貨幣出金装置および貨幣出金システム
【課題】特定の店舗に設置され、その店舗顧客による利用に対して特典を付与することができる貨幣出金装置を提供することを目的とする。特定の店舗の店舗顧客による貨幣出金装置の利用に対して特典を付与することができる貨幣出金システムを提供することを目的とする。
【解決手段】ATMは遊技店舗に設置され、会員管理装置に通信可能に接続されている。ATMのキャッシュカード挿入/排出口へのキャッシュカードの挿入に関連して、会員カードの会員カード挿入/排出口への挿入が受け付けられる。そして、会員カードに記憶された会員IDが遊技店舗に登録されており、かつこの会員IDに対応する会員の遊技店舗における過去1ヶ月間の利用金額が予め定める第1の金額よりも大きい場合(ステップS6でYES)は、手数料無料モード(特典付与モード)に移行する(ステップS7)。
【解決手段】ATMは遊技店舗に設置され、会員管理装置に通信可能に接続されている。ATMのキャッシュカード挿入/排出口へのキャッシュカードの挿入に関連して、会員カードの会員カード挿入/排出口への挿入が受け付けられる。そして、会員カードに記憶された会員IDが遊技店舗に登録されており、かつこの会員IDに対応する会員の遊技店舗における過去1ヶ月間の利用金額が予め定める第1の金額よりも大きい場合(ステップS6でYES)は、手数料無料モード(特典付与モード)に移行する(ステップS7)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技店舗や小売店舗などの特定の店舗に設けられ、貨幣を出金するための貨幣出金装置および貨幣出金システムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技店舗に、ATM(Automatic Teller Machine)などの貨幣出金装置を設置することが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。貨幣出金装置が設置された遊技店舗では、遊技をしている者/遊技をしようとしている者が貨幣出金装置を用いて貨幣を引き出し、その貨幣を用いて遊技機の遊技を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−197348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
遊技店舗では、店舗顧客(当該店舗で遊技機の遊技を行う遊技客)への顧客サービスの向上が検討されている。そして、その遊技店舗の店舗顧客によるATMの利用に対して特典を付与することが考えられる。一方、ATMの利用のみを目的として遊技店舗に来店する者に対して特典を付与する必要はない。
これは、遊技店舗に設置される貨幣出金装置だけでなく、コンビニエンスストアやスーパーマーケット、ガソリンスタンドなどの小売店舗に設置される貨幣出金装置にも共通する課題である。
【0005】
そこで、この発明の目的は、特定の店舗に設置され、その店舗顧客による利用に対して特典を付与することができる貨幣出金装置を提供することである。
また、この発明の他の目的は、特定の店舗の店舗顧客による貨幣出金装置の利用に対して特典を付与することができる貨幣出金システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、特定の店舗(10;110)に設置されて、貨幣を出金するための貨幣出金装置(1;101)であって、キャッシュカードが挿入されるカード挿入口(19)と、前記カード挿入口に挿入されたキャッシュカードに記憶された口座情報に対応する口座に対して引出処理を許可する引出許可手段(40)と、前記カード挿入口へのキャッシュカードの挿入に関連して、前記特定の店舗の会員に発行した会員情報記憶媒体を受け付ける受付手段(20)と、前記受付手段によって受け付けられた会員情報記憶媒体に記憶された会員情報を読み取る会員情報読取手段(31)と、前記会員情報読取手段によって読み取られた会員情報が前記特定の店舗に登録されている場合に、前記引出処理に関連して所定の特典を付与する特典付与手段(40,S7)とを含むことを特徴とする、貨幣出金装置である。
【0007】
なお、括弧内の数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
請求項1の発明によれば、引出許可処理に関連して、会員情報記憶媒体が受付手段に受け付けられる。そして、この会員情報記憶媒体に記憶された会員情報が店舗に登録されている場合は、引出に関連して所定の特典が付与される。これにより、店舗顧客による貨幣出金装置の利用に特典を付与することができる。ゆえに、店舗顧客による貨幣出金装置の利用を促進することができる。また、店舗の会員であることのメリットが大きいので、店舗の会員登録を促進させることができるとともに、会員の再来店率(リピート率)を向上させることができる。
【0008】
請求項2に記載のように、前記特典付与手段は、前記引出処理に必要な手数料の減額または無料化を許可する手段(40,S7)であってもよい。
また、請求項3記載の発明は、前記特典付与手段は、前記会員情報読取手段によって読み取られた会員情報に対応する会員に対し、前記特定の店舗に登録された会員を対象とするポイントを付与するポイント付与手段(40)であってもよい。
【0009】
請求項4記載の発明は、前記特典付与手段により付与される前記特典の内容を表示する特典内容表示手段(18,40,S8)を、さらに含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の貨幣出金装置である。
請求項4の発明によれば、特典の内容が表示されるので、特典の付与およびその特典の内容を、利用者に知らせることができる。
【0010】
請求項5記載の発明は、前記特典付与手段は、前記会員情報読取手段によって読み取られた会員情報に対応する会員が、前記特定の店舗における利用実績に関する予め定める条件を満たしていることを条件して実行されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の貨幣出金装置である。
請求項5の発明によれば、特定の店舗における利用実績に関する予め定める条件を、会員が満たしている場合のみ、特典が付与される。これにより、特典の付与が必要な会員に対して特典を付与することができる。
【0011】
請求項6に記載のように、前記予め定める条件は、前記会員情報読取手段によって読み取られた会員情報に対応する会員の前記特定の店舗における利用金額に基づいて定められていてもよい。
請求項7に記載のように、前記予め定める条件は、前記会員情報読取手段によって読み取られた会員情報に対応する会員の前記特定の店舗への来店回数に基づいて定められていてもよい。
【0012】
請求項8に記載のように、前記特定の店舗が、遊技機が設置される遊技店舗であり、前記予め定める条件は、前記会員情報読取手段によって読み取られた会員情報に対応する会員の前記特定の店舗における遊技の勝敗結果(収支)に基づいて定められていてもよい。
そして、遊技の勝敗結果が悪い場合に、特典が付与されることが好ましい。この場合、店舗顧客(会員)の損失を補填することができる。
【0013】
請求項9記載の発明は、特定の店舗(10;110)に設置され、貨幣を出金するための貨幣出金装置(1;101)と、前記貨幣出金装置に通信可能に接続され、前記特定の店舗に登録された会員に関する情報を管理するための管理装置(2,4;102,104)とを含む貨幣出金システムであって、前記貨幣出金装置は、キャッシュカードが挿入されるカード挿入口(19)と、前記カード挿入口に挿入されたキャッシュカードに記憶された口座情報に対応する口座に対して引出処理を許可する引出許可手段(40)と、前記カード挿入口へのキャッシュカードの挿入に関連して、前記特定の店舗の会員に発行した会員情報記憶媒体を受け付ける受付手段(20)と、前記受付手段によって受け付けられた会員情報記憶媒体に記憶された会員情報を読み取る会員情報読取手段(31)と含み、さらに、前記会員情報読取手段によって読み取られた会員情報が前記特定の店舗に登録されているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって前記特定の店舗に登録された会員であると判定された場合に、前記引出処理に関連して所定の特典を付与する特典付与手段(40,S7)とを含むことを特徴とする、貨幣出金システムである。
【0014】
請求項9の発明によれば、引出許可処理に関連して、会員情報記憶媒体が受付手段に受け付けられる。そして、この会員情報記憶媒体に記憶された会員情報が店舗に登録されている場合は、引出に関連して所定の特典が付与される。これにより、店舗顧客による貨幣出金装置の利用に特典を付与することができる。ゆえに、店舗顧客による貨幣出金装置の利用を促進することができる。また、店舗の会員であることのメリットが大きいので、店舗の会員登録を促進させることができるとともに、会員の再来店率(リピート率)を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明の第1実施形態にかかる貨幣出金システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すATMの構成を概略的に示す斜視図である。
【図3】図1に示すATMおよび会員管理装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示すATMの引出取引/入金取引における処理の流れを示すフローチャートである(その1)。
【図5】図1に示すATMの引出取引/入金取引における処理の流れを示すフローチャートである(その2)。
【図6A】図1に示す表示/操作部に引出取引時に表示される画面を示す図である(その1)。
【図6B】図1に示す表示/操作部に引出取引時に表示される画面を示す図である(その2)。
【図6C】図1に示す表示/操作部に引出取引時に表示される画面を示す図である(その3)。
【図6D】図1に示す表示/操作部に引出取引時に表示される画面を示す図である(その4)。
【図6E】図1に示す表示/操作部に引出取引時に表示される画面を示す図である(その5)。
【図6F】図1に示す表示/操作部に引出取引時に表示される画面を示す図である(その6)。
【図6G】図1に示す表示/操作部に引出取引時に表示される画面を示す図である(その7)。
【図6H】図1に示す表示/操作部に引出取引時に表示される画面を示す図である(その8)。
【図7】この発明の第2実施形態にかかる貨幣出金装置の引出取引/入金取引における処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】この発明の第3実施形態にかかる貨幣出金装置の引出取引/入金取引における処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】この発明の第4実施形態にかかる貨幣出金システムの構成を示すブロック図である。
【図10】図9に示す会員管理装置の電気的構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態(第1実施形態)にかかる貨幣出金システムの構成を示すブロック図である。図1に示す貨幣出金システムは、遊技機(パチンコ機やパチスロ機)15とともに遊技店舗(特定の店舗)10に設置されたATM(貨幣出金装置)1と、ATM1に対する外部機器として、遊技店舗10に設置された会員管理装置(管理装置)2とを備えている。ATM1と会員管理装置2とは通信可能に接続されている。この貨幣出金システムは、遊技店舗10で遊技をしている者/遊技をしようとしている者が、銀行口座のキャッシュカード(図示しない)を使用して、貨幣を引き出すことができるようにしたシステムである。
【0017】
ATM1には、公衆回線3を介して情報処理センター5が接続されている。情報処理センター5は、複数の銀行のホストコンピュータ6(図1では、1つのみ図示)と専用の通信回線7を介して通信可能に接続されている。ホストコンピュータ6は、顧客の口座の口座番号等を含む口座情報や、暗証番号、口座残高等の顧客情報を保持して、顧客の口座を管理している。
【0018】
会員管理装置2には、ATM1が専用の通信回線を介して接続されている。会員管理装置2には、カード販売機11と、精算機12と、景品管理機13と、計数機17と、各遊技機島に設けられた中継装置14とが通信可能に接続されている。各遊技機島は、パチンコ機やパチスロ機などの遊技機15と、台間機16とを一対一に対応付けて複数対配設することにより構成されている。各台間機16は、その遊技機島に設けられている中継装置14に通信可能に接続されている。
【0019】
この遊技店舗10では、会員登録することにより、所定のサービスを受けることができる店舗会員(以下、「会員」という)になることができる。所定の条件を満たす度に会員にポイントが付与され、その獲得ポイント数に応じて会員に種々のサービス(たとえば、遊技店舗10内における飲料の提供、遊技機15の予約など)が提供される。遊技店舗10に登録された会員には、たとえば種々のデータを記憶可能なICチップが内蔵された会員カードが付与されている。各会員カードのICチップには、会員カードごとに異なるID番号(会員ID)のデータが予め記憶されている。
【0020】
カード販売機11では、会員カードが投入されるとともに紙幣が投入されることにより、会員用の遊技カードが発行される。この会員用の遊技カードには、会員IDが付されている。一方、会員カードの投入がないまま紙幣投入されると、ビジター用のカードが発行される。カード販売機11は、発行した遊技カードに関するデータと会員IDとを会員管理装置2に送信する。
【0021】
遊技客は所望の遊技機15の前に座り、この遊技機15と一対一で対応付けられた台間機16に遊技カードを投入する。これにより、遊技カードに記録されている有価価値データの範囲内で遊技媒体(遊技玉や遊技メダル)が貸し出される。
また、遊技カードを未だ取得していない遊技客は、台間機16を用いて遊技カードを購入することもできる。台間機16に会員カードおよび紙幣が投入されると、台間機16から会員用の遊技カードが発行される。この会員用の遊技カードには、会員IDが付されている。一方、会員カードの投入がないまま紙幣投入されると、ビジター用のカードが発行される。台間機16は、会員IDと発行した遊技カードに関するデータ(発行額や発行日時)とを会員管理装置2に送信する。
【0022】
精算機12は、遊技カードに記録されている有価価値の残度数を精算して、その残高に相当する金額の貨幣を払い戻すものである。精算機12に挿入される遊技カードが会員用の遊技カードである場合、精算機12は、精算に関するデータ(精算額や精算日時)と会員IDとを会員管理装置2に送信する。
計数機17では、会員カードが受け付けられた状態で、遊技媒体(遊技玉や遊技メダル)がホッパ内に投入され、遊技媒体の個数が計数される。計数機17による遊技媒体の計数値は、会員カードのICチップに記憶される。
【0023】
景品管理機13は、会員カードのICチップに記憶された遊技媒体の計数値に基づいて、景品払出装置(図示しない)からその計数値に応じた景品を払い出すものである。景品管理機13は、会員IDと払い出した景品に関するデータ(景品の種類・枚数や景品交換日時)とを会員管理装置2に送信する。
図2は、ATM1の構成を概略的に示す斜視図である。
【0024】
