販売商品登録システムおよび方法
【課題】顧客が例えば財布内の小銭を探すことで、レジでの精算(商品の登録処理)が遅れることを回避できるとともに、精算時の利便性をよくすることを可能とした販売商品登録システムを提供することである。
【解決手段】提案する販売商品登録システムは、投入された小銭の合計金額を集計する小銭集計手段と、購入する商品の代金の合計金額を集計する購入金額集計手段と、前記購入金額集計手段により集計された合計金額と前記小銭集計手段により集計された合計金額との差額に応じて、札による支払い額とお釣りの組み合わせを算出し表示部に表示する手段と、を有する。
【解決手段】提案する販売商品登録システムは、投入された小銭の合計金額を集計する小銭集計手段と、購入する商品の代金の合計金額を集計する購入金額集計手段と、前記購入金額集計手段により集計された合計金額と前記小銭集計手段により集計された合計金額との差額に応じて、札による支払い額とお釣りの組み合わせを算出し表示部に表示する手段と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レジでの精算(商品の登録処理)が効率よく行える販売商品登録システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーや量販店等に設置されたPOS(Point Of Sale)システムにおいて、レジでの精算時にバーコードで買い上げ商品を順次スキャンすることで、それぞれの買い上げ商品をPOSシステムに登録し、買い上げた各商品の合計金額を算出することが行われている。合計金額を提示された買い物客(顧客)は、その合計金額を多くの場合、現金で支払うことになる。この精算時における取引で殆どの場合、小銭の釣銭が発生する。
【0003】
この小銭の釣銭を発生させたくない大抵の顧客は、支払額を店員より告げられた場合、告げられてから小銭財布の中や財布の小銭袋の中を、支払額と端数が一致する小銭がないか探し始める。例えば、支払額(買い上げ金額)が1,238円であった場合、8円はないか、38円はないか、238円はないか等探し始める。
【0004】
そして、このようなことが一人の買い物客がレジで精算する度に繰り返され、後続の買い物客にとっては、迅速に精算処理が進まないためにイライラさせられ、レジでの精算に要する時間が長引くという問題がある。特に、混雑時には、レジでの待ち時間が一層長引いてしまう。
【0005】
そこで、このような問題を解決すべく、特許文献1では、電子キャッシュレジスタと前受け金処理ユニットを有する入出金装置とを備える商品販売登録データ処理装置が示されている。この装置では、客は小銭を入出金装置に前受け金として投入する。そして、前受け金の額と、その後の預かり金額とを加算した合計金額と、売上の合計金額との差額を不足分として表示し、客にどれだけ投入すればよいかを示している。しかし、レジでの精算時に客は小銭、紙幣(札)をどのタイミングで投入してもよいことから、必ずしもレジでの精算処理時の時間短縮にはつながらない、という問題がある。
【0006】
また、特許文献2では、POSレジを含むレジ精算システムが示されている。このシステムでは、一旦代金を受け取って釣銭を投出した後でも、追金を受け取って最小構成枚数で釣銭を再投出している。しかし、この特許文献2の方法では、それぞれの客が手持ちの小銭の枚数を減らすことはできるが、レジでの精算時の待ち時間は従来よりも増えてしまう。
【0007】
また、特許文献3では、システムサーバーと精算管理装置と精算装置とを含むショッピングシステムが示されている。このシステムでは、顧客の所持金に応じた釣銭額の最適化を図る情報を提供し、釣銭が所定枚数以下となるように、顧客の買い物を支援している。しかし、この特許文献3の方法では、小銭が増えないように買い物の内容までコントロールしなければならず、顧客にとって、そこまでして小銭を減らさなければならないのか疑問である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平06−348959号公報
【特許文献2】特開平10−049751号公報
【特許文献3】特開2010−020493号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、顧客が例えば財布内の小銭を探すことで、レジでの精算(商品の登録処理)が遅れることを回避できるとともに、精算時の利便性をよくすることを可能とした販売商品登録システムおよび方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
提案する販売商品登録システムは、商品を現金で購入するに際して、購入商品の登録を行うためのシステムであり、投入された小銭の合計金額を集計する小銭集計手段と、購入する商品の代金の合計金額を集計する購入金額集計手段と、前記購入金額集計手段により集計された合計金額と前記小銭集計手段により集計された合計金額との差額に応じて、札による支払い額とお釣りの組み合わせを算出する組み合わせ算出手段と、前記組み合わせ算出手段で算出された札による支払い額とお釣りの組み合わせを表示部に表示する表示制御手段と、を有する。
【0011】
前記販売商品登録システムにおいて、店員が小銭を投入するための第1小銭投入口と、買い物客が小銭を投入するための第2小銭投入口と、前記第2小銭投入口から投入された小銭を前記小銭集計手段に通知する通知手段と、を有する釣銭釣札機をさらに備えることもできる。
【発明の効果】
【0012】
提案する販売商品登録システムでは、始めに小銭を出し、続いて紙幣(札)を出す、というように、買い物客のレジ精算時の出金パターンをあえて限定することで、顧客が例えば財布内の小銭を探すことで、レジでの精算(商品の登録処理)が遅れることを回避できるとともに、前受け小銭投入後であり、買い上げ金額確定(小計キー押下)後の、札投入前の時点で、買い物客が投入する札種毎に、お釣り、前受け小銭からの返金パターンを提示でき、利用者(買い物客)にとって、精算時の利便性をよくすることができる。
【0013】
また、釣銭釣札機に、買い物客が前受けの小銭を投入する第2小銭投入口と、店員が買い物客から受け取った小銭を投入する第1小銭投入口とを別に設けることで、多くの小銭を投入してもらうことができ、それを釣り銭に利用できるため、多額の釣銭釣札準備金を別途準備する手間を要することなく、釣銭釣札機内に準備金を補充することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係る販売商品登録システムが設置されたレジを示す外観斜視図である。
【図2】図1のうちの、POSレジおよび釣銭釣札機を示す図である。
【図3】本実施形態の販売商品登録システムの主要部を示す図である。
【図4】商品登録テーブルのデータ構造を示す図である。
【図5】前受け小銭テーブルおよび入金札テーブルのデータ構造を示す図である。
【図6】商品登録処理のフローチャートである。
【図7】前受け小銭入金処理のフローチャートである。
【図8】支払い組み合わせを記憶した配列変数table(i,j)を示す図である。
【図9】支払い額、お釣り、前受け小銭からの返金の組み合わせ算出および表示処理のフローチャートである。
【図10】札入金処理のフローチャートである。
【図11】商品代金精算処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る販売商品登録システムが設置されたレジを示す外観斜視図である。
【0016】
図1に示すように、販売商品登録システムは、買い物かご(不図示)が載せられるレーン1、レーン1上の支柱に固定された、商品のバーコード読み取り用のスキャナ2、支柱先端部に設けられた入力部(キーボード)3、同じく支柱先端部に設けられた表示部(ディスプレイ)4、支柱に設けられ、画面が買い物客側に向けられて設置された表示部(ディスプレイ)5、を備える。
【0017】
また、POS(Point Of Sale)端末(POSレジスタ、以下では、単に、POSレジという)10、釣銭釣札機20をさらに備える。
【0018】
図1において、買い物客は、店舗で買い物をし、例えば複数の商品が入った買い物かごをレーン1上に載置する。これにより、商品登録に始まり、精算処理にまで至る一連のレジでの処理が始まる。
【0019】
店員(オペレータ)は、買い物かごから商品を1つずつ取り出し、レーン1上に設けられた支柱のスキャナ2の前まで移動させ、その商品に貼られたバーコードをスキャナ2に読み取らせることで、システム内での商品登録処理を行なう。
