駆動輪組立体50A、50、および41を備え、追加した駆動輪組立体50Aにおける歯車係合は、伝達されたトルクの約1/3のトルク分配分を太陽歯車部材56Aに供給するように選択され、残りの2/3のトルクは第1駆動輪組立体50の遊星歯車支持体52に伝達される。第1駆動輪組立体50では、遊星歯車装置は残りの2/3のトルク分配分を太陽歯車部材56とリングギア部材58の間でほぼ等分するように構成され、それにより、3つの駆動輪組立体50A、50、および41のすべてが全駆動トルクおよび負荷の約1/3を受けることになる。当業者には明らかになろうが、ハンドレール駆動装置40は駆動輪組立体をいくつでも備えることが可能であり、例えば、2つ(図2など)、3つ(図3Aなど)、または4つの駆動輪組立体(図示せず)などでよく、トルクは駆動輪組立体間で実質的に等分される。
【0022】
すべての駆動パラメータ(例えば、構造寸法、硬度、およびピンチ輪力)および角速度が各駆動輪組立体50A、50、41間で完全に等しい場合、ハンドレール駆動装置40は、各駆動輪組立体の遊星歯車装置間の歯車比に基づいて、遊星歯車54、55(54A、55A)の内部運動に関係なく、駆動トルクを駆動輪組立体50、50A、41間で均等に分配するように動作するであろう。これは、すべての駆動輪組立体の回転半径が等しくなるはずだからである。しかし、このような装置の駆動パラメータは一般に理想と異なるため、普通は駆動輪組立体50、50A、41間で回転半径が異なる。そのため、遊星歯車54、55(54A、55A)が回転半径の差を補償する必要性から内部で動いて、その結果、ハンドレール42に与えられる駆動トルク分配分を維持したまま、各駆動輪組立体の角速度が変わる。
【0023】
図4は、図3Aおよび図3Bに示す追加駆動輪組立体50Aの遊星歯車装置の概略断面図を、複数のピンチローラ組立体103(以下に図6を参照してさらに述べる)の1つとともに、より詳細に示す。図2、図3A〜図3D、および図4に示す概略図は、一定の縮尺に基づくものではない。さまざまな要素の他の要素に対する大きさは、各図で異なる場合があるが、それによって図示しようとしている機械的関係が損なわれるものではないことは、当業者に明確となろう。例えば、図4において、追加駆動輪部材50Aの太陽歯車出力部60Aは、例えばリングギア58Aなどの他の要素よりその径が小さく示されているのに対し、図3Aおよび図3Bでは、出力部60Aの径はリングギア58Aより大きく描かれている。しかし、どちらの例でも、出力部60Aは太陽歯車部材56Aの一部を形成し、ハンドレール42を駆動するために配設されている。
【0024】
図6に示す本発明の別の実施例では、ピンチローラ力機構100は、複数の駆動輪組立体102の各ハンドレール接触点において、ハンドレール101に均等な挟持力を与えるように構成され、それにより、変動駆動パラメータのうちの1つの影響を最小限にしている。図6の実施例においてピンチローラ力機構100とともに図示された駆動輪組立体102は、本明細書に述べる駆動輪組立体のいずれかでよく、あるいは他の公知の駆動輪組立体でもよい。ピンチローラ力機構100は、ピンチローラ104を有する複数のピンチローラ組立体103を備え、各々がハンドレール101の駆動輪組立体102の出力部とは反対側に配設されている。ピンチローラ104は、ハンドレール101を、各駆動輪組立体102の出力部に対してハンドレール101の走行方向に垂直な方向に押し付ける。
【0025】
各ピンチローラ組立体103は、ピンチローラ104に配設された複数の滑車105、106、107を備え、滑車105、106、107が収容するケーブル108によって、ケーブル108の張力に基づく均一な力で各ピンチローラをハンドレール101に押し付ける。各ピンチローラ104は、その片側にのみ設けられる滑車105、106、107を有してケーブル108がピンチローラ104の片側にのみ沿って延伸するようにしてもよい。あるいは、各ピンチローラ104は、その両側に配列された滑車105、106、107を有して、ケーブル108がピンチローラ104の両側に沿って延伸するようにしてもよい。この場合、ケーブル108はピンチローラ104の両側に沿って延びる1本の連続するケーブルでよく、あるいは、ピンチローラ104のそれぞれの側に沿って延びる2本の別個のケーブルでもよい。