ATM1の装置本体の前面には、表示/操作部18が配設されている。表示/操作部18は、タッチパネル付きの液晶表示器により構成されている。表示/操作部18には、操作ガイダンス、入力情報等の各種情報が表示される。また、利用者は表示/操作部18の画面上に表示される後述のボタン32〜38(図6A〜図6H参照)に触れることで、ATM1における入力操作を行うことができるようになっている。また、表示/操作部18の下方には、銀行口座のキャッシュカードが挿入/排出されるキャッシュカード挿入/排出口(カード挿入口)19、会員カードが挿入/排出される会員カード挿入/排出口(受付手段)20、および明細票が発行される明細票発行口21が設けられている。
【0025】
銀行口座のキャッシュカードの磁気ストライプやICチップ等には、銀行のコード(番号)や、利用者(口座所有者)の口座の口座番号を含む口座情報が記憶されている。キャッシュカード挿入/排出口19に挿入されたキャッシュカードの口座情報は、装置本体内に内蔵されたキャッシュカードリーダ部22(図3参照)によって読み取られる。そして、取引終了時/取引不能時にはキャッシュカード挿入/排出口19からキャッシュカードが排出され、利用者に返却される。
【0026】
会員カード挿入/排出口20に挿入された会員カードの会員情報(会員ID)は、装置本体内に内蔵された会員カードリーダ部(会員情報読取手段)31(図3参照)によって読み取られる。そして、会員情報の読取後/取引不能時には会員カード挿入/排出口20から会員カードが排出され、利用者に返却される。
また、引出取引/入金取引の終了時には、明細票発行口21から明細票が排出されて、利用者に対して発行される。明細票は、記録用紙に印字部23(図3参照)によって取引の内容や取引後の口座残高が印字された後に明細票発行口21から排出される。
【0027】
ATM1の装置本体には、その前面の下端辺から前側(図2で示す左手前側)に張り出す上面が設けられている。その上面には、紙幣を出入金するための紙幣入出金部24が設けられている。なお、また、ATM1は紙幣のみを取り扱うものであり、そのため、硬貨は取り扱うための硬貨出入金部が備えられていない。
紙幣入出金部24は、紙幣を集積状態で収容できる紙幣投入/排出空間(図示しない)と、紙幣投入/排出空間の上部開口を開閉するための紙幣シャッタ25とを備えている。図2では、紙幣シャッタ25の閉状態を示している。紙幣投入/排出空間は、入金取引時において利用者による紙幣の投入を受け付けるとともに、引出取引時において利用者に払い出された紙幣を、集積状態で収容する。紙幣シャッタ25の開状態では、利用者による紙幣入出金部24への紙幣の投入や紙幣入出金部24からの紙幣の受け取りが可能であり、一方、紙幣シャッタ25が閉状態になると、紙幣投入/排出空間の上部開口が閉塞されて、利用者による紙幣入出金部24への紙幣の投入や受取りが不可能になる。また、ATM1には、紙幣入出金部24に投入された紙幣の額を計数する計数部(図示しない)が設けられている。
【0028】
ATM1の装置本体の上面における紙幣入出金部24の前側(図2で示す左手前側)には、利用者が操作するための入力操作部26が配設されている。入力操作部26は、テンキー等のキーを有している。この入力操作部26を用いて、キャッシュカードの暗証番号や取引金額等が入力される。
遊技店舗10に設置されるATM1には、のめり込み防止などの観点から、次に述べる(1)〜(3)の基準が要求されている。(1)一日あたり予め定める上限額(たとえば3万円)を超える引出取引は不可。(2)クレジット・消費者金融系のカードは使用不可であり、銀行口座のキャッシュカードのみ使用可。(3)銀行口座に残高がある場合のみ、引出取引可。
【0029】
この実施形態にかかるATM1では、引出取引および入金取引が許容されている。また、通常の場合、引出取引に必要な正規の手数料はたとえば「210円」であり、入金取引に必要な正規の手数料もたとえば「210円」である。
図3は、ATM1および会員管理装置2の電気的構成を示すブロック図である。会員管理装置2は、遊技店舗10に登録された会員のデータを管理するためのコンピュータシステムである。会員管理装置2は、たとえばマイクロコンピュータを含む構成の制御部50を備えている。この制御部50には通信部51が接続されている。制御部50は、この通信部51を介してATM1と通信を行うことができるようになっている。制御部50には記憶部53が接続されている。記憶部53には、顧客データベース27が設けられている。
【0030】
顧客データベース27は、利用金額データベース28、来店回数データベース29および勝敗管理データベース30を備えている。顧客データベース27には、たとえば各会員の氏名、住所、電話番号、電子メールアドレスなどの会員固有情報が、各会員の所有する会員カードの会員IDおよび獲得ポイント数などの情報と対応付けて記憶されている。会員固有情報は、たとえば会員登録時に申込者(会員となるべき者)が申込用紙に記入した内容を、遊技店舗10の従業員が、会員管理装置2に入力したものである。
【0031】
利用金額データベース28には、遊技店舗10における遊技に使用した金額、すなわち、カード販売機11(図1参照)および/または台間機16(図1参照)における遊技カードの購入額から、精算機12(図1参照)における精算額を減算した金額が、各会員の氏名および/または会員IDに対応付けて記憶されている。
来店回数データベース29には、遊技店舗10への来店回数が記憶されている。具体的には、カード販売機11および/または台間機16における遊技カードの購入回数、精算機12における精算回数、ならびに景品管理機13(図1参照)における景品交換回数が、各会員の氏名および/または会員IDに対応付けて記憶されている。
【0032】
勝敗管理データベース30には、遊技店舗10における遊技の収支、すなわち、精算機12における精算額に、景品管理機13において景品交換されたその景品の額を加算した金額から、カード販売機11および/または台間機16における遊技カードの購入額を減算した金額が、各会員の氏名および/または会員IDに対応付けて記憶されている。
ATM1は、たとえばマイクロコンピュータを含む構成の制御部40を備えている。この制御部40には制御対象として、紙幣入出金部24および印字部23が接続されている。
【0033】
制御部40には、キャッシュカードリーダ部22によって読み取られたキャッシュカードの口座情報が入力されるようになっている。また、会員カードリーダ部31によって読み取られた会員カードの口座情報が入力されるようになっている。さらに、入力操作部26が利用者によって操作されると、その操作に応じた入力信号が制御部40に与えられるようになっている。
【0034】
また、制御部40には通信部41が接続されている。この通信部41は会員管理装置2の通信部51と専用回線によって接続されている。制御部40は通信部41を介して会員管理装置2と通信を行うことができるようになっている。
また、制御部40には通信部42が接続されている。この通信部42は公衆回線3に接続されている。
【0035】
さらに、制御部40には表示/操作部(特典内容表示手段)18が接続されている。制御部40は表示/操作部18の表示を制御し、これにより、操作ガイダンス、入力情報等が表示/操作部18に表示される。また、表示/操作部18がタッチパネル付の画面を有しているので、そのタッチパネル付の画面が利用者によって操作されると、その操作に応じた入力信号が制御部40に与えられる。制御部40には記憶部43が接続されている。この記憶部43には、特典付与モードフラグが備えられている。特典付与モードフラグは、後述する手数料無料モードなどの特典付与モードであるか否かを記憶するためのものであって、特典付与モード中は「1」が記憶され、通常は「0」が記憶される。
【0036】
このATM1には、遊技店舗10に会員登録された会員に対して所定の特典が付与される特典付与モードが用意されている。この実施形態では、特典の内容は、引出取引および入金取引における手数料の無料化である。また、この実施形態では、特典は遊技店舗10における利用実績に関する予め定める条件を満たす会員のみに付与される。具体的には、遊技店舗10における過去1ヶ月間の利用金額が予め定める第1の金額よりも大きい会員に対して付与される。
【0037】
図4および図5は、ATM1の引出取引/入金取引における処理の流れを示すフローチャートである。図6A〜図6Hは、引出取引において表示/操作部18に表示される画面を示す図である。
ATM1の待機状態では、表示/操作部18に図6Aに示す画面が表示される。この図6Aに示す画面では、画面の中央部に「ATMをご利用の方は取引開始ボタンを押してください」とのメッセージが表示され、画面の右下隅に、取引の開始時に利用者が操作するための取引開始ボタン32が表示される。
【0038】
利用者によって取引開始ボタン32が押操作されると(ステップS1でYES)、表示/操作部18が図6Bに示す画面に切り換わる。図6Bに示す画面では、画面の上部に「いらっしゃいませ」とのメッセージが表示されるとともに、画面の右上隅に取引の手続を途中で取り消すために操作される手続取消ボタン33が表示される。また、画面の中央部には、「カードをお入れください お取引を開始します」とのメッセージが表示される。手続取消ボタン33は、図6Bに示す画面だけでなく、その後取引終了までに表示される複数の画面(図6D〜図6H参照)において表示される。
【0039】
会員カードが会員カード挿入/排出口20(図2参照)に挿入されると(ステップS2でYES)、会員カードのICチップに記憶された会員ID(会員情報)が会員カードリーダ部31(図3参照)に読み取られる(ステップS3)。会員カードリーダ部31に読み取られた会員IDは制御部40に与えられる。会員カードリーダ部31による読取り後、会員カードは会員カード挿入/排出口20から返却される(ステップS4)。
【0040】
会員カードリーダ部31からの会員IDの付与後、制御部40は、会員管理装置2にID照合要求および利用金額参照要求を送出する。会員管理装置2の制御部50は、ATM1からのID照合要求を受信すると、会員カードリーダ部31に読み取られた会員IDを、顧客データベース27に記憶されている会員IDと照合し、会員IDがその遊技店舗10に登録されているか否かを判定する(ステップS5)。
【0041】
会員管理装置2の制御部50は、ATM1からの利用金額参照要求を受信すると、利用金額データベース28を参照し、過去1ヶ月間の遊技店舗10における利用金額が、予め定める第1の金額よりも大きいか否かを判定する。そして、この判定結果と会員ID照合結果とをATM1に送信する。
利用金額が予め定める第1の金額よりも大きい場合は(ステップS6でYES)、ATM1の制御部40は、記憶部43の特典付与モードフラグに「1」をセットし、手数料無料モード(特典付与モード)に移行する(ステップS7)。そして、制御部40は、表示/操作部18に図6Cに示す画面を表示する(ステップS8)。図6Cに示す画面では、「あなたは××ホールの会員ですのでお引出しおよび入金の手数料を無料にします」とのメッセージが表示されるとともに、「210円」の手数料が無料にされる旨の特典内容が表示される。このように、特典の内容が表示されるので、特典の付与およびその特典の内容(手数料が無料にされること)を、利用者に知らせることができる。
【0042】
一方、読み取られた会員IDがその遊技店舗10に登録されていない場合(ステップS5でNO)や、過去1ヶ月における利用金額が予め定める第1の金額以下であるときは(ステップS6でNO)、ステップS7およびステップS8はスキップされて、手数料無料モード(特典付与モード)には移行しない。
次いで、利用者が自己所有の銀行口座のクレジットカードを、キャッシュカード挿入/排出口19に挿入する(ステップS9)。キャッシュカードが挿入されると(ステップS9でYES)、キャッシュカードの磁気ストライプやICチップ等に記憶された口座情報がキャッシュカードリーダ部22(図3参照)に読み取られて、制御部40に与えられる(ステップS10)。キャッシュカード挿入/排出口19に挿入されたカードが、取扱いの対象外である場合(たとえば、他行のキャッシュカードである場合やクレジットカードである場合)や、キャッシュカードリーダ部22によって口座情報が読み出せない場合は、カードがキャッシュカード挿入/排出口19から返却される。表示/操作部18に、ATM1の取引可能な時間帯などの案内が表示された後、図6Dに示す取引内容選択画面が表示される(ステップS11)。図6Dに示す取引内容選択画面では、引出ボタン34と入金ボタン35とが表示され、これらのボタン34,35の選択操作が可能になっている。
【0043】
そして、利用者により引出ボタン34が押操作されると(ステップS12でYES)、表示/操作部18に図6Eに示す画面(手数料確認画面)が表示される。図6Eに示す画面の上部には、「手数料をご確認のうえよろしければ[お引出し]を押してください。」とのメッセージが表示されるとともに、画面の中央部には、手数料表示が表示される。手数料無料モードが実行されている場合(特典付与モードフラグに「1」が記憶されている場合)は、手数料表示には「0円」と表示される。また、手数料無料モードが実行されていない場合(特典付与モードフラグに「0」が記憶されている場合)は、図6Fに示すように手数料表示にはたとえば「210円」と表示される。画面の下部には、引出続行ボタン36が表示される。
【0044】
引出続行ボタン36が押操作されると、次いで、利用者に、暗証番号の入力および引出額の入力が要求される。そして、表示/操作部18にはたとえば図6Gに示す画面が表示される。図6Gに示す画面は引出額の入力を要求するための画面であり、画面の上部に「金額」とのタイトルが表示され、また、画面の中央部には、「金額を押してください。よろしければ最後に[円]を押してください。」とのメッセージが表示される。画面の下部には、入力された金額が表示されるようになっている。
【0045】
利用者が入力操作部26を操作して自己の暗証番号および引出額を入力すると、利用者の銀行口座からの引出額の引出しを許可する口座引出許可処理が実行される(ステップS15,S16)。具体的には、制御部40は、引出額、口座情報、手数料情報および暗証番号を含む引出要求を情報処理センター5へ送出する。このとき、手数料無料モードが実行されている場合(特典付与モードフラグに「1」が記憶されている場合)は(ステップS14でYES)、引出要求に含まれる手数料情報が無料化された手数料「0円」であり(ステップS15)、手数料無料モードが実行されていない場合(特典付与モードフラグに「0」が記憶されている場合)は(ステップS14でNO)、引出要求に含まれる手数料情報が正規の手数料「210円」である(ステップS16)。
【0046】
情報処理センター5は、ATM1からの引出要求を受信すると、当該引出要求に含まれる口座情報に対応する口座のその日における引出額に今回の引出額を併せた額が、予め定める上限額(たとえば3万円)を超えないか否かをチェックする。予め定める上限額を超えない場合、情報処理センター5は、対応する銀行のホストコンピュータ6に対し、通信回線7を介して決済処理を依頼する。ホストコンピュータ6は、口座情報が正常であり、かつ暗証番号がホストコンピュータ6に登録されている当該口座の暗証番号と一致することを条件として決済処理を行う。
【0047】
具体的には、引出要求に含まれる手数料情報が無料化された手数料「0円」である場合は、ホストコンピュータ6は、その口座情報に対応する口座から、決済要求に含まれる出金データ分を減算して、決済処理を行う。
利用者の手数料を無料化しているので、本来利用者が支払うべき「210円」は遊技店舗の口座からシステム利用料の「50円」と合わせて決済することになる。