【0020】
スキャナ2により読み取られた商品のバーコードの情報は、ディスプレイ4に表示される。店員は、バーコードの読み取りが正しく行われたか等をディスプレイ4の画面表示内容を通して確認する。例えば、同一商品が買い物かごに複数入れられていた場合、店員はその同一商品のそれぞれをスキャンすることは通常行わず、初めの1つだけをスキャンし、その後、その同一商品の個数を入力部3のキーを押下して指定する。
【0021】
ディスプレイ5は、買い物客に対し、バーコードを読み取られた商品の情報(単価など)を表示する。
【0022】
POSレジ10は、図1や図2に示すように、ディスプレイ6、入力部(キーボード)7、プリンタ8、を備え、専用線21を通して、釣銭釣札機20に接続され、釣銭釣札機20とデータのやり取りを行う。
【0023】
釣銭釣札機20は、図1や図2に示すように、札受入れ口19、札排出口18、第1のコイン受入れ口16、第2のコイン受入れ口15、コイン排出口17、を備える。
【0024】
後述するように、第2のコイン受入れ口15から買い物客により前受け分のコイン(1円玉、5円玉、10円玉、50円玉、100円玉、500円玉)が投入される。
【0025】
図3は、本実施形態の販売商品登録システムの主要部を示す図である。
図3に示すように、POSレジ10は、メモリ30、制御部25を備える。制御部25は、第1表示部23、第2表示部24、スキャナ2、釣銭釣札機20、スピーカ22、に接続される。
【0026】
ここで、第1表示部23とは、店員(オペレータ)の確認用、訂正用などの情報が表示されるディスプレイであり、図1では、レジ内で業務を行う店員に向けられたディスプレイ4、6がこの第1表示部23に相当する。
【0027】
また、第2表示部24とは、買い物客に対する情報(商品単価、買い上げ金額など)が表示されるディスプレイであり、図1では、買い物客側に表示画面が向けられたディスプレイ5がこの第2表示部24に相当する。なお、図1には示されていないが、POSレジ10の横にも買い物客用のディスプレイをさらに設置してもよい。
【0028】
図3において、メモリ30には、商品登録プログラム31、代金精算処理プログラム32、前受け小銭テーブル33、入金札テーブル34、商品登録テーブル35、が記憶されている。
【0029】
商品登録処理時には、商品登録プログラム31がCPU26により実行される。この際、スキャナ2より商品のバーコードの値(商品コード)が読み取られ、そのバーコードの値から店舗で扱う全商品について、バーコード、商品名、単価、などを記憶した商品一覧テーブル(不図示)から読み取ったバーコードに対応する商品の情報が取得され、図4の商品登録テーブルに1行分のデータとして追加される。
【0030】
図4は、商品登録テーブルのデータ構造を示す図である。
図4に示すように、商品登録テーブル35は、バーコードの読み取り結果である商品コード、商品名、個数、単価、計(その商品に対する合計金額)、の各項目と、小計(買い上げ金額)とを有する。
【0031】
図4からも明らかなように、計はその列の個数の値と商品単価の値を乗算して得られ、計の総和をとることで買い上げ金額が求められる。図1の(キー)入力部7上には“小計キー”があり、その“小計キー”が押下されることで小計(買い上げ金額)が算出される。
【0032】
また、図3において、商品の代金精算時には、代金精算処理プログラム32がCPU26により実行される。この際、買い物客から前受け金として預かった小銭と、精算時に買い物客が支払った紙幣(札)との和から買い上げ金額が減算され、お釣りとして買い物客に渡される。図3では、買い物客が前受け小銭として第2のコイン受入れ口15から投入した金額を釣銭釣札機20のCPU42が小銭集計プログラム46を実行することにより集計する。ここで、”集計”とは、合計額を出すことを必ずしも意味せず、コインの種類毎の個数を求めるだけでもよい。集計結果はPOSレジ10の制御部25に通知される。そして、CPU26により、図3の前受け小銭テーブル33に格納される。
【0033】
前受け小銭テーブル33は、図5に示すように、コイン種別(1円玉、5円玉、10円玉、50円玉、100円玉、500円玉)毎の個数と、前受け金合計値との項目を有している。
【0034】
精算時の紙幣の入金についても、釣銭釣札機20のCPU42が札集計プログラム48を実行することにより金種毎の枚数を求める。コインの場合と同様に、金種毎の枚数を求めるだけでもよい。集計結果はPOSレジ10の制御部25に通知される。そして、CPU26により、図3の入金札テーブル34に格納される。
【0035】
入金札テーブル34は、図5に示すように、金種(1000円札、2000円札、5000円札、10000円札)毎の枚数と、入金した札の合計金額(合計値)との各項目を有している。
【0036】
図6は、商品登録処理のフローチャートである。
商品登録プログラム31がメモリ30から読み出されてCPU26により実行されることで、この図6のフローチャートの処理が実行される。
【0037】
図6のステップS1での入力待ち状態において、何らかの変化を検出すると、ステップS2において、商品スキャンであるかどうかを判定する。
【0038】
ステップS2で商品スキャンではないと判定された場合(ステップS2の判定結果がNoの場合)、ステップS6で小計キーが押下されたかどうかを判定する。
【0039】
ステップS6で小計キーが押下されていないと判定された場合(ステップS6の判定結果がNoの場合)、ステップS1の入力待ち状態に戻る。
【0040】
ステップS6で小計キーが押下されたと判定された場合(ステップS6の判定結果がYesの場合)、ステップS7において、後述するように、図7のフローチャートを用いた、投入済みの前受け金合計結果の値と、商品登録処理の結果として求められた買い上げ金額合計値とから、支払い金額とお釣の組み合わせを算出して、第1表示部23および第2表示部24に表示する。引き続きステップS8において、第2のコイン受入れ口15に対し、開閉扉のクローズ指示を制御部25から釣銭釣札機I/F28、POSレジI/F41を通して、釣銭釣札機20に発行する。なお、この組み合わせの算出方法については、図8および図9を参照して後述する。
【0041】
一方、ステップS2で商品スキャンであると判定された場合(ステップS2の判定結果がYesの場合)、ステップS3で、スキャンされた商品の情報が例えば図4に示した商品情報テーブル35の1行(レコード)として追加(登録)される。
【0042】
そして、続く、ステップS4で、この買い物客のこのレジでの最初の商品スキャンであるかどうか(商品登録テーブル35の最初の1行であるかどうか)を判定する。
【0043】
ステップS4で最初の商品スキャンではないと判定された場合(ステップS4の判定結果がNoの場合)、ステップS1の入力待ち状態に戻る。
【0044】
ステップS4で最初の商品スキャンであると判定された場合(ステップS4の判定結果がYesの場合)、ステップS5において、買い物客に対し、買い上げ金額合計値が出る前に、レジ横のコイン受入れ口から手持ちの小銭を投入するように促すメッセージを、スピーカ22を通してアナウンスしたり、または、第2表示部24上に表示したりする。そして、第2のコイン受入れ口15に対し、開閉扉のオープン指示を制御部25から釣銭釣札機I/F28、POSレジI/F41を通して、釣銭釣札機20に発行する。その後、ステップS1の入力待ち状態に戻る。なお、本システムが機能するには、商品登録が完了する前に、買い物客が手持ちの小銭を入金している必要があるが、このステップS5での小銭入金を促すメッセージの画面出力や音声出力、小銭受入れ口のオープンがシステム側での小銭入金を買い物客に前倒しで行わせることを担保させる処理に相当する。つまり、本実施形態では、最初に手持ちの小銭を投入し、精算時に不足分を紙幣(札)で支払うように買い物客のレジにおける行動を方向付けさせることで、買い物客の精算時の小銭探しをやめさせ、レジでの商品登録から精算までの一連の処理を短時間に効率よく行なうことができる。
【0045】
図7は、前受け小銭入金処理のフローチャートである。
このフローチャートの処理は釣銭釣札機20のCPU42がメモリ44から小銭集計プログラム46を読み出して実行することにより実行される。
【0046】
まず、第2のコイン受入れ口15がPOSレジからの指示でオープンし、ステップS10で、釣銭釣札機20が小銭の入金待ち状態になる。
【0047】
続く、ステップS11で、小銭の投入があったかどうかを判定する。