図6に示す実施例では、ケーブル108は、各ピンチローラ104の図に見える側に沿ってのみ延びているように図示されている。ケーブル108は、取付け要素115および調整機構109によって調整可能にフレーム110に固定されている。ケーブル108はまた、フレーム111にも不動固定されている。取付け要素115は、ケーブル108の端部を収容して把持する部材でよい。あるいは、取付け要素115は、各ピンチローラ104の挟持力方向に平行な回転軸を有する滑車でよく、それにより、第1および第2端部がフレーム111に不動固定された1本の連続ケーブル108がピンチローラ104の両側に沿って延伸できる。どちらの場合も、調整機構109は取付け要素115に連結され、また、ナット113に取り付けられた、ねじ切り端部を含む。圧縮バネ112がナット113とフレーム110の間に設けられて、ケーブル108に可調整張力を与える。ピンチローラ力機構100によって、図6に示すように、各駆動輪組立体102のそれぞれにおいて均等な大きさの張力および挟持力が生ずる。また、ケーブル張力は駆動輪組立体に必要な駆動力に応じて調整でき、それによって、最適な挟持力を、必要に応じて、また駆動力条件に応じて、駆動装置およびハンドレールに加えることができると考えられる。
【0026】
図7に概略的に示すように、油圧装置200によって上述のハンドレールを並列に駆動できることも考えられる。例えば、油圧装置200では、ハンドレール201を駆動する各駆動輪組立体202は、駆動輪組立体202に配設され接続された油圧駆動モータ203を備える。各駆動輪組立体202の油圧モータ203は、油圧ライン204を介して他の油圧モータ203と平行に垂下している。そのため、各油圧モータ203、ひいては各駆動輪組立体202は、各モータの変位および共通の圧力に応じて駆動負荷全体の一部を受けることになる。上述の機械システムの相当部分の場合のように、いずれかの駆動輪組立体202における回転半径または他の駆動パラメータの何らかの変化も、各モータの負荷分担分を維持しつつ、対応するモータ203および駆動輪組立体202の角速度の対応する変化によって補償される。また油圧装置200は、駆動モータ203の圧力をライン205を介して油圧シリンダ207に与え、油圧シリンダは、ピンチローラ206に連結されて駆動システム負荷に比例する挟持力を生成することができ、これによって、最適化されて負荷の補償された挟持力を図7に示すハンドレール201に生ずることとなる。
【0027】
また、ハンドレールの並列駆動は、複数のAC駆動輪モータおよび可変周波数制御装置(図示せず)を使用して電気的に達成できることも考えられる。
【0028】
本発明は特定の例および実施例に関連して述べたが、本願特許請求の範囲に規定された発明の範囲において変更可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドレールを駆動するよう配設され、第1の駆動部材によって駆動されるよう配設された遊星歯車装置を含む第1の駆動輪組立体と、
前記ハンドレールを駆動するよう配設された第2の駆動輪組立体とを含み、第2の駆動輪組立体は、第2の駆動部材によって第1の駆動輪組立体の遊星歯車装置に連結され、第1の駆動輪組立体の遊星歯車装置は、第1の駆動部材によって第1の駆動輪組立体に与えられるトルクを、第1の駆動輪組立体および第2の駆動輪組立体の間で実質的に均等に分配することを特徴とするハンドレール駆動装置。
【請求項2】
請求項1に記載のハンドレール駆動装置において、第1の駆動輪組立体の遊星歯車装置は、
第1の軸を中心として回転可能に配され、前記ハンドレールに接触して該レール駆動するよう配された出力部を含む太陽歯車部材と、
第1の軸を中心として回転可能に配された遊星歯車支持体と、
第1の軸を中心として回転可能に配されたリングギア部材と、
前記遊星歯車支持体に連結された少なくとも1つの遊星歯車とを含み、該少なくとも1つの遊星歯車は、前記太陽歯車および前記リングギアと噛合し、第1の軸と実質的に平行に延びる第2の軸を中心に回転するよう配設されたことを特徴とするハンドレール駆動装置。
【請求項3】