また、引出要求に含まれる手数料情報が正規の手数料「210円」である場合は、ホストコンピュータ6は、その口座情報に対応する口座から、出金データ分および手数料「210円」を減算するとともに、遊技店舗10の店舗口座からシステム利用料「50円」を減算して、決済処理を行う。
【0048】
決済処理が終了すると、ホストコンピュータ6は、情報処理センター5に処理完了の通知を行う。処理完了の通知を受けた情報処理センター5は、処理完了通知をATM1に対して行う。処理完了の通知をATM1の通信部42が受信することにより、ステップS15,S16の口座引出許可処理が終了する。
情報処理センター5からの処理完了通知を通信部42が受信すると、収納部(図示しない)に収納されている紙幣が、紙幣入出金部24の紙幣投入/排出空間(図示しない)に搬送され、紙幣投入/排出空間に集積された状態で排出される(S17:出金処理)。紙幣投入/排出空間への紙幣の排出後、紙幣シャッタ25が開状態にされて、紙幣入出金部24の紙幣投入/排出空間の上部開口が開放される。これにより、紙幣投入/排出空間からの紙幣の取出しが可能になる。
【0049】
次いで、紙幣入出金部24の紙幣投入/排出空間から紙幣が取り出されると、表示/操作部18に図6Hに示す取引内容表示画面が表示される。図6Hに示す取引内容表示画面では、画面の上部に「お取引内容をご確認のうえ明細票必要・不要を選択してください。」というメッセージが表示される。画面の上下方向の中央部には、取引金額、手数料および取引後の口座残高が表示される。画面の下方部には、明細票必要ボタン37と明細票不要ボタン38とが左右に並べて配置される。
【0050】
そして、明細票必要ボタン37が押操作されると、キャッシュカード挿入/排出口19からキャッシュカードが排出されて、このキャッシュカードが利用者に返却される(ステップS18)。また、印字部23が制御されて、記録用紙に取引内容、手数料および取引後口座残高が印字されて明細票発行口21から排出される。こうして、明細票として利用者に発行される(ステップS19)。これにより、一連の引出取引が終了する。また、明細票不要ボタン38が押操作されると、ステップS19の処理はスキップされて、キャッシュカードの返却のみが実行される(ステップS18)。
【0051】
なお、引出額(に手数料を加算した額)が引出しの対象となる銀行口座の口座残高よりも少ない場合は、ホストコンピュータ6は、決済処理を実行せずに、残高不足の旨を情報処理センター5に通知する。残高不足の通知を受けた情報処理センター5は、残高不足の通知をATM1に対して行う。そして、表示/操作部18にその旨が表示されるとともに、キャッシュカード挿入/排出口19からキャッシュカードが排出されて、キャッシュカードが利用者に返却される。
【0052】
次に、入金取引における処理の流れを説明する。
図6Dに示す取引内容選択画面において、利用者により入金ボタン35が押操作されると(ステップS12でNO、ステップS20でYES)、利用者に対して暗証番号の入力が要求される。利用者が入力操作部26を操作して暗証番号を入力すると、紙幣入出金部24の紙幣シャッタ25が開状態にされて、紙幣入出金部24の紙幣投入/排出空間の上部開口が開放される(ステップS21)。これにより、紙幣入出金部24への紙幣の投入が可能になる。そして、利用者によって紙幣入出金部24に紙幣が投入されると(ステップS22でYES)、紙幣シャッタ25が閉状態にされた後、紙幣入出金部24に投入された紙幣が計数部(図示しない)によって計数される。紙幣の計数後、表示/操作部18には入金額(投入額)が表示される。利用者によって入金額の確認が行われると、次いで、銀行口座への入金を許可する口座入金許可処理が実行される(ステップS24,S25)。この口座入金許可処理においては、制御部40は、入金額、口座情報、手数料情報および暗証番号を含む入金要求を情報処理センター5に送出する。このとき、手数料無料モードが実行されている場合(特典付与モードフラグに「1」が記憶されている場合)は(ステップS23でYES)、入金要求に含まれる手数料情報が無料化された手数料「0円」であり(ステップS25)、手数料無料モードが実行されていない場合(特典付与モードフラグに「0」が記憶されている場合)は(ステップS23でNO)、入金要求に含まれる手数料情報が正規の手数料「210円」である(ステップS24)。
【0053】
情報処理センター5は、ATM1からの入金要求を受信すると、入金要求に含まれている口座情報に基づき、いずれの銀行のホストコンピュータ6にその入金要求を通知すべきかを判断し、対応する銀行のホストコンピュータ6に対し、通信回線7を介して決済処理を依頼する。ホストコンピュータ6は、口座情報が正常であり、かつ暗証番号がホストコンピュータ6に登録されている当該口座の暗証番号と一致することを条件として決済処理を行う。
【0054】
具体的には、入金要求に含まれる手数料情報が無料化された手数料「0円」である場合は、ホストコンピュータ6は、その口座情報に対応する口座から、決済要求に含まれる入金データ分を加算して、決済処理を行う。
利用者の手数料を無料化しているので、本来利用者が支払うべき「210円」は遊技店舗の口座からシステム利用料の「50円」と合わせて決済することになる。
【0055】
また、入金要求に含まれる手数料情報が正規の手数料「210円」である場合は、ホストコンピュータ6は、その口座情報に対応する口座に対し、入金要求に含まれる入金データ分を加算するとともに手数料における手数料「210円」を減算し、かつ、遊技店舗10の店舗口座からシステム利用料「50円」を減算して、決済処理を行う。
当該口座に対する決済処理が終了すると、ホストコンピュータ6は、情報処理センター5に処理完了の通知を行う。また、処理完了の通知を受けた情報処理センター5は、処理完了通知をATM1に対して行う。処理完了の通知をATM1の通信部42が受信することにより、ステップS24,S25の口座入金許可処理が終了する。
【0056】
情報処理センター5からの処理完了通知を通信部42が受信すると、紙幣が、収納部(図示しない)に搬送され、その収納部に収納される。
さらに、情報処理センター5からの処理完了通知の受信に応答して、表示/操作部18に図6Hの取引内容表示画面と同様の画面が表示される。そして、明細票必要ボタン37が押操作されると、キャッシュカード挿入/排出口19からキャッシュカードが排出されて、このキャッシュカードが利用者に返却される(ステップS18)。また、印字部23が制御されて、記録用紙に取引内容、手数料および取引後口座残高が印字されて、明細票発行口21から排出される。こうして、明細票として利用者に発行される(ステップS19)。これにより、一連の入金取引が終了する。また、明細票不要ボタン38が押操作されると、ステップS19の処理はスキップされて、キャッシュカードの返却のみが実行される(ステップS18)。
【0057】
以上によりこの実施形態によれば、ATM1における引出取引/入金取引の際に、会員カードの会員カード挿入/排出口20への挿入が受け付けられる。そして、会員カードに記憶された会員IDが遊技店舗10に登録されており、かつこの会員IDに対応する会員の遊技店舗10における過去1ヶ月間の利用金額が予め定める第1の金額よりも大きい場合は、その引出取引/入金取引に必要な手数料が無料にされる。これにより、遊技店舗10の顧客によるATM1の利用に特典を付与することができる。ゆえに、遊技店舗10の顧客のATM1の利用を促進することができる。また、遊技店舗10の会員であるメリットが大きくなるので、遊技店舗10の会員登録を促進させることができるとともに、会員の再来店率(リピート率)を向上させることができる。
【0058】
図7は、この発明の他の実施形態(第2実施形態)にかかるATM1の引出取引/入金取引における処理の流れを示すフローチャートである。この図7は、第1実施形態の引出取引/入金取引における処理の流れを示すフローチャートである図4および図5のうち、図4に代えて用いられるものである。この第2実施形態において、前述の図1〜図6の実施形態(第1実施形態)に示された各部に対応する部分には、図1〜図6の場合と同一の参照符号を付して示し、説明を省略する。とくに、図4に示された各工程を対応する工程には、図4の場合と同一の参照符号を付して示し、説明を省略する。
【0059】
この第2実施形態が第1実施形態と相違する点は、遊技店舗10における過去1ヶ月間の来店回数が予め定める回数よりも多い会員に、特典が付与される点である。
具体的には、会員カードリーダ部31による会員ID(会員情報)の読取り(ステップS4)後、制御部40が会員管理装置2に来店回数参照要求を送出する。会員管理装置2の制御部50は、ATM1からの来店回数参照要求を受信すると、来店回数データベース29を参照し、会員IDに対応する会員の過去1ヶ月間の遊技店舗10への来店回数が、予め定める回数よりも大きいか否かを判定する。そして、この判定結果がATM1に送信される。
【0060】
来店回数が予め定める回数よりも多い場合は(ステップS32でYES)、記憶部43の特典付与モードフラグに「1」をセットし、手数料無料モード(特典付与モード)に移行する(ステップS7)。そして、制御部40は、表示/操作部18に図6Cに示す画面を表示する(ステップS8)。
一方、過去1ヶ月間の遊技店舗10への来店回数が、予め定める回数以下であるときは(ステップS32でNO)、手数料無料モードには移行しない。
【0061】
図8は、この発明のさらに他の実施形態(第3実施形態)にかかるATM1の引出取引/入金取引における処理の流れを示すフローチャートである。この図8は、第1実施形態の引出取引/入金取引における処理の流れを示すフローチャートである図4および図5のうち、図4に代えて用いられるものである。この第3実施形態において、前述の図1〜図6の実施形態(第1実施形態)に示された各部に対応する部分には、図1〜図6の場合と同一の参照符号を付して示し、説明を省略する。とくに、図4に示された各工程を対応する工程には、図4の場合と同一の参照符号を付して示し、説明を省略する。
【0062】
この第3実施形態が第1実施形態と相違する点は、遊技店舗10における遊技の過去1ヶ月間の収支(勝敗結果)が悪い会員に特典が付与される点である。
具体的には、会員カードリーダ部31による会員ID(会員情報)の読取り(ステップS4)後、制御部40が会員管理装置2に収支参照要求を送出する。会員管理装置2の制御部50は、ATM1からの収支参照要求を受信すると、勝敗管理データベース30を参照し、会員IDに対応する会員の過去1ヶ月間の遊技店舗10における遊技の収支が、予め定める基準よりも悪いか否かを判定する。この実施形態では、遊技店舗10における収支が赤字である場合(収入より支出が超過している状態)に、その赤字額が予め定める第2の金額を超えているか否かが判定される。そして、この判定結果がATM1に送信される。
【0063】
ATM1の制御部40は、遊技店舗10の遊技の収支の赤字額が予め定める第2の金額よりも大きい場合は(ステップS42でYES)、記憶部43の特典付与モードフラグに「1」をセットし、手数料無料モード(特典付与モード)に移行する(ステップS7)。そして、制御部40は、表示/操作部18に図6Cに示す画面を表示する(ステップS8)。
【0064】
一方、遊技店舗10における過去1ヶ月間の遊技の収支の赤字額が予め定める第2の金額以下であるときは(ステップS42でNO)、手数料無料モードには移行しない。
この実施形態では、遊技店舗10における遊技の収支が悪い場合に手数料無料モードが実行される。これにより、顧客(会員)の損失を補填することができる。
図9は、この発明の第4実施形態にかかる貨幣出金システムの構成を示すブロック図である。図10は、図9に示す会員管理装置(管理装置)102の電気的構成を示すブロック図である。この第4実施形態において、前述の図1〜図6の実施形態(第1実施形態)に示された各部に対応する部分には、図1〜図6の場合と同一の参照符号を付して示し、説明を省略する。
【0065】
この第4実施形態が第1実施形態と大きく相違する点は、ATM101が遊技店舗10ではなく、コンビニエンスストアやスーパーマーケット、ガソリンスタンドなどの小売店舗(特定の店舗)110に設置されている点である。
図9に示す貨幣出金システムは、小売店舗110に設置されたATM(貨幣出金装置)101と、ATM101に対する外部機器として、小売店舗110に設置された会員管理装置102とを備えている。ATM101と会員管理装置102とは通信可能に接続されている。この貨幣出金システムは、小売店舗110で商品を購入している者/商品を購入しようとしている者が、銀行口座のキャッシュカード(図示しない)を使用して、貨幣を引き出すことができるようにしたシステムである。
【0066】
各小売店舗110には、会員管理装置102が設置されている。会員管理装置102には、ATM101が専用の通信回線を介して接続されている。
この小売店舗110では、小売店舗110に会員登録することにより、所定のサービスを受けることができる店舗会員(以下、「会員」という)になることができる。所定の条件を満たす度に会員にポイントが付与され、その獲得ポイント数に応じて会員に種々のサービス(たとえば、商品券への交換、景品・商品への交換、記念品の付与、他の有価価値情報への交換など)が提供される。小売店舗110に登録された会員には、たとえば種々のデータを記憶可能なICチップが内蔵された会員カードが付与されている。各会員カードのICチップには、会員カードごとに異なるID番号(会員ID)のデータが予め記憶されている。会員管理装置2は、小売店舗110において商品の精算を行うためのレジスタ(図示しない)に通信回線を通して接続されている。
【0067】
このレジスタでは、商品の精算に関連して、会員カードの会員ID(会員情報)が読み取られる。そして、レジスタで精算が行われると、レジスタは、商品購入に関するデータ(商品購入額、購入商品種別、購入日時など)および会員IDを会員管理装置102に送信する。
ATM101は、第1〜第3実施形態のATM1(とくに図2参照)とほぼ同等の構成を備えており、引出取引および入金取引を行うことが可能である。その引出取引/入金取引の際に、会員カードの会員カード挿入/排出口20(図2参照)への挿入が受け付けられる。そして、ATM101では、図4および図5と同等の流れで、引出取引および入金取引が行われる。
【0068】
しかしながら、ATM101は小売店舗110に設置されているので、遊技店舗10に設置されるATM1に要求される基準(前述の(1)〜(3)の基準)を満たす必要はない。
会員管理装置102は、小売店舗110に登録された会員のデータを管理するためのコンピュータシステムである。会員管理装置102は、たとえばマイクロコンピュータを含む構成の制御部120を備えている。この制御部120には通信部121が接続されている。制御部120は、この通信部121を介してATM101と通信を行うことができるようになっている。会員管理装置102の制御部120には、記憶部123が接続されている。記憶部123には、顧客データベース124が設けられている。顧客データベース124は、利用金額データベース125および来店回数データベース126を備えている。顧客データベース124には、たとえば各会員の氏名、住所、電話番号、電子メールアドレスなどの会員固有情報が、各会員の所有する会員カードの会員IDおよび累積獲得ポイント数などの情報と対応付けて記憶されている。会員固有情報は、たとえば会員登録時に申込者(会員となるべき者)が申込用紙に記入した内容を、小売店舗110の従業員が会員管理装置102に入力したものである。
【0069】
利用金額データベース125には、小売店舗110における利用金額、すなわちレジスタから送信された購入額が、各会員の氏名および/または会員IDに対応付けて記憶されている。