ステップS11で小銭の入金がなかったと判定された場合(ステップS11の判定結果がNoの場合)には、ステップS10に戻る。
【0048】
ステップS11で小銭の入金があったと判定された場合(ステップS11の判定結果がYesの場合)には、ステップS12で、小銭集計プログラムにより前受け金として投入された小銭の個数を、コイン種別毎に集計する。なお、必要ではないが、投入金額の合計値まで釣銭釣札機20側で算出してもよい。そして、その前受け金として投入された小銭のコイン種別毎に集計された個数をPOSレジ10に通知する。
【0049】
図6のステップS7で説明したように、投入済みの前受け金合計値と、商品登録処理の結果として求められた買い上げ金額合計値とから、支払い金額とお釣りの組み合わせを算出して、第1表示部23および第2表示部24に表示することを本実施形態では行うが、その詳細について以下に説明する。
【0050】
これは、前受け小銭の金額と、買い上げ金額から、精算時にこれだけ渡すとお釣りがいくらになるかを組み合わせとして算出し、ディスプレイ(第1表示部23および第2表示部24)上に表示する処理であり、具体的には、図8に示すように、差額(不足分)が少ないほど、支払いに使用可能な金種(選択可能な紙幣の種類)が増えるが、不足額に対して買い物客が支払う可能性がある紙幣(札)での金額の情報を支払い組み合わせとして、後述の図9のフローで使用する配列変数table(i,j)に事前に記憶しておき、該当する不足分相当額に応じて、table(i,j)の適切な要素を取得するものである。なお、配列table(i,j)において、第1の添え字iは、不足分相当額を示していて、i=0のとき不足分相当額1,000円(不足額1円〜1,000円に相当)、i=1のとき不足分相当額2,000円(不足額1,001円〜2,000円に相当)、・・・、i=8のとき不足分相当額9,000円(不足額8,001円〜9,000円に相当)を示している。また、実際の支払いパターンの数だけ第2の添え字jには有効な値が設定されている。なお、この有効な値とは、紙幣(札)での支払い金額である。よって、1000刻みの値が設定される。これに対し、無効な値とはあり得ない値のことであり、図8では”−1”を無効な値として設定している。例えば支払いパターンが2パターンしかない場合、3番目の支払いパターンの位置に無効な値として”−1”が設定される。
【0051】
図8の1行目は、不足分相当額が1,000円に相当するケースである。これは、買い上げ金額Bと前受け金Aとの差(買い上げ金額B−前受け金A)が1円と1,000円の間に入っている場合である。この場合、1,000円札1枚、5,000円札1枚、10,000円札1枚での支払いが可能ということであり、支払いパターンは3通りあることになる(ここでは、2,000円札は考慮しないが、考慮することも可能である)。これを、table(0,0)=1000、table(0,1)=5000、table(0,2)=10000と値を設定することで示している。
【0052】
図8の2行目は、不足分が2,000円に相当するケースである。これは、買い上げ金額Bと前受け金Aとの差(買い上げ金額B−前受け金A)が1,001円と2,000円の間に入っている場合である。この場合、1,000円札2枚、5,000円札1枚、10,000円札1枚での支払いが可能ということであり、支払いパターンは3通りあることになる。配列上では、table(1,0)=2000、table(1,1)=5000、table(1,2)=10000と値を設定する。
【0053】
3行目以降もこのように続けていくが、不足分が5,000円以上になると、支払いパターンは2通りになるため、最後の3列目に無効なデータであることを示す”−1”が設定されている。
【0054】
例えば、図8の6行目は、不足分が6,000円に相当するケースである。これは、買い上げ金額Bと前受け金Aとの差(買い上げ金額B−前受け金A)が5,001円と6,000円の間に入っている場合である。この場合、6,000円となる紙幣(札)の組み合わせ、10,000円札1枚での支払いが可能ということであり、支払いパターンは2通りあることになる。配列上では、table(5,0)=6000、table(5,1)=10000、table(5,2)=−1と値を設定する。
【0055】
さらに、不足分が10,000円以上の金額(ただし、1,000円刻み)に相当するケースでは紙幣(札)による支払いパターンとして1通りの組み合わせしかないことになる。図9では、この場合は別ロジックで対処している。配列table(i,j)の各要素中に、このケースは含まれない。
【0056】
例えば、不足分相当額12,000円の場合、これは、買い上げ金額Bと前受け金Aとの差(買い上げ金額B−前受け金A)が11,001円と12,000円の間に入っている場合であるが、金種をどのように組み合わせたとしても、12,000円分の紙幣を買い物客は準備しなければならず、組み合わせは1通りしかない。
【0057】
図9は、支払い額、お釣り、前受け小銭からの返金の組み合わせ算出および表示処理のフローチャートである。これはまた、図7のステップS7の詳細フローでもある。
【0058】
図9のステップS20で、前受け金Aが買い上げ金額Bより大きいかどうかを判定する。
【0059】
ステップS20で前受け金Aが買い上げ金額Bより大きいと判定された場合(ステップS20の判定結果がYesの場合)、ステップS29で、例えば「追加入金は必要ありません」というメッセージが第2表示部24に表示されて一連の処理を終了する(後述の図11のフローのステップS38に遷移する)。
【0060】
ステップS20で前受け金Aが買い上げ金額B以下であると判定された場合(ステップS20の判定結果がNoの場合)、ステップS21で、買い上げ金額Bと前受け金Aの差を1000で割った値が変数Iに設定される(I=(買い上げ金額B−前受け金A)/1000)。なお、変数Iは整数型変数であり、割り算の結果は変数Iに代入される時点で小数点以下が切り捨てられる。
【0061】
そして、続く、ステップS22で、変数Iが”9”以上であるかどうかを判定する。
ステップS22で変数Iが”9”以上であると判定された場合(ステップS22の判定結果がYesの場合)、これは、不足相当額が10,000円以上に相当するケースなので、上述の説明より支払いパターンが1通りしかなく、ステップS23で、1000×(I+1)円を買い物客が支払った場合についてのお釣りと前受け金Aからの返金とを算出し、第2表示部24に表示し、一連の処理を終了する(後述の図11のフローのステップS36に遷移する)。
【0062】
ステップS22で変数Iが”9”より小さいと判定された場合(ステップS22の判定結果がNoの場合)、これは、不足相当額が9,000円以下に相当するケースなので、上述の説明より支払いパターンが2通り以上ある。この場合、ステップS24でカウント用変数jを”0(ゼロ)”に初期化し、ステップS25〜ステップS28のループ処理を実行し、複数の支払いパターンの組み合わせのそれぞれを画面出力する。
【0063】
すなわち、ステップS25で、配列table(I,j)の値が”0(ゼロ)”より大きいかどうかを判定する(table(I,j)>0)。
【0064】
ステップS25で配列table(I,j)の値が”0(ゼロ)”より大きいと判定された場合(ステップS25の判定結果がYesの場合)、ステップS26で、table(I,j)円支払いがあった場合のお釣りと、前受け金Aからの返金とを算出し、第2表示部24上に(追加で)表示する。そして、ステップS27でカウント変数jをインクリメントし、ステップS28で、インクリメント後のjが2より大きいかどうかを判定する(j>2)。
【0065】
ステップS28でjが2より大きいと判定された場合(ステップS28の判定結果がYesの場合)、図8に示したように、支払いパターンは最大3通りしかなく、その3通りに対する出力処理が終わっているので、一連の処理を終了する(後述の図11のフローのステップS36に遷移する)。
【0066】
ステップS28でjが2以下であると判定された場合(ステップS28の判定結果がNoの場合)、図8に示したように、支払いパターンは最大3通りあり、まだ残っているので、ステップS25に戻り、以降の処理を続行する。
【0067】
図10は、札入金処理のフローチャートである。
このフローチャートの処理は釣銭釣札機20のCPU42がメモリ44から札集計プログラム48を読み出して実行することにより実行される。
【0068】