前記請求項のいずれかに記載のハンドレール駆動装置において、第1の駆動部材は前記遊星歯車支持体に連結されて、第1の駆動輪組立体にトルクを与えることを特徴とするハンドレール駆動装置。
【請求項4】
前記請求項のいずれかに記載のハンドレール駆動装置において、第2の駆動部材は前記リングギア部材と第2の駆動輪組立体の間に連結されていることを特徴とするハンドレール駆動装置。
【請求項5】
前記請求項のいずれかに記載のハンドレール駆動装置において、前記少なくとも1つの遊星歯車は、第1の駆動部材によって与えられたトルクを前記太陽歯車と前記リングギア部材の間の前記遊星歯車支持体に分配することを特徴とするハンドレール駆動装置。
【請求項6】
前記請求項のいずれかに記載のハンドレール駆動装置において、前記少なくとも1つの遊星歯車は複合遊星歯車であることを特徴とするハンドレール駆動装置。
【請求項7】
請求項6に記載のハンドレール駆動装置において、前記複合遊星歯車は、前記太陽歯車と噛合するよう配された第1の部分と、前記リングギアと噛合するよう配された第2の部分とを有し、該複合遊星歯車の第1の部分と第2の部分は異なる径を有することを特徴とするハンドレール駆動装置。
【請求項8】
請求項7に記載のハンドレール駆動装置において、前記複合遊星歯車の第1の部分の径は、該複合遊星歯車の第2の部分の径より小さいことを特徴とするハンドレール駆動装置。
【請求項9】
前記請求項のいずれかに記載のハンドレール駆動装置において、第1の駆動部材はベルトまたはチェーンを含むことを特徴とするハンドレール駆動装置。
【請求項10】
前記請求項のいずれかに記載のハンドレール駆動装置において、第2の駆動部材はベルトまたはチェーンを含むことを特徴とするハンドレール駆動装置。
【請求項11】
前記請求項のいずれかに記載のハンドレール駆動装置において、該装置はさらに複数のピンチローラを含み、該ピンチローラはそれぞれ第1のおよび第2の駆動輪組立体の1つに対向して配設されて、前記ハンドレールを第1のおよび第2の駆動輪組立体の駆動面に押し付けることを特徴とするハンドレール駆動装置。
【請求項12】
請求項11に記載のハンドレール駆動装置において、前記複数のピンチローラは相互に連結されて、各ピンチローラが前記ハンドレールに均等に力をかけることを特徴とするハンドレール駆動装置。
【請求項13】
請求項11または12に記載のハンドレール駆動装置において、該駆動装置はさらに複数のピンチローラをそれぞれ相互に連結するケーブルを含み、該ケーブルは、該駆動装置のフレームに調整可能に固定された第1の端部と、該駆動装置のフレームに不動固定された第2の端部とを有し、前記複数のピンチローラはそれぞれ、該ケーブルを収容して該ケーブルの張力によって該ピンチローラを前記ハンドレールに対して該ハンドレールの移動方向に実質的に垂直な方向に押し付けるよう配設された少なくとも1つの滑車を含むことを特徴とするハンドレール駆動装置。
【請求項14】
請求項13に記載のハンドレール駆動装置において、前記ケーブルの第1の端部は調整機構に取り付けられ、該調整機構は、
ナットで締結されたねじ切り部分と、
該ナットと該駆動装置のフレームの間に設けられ、前記ケーブルを該フレームに調整可能に固定する圧縮バネとを含むことを特徴とするハンドレール駆動装置。
【請求項15】
請求項11に記載のハンドレール駆動装置において、該駆動装置はさらに前記複数のピンチローラをそれぞれ相互に連結するケーブルを含み、該ケーブルは第1の位置においてその全長に沿って該ハンドレール駆動装置のフレームに調整可能に固定され、また第2の位置においてその全長に沿って該駆動装置のフレームに不動固定され、該複数のピンチローラはそれぞれ、該ケーブルを収容して該ケーブルの張力によって該ピンチローラを前記ハンドレールに対して該ハンドレールの移動方向に実質的に垂直な方向に押し付けるよう配設された少なくとも1つの滑車を含むことを特徴とするハンドレール駆動装置。
【請求項16】
請求項15に記載のハンドレール駆動装置において、前記ケーブルは調整機構によって調整可能に前記フレームに固定され、該調整機構は、
該ケーブルが通る滑車と、
ナットで締結されたねじ切り部分と、
該ナットと該駆動装置のフレームとの間に配設された圧縮バネとを含むことを特徴とするハンドレール駆動装置。