来店回数データベース126には、小売店舗110への来店回数、すなわち商品の精算回数が、各会員の氏名および/または会員IDに対応付けて記憶されている。
【0070】
ATM101の記憶部123には、特典付与モードフラグが備えられている。特典付与モードフラグは、手数料無料モードなどの特典付与モードであるか否かを記憶するためのものであって、特典付与モード中は「1」が記憶され、通常は「0」が記憶される。
このATM101には、小売店舗110に会員登録された会員に対して所定の特典が付与される特典付与モードが用意されている。この実施形態では、特典の内容は、引出取引および入金取引における手数料の無料化である。また、この実施形態では、特典は小売店舗110における利用実績に関する予め定める条件を満たす会員、とくに、小売店舗110における過去1ヶ月間の商品購入金額が予め定める第1の金額よりも大きい会員に対して付与される。
【0071】
具体的には、会員カードリーダ部20による会員ID(会員情報)の読取り後、ATM101の制御部40が会員管理装置102にID照合要求および利用金額参照要求を送出する。会員管理装置102の制御部120は、ATM101からのID照合要求を受信にともなって会員IDが一致するか否かの判定を行う。また、ATM101からの利用金額参照要求を受信すると利用金額データベース125を参照し、具体的には、会員カードリーダ部31からの会員IDの取得後、ATM101の制御部40は、会員管理装置102にID照合要求および利用金額参照要求を送出する。会員管理装置102の制御部120は、ATM101からのID照合要求を受信すると、利用金額データベース125を参照し、過去1ヶ月間の小売店舗110における利用金額が、予め定める第1の金額よりも大きいか否かを判定する。そして、この判定結果と会員ID照合結果とをATM101に送信する。
【0072】
ATM101の制御部40は、小売店舗110における利用金額が予め定める第1の金額よりも大きい場合は、記憶部43の特典付与モードフラグに「1」をセットし、手数料無料モード(特典付与モード)に移行する。
一方、読み取られた会員IDがその小売店舗110に登録されていない場合や、過去1ヶ月間の利用金額が予め定める第1の金額以下であるときは、手数料無料モード(特典付与モード)には移行しない。
【0073】
以上により第4実施形態によれば、ATM101における引出取引/入金取引の際に、会員カードの会員カード挿入/排出口20への挿入が受け付けられる。そして、会員カードに記憶された会員IDが小売店舗110に登録されており、かつこの会員IDに対応する会員の小売店舗110における過去1ヶ月間の利用金額が予め定める第1の金額よりも大きい場合は、その引出取引/入金取引に必要な手数料が無料にされる。これにより、小売店舗110の顧客によるATM101の利用に特典を付与することができる。ゆえに、小売店舗110の顧客のATM101の利用を促進することができる。また、小売店舗110の会員であるメリットが大きくなるので、小売店舗110の会員登録を促進させることができるとともに、会員の再来店率(リピート率)を向上させることができる。
【0074】
以上、この発明の4つの実施形態について説明したが、この発明は、他の形態で実施することもできる。
第4実施形態において、小売店舗110における過去1ヶ月間の来店回数が予め定める回数よりも多い会員に、特典が付与されていてもよい点である。
具体的には、会員管理装置102の制御部120が来店回数データベース126を参照し、会員IDに対応する会員の過去1ヶ月間の小売店舗110への来店回数が、予め定める回数よりも大きいか否かを判定し、その判定結果に基づいて、ATM101の制御部40が手数料無料モードに移行するものであってもよい。
【0075】
また、図1に二点鎖線で示すように、各遊技店舗10の会員管理装置2には、系列の複数の遊技店舗10の会員情報を管理する会員管理サーバ4が通信可能に接続されており、第1〜第3実施形態において会員管理装置2で管理されている顧客データベース(利用金額データベース、来店回数データベースおよび勝敗管理データベース)が、会員管理装置2とともに/会員管理装置2に代えて、会員管理サーバ4で管理されていてもよい。さらに、図9に二点鎖線で示すように、各小売店舗110の会員管理装置102には、系列の複数の小売店舗110の会員情報を管理する会員管理サーバ(管理装置)104が通信可能に接続されており、図9の実施形態において会員管理装置102で管理されている顧客データベース(利用金額データベースおよび来店回数データベース)が、会員管理装置102とともに/会員管理装置102に代えて、会員管理サーバ104で管理されていてもよい。これらの場合、会員管理サーバ4,104(の制御部)が、ステップS6の判定、ステップS32の判定およびステップS42の判定を行ってもよい。
【0076】
また、前述の各実施形態では、ステップS6の判定、ステップS32の判定およびステップS42の判定の主体が会員管理装置2,102の制御部50,120であるとして説明したが、ATM1,101の制御部40とすることもできる。この場合、会員管理装置2,102の制御部50,120は、利用金額データベース28,125、来店回数データベース29,126、勝敗管理データベース30を参照して、利用金額、来店回数または収支を取得してATM1,101に送信する。そして、ATM1,101の制御部40は、各情報(利用金額、来店回数または収支)に基づいて、特典付与モードを実行するか否かの判定(ステップS6の判定、ステップS32の判定またはステップS42の判定)を行う。
【0077】
また、前述の各実施形態では、会員カードリーダ部31による会員カードの会員情報(会員ID)の読み取り後(図4のステップS3)の後に、キャッシュカードリーダ部22によるキャッシュカードの口座情報の読み取りが行われる(図5のステップS10)ものについて説明したが、会員カードリーダ部31による会員情報(会員ID)の読み取りに先立って、キャッシュカードリーダ部22による口座情報の読み取りが行われるようにしてもよい。
【0078】
さらに、前述の各実施形態では、ATM1,101には、キャッシュカードの口座情報を読み取るキャッシュカードリーダ部22と、会員カードの会員情報(会員ID)を読み取る会員カードリーダ部31とが個別に設けられる構成について説明したが、キャッシュカードの口座情報と会員カードの会員情報(会員ID)とを共通のカードリーダ部によって読み取る構成とすることもできる。
【0079】
また、前述の各実施形態では、ATM1,101の装置本体には、キャッシュカードが挿入/排出されるキャッシュカード挿入/排出口19と、会員カードが挿入/排出される会員カード挿入/排出口20とが個別に設けられる構成について説明したが、キャッシュカードおよび会員カードが、共通のカード挿入/排出口を通ってATM1,101の装置本体内に挿入される構成とすることもできる。
【0080】
さらに、前述の各実施形態において、特典付与モードとして、引出処理に必要な手数料が減額された手数料減額モードが採用されていてもよい。手数料減額モードで引出取引/入金取引を行う際には、図6Eに示す画面(手数料確認画面)で減額後の手数料が表示されていてもよい。また、手数料減額モード時における手数料は、通常時の手数料(たとえば210円)の半額(105円)であってもよい。
【0081】
また、特典付与モードとして、手数料無料モードや手数料減額モードに代えて、会員にポイントを付与するポイント付与モードが採用されてもよい。この場合、管理装置2,102/会員管理サーバ4,104の制御部50,120が記憶部53,123の顧客データベース27,124内のポイントの値を所定値だけ加算し、更新する。
また、特典付与モードの実行の判断基準になる遊技店舗10における利用金額(すなわち、利用金額データベース28に記憶される金額)を、遊技カードの購入額から遊技カードの精算額を減算した金額ではなく、遊技カードの購入額としてもよい。
【0082】
さらに、前述の各実施形態では、特典付与モードの実行の判断基準である、店舗10,110における利用実績(利用金額、来店回数または遊技の収支)の対象期間を過去1ヶ月間としていたが、この対象期間はこれに限られず、たとえば過去2ヶ月における利用実績であってもよい。また、対象期間がなく、利用実績の累積の値を特典付与モードの実行の判断基準にしてもよい。
【0083】
また、特典付与モードの実行の判断基準である、店舗10,110における利用実績を、第1および第4実施形態では店舗10,110における利用金額とし、第2実施形態では遊技店舗10,110への来店回数とし、第3実施形態では遊技店舗10における遊技の収支としたが、店舗10,110における利用実績は、これらの組合せ(たとえば店舗10,110における利用金額と当該店舗10,110への来店回数との組合せ)であってよい。
【0084】
さらに、店舗10,110における利用実績が、会員の所定の期間における獲得ポイントや、累積の獲得ポイントに基づくものであってもよい。
また、前述の各実施形態では、店舗10,110における利用実績に関する予め定める条件を満たす会員にのみ特典が付与されるとして説明したが、会員の利用実績に関わりなく、会員であれば一様に特典が付与されるようにしてもよい。
【0085】
また、前述の各実施形態では、会員情報記憶媒体として会員カードを例に挙げて説明したが、会員情報記憶媒体として携帯電話機などの携帯情報端末を用いることもできる。この場合、ATM1,101の受付手段としては、リーダライタを用いることができる。
携帯情報端末はICチップを有している。利用者が携帯情報端末をリーダライタにかざすことにより、携帯情報端末とリーダライタとの間で非接触通信が行われ、リードライタは、携帯情報端末のICチップのIDm(チップ製造番号)を取得することができる。IDmは、ICチップごとに異なるもの(固有の番号)であり、かざされた携帯情報端末が同一のものであるか否かを判定することに用いられる。このIDmを会員情報として、会員IDとともに/会員IDに代えて管理することにより、このIDmを会員判定の基準として用いることができる。
【0086】
さらに、ATM1,101は、引出取引および入金取引だけを行えるものとして説明したが、その他、残高照会処理や、振込み取引が行えるものであってもよい。
また、利用客に付与される所定の特典の内容が段階的に変化(向上)するものであってもよい。たとえば、来店率が増えるのに従って手数料の減額率が高くなるように設定してもよい。具体的には、1ヶ月当たりA回(たとえば5回)来店すれば手数料が100円引きになり、その後、来店数が1ヶ月当たりB回(B>A。たとえば8回)になれば手数料が150円引きになり、さらにその後、来店数が1ヶ月当たりC回(C>B。たとえば10回)になれば手数料が無料にすることが考えられる。
【0087】
さらにまた、前述の実施形態では、ATM1,101として、硬貨を取り扱わず紙幣だけを取り扱うものを例に挙げて説明したが、ATM1,101が硬貨および紙幣の両方を取り扱うものであってもよいし、硬貨のみを取り扱うものであってもよい。
さらにまた、ATM1,101に、ATMの装置本体とは別に会員サービス用の子機を設けてもよい。この場合、会員サービス用の子機は、会員カード挿入/排出口20のような、会員カード(会員情報記憶媒体)を受け付ける受付手段を有しており、会員管理装置2,102や会員管理サーバ4,104に接続されている。これにより、ATM1,101としては、標準のATMを用いることができる。これにより、標準ATMに追加機能を付加する構成とすることができるので、機能の追加を簡単に行える。
【0088】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0089】
1 ATM(貨幣出金装置)
2 会員管理装置(管理装置)
4 会員管理サーバ(管理装置)
10 遊技店舗(特定の店舗)
18 表示/操作部(特典内容表示手段)
19 キャッシュカード挿入/排出口(カード挿入口)
20 会員カード挿入/排出口(受付手段)
31 会員カードリータ部(会員情報読取手段)
40 制御部
101 ATM(貨幣出金装置)
102 会員管理装置(管理装置)
104 会員管理サーバ(管理装置)
110 小売店舗(特定の店舗)
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技店舗や小売店舗などの特定の店舗に設けられ、貨幣を出金するための貨幣出金装置および貨幣出金システムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技店舗に、ATM(Automatic Teller Machine)などの貨幣出金装置を設置することが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。貨幣出金装置が設置された遊技店舗では、遊技をしている者/遊技をしようとしている者が貨幣出金装置を用いて貨幣を引き出し、その貨幣を用いて遊技機の遊技を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−197348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
遊技店舗では、店舗顧客(当該店舗で遊技機の遊技を行う遊技客)への顧客サービスの向上が検討されている。そして、その遊技店舗の店舗顧客によるATMの利用に対して特典を付与することが考えられる。一方、ATMの利用のみを目的として遊技店舗に来店する者に対して特典を付与する必要はない。
これは、遊技店舗に設置される貨幣出金装置だけでなく、コンビニエンスストアやスーパーマーケット、ガソリンスタンドなどの小売店舗に設置される貨幣出金装置にも共通する課題である。
【0005】
そこで、この発明の目的は、特定の店舗に設置され、その店舗顧客による利用に対して特典を付与することができる貨幣出金装置を提供することである。
また、この発明の他の目的は、特定の店舗の店舗顧客による貨幣出金装置の利用に対して特典を付与することができる貨幣出金システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、特定の店舗(10;110)に設置されて、貨幣を出金するための貨幣出金装置(1;101)であって、キャッシュカードが挿入されるカード挿入口(19)と、前記カード挿入口に挿入されたキャッシュカードに記憶された口座情報に対応する口座に対して引出処理を許可する引出許可手段(40)と、前記カード挿入口へのキャッシュカードの挿入に関連して、前記特定の店舗の会員に発行した会員情報記憶媒体を受け付ける受付手段(20)と、前記受付手段によって受け付けられた会員情報記憶媒体に記憶された会員情報を読み取る会員情報読取手段(31)と、前記会員情報読取手段によって読み取られた会員情報が前記特定の店舗に登録されている場合に、前記引出処理に関連して所定の特典を付与する特典付与手段(40,S7)とを含むことを特徴とする、貨幣出金装置である。
【0007】
なお、括弧内の数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
請求項1の発明によれば、引出許可処理に関連して、会員情報記憶媒体が受付手段に受け付けられる。そして、この会員情報記憶媒体に記憶された会員情報が店舗に登録されている場合は、引出に関連して所定の特典が付与される。これにより、店舗顧客による貨幣出金装置の利用に特典を付与することができる。ゆえに、店舗顧客による貨幣出金装置の利用を促進することができる。また、店舗の会員であることのメリットが大きいので、店舗の会員登録を促進させることができるとともに、会員の再来店率(リピート率)を向上させることができる。