まず、POSレジ10の入力部7の小計キーが押下されたことに伴って、ステップS31で、釣銭釣札機20が紙幣(札)の入金待ち状態になる。
【0069】
続く、ステップS32で、紙幣(札)の店員による投入(入金)があったかどうかを判定する。
【0070】
ステップS32で紙幣(札)の入金がなかったと判定された場合(ステップS32の判定結果がNoの場合)には、ステップS31に戻る。
【0071】
ステップS32で紙幣(札)の入金があったと判定された場合(ステップS32の判定結果がYesの場合)には、ステップS33で、入金された札の金種毎の枚数を集計する。なお、必要ではないが、投入金額の合計値まで釣銭釣札機20側で算出してもよい。そして、その投入された札の金種毎に集計された枚数をPOSレジ10に通知する。
【0072】
図11は、商品代金精算処理のフローチャートである。
代金精算処理プログラム32をCPU26が読み込んで実行することで、この図11のフローチャートの処理が実行される。
【0073】
図9のフローチャートの処理がステップS23、または、ステップS28におけるYes判定で終了した後に、図11のステップS36の買い物客による前受け小銭で足りなかった分の入金待ち状態に遷移する。
【0074】
続く、ステップS37で、紙幣(札)の入金があったかどうかを判定する。
ステップS37で紙幣(札)の入金がなかったと判定された場合(ステップS37の判定結果がNoの場合)、ステップS36の入金待ち状態に戻る。
【0075】
ステップS37で紙幣(札)の入金があったと判定された場合(ステップS37の判定結果がYesの場合)、ステップS38で、釣銭釣札機20から通知された、投入された札の合計値と、前受けした小銭の合計値とを加算した値(A)から買い上げ金額(B)を減算した値(C)をお釣りとして求め、お釣り(C)のうちの1,000円未満の端数が前受け小銭額より少なければ前受け金から返金し、お釣りを紙幣(札)と、小銭(返金と表示)とに分けて第1表示部23および第2表示部24上に表示する。そして、一連の処理を終了する。
【0076】
なお、前受け小銭の金額がお釣りのうちの1,000円未満の端数より少ない場合は、前受け小銭の金額に1,000円を加算したものから、そのお釣りの端数を減算し、便宜上、これを返金として第1表示部23および第2表示部24上に表示する。
【0077】
また、図9のステップS29の処理を終了した後は、直ちに図11のステップS38に遷移するが、この場合、前受けした小銭で精算可能であるため、紙幣の追加入金はなく、上述のステップS38の処理で、投入された札の合計値を“0(ゼロ)”とみなす。
【0078】
以上で説明したレジにおける商品登録から精算までの一連の流れについて具体的なデータを挙げて説明する。
【0079】
レジでの商品登録時に、アナウンス等により買い物客が889円の小銭を投入し、その内訳が図5の前受け小銭テーブル33に示すように、1円玉:4枚、5円玉:1枚、10円玉:8枚、50円玉:0枚、100円玉:3枚、500円玉:1枚であった場合で、さらに商品登録処理の結果として商品の買い上げ金額が1,238円であった場合、本実施形態の支払い額とお釣り、返金の組み合わせ表示方法によれば、
支払い金額:1,238円
1,000円渡すと、0円のお釣りと651円の返金
5,000円渡すと、4,000円のお釣りと651円の返金
10,000円渡すと、9,000円のお釣りと651円の返金
という具合に支払いパターンが3通り、第1表示部23および第2表示部24上に表示される。なお、精算時のルールとして、500円玉は硬貨(コイン)であっても精算に使用してよい、2,000円札の使用も前提とする、など追加することも可能である。この場合、画面表示は、
支払い金額:1,238円
1,000円渡すと、0円のお釣りと651円の返金
1,500円渡すと、500円のお釣りと651円の返金
2,000円渡すと、1,000円のお釣りと651円の返金
5,000円渡すと、4,000円のお釣りと651円の返金
10,000円渡すと、9,000円のお釣りと651円の返金
となり、一層多くの支払いパターンを提示できる。なお、いずれの画面表示においても、“お釣り”とは、精算時に支払われた紙幣からのお釣り(の紙幣)のことであり、“返金”とは、前受け小銭からの返金ということである。
【0080】
以上説明したように、本実施形態の販売商品登録システムでは、始めに小銭を出し、続いて紙幣(札)を出す、というように、買い物客のレジ精算時の出金パターンをあえて限定することで、顧客が例えば財布内の小銭を探すことで、レジでの精算(商品の登録処理)が遅れることを回避できるとともに、前受け小銭投入後であり、買い上げ合計金額確定(小計キー押下)後の、札投入前の時点で、買い物客が投入する札種毎に、お釣り、前受け小銭からの返金パターンを提示でき、利用者(買い物客)にとって、精算時の利便性をよくすることができる。この結果、従来見られたような、買い物客が支払い額を店員から告げられてから支払い額丁度または少しでも小銭が減るように財布の中を買い物客が探す必要がなくなるので、買い物客1人にかかるレジ時間を短縮できる。また、買い物客には財布内の小銭が減るので喜ばれ、店の集客効果も期待できる。
【0081】
また、以上の実施例では説明しなかったが、買い物客から精算時に小銭をさらに受け取り、買い物客には紙幣(札)を返す逆両替を行うようにしてもよい。
【0082】
また、釣銭釣札機に、買い物客が前受けの小銭を投入する第2小銭投入口と、店員が買い物客から受け取った小銭を投入する第1小銭投入口とを別に設けることで、多くの小銭を投入してもらうことができ、それを釣り銭に利用できるため、釣銭釣札準備金を別途準備する手間を要することなく、釣銭釣札機内に準備金を補充することができる。すなわち、店側としては釣銭の準備の手間も軽減できる。
【符号の説明】
【0083】
1 レーン
2 スキャナ
3、7 入力部
4、5、6 表示部
8 プリンタ
10 POSレジ
15 第2のコイン受入れ口
16 第1のコイン受入れ口
17 コイン排出口
18 札排出口
19 札受入れ口
20 釣銭釣札機
22 スピーカ
23 第1表示部
24 第2表示部
25 制御部
26、42 CPU
27 表示制御部
28 釣銭釣札機I/F
30、44 メモリ
31 商品登録プログラム
32 代金精算処理プログラム
33 前受け小銭テーブル
34 入金札テーブル
35 商品登録テーブル
41 POSレジI/F
46 小銭集計プログラム
48 札集計プログラム
【技術分野】
【0001】
本発明は、レジでの精算(商品の登録処理)が効率よく行える販売商品登録システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーや量販店等に設置されたPOS(Point Of Sale)システムにおいて、レジでの精算時にバーコードで買い上げ商品を順次スキャンすることで、それぞれの買い上げ商品をPOSシステムに登録し、買い上げた各商品の合計金額を算出することが行われている。合計金額を提示された買い物客(顧客)は、その合計金額を多くの場合、現金で支払うことになる。この精算時における取引で殆どの場合、小銭の釣銭が発生する。
【0003】
この小銭の釣銭を発生させたくない大抵の顧客は、支払額を店員より告げられた場合、告げられてから小銭財布の中や財布の小銭袋の中を、支払額と端数が一致する小銭がないか探し始める。例えば、支払額(買い上げ金額)が1,238円であった場合、8円はないか、38円はないか、238円はないか等探し始める。
【0004】
そして、このようなことが一人の買い物客がレジで精算する度に繰り返され、後続の買い物客にとっては、迅速に精算処理が進まないためにイライラさせられ、レジでの精算に要する時間が長引くという問題がある。特に、混雑時には、レジでの待ち時間が一層長引いてしまう。
【0005】
そこで、このような問題を解決すべく、特許文献1では、電子キャッシュレジスタと前受け金処理ユニットを有する入出金装置とを備える商品販売登録データ処理装置が示されている。この装置では、客は小銭を入出金装置に前受け金として投入する。そして、前受け金の額と、その後の預かり金額とを加算した合計金額と、売上の合計金額との差額を不足分として表示し、客にどれだけ投入すればよいかを示している。しかし、レジでの精算時に客は小銭、紙幣(札)をどのタイミングで投入してもよいことから、必ずしもレジでの精算処理時の時間短縮にはつながらない、という問題がある。
【0006】