【請求項17】
それぞれが複数の駆動輪組立体の1つに対向して配設されてハンドレールを該複数の駆動輪組立体のそれぞれの駆動面に押し付ける複数のピンチローラを含み、該複数のピンチローラは、相互に連結されて各ピンチローラが前記ハンドレールに均等に力をかけることを特徴とするハンドレール駆動装置用挟持力均等化装置。
【請求項18】
請求項17に記載の挟持力均等化装置において、該均等化装置はさらに前記複数のピンチローラをそれぞれ相互に連結するケーブルを含み、該ケーブルは、前記ハンドレール駆動装置のフレームに調整可能に固定された第1の端部と、該駆動装置のフレームに不動固定された第2の端部とを有し、前記複数のピンチローラはそれぞれ、該ケーブルを収容して該ケーブルの張力によって該ピンチローラを前記ハンドレールに対して該ハンドレールの移動方向に実質的に垂直な方向に押し付けるよう配設された少なくとも1つの滑車を含むことを特徴とする挟持力均等化装置。
【請求項19】
請求項17および18のいずれかに記載の挟持力均等化装置において、前記ケーブルの第1の端部は調整機構に取り付けられ、該調整機構は、
ナットで締結されたねじ切り部分と、
該ナットと該駆動装置のフレームの間に設けられ、前記ケーブルを該フレームに調整可能に固定する圧縮バネとを含むことを特徴とする挟持力均等化装置。
【請求項20】
請求項17ないし19のいずれかに記載の挟持力均等化装置において、前記少なくとも1つの滑車は3つの滑車を含むことを特徴とする挟持力均等化装置。
【請求項21】
請求項17ないし20のいずれかに記載の挟持力均等化装置において、前記ケーブルは各ピンチローラの両側に沿って延伸していることを特徴とする挟持力均等化装置。
【請求項22】
請求項17に記載の挟持力均等化装置において、該均等化装置はさらに前記複数のピンチローラをそれぞれ相互に連結するケーブルを含み、該ケーブルは、第1の位置においてその全長に沿って該ハンドレール駆動装置のフレームに調整可能に固定され、また第2の位置においてその全長に沿って該駆動装置のフレームに不動固定され、前記複数のピンチローラはそれぞれ、前記ケーブを収容して該ケーブルの張力によって該ピンチローラを前記ハンドレールに対して該ハンドレールの移動方向に実質的に垂直な方向に押し付けるよう配設された少なくとも1つの滑車を含むことを特徴とする挟持力均等化装置。
【請求項23】
請求項17ないし22に記載の挟持力均等化装置において、前記ケーブルは調整機構によって調整可能に前記フレームに固定され、該調整機構は、
該ケーブルが通る滑車と、
ナットで締結されたねじ切り部分と、
該ナットと該駆動装置の該フレームとの間に配設された圧縮バネとを含むことを特徴とする挟持力均等化装置。
【請求項24】
請求項17、22、および23のいずれかに記載の挟持力均等化装置において、前記少なくとも1つの滑車は3つの滑車を含むことを特徴とする挟持力均等化装置。
【請求項25】
請求項17、および22ないし24のいずれかに記載の挟持力均等化装置において、前記ケーブルは各ピンチローラの両側に沿って延伸していることを特徴とする挟持力均等化装置。
【請求項26】
ハンドレールを駆動するよう配設された第1の駆動輪部材と、
第1の駆動輪部材に連結され、該ハンドレールを駆動するよう配設された第2の駆動輪部材と、
第1の駆動輪に与えられたトルクを第1のおよび第2の駆動輪部材の間で実質的に均等に分配する手段とを含むことを特徴とするハンドレール駆動装置。
【請求項27】
請求項26に記載のハンドレール駆動装置において、該駆動装置はさらに複数のピンチローラを含み、該ピンチローラはそれぞれ第1のおよび第2の駆動輪組立体の1つに対向して配設されて、前記ハンドレールを第1のおよび第2の駆動輪組立体の駆動面に押し付けることを特徴とするハンドレール駆動装置。
【請求項28】
請求項27に記載のハンドレール駆動装置において、前記複数のピンチローラは相互に連結されて、各ピンチローラが前記ハンドレールに均等に力をかけることを特徴とするハンドレール駆動装置。
【請求項29】