【0008】
請求項2に記載のように、前記特典付与手段は、前記引出処理に必要な手数料の減額または無料化を許可する手段(40,S7)であってもよい。
また、請求項3記載の発明は、前記特典付与手段は、前記会員情報読取手段によって読み取られた会員情報に対応する会員に対し、前記特定の店舗に登録された会員を対象とするポイントを付与するポイント付与手段(40)であってもよい。
【0009】
請求項4記載の発明は、前記特典付与手段により付与される前記特典の内容を表示する特典内容表示手段(18,40,S8)を、さらに含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の貨幣出金装置である。
請求項4の発明によれば、特典の内容が表示されるので、特典の付与およびその特典の内容を、利用者に知らせることができる。
【0010】
請求項5記載の発明は、前記特典付与手段は、前記会員情報読取手段によって読み取られた会員情報に対応する会員が、前記特定の店舗における利用実績に関する予め定める条件を満たしていることを条件して実行されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の貨幣出金装置である。
請求項5の発明によれば、特定の店舗における利用実績に関する予め定める条件を、会員が満たしている場合のみ、特典が付与される。これにより、特典の付与が必要な会員に対して特典を付与することができる。
【0011】
請求項6に記載のように、前記予め定める条件は、前記会員情報読取手段によって読み取られた会員情報に対応する会員の前記特定の店舗における利用金額に基づいて定められていてもよい。
請求項7に記載のように、前記予め定める条件は、前記会員情報読取手段によって読み取られた会員情報に対応する会員の前記特定の店舗への来店回数に基づいて定められていてもよい。
【0012】
請求項8に記載のように、前記特定の店舗が、遊技機が設置される遊技店舗であり、前記予め定める条件は、前記会員情報読取手段によって読み取られた会員情報に対応する会員の前記特定の店舗における遊技の勝敗結果(収支)に基づいて定められていてもよい。
そして、遊技の勝敗結果が悪い場合に、特典が付与されることが好ましい。この場合、店舗顧客(会員)の損失を補填することができる。
【0013】
請求項9記載の発明は、特定の店舗(10;110)に設置され、貨幣を出金するための貨幣出金装置(1;101)と、前記貨幣出金装置に通信可能に接続され、前記特定の店舗に登録された会員に関する情報を管理するための管理装置(2,4;102,104)とを含む貨幣出金システムであって、前記貨幣出金装置は、キャッシュカードが挿入されるカード挿入口(19)と、前記カード挿入口に挿入されたキャッシュカードに記憶された口座情報に対応する口座に対して引出処理を許可する引出許可手段(40)と、前記カード挿入口へのキャッシュカードの挿入に関連して、前記特定の店舗の会員に発行した会員情報記憶媒体を受け付ける受付手段(20)と、前記受付手段によって受け付けられた会員情報記憶媒体に記憶された会員情報を読み取る会員情報読取手段(31)と含み、さらに、前記会員情報読取手段によって読み取られた会員情報が前記特定の店舗に登録されているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって前記特定の店舗に登録された会員であると判定された場合に、前記引出処理に関連して所定の特典を付与する特典付与手段(40,S7)とを含むことを特徴とする、貨幣出金システムである。
【0014】
請求項9の発明によれば、引出許可処理に関連して、会員情報記憶媒体が受付手段に受け付けられる。そして、この会員情報記憶媒体に記憶された会員情報が店舗に登録されている場合は、引出に関連して所定の特典が付与される。これにより、店舗顧客による貨幣出金装置の利用に特典を付与することができる。ゆえに、店舗顧客による貨幣出金装置の利用を促進することができる。また、店舗の会員であることのメリットが大きいので、店舗の会員登録を促進させることができるとともに、会員の再来店率(リピート率)を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明の第1実施形態にかかる貨幣出金システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すATMの構成を概略的に示す斜視図である。
【図3】図1に示すATMおよび会員管理装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示すATMの引出取引/入金取引における処理の流れを示すフローチャートである(その1)。
【図5】図1に示すATMの引出取引/入金取引における処理の流れを示すフローチャートである(その2)。
【図6A】図1に示す表示/操作部に引出取引時に表示される画面を示す図である(その1)。
【図6B】図1に示す表示/操作部に引出取引時に表示される画面を示す図である(その2)。
【図6C】図1に示す表示/操作部に引出取引時に表示される画面を示す図である(その3)。
【図6D】図1に示す表示/操作部に引出取引時に表示される画面を示す図である(その4)。
【図6E】図1に示す表示/操作部に引出取引時に表示される画面を示す図である(その5)。
【図6F】図1に示す表示/操作部に引出取引時に表示される画面を示す図である(その6)。
【図6G】図1に示す表示/操作部に引出取引時に表示される画面を示す図である(その7)。
【図6H】図1に示す表示/操作部に引出取引時に表示される画面を示す図である(その8)。
【図7】この発明の第2実施形態にかかる貨幣出金装置の引出取引/入金取引における処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】この発明の第3実施形態にかかる貨幣出金装置の引出取引/入金取引における処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】この発明の第4実施形態にかかる貨幣出金システムの構成を示すブロック図である。
【図10】図9に示す会員管理装置の電気的構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態(第1実施形態)にかかる貨幣出金システムの構成を示すブロック図である。図1に示す貨幣出金システムは、遊技機(パチンコ機やパチスロ機)15とともに遊技店舗(特定の店舗)10に設置されたATM(貨幣出金装置)1と、ATM1に対する外部機器として、遊技店舗10に設置された会員管理装置(管理装置)2とを備えている。ATM1と会員管理装置2とは通信可能に接続されている。この貨幣出金システムは、遊技店舗10で遊技をしている者/遊技をしようとしている者が、銀行口座のキャッシュカード(図示しない)を使用して、貨幣を引き出すことができるようにしたシステムである。
【0017】
ATM1には、公衆回線3を介して情報処理センター5が接続されている。情報処理センター5は、複数の銀行のホストコンピュータ6(図1では、1つのみ図示)と専用の通信回線7を介して通信可能に接続されている。ホストコンピュータ6は、顧客の口座の口座番号等を含む口座情報や、暗証番号、口座残高等の顧客情報を保持して、顧客の口座を管理している。
【0018】
会員管理装置2には、ATM1が専用の通信回線を介して接続されている。会員管理装置2には、カード販売機11と、精算機12と、景品管理機13と、計数機17と、各遊技機島に設けられた中継装置14とが通信可能に接続されている。各遊技機島は、パチンコ機やパチスロ機などの遊技機15と、台間機16とを一対一に対応付けて複数対配設することにより構成されている。各台間機16は、その遊技機島に設けられている中継装置14に通信可能に接続されている。
【0019】
この遊技店舗10では、会員登録することにより、所定のサービスを受けることができる店舗会員(以下、「会員」という)になることができる。所定の条件を満たす度に会員にポイントが付与され、その獲得ポイント数に応じて会員に種々のサービス(たとえば、遊技店舗10内における飲料の提供、遊技機15の予約など)が提供される。遊技店舗10に登録された会員には、たとえば種々のデータを記憶可能なICチップが内蔵された会員カードが付与されている。各会員カードのICチップには、会員カードごとに異なるID番号(会員ID)のデータが予め記憶されている。
【0020】
カード販売機11では、会員カードが投入されるとともに紙幣が投入されることにより、会員用の遊技カードが発行される。この会員用の遊技カードには、会員IDが付されている。一方、会員カードの投入がないまま紙幣投入されると、ビジター用のカードが発行される。カード販売機11は、発行した遊技カードに関するデータと会員IDとを会員管理装置2に送信する。
【0021】
遊技客は所望の遊技機15の前に座り、この遊技機15と一対一で対応付けられた台間機16に遊技カードを投入する。これにより、遊技カードに記録されている有価価値データの範囲内で遊技媒体(遊技玉や遊技メダル)が貸し出される。
また、遊技カードを未だ取得していない遊技客は、台間機16を用いて遊技カードを購入することもできる。台間機16に会員カードおよび紙幣が投入されると、台間機16から会員用の遊技カードが発行される。この会員用の遊技カードには、会員IDが付されている。一方、会員カードの投入がないまま紙幣投入されると、ビジター用のカードが発行される。台間機16は、会員IDと発行した遊技カードに関するデータ(発行額や発行日時)とを会員管理装置2に送信する。
【0022】
精算機12は、遊技カードに記録されている有価価値の残度数を精算して、その残高に相当する金額の貨幣を払い戻すものである。精算機12に挿入される遊技カードが会員用の遊技カードである場合、精算機12は、精算に関するデータ(精算額や精算日時)と会員IDとを会員管理装置2に送信する。
計数機17では、会員カードが受け付けられた状態で、遊技媒体(遊技玉や遊技メダル)がホッパ内に投入され、遊技媒体の個数が計数される。計数機17による遊技媒体の計数値は、会員カードのICチップに記憶される。
【0023】
景品管理機13は、会員カードのICチップに記憶された遊技媒体の計数値に基づいて、景品払出装置(図示しない)からその計数値に応じた景品を払い出すものである。景品管理機13は、会員IDと払い出した景品に関するデータ(景品の種類・枚数や景品交換日時)とを会員管理装置2に送信する。
図2は、ATM1の構成を概略的に示す斜視図である。
【0024】
ATM1の装置本体の前面には、表示/操作部18が配設されている。表示/操作部18は、タッチパネル付きの液晶表示器により構成されている。表示/操作部18には、操作ガイダンス、入力情報等の各種情報が表示される。また、利用者は表示/操作部18の画面上に表示される後述のボタン32〜38(図6A〜図6H参照)に触れることで、ATM1における入力操作を行うことができるようになっている。また、表示/操作部18の下方には、銀行口座のキャッシュカードが挿入/排出されるキャッシュカード挿入/排出口(カード挿入口)19、会員カードが挿入/排出される会員カード挿入/排出口(受付手段)20、および明細票が発行される明細票発行口21が設けられている。
【0025】
銀行口座のキャッシュカードの磁気ストライプやICチップ等には、銀行のコード(番号)や、利用者(口座所有者)の口座の口座番号を含む口座情報が記憶されている。キャッシュカード挿入/排出口19に挿入されたキャッシュカードの口座情報は、装置本体内に内蔵されたキャッシュカードリーダ部22(図3参照)によって読み取られる。そして、取引終了時/取引不能時にはキャッシュカード挿入/排出口19からキャッシュカードが排出され、利用者に返却される。
【0026】
会員カード挿入/排出口20に挿入された会員カードの会員情報(会員ID)は、装置本体内に内蔵された会員カードリーダ部(会員情報読取手段)31(図3参照)によって読み取られる。そして、会員情報の読取後/取引不能時には会員カード挿入/排出口20から会員カードが排出され、利用者に返却される。
また、引出取引/入金取引の終了時には、明細票発行口21から明細票が排出されて、利用者に対して発行される。明細票は、記録用紙に印字部23(図3参照)によって取引の内容や取引後の口座残高が印字された後に明細票発行口21から排出される。
【0027】
ATM1の装置本体には、その前面の下端辺から前側(図2で示す左手前側)に張り出す上面が設けられている。その上面には、紙幣を出入金するための紙幣入出金部24が設けられている。なお、また、ATM1は紙幣のみを取り扱うものであり、そのため、硬貨は取り扱うための硬貨出入金部が備えられていない。
紙幣入出金部24は、紙幣を集積状態で収容できる紙幣投入/排出空間(図示しない)と、紙幣投入/排出空間の上部開口を開閉するための紙幣シャッタ25とを備えている。図2では、紙幣シャッタ25の閉状態を示している。紙幣投入/排出空間は、入金取引時において利用者による紙幣の投入を受け付けるとともに、引出取引時において利用者に払い出された紙幣を、集積状態で収容する。紙幣シャッタ25の開状態では、利用者による紙幣入出金部24への紙幣の投入や紙幣入出金部24からの紙幣の受け取りが可能であり、一方、紙幣シャッタ25が閉状態になると、紙幣投入/排出空間の上部開口が閉塞されて、利用者による紙幣入出金部24への紙幣の投入や受取りが不可能になる。また、ATM1には、紙幣入出金部24に投入された紙幣の額を計数する計数部(図示しない)が設けられている。
【0028】
ATM1の装置本体の上面における紙幣入出金部24の前側(図2で示す左手前側)には、利用者が操作するための入力操作部26が配設されている。入力操作部26は、テンキー等のキーを有している。この入力操作部26を用いて、キャッシュカードの暗証番号や取引金額等が入力される。
遊技店舗10に設置されるATM1には、のめり込み防止などの観点から、次に述べる(1)〜(3)の基準が要求されている。(1)一日あたり予め定める上限額(たとえば3万円)を超える引出取引は不可。(2)クレジット・消費者金融系のカードは使用不可であり、銀行口座のキャッシュカードのみ使用可。(3)銀行口座に残高がある場合のみ、引出取引可。
【0029】
この実施形態にかかるATM1では、引出取引および入金取引が許容されている。また、通常の場合、引出取引に必要な正規の手数料はたとえば「210円」であり、入金取引に必要な正規の手数料もたとえば「210円」である。
図3は、ATM1および会員管理装置2の電気的構成を示すブロック図である。会員管理装置2は、遊技店舗10に登録された会員のデータを管理するためのコンピュータシステムである。会員管理装置2は、たとえばマイクロコンピュータを含む構成の制御部50を備えている。この制御部50には通信部51が接続されている。制御部50は、この通信部51を介してATM1と通信を行うことができるようになっている。制御部50には記憶部53が接続されている。記憶部53には、顧客データベース27が設けられている。
【0030】
顧客データベース27は、利用金額データベース28、来店回数データベース29および勝敗管理データベース30を備えている。顧客データベース27には、たとえば各会員の氏名、住所、電話番号、電子メールアドレスなどの会員固有情報が、各会員の所有する会員カードの会員IDおよび獲得ポイント数などの情報と対応付けて記憶されている。会員固有情報は、たとえば会員登録時に申込者(会員となるべき者)が申込用紙に記入した内容を、遊技店舗10の従業員が、会員管理装置2に入力したものである。