また、特許文献2では、POSレジを含むレジ精算システムが示されている。このシステムでは、一旦代金を受け取って釣銭を投出した後でも、追金を受け取って最小構成枚数で釣銭を再投出している。しかし、この特許文献2の方法では、それぞれの客が手持ちの小銭の枚数を減らすことはできるが、レジでの精算時の待ち時間は従来よりも増えてしまう。
【0007】
また、特許文献3では、システムサーバーと精算管理装置と精算装置とを含むショッピングシステムが示されている。このシステムでは、顧客の所持金に応じた釣銭額の最適化を図る情報を提供し、釣銭が所定枚数以下となるように、顧客の買い物を支援している。しかし、この特許文献3の方法では、小銭が増えないように買い物の内容までコントロールしなければならず、顧客にとって、そこまでして小銭を減らさなければならないのか疑問である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平06−348959号公報
【特許文献2】特開平10−049751号公報
【特許文献3】特開2010−020493号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、顧客が例えば財布内の小銭を探すことで、レジでの精算(商品の登録処理)が遅れることを回避できるとともに、精算時の利便性をよくすることを可能とした販売商品登録システムおよび方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
提案する販売商品登録システムは、商品を現金で購入するに際して、購入商品の登録を行うためのシステムであり、投入された小銭の合計金額を集計する小銭集計手段と、購入する商品の代金の合計金額を集計する購入金額集計手段と、前記購入金額集計手段により集計された合計金額と前記小銭集計手段により集計された合計金額との差額に応じて、札による支払い額とお釣りの組み合わせを算出する組み合わせ算出手段と、前記組み合わせ算出手段で算出された札による支払い額とお釣りの組み合わせを表示部に表示する表示制御手段と、を有する。
【0011】
前記販売商品登録システムにおいて、店員が小銭を投入するための第1小銭投入口と、買い物客が小銭を投入するための第2小銭投入口と、前記第2小銭投入口から投入された小銭を前記小銭集計手段に通知する通知手段と、を有する釣銭釣札機をさらに備えることもできる。
【発明の効果】
【0012】
提案する販売商品登録システムでは、始めに小銭を出し、続いて紙幣(札)を出す、というように、買い物客のレジ精算時の出金パターンをあえて限定することで、顧客が例えば財布内の小銭を探すことで、レジでの精算(商品の登録処理)が遅れることを回避できるとともに、前受け小銭投入後であり、買い上げ金額確定(小計キー押下)後の、札投入前の時点で、買い物客が投入する札種毎に、お釣り、前受け小銭からの返金パターンを提示でき、利用者(買い物客)にとって、精算時の利便性をよくすることができる。
【0013】
また、釣銭釣札機に、買い物客が前受けの小銭を投入する第2小銭投入口と、店員が買い物客から受け取った小銭を投入する第1小銭投入口とを別に設けることで、多くの小銭を投入してもらうことができ、それを釣り銭に利用できるため、多額の釣銭釣札準備金を別途準備する手間を要することなく、釣銭釣札機内に準備金を補充することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係る販売商品登録システムが設置されたレジを示す外観斜視図である。
【図2】図1のうちの、POSレジおよび釣銭釣札機を示す図である。
【図3】本実施形態の販売商品登録システムの主要部を示す図である。
【図4】商品登録テーブルのデータ構造を示す図である。
【図5】前受け小銭テーブルおよび入金札テーブルのデータ構造を示す図である。
【図6】商品登録処理のフローチャートである。
【図7】前受け小銭入金処理のフローチャートである。
【図8】支払い組み合わせを記憶した配列変数table(i,j)を示す図である。
【図9】支払い額、お釣り、前受け小銭からの返金の組み合わせ算出および表示処理のフローチャートである。
【図10】札入金処理のフローチャートである。
【図11】商品代金精算処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る販売商品登録システムが設置されたレジを示す外観斜視図である。
【0016】
図1に示すように、販売商品登録システムは、買い物かご(不図示)が載せられるレーン1、レーン1上の支柱に固定された、商品のバーコード読み取り用のスキャナ2、支柱先端部に設けられた入力部(キーボード)3、同じく支柱先端部に設けられた表示部(ディスプレイ)4、支柱に設けられ、画面が買い物客側に向けられて設置された表示部(ディスプレイ)5、を備える。
【0017】
また、POS(Point Of Sale)端末(POSレジスタ、以下では、単に、POSレジという)10、釣銭釣札機20をさらに備える。
【0018】
図1において、買い物客は、店舗で買い物をし、例えば複数の商品が入った買い物かごをレーン1上に載置する。これにより、商品登録に始まり、精算処理にまで至る一連のレジでの処理が始まる。
【0019】
店員(オペレータ)は、買い物かごから商品を1つずつ取り出し、レーン1上に設けられた支柱のスキャナ2の前まで移動させ、その商品に貼られたバーコードをスキャナ2に読み取らせることで、システム内での商品登録処理を行なう。
【0020】
スキャナ2により読み取られた商品のバーコードの情報は、ディスプレイ4に表示される。店員は、バーコードの読み取りが正しく行われたか等をディスプレイ4の画面表示内容を通して確認する。例えば、同一商品が買い物かごに複数入れられていた場合、店員はその同一商品のそれぞれをスキャンすることは通常行わず、初めの1つだけをスキャンし、その後、その同一商品の個数を入力部3のキーを押下して指定する。
【0021】
ディスプレイ5は、買い物客に対し、バーコードを読み取られた商品の情報(単価など)を表示する。
【0022】
POSレジ10は、図1や図2に示すように、ディスプレイ6、入力部(キーボード)7、プリンタ8、を備え、専用線21を通して、釣銭釣札機20に接続され、釣銭釣札機20とデータのやり取りを行う。
【0023】
釣銭釣札機20は、図1や図2に示すように、札受入れ口19、札排出口18、第1のコイン受入れ口16、第2のコイン受入れ口15、コイン排出口17、を備える。
【0024】
後述するように、第2のコイン受入れ口15から買い物客により前受け分のコイン(1円玉、5円玉、10円玉、50円玉、100円玉、500円玉)が投入される。
【0025】
図3は、本実施形態の販売商品登録システムの主要部を示す図である。
図3に示すように、POSレジ10は、メモリ30、制御部25を備える。制御部25は、第1表示部23、第2表示部24、スキャナ2、釣銭釣札機20、スピーカ22、に接続される。
【0026】
ここで、第1表示部23とは、店員(オペレータ)の確認用、訂正用などの情報が表示されるディスプレイであり、図1では、レジ内で業務を行う店員に向けられたディスプレイ4、6がこの第1表示部23に相当する。
【0027】
また、第2表示部24とは、買い物客に対する情報(商品単価、買い上げ金額など)が表示されるディスプレイであり、図1では、買い物客側に表示画面が向けられたディスプレイ5がこの第2表示部24に相当する。なお、図1には示されていないが、POSレジ10の横にも買い物客用のディスプレイをさらに設置してもよい。
【0028】
図3において、メモリ30には、商品登録プログラム31、代金精算処理プログラム32、前受け小銭テーブル33、入金札テーブル34、商品登録テーブル35、が記憶されている。
【0029】
商品登録処理時には、商品登録プログラム31がCPU26により実行される。この際、スキャナ2より商品のバーコードの値(商品コード)が読み取られ、そのバーコードの値から店舗で扱う全商品について、バーコード、商品名、単価、などを記憶した商品一覧テーブル(不図示)から読み取ったバーコードに対応する商品の情報が取得され、図4の商品登録テーブルに1行分のデータとして追加される。
【0030】
図4は、商品登録テーブルのデータ構造を示す図である。
図4に示すように、商品登録テーブル35は、バーコードの読み取り結果である商品コード、商品名、個数、単価、計(その商品に対する合計金額)、の各項目と、小計(買い上げ金額)とを有する。
【0031】
図4からも明らかなように、計はその列の個数の値と商品単価の値を乗算して得られ、計の総和をとることで買い上げ金額が求められる。図1の(キー)入力部7上には“小計キー”があり、その“小計キー”が押下されることで小計(買い上げ金額)が算出される。