請求項27または28に記載のハンドレール駆動装置において、該駆動装置はさらに複数のピンチローラをそれぞれ相互に連結するケーブルを含み、該ケーブルは、該駆動装置のフレームに調整可能に固定された第1の端部と、該駆動装置のフレームに不動固定された第2の端部とを有し、前記複数のピンチローラはそれぞれ、該ケーブルを収容して該ケーブルの張力によって該ピンチローラを前記ハンドレールに対して該ハンドレールの移動方向に実質的に垂直な方向に押し付けるよう配設された少なくとも1つの滑車を含むことを特徴とするハンドレール駆動装置。
【請求項30】
請求項29に記載のハンドレール駆動装置において、前記ケーブルの第1の端部は調整機構に取り付けられ、該調整機構は、
ナットで締結されたねじ切り部分と、
該ナットと該駆動装置のフレームの間に設けられ、前記ケーブルを該フレームに調整可能に固定する圧縮バネとを含むことを特徴とするハンドレール駆動装置。
【請求項31】
請求項27または28に記載のハンドレール駆動装置において、該駆動装置はさらに前記複数のピンチローラをそれぞれ相互に連結するケーブルを含み、該ケーブルは、第1の位置においてその全長に沿って該ハンドレール駆動装置のフレームに調整可能に固定され、また第2の位置においてその全長に沿って該駆動装置のフレームに不動固定され、前記複数のピンチローラはそれぞれ、該ケーブルを収容して該ケーブルの張力によって該ピンチローラを前記ハンドレールに対して該ハンドレールの移動方向に実質的に垂直な方向に押し付けるよう配設された少なくとも1つの滑車を含むことを特徴とするハンドレール駆動装置。
【請求項32】
請求項31に記載のハンドレール駆動装置において、前記ケーブルは調整機構によって調整可能に前記フレームに固定され、該調整機構は、
該ケーブルが通る滑車と、
ナットで締結されたねじ切り部分と、
該ナットと該駆動装置のフレームとの間に配設された圧縮バネとを含むことを特徴とするハンドレール駆動装置。
【請求項33】
ハンドレールを駆動するよう配設され、力伝達機構を含む第1の駆動輪部材と、
第1の駆動輪部材に連結され、該ハンドレールを駆動するよう配設された第2の駆動輪部材とを含み、前記力伝達機構は、第1の駆動輪に与えられたトルクを第1のおよび第2の駆動輪部材の間で実質的に均等に分配することを特徴とするハンドレール駆動装置。
【請求項34】
請求項33に記載のハンドレール駆動装置において、該駆動装置はさらに、
前記ハンドレールを駆動するよう配設された追加の駆動輪部材を含み、該追加の駆動輪部材は、入力部および出力部を含む追加の力伝達機構を含み、該追加の力伝達機構の入力部は入力トルクを受け取るよう配設され、該追加の伝達機構の出力部は第1の駆動輪部材の力伝達機構に連結されて該力伝達機構にトルクを与え、また該追加の力伝達機構は、前記入力トルクを前記追加の駆動輪部材と第1の駆動輪部材の間で分配して、該入力トルクを該追加の第1および第2の駆動輪部材の間で実質的に均等に分配するよう配設されていることを特徴とするハンドレール駆動装置。
【請求項1】
ハンドレールを駆動するよう配設され、第1の駆動部材によって駆動されるよう配設された遊星歯車装置を含む第1の駆動輪組立体と、
前記ハンドレールを駆動するよう配設された第2の駆動輪組立体とを含み、第2の駆動輪組立体は、第2の駆動部材によって第1の駆動輪組立体の遊星歯車装置に連結され、第1の駆動輪組立体の遊星歯車装置は、第1の駆動部材によって第1の駆動輪組立体に与えられるトルクを、第1の駆動輪組立体および第2の駆動輪組立体の間で実質的に均等に分配することを特徴とするハンドレール駆動装置。
【請求項2】
請求項1に記載のハンドレール駆動装置において、第1の駆動輪組立体の遊星歯車装置は、
第1の軸を中心として回転可能に配され、前記ハンドレールに接触して該レール駆動するよう配された出力部を含む太陽歯車部材と、
第1の軸を中心として回転可能に配された遊星歯車支持体と、
第1の軸を中心として回転可能に配されたリングギア部材と、
前記遊星歯車支持体に連結された少なくとも1つの遊星歯車とを含み、該少なくとも1つの遊星歯車は、前記太陽歯車および前記リングギアと噛合し、第1の軸と実質的に平行に延びる第2の軸を中心に回転するよう配設されたことを特徴とするハンドレール駆動装置。
【請求項3】
前記請求項のいずれかに記載のハンドレール駆動装置において、第1の駆動部材は前記遊星歯車支持体に連結されて、第1の駆動輪組立体にトルクを与えることを特徴とするハンドレール駆動装置。