【0031】
利用金額データベース28には、遊技店舗10における遊技に使用した金額、すなわち、カード販売機11(図1参照)および/または台間機16(図1参照)における遊技カードの購入額から、精算機12(図1参照)における精算額を減算した金額が、各会員の氏名および/または会員IDに対応付けて記憶されている。
来店回数データベース29には、遊技店舗10への来店回数が記憶されている。具体的には、カード販売機11および/または台間機16における遊技カードの購入回数、精算機12における精算回数、ならびに景品管理機13(図1参照)における景品交換回数が、各会員の氏名および/または会員IDに対応付けて記憶されている。
【0032】
勝敗管理データベース30には、遊技店舗10における遊技の収支、すなわち、精算機12における精算額に、景品管理機13において景品交換されたその景品の額を加算した金額から、カード販売機11および/または台間機16における遊技カードの購入額を減算した金額が、各会員の氏名および/または会員IDに対応付けて記憶されている。
ATM1は、たとえばマイクロコンピュータを含む構成の制御部40を備えている。この制御部40には制御対象として、紙幣入出金部24および印字部23が接続されている。
【0033】
制御部40には、キャッシュカードリーダ部22によって読み取られたキャッシュカードの口座情報が入力されるようになっている。また、会員カードリーダ部31によって読み取られた会員カードの口座情報が入力されるようになっている。さらに、入力操作部26が利用者によって操作されると、その操作に応じた入力信号が制御部40に与えられるようになっている。
【0034】
また、制御部40には通信部41が接続されている。この通信部41は会員管理装置2の通信部51と専用回線によって接続されている。制御部40は通信部41を介して会員管理装置2と通信を行うことができるようになっている。
また、制御部40には通信部42が接続されている。この通信部42は公衆回線3に接続されている。
【0035】
さらに、制御部40には表示/操作部(特典内容表示手段)18が接続されている。制御部40は表示/操作部18の表示を制御し、これにより、操作ガイダンス、入力情報等が表示/操作部18に表示される。また、表示/操作部18がタッチパネル付の画面を有しているので、そのタッチパネル付の画面が利用者によって操作されると、その操作に応じた入力信号が制御部40に与えられる。制御部40には記憶部43が接続されている。この記憶部43には、特典付与モードフラグが備えられている。特典付与モードフラグは、後述する手数料無料モードなどの特典付与モードであるか否かを記憶するためのものであって、特典付与モード中は「1」が記憶され、通常は「0」が記憶される。
【0036】
このATM1には、遊技店舗10に会員登録された会員に対して所定の特典が付与される特典付与モードが用意されている。この実施形態では、特典の内容は、引出取引および入金取引における手数料の無料化である。また、この実施形態では、特典は遊技店舗10における利用実績に関する予め定める条件を満たす会員のみに付与される。具体的には、遊技店舗10における過去1ヶ月間の利用金額が予め定める第1の金額よりも大きい会員に対して付与される。
【0037】
図4および図5は、ATM1の引出取引/入金取引における処理の流れを示すフローチャートである。図6A〜図6Hは、引出取引において表示/操作部18に表示される画面を示す図である。
ATM1の待機状態では、表示/操作部18に図6Aに示す画面が表示される。この図6Aに示す画面では、画面の中央部に「ATMをご利用の方は取引開始ボタンを押してください」とのメッセージが表示され、画面の右下隅に、取引の開始時に利用者が操作するための取引開始ボタン32が表示される。
【0038】
利用者によって取引開始ボタン32が押操作されると(ステップS1でYES)、表示/操作部18が図6Bに示す画面に切り換わる。図6Bに示す画面では、画面の上部に「いらっしゃいませ」とのメッセージが表示されるとともに、画面の右上隅に取引の手続を途中で取り消すために操作される手続取消ボタン33が表示される。また、画面の中央部には、「カードをお入れください お取引を開始します」とのメッセージが表示される。手続取消ボタン33は、図6Bに示す画面だけでなく、その後取引終了までに表示される複数の画面(図6D〜図6H参照)において表示される。
【0039】
会員カードが会員カード挿入/排出口20(図2参照)に挿入されると(ステップS2でYES)、会員カードのICチップに記憶された会員ID(会員情報)が会員カードリーダ部31(図3参照)に読み取られる(ステップS3)。会員カードリーダ部31に読み取られた会員IDは制御部40に与えられる。会員カードリーダ部31による読取り後、会員カードは会員カード挿入/排出口20から返却される(ステップS4)。
【0040】
会員カードリーダ部31からの会員IDの付与後、制御部40は、会員管理装置2にID照合要求および利用金額参照要求を送出する。会員管理装置2の制御部50は、ATM1からのID照合要求を受信すると、会員カードリーダ部31に読み取られた会員IDを、顧客データベース27に記憶されている会員IDと照合し、会員IDがその遊技店舗10に登録されているか否かを判定する(ステップS5)。
【0041】
会員管理装置2の制御部50は、ATM1からの利用金額参照要求を受信すると、利用金額データベース28を参照し、過去1ヶ月間の遊技店舗10における利用金額が、予め定める第1の金額よりも大きいか否かを判定する。そして、この判定結果と会員ID照合結果とをATM1に送信する。
利用金額が予め定める第1の金額よりも大きい場合は(ステップS6でYES)、ATM1の制御部40は、記憶部43の特典付与モードフラグに「1」をセットし、手数料無料モード(特典付与モード)に移行する(ステップS7)。そして、制御部40は、表示/操作部18に図6Cに示す画面を表示する(ステップS8)。図6Cに示す画面では、「あなたは××ホールの会員ですのでお引出しおよび入金の手数料を無料にします」とのメッセージが表示されるとともに、「210円」の手数料が無料にされる旨の特典内容が表示される。このように、特典の内容が表示されるので、特典の付与およびその特典の内容(手数料が無料にされること)を、利用者に知らせることができる。
【0042】
一方、読み取られた会員IDがその遊技店舗10に登録されていない場合(ステップS5でNO)や、過去1ヶ月における利用金額が予め定める第1の金額以下であるときは(ステップS6でNO)、ステップS7およびステップS8はスキップされて、手数料無料モード(特典付与モード)には移行しない。
次いで、利用者が自己所有の銀行口座のクレジットカードを、キャッシュカード挿入/排出口19に挿入する(ステップS9)。キャッシュカードが挿入されると(ステップS9でYES)、キャッシュカードの磁気ストライプやICチップ等に記憶された口座情報がキャッシュカードリーダ部22(図3参照)に読み取られて、制御部40に与えられる(ステップS10)。キャッシュカード挿入/排出口19に挿入されたカードが、取扱いの対象外である場合(たとえば、他行のキャッシュカードである場合やクレジットカードである場合)や、キャッシュカードリーダ部22によって口座情報が読み出せない場合は、カードがキャッシュカード挿入/排出口19から返却される。表示/操作部18に、ATM1の取引可能な時間帯などの案内が表示された後、図6Dに示す取引内容選択画面が表示される(ステップS11)。図6Dに示す取引内容選択画面では、引出ボタン34と入金ボタン35とが表示され、これらのボタン34,35の選択操作が可能になっている。
【0043】
そして、利用者により引出ボタン34が押操作されると(ステップS12でYES)、表示/操作部18に図6Eに示す画面(手数料確認画面)が表示される。図6Eに示す画面の上部には、「手数料をご確認のうえよろしければ[お引出し]を押してください。」とのメッセージが表示されるとともに、画面の中央部には、手数料表示が表示される。手数料無料モードが実行されている場合(特典付与モードフラグに「1」が記憶されている場合)は、手数料表示には「0円」と表示される。また、手数料無料モードが実行されていない場合(特典付与モードフラグに「0」が記憶されている場合)は、図6Fに示すように手数料表示にはたとえば「210円」と表示される。画面の下部には、引出続行ボタン36が表示される。
【0044】
引出続行ボタン36が押操作されると、次いで、利用者に、暗証番号の入力および引出額の入力が要求される。そして、表示/操作部18にはたとえば図6Gに示す画面が表示される。図6Gに示す画面は引出額の入力を要求するための画面であり、画面の上部に「金額」とのタイトルが表示され、また、画面の中央部には、「金額を押してください。よろしければ最後に[円]を押してください。」とのメッセージが表示される。画面の下部には、入力された金額が表示されるようになっている。
【0045】
利用者が入力操作部26を操作して自己の暗証番号および引出額を入力すると、利用者の銀行口座からの引出額の引出しを許可する口座引出許可処理が実行される(ステップS15,S16)。具体的には、制御部40は、引出額、口座情報、手数料情報および暗証番号を含む引出要求を情報処理センター5へ送出する。このとき、手数料無料モードが実行されている場合(特典付与モードフラグに「1」が記憶されている場合)は(ステップS14でYES)、引出要求に含まれる手数料情報が無料化された手数料「0円」であり(ステップS15)、手数料無料モードが実行されていない場合(特典付与モードフラグに「0」が記憶されている場合)は(ステップS14でNO)、引出要求に含まれる手数料情報が正規の手数料「210円」である(ステップS16)。
【0046】
情報処理センター5は、ATM1からの引出要求を受信すると、当該引出要求に含まれる口座情報に対応する口座のその日における引出額に今回の引出額を併せた額が、予め定める上限額(たとえば3万円)を超えないか否かをチェックする。予め定める上限額を超えない場合、情報処理センター5は、対応する銀行のホストコンピュータ6に対し、通信回線7を介して決済処理を依頼する。ホストコンピュータ6は、口座情報が正常であり、かつ暗証番号がホストコンピュータ6に登録されている当該口座の暗証番号と一致することを条件として決済処理を行う。
【0047】
具体的には、引出要求に含まれる手数料情報が無料化された手数料「0円」である場合は、ホストコンピュータ6は、その口座情報に対応する口座から、決済要求に含まれる出金データ分を減算して、決済処理を行う。
利用者の手数料を無料化しているので、本来利用者が支払うべき「210円」は遊技店舗の口座からシステム利用料の「50円」と合わせて決済することになる。
また、引出要求に含まれる手数料情報が正規の手数料「210円」である場合は、ホストコンピュータ6は、その口座情報に対応する口座から、出金データ分および手数料「210円」を減算するとともに、遊技店舗10の店舗口座からシステム利用料「50円」を減算して、決済処理を行う。
【0048】
決済処理が終了すると、ホストコンピュータ6は、情報処理センター5に処理完了の通知を行う。処理完了の通知を受けた情報処理センター5は、処理完了通知をATM1に対して行う。処理完了の通知をATM1の通信部42が受信することにより、ステップS15,S16の口座引出許可処理が終了する。
情報処理センター5からの処理完了通知を通信部42が受信すると、収納部(図示しない)に収納されている紙幣が、紙幣入出金部24の紙幣投入/排出空間(図示しない)に搬送され、紙幣投入/排出空間に集積された状態で排出される(S17:出金処理)。紙幣投入/排出空間への紙幣の排出後、紙幣シャッタ25が開状態にされて、紙幣入出金部24の紙幣投入/排出空間の上部開口が開放される。これにより、紙幣投入/排出空間からの紙幣の取出しが可能になる。
【0049】
次いで、紙幣入出金部24の紙幣投入/排出空間から紙幣が取り出されると、表示/操作部18に図6Hに示す取引内容表示画面が表示される。図6Hに示す取引内容表示画面では、画面の上部に「お取引内容をご確認のうえ明細票必要・不要を選択してください。」というメッセージが表示される。画面の上下方向の中央部には、取引金額、手数料および取引後の口座残高が表示される。画面の下方部には、明細票必要ボタン37と明細票不要ボタン38とが左右に並べて配置される。
【0050】
そして、明細票必要ボタン37が押操作されると、キャッシュカード挿入/排出口19からキャッシュカードが排出されて、このキャッシュカードが利用者に返却される(ステップS18)。また、印字部23が制御されて、記録用紙に取引内容、手数料および取引後口座残高が印字されて明細票発行口21から排出される。こうして、明細票として利用者に発行される(ステップS19)。これにより、一連の引出取引が終了する。また、明細票不要ボタン38が押操作されると、ステップS19の処理はスキップされて、キャッシュカードの返却のみが実行される(ステップS18)。
【0051】
なお、引出額(に手数料を加算した額)が引出しの対象となる銀行口座の口座残高よりも少ない場合は、ホストコンピュータ6は、決済処理を実行せずに、残高不足の旨を情報処理センター5に通知する。残高不足の通知を受けた情報処理センター5は、残高不足の通知をATM1に対して行う。そして、表示/操作部18にその旨が表示されるとともに、キャッシュカード挿入/排出口19からキャッシュカードが排出されて、キャッシュカードが利用者に返却される。
【0052】
次に、入金取引における処理の流れを説明する。
図6Dに示す取引内容選択画面において、利用者により入金ボタン35が押操作されると(ステップS12でNO、ステップS20でYES)、利用者に対して暗証番号の入力が要求される。利用者が入力操作部26を操作して暗証番号を入力すると、紙幣入出金部24の紙幣シャッタ25が開状態にされて、紙幣入出金部24の紙幣投入/排出空間の上部開口が開放される(ステップS21)。これにより、紙幣入出金部24への紙幣の投入が可能になる。そして、利用者によって紙幣入出金部24に紙幣が投入されると(ステップS22でYES)、紙幣シャッタ25が閉状態にされた後、紙幣入出金部24に投入された紙幣が計数部(図示しない)によって計数される。紙幣の計数後、表示/操作部18には入金額(投入額)が表示される。利用者によって入金額の確認が行われると、次いで、銀行口座への入金を許可する口座入金許可処理が実行される(ステップS24,S25)。この口座入金許可処理においては、制御部40は、入金額、口座情報、手数料情報および暗証番号を含む入金要求を情報処理センター5に送出する。このとき、手数料無料モードが実行されている場合(特典付与モードフラグに「1」が記憶されている場合)は(ステップS23でYES)、入金要求に含まれる手数料情報が無料化された手数料「0円」であり(ステップS25)、手数料無料モードが実行されていない場合(特典付与モードフラグに「0」が記憶されている場合)は(ステップS23でNO)、入金要求に含まれる手数料情報が正規の手数料「210円」である(ステップS24)。
【0053】
情報処理センター5は、ATM1からの入金要求を受信すると、入金要求に含まれている口座情報に基づき、いずれの銀行のホストコンピュータ6にその入金要求を通知すべきかを判断し、対応する銀行のホストコンピュータ6に対し、通信回線7を介して決済処理を依頼する。ホストコンピュータ6は、口座情報が正常であり、かつ暗証番号がホストコンピュータ6に登録されている当該口座の暗証番号と一致することを条件として決済処理を行う。
【0054】