【0032】
また、図3において、商品の代金精算時には、代金精算処理プログラム32がCPU26により実行される。この際、買い物客から前受け金として預かった小銭と、精算時に買い物客が支払った紙幣(札)との和から買い上げ金額が減算され、お釣りとして買い物客に渡される。図3では、買い物客が前受け小銭として第2のコイン受入れ口15から投入した金額を釣銭釣札機20のCPU42が小銭集計プログラム46を実行することにより集計する。ここで、”集計”とは、合計額を出すことを必ずしも意味せず、コインの種類毎の個数を求めるだけでもよい。集計結果はPOSレジ10の制御部25に通知される。そして、CPU26により、図3の前受け小銭テーブル33に格納される。
【0033】
前受け小銭テーブル33は、図5に示すように、コイン種別(1円玉、5円玉、10円玉、50円玉、100円玉、500円玉)毎の個数と、前受け金合計値との項目を有している。
【0034】
精算時の紙幣の入金についても、釣銭釣札機20のCPU42が札集計プログラム48を実行することにより金種毎の枚数を求める。コインの場合と同様に、金種毎の枚数を求めるだけでもよい。集計結果はPOSレジ10の制御部25に通知される。そして、CPU26により、図3の入金札テーブル34に格納される。
【0035】
入金札テーブル34は、図5に示すように、金種(1000円札、2000円札、5000円札、10000円札)毎の枚数と、入金した札の合計金額(合計値)との各項目を有している。
【0036】
図6は、商品登録処理のフローチャートである。
商品登録プログラム31がメモリ30から読み出されてCPU26により実行されることで、この図6のフローチャートの処理が実行される。
【0037】
図6のステップS1での入力待ち状態において、何らかの変化を検出すると、ステップS2において、商品スキャンであるかどうかを判定する。
【0038】
ステップS2で商品スキャンではないと判定された場合(ステップS2の判定結果がNoの場合)、ステップS6で小計キーが押下されたかどうかを判定する。
【0039】
ステップS6で小計キーが押下されていないと判定された場合(ステップS6の判定結果がNoの場合)、ステップS1の入力待ち状態に戻る。
【0040】
ステップS6で小計キーが押下されたと判定された場合(ステップS6の判定結果がYesの場合)、ステップS7において、後述するように、図7のフローチャートを用いた、投入済みの前受け金合計結果の値と、商品登録処理の結果として求められた買い上げ金額合計値とから、支払い金額とお釣の組み合わせを算出して、第1表示部23および第2表示部24に表示する。引き続きステップS8において、第2のコイン受入れ口15に対し、開閉扉のクローズ指示を制御部25から釣銭釣札機I/F28、POSレジI/F41を通して、釣銭釣札機20に発行する。なお、この組み合わせの算出方法については、図8および図9を参照して後述する。
【0041】
一方、ステップS2で商品スキャンであると判定された場合(ステップS2の判定結果がYesの場合)、ステップS3で、スキャンされた商品の情報が例えば図4に示した商品情報テーブル35の1行(レコード)として追加(登録)される。
【0042】
そして、続く、ステップS4で、この買い物客のこのレジでの最初の商品スキャンであるかどうか(商品登録テーブル35の最初の1行であるかどうか)を判定する。
【0043】
ステップS4で最初の商品スキャンではないと判定された場合(ステップS4の判定結果がNoの場合)、ステップS1の入力待ち状態に戻る。
【0044】
ステップS4で最初の商品スキャンであると判定された場合(ステップS4の判定結果がYesの場合)、ステップS5において、買い物客に対し、買い上げ金額合計値が出る前に、レジ横のコイン受入れ口から手持ちの小銭を投入するように促すメッセージを、スピーカ22を通してアナウンスしたり、または、第2表示部24上に表示したりする。そして、第2のコイン受入れ口15に対し、開閉扉のオープン指示を制御部25から釣銭釣札機I/F28、POSレジI/F41を通して、釣銭釣札機20に発行する。その後、ステップS1の入力待ち状態に戻る。なお、本システムが機能するには、商品登録が完了する前に、買い物客が手持ちの小銭を入金している必要があるが、このステップS5での小銭入金を促すメッセージの画面出力や音声出力、小銭受入れ口のオープンがシステム側での小銭入金を買い物客に前倒しで行わせることを担保させる処理に相当する。つまり、本実施形態では、最初に手持ちの小銭を投入し、精算時に不足分を紙幣(札)で支払うように買い物客のレジにおける行動を方向付けさせることで、買い物客の精算時の小銭探しをやめさせ、レジでの商品登録から精算までの一連の処理を短時間に効率よく行なうことができる。
【0045】
図7は、前受け小銭入金処理のフローチャートである。
このフローチャートの処理は釣銭釣札機20のCPU42がメモリ44から小銭集計プログラム46を読み出して実行することにより実行される。
【0046】
まず、第2のコイン受入れ口15がPOSレジからの指示でオープンし、ステップS10で、釣銭釣札機20が小銭の入金待ち状態になる。
【0047】
続く、ステップS11で、小銭の投入があったかどうかを判定する。
ステップS11で小銭の入金がなかったと判定された場合(ステップS11の判定結果がNoの場合)には、ステップS10に戻る。
【0048】
ステップS11で小銭の入金があったと判定された場合(ステップS11の判定結果がYesの場合)には、ステップS12で、小銭集計プログラムにより前受け金として投入された小銭の個数を、コイン種別毎に集計する。なお、必要ではないが、投入金額の合計値まで釣銭釣札機20側で算出してもよい。そして、その前受け金として投入された小銭のコイン種別毎に集計された個数をPOSレジ10に通知する。
【0049】
図6のステップS7で説明したように、投入済みの前受け金合計値と、商品登録処理の結果として求められた買い上げ金額合計値とから、支払い金額とお釣りの組み合わせを算出して、第1表示部23および第2表示部24に表示することを本実施形態では行うが、その詳細について以下に説明する。
【0050】
これは、前受け小銭の金額と、買い上げ金額から、精算時にこれだけ渡すとお釣りがいくらになるかを組み合わせとして算出し、ディスプレイ(第1表示部23および第2表示部24)上に表示する処理であり、具体的には、図8に示すように、差額(不足分)が少ないほど、支払いに使用可能な金種(選択可能な紙幣の種類)が増えるが、不足額に対して買い物客が支払う可能性がある紙幣(札)での金額の情報を支払い組み合わせとして、後述の図9のフローで使用する配列変数table(i,j)に事前に記憶しておき、該当する不足分相当額に応じて、table(i,j)の適切な要素を取得するものである。なお、配列table(i,j)において、第1の添え字iは、不足分相当額を示していて、i=0のとき不足分相当額1,000円(不足額1円〜1,000円に相当)、i=1のとき不足分相当額2,000円(不足額1,001円〜2,000円に相当)、・・・、i=8のとき不足分相当額9,000円(不足額8,001円〜9,000円に相当)を示している。また、実際の支払いパターンの数だけ第2の添え字jには有効な値が設定されている。なお、この有効な値とは、紙幣(札)での支払い金額である。よって、1000刻みの値が設定される。これに対し、無効な値とはあり得ない値のことであり、図8では”−1”を無効な値として設定している。例えば支払いパターンが2パターンしかない場合、3番目の支払いパターンの位置に無効な値として”−1”が設定される。
【0051】
図8の1行目は、不足分相当額が1,000円に相当するケースである。これは、買い上げ金額Bと前受け金Aとの差(買い上げ金額B−前受け金A)が1円と1,000円の間に入っている場合である。この場合、1,000円札1枚、5,000円札1枚、10,000円札1枚での支払いが可能ということであり、支払いパターンは3通りあることになる(ここでは、2,000円札は考慮しないが、考慮することも可能である)。これを、table(0,0)=1000、table(0,1)=5000、table(0,2)=10000と値を設定することで示している。
【0052】