【請求項4】
前記請求項のいずれかに記載のハンドレール駆動装置において、第2の駆動部材は前記リングギア部材と第2の駆動輪組立体の間に連結されていることを特徴とするハンドレール駆動装置。
【請求項5】
前記請求項のいずれかに記載のハンドレール駆動装置において、前記少なくとも1つの遊星歯車は、第1の駆動部材によって与えられたトルクを前記太陽歯車と前記リングギア部材の間の前記遊星歯車支持体に分配することを特徴とするハンドレール駆動装置。
【請求項6】
前記請求項のいずれかに記載のハンドレール駆動装置において、前記少なくとも1つの遊星歯車は複合遊星歯車であることを特徴とするハンドレール駆動装置。
【請求項7】
請求項6に記載のハンドレール駆動装置において、前記複合遊星歯車は、前記太陽歯車と噛合するよう配された第1の部分と、前記リングギアと噛合するよう配された第2の部分とを有し、該複合遊星歯車の第1の部分と第2の部分は異なる径を有することを特徴とするハンドレール駆動装置。
【請求項8】
請求項7に記載のハンドレール駆動装置において、前記複合遊星歯車の第1の部分の径は、該複合遊星歯車の第2の部分の径より小さいことを特徴とするハンドレール駆動装置。
【請求項9】
前記請求項のいずれかに記載のハンドレール駆動装置において、第1の駆動部材はベルトまたはチェーンを含むことを特徴とするハンドレール駆動装置。
【請求項10】
前記請求項のいずれかに記載のハンドレール駆動装置において、第2の駆動部材はベルトまたはチェーンを含むことを特徴とするハンドレール駆動装置。
【請求項11】
前記請求項のいずれかに記載のハンドレール駆動装置において、該装置はさらに複数のピンチローラを含み、該ピンチローラはそれぞれ第1のおよび第2の駆動輪組立体の1つに対向して配設されて、前記ハンドレールを第1のおよび第2の駆動輪組立体の駆動面に押し付けることを特徴とするハンドレール駆動装置。
【請求項12】
請求項11に記載のハンドレール駆動装置において、前記複数のピンチローラは相互に連結されて、各ピンチローラが前記ハンドレールに均等に力をかけることを特徴とするハンドレール駆動装置。
【請求項13】
請求項11または12に記載のハンドレール駆動装置において、該駆動装置はさらに複数のピンチローラをそれぞれ相互に連結するケーブルを含み、該ケーブルは、該駆動装置のフレームに調整可能に固定された第1の端部と、該駆動装置のフレームに不動固定された第2の端部とを有し、前記複数のピンチローラはそれぞれ、該ケーブルを収容して該ケーブルの張力によって該ピンチローラを前記ハンドレールに対して該ハンドレールの移動方向に実質的に垂直な方向に押し付けるよう配設された少なくとも1つの滑車を含むことを特徴とするハンドレール駆動装置。
【請求項14】
請求項13に記載のハンドレール駆動装置において、前記ケーブルの第1の端部は調整機構に取り付けられ、該調整機構は、
ナットで締結されたねじ切り部分と、
該ナットと該駆動装置のフレームの間に設けられ、前記ケーブルを該フレームに調整可能に固定する圧縮バネとを含むことを特徴とするハンドレール駆動装置。
【請求項15】
請求項11に記載のハンドレール駆動装置において、該駆動装置はさらに前記複数のピンチローラをそれぞれ相互に連結するケーブルを含み、該ケーブルは第1の位置においてその全長に沿って該ハンドレール駆動装置のフレームに調整可能に固定され、また第2の位置においてその全長に沿って該駆動装置のフレームに不動固定され、該複数のピンチローラはそれぞれ、該ケーブルを収容して該ケーブルの張力によって該ピンチローラを前記ハンドレールに対して該ハンドレールの移動方向に実質的に垂直な方向に押し付けるよう配設された少なくとも1つの滑車を含むことを特徴とするハンドレール駆動装置。
【請求項16】
請求項15に記載のハンドレール駆動装置において、前記ケーブルは調整機構によって調整可能に前記フレームに固定され、該調整機構は、
該ケーブルが通る滑車と、
ナットで締結されたねじ切り部分と、
該ナットと該駆動装置のフレームとの間に配設された圧縮バネとを含むことを特徴とするハンドレール駆動装置。
【請求項17】