具体的には、入金要求に含まれる手数料情報が無料化された手数料「0円」である場合は、ホストコンピュータ6は、その口座情報に対応する口座から、決済要求に含まれる入金データ分を加算して、決済処理を行う。
利用者の手数料を無料化しているので、本来利用者が支払うべき「210円」は遊技店舗の口座からシステム利用料の「50円」と合わせて決済することになる。
【0055】
また、入金要求に含まれる手数料情報が正規の手数料「210円」である場合は、ホストコンピュータ6は、その口座情報に対応する口座に対し、入金要求に含まれる入金データ分を加算するとともに手数料における手数料「210円」を減算し、かつ、遊技店舗10の店舗口座からシステム利用料「50円」を減算して、決済処理を行う。
当該口座に対する決済処理が終了すると、ホストコンピュータ6は、情報処理センター5に処理完了の通知を行う。また、処理完了の通知を受けた情報処理センター5は、処理完了通知をATM1に対して行う。処理完了の通知をATM1の通信部42が受信することにより、ステップS24,S25の口座入金許可処理が終了する。
【0056】
情報処理センター5からの処理完了通知を通信部42が受信すると、紙幣が、収納部(図示しない)に搬送され、その収納部に収納される。
さらに、情報処理センター5からの処理完了通知の受信に応答して、表示/操作部18に図6Hの取引内容表示画面と同様の画面が表示される。そして、明細票必要ボタン37が押操作されると、キャッシュカード挿入/排出口19からキャッシュカードが排出されて、このキャッシュカードが利用者に返却される(ステップS18)。また、印字部23が制御されて、記録用紙に取引内容、手数料および取引後口座残高が印字されて、明細票発行口21から排出される。こうして、明細票として利用者に発行される(ステップS19)。これにより、一連の入金取引が終了する。また、明細票不要ボタン38が押操作されると、ステップS19の処理はスキップされて、キャッシュカードの返却のみが実行される(ステップS18)。
【0057】
以上によりこの実施形態によれば、ATM1における引出取引/入金取引の際に、会員カードの会員カード挿入/排出口20への挿入が受け付けられる。そして、会員カードに記憶された会員IDが遊技店舗10に登録されており、かつこの会員IDに対応する会員の遊技店舗10における過去1ヶ月間の利用金額が予め定める第1の金額よりも大きい場合は、その引出取引/入金取引に必要な手数料が無料にされる。これにより、遊技店舗10の顧客によるATM1の利用に特典を付与することができる。ゆえに、遊技店舗10の顧客のATM1の利用を促進することができる。また、遊技店舗10の会員であるメリットが大きくなるので、遊技店舗10の会員登録を促進させることができるとともに、会員の再来店率(リピート率)を向上させることができる。
【0058】
図7は、この発明の他の実施形態(第2実施形態)にかかるATM1の引出取引/入金取引における処理の流れを示すフローチャートである。この図7は、第1実施形態の引出取引/入金取引における処理の流れを示すフローチャートである図4および図5のうち、図4に代えて用いられるものである。この第2実施形態において、前述の図1〜図6の実施形態(第1実施形態)に示された各部に対応する部分には、図1〜図6の場合と同一の参照符号を付して示し、説明を省略する。とくに、図4に示された各工程を対応する工程には、図4の場合と同一の参照符号を付して示し、説明を省略する。
【0059】
この第2実施形態が第1実施形態と相違する点は、遊技店舗10における過去1ヶ月間の来店回数が予め定める回数よりも多い会員に、特典が付与される点である。
具体的には、会員カードリーダ部31による会員ID(会員情報)の読取り(ステップS4)後、制御部40が会員管理装置2に来店回数参照要求を送出する。会員管理装置2の制御部50は、ATM1からの来店回数参照要求を受信すると、来店回数データベース29を参照し、会員IDに対応する会員の過去1ヶ月間の遊技店舗10への来店回数が、予め定める回数よりも大きいか否かを判定する。そして、この判定結果がATM1に送信される。
【0060】
来店回数が予め定める回数よりも多い場合は(ステップS32でYES)、記憶部43の特典付与モードフラグに「1」をセットし、手数料無料モード(特典付与モード)に移行する(ステップS7)。そして、制御部40は、表示/操作部18に図6Cに示す画面を表示する(ステップS8)。
一方、過去1ヶ月間の遊技店舗10への来店回数が、予め定める回数以下であるときは(ステップS32でNO)、手数料無料モードには移行しない。
【0061】
図8は、この発明のさらに他の実施形態(第3実施形態)にかかるATM1の引出取引/入金取引における処理の流れを示すフローチャートである。この図8は、第1実施形態の引出取引/入金取引における処理の流れを示すフローチャートである図4および図5のうち、図4に代えて用いられるものである。この第3実施形態において、前述の図1〜図6の実施形態(第1実施形態)に示された各部に対応する部分には、図1〜図6の場合と同一の参照符号を付して示し、説明を省略する。とくに、図4に示された各工程を対応する工程には、図4の場合と同一の参照符号を付して示し、説明を省略する。
【0062】
この第3実施形態が第1実施形態と相違する点は、遊技店舗10における遊技の過去1ヶ月間の収支(勝敗結果)が悪い会員に特典が付与される点である。
具体的には、会員カードリーダ部31による会員ID(会員情報)の読取り(ステップS4)後、制御部40が会員管理装置2に収支参照要求を送出する。会員管理装置2の制御部50は、ATM1からの収支参照要求を受信すると、勝敗管理データベース30を参照し、会員IDに対応する会員の過去1ヶ月間の遊技店舗10における遊技の収支が、予め定める基準よりも悪いか否かを判定する。この実施形態では、遊技店舗10における収支が赤字である場合(収入より支出が超過している状態)に、その赤字額が予め定める第2の金額を超えているか否かが判定される。そして、この判定結果がATM1に送信される。
【0063】
ATM1の制御部40は、遊技店舗10の遊技の収支の赤字額が予め定める第2の金額よりも大きい場合は(ステップS42でYES)、記憶部43の特典付与モードフラグに「1」をセットし、手数料無料モード(特典付与モード)に移行する(ステップS7)。そして、制御部40は、表示/操作部18に図6Cに示す画面を表示する(ステップS8)。
【0064】
一方、遊技店舗10における過去1ヶ月間の遊技の収支の赤字額が予め定める第2の金額以下であるときは(ステップS42でNO)、手数料無料モードには移行しない。
この実施形態では、遊技店舗10における遊技の収支が悪い場合に手数料無料モードが実行される。これにより、顧客(会員)の損失を補填することができる。
図9は、この発明の第4実施形態にかかる貨幣出金システムの構成を示すブロック図である。図10は、図9に示す会員管理装置(管理装置)102の電気的構成を示すブロック図である。この第4実施形態において、前述の図1〜図6の実施形態(第1実施形態)に示された各部に対応する部分には、図1〜図6の場合と同一の参照符号を付して示し、説明を省略する。
【0065】
この第4実施形態が第1実施形態と大きく相違する点は、ATM101が遊技店舗10ではなく、コンビニエンスストアやスーパーマーケット、ガソリンスタンドなどの小売店舗(特定の店舗)110に設置されている点である。
図9に示す貨幣出金システムは、小売店舗110に設置されたATM(貨幣出金装置)101と、ATM101に対する外部機器として、小売店舗110に設置された会員管理装置102とを備えている。ATM101と会員管理装置102とは通信可能に接続されている。この貨幣出金システムは、小売店舗110で商品を購入している者/商品を購入しようとしている者が、銀行口座のキャッシュカード(図示しない)を使用して、貨幣を引き出すことができるようにしたシステムである。
【0066】
各小売店舗110には、会員管理装置102が設置されている。会員管理装置102には、ATM101が専用の通信回線を介して接続されている。
この小売店舗110では、小売店舗110に会員登録することにより、所定のサービスを受けることができる店舗会員(以下、「会員」という)になることができる。所定の条件を満たす度に会員にポイントが付与され、その獲得ポイント数に応じて会員に種々のサービス(たとえば、商品券への交換、景品・商品への交換、記念品の付与、他の有価価値情報への交換など)が提供される。小売店舗110に登録された会員には、たとえば種々のデータを記憶可能なICチップが内蔵された会員カードが付与されている。各会員カードのICチップには、会員カードごとに異なるID番号(会員ID)のデータが予め記憶されている。会員管理装置2は、小売店舗110において商品の精算を行うためのレジスタ(図示しない)に通信回線を通して接続されている。
【0067】
このレジスタでは、商品の精算に関連して、会員カードの会員ID(会員情報)が読み取られる。そして、レジスタで精算が行われると、レジスタは、商品購入に関するデータ(商品購入額、購入商品種別、購入日時など)および会員IDを会員管理装置102に送信する。
ATM101は、第1〜第3実施形態のATM1(とくに図2参照)とほぼ同等の構成を備えており、引出取引および入金取引を行うことが可能である。その引出取引/入金取引の際に、会員カードの会員カード挿入/排出口20(図2参照)への挿入が受け付けられる。そして、ATM101では、図4および図5と同等の流れで、引出取引および入金取引が行われる。
【0068】
しかしながら、ATM101は小売店舗110に設置されているので、遊技店舗10に設置されるATM1に要求される基準(前述の(1)〜(3)の基準)を満たす必要はない。
会員管理装置102は、小売店舗110に登録された会員のデータを管理するためのコンピュータシステムである。会員管理装置102は、たとえばマイクロコンピュータを含む構成の制御部120を備えている。この制御部120には通信部121が接続されている。制御部120は、この通信部121を介してATM101と通信を行うことができるようになっている。会員管理装置102の制御部120には、記憶部123が接続されている。記憶部123には、顧客データベース124が設けられている。顧客データベース124は、利用金額データベース125および来店回数データベース126を備えている。顧客データベース124には、たとえば各会員の氏名、住所、電話番号、電子メールアドレスなどの会員固有情報が、各会員の所有する会員カードの会員IDおよび累積獲得ポイント数などの情報と対応付けて記憶されている。会員固有情報は、たとえば会員登録時に申込者(会員となるべき者)が申込用紙に記入した内容を、小売店舗110の従業員が会員管理装置102に入力したものである。
【0069】
利用金額データベース125には、小売店舗110における利用金額、すなわちレジスタから送信された購入額が、各会員の氏名および/または会員IDに対応付けて記憶されている。
来店回数データベース126には、小売店舗110への来店回数、すなわち商品の精算回数が、各会員の氏名および/または会員IDに対応付けて記憶されている。
【0070】
ATM101の記憶部123には、特典付与モードフラグが備えられている。特典付与モードフラグは、手数料無料モードなどの特典付与モードであるか否かを記憶するためのものであって、特典付与モード中は「1」が記憶され、通常は「0」が記憶される。
このATM101には、小売店舗110に会員登録された会員に対して所定の特典が付与される特典付与モードが用意されている。この実施形態では、特典の内容は、引出取引および入金取引における手数料の無料化である。また、この実施形態では、特典は小売店舗110における利用実績に関する予め定める条件を満たす会員、とくに、小売店舗110における過去1ヶ月間の商品購入金額が予め定める第1の金額よりも大きい会員に対して付与される。
【0071】
具体的には、会員カードリーダ部20による会員ID(会員情報)の読取り後、ATM101の制御部40が会員管理装置102にID照合要求および利用金額参照要求を送出する。会員管理装置102の制御部120は、ATM101からのID照合要求を受信にともなって会員IDが一致するか否かの判定を行う。また、ATM101からの利用金額参照要求を受信すると利用金額データベース125を参照し、具体的には、会員カードリーダ部31からの会員IDの取得後、ATM101の制御部40は、会員管理装置102にID照合要求および利用金額参照要求を送出する。会員管理装置102の制御部120は、ATM101からのID照合要求を受信すると、利用金額データベース125を参照し、過去1ヶ月間の小売店舗110における利用金額が、予め定める第1の金額よりも大きいか否かを判定する。そして、この判定結果と会員ID照合結果とをATM101に送信する。
【0072】
ATM101の制御部40は、小売店舗110における利用金額が予め定める第1の金額よりも大きい場合は、記憶部43の特典付与モードフラグに「1」をセットし、手数料無料モード(特典付与モード)に移行する。
一方、読み取られた会員IDがその小売店舗110に登録されていない場合や、過去1ヶ月間の利用金額が予め定める第1の金額以下であるときは、手数料無料モード(特典付与モード)には移行しない。
【0073】
以上により第4実施形態によれば、ATM101における引出取引/入金取引の際に、会員カードの会員カード挿入/排出口20への挿入が受け付けられる。そして、会員カードに記憶された会員IDが小売店舗110に登録されており、かつこの会員IDに対応する会員の小売店舗110における過去1ヶ月間の利用金額が予め定める第1の金額よりも大きい場合は、その引出取引/入金取引に必要な手数料が無料にされる。これにより、小売店舗110の顧客によるATM101の利用に特典を付与することができる。ゆえに、小売店舗110の顧客のATM101の利用を促進することができる。また、小売店舗110の会員であるメリットが大きくなるので、小売店舗110の会員登録を促進させることができるとともに、会員の再来店率(リピート率)を向上させることができる。
【0074】
以上、この発明の4つの実施形態について説明したが、この発明は、他の形態で実施することもできる。
第4実施形態において、小売店舗110における過去1ヶ月間の来店回数が予め定める回数よりも多い会員に、特典が付与されていてもよい点である。
具体的には、会員管理装置102の制御部120が来店回数データベース126を参照し、会員IDに対応する会員の過去1ヶ月間の小売店舗110への来店回数が、予め定める回数よりも大きいか否かを判定し、その判定結果に基づいて、ATM101の制御部40が手数料無料モードに移行するものであってもよい。
【0075】
また、図1に二点鎖線で示すように、各遊技店舗10の会員管理装置2には、系列の複数の遊技店舗10の会員情報を管理する会員管理サーバ4が通信可能に接続されており、第1〜第3実施形態において会員管理装置2で管理されている顧客データベース(利用金額データベース、来店回数データベースおよび勝敗管理データベース)が、会員管理装置2とともに/会員管理装置2に代えて、会員管理サーバ4で管理されていてもよい。さらに、図9に二点鎖線で示すように、各小売店舗110の会員管理装置102には、系列の複数の小売店舗110の会員情報を管理する会員管理サーバ(管理装置)104が通信可能に接続されており、図9の実施形態において会員管理装置102で管理されている顧客データベース(利用金額データベースおよび来店回数データベース)が、会員管理装置102とともに/会員管理装置102に代えて、会員管理サーバ104で管理されていてもよい。これらの場合、会員管理サーバ4,104(の制御部)が、ステップS6の判定、ステップS32の判定およびステップS42の判定を行ってもよい。