図8の2行目は、不足分が2,000円に相当するケースである。これは、買い上げ金額Bと前受け金Aとの差(買い上げ金額B−前受け金A)が1,001円と2,000円の間に入っている場合である。この場合、1,000円札2枚、5,000円札1枚、10,000円札1枚での支払いが可能ということであり、支払いパターンは3通りあることになる。配列上では、table(1,0)=2000、table(1,1)=5000、table(1,2)=10000と値を設定する。
【0053】
3行目以降もこのように続けていくが、不足分が5,000円以上になると、支払いパターンは2通りになるため、最後の3列目に無効なデータであることを示す”−1”が設定されている。
【0054】
例えば、図8の6行目は、不足分が6,000円に相当するケースである。これは、買い上げ金額Bと前受け金Aとの差(買い上げ金額B−前受け金A)が5,001円と6,000円の間に入っている場合である。この場合、6,000円となる紙幣(札)の組み合わせ、10,000円札1枚での支払いが可能ということであり、支払いパターンは2通りあることになる。配列上では、table(5,0)=6000、table(5,1)=10000、table(5,2)=−1と値を設定する。
【0055】
さらに、不足分が10,000円以上の金額(ただし、1,000円刻み)に相当するケースでは紙幣(札)による支払いパターンとして1通りの組み合わせしかないことになる。図9では、この場合は別ロジックで対処している。配列table(i,j)の各要素中に、このケースは含まれない。
【0056】
例えば、不足分相当額12,000円の場合、これは、買い上げ金額Bと前受け金Aとの差(買い上げ金額B−前受け金A)が11,001円と12,000円の間に入っている場合であるが、金種をどのように組み合わせたとしても、12,000円分の紙幣を買い物客は準備しなければならず、組み合わせは1通りしかない。
【0057】
図9は、支払い額、お釣り、前受け小銭からの返金の組み合わせ算出および表示処理のフローチャートである。これはまた、図7のステップS7の詳細フローでもある。
【0058】
図9のステップS20で、前受け金Aが買い上げ金額Bより大きいかどうかを判定する。
【0059】
ステップS20で前受け金Aが買い上げ金額Bより大きいと判定された場合(ステップS20の判定結果がYesの場合)、ステップS29で、例えば「追加入金は必要ありません」というメッセージが第2表示部24に表示されて一連の処理を終了する(後述の図11のフローのステップS38に遷移する)。
【0060】
ステップS20で前受け金Aが買い上げ金額B以下であると判定された場合(ステップS20の判定結果がNoの場合)、ステップS21で、買い上げ金額Bと前受け金Aの差を1000で割った値が変数Iに設定される(I=(買い上げ金額B−前受け金A)/1000)。なお、変数Iは整数型変数であり、割り算の結果は変数Iに代入される時点で小数点以下が切り捨てられる。
【0061】
そして、続く、ステップS22で、変数Iが”9”以上であるかどうかを判定する。
ステップS22で変数Iが”9”以上であると判定された場合(ステップS22の判定結果がYesの場合)、これは、不足相当額が10,000円以上に相当するケースなので、上述の説明より支払いパターンが1通りしかなく、ステップS23で、1000×(I+1)円を買い物客が支払った場合についてのお釣りと前受け金Aからの返金とを算出し、第2表示部24に表示し、一連の処理を終了する(後述の図11のフローのステップS36に遷移する)。
【0062】
ステップS22で変数Iが”9”より小さいと判定された場合(ステップS22の判定結果がNoの場合)、これは、不足相当額が9,000円以下に相当するケースなので、上述の説明より支払いパターンが2通り以上ある。この場合、ステップS24でカウント用変数jを”0(ゼロ)”に初期化し、ステップS25〜ステップS28のループ処理を実行し、複数の支払いパターンの組み合わせのそれぞれを画面出力する。
【0063】
すなわち、ステップS25で、配列table(I,j)の値が”0(ゼロ)”より大きいかどうかを判定する(table(I,j)>0)。
【0064】
ステップS25で配列table(I,j)の値が”0(ゼロ)”より大きいと判定された場合(ステップS25の判定結果がYesの場合)、ステップS26で、table(I,j)円支払いがあった場合のお釣りと、前受け金Aからの返金とを算出し、第2表示部24上に(追加で)表示する。そして、ステップS27でカウント変数jをインクリメントし、ステップS28で、インクリメント後のjが2より大きいかどうかを判定する(j>2)。
【0065】
ステップS28でjが2より大きいと判定された場合(ステップS28の判定結果がYesの場合)、図8に示したように、支払いパターンは最大3通りしかなく、その3通りに対する出力処理が終わっているので、一連の処理を終了する(後述の図11のフローのステップS36に遷移する)。
【0066】
ステップS28でjが2以下であると判定された場合(ステップS28の判定結果がNoの場合)、図8に示したように、支払いパターンは最大3通りあり、まだ残っているので、ステップS25に戻り、以降の処理を続行する。
【0067】
図10は、札入金処理のフローチャートである。
このフローチャートの処理は釣銭釣札機20のCPU42がメモリ44から札集計プログラム48を読み出して実行することにより実行される。
【0068】
まず、POSレジ10の入力部7の小計キーが押下されたことに伴って、ステップS31で、釣銭釣札機20が紙幣(札)の入金待ち状態になる。
【0069】
続く、ステップS32で、紙幣(札)の店員による投入(入金)があったかどうかを判定する。
【0070】
ステップS32で紙幣(札)の入金がなかったと判定された場合(ステップS32の判定結果がNoの場合)には、ステップS31に戻る。
【0071】
ステップS32で紙幣(札)の入金があったと判定された場合(ステップS32の判定結果がYesの場合)には、ステップS33で、入金された札の金種毎の枚数を集計する。なお、必要ではないが、投入金額の合計値まで釣銭釣札機20側で算出してもよい。そして、その投入された札の金種毎に集計された枚数をPOSレジ10に通知する。
【0072】
図11は、商品代金精算処理のフローチャートである。
代金精算処理プログラム32をCPU26が読み込んで実行することで、この図11のフローチャートの処理が実行される。
【0073】
図9のフローチャートの処理がステップS23、または、ステップS28におけるYes判定で終了した後に、図11のステップS36の買い物客による前受け小銭で足りなかった分の入金待ち状態に遷移する。
【0074】
続く、ステップS37で、紙幣(札)の入金があったかどうかを判定する。
ステップS37で紙幣(札)の入金がなかったと判定された場合(ステップS37の判定結果がNoの場合)、ステップS36の入金待ち状態に戻る。
【0075】
ステップS37で紙幣(札)の入金があったと判定された場合(ステップS37の判定結果がYesの場合)、ステップS38で、釣銭釣札機20から通知された、投入された札の合計値と、前受けした小銭の合計値とを加算した値(A)から買い上げ金額(B)を減算した値(C)をお釣りとして求め、お釣り(C)のうちの1,000円未満の端数が前受け小銭額より少なければ前受け金から返金し、お釣りを紙幣(札)と、小銭(返金と表示)とに分けて第1表示部23および第2表示部24上に表示する。そして、一連の処理を終了する。
【0076】
なお、前受け小銭の金額がお釣りのうちの1,000円未満の端数より少ない場合は、前受け小銭の金額に1,000円を加算したものから、そのお釣りの端数を減算し、便宜上、これを返金として第1表示部23および第2表示部24上に表示する。
【0077】
また、図9のステップS29の処理を終了した後は、直ちに図11のステップS38に遷移するが、この場合、前受けした小銭で精算可能であるため、紙幣の追加入金はなく、上述のステップS38の処理で、投入された札の合計値を“0(ゼロ)”とみなす。
【0078】
以上で説明したレジにおける商品登録から精算までの一連の流れについて具体的なデータを挙げて説明する。
【0079】
レジでの商品登録時に、アナウンス等により買い物客が889円の小銭を投入し、その内訳が図5の前受け小銭テーブル33に示すように、1円玉:4枚、5円玉:1枚、10円玉:8枚、50円玉:0枚、100円玉:3枚、500円玉:1枚であった場合で、さらに商品登録処理の結果として商品の買い上げ金額が1,238円であった場合、本実施形態の支払い額とお釣り、返金の組み合わせ表示方法によれば、
支払い金額:1,238円