それぞれが複数の駆動輪組立体の1つに対向して配設されてハンドレールを該複数の駆動輪組立体のそれぞれの駆動面に押し付ける複数のピンチローラを含み、該複数のピンチローラは、相互に連結されて各ピンチローラが前記ハンドレールに均等に力をかけることを特徴とするハンドレール駆動装置用挟持力均等化装置。
【請求項18】
請求項17に記載の挟持力均等化装置において、該均等化装置はさらに前記複数のピンチローラをそれぞれ相互に連結するケーブルを含み、該ケーブルは、前記ハンドレール駆動装置のフレームに調整可能に固定された第1の端部と、該駆動装置のフレームに不動固定された第2の端部とを有し、前記複数のピンチローラはそれぞれ、該ケーブルを収容して該ケーブルの張力によって該ピンチローラを前記ハンドレールに対して該ハンドレールの移動方向に実質的に垂直な方向に押し付けるよう配設された少なくとも1つの滑車を含むことを特徴とする挟持力均等化装置。
【請求項19】
請求項17および18のいずれかに記載の挟持力均等化装置において、前記ケーブルの第1の端部は調整機構に取り付けられ、該調整機構は、
ナットで締結されたねじ切り部分と、
該ナットと該駆動装置のフレームの間に設けられ、前記ケーブルを該フレームに調整可能に固定する圧縮バネとを含むことを特徴とする挟持力均等化装置。
【請求項20】
請求項17ないし19のいずれかに記載の挟持力均等化装置において、前記少なくとも1つの滑車は3つの滑車を含むことを特徴とする挟持力均等化装置。
【請求項21】
請求項17ないし20のいずれかに記載の挟持力均等化装置において、前記ケーブルは各ピンチローラの両側に沿って延伸していることを特徴とする挟持力均等化装置。
【請求項22】
請求項17に記載の挟持力均等化装置において、該均等化装置はさらに前記複数のピンチローラをそれぞれ相互に連結するケーブルを含み、該ケーブルは、第1の位置においてその全長に沿って該ハンドレール駆動装置のフレームに調整可能に固定され、また第2の位置においてその全長に沿って該駆動装置のフレームに不動固定され、前記複数のピンチローラはそれぞれ、前記ケーブを収容して該ケーブルの張力によって該ピンチローラを前記ハンドレールに対して該ハンドレールの移動方向に実質的に垂直な方向に押し付けるよう配設された少なくとも1つの滑車を含むことを特徴とする挟持力均等化装置。
【請求項23】
請求項17ないし22に記載の挟持力均等化装置において、前記ケーブルは調整機構によって調整可能に前記フレームに固定され、該調整機構は、
該ケーブルが通る滑車と、
ナットで締結されたねじ切り部分と、
該ナットと該駆動装置の該フレームとの間に配設された圧縮バネとを含むことを特徴とする挟持力均等化装置。
【請求項24】
請求項17、22、および23のいずれかに記載の挟持力均等化装置において、前記少なくとも1つの滑車は3つの滑車を含むことを特徴とする挟持力均等化装置。
【請求項25】
請求項17、および22ないし24のいずれかに記載の挟持力均等化装置において、前記ケーブルは各ピンチローラの両側に沿って延伸していることを特徴とする挟持力均等化装置。
【請求項26】
ハンドレールを駆動するよう配設された第1の駆動輪部材と、
第1の駆動輪部材に連結され、該ハンドレールを駆動するよう配設された第2の駆動輪部材と、
第1の駆動輪に与えられたトルクを第1のおよび第2の駆動輪部材の間で実質的に均等に分配する手段とを含むことを特徴とするハンドレール駆動装置。
【請求項27】
請求項26に記載のハンドレール駆動装置において、該駆動装置はさらに複数のピンチローラを含み、該ピンチローラはそれぞれ第1のおよび第2の駆動輪組立体の1つに対向して配設されて、前記ハンドレールを第1のおよび第2の駆動輪組立体の駆動面に押し付けることを特徴とするハンドレール駆動装置。
【請求項28】
請求項27に記載のハンドレール駆動装置において、前記複数のピンチローラは相互に連結されて、各ピンチローラが前記ハンドレールに均等に力をかけることを特徴とするハンドレール駆動装置。
【請求項29】
請求項27または28に記載のハンドレール駆動装置において、該駆動装置はさらに複数のピンチローラをそれぞれ相互に連結するケーブルを含み、該ケーブルは、該駆動装置のフレームに調整可能に固定された第1の端部と、該駆動装置のフレームに不動固定された第2の端部とを有し、前記複数のピンチローラはそれぞれ、該ケーブルを収容して該ケーブルの張力によって該ピンチローラを前記ハンドレールに対して該ハンドレールの移動方向に実質的に垂直な方向に押し付けるよう配設された少なくとも1つの滑車を含むことを特徴とするハンドレール駆動装置。