【0076】
また、前述の各実施形態では、ステップS6の判定、ステップS32の判定およびステップS42の判定の主体が会員管理装置2,102の制御部50,120であるとして説明したが、ATM1,101の制御部40とすることもできる。この場合、会員管理装置2,102の制御部50,120は、利用金額データベース28,125、来店回数データベース29,126、勝敗管理データベース30を参照して、利用金額、来店回数または収支を取得してATM1,101に送信する。そして、ATM1,101の制御部40は、各情報(利用金額、来店回数または収支)に基づいて、特典付与モードを実行するか否かの判定(ステップS6の判定、ステップS32の判定またはステップS42の判定)を行う。
【0077】
また、前述の各実施形態では、会員カードリーダ部31による会員カードの会員情報(会員ID)の読み取り後(図4のステップS3)の後に、キャッシュカードリーダ部22によるキャッシュカードの口座情報の読み取りが行われる(図5のステップS10)ものについて説明したが、会員カードリーダ部31による会員情報(会員ID)の読み取りに先立って、キャッシュカードリーダ部22による口座情報の読み取りが行われるようにしてもよい。
【0078】
さらに、前述の各実施形態では、ATM1,101には、キャッシュカードの口座情報を読み取るキャッシュカードリーダ部22と、会員カードの会員情報(会員ID)を読み取る会員カードリーダ部31とが個別に設けられる構成について説明したが、キャッシュカードの口座情報と会員カードの会員情報(会員ID)とを共通のカードリーダ部によって読み取る構成とすることもできる。
【0079】
また、前述の各実施形態では、ATM1,101の装置本体には、キャッシュカードが挿入/排出されるキャッシュカード挿入/排出口19と、会員カードが挿入/排出される会員カード挿入/排出口20とが個別に設けられる構成について説明したが、キャッシュカードおよび会員カードが、共通のカード挿入/排出口を通ってATM1,101の装置本体内に挿入される構成とすることもできる。
【0080】
さらに、前述の各実施形態において、特典付与モードとして、引出処理に必要な手数料が減額された手数料減額モードが採用されていてもよい。手数料減額モードで引出取引/入金取引を行う際には、図6Eに示す画面(手数料確認画面)で減額後の手数料が表示されていてもよい。また、手数料減額モード時における手数料は、通常時の手数料(たとえば210円)の半額(105円)であってもよい。
【0081】
また、特典付与モードとして、手数料無料モードや手数料減額モードに代えて、会員にポイントを付与するポイント付与モードが採用されてもよい。この場合、管理装置2,102/会員管理サーバ4,104の制御部50,120が記憶部53,123の顧客データベース27,124内のポイントの値を所定値だけ加算し、更新する。
また、特典付与モードの実行の判断基準になる遊技店舗10における利用金額(すなわち、利用金額データベース28に記憶される金額)を、遊技カードの購入額から遊技カードの精算額を減算した金額ではなく、遊技カードの購入額としてもよい。
【0082】
さらに、前述の各実施形態では、特典付与モードの実行の判断基準である、店舗10,110における利用実績(利用金額、来店回数または遊技の収支)の対象期間を過去1ヶ月間としていたが、この対象期間はこれに限られず、たとえば過去2ヶ月における利用実績であってもよい。また、対象期間がなく、利用実績の累積の値を特典付与モードの実行の判断基準にしてもよい。
【0083】
また、特典付与モードの実行の判断基準である、店舗10,110における利用実績を、第1および第4実施形態では店舗10,110における利用金額とし、第2実施形態では遊技店舗10,110への来店回数とし、第3実施形態では遊技店舗10における遊技の収支としたが、店舗10,110における利用実績は、これらの組合せ(たとえば店舗10,110における利用金額と当該店舗10,110への来店回数との組合せ)であってよい。
【0084】
さらに、店舗10,110における利用実績が、会員の所定の期間における獲得ポイントや、累積の獲得ポイントに基づくものであってもよい。
また、前述の各実施形態では、店舗10,110における利用実績に関する予め定める条件を満たす会員にのみ特典が付与されるとして説明したが、会員の利用実績に関わりなく、会員であれば一様に特典が付与されるようにしてもよい。
【0085】
また、前述の各実施形態では、会員情報記憶媒体として会員カードを例に挙げて説明したが、会員情報記憶媒体として携帯電話機などの携帯情報端末を用いることもできる。この場合、ATM1,101の受付手段としては、リーダライタを用いることができる。
携帯情報端末はICチップを有している。利用者が携帯情報端末をリーダライタにかざすことにより、携帯情報端末とリーダライタとの間で非接触通信が行われ、リードライタは、携帯情報端末のICチップのIDm(チップ製造番号)を取得することができる。IDmは、ICチップごとに異なるもの(固有の番号)であり、かざされた携帯情報端末が同一のものであるか否かを判定することに用いられる。このIDmを会員情報として、会員IDとともに/会員IDに代えて管理することにより、このIDmを会員判定の基準として用いることができる。
【0086】
さらに、ATM1,101は、引出取引および入金取引だけを行えるものとして説明したが、その他、残高照会処理や、振込み取引が行えるものであってもよい。
また、利用客に付与される所定の特典の内容が段階的に変化(向上)するものであってもよい。たとえば、来店率が増えるのに従って手数料の減額率が高くなるように設定してもよい。具体的には、1ヶ月当たりA回(たとえば5回)来店すれば手数料が100円引きになり、その後、来店数が1ヶ月当たりB回(B>A。たとえば8回)になれば手数料が150円引きになり、さらにその後、来店数が1ヶ月当たりC回(C>B。たとえば10回)になれば手数料が無料にすることが考えられる。
【0087】
さらにまた、前述の実施形態では、ATM1,101として、硬貨を取り扱わず紙幣だけを取り扱うものを例に挙げて説明したが、ATM1,101が硬貨および紙幣の両方を取り扱うものであってもよいし、硬貨のみを取り扱うものであってもよい。
さらにまた、ATM1,101に、ATMの装置本体とは別に会員サービス用の子機を設けてもよい。この場合、会員サービス用の子機は、会員カード挿入/排出口20のような、会員カード(会員情報記憶媒体)を受け付ける受付手段を有しており、会員管理装置2,102や会員管理サーバ4,104に接続されている。これにより、ATM1,101としては、標準のATMを用いることができる。これにより、標準ATMに追加機能を付加する構成とすることができるので、機能の追加を簡単に行える。
【0088】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0089】
1 ATM(貨幣出金装置)
2 会員管理装置(管理装置)
4 会員管理サーバ(管理装置)
10 遊技店舗(特定の店舗)
18 表示/操作部(特典内容表示手段)
19 キャッシュカード挿入/排出口(カード挿入口)
20 会員カード挿入/排出口(受付手段)
31 会員カードリータ部(会員情報読取手段)
40 制御部
101 ATM(貨幣出金装置)
102 会員管理装置(管理装置)
104 会員管理サーバ(管理装置)
110 小売店舗(特定の店舗)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の店舗に設置されて、貨幣を出金するための貨幣出金装置であって、
キャッシュカードが挿入されるカード挿入口と、
前記カード挿入口に挿入されたキャッシュカードに記憶された口座情報に対応する口座に対して引出処理を許可する引出許可手段と、
前記カード挿入口へのキャッシュカードの挿入に関連して、前記特定の店舗の会員に発行した会員情報記憶媒体を受け付ける受付手段と、
前記受付手段によって受け付けられた会員情報記憶媒体に記憶された会員情報を読み取る会員情報読取手段と、
前記会員情報読取手段によって読み取られた会員情報が前記特定の店舗に登録されている場合に、前記引出処理に関連して所定の特典を付与する特典付与手段とを含むことを特徴とする、貨幣出金装置。
【請求項2】
前記特典付与手段は、前記引出処理に必要な手数料の減額または無料化を許可する手段であることを特徴とする、請求項1記載の貨幣出金装置。
【請求項3】
前記特典付与手段は、前記会員情報読取手段によって読み取られた会員情報に対応する会員に対し、前記特定の店舗に登録された会員を対象とするポイントを付与するポイント付与手段であることを特徴とする、請求項1記載の貨幣出金装置。
【請求項4】
前記特典付与手段により付与される前記特典の内容を表示する特典内容表示手段を、さらに含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の貨幣出金装置。
【請求項5】
前記特典付与手段は、前記会員情報読取手段によって読み取られた会員情報に対応する会員が、前記特定の店舗における利用実績に関する予め定める条件を満たしていることを条件して実行されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の貨幣出金装置。
【請求項6】
前記予め定める条件は、前記会員情報読取手段によって読み取られた会員情報に対応する会員の前記特定の店舗における利用金額に基づいて定められていることを特徴とする、請求項5記載の貨幣出金装置。
【請求項7】
前記予め定める条件は、前記会員情報読取手段によって読み取られた会員情報に対応する会員の前記特定の店舗への来店回数に基づいて定められていることを特徴とする、請求項5記載の貨幣出金装置。
【請求項8】
前記特定の店舗が、遊技機が設置される遊技店舗であり、
前記予め定める条件は、前記会員情報読取手段によって読み取られた会員情報に対応する会員の前記特定の店舗における遊技の勝敗結果に基づいて定められていることを特徴とする、請求項5記載の貨幣出金装置。
【請求項9】
特定の店舗に設置され、貨幣を出金するための貨幣出金装置と、前記貨幣出金装置に通信可能に接続され、前記特定の店舗に登録された会員に関する情報を管理するための管理装置とを含む貨幣出金システムであって、
前記貨幣出金装置は、
キャッシュカードが挿入されるカード挿入口と、
前記カード挿入口に挿入されたキャッシュカードに記憶された口座情報に対応する口座に対して引出処理を許可する引出許可手段と、
前記カード挿入口へのキャッシュカードの挿入に関連して、前記特定の店舗の会員に発行した会員情報記憶媒体を受け付ける受付手段と、
前記受付手段によって受け付けられた会員情報記憶媒体に記憶された会員情報を読み取る会員情報読取手段と含み、さらに、
前記会員情報読取手段によって読み取られた会員情報が前記特定の店舗に登録されているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記特定の店舗に登録された会員であると判定された場合に、前記引出処理に関連して所定の特典を付与する特典付与手段とを含むことを特徴とする、貨幣出金システム。
【請求項1】
特定の店舗に設置されて、貨幣を出金するための貨幣出金装置であって、
キャッシュカードが挿入されるカード挿入口と、
前記カード挿入口に挿入されたキャッシュカードに記憶された口座情報に対応する口座に対して引出処理を許可する引出許可手段と、
前記カード挿入口へのキャッシュカードの挿入に関連して、前記特定の店舗の会員に発行した会員情報記憶媒体を受け付ける受付手段と、
前記受付手段によって受け付けられた会員情報記憶媒体に記憶された会員情報を読み取る会員情報読取手段と、
前記会員情報読取手段によって読み取られた会員情報が前記特定の店舗に登録されている場合に、前記引出処理に関連して所定の特典を付与する特典付与手段とを含むことを特徴とする、貨幣出金装置。
【請求項2】
前記特典付与手段は、前記引出処理に必要な手数料の減額または無料化を許可する手段であることを特徴とする、請求項1記載の貨幣出金装置。
【請求項3】
前記特典付与手段は、前記会員情報読取手段によって読み取られた会員情報に対応する会員に対し、前記特定の店舗に登録された会員を対象とするポイントを付与するポイント付与手段であることを特徴とする、請求項1記載の貨幣出金装置。
【請求項4】
前記特典付与手段により付与される前記特典の内容を表示する特典内容表示手段を、さらに含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の貨幣出金装置。
【請求項5】
前記特典付与手段は、前記会員情報読取手段によって読み取られた会員情報に対応する会員が、前記特定の店舗における利用実績に関する予め定める条件を満たしていることを条件して実行されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の貨幣出金装置。
【請求項6】
前記予め定める条件は、前記会員情報読取手段によって読み取られた会員情報に対応する会員の前記特定の店舗における利用金額に基づいて定められていることを特徴とする、請求項5記載の貨幣出金装置。
【請求項7】
前記予め定める条件は、前記会員情報読取手段によって読み取られた会員情報に対応する会員の前記特定の店舗への来店回数に基づいて定められていることを特徴とする、請求項5記載の貨幣出金装置。
【請求項8】
前記特定の店舗が、遊技機が設置される遊技店舗であり、
前記予め定める条件は、前記会員情報読取手段によって読み取られた会員情報に対応する会員の前記特定の店舗における遊技の勝敗結果に基づいて定められていることを特徴とする、請求項5記載の貨幣出金装置。
【請求項9】
特定の店舗に設置され、貨幣を出金するための貨幣出金装置と、前記貨幣出金装置に通信可能に接続され、前記特定の店舗に登録された会員に関する情報を管理するための管理装置とを含む貨幣出金システムであって、
前記貨幣出金装置は、
キャッシュカードが挿入されるカード挿入口と、
前記カード挿入口に挿入されたキャッシュカードに記憶された口座情報に対応する口座に対して引出処理を許可する引出許可手段と、
前記カード挿入口へのキャッシュカードの挿入に関連して、前記特定の店舗の会員に発行した会員情報記憶媒体を受け付ける受付手段と、
前記受付手段によって受け付けられた会員情報記憶媒体に記憶された会員情報を読み取る会員情報読取手段と含み、さらに、
前記会員情報読取手段によって読み取られた会員情報が前記特定の店舗に登録されているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記特定の店舗に登録された会員であると判定された場合に、前記引出処理に関連して所定の特典を付与する特典付与手段とを含むことを特徴とする、貨幣出金システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図6F】
【図6G】
【図6H】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図6F】
【図6G】
【図6H】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2011−62440(P2011−62440A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−217624(P2009−217624)
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]