1,000円渡すと、0円のお釣りと651円の返金
5,000円渡すと、4,000円のお釣りと651円の返金
10,000円渡すと、9,000円のお釣りと651円の返金
という具合に支払いパターンが3通り、第1表示部23および第2表示部24上に表示される。なお、精算時のルールとして、500円玉は硬貨(コイン)であっても精算に使用してよい、2,000円札の使用も前提とする、など追加することも可能である。この場合、画面表示は、
支払い金額:1,238円
1,000円渡すと、0円のお釣りと651円の返金
1,500円渡すと、500円のお釣りと651円の返金
2,000円渡すと、1,000円のお釣りと651円の返金
5,000円渡すと、4,000円のお釣りと651円の返金
10,000円渡すと、9,000円のお釣りと651円の返金
となり、一層多くの支払いパターンを提示できる。なお、いずれの画面表示においても、“お釣り”とは、精算時に支払われた紙幣からのお釣り(の紙幣)のことであり、“返金”とは、前受け小銭からの返金ということである。
【0080】
以上説明したように、本実施形態の販売商品登録システムでは、始めに小銭を出し、続いて紙幣(札)を出す、というように、買い物客のレジ精算時の出金パターンをあえて限定することで、顧客が例えば財布内の小銭を探すことで、レジでの精算(商品の登録処理)が遅れることを回避できるとともに、前受け小銭投入後であり、買い上げ合計金額確定(小計キー押下)後の、札投入前の時点で、買い物客が投入する札種毎に、お釣り、前受け小銭からの返金パターンを提示でき、利用者(買い物客)にとって、精算時の利便性をよくすることができる。この結果、従来見られたような、買い物客が支払い額を店員から告げられてから支払い額丁度または少しでも小銭が減るように財布の中を買い物客が探す必要がなくなるので、買い物客1人にかかるレジ時間を短縮できる。また、買い物客には財布内の小銭が減るので喜ばれ、店の集客効果も期待できる。
【0081】
また、以上の実施例では説明しなかったが、買い物客から精算時に小銭をさらに受け取り、買い物客には紙幣(札)を返す逆両替を行うようにしてもよい。
【0082】
また、釣銭釣札機に、買い物客が前受けの小銭を投入する第2小銭投入口と、店員が買い物客から受け取った小銭を投入する第1小銭投入口とを別に設けることで、多くの小銭を投入してもらうことができ、それを釣り銭に利用できるため、釣銭釣札準備金を別途準備する手間を要することなく、釣銭釣札機内に準備金を補充することができる。すなわち、店側としては釣銭の準備の手間も軽減できる。
【符号の説明】
【0083】
1 レーン
2 スキャナ
3、7 入力部
4、5、6 表示部
8 プリンタ
10 POSレジ
15 第2のコイン受入れ口
16 第1のコイン受入れ口
17 コイン排出口
18 札排出口
19 札受入れ口
20 釣銭釣札機
22 スピーカ
23 第1表示部
24 第2表示部
25 制御部
26、42 CPU
27 表示制御部
28 釣銭釣札機I/F
30、44 メモリ
31 商品登録プログラム
32 代金精算処理プログラム
33 前受け小銭テーブル
34 入金札テーブル
35 商品登録テーブル
41 POSレジI/F
46 小銭集計プログラム
48 札集計プログラム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を現金で購入するに際して、購入商品の登録を行うための販売商品登録システムにおいて、
投入された小銭の合計金額を集計する小銭集計手段と、
購入する商品の代金の合計金額を集計する購入金額集計手段と、
前記購入金額集計手段により集計された合計金額と前記小銭集計手段により集計された合計金額との差額に応じて、札による支払い額とお釣りの組み合わせを算出する組み合わせ算出手段と、
前記組み合わせ算出手段で算出された札による支払い額とお釣りの組み合わせを表示部に表示する表示制御手段と、を有することを特徴とする販売商品登録システム。
【請求項2】
商品購入者に対し、購入商品に対する登録処理開始後の所定のタイミングで、手持ちの小銭を小銭受入れ口から投入するように促す報知手段、をさらに有することを特徴とする請求項1記載の販売商品登録システム。
【請求項3】
前記購入商品に貼り付けられた商品識別情報を読み取る読取り手段をさらに有し、
前記所定のタイミングとは、前記商品購入者が購入した商品の最初の1つの商品識別情報を読み取ったときであることを特徴とする請求項2記載の販売商品登録システム。
【請求項4】
前記お釣りは、札によるお釣りと、前記投入された小銭からの返金額に分けられ、
前記組み合わせ算出手段は、前記札による支払い額に対応付けられるお釣りの千円未満の端数を前記投入された小銭から減算して返金額として算出することを特徴とすることを特徴とする請求項1記載の販売商品登録システム。
【請求項5】
前記投入された小銭の額が前記お釣りの端数より少なかった場合に、前記小銭の額に千円加算してから、減算し返金額を求めることを特徴とする請求項4記載の販売商品登録システム。
【請求項6】
商品を現金で購入するに際して、購入商品の登録を行うための販売商品登録方法において、
投入された小銭の合計金額を集計する小銭集計ステップと、
購入する商品の代金の合計金額を集計する購入金額集計ステップと、
前記購入金額集計ステップで集計された合計金額と前記小銭集計ステップで集計された合計金額との差額に応じて、札による支払い額とお釣りの組み合わせを算出する組み合わせ算出ステップと、
前記組み合わせ算出ステップで算出された札による支払い額とお釣りの組み合わせを表示部に表示する表示制御ステップと、を有することを特徴とする販売商品登録方法。
【請求項1】
商品を現金で購入するに際して、購入商品の登録を行うための販売商品登録システムにおいて、
投入された小銭の合計金額を集計する小銭集計手段と、
購入する商品の代金の合計金額を集計する購入金額集計手段と、
前記購入金額集計手段により集計された合計金額と前記小銭集計手段により集計された合計金額との差額に応じて、札による支払い額とお釣りの組み合わせを算出する組み合わせ算出手段と、
前記組み合わせ算出手段で算出された札による支払い額とお釣りの組み合わせを表示部に表示する表示制御手段と、を有することを特徴とする販売商品登録システム。
【請求項2】
商品購入者に対し、購入商品に対する登録処理開始後の所定のタイミングで、手持ちの小銭を小銭受入れ口から投入するように促す報知手段、をさらに有することを特徴とする請求項1記載の販売商品登録システム。
【請求項3】
前記購入商品に貼り付けられた商品識別情報を読み取る読取り手段をさらに有し、
前記所定のタイミングとは、前記商品購入者が購入した商品の最初の1つの商品識別情報を読み取ったときであることを特徴とする請求項2記載の販売商品登録システム。
【請求項4】
前記お釣りは、札によるお釣りと、前記投入された小銭からの返金額に分けられ、
前記組み合わせ算出手段は、前記札による支払い額に対応付けられるお釣りの千円未満の端数を前記投入された小銭から減算して返金額として算出することを特徴とすることを特徴とする請求項1記載の販売商品登録システム。
【請求項5】
前記投入された小銭の額が前記お釣りの端数より少なかった場合に、前記小銭の額に千円加算してから、減算し返金額を求めることを特徴とする請求項4記載の販売商品登録システム。
【請求項6】
商品を現金で購入するに際して、購入商品の登録を行うための販売商品登録方法において、
投入された小銭の合計金額を集計する小銭集計ステップと、
購入する商品の代金の合計金額を集計する購入金額集計ステップと、
前記購入金額集計ステップで集計された合計金額と前記小銭集計ステップで集計された合計金額との差額に応じて、札による支払い額とお釣りの組み合わせを算出する組み合わせ算出ステップと、
前記組み合わせ算出ステップで算出された札による支払い額とお釣りの組み合わせを表示部に表示する表示制御ステップと、を有することを特徴とする販売商品登録方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−69212(P2013−69212A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−208831(P2011−208831)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】
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