【請求項30】
請求項29に記載のハンドレール駆動装置において、前記ケーブルの第1の端部は調整機構に取り付けられ、該調整機構は、
ナットで締結されたねじ切り部分と、
該ナットと該駆動装置のフレームの間に設けられ、前記ケーブルを該フレームに調整可能に固定する圧縮バネとを含むことを特徴とするハンドレール駆動装置。
【請求項31】
請求項27または28に記載のハンドレール駆動装置において、該駆動装置はさらに前記複数のピンチローラをそれぞれ相互に連結するケーブルを含み、該ケーブルは、第1の位置においてその全長に沿って該ハンドレール駆動装置のフレームに調整可能に固定され、また第2の位置においてその全長に沿って該駆動装置のフレームに不動固定され、前記複数のピンチローラはそれぞれ、該ケーブルを収容して該ケーブルの張力によって該ピンチローラを前記ハンドレールに対して該ハンドレールの移動方向に実質的に垂直な方向に押し付けるよう配設された少なくとも1つの滑車を含むことを特徴とするハンドレール駆動装置。
【請求項32】
請求項31に記載のハンドレール駆動装置において、前記ケーブルは調整機構によって調整可能に前記フレームに固定され、該調整機構は、
該ケーブルが通る滑車と、
ナットで締結されたねじ切り部分と、
該ナットと該駆動装置のフレームとの間に配設された圧縮バネとを含むことを特徴とするハンドレール駆動装置。
【請求項33】
ハンドレールを駆動するよう配設され、力伝達機構を含む第1の駆動輪部材と、
第1の駆動輪部材に連結され、該ハンドレールを駆動するよう配設された第2の駆動輪部材とを含み、前記力伝達機構は、第1の駆動輪に与えられたトルクを第1のおよび第2の駆動輪部材の間で実質的に均等に分配することを特徴とするハンドレール駆動装置。
【請求項34】
請求項33に記載のハンドレール駆動装置において、該駆動装置はさらに、
前記ハンドレールを駆動するよう配設された追加の駆動輪部材を含み、該追加の駆動輪部材は、入力部および出力部を含む追加の力伝達機構を含み、該追加の力伝達機構の入力部は入力トルクを受け取るよう配設され、該追加の伝達機構の出力部は第1の駆動輪部材の力伝達機構に連結されて該力伝達機構にトルクを与え、また該追加の力伝達機構は、前記入力トルクを前記追加の駆動輪部材と第1の駆動輪部材の間で分配して、該入力トルクを該追加の第1および第2の駆動輪部材の間で実質的に均等に分配するよう配設されていることを特徴とするハンドレール駆動装置。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図1B】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【公表番号】特表2010−528957(P2010−528957A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−510355(P2010−510355)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【国際出願番号】PCT/US2008/006865
【国際公開番号】WO2008/150455
【国際公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(591159044)コネ コーポレイション (75)
【氏名又は名称原語表記】KONE CORPORATION
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【国際出願番号】PCT/US2008/006865
【国際公開番号】WO2008/150455
【国際公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(591159044)コネ コーポレイション (75)
【氏名又は名称原語表記】KONE CORPORATION